JP6331757B2 - 鋼の連続鋳造用設備 - Google Patents
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例えば電磁力は、非接触で鋳型内の溶鋼流動を制御できるため、従来から様々な方法が検討されてきた。この方法として、鋳型の長辺壁の背面側に電磁撹拌装置(以下、EMSともいう)を設置し、相対する長辺壁でそれぞれ逆向きの推力を付与することにより、鋳型内のメニスカス近傍の水平断面内で旋回流を形成するように撹拌流を付与する方法が、広く用いられている。図7に、EMS印加時の鋳型内の溶鋼流動の模式図を示す。
上記方法を適用することで、凝固シェルへのAr(アルゴン)気泡や介在物の捕捉を防止することができる。また、その効果は、撹拌流の流速上昇と共に大きくなるため、十分な撹拌流を付与することが好ましい。
このような状況下で溶鋼の凝固が進行すると、コーナー部が最初に凝固するため、長辺壁側と短辺壁側の双方の凝固収縮により、コーナー部の凝固部分が鋭角となる。そのため、コーナー位置から30mm程度離れた部位、いわゆるオフコーナー部では、鋳型に対して浮き上がるため凝固が遅れる。
特に、コーナー間の距離が短く、湯面レベルの凹凸に伴う勾配が大きい短辺壁に着目すると、図8(B)に示すように、厚み中央部では、湯面レベルの凹凸によってコーナー部よりも遅れて凝固が開始するものの、オフコーナー部が浮き上がり相対的に凝固が遅れることで、厚み中央部の凝固が先に進むことになり、オフコーナー部で最も凝固が遅れる。
その結果、湯面位置から衝突流の影響を受け続けるため、溶鋼の凝固が遅れる。特に、亜包晶鋼のように、δ/γ変態に伴う不均一凝固を生じやすい鋼種の鋳造においては、オフコーナー部は曲げモーメントにより更に浮き上がり、凝固遅れが加速することに加え、界面で引張応力が作用し内部割れを生じ易い。また、長辺壁側のコーナー部近傍についても状況は同じであるが、湯面レベルの凹凸の勾配が短辺壁側と比較して小さく、また、長辺壁側のコーナー部近傍にノズル吐出流が衝突する条件はまれであるため、オフコーナー部での凝固遅れの影響は短辺壁側において顕著となる。
そのため、撹拌流やノズル吐出流等を調整する必要があることは言うまでもないが、そもそも鋳型自体の構成の工夫で、湯面の盛り上がりに伴う鋳片変形を防止することができれば、流れの影響を最小化できるはずである。
また、特許文献2には、引き抜き方向に対して垂直な断面形状が矩形となる鋳片を連続鋳造する際に用いる連続鋳造用鋳型であって、鋳型の断面形状が略矩形で、該略矩形の各辺がそれぞれ外側に向かって湾曲しつつ、その張り出し量が引き抜き方向に向かって減少し、かつ、各辺のコーナー間隔が引き抜き方向に向かって0.5%/m以上の割合で狭くなるように構成された鋳型が開示されている。
そして、EMSによって付与される流動を前提とした鋳型としては、特許文献3、4に記載の鋳型が挙げられる。この特許文献3に記載の鋳型は、長辺壁と浸漬ノズルとのクリアランスを広げるため、長辺壁の一部を鋳型の外側に向けて湾曲状に広げている。一方、特許文献4に記載の鋳型は、隣接する各面のなす4箇所のコーナーに関し、対向する対となるコーナーが角落し状の形状で構成されており、短辺壁の内面の平断面形状を、鋳造方向全体に渡って湾曲形状としている。
特許文献1のように、凝固収縮に合わせて鋳造方向で短辺壁のテーパー値を異なった値とする鋳型は、前述したEMSにより湯面レベル近傍で形成される撹拌流に伴う短辺壁近傍での湯面レベル形状の凹凸、即ち4つのコーナー部の湯面の盛り上がりによる凝固不均一を意識したものではない。このような湯面レベル形状を有する条件下で鋳造を行う場合、鋳造方向に短辺壁のテーパー値を調整するだけでは不十分である。
