JP6338550B2 - 減速機構と該減速機構を用いた内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

減速機構と該減速機構を用いた内燃機関のバルブタイミング制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6338550B2
JP6338550B2 JP2015087184A JP2015087184A JP6338550B2 JP 6338550 B2 JP6338550 B2 JP 6338550B2 JP 2015087184 A JP2015087184 A JP 2015087184A JP 2015087184 A JP2015087184 A JP 2015087184A JP 6338550 B2 JP6338550 B2 JP 6338550B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
timing control
outer peripheral
valve timing
combustion engine
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015087184A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016205217A (ja
Inventor
健 渡邊
健 渡邊
亮 田所
亮 田所
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Systems Ltd filed Critical Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority to JP2015087184A priority Critical patent/JP6338550B2/ja
Publication of JP2016205217A publication Critical patent/JP2016205217A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6338550B2 publication Critical patent/JP6338550B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Retarders (AREA)

Description

本発明は、電動モータの回転速度を減速する減速機構と、該減速機構を用いて吸気弁や排気弁の開閉タイミングを制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
この種の従来の内燃機関のバルブタイミング制御装置としては、例えば、以下の特許文献1に記載されたものがある。
このバルブタイミング制御装置は、スプロケットと連動回転する内歯歯車に噛合させた遊星歯車を遊星運動させて、該遊星運動をカムシャフトの運動へ変換させることにより、該カムシャフトとクランクシャフトとの相対回転位相を変化させるようになっている。
このバルブタイミング制御装置の作動中には、カムシャフトが開閉する吸気弁や排気弁の駆動反力によって前記カムシャフトから装置に変動トルクが伝達される。このトルクの伝達により前記遊星歯車が、内歯歯車に対してがたつきが発生して、内歯歯車との間で歯当たりすることによって異音が生じている。
そこで、遊星歯車の遊星キャリア(偏心軸部)の外周面の一部に形成された円弧状の凹溝と遊星歯車の中心孔との間に板ばねを介装し、この板ばねのばね力の作用線が前記遊星キャリアの外周面の偏心方向線に対して前記外周面の周方向へ傾斜させて、前記変動トルクを相殺して異音の発生を抑制するようになっている。
特開2008−38886号公報(図12参照)
前記公報記載のバルブタイミング制御装置にあっては、前記板ばねは、径方向外側に突出した円弧状に折曲形成されていると共に、長手方向の両端部が前記凹溝の底面に設けられた座金部材に弾接保持されている。
したがって、前記板ばねが圧縮変形して両端部が長手方向へ延出すると、この両端部が前記座金部材の外方へ傾斜状に立ち上がった両端部に係止して、それ以上の延出が規制されるおそれがある。
しかしながら、前記板ばねは、伸縮方向への弾性変形の繰り返しにより両端部が前記座金部材の両端部に移動が規制された際に、前記板ばねに応力集中が発生し易くなる。このため、板ばねは、前記応力集中の繰り返しによって耐久性が低下してしまうおそれがある。
本発明は、付勢部材の長手方向の移動を規制可能としつつ該付勢部材の耐久性の向上を図り得る減速機構と、該減速機構を用いた内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供することを目的としている。
本願請求項1に記載の発明は、とりわけ、駆動回転体に一体的に設けられ、内周に複数の内歯が形成されていると共に、軸受部に径方向から対向する内歯構成部と、前記軸受部の外周面と前記内歯構成部の各内歯との間に転動自在に配置され、偏心回転軸の偏心回転によって前記内歯との噛み合い箇所が周方向へ移動する複数の転動体と、従動回転体に設けられ、前記各転動体の間を隔成しつつ該各転動体の前記軸受部と内歯との間の径方向への移動を許容する保持部材と、前記偏心回転体の外周面または前記軸受部の内周面に形成された凹部と、該凹部内に収容されて、前記軸受部を介して前記転動体を前記内歯の歯底面方向へ付勢する付勢部材と、
前記凹部の底面に設けられて、前記付勢部材の長手方向の移動を該付勢部材の内側で規制する規制部と、を備えたことを特徴としている。
この発明によれば、付勢部材の長手方向の自由な移動を規制可能にできると共に、該付勢部材の耐久性の向上を図ることができる。
本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置の一実施形態を示す縦断面図である。 本実施形態における主要な構成部材を示す分解斜視図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のB−B線断面図である。 図1のC−C線断面図である。 図1の一点鎖線で囲んだD部拡大図である。 本実施形態に供される偏心軸部を示し、Aは偏心軸部の正面図、BはAの要部拡大図である。 本実施形態に供される板ばねを示し、Aは板ばねの俯瞰図、Bは側面図である。 図3の一点破線で囲んだE部拡大図である。 図3の一点破線で囲んだF部拡大図である。 第2実施形態に供される偏心軸部を示し、Aは偏心軸部の正面図、BはAの要部拡大図である。 本実施形態の凹部内に板ばねが収容保持された状態を示す拡大図である。
以下、本発明に係る減速機構を内燃機関のバルブタイミング制御装置に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態では、バルブタイミング制御装置を吸気弁側に適用したものである。
