JP6333301B2 - セルロースアセテートフィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

セルロースアセテートフィルム、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、セルロースアシレートフィルム、並びに該セルロースアシレートフィルムを用いた偏光板及び液晶表示装置に関する。
近年の液晶表示装置は、モバイル等の用途拡大に伴い、屋外をはじめとして様々な過酷な環境下での使用が想定され、これら液晶表示装置に用いる偏光板には、高温高湿下での耐久性が求められている。
例えば、特許文献1には、特定の糖エステル化合物を含有し、さらにアクリルポリマーもしくは芳香環を有しないポリエステルを含有するセルロースアシレートフィルムについて開示されており、高温高湿環境においてもレターデーション安定性が高いことが記載されている。
また、液晶パネルの軽量化と薄手化がトレンドとなっており、偏光板、さらには偏光板保護フィルムにも薄手化が求められている。
しかしながら、上記液晶パネルの軽量化と薄手化に伴い、光ムラ等が発生し得ることが知られ、それを防止する観点から、特許文献2には、特定のポリエステルオリゴマーを30質量%以上含有するセルロースアシレートフィルムについて開示されており、さらに特許文献2には、光学異方性が小さく、IPS型液晶表示装置に好適であることが記載されている。
国際公開第2008/015911号 特開2012−025804号公報
本発明の目的は、IPS型液晶表示装置に好適な光学異方性の小さい偏光板保護フィルムに用いられるセルロースアシレートフィルム、該セルロースアシレートフィルムを用いた偏光板及び液晶表示装置を提供することにあり、近年求められている偏光板保護フィルムの薄手化と偏光板の耐久性を従来品以上に向上させることができるセルロースアシレートフィルム、該セルロースアシレートフィルムを用いた偏光板及び液晶表示装置を提供することにある。
上記課題は下記手段により達成することができる。すなわち、本発明は下記の通りである。
<1>
下記添加剤(A)及び(B)をそれぞれ1種以上含有し、
温度25℃相対湿度60%環境下で、波長590nmにおける面内レタデーション(Re)が−5〜5nmであるセルロースアセテートフィルム(但し、セルロースアシレートと、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物又はその残基を複数含む多量体の紫外線吸収剤を含有するセルロースアシレートフィルムであって、前記化合物又はその残基の含有量がセルロースアシレートに対して2.5質量%以上10質量%以下である、セルロースアシレートフィルムを除く)。
・添加剤(A):ジカルボン酸とジオールとからなる繰り返し単位を有する、数平均分子量が500〜3000であるポリエステルオリゴマーであって、前記ジカルボン酸について、脂肪族ジカルボン酸のモル比をm、芳香族ジカルボン酸のモル比をnとしたとき、m:nが2:8〜0:10であり、芳香族ジカルボン酸が、フタル酸、イソフタル酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、又は2,3−ナフタレンジカルボン酸であるポリエステルオリゴマー
・添加剤(B):スクロースの水酸基の全てもしくは一部をアルキルエステル化した糖エステル化合物
Figure 0006333301


(式中、Q11は含窒素芳香族複素環を表し、Q12は芳香族環を表す。)
Figure 0006333301


(式中、R221〜R228は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい脂肪族基、置換基を有してもよい芳香族基、又は置換基を有してもよい複素環基を表す。R221〜R228は、部分構造として、−COO−、−OCO−、―NR−S−、又は−SO−を有してもよい。R及びR’は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。)
Figure 0006333301


(式中、Q31及びQ32はそれぞれ独立に芳香族環を表す。X31はNR、酸素原子、又は硫黄原子を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。)
<2>
上記添加剤(B)は、スクロースの水酸基の全てもしくは一部を脂肪族モノカルボン酸によりアルキルエステル化した糖エステル化合物であり、該脂肪族モノカルボン酸が酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸のうち少なくとも1種である<>に記載のセルロースアセテートフィルム。

上記添加剤(A)が、少なくとも一方の末端をモノカルボン酸で封止したポリステルである<1>又は<2>に記載のセルロースアセテートフィルム。

上記モノカルボン酸が、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸及びその誘導体のうち少なくとも1種である、<>に記載のセルロースアセテートフィルム。

上記添加剤(A)及び(B)の含有量の合計が、セルロースアセテートに対して5〜20質量%である、<1>〜<>のいずれか1項に記載のセルロースアセテートフィルム。

前記セルロースアセテートフィルムは、温度25℃相対湿度60%環境下で、波長590nmにおける厚み方向のレタデーション(Rth)が−5〜5nmである、<1>〜<>のいずれか1項に記載のセルロースアセテートフィルム。

<1>〜<>のいずれか1項に記載のセルロースアセテートフィルムを少なくとも1枚含む偏光板。

>に記載の偏光板を含む液晶表示装置。

IPSモードである<>に記載の液晶表示装置。
本発明は、上記<1>〜<>に係る発明であるが、以下、それ以外の事項(例えば、下記〔1〕〜〔10〕)についても記載している。
〔1〕
下記添加剤(A)及び(B)をそれぞれ1種以上含有し、
温度25℃相対湿度60%環境下で、波長590nmにおける面内レタデーション(Re)が−5〜5nmであり、厚み方向のレタデーション(Rth)が−10〜5nmであり、かつ
厚みが15〜35μmのセルロースアシレートフィルム。
・添加剤(A):ジカルボン酸とジオールとからなる繰り返し単位を有する、数平均分子量が500〜3000であるポリエステルオリゴマーであって、上記ジカルボン酸について、脂肪族ジカルボン酸のモル比をm、芳香族ジカルボン酸のモル比をnとしたとき、m:nが5:5〜0:10であるポリエステルオリゴマー
・添加剤(B):ピラノース構造又はフラノース構造の少なくとも1種を1〜12個有し、その構造の水酸基の全てもしくは一部をアルキルエステル化した糖エステル化合物
〔2〕
上記添加剤(B)が、ピラノース構造又はフラノース構造の少なくとも1種を1個又は2個有し、その構造の水酸基の全てもしくは一部をアルキルエステル化した糖エステル化合物である、〔1〕に記載のセルロースアシレートフィルム。
〔3〕
上記添加剤(B)が、ピラノース構造又はフラノース構造の単環であり、その構造の水酸基の全てもしくは一部をアルキルエステル化した糖エステル化合物である、〔2〕に記載のセルロースアシレートフィルム。
〔4〕
上記添加剤(B)が、グルコース構造の水酸基の全てもしくは一部をアルキルエステル化した糖エステル化合物である、〔3〕に記載のセルロースアシレートフィルム。

