JP6343518B2 - パール調の遮熱複層塗膜の形成方法およびそれから得られる遮熱複層塗膜 - Google Patents

パール調の遮熱複層塗膜の形成方法およびそれから得られる遮熱複層塗膜 Download PDF

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Description

本発明は、パール調の遮熱複層塗膜、特に自動車のパール調の遮熱複層塗膜の形成方法およびそれから得られる遮熱複層塗膜に関する。
近年、自動車車体用塗料として、見る角度によって色が変わる、いわゆる光輝性顔料を含んだパール調塗色が好まれてきている。これにより物体を立体的に見せることが可能となってきている。
このような塗色設計に使用する光輝性顔料として干渉系マイカ顔料等が挙げられる。この干渉系マイカ顔料はマイカフレークやアルミナフレーク上に金属酸化物をコーティングしたもので、コーティング部分で光の干渉を起こすのでフレーク顔料のキラキラ感の上に干渉による色の変化によるパール系発色をもたらす。
このようなパール調の複層塗膜の形成方法は、通常、図1に示されるように、基材1上に電着塗膜2を形成し、その上に中塗り塗膜3を形成し、更にその上にカラーベース塗膜4、上述の光輝性塗料を含む光輝性塗膜5およびクリヤー塗膜6を形成することにより行われている。このような電着塗膜、中塗り塗膜、カラーベース塗膜およびクリヤー塗膜からなる複層塗膜の形成において、省資源や工程の省略などから、中塗り塗膜3を形成しない塗装方法が提案されている(例えば、下記特許文献1)。
しかしながら、中塗り塗膜を形成せずに硬化電着塗膜の上に直接低隠蔽性のカラーベース塗膜を塗装すると、太陽光線に含まれる紫外線はカラーベース塗膜によって十分に遮蔽されないために電着塗膜にまで太陽光線の紫外線が届き、それにより電着塗膜の光劣化が起こり、複層塗膜全体が剥がれるという不具合が報告されている。
一方、自動車車体は、日光に曝され温度上昇を招きやすいことから、遮熱性の塗料を塗布し、車内の温度上昇を低減させることが望まれる場合があり、黒色系の遮熱塗料を調製する方法としては、赤外波長域反射率が高い着色顔料を減法混色法により混合することにより調製される方法が知られている(特許文献2など)。また、特許文献3に、赤外波長域反射率が高い黄色、赤色および青色顔料で低明彩色を出す、いわゆる減法混色という概念で自動車の塗膜の各層を遮熱塗膜にすることも提案されている。しかしながら、特許文献2および3においては、L25値60〜80の中明度における着色塗膜についての検討がなされておらず、彩度についてもC値60以上の着色塗膜についても検討がなされていない。
特開2012−25905号公報 特開2009−286862号公報 特開2000−212475号公報
本発明は、自動車車体上に、電着塗膜、着色中塗り塗膜、光輝性塗膜およびクリヤー塗膜を形成する着色パール調の複層塗膜の形成方法において、着色中塗り塗膜の光線透過率を特定して、かつ減法混色により明度を制御した複層塗膜形成方法を提供する。さらに、高彩度の着色パール調の複層塗膜が得られる複層塗膜の形成方法を提供する。尚、本明細書中で「着色中塗り塗膜」とは、前述の中塗り塗膜を形成しない態様で、カラーベース塗膜と中塗り塗膜が一体化された塗膜を意味する。
即ち、本発明は、基材を電着塗装し焼付けして硬化電着塗膜を形成する工程(1)、得られた硬化電着塗膜上に二酸化チタン顔料および着色顔料を含有する着色中塗り塗料を塗布し焼付けして硬化着色中塗り塗膜を形成する工程(2)、得られた硬化着色中塗り塗膜上に干渉性光輝性顔料を含有する光輝性塗料を塗布して光輝性塗膜を形成する工程(3)、得られた光輝性塗膜上にクリヤー塗料を塗布してクリヤー塗膜を形成する工程(4)、前記工程(3)および(4)で得られた光輝性塗膜およびクリヤー塗膜を焼付けして複層塗膜を形成する工程(5)
を含むパール調の遮熱複層塗膜の形成方法であって、
前記硬化着色中塗り塗膜は、光線透過率が、300以上420nm以下の波長領域で0.1%以下であって、カーボンブラックを含有せず、前記着色顔料の減法混色によってL25値を60以上80未満に調整したものであって、
前記着色顔料として、780〜2500nmの波長領域における赤外線反射率が30%以上である着色顔料であって、青系顔料、赤系顔料、緑系顔料、及び黄色系顔料からなる群より選択される2種類以上の着色顔料を用い、
前記二酸化チタン顔料として一次平均粒子径が200〜1000nmである二酸化チタンを用い、
前記複層塗膜の赤外線反射率が60%以上であるパール調の遮熱複層塗膜の形成方法を提供する。
前記硬化着色中塗り塗膜の膜厚は、好ましくは25μm以上である。
本発明は、また、上記パール調の遮熱複層塗膜形成方法によって得られる複層塗膜を提供する。
