JP2001327916A - 積層パール塗膜の形成方法 - Google Patents

積層パール塗膜の形成方法

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JP2001327916A
JP2001327916A JP2000149765A JP2000149765A JP2001327916A JP 2001327916 A JP2001327916 A JP 2001327916A JP 2000149765 A JP2000149765 A JP 2000149765A JP 2000149765 A JP2000149765 A JP 2000149765A JP 2001327916 A JP2001327916 A JP 2001327916A
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mica
coating
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color
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Shinichi Fujiwara
真一 藤原
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイカ顔料含有塗膜に起こる、シェード位置
から見た場合の黄味を二酸化チタンコートシリカフレー
クを用いることで抑制し、透明感に優れた積層パール塗
膜を提供すること。 【解決手段】 下塗り塗膜及び中塗り塗膜が形成された
基材上にカラーベース塗膜を形成する工程;カラーベー
ス塗膜上にマイカベース塗膜を形成し、これを硬化させ
ないでその上にクリヤー塗膜を形成する工程;及び加熱
することによりマイカベース塗膜及びクリヤー塗膜を硬
化させる工程;を包含する積層パール塗膜の形成方法に
おいて、上記カラーベース塗膜の明度がL値で20〜6
0であり、且つ、上記マイカベース塗膜を形成するマイ
カベース塗料が、二酸化チタンコートシリカフレーク
を、顔料濃度(PWC)1〜10%の範囲で含有するこ
とを特徴とする積層パール塗膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パール調の外観を
呈するパール塗膜の形成方法に関し、特に積層された複
数の塗膜を含んでなる積層パール塗膜の形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】上塗り塗色の多色化とニーズに対応する
ために、鱗片状のマイカ顔料を含有する塗料により形成
されるパール塗膜が年々増えてきている。例えば、特開
平11−114489号公報では、カラーベース塗料、
干渉マイカ顔料を含有したベース塗料及びクリヤー塗料
を順次塗装し、積層塗膜を形成する方法が提案されてい
る。
【0003】また、特表平9−508172号公報で
は、多色性を発現する光輝剤を含有する、見る角度によ
って異なった複数の色が視認される多色性を有する塗膜
を得る塗料が記載されている。
【0004】更に、特願平10−295980号公報で
は、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料を含有する2色
性塗料組成物が開示されているが、3コートからなる上
塗り塗膜にバイオレットの色相を有する二酸化チタンコ
ートシリカフレークの特徴を効率よく発現させる方法に
ついては示されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するものであり、その目的とするところは、明
度がL値で20〜60であるカラーベース塗膜上に塗装
されたマイカ顔料含有塗膜に起こる、シェード位置から
見た場合の黄味を二酸化チタンコートシリカフレークを
用いることで抑制し、透明感に優れた積層パール塗膜を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下塗り塗膜及
び中塗り塗膜が形成された基材上にカラーベース塗膜を
形成する工程;カラーベース塗膜上にマイカベース塗膜
を形成し、これを硬化させないでその上にクリヤー塗膜