〔5〕
上記添加剤(A)及び(B)の含有量の合計が、セルロースアシレートに対して5〜20質量%である、〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
〔6〕
上記添加剤(A)が、少なくとも一方の末端をモノカルボン酸で封止したポリステルである〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
〔7〕
上記モノカルボン酸が、炭素数2〜10の脂肪族モノカルボン酸である、〔6〕に記載のセルロースアシレートフィルム。
〔8〕
〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムを少なくとも1枚含む偏光板。
〔9〕
〔8〕に記載の偏光板を含む液晶表示装置。
〔10〕
IPSモードである〔9〕に記載の液晶表示装置。
本発明によれば、IPS型液晶表示装置に好適な光学異方性の小さい偏光板保護フィルムに用いられるセルロースアシレートフィルム、該セルロースアシレートフィルムを用いた偏光板及び液晶表示装置を提供することができ、近年求められている偏光板保護フィルムの薄手化と偏光板の耐久性を従来品以上に向上させることができるセルロースアシレートフィルム、該セルロースアシレートフィルムを用いた偏光板及び液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、数値が物性値、特性値等を表す場合に、「(数値1)〜(数値2)」及び「(数値1)乃至(数値2)」という記載は「(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表す。
本発明のセルロースアシレートフィルム下記添加剤(A)及び(B)をそれぞれ1種以上含有し、温度25℃相対湿度60%環境下で、波長590nmにおける面内レタデーション(Re)が−5〜5nmであり、厚み方向のレタデーション(Rth)が−10〜5nmであり、かつ厚みが15〜35μmである。
・添加剤(A):ジカルボン酸とジオールとからなる繰り返し単位を有する、数平均分子量が500〜3000であるポリエステルオリゴマーであって、前記ジカルボン酸について、脂肪族ジカルボン酸のモル比をm、芳香族ジカルボン酸のモル比をnとしたとき、m:nが5:5〜0:10であるポリエステルオリゴマー
・添加剤(B):ピラノース構造又はフラノース構造の少なくとも1種を1〜12個有し、その構造の水酸基の全てもしくは一部をアルキルエステル化した糖エステル化合物
[添加剤(A):ポリエステルオリゴマー]
本発明で用いられるポリエステルオリゴマーについて説明する。
本発明におけるポリエステルオリゴマーの数平均分子量(Mn)は、500〜3000であり、600〜2000であることが好ましく、600〜1500がより好ましく、600〜1200が更に好ましい。ポリエステルオリゴマーの数平均分子量は500以上であれば揮発性が低くなり、ポリマーフィルムの延伸時の高温条件下における揮散によるフィルム故障や工程汚染を生じにくくなる。また、3000以下であれば熱可塑性ポリマーとの相溶性が高くなり、製膜時及び加熱延伸時のブリードアウトが生じにくくなる。
本発明におけるポリエステルオリゴマーの数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定、評価することができる。
本発明で使用されるポリエステルオリゴマーは、ジカルボン酸とジオールとからなる繰り返し単位を有し、前記ジカルボン酸について、脂肪族ジカルボン酸のモル比をm、芳香族ジカルボン酸のモル比をnとしたとき、m:nが5:5〜0:10であり、好ましくは3:7〜0:10であり、最も好ましくは2:8〜0:10である。
合成方法としては、ジカルボン酸とジオールの脱水縮合反応、又は、ジオールへの無水ジカルボン酸の付加及び脱水縮合反応などの公知の方法を利用することができる。
以下、本発明におけるポリエステルオリゴマーの合成に好ましく用いることができるジカルボン酸及びジオールについて説明する。
(ジカルボン酸)
ジカルボン酸のうち、脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられ、より好ましい脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸であり、特に好ましくは、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸である。
また、ジカルボン酸のうち、芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、及び2,8−ナフタレンジカルボン酸が挙げられ、より好ましい芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,8−ナフタレンジカルボン酸であり、特に好ましくは、フタル酸、イソフタル酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸であり、最も好ましくは、セルロースアシレートフィルムの光学異方性を小さく設計できるという観点から、フタル酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸である。
(ジオール)
ジオール(グリコール)としては、炭素数2〜12の脂肪族ジオール、炭素数4〜20のアルキルエーテルジオール、及び炭素数6〜20の芳香族環含有ジオールが挙げられ、これらから選択される2種以上を併用しても良い。
脂肪族ジオールとしては、アルキルジオール又は脂環式ジオール類を挙げることができ、例えば、エタンジオール(エチレングリコール)、3−オキサペンタンー1,5−ジオール(ジエチレングリコール)、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、又は1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
好ましい脂肪族ジオールとしては、エタンジオール、3−オキサペンタンー1,5−ジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールであり、特に好ましくはエタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールである。
炭素数4〜20のアルキルエーテルジオールとしては、好ましくは、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレンエーテルグリコール及びポリプロピレンエーテルグリコールが挙げられる。市販のポリエーテルグリコール類としては、カーボワックス(Carbowax)レジン、プルロニックス(Pluronics)レジン及びニアックス(Niax)レジンが挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族ジオールとしては、ビスフェノールA、1,2−ヒドロキシベンゼン、1,3−ヒドロキシベンゼン、1,4−ヒドロキシベンゼン、ベンゼン−1,4−メタノール、が挙げられ、好ましくはビスフェノールA、1,4−ヒドロキシベンゼン、ベンゼン−1,4−ジメタノールである。
芳香族ジオールの炭素数は6〜12であることが好ましい。
(封止)
本発明のポリエステルオリゴマーの両末端は、少なくとも一方の末端が封止されることが好ましく、該末端が炭素数1〜22の脂肪族基、炭素数6〜20の芳香族環含有基、炭素数1〜22の脂肪族カルボニル基、及び炭素数6〜20の芳香族カルボニル基から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
更に、ポリエステルオリゴマーの両末端が封止されている場合、モノカルボン酸又はモノアルコールと反応させて封止することがより好ましく、モノカルボン酸と反応させて封止することが更に好ましい。このとき、該オリゴマーの両末端はモノアルコール残基又はモノカルボン酸残基となっている。ここで、残基とは、オリゴマーの部分構造で、オリゴマーを形成している単量体の特徴を有する部分構造を表す。例えばモノカルボン酸R−COOHより形成されるモノカルボン酸残基はR−CO−である。
モノカルボン酸残基としては、炭素数2〜22の脂肪族モノカルボン酸残基であることが好ましく、炭素数2〜3の脂肪族モノカルボン酸残基であることが更に好ましく、炭素数2の脂肪族モノカルボン酸残基であることが特に好ましい。
ポリエステルオリゴマーの両末端のモノカルボン酸残基の炭素数が3以下であると、揮発性が低下し、該オリゴマーの加熱による減量が大きくならず、工程汚染の発生や面状故障の発生を低減することができる。即ち、封止に用いるモノカルボン酸類としては脂肪族モノカルボン酸が好ましい。モノカルボン酸が炭素数2〜22の脂肪族モノカルボン酸であることがより好ましく、炭素数2〜3の脂肪族モノカルボン酸であることが更に好ましく、炭素数2の脂肪族モノカルボン酸残基であることが特に好ましい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、カプリル酸、カプロン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸が挙げられる。芳香族環含有モノカルボン酸としては、例えば安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−tert−アミル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸等が挙げられる。