本発明では、着色中塗り塗膜の光線透過率を限定することにより、電着塗膜にまで太陽光線の紫外光が届きにくくなり、電着塗膜の光劣化による複層塗膜の剥離が殆ど起こらなくなる。
また、本発明の着色中塗り塗膜は、カーボンブラックを用いないで、減法混色で明度および色相を制御しているので、遮熱効果が高く、この中塗り塗膜を用いた最終の複層塗膜の赤外線反射率が60%を超える優れたものとなる。
従来の複層塗膜を模式的に示す図である。
本発明の複層塗膜の形成方法は、自動車車体を電着塗装し焼付けして硬化電着塗膜を形成する工程(1)、得られた硬化電着塗膜上に二酸化チタン顔料および着色顔料を含有する着色中塗り塗料を塗布し焼付けして硬化着色中塗り塗膜を形成する工程(2)、得られた硬化着色中塗り塗膜上に干渉性光輝性顔料を含有する光輝性塗料を塗布して光輝性塗膜を形成する工程(3)、得られた光輝性塗膜上にクリヤー塗料を塗布してクリヤー塗膜を形成する工程(4)、前記工程(3)および(4)で得られた光輝性塗膜およびクリヤー塗膜を焼付けして複層塗膜を形成する工程(5)を含む5つの工程からなる。工程を順番に説明する。
工程(1)
本発明の最初の工程は、自動車車体を電着塗装し焼き付けして硬化電着塗膜を形成する工程である。
基材
本発明の複層塗膜形成方法において自動車車体としては、例えば、冷延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板等の鋼板その他の金属からなる自動車車体用基材が挙げられ、一部にガラス、プラスチック、発泡体等を含んでもよい。
上記鋼板その他の金属としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛等およびこれらの金属を含む合金が挙げられる。自動車車体としては、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車車体および部品が挙げられる。これらの金属は予めリン酸塩、クロム酸塩、ジルコニウム化合物等で化成処理され、水洗されたものが好ましい。
電着塗装
上記自動車車体は、電着塗装し焼付けして硬化電着塗膜を形成する。電着塗装はカチオン電着塗装、あるいはアニオン電着塗装のいずれであってもよいが、通常カチオン電着塗装が用いられる。本発明の電着塗装に用いられるカチオン電着塗料は、特に限定されるものではなく公知のものを使用することができる。カチオン電着塗料は、カチオン性基体樹脂、硬化剤及び顔料を含有する。
カチオン性基体樹脂としては、特に限定されないが、例えば、特公昭54−4978号公報、特公昭56−34186号公報等に記載されたアミン変性エポキシ樹脂系、特公昭55−115476号公報等に記載されたアミン変性ポリウレタンポリオール樹脂系、特公昭62−61077号公報、特開昭63−86766号公報等に記載されたアミン変性ポリブタジエン樹脂系、特開昭63−139909号公報、特公平1−60516号公報等に記載されたアミン変性アクリル樹脂系、特開平6−128351号公報等に記載されたスルホニウム基含有樹脂系等を挙げることができる。上記引例に記載されたものの他、ホスホニウム基含有樹脂系等を使用することもできる。上記カチオン性基体樹脂のなかでも、アミン変性エポキシ樹脂系を使用することが特に好ましい。
硬化剤としては、アミノ樹脂や、ブロックポリイソシアネート化合物などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明において、電着塗膜の焼き付け硬化後の膜厚は、好ましくは5〜40μm、より好ましくは10〜25μmとする。膜厚が5μm未満であると、耐食性が不十分となるおそれがある。一方40μmを超えても耐食性はこれ以上向上しない。本発明では、硬化電着塗膜を得るための電着塗膜の焼付けは一般的な条件で行い得る。例えば、130〜180℃で10〜60分で行うことができる。
工程(2)
工程(2)は、工程(1)で得られた硬化電着塗膜上に二酸化チタン顔料および着色顔料を含有する着色中塗り塗料を塗布し焼付けして硬化着色中塗り塗膜を形成する工程である。
着色中塗り塗料
本発明の複層塗膜形成方法において、工程(2)は、工程(1)で得られた硬化電着塗膜上に二酸化チタン顔料および着色顔料を含んだ着色中塗り塗料を塗布して着色中塗り塗膜を形成するものである。
上記硬化着色中塗り塗膜は、L25値が60以上80未満であることが必要である。硬化着色中塗り塗膜の明度を上記範囲にすることにより、中明度の複層塗膜を得ることができる。L25値は、市販の測色計にて測定することができ、例えば、CM512m−3(コニカミノルタ社製分光測色計)のL25値によって決定することができる。