また、特許文献2の鋳型を適用するうえでは、鋳造サイズが鋳造中一定であることが必要であるため、鋳造中に鋳造幅を変化させるスラブ鋳造に、本方法を適用することは困難である。更に、湯面レベル近傍で旋回流を付与する方法においては、長辺壁側の全幅にわたって流動が付与され、凝固を均一化することができるため、長辺壁側においては鋳型の外側に張り出す必要はない。
加えて、特許文献4の鋳型は、上記構成とすることで、溶鋼流の旋回性の向上を狙ったものであるが、短辺壁の内面の平断面形状を、鋳造方向全体に渡って同一形状としているため、凝固収縮の影響によりエアギャップができてしまい、逆に凝固不均一が生じる。
(1)それぞれ対向配置された一対の長辺壁と一対の短辺壁を備えた溶鋼鋳造用の鋳型と、該鋳型内に溶鋼を供給する浸漬ノズルと、前記一対の長辺壁の裏面側に該長辺壁に沿って配置され、前記鋳型内のメニスカスの近傍で旋回流を付与する電磁撹拌装置とを有する鋼の連続鋳造用設備であって、
前記短辺壁の内面の平断面形状を、前記メニスカスの近傍で前記鋳型の外側に張り出す湾曲形状とし、しかも、鋳造方向に、前記湾曲形状の張り出し量を減少させると共に、前記湾曲形状の曲率半径を徐々に大きくして、下部で平坦形状とし、かつ、前記湾曲形状の形成範囲を、前記短辺壁の上端から、前記電磁撹拌装置の下端以下であって前記浸漬ノズルの浸漬深さよりも上方の位置P2までの範囲とし、前記湾曲形状の前記電磁撹拌装置の上端位置での張り出し量δ(mm)と、前記鋳型で鋳造する鋳片の厚みT(mm)とが、下式の関係を満足したことを特徴とする鋼の連続鋳造用設備。
0.004≦δ/T≦0.04
なお、上記した旋回流が付与されるメニスカスの近傍と、短辺壁の内面の平断面形状を湾曲形状とするメニスカスの近傍とは、略同様の範囲となる。
その結果、鋳型内の湯面近傍で旋回流を付与しつつ凝固の均一化が図れ、鋳造速度の高速化も可能となり好適である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る鋼の連続鋳造用設備は、それぞれ対向配置された一対の長辺壁(図示しない)と一対の短辺壁10、11を備えた溶鋼鋳造用の鋳型12と、この鋳型12内に溶鋼を供給する浸漬ノズル(図示しない)と、一対の長辺壁の裏面側に該長辺壁に沿って配置され、鋳型12内のメニスカス(以下、湯面ともいう)の近傍で旋回流を付与する電磁撹拌装置(図示しない)とを有する設備であり(図7参照)、以下の構成(a)〜(c)を特徴とするものである。
なお、湾曲形状に張り出した部分は、鋳型12から見て凹んだ部分となるため、凹部14ともいう。
なお、浸漬ノズルの浸漬深さとは、吐出口の下端位置の深さ(例えば、200〜300mm程度)であり、浸漬ノズルの吐出口の下端位置は、電磁撹拌装置の下端より下方に位置している。
0.004≦δ/T≦0.04 ・・・(1)
なお、張り出し量δとは、張り出しが形成されていない短辺壁を基準として、張り出しが最大となっている位置での張り出し量(最大値)を意味している。
以下、本発明に想到した経緯について説明する。
まず、鋳型の短辺壁の構成を、上記した(a)の構成とすることにより、
1)長辺壁と短辺壁の各方向への凝固収縮を補償できること
2)コーナー部近傍の形状変化に対し、鋳型自体の構成で追随できること
3)撹拌流の衝突によるコーナー部での圧力上昇を緩和できること
の3点が可能となるのではないかと考えた。
調査に際しては、転炉での精錬と還流式真空脱ガス装置での処理、並びに合金添加により、0.1%C鋼を溶製した。そして、幅1200mm、厚み250mmの鋳片を、鋳造速度1.5m/分で鋳造した。
ここで、鋳造は、長辺壁の背面側にEMSを搭載した連続鋳造用設備を用い、EMSによってメニスカス近傍で水平断面内に旋回流を形成する条件で行った。なお、EMSの設置は、コアの上端が鋳型内の湯面の位置と一致するように行った。また、湯面での撹拌流の流速は40cm/秒とした。この撹拌流速については、以下の方法で測定したものを用いた。