これらのなかでも、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸及びその誘導体等が好ましく、酢酸又はプロピオン酸がより好ましく、酢酸(末端がアセチル基となる)が最も好ましい。封止に用いるモノカルボン酸は2種以上を混合してもよい。
モノアルコール残基としては炭素数1〜30の置換、無置換のモノアルコール残基が好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、シクロヘキシルアルコール、オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ノニルアルコール、イソノニルアルコール、tert−ノニルアルコール、デカノール、ドデカノール、ドデカヘキサノール、ドデカオクタノール、アリルアルコール、オレイルアルコールなどの脂肪族アルコール、ベンジルアルコール、3−フェニルプロパノールなどの置換アルコールなどが挙げられる。
好ましく使用され得る末端封止用アルコール残基は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、イソペンタノール、ヘキサノール、イソヘキサノール、シクロヘキシルアルコール、イソオクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコールであり、特にはメタノール、エタノール、プロパノール、イソブタノール、シクロヘキシルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソノニルアルコール、ベンジルアルコールである。
両末端を封止した場合は常温での状態が固体形状となりにくく、ハンドリングが良好となり、また湿度安定性、偏光板耐久性に優れたポリマーフィルムを得ることができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、添加剤(A)としてのポリエステルオリゴマーを合計で、セルロースアシレートに対して1〜30質量%含むことが好ましく、5〜20質量%含むことがより好ましく、5〜15質量%含むことが特に好ましい。
[添加剤(B):糖エステル化合物]
本発明で用いられるピラノース構造又はフラノース構造の少なくとも1種を1〜12個有し、その構造の水酸基(以下、単にOH基という)の全てもしくは一部をアルキルエステル化した糖エステル化合物について説明する。
なお、前記糖エステル化合物とは、該化合物を構成する糖骨格構造中の置換可能な基(例えば、水酸基、カルボキシル基)の少なくとも1つと、少なくとも1種の置換基とがエステル結合されている化合物のことを言う。すなわち、ここで言う糖エステル化合物には広義の糖誘導体類も含まれ、例えばグルコン酸のような糖残基を構造として含む化合物も含まれる。すなわち、前記糖エステル化合物には、グルコースとカルボン酸のエステル体も、グルコン酸とアルコールのエステル体も含まれる。
本発明で用いられる糖エステル化合物としては、フラノース構造もしくはピラノース構造を1個有する化合物(M)のOH基の全てもしくは一部をアルキルエステル化した糖エステル化合物であるか、又は、フラノース構造もしくはピラノース構造の少なくとも1種を2個結合した化合物(D)のOH基の全てもしくは一部をアルキルエステル化した糖エステル化合物であることが好ましい。
本発明で用いられる糖エステル化合物としては、フラノース構造又はピラノース構造の単環であり、その構造の水酸基の全てもしくは一部をアルキルエステル化した糖エステル化合物であることがより好ましく、グルコース構造の水酸基の全てもしくは一部をアルキルエステル化した糖エステル化合物であることが更に好ましい。
化合物(M)の例としては、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、キシロース、あるいはアラビノースが挙げられ、好ましくはグルコース、フルクトースであり、更に好ましくはグルコースである。
化合物(D)の例としては、ラクトース、スクロース、ニストース、1F−フラクトシルニストース、スタキオース、マルチトール、ラクチトール、ラクチュロース、セロビオース、マルトース、セロトリオース、マルトトリオース、ラフィノースあるいはケストースが挙げられる。このほか、ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチオテトラオース、キシロトリオース、ガラクトシルスクロースなども挙げられる。
これらの化合物(D)の中で、特にフラノース構造とピラノース構造との双方を有する化合物が好ましく、スクロース、ケストース、ニストース、1F−フラクトシルニストース、スタキオースなどが好ましく、更に好ましくは、スクロースである。
化合物(M)及び化合物(D)中のOH基の全てもしくは一部をアルキルエステル化するために脂肪族モノカルボン酸を用いることが好ましい。
前記脂肪族モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸;ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、オクテン酸等の不飽和脂肪酸;等を挙げることができ、それらの中でも酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸が好ましい。すなわち、置換基がアセチル基、プロピオニル基、イソブチリル基であることが好ましい。
また、前記OH基の全てもしくは一部をアルキルエステル化するのに用いられる脂肪族モノカルボン酸としては、2種以上の脂肪族モノカルボン酸であってもよく、その少なくとも1種が分岐状の脂肪族モノカルボン酸がより好ましく、特にイソ酪酸が好ましい。
具体的には、前記OH基の全てもしくは一部を酢酸とイソ酪酸でエステル化すること、すなわち、置換基がアセチル基とイソブチリル基であることが好ましい。アセチル基とイソブチリル基のみからなる場合、その割合はアセチル基/イソブチリル基=1/7〜4/4であることが好ましく、1/7〜3/5であることがより好ましく、2/6であることが特に好ましい。
これら脂肪族モノカルボン酸で置換された脂肪族糖エステル化合物の製造方法は、例えば、特開平8−245678号公報に記載されている。
前記糖エステル化合物の製造例の一例は、以下の通りである。
グルコース(29.8g、166mmol)にピリジン(100ml)を加えた溶液に無水酢酸(200ml)を滴下し、24時間反応させた。その後、エバポレートで溶液を濃縮し氷水へ投入した。1時間放置した後、ガラスフィルターにてろ過し、固体と水を分離し、ガラスフィルター上の固体をクロロホルムに溶かし、これが中性になるまで冷水で分液した。有機層を分離後、無水硫酸ナトリウムにより乾燥した。無水硫酸ナトリウムをろ過により除去した後、クロロホルムをエバポレートにより除き、更に減圧乾燥することによりグリコースペンタアセテート(58.8g、150mmol、90.9%)を得た。尚、上記無水酢酸の替わりに、上述のモノカルボン酸を使用することができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、糖エステル化合物を合計で、セルロースアシレートに対して1〜30質量%含むことが好ましく、5〜20質量%含むことがより好ましく、5〜15質量%含むことが特に好ましい。
以下に、本発明に用いることができる糖エステル化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、下記の具体例には各糖エステル化合物のエステル置換度を記載していないが、本発明の趣旨に反しない限りにおいて任意のエステル置換度の糖エステル化合物を用いて、糖エステル化合物混合体とすることができる。
Figure 0006333301
Figure 0006333301
本発明のセルロースアシレートフィルムにおいて、前記添加剤(A)及び(B)の含有量の合計が、セルロースアシレートに対して5〜20質量%であることが好ましい。
[セルロースアシレート]
次に、本発明のセルロースアシレートフィルムに用いられるセルロースアシレートについて説明する。
本発明に用いられるセルロースアシレートの原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えばプラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂(丸澤、宇田著、日刊工業新聞社、1970年発行)や発明協会公開技報2001−1745(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができ、本発明のセルロースアシレートフィルムに対しては特に限定されるものではない。
上述のセルロースを原料に製造される本発明に係るセルロースアシレートについて説明する。
セルロースアシレートはセルロースの水酸基がアシル化されたもので、その置換基はアシル基の炭素原子数が2のアセチル基から炭素原子数が22のものまでいずれも用いることができる。
セルロースの水酸基に置換する炭素数2〜22のアシル基としては、脂肪族基でも芳香族基でもよく特に限定されず、単一でも二種類以上の混合物でもよい。これらの基が置換したセルローアシレートは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれ更に置換された基を有していてもよい。
