JP6345634B2 - 音場再生装置およびその方法 - Google Patents

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Description

本発明は音場再生技術に関し、特に空間マルチゾーン音場再生技術に関する。
空間マルチゾーン音場再生とは、スピーカアレイを駆動することで、分離された空間に独立した複数の音場を再生する技術である(例えば、非特許文献1参照)。従来技術では、複数の領域で音場を再現するため、再現領域を取り囲むように無指向性スピーカを等間隔に円状に配置した円状アレイを用いている。従来の円状アレイによって半径Rの円周内で波数kまで正確に音場を再現するには、2kR+1個以上の膨大な数のスピーカが必要となる。
Y. J. Wu, et al. "Spatial Multizone Soundfield Reproduction:Theory and Design," Speech and Audio Processing, IEEE Transactions on 19.6 (2011): 1711-1720.
しかしながら、従来構成では音場の制御自由度が低いという問題点がある。本発明の課題は、音場の制御自由度を向上させることである。
指向性パターンが異なる互いに独立な複数個の放射モードの何れかまたは複数個の放射モードの少なくとも一部の組み合わせからなる、再生パターンで音響信号を再生する複数個の高次音源を用いる。当該複数個の高次音源は円周上に配置される。当該再生パターンは、複数個の空間領域に所望の音場を生成するために、当該放射モードのそれぞれの重みが制御されたものである。
本発明では、高次音源の放射モードのそれぞれの重みを制御するため、従来よりも音場の制御自由度を向上させることができる。
図1は第1実施形態の音場再生装置の構成を説明するための概念図である。 図2は実施形態の制御部を例示したブロック図である。 図3は定理1に関する幾何学図である。 図4Aおよび図4Bは第2および3実施形態の音場再生装置の構成を説明するための概念図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
〔概要〕
本形態では、円周上に配置された複数個の高次音源(higher order source)を用いて音場再生を行う。高次音源の例は高次スピーカ(higher order loudspeaker)である(例えば、参考文献1「M. Poletti, T. Betlehem, “Design of a prototype variable directivity loudspeaker for improved surround sound reproduction in rooms,” AES 52nd International Conference, Guildford, UK, 2013, September 2-4」等参照)。各高次音源は、指向性パターンが異なる互いに独立な複数個の放射モードの何れかまたは複数個の放射モードの少なくとも一部の組み合わせ(線形和)からなる「再生パターン」で音響信号を再生する。「再生パターン」は複数個の空間領域に所望の音場を生成するために放射モードのそれぞれの重みが制御されたものである。これにより、従来よりも音場の制御自由度を向上させることができる。例えば、次数Nの高次音源を円状に配置した円状アレイを用いる場合、上記複数個の空間領域を内包する円の半径を同一として従来の無指向性スピーカの円状アレイを用いた場合に比べ、約N倍の帯域幅の音場を高精度に再現しつつ、円状アレイの外部音場を十分に抑圧できる。また、外部音場の抑圧を行わない場合には約2N倍の帯域幅の音場を高精度に再現できる。
円状アレイの内部音場のみを制御する場合、例えばm∈[−M(k),M(k)]についての
を満たすw(0) n,u(k)の解または近似解を、高次音源hs(u)の波数kでの放射モードm(n)に対するフィルタ重みとしたパターンを「再生パターン」とする。ただし、M(k)が正整数であり、[−M(k),M(k)]が−M(k)以上M(k)以下の整数からなる閉区間であり、「複数個の高次音源」がL個の高次音源hs(1),…,hs(L)であり、Lが正整数であり、「複数個の放射モード」が2N+1個の放射モードm(−N),…,m(N)であり、Nが正整数であり、u=1,…,Lであり、n=−N,…,Nであり、kが波数であり、Rが高次音源hs(u)の大きさを表す値(例えば、次音源hs(u)の半径またはその近似値)であり、Rが複数個の高次音源が配置される円周の半径を表す値であり、Hι(・)が次数ιの第一種のハンケル関数であり、H’ι(・)がハンケル関数Hι(・)の導関数(微分)であり、iが虚数単位であり、eがネイピア数であり、θが原点に対する高次音源hs(u)の偏角であり、β (k)が所望の音場が生成された複数個の空間領域を含む領域の極座標(r,θ)での波数kの周波数領域信号S(r,θ;k)のmについての展開係数である。
円状アレイの外部音場のみを制御する場合、例えばm∈[−M(k),M(k)]についての

を満たすw(1) n,u(k)の解または近似解を、高次音源hs(u)の波数kでの放射モードm(n)に対するフィルタ重みとしたパターンを「再生パターン」とする。ただし、M(k)が正整数であり、[−M(k),M(k)]が−M(k)以上M(k)以下の整数からなる閉区間であり、Jι(・)が次数ιのベッセル関数であり、γ (k)が所望の音場が生成された領域の極座標(r,θ)での波数kの周波数領域信号S(r,θ;k)のmについての展開係数である。
円状アレイの内部/外部音場の同時制御を行う場合、例えば

