JP6330959B1 - 金属粉末製造装置と金属粉末の製造方法 - Google Patents

金属粉末製造装置と金属粉末の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた冷却作用を奏する金属粉末製造装置を提供する。【解決手段】溶融金属を吐出する溶融金属供給部と、前記溶融金属供給部の下方に設置される筒体と、前記溶融金属供給部から吐出された前記溶融金属を冷却する冷却液の流れを、前記筒体内に形成する冷却液流形成部と、を有する金属粉末製造装置であって、前記冷却液流形成部は、前記筒体の軸方向の上部から下部に向けて、前記筒体の内周壁に沿って膜状に前記冷却液を流出し、前記筒体内に前記冷却液の流れを形成することを特徴とする金属粉末製造装置。【選択図】図2

Description

本発明は、金属粉末製造装置と金属粉末の製造方法に関する。
たとえば特許文献1に示すように、いわゆるガスアトマイズ法を用いて金属粉末を製造する金属粉末製造装置とその装置を用いた製造方法が知られている。従来の装置は、溶融金属を吐出する溶融金属供給容器と、この溶融金属供給容器の下方に設置される筒体と、溶融金属供給部から吐出された溶融金属を冷却する冷却液の流れを、筒体の内周壁に沿って形成する冷却液層形成部と、を有する。
冷却液層形成手段は、冷却用筒体の内周壁の接線方向に向けて線状に冷却液を噴射し、冷却液を冷却容器の内周壁に沿って旋回させながら流下させることにより、冷却液層を形成している。冷却液層を用いることで、溶滴を急冷し、高機能性の金属粉末を製造することができることが期待されている。
しかしながら、従来の装置では、冷却用筒体の内周壁の接線方向に向けて冷却液を線状に噴射したとしても、冷却液の一部は、筒体の内周壁に衝突して跳ね返り、冷却液の流れに多量の空気を巻き込む問題を生じ、十分な冷却作用を奏することができない。
特開平11−80812号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、優れた冷却作用を奏する金属粉末製造装置と、それを用いる金属粉末の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る金属粉末製造装置は、
溶融金属を吐出する溶融金属供給部と、
前記溶融金属供給部の下方に設置される筒体と、前記溶融金属供給部から吐出された前記溶融金属を冷却する冷却液の流れを、前記筒体内に形成する冷却液流形成部と、を有する金属粉末製造装置であって、
前記冷却液流形成部は、前記筒体の軸方向の上部から下部に向けて、前記筒体の内周壁に沿って膜状に前記冷却液を流出し、前記筒体内に前記冷却液の流れを形成することを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る金属粉末の製造方法は、
溶融金属供給部の下方に設置される筒体の内周壁に沿って冷却液の流れを形成する工程と、
前記溶融金属供給部から溶融金属を前記冷却液の流れに向けて吐出する工程と、を有する金属粉末の製造方法であって、
前記冷却液の流れを形成する工程では、前記筒体の上部から下方に向けて、前記筒体の前記内周壁に沿って膜状に前記冷却液を流出することを特徴とする。
本発明に係る金属粉末製造装置および金属粉末の製造方法では、筒体の軸方向の上部から下部に向けて、筒体の内周壁に沿って膜状に冷却液を流出し、筒体内に前記冷却液の流れを形成する。従来の金属粉末製造装置では、冷却液を線状に流出させていたため、冷却液の流れの中に多くの空気を巻き込む問題を生じていたが、本発明では冷却液を膜状に流出することで、冷却液の流れの中に空気等の雰囲気ガスを巻き込む問題を効果的に抑制し、冷却液による冷却効果を高めることができる。
また、たとえば、前記冷却液流形成部は、第1の流路断面積を有する外周部を有してもよい。冷却液流形成部が外周部を有することにより、外周部において冷却液が流れる方向を調整し、これにより冷却液流形成部から流出する冷却液の流れに空気等が巻き込まれる問題を防止できる。
また、たとえば、前記外周部は、前記筒体の前記軸方向に対する直交面に沿って、かつ、前記筒体における前記内周壁の同心円方向に沿って形成されていてもよい。外周部をこのように形成することで、外周部において冷却液が流れる方向を調整し、冷却液流形成部から流出する冷却液が内周壁に衝突して空気等を巻き込む問題を防止できる。
