JP6339848B2 - 遮水構造および遮水構造の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水中に打設された遮水構造の継手部を止水するために好適に用いられる止水用混合物およびそれを用いた遮水構造に関する。
複数の鋼管を並列に連続して打設することによって土止めや水止めを行う鋼管矢板では、隣接する鋼管の間に鋼管を相互に連結して隙間の形成を防ぐために、P継手にT継手を嵌合してなる継手部を形成するとともに、P継手内に、止水材料としてのアスファルト混合物を充填することにより、遮水構造を形成している(たとえば、特許文献1参照)。
しかし一方で、上記特許文献1に開示されているアスファルト混合物を、水中部に形成された鋼管矢板の継手部に用いる場合には、次のような不具合がある。すなわち、水中部に形成されている継手部に、アスファルト混合物を充填する際には、アスファルト混合物を、130〜180℃程度に加熱した状態とする必要があるため、このように加熱したアスファルト混合物を、水中部に形成されている継手部に投入すると、継手部に充填されている水が気化することで、アスファルト混合物を用いて形成される遮水構造中に気泡が含まれてしまい、止水性能が不十分となるという不具合がある。
また、上記特許文献1には、止水材料として、アスファルト混合物の他、粘土、粘土モルタル、モルタル、コンクリートなどが例示されているが、これらの材料では、十分な止水性能を得ることができないという問題があった。
特開2002−285548号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、水中に打設された遮水構造の継手部などを止水するために好適に用いられ、常温での施工が可能であり、かつ、遮水性に極めて優れた遮水構造を形成可能な止水用混合物およびそれを用いた遮水構造を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討したところ、骨材およびアスファルトを含有する混合物に、トール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステルからなる潤滑性固化材と、アルカリ性添加材とを配合することにより得られるアスファルト混合物によれば、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、止水用混合物を用いて形成された遮水構造であって、前記止水用混合物が、骨材と、アスファルトと、潤滑性固化材と、アルカリ性添加材とを混合してなり、前記止水用混合物に含まれる前記潤滑性固化材が、トール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステルであることを特徴とする遮水構造が提供される。
また、本発明の遮水構造において、前記潤滑性固化材が、前記トール油脂肪酸であり、前記トール油脂肪酸が、脂肪酸と樹脂酸とを、「脂肪酸:樹脂酸」の重量比で、99.5:0.5〜80:20の比率で含有しているものであることが好ましい。
さらに、本発明の遮水構造において、前記止水用混合物が、前記継手部に投入されることにより、前記継手部内に存在する水と反応により、硬化することで形成されたものである遮水構造ものであることが好ましい。
また、本発明によれば、骨材と、アスファルトと、トール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステルと、アルカリ性添加材とを混合してなる止水用混合物を、水中に打設された遮水構造の継手部に投入し、前記止水用混合物を、前記継手部内に存在する水との反応により、硬化させることを特徴とする遮水構造の形成方法が提供される。
本発明によれば、水中に打設された遮水構造の継手部などを止水するために用いられ、常温での施工が可能であり、かつ、遮水性に極めて優れた遮水構造を形成可能な止水用混合物およびそれを用いた遮水構造を提供することができる。
図1(A)は、本発明の止水用混合物が適用される、遮水構造の一例としての鋼管矢板の継手部を示す平面図であり、図1(B)は、図1(A)に示す継手部に、本発明の止水用混合物を用いることで、遮水構造が形成された状態の継手部を示す平面図である。
まず、本発明の止水用混合物について説明する前に、本発明の止水用混合物が適用される一適用例としての、水中に打設された遮水構造、具体的には、水中に打設された鋼管矢板壁の継手部について、図1(A)を参照して説明する。ここで、図1(A)は、遮水構造の一例としての鋼管矢板の継手部を示す平面図である。なお、図1(A)は、複数の鋼管矢板を並列することにより形成される鋼管矢板壁のうち、隣り合う鋼管矢板10,20における、継手部の構造を示す平面図である。
