JP6342352B2 - 電池制御装置、電池制御方法及び下限電圧の決定方法 - Google Patents

電池制御装置、電池制御方法及び下限電圧の決定方法 Download PDF

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Description

本発明は、電気自動車やハイブリッド自動車などの車両に搭載される電池の制御に用いられる電池制御装置、電池制御方法及び下限電圧の決定方法に関する。
ニッケル水素電池等の二次電池には、容量の低下や、内部抵抗の増大等の電池特性の劣化を抑制するための下限電圧が定められている。一般的には、この下限電圧は固定された値であり、電池電圧が下限電圧を下回らないように放電が制御される。特許文献1には、電池の入出力電圧の下限電圧を電池温度に応じて設定するとともに、下限電圧に基づいて二次電池の放電を制御する電池制御装置が提案されている。この電池制御装置は、電池温度が低いときの下限電圧を電池温度が高いときの下限電圧以下とする。
特許第4200956号公報
特許文献1に記載の電池制御装置によれば、放電時の電圧が下限電圧よりも下がらないように規制されることで二次電池の劣化が抑制されるようになる。ただし近年は、二次電池の蓄電量をより有効に利用することが求められている。しかし、必要以上に下限電圧を低く設定してしまうと、急激な放電などが生じたときなどに二次電池が劣化するおそれが高まる。そこで、放電を規制することとなる上記下限電圧についてもより適切に設定することが求められている。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであってその目的は、電池の放電を規制する下限電圧をより適切に設定することのできる電池制御装置及び電池制御方法及び下限電圧の決定方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する電池制御装置は、主活物質と添加物としての金属化合物とを含む正極を有する二次電池の放電を制御する電池制御装置であって、前記二次電池の満充電容量に対する残容量の割合を示す充電状態を取得する充電状態取得部と、前記二次電池の温度を取得する温度取得部と、前記二次電池の下限電圧を設定する下限電圧設定部と、を備え、前記下限電圧設定部は、前記下限電圧を、前記二次電池の充電状態が低いほど高い値として設定するとともに、前記二次電池の充電状態が同一である条件下において前記取得される温度が高いほど高い値として設定する。
上記課題を解決する電池制御方法は、主活物質と添加剤としての金属化合物とを含む正極を有する二次電池の放電を電池制御装置によって制御する電池制御方法であって、前記電池制御装置は、前記二次電池の前記下限電圧を、前記二次電池の満充電容量に対する残容量の割合を示す充電状態が低いほど高い値として設定するとともに、前記二次電池の充電状態が同一である条件下において前記取得される温度が高いほど高い値として設定する。
上記構成又は上記方法によれば、下限電圧が二次電池の温度に加えて該二次電池の充電状態に基づいて設定される。これにより、二次電池の放電を規制する下限電圧がより適切に設定されるようになる。そして、こうした下限電圧の設定により、二次電池の性能の劣化も抑制され、電池寿命を延ばすことができるようになる。また、下限電圧が、必要以上に高く設定されないことから、二次電池の出力範囲が広げられ、より多くの電力出力が可能になり、二次電池の出力性能が高められる。
上記電池制御装置について、前記二次電池の放電が継続された時間である放電時間を測定する放電時間測定部を備え、前記下限電圧設定部は、前記二次電池の充電状態及び温度が同一である条件下において、測定された放電時間が短いほど低い値として設定することが好ましい。
上記構成によれば、下限電圧が、二次電池の充電状態及び温度に加え、放電時間に基づいて設定される。このように、下限電圧を設定することによって、二次電池が放電される状況に合わせて下限電圧を設定することができる。そのため、下限電圧を適切に設定することができる。
上記課題を解決する下限電圧の決定方法は、主活物質と添加剤としての金属化合物とを含む正極を有する二次電池の放電制御に用いられる下限電圧を決定する下限電圧の決定方法であって、前記二次電池の満充電容量に対する残容量の割合を示す充電状態及び温度の組み合わせが互いに異なる複数の条件で前記二次電池を放電しながら前記正極の電位及び電池電圧を測定し、前記正極の電位が金属化合物の金属溶出反応の開始電位に達したときの電池電圧を基準に前記二次電池の放電を規制する下限電圧を予め定める。
主活物質と金属化合物とを含む正極を有する二次電池は、正極の電位が金属化合物の金属溶出反応の開始電位に到達すると劣化するおそれが高まる。また、二次電池の大電流の放電が行われると、二次電池の充電状態が低いほど、正極の電位は、負極の電位の上昇に比して急激に低下する。そのため、正極の電位が金属溶出反応の開始電位に達したときの正極の電位と負極の電位との差である電池電圧は、二次電池の充電状態が低いほど高くなる。上記方法によれば、下限電圧は、正極の電位が金属化合物の金属溶出反応の開始電位に達したときの電池電圧を基準として予め定められるとともに、充電状態及び温度の組み合わせ毎に定められている。そして、このように予め定められた下限電圧に基づき、充電及び放電が制御されている二次電池の充電状態及び温度に応じて下限電圧が設定されれば、二次電池の性能の劣化も抑制され、電池寿命を延ばすことができるようになる。また、下限電圧が、必要以上に高く設定されないことから、二次電池の出力範囲が広げられ、より多くの電力出力が可能になり、二次電池の出力性能が高められる。
上記下限電圧の決定方法について、前記二次電池の放電が継続されている時間である放電時間を取得するとともに、前記二次電池の充電状態と、前記二次電池の温度と、前記二次電池の放電時間との組み合わせが互いに異なる複数の条件で前記下限電圧を予め定めることが好ましい。
二次電池の放電時間が異なると、正極の電位が金属化合物の金属溶出反応の開始電位に達したときの負極の電位が異なる。そのため、正極の電位と負極の電位との差である下限電圧も、放電時間の長さに応じて異なることとなる。上記方法によれば、充電状態と、温度と、放電時間との組み合わせが互いに異なる二次電池が放電され、正極の電位が金属化合物の金属溶出反応の開始電位に達したときの二次電池の電圧が基準とされて下限電圧が予め定められる。このように、充電状態及び温度に加え、放電時間に基づき下限電圧が設定されれば、放電及び充電が制御されている二次電池に合わせた下限電圧の設定が可能となる。そのため、下限電圧を適切に設定することができる。
上記下限電圧の決定方法について、前記正極の電位が金属化合物の金属溶出反応の開始電位に達したときから所定時間前の前記二次電池の電池電圧を下限電圧として予め定めることが好ましい。
