JP6334975B2 - 注出器及び注出器へのペースト材の充填方法 - Google Patents

注出器及び注出器へのペースト材の充填方法 Download PDF

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Description

本発明は、ペースト材(以下、単にペーストともいう)の充填後はノズルからペースト材を注出させたのちのノズル先端からペースト材のたれを防止する注出器と、ペースト状の材料をシリンダ内に充填させるときに、シリンダ内の空気を抜くことができる注出器のペーストの充填方法とに関する。
齲蝕された歯牙の治療は、齲蝕部を削り取った後、形成された修復部位に、歯牙修復材ペーストを充填し、これを口腔内に光照射して光重合することにより、或いはそのまま化学重合により硬化させることで行われる。
このような歯科修復に使用されるペースト等(以下、単にペーストともいう)の充填具としては、少量のペーストを定量的に注出させる必要があることから、先端においてペースト注出口がノズル状に突出するシリンダ、および該シリンダの後端開口部から挿嵌されるプランジャとからなるシリンジ型のペースト注出器が使用されている。
また、シリンジ型のペースト注出器では、シリンダ内の密閉性を維持するために、O−リングを使用するものと、プラグ状にシリンダ内を塞ぐ中栓を用いたものがあり、O−リングを用いるものが一般的である(特許文献1、特許文献2)。
O−リングを用いるタイプでは、プランジャの先端近傍の周囲に環状の凹溝が形成されており、該凹溝には、外周縁がシリンダの内周壁と密着する弾性を有するシール用のO−リングが装着されている。そして、プランジャを、シリンダの先端方向に所望程度に押すことにより、O−リングがプランジャの内周面との密着を維持し、そのシリンダの中空部内の内圧を高めることができ、ペーストを、修復に必要な量だけ注出器の注出口から押し出すようにしている。
中栓を用いるタイプでは、シリンダの内周面に密着する中栓を設け、該中栓に形成されたシール部によって、シリンダの前後を密閉するようにしている。そして、プランジャを、シリンダの先端方向に所望程度に押すことにより、中栓の外周面若しくはシール部がプランジャの内周面と密着していることから、そのシリンダの中空部内の内圧を高めることができ、ペーストを、修復に必要な量だけその注出口から押し出すことができる。
この中栓タイプのものは、中栓の材質として硬質のものを使用すると、変形しないことから、充填時及び注出時に安定な姿勢を有する長所があるが、シリンダの内周面に対して抵抗が大きくなり、吐出感が悪くなる欠点がある。また、中栓の材質として弾性を有するものは、反対に充填時及び注出時に不安定な姿勢を有する欠点があるが、シリンダの内周面に対して滑らかであり吐出感が良い長所がある。
このような注出器にペースト材を注入するときは、シリンダ内にO−リングを備えたプランジャ若しくは中栓を入れた状態で、ノズル側からペースト材をシリンダ内に注入する。プランジャのO−リング及び中栓のシール部は、シリンダの内周壁と密接しているので、ペースト材がシリンダ内に充填されるに連れて、プランジャ及び中栓は、ペースト材に押されてシリンダ内を後退する。しかしながら、初期状態では、ノズルの先端や形状によっては、中栓とノズル間に空間が形成されているので、シリンダの先端部の隙間に空気が残留する。よって、空気が残留したままペースト材をシリンダに注入すると、充填後にその残留空気が気泡になってペースト材に混入してしまう。ペースト材に気泡が残ると、歯科修復材としての品質が低下する課題がある。
また、このような注出器を用いての歯牙修復材ペーストの注出では、必要量を注出した後の注出口でのペーストの切れを良くすることが課題であった。すなわち、こうしたペーストの注出では、プランジャへの押圧を停止した後においても、シリンダ内部に充填されるペーストにはかなりの内圧が残り、ペーストの注出口は小口径であるため、この残圧により、注出口からペーストが漏れ出すことがあった。
このペーストの漏れ出しは、ペーストの注出量の定量性を損なう他、必要外の箇所で落滴して周囲を汚す原因にもなり改善が望まれていた。特に上記のようにペースト材に気泡が残る場合は、該空気が圧縮され内圧が上昇することで、上記ペーストの漏れ出しが特に顕著である課題があった。
この際、O−リングタイプのものはプランジャの内周壁を密着しながら摺動するので、プランジャの押圧力が解除されたときには、前方に押されたときの弾性変異によって変形された形態をもとに戻すような反発力があり、その分だけプランジャを後方に戻すことができる(以下、この戻りをバックサクションと呼ぶ)。
しかしながら、単に凹溝にO−リングを装着するだけでは、適度なバックサクションを得ることができず、さらにO−リングの捩れやよれなどが発生し、プランジャ側へのペースト材の漏れが生じていた。
特開2011−004775号公報 特開2006−204628号公報
上述したように、中栓タイプのものは、材質として硬質のものを使用すると、変形しないことから、充填時及び注出時に安定な姿勢を有する長所があるが、シリンダの内周面に対して抵抗が大きくなり、吐出感が悪くなる欠点がある。