好ましいアシル基としては、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、へプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、iso−ブタノイル、t−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどが好ましく、アセチル、プロピオニル、ブタノイルがより好ましい。
これらの中でも、合成の容易さ、コスト、置換基分布の制御のしやすさなどの観点から、アセチル基、プロピオニル基が好ましく、アセチル基が特に好ましい。また、2種以上のアシル基が置換する場合、アセチル基とプロピオニル基が好ましい。
本発明に係るセルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基へのアシル置換度については特に限定されないが、偏光板保護フィルム、光学フィルムの用途に用いる場合、アシル置換度が高い方が、フィルムの厚み方向の位相差(Rth)がゼロに近い小さな値、あるいは負の値になりやすいため、好ましい。このため、セルロースの水酸基へのアシル置換度(総置換度)が2.50〜3.00であることが好ましい。更にはアシル置換度が2.70〜2.96であることが好ましく、2.80〜2.95であることがより好ましい。また、アセチル基のみが置換する場合、該アセチル基の置換度は、2.70〜2.96であることが好ましく、2.80〜2.95であることがより好ましい。プロピオニル基の置換度は、0.20〜2.60が好ましい。
本発明に係るセルロースアシレートにおいて、セルロースの水酸基に置換する酢酸及び/又は炭素原子数3〜22の脂肪酸の置換度(アシル置換度)の測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じた方法や、NMR法を挙げることができる。
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、粘度平均重合度で180〜700であり、セルロースアセテートにおいては、180〜550がより好ましく、180〜400が更に好ましく、180〜350が特に好ましい。重合度が高すぎるとセルロースアシレートのドープ溶液の粘度が高くなり、流延によりフィルム作製が困難になる傾向がある。重合度が低すぎると作製したフィルムの強度が低下してしまう傾向がある。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)により測定できる。特開平9−95538に詳細に記載されている。
フィルムの機械的強度、ハンドリング適性の観点からは、セルロースアシレートの質量平均分子量Mwは100000以上400000以下であることが好ましく、150000以上370000以下であることがより好ましく、200000以上300000以下であることが更に好ましい。
同様の観点から、セルロースアシレートの数平均分子量Mnは、20000以上300000以下であることが好ましく、50000以上250000以下であることがより好ましく、70000以上200000以下であることが更に好ましい。
セルロースアシレートの質量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定することができる。
更に、セルロースアシレートの分子量分布については、多分散性指数Mw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)が小さく、分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜4.0であることが好ましく、1.3〜3.7であることが更に好ましく、1.6〜3.4であることが最も好ましい。
低分子成分が除去されると、平均分子量(重合度)が高くなるが、粘度は通常のセルロースアシレートよりも低くなるため有用である。低分子成分の少ないセルロースアシレートは、通常の方法で合成したセルロースアシレートから低分子成分を除去することにより得ることができる。低分子成分の除去は、セルロースアシレートを適当な有機溶媒で洗浄することにより実施できる。なお、低分子成分の少ないセルロースアシレートを製造する場合、酢化反応における硫酸触媒量を、セルロース100質量部に対して0.5〜25質量部に調整することが好ましい。硫酸触媒の量を上記範囲にすると、分子量分布の点でも好ましい(分子量分布が狭い)セルロースアシレートを合成することができる。本発明のセルロースアシレートフィルムの製造時に使用される際には、セルロースアシレートの含水率は2質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは1質量%以下であり、特に好ましくは0.7質量%以下である。一般に、セルロースアシレートは、水を含有しており、その含水率は2.5〜5質量%が知られている。本発明で上記のようなセルロースアシレートの含水率にするためには、乾燥することが必要であり、その方法は目的とする含水率になれば特に限定されない。本発明のこれらのセルロースアシレートに関しては、その原料綿や合成方法は発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて7頁〜12頁に詳細に記載されている。
本発明では、セルロースアシレートは置換基、置換度、重合度、分子量分布などの観点で、単一あるいは異なる二種類以上のセルロースアシレートを混合して用いることができる。
[レターデーション]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、25℃60%RH環境下で、波長590nmにおける下記式(I)で定義される面内レタデーション(Re)が−5〜5nmであり、かつ下記式(II)で定義される厚み方向のレタデーション(Rth)が−10〜5nmである。
式(I) Re=(nx―ny)×d
式(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率であり、dはフィルムの厚さ(nm)である。
Reは0nm〜5nmがより好ましい。また、Rthは−10〜3nmがより好ましく、−5〜2nmが更に好ましい。本発明のセルロースアシレートフィルムを液晶表示装置の偏光板の液晶セル側保護フィルムとして用いる場合に、Re及びRthが上記範囲にあると、斜め方向からの光漏れや色味変化がより改良され、表示品位を向上させることができる。
また、波長590nmにおける25℃80%RHでのRth値と25℃10%RH値との差分の絶対値ΔRthは、0〜10であることが好ましく、0〜5であることがより好ましく、0〜3であることが更に好ましい。ΔRthがこの範囲にあると斜め方向からの光ムラがより改良され、表示品位を向上させることができる。
Re及びRthは次のようにして測定できる。
ReはKOBRA 21ADH(王子計測機器(株)製)において波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rthは前記Re、面内の遅相軸(KOBRA
21ADHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値、及び面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値を基にKOBRA 21ADHが算出する。ここで平均屈折率の仮定値はポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHはnx、ny、nzを算出する。
[マット剤微粒子]
本発明のセルロースアシレートフィルムには、マット剤として微粒子を加えることが好ましい。本発明に使用される微粒子としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子はケイ素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪素が好ましい。二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上であるものが好ましい。1次粒子の平均径が5〜16nmと小さいものがフィルムのヘイズを下げることができより好ましい。見かけ比重は90〜200g/リットル以上が好ましく、100〜200g/リットル以上が更に好ましい。見かけ比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
これらの微粒子は、通常平均粒子径が0.1〜3.0μmの2次粒子を形成し、これらの微粒子はフィルム中では、1次粒子の凝集体として存在し、フィルム表面に0.1〜3.0μmの凹凸を形成させる。2次平均粒子径は0.2μm以上1.5μm以下が好ましく、0.4μm以上1.2μm以下が更に好ましく、0.6μm以上1.1μm以下が最も好ましい。1次、2次粒子径はフィルム中の粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子に外接する円の直径をもって粒径とした。また、場所を変えて粒子200個を観察し、その平均値をもって平均粒子径とした。