なお、本発明において、「水中に打設された遮水構造」としては、河川やため池、港湾などの他、地下水位の高い陸地に打設された遮水構造をも含むものであり、継手部内(具体的には、後述する図1(A)に示すP継手20a内)の少なくとも一部に水が満たされてしまうような環境に設けられる遮水構造であれば何でもよく、このようなものであれば、本発明の効果が適切に奏されるものである。
図1(A)に示すように、鋼管矢板10には、T継手10aが溶接されており、一方、鋼管矢板10と隣り合う鋼管矢板20には、P継手20aが溶接されている。そして、鋼管矢板10に溶接されているT継手10aと、鋼管矢板20に溶接されているP継手20aとが嵌合されることで、鋼管矢板10と鋼管矢板20との間に、継手部が形成されている。
そして、本発明の止水用混合物は、このような継手部などを止水するために好適に用いられる混合物であり、図1(B)に示すように、鋼管矢板20のP継手20a内に充填され、硬化させることにより、遮水構造30を形成するものである。
ここで、鋼管矢板10,20は、水中に打設された鋼管矢板壁を形成するものであり、そのため、図1(A)に示す鋼管矢板10,20に設けられているT継手10a、P継手20a、具体的には、P継手20aの内部には、水が満たされていることとなる。そのため、図1(B)に示すように、止水用混合物を、鋼管矢板20のP継手20a内に充填し、遮水構造30を形成するに際しては、以下の問題点を考慮することが望ましい。
すなわち、P継手20a内部に水が満たされているため、用いる止水用混合物が、常温において流動性を有さず、100℃以上に加熱した状態とする必要がある場合には、P継手20a内部に存在する水が気化、あるいは沸騰してしまい、得られる遮水構造中に気泡が含まれてしまうという不具合や、水の影響により、止水用混合物自体の温度が低下し、これにより流動性が低下することで、P継手20a内部に充填ができなくなるという不具合が生じてしまうこととなる。
そのため、このような内部に水が満たされているP継手20a内に、良好に充填させる必要があることから、本発明においては、止水用混合物として常温で流動性を有するものを用いることが望ましい。ここで、止水用混合物を、P継手20a内部に充填させる方法としては、流し込みによる方法や、ポンプ打ちによる方法などが挙げられるが、止水用混合物としては、常温において、これらの方法により施工可能な流動性を有するものであることが好ましい。
これに対し、本発明者等が鋭意検討を行ったところ、骨材と、アスファルトと、トール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステルからなる潤滑性固化材と、アルカリ性添加材とを混合してなる混合物であれば、常温で流動性を有するものであり、そのため、内部に水が満たされているP継手20a内に、良好に充填させることが可能であること、さらには、該混合物は、P継手20a内に満たされている水の作用により、硬化するという特性を有するものであり、このようにして形成される硬化物によれば、遮水性に極めて優れた遮水構造を形成可能であること、を見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
以下、本発明の止水用混合物について、詳細に説明する。
すなわち、本発明の止水用混合物は、骨材と、アスファルトと、潤滑性固化材と、アルカリ性添加材とを混合してなり、前記潤滑性固化材が、トール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステルであることを特徴とするものである。本発明の止水用混合物は、たとえば、水中に打設された遮水構造の継手部などを止水するために好適に用いられる。
本発明の止水用混合物は、常温において流動性を有し、そのため、内部に水が満たされているP継手20a内に、良好に充填させることが可能であり、しかも、P継手20a内に満たされている水の作用により、本発明の止水用混合物に含まれる、潤滑性固化材としてのトール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステルが、アルカリ性添加材に由来するアルカリ成分と中和・鹸化反応することで、硬化するものである。
ここで、本発明において、中和・鹸化反応としては、脂肪酸アルカリ塩を生成させる反応であればよく、たとえば、脂肪酸エステルにアルカリ水を加えることにより、脂肪酸アルカリ塩(石鹸)とグリセリンを生成する鹸化法や、脂肪酸をアルカリ水で中和する中和法等が挙げられる。