このバルブタイミング制御装置は、図1及び図2に示すように、内燃機関のクランクシャフトによって回転駆動する駆動回転体であるタイミングスプロケット1と、シリンダヘッド01上にプレーンベアリング29を介して回転自在に支持され、前記タイミングスプロケット1から伝達された回転力によって回転するカムシャフト2と、タイミングスプロケット1の前方位置に配置されたカバー部材3と、タイミングスプロケット1とカムシャフト2の間に配置されて、機関運転状態に応じて両者1,2の相対回転位相を変更する位相変更機構4と、を備えている。
前記タイミングスプロケット1は、全体が鉄系金属によって円筒状に形成され、内周面が段差径状のスプロケット本体1aと、該スプロケット本体1aの外周に一体に設けられて、巻回された図外のタイミングチェーンを介してクランクシャフトからの回転力を受けるギア部1bと、前記スプロケット本体1aの前端側に連続一体に設けられた内歯構成部19と、から構成されている。
また、このタイミングスプロケット1は、スプロケット本体1aと前記カムシャフト2の前端部に設けられた後述する従動回転体である従動部材9との間に、1つの大径ボールベアリング43が介装されており、この大径ボールベアリング43によって、タイミングスプロケット1と前記カムシャフト2が相対回転自在に支持されている。
前記大径ボールベアリング43は、外輪43aと、内輪43b及び該両輪43a、43bの間に介装されたボール43cと、から構成されている。前記外輪43aは、スプロケット本体1aの内周側に固定されているのに対して内輪43bは、従動部材9の外周側に固定されている。
前記スプロケット本体1aは、内周側に、前記カムシャフト2側に開口した円環溝状の外輪固定部1dが切欠形成されている。
前記内歯構成部19は、前記スプロケット本体1aの前端部外周側に一体に設けられ、位相変更機構4の前方へ延出した円筒状に形成されていると共に、内周には波形状の複数の内歯19aが形成されている。
また、前記内歯構成部19の前端側には、後述するモータハウジング5と一体の円環状の雌ねじ形成部6が対向配置されている。
さらに、スプロケット本体1aの内歯構成部19と反対側の後端部には、円環状の保持プレート61が配置されている。この保持プレート61は、金属板材によって一体に形成され、図1に示すように、外径が前記スプロケット本体1aの外径とほぼ同一に設定されていると共に、内径が前記大径ボールベアリング43の外輪43aの内径よりも小さい径に設定されている。また、前記内周部61aの内周縁所定位置には、径方向内側、つまり中心軸方向に向かって突出したストッパ凸部61bが一体に設けられている。
このストッパ凸部61bは、図1及び図4に示すように、ほぼ扇状に形成されて、先端縁61cが後述するストッパ溝2bの円弧状内周面に沿った円弧状に形成されている。さらに、前記保持プレート61の外周部には、前記各ボルト7が挿通する6つのボルト挿通孔61dが周方向の等間隔位置に貫通形成されている。
前記スプロケット本体1a(内歯構成部19)及び保持プレート61のそれぞれの外周部には、それぞれボルト挿通孔1c、61dが周方向のほぼ等間隔位置に6つ貫通形成されている。また、前記雌ねじ形成部6には、各ボルト挿通孔1c、61dと対応した位置に6つの雌ねじ孔6aが形成されており、これらに挿通した6本のボルト7によって前記タイミングスプロケット1と保持プレート61及びモータモータハウジング5が軸方向から共締め固定されている。
なお、前記スプロケット本体1aと内歯構成部19が、後述する減速機構12のケーシングとして構成されている。
また、前記スプロケット本体1aと前記内歯構成部19、保持プレート61及び雌ねじ形成部6はそれぞれの外径がほぼ同一に設定されている。
前記カバー部材3は、チェーンカバー49に固定されており、このチェーンカバー49は、図1に示すように、シリンダヘッド01と図外のシリンダブロックの前端側に前記タイミングスプロケット1に巻回された図外のチェーンを覆うよう上下方向に沿って配置固定されている。
前記カバー部材3は、図1及び図2に示すように、アルミニウム合金材によってカップ状に一体に形成されて、前記モータハウジング5の前端部を覆うように配置され、膨出状のカバー本体3aと、該カバー本体3aの開口側の外周縁に一体に形成された円環状の取付フランジ3bと、から構成されている。前記カバー本体3aの外周部側には円筒壁3cが軸方向に沿って一体に形成されており、この円筒壁3cは、内部に保持用孔3dが形成されて、この保持用孔3dの内周面に後述する保持体28の一部が嵌合保持されている。
前記取付フランジ3bは、円周方向のほぼ等間隔位置に4つのボス部3eが周方向のほぼ等間隔位置(約90°位置)に設けられている。この各ボス部3eには、図1に示すように、前記チェーンカバー49の環状壁49aの周方向4箇所に形成された複数のボス部49b内の各雌ねじ孔に螺着するボルト54が挿通するボルト挿通孔3fがそれぞれ貫通形成されており、前記各ボルト54によってカバー部材3がチェーンカバー49に固定されている。
また、前記カバー本体3aの外周側の段差部内周面と前記モータハウジング5の外周面との間には、大径なオイルシール50が介装されている。この大径オイルシール50は、横断面ほぼコ字形状に形成されて、合成ゴムの基材の内部に芯金が埋設されていると共に、外周側の円環状基部が前記カバー部材3の内周面に設けられた段差円環部に嵌着固定されている。
前記モータハウジング5は、図1に示すように、鉄系金属材をプレス成形によって有底筒状に形成された筒状のハウジング本体5aと、該ハウジング本体5aの前端開口を封止する封止プレート11と、を備えており、この封止プレート11は、中央の金属板と、該金属板を挟んだ両側に合成樹脂材の非磁性材とから構成されている。
前記ハウジング本体5aは、後端側に円板状の隔壁5bを有し、該隔壁5bのほぼ中央に後述する偏心軸部39を挿通させる大径な軸部挿通孔5cが形成されていると共に、該軸部挿通孔5cの孔縁にカムシャフト2軸方向へ突出した円筒状の延出部5dが一体に設けられている。
前記カムシャフト2は、外周に図外の吸気弁を開作動させる一気筒当たり2つの駆動カムを有していると共に、前端部に前記フランジ部2aが一体に設けられている。
このフランジ部2aは、図1に示すように、外径が後述する従動回転体である従動部材9の固定端部9aの外径よりも僅かに大きく設定されて、各構成部品の組み付け後に、前端面の外周部が前記大径ボールベアリング43の内輪43bの軸方向外端面に当接配置されるようになっている。また、フランジ部2aの前端面が従動部材9に軸方向から当接した状態でカムボルト10によって軸方向から結合されている。
また、前記フランジ部2aの外周には、図4に示すように、前記保持プレート61のストッパ凸部61bが係入するストッパ凹溝2bが円周方向に沿って形成されている。このストッパ凹溝2bは、円周方向へ所定長さの円弧状に形成されて、この長さ範囲で回動したストッパ凸部61bの両端縁が周方向の対向縁2c、2dにそれぞれ当接することによって、タイミングスプロケット1に対するカムシャフト2の最大進角側あるいは最大遅角側の相対回転位置を規制するようになっている。
前記ストッパ凸部61bとストッパ凹溝2bによってストッパ機構が構成されている。
前記カムボルト10は、図1に示すように、頭部10aの端面が小径ボールベアリング37の内輪を軸方向から支持していると共に、軸部10bの外周に前記カムシャフト2の端部から内部軸方向に形成された雌ねじに螺着する雄ねじ10cが形成されている。