二酸化珪素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)などの市販品を使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でアエロジル200V、アエロジルR972Vが1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/リットル以上である二酸化珪素の微粒子であり、光学フィルムの濁度を低く保ちながら、摩擦係数をさげる効果が大きいため特に好ましい。
本発明において2次平均粒子径の小さな粒子を有するセルロースアシレートフィルムを得るために、微粒子の分散液を調製する際にいくつかの手法が考えられる。例えば、溶剤と微粒子を撹拌混合した微粒子分散液をあらかじめ作成し、この微粒子分散液を別途用意した少量のセルロースアシレート溶液に加えて撹拌溶解し、更にメインのセルロースアシレートドープ液と混合する方法がある。この方法は二酸化珪素微粒子の分散性がよく、二酸化珪素微粒子が更に再凝集しにくい点で好ましい調製方法である。ほかにも、溶剤に少量のセルロースアシレートを加え、撹拌溶解した後、これに微粒子を加えて分散機で分散を行いこれを微粒子添加液とし、この微粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合する方法もある。本発明はこれらの方法に限定されないが、二酸化珪素微粒子を溶剤などと混合して分散するときの二酸化珪素の濃度は5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%が更に好ましく、15〜20質量%が最も好ましい。分散濃度が高い方が添加量に対する液濁度は低くなり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
最終的なセルロースアシレートのドープ溶液中でのマット剤の添加量は1mあたり0.01〜1.0gが好ましく、0.03〜0.3gが更に好ましく、0.08〜0.16gが最も好ましい。また、セルロースアシレートフィルムが多層から形成される場合、内層への添加はせず、表層側のみに添加することが好ましく、この場合は、表層のマット剤の添加量としては0.001質量%以上0.2質量%以下が好ましく、0.01質量%以上0.1質量%以下がより好ましい。
分散に使用される溶剤としては低級アルコール類が好ましく、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。低級アルコール以外の溶媒としては特に限定されないが、セルロースアシレートの製膜時に用いられる溶剤を用いることが好ましい。
[セルロースアシレートフィルムの製造方法]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、溶液流延法による製膜することができる。以下、本発明のポリマーフィルムの製造方法を、熱可塑性ポリマーとしてセルロースアシレートを用いて製膜したフィルム(「セルロースアシレートフィルム」と呼ぶ)を例として説明する。
(セルロースアシレート溶液の有機溶媒)
本発明では、溶液流延法(ソルベントキャスト法)によりセルロースアシレートフィルムを製造することが好ましく、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフィルムは製造される。本発明の主溶媒として好ましく用いられる有機溶媒は、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテル、及び炭素原子数が1〜7のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトン及び、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステル、ケトン及びエーテルの官能基(すなわち、−O−、−CO−及び−COO−)のいずれかを二つ以上有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たとえばアルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。
本発明に係るセルロースアシレートフィルムに対しては塩素系のハロゲン化炭化水素を主溶媒としても良いし、発明協会公開技報2001−1745(12頁〜16頁)に記載されているように、非塩素系溶媒を主溶媒としても良く、本発明に係るセルロースアシレートフィルムに対しては特に限定されるものではない。
その他、本発明に係るセルロースアシレート溶液及びフィルムについての溶媒は、その溶解方法も含め以下の特許に開示されており、好ましい態様である。それらは、例えば、特開2000−95876、特開平12−95877、特開平10−324774、特開平8−152514、特開平10−330538、特開平9−95538、特開平9−95557、特開平10−235664、特開平12−63534、特開平11−21379、特開平10−182853、特開平10−278056、特開平10−279702、特開平10−323853、特開平10−237186、特開平11−60807、特開平11−152342、特開平11−292988、特開平11−60752、特開平11−60752などに記載されている。これらの特許によると本発明に係るセルロースアシレートに好ましい溶媒だけでなく、その溶液物性や共存させる共存物質についても記載があり、本発明においても好ましい態様である。
(溶解工程)
本発明に係るセルロースアシレート溶液(ドープ)の調製は、その溶解方法は特に限定されず、室温でもよく、更には冷却溶解法あるいは高温溶解方法、更にはこれらの組み合わせで実施される。本発明におけるセルロースアシレート溶液の調製、更には溶解工程に伴う溶液濃縮、ろ過の各工程に関しては、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて22頁〜25頁に詳細に記載されている製造工程が好ましく用いられる。
(流延、乾燥、巻き取り工程)
次に、本発明に係るセルロースアシレート溶液を用いたフィルムの製造方法についてより具体的に述べる。本発明に係るセルロースアシレートフィルムを製造する方法及び設備は、従来セルローストリアセテートフィルム製造に供する溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いることができる。溶解機(釜)から調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ポリマーウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて得られたフィルムを乾燥装置のロール群で機械的に搬送し乾燥を終了して巻き取り機でロール状に所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。別の態様としては、先述の金属支持体を0℃以下に冷却したドラムとし、ドラム上にダイから流延したドープをゲル化してから約1周した時点で剥ぎ取り、ピン状のテンターで延伸しながら搬送し、乾燥する方法など、ソルベントキャスト法で製膜する様々な方法をとることが可能である。
本発明に係るセルロースアシレートフィルムには、特定のポリエステル系オリゴマーを30質量より多い量含有させるので、ポリマーウェブの乾燥を80℃以下で行うことができ、乾燥工程での負荷を低減することができる。乾燥させる際の温度(ポリマーウェブの膜面温度)は、50〜80℃が好ましく、60〜75℃がより好ましい。乾燥時間は5〜60分が好ましく、10〜30分がより好ましい。
乾燥後のポリマーウェブの残留溶媒量は、好ましくは0〜1質量%であり、より好ましくは0〜0.5質量%である。
本発明に係るセルロースアシレートフィルムの主な用途である、電子ディスプレイ用の光学部材である機能性偏光板保護フィルムやハロゲン化銀写真感光材料に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層等のフィルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらについては、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25頁〜30頁に詳細に記載されており、流延(共流延を含む),金属支持体,乾燥,剥離などに分類され、本発明において好ましく用いることができる。
[フィルムの厚さ]
本発明のセルロースアシレートフィルムの厚さは15〜35μmであり、好ましくは15〜30μmであり、特に好ましくは15〜25μmである。厚みが35μm以下であれば、厚み方向のレタデーション(Rth)を−10〜5nmに制御しやすく好ましい。また、厚みが15μmを以上であれば破断、シワ発生を抑制することができ、フィルムのハンドリングの点で好ましい。
[フィルムのヘイズ]
光学フィルムとしてフィルムの透明性は重要であり、本発明のセルロースアシレートフィルムのヘイズは、小さいほうが好ましく、0.01〜2.0%であることが好ましい。より好ましくは1.0%以下、更に好ましくは0.5%以下である。ヘイズの測定は、本発明のセルロースアシレートフィルム試料40mm×80mmを、25℃,60%RHでヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)などを用いて、JIS K−6714に従って測定することができる。