また、中和・鹸化反応においては、アルカリ性添加材を固形状態で添加した場合には、水が存在しない場合には、一般的には反応は開始しない。その一方で、水が存在する場合には、「潤滑性固化材としてのトール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステル+アルカリ性添加材+水=石鹸(固体)」の反応が起こり、石鹸が生成し、これにより、硬化するものである。
なお、本発明の止水用混合物は、骨材と、アスファルトと、潤滑性固化材としてのトール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステルと、アルカリ性添加材とを含有してなるものであるが、そのミクロ構造は、次の通りとなっていると考えられる。すなわち、粘性の低い潤滑性固化材と、アルカリ性添加剤とから構成される潤滑膜が、アスファルト被膜が形成された骨材の間に介在しており、これにより、潤滑性効果を発現すると考えられる。そして、これにより、中和・鹸化反応前における本発明の止水用混合物は、低粘度状態に保たれている。
一方で、本発明の止水用混合物を、内部に水が満たされているP継手20a内に充填させると、P継手20a内に存在する水により、中和・鹸化反応が起こり、これにより固化することで硬化物となり、P継手20a内において、遮水構造30を形成するものである。
次いで、本発明の止水用混合物を構成する各成分について、説明する。
骨材としては、特に制限はなく、砕石、砂、石粉など、通常のアスファルト混合物に用いられるものを適宜用いることができ、細粒度やアスファルトモルタルなど、いずれの粒度範囲の骨材を制限なく用いることができる。一例を挙げると、目開きが2.36mmの篩目を通過する粒子の比率である、2.36mmフルイ通過質量百分率が30〜100%の範囲にあるものを用いることができる。
また、アスファルトとしては、特に制限はなく、ストレートアスファルトおよび改質アスファルトなどを制限なく用いることができる。
なお、本発明においては、骨材およびアスファルトとして、通常の骨材に代えて、再生骨材を用いてもよい。
本発明においては、潤滑性固化材として、トール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステルを用いる。潤滑性固化材として、トール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステルを用いることにより、上述した本発明の作用効果を適切に得ることができるものである。なお、本発明においては、その作用効果をより高めることができるという点より、潤滑性固化材として、トール油脂肪酸を含有するものを用いることが好ましく、脂肪酸と樹脂酸とを、「脂肪酸:樹脂酸」の重量比で、99.5:0.5〜80:20の比率で含有しているものを用いることが特に好ましい。なお、脂肪酸と樹脂酸との比率は、「脂肪酸:樹脂酸」の重量比で、より好ましくは99:1〜85:15であり、さらに好ましくは99:1〜88:12である。
なお、本発明で用いる、トール油脂肪酸は、天然由来のものであるため、上述した脂肪酸に加えて、樹脂酸をも含有する場合があるが、本発明においては、脂肪酸に対する樹脂酸の比率が、上記範囲に制御されたものを用いることにより、本発明の作用効果、すなわち、常温における流動性、および硬化物(遮水構造)とした場合における遮水性をより向上させることができるものである。
脂肪酸としては、トール油脂肪酸を構成する脂肪酸として、通常知られているものが挙げられ、たとえば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、およびリノール酸(共役リノール酸を含む)などが挙げられる。なお、トール油脂肪酸を構成する脂肪酸中における、各成分の割合は、以下の通りであることが好ましく、各成分の割合を以下の通りとすることにより、施工時の作業性を特に良好なものとすることができる。
パルミチン酸:好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは:1〜6重量%
ステアリン酸:好ましくは0.5〜8重量%、より好ましくは1〜4重量%
オレイン酸:好ましくは15〜65重量%、より好ましくは30〜50重量%
リノール酸(共役リノール酸を含む):好ましくは15〜70重量%、より好ましくは30〜45重量%