そこで、本願発明は、中栓タイプのものを使用しても、安定な姿勢を維持しつつ、吐出感のよい注出器及び注出器へのペーストの充填方法を提供することを第1の目的とする。
また、特許文献2の注出器では、プランジャの先端近傍の周囲に環状の凹溝を形成し、該凹溝には、弾性を有するシール用のO−リングが装着され、O−リングは最大径を有する外周面がシリンダの内周壁と当接し、且つ、O−リングの後端面に、凹溝の後壁面側(プランジャの前方側を向いた面)へ突出する複数の突部が間隔を開けて形成されている。このような構成により、注出器は、ペーストの注出時に、複数の突部が凹溝の後壁面に当接させることによって、O−リングの捩れやよれを防止し、O−リングに適度のバックサクションを得ている。
このように、O−リングタイプのものでは、従来から、バックサクションを得るために、O−リング若しくはシリンダの形状を、種々工夫するようなことが行われていた。
一方、中栓タイプのものでは、主に、中栓の弾性変形後の形状復帰に委ねるのみで、バックサクションに関し、十分な対策が未だなされていないのが実状である。
そこで、本願発明は容易にかつ効果的にバックサクションを得ることができる中栓を備えた注出器及び注出器へのペーストの充填方法を提供することを第2の目的とする。
上述したように、空気が残留したままペースト材をシリンダに注入すると、充填後にその残留空気が気泡になってペースト材に混入してしまう。
よって、本願発明は、歯科修復材としてのペースト材の品質の向上、ペースト材の漏れ防止を図るため、シリンダ内から空気を抜きやすくする注出器及び注出器へのペーストの充填方法を提供することを第3の目的とする。
本発明の注出器は上記目的を達成するために、ペースト材を充填する充填室を設けたシリンダと、該シリンダの先端部に設けられているノズルと、シリンダの内部に配設され前記シリンダ内を前後動可能なプランジャと、
該プランジャの先端側に配設され前記ペースト材の漏れを阻止する中栓とを備えた注出器において、 前記中栓は、前側に配設される前栓と該前栓の後側に配設される後栓とを有し、前記後栓は弾性変形可能な材料で形成され、前記前栓は前記後栓よりも硬い硬質材料で形成され、 前記前栓は、最大径が前記シリンダの内径よりも僅かに小さく形成され、
前記後栓は、外周面が常時前記シリンダの内周面に密接している主シール部を有し、前記シリンダにペースト材が充填される際には、前栓のみシリンダに配設され、ペースト材の注出時には、後栓が前栓の後側に配設されるようにした。
上記注出器の前記前栓には、後端面の中央から前方に向かって嵌入孔が形成され、前記後栓には該嵌入孔に嵌合する本体部が形成され、前記前栓の嵌入孔の内周面には、前記充填室からの空気若しくは気泡を抜くための軸方向溝を形成し、該軸方向溝が前記嵌入孔に連通することができる。
上記注出器の前記後栓は、前記プランジャの前進時に押圧される本体部と、該本体部から前記シリンダの半径方向外側へ環状に突出し、該シリンダの内周面に常時密着する主シール部と、該主シール部の後方側に間隔を開けて設けられ、かつ前記シリンダの内径よりも僅かに外径が小さく形成され、前記中栓の本体部から前記シリンダの半径方向外側へ環状に突出する補助シール部とを備え、前記ペースト材の注出時における前記プランジャの前進時には、前記主シール部が後方側へ撓み、前記プランジャの押圧解除時にはもとの形状に復帰し、前記補助シール部は、前記本体部の圧縮膨張による前記補助シール部の径方向の広がりによって、前記シリンダの内周面と密着し、前記プランジャの押圧解除時には、前記本体部の形状復帰によって、該補助シール部の密着状態が解除されるように形成することができる。
上記注出器の前記中栓は、前記前栓がポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチルエーテルケトン、ナイロン及びフッ化炭素樹脂から選択される一の樹脂材料から成り、前記後栓がショア硬度40〜100の軟質樹脂材料から成ることが好ましい。
また、上記目的を達成するために、本発明の注出器へのペースト材の充填方法は、ースト材を充填するシリンダと、該シリンダの先端部に設けられているノズルと、シリンダの内部に配設され前記シリンダ内を前後動可能なプランジャと、該プランジャの先端側に配設され前記ペースト材の漏れを阻止する中栓とを備え、該中栓は前側に配設される非変形の硬質材料で形成された前栓と後側に配設される弾性変形可能な後栓とを有し、前記前栓は最大径が前記シリンダの内径よりも僅かに小さく形成され、前記後栓は外周面が常時前記シリンダの内周面に密接している主シール部を有する、注出器を用い、
前記シリンダ内への前記ペースト材の充填時に、前記シリンダに前記前栓のみを用いて、前記シリンダの先端側から前記ペースト材を充填し、該ペースト材をシリンダ内に充填した後、前記前栓に後栓を連結するようにした。