前記従動部材9は、鉄系金属によって一体に形成され、図1及び図2に示すように、後端側(カムシャフト2側)に形成された円板状の固定端部9aと、該固定端部9aの内周前端面から軸方向へ突出した円筒部9bと、から構成されている。また、前記固定端部9aの外周部には、複数のローラ48を保持する円筒状の保持部材である保持器41が一体に設けられている。
前記固定端部9aは、後端面が前記カムシャフト2のフランジ部2aの前端面に当接配置されて、前記カムボルト10の軸力によってフランジ部2aに軸方向から圧接固定されている。
前記円筒部9bは、図1に示すように、中央に前記カムボルト10の軸部10bが挿通される挿通孔9cが貫通形成されていると共に、外周側には軸受部材(第2軸受部)であるニードルベアリング38が設けられている。
前記保持器41は、図1及び図6に示すように、前記固定端部9aの外周部前端から前方へ断面ほぼL字形状に折曲されて、前記円筒部9bと同方向へ突出した有底円筒状に形成されている。
この保持器41の筒状先端部41aは、前記雌ねじ形成部6と前記延出部5dとの間に形成された円環凹状の収容空間Sを介してモータハウジング本体5aの隔壁5b方向へ延出している。また、前記筒状先端部41aの周方向のほぼ等間隔位置には、図1〜図3に示すように、前記複数のローラ48をそれぞれ転動自在に保持するほぼ長方形状の複数のローラ保持孔41bが周方向の等間隔位置に複数形成されている。このローラ保持孔41bは、前記各ローラ48の保持器41の径方向の移動を許容しつつ周方向の移動を規制するようになっていると共に、その全体の数が前記内歯構成部19の内歯19aの全体の歯数よりも1つ少なくなっている。
また、前記固定端部9aの外周部と保持器41の底部側結合部との間には、前記大径ボールベアリング43の内輪43bが軸方向の位置決めを行いつつ圧入固定される内輪固定部63が切欠形成されている。
前記位相変更機構4は、前記従動部材9の円筒部9bの前端側に配置された前記電動モータ8と、該電動モータ8の回転速度を減速してカムシャフト2に伝達する前記減速機構12と、から主として構成されている。
前記電動モータ8は、図1及び図2に示すように、ブラシ付きのDCモータであって、前記タイミングスプロケット1と一体に回転するヨークである前記モータハウジング5と、該モータハウジング5の内部に回転自在に設けられたモータ出力軸13と、モータハウジング5の内周面に固定されたステータである半円弧状の一対の永久磁石14,15と、前記封止プレート11に固定された固定子16と、を備えている。
前記モータ出力軸13は、段差円筒状に形成されてアーマチュアとして機能し、軸方向のほぼ中央位置に形成された段差部13cを介してカムシャフト2側の大径部13aと、保持体28側の小径部13bと、から構成されている。前記大径部13aは、外周に鉄心ロータ17が圧入固定されていると共に、後端側に減速機構12の一部を構成する偏心回転軸である偏心軸部39が一体に設けられている。また、前記大径部13aの内周には、前記各ベアリング37,38が圧入されている。
一方、前記小径部13bは、外周に円環部材20が圧入固定されていると共に、該円環部材20の外周面にコミュテータ21が軸方向から圧入固定されて前記段差部13cの外面によって軸方向の位置決めがなされている。前記円環部材20は、その外径が前記大径部13aの外径とほぼ同一に形成されていると共に、軸方向の長さが小径部13bよりも僅かに短く形成されている。
前記小径部13bの内周面には、モータ出力軸13や偏心軸部39内に供給されて前記各ベアリング37,38を潤滑するための潤滑油の外部への漏洩を抑制する栓体55が圧入固定されている。
前記鉄心ロータ17は、複数の磁極を持つ磁性材によって形成され、外周側がコイル18のコイル線を巻回させるスロットを有するボビンとして構成されている。
一方、前記コミュテータ21は、導電材によって円環状に形成されて、前記鉄心ロータ17の極数と同数に分割された各セグメントに前記コイル18の引き出されたコイル線の端末が電気的に接続されている。
前記永久磁石14,15は、全体が円筒状に形成されて円周方向に複数の磁極を有していると共に、その軸方向の位置が前記鉄心ロータ17の固定位置よりも前方にオフセット配置されている。
前記固定子16は、図5に示すように、前記封止プレート11の一部を構成し、内周側に一体的に設けられた円板状の樹脂プレート22と、該樹脂プレート22の内側に設けられた一対の樹脂ホルダー23a、23bと、該各樹脂ホルダー23a、23bの内部に径方向に沿って摺動自在に収容配置されて、コイルスプリング24a、24bのばね力で各先端面が前記コミュテータ21の外周面に径方向から弾接する切換用ブラシである一対の第1ブラシ25a、25bと、前記樹脂ホルダー23a、23bの前端面に、各外端面を露出した状態で埋設固定された内外二重の円環状の給電用スリップリング26a、26bと、前記各第1ブラシ25a、25bと各スリップリング26a、26bを電気的に接続するピグテールハーネス27a、27bと、から主として構成されている。
前記封止プレート11は、外周部が前記モータハウジング5の前端部内周に形成された凹状段差部にかしめによって位置決め固定されていると共に、中央位置には、モータ出力軸13の一端部などが挿通される軸挿通孔11aが貫通形成されている。
前記カバー本体3aには、合成樹脂材によって一体的にモールドされた保持体28が固定されている。この保持体28は、図1及び図2に示すように、側面視ほぼL字形状に形成され、前記保持用孔3dに挿入されるほぼ円筒状のブラシ保持部28aと、該ブラシ保持部28aの上端部に有するコネクタ部28bと、前記ブラシ保持部28aの一側面に一体に突設されて、前記カバー本体3aにボルト固定されるブラケット部28cと、内部に大部分が埋設された一対の給電用端子片31、31と、から主として構成されている。
前記ブラシ保持部28aは、ほぼ水平方向(軸方向)に延設されて、内部の上下位置(モータハウジング5の軸心に対して内外周側)に平行に形成された一対の有底円柱状の固定用孔内に一対の角筒状のブラシ案内部がそれぞれ固定されている。また、各ブラシ案内部の内部には、各先端面が前記各給電用スリップリング26a、26bに軸方向からそれぞれ当接する一対の給電用ブラシ30a、30bが軸方向へ摺動自在に保持されている。この各給電用ブラシ30a、30bは、角筒状に形成されて所定の軸方向長さに設定されていると共に、前記各給電用スリップリング26a、26bとともに給電機構の一部を構成している。
前記一対の固定用孔の底部側に位置する底壁には、後述する各ピグテールハーネスが挿通される透孔がそれぞれ貫通形成されていると共に、前記底壁の外側には前記各透孔が臨む空間Sが形成されている。この空間Sは、軸方向の一端開口が前記保持体28と同じ合成樹脂材によって形成された円形状のキャップ36によって液密的に閉止されている。
前記一対の給電用端子片31,31は、上下方向に沿って平行かつクランク状に形成されて、一方側(下端側)の各端子31a、31aが前記底壁の外面に露出状態で配置されている一方、他方側(上端側)の各端子31b、31bが前記コネクタ部28bの雌型嵌合溝28d内に突設されている。また、前記他方側端子31b、31bは、図外の雌端子やハーネスを介して図外のコントロールユニットに接続されている。