を形成する工程;及び加熱することによりマイカベース
塗膜及びクリヤー塗膜を硬化させる工程;を包含する積
層パール塗膜の形成方法において、上記カラーベース塗
膜の明度がL値で20〜60であり、且つ、上記マイカ
ベース塗膜を形成するマイカベース塗料が、二酸化チタ
ンコートシリカフレークを、顔料濃度(PWC)1〜1
0%の範囲で含有することを特徴とする積層パール塗膜
の形成方法を提供するものであり、そのことにより上記
目的が達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】カラーベース塗膜 本発明のマイカ塗膜の形成方法において、カラーベース
塗膜を形成するためにカラーベース塗料が用いられる。
このカラーベース塗料には、着色顔料、塗膜形成性樹脂
及び硬化剤等が含まれる。
【0008】上記カラーベース塗料に含有される着色顔
料としては、有機系、無機系の各種着色顔料及び体質顔
料などが挙げられる。着色顔料としては、例えば、有機
系のアゾレーキ系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系
顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン
系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナク
リドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料
など、無機系の黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボン
ブラック、二酸化チタンなど、また体質顔料としては、
炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等が用
いられる。また、上記着色顔料を1種または2種以上を
組み合わせて用いることで、所望の色相のカラーベース
塗膜を形成することができる。
【0009】但し、本発明の積層パール塗膜の形成方法
に用いられるカラーベース塗膜の明度は、L値で20〜
60の範囲であり、上限を越えると白くなりすぎ、下地
隠蔽性が低下し、下限を下回ると黒くなりすぎて、マイ
カベース塗料を塗装すると上塗りとの明度差が発生しム
ラになりやすい。好ましくは30〜50である。
【0010】更に、上記カラーベース塗料に含有させる
着色顔料として、シャニンブルー系顔料、シャニングリ
ーン系顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系顔料、ジ
オキサン系顔料、無機顔料のブルー、グリーン及びエロ
ー、酸化鉄レッド顔料酸化鉄エロー顔料等を主として組
み合わせて用いることが好ましく、且つ、カラーベース
塗料への含有量を、0.01〜5.0%の顔料濃度(P
WC)にすることで、隠蔽性の良いカラーベース塗膜を
得ることができる。下限を下回ると下地隠蔽性が低下
し、上限を上回ると外観が低下する。好ましくは0.1
〜3.0%である。尚、顔料濃度とは塗料組成物に含ま
れる顔料の重量濃度(%)をいう。
【0011】上記塗膜形成樹脂及び硬化剤としては、例
えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹
脂、フッ素系樹脂等の塗膜形成樹脂と、アミノ樹脂及び
/またはブロックポリイソシアネート化合物などの硬化
剤が用いられる。塗料中におけるこれらの好ましい固形
分含有量は、製造時30〜70重量%、塗布時10〜5
0重量%の範囲である。また塗装形成される塗膜の乾燥
膜厚は、10〜30μmが好ましい。
【0012】また、上記カラーベース塗料には、塗装作
業性を確保するために、粘性制御剤を添加することがで
きる。粘性制御剤としては、一般にチクソトロピー性を
示すものを使用でき、例えば、脂肪酸アマイドの膨潤分
散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドの燐
酸塩等のポリアマイド系のもの、酸化ポリエチレンのコ
ロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系等のもの、有機
酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベント
ナイト系のもの、ケイ酸アルミ、硫酸バリウム等の無機
顔料、顔料の形状により粘性が発現する偏平顔料、架橋
あるいは非架橋の樹脂粒子等を粘性制御剤として挙げる
ことができる。
【0013】更に、カラーベース塗料には、所望によ
り、その他の添加剤を含有させることができる。このよ
うな添加剤としては、例えば、シリコーン及び有機高分
子のような表面調整剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミ
ン、ヒンダードフェノール等がある。これらの配合量は
当業者の公知の範囲である。
【0014】カラーベース塗料に含まれる顔料の全量
は、顔料濃度(PWC)として3〜70%であり、好ま
しくは、4〜65%であり、より好ましくは、5〜60
%である。上限を越えると塗膜外観が低下する。
【0015】本発明に用いられるカラーベース塗料は、
一般には溶液型のものが好ましく用いられ、溶液型であ
れば有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルシ
ョン)、非水分散型のいずれでもよい。
【0016】本発明に用いられる塗料組成物の製造方法
は、後述するものを含めて、特に限定されず、顔料等の
配合物をニーダーまたはロール等を用いて混練、分散す
る等の当業者に周知の方法を用い得る。
【0017】マイカベース塗膜 本発明のメタリック塗膜の形成方法において、マイカベ
ース塗膜の形成にはマイカベース塗料が用いられる。こ
のマイカベース塗料は、二酸化チタンコートシリカフレ
ーク、塗膜形成性樹脂、硬化剤、必要によりマイカ顔料
等を含有する。
【0018】上記二酸化チタンコートシリカフレーク顔
料とは、シリカフレーク顔料に二酸化チタンをコーテイ
ングしたものである。このコーティング層は、二酸化チ
タンおよびそれらの含水物等の金属酸化物をコーティン
グしたもので、これにより真珠箔状、金属様且つ玉虫色
効果を有し、そのコーティング層の厚みがバイオレット
の色感をもたらすものである。この二酸化チタンコート
シリカフレーク顔料は、平均粒径(D50)約3〜50μ
m、好ましくは約5〜45μmであり、厚さ約0.1〜
2μmであるものが好ましい。
【0019】上記マイカベース塗料には、二酸化チタン
コートシリカフレーク顔料を含有させる。二酸化チタン
コートシリカフレーク顔料の含有量は顔料濃度(PW
C)で、1〜10%の範囲とする。上限を越えると塗膜
外観を低下し、下限を下回ると彩度が向上しない。好ま
しくは、1%〜7.0%である。
【0020】二酸化チタンコートシリカフレーク顔料の
具体例には、メルクジャパン社製の「シリカフレークE
M−332514」等の色相がバイオレット色のものが
挙げられる。
【0021】上記必要により用いられるマイカ顔料とし
ては、通常メタリック塗料に用いられるもので、例えば
干渉マイカ顔料、着色マイカ顔料、ホワイトマイカ顔料
等が挙げられる。形状は特に限定されないが、例えば鱗
片状のものが好ましく、平均粒径(D50)が2〜50μ
mであり、且つ厚さが0.1〜3μmであるものが適し
ている。
【0022】上記の干渉マイカ顔料、着色マイカ顔料お
よびホワイトマイカ顔料は、マイカ顔料の表面に、Ti
2、SnO2、ZrO2、Fe23、ZnO2、Cr
23、V 25等およびそれらの含水物等の金属酸化物を
コーティングしたマイカ顔料で、真珠箔状、金属様且つ
玉虫色効果を有する上に、金属酸化物種とそのコーティ
ング層の厚みが奏する色感をもたらすものである。この
中でTiO2、Fe23等の金属酸化物を均一に被覆さ
れたものが、好適に用いられる。
【0023】例えば、ホワイトの干渉色を有する干渉マ
イカ顔料として、メルクジャパン社製「シラリック T
60−10 W3」(商品名)、日本光研社製「パール
グレイスSME 90−9」(商品名)、グリーンの干
渉色を有する干渉マイカ顔料として、メルクジャパン社
製「イリオジン ウルトラ 7235 W2」(商品
名)、ブルーの干渉色を有する干渉マイカとして、メル
クジャパン社製「イリオジン ウルトラ 7225 W
2」(商品名)、エローの干渉色を有する干渉マイカと
して、メルクジャパン社製「イリオジン ウルトラ 7