例えば、電流の大きさや電圧の大きさ等、二次電池の充電状態を算出するための値が測定されるタイミングは、下限電圧を予め定める工程においてそれらのパラメータを取得するタイミングに対して遅れる可能性がある。また、二次電池から大電流で放電が行われるとき、放電が継続されるに伴い二次電池の電圧は低下する傾向にある。そのため、二次電池の充電状態を算出するための値が取得されるタイミングが遅れると、下限電圧は低めに設定されてしまう。上記方法では、下限電圧を予め定めるにあたり、正極の電位が金属化合物の金属溶出反応の開始電位に達したときから所定時間前の二次電池の電池電圧が下限電圧として予め定められる。このようにすると、下限電圧が、正極の電位が金属溶出反応の開始電位に達したときの電池電圧として設定される場合に比べ、高めに設定される。そのため、所定時間の設定次第では、二次電池の充電状態を算出するための値が測定されるタイミングが、予め下限電圧を定める工程における測定のタイミングに対して遅れたとしても、正極の電位が金属溶出反応の開始電位に達したときの電池電圧を下回ることを抑制することができる。このため、少なくとも二次電池の劣化を抑制することができる。
本発明によれば、電池の放電を規制する下限電圧をより適切に設定することができる。
電池制御装置の第1の実施形態について、その構成の概略を示すブロック図。 放電時間が短時間であるときの下限電圧と温度との関係をSOCとの関係も含めて示すグラフ。 放電時間が長時間であるときの下限電圧と温度との関係をSOCとの関係も含めて示すグラフ。 下限電圧を測定するための構成の概略を示すブロック図。 下限電圧の求め方の具体例を示す図。 放電時間が短時間であるときの下限電圧と、放電時間が長時間であるときの下限電圧との具体例を示すグラフ。 同実施形態において下限電圧を設定する処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態において、低温時設定処理の手順を示すフローチャート。 同実施形態において、高温時設定処理の手順を示すフローチャート。 電池制御装置の第2の実施形態について、下限電圧の求め方の具体例を示す図。
(第1の実施形態)
以下、電池制御装置、電池制御方法及び下限電圧の決定方法について、その第1の実施形態を説明する。
まず図1を参照して、電気自動車又はハイブリッド自動車などの車両に搭載された二次電池10について説明する。本実施形態では、二次電池10は、負荷である電動機に接続される。また、二次電池10は、外部電源に接続可能な車載充電器に接続され、車載充電器を介して供給される電力によって充電される。または、車両がエンジンを搭載したハイブリッド自動車である場合には、二次電池10は、車両に搭載された発電機の駆動によって生じた電力によって充電される。
二次電池10は、複数の電池モジュール11が電気的に直列又は並列に接続された組電池である。電池モジュール11は、ニッケル水素二次電池からなる複数の単電池100を備え、単電池100は、水素吸蔵合金を含む負極と、水酸化ニッケルを含む正極とを備えている。
正極は、金属多孔体である発泡ニッケル基板と、発泡ニッケル基板に充填された水酸化ニッケル、オキシ水酸化ニッケル等のニッケル酸化物を主成分とする正極活物質、添加剤(導電剤等)を有する。導電剤は、オキシ水酸化コバルト等のコバルト化合物であり、ニッケル酸化物の表面を被覆している。
負極は、パンチングメタルなどからなる電極支持体と、電極支持体に塗布された水素吸蔵合金とを有する。
単電池100の出荷時の状態である初期状態では、負極容量が正極容量よりも大きい正極規制とされている。これにより、負極容量には、正極容量に対して余分に設けられた容量である充電リザーブ及び放電リザーブが設けられている。従って、正極の活物質に未充電部分のない状態、すなわち満充電に達した状態が、単電池100においても満充電状態である。また、正極の活物質の充電部分がなくなった状態が、単電池100においても残容量が「0」の状態である。
電池モジュール11は、一体電槽がその内側の空間を隔壁によって仕切ることにより6つの電槽が設けられている。各電槽は、単電池100である第1セル101〜第6セル106に対応する。電池モジュール11は、第1セル101〜第6セル106を電気的に直列接続させてなる正極端子12と負極端子13とを充放電に用いる入出力端子として備える。正極端子12及び負極端子13にはそれぞれ、外部配線である正側配線PL及び負側配線NLが接続されている。正極端子12及び負極端子13には、正側配線PL及び負側配線NLを介して電動モータや電源等が接続されている。
電池モジュール11は、正極端子12と負極端子13との間に端子間電圧を測定する電圧計40が電気的に接続されるとともに、負側配線NLに入出力電流を測定する電流計41が電気的に直列接続されている。電圧計40は測定した端子間電圧に応じた信号を、電流計41は測定した電流に応じた信号をそれぞれ電池制御装置50に出力する。
なお、図1では、電圧計40は、電池モジュール11に対して1つずつ接続しているが、複数の電池モジュール11に対して1つの電圧計40を接続してもよい。その場合には、電圧計40が測定した電圧を、当該電圧計40が接続された電池モジュール11の個数で除算し、その除算した値を1つの電池モジュール11の端子間電圧とする。また、電流計41も、複数の電池モジュール11に対して接続され、電流計41が測定した電流から、電池モジュール11毎の電流として求めてもよい。
電池制御装置50は、演算部や記憶部を有するコンピュータを含み構成されており、記憶部等に記憶されたプログラムの演算部での演算処理を通じて、二次電池の放電を規制する下限電圧の設定処理などの各種処理を行う。電池制御装置50は、二次電池10の充電率を示す充電状態(State Of Charge、以下SOCという)を算出するとともに、二次電池10の温度を測定する。電池制御装置50は、演算部、プログラムなどが格納された記憶部を備えており、演算部及び記憶部が各種演算を行うことにより、SOC算出部51、温度取得部52、及び下限電圧設定部53として機能する。また、記憶部には、下限電圧データ54が格納されている。
SOC算出部51は、電圧計40から所定の時間間隔で電圧に応じた信号を入力する。また、SOC算出部51は、電流計41から所定の時間間隔で電流に応じた信号を入力する。SOC算出部51は、これらの信号などから、電池モジュール11毎のSOCを算出する。二次電池は、車両での制御範囲として定められたSOC範囲内で充放電が行われるように、その充電及び放電が制御される。温度取得部52は、温度計20から入力した信号に基づき二次電池10の温度を取得する。また、下限電圧設定部53は、電流計41から入力した電流などから、二次電池10の放電が開始されたか否かを判断する。
下限電圧設定部53は、二次電池10の放電が開始されたとき、SOC算出部51によって算出された放電が開始される前に測定された直近のSOC(以下、直近SOCという)、温度取得部52によって取得された温度、放電が開始されてから放電が継続している放電時間に応じて、電池モジュール11の下限電圧を設定する。「下限電圧」は、二次電池10の放電が許容される電圧の下限である。
下限電圧設定部53によって下限電圧が設定されると、下限電圧設定部53から、その下限電圧以上、別に設定された上限電圧以下の範囲で二次電池の放電及び充電が行われるように、負荷を制御する制御装置に指令信号が送信される。
次に図2及び図3を参照して、電池制御装置50が格納する下限電圧データ54を2次元のマップに具体化して説明する。なお、下限電圧データ54は、マップでなくても、表形式で格納されていてもよく、そのデータ形式は限定されない。