硬化着色中塗り塗膜のL25値が60以上80未満であると、太陽光線の透過光が電着塗膜に到達しやすく、電着塗膜の劣化を引き起こすことがある。このため、本発明において硬化着色中塗り塗膜は、光線透過率が300nm以上420nm以下の波長領域で0.1%以下になるように調整する。硬化着色中塗り塗膜の光線透過率は、工程(2)で用いる着色中塗り塗料によって形成された単独硬化塗膜について、分光光度計(日立社製U−3310)を用い、波長300〜420nmにおいて20nm毎に光線透過率を測定し、その平均値として算出する。当該光線透過率が、上記範囲の上限より大きいと、太陽光線が硬化着色中塗り塗膜を透過して、硬化電着塗膜に達し、光劣化を引き起こす傾向が強くなる。当該光線透過率の制御は、基本的に硬化着色中塗り塗料中に配合する着色顔料により行われる。
当該硬化着色中塗り塗膜は、着色顔料にカーボンブラックを含まず、減法混色により明度をL25値が60以上80未満となるように調整する。減法混色は、既に知られた方法であり、熱を吸収する傾向の強いカーボンブラックを用いないで、明度を制御する方法であって、特開2000−212475号公報や特開2009−286862号公報などに詳しく記載されている。カーボンブラックを用いずに、着色顔料の減法混色によって明度を60以上80未満に調整することにより、本発明の複層塗膜の遮熱効果を向上させることができる。
使用する着色顔料としては、780〜2500nmの波長領域における顔料の赤外線反射率が30%以上である着色顔料であって、青系顔料、赤系顔料、緑系顔料、黄系顔料から選ばれるものである必要がある(以下、このような着色顔料を「高赤外線反射着色顔料」ということがある)。高赤外線反射着色顔料は、具体的には、シャニンブルー5240KBやファーストゲンスーパーレッドYE、リオノ―ルグリーン6YKPN、シコパールイエローL−1100などが挙げられる。高赤外線反射着色顔料のPWCとしては、0.1%〜30%が好ましく、0.15〜25%がより好ましい。ここで、PWCとは、塗料組成物に含まれる全てのバインダー成分の固形分及び全ての顔料の合計量に対する顔料質量濃度である。また、780〜2500nmの波長領域における顔料の赤外線反射率は、水性ベース塗料(例えば、本発明における光輝性塗料)に用いられる樹脂成分と当該顔料を分散させた顔料ペーストを混合してPWCが10%となるように調整し、これをポリプロピレン板に乾燥膜厚が10μm±2となるように塗装して剥離することで得られる単独皮膜について、波長780〜2500nmにおいて20nm毎に光線透過率を測定し、その平均値として算出したものである。
彩度の高い複層塗膜を得るためには、硬化着色中塗り塗膜の彩度を高彩度、具体的にはC値として60以上にすることが好ましい。このため、本発明における着色中塗り塗料において、高赤外線反射着色顔料としては、前記減法混色により明度を調整する高赤外線反射着色顔料だけでなく、硬化着色中塗り塗膜の彩度を上げる高赤外線反射着色顔料を含有することが好ましい。彩度を上げる高赤外反射着色顔料は、上記の高赤外線反射着色顔料に包含されるものであって、彩度を付与するために比較的多量に配合するものを意味する。従って、彩度を上げる高赤外線反射着色顔料は、硬化着色中塗り塗膜として得たい色相にする高赤外線反射着色顔料のことを言う。例えば、黄色系の硬化着色中塗り塗膜を得たい場合には、黄色系の高赤外線反射着色顔料が減法混色に使用する量より多く使用されなければならず、多く使用すれば彩度を上げることに寄与するのである。硬化着色中塗り塗膜の彩度を上げる高赤外線反射着色顔料としてはPWCで10%以上であることが好ましい。また、当該PWCの合計量を10%以上含有することにより、硬化着色中塗り塗膜の隠蔽性を向上させて、波長300〜420nmにおける光線透過率を0.1%以下にすることができる。なお、硬化着色中塗り塗膜で彩度を上げるための高赤外線反射着色顔料は、PWCとして単独で3%以上含有するものが該当し、PWCとして単独で5%以上含有することが好ましい。一方、高赤外線反射着色顔料がPWCとして単独で3%未満である場合には、硬化着色中塗り塗膜をC値60以上の高彩度にすることができない。C値は、L25値と同様、市販の測色計にて測定することができ、例えば、CM512m−3(コニカミノルタ社製分光測色計)のC値によって決定することができる。
高赤外線反射着色顔料において、硬化着色中塗り塗膜を高彩度にする高赤外線反射着色顔料以外の着色顔料は、減法混色により硬化着色中塗りの明度を60以上80未満に調整するものであり、前記PWCで0.5%以下であることが好ましい。当該PWCが0.5%を超えると、硬化着色中塗り塗膜の明度が低下しすぎてL値で60以上にすることができない場合があり、硬化着色中塗り塗膜の彩度もC値で60以上にできない場合がある。なお、当該高赤外線反射着色顔料を2種以上用いる場合には、これらの合計量がPWCとして0.5%以下であればよい。