205 W2」(商品名)等が挙げられる。また、上記
干渉光を有するマイカ顔料として、干渉光を有するアル
ミナフレークを用いることもできる。
【0024】上記マイカ顔料を用いる場合の、シリカフ
レーク顔料とマイカ顔料の混合比は、9/1〜5/5の
範囲で用いることが好ましく、マイカ顔料の混合比が上
限を越えるとシリカフレーク顔料を用いる効果が低下す
る。更に好ましくは8/1〜6/5である。具体的に
は、シリカフレーク顔料の色相がバイオレット色なの
で、マイカ顔料の色相は、同系色あるいは少なくとも隣
同士の色となるようなものを用いることが好ましい。例
えば、エンゲルハード社製のバイオレット色の干渉色を
有する「エクステリアマリーンハイライトバイオレッ
ト」、あるいはメルクジャパン社製のレッド色の干渉色
を有する「イリオジン ウルトラ 7215W2」また
はブルー色の干渉色を有する「イリオジン ウルトラ
7225W2」等が挙げられる。これらを用いること
で、優れた効果が得られる。
【0025】上記マイカベース塗料に含有される塗膜形
成性樹脂としては、特に限定されるものではなく、上述
のカラーベース塗料の記載で挙げたものを使用できる。
尚、上記マイカベース塗料を、水性型塗料で用いる場合
には、米国特許第5151125号および同51835
04号等に具体的に説明されている塗膜形成性樹脂が用
い得る。
【0026】また、上記マイカベース塗料は、塗装作業
性を確保するために、粘性制御剤を添加することができ
る。具体的には、上述のカラーベース塗膜の記載で挙げ
たものを使用できる。
【0027】上記マイカベース塗料への粘性制御剤の添
加量は、塗料組成物の樹脂固形分100重量部に対して
0.01〜10重量部であり、好ましくは0.02〜8
重量部、より好ましくは0.03〜6重量部の量で添加
される。10重量部を越えると、外観が低下し、0.1
重量部を下回ると粘性制御効果が得られず、層間でなじ
みや反転をおこす原因となる。
【0028】上記マイカベース塗料の全固形分量は、1
0〜60重量%であり、好ましくは15〜55重量%で
ある。
【0029】本発明で用いるマイカベース塗料の塗料形
態としては、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、
エマルション)、非水分散型のいずれでもよく、また必
要により、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面
調製剤等を用いることができる。
【0030】クリヤー塗膜 本発明の積層パール塗膜の形成方法において、クリヤー
塗膜の形成には、クリヤー塗料が用いられる。このクリ
ヤー塗料は、塗膜形成性樹脂および硬化剤等を含有す
る。上記塗膜形成性樹脂としては、特に限定されるもの
ではなく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂、ウレタン樹脂等の塗膜形成性樹脂を利用すること
ができ、これらはアミノ樹脂および/またはブロックイ
ソシアネート樹脂等の硬化剤と組み合わせて用いられ
る。透明性あるいは耐酸エッチング性等の点から、アク
リル樹脂および/またはポリエステル樹脂とアミノ樹脂
との組合わせ、あるいはカルボン酸・エポキシ硬化系を
有するアクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂等
が挙げられる。
【0031】クリヤー塗料中の固形分含有量は、20〜
60重量%であり、好ましくは35〜55重量%であ
る。また、塗布時の固形分含有量は、10〜50重量%
であり、好ましくは20〜50重量%である。
【0032】尚、クリヤー塗料は、マイカベース塗料を
塗装後、未硬化の状態で塗装する、いわゆるウエットオ
ンウエットで塗膜が形成されるため、ここで生じる層間
のなじみや反転、あるいは、タレ等の防止のため、上述
した粘性制御剤を含有することが好ましい。含有量は、
トップクリヤー塗料組成物の樹脂固形分100重量部に
対して0.01〜10重量部であり、好ましくは0.0
2〜8重量部、より好ましくは0.03〜6重量部の量
で添加される。10重量部を越えると、外観が低下し、
0.1重量部を下回ると粘性制御効果が得られず、タレ
等の不具合をおこす原因となる。
