以下、本発明を実施するための形態として、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。
<電子部品装着装置の構成>
図1および図2に、電子部品装着装置(以下、「装着装置」と略す場合がある)10を示す。図1は、装着装置10の外装部品の一部を取り除いた斜視図であり、図2は、カバー等を外した状態の装着装置10を上方からの視点で示した平面図である。装着装置10は、1つのシステムベース12と、そのシステムベース12の上に隣接された2台の電子部品装着機(以下、「装着機」と略す場合がある)14とを有している。なお、装着機14の並ぶ方向をX軸方向と称し、その方向に直角な水平の方向をY軸方向と称する。
各装着機14は、主に、装着機本体20、搬送装置22、装着ヘッド移動装置(以下、「移動装置」と略す場合がある)24、装着ヘッド26、供給装置28、ノズル収容装置(図2参照)30を備えている。装着機本体20は、フレーム部32と、そのフレーム部32に上架されたビーム部34とによって構成されている。
搬送装置22は、2つのコンベア装置40,42を備えている。それら2つのコンベア装置40,42は、互いに平行、かつ、X軸方向に延びるようにフレーム部32に配設されている。2つのコンベア装置40,42の各々は、電磁モータ(図7参照)46によって各コンベア装置40,42に支持される回路基板をX軸方向に搬送する。また、回路基板は、所定の位置において、基板保持装置(図7参照)48によって固定的に保持される。
移動装置24は、XYロボット型の移動装置である。移動装置24は、スライダ50をX軸方向にスライドさせる電磁モータ(図7参照)52と、Y軸方向にスライドさせる電磁モータ(図7参照)54とを備えている。スライダ50には、装着ヘッド26が取り付けられており、その装着ヘッド26は、2つの電磁モータ52,54の作動によって、フレーム部32上の任意の位置に移動させられる。
装着ヘッド26は、回路基板に対して電子部品を装着するものである。装着ヘッド26は、図3に示すように、棒状の装着ユニット60を複数有しており、それら複数の装着ユニット60の各々の下端部には、吸着ノズル62が装着されている。各吸着ノズル62は、負圧エア,正圧エア通路を介して、正負圧供給装置(図7参照)64に通じている。吸着ノズル62は、負圧によって電子部品を吸着保持し、保持した電子部品を正圧によって離脱する。棒状の装着ユニット60は、ユニット保持体66の外周部に、等角度ピッチで、軸方向が垂直となる状態に保持されている。そして、各吸着ノズル62が、ユニット保持体66の下面から下方に向かって延び出している。なお、吸着ノズル62は、装着ユニット60の下端部に着脱可能である。
また、ユニット保持体66は、保持体回転装置68によって、装着ユニット60の配設角度ピッチに等しい角度ずつ間欠回転させられる。これにより、装着ユニット60の1つの停止位置である昇降ステーションに、複数の装着ユニット60が、順次停止する。昇降ステーションに停止した装着ユニット60は、ユニット昇降装置70によって昇降する。また、昇降ステーションに停止した装着ユニット60は、ユニット自転装置72によって自転させられる。
供給装置28は、フィーダ型の供給装置であり、フレーム部32の前方側の端部に配設されている。供給装置28は、テープフィーダ74を有している。テープフィーダ74は、テープ化部品を巻回させた状態で収容している。テープ化部品は、電子部品がテーピング化されたものである。そして、テープフィーダ74は、送出装置(図7参照)76によって、テープ化部品を送り出す。これにより、フィーダ型の供給装置28は、テープ化部品の送り出しによって、電子部品を供給位置において供給する。
また、テープフィーダ74は、フレーム部32の前方側の端部に固定的に設けられたデバイス保持台78に着脱可能とされている。デバイス保持台78は、フレーム部32の上面に設けられたスライド部80と、そのスライド部80の端部に立設された立設面部(図4参照)82とから構成されている。スライド部80には、Y軸方向に延びるように複数のスライド溝(図4参照)86が形成されている。一方、テープフィーダ74の下縁部には、レール(図示省略)が取り付けられており、そのレールは、スライド溝86に嵌合させることが可能である。そして、テープフィーダ74のレールをスライド溝86に嵌合させた状態で立設面部82に接近させる方向にスライドさせることで、テープフィーダ74の側壁面が立設面部82に取り付けられる。なお、テープフィーダ74の側壁面には、コネクタ(図示省略)が固定されており、そのコネクタは、立設面部82に形成されたコネクタ接続部(図4参照)88に接続される。
ノズル収容装置30は、複数の吸着ノズル62を収容する装置であり、テープフィーダ74の隣に配設されている。ノズル収容装置30は、図4に示すように、収容装置本体部100とカートリッジ部102とによって構成されており、カートリッジ部102は、収容装置本体部100にワンタッチで着脱可能とされている。なお、カートリッジ部102を収容装置本体部100にワンタッチで着脱するための機構、つまり、装着と取り外しとを再現性よく、繰返し行うことが可能な機構として、スライド機構,クランプ機構,スプリング式,磁石式等のロック機構等を採用することが可能である。
収容装置本体部100の内部には、概してU字型の本体側収容路104が形成されており、その本体側収容路104の一端部は、カートリッジ部102の装着位置に、開口している。一方、カートリッジ部102は、棒状をなし、それの内部には、I字型のカートリッジ側収容路106が形成されている。そして、カートリッジ部102が収容装置本体部100に装着されることで、カートリッジ側収容路106と本体側収容路104とが接続される。
また、本体側収容路104およびカートリッジ側収容路106には、複数の収容ブロック108が挿入されている。複数の収容ブロック108は、1列に並べられており、互いに揺動可能に連結されている。これにより、複数の収容ブロック108の連結部が変形することで、それら複数の収容ブロック108が一体となって、本体側収容路104およびカートリッジ側収容路106の内部を移動する。