本発明において着色中塗り塗料は、780〜2500nmの波長領域における顔料の赤外線反射率が30%未満である着色顔料も含有してもよい。当該着色顔料としては、具体的には、ジオキサジンバイオレット系のような紫系顔料やペリレンマルーンや酸化鉄レッド系のような赤系顔料、シャニングリーン系の緑系顔料、マピコイエローやイソインドリンエロー系の黄系顔料などが挙げられる。但し、当該着色顔料として、カーボンブラックは含有することはできない。本発明で用いる着色中塗り塗料において、780〜2500nmの波長領域における顔料の赤外線反射率が30%未満である着色顔料を含む場合、着色中塗り塗料におけるPWCは0.2%以下であることが好ましい。当該PWCが0.2%を超えると、硬化着色中塗り塗膜の隠蔽性が十分にできず、また、発明の複層塗膜の赤外線反射率を60%以上にできないおそれがある。
硬化着色中塗り塗膜を高彩度にする高赤外線反射着色顔料以外の高赤外線反射着色顔料として、780〜2500nmの波長領域における顔料の赤外線反射率が30%以上である着色顔料と、上述の780〜2500nmの波長領域における顔料の赤外線反射率が30%未満である着色顔料とを併用する場合は、これらの着色顔料の合計量がPWCで0.5%以下とすることが好ましい。
上記着色中塗り塗料に含まれる二酸化チタン顔料としては、一次粒子の体積平均粒子径が200〜1000nmである二酸化チタンを用いる。用いる二酸化チタンの一次粒子の体積平均粒子径が200nm未満であると、得られる複層塗膜について赤外線反射率60%以上とすることが困難となり、1000nmを超えると下地隠蔽性が悪くなる。二酸化チタン顔料の一次粒子の体積平均粒子径としては、250〜1000nmであることが好ましい。本発明に用いる二酸化チタン顔料としてはTITANIX JR−1000(テイカ社製、一次粒子の体積平均粒子径800nm)やタイペークCR−95(石原産業社製、一次粒子の体積平均粒子径250nm)等が挙げられる。得られる複層塗膜の遮熱効果を高めるためには、一次粒子の体積平均粒子径が200〜1000nmである二酸化チタンは、PWCとして20%以上用いることが好ましく、25%以上用いることがより好ましい。
バインダー成分
上記着色中塗り塗料は、上記二酸化チタン顔料および着色顔料の他に、バインダー成分として塗膜形成樹脂を含んでいる。上記塗膜形成樹脂には、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。上記バインダー成分は、必要に応じて硬化剤を含んでいる。上記硬化剤としては、アミノ樹脂及び/またはブロックポリイソシアネート化合物などが挙げられる。上記着色中塗り塗料に含まれる上記バインダー成分の固形分含有量は、塗料組成物の製造時には塗料組成物全体に対して30〜70質量%であり、塗布時には10〜50質量%の範囲である。
さらに、上記着色中塗り塗料は、着色顔料、二酸化チタン顔料およびバインダー成分の他に、当業者によってよく知られているその他の添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、例えば、シリコーン及び有機高分子のような表面調整剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、粘性制御剤等がある。これらの配合量は当業者の公知の範囲である。上記着色中塗り塗料の塗料形態は特に限定されず、具体的には、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルション)、非水分散型等を挙げることができる。
上記工程(2)において、自動車車体の基材上に着色中塗り塗料を塗布する方法としては特に限定されず、意匠性を高めるためにエアー静電スプレー塗装による多ステージ塗装、好ましくは2ステージで塗装するか、或いは、エアー静電スプレー塗装と、通称「μμ(マイクロマイクロ)ベル」、「μ(マイクロ)ベル」あるいは「メタベル」等と言われる回転霧化式の静電塗装機とを組み合わせた塗装方法等が挙げられる。
上記塗布方法による着色中塗り塗料の塗布膜厚は用途により変動するため限定されないが、例えば乾燥膜厚で25〜50μmである。50μmを上回ると、塗装時にムラあるいはワキ、タレ等の不具合が起こることがあり、25μmを下回ると、光線透過率が上がり、電着塗膜の光劣化により剥がれが起こる。
上記工程(2)によって得られた着色中塗り塗膜は着色中塗り塗料を塗布したのち、焼付けして硬化させる。塗布後、着色中塗り塗膜を硬化させる温度および時間は、上記着色中塗り塗料に含まれるバインダー成分によって適宜設定することができるが、通常、120〜160℃で10〜30分間である。なお、着色中塗り塗料が水性塗料であってもよい。