図2に示すマップは、放電時間が所定の時間よりも短い短時間であるときの下限電圧を示す短時間特性のマップである。マップの横軸は温度、マップの縦軸が下限電圧であって、温度は、特定温度Tp1を境に「低温域」及び「高温域」に分けられている。例えば、特定温度Tp1は「0℃」であって、「低温域」は、0℃未満の温度範囲であり、「高温域」は、0℃以上の温度範囲である。
低温域では、下限電圧は、一つの下限電圧変化線L1で定められている。下限電圧変化線L1は、温度が高くなるに伴い下限電圧が高くなる。
高温域においては、低温域と同様に、下限電圧は温度が高くなるに伴い高くなるように定められているが、直近SOCの範囲毎に、下限電圧変化線L2〜L4が定められている。直近SOCの範囲は、直近SOC「低」、直近SOC「中」、直近SOC「高」に分かれている。例えば、直近SOCが「0%以上30%未満」であるときは直近SOC「低」、「30%以上60%未満」であるときは直近SOC「中」、「60%以上100%未満」であるときは直近SOC「高」とされる。高温域においては、直近SOCが低くなるほど下限電圧は高くなる。
図3に示すマップは、放電時間が所定の時間以上であるときの下限電圧を示す長時間特性のマップである。マップの横軸は温度、マップの縦軸が下限電圧であって、温度は、特定温度Tp1を境に「低温域」及び「高温域」に分けられている。
低温域では、下限電圧は、温度変化に伴い変化する一つの下限電圧変化線L5で定められている。放電時間が長時間のときの下限電圧変化線L5は、放電時間が短時間のときの下限電圧変化線L1に比べ、温度が同一である条件下では、下限電圧は高くなっている。
高温域では、放電時間が短いときと同様に、直近SOC「低」、直近SOC「中」、直近SOC「高」に分けて下限電圧変化線L6〜L8が定められている。高温域においては、直近SOCが低くなるほど下限電圧は高くなる。
また、温度が同一である条件下では、直近SOC「低」であって放電時間が長時間のときの下限電圧変化線L6は、直近SOC「低」であって放電時間が短時間のときの下限電圧変化線L2に比べ、下限電圧は高い。温度が同一である条件下では、直近SOC「中」であって放電時間が長時間のときの下限電圧変化線L7は、直近SOC「中」であって放電時間が短時間のときの下限電圧変化線L3に比べ、下限電圧は高い。温度が同一である条件下では、直近SOC「高」であって放電時間が長時間のときの下限電圧変化線L8は、直近SOC「高」であって放電時間が短時間のときの下限電圧変化線L4に比べ、下限電圧は高い。
下限電圧設定部53は、このようなマップを参照して、SOC算出部51によって算出された直近SOC、温度取得部52によって取得された温度、放電が開始されてから放電が継続されている放電時間に対応する下限電圧を設定する。たとえば、放電時間が所定の時間未満であるときには、図2の短時間特性のマップを参照する。また、直近SOCが「60%」、温度が「20℃」であるときには、直近SOC「中」の下限電圧変化線L3のうち、温度が「20℃」に対応する下限電圧を読み出し、その読みだした下限電圧に基づき、その時点の下限電圧として設定する。
<下限電圧の決定方法>
次に、図4を参照して、図2及び図3で説明した下限電圧データ54を作成するための下限電圧の決定方法について説明する。
単電池100は、水素吸蔵合金を含む所定枚数の負極111と、水酸化ニッケルを含む所定枚数の正極112とを、耐アルカリ性樹脂の不織布から構成されるセパレータ(図示略)を介して積層した電極群113を備えている。そして、単電池100は、電極群113の負極111を負極側の集電板114に接続させ、電極群113の正極112を正極側の集電板115に接続させ、電解液(図示略)とともに樹脂製の電槽内に収容して構成される。下限電圧データ54は、単電池100の下限電圧を求めることにより作成される。そのため、電池モジュール11の下限電圧を設定する際には、下限電圧データ54から読みだされた下限電圧に単電池100の個数と同じ倍数(本実施形態では6倍)を乗算して、その乗算した値を電池モジュール11の下限電圧とする。
上述したように正極には、導電剤としてコバルト化合物が含有されている。コバルトが溶出する金属溶出反応が生じると、この金属溶出反応は非可逆的に進行するため、正極が劣化するおそれが高まる。
直近SOCが、二次電池10の制御範囲内であっても、大電流の放電によって単電池100の電圧が低下すると、正極112の電位である正極電位Vpがコバルトの溶出反応が開始される電圧(以下、金属溶出電位αVという)以下となる。この金属溶出電位αVは、例えば「0.28V」である。このため、劣化を抑制するためには、単電池100の下限電圧を金属溶出電位αVとすることが好ましい。
下限電圧を測定する測定装置の構成について説明する。ここでは、電池モジュール11の単電池100のうち、第3セル103を測定対象とする場合を例に説明する。なお、その他のセル101,102,104,105,106についても、第3セル103と同様に下限電圧を測定することができる。
第3セル103には、各測定器を介して下限電圧を測定する測定装置60が接続されている。第3セル103には、その正極側の集電板115に正極ピン63Pが電気的に接続され、負極側の集電板114に負極ピン63Nが電気的に接続され、正極112と負極111との間に正極電位Vp及び負極電位Vnを測定するための参照極63Cが設けられている。参照極63Cは、通常、電解液に適したものが使用される。本実施形態では、アルカリ電解液に適した酸化水銀参照極(Hg/HgO)を用いている。
第3セル103には、参照極63Cに対する正極電位Vpを測定する電圧計65Pと、参照極63Cに対する負極電位Vnを測定する電圧計65Nとが接続されている。電圧計65Pは、正極ピン63P(配線64P)と参照極63C(配線64N)との間に電気的に接続されており、電圧計65Nは、負極ピン63N(配線64N)と参照極63C(配線64N)との間に電気的に接続されている。また、第3セル103には、第3セル103を放電させる放電回路69と、放電回路69に流れる電流を測定する電流計68とが接続されている。放電回路69と電流計68とは、正極ピン63P(配線64P)及び負極ピン63N(配線64N)の間に直列接続されている。
各電圧計65P,65N、放電回路69及び電流計68は、測定装置60に接続されている。電圧計65P及び電圧計65Nはそれぞれの測定した電圧に応じた信号を、電流計68は測定した電流に応じた信号をそれぞれ測定装置60に出力する。第3セル103の正極ピン63Pと負極ピン63Nとの間のセル電圧Vcは、各電圧計65P,65Nの測定結果より算出できる。
また、第3セル103には、電槽内の温度を測定する温度計67が設けられている。温度計67は測定した電池温度に応じた信号を測定装置60に出力する。測定装置60は、演算部や記憶部を有するコンピュータを含み構成されており、記憶部等に記憶されたプログラムの演算部での演算処理を通じて下限電圧測定処理などの各種処理を行う。また測定装置60は、入力される各信号から第3セル103の正極電位Vp、負極電位Vn、放電電流及び電池温度を取得する。また、測定装置60は、放電させる電流量の指示を出力し、その出力に応じた電流を放電回路69から放電させる。このとき、車両上で要求される電流の最も大きい値又はそれ以上の値である大電流(例えば7C〜30C)を放電させる。