を満たすw(2)(k)の解または近似解の要素w(2) n,u(k)(ただし、n=−N,…,N、u=1,…,L)を、高次音源hs(u)の波数kでの放射モードm(n)に対するフィルタ重みとしたパターンを「再生パターン」とする。m∈[−M(k),M(k)]についての
をG(k)w(0)(k)=β(k)と表記し、G(k)が(2M(k)+1)×L(2N+1)の行列であり、w(0)(k)がL(2N+1)個のw(0) n,u(ただし、n=−N,…,N、u=1,…,L)からなる縦ベクトルであり、

であり、(・)が(・)の転置であり、m∈[−M(k),M(k)]についての

をJ(k)w(1)(k)=γ(k)と表記し、J(k)が(2M(k)+1)×L(2N+1)の行列であり、w(1)(k)がL(2N+1)個のw(1) n,u(k)(ただし、n=−N,…,N、u=1,…,L)からなる縦ベクトルであり、

である。
〔第1実施形態〕
図面を参照して第1実施形態を説明する。
<構成>
図1に例示するように、本形態の音場再生装置1は、制御部11と、円周上に配置されたL個の高次音源(高次スピーカ)12−u(ただし、u=1,…,L)とを有する。各高次音源12−uは、例えば無響環境下またはそれに近似する環境下に配置される。ただし、各高次音源12−uが残響環境下に配置されてもよい。図2に例示するように、制御部11は記憶部111と重み取得部112とフィルタリング部113−uと駆動信号生成部114−uとを有する。制御部11は、例えば、CPU(central processing unit)等のプロセッサ(ハードウェア・プロセッサ)およびRAM(random-access memory)・ROM(read-only memory)等のメモリ等を備える汎用または専用のコンピュータが所定のプログラムを実行することで構成される。このコンピュータは1個のプロセッサやメモリを備えていてもよいし、複数個のプロセッサやメモリを備えていてもよい。このプログラムはコンピュータにインストールされてもよいし、予めROM等に記録されていてもよい。また、CPUのようにプログラムが読み込まれることで機能構成を実現する電子回路(circuitry)ではなく、プログラムを用いることなく処理機能を実現する電子回路を用いて一部またはすべての処理部が構成されてもよい。また、1個の装置を構成する電子回路が複数のCPUを含んでいてもよい。なお、図1および2はL=15の例であるが、これは本発明を限定しない。
≪幾何学配置≫
2次元の大域的(グローバル)な空間領域、および、互いにオーバーラップしないS個の2次元の局所的(ローカル)な所望の空間領域(円形領域)14−1,…,14−Sならびにそれらに対応する所望の音場を想定する。ただし、Sは2以上の整数である。s番目(ただし、s=1,…,S)の空間領域14−sの半径と原点をそれぞれR (s)とOで表現する。ここでOは大域的な原点Oに対する極座標(r(s0),θ(s0))に位置する。r(s0)およびθ(s0)はそれぞれ動径および偏角を表す。s番目の空間領域14−sの中にある任意の観測点の局所的な極座標を(R(s),Ω(s))と表現する。(R(s),Ω(s))は局所的な原点Oを中心とした極座標であり、R(s)およびΩ(s)はそれぞれ動径および偏角を表す。局所的な極座標(R(s),Ω(s))は、大域的な原点Oに対する極座標(r,θ)に位置する。rおよびθはそれぞれ動径および偏角を表す。すべての空間領域14−1,…,14−Sは、大域的な原点Oを中心とした半径R≧rの円形領域内に存在する。Rはすべての空間領域14−1,…,14−Sを内側に含む円形領域の半径である。L個の高次音源12−uは、大域的な原点Oから半径R≧Rの円周上に配置される。高次音源12−1,…,12−Lは等間隔で配置されてもよいし、等間隔で配置されなくてもよい。Lは正整数であり、例えばLは2以上の整数である。
《内部/外部音場の円筒調和関数展開》
領域r<Rにおける、原点Oに対する極座標(r,θ)の波数kでの内部音場の時間周波数領域信号S(r,θ;k)の展開は以下のようになる。

ただし、rおよびθはそれぞれ動径および偏角を表す。A(k)はS(r,θ;k)を一意に表現するためのmについての展開係数(音場係数)であり、mは整数である。
領域r>Rにおける、原点Oに対する極座標(r,θ)での外部音場の時間周波数領域信号S(r,θ;k)の展開は以下のようになる。

ただし、B(k)はS(r,θ;k)を一意に表現するためのmについての展開係数(音場係数)である。H(・)は次数mの第一種のハンケル関数である。
≪平面波の展開係数≫
ベクトルr の方向から伝播してくる平面波を表す、極座標(R(s),Ω(s))の波数kでの時間周波数領域信号Sd(s)(R(s),Ω(s);k)は以下のように表現される。

なお、式(3)のように、「r 」の「→」は本来「r」の真上に表記すべきであるが、記載表記の制約上、「→」を「r」の右上に表記している。ヤコビ・アンガー展開により、式(3)は以下のように変形できる。

ただし、θは極座標でのベクトルr の角度である。すなわち、r =(rcosθ,rsinθ)であり、r を極座標で表すと(r,θ)となる。ここで、空間領域14−sの内部音場を表す、極座標(R(s),Ω(s))の波数kでの時間周波数領域信号Sd(s)(R(s),Ω(s);k)は、円筒調和関数展開によって以下のように表現される。