工程(3)
本発明の第3工程は、工程(2)で得られた着色中塗り塗膜上に、干渉性光輝性顔料を含んだ光輝性塗料を塗布して光輝性塗膜を形成する工程である。
干渉性光輝性顔料
上記の光輝性塗料に含まれる干渉性光輝性顔料は、通常パール色塗料に用いられるものであり、マイカフレーク、シリカフレーク、アルミナフレーク及びガラスフレークからなる群から選ばれた1種以上の基材の表面に金属酸化物の被覆層が設けられたものを挙げることができる。粒子感の観点から表面に、例えばTiO等およびそれらの含水物等の金属酸化物をコーティングしたアルミナフレーク顔料が好ましい。上記干渉性光輝性顔料の形状は特に限定されず、例えば、鱗片状のものであれば、体積累積粒子径D50が2〜50μmであり、かつ厚さが0.1〜3μmであるものが適している。
なお、体積累積粒子径D50は、体積累積平均粒子径であり、干渉性光輝性顔料の粒度分布において、小粒径側からある粒子径までの間で積算した粒子の合計体積を、粒子全体の体積に対する百分率で表したときに、その値が50%となるときの粒子径である。動的光散乱式法で測定される。より具体的には、UPA−150(マイクロトラック社製粒度分布測定装置)で測定することができる。
上記干渉性光輝性顔料は市販されており、シラリック T60−10 WNT(メルクジャパン社製干渉性アルミナフレーク顔料)、パールグレイズSME 90−9(日本光研社製マイカ系パール顔料)、メタシャインMC1020RSJA1(日本板硝子社製)等が好適に用いられる。
二酸化チタン顔料
本発明における光輝性塗料は、得られる複層塗膜の遮熱効果を向上させるためには、一次平均粒径200〜1000nmの二酸化チタンを含有することが好ましい。一次粒子の体積平均粒子径は、具体的にはUPA−150(マイクロトラック社製粒度分布測定装置)を用いて測定することができる。
上記一次平均粒子径が200〜1000nmである二酸化チタン顔料は市販されており、TITANIX JR−1000(テイカ社製、一次平均粒子径800nm)、タイペークCR−95(石原産業社製、一次平均粒子径250nm)が例示できる。もちろん、これらに限定されるものではない。
上記光輝性塗料は、上記干渉性光輝性顔料と上記二酸化チタン顔料の2種類を含む場合には、上記干渉性光輝性顔料と上記二酸化チタン顔料との質量比は、干渉性光輝性顔料/二酸化チタン顔料の比で10/1〜5/1、好ましくは10/1〜6/1が好ましい。上記質量比で、10/1より干渉性光輝性顔料が多いと得られる塗膜の仕上がり外観が低下し、5/1より干渉性光輝性顔料が少ないと光輝感が無くなり干渉性光輝性顔料の発色による意匠性が低下する。
上記光輝性塗料に含まれる干渉性光輝性顔料は、光輝性塗料組成物に含まれる全ての樹脂成分の固形分及び全ての顔料の合計量に対する顔料質量濃度(PWC)で1〜30質量%が好ましく、1〜25質量%の量であることがより好ましい。また、上記光輝性塗料に含まれる二酸化チタンは、PWCで0.1〜5質量%が好ましく、0.1〜4質量%であることがより好ましい。上記光輝性塗料に含まれる干渉性光輝性顔料と二酸化チタン顔料との合計量は、PWCで1.1〜35質量%が好ましく、1.1〜30質量%であることがより好ましい。
バインダー成分
本発明の光輝性塗料には、上記干渉性光輝性顔料と必要に応じて二酸化チタン顔料の他に、通常、バインダー成分として塗膜形成樹脂を含んでいる。塗膜形成樹脂は、上記の着色中塗り塗料で記載したものと同じものが使用できる。上記光輝性塗料に含まれる上記バインダー成分の固形分含有量は、塗料の製造時には塗料全体に対して30〜70質量%であり、塗布時には10〜50質量%の範囲である。硬化剤としては、特に限定されることはない。
他の成分
本発明で使用する光輝性塗料には、上記干渉性光輝性顔料、二酸化チタン顔料およびバインダー成分の他に、一般に塗装作業性を確保するために、粘性制御剤を添加することができる。上記粘性制御剤としては、一般にチクソトロピー性を示すものを使用でき、例えば、脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドの燐酸塩等のポリアマイド系のもの、酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系等のもの、有機酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベントナイト系のもの、ケイ酸アルミ、硫酸バリウム等の無機顔料、顔料の形状により粘性が発現する偏平顔料、架橋あるいは非架橋の樹脂粒子等を挙げることができる。