各収容ブロック108の上面には、図5に示すように、ノズル収容凹部110が形成されており、そのノズル収容凹部110に吸着ノズル62が収容される。詳しくは、吸着ノズル62は、ノズル部112とフランジ部114と掛止ピン116とによって構成されている。一方、収容ブロック108の上面には、段付形状のノズル収容凹部110が形成されている。そして、ノズル収容凹部110の段差部118に、吸着ノズル62のフランジ部114が載置されることで、ノズル部112のフランジ部114より下の部分が、ノズル収容凹部110の中央の凹部120に挿入される。このようにして、収容ブロック108には、1個の吸着ノズル62が収容される。
なお、吸着ノズル62のフランジ部114には、ノッチ(図示省略)が形成されており、ノズル収容凹部110の段差部118には、ピン(図示省略)が立設されている。そして、フランジ部114が段差部118に載置される際には、ピンとノッチとが係合する。これにより、収容ブロック108に収容された吸着ノズル62は、ノズル部112の軸回りの回転が禁止される。
また、ノズル収容装置30は、複数の収容ブロック108を、本体側収容路104およびカートリッジ側収容路106の内部で移動させる電磁モータ(図7参照)122を有しており、収容ブロック108は、電磁モータ122の作動により、本体側収容路104およびカートリッジ側収容路106の内部で任意の位置に移動する。これにより、複数の収容ブロック108を、カートリッジ部102とともに、収容装置本体部100から取り外すことができる。詳しくは、複数の収容ブロック108を、電磁モータ122の作動により、カートリッジ部102のカートリッジ側収容路106側に移動させ、図4(b)に示すように、カートリッジ側収容路106内に収容する。そして、図4(c)に示すように、カートリッジ側収容路106内に複数の収容ブロック108を収容した状態のカートリッジ部102を、収容装置本体部100から取り外す。これにより、複数の収容ブロック108が、カートリッジ部102とともに、収容装置本体部100から取り外される。
さらに、ノズル収容装置30は、収容装置本体部100の上面に配設されたノズル供給・収納機構126を有している。ノズル供給・収納機構126は、収容ブロック108に収容された吸着ノズル62を供給し、装着ヘッド26の装着ユニット60の下端部に取り付けるための機構である。また、装着ヘッド26の装着ユニット60の下端部に取り付けられた吸着ノズル62を装着ユニット60から取り外し、収容ブロック108に収納するための機構である。
詳しくは、ノズル供給・収納機構126は、図5に示すように、ノズルソケット128とノズルシャッタ130と支持タワー132とシャッタ開閉機構134とソケット昇降機構136とを有している。ノズルソケット128は、概して溝形状をなしており、所定位置の収容ブロック108を下方から、溝内部において支持する。ノズルシャッタ130は、支持タワー132の上端部に固定されており、ノズルソケット128の上方に延び出している。これにより、ノズルシャッタ130は、ノズルソケット128の溝内部を覆っている。つまり、ノズルソケット128の溝内部において支持された収容ブロック108の上方を覆っている。支持タワー132は、ノズル収容装置30の収容装置本体部100に立設されており、上下方向および、ノズルソケット128に接近・離間する方向に移動可能とされている。
シャッタ開閉機構134は、基端部138と支持レール140とソケット支持部142とを有している。基端部138は、支持タワー132に、上下方向に移動可能に保持されている。支持レール140は、一端部において、基端部138に固定されており、概して水平方向に延び出している。ソケット支持部142は、支持レール140に、それの軸線方向に移動可能に支持されており、ノズルソケット128の下面に固定されている。そのソケット支持部142は、電磁モータ(図7参照)144の駆動によって、支持レール140に沿って移動する。これにより、ソケット支持部142と基端部138、つまり、支持タワー132とは、接近・離間する。
ソケット昇降機構136は、ブロック支持部146と支持レール148とを有している。支持レール148は、上下方向に延びるようにして、ソケット支持部142に固定されている。ブロック支持部146は、その支持レール148に、それの軸線方向に移動可能に支持されており、ブロック支持部146の上端部は、ノズルソケット128の底部に形成された貫通穴(図示省略)を介して、ノズルソケット128の内部に進入している。そして、ブロック支持部146は、電磁モータ(図7参照)150の駆動によって、支持レール148に沿って移動する。これにより、ブロック支持部146は、上下方向に移動する。
ノズル供給・収納機構126は、このような構造により、収容ブロック108に収容された吸着ノズル62を供給し、供給された吸着ノズル62が、装着ヘッド26の装着ユニット60の下端部に取り付けられる。また、装着ヘッド26の装着ユニット60の下端部に取り付けられた吸着ノズル62が、装着ユニット60から取り外され、ノズル供給・収納機構126は、取り外された吸着ノズル62を収容ブロック108に収納する。
詳しくは、電磁モータ122の駆動により、複数の収容ブロック108のうちの、供給対象となる吸着ノズル62を収容する収容ブロック108を、ノズル供給・収納機構126の配設位置に移動させる。そして、ソケット昇降機構136の電磁モータ150の駆動により、ブロック支持部146を上方に移動させる。これにより、収容ブロック108は、図6(a)に示すように、ブロック支持部146によって、ノズルソケット128から上方に押し上げられる。この際、ノズルシャッタ130は、ノズルソケット128により押し上げられ、上方に移動する。さらに、支持タワー132も、ノズルシャッタ130の上昇に伴って、上方に移動する。
続いて、装着ヘッド26を、移動装置24によってノズル供給・収納機構126の上方に移動させ、装着ユニット60を、ユニット昇降装置70によって下降させる。装着ユニット60の下端部には、吸着ノズル62の掛止ピン116を掛止可能な被掛止部(図示省略)が形成されており、装着ユニット60の下降により、吸着ノズル62の掛止ピン116が、図6(b)に示すように、装着ユニット60の被掛止部に挿入する。掛止ピン116が装着ユニット60の被掛止部に挿入すると、装着ユニット60を、ユニット自転装置72によって自転させる。これにより、吸着ノズル62の掛止ピン116が被掛止部においてロックされる。