測定装置60は、SOC算出部61と下限電圧取得部62とを備える。SOC算出部61は、公知の手法により第3セル103の大電流を流す前の直近SOCを算出する。SOC算出部61は、必要に応じて、電池モジュール11の端子間電圧や入出力電流などを用いてもよい。
下限電圧取得部62は、下限電圧を取得する処理手順に従って第3セル103の下限電圧を取得する。下限電圧取得部62は、下限電圧を取得する条件を、温度の温度域、SOC、及び放電時間の組み合わせた条件とし、その組み合わせを、以下に示すように互いに異なる組み合わせにして下限電圧を取得する。なお、例えば「高温域」の「直近SOC「高」・長時間」は、高温域、且つ直近SOC「高」、且つ放電時間が長時間であるといった条件を示している。
<高温域>
直近SOC「高」・長時間
直近SOC「高」・短時間
直近SOC「中」・長時間
直近SOC「中」・短時間
直近SOC「低」・長時間
直近SOC「低」・短時間
<低温域>
直近SOC「高」・長時間
直近SOC「高」・短時間
直近SOC「中」・長時間
直近SOC「中」・短時間
直近SOC「低」・長時間
直近SOC「低」・短時間
下限電圧を決定する工程では、例えば、直近SOC「高」は「80%」、直近SOC「中」は「60%」、直近SOC「低」は「20%」に設定されている。また、電池温度が特定温度Tp以上である高温域でも、たとえば「0℃」、「5℃」、「10℃」…のように温度を変化させ、電池温度が特定温度未満である低温域でも、たとえば「−5℃」、「−10℃」、「−15℃」…のように温度を変化させるので、実際には上記した12個の条件よりも多くの条件で下限電圧が取得される。また、放電時間は、第3セル103に流す電流の大きさを変えることで調整する。
また、直近SOC及び温度が同じ条件であって、同じ大きさの電流を流す場合には、正極電位Vpが金属溶出電位αVに到達する時間は変わらない。そのため、異なる放電時間の条件で下限電圧を取得する場合には、第3セル103に流す電流の大きさを変える。具体的には、放電時間を短くする場合には大きい電流で放電を行い、放電時間を長くする場合には小さい電流で放電を行う。なお、実際の車両での制御でも、二次電池10の放電時間が短時間であるときには、放電レートが大きくなる傾向にあり、放電時間が長時間であるときには、放電レートが小さくなる傾向にある。また、実際の車両での制御では、下限電圧を決定する工程のように定電流放電が行われているわけではなく、電動機に対して要求される出力等に応じて電流値は細かく変動している。そのため、下限電圧を決定する工程での放電条件を、実際の車両制御での放電条件と全く同じとすることはできない。したがって、この工程では、放電時間と下限電圧との関係の傾向が反映された下限電圧を取得できればよい。
まず、一つの組み合わせ条件に調整された第3セル103について、下限電圧取得部62は、正極電位Vp、負極の電位である負極電位Vn、及び下限電圧の取得を開始する。下限電圧の取得が開始されると、下限電圧取得部62は、第3セル103に蓄電されている電力を放電回路69から大電流で放電させる。第3セル103は、大電流での放電が継続されることに応じて第3セル103のSOCが低下するとともに、第3セル103の正極電位Vpが低下し、第3セル103の負極電位Vnが上昇する。セル電圧Vcは、正極電位Vpと負極電位Vnとの間の電位差であり、正極電位Vpの低下、及び、負極電位Vnの上昇により電位差が小さくなることによって低下する。
そして、下限電圧取得部62は、正極電位Vpが、金属溶出電位αVに達したときのセル電圧Vcを下限電圧として取得する。すなわち、下限電圧は、不可逆的に進行するコバルト化合物の溶出反応を抑制できる電池電圧の範囲のうち最も低い電池電圧に設定される。このため、下限電圧は必要以上に大きく設定されない。なお、下限電圧を取得する処理の行われた単電池100の正極には金属溶出反応が生じてしまうことから、温度、直近SOC及び放電時間の組み合わせを変更する都度、単電池100は新しいものに交換される。そして、この下限電圧の取得を、組み合わせ条件毎に行う。
図5に、上記した各組み合わせ条件によって得られた正極電位Vp、負極電位Vn、及びセル電圧Vcのうち、放電時間が短時間であるときの正極電位Vp、負極電位Vn、及びセル電圧Vcを示す。すなわち、高温域における直近SOC「高」・短時間、直近SOC「中」・短時間、直近SOC「低」・短時間といった3つの組み合わせと、低温域の直近SOC「高」・短時間、直近SOC「中」・短時間、直近SOC「中」・短時間といった3つの組み合わせとについて、正極電位Vp、負極電位Vn、及びセル電圧Vcの変化をグラフで示している。
正極電位Vpは、大電流の放電の継続によって低くなり、金属溶出電位αVに達する。例えば、図5中「高温域」における直近SOC「低」、「中」、「高」の各グラフに示すように、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達するまでの時間は、直近SOCが低いほど短くなっている。
また、例えば、図5中、直近SOC「高」における高温域のグラフと、低温域のグラフとで示すように、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達するまでの時間は、温度が低いほど短い。
一方、負極電位Vnは、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達する間に上昇する。図5中「高温域」における直近SOC「低」、「中」、「高」の各グラフに示すように、負極電位Vnが上昇する変化率(傾き)は、直近SOCが低くなるほど大きくなる。また、図5中、直近SOC「高」における高温域のグラフと、低温域のグラフとで示すように、負極電位Vnが上昇する変化率は、電池温度が低くなるほど大きくなる。
このように温度域においては、正極電位Vp及び負極電位Vnの変化率は直近SOCが低くなるほど大きくなるが、正極電位Vpの低下速度は負極電位Vnの上昇速度に比して短い。そのため、図5中「高温域」における直近SOC「低」、「中」、「高」の各グラフに示すように、高温域においては、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達したとき(時間T0)のセル電圧Vcは、直近SOCが低い順に「1.10V」、「1.07V」、「1.05V」となる。すなわち、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達したときのセル電圧Vcは、直近SOCが低くなるほど高くなる。
また、図5中、直近SOC「高」における高温域のグラフと、低温域のグラフとで示すように、同じ直近SOCにおいては、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達したとき(時間T0)のセル電圧Vcは温度が低い順に「0.88V」、「1.05V」となる。すなわち、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達したときのセル電圧Vcは、温度が高くなるほど高くなる。