更に、上記光輝性塗料には、所望により、その他の添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、例えば、シリコーン及び有機高分子のような表面調整剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール等がある。これらの配合量は当業者の公知の範囲である。
上記光輝性塗料には、所望により、干渉性光輝性顔料以外の光輝性顔料を含有させることができる。上記光輝性塗料に含まれる干渉性光輝性顔料と干渉性光輝性顔料以外の光輝性顔料の合計量は、PWCで1〜50質量%であることが好ましく、1〜40質量%であることがより好ましい。干渉性光輝性顔料以外の光輝性顔料としては、アルミフレーク、着色アルミフレーク、ガラスフレーク、ホログラム顔料、液晶ポリマー顔料などが挙げられる。
上記光輝性塗料には、所望により、着色顔料を含有させることもできる。着色顔料としては、紫系、青系、赤系、緑系、黄系顔料が挙げられる。着色顔料として減法混色により明度調整することのできる2種類以上の着色顔料を用いて、遮熱効果を高めることができる。着色顔料のPWCは0.1〜30質量%であることが好ましく、0.1〜20質量%であることがより好ましい。体質顔料としては、タルク、焼成カオリン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸マグネシウムが挙げられる。体質顔料のPWCは、25〜60質量%であることが好ましく、30〜50質量%であることがより好ましい。
光輝性塗料の塗料形態としては特に限定されず、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルション)、非水分散型のいずれでもよい。
光輝性塗料は、上記干渉性光輝性顔料、その他の光輝性顔料、二酸化チタン顔料、バインダー成分、粘性制御剤およびその他の成分を混合・分散することにより調製する。
本発明の複層塗膜形成方法において、工程(3)は、上記工程(2)で得られた着色中塗り塗膜上に光輝性塗料を塗布して光輝性塗膜を形成するものである。上記光輝性塗料は、透過光および上記着色中塗り塗膜による反射光から、得られる複層塗膜にキラキラ感やパール系干渉色等の意匠を発現させるために形成される。
上記塗布方法は、上記工程(2)の着色中塗り塗膜の塗布方法と同様である。塗布膜厚としては、乾燥膜厚で10〜30μmとすることが好ましい。
工程(4)
本発明の複層塗膜の形成方法において、工程(4)は、上記工程(3)で得られた光輝性塗膜上にクリヤー塗料を塗布して、クリヤー塗膜を形成するものである。
上記クリヤー塗料は、通常、塗膜形成樹脂および硬化剤等を含有している。クリヤー塗料に用いられる塗膜形成樹脂および硬化剤としては、特に限定されるものではなく、上記着色中塗り塗料のところで述べたものが挙げられる。なお、得られる塗膜の透明性あるいは耐酸エッチング性等の点から、アクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂とアミノ樹脂との組み合わせ、あるいはカルボン酸・エポキシ硬化系を有するアクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂等が挙げられる。ウレタン系クリヤー塗料の場合は、1液型、2液型のいずれであってもよい。
更に、上記クリヤー塗料には、上記着色中塗り塗料と同様、その他の添加剤を含むことができる。特に、下層の光輝性塗膜と得られるクリヤー塗膜との混層、反転またはタレを未然に防止するために、粘性制御剤を含有することが好ましい。上記クリヤー塗料に含まれる樹脂固形分100質量部に対する粘性制御剤の固形分含有量は0.01〜10質量部であり、0.02〜8質量部が好ましく、0.03〜6質量部がより好ましい。上記固形分含有量が10質量部を上回ると外観が低下し、0.01質量部を下回ると粘性制御効果が得られず、タレ等の不具合をおこす原因となる。
上記クリヤー塗料の塗料形態としては特に限定されず、上記着色中塗り塗料と同様、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルション)、非水分散型、並びに粉体型、スラリー型等を挙げることができる。
上記クリヤー塗料の固形分含有量は特に限定されず、例えば20〜60質量%であり、好ましくは35〜55質量%である。また、塗布時の固形分含有量は、10〜50質量%であり、好ましくは20〜50質量%である。
上記塗布方法は、上記着色中塗り塗料のところで述べたものが挙げられる。上記塗布方法によるクリヤー塗料の塗布膜厚は用途により変動するため限定されないが、例えば乾燥膜厚で10〜70μmである。
工程(5)