前記各給電用ブラシ30a、30bは、図1及び図2にも示すように、ほぼ長方体状に形成されて、この各後端面と前記各固定用孔の孔縁、つまり底壁内面との間に弾装された一対の第2コイルスプリング32a、32bのばね力によってそれぞれ前記各スリップリング26a、26b方向へ付勢されている。
また、前記給電用ブラシ30a、30bの後端部と前記一方側端子31a、31aとの間には、可撓変形可能な一対の図外のピグテールハーネスが設けられている。
前記ブラシ保持部28aの基部側外周に形成された円環状の嵌着溝内には、シール部材34が保持されている。
前記ブラケット部28cは、図2に示すように、ほぼ中央位置にボルト挿通孔28eが貫通形成されている。この各ボルト挿通孔28eには、前記カバー本体3aに形成された図外の雌ねじ孔に螺着するボルトが挿通されて前記保持体28全体をカバー本体3aに固定するようになっている。
前記モータ出力軸13と偏心軸部39は、前記従動部材9の円筒部9b先端側に一体に形成された薄肉筒部の外周面に設けられた小径ボールベアリング37と、前記従動部材9の円筒部9bの外周面に設けられて小径ボールベアリング37の軸方向側部に配置された前記ニードルベアリング38(第2軸受部)とによって回転自在に支持されている。
前記ニードルベアリング38は、図6にも示すように、偏心軸部39の内周面に圧入された円筒状のリテーナ38aと、該リテーナ38aの内部に回転自在に保持された複数のニードルローラ38bと、から構成されている。このニードルローラ38bは、前記従動部材9の円筒部9bの外周面を転動している。
また、前記モータ出力軸13(偏心軸部39)の外周面と前記モータハウジング5の延出部5dの内周面との間には、減速機構12(ケーシング)の内部から電動モータ8(モータハウジング5)内への潤滑油の流入を阻止する小径なオイルシール46が設けられている。
前記コントロールユニットは、図外のクランク角センサやエアーフローメータ、水温センサ、アクセル開度センサなど各種のセンサ類から情報信号に基づいて現在の機関運転状態を検出して、機関制御を行うと共に、前記コイル18に通電してモータ出力軸13の回転制御を行い、減速機構12を介してカムシャフト2のタイミングスプロケット1に対する相対回転位相を制御するようになっている。
前記減速機構12は、図1〜図3に示すように、偏心回転運動を行う偏心回転体である円筒状の偏心軸部39と、該偏心軸部39の外周に設けられた軸受部である中径ボールベアリング47と、該中径ボールベアリング47の外周に設けられた複数の転動体であるローラ48と、該各ローラ48を転動方向に保持しつつ径方向の移動を許容する前記保持器41と、該保持器41と一体の前記従動部材9と、から主として構成されている。
前記偏心軸部39は、図1及び図3にも示すように、前記モータ出力軸13の大径部13aの外端縁から一体に延出形成されて、外径が前記モータ出力軸13の大径部13aの外径とほぼ同じ大きさに形成されていると共に、外周面に円環溝状のカム面39aが形成されている。
このカム面39aは、円周方向の肉厚が変化して外径の軸中心Yがモータ出力軸13の軸心Xから径方向へ僅かに偏心しており、最小肉厚部39bから径方向反対側にある最大肉厚部に凹部40が形成されていると共に、該凹部40内に付勢部材(ばね部材)である板ばね42が収容されている。
具体的に説明すると、前記凹部40は、図6、図7A,Bに示すように、前記偏心軸部39の最大肉厚部の外周部を接線方向に沿って長方形状に切欠形成されて、縦断面Dカット状(三日月状)に形成されていると共に、底面40aの長手方向の中央位置が外側径方向へ円弧状に膨出した規制部44が一体に形成されている。
また、前記凹部40は、図6に示すように、その幅方向の長さWが前記中径ボールベアリング47の後述する外輪47aの幅よりもW1よりも小さく形成されていると共に、前記外輪47aの幅中心側に形成されて、つまり外輪47aの両端縁より内側の領域に形成されている。
前記規制部44は、曲率半径が比較的大きな円弧状に形成されて、両端部44a、44bが前記底面40aの平坦な両端部に40b、40cになだらかに連結されていると共に、その形成領域Kが前記底面40a全体のほぼ1/2程度に設定され、長手方向の中心線Pを中心として左右対称形状に形成されている。
前記板ばね42は、図8A,B及び図9に示すように、ほぼ長方形のステンレス鋼板を円弧状に折曲形成されてなり、前記凹部40の底面40a両端面40b、40cに当接する長手方向の両端部42a、42bがほぼ水平状に折曲形成されていると共に、長手方向の中央位置が円弧頂部42cになっている。また、この板ばね42の内面、つまり両端部42a、42bを除く内面と規制部44の外面との間には、板ばね42の自由な弾性変形を許容する円弧状の隙間S1が形成されている。
この板ばね42は、幅長さW3が前記凹部40の幅長さWよりも僅かに小さく形成されて、自身の伸縮方向への弾性変形時にも両側縁42d、42eが凹部40の幅方向の対向両内側面に干渉することないように形成されている。さらに、板ばね42の長手方向の長さLは、前記凹部40の長さよりも十分に小さく形成されて、凹部40内での自由な伸縮方向への弾性変形を許容するようになっている。
そして、図9に示すように、この板ばね42が、凹部40内にセットされた状態では、両端部42a、42bの各下端面が前記凹部40の底面40a両端面40b、40cの前記規制部44の両端部44a、44b近傍に面接触状態で当接している一方、前記頂部42cは前記中径ボールベアリング47の内輪47aの内周面に対して若干の隙間をもって対向している。つまり、板ばね42が凹部40内にセットされた状態では、両端部42a、42bが凹部底面40aの両端面40b、40cに弾接すると共に、頂部42cも前記ボールベアリング47の内輪47aの内周面に弾接して相対的な逆方向のばね力が作用してばね荷重が付与されるのである。
前記中径ボールベアリング47は、図1及び図3に示すように、内輪47aと、外輪47b及び両輪47a、47bとの間に介装されたボール47cと、から構成されて、前記ニードルベアリング38の径方向位置で全体がほぼオーバーラップする状態に配置されている。
前記内輪47aは、図1及び図6、図9に示すように、内周面47dが前記偏心軸部39のカム面39aの外周面に圧入されることなく、前記凹部40側では約0.1mmの微小隙間Cをもって対向し、これによって前記板ばね42のばね力を確保するようになっていると共に、前端縁がモータ出力軸13の大径部13aとの間の段差縁39bに当接している一方、後端縁が前記カム面39aの先端側に嵌着固定されたスナップリング53に当接して、前記段差縁39bと相俟って軸方向の位置決めがされつつカム面39aからの抜け出しが規制されるようになっている。
一方、前記外輪47bは、軸方向で固定されることなくフリーな状態になっている。つまり、この外輪47bは、軸方向の電動モータ8側の一端面がどの部位にも接触せず、また軸方向の他端面がこれに対向する保持器41の内側面との間に微小な第1隙間C1が形成されてフリーな状態になっている。また、この外輪47bの外周面には、前記各ローラ48の外周面が転動自在に当接していると共に、この外輪47bの外周側には、図1に示すように円環状の第2隙間C2が形成されて、この第2隙間C2によって中径ボールベアリング47全体が前記偏心軸部39の偏心回転に伴って径方向へ移動可能、つまり偏心動可能になっている。