[分光特性、分光透過率]
セルロースアシレートフィルムの試料13mm×40mmを、25℃、60%RHで分光光度計“U−3210”{(株)日立製作所}にて、波長300〜450nmにおける透過率を測定することができる。傾斜幅は72%の波長−5%の波長で求めることができる。限界波長は、(傾斜幅/2)+5%の波長で表し、吸収端は、透過率0.4%の波長で表すことができる。これより380nm及び350nmの透過率を評価することができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、偏光板の液晶セルに面した保護フィルムの対向側に用いる場合には、上記方法により測定した波長380nmにおける分光透過率が45%以上95%以下であり、かつ波長350nmにおける分光透過率が10%以下であることが好ましい。
[ガラス転移温度]
本発明のセルロースアシレートフィルムのガラス転移温度は120℃以上が好ましく、更に140℃以上が好ましい。
ガラス転移温度は、示差走査型熱量計(DSC)を用いて昇温速度10℃/分で測定したときにフィルムのガラス転移に由来するベースラインが変化しはじめる温度と再びベースラインに戻る温度との平均値として求めることができる。
また、ガラス転移温度の測定は、以下の動的粘弾性測定装置を用いて求めることもできる。本発明のセルロースアシレートフィルム試料(未延伸)5mm×30mmを、25℃60%RHで2時間以上調湿した後に動的粘弾性測定装置(バイブロン:DVA−225(アイティー計測制御(株)製))で、つかみ間距離20mm、昇温速度2℃/分、測定温度範囲30℃〜250℃、周波数1Hzで測定し、縦軸に対数軸で貯蔵弾性率、横軸に線形軸で温度(℃)をとった時に、貯蔵弾性率が固体領域からガラス転移領域へ移行する際に見受けられる貯蔵弾性率の急激な減少を固体領域で直線1を引き、ガラス転移領域で直線2を引いたときの直線1と直線2の交点を、昇温時に貯蔵弾性率が急激に減少しフィルムが軟化し始める温度であり、ガラス転移領域に移行し始める温度であるため、ガラス転移温度Tg(動的粘弾性)とする。
[フィルムの平衡含水率]
本発明のセルロースアシレートフィルムの含水率(平衡含水率)は、偏光板の保護フィルムとして用いる際、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーとの接着性を損なわないために、膜厚のいかんに関わらず、25℃、80%RHにおける含水率が、0〜4質量%であることが好ましい。0.1〜3.5質量%であることがより好ましく、1〜3質量%であることが特に好ましい。平衡含水率が4質量%以下であれば、光学補償フィルムの支持体として用いる際に、レターデーションの湿度変化による依存性が大きくなりすぎることがなく好ましい。
含水率の測定法は、本発明のセルロースアシレートフィルム試料7mm×35mmを水分測定器、試料乾燥装置“CA−03”及び“VA−05”{共に三菱化学(株)製}にてカールフィッシャー法で測定した。水分量(g)を試料質量(g)で除して算出した。
[フィルムの透湿度]
フィルムの透湿度は、JIS Z−0208をもとに、60℃、95%RHの条件において測定される。
透湿度は、セルロースアシレートフィルムの膜厚が厚ければ小さくなり、膜厚が薄ければ大きくなる。そこで膜厚の異なるサンプルでは、基準を80μmに設け換算する必要がある。膜厚の換算は、下記数式に従って行うことができる。
数式:80μm換算の透湿度=実測の透湿度×実測の膜厚(μm)/80(μm)
透湿度の測定法は、「高分子の物性II」(高分子実験講座4 共立出版)の285頁〜294頁「蒸気透過量の測定(質量法、温度計法、蒸気圧法、吸着量法)」に記載の方法を適用することができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムの透湿度は、400〜5000g/m/24hであることが好ましい。400〜4000g/m/24hであることがより好ましく、400〜3500g/m/24hであることが特に好ましい。透湿度が4000g/m/24h以下であれば、フィルムのRe値、Rth値の湿度依存性の絶対値が0.5nm/%RHを超えるなどの不都合が生じることがなく、好ましい。
[フィルムの寸度変化]
本発明のセルロースアシレートフィルムの寸度安定性は、60℃、90%RHの条件下に24時間静置した場合(高湿)の寸度変化率、及び90℃、5%RHの条件下に24時間静置した場合(高温)の寸度変化率が、いずれも0.5%以下であることが好ましい。
より好ましくは0.3%以下であり、更に好ましくは0.15%以下である。ている。
[フィルムの弾性率]
本発明のセルロースアシレートフィルムの厚みは15〜35μmという薄さであるため、その引張り弾性率が適切な範囲にあるときにロール品のフィルムのハンドリングが容易となり、好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムの引っ張り弾性率の好ましい範囲としては、4.0〜7.0GPaであり、より好ましくは4.5〜6.0GPaである。具体的な測定方法としては、東洋ボールドウィン(株)製万能引っ張り試験機“STM T50BP”を用い、23℃、60RH%雰囲気中、引張速度10%/分で0.5%伸びにおける応力を測定し、弾性率を求める。
[光弾性係数]
本発明のセルロースアシレートフィルムを偏光板保護フィルムとして使用した場合には、偏光子の収縮による応力などにより複屈折(Re、Rth)が変化する場合がある。このような応力に伴う複屈折の変化は光弾性係数として測定できるが、その範囲は、15Br以下であることが好ましく、−3〜12Brであることがより好ましく、0〜11Brであることが更に好ましい。
[アルカリ鹸化処理によるフィルム表面の接触角]
本発明のセルロースアシレートフィルムを偏光板保護フィルムとして用いる場合の表面処理の有効な手段の1つとしてアルカリ鹸化処理が挙げられる。この場合、アルカリ鹸化処理後のフィルム表面の接触角が55°以下であることが好ましい。より好ましくは50°以下であり、45°以下であることが更に好ましい。
[表面処理]
セルロースアシレートフィルムは、場合により表面処理を行うことによって、セルロースアシレートフィルムと各機能層(例えば、下塗層及びバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸又はアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10−3〜20Torrの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、更にまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて30頁〜32頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
[機能層]
本発明のセルロースアシレートフィルムは、その用途として、例えば、光学用途と写真感光材料に適用される。特に光学用途が液晶表示装置であることが好ましく、液晶表示装置が、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光素子、及び該液晶セルと該偏光子との間に少なくとも一枚の光学補償シートを配置した構成であることが更に好ましい。これらの液晶表示装置としては、TN、IPS、FLC、AFLC、OCB、STN、ECB、VA及びHANが好ましい。
その際に前述の光学用途に本発明のセルロースアシレートフィルムを用いるに際し、各種の機能層を付与することが実施される。それらは、例えば、帯電防止層、硬化樹脂層(透明ハードコート層)、反射防止層、易接着層、防眩層、光学補償層、配向層、液晶層などである。これらの機能層及びその材料としては、界面活性剤、滑り剤、マット剤、帯電防止層、ハードコート層などが挙げられ、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて32頁〜45頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
[偏光板]
本発明のセルロースアシレートフィルムの用途について説明する。
本発明のセルロースアシレートフィルムを光学フィルムとして使用する場合、特に偏光板保護フィルム用として有用である。偏光板保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースアシレートフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号、特開平6−118232号に記載されているような易接着加工を施してもよい。
護フィルム処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。
偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。又、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。
液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明の光学フィルムを適用した偏光板保護フィルムはどの部位に配置しても優れた表示性が得られる。特に液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フィルムには透明ハードコート層、防眩層、反射防止層等が設けられるため、該偏光板保護フィルムをこの部分に用いることが特に好ましい。