本発明の工程(5)は、クリヤー塗膜の形成後、光輝性塗膜およびクリヤー塗膜を同時に焼き付けして複層塗膜を形成する。
硬化温度および硬化時間は、上記光輝性塗料およびクリヤー塗料に含まれるバインダー成分によって適宜設定することができるが、例えば、120〜160℃で10〜30分である。
本発明の複層塗膜形成方法によって形成される複層塗膜の乾燥膜厚は、55〜300μmであり、70〜250μmであることが好ましい。複層塗膜の乾燥膜厚が55μmを下回る塗膜自体の強度が低下するおそれがあり、複層塗膜の乾燥膜厚が300μmを上回ると、冷熱サイクル等の膜物性が低下する。
本発明の複層塗膜は、上記複層塗膜形成方法で得られたものである。上記複層塗膜は、硬化着色中塗り塗膜が所定範囲の光線透過率を有していて、電着塗膜の光劣化が抑制され、塗膜の剥離などが生じない。また、硬化着色中塗り塗膜は、カーボンブラックを用いずに、赤外線反射率が30%以上の着色顔料を減法混色により明度をL25値を60以上80未満に調節し、しかも所定粒径の二酸化チタン顔料を用いていることから、遮熱効果が高く、中明度の着色パール調の塗膜が得られる。さらに、高赤外線反射着色顔料を所定量用いることで、彩度の高い複層塗膜を得ることができる。
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
使用する塗料の作成
着色中塗り塗料1
熱硬化性ポリエステル樹脂(日本ペイント社製、固形分酸価8mgKOH/g、水酸基価80mgKOH/g、数平均分子量1,800、固形分70質量%)51.0質量部に、表1の着色中塗り塗料1の欄に記載のCR−95(石原産業社製二酸化チタン顔料、一次平均粒子径300nm)38.0質量部、そして、赤外線反射率30%以上の高赤外線反射着色顔料である、シャニンブルー顔料5240KB(大日精化株式会社から市販の青顔料)0.04質量部、リオノールグリーン6YKPN(東洋インキ社から市販の緑色顔料)0.2質量部、ファーストゲンスーパーレッドYE(DIC社から市販の赤色顔料)0.1質量部およびシコトランスイエローL−1100(BASF社から市販の黄色顔料)13.6質量部を加えて、均一分散することにより、着色中塗り塗料1を得た。膜厚は30μmであった。L25値をCM512m−3(コニカミノルタ社製分光測色計)で測定したところ、75であった。単独塗膜の彩度(C値)および波長300〜420nmの光線透過率も測定したところ、C値68.7、光線透過率0%であった。
着色中塗り塗料2〜6
表1に記載する顔料の組合せを、表1に記載する量で用いる以外は、上記着色中塗り塗料1と同様に着色中塗り塗料を作成した。尚、着色中塗り塗料5は、カーボンブラック(三菱カーボン社製MA−100)を別に添加したものであり、減法混色によらない例である。塗膜のL25値および単独塗膜の彩度(C値)および光線透過率を測定し、表1に記載した。また、膜厚も表1に記載した。
光線透過率の測定:
光線透過率は、着色中塗り塗料を用いて、25μm、30μm、35μmの3段階の膜厚に塗装後、剥がして当該塗料の単独塗膜を形成し、分光光度計(日立社製U−3310)にて波長300〜420nmにおいて10nm毎に光線透過率を測定し、その平均値として算出する。結果を表1に記載する。
Figure 0006343518
光輝性塗料
日本ペイント社製アクリルエマルション(体積平均粒子径150nm、不揮発分20%、固形分酸価20mgKOH/g、水酸基価40mgKOH/g)を35.0質量部、日本ペイント社製水溶性アクリル樹脂(不揮発分は30.0質量%、固形分酸価40mgKOH/g、水酸基価50mgKOH/g)を15.0質量部、プライムポールPX−1000(三洋化成工業社製ポリエーテルポリオール、不揮発分100%)を5.0質量部、ポリエステル樹脂(東洋紡社から市販のポリエステル樹脂、不揮発分71質量%)を20.0質量部、サイメル204(三井サイテック社製混合アルキル化型メラミン樹脂、不揮発分100%)を25.0質量部、アルミナフレークT60−10(メルク社から市販のアルミナフレーク顔料)を1.0質量部、イルガカラー2GLMA(CIBA社から市販の二酸化チタン顔料)を1.0質量部およびタイペークCR−95(石原産業社製二酸化チタン顔料、一次平均粒子径300nm)を0.1質量部を容器に加えて、ガラスビーズで、180分間分散することにより、光輝性顔料/二酸化チタンの質量比が8/1である光輝性塗料1を得た。
クリヤー塗料
マックフローO−1820クリヤー(日本ペイント社製カルボン酸・エポキシ硬化型クリヤー塗料)を使用した。
実施例1
(1)試験板の作成