前記ボールベアリング47の外輪47bの外径は、図6にも示すように、前記従来における通常一般のボールベアリングの外輪の外径とほぼ同一に設定されているが、前記内輪47aの径方向の肉厚tは、通常一般のボールベアリングの内輪の径方向の肉厚よりも大きく設定されている。したがって、内輪肉厚tは、前記外輪47bの径方向の肉厚t1よりも大きく設定されている。
よって、前記内輪47aは、外径が通常よりも必然的に大きく形成されていることから、前記ボール47cの個数を前記通常一般のボールベアリングのボールの数よりも多く配置してある。
前記各ローラ48は、鉄系金属によって形成され、前記中径ボールベアリング47の偏心動に伴って径方向へ移動しつつ前記内歯構成部19の内歯19aに嵌入すると共に、保持器41のローラ保持孔41bの両側縁によって周方向へガイドされつつ径方向に揺動運動させるようになっている。
また、前記各ローラ48を、前記保持器41のローラ保持孔41b内に収容した状態で前記内歯構成部19の各内歯19aと中径ボールベアリング47の外輪47bとの間にセットした場合には、図10に示すように、ローラ48の外面と内歯19aの内面との間に、微小なラジアルクリアランスC3が形成されると共に、ローラ48の外面とローラ保持孔41bの対向する一方の側面41cとの間に、微小なケージクリアランスC4が形成されている。これらのクリアランスC3、C4は、減速機構12の変換作動時おいて前記ローラ48の転動初期の作動応答性を確保するために必要なものである。
また、前記ラジアルクリアランスC3(バックラッシ)は、前記偏心軸部39のカム面39aと内輪47aの内周面との間の前記微小隙間Cよりも小さく設定されて、前記板ばね42のばね力によって前記ラジアルクリアランスC3(バックラッシ)が吸収可能になっている。
前記減速機構12のケーシング内部には、前記シリンダヘッド01の軸受29の内部に形成されて、図外のメインオイルギャラリーから潤滑油が供給される図外の油供給通路から前記カムシャフト2の内部軸方向に形成された油供給孔51と、前記ニードルベアリング38と中径ボールベアリング47の付近に開口した前記小径なオイル孔52と、から潤滑油が内部に供給されようになっている。
この潤滑油供給手段によって、前記収容空間S内に潤滑油が供給されて滞留し、ここから中径ボールベアリング47や各ローラ48を潤滑すると共に、さらには偏心軸部39とモータ出力軸13の内部に流入してニードルベアリング38や小径ボールベアリング37などの可動部の潤滑に供されるようになっている。そして、前記収容空間S内に滞留した潤滑油は、前記小径オイルシール46によってモータハウジング5内へのリークが抑制されている。
〔本実施形態の作用〕
まず、機関のクランクシャフトが回転駆動するとタイミングチェーン42を介してタイミングスプロケット1が回転して、その回転力が内歯構成部19と雌ねじ形成部6を介してモータハウジング5、つまり電動モータ8が同期回転する。一方、前記内歯構成部19の回転力が、各ローラ48から保持器41及び従動部材9を経由してカムシャフト2に伝達される。これによって、カムシャフト2のカムが吸気弁を開閉作動させる。
そして、機関始動後の所定の機関運転時には、前記コントロールユニットから各端子片31,31、各ピグテールハーネス及び給電用ブラシ30a、30bや各スリップリング26a、26bなどを介して電動モータ8のコイル18に通電される。これによって、モータ出力軸13が回転駆動され、この回転力が減速機構12を介してカムシャフト2に減速された回転力が伝達される。
すなわち、前記モータ出力軸13の回転に伴い偏心軸部39が偏心回転すると、各ローラ48がモータ出力軸13の1回転毎に保持器41の各ローラ保持孔41bで径方向へガイドされながら前記内歯構成部19の一つの内歯19aを乗り越えて隣接する他の内歯19aに転動しながら移動し、これを順次繰り返しながら円周方向へ転接する。この各ローラ48の転接によって前記モータ出力軸13の回転が減速されつつ前記従動部材9に回転力が伝達される。このときの減速比は、前記ローラ48の個数などによって任意に設定することが可能である。
これにより、カムシャフト2がタイミングスプロケット1に対して正逆相対回転して相対回転位相が変換されて、吸気弁の開閉タイミングを進角側あるいは遅角側に変換制御する。
前記タイミングスプロケット1に対するカムシャフト2の正逆相対回転の最大位置規制(角度位置規制)は、前記ストッパ凸部61bの各側面が前記ストッパ凹溝2bの各対向面2c、2dのいずれか一方に当接することによって行われる。
すなわち、前記従動部材9が、前記偏心軸部39の偏心回動に伴ってタイミングスプロケット1の回転方向と同方向に回転することによって、ストッパ凸部61bの一側面がストッパ凹溝2bの一方側の対向面1cに当接してそれ以上の同方向の回転が規制される。これにより、カムシャフト2は、タイミングスプロケット1に対する相対回転位相が進角側へ最大に変更される。
一方、従動部材9が、タイミングスプロケット1の回転方向と逆方向に回転することによって、ストッパ凸部61bの他側面がストッパ凹溝2bの他方側の対向面2dに当接してそれ以上の同方向の回転が規制される。これにより、カムシャフト2は、タイミングスプロケット1に対する相対回転位相が遅角側へ最大に変更される。
この結果、吸気弁の開閉タイミングが進角側あるいは遅角側へ最大に変換されて、機関の燃費や出力の向上が図れる。
そして、本実施形態では、前記電動モータ8のモータ出力軸13の回転に伴って前記偏心軸部39が回転すると、前記凹部40を介して最大肉厚部に位置する板ばね42のばね力によって中径ボールベアリング47の内輪47aの内周面に径方向に弾接しつつ該ボールベアリング47全体を径方向へ押圧する。これによって、前記ローラ48が、図10の太い矢印方向へ押し上げられて前記ラジアルクリアランスC3(バックラッシ)を低減させる。
このラジアルクリアランスC3を低減させることにより、回転方向のクリアランスC4を低減させることが可能になり、ローラ48と内歯19a内面との強い干渉が抑制されて、振動や打音の発生を十分に低減させることが可能になる。この結果、減速機構12の品質の低下を抑えることができる。
なお、前記板ばね42のばね力によって前記各クリアランスC3,C4を小さくすることになるが、構造的に小さく(狭く)するのではなく板ばね42の弾性力によって小さくするので、減速機構12の作動応答性には影響がない。
前記板ばね42の頂部42cが前記内輪47aの内周面47dに弾性的に当接することから、該当接点が前記凹部40と内輪47aの最長距離の部分に自動調心される。
また、前記板ばね42は、弾性変形時に前記凹部40内において規制部44との間の隙間S1を介して自由な伸縮方向の弾性変形を行うことができるので、前記凹部底面40aの平坦な両側面40b、40cに沿って自由に摺動することから、安定したばね荷重が得られる。
さらに、前記板ばね42が、前述のように、伸縮方向の弾性変形中などにおいて、周方向(長手方向)へ例えば図9の右方向へ所定以上移動しようとすると、前記板ばね42の一端部42aの内端縁42fが規制部44の一端部44aの端縁に当接してそれ以上の右方向への自由な移動が規制される。