ただし、β (k)はSd(s)(R(s),Ω(s);k)を一意に表現するためのmについての展開係数である。式(3)(4)(5)より、平面波の展開係数β (k)は以下で与えられる。
≪線音源の展開係数≫
=(rcosθ,rsinθ)(極座標では(r,θ))に位置する線音源(二次元の空間領域では点音源)によって生成される音場を表す、極座標(R(s),Ω(s))の波数kでの時間周波数領域信号Sd(s)(R(s),Ω(s);k)は、以下のように表現される。

ただし、R→(s)=(R(s)cosΩ(s),R(s)sinΩ(s))であり、R→(s)を極座標で表すと(R(s),Ω(s))となる。||(・)||は(・)のノルムを表す。なお、式(7)に示すように、本来「R→(s)」の「→」は「R」の真上に記載すべきであるが、記載表記の制約上、「→」を「R」の右上に記載する。ここで、ハンケル関数の加法定理により、以下の関係が成り立つ。

ここで、空間領域14−sの内部音場を表す、極座標(R(s),Ω(s))の波数kでの時間周波数領域信号Sd(s)(R(s),Ω(s);k)は、以下のように表される。

そのため、線音源による音場の展開係数は、以下のように表される。
≪各空間領域の音場の展開係数≫
空間領域14−sの所望の音場を表す、極座標(R(s),Ω(s))の波数kでの時間周波数領域信号Sd(s)(R(s),Ω(s);k)は、円筒調和関数展開によって以下のように表現される。

ただし、J(・)は次数mのベッセル関数であり、α d(s)(k)はSd(s)(R(s),Ω(s);k)を一意に表現するためのmについての展開係数(音場係数)であり、eはネイピア数(自然対数の底)である。式(11)はフーリエ級数展開となっており、これによって任意の数の円筒波や平面波に由来する任意の2次元音場を表現できる。なお、「α d(s)(k)」の「d(s)」は「m」の真上に表記すべきであるが、記載表記の制約上、「α d(s)(k)」と表記する。その他の記号でも同様な表記を行う場合がある。
式(11)は無限個の直交モードを持っている。しかしながら、ベッセル関数の性質とすべての音源が外側にある空間領域では音場は限定されるという事実により、この級数展開を有限個の直交モードによる展開で打ち切ることができる。この場合、Sd(s)(R(s),Ω(s);k)は以下のように近似できる。
ただし、M(k)は正の整数である。この場合、Sd(s)(R(s),Ω(s);k)は、少なくとも2M(k)+1個のモードで表現される。M(k)=ceil(keR (s)/2)の場合、打ち切り誤差は16.1%以下である。ただし、ceil(・)は(・)の天井関数である。
≪等価なグローバル音場≫
上述したS個の空間領域14−1,・・・,S(マルチゾーン)の音場から構成される等価なグローバル音場を定義する。すなわち、複数の空間領域14−1,・・・,Sの音場の再現の問題を全域にわたるグローバルな所望の音場の再現に帰着させる。所望のグローバル音場を表す時間周波数領域信号S(r,θ;k)は、円筒調和関数展開によって以下のように近似される。

ただし、β (k)はS(r,θ;k)を一意に表現するためのmについての展開係数(音場係数)である。この場合、S(r,θ;k)は、少なくとも2M(k)+1個のモードで表現される。例えば、M(k)=ceil(keR/2)である。すべてのマルチゾーンが半径Rの円形領域内に収まる場合、M(k)によるモード制限ですべてのマルチゾーンで音場を再現するためには、
(k)≧(M(k)+M(k)+・・・+M(k)) (14)
を満たす必要がある。
《空間調和係数変換》
音源の存在しない領域の中の音場を考える。図3のようにO,Oは、2つの座標系の原点であり、それらは同じ方向の軸を持っており、Oを既知の変換で移動させたものがOであるとする。Oを原点とする座標系での極座標(r(1),θ(1))を、Oを原点とする座標系での極座標で表すと(r(2),θ(2))となる。ここで、Oに対するOの極座標(r(12),θ(12))と表す。また{α (1)(k)},{α (2)(k)}が、それぞれ原点をO,Oとした2つの座標系における、音源の存在しない領域中の音場を一意に表現するためのmについての展開係数の集合であるとする。この場合、以下の定理1,2が成り立つ。
[定理1]
α (1)(k)とα (2)(k)は以下によって関係付けられる。

ただし、

であり、「*」はモード次数mでの離散畳み込みを表している。なお、T (21)は原点OからOへの変換作用素を表しており、T (12)は原点OからOへの変換作用素を表している。
[定理2]
に対するOの極座標を(r(21),θ(21))と表記し、

および空間調和係数変換(Spatial Harmonic Coefficient Translation)の定理を適用すると、以下の関係を導出できる。

ここで、T (0s)はOを原点とした大域的な座標系から、s番目の空間領域14−sのOを原点とした局所的な座標系への変換作用素である。
《グローバル音場係数の探索》
α d(s)(k)からβ (k)への係数変換を行う。式(18)の畳み込みを線形和で書き下すと以下のようになる。