なお、上記注出器は、2ペースト混合系のものについては、シリンダが横に2連(多連)並ぶものにも用いることができ、さらに2ペースト混合系のものについては、2つの吐出口の先端に設けられるノズル部に、2種のペーストを混練して混合されたペーストとして吐出できる混練器具を取り付けることができる。
本発明の注出器の中栓は、前側に配設される前栓と該前栓の後側に配設される後栓とを有し、前記後栓は弾性変形可能な材料で形成され、前記前栓は前記後栓よりも硬い硬質材料で形成され、前記前栓は、最大径が前記シリンダの内径よりも僅かに小さく形成され、前記後栓は、外周面が常時前記シリンダの内周面に密接している主シール部を有し、前記シリンダに前記ペースト材が充填される際には、前栓のみシリンダに配設され、前記ペースト材の注出時には、後栓が前栓の後側に配設されるようにしたので、前栓がシリンダ本体6の内周面と密着することなく、摺動抵抗が殆ど生じない。同様に後栓よりも硬質材料の前栓はシリンダ本体の内径よりも僅かに径が小さく形成されているだけなので、シリンダ本体6内を安定した姿勢でペーストの注出が可能となる。そのため、弾性体で形成されているがゆえに変形しやすい主シール部及び補助シール部の位置ずれが防止される。また、シリンダ本体の内周面に密着しているのは、弾性部材で形成された後栓のみであるので、硬質の前栓の存在によって吐出感が損なわれることなく、シール性についても問題がない。
ペースト材の充填時では、中栓の前栓のみを使用するので、空気抜きを容易に行うことができる。
本発明の実施形態の注出器を平面方向から見た断面図である。 図1の注出器の中栓の前栓であって、Aは平面図、Bは図2CのX−X線方向の断面図、Cは底面図である。 図1の注出器の中栓の後栓であって、Aは平面図、Bは図3のAのY−Y線方向の断面図、Cは底面図である。 図1の中栓の後栓の変形例を示す断面図である。 図1のシリンダにペーストを充填している状態を示し、Aはシリンダにペーストを充填しようとしている状態の断面図、Bはシリンダにペーストを充填している状態の断面図、Cはシリンダにペーストが充填され、前栓がシリンダの中間部まで上昇している状態の断面図である。 図1の注出器のプランジャ先端部の拡大平面図であり、Aはペーストの吐出前、Bは吐出中、Cは吐出後の拡大平面図である(内容物であるペーストは省略している)。 図1のシリンダの変形例であって2連のシリンダを備えた注出器の平面方向から見た断面図である。 図7のシリンダの先端部のノズル内における混練器具の拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態による注出器について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態によるペースト用の注出器を上方からみた断面図である。
注出器1は、シリンダ2、プランジャ3、中栓4を備え、これらの他に図示しない蓋を備えている。
シリンダ2は、シリンダ本体6が円筒形状であり、内部は中空であり、先端には、ペースト注出口8が先端部に形成されたノズル7が、前方側へ突出して形成されている。シリンダ2の後端には開口10が形成され、開口10からはプランジャ3が挿嵌される。ここで、シリンダ本体6の内周面11の内径は3〜20mmであるのが一般的である。
ノズル7は、ペーストが定量的に注出できるように、縮径されているのが好ましい。すなわち、ノズル7は、ゆるやかなテーパーを有する細い円錐形状あるいは細い円柱筒状をしているのが好ましい。ノズル7のペースト注出口8の内口径は約0.1〜3.0mmで、形状は円状であるのが一般的であるが、楕円状や多角形状や台形状でも良い。ノズル7の形状は途中で屈曲させてあってもよい。なお、こうしたペースト注出口8を備えたノズル7は、シリンダ本体6とはチップ状の別部材として形成し、シリンダ本体6に連結して使用する構造としても良い。
ノズル7とシリンダ本体6との間には、内周面側に後述する中栓4の前側形状に対応させたテーパー部9が形成されている。
シリンダ本体6の後端開口10の外周壁には、操作者がシリンダ2を保持する際に指(通常は、人差し指と中指)を引掛ける指当部12が、シリンダ本体6の直径方向の外方へ、2方向に張り出すよう形成されている。
一方、プランジャ3のプランジャ本体13は、図面では、シリンダ本体6の内径にほぼ一致するように形成された円柱状に記載されている。プランジャ本体13の横断面は図面と同じ円形であっても良いし、楕円形状、十字形状(図7参照)であっても良い。プランジャ本体13がシリンダ本体6よりも細い場合には、吐出時にプランジャが不安定になることがあるため、吐出時の姿勢を安定させるためにシリンダの内径にほぼ一致した、1又は複数のガイド部を設ける事が出来る。
こうした、プランジャ本体13やガイド部がシリンダ本体6の内周面にガイドされ、シリンダ本体6の中空部を安定して前後動することが可能である。この際、プランジャ本体13やガイド部が前後動する場合の抵抗になる場合があるため、その際は適宜、プランジャ13やガイド部とシリンダ内径の距離を調整する事が出来る。
プランジャ本体13の先端部には、中栓4を押圧する押圧部17が形成されている。プランジャ3の後端部には、プランジャ3をシリンダ本体6の中空部に押し込み易いように、親指平の指当部14が、プランジャ3の径外方の2方向に張り出すよう形成されている。