すなわち、前述のように、前記偏心軸部39の偏心回転に伴いボールベアリング47も偏心回転するが、偏心軸部39の外周面39aと内輪47aとに間には前記微小隙間Cが存在することから、互いに僅かながら自由な相対回転が発生し、一方、前記板ばね42は、前記凹部40内での伸縮変形や偏心軸部39と内輪47aの相対回転などに起因して左右長手方向へ移動するおそれがある。
そこで、前記板ばね42が、長手方向へ移動すると両端部42a、42bのいずれかの各内端縁が前記規制部44の両端部44a、44bのいずれかの端縁に当接してそれ以上の移動を規制する。
したがって、前記板ばね42の過度な左右方向への移動によって、両端部42a、42bのいずれかが、前記偏心軸部39の外周面とボールベアリング47の内輪47aの内周面との間の隙間に噛み込まれてしまう、といった問題を未然に防止することが可能になる。
特に、本実施形態では、前記板ばね42の過度な移動を、該板ばね42の内側にある前記規制部44の両端部44a、44bによって内側から規制するので、板ばね42に対する応力集中の発生を十分に抑制することができる。つまり、前記従来の技術のように、両端部42a、42bが座金部材によって外側から規制されることによる応力集中の発生がなくなるので、前記弾性変形が繰り返し行われても板ばね42のへたりなどの現象が抑制されて耐久性の向上が図れる。
また、板ばね42の両端部42a、42bが凹部40の平坦な両端面40b、40cに当接することによって、板ばね42の弾性変形時における傾きが抑制されて、バックラッシのバラツキの発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、前記規制部44が、前記凹部40の底面40aに一体に形成されていることから、従来のように別途に規制部を設ける必要がなくなるので、部品点数の増加を抑制することができる。この結果、製造作業が容易になると共に、コストの低減化が図れる。
さらに、前記中径ボールベアリング47は、内輪47aの径方向の肉厚tが外輪47bの径方向の肉厚t1よりも大きく設定されていることから、内輪47aと外輪47bとの間の各ボール47cの個数を通常一般のボールベアリングのボールの数よりも多く配置することができる。
このため、装置の駆動中にボールベアリング47に発生する荷重を各ボール47cに分散させることが可能になる。これによって、ボールベアリング47の負荷が軽減されるので、耐久性の低下を抑制できる。
しかも、ボールベアリング47の内輪47aと外輪47bを含めた全体の外径を可及的に小さくすることができるので、装置の径方向の大きさを十分に小さくすることができる。これによって、装置の小型化も図れる。
〔第2実施形態〕
図11及び図12は第2実施形態を示し、基本構造は第1実施形態と同じであるが、異なるところは、凹部40の底面40aと前記規制部44の両端部44a、44bの構造を変更したものである。
すなわち、前記凹部40の底面40aの両端面40b、40cが規制部44の円弧形状とは逆の円弧面状に形成されて規制部44の両端部44a、44bとはなだらかなウエーブ状の曲面で連続的に結合されている。
したがって、前記板ばね42は、図12に示すように、その両端部42a、42bが前記規制部44の両端部44a、44bに弾接しているが、前記板ばね42に伸縮力が作用して弾性変形すると、両端部42a、42bが前記凹部40のなだらから円弧面状の両端面40b、40cに沿って摺動する。このため、前記板ばね42の伸縮変形作用が滑らかになり、つまり、前記板ばね42に対するばね荷重の急激な変化が抑制されて、安定したばね荷重を付与することができる。
また、前記板ばね42が、図12中、例えば右方向へ移動した際には、一端部42aが前記規制部44の一端部44aと凹部底面40aの一端面40bとの間の連結箇所のなだらかな円弧面に当接してそれ以上の移動が規制されることから、穏やかな規制作用が得られ、集中応力の発生抑制効果をさらに発揮できる。
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、ボールベアリング47の内輪47aの径方向の肉厚tを、装置の大きさや仕様によってさらに大きくして、各ボール47cの個数を増加させることも可能である。これによって、さらに荷重を分散させて負荷を低減させることもできる。
また、前記ボールベアリング47の内輪47aの一側面に、オイルシール46を近接配置することによって、該オイルシール46のカムシャフト2方向への不用意な移動を規制することができる。
また、凹部40(付勢部材収容部)は、前記偏心軸部39の最大肉厚部の外周部を接線方向に沿って長方形状に切欠形成されていればよく、前記凹部40は軸方向一端側が開放されていてもよい。
前記実施形態から把握される以下の請求項以外の発明の技術的思想について以下に説明する。
〔請求項a〕請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記規制部の頂部側の外面と前記円弧状の付勢部材の内面との間に、円弧状の隙間が形成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
この発明によれば、前記規制部と付勢部材との間に隙間が形成されていることから、前記付勢部材のばね作用が阻害されることがなく、常時良好なばね反力を確保できる。
〔請求項b〕請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記凹部の底面は、前記規制部の長手方向の両端面が平坦状に形成されていると共に、前記平坦状の両端面に前記ばね部材の両端部が当接していることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
この発明によれば、ばね部材の両端部が規制部の平坦な両端面に当接することによって、ばね部材の弾性変形時における傾きが抑制されて、バックラッシのバラツキの発生を抑制することができる。
〔請求項c〕請求項bに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記規制部と両端面との連結箇所を円弧面状に形成したことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
この発明によれば、連結箇所が曲面状に形成されていることから、ばね部材の弾性変形時における両端部による前記連結箇所との集中応力の発生が抑制される。
〔請求項d〕請求項bに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記凹部の底面は、前記規制部の長手方向の両端部側の両端面が前記規制部の円弧と逆円弧状に形成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
この発明によれば、板ばねの両端部に発生するばね荷重を、逆円弧状の前記両底面部によって受けることから前記ばね荷重の急激な変化が抑制されて、安定したばね荷重を付与することができる。
〔請求項e〕請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
前記偏心回転体の内周に、前記従動回転体を軸支する第2軸受部を圧入し、
前記付勢部材は、前記凹部の底部と少なくとも2ヵ所で接触し、