次に、シャッタ開閉機構134の電磁モータ144の駆動により、図6(c)に示すように、ソケット支持部142と支持タワー132とを離間させる。これにより、ノズルシャッタ130が、支持タワー132とともに移動し、収容ブロック108のノズル収容凹部110が開口する。この際、ノズルシャッタ130は、ノズル収容凹部110を覆っていないが、収容ブロック108の縁部を押さえている。
ノズル収容凹部110が開口すると、図6(d)に示すように、装着ユニット60を、ユニット昇降装置70によって上昇させる。この際、収容ブロック108の縁部は、ノズルシャッタ130によって押さえられているため、吸着ノズル62を収容ブロック108から確実に取り出すことが可能となる。つまり、吸着ノズル62とともに、収容ブロック108を持ちさることを防止することが可能となる。
吸着ノズル62が収容ブロック108から取り出されると、シャッタ開閉機構134の電磁モータ144の駆動により、図6(e)に示すように、ソケット支持部142と支持タワー132とを接近させる。これにより、ノズルシャッタ130が、支持タワー132とともに移動し、収容ブロック108のノズル収容凹部110を覆う。このようにして、収容ブロック108に収容された吸着ノズル62が供給され、その供給された吸着ノズル62が、装着ユニット60の下端部に取り付けられる。
また、装着ユニット60の下端部に取り付けられた吸着ノズル62が、装着ユニット60から取り外され、収容ブロック108に収納される際には、上述した手順を逆に実行すればよい。このため、吸着ノズル62の装着ユニット60からの取り外し、および、収容ブロック108への吸着ノズル62の収納についての説明は省略する。
また、ノズル収容装置30は、テープフィーダ74と同様に、デバイス保持台78に着脱可能とされている。詳しくは、ノズル収容装置30の収容装置本体部100には、図4に示すように、レール160が取り付けられており、そのレール160は、スライド部80のスライド溝86に嵌合可能である。そして、レール160をスライド溝86に嵌合させた状態で、ノズル収容装置30を立設面部82に接近させる方向にスライドさせることで、ノズル収容装置30の側壁面が立設面部82に取り付けられる。なお、ノズル収容装置30の側壁面には、コネクタ162が固定されており、そのコネクタ162は、立設面部82のコネクタ接続部88に接続される。これにより、ノズル収容装置30は、装着機14に電気的に接続される。
これにより、デバイス保持台78には、テープフィーダ74とノズル収容装置30との何れをも装着することが可能であり、何れもが、ワンタッチで着脱される。このため、例えば、デバイス保持台78にテープフィーダ74のみが装着されており、ノズル収容装置30の装着箇所が無い場合には、テープフィーダ74をデバイス保持台78から取り外し、テープフィーダ74の代わりにノズル収容装置30を装着することが可能である。つまり、テープフィーダ74および、ノズル収容装置30のデバイス保持台78への取付関係は規格化されている。このため、デバイス保持台78のスライド溝には、使用する複数種類のテープフィーダ74,ノズル収容装置30等がワンタッチで取り付け、および、取り外しが可能であり、各々の取付精度は、再現性および互換性を有する。なお、上述した収容装置本体部100とカートリッジ部102との関係も、同様であり、収容装置本体部100には複数種類のカートリッジ部102がワンタッチで取り付け、および、取り外しが可能であり、各々の取付精度は、再現性および互換性を有する。
また、装着機14は、マークカメラ(図7参照)170およびパーツカメラ(図1,2,7参照)172を備えている。マークカメラ170は、下方を向いた状態でスライダ50の下面に固定されており、移動装置24によって移動させられることで、フレーム部32上の任意の位置を撮像する。一方、パーツカメラ172は、上を向いた状態で搬送装置22とデバイス保持台78との間に配設されており、装着ヘッド26に保持された電子部品等を撮像する。
また、パーツカメラ172の側方には、図2に示すように、ノズルチェンジャ176が配設されている。ノズルチェンジャ176には、複数のノズル収容部178が形成されており、各ノズル収容部178には、吸着ノズル62が収容される。ノズルチェンジャ176は、ノズル収容装置30と同様に、ノズル収容部178に収容された吸着ノズル62の供給および、装着ユニット60の下端部に取り付けられた吸着ノズル62の収納を行うことが可能とされている。なお、ノズルチェンジャ176での吸着ノズル62の供給および収納の手順は、ノズル収容装置30での吸着ノズル62の供給および収納の手順と同様であることから、ノズルチェンジャ176での吸着ノズル62の供給および収納の手順の説明は省略する。
装着機14は、さらに、図7に示すように、制御装置180を備えている。制御装置180は、コントローラ182と複数の駆動回路186とを備えている。複数の駆動回路186は、上記電磁モータ46,52,54、基板保持装置48、正負圧供給装置64、保持体回転装置68、ユニット昇降装置70、ユニット自転装置72、送出装置76に接続されている。コントローラ182は、CPU,ROM,RAM等を備え、コンピュータを主体とするものであり、複数の駆動回路186に接続されている。これにより、搬送装置22、移動装置24等の作動が、コントローラ182によって制御される。また、コントローラ182は、マークカメラ170およびパーツカメラ172によって得られた画像データを処理する画像処理装置188に接続されている。これにより、コントローラ182は、画像データから各種情報を取得する。
コントローラ182は、さらに、ノズル収容装置30の通信部190に接続されている。通信部190は、ノズル収容装置30のコネクタ162が立設面部82のコネクタ接続部88に接続されることで、コントローラ182と各種情報の送受信を行うものである。ノズル収容装置30は、電磁モータ122,144,150に対応する複数の駆動回路192を有しており、それら複数の駆動回路192は、通信部190に接続されている。これにより、通信部190が、コントローラ182から電磁モータ122,144,150の作動に関する情報を受信することで、電磁モータ122,144,150、つまり、ノズル収容装置30の作動が制御される。ノズル収容装置30は、さらに、記憶部196を有しており、記憶部196は、通信部190に接続されている。記憶部196には、ノズル収容装置30に関する情報が記憶されており、通信部190は、ノズル収容装置30に関する情報を、コントローラ182に送信する。