なお、低温域においては、負極電位Vnの上昇速度が大きくなる。そのため、直近SOCが同じ条件下では、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達したときのセル電圧Vcは、温度が低くなるほど低くなる。また、低温域においては、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達したときのセル電圧Vcは、直近SOC「低」、直近SOC「中」、直近SOC「高」においてほぼ同じとなる。
図6に、温度及び直近SOCが同じ組み合わせである場合であって、放電時間が短時間であるときの正極電位Vp、負極電位Vn及びセル電圧Vcと、放電時間が長時間であるときの正極電位Vp、負極電位Vn及びセル電圧Vcとを示す。
正極電位Vpが金属溶出電位αVに達するまでの時間は、放電時間が短時間であるときには短くなる傾向にあり、放電時間が長時間であるときには長くなる傾向にある。
また、負極電位Vnの上昇速度は、放電時間が短時間であるときには大きくなる傾向にあり、放電時間が長時間であるときには小さくなる傾向にある。そのため、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達したときのセル電圧Vcは、放電時間が短時間であるときには低くなる傾向にあり、放電時間が長時間であるときには高くなる傾向にある。
すなわち、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達したときのセル電圧Vcは、同じ温度且つ同じ放電時間であれば、直近SOCが低いほど高くなる。また、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達したときのセル電圧Vcは、同じ直近SOC且つ同じ放電時間であれば、電池温度が高いほど高くなる。さらに、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達したときのセル電圧Vcは、同じ温度且つ直近SOCであれば、放電時間が長いほど高くなる。
そして、各組み合わせ条件における正極電位Vpが金属溶出電位αVに達したときのセル電圧Vcから、図2に示す短時間放電における下限電圧変化線L1〜L4と、図3に示す長時間放電における下限電圧変化線L5〜L8が求められる。
なお、大電流の放電による正極電位Vpの低下態様や負極電位Vnの上昇態様は、放電量や電池容量、電極の構成、直近SOC、温度などによって相違する。また、大電流の放電によりSOCが低下する態様も、放電量や電池容量、電極の構成、直近SOC、温度などによって相違する。そのため、下限電圧は、放電量や電池容量、電極の構成、直近SOC、温度などに応じて設定されることが好ましい。
<下限電圧の設定処理>
図7を参照して、下限電圧設定部53による電池モジュール11用の下限電圧を設定する処理の手順について説明する。下限電圧を設定する処理は、所定の周期又は所定の間隔で繰り返し随時行われる。なお、下限電圧を設定する処理は、直近SOCの値や電池温度が更新又は変更されたタイミングなどで行われてもよい。処理の繰り返し実行の間隔は、定期的でも不定期的でもよいが、電池モジュール11の電池状態の変化に対応するかたちで随時実行されることが好ましい。
下限電圧の設定処理が開始されると、下限電圧設定部53は、二次電池10の放電が開始されたか否かを判断する(ステップS1)。放電が開始されない場合には(ステップS1:NO)、下限電圧設定部53は、放電が開始されるのを待機する。
放電が開始されると(ステップS1:YES)、下限電圧設定部53は、放電が開始されたときから放電が継続されている放電時間Tmを測定する(ステップS2)。また、下限電圧設定部53は、温度取得部52によって測定された温度Tpを取得する(ステップS3)。そして、下限電圧設定部53は、取得した温度Tpが特定温度Tp1未満であるか否かを判断する(ステップS4)。
測定した電池温度が特定温度Tp1よりも低いと判断された場合(ステップS4:YES)、下限電圧設定部53は、低温時の下限電圧の設定処理である低温時設定処理を行う(ステップS5)。低温時設定処理が行われると、下限電圧設定部53は、二次電池10の放電が終了したか否かを判断し(ステップS7)、放電が終了していない場合には(ステップS7:NO)、ステップS2に戻り、放電時間Tmの測定を継続する。
一方、測定した温度Tpが特定温度Tp1以上であると判断された場合(ステップS4:NO)、下限電圧設定部53は、高温時の下限電圧の設定処理である高温時設定処理を行う(ステップS6)。高温時設定処理が行われると、下限電圧設定部53は、二次電池10の放電が終了したか否かを判断し(ステップS7)、放電が終了していない場合には(ステップS7:NO)、ステップS2に戻り、放電時間Tmの測定を継続する。
次に、図8を参照して、低温時設定処理について説明する。下限電圧設定部53は、測定している放電時間Tmが、所定の時間Tm1未満であるか否かを判断する(ステップS5−1)。低温時において放電が開始された直後は、まず放電時間Tmが所定の時間Tm1未満と判断されることとなる。
放電時間Tmが所定の時間Tm1未満であると判断すると(ステップS5−1:YES)、低温・短時間特性を選択する(ステップS5−2)。具体的には、図2のグラフの下限電圧変化線L1を選択する。下限電圧設定部53は、下限電圧変化線L1から、取得した温度Tpに対応する下限電圧を読み出し、読み出した下限電圧を、下限電圧として設定する(ステップS5−4)。このように下限電圧を設定すると、下限電圧設定部53は、放電が終了されたか否かを判断し(図7のステップS7)、放電が終了していない場合には、ステップS2を繰り返す。
放電が開始されてから所定の時間Tm1が経過すると、ステップS5−1において、放電時間Tmが所定の時間Tm1以上であると判断されることとなる(ステップS5−1:NO)。その場合には、下限電圧設定部53は、低温・長時間特性を選択する(ステップS5−3)。具体的には、長時間放電における下限電圧変化線(図示略)を選択する。下限電圧設定部53は、下限電圧変化線から、取得した温度Tpに対応する下限電圧を読み出し、読み出した下限電圧を、下限電圧として設定する(ステップS5−4)。すなわち、低温時においては、まず短時間特性の下限電圧が設定され、その後も放電が継続されると、短時間特性の下限電圧から長時間特性の下限電圧に切り替えられる。
次に、図9を参照して、高温時設定処理について説明する。下限電圧設定部53は、SOC算出部51から、SOCを取得する(ステップS6−1)。ここで取得されるSOCは、直近SOCである。下限電圧設定部53は、取得したSOCが、第1のSOC閾値Sth1以上であるか否かを判断する(ステップS6−2)。この第1のSOC閾値Sth1は、直近SOC「高」と直近SOC「中」とを判別するための閾値である。