また、たとえば、前記冷却液流形成部は、前記第1の流路断面積より狭い第2の流路断面積を有しており、前記外周部に前記冷却液を流入させる流入部を有していてもよく、前記第1の流路断面積より狭い第3の流路断面積を有しており、前記外周部から前記内周壁に沿って膜状に前記冷却液を流出させる冷却液吐出部と、を有していてもよい。外周部の流路断面積を大きくすることにより冷却液の流れ方向を調整しつつ効果的に整流することができ、冷却液吐出部の流路断面積を狭くすることにより冷却液の流出速度を高めることができるため、このような金属粉末製造装置は、溶融金属に対して優れた冷却効果を奏する。
また、たとえば、金属粉末製造装置は、前記流入部に対して、前記筒体の前記軸方向に傾斜する方向に沿って接続しており、前記流入部に前記冷却液を供給する冷却液供給部をさらに有してもよい。このような冷却液供給部を有する金属粉末製造装置は、外周部において冷却液が流れる方向を、内周壁と同心円方向に容易に調整することが可能であり、冷却液流形成部から流出する冷却液が内周壁に衝突して空気を巻き込む問題を防止できる。
また、前記冷却液流形成部は、前記筒体の径方向に沿って伸びており前記外周部から前記内周壁に沿って膜状に前記冷却液を流出させる冷却液吐出部を有してもよい。冷却液吐出部が筒体の径方向に沿って伸びていることにより、冷却液流形成部から流出する冷却液が内周壁に衝突して空気を巻き込む問題を防止できる。
また、前記冷却液吐出部は、内径側より外径側の方が広い開口幅を有してもよい。このような冷却液吐出部を有する冷却液流形成部は、内周壁に近づくほど冷却液の流出量が大きくなるため、内周壁に沿う冷却液の流れを安定化させ、冷却液の流れが空気等のガスを巻き込む問題を防止できる。
また、たとえば、前記冷却液流形成部は、第1の流路断面積を有しており前記冷却液の圧力を溜める外周部を有していてもよく、前記外周部は、前記筒体の前記軸方向に対する直交面に沿って、かつ、前記筒体における前記内周壁の同心円方向に沿って形成されていてもよく、前記冷却液吐出部は、前記外周部の形成方向に沿って配置されていてもよい。冷却液吐出部を、内周壁の直交面及び内周壁の同心円方向に沿って形成された外周部に沿って配置することにより、内周壁の内側に形成される冷却液の流れに空気等が巻き込まれる問題を防止できる。
図1は本発明の一実施形態に係る金属粉末製造装置の概略断面図である。 図2は図1に示す金属粉末装置に含まれる冷却液流形成部及び冷却液供給部を示す斜視図である。 図3は図2に示す冷却液流形部の一部を拡大した部分斜視図である。 図4は図1に示す冷却液流形成部が有する冷却液吐出部の形状を表す概念図である。 図5は冷却液流形成部が有する冷却液吐出部に関する第1変形例を示す概念図である。 図6は冷却液供給部に関する第2変形例を示す部分拡大図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
第1実施形態
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る金属粉末製造装置10は、溶融金属21をアトマイズ法(ガスアトマイズ法)により冷却固化して、多数の金属粒子で構成された金属粉末を得るための装置である。この金属粉末製造装置10は、溶融金属21を吐出する溶融金属供給部20と、溶融金属供給部20の鉛直方向の下方に配置してある冷却部30とを有する。図面において、鉛直方向は、Z軸に沿う方向である。
溶融金属供給部20は、溶融金属21を収容する耐熱性容器22を有する。耐熱性容器22の外周には、加熱用コイル24が配置してあり、耐熱性容器22の内部に収容してある溶融金属21を加熱して溶融状態に維持するようになっている。耐熱性容器22の底部には、吐出口23が形成してあり、そこから、冷却部30の筒体32の内周壁33上に形成された冷却液の流れ60に向けて、溶融金属21が滴下溶融金属21aとして吐出されるようになっている。
耐熱性容器22の外底壁の外周部には、吐出口23を囲むように、ガス噴射部26が配置してある。ガス噴射部26には、ガス噴射口27が具備してある。ガス噴射口27からは、吐出口23から吐出された滴下溶融金属21aに向けて高圧ガスが噴射される。高圧ガスは、吐出口23から吐出された滴下溶融金属21aの周囲全周から斜め下方向に向けて噴射され、滴下溶融金属21aは、多数の液滴となり、ガスの流れに沿って、円筒状部分32aにおける内周壁33上に形成された冷却液の流れ60に向けて運ばれる。