<装着機による装着作業>
装着機14では、上述した構成によって、搬送装置22に保持された回路基板に対して、装着ヘッド26によって装着作業を行うことが可能とされている。具体的には、コントローラ182の指令により、回路基板が作業位置まで搬送され、その位置において、基板保持装置48によって固定的に保持される。また、テープフィーダ74は、コントローラ182の指令により、テープ化部品を送り出し、電子部品を供給位置において供給する。そして、装着ヘッド26が、コントローラ182の指令により、電子部品の供給位置の上方に移動し、吸着ノズル62によって電子部品を吸着保持する。続いて、装着ヘッド26は、コントローラ182の指令により、回路基板の上方に移動し、保持している電子部品を回路基板上に装着する。
<ノズル収容装置による吸着ノズルの供給および収納>
装着機14では、上述したように、テープフィーダ74によって供給された電子部品を、吸着ノズル62によって吸着保持し、その電子部品が回路基板上に装着される。このように構成された装着機14では、電子部品の大きさ,種類等に応じて、吸着ノズル62が変更される。つまり、例えば、大きな電子部品を吸着保持する際には、径の大きな吸着ノズル62が用いられ、小さな電子部品を吸着保持する際には、径の小さな吸着ノズル62が用いられる。一方で、回路基板には、様々な大きさ,種類の電子部品が装着される。このため、装着ヘッド26の複数の装着ユニット60には、装着対象の回路基板に応じて、複数種類の吸着ノズル62が装着されている。また、ノズルチェンジャ176には、装着ユニット60に装着されている吸着ノズル62と同じ種類の吸着ノズル62が、予備の吸着ノズル62として収容されている。このため、装着ユニット60に装着されている吸着ノズル62に異常等が発生した場合には、装着ユニット60に装着されている吸着ノズル62と、ノズルチェンジャ176に収容されている予備の吸着ノズル62とが交換される。また、ノズルチェンジャ176には、装着ユニット60に装着されている吸着ノズル62と異なる種類の吸着ノズル62も収容されている。このため、その異なる種類の吸着ノズル62が装着作業に必要な場合には、装着ユニット60に装着されている吸着ノズル62と、ノズルチェンジャ176に収容されている吸着ノズル62とが交換される。
ただし、ノズルチェンジャ176に収容可能な吸着ノズル62の数は、比較的少ないため、多くの予備の吸着ノズル62,多くの種類の吸着ノズル62等を、ノズルチェンジャ176に収容することができない。このため、ノズルチェンジャ176への吸着ノズル62の補給、ノズルチェンジャ176からの吸着ノズル62の回収等の回数が多くなり、手間である。特に、装着機14では、ノズルチェンジャ176への吸着ノズル62の補給等を行う際には、装着機14をシステムベース12の前方に引き出す必要が有り、非常に手間である。また、装着作業中に、ノズルチェンジャ176への吸着ノズル62の補給等を行うためには、装着作業を中断しなければならないため、作業性が低下する。
このようなことに鑑みて、装着機14に、ノズル収容装置30を装着することができる。ノズル収容装置30は、上述したように、複数の収容ブロック108のうちの任意のものを、ノズル供給・収納機構126の配設位置、つまり、供給・収納位置に移動させることが可能である。そして、供給・収納位置において、吸着ノズル62の装着ユニット60への供給、および、装着ユニット60に装着されている吸着ノズル62の収納を行うことが可能である。
このため、例えば、装着ユニット60に装着されている吸着ノズル62に異常等が発生した場合に、装着ユニット60に装着されている吸着ノズル62と、ノズル収容装置30に収容されている予備の吸着ノズル62とを交換し、交換された吸着ノズル62によって装着作業を行うことが可能である。また、装着ユニット60に装着されている吸着ノズル62と異なる種類の吸着ノズル62が、装着作業に必要な場合には、装着ユニット60に装着されている吸着ノズル62と、ノズル収容装置30に収容されている吸着ノズル62とを交換し、交換された吸着ノズル62によって装着作業を行うことが可能である。
なお、装着ユニット60に装着されている吸着ノズル62と、ノズル収容装置30に収容されている吸着ノズル62との交換作業時には、交換対象の吸着ノズル62が、装着ユニット60から取り外され、ノズル収容装置30の収容ブロック108に収納される。そして、吸着ノズル62の取り外された装着ユニット60に、ノズル収容装置30に収容されている吸着ノズル62が装着されるが、各々の作業の手順は、上述していることから、説明は省略する。ただし、装着ユニット60に適切な吸着ノズル62を装着するべく、吸着ノズル62の確認作業を行うことが可能である。
詳しくは、吸着ノズル62のフランジ部114の上面には、2Dコード等の識別記号が記されている。このため、収容ブロック108に収容されている吸着ノズル62が、装着ユニット60に装着される前には、その吸着ノズル62の識別記号が、マークカメラ170によって撮像される。この撮像データは、画像処理装置188によって処理され、コントローラ182に送信される。コントローラ182では、送信された撮像データに基づいて、吸着ノズル62の種類が判別される。これにより、収容ブロック108に収容されている吸着ノズル62が、装着対象の吸着ノズル62であるか否かを判定することが可能となり、装着ユニット60に適切な吸着ノズル62を装着することが可能となる。なお、この確認作業は、後に説明するように、カートリッジ部102に記された識別記号により、ノズル収容装置30に収容された吸着ノズル62の種類が判別された場合には、省略することが可能となる。また、この確認作業と、カートリッジ部102に記された識別記号による吸着ノズル62の種類の確認作業とを、併用することで、吸着ノズル62の判別精度を高くすることが可能となる。