直近SOCが第1のSOC閾値Sth1以上であるとき(ステップS6−2:YES)、すなわち直近SOCが「高」であるとき、下限電圧設定部53は、放電時間Tmが所定の時間Tm1未満であるか否かを判断する(ステップS6−3)。放電時間が所定の時間Tm1未満であるとき(ステップS6−3:YES)、下限電圧設定部53は、直近SOC「高」・短時間特性を選択する(ステップS6−4)。具体的には、図2における下限電圧変化線L4を選択する。そして、下限電圧設定部53は、下限電圧変化線L4のうち、取得した温度Tpに対応する下限電圧を読み出し、読み出した下限電圧を下限電圧として設定する(ステップS6−6)。そして、下限電圧設定部53は、図7に示すステップS7に戻り、下限電圧を設定すると放電が終了したか否かを判断し(図7に示すステップS7)、放電が継続されている場合には図7に示すステップS2に戻る。
こうして、直近SOC「高」・短時間特性が選択された後、放電時間Tmが所定の時間Tm1未満である間においては直近SOC「高」・短時間特性に基づく下限電圧が繰り返し設定される。やがて、放電時間Tmが所定の時間Tm1以上となると(ステップS6−3:NO)、下限電圧設定部53は、直近SOC「高」・長時間特性を選択する(ステップS6−5)。具体的には、図3における下限電圧変化線L8を選択する。そして、下限電圧変化線L8のうち、取得した温度Tpに対応する下限電圧を読み出し、読み出した下限電圧を下限電圧として設定する(ステップS6−6)。その結果、直近SOCが「高」であって放電時間Tmが所定の時間Tm1未満のときに設定された下限電圧よりも高い下限電圧が設定される。下限電圧を設定すると放電が終了したか否かを判断し(図7に示すステップS7)、放電が継続されている場合にはステップS2に戻る。
一方、ステップS6−2において、直近SOCが第1のSOC閾値Sth1未満であるとき(ステップS6−2:NO)、下限電圧設定部53は、直近SOCが第2のSOC閾値Sth2以上第1のSOC閾値Sth1未満であるか否かを判断する(ステップS6−7)。第2のSOC閾値Sth2は、直近SOC「中」と直近SOC「低」とを判別する閾値であって、第1のSOC閾値Sth1よりも小さい。
下限電圧設定部53は、直近SOCが第2のSOC閾値Sth2以上第1のSOC閾値Sth1未満であると判断すると(ステップS6−7:YES)、下限電圧設定部53は、測定している放電時間Tmが、所定の時間Tm1未満であるか否かを判断する(ステップS6−8)。測定している放電時間Tmが、所定の時間Tm1未満である場合には(ステップS6−8:YES)、直近SOC「中」・短時間特性を選択する(ステップS6−9)。具体的には、図2に示す下限電圧変化線L3を選択する。そして、下限電圧変化線L3のうち、取得した温度Tpに対応する下限電圧を読み出し、読み出した下限電圧を下限電圧として設定する(ステップS6−6)。
こうして、直近SOC「中」・短時間特性が選択された後、放電時間Tmが所定の時間Tm1未満である間においては、直近SOC「中」・短時間特性に基づく下限電圧が繰り返し設定される。やがて、放電時間Tmが所定の時間Tm1以上となると(ステップS6−8:NO)、下限電圧設定部53は、直近SOC「中」・長時間特性を選択する(ステップS6−10)。具体的には、図3における下限電圧変化線L7を選択する。そして、下限電圧変化線L7のうち、取得した温度Tpに対応する下限電圧を読み出し、読み出した下限電圧を下限電圧として設定する(ステップS6−6)。その結果、直近SOCが「中」であって放電時間Tmが所定の時間Tm1未満のときに設定された下限電圧よりも高い下限電圧が設定される。また、直近SOCが「高」のときに設定された下限電圧よりも高い下限電圧が設定される。下限電圧を設定すると放電が終了したか否かを判断し(図7に示すステップS7)、放電が継続されている場合にはステップS2に戻る。
一方、ステップS6−7において、下限電圧設定部53は、直近SOCが第2のSOC閾値Sth2未満であると判断すると(ステップS6−7:NO)、放電時間Tmが、所定の時間Tm1未満であるか否かを判断する(ステップS6−11)。
測定している放電時間Tmが、所定の時間Tm1未満である場合には(ステップS6−11:YES)、直近SOC「低」・短時間特性を選択する(ステップS6−12)。具体的には、図2に示す下限電圧変化線L2を選択する。そして、下限電圧変化線L2のうち、取得した温度Tpに対応する下限電圧を読み出し、読み出した下限電圧を下限電圧として設定する(ステップS6−6)。
こうして、直近SOC「低」・短時間特性が選択された後、放電時間Tmが所定の時間Tm1内である間においては、直近SOC「低」・短時間特性に基づく下限電圧が繰り返し設定される。やがて、放電時間Tmが所定の時間Tm1以上となると(ステップS6−11:NO)、下限電圧設定部53は、直近SOC「低」・長時間特性を選択する(ステップS6−13)。具体的には、図3における下限電圧変化線L6を選択する。そして、下限電圧変化線L6のうち、取得した温度Tpに対応する下限電圧を読み出し、読み出した下限電圧を下限電圧として設定する(ステップS6−6)。その結果、直近SOCが「低」であって放電時間Tmが所定の時間Tm1未満のときに設定された下限電圧よりも高い下限電圧が設定される。また、直近SOCが「中」及び「高」のときに設定された下限電圧よりも高い下限電圧が設定される。下限電圧設定部53は、下限電圧を設定すると、図7に示すステップS7に戻り、放電が終了したか否かを判断し(図7に示すステップS7)、放電が継続されている場合にはステップS2に戻る。
このように電池モジュール11に対して下限電圧が設定されたとき、例えば、二次電池10を構成する複数の電池モジュール11の少なくとも一つが下限電圧に達したとき放電が規制される。または、電圧計40によって複数の電池モジュール11からなるブロック毎に電圧を測定している場合には、いずれかのブロックが下限電圧に達したとき放電が規制される。
また、電池モジュール11の現在の電池状態に対応する下限電圧が随時設定されることで、大電流での放電が急に要求されたとしても、適切な下限電圧が設定されているようになる。そして、大電流による放電がなされたとしても、電池モジュール11の端子間電圧が下限電圧に達することで放電が規制され、正極の性能の劣化が抑制される。その結果、電池寿命が延ばされるようになる。また、下限電圧が適切かつ低く設定されることによって電圧出力の範囲が広がるため電池モジュール11からより多くの電力出力が可能になり、電池モジュール11の出力性能が高められる。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(1)電池モジュール11の下限電圧が二次電池10の温度Tpに加えて該二次電池10のSOCに基づいて設定される。これにより、二次電池10の放電を規制する下限電圧がより適切に設定されるようになる。そして、こうした下限電圧の設定により、二次電池10の性能の劣化も抑制され、電池寿命を延ばすことができるようになる。また、下限電圧が、必要以上に高く設定されないことから、二次電池10の出力範囲が広げられ、より多くの電力出力が可能になり、二次電池の出力性能が高められる。
(2)下限電圧が、電池モジュール11のSOC及び温度に加え、放電時間に基づいて設定される。このように下限電圧を設定することによって、二次電池10の使用状況に合わせて下限電圧を設定することができる。そのため、下限電圧を適切に設定することができる。