また、樹脂酸としては、トール油脂肪酸に通常含まれる樹脂酸が挙げられ、その具体例としては、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、ピマール酸、イソピマール酸、パラストリン酸のうちいずれか1種以上を含有するロジンが好ましく挙げられる。
本発明の止水用混合物中における、潤滑性固化材の含有比率は、「アスファルト:潤滑性固化材」の重量比で、80:20〜20:80の範囲内であることが好ましく、60:40〜40:60の範囲内であることがより好ましい。なお、潤滑性固化材の添加量が増加するに伴い可使温度範囲も広がるため、潤滑性固化材の添加量は、施工条件にあわせて決定することが好ましい。
また、本発明の止水用混合物中における、骨材に対する、アスファルトと潤滑性固化材との合計の含有比率は、「骨材:アスファルトと潤滑性固化材との合計」の重量比で、80:20〜60:40の範囲内であることが好ましく、70:30〜65:35の範囲内であることがより好ましい。アスファルトと潤滑性固化材との合計の割合が低すぎると、常温における流動性が低下してしまい、一方、骨材の割合が低すぎると、骨材が分離してしまい硬化物(遮水構造)の強度が不十分となってしまう。
アルカリ性添加材としては、水の作用により、アルカリ成分となる化合物であればよく特に限定されず、トール油脂肪酸を中和するために、水の作用により、低い水素イオン濃度(すなわち、pHが大きい)を呈するものが望ましく、石鹸作製において、通常用いられる水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を用いることも可能であるが、環境的な観点より、一般的な土木材料として使用されるセメントの中でも、水の作用によって低い水素イオン濃度を呈する普通セメント(普通ポルトランドセメント)が好ましく用いられる。普通ポルトランドセメントとしては、たとえば、ケイ酸三カルシウム(3CaO・SiO)、ケイ酸二カルシウム(2CaO・SiO)、カルシウムアルミネート(3CaO・Al)、カルシウムアルミノフェライト(4CaO・Al・Fe)、硫酸カルシウム(CaSO・2HO)などを主成分とするものを用いることができる。なお、アルカリ性添加材としては、これ以外にも、ナトリウムイオン(Na+)、カリウムイオン(K+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)等の金属イオンを含む水溶液もしくは、水を添加することで上記のイオンに分解する金属塩を含む粉末、若しくは炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、炭酸水素カリウム(KHCO)などが使用できる。本発明の止水用混合物中における、アルカリ性添加材の含有比率は、「潤滑性固化材:アルカリ性添加材」の重量比で、100:10〜100:20の範囲内であることが好ましく、100:13〜100:17の範囲内であることがより好ましい。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
<実施例1>
骨材(5号珪砂:石粉=44:26(重量比))70重量部に、ストレートアスファルト(StAs60−80)15重量部、潤滑性固化材(商品名「ハートールFA−1」、ハリマ化成グループ社製)15重量部、および普通ポルトランドセメント2.3重量部を、2軸パグミル型ミキサ(1バッチ:30〜60kg)に、この順にて配合し、混合を行うことで、止水用混合物を得た。なお、この際において、骨材の加熱温度は120℃、アスファルトの加熱温度は165℃、その他の部材は常温とした。また、実施例1で用いた潤滑性固化材(商品名「ハートールFA−1」、ハリマ化成グループ社製)は、以下の性状を有するものである。
・「脂肪酸:樹脂酸」=98.5:1.5(重量比)
・不けん化物含有量:2.0重量%
・脂肪酸の成分比率:パルミチン酸1〜3重量%、ステアリン酸1〜3重量%、オレイン酸40〜50重量%、およびリノール酸(共役リノール酸を含む)35〜45重量%
・樹脂酸の種類:ロジン
・酸価:194mgKOH/g
〔動粘度測定〕
そして、得られた止水用混合物について、20℃における動粘度を、測定装置として回転粘度計(ブルックフィールド社製)を用いて、測定した。結果を表1に示す。
<実施例2〜7>
止水用混合物を得る際における、骨材、ストレートアスファルトおよび潤滑性固化材の配合量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、止水用混合物を得て、同様にして動粘度測定を行った。各配合および結果を表1に示す。
Figure 0006339848