(一般的な液晶表示装置の構成)
セルロースアシレートフィルムを光学補償フィルムとして用いる場合は、偏光子の透過軸と、セルロースアシレートフィルムからなる光学補償フィルムの遅相軸とをどのような角度で配置しても構わない。液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光子、及び該液晶セルと該偏光子との間に少なくとも一枚の光学補償フィルムを配置した構成を有している。
液晶セルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、更にガスバリアー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、一般に50μm〜2mmの厚さを有する。
(液晶表示装置の種類)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明のセルロースアシレートフィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
(IPS型液晶表示装置)
本発明のセルロースアシレートフィルムは、IPSモードの液晶セルを有するIPS型液晶表示装置の偏光板の保護フィルムとしても特に有利に用いられる。これらのモードは黒表示時に液晶材料が略平行に配向する態様であり、電圧無印加状態で液晶分子を基板面に対して平行配向させて、黒表示する。これらの態様において本発明のセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板は色味、コントラストの視野角による変化の低減に有効である。
また、本発明のセルロースアシレートフィルムの厚み方向のレタデーション(Rth)は−10〜5nmであるが、更に450〜650nmの領域において、Rthが0nm以下であることが、色味の変化が小さく、特に好ましい。
液晶セルの上下の前記偏光板の保護フィルムのうち、液晶セルと偏光子との間に配置された保護フィルム(セル側の保護フィルム)として本発明のセルロースアシレートフィルムを少なくとも液晶セルの片側に、好ましくは両側に用いることが好ましい。また、偏光板の保護フィルムと液晶セルの間に光学異方性層のレターデーションの値を、液晶層のΔn・dの値の2倍以下に設定した光学異方性層を片側に配置してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
《1》光学フィルムの製造と評価
以下に示す材料と製造方法によりフィルムを製造した。
(ポリマー溶液の調製)
1〕セルロースアシレート
表4に記載のアセチル基の置換度の異なるセルロースアシレート(アセチルセルロース)を使用した。各セルロースアシレートは120℃に加熱して乾燥し、含水率を0.5質量%以下とした後、20質量部を使用した。使用したセルロースアシレートの数平均分子量は90,000〜13,0000の範囲であった。
2〕溶媒
ジクロロメタン/メタノール=87/13(質量比)の混合溶媒を使用した。含水率は0.2質量%以下であった。
3〕添加剤
(添加剤A:ポリエステルオリゴマー)
下記表3に記載の組成(ジカルボン酸及びジオールを下記表3に記載のモル比率で使用)、数平均分子量(Mn)、及び末端の構造であるポリエステルオリゴマー101〜106を使用した。
Figure 0006333301
末端構造において、AcOはアセチル基で封止したものである。例えば、ポリエステル101は、アジピン酸とエチレングリコールとを50/50(モル比)で反応させ、アセチル基で封止して得られたポリエステルオリゴマーであることを表す。
(添加剤B:糖エステル化合物)
表1に記載の糖エステル化合物M−1、表2に記載の糖エステル化合物D−1、及びD−5を使用した。また、比較化合物C−1としてスクロースベンゾエート(8置換)を用いた。
4〕ポリマー溶液調整下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、ポリマー溶液を調製した。
(各成分の添加量)
・セルロースアシレート(置換度は表4に記載) 20質量部
・混合溶媒 100質量部
・ポリエステルオリゴマー 表4に記載の量(セルロースアシレートに対する質量%)
・糖エステル化合物 表4に記載の量(セルロースアシレートに対する質量%)
・二酸化ケイ素微粒子(粒子サイズ20nm、モース硬度約7) 0.02質量部
(フィルムの作製)
上記ポリマー溶液を平均孔径34μmのろ紙及び平均孔径10μmの焼結金属フィルターでろ過した後、バンド流延機を用いて流延した。残留溶剤量30%でフィルムをバンドから剥離し、得られるフィルムの残留溶剤量が0.2%以下となるように乾燥温度、時間を適宜調整し、フィルムを作製した。得られたフィルムの膜厚は表4に示すとおりであった。
Figure 0006333301
実施例及び比較例のセルロースアシレートフィルムの引張り弾性率は、東洋ボールドウィン(株)製万能引っ張り試験機“STM T50BP”を用い、23℃、相対湿度60%雰囲気中、引張り速度10%/分で0.5%伸びにおける応力を測定し、MD及びTDの引張り弾性率の平均値を表中に記載した。
本発明のセルロースアシレートフィルムの厚みは15〜35μmという薄さであるため、その引張り弾性率が適切な範囲にあるときにロール品のフィルムのハンドリングが容易であり、好ましい範囲としては、4.0〜7.0GPaであり、より好ましくは4.5〜6.0GPaである。
《2》偏光板の作製と評価
(偏光板の作製)
1〕フィルムの鹸化
実施例及び比較例で作成した各フィルム及びフジタックTD40UC(富士フイルム(株)製)を37℃に調温した4.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(けん化液)に1分間浸漬した後、フィルムを水洗し、その後、0.05mol/Lの硫酸水溶液に30秒浸漬した後、更に水洗浴を通した。そして、エアナイフによる水切りを3回繰り返し、水を落とした後に70℃の乾燥ゾーンに15秒間滞留させて乾燥し、鹸化処理したフィルムを作製した。
2〕偏光膜の作製
特開2001−141926号公報の実施例1に従い、2対のニップロール間に周速差を与え、長手方向に延伸し、厚み20μmの偏光膜を調製した。
3〕貼り合わせ
このようにして得た偏光膜と、前記鹸化処理したフィルムのうちから2枚選び、これらで前記偏光膜を挟んだ後、PVA((株)クラレ製、PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、偏光軸とフィルムの長手方向とが直交するようにロールツーロールで貼り合わせて偏光板を作成した。ここで、偏光膜の一方のフィルムは、表4記載のフィルム群から選択される1枚を鹸化したフィルムとし、他方のフィルムはフジタックTD40UCを鹸化したフィルムとした。
《3》液晶表示装置への実装評価(IPS型液晶表示装置への実装)
市販の液晶テレビ(IPSモードのスリム型42型液晶テレビ)から、液晶セルを挟んでいる偏光板を剥がし取り、前記作製した偏光板を、表4に記載のフィルムが液晶セル側に配置されるように、粘着剤を介して液晶セルに再貼合した。組みなおした液晶テレビの表示特性を確認し、正面及び斜めからの輝度、色味を確認したところ、試料No.5、8、9、18のフィルムを用いて作製した偏光板では、斜めから観察した際の色味変化が大きくなり、表示特性に劣ることが確認された。(表中、表示性能B)それ以外の偏光板はいずれも偏光板を剥がし取る前と同等の特性を示した。(表中、表示性能A)
4〕偏光板耐久性評価
上記で作製した偏光板について、各実施例及び比較例のセルロースアシレートフィルムの側を粘着剤でガラス板に貼り合せたサンプル(約5cm×5cm)を二組作製した。これをクロスニコルに配置して、UV3100PC(島津製作所社製)を用いて直交透過率を410nmで測定し、10回測定の平均値を直交透過率(%)とした。
その後、60℃、相対湿度95%の環境下で500時間保存した後の直交透過率を前記方法で測定した。偏光板耐久性の評価値を以下のように定義する。
偏光板耐久性の評価値
=〔経時後の直交透過率(%)−経時前の直交透過率(%)〕/経時前の直交透過率(%)
上記評価値を偏光板耐久性として上記表4に結果を記載した。偏光板耐久性の評価値は小さいほど好ましい。
表4に示した結果から明らかなように、ポリエステルオリゴマー101又は102(芳香族ジカルボン酸成分のモル比が本発明の範囲外)を単独で含有させたフィルム(試料No.1、2)、糖エステル化合物を含有したとしてもポリエステルオリゴマーにおける芳香族ジカルボン酸成分のモル比が本発明の範囲外のフィルム(試料No.3、4)は、偏光板耐久性が大きく劣っていたことが分かる。ポリエステルオリゴマー103、104又はエステル化合物M−1を単独で含有させたフィルム(試料No.5、8、18)は、Rthが大きく、表示特性が劣っていたことが分かる。
本発明の範囲外の糖エステル化合物を使用したフィルム(試料No.9)も、Rthが大きく、表示特性が劣っていたことが分かる。
一方、ポリエステルオリゴマー103〜106のいずれかと、糖エステル化合物M−1、D−1、D−5のいずれかを添加した実施例であるフィルムでは、初期の表示特性に優れ、かつ偏光子耐久性が高く、25μmと薄いフィルム厚でもハンドリングが容易となる高い弾性率が達成できていることが分かる。