シリンダ2及びプランジャ3は変形しない材料で形成され、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチルエーテルケトン、ナイロン及びフッ化炭素樹脂等の合成樹脂、ガラス、金属などが使用できる。
中栓4は、前栓21と後栓22とによって、構成されている。
図2を参照にして、前栓21は、先端側に円錐部23、後端側に円筒部24が設けられ、円錐部23の先端は、シリンダ本体6の前側にあるテーパー部9に対応する形状であり、高価な歯科用材料を無駄にしないよう、充填室15の材料を十分に押出せるように形成されている。前栓21は、内部に円形の嵌入孔25が軸方向に形成され、嵌入孔25には嵌入孔25よりも半径方向外側に突出する環状凹溝26が形成され、また、嵌入孔25の内周面には中心軸に対向させて軸方向に延びる軸方向溝27が2条形成されている。前栓21の外周後部には、前栓21の外周面28から半径方向外側に弧状に突出する環状リブ29が形成されている。後栓22は、環状リブ29を含めて、シリンダ本体6の内周径よりも僅かに外径が0.01〜2mm程度、好ましくは0.1〜0.5mm程度小さく形成されている。また、環状リブ29は連続していても断続的に形成された形状であっても良い。
前栓21は、後栓22よりも硬い材料で形成されるが、注出器1による作業中に、押圧力や内圧を受けても変形しない材料で形成されることが好ましく、本実施形態では硬質の合成樹脂で形成されている。
図3を参照にして、後栓22は本実施形態では、弾性を有する材料で形成され、円柱形の本体部31と、本体部31の後端側で該後端部よりも半径方向外側に突出する主シール部32と、主シール部32の後側に間隔を開けて配設される補助シール部33とを備えている。主シール部32と補助シール部33との間には、本実施形態ではV字溝が形成されているが、V字溝の他に、矩形溝、台形溝であってもよく、これらの面に丸みを形成してもよい。図4は、台形溝36を形成した状態を示す。
本実施形態で示すように、主シール部32及び補助シール部33は、先端(外周側)が三角形状に尖ったひだのような形状であることが好ましい。両シール部は一般的な半円状の形状でも良いが、ひだ状の形状とすることでシリンダ本体6との接触面積及び抵抗が小さくなり、押し出し感が軽くなる効果がある。さらに、後述のバックサクション機構も有効に機能する。本実施形態では前面側はシリンダ本体6の軸方向に対して直角に延びる面を形成し、後面側は後方に向かって縮径するテーパー状の面を形成している。一方、補助シール部33の前面側は後方に向かって拡径するテーパー状の面を形成し、後面側はシリンダ本体6の軸方向に対して直角に延びる面を形成し、本体部31の後面に連続している。
主シール部の前面及び補助シール部の後面をシリンダ本体6の軸方向に対して直角にすることで、テーパー状の場合と比較して、ペースト吐出のための加圧時に直角方向へ広がり易くなり、シール性が最も向上する。
主シール部32と補助シール部33とは隣接して配置され、主シール部32の外径はシリンダ2の内周面11の径よりも大きく形成され、補助シール部33の外径は内周面11の径よりも小さく形成される。補助シール部33が形成される位置は、プランジャ3の先端部と同じか先端部よりも前側(実質的にプランジャ3が中栓4を押圧する位置よりも前側)に形成されている。したがって、中栓4は、補助シール部33よりも後方に本体部31が突出する形状であってもよい。
また、プランジャ3の押圧部17は、本実施形態では、中栓4の外径及びシリンダ本体6の内径よりも小さく形成されているが、シリンダ本体6の内周面11を摺動できるように、その内径とほぼ同じであってもよい。すなわち、図1などに示す押圧部17は省略してもよい。
本体部31の中心軸には、軸方向孔34が貫通するように形成されている。また、本体部31の外周面には、半径方向外側に突出する環状凸部35が形成されている。
中栓4は、前栓21の嵌入孔25に、後栓22の本体部31のほぼ円柱形状の本体前部が嵌入されて、一体となる。これらは、ペーストの注出時などの作業中に分離することなく、強めに結合される。嵌入孔25の底部までの深さ(本実施形態では4.5mm)は、本体部31の先端から主シール部32までの長さ(同4mm)より大きいので、前栓21と後栓22とが一体にされた状態では、嵌入孔25の底部に一定の隙間空間(単純計算では0.5mm)が残る。この一定の隙間空間を設けることで、後述する充填時に前栓21の側面から後方に気泡や過剰なペーストがもれた場合でも、後栓22の嵌入時に嵌入孔25内に留める事が出来る。
このように、前栓21と後栓22とが嵌合された状態では、環状凹部26に環状凸部35とが嵌合しかつ密接して配設される。なお、軸方向溝27は環状凸部35によって、実質的に遮蔽され、嵌入孔25に連通しない構造になっている。また、主シール部32の前端面と前栓21の後端面とは密着して配設される。
このような基本構造のペースト注出器1において、そのシリンダ2の前方中空部に形成される充填室15には、ペーストが充填される。