表1に示すように、本発明の止水用混合物によれば、20℃における動粘度が50,000cSt以下と低く、常温における流動性に優れ、そのため、内部に水が満たされている継手部に良好に充填することができることが確認できる。特に、実施例1,4〜8で得られた止水用混合物は、20℃における動粘度が、ポンプによる圧送が可能となる3,000cSt以下であり、常温における流動性に特に優れるものであった。
<実施例8>
実施例1と同様にして、止水用混合物を得て、得られた止水用混合物について、下記方法にしたがい、硬化状態の評価、可使時間の評価、および止水性能の評価を行った。
〔硬化状態の評価〕
硬化状態の評価は、円筒形の容器に水1000gを注ぎ込み、上から、得られた止水用混合物を流し込み、7日間静置することで、直径100mm、高さ200mmの円筒形状の硬化物を得て、得られた硬化物の強度を確認することにより行った。硬化物の強度は、490Nの荷重を印加した際における変形が1%以下である場合に良好と判断した。結果を表2に示す。
〔可使時間の評価〕
可使時間の評価は、得られた止水用混合物を、上記硬化状態の評価に用いた円筒形の容器と同じ円筒形の容器に入れ、大気雰囲気下、20℃にて、止水用混合物を保存し、保存した止水用混合物について、30分ごとに、上記と同様にして動粘度を測定することにより行った。なお、動粘度が50,000cSt以上となった時点で使用不可とし、このような使用不可となる直前に動粘度測定を行った時間を可使時間とした。すなわち、たとえば、混合物作製後、30分後の測定、1時間後の測定においては、動粘度が50,000cSt未満であり使用可能であったが、1時間30分後の測定においては、動粘度が50,000cSt以上となり使用不可となった場合には、可使時間は1時間とした。なお、本評価においては、4時間を上限として評価を行った。結果を表2に示す。
〔止水性能の評価〕
止水性能の評価は、円筒形の容器に水250gを注ぎ込み、上から、得られた止水用混合物を流し込み、7日間静置することで、直径100mm、高さ50mmの円筒形状の硬化物を得て、0.5MPaの圧力により加圧透水試験を行うことにより行った。具体的には、得られた円筒形状の硬化物について、上面に水を接触させ、0.5MPaの圧力により加圧し、下面からしみだしてくる水の量(透水量)を測定することにより行った。結果を表2に示す。
<実施例9〜12>
止水用混合物を得る際における、普通ポルトランドセメントの配合量を表2に示すように変更した以外は、実施例8と同様にして、止水用混合物を得て、同様にして、硬化状態の評価、可使時間の評価、および止水性能の評価を行った。各配合および結果を表2に示す。
Figure 0006339848
表2に示すように、本発明の止水用混合物によれば、可使時間が長く、また、水と反応させることにより得られる硬化物は、硬化状態および止水性能に優れるものであり、そのため、内部に水が満たされている継手部内に導入することで、継手部内に満たされている水と反応し、これにより遮水性に極めて優れた遮水構造を形成できることが確認できる。
10,20…鋼管矢板
10a…T継手
20a…P継手
30…遮水構造(硬化物)

Claims (4)

  1. 止水用混合物を用いて形成された遮水構造であって、
    前記止水用混合物が、骨材と、アスファルトと、潤滑性固化材と、アルカリ性添加材とを混合してなり、
    前記止水用混合物に含まれる前記潤滑性固化材が、トール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステルであることを特徴とする遮水構造
  2. 請求項1に記載の遮水構造であって、
    前記潤滑性固化材が、前記トール油脂肪酸であり、
    前記トール油脂肪酸が、脂肪酸と樹脂酸とを、「脂肪酸:樹脂酸」の重量比で、99.5:0.5〜80:20の比率で含有しているものであることを特徴とする遮水構造
  3. 請求項1または2に記載の遮水構造であって、
    前記止水用混合物が、水中に打設された遮水構造の継手部に投入されることにより、前記継手部内に存在する水と反応により、硬化することで形成されたものであることを特徴とする遮水構造
  4. 骨材と、アスファルトと、トール油脂肪酸および/またはトール油脂肪酸エステルと、アルカリ性添加材とを混合してなる止水用混合物を、水中に打設された遮水構造の継手部に投入し、前記止水用混合物を、前記継手部内に存在する水との反応により、硬化させることを特徴とする遮水構造の形成方法。
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