Claims (9)

  1. 下記添加剤(A)及び(B)をそれぞれ1種以上含有し、
    温度25℃相対湿度60%環境下で、波長590nmにおける面内レタデーション(Re)が−5〜5nmであるセルロースアセテートフィルム(但し、セルロースアシレートと、下記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物又はその残基を複数含む多量体の紫外線吸収剤を含有するセルロースアシレートフィルムであって、前記化合物又はその残基の含有量がセルロースアシレートに対して2.5質量%以上10質量%以下である、セルロースアシレートフィルムを除く)。
    ・添加剤(A):ジカルボン酸とジオールとからなる繰り返し単位を有する、数平均分子量が500〜3000であるポリエステルオリゴマーであって、前記ジカルボン酸について、脂肪族ジカルボン酸のモル比をm、芳香族ジカルボン酸のモル比をnとしたとき、m:nが2:8〜0:10であり、芳香族ジカルボン酸が、フタル酸、イソフタル酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、又は2,3−ナフタレンジカルボン酸であるポリエステルオリゴマー
    ・添加剤(B):スクロースの水酸基の全てもしくは一部をアルキルエステル化した糖エステル化合物
    Figure 0006333301


    (式中、Q11は含窒素芳香族複素環を表し、Q12は芳香族環を表す。)
    Figure 0006333301


    (式中、R221〜R228は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい脂肪族基、置換基を有してもよい芳香族基、又は置換基を有してもよい複素環基を表す。R221〜R228は、部分構造として、−COO−、−OCO−、―NRCO−、−CONR、−O−、−NR’、−SONR、−NRSO−、−S−、又は−SO−を有してもよい。R及びR’は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表す。)
    Figure 0006333301


    (式中、Q31及びQ32はそれぞれ独立に芳香族環を表す。X31はNR、酸素原子、又は硫黄原子を表す。Rは水素原子又は置換基を表す。)
  2. 前記添加剤(B)は、スクロースの水酸基の全てもしくは一部を脂肪族モノカルボン酸によりアルキルエステル化した糖エステル化合物であり、該脂肪族モノカルボン酸が酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸のうち少なくとも1種である請求項1に記載のセルロースアセテートフィルム。
  3. 前記添加剤(A)が、少なくとも一方の末端をモノカルボン酸で封止したポリステルである請求項1又は2に記載のセルロースアセテートフィルム。
  4. 前記モノカルボン酸が、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸及びその誘導体のうち少なくとも1種である、請求項に記載のセルロースアセテートフィルム。
  5. 前記添加剤(A)及び(B)の含有量の合計が、セルロースアセテートに対して5〜20質量%である、請求項1〜のいずれか1項に記載のセルロースアセテートフィルム。
  6. 前記セルロースアセテートフィルムは、温度25℃相対湿度60%環境下で、波長590nmにおける厚み方向のレタデーション(Rth)が−5〜5nmである、請求項1〜のいずれか1項に記載のセルロースアセテートフィルム。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のセルロースアセテートフィルムを少なくとも1枚含む偏光板。
  8. 請求項に記載の偏光板を含む液晶表示装置。
  9. IPSモードである請求項に記載の液晶表示装置。
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