図5は、シリンダ2内にペーストを充填する手順を示す。
注出器1のシリンダ2内にペーストを注入するときには、前栓21の円錐部23を前側に向けて、シリンダ2の後端開口10から中栓4の前栓21のみ挿入される。前栓21は、ノズル7側にセットされる。また、前栓21の外径は、シリンダ本体6の内径よりも僅かに小さいので、前栓21の軸とシリンダ本体6の軸は、実質的には同一方向に維持され、前栓21の姿勢は実質的にシリンダ本体6と平行(同心的)に維持される。
ストック容器40は、ペーストが充填されている容器であり、一側面にペーストの押出口41が形成されている。押出口41には、シリンダ1のノズル7側を気密にセットする手段が施される。また、ストック容器40には、ペーストを加圧して押出口41からペーストを注出させる加圧手段(図示せず)が設けられている。ここで、歯科用に用いられる粘性を有するペーストについては、歯科用セメント、歯冠修復材料、歯科充填修復用コンポジットレジン等がある。
シリンダ2がストック容器40に固定されると、ストック容器40のペーストが図示しない加圧手段によって加圧される。
図5のAに示すように、ストック容器40のペーストの加圧によって、押出口41からシリンダ2のノズル7にペーストが注入される。シリンダ本体6の内周面11と、前栓21の外周面28及び環状リブ29(図6)との間の隙間は、適度に空気や気泡が抜けるので、当初ノズル7に残留していた空気や当初ストック容器40に含まれていた気泡がそれらの隙間を通って抜けるとともに、充填室15にペーストが空隙なく注入される。
図5のBに示すように、ペーストの充填室15への注入により、前栓21がペーストの押圧力で後退移動する。なお、シリンダ本体6と前栓21との隙間は狭いので、ペーストはその粘性のためにそれらの隙間から抜けにくい。また、前栓21はシリンダ本体6の内周面に対して密接していないので、ペースト上を浮いたようにして、シリンダ本体6内を後退(上昇)する。ペーストの粘度が高い場合等に、シリンダ本体6の内周面11と、前栓21の外周面28及び環状リブ29との間の隙間に空気が残存する様な場合には、ペーストの充填時や充填後にシリンダ2の後端開口10から前栓21を前方に押す加重を掛けることで空気を完全に抜く事が出来る。前栓21の環状リブ29は、前栓21がシリンダ本体6の一方向へ線状に面接触するのを防止する役割を果たし、前栓21の姿勢を安定させる効果がある。また安定の観点から21の長さは1〜20mm、好ましくは5〜10mmがよい。
また、前栓21は、シリンダ本体6の内周面11に対して隙間を形成しているので、ペーストに余分な圧力を負荷することがない。
図5のC及び図6のA〜Cを参照にして、シリンダ本体6に所望量のペーストが充填された場合は、ストック容器40とシリンダ2を切り離し、シリンダ本体6の後端開口10から、後栓22を差し込む。後栓22の差し込み時には、後栓22と前栓21との間には空気が存在しているが、後栓22の本体部31の前端が嵌入孔25に差し込まれるにつれて、軸方向孔34から空気が抜ける。また、気泡や余剰なペーストが前栓21の後端に回り込んでいるような場合も考えられるが、これらの気泡やペーストは、嵌入孔25の周面に一対の軸方向溝27が形成されており、環状凹部26に環状凸部35が装着される寸前まで、軸方向溝27は嵌入孔25に連通しているので、気泡やペーストを嵌入孔25に溜め、シリンダ2の後端側に気泡やペーストが周り込むことを防止する。
本実施形態では、このように、ペーストの充填時に充填室15に侵入している空気や気泡を抜くことができる。
このような基本構造のペースト注出器において、そのシリンダ2の前側の中栓4よりも前にある中空部に形成される充填室15には、ペーストが充填されている。そして、プランジャ本体13の先端部には、中栓4が設けられている。
したがって、プランジャ3に押圧力が負荷されていない通常時では、かかる注出器1では、中栓4よりも先端側の充填室15が、主シール部32により、これより後方のシリンダ本体6とは封鎖されており、充填室15に充填されるペーストは、プランジャ3からの後端開口10側への流出が防止されている。このため注出器1の操作者が、シリンダ本体6とプランジャ3の各指当部12,14に指を掛けて、プランジャ3を、シリンダ2の先端方向に所望程度に押すと、その充填室15に充填されるペーストの内圧が高まり、それに応じて、必要量のペーストをペースト注出口8から押し出すことができる。
本発明の特徴の1つは、こうしたペースト用の注出器1の中栓4において、硬質の前栓21と弾性部材で形成される後栓22を二重構造として一体に設けたことにある。したがって、本願発明では、中栓4として硬質な前栓21を使用しているにも拘わらず、前栓21についてシリンダ本体6の内径よりも僅かに径を小さくしているので、前栓21がシリンダ本体6の内周面11と密着することなく、摺動抵抗が殆ど生じない。同様に硬質材料の前栓21はシリンダ本体6の内径よりも僅かに径が小さいだけであるので、シリンダ本体6内を安定した姿勢でペーストの注出が可能となる。また、内周面11に密着しているのは、弾性部材で形成された後栓22のみであるので、吐出感が損なわれることなく、シール性についても問題がない。このように、本願発明は、硬質材料の前栓21と弾性体の後栓22の長所を引出、短所を消失させる有利な効果がある。