鋳片の水平断面において、長辺側の表面から5mmの位置で、表面から内部に向かって成長しているデンドライトの傾角(表面に対する法線からの傾角)を測定し、岡野らの式(岡野ら:鉄と鋼,61(1975),2982)を用いて、凝固シェル前面流速に換算した。本来、メニスカスでの流速を求めるべきであるが、最表層部のデンドライト傾角は核生成の影響を受け、ばらついている。
そこで、明瞭に組織を観察でき、傾角が安定している条件として、5mm位置を採用した。なお、5mm位置としても、一般的な鋳造速度の条件では、EMSのコア中心よりも上部であり、測定値はメニスカスでの流速と考えてよい。
上記した岡野らの式においては、凝固速度が必要となる。ここで、凝固シェル厚D(mm)は、凝固時間t(分)を用いて、D=kt1/2で表現されることがよく知られている。そこで、k値を20として上記式を微分し、凝固速度を求めた。
このようにして、鋳片の全幅を1/8幅間隔で測定して得た流速について、幅方向の平均値を撹拌流速とした。なお、凝固組織の現出には、界面活性剤を添加したピクリン酸飽和水溶液を用いた。
図2で観察されるホワイトバンド(図2中の白線部分)は、浸漬ノズルからのノズル吐出流が凝固シェルに当たり、凝固シェル前面の濃化した溶鋼を洗い流すために生じるものである。従って、鋳片の表面からホワイトバンドまでの厚みが、吐出流が衝突した位置での凝固シェルの厚みを表す。このため、鋳片の短辺壁側において、表面からホワイトバンドまでの厚みが、略一定となった部位(コーナーから約50mm程度離れた部位)の厚みAと、最も薄い部位(コーナー部近傍のオフコーナー部)の厚みBとの比、即ちB/Aを、凝固均一度とした。なお、凝固均一度は、0.7以上であれば、内部割れも見られないため、0.7を判定条件とした。
また、鋳型抵抗は、測定したオシレーション電流値と、スティッキング性ブレークアウトが生じた際のオシレーション電流値とを比較することで、大小を評価した。
以下、実験結果について説明する。
図3は、湾曲形状の形成範囲を、湯面レベル(メニスカスの位置P1)から鋳造方向に200mmまでの範囲とした結果であるが、湯面レベルでの張り出し量を1mm以上とすることで、オフコーナー部での凝固遅れが解消され、張り出し量の増加と共に凝固均一度が改善した。なお、張り出し量を10mm以上とすることで、鋳型抵抗が増大する傾向が得られた。
この結果は、鋳片の厚みを250mmとした場合の結果であるが、厚みを種々変更した実験の結果、メニスカスの位置P1での必要な張り出し量δ(mm)は、鋳型で鋳造する鋳片の厚みT(mm)に、比例することがわかった。
この関係式は、前記した(1)式で示されるため、鋳型の短辺壁の構成に、前記した(c)の構成を含めた。
ここで、前記した(a)の構成により、高い凝固均一度が得られた理由について整理すると、以下のようになる。
1)平断面視した短辺壁の内面長さが実質的に変わることになるため、メニスカス近傍で長辺壁にテーパーを付与したのと同じ効果が得られる。
2)コーナー部の形状についても、メニスカスでは90度よりも鈍角となるため、コーナー部の圧力上昇が緩和され、盛り上がり量そのものが小さくなる。
3)鋳型は、鋳片に対して鋳造方向に、コーナーを絞り込むように角度を変化させて90度に漸近させる。そのため、EMSによる溶鋼の盛り上がりが生じ、しかも、オフコーナー部での凝固遅れが生じやすい、コーナー部の凝固均一化に有効である。
ここで、EMSのコアの高さ方向の厚み(以下、コア厚ともいう)は200mmとしているが、張り出しを設けた領域(形成範囲)がEMSのコア厚と同等以上であれば、張り出しを設けることによる改善効果が得られた。しかしながら、張り出しの形成範囲が、EMSのコア厚と比較して短い100mmの場合、凝固均一度の改善は不十分であり、一方、張り出しの形成範囲がEMSのコア厚よりも更に長く、かつ、浸漬ノズルの浸漬深さである250mmより長い場合、効果は小さくなった。
従って、鋳型の短辺壁の構成に、上記した(b)の構成も含めた。
ここでは、EMSの電流値を変化させ、メニスカスでの流速を1m/秒まで振って試験を行った。ここで説明するメニスカスでの流速は、前述した方法で評価した、鋳片表面から5mm位置におけるデンドライト傾角から測定した結果である。その結果、撹拌を加えない場合も含めて、試験条件の範囲では、凝固の均一化が図れた。更に、メニスカスでの流速が0.6m/秒以下であれば、凝固均一化の効果がより顕著にみられた。
なお、メニスカスの流速が0.6m/秒のとき、メニスカスでのコーナー部の盛り上がり高さは、短辺壁側の厚み中央部と比較して10〜20mmの差があった。また、メニスカスの流速が1m/秒のとき、メニスカスでのコーナー部の盛り上がり高さは、短辺壁側の厚み中央部と比較して20〜30mmの差があった。
以上のことから、本発明の鋼の連続鋳造用設備の適用範囲は、メニスカスの流速が1m/秒以下、短辺壁側の盛り上がり高さが最大30mm以下の場合となるが、更にメニスカスでの流速が0.6m/秒以下であれば、凝固均一化の効果が顕著となる。
短辺壁は、一段のテーパーを前提としている。そのため、張り出しを形成しない場合のコーナー部を基準にして、それぞれの鋳造条件において選択されるテーパー率に従い、短辺壁の設定角度を変え、鋳型の上端幅と下端幅を設定すればよい。その際、メニスカスの位置P1から、EMSのコア厚以上であって浸漬ノズルの浸漬深さよりも上方の位置P2までの範囲となるように、張り出しの形成範囲を設定すればよく、更には、メニスカスの位置P1での張り出し量δ(mm)と鋳片の厚みT(mm)との比δ/Tを、0.004以上0.04以下(即ち、前記した(1)式)で調整すればよい。
仮に、δ/Tが0.04であったとしても、メニスカスにおける短辺壁の内面が形成する円弧の長さと、下部の平坦部における長さとの比をとると、凝固収縮量よりも明らかに小さい。そのため、鋳片は、張り出しの領域で拘束されることはなく、凝固均一化を図ることができる。
また、本発明により、凝固の均一化が図れることから、鋳造速度の高速化が可能となるため、本発明を、鋳造速度が1.3m/分以上、更には1.5m/分以上の鋳造に適用することが好ましい。なお、上限値については規定していないが、現状可能な上限値としては、例えば、2.5m/分程度である。
更に、撹拌流の影響がなくなった下方では、通常のテーパーにより、厚み方向一様に絞りこむことで、凝固の均一化が図れる。その結果、短辺壁の形状を直線状とすることができ、オフコーナー部の凝固遅れを解消することができる。
加えて、本発明に用いる鋳型では、短辺壁の内面形状を曲線状とするため、コーナーに旋回流が衝突する際の圧力が緩和される効果も有する。そのため、短辺壁側の湯面形状の凹凸を低減する効果も有する。
まず、転炉での精錬と還流式真空脱ガス装置での処理、並びに合金添加により、0.1%C鋼を溶製した。そして、この溶鋼を、幅1800mm、厚み280mmのスラブに鋳造した。
ここで、鋳造は、短辺壁の形状が異なる鋳型を幾つか準備し、長辺壁の背面側にEMSを搭載した連続鋳造用設備を用いて、EMSによってメニスカス近傍で水平断面内で旋回するように撹拌流を形成する条件で行った。このEMSの通電条件を変えることで、撹拌流速を変化させた。なお、EMSの設置は、コアの上端が鋳型内の湯面の位置と一致するように行った。また、EMSのコア厚は0.2mである。そして、浸漬ノズルの浸漬深さは0.25mであり、鋳造速度は1.6m/分であり、浸漬ノズル内にArガスを10NL/分、流した。また、短辺壁のテーパーは、1.4%/m(対向する短辺壁において、メニスカス位置での短辺壁間距離S1と下端位置での短辺壁間距離S2との差を、メニスカス位置での短辺壁間距離S1で除して%で示し、これを短辺壁の鉛直方向(鋳造方向)の長さで除した値)とした。
前記した図2と同様、凝固組織をエッチングにて現出し観察されるホワイトバンドについて、コーナーから離れた部位の厚みAと、コーナー近傍で厚みが最も薄い部位の厚みBとの比、B/Aを、凝固均一度とした。なお、凝固均一度については、0.7以上を良好として、評価した。
更に、凝固遅れ部に内部割れ(表皮下割れ)が見られるか否かを調査した。
併せて、鋳型抵抗についても調べた。なお、鋳型抵抗については、オシレーション電流を測定し、スティッキング性ブレークアウトが生じた際のオシレーション電流値よりも小さい場合を「小」とし、スティッキング性ブレークアウトが生じた際のオシレーション電流値以上の場合を「大」として、評価した。
また、EMSの撹拌流速は、前述した方法と同じ方法で測定し、0.4〜1.0m/秒であった。
表1に、試験条件と結果を示す。
特に、実施例4は、撹拌流速が0.6m/秒である場合の結果を示しているが、鋳型抵抗が増大することなく、凝固均一度が0.7以上の値が得られ、大幅に改善した。
また、実施例5は、撹拌流速が1.0m/秒である場合の結果を示しているが、鋳型抵抗が増大することなく、凝固均一度が0.7となった。なお、上記した実施例4と比較すると、凝固均一度は若干低下したものの、以下に示す比較例と比べると、改善効果が得られた。
また、比較例2は、張り出しを上記した適正範囲内に設けたものの、δ/Tを適正範囲の上限値超である0.046とした条件である。この場合、凝固均一度は比較的良好であったものの、抵抗値が局部的に大きくなり、一部拘束されたような表面性状があった。
そして、比較例3については、張り出しを設けて、δ/Tを適正範囲内の0.007としたものの、張り出しの形成範囲が、EMSのコア厚と比較して短かったため、凝固均一度が低値であった。
比較例5は、張り出しを設けて、δ/Tを適正範囲内の0.036としたものの、張り出しの形成範囲を浸漬ノズルの浸漬深さ以上の0.5mとしたため、凝固均一度の改善効果が小さく不適であった。また、凝固遅れ部の内部割れも観察された。
また、図1においては、湾曲形状の張り出しを、短辺壁の上端から、EMSの下端以下であって浸漬ノズルの浸漬深さよりも上方の位置P2までの範囲に形成しているが、少なくともメニスカスの位置P1から鋳造方向に形成していれば、特に限定されるものではない。
Claims (1)
- それぞれ対向配置された一対の長辺壁と一対の短辺壁を備えた溶鋼鋳造用の鋳型と、該鋳型内に溶鋼を供給する浸漬ノズルと、前記一対の長辺壁の裏面側に該長辺壁に沿って配置され、前記鋳型内のメニスカスの近傍で旋回流を付与する電磁撹拌装置とを有する鋼の連続鋳造用設備であって、
前記短辺壁の内面の平断面形状を、前記メニスカスの近傍で前記鋳型の外側に張り出す湾曲形状とし、しかも、鋳造方向に、前記湾曲形状の張り出し量を減少させると共に、前記湾曲形状の曲率半径を徐々に大きくして、下部で平坦形状とし、かつ、前記湾曲形状の形成範囲を、前記短辺壁の上端から、前記電磁撹拌装置の下端以下であって前記浸漬ノズルの浸漬深さよりも上方の位置P2までの範囲とし、前記湾曲形状の前記電磁撹拌装置の上端位置での張り出し量δ(mm)と、前記鋳型で鋳造する鋳片の厚みT(mm)とが、下式の関係を満足したことを特徴とする鋼の連続鋳造用設備。
0.004≦δ/T≦0.04
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