溶融金属21は、いかなる元素を含んでいてもよく、たとえば、Ti、Fe、Si、B、Cr、P、Cu、Nb、Zrの少なくともいずれかを含んでいるものも用いることができる。これらの元素は活性が高く、これらの元素を含む溶融金属21は、短時間の空気等との接触により、容易に酸化して酸化膜を形成してしまい、微細化することが困難とされている。金属粉末製造装置10は、上述したようにガス噴射部26のガス噴射口27から噴射するガスとして不活性ガスを用いることで、酸化しやすい溶融金属21であっても容易に粉末化することができる。
ガス噴射口27から噴射されるガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガス、あるいはアンモニア分解ガス等の還元性ガスが好ましいが、溶融金属21が酸化しにくい金属であれば空気であってもよい。
冷却部30は、溶融金属供給部20の下方に設置される筒体32と、溶融金属21を冷却する冷却液の流れ60を筒体32内に形成する冷却液流形成部40と、冷却液供給部50(冷却液供給部50については図2参照)とを有する。筒体32は、一端に冷却液流形成部40が接続しており溶融金属供給部20の近くに配置される円筒状部分32aと、円筒状部分32aの他端に接続する円錐状部分32bとを有する。円筒状部分32aの内周壁33の内径は、特に限定されないが、好ましくは50〜500mmである。
本実施形態では、筒体32の軸方向Оは、鉛直線Zに対して所定角度θ1で傾斜してある。所定角度θ1としては、特に限定されないが、好ましくは、5〜45度である。このような角度範囲とすることで、吐出口23からの滴下溶融金属21aを、筒体32の内周壁33に形成してある冷却液の流れ60に向けて吐出させ易くなる。なお、軸方向Оの矢印は、筒体32の上部から下部へ向かう方向である。
筒体32内における冷却液の流れ60に向かって吐出された滴下溶融金属21aは、冷却液の流れ60に衝突し、さらに分断され細化されるとともに冷却固化され、固体状の金属粉末となる。筒体32の軸方向Оに沿って下方には、排出部34が設けられ、冷却液の流れ60に含まれる金属粉末を冷却液と共に、外部に排出可能になっている。冷却液と共に排出された金属粉末は、外部の貯留槽などで、冷却液と分離されて取り出される。なお、冷却液としては、特に限定されないが、冷却水が用いられる。
冷却液の流れ60の下流側には、調整板35が内周壁33に固定してある。
本実施形態では、冷却液流形成部40は、筒体32の軸方向Оの上部に設けられている。冷却液流形成部40は、冷却液吐出部46を介して、筒体32の軸方向Оの上部から下部に向けて冷却液を流出し、筒体32内に冷却液の流れ60を形成する。
図1に示す冷却液流形成部40は、筒体32の内周壁33に沿って膜状に冷却液を流出する。図2は、図1に示す冷却液流形成部40及び冷却液供給部50(図1では不図示)を示す斜視図である。図2に示すように、冷却液流形成部40は、筒体32の内周壁33の同心円方向Vに沿ってリング状に配置される第1冷却液流形成部40A、第2冷却液流形成部40B、第3冷却液流形成部40C、第4冷却液流形成部40D、第5冷却液流形成部40E、第6冷却液流形成部40F、第7冷却液流形成部40G、第8冷却液流形成部40Hの8つの冷却液流形成部で構成される。第1〜第8冷却液流形成部40A〜40Hは、同心円方向Vに関する配置が異なることを除き、互いに同様の形状および構造を有するため、第1冷却液流形成部40Aを例に挙げて説明を行い、その他の冷却液流形成部についての説明は省略する。
図3は、冷却液流形成部40における第1冷却液流形成部40Aを拡大して表示した拡大図である。図3に示すように、第1冷却液流形成部40Aは、外周部44と、流入部42と、冷却液吐出部46とを有する。外周部44は、第1の流路断面積S1を有しており、内部を冷却液が流れる。外周部44は、後述する流入部42や冷却液吐出部46より広い第1の流路断面積S1を有しており、外周部44を流れる冷却液は相対的に流速が遅い。そのため、外周部44は、冷却液が流れる方向を第1冷却液供給部50Aに対して変化させ、冷却液吐出部46から流出した際に空気等を巻き込み難い方向に、冷却液が流れる方向を調整するのに適している。
外周部44は、筒体32の軸方向Оに対する直交面P1(図1参照)に沿って、かつ、筒体32における内周壁33の同心円方向Vに沿って形成されている。このような外周部44は、冷却液が流れる方向を内周壁33の同心円方向Vに調整し、空気等の巻き込みの少ない冷却液の流れ60を、内周壁33上に形成することができる。