なお、この効果については、後栓22の主シール部32のみが設けられていればよく、補助シール部33については必須ではない。
本発明の特徴の他の1つとして、後栓22について、主シール部32の近傍に補助シール部33を形成した点にある。このような主シール部32及び補助シール部33を形成した構造の注出器1では、プランジャ3をシリンダ2の先端方向に押すと、充填材料であるペーストは主シール部32によって常時密閉され、その一方、ペーストが粘性を有するのに対しノズル7の注出口8の径が小さく、充填室15の内圧が大きくなる。
ペーストの内圧が高まった場合には、後栓22に対してシリンダ2の後端開口10側へ押し返す力が働き、後栓22は前栓21を介して充填材料(ペースト)とプランジャ3の押圧部17との間で圧縮される。こうした圧縮力によって前栓21は変形しないが、後栓22は前後方向に縮み、半径方向には膨張するように弾性変形する。
特に、補助シール部33の形成される位置が、プランジャ3の前端と同じ位置か若しくは前端よりも前側に配設されることによって、本体部31を半径方向外側に効果的に膨張させることができる。この際、前栓21の環状凹部26に後栓22の環状凸部35が嵌合しているので、前栓21と後栓22との連結も堅固となっている。
主シール部32は半径方向外側に膨張することによって、シリンダ2の内周面11にさらに密着してシール力が増す一方、ペーストの内圧もさらに大きくなる。
このとき、補助シール部33は、押圧部17に押されることによって、本体部31が半径方向外側に膨張し、補助シール部33の外径がシリンダ2の内周面11の内径よりも僅かに小さいだけであるので、環状の補助シール部33の全体が内周面11に密着する。本実施形態では、押圧部17は本体部31よりも、多少径が小さいので、押圧部17よりも外側にある主シール部32及び補助シール部33の先端側が、さらに後方側に撓みやすくなる。
前栓21と内周面11との間の隙間は狭いので、ペーストはそれらの間には浸入しにくいが、浸入した場合は後栓22がペーストのそれ以上の浸入を防止する。このペーストの注出時において、後栓22は、主シール部32と補助シール部33との前後方向の間隔が狭い場合は、主シール部32と補助シール部33の先端同士が一体となってシールすることがあるかもしれないし、分離した状態でシールするかもしれない。この際、先端同士が一体となっている状態では、両者が協働してシール力を向上し、また、分離している状態では、ペーストが主シール部32から漏れたとしても、主シール部32と補助シール部33との間は、充填室15ほど内圧が大きくないので、それらの間に侵入したペーストは補助シール部33のシール力で十分にシールすることができ、プランジャ3側への漏れを阻止する。特に、主シール部32と補助シール部33は、共にプランジャ3の先端位置よりも前側に位置するので、効果的に内周面11に密着する。特に、前栓21が硬質のもので形成してあるので、主シール部32及び補助シール部33の位置ずれが防止される。
所望量のペーストが注出口8から供給されプランジャ3の押し込みを解除すると、ペーストが粘性を有するので、充填室15に内圧が残留する。よって、ペーストが注出口8から漏れるおそれがあるが、中栓4の後栓22の存在でバックサクションが生じプランジャ3が後方に戻される(図6のC)。
すなわち、中栓4(後栓22)はプランジャ3の押し込み時に前進移動し、主シール部32と補助シール部33は前進する一方、先端部が後方側に撓むように変形し、後栓22の本体部31がこれらのシール部32,33よりも相対的に僅かに前側に前進する。プランジャ3の押し込みが解除されると、圧縮状態にあった後栓22に対し、プランジャ3の押し込み力が解除され、充填室15側の内圧のみ残留する。同時に、後方側に撓んでいた主シール部32の先端部がシリンダ2の内周面11との密着により、密着していた先端部の位置はそのままで、撓みをもとの形状に復元させるとともに、相対的に主シール部32よりも前方移動していた本体部31を後方側に引き戻す。一方、前栓21は内周面11とは摩擦抵抗は殆どなく、後栓22の復元には影響しない。
補助シール部33は、プランジャ3への負荷が解除された当初は、先端部が内周面11に密着しているので、初期時のみ本体部31を後方側に引き戻し、その後、本体部31の径が縮むことによって、先端部が内周面11から離れる。
この本体部31の相対移動により充填室15にバックサクションを引き起こす。よって、充填室15の内圧が減少し、ペーストの注出口8からの漏れが防止できる。
本発明者は、補助シール部33の位置を、主シール部32の位置に近づけるとバックサクションが大きくなり、図4に示すように、主シール部32と補助シール部33の間隔Lを大きくすると、バックサクションが小さくなる知見を得た。これにより、補助シール部33の位置を調節して、バックサクションを大きくしたい場合は、主シール部32に補助シール部33を近づけ、過剰なバックサクションによる吐出口8からの空気の混入を防止したいときには、主シール部32と補助シール部33の位置を離せばよい。
また、主シール部32の形状などはバックサクションに直接影響するので、例えば、径方向の長さを変えて、好適なバックサクションの量を調整してもよく、厚さ(軸方向に対する厚さ)を変えて調整してもよい。
具体的には、シール性と押し出し抵抗の両立の観点から中栓4の主シール部32と補助シール部33の先端(外縁部)の曲率半径(R)は、0.1〜0.4mmの範囲で、特に0.2〜0.3mmの範囲が好ましい。主シール部32と補助シール部33との間の長さL(図4)は、特にバックサクション機能とシール性の両立が良好な1〜4mmの範囲が好ましい。また、シリンダの内周径と前記補助シール部の外周径との差はバックサクション機能とシール性の両立が良好な0.1〜2mmであることが好ましい。
以上、説明した本発明のペースト注出器の材質は、特に制限されるものではなく、金属やガラス等であっても良いが、通常は、樹脂材料、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチルエーテルケトン、ナイロン、テフロン(登録商標)等のフッ化炭素樹脂等が採用される。なお、先端のノズル状のペースト注出口については、シリンダ本体と別個に形成する場合は、シリンダ本体と別材料にしてもよい。また、中栓4の材質は、前栓21が前記ペースト注出器と同様の材料が好ましく、後栓22が、シリコーン樹脂、フッ素系エラストマー等の合成樹脂からなる弾性材料が好ましい。また、これらの弾性材料は、一般にはショア硬度が100以下、より好適には40〜100のものが使用され、中でも50〜80の時にバックサクション機構が最も効果的に機能する。
次に、本発明のペースト注出器1に充填するペーストは、特に制限されるものではないが、ペースト注出口からのペーストの切れを良くする本発明の効果を顕著に発揮される観点からは、低粘度のものが好ましく、23℃で測定した粘度が10〜10,000ポイズ、より好適にはより好適には50〜5,000ポイズであることが好ましい。
特に、本発明のペースト注出器1に充填するペーストとしては、歯牙修復材ペーストであるのが好ましい。これら歯牙修復材ペーストの具体例としては、コンポジットレジンと呼ばれる欠損した歯牙の充填修復材料、歯科用セメントと呼ばれる接着材料、歯髄保護のための裏層材料、および小窩裂溝封鎖に適した充填修復材料などが挙げられる。これらは、化学重合により硬化するタイプであっても良いし、光重合により硬化するタイプであっても良いし、両方含むデュアルキュア型であっても良い。
歯牙修復材ペーストは、一般にフィラー、重合性単量体、及び光重合開始剤及び/又は化学重合開始剤を含んでなる。この場合、フィラーは特に限定されず、有機及び無機フィラーが何ら制限なく用いられる。具体的に例示すると、無機フィラーとしてホウケイ酸ガラス、重金属(例えばバリウム、ストロンチウム、ジルコニウム)を含むガラス、アルミノシリケートガラス、ガラスセラミックス、シリカやシリカ・ジルコニア、シリカ・チタニア、シリカ・アルミナ等の複合無機酸化物等が挙げられる。また、有機フィラーとしてアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの単独重合体又は共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステルポリアミド等が挙げられる。
重合性単量体も特に限定的でなく、一般に歯科用モノマーとして使用される公知のラジカル重合性単量体が使用できる。好適に使用できる重合性単量体として、単官能及び多官能の(メタ)アクリレート系単量体があげられる。
光重合開始剤は、紫外または可視光線照射によりラジカルを発生する公知の光重合開始剤が特に制限なく使用できる。具体的に例示すると、カンファーキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
また、上記光重合開始剤に加えて、第三級アミン等を除触媒として添加したものであっても良い。
化学重合開始剤は、歯科用途に用いられる公知の化学重合開始剤が特に制限無く使用できる。具体的には、過酸化ベンゾイルやハイドロパーオキサイド等の過酸化物と3級アミンのレドックス系等が挙げられる。
以上、本発明を実施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の変形あるいは変更が可能である。
例えば、上記実施形態の注出器は、シリンダが1連のものを用いて説明したが、図7に示すように、2ペースト混合系のものについては、シリンダが横に2連(多連)並ぶものにも用いることができる。図7に示す2連シリンダの注出器1のシリンダ2における各充填室15には、いずれも図1〜図6に示す中栓4と同じものが使用でき、一対のプランジャ3は、断面が十字形状であるが、プランジャ3の先端側の3か所に断面が円形のガイド部50a〜50cが形成されているが、中栓4の作用、効果は同じである。また、本願の注出器は、銃(ガン)式のディスペンサ(2連を含む)にも使用できる。すなわち、注出器1の使用時には、ガンのようなアプリケータなどと呼ばれる押出機にセットすることもでき、アプリケータの引き金を引くことによって、注出器1のピストンがアプリケータの押出機構によって押され、充填材料が吐出される。