また、装着ユニット60に装着されている吸着ノズル62に異常等が発生し、装着ユニット60に装着されている吸着ノズル62と、ノズルチェンジャ176に収容されている予備の吸着ノズル62とが交換された場合に、その異常の発生した吸着ノズル62を、ノズルチェンジャ176からノズル収容装置30に移動させることが可能である。また、ノズルチェンジャ176に吸着ノズル62の収容されていないノズル収容部178が有る場合には、そのノズル収容部178に、予備の吸着ノズル62,装着ユニット60に装着されている吸着ノズル62と異なる種類の吸着ノズル62等を、ノズル収容装置30から移動させることが可能である。これにより、作業者がノズルチェンジャ176に吸着ノズル62の補給等を行う必要が無くなり、作業者の負担を軽減することが可能となる。
また、ノズル収容装置30は、上述したように、スライド機構を利用して、デバイス保持台78にワンタッチで着脱可能とされており、ノズル収容装置30は、図2および図4に示すように、デバイス保持台78のスライド部80からせり出している。このため、装着作業中であっても、作業者は、ノズル収容装置30を把持し、ノズル収容装置30をデバイス保持台78から容易に取り外すことが可能であり、また、ノズル収容装置30をデバイス保持台78に装着することも可能である。これにより、装着作業中であっても、ノズル収容装置30からの吸着ノズル62の回収および、ノズル収容装置30への吸着ノズル62の補給等を行うことが可能である。
特に、ノズル収容装置30では、カートリッジ部102が、ワンタッチで収容装置本体部100に着脱可能であり、カートリッジ部102の内部に、複数の収容ブロック108を収容することが可能である。また、カートリッジ部102は、スライド部80から大きくせり出している。このため、収容装置本体部100をデバイス保持台78から取り外すことなく、ノズル収容装置30からの吸着ノズル62の回収および、ノズル収容装置30への吸着ノズル62の補給等を行うことが可能である。
また、ノズル収容装置30がデバイス保持台78に装着されると、上述したように、ノズル収容装置30のコネクタ162が装着機14側のコネクタ接続部88に接続されることで、ノズル収容装置30と装着機14のコントローラ182との間で、情報の送受信が行われる。また、デバイス保持台78にノズル収容装置30の収容装置本体部100のみが装着されおり、その収容装置本体部100にカートリッジ部102が装着されることで、情報の送受信が行われる。このため、装着機14では、ノズル収容装置30がデバイス保持台78に装着された際、若しくは、デバイス保持台78に装着されている収容装置本体部100にカートリッジ部102が装着された際に、ノズル収容装置30に関する情報が、ノズル収容装置30の通信部190からコントローラ182に送信され、その情報に基づいて、吸着ノズル62の交換,回収,補給作業等が行われる。
具体的には、例えば、ノズル径がAmmの2つの吸着ノズル62が2本の装着ユニット60に装着されており、それら2つの吸着ノズル62の一方に異常が発生した場合には、他方の吸着ノズル62が使用される。その異常が発生した吸着ノズル62は、ノズル径がAmmの正常な吸着ノズル62に交換されることが望まれるが、ノズルチェンジャ176に、ノズル径がAmmの吸着ノズル62が収容されていない場合がある。さらに、デバイス保持台78にノズル収容装置30が装着されていない場合がある。このような場合には、異常が発生した吸着ノズル62が装着ユニット60に装着された状態で、ノズル径がAmmの正常な吸着ノズル62によって、装着作業が行われる。
このような状態において、デバイス保持台78にノズル収容装置30が装着され、コネクタ162が装着機14側のコネクタ接続部88に接続されると、ノズル収容装置30の通信部190から、ノズル収容装置30に関する情報、具体的には、ノズル収容装置30のIDナンバー,収容装置本体部100へのカートリッジ部102の装着の有無等がコントローラ182に送信される。これにより、コントローラ182は、デバイス保持台78にノズル収容装置30が装着されたこと、装着位置等を認知する。さらに、ノズル収容装置30の収容装置本体部100にカートリッジ部102が装着されているか否かを認知する。また、収容装置本体部100にカートリッジ部102が装着されていないノズル収容装置30が、デバイス保持台78に装着されている場合、つまり、ノズル収容装置30の収容装置本体部100のみがデバイス保持台78に装着されている場合には、収容装置本体部100にカートリッジ部102が装着された際に、収容装置本体部100にカートリッジ部102が装着されたことが、コントローラ182に送信される。そして、コントローラ182は、所定のタイミングで、ノズル収容装置30に収容されている吸着ノズル62の種類を取得する。
詳しくは、装着ヘッド26が、コントローラ182の指令により、ノズル収容装置30のカートリッジ部102の上方に移動する。カートリッジ部102には、2Dコード等の識別記号が記されており、その識別記号が、マークカメラ170によって撮像される。そして、その撮像データが、画像処理装置188において処理され、コントローラ182に送信される。これにより、コントローラ182は、カートリッジ部102の識別記号を取得する。一方、ホストコンピュータ(図示省略)には、識別記号と、その識別記号のカートリッジ部102内の収容ブロック108に収容されている吸着ノズル62の種類等とが、関連付けて記憶されている。そして、コントローラ182は、ホストコンピュータと通信を行うことで、ノズル収容装置30に収容されている吸着ノズル62の種類を取得する。
取得した吸着ノズル62の種類の中に、ノズル径がAmmの吸着ノズル62が存在する場合には、コントローラ182の指令により、装着ユニット60に装着されている異常の発生した吸着ノズル62と、ノズル収容装置30に収容されているノズル径がAmmの吸着ノズル62とが交換される。このように、装着機14では、ノズル収容装置30から送信される情報を利用して、吸着ノズル62の交換作業が行われる。