(3)主活物質と金属化合物とを含む正極を有する二次電池10は、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達すると劣化するおそれが高まる。また、二次電池10の大電流の放電が行われると、正極電位Vpは低下して金属溶出電位αVに到達するが、二次電池10のSOCが低いほど、正極電位Vpは、負極電位Vnの上昇に比して急激に低下する。そのため、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達したときの正極の電位と負極の電位との差である電池電圧は、二次電池の充電状態が低いほど高くなる。上記実施形態によれば、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達したときの電圧を基準として下限電圧が予め定められ、下限電圧は、充電状態及び温度の組み合わせ毎に定められている。そして、このように予め定められた下限電圧に基づき、二次電池10の直近SOC及び温度に応じて下限電圧が設定される。これにより、二次電池10の性能の劣化も抑制され、電池寿命を延ばすことができるようになる。また、下限電圧が、必要以上に高く設定されないことから、二次電池10の出力範囲が広げられ、より多くの電力出力が可能になり、二次電池の出力性能が高められる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を説明する。尚、第2の実施形態は、第1の実施形態の下限電圧の決定方法の一部を変更した構成であるため、同様の部分については同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
図10を参照して、下限電圧データ54を作成するための下限電圧の決定方法について説明する。本実施形態では、2つの特定温度によって、温度を、高温域、中温域、低温域に分けている。すなわち、第1の実施形態での12の組み合わせに、下記の6つの組み合わせを加えた18の組み合わせによって下限電圧を決定している。なお、図10のグラフは、放電時間が短時間である短時間特性の表である。
<中温域>
直近SOC「高」・長時間
直近SOC「高」・短時間
直近SOC「中」・長時間
直近SOC「中」・短時間
直近SOC「低」・長時間
直近SOC「低」・短時間
ところで、上述したように二次電池10の放電が開始されると、電池制御装置50は、直近SOCを算出するために電圧計40から電圧に応じた電圧検出信号を入力する。このとき、電池制御装置50が電圧検出信号を入力するタイミングは、測定装置60が、下限電圧データ54を作成するために電圧計65P,65Nから電圧に応じた電圧検出信号を入力したタイミングと合致することが好ましい。なお、電池制御装置50が電流計41から電流に応じた電流検出信号を入力するタイミングも、測定装置60が電流計68から電流に応じた電流検出信号を入力したタイミングと合致することが好ましい。
しかし、実際には、電池制御装置50が電圧検出信号を入力するタイミングは、電圧計40の測定間隔などの影響によって、測定装置60が電圧検出信号を入力するタイミングに対して遅くなる可能性がある。電池制御装置50が電圧検出信号を入力するタイミングが、測定装置60が電圧検出信号を入力するタイミングに対して遅くなると、実際に設定される下限電圧と、本来設定すべき下限電圧との差が大きくなるおそれがある。特に、直近SOCが低いとき、大電流が放電されたときセル電圧Vcは急激に変化するので、その問題が顕著になる。
セル電圧Vcは放電に伴い低下するので、電池制御装置50が各信号を入力するタイミングが、電池制御装置50が各信号を入力するタイミングよりも遅くなると、下限電圧は低めに設定されてしまう。そして、そのように設定された下限電圧に基づき二次電池10の放電が制御されてしまうと、正極電位Vpが金属溶出電位αVを下回る可能性がある。
ここで、金属溶出電位αVよりも大きい閾値を設定し、正極電位Vpがこの閾値に達したときのセル電圧Vcを下限電圧として設定することも考えられる。しかし、この場合には、各組み合わせ条件において大電流放電の際の正極電位Vpの変化率が異なるために、正極電位Vpが閾値に到達する時間と金属溶出電位αVに到達する時間との差は、各組み合わせ条件によって異なる。そのため、例えば、正極電位Vpの変化率が大きい組み合わせ条件では、適切に下限電圧を設定できても、正極電位Vpの変化率が小さい組み合わせでは、下限電圧が高めに設定されて二次電池10の出力範囲が必要以上に狭められる可能性がある。
そこで、本実施形態では、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達した時間T0よりも一定時間Tm1前のセル電圧Vcを下限電圧とする。このように下限電圧を設定すると、下限電圧は高めに設定されることとなる。これにより、電池制御装置50が各信号を入力するタイミングが、電池制御装置50が各信号を入力するタイミングよりも遅れ、二次電池10が下限電圧に基づいて制御されても、正極電位Vpが金属溶出電位αVを下回ることは抑制される。また、一定時間Tm1は、電圧計65P,65Nによる電圧の測定間隔などから予め求めることができる。
図10中、温度と直近SOCとが異なる組み合わせのグラフにそれぞれ示すように、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達した時間T0よりも一定の時間T1だけ遡った時間「T0−T1」のセル電圧Vcを下限電圧としている。
時間「T0−T1」のセル電圧Vc1〜Vc9は、第1の実施形態と同様に、単電池100の直近SOCが低いほど高くなっている。また、単電池100の直近SOCが同一である条件下において温度が高いほど高くなっている。
そして、各組み合わせ条件で測定を行うことによって得られたセル電圧Vcから、短時間放電における下限電圧変化線と、長時間放電における下限電圧変化線が求められる。また、上述のようにして得られた単電池100の下限電圧を、電池モジュール11を構成するセル数倍である6倍にして電池モジュール11用の下限電圧として設定する。
以上説明したように、第2実施形態によれば、第1の実施形態に記載した(1)〜(3)の効果に加えて、以下に列挙する効果が得られるようになる。
(4)下限電圧を設定するにあたり二次電池10の電圧に応じた信号、電流に応じた信号及び温度に応じた信号が実際に取得されるタイミングは、下限電圧を予め定めるときにそれらの信号を取得するタイミングに対して遅れる可能性がある。また、大電流の放電が開始されたとき、放電が継続されるに伴いセル電圧Vcは低下する。上記実施形態では、下限電圧を予め定めるにあたり、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達したときから一定時間Tm1前のセル電圧Vcが下限電圧として予め定められる。すなわち、下限電圧が、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達した時間T0のセル電圧Vcとして設定される場合に比べ、高めに設定される。そのため、たとえ、実際に上記の各信号が取得されたタイミングが、予め下限電圧を定めるときに各信号が取得されたタイミングに対して遅れたとしても、そのとき設定される下限電圧は、正極電位Vpが金属溶出電位αVに達したときのセル電圧Vcを下回ることはない。このため、少なくとも二次電池の劣化を抑制することができる。