この式(19)をs=1,…,SについてS個書き下し、これら同時方程式を構成し、行列形式で表現すると以下のようになる。
α(k)=T(k)β(k) (20)
ただし、以下を満たす。
式(20)は以下のように変形できる。
β(k)=T(k)α(k) (23)
ただし、T(k)=[T(k)T(k)]−1T(k)はT(k)のムーア−ペローンズの擬似逆行列であり、(・)は(・)の複素共役転置を表す。
《高次音源の記述》
原点Oに配置される高次音源の放射モードm(n)による音場を表す極座標(r,θ)での波数kでの時間周波数信号S(r,θ;k)の理想形は、以下のように表される。

実際の高次スピーカは、cos(nθ)とsin(nθ)の形式を持つ遠方場の極応答で音場を放射できる。sinとcosで表される応答は、簡単に複素数値の指向性から得られる。原点Oにある半径Rの高次音源の放射モードm(n)に基づく角度θ方向の放射速度(radial velocity)ν(θ)は、以下のように表される。

ただし、Vは定数であり、αはフーリエ級数展開の係数である。また、2次元での極座標(r,θ)における波数kでの外部音場は前述の式(2)の形式で表され、これから放射速度が以下のように導かれる。

ただし、ρは定数であり、cは音速である。式(26)は式(25)とr=Rで等しくなければならない。よって、極座標(r,θ)における波数kでの音圧は以下の時間周波数信号で表現できる。

ただし、tは時間を表すインデックスであり、ωは各速度である。各モードは、位相変動eimθと放射変動H(kr)を持っており、スケールファクターはαm/H’(kr)である。単一の高次音源応答einθを生成する場合には以下を満たす必要がある。

離散的なドライバー(例えば、モノポールスピーカ)を持つ現実の高次音源は、有限の周波数までの所望の応答のみ生成できる。それ以上の周波数では空間エイリアジングが生じる。
≪変換後の高次音源の記述≫
原点Oに対する極座標(r,θ)に配置された理想的な高次音源の放射モードm(n)により生成される極座標(r,θ)における波数kでの音場を表す時間周波数領域信号S(r,θ,r,θ;k)は、円筒加法定理により原点Oに対して、次のように表すことができる。

であり、r=(r cos θ,r sin θ)であり、r =(rcos θ,r sin θ)であり、βはr とr との間の角度であり、

と表現される。ここで、
rot=xcosθ+ysinθ (31)
かつ、
rot=−xsinθ+ycosθ (32)
である。
一般的な高次音源は単一のスピーカユニットであり、与えられたN次までの全ての次数の放射モードm(n)を生成できる。放射モードm(n)(n∈[−N,N])を持つ極座標(r,θ)に配置されたN次の単一の高次音源は、以下のS(r,θ,r,θ;k)で表される波数kの音場を極座標(r,θ)に生成できる。

ただし、w(k)は放射モードm(n)および波数kに対する重みを表す。式(33)は以下のように展開される。
L次の高次音源の重畳によって、波数kの時間周波数領域信号S(r,θ;k)で表される音場を極座標(r,θ)に生成できる。

ただし、θが原点に対する高次音源12−uの極座標(R,θ)の偏角である。これは、所望の内部音場と外部音場の近似に応用できる。
《高次音源による空間マルチゾーン音場再生》
L個の高次音源12−1,…,12−Lから構成される円状アレイで所望の空間領域14−1,…,14−Sに所望の音場を再現する。このために、各高次音源12−u(ただし、u=1,…,L)の波数kでの各放射モードm(n)(ただし、n=−N,…,N)に対する重みwn.u(k)を決めなければならない。各各高次音源12−uはN次の極応答までの放射モードm(−N),…,m(N)を生成できる。重みwn.u(k)は二乗誤差を最小化することによって決定付けられる。本形態では、円状アレイの外部音場をとりわけ制御せず、円状アレイの内部音場のみを制御する。
《円形アレイの内部音場の制御》
外部音場を制御せずに所望の内部音場を制御するには、高次音源12−1,…,12−Lにより生成される音場の線形和により、任意の展開係数を持つ所望の内部音場を生成する必要がある。各高次音源12−uはN次までの極応答を生成し、所望音場を表現する展開次数をM(k)とする。ただし、M(k)は正整数である。この場合、式(13)の右辺と式(35)の右辺(r<Rの場合)とを一致させる必要がある。これから以下の関係が成り立つ。
式(36)の方程式を行列−ベクトル形式で書くと以下のようになる。
G(k)w(0)(k)=β(k) (37)
ただし、G(k)は(2M(k)+1)×L(2N+1)の行列であり、w(0)(k)はL(2N+1)個の重みw(0) n,u(k)(ただし、n=−N,...,N、u=1,...,L)からなるベクトルであり、

である。
式(37)の左辺と右辺の各要素の二乗誤差を最小にするw(0) n,u(k)(近似解または解)からなるベクトルw(0)(k)は以下のようになる。
(0)(k)=G(k)[G(k)G(k)+λ(k)I]−1β(k) (38)
ここで、Iは(2M(k)+1)×(2M(k)+1)の単位行列であり、2M(k)+1≦L(2N+1)である。λ(k)は正則化パラメータであり、λ(k)=0のときに式(38)は最小ノルム解となる。またλ(k)は、G(k)が小さい特異値を持つ場合に重みの解を減らすために用いられる。円状アレイの内部で音場を再現するのに必要な次数M(k)は以下のようになる。

ただし、式(39)の右辺は(ekR/2)の天井関数値を表す。周波数に伴って次数Nが上昇し、
2M(k)+1=βL(2N+1),β<1 (40)
の関係式により、次数M(k)が限定される。よって、空間ナイキスト周波数の近似値は以下のようになる。
<動作>
以上のように得られるw(0) n,u(k)は制御部11(図2)の記憶部111に格納される。また入力信号S(k)も記憶部111に格納される。重み取得部112は、記憶部111からw(0) n,u(k)を読み込み、w(0) n,u(k)をフィルタリング部113−uに送る(ただし、u=1,…,L)。フィルタリング部113−uは記憶部111から入力信号S(k)を読み込み、高次音源12−uの波数kでの放射モードm(ν)に対するフィルタ重みをw(0) n,u(k)とするフィルタを入力信号S(k)に適用し、出力信号Sνu(k)を得る。フィルタリング部113−uの処理は時間領域で行われてもよいし、時間周波数領域で行われてもよい。各高次音源12−uは、例えば、円筒形のバッフルの外周に等間隔で環状に配置されたD個のスピーカsp(χ)(ただしχ∈[0,D−1])による環状アレイによって構成できる(例えば、参考文献1)。この場合、高次音源12−uから放射モードm(ν)で放射を行う各スピーカsp(χ)の音響信号の重みは
u,χ=(1/iρcD)e−iνφ(χ)
となる。ただし、χ∈[0,D−1]であり、φ(χ)は高次音源12−uをなする環状アレイの中心に対する二次元平面上での角度φ(χ)=2χπ/Dである。また、ρは空気の密度、cは音速を表す。この例の場合、出力信号Sνu(k)は以下のようになる。
νu(k)=w(0) n,u(k)Wu,χS(k)
出力信号Sνu(k)またはその組み合わせ(線形和)は駆動信号生成部114−1に送られ、駆動信号生成部114−1は出力信号Sνu(k)またはその組み合わせに対応する駆動信号S’νu(k)またはその組み合わせを生成して高次音源12−uに出力する。高次音源12−uは駆動信号S’νu(k)またはその組み合わせに応じた再生パターンの音響信号を放射する。これにより、所望の空間領域14−1,…,14−Sに所望の音場が生成され、空間マルチゾーン音場再生が実現される。本形態ではGνu(k)によって高次音源12−u(ただし、u=1,…,L)の放射モードm(ν)(ただし、ν=1,…,2N+1)のそれぞれを制御する。これにより、反響による鏡像の制御の自由度を向上でき、残響室で複数の領域に正確な音場を再現するために必要な次数Nの高次音源12−u(次数N)の個数Lを、非特許文献1に比べて最大N+1分の1にまで削減できる。
〔第2実施形態〕
第2実施形態は第1実施形態の変形例である。第2実施形態の第1実施形態からの相違点は、内部音場を制御せずに所望の外部音場を制御する点である。以下では第1実施形態との相違点を中心に説明を行う。
<構成>
図4Aに例示するように、本形態の音場再生装置2は、制御部21と、円周上に配置されたL個の高次音源12−u(ただし、u=1,…,L)とを有する。図2に例示するように、制御部21は記憶部111と重み取得部212とフィルタリング部113−uと駆動信号生成部114−uとを有する。制御部21は、例えば、前述のコンピュータが所定のプログラムを実行することで構成される。
≪幾何学配置≫
第1実施形態との相違点は、1個の2次元の局所的(ローカル)な所望の空間領域(円形領域)24−1ならびにそれに対応する所望の音場を想定する点である(図4A)。ただし、空間領域24−1は、大域的な原点Oを中心とした半径R>rの円形領域外に存在する。
《円形アレイの外部音場の制御》
内部音場を制御せずに所望の外部音場を制御するには、高次音源12−1,…,12−Lにより生成される音場の線形和により、任意の展開係数を持つ所望の外部音場を生成する必要がある。各高次音源12−uはN次までの極応答を生成し、所望音場を表現する展開次数をM(k)とする。ただし、M(k)は正整数である。この場合、式(13)の右辺と式(35)の右辺(r>Rの場合)とを一致させる必要がある。これから以下の関係が成り立つ。

式(42)の方程式を行列−ベクトル形式で書くと以下のようになる。
J(k)w(1)(k)=γ(k) (43)
ただし、G(k)は(2M(k)+1)×L(2N+1)の行列であり、w(1)(k)はL(2N+1)個の重みw(1) n,u(k)(ただし、n=−N,...,N、u=1,...,L)からなるベクトルであり、

であり、γ (k)=β (k)である。
式(42)の左辺と右辺の各要素の二乗誤差を最小にするw(1) n,u(k)(近似解または解)からなるベクトルw(1)(k)は以下のようになる。
(1)(k)=J(k)[J(k)J(k)+λ(k)I]−1γ(k) (44)
円状アレイの外部で音場を再現するのに必要な次数M(k)は以下のようになる。