なお、ノズル収容装置30に収容されている吸着ノズル62の種類を取得するタイミング、装着ユニット60に装着されている吸着ノズル62とノズル収容装置30に収容されている吸着ノズル62とを交換するタイミングは、任意のタイミングで行うことが可能であるが、装着作業の妨げとなることは望ましくない。このため、装着機14では、4つのモードが設定されており、各モードに応じたタイミングで、ノズル収容装置30に収容されている吸着ノズル62の種類の取得、吸着ノズル62の交換が行われる。
詳しくは、第1のモードが設定されている場合には、1枚の回路基板に対する装着作業終了のタイミングで、ノズル収容装置30に収容されている吸着ノズル62の種類の取得、吸着ノズル62の交換が行われる。これにより、装着作業を殆ど停止させることなく、比較的早いタイミングで、交換作業等を行うことが可能となる。また、第2のモードが設定されている場合には、回路基板の搬入待ち、若しくは、電子部品の補給待ち等の装着機14が待機状態となっているタイミングで、吸着ノズル62の交換等が行われる。これにより、装着作業を停止させることなく、交換作業等を行うことが可能となる。さらに、第3のモードが設定されている場合には、即時に、吸着ノズル62の交換等が行われる。これにより、装着作業は停止するが、即時に交換作業等を行うことが可能となる。最後に、第4のモードが設定されている場合には、作業者の意思に従ったタイミングで、吸着ノズル62の交換等が行われる。装着機14には、作業実行ボタンが設けられており、その作業実行ボタンを作業者が操作したタイミングで、吸着ノズル62の交換等が行われる。これにより、作業者の意思に従って、交換作業等を行うことが可能となる。
また、生産される回路基板の種類が変更された場合には、装着ユニット60に装着されている吸着ノズル62、若しくは、ノズルチェンジャ176に収納されている吸着ノズル62の交換が必要になることがある。この際に、装着ユニット60,ノズルチェンジャ176からノズル収容装置30への吸着ノズル62の回収、ノズル収容装置30から装着ユニット60,ノズルチェンジャ176への吸着ノズル62の補給が行われる。
詳しくは、装着ユニット60に装着されている吸着ノズル62、および、ノズルチェンジャ176に収納されている吸着ノズル62のうちの、変更後の回路基板の生産に必要でない吸着ノズル62が、ノズル収容装置30に回収される。ちなみに、装着機14のデバイス保持台78には、図2に示すように、2台のノズル収容装置30が装着されており、2台のノズル収容装置30のうちの一方が、吸着ノズル62を回収するためのノズル収容装置30となっている。
具体的に、例えば、ノズル収容装置30の一方を、所定のノズル径の吸着ノズル62の回収専用のものに設定することも可能であり、ノズル径の大きさに関係なく、単に、吸着ノズル62の回収専用のものに設定することも可能である。なお、回収専用のノズル収容装置30では、ノズル収容装置30に関する情報として、回収専用のノズル収容装置30である旨の情報が、コントローラ182に送信され、回収専用のノズル収容装置30に対する動作モードは、ノズル収容装置30に吸着ノズル62を収容する動作モードに設定される。
なお、変更後の回路基板の生産に必要でない吸着ノズル62であっても、予備の吸着ノズル62として、回収対象の吸着ノズル62から外すことも可能である。つまり、例えば、変更後の回路基板の生産作業に、ノズル径がAmmの吸着ノズル62とノズル径がBmmの吸着ノズル62との各々が1本必要な場合に、ノズル径がAmmの2本の吸着ノズル62とノズル径がBmmの2本の吸着ノズル62とが装着ユニット60、若しくは、ノズルチェンジャ176に残存するように、吸着ノズル62がノズル収容装置30に回収されてもよい。
また、変更後の回路基板の生産に必要でない吸着ノズル62であっても、変更後の回路基板の次の回路基板の生産に必要な吸着ノズル62を、回収対象の吸着ノズル62から外すことも可能である。つまり、例えば、変更後の回路基板の生産作業に、ノズル径がAmmの吸着ノズル62とノズル径がBmmの吸着ノズル62とが必要であり、変更後の回路基板の次の回路基板の生産作業に、ノズル径がAmmの吸着ノズル62とノズル径がCmmの吸着ノズル62とが必要な場合に、ノズル径がAmmの吸着ノズル62とノズル径がBmmの吸着ノズル62とノズル径がCmmの吸着ノズル62とが装着ユニット60、若しくは、ノズルチェンジャ176に残存するように、吸着ノズル62がノズル収容装置30に回収されてもよい。
また、装着ユニット60に装着されている吸着ノズル62、および、ノズルチェンジャ176に収納されている吸着ノズル62のうちの、変更後の回路基板の生産に必要である吸着ノズル62であっても、メンテナンスの必要性の高い吸着ノズル62を、ノズル収容装置30に回収することが可能である。メンテナンスの必要性の高い吸着ノズル62とは、装着作業中に吸着ミス等のエラーの発生頻度の高い吸着ノズル62である。
また、変更後の回路基板の生産に必要な吸着ノズル62のうちの、装着ユニット60に装着されている吸着ノズル62、および、ノズルチェンジャ176に収納されている吸着ノズル62を除いた吸着ノズル62が、ノズル収容装置30から補給される。つまり、変更後の回路基板の生産に必要な数の吸着ノズル62が、ノズル収容装置30から補給される。ちなみに、2台のノズル収容装置30のうちの一方が、上述したように、吸着ノズル62を回収するためのノズル収容装置30となっているが、他方は、吸着ノズル62を補給するためのノズル収容装置30となっている。
具体的に、例えば、ノズル収容装置30の他方を、所定のノズル径の吸着ノズル62の供給専用のものに設定することも可能であり、ノズル径の大きさに関係なく、単に、吸着ノズル62の供給専用のものに設定することも可能である。つまり、ノズル収容装置30の他方に、所定のノズル径の吸着ノズル62のみを収容しておいてもよく、種々のサイズの吸着ノズル62を収容しておいてもよい。なお、供給専用のノズル収容装置30では、ノズル収容装置30に関する情報として、供給専用のノズル収容装置30である旨の情報が、コントローラ182に送信され、供給専用のノズル収容装置30に対する動作モードは、ノズル収容装置30から装着ユニット60等に吸着ノズル62を供給する動作モードに設定される。