さらに2ペースト混合系のものについては、2つの吐出口8の先端に2つのペーストを混練して混合されたペーストとして吐出できる混練器具を取り付ける事ができる。
図8は、注出器1の先端のノズル部51に設けられている混練器具52を示す。混練器具52は、ノズル53の内部にスクリュー状の複数の羽54が前後方向に螺旋形に併設されている。このような混合器具52は内部をペーストが流れる際に、複数の羽54がペーストの流路の分割と合流を繰り返すことで混合できるものである。通常、混合器具52を先端に取り付けると抵抗が増えるためペースト吐出時の押圧が高くなる。押圧が高いと押圧後の残圧が残りやすくなり、ペーストのたれが生じ易い。この様な混練器具52を先端に取り付けた場合であっても本発明の中栓4は、中栓タイプであっても、安定な姿勢を維持しつつ、有効にバックサクションや空気抜きの機能をしてたれを抑制しすることができる。
1 注出器
2 シリンダ
3 プランジャ
4 中栓
6 シリンダ本体
7 ノズル
8 注出口
10 開口
11 内周面
13 プランジャ本体
15 充填室
17 押圧部
21 前栓
22 後栓
25 嵌入孔
26 環状凹部
27 軸方向溝
28 外周面
29 環状リブ
31 本体部
32 主シール部
33 補助シール部
34 軸方向孔
35 環状凹部

Claims (5)

  1. ペースト材を充填する充填室を設けたシリンダと、該シリンダの先端部に設けられているノズルと、シリンダの内部に配設され前記シリンダ内を前後動可能なプランジャと、
    該プランジャの先端側に配設され前記ペースト材の漏れを阻止する中栓とを備えた注出器において、
    前記中栓は、前側に配設される前栓と該前栓の後側に配設される後栓とを有し、前記後栓は弾性変形可能な材料で形成され、前記前栓は前記後栓よりも硬い硬質材料で形成され、
    前記前栓は、最大径が前記シリンダの内径よりも僅かに小さく形成され、
    前記後栓は、外周面が常時前記シリンダの内周面に密接している主シール部を有し、前記シリンダに前記ペースト材が充填される際には、前栓のみシリンダに配設され、前記ペースト材の注出時には、後栓が前栓の後側に配設されるようにしたことを特徴とする注出器。
  2. 前記前栓には、後端面の中央から前方に向かって嵌入孔が形成され、前記後栓には該嵌入孔に嵌合する本体部が形成され、該本体部には、前記充填室からの空気若しくは気泡を抜くための軸方向孔を形成し、該軸方向孔が前記嵌入孔に連通してなる請求項1に記載の注出器。
  3. 前記後栓は、前記プランジャの前進時に押圧される本体部と、該本体部から前記シリンダの半径方向外側へ環状に突出し、該シリンダの内周面に常時密着する主シール部と、該主シール部の後方側に間隔を開けて設けられ、かつ前記シリンダの内径よりも僅かに外径が小さく形成され、前記中栓の本体部から前記シリンダの半径方向外側へ環状に突出する補助シール部とを備え、
    前記ペースト材の注出時における前記プランジャの前進時には、前記主シール部が後方側へ撓み、前記プランジャの押圧解除時にはもとの形状に復帰し、前記補助シール部は、前記本体部の圧縮膨張による前記補助シール部の径方向の広がりによって、前記シリンダの内周面と密着し、前記プランジャの押圧解除時には、前記本体部の形状復帰によって、該補助シール部の密着状態が解除されるように形成した請求項1又は2に記載の注出器。
  4. 前記中栓は、前記前栓がポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチルエーテルケトン、ナイロン及びフッ化炭素樹脂から選択される一の樹脂材料から成り、前記後栓がショア硬度40〜100の軟質樹脂材料から成る請求項1〜3のいずれかに記載の注出器。
  5. ースト材を充填するシリンダと、該シリンダの先端部に設けられているノズルと、シリンダの内部に配設され前記シリンダ内を前後動可能なプランジャと、該プランジャの先端側に配設され前記ペースト材の漏れを阻止する中栓とを備え、該中栓は前側に配設される非変形の硬質材料で形成された前栓と後側に配設される弾性変形可能な後栓とを有し、前記前栓は最大径が前記シリンダの内径よりも僅かに小さく形成され、前記後栓は外周面が常時前記シリンダの内周面に密接している主シール部を有する、注出器を用い、
    前記シリンダ内への前記ペースト材の充填時に、前記シリンダに前記前栓のみを用いて、前記シリンダの先端側から前記ペースト材を充填し、該ペースト材をシリンダ内に充填した後、前記前栓に後栓を連結するようにしたことを特徴とする注出器へのペースト材の充填方法。
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