【0033】本発明で用いるクリヤー塗料の塗料形態と
しては、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマ
ルション)、非水分散型、粉体型のいずれでもよく、ま
た必要により、硬化触媒、表面調製剤等を用いることが
できる。
【0034】基材 本発明の塗膜形成方法は、種々の基材、例えば、金属、
ガラス、布、プラスチック、発泡体等、特に金属表面、
および鋳造物に有利に用い得るが、カチオン電着塗装可
能な金属製品に対し、特に好適に使用できる。
【0035】上記金属製品としては、例えば、鉄、銅、
アルミニウム、スズ、亜鉛等およびこれらの金属を含む
合金が挙げられる。具体的には、乗用車、トラック、オ
ートバイ、バス等の自動車車体および部品が挙げられ
る。これらの金属は予めリン酸塩、クロム酸塩等で化成
処理されたものが特に好ましい。
【0036】下塗り塗膜 本発明のメタリック塗膜形成方法に用いられる化成処理
された鋼板上に塗布され下塗り塗膜を形成する電着塗料
としては、カチオン型及びアニオン型を使用できるが、
カチオン型電着塗料組成物が防食性において優れた積層
塗膜を与える。
【0037】中塗り塗膜 本発明のメタリック塗膜形成方法において中塗り塗膜
は、下地欠陥を隠蔽し、上塗り塗装後の表面平滑性を確
保(外観向上)し、塗膜物性(耐衝撃性、耐チッピング
性等)を付与するためのものである。この中塗り塗膜を
形成するには中塗り塗料が用いられ、この中塗り塗料
は、有機系、無機系の各種着色顔料、体質顔料等、塗膜
形成性樹脂および硬化剤等を含む。
【0038】上記中塗り塗料に用いられる着色顔料とし
ては、例えば上述のカラーベース塗料で記載されたもの
が用いられる。更に、アルミニウム粉、グラファイト粉
等の扁平顔料を添加しても良い。
【0039】標準的には、カーボンブラックと二酸化チ
タンを主要顔料としたグレー系中塗り塗料が用いられ
る。更に、セットグレーや各種の着色顔料を組み合わせ
た、いわゆるカラー中塗り塗料を用いることもできる。
【0040】上記中塗り塗料に用いられる塗膜形成性樹
脂としては、特に限定されるものではなく、例えば上述
のカラーベース塗料で記載されたものが用いられる。顔
料分散性あるいは作業性の点から、アルキド樹脂および
/またはポリエステル樹脂とアミノ樹脂との組合わせが
好ましい。
【0041】下塗りされた基材上へ塗装された後、未硬
化の状態でも用い得るが、上記中塗り塗膜を硬化させる
場合には、硬化温度は100〜180℃、好ましくは1
20〜160℃に設定することで高い架橋度の硬化塗膜
を得られる。上限を越えると、塗膜が固く脆くなり、下
限以下では硬化が充分でない。硬化時間は硬化温度によ
り変化するが、120℃〜160℃で10〜30分が適
当である。
【0042】積層パール塗膜の形成方法 図1は本発明の方法で形成される積層パール塗膜の一例
を示す断面図である。基材6上に、下塗り塗膜5、中塗
り塗膜4、カラーベース塗膜3、マイカベース塗膜2、
及びクリヤー塗膜1が形成されている。
【0043】この積層パール塗膜を形成する際には、ま
ず、基材6上に下塗り塗膜5及び中塗り塗膜4を形成す
る。形成方法は当業者に知られた方法であればよい。
【0044】次いで、下塗り塗膜5および中塗り塗膜4
を形成した基材6上に、まずカラーベース塗料を塗装し
てカラーベース塗膜3を形成する。本発明でカラーベー
ス塗料を、自動車車体に塗装する場合には、意匠性を高
めるためにエアー静電スプレー塗装による多ステージ塗
装、好ましくは2ステージで塗装するか、或いは、エア
ー静電スプレー塗装と、通称「μμ(マイクロマイク
ロ)ベル」、「μ(マイクロ)ベル」あるいは「メタベ
ル」等と言われる回転霧化式の静電塗装機とを組み合わ
せた塗装方法により塗膜を形成することができる。
【0045】本発明におけるカラーベース塗料による塗
装時の塗膜の膜厚は所望の用途により変化するが、多く
の場合10〜30μmが有用である。上限を越えると、
鮮映性が低下したり、塗装時にムラあるいは流れ等の不
具合が起こることがあり、下限を下回ると、下地が隠蔽
できず膜切れが発生する。
【0046】カラーベース塗膜は硬化させても硬化させ
なくてもよい。塗装後、カラーベース塗膜を硬化させる