なお、変更後の回路基板の生産に必要な数の吸着ノズル62以外にも、予備の吸着ノズル62として、ノズル収容装置30から補給することも可能である。つまり、例えば、変更後の回路基板の生産作業に、ノズル径がAmmの吸着ノズル62とノズル径がBmmの吸着ノズル62との各々が1本必要な場合に、ノズル径がAmmの2本の吸着ノズル62とノズル径がBmmの2本の吸着ノズル62とが、装着ユニット60に装着、若しくは、ノズルチェンジャ176に収容されるように、吸着ノズル62がノズル収容装置30から補給されてもよい。これにより、例えば、予備ノズルが既に交換され、ノズルチェンジャ176上でメンテナンス性の高い吸着ノズル62が存在する場合は、有効な予備ノズル数の上限内で、ノズル収容装置30から吸着ノズル62を補給することが可能となる。
また、変更後の回路基板の生産に必要な数の吸着ノズル62以外にも、変更後の回路基板の次の回路基板の生産に必要な吸着ノズル62を、ノズル収容装置30から補給することも可能である。つまり、例えば、変更後の回路基板の生産作業に、ノズル径がAmmの吸着ノズル62とノズル径がBmmの吸着ノズル62とが必要であり、変更後の回路基板の次の回路基板の生産作業に、ノズル径がAmmの吸着ノズル62とノズル径がCmmの吸着ノズル62とが必要な場合に、ノズル径がAmmの吸着ノズル62とノズル径がBmmの吸着ノズル62とノズル径がCmmの吸着ノズル62とが、装着ユニット60に装着、若しくは、ノズルチェンジャ176に収容されるように、吸着ノズル62がノズル収容装置30から補給されてもよい。
また、例えば、変更後の回路基板の生産に必要な数の吸着ノズル62以外にも、メンテナンスの必要性の高い吸着ノズル62が存在する場合には、そのメンテナンスの必要性の高い吸着ノズル62と同じ種類の吸着ノズル62を、ノズル収容装置30から補給することも可能である。
また、上述した例では、2台のノズル収容装置30の一方が、吸着ノズル62の回収用のノズル収容装置30とされ、他方が、吸着ノズル62の補給用のノズル収容装置30とされているが、1台のノズル収容装置30を、吸着ノズル62の回収および補給用のノズル収容装置30とすることが可能である。この場合には、複数の収容ブロック108のうちの一部に、吸着ノズル62が収容されており、残りの収容ブロック108には、吸着ノズル62は、収容されていない。そこで、コントローラ182では、収容ブロック108への吸着ノズル62の収容の有無、および、収容されている吸着ノズル62の種類を判別するためのマップデータを取得する。
詳しくは、吸着ノズル62の回収および補給用のノズル収容装置30のカートリッジ部102に記された識別記号を、マークカメラ170の撮像により取得する。ホストコンピュータには、その識別記号と、識別記号に応じたノズル収容装置30の収容ブロック108への吸着ノズル62の収容の有無、および、収容されている吸着ノズル62の種類を判別するためのマップデータとが関連付けて記憶されており、コントローラ182は、取得した識別記号により、ホストコンピュータからそのマップデータを取得する。
さらに、回収および補給用のノズル収容装置30に収容されている吸着ノズル62を個々に確認することで、マップデータの整合性を高めることが可能である。詳しくは、装着ヘッド26が、コントローラ182の指令により、ノズル収容装置30の供給・収納位置の上方に移動する。また、ノズル収容装置30は、コントローラ182の指令により、1列に配列された複数の収容ブロック108のうちの先頭に位置する収容ブロック108を、供給・収納位置に移動させる。供給・収納位置に、収容ブロック108が移動すると、その収容ブロック108が、マークカメラ170によって撮像される。次に、複数の収容ブロック108のうちの先頭の次に位置する収容ブロック108が、供給・収納位置に移動され、その収容ブロック108が、マークカメラ170によって撮像される。このようにして、複数の収容ブロック108の各々が、順次、供給・収納位置に移動され、マークカメラ170によって撮像される。そして、各撮像データが、画像処理装置188において処理され、コントローラ182に送信される。コントローラ182では、各撮像データに基づいて、収容ブロック108に吸着ノズル62が収容されているか否かが判定される。さらに、収容ブロック108に吸着ノズル62が収容されていると判定された場合には、撮像データから吸着ノズル62のフランジ部に記された識別記号が認識され、その識別記号に基づいて、吸着ノズル62の種類が取得される。これにより、コントローラ182では、複数の収容ブロック108のうちの何れのものに吸着ノズル62が収容されているか、また、収容されている吸着ノズル62の種類を示すマップデータが作成される。装着機14では、このマップデータを利用して、吸着ノズル62の交換,回収,補給等が行われる。また、カートリッジ部102に記された識別記号を利用して、上記マップデータを作成することも可能である。
また、作業者が任意の順番で複数の吸着ノズル62を複数の収容ブロック108に収容し、収容順に吸着ノズル62をノズル収容装置30から複数の装着ユニット60に補給することが可能である。詳しくは、ユニット保持体66の回転により、昇降ステーションに位置する装着ユニット60の順番通りに、各装着ユニット60に装着すべき吸着ノズル62が並ぶように、収容ブロック108に吸着ノズル62を収容する。
具体的には、例えば、第1の装着ユニット60にノズル径がAmmの吸着ノズル62を装着し、第1の装着ユニット60のユニット保持体66の回転方向の隣に位置する第2の装着ユニット60にノズル径がCmmの吸着ノズル62を装着し、第2の装着ユニット60のユニット保持体66の回転方向の隣に位置する第3の装着ユニット60にノズル径がBmmの吸着ノズル62を装着する場合には、複数の収容ブロック108の先頭に位置するものに、ノズル径がAmmの吸着ノズル62を収容し、複数の収容ブロック108のうちの先頭の次に位置するものに、ノズル径がCmmの吸着ノズル62を収容し、複数の収容ブロック108のうちの先頭から3番目に位置するものに、ノズル径がBmmの吸着ノズル62を収容する。
これにより、吸着ノズル62の補給時には、まず、複数の収容ブロック108の先頭に位置するものから、吸着ノズル62を第1の装着ユニット60に供給し、次に、複数の収容ブロック108のうちの先頭の次に位置するものから、第1の装着ユニット60の隣に位置する第2の装着ユニット60に吸着ノズル62を供給する。このように、吸着ノズル62を供給する収容ブロック108が、1個毎、移動し、吸着ノズル62が供給される装着ユニット60も、1本毎に隣に移動する。これにより、吸着ノズル62の補給時の収容ブロック108および、装着ユニット60の移動、つまり、電磁モータ122および、保持体回転装置68の作動を少なくすることが可能となり、吸着ノズル62の補給に要する時間を短縮することが可能となる。
なお、このような吸着ノズル62の補給時において、上記マップデータを併用することも可能である。このように、上記マップデータを併用することで、吸着ノズル62の補給の信頼性を高くすることが可能となる。
また、上述したように、1台のノズル収容装置30の複数の収容ブロック108に、異なる種類の吸着ノズル62を収容してもよく、1種類の吸着ノズル62を収容してもよい。このように、1台のノズル収容装置30、つまり、カートリッジ部102に1種類の吸着ノズル62を収容することで、吸着ノズル62の管理等を容易に行うことが可能となる。
ちなみに、上記実施例において、電子部品装着機14は、電子部品装着機の一例である。ノズル収容装置30は、ノズル収容装置の一例である。吸着ノズル62は、吸着ノズルの一例である。デバイス保持台78は、装着部の一例である。収容装置本体部100は、本体部の一例である。カートリッジ部102は、カートリッジ部の一例である。収容ブロック108は、収容部の一例である。電磁モータ122は、アクチュエータの一例である。通信部190は、通信部の一例である。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施例のノズル収容装置30では、1つの収容装置本体部100に1つのカートリッジ部102が装着されるが、図8に示すように、1つの収容装置本体部200に4つのカートリッジ部202が装着されるノズル収容装置204を採用することが可能である。なお、図では、2台の電子部品装着機14のデバイス保持台78の各々に、ノズル収容装置204が装着されているが、2台の電子部品装着機14のうちの上流側のもののデバイス保持台78のみにノズル収容装置204を装着し、下流側のもののデバイス保持台78には、ノズル収容装置204を装着しないことも可能である。この場合には、上流側の電子部品装着機14での作業終了後に、上流側の電子部品装着機14のデバイス保持台78からノズル収容装置204を取り外し、ノズル収容装置204を下流側の電子部品装着機14のデバイス保持台78に装着することが可能である。また、2台の電子部品装着機14の各々に収容装置本体部200を装着し、上流側の電子部品装着機14のデバイス保持台78に装着された収容装置本体部200のみに、カートリッジ部202を装着することが可能である。この場合には、上流側の電子部品装着機14での作業終了後に、上流側の収容装置本体部200からカートリッジ部202を取り外し、そのカートリッジ部202を下流側の収容装置本体部200に装着することが可能である。
また、上記実施例では、カートリッジ式のノズル収容装置30が採用されているが、図9に示すように、トレイ式のノズル収容装置210を採用することが可能である。ノズル収容装置210は、本体ベース212と移動機構214とトレイ216とを有している。本体ベース212の裏面には、ノズル収容装置30のレール160と同形状のレール(図示省略)が設けられている。これにより、本体ベース212は、ノズル収容装置30と同様に、デバイス保持台78にワンタッチで着脱可能である。また、移動機構214は、レール218を有しており、そのレール218は、Y軸方向に延びるようにして本体ベース212上に設けられている。トレイ216は、レール218によって、それの軸線方向にスライド可能に支持されており、電磁モータ(図示省略)の駆動により、Y軸方向に移動する。具体的には、トレイ216は、デバイス保持台78上に位置する本体ベース212の一端部と、デバイス保持台78からせり出している本体ベース212の他端部との間で移動する。また、トレイ216の上面には、複数のノズル収容部220が形成されており、各ノズル収容部220には、吸着ノズル62が収容される。ノズル収容装置210は、ノズル収容装置30と同様に、ノズル収容部220に収容された吸着ノズル62の供給および、装着ユニット60の下端部に取り付けられた吸着ノズル62の収納を行うことが可能とされており、ノズル収容装置30と同じ効果を奏することが可能である。なお、トレイ216は、レール218に着脱可能とされている。また、トレイ216は、例えば、装着ヘッド26の種類に応じて複数のものを用意することが可能である。これにより、例えば、装着ヘッド26が交換された場合に、トレイ216を交換することで、装着ヘッド26に応じた吸着ノズル62を供給することが可能となる。
また、上記実施例では、ノズル収容装置30をデバイス保持台78にワンタッチで装着するための機構、つまり、装着と取り外しとを再現性よく、繰返し行うことが可能な機構として、スライド機構が採用されているが、クランプ機構,スプリング式,磁石式等のロック機構等を採用することが可能である。
また、上記実施例では、棒状のカートリッジ部102が収容装置本体部100に着脱可能に装着されるが、ベルト状、つまり、カートリッジ部の内部において、例えば、収容ブロック108に収容された吸着ノズル62が循環するような形状のカートリッジ部を採用することが可能である。
また、上記実施例では、カートリッジ部102に2Dコード等の識別記号が記されており、その識別記号がマークカメラ170により撮像されることで、カートリッジ部102に収容されている吸着ノズル62の種類等の情報が取得されるが、通信等を利用して、吸着ノズル62の種類等の情報を取得することが可能である。詳しくは、カートリッジ部102に記憶部を設け、その記憶部に、吸着ノズル62の種類等の情報を記憶させる。また、カートリッジ部102が収容装置本体部100に装着された際に、それらを電気的に接続し、カートリッジ部102から収容装置本体部100に、記憶部に記憶されている情報が送信されるように構成する。このように構成することで、収容装置本体部100に送信された情報が、通信部190を介して、コントローラ182に送信される。これにより、コントローラ182は、カートリッジ部102に収容されている吸着ノズル62の種類等の情報を取得する。