前記凹部の底部は、前記付勢部材が接触する前記2ヵ所(40b、40c)を結んで形成される仮想面に対し、前記付勢部材の接触する前記2ヵ所よりも径方向外側が前記仮想面と同一もしくは径方向内側に形成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
この発明によれば、偏心軸の凹部両端が軸受の内周に開口しているので、従来のように凹部の周方向端部が壁のように形成されているものに対して肉厚変化が抑えられる。
このようにすると、偏心回転体の内周に第2軸受を圧入するような場合に、圧入により偏心回転体に応力集中が起こって破損する恐れを抑制できる。
また、偏心軸の凹部の長手方向両端が開口していることで、板ばねの長手方向端部が偏心回転体と軸受の間に挟み込まれるおそれが生じるが、前記規制部によって周方向移動が規制されていることから、板ばねの長手方向端部が偏心回転体と軸受の間に挟み込まれるおそれる恐れが抑制される。
1…タイミングスプロケット(駆動回転体)
1a…スプロケット本体
2…カムシャフト
4…位相変更機構
5…モータハウジング
8…電動モータ
9…従動部材(従動回転体)
12…減速機構
13…モータ出力軸
19…内歯構成部
19a…内歯
40…凹部
40a…底面
40b、40c…両端面
41…保持器(保持部材)
41a…先端部
41b…ローラ保持孔
42…板ばね(付勢部材)
42a、42b…両端部
42c…頂部
44…規制部
44a、44b…両端部
47…中径ボールベアリング
47a…内輪
47b…外輪
47c…ボール
48…ローラ(転動体)

Claims (9)

  1. クランクシャフトから回転力が伝達される駆動回転体と、
    カムシャフトに固定され、前記駆動回転体から回転力が伝達される従動回転体と、
    前記駆動回転体に対して相対回転可能なモータ出力軸を有する電動モータと、
    前記モータ出力軸から回転力が伝達されて、軸心が前記モータ出力軸の回転中心に対して偏心回転する偏心回転体と、
    該偏心回転体の外周側に設けられた軸受部と、
    前記駆動回転体に一体的に設けられ、内周に複数の内歯が形成されていると共に、前記軸受部に径方向から対向する内歯構成部と、
    前記軸受部の外周面と前記内歯構成部の各内歯との間に転動自在に配置され、前記偏心回転軸の偏心回転によって前記内歯との噛み合い箇所が周方向へ移動する複数の転動体と、
    前記従動回転体に設けられ、前記各転動体の間を隔成しつつ該各転動体の前記軸受部と内歯との間の径方向への移動を許容する保持部材と、
    前記偏心回転体の外周面または前記軸受部の内周面に形成された凹部と、
    該凹部内に収容されて、前記軸受部を介して前記転動体を前記内歯の歯底面方向へ付勢する付勢部材と、
    前記凹部の底面に設けられ、前記付勢部材の長手方向の移動を該付勢部材の内側で規制する規制部と、
    を有することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記付勢部材は、径方向の外方へ突出した円弧状に折曲形成された板ばねによって構成されている一方、
    前記規制部は、前記凹部の底面に径方向の外方へ突出した円弧凸状に形成されていると共に、前記規制部の長手方向の一端部または他端部に、これらに対応する前記板ばねの長手方向の一端部または他端部が当接して移動を規制することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記凹部は、底面の長手方向の両端面が前記規制部の両端部と連続する凹状の円弧面に形成されていると共に、前記付勢部材の両端部が前記凹部底面の両端面に当接していることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記凹部はDカット状に形成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  5. 請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記偏心回転体の外周面と前記軸受部の内周面との間にクリアランスが形成されていると共に、該クリアランスが前記軸受部の外周面と内歯構成部及び転動体の外周面との間に形成される径方向の最大クリアランスよりも大きく設定されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  6. 電動モータのモータ出力軸から回転力が伝達されて、軸心が前記モータ出力軸の回転中心に対して偏心回転する偏心回転体と、
    該偏心回転体の外周側に設けられた軸受部と、
    前記軸受部の外輪の外周側にクリアランスを介して設けられ、内周に複数の内歯が形成された内歯構成部を有するハウジングと、
    前記軸受部の外輪の外周面と前記内歯構成部の各内歯との間に転動自在に配置され、前記偏心回転軸の偏心回転によって前記内歯との噛み合い箇所が周方向へ移動する複数の転動体と、
    前記各転動体の間を隔成しつつ該各転動体の径方向の移動を許容する保持部材と、
    前記偏心回転体の外周面または前記軸受部の内輪の内周面に形成された凹部と、
    該凹部内に収容されて、前記軸受部を介して前記転動体を前記内歯の歯底面方向へ付勢する付勢部材と、
    前記凹部の底面に設けられ、前記付勢部材の長手方向の移動を該付勢部材の内側で規制する規制部と、
    を有することを特徴とする減速機構。
  7. 請求項6に記載の減速機構において、
    前記付勢部材は、径方向の外方へ突出した円弧状に折曲形成された板ばねによって構成されている一方、
    前記規制部は、前記凹部の底面に径方向の外方へ突出した円弧凸状に形成されていると共に、長手方向の一端部または他端部にこれらに対応する前記板ばねの長手方向の一端部または他端部が当接して移動を規制することを特徴とする減速機構。
  8. 請求項7に記載の減速機構において、
    前記凹部は、底面の長手方向の両端面が前記規制部の両端部に連続した凹状の円弧面に形成されていると共に、前記付勢部材の両端部が前記凹部の両端面に当接していることを特徴とする減速機構。
  9. 請求項8に記載の減速機構において、
    前記付勢部材は、前記両端部が前記凹部の底面に接触し、
    前記凹部の底面は、前記付勢部材の両端部が接触する箇所と該接触箇所よりも外側が凹状の円弧面に形成されていることを特徴とする減速機構。
JP2015087184A 2015-04-22 2015-04-22 減速機構と該減速機構を用いた内燃機関のバルブタイミング制御装置 Expired - Fee Related JP6338550B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015087184A JP6338550B2 (ja) 2015-04-22 2015-04-22 減速機構と該減速機構を用いた内燃機関のバルブタイミング制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015087184A JP6338550B2 (ja) 2015-04-22 2015-04-22 減速機構と該減速機構を用いた内燃機関のバルブタイミング制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016205217A JP2016205217A (ja) 2016-12-08