場合は、硬化温度を100〜180℃、好ましくは12
0〜160℃に設定することで高い架橋度の硬化塗膜を
得られる。上限を越えると、塗膜が固く脆くなり、下限
未満では硬化が充分でない。硬化時間は硬化温度により
変化するが、120℃〜160℃で10〜30分が適当
である。
【0047】更に、カラーベース塗膜上にマイカベース
塗料、およびクリヤー塗料を塗布してマイカベース塗膜
2、およびクリヤー塗膜1を形成する。その際、マイカ
ベース塗膜2は硬化させないで、その上にクリヤー塗料
を塗布することが好ましい。
【0048】マイカベース塗膜2を形成する為に用いる
マイカベース塗料は、上記カラーベース塗料と同様に、
μμベル、μベル等の回転霧化式の静電塗装機により塗
装することができ、その塗膜の乾燥膜厚は10〜30μ
m設定で用いられる。
【0049】マイカベース塗膜2を形成した後に塗装さ
れるクリヤー塗膜1は、上記マイカベース塗膜2に含ま
れる光輝性顔料に起因する凹凸、チカチカ等を平滑に
し、保護するために形成される。塗装方法として具体的
には、先に述べたμμベル、μベル等の回転霧化式の静
電塗装機により塗膜形成することが好ましい。
【0050】上記クリヤー塗料により形成されるクリヤ
ー塗膜の乾燥膜厚は、一般に10〜70μm程度が好ま
しく、より好ましくは20〜50μm程度である。上限
を越えると、塗装時にワキあるいはタレ等の不具合が起
こることもあり、下限を下回ると、下地の凹凸が隠蔽で
きない。
【0051】その後、このようにして積層された塗膜を
硬化させる。但し、上記カラーベース塗料、マイカベー
ス塗料を水性型塗料で用いる場合には、良好な仕上がり
塗膜を得るために、それぞれ形成した後に塗膜を40〜
80℃で2〜10分間加熱しておくことが望ましい。
【0052】上記クリヤー塗膜の塗装後、塗膜を硬化さ
せる。硬化温度を100〜180℃、好ましくは120
〜160℃に設定することで高い架橋度の硬化塗膜を得
られる。上限を越えると、塗膜が固く脆くなり、下限未
満では硬化が充分でない。硬化時間は硬化温度により変
化するが、120℃〜160℃で10〜30分が適当で
ある。
【0053】本発明で形成される積層塗膜の膜厚は、多
くの場合30〜300μmであり、好ましくは50〜2
50μmである。上限を越えると、冷熱サイクル等の膜
物性が低下し、下限を下回ると膜自体の強度が低下す
る。
【0054】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳細
に説明するが、本発明は以下の実施例により限定される
ものではない。尚、以下において「部」とあるのは「重
量部」を意味する。
【0055】製造例1 カラーベース塗料の製造 下記に示す配合(PWC=17%)で、カラーベース塗
料を製造した。尚、このカラーベース塗料により形成さ
れた塗膜のL値をミノルタCR−200(ミノルタ社製
色差計)により測定すると、40であった。
【0056】
【表1】
【0057】製造例2 マイカベース塗料の製造 下記に示す配合(PWC=6%)で、マイカベース塗料
を製造した。
【0058】
【表2】
【0059】実施例1 積層パール塗膜の形成 リン酸亜鉛処理した厚さ0.8cm、20cm×30c
mのダル鋼板に、カチオン電着塗料「パワートップU−
50」(日本ペイント社製)を、乾燥膜厚が20μmと
なるように電着塗装し、160℃で30分間焼き付け
た。次に、得られた電着塗膜上に、グレー色の中塗り塗
料「オルガP−2グレー」(日本ペイント社製、ポリエ
ステル・メラミン樹脂系塗料)を、乾燥膜厚が30μm
となるようにスプレー塗装し、140℃で20分間焼き
付け下地塗膜を作成した。
【0060】得られた中塗り塗膜上に、上記製造例のカ
ラーベース塗料を、乾燥膜厚が30μmとなるように、
2分間隔の2ステージで「オートREA」(ランズバー
グ社製エアー静電塗装機)により塗装し、140℃で2
0分間焼き付けカラーベース塗膜を作成した。次に、上
記製造例のマイカベース塗料を、乾燥膜厚が15μmと
なるように、同様に静電塗装した。次に7分間のセッテ
イングの後、更にウエットオンウエットで、クリヤー塗
料「スーパーラック O−380クリヤー」(日本ペイ
ント社製、酸・エポキシ硬化型アクリル樹脂系塗料)
を、乾燥膜厚が30μmとなるように、μμベルにより
回転霧化型静電塗装した。140℃で20分間焼き付
け、評価用塗膜を作成した。
【0061】得られた積層パール塗膜の外観を、ハイラ
イトの位置およびシェードの位置からの見え方につい
て、透明感、色相感という視点で、目視により下記判定
ランクで判断した。
【0062】判断基準:
【表3】
【0063】更に、得られた積層塗膜の反射強度(b
値)を、村上社製変角色差計「変角分光測色計GSP−
1型」を用いて、−80度から80度までの測色可能範
囲で各10度毎に測定し、表4にまとめた。また、得ら
れた反射強度(b値)を、測定角度を横軸として図2に
プロットした。
【0064】以上の評価結果を表4に示す。
【0065】比較例1 実施例1で用いたシリカフレーク顔料の代わりに、同等
の色相を有するエクステリアマリーンハイライトバイオ
レット(エンゲルハード社製干渉マイカ顔料)を同量用
いて予め製造したマイカベース塗料を用いて塗膜を形成
したこと以外は実施例1と同様に塗装、評価した。
【0066】以上の評価結果を表4に示す。
【0067】
【表4】
【0068】本発明に従う実施例の積層パール塗膜は、
表4及び図2のグラフの結果から、測色角度が20〜8
0度のハイライトの位置では不の値(青味)を示し、バ
イオレットの色相を維持しながら、測色角度が−80〜
10度に当たるシェードの位置では補色である正の値
(黄味)を抑制し、全体としてバイオレットの色相を向
上させることができた。
【0069】
【発明の効果】本発明の方法により、ハイライトの位置
ではムラ感の無い、干渉バイオレットマイカ様のパール
感を発現するとともに、従来のマイカ顔料含有塗膜が有
するシェード位置での補色(黄味感)と白ぼけ感をなく
すことができ、退色したイメージを払拭することができ
た。これにより、顔料成分の特徴を最大限に生かせるよ
う積層塗膜を形成することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法で形成される積層パール塗膜の
一例を示す断面図である。
【図2】 本発明の積層パール塗膜の反射強度(b値)
を測定角度を横軸としてプロットしたグラフである。
【符号の説明】
1…クリヤー塗膜、 2…マイカベース塗膜、 3…カラーベース塗膜、 4…中塗り塗膜、 5…下塗り塗膜、 6…基材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 7/12 C09D 7/12 201/00 201/00 Fターム(参考) 4D075 AE03 AE06 CB15 EA02 EA43 EC04 EC54 4F100 AA20D AB03A AC05D AK25E AK36B AK41B AK53E AT00A BA05 BA07 BA10A BA10E CA13D CC00B CC00C CC00D CC00E CC03E EH662 EJ082 EJ422 EJ68A JN22 4J038 CD091 CG001 DD001 DD121 HA446 HA546 KA03 KA08 KA15 KA20 NA01 PA07 PC02 PC03 PC08 PC10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下塗り塗膜及び中塗り塗膜が形成された
    基材上にカラーベース塗膜を形成する工程;カラーベー
    ス塗膜上にマイカベース塗膜を形成し、これを硬化させ
    ないでその上にクリヤー塗膜を形成する工程;及び加熱
    することによりマイカベース塗膜及びクリヤー塗膜を硬
    化させる工程;を包含する積層パール塗膜の形成方法に
    おいて、 該カラーベース塗膜の明度がL値で20〜60であり、
    且つ、 該マイカベース塗膜を形成するマイカベース塗料が、二
    酸化チタンコートシリカフレークを、顔料濃度(PW
    C)1〜10%の範囲で含有することを特徴とする積層
    パール塗膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法により形成された積
    層パール塗膜。
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