なお、上記各実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・上記各実施形態では、直近SOCが低いほど下限電圧は高く設定される場合について例示した。しかし、コバルトの溶出反応以外の要因により、直近SOCが低いほど下限電圧が高くなる関係性が変化する可能性もある。例えば、直近SOCが低い場合、設定した下限電圧に達するまでに要する時間が、直近SOCが高い場合に比べて早くなる。そのため、直近SOCが低い場合、安全性を考慮して下限電圧を上記各実施形態よりも高く設定し、直近SOCが高い場合、そのままの下限電圧を維持するか又はSOCが低い場合よりも小さい幅で高く設定するようにしてもよい。
・第1の実施形態では、下限電圧は、「高温域」及び「低温域」のときのそれぞれについて、直近SOCが「低」、「中」及び「高」の3つの場合についてそれぞれ取得される場合について例示した。また、第2の実施形態では、下限電圧は、「高温域」、「中温域」及び「低温域」のときのそれぞれについて、直近SOCが「低」、「中」及び「高」の3つの場合についてそれぞれ取得される場合について例示した。しかしこれに限らず、下限電圧が取得される電池温度と直近SOCの組合せは、それらより多くても少なくてもよい。例えば、電池温度は複数かつ任意の温度とされてもよく、各電池温度に組み合わされる直近SOCも複数かつ任意の値とされてもよい。下限電圧を取得するときの組合せの数は、少なければ取得に要する時間を短縮することができるようになり、多ければ取得精度を高めることができるようになる。
・上記実施形態では、正極を構成する活物質がニッケル化合物、添加物がコバルト化合物である場合について例示した。しかしこれに限らず、正活物質や添加物がその他の化合物から構成されていてもよい。
・上記実施形態では、電池モジュール11は6つのセルが直列接続されて構成される場合について例示した。しかしこれに限らず、電池モジュールは5つ以下のセル、又は、7つ以上のセルが直列接続された構成されていてもよい。また、電池モジュールは単電池であってもよい。いずれにしろ、電池モジュールを構成している直列接続されるセルの数に応じて下限電圧を設定するようにすればよい。
・上記実施形態では、二次電池10を複数の電池モジュール11から構成したが、二次電池10は一つの電池モジュール11であってもよい。
・上記実施形態では、二次電池10の蓄電量に関する充電状態がSOCである場合について例示した。しかしこれに限らず、二次電池10の充電状態は、実際の蓄電量(充電量)であってもよい。通常、蓄電量(充電量)とSOCとは相互に変換可能である。同様に、下限電圧に関するデータについても、SOCとの関係に代えて蓄電量(充電量)との関係をもちいてもよい。
・上記各実施形態では、二次電池10は、電動機の電源としたが、車両のその他の装置の電源としてもよい。また、二次電池10は、電源として用いられるものであれば、車両以外の電源として用いられてもよい。その際、例えば定置用電源等、SOCの制御範囲が大きいときには、時間当たりの電池の化学的劣化が大きくなるため、寿命確保の観点から下限電圧は高めに設定することが好ましい。たとえば、金属溶出電位αVに対して所定のマージンなどが加算されてより高く設定されてもよい。
・上記実施形態では、二次電池を、ニッケル水素蓄電池に具体化したが、他のアルカリ蓄電池に具体化してもよい。例えば、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル亜鉛蓄電池等に具体化してもよい。またリチウムイオン蓄電池などの他の蓄電池に具体化してもよい。その場合、下限電圧を決定する基準とする正極電位の閾値を、正極に含有される化合物が化学的に劣化する電位、又は電解質の電気分解が発生し始める電位等の副次的な反応が生じるときのセル電圧とすればよい。このとき基準とされる正極電位の閾値又は負極電位の閾値は、正極の材料や負極の材料、又は電解液との組み合わせによって変化する。
10…二次電池、11…電池モジュール、12…正極端子、13…負極端子、20…温度計、37…温度計、40…電流計41…電圧計、41…電流計、50…電池制御装置、51…SOC算出部、52…温度取得部、53…下限電圧設定部、54…下限電圧データ、100…単電池、101〜106…第1セル〜第6セル、111…負極、112…正極、113…電極群、114…集電板、115…集電板。

Claims (4)

  1. 主活物質と添加物としての金属化合物とを含む正極を有する二次電池の放電を制御する電池制御装置であって、
    前記二次電池の満充電容量に対する残容量の割合を示す充電状態を取得する充電状態取得部と、
    前記二次電池の温度を取得する温度取得部と、
    前記二次電池の下限電圧を設定する下限電圧設定部と、
    前記二次電池の放電が継続された時間である放電時間を測定する放電時間測定部とを備え、
    前記下限電圧設定部は、前記下限電圧を、前記二次電池の充電状態が低いほど高い値として設定するとともに、前記二次電池の充電状態が同一である条件下において前記取得される温度が高いほど高い値として設定するとともに、前記二次電池の充電状態及び温度が同一である条件下において、測定された放電時間が短いほど低い値として設定する
    ことを特徴とする電池制御装置。
  2. 主活物質と添加剤としての金属化合物とを含む正極を有する二次電池の放電を電池制御装置によって制御する電池制御方法であって、
    前記電池制御装置は、前記二次電池の前記下限電圧を、前記二次電池の満充電容量に対する残容量の割合を示す充電状態が低いほど高い値として設定するとともに、前記二次電池の充電状態が同一である条件下において前記二次電池から取得される温度が高いほど高い値として設定するとともに、前記二次電池の充電状態及び温度が同一である条件下において、前記二次電池の放電が継続された時間として測定された放電時間が短いほど低い値として設定する
    ことを特徴とする電池制御方法。
  3. 主活物質と添加剤としての金属化合物とを含む正極を有する二次電池の放電制御に用いられる下限電圧を決定する下限電圧の決定方法であって、
    前記二次電池の満充電容量に対する残容量の割合を示す充電状態と、前記二次電池の温度と、前記二次電池の放電が継続されている時間である放電時間との組み合わせが互いに異なる複数の条件で前記二次電池を放電しながら前記正極の電位及び電池電圧を測定し、
    前記正極の電位が金属化合物の金属溶出反応の開始電位に達したときの電池電圧と取得した前記放電時間とを基準に前記二次電池の放電を規制する下限電圧を予め定める
    ことを特徴とする下限電圧の決定方法。
  4. 前記正極の電位が金属化合物の金属溶出反応の開始電位に達したときから所定時間前の前記二次電池の電池電圧を下限電圧として予め定める
    請求項に記載の下限電圧の決定方法。
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