周波数に伴って次数Nが上昇し、
2M(k)+1=βL(2N+1),β<1 (46)
の関係式により、次数M(k)が限定される。よって、空間ナイキスト周波数の近似値は以下のようになる。
<動作>
以上のように得られるw(1) n,u(k)は制御部11(図2)の記憶部111に格納される。また入力信号S(k)も記憶部111に格納される。重み取得部212は、記憶部111からw(1) n,u(k)を読み込み、w(1) n,u(k)をフィルタリング部113−uに送る(ただし、u=1,…,L)。フィルタリング部113−uは記憶部111から入力信号S(k)を読み込み、高次音源12−uの波数kでの放射モードm(ν)に対するフィルタ重みをw(1) n,u(k)とするフィルタを入力信号S(k)に適用し、出力信号Sνu(k)を得る。これ以降の処理は第1実施形態と同じである。
〔第3実施形態〕
第3実施形態は第1実施形態の変形例である。第3実施形態の第1実施形態からの相違点は、内部音場と外部音場の両方を制御する点である。以下では第1実施形態との相違点を中心に説明を行う。
<構成>
図4Bに例示するように、本形態の音場再生装置3は、制御部31と、円周上に配置されたL個の高次音源12−u(ただし、u=1,…,L)とを有する。図2に例示するように、制御部21は記憶部111と重み取得部312とフィルタリング部113−uと駆動信号生成部114−uとを有する。制御部11は、例えば、前述のコンピュータが所定のプログラムを実行することで構成される。
≪幾何学配置≫
第1実施形態との相違点は、互いにオーバーラップしないS個の2次元の局所的(ローカル)な所望の空間領域(円形領域)34−1,…,34−Sならびにそれらに対応する所望の音場を想定する点である(図4A)。ただし、空間領域34−1,…,34−(S−1)は半径R<rの円形領域内に存在し、空間領域34−Sは半径R>rの円形領域外に存在する。
《円形アレイの内部/外部音場の同時制御》
本形態では内部音場と外部音場を別々に制御する。この場合、任意の展開係数を持つ所望の内部音場と任意の展開係数を持つ所望の外部音場を生成するため、高次音源により生成される音場の重みつき和を取る必要がある。前述の内部音場制御の方程式(式(37))および外部音場制御の方程式(式(43))を組み合わせると以下のようになる。

ただし、w(2)(k)はL(2N+1)個の重みw(2) n,u(k)(ただし、n=−N,...,N、u=1,...,L)からなるベクトルである。
式(48)の左辺と右辺の各要素の二乗誤差を最小にするw(1) n,u(k)(近似解または解)からなるベクトルw(1)(k)は以下のようになる。
(2)(k)=Ψ(k)[Ψ(k)Ψ(k)+λ(k)I]−1ζ(k) (49)
周波数に伴って次数Nが上昇し、
2(M(k)+M(k))+1=βL(2N+1),β<1 (50)
の関係式により、空間ナイキスト周波数の近似値は以下のようになる。
<動作>
以上のように得られるw(2) n,u(k)は制御部11(図2)の記憶部111に格納される。また入力信号S(k)も記憶部111に格納される。重み取得部312は、記憶部111からw(2) n,u(k)を読み込み、w(2) n,u(k)をフィルタリング部113−uに送る(ただし、u=1,…,L)。フィルタリング部113−uは記憶部111から入力信号S(k)を読み込み、高次音源12−uの波数kでの放射モードm(ν)に対するフィルタ重みをw(2) n,u(k)とするフィルタを入力信号S(k)に適用し、出力信号Sνu(k)を得る。これ以降の処理は第1実施形態と同じである。
〔無指向性と高次音源によるマルチゾーン音場再生の原理的な限界の比較〕
空間マルチゾーン音場再生では、


(k)=M(k)≧(M(k)+M(k)+…+M(k)) (53)
により、各空間領域の中心座標と半径が求まる。
L個の無指向性スピーカを用いて所望の内部音場を生成する場合、空間ナイキスト周波数の近似値は、
一方、L個の高次音源12−u(ただし、u=1,…,L)を用い、外部音場を制御せずに所望の内部音場を制御した場合、空間ナイキスト周波数の近似値は、

となる。またL個の高次音源12−u(ただし、u=1,…,L)を用い、内部音場および外部音場の両方を制御した場合、空間ナイキスト周波数の近似値は、

となる。
式(55)より、複数の空間領域を内包する円の半径Rが同一な場合、次数Nの高次音源12−uの円状アレイを用い、外部音場の抑圧を行わないこととすることで、無指向性スピーカの円状アレイによる音場再現の約2N倍の帯域幅の音場を高精度に再現できることが分かる。
無指向性スピーカの円状アレイによる音場再現では外部音場を抑制できない。これに対し、本形態では外部音場を抑圧することもできる。式(56)より、次数Nの高次音源12−uの円状アレイを用い、外部音場の抑圧を行う場合には、無指向性スピーカの円状アレイによる音場再現の約N倍の帯域幅の音場を高精度に再現できることが分かる。
〔変形例等〕
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述の制御部の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
制御部の構成をコンピュータによって実現する場合、これらが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。このプログラムをコンピュータで実行することにより、それらの処理機能がコンピュータ上で実現される。この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例は、非一時的な(non-transitory)記録媒体である。このような記録媒体の例は、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等である。
このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録装置に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。
上記実施形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させて本装置の処理機能が実現されたが、これらの処理機能の少なくとも一部がハードウェアで実現されてもよい。
1〜3 音場再生装置