図3に示すように、流入部42は、第1の流路断面積S1より狭い第2の流路断面積S2を有しており、外周部44に冷却液を流入させる。流入部42には、流入部42に冷却液を供給する第1冷却液供給部50Aが接続している。第1冷却液供給部50Aは、流入部42と同様に第2の流路断面積S2を有している。また、第1冷却液供給部50Aは、流入部42に対して、筒体32の軸方向Оに沿って接続している。
図3に示すように、冷却液吐出部46は、第1の流路断面積S1より狭い第3の流路断面積S3を有しており、外周部44から筒体32の内周壁33に沿って、冷却液を膜状に流出させる。冷却液吐出部46は、筒体32の径方向Nに沿って伸びる細長い隙間形状を有しているため、円形の冷却液吐出部とは異なり、冷却液を膜状に流出させることができる。また、外周部44の底壁に形成される冷却液吐出部46と、外周部44の天壁に形成される流入部42とは、内周壁33の同心円方向Vに沿って互いにずれた位置に形成されている。すなわち、流入部42は外周部44における同心円方向の一端に設けられ、冷却液吐出部46は外周部44における同心円方向Vの他端に設けられる。これにより、冷却液の流方向は、外周部44の内部において同心円方向Vに偏向される。
図4は、図1〜図3に示す冷却液流形成部40が有する冷却液吐出部46の形状を表す概念図である。図4に示すように、冷却液吐出部46は、外周部44における径方向Nに沿う流路側壁44aと、流路底壁44bとのコーナーに形成された隙間で構成される。冷却液吐出部46は、外周部44内の冷却液を、筒体32の軸方向Оに傾斜する斜め方向(流出方向Q)に向かって流出させる。冷却液吐出部46を構成する隙間の幅は、特に限定されないが、10μm〜5mmとすることが、空気を巻き込まず高速である冷却液の流れ60を形成する観点から好ましい。
冷却液吐出部46は、外周部44における第1の流路断面積S1より狭い第3の流路断面積S3を有するため、内周壁33上に形成される冷却液の流れ60の速度を向上させることができ、このような冷却液吐出部46を有する金属粉末製造装置10は、効果的に滴下溶融金属21aを冷却することができる。
図2に示すように、第2〜第8冷却液流形成部40B〜40Hについても、第1冷却液流形成部40Aと同様に、外周部44と、流入部42と、冷却液吐出部46とを有する。また、第2〜第8冷却液流形成部40B〜40Hの各冷却液吐出部46には、それぞれ第2〜第8冷却液供給部50B〜50Hが接続している。
図2に示すように、冷却液流形成部40では、複数の冷却液吐出部46が、外周部44の形成方向である、直交面P1および同心円方向Vに沿って配置されている。このような配置により、筒体32の内周壁33上に形成される冷却液の流れ60に空気等が巻き込まれる問題を防止することができる。冷却液流形成部40に含まれる冷却液吐出部46および外周部44の数は特に限定されず、単数であっても、複数であってもよいが、6〜12とすることが好ましい。なお、冷却液吐出部46と外周部44の数は同じであっても、異なっていてもよく、たとえば、外周部44は同心円方向Vに連続していてもよい。
なお、各第1〜第8冷却液流形成部40A〜40Hでは、外周部44の底壁に形成される冷却液吐出部46と、外周部44の天壁に形成される流入部42とが、同一回転方向に位置ずれしている。このような配置により、筒体32の内周壁33上に、高速で空気等を巻き込み難い渦巻き状の冷却流の流れを形成することができる。また、図1に示すように、各第1〜第8冷却液流形成部40A〜40Hに含まれる冷却液吐出部46の外径端部の径方向位置は、円筒状部分32aにおける内周壁33の径方向位置に一致していることが、冷却液の流れ60への空気等の巻き込みを防止する観点から好ましい。
図2に示すような冷却液流形成部40から流出した冷却液は、冷却液流形成部40で形成された流れの方向と、流出後に冷却液に作用する重力とにより、筒体32の内周壁33に沿う冷却液の流れ60、典型的には渦巻き状である冷却液の流れ60を形成する。図1に示す金属粉末製造装置10では、このようにして形成された冷却液の流れ60の内周側液面に、図1に示す滴下溶融金属21aが入射し、滴下溶融金属21aは、冷却液の流れ60の内部で冷却されながら、冷却液と共に流れて排出部34へ向かって移動する。