リン酸亜鉛処理した厚さ0.8cmで20cm×30cmの大きさのSPCC−SD鋼板(ダル鋼板)に、カチオン電着塗料「パワートップU−50」(日本ペイント社製)を、乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装し、160℃で30分間焼き付けて、硬化電着塗膜を形成した。当該硬化カチオン電着塗膜上に、上記着色中塗り塗料1を乾燥膜厚30μmとなるようにスプレー塗装し、140℃で30分間加熱硬化して硬化着色中塗り塗膜1を得た。次に、得られた硬化着色中塗り塗膜1上に、上記光輝性塗料を乾燥膜厚15μmとなるよう回転霧化式静電塗装装置を用いて塗装し、光輝性塗膜を得た。その後80℃で4分間プレヒートを行った。
次に、得られた光輝性塗膜上に、上記クリヤー塗料を乾燥膜厚35μmとなるように回転霧化式静電塗装装置を用いて塗装し、クリヤー塗膜1を得た。その後、光輝性塗膜1およびクリヤー塗膜1を140℃で20分間、一度に加熱硬化させ、複層塗膜を備えた試験板を得た。
評価
得られた試験板の塗膜外観について、波長300〜420nmの光線透過率、意匠性(複層塗膜)、赤外線反射率(複層塗膜)および電着塗膜と中塗り塗膜との間の剥離を以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
干渉性光輝性顔料の発色による意匠性
○:パール系の発色が見える
×:パール系の発色が見えない
赤外線反射率(%)
日立ハイテク社製分光光度計U4100を用いて赤外線反射率(780〜2500nm)を測定した。
電着塗膜と中塗り塗膜間の剥離試験:
上記方法により複層塗膜が形成された試験板を、80℃の純水に10日間浸漬した後、セロテープ(登録商標)剥離試験を行って剥がれの有無を評価した。
〇:剥がれなし
×:剥がれあり
実施例2、3および比較例1〜3
着色中塗り塗料1を表1の着色中塗り塗料種に記載する着色中塗り塗料に代えて、実施例1と同様に試験板を作成し、得られた試験板について実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0006343518
上記実施例および比較例から明らかなように、実施例1〜3は、意匠性、赤外線反射率および電着塗膜と中塗り塗膜間の剥離試験の全てで良い評価が得られている。
一方、比較例1は、二酸化チタン顔料の一次平均粒子径が200nmより小さい例であり、赤外線反射率が悪い。比較例2は減法混色ではなく、カーボンブラックを用いたものであり、赤外線反射率が非常に悪い。比較例3は、波長300−420nmにおける光線透過率が0.1%を超えるため、硬化電着塗膜と硬化着色中塗り塗膜の間で剥離が生じた。この剥離の原因は、780〜2500nmの波長領域における赤外線反射率が30%以上である着色顔料の含有量がすべて0.1%以下であり、硬化着色中塗り塗膜の隠蔽性が低いためと考えられる。更に、比較例3における中塗塗膜は、彩度が5でしかなく、高彩度と言えず、複層塗膜の彩度に悪影響を及ぼした。
本発明は、自動車などの塗装において、優れた外観の着色パール調塗色を得ることができ、また遮熱効果を有する複層塗膜の形成方法を提供する。
1…基材
2…電着塗膜
3…中塗り塗膜
4…着色ベース塗膜
5…光輝性塗膜
6…クリヤー塗膜。

Claims (2)

  1. 自動車車体を電着塗装し焼付けして硬化電着塗膜を形成する工程(1)、得られた硬化電着塗膜上に二酸化チタン顔料および着色顔料を含有する着色中塗り塗料を塗布し焼付けして硬化着色中塗り塗膜を形成する工程(2)、得られた硬化着色中塗り塗膜上に干渉性光輝性顔料を含有する光輝性塗料を塗布して光輝性塗膜を形成する工程(3)、得られた光輝性塗膜上にクリヤー塗料を塗布してクリヤー塗膜を形成する工程(4)、前記工程(3)および(4)で得られた光輝性塗膜およびクリヤー塗膜を焼付けして複層塗膜を形成する工程(5)
    を含むパール調の遮熱複層塗膜の形成方法であって、
    前記硬化着色中塗り塗膜は、光線透過率が、300以上420nm以下の波長領域で0.1%以下であって、前記着色顔料としてカーボンブラックを含有せず、前記着色顔料の減法混色によってL25値を60以上80未満に調整したものであって、
    前記着色顔料として、780〜2500nmの波長領域における赤外線反射率が30%以上である着色顔料であって、青系顔料、赤系顔料、緑系顔料、及び黄色系顔料からなる群より選択される2種類以上の着色顔料を用い、
    前記二酸化チタン顔料として一次粒子の体積平均粒子径が200〜1000nmである二酸化チタンを用い、
    前記複層塗膜の赤外線反射率が60%以上である自動車車体用のパール調の遮熱複層塗膜の形成方法。
  2. 前記硬化着色中塗り塗膜の膜厚が25μm以上である請求項1記載の自動車車体用のパール調の遮熱複層塗膜の形成方法。
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