Claims (8)

  1. 指向性パターンが異なる互いに独立な複数個の放射モードの何れかまたは前記複数個の放射モードの少なくとも一部の組み合わせからなる、再生パターンで音響信号を再生する複数個の高次音源を有し、
    前記複数個の高次音源は円周上に配置され、
    前記再生パターンは、複数個の空間領域に所望の音場を生成するために、前記放射モードのそれぞれの重みが制御されたものである、音場再生装置。
  2. 請求項1の音場再生装置であって、
    前記複数個の高次音源がL個の前記高次音源hs(1),…,hs(L)であり、Lが正整数であり、前記複数個の放射モードが2N+1個の放射モードm(−N),…,m(N)であり、Nが正整数であり、u=1,…,Lであり、n=−N,…,Nであり、kが波数であり、Rが前記高次音源hs(u)の大きさを表す値であり、Rが円周の半径を表す値であり、Hι(・)が次数ιの第一種のハンケル関数であり、H’ι(・)が前記ハンケル関数Hι(・)の導関数であり、iが虚数単位であり、eがネイピア数であり、θが原点に対する前記高次音源hs(u)の偏角であり、β (k)が前記所望の音場が生成された前記複数個の空間領域を含む領域の極座標(r,θ)での波数kの周波数領域信号S(r,θ;k)のmについての展開係数であり、M(k)が正整数であり、
    前記再生パターンは、m∈[−M(k),M(k)]についての
    を満たすw(0) n,u(k)の解または近似解を、前記高次音源hs(u)の波数kでの放射モードm(n)に対するフィルタ重みとしたパターンである、音場再生装置。
  3. 指向性パターンが異なる互いに独立な複数個の放射モードの何れかまたは前記複数個の放射モードの少なくとも一部の組み合わせからなる、再生パターンで音響信号を再生する複数個の高次音源を有し、
    前記複数個の高次音源は円周上に配置され、
    前記再生パターンは、空間領域に所望の音場を生成するために、前記放射モードのそれぞれの重みが制御されたものであり、
    前記複数個の高次音源がL個の前記高次音源hs(1),…,hs(L)であり、Lが正整数であり、前記複数個の放射モードが2N+1個の放射モードm(−N),…,m(N)であり、Nが正整数であり、u=1,…,Lであり、n=−N,…,Nであり、kが波数であり、Rが前記高次音源hs(u)の大きさを表す値であり、Rが円周の半径を表す値であり、Jι(・)が次数ιのベッセル関数であり、H’ι(・)が次数ιの第一種のハンケル関数の導関数であり、iが虚数単位であり、eがネイピア数であり、θが前記高次音源hs(u)の偏角であり、γ (k)が前記所望の音場が生成された領域の極座標(r,θ)での波数kの周波数領域信号S(r,θ;k)のmについての展開係数であり、M(k)が正整数であり、
    前記再生パターンは、m∈[−M(k),M(k)]についての

    を満たすw(1) n,u(k)の解または近似解を、前記高次音源hs(u)の波数kでの放射モードm(n)に対するフィルタ重みとしたパターンである、音場再生装置。
  4. 請求項1の音場再生装置であって、
    前記複数個の高次音源がL個の前記高次音源hs(1),…,hs(L)であり、Lが正整数であり、前記複数個の放射モードが2N+1個の放射モードm(−N),…,m(N)であり、Nが正整数であり、u=1,…,Lであり、n=−N,…,Nであり、kが波数であり、Rが前記高次音源hs(u)の大きさを表す値であり、Rが円周の半径を表す値であり、Hι(・)が次数ιの第一種のハンケル関数であり、H’ι(・)が前記ハンケル関数Hι(・)の導関数であり、iが虚数単位であり、eがネイピア数であり、θが前記高次音源hs(u)の偏角であり、β (k)が前記所望の音場が生成された前記複数個の空間領域を含む領域の極座標(r,θ)での波数kの周波数領域信号S(r,θ;k)のmについての展開係数であり、M(k)が正整数であり、m∈[−M(k),M(k)]についての
    をG(k)w(0)(k)=β(k)と表記し、G(k)が(2M(k)+1)×L(2N+1)の行列であり、w(0)(k)がL(2N+1)個のw(0) n,u(k)(ただし、n=−N,…,N、u=1,…,L)からなる縦ベクトルであり、

    であり、(・)が(・)の転置であり、
    γ (k)が前記所望の音場が生成された前記複数個の空間領域を含む領域の極座標(r,θ)での波数kの周波数領域信号S(r,θ;k)のmについての展開係数であり、M(k)が正整数であり、m∈[−M(k),M(k)]についての

    をJ(k)w(1)(k)=γ(k)と表記し、J(k)が(2M(k)+1)×L(2N+1)の行列であり、w(1)(k)がL(2N+1)個のw(1) n,u(ただし、n=−N,…,N、u=1,…,L)からなる縦ベクトルであり、