JP6338550B2 true JP6338550B2 (ja) 2018-06-06

Family

ID=57487459

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015087184A Expired - Fee Related JP6338550B2 (ja) 2015-04-22 2015-04-22 減速機構と該減速機構を用いた内燃機関のバルブタイミング制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6338550B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7206712B2 (ja) * 2018-09-05 2023-01-18 株式会社アイシン 弁開閉時期制御装置
CN110230525A (zh) * 2019-06-18 2019-09-13 海尚集团有限公司 具有矢量摆线变速机构的可变气门正时装置
JP7294745B2 (ja) 2019-09-20 2023-06-20 株式会社Soken バルブタイミング調整装置
WO2021065293A1 (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 株式会社デンソー 減速機及び減速機付モータ
WO2021205613A1 (ja) * 2020-04-09 2021-10-14 三菱電機株式会社 減速機及び可変バルブタイミング装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4924922B2 (ja) * 2006-01-16 2012-04-25 株式会社デンソー バルブタイミング調整装置
JP4584206B2 (ja) * 2006-08-08 2010-11-17 本田技研工業株式会社 電動機
JP2008164150A (ja) * 2007-01-05 2008-07-17 Nsk Ltd 伸縮式回転伝達軸
US20090045587A1 (en) * 2007-08-16 2009-02-19 Deangelis Gary J Camshaft phaser wiper seal
JP6309230B2 (ja) * 2013-09-19 2018-04-11 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関の可変動弁装置のコントローラ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016205217A (ja) 2016-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6814621B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP5538053B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
KR101624778B1 (ko) 내연기관의 밸브 타이밍 제어 시스템
JP5976505B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP6338550B2 (ja) 減速機構と該減速機構を用いた内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2013167181A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
KR101624784B1 (ko) 내연 기관의 밸브 타이밍 제어 시스템
JP5916499B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
KR101624776B1 (ko) 내연 기관의 밸브 타이밍 제어 장치 및 마개체의 제거 방법
JP5411066B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP6174160B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
KR101656926B1 (ko) 내연 기관의 가변 밸브 작동 장치
JP5823769B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP5719008B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP5693312B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2018155209A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
KR101710232B1 (ko) 내연 기관의 밸브 타이밍 제어 장치 및 이 밸브 타이밍 제어 장치에 이용되는 급전 기구
JP5718764B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP5687727B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP6311044B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP5993352B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置及びローラ減速機構
JP6808844B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
KR101646314B1 (ko) 내연 기관의 밸브 타이밍 제어 장치 및 이 밸브 타이밍 제어 장치에 이용되는 커버 부재
JP2018017202A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置及び該バルブタイミング制御装置の減速機構
JP2016125343A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170919

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180410

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180411

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180508

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6338550

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees