以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。
なお、以下の説明では、図1、図2、図6ないし図8の紙面手前側を左面とすると共に各図に示した方向を基準にする。
図1を参照して、画像形成装置としてのカラープリンター1の全体の構成について説明する。図1はカラープリンター1の内部構造を模式的に示す断面図である。
カラープリンター1は、装置本体2と、給紙カセット3と、排紙トレイ4と、を備えている。給紙カセット3は、略直方体状の装置本体2の下部に着脱可能に設けられている。給紙カセット3内には、枚葉のシートS(の束)が収容されている。排紙トレイ4は、装置本体2の上部に設けられている。なお、シートSは、紙製に限らず、樹脂フィルムやOHPシート等であってもよい。
また、カラープリンター1は、給紙部10と、画像形成部11と、定着装置12と、を装置本体2内に備えている。給紙部10は、給紙カセット3から排紙トレイ4まで延びる搬送路13の上流側に設けられている。画像形成部11は、装置本体2の中間部に設けられている。定着装置12は、搬送路13の下流側に設けられている。
画像形成部11は、4つのトナーコンテナ20と、中間転写ベルト21と、4つのドラムユニット22と、光走査装置23と、含んで構成されている。4つのトナーコンテナ20は、排紙トレイ4の下側に左右方向に並設されている。中間転写ベルト21は、各トナーコンテナ20の下側に配設されている。4つのドラムユニット22は、中間転写ベルト21の下側で左右方向に並設されている。光走査装置23は、各ドラムユニット22の下側に配設されている。
4つのトナーコンテナ20は、4色(イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K))のトナー(現像剤)を収容している。中間転写ベルト21は、図1の矢印方向に走行するように左右一対のローラーの間に架設されている。
4つのドラムユニット22は、各色のトナーに対応して設けられている。各ドラムユニット22は、感光体ドラム30と、帯電装置31と、現像装置32と、一次転写ローラー33と、クリーニング装置34と、除電装置35と、を含んで構成されている。なお、4つのドラムユニット22は同様の構成を有しているため、以下、1つのドラムユニット22について説明する。
感光体ドラム30は、中間転写ベルト21の下側表面に接触して回転可能に設けられている。帯電装置31、現像装置32、一次転写ローラー33、クリーニング装置34および除電装置35は、感光体ドラム30の周囲に転写プロセス順に配置されている。一次転写ローラー33は、中間転写ベルト21を挟んで上側から感光体ドラム30に対向している。中間転写ベルト21の右側には、二次転写ローラー36が圧接して、二次転写ニップ部36aを形成している。
ここで、カラープリンター1の動作について説明する。カラープリンター1の制御装置(図示せず)は、入力された画像データに基づいて、以下のように画像形成処理を実行する。
各帯電装置31は、感光体ドラム30の表面を帯電させる。光走査装置23は、各感光体ドラム30に向けて画像データに対応した露光(図1の破線矢印参照)を行い、各感光体ドラム30上に静電潜像を形成する。各現像装置32は、各感光体ドラム30の表面に形成された静電潜像をトナー像に現像する。各感光体ドラム30に担持された4つのトナー像は、一次転写バイアスを印加された一次転写ローラー33によって、走行する中間転写ベルト21に順番に一次転写される。これにより、中間転写ベルト21の表面にはフルカラーのトナー像が形成される。
一方、給紙カセット3から供給されたシートSは、搬送路13を搬送されて二次転写ニップ部36aを通過する。フルカラーのトナー像は、二次転写バイアスが印加された二次転写ローラー36によってシートSに二次転写される。定着装置12は、シートSにフルカラーのトナー像を定着させる。定着処理後のシートSは、排紙トレイ4に排出される。クリーニング装置34は、転写後に感光体ドラム30の表面に残ったトナーを除去する。除電装置35は、除電光を照射して感光体ドラム30の電荷を除去する。
次に、図2および図3を参照して、装置本体2の内部に配置される取付対象物としての光走査装置23について説明する。図2は光走査装置23の内部構造を模式的に示す断面図である。図3は装置本体2および光走査装置23を模式的に示す平面図である。
図2に示すように、光走査装置23は、光学箱40と、偏向器41と、2つの第1Fθレンズ42と、2つの第2Fθレンズ43と、第1光学素子群44と、第2光学素子群45と、を含んで構成されている。偏向器41、各Fθレンズ42,43および各光学素子群44,45は、光学箱40内に収容されている。各光学素子群44,45は、各色の感光体ドラム30に対応して設けられている。
図2および図3に示すように、光学箱40は、上下方向に扁平な略直方体状に形成されている。光学箱40は、熱変形を抑制するために線膨張係数の低い樹脂材料で形成されている。光学箱40の上面には、各感光体ドラム30に対応する位置に4つのガラス板46a〜46dが左右方向に並設されている。
図2に示すように、偏向器41は、光学箱40の底面の略中央に設けられている。偏向器41は、ポリゴンモーター41aと、2つのポリゴンミラー41bと、を含んで構成されている。2つのポリゴンミラー41bは、上下方向に並べられてポリゴンモーター41aの回転軸に固定されている。各ポリゴンミラー41bは、ポリゴンモーター41aの駆動によって回転し、光源(図示せず)から射出されたレーザー光を偏向する。
各第1Fθレンズ42および各第2Fθレンズ43は、それぞれ、前後方向(主走査方向)に長い略棒状に形成されている。2つの第1Fθレンズ42は、上下方向に重ねられて偏向器41の右側に設けられている。2つの第2Fθレンズ43は、上下方向に重ねられて偏向器41の左側に設けられている。各第1Fθレンズ42および各第2Fθレンズ43は、それぞれ、偏向器41で偏向されたレーザー光の主走査方向の径を絞ると共に感光体ドラム30の表面上でレーザー光の走査速度を一定にするために設けられている。
第1光学素子群44は、偏向器41の右側に設けられている。第1光学素子群44は、第1ミラー44aと、第1反射体群44bと、を有している。
第1ミラー44aは、右端のガラス板46aの下側に配設されている。上側のポリゴンミラー41bで偏向されたレーザー光は、上側の第1Fθレンズ42を通過して第1ミラー44aで反射し、ガラス板46aの上方に配置された感光体ドラム30上に結像する。第1反射体群44bは、右端から2番目のガラス板46bにレーザー光を導くように複数(例えば3つ)のミラーで構成されている。下側のポリゴンミラー41bで偏向されたレーザー光は、下側の第1Fθレンズ42を通過して第1反射体群44bで反射し、ガラス板46bの上方に配置された感光体ドラム30上に結像する。
第2光学素子群45は、偏向器41の左側に設けられている。第2光学素子群45は、第2ミラー45aと、第2反射体群45bと、を有している。なお、第2光学素子群45は、上記した第1光学素子群44と左右対称に構成されているため、その詳細な説明は省略する。
ところで、光走査装置23は、装置本体2の内部に着脱可能な状態で装着されている。そこで、主に、図4ないし図8を参照して、光走査装置23を装置本体2内に装着するための装着構造体25について説明する。図4は装着構造体25を右側から見た斜視図である。図5は装着構造体25を左側から見た斜視図である。図6は第1の位置決め突起51aを第1の位置決め穴63aに嵌合させた状態を示す断面図である。図7は取付装置62を雌ネジ穴53に螺合させた状態を示す断面図である。図8は第1の位置決め突起51aを第1の位置決め穴63aから離脱させた状態を示す断面図である。
図4および図5に示すように、装着構造体25は、被取付構造50と、取付構造60と、から構成されている。被取付構造50は、光走査装置23に設けられている。取付構造60は、装置本体2内に設けられている。
被取付構造50は、第1の被位置決め部51と、第2の被位置決め部52と、前後一対の雌ネジ穴53と、を有している。第1の被位置決め部51は、光走査装置23の右端面(一端部)に設けられている(図4参照)。第2の被位置決め部52は、光走査装置23の左端面(他端部)に設けられている(図5参照)。前後一対の雌ネジ穴53は、光走査装置23の右端面に形成されている(図4参照)。
図4に示すように、第1の被位置決め部51は、光学箱40の右端面に突設される3つの第1の位置決め突起51a〜51cによって構成されている。3つの第1の位置決め突起51a〜51cは、前後方向(水平方向)に並設されている。
前後方向中央の第1の位置決め突起51bは、前後方向に長く上下方向に薄い平板状に形成されている。この第1の位置決め突起51bの先端面と前後方向両側面との間(前後方向両角部分)には、面取り部54bが形成されている。面取り部54bは、第1の位置決め突起51bの前後方向両角部を斜めに切り欠くことで形成されている。
前後方向両端部の第1の位置決め突起51a,51cは、上下方向に長く前後方向に薄い平板状に形成されている。各第1の位置決め突起51a,51cの先端面と上下方向両側面との間(上下方向両角部分)には、面取り部54a,54cが形成されている。なお、各面取り部54a〜54cの面取り寸法は、例えば、0.15mm〜0.2mm程度に設定されている(図6参照)。
図5に示すように、第2の被位置決め部52は、光学箱40の左端面に前後方向に並んで突設される3つの第2の位置決め突起52a〜52cによって構成されている。各第2の位置決め突起52a〜52cの先端部には、面取り部55a〜55cが形成されている。なお、各第2の位置決め突起52a〜52cは、各第1の位置決め突起51a(51c)と略同様に形成されているため、その詳細な説明は省略する。なお、各第2の位置決め突起52a〜52cの面取り部55a〜55cは、省略されてもよい。
また、前後方向中央の第2の位置決め突起52bは、前後方向中央の第1の位置決め突起51b(または後述する第1の位置決め穴63b)と同軸上に設けられている。前後方向両端部の第2の位置決め突起52a,52cは、それぞれ、前後方向両端部の第1の位置決め突起51a,51c(または後述する第1の位置決め穴63a,63c)と同軸上に設けられている。なお、各第1の位置決め突起51a〜51cおよび各第2の位置決め突起52a〜52cは、光学箱40と同じ樹脂材料で一体に形成されている。
図4に示すように、前後一対の雌ネジ穴53は、光学箱40の右端面に穿設されている。前後一対の雌ネジ穴53は、前後一対の第1の位置決め突起51a,51cの間で、且つ、前後一対の第1の位置決め突起51a,51cの近傍に設けられている。
図4および図5に示すように、取付構造60は、左右一対のフレーム61と、前後一対の取付装置62と、を含んで構成されている。左右一対のフレーム61は、光走査装置23を挟むように対向して配置されている(図2も参照)。各取付装置62は、一対のフレーム61の間に架け渡された光走査装置23を固定するために設けられている。
左右一対のフレーム61は、それぞれ、例えば、鉄等の金属製であって、側面視で略矩形板状に形成されている。左右一対のフレーム61は、それぞれ、装置本体2の枠組みを構成する前後一対の側板2aの間に架設されている(図3参照)。左右一対のフレーム61の間の距離は、光走査装置23の左右方向の長さよりも大きく設定されている(図2参照)。なお、以下、説明の便宜のため、右側(一方)のフレーム61を右側フレーム61Rと呼び、左側(他方)のフレーム61を左側フレーム61Lと呼ぶ。
図1に示すように、右側フレーム61Rは、光走査装置23の右端面に対向すると共に搬送路13の左側に設けられている。右側フレーム61Rは、第1の位置決め部63を有している。
図4および図5に示すように、第1の位置決め部63は、右側フレーム61Rに穿設される3つの第1の位置決め穴63a〜63cで構成されている。3つの第1の位置決め穴63a〜63cは、前後方向(水平方向)に並設されている。前後方向中央の第1の位置決め穴63bは、側面視で前後方向に長い略矩形状に形成されている。前後方向両端部の第1の位置決め穴63a,63cは、側面視で上下方向に長い略矩形状に形成されている。
図6に示すように、上記した光走査装置23の3つの第1の位置決め突起51a〜51cは、それぞれ、第1の位置決め穴63a〜63cに嵌合するように形成されている。なお、図6では、前側の第1の位置決め突起51および第1の位置決め穴63aについてのみ図示し、他の第1の位置決め突起51b,51cおよび他の第1の位置決め穴63b,63cについての図示は省略する。
なお、各第1の位置決め突起51a〜51cの最大許容寸法は、各第1の位置決め穴63a〜63cの最小許容寸法よりも小さく設定されている(所謂すきまばめ)。各第1の位置決め穴63a〜63cに対する各第1の位置決め突起51a〜51cの嵌め合い公差は、例えば、±0.02mmに設定されている。すなわち、各第1の位置決め突起51a〜51cと各第1の位置決め穴63a〜63cとの嵌め合いの第1の隙間G1は、0.04mmに設定されている。
図1に示すように、左側フレーム61Lは、光走査装置23の左端面に対向するように配置されている。図4および図5に示すように、左側フレーム61Lは、光走査装置23の第2の被位置決め部52に相対的に嵌合する第2の位置決め部64を有している。
第2の位置決め部64は、左側フレーム61Lに穿設される3つの第2の位置決め穴64a〜64cで構成されている。3つの第2の位置決め穴64a〜64cは、前後方向に並設されている。3つの第2の位置決め穴64a〜64cは、それぞれ、側面視で上下方向に長い略矩形状に形成されている。 上記した光走査装置23の3つの第2の位置決め突起52a〜52cは、それぞれ、第2の位置決め穴64a〜64cにすきまばめで嵌合するように形成されている(図2参照)。3つの第2の位置決め穴64a〜64cは、3つの第1の位置決め穴63a〜63cと同軸上に設けられている。なお、前後方向両端部の第2の位置決め穴64a,64cは、前後方向中央の第2の位置決め穴64bよりも大きく形成されている。
図4に示すように、前後一対の取付装置62は、右側フレーム61Rに設けられている。前後一対の取付装置62は、前後方向両端部の第1の位置決め穴63a,63cの間で、且つ、第1の位置決め穴63a,63cの近傍に設けられている。つまり、前後一対の取付装置62は、前後一対の雌ネジ穴53に対応して配置されている。なお、一対の取付装置62は同一構造であるため、以下、1つの取付装置62についてのみ説明する。
図2に示すように、取付装置62は、ヘッダーピン65と、付勢部材66と、を有している。ヘッダーピン65は、光走査装置23の右端部に連結される。付勢部材66は、ヘッダーピン65を連結させた光走査装置23を右側フレーム61Rに引き寄せる。
図7に示すように、ヘッダーピン65は、ピン本体70と、頭部71と、ネジ部72と、を有している。ヘッダーピン65は、例えば、ステンレス等の金属材料を用いて一体成形されている。
ピン本体70は、左右方向に長い円柱状に形成されている。ピン本体70は、右側フレーム61Rに開口する挿通穴73に進退(摺動)可能に支持されている。なお、ピン本体70の最大許容寸法は、挿通穴73の最小許容寸法よりも小さく設定されている(所謂すきまばめ)挿通穴73に対するヘッダーピン65(ピン本体70)の嵌め合い公差は、例えば、±0.05mmに設定されている。すなわち、挿通穴73とヘッダーピン65との嵌め合いの第2の隙間G2は、0.1mmに設定されている。したがって、第1の隙間G1は、第2の隙間G2よりも小さく設定されている。
頭部71は、ピン本体70の右端部に固定されている。頭部71は、挿通穴73を通過不能な直径(ピン本体70よりも大径)となる円板状に形成されている。頭部71の外端面(右端面)には、プラスドライバーの先端部が嵌合する十字溝71aが凹設されている。ネジ部72は、雌ネジ穴53に螺合するように雄ネジであって、ピン本体70の左端部に形成されている。
付勢部材66は、所謂コイルスプリングであって、右側フレーム61Rとヘッダーピン65の頭部71との間でピン本体70に巻回するように設けられている。付勢部材66は、右側フレーム61Rの右側面を台座としてヘッダーピン65を右方向に付勢している。
ここで、図2、図6および図7を参照して、左右一対のフレーム61に対する光走査装置23の取り付け手順について説明する。なお、一対の取付装置62の作用は同一であるため、以下、1つの取付装置62の作用についてのみ説明する。
まず、作業者は、左右一対のフレーム61の間に光走査装置23を左斜め方向に進入させる。そして、作業者は、光走査装置23を水平に戻しながら、各第2の位置決め突起52a〜52cを左側フレーム61Lの各第2の位置決め穴64a〜64cに嵌合させる。(図2参照)。なお、このとき、光学箱40の右端面は右側フレーム61Rから離間しており、各第1の位置決め突起51a〜51cは各第1の位置決め穴63a〜63cから離脱している。
次に、作業者は、光走査装置23を右方向に移動させ、光走査装置23の各第1の位置決め突起51a〜51cを右側フレーム61Rの各第1の位置決め穴63a〜63cに嵌合させる(図2参照)。なお、このとき、各第2の位置決め突起52a〜52cを各第2の位置決め穴64a〜64cに嵌合させた状態が維持されつつ、光学箱40の左端面は左側フレーム61Lから離間する(図2参照)。
次に、作業者は、付勢部材66を通したヘッダーピン65を挿通穴73に差し込む。そして、作業者は、頭部71の十字溝71aに嵌合させたプラスドライバーを回転させ、ネジ部72を光学箱40の雌ネジ穴53に螺合させる。雌ネジ穴53に対するネジ部72の螺合の進行に伴って、ヘッダーピン65は、付勢部材66の付勢力に抗して相対的に左方向に移動して行く(図7の破線矢印参照)。これに対し、光走査装置23は、右側フレーム61Rに引き寄せられて行く(図7の実線矢印参照)。
ヘッダーピン65が光走査装置23に連結された状態で、付勢部材66は、右側フレーム61Rと頭部71との間で圧縮されている。これにより、付勢部材66は、ヘッダーピン65を介して光走査装置23を右方向に付勢している。このため、光走査装置23は、右側フレーム61Rに引き寄せられ、光学箱40の右端面は、右側フレーム61Rの左側面に密着する。このように、雌ネジ穴53にネジ部72を締め付けることで、光走査装置23に対しヘッダーピン65を簡単且つ強固に連結させることができる。)
以上のように、各取付装置62は、ヘッダーピン65を連結させて付勢部材66の付勢力を作用させた光走査装置23を右側フレーム61R側に引き寄せた位置に保持する。このとき、前後方向中央の第1の位置決め突起51bは、横長の第1の位置決め穴63bに対して前後方向に不動に嵌合する。前後方向両端部の第1の位置決め突起51a,51cは、それぞれ、縦長の第1の位置決め穴63a,63cに対して上下方向に不動に嵌合する。一方、前後方向中央の第2の位置決め突起52bは、前後方向中央の第2の位置決め穴64bに対して不動に嵌合している。これにより、光走査装置23が一対のフレーム61の間で位置決めされる。なお、前後方向両端部の第2の位置決め突起52a,52cは、第2の位置決め穴64a,64cに遊びを有して嵌合している。なお、上記した取り付け作業の逆の手順によって、光走査装置23を取り外すことができる。
以上のように、横長の第1の位置決め穴63bに第1の位置決め突起51bを挿入すると共に、前後方向中央の第2の位置決め穴64bに第2の位置決め突起52bを嵌合させることで、光走査装置23は、前後方向(水平方向)に位置決めされる。縦長の前後一対の第1の位置決め穴63a,63cに前後一対の第1の位置決め突起51a,51cを挿入すると共に、前後方向中央の第2の位置決め穴64bに第2の位置決め突起52bを嵌合させることで、光走査装置23は、3点で支持され、上下方向(鉛直方向)に位置決めされる。これにより、光走査装置23を安定した状態で支持することができる。
上記したように、光走査装置23は、各取付装置62の付勢部材66のバネ荷重によって右側フレーム61Rに引き付けられている。仮に、カラープリンター1の運搬時等に強い衝撃(外部からの衝撃)が加わった場合、図8に示すように、光走査装置23は各付勢部材66の付勢力に抗して右側フレーム61Rから離れることがある。すると、各第1の位置決め突起51a〜51cが各第1の位置決め穴63a〜63cから脱落することもある。
この点、外部からの衝撃等によって第1の被位置決め部51が第1の位置決め部63から脱落した場合でも、光走査装置23は、各挿通穴73を挿通した各ヘッダーピン65に支持される。第1の隙間G1は第2の隙間G2よりも小さく設定されているため、第1の被位置決め部51(各第1の位置決め突起51a〜51c)が第1の位置決め部63(各第1の位置決め穴63a〜63c)から大きくずれることを防止することができる。
図8に示すように、各第1の位置決め突起51a〜51cが各第1の位置決め穴63a〜63cから脱落した場合、光走査装置23は、各挿通穴73を挿通した各ヘッダーピン65に支持されると共に各付勢部材66に付勢されて右側フレーム61Rに引き寄せられる。ここで、上記したように、各第1の位置決め突起51a〜51cに形成された面取り部54a〜54cの面取り寸法(0.15mm〜0.2mm程度)は、第2の隙間G2(0.1mm)以上に設定されている。したがって、光走査装置23が右側フレーム61Rに引き寄せられると、前後方向中央の第1の位置決め突起51bの面取り部54bは、第1の位置決め穴63bの前側縁部または後側縁部に摺接する。同様に、前後方向両端部の第1の位置決め突起51a,51cの面取り部54a,54cは、第1の位置決め穴63a,63cの上側縁部または下側縁部に摺接する。
以上のように、各第1の位置決め突起51a〜51cは、各第1の位置決め穴63a〜63cの縁部に摺接する各面取り部54a〜54cに案内されて各第1の位置決め穴63a〜63cに嵌合する。各面取り部54a〜54cは、第2の隙間G2以上の面取り寸法を有しているため、各第1の位置決め穴63a〜63cと各第1の位置決め突起51a〜51cとの間に第2の隙間G2に相当するずれが生じた場合でも、各第1の位置決め突起51a〜51cを各第1の位置決め穴63a〜63cに適切に案内することができる。これにより、各付勢部材66の付勢力によって光走査装置23を元の位置に戻すことができる。また、例えば、各第1の位置決め突起51a〜51cが各第1の位置決め穴63a〜63cから脱落しないように、光走査装置23を大型化したり、各第1の位置決め突起51a〜51cを長くしたりする必要がない。これにより、光走査装置23の小型化を図ることができる。
なお、本実施形態では、光走査装置23に各位置決め突起51a〜51c,52a〜52cを設け、一対のフレーム61に各位置決め穴63a〜63c,64a〜64cを設けたが、本発明はこれに限定されない。例えば、光走査装置23に位置決め穴を設け、右側フレーム61Rに位置決め突起を設けてもよい。また、本実施形態では、各位置決め突起51a〜51c,52a〜52cが、板状に形成されていたが、これに限らず、例えば、円柱状に形成されてもよい。
なお、本実施形態では、2つの取付装置62を設けたが、本発明はこれに限定されない。取付装置62は、1つ以上設けられていればよい。
なお、本実施形態では、取付対象物として光走査装置23を取り付ける場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、取付対象物として、画像形成部11を構成するドラムユニット22を取り付けるために上記した装着構造体25を用いてもよい。
なお、本実施形態では、第1の位置決め突起51a〜51cの面取り部54a〜54cおよび第2の位置決め突起52a〜52cの面取り部55a〜55cは、それぞれ、先端面と外周面の少なくとも一部(上下両側面および前後両側面)との間に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、面取り部が各位置決め突起51a〜51c,52a〜52cの先端部全周に亘って形成されてもよい。
なお、本実施形態では、一例として、本発明をカラープリンター1に適用した場合を説明したが、これに限らず、例えば、モノクロプリンター、ファクシミリ、複合機等に本発明を適用してもよい。
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る画像形成装置における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施態様に限定されるものではない。上記実施形態における構成要素は、適宜、既存の構成要素等との置き換えや組み合わせが可能であって、上記実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。