    であり、
    前記再生パターンは、

    を満たすw(2)(k)の解または近似解の要素w(2) n,u(k)(ただし、n=−N,…,N、u=1,…,L)を、前記高次音源hs(u)の波数kでの放射モードm(n)に対するフィルタ重みとしたパターンである、音場再生装置。
  5. 円周上に配置された複数個の高次音源が、指向性パターンが異なる互いに独立な複数個の放射モードの何れかまたは前記複数個の放射モードの少なくとも一部の組み合わせからなる、再生パターンで音響信号を再生し、
    前記再生パターンは、複数個の空間領域に所望の音場を生成するために、前記放射モードのそれぞれの重みが制御されたものである、音場再生方法。
  6. 請求項5の音場再生方法であって、
    前記複数個の高次音源がL個の前記高次音源hs(1),…,hs(L)であり、Lが正整数であり、前記複数個の放射モードが2N+1個の放射モードm(−N),…,m(N)であり、Nが正整数であり、u=1,…,Lであり、n=−N,…,Nであり、kが波数であり、Rが前記高次音源hs(u)の大きさを表す値であり、Rが円周の半径を表す値であり、Hι(・)が次数ιの第一種のハンケル関数であり、H’ι(・)が前記ハンケル関数Hι(・)の導関数であり、iが虚数単位であり、eがネイピア数であり、θが原点に対する前記高次音源hs(u)の偏角であり、β (k)が前記所望の音場が生成された前記複数個の空間領域を含む領域の極座標(r,θ)での波数kの周波数領域信号S(r,θ;k)のmについての展開係数であり、M(k)が正整数であり、
    前記再生パターンは、m∈[−M(k),M(k)]についての
    を満たすw(0) n,u(k)の解または近似解を、前記高次音源hs(u)の波数kでの放射モードm(n)に対するフィルタ重みとしたパターンである、音場再生方法。
  7. 円周上に配置された複数個の高次音源が、指向性パターンが異なる互いに独立な複数個の放射モードの何れかまたは前記複数個の放射モードの少なくとも一部の組み合わせからなる、再生パターンで音響信号を再生し、
    前記再生パターンは、空間領域に所望の音場を生成するために、前記放射モードのそれぞれの重みが制御されたものであり、
    前記複数個の高次音源がL個の前記高次音源hs(1),…,hs(L)であり、Lが正整数であり、前記複数個の放射モードが2N+1個の放射モードm(−N),…,m(N)であり、Nが正整数であり、u=1,…,Lであり、n=−N,…,Nであり、kが波数であり、Rが前記高次音源hs(u)の大きさを表す値であり、Rが円周の半径を表す値であり、Jι(・)が次数ιのベッセル関数であり、H’ι(・)が次数ιの第一種のハンケル関数の導関数であり、iが虚数単位であり、eがネイピア数であり、θが前記高次音源hs(u)の偏角であり、γ (k)が前記所望の音場が生成された領域の極座標(r,θ)での波数kの周波数領域信号S(r,θ;k)のmについての展開係数であり、M(k)が正整数であり、
    前記再生パターンは、m∈[−M(k),M(k)]についての

    を満たすw(1) n,u(k)の解または近似解を、前記高次音源hs(u)の波数kでの放射モードm(n)に対するフィルタ重みとしたパターンである、音場再生方法。
  8. 請求項5の音場再生方法であって、
    前記複数個の高次音源がL個の前記高次音源hs(1),…,hs(L)であり、Lが正整数であり、前記複数個の放射モードが2N+1個の放射モードm(−N),…,m(N)であり、Nが正整数であり、u=1,…,Lであり、n=−N,…,Nであり、kが波数であり、Rが前記高次音源hs(u)の大きさを表す値であり、Rが円周の半径を表す値であり、Hι(・)が次数ιの第一種のハンケル関数であり、H’ι(・)が前記ハンケル関数Hι(・)の導関数であり、iが虚数単位であり、eがネイピア数であり、θが前記高次音源hs(u)の偏角であり、β (k)が前記所望の音場が生成された前記複数個の空間領域を含む領域の極座標(r,θ)での波数kの周波数領域信号S(r,θ;k)のmについての展開係数であり、M(k)が正整数であり、m∈[−M(k),M(k)]についての
    をG(k)w(0)(k)=β(k)と表記し、G(k)が(2M(k)+1)×L(2N+1)の行列であり、w(0)(k)がL(2N+1)個のw(0) n,u(k)(ただし、n=−N,…,N、u=1,…,L)からなる縦ベクトルであり、

    であり、(・)が(・)の転置であり、
    γ (k)が前記所望の音場が生成された前記複数個の空間領域を含む領域の極座標(r,θ)での波数kの周波数領域信号S(r,θ;k)のmについての展開係数であり、M(k)が正整数であり、m∈[−M(k),M(k)]についての

    をJ(k)w(1)(k)=γ(k)と表記し、J(k)が(2M(k)+1)×L(2N+1)の行列であり、w(1)(k)がL(2N+1)個のw(1) n,u(k)(ただし、n=−N,…,N、u=1,…,L)からなる縦ベクトルであり、

    であり、
    前記再生パターンは、

    を満たすw(2)(k)の解または近似解の要素w(2) n,u(k)(ただし、n=−N,…,N、u=1,…,L)を、前記高次音源hs(u)の波数kでの放射モードm(n)に対するフィルタ重みとしたパターンである、音場再生方法。
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