本実施形態に係る金属粉末製造装置10は、冷却液流形成部40が冷却液を膜状に流出させるため、筒体32の内周壁33に沿う冷却液の流れ60が空気等を巻き込み難く、冷却液の流れ60に入射する滴下溶融金属21aを効率的に冷却することが可能である。また、このような金属粉末製造装置10では、たとえ冷却液流形成部40に供給する冷却液の圧力を上昇させたとしても、冷却液の流れ60が空気等を巻き込むのような乱流を生じにくいため、高速かつ層流である冷却液の流れ60を用いた、効果的な滴下溶融金属21aの急冷を行うことができる。
以上、実施形態を示して本発明に係る金属粉末製造装置を説明したが、本発明は上述した金属粉末製造装置10のみに限定されるものではなく、他の実施形態や変形例を有することは言うまでもない。たとえば、図5は、本発明の第1変形例に係る金属粉末製造装置に含まれる冷却液流形成部の冷却液吐出部146を表す拡大図である。
図5に示すように、冷却液吐出部146は、外径側の開口幅W2が、内径側の開口幅W1より広く、内径側より外径側の方が広い開口幅を有する。このような冷却液吐出部146を有する冷却液流形成部は、筒体32の内周壁33に近づくほど冷却液の流出量が大きくなるため、内周壁33に沿う冷却液の流れを安定化させ、冷却液の流れが空気等のガスを巻き込む問題を防止できる。
図6は、本発明の第2変形例に係る金属粉末製造装置に含まれる冷却液供給部250の第1及び第2冷却液供給部250A、250Bを示す部分拡大図である。なお、第2変形例に係る金属粉末製造装置では、冷却液供給部250A、250Bが冷却液を供給する冷却液流形成部240A、240Bについては、外周部244及び冷却液吐出部246によって形成される冷却液の流れの方向(旋回方向)が反対向きであることを除き、実施形態に示す金属粉末製造装置10の冷却液流形成部40A、40Bと同様である。
図6に示すように、第1及び第2冷却液供給部250A、250Bは、第1及び第2冷却液流形成部240A、240Bの流入部に対して、筒体32の軸方向Оに傾斜する方向に沿って接続している。特に、第1及び第2冷却液供給部250A、250Bの軸方向Оに対する傾斜角度は、冷却液吐出部46から冷却液を流出させる流出方向Qが軸方向Оに対して傾斜する傾斜角度と同様であるか、または近似することが好ましい。第1及び第2冷却液供給部250A、250Bが図6に示すように傾斜して第1及び第2冷却液流形成部240A、240Bに接続していることにより、外周部44および冷却液吐出部46を通過する冷却液の流速を上昇させることが可能である。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例
図1に示す金属粉末製造装置10を用いて、Fe−Si−B(実験番号6)、Fe−Si−Nb−B−Cu(実験番号7)、Fe−Si−B−P−Cu(実験番号8)、Fe−Nb−B(実験番号9)、Fe−Zr−B(実験番号10)から成る金属粉末を製造した。
各実験において溶解温度1500℃、噴射ガス圧5MPa、使用ガス種アルコ゛ンと一定とし冷却液の水流条件はポンプ圧7.5kPaであった。実施例においては平均粒径が約25μmの金属粉末を製造することができた。平均粒径は、乾式粒度分布測定装置(HELLOS)を用いて測定し求めた。また実験番号6〜10で作製した金属粉末の結晶分析を、粉末X線回折法により評価した。金属粉末の磁気特性についてはHcメータにて保磁力(Oe)を測定することで行った。結果を表1に示す。
比較例
円形の冷却液吐出部を具備しており冷却液を線状に流出させる点を除き、実施例と同じ金属粉末製造装置を用いて、実施例と同じようにして、金属粉末(実験番号1〜5)を製造し、同様な評価を行った。結果を表1に示す。
表1の実施例と比較例を比べると磁気特性が向上しており非晶質性が向上した。これは冷却液が冷却液吐出部46を通過することでさらに整流化されたため冷却液の流れが均一化し、より効果的な冷却効果が得られ、冷却不足となる粉末が少ないことが起因であると考えられる。また金属粉末の結晶分析を粉末X線回折により行ったところ、結晶に起因するピークを持つ比較例もあった。同一組成で比較した場合、金属粉末の磁気特性については比較例の方が実施例よりも保磁力が大きく、実施例において非晶質化に伴う磁気特性が顕著に表れていることが確認でき、実施例においてすぐれた冷却効果が得られていることが確認できた。
上記比較例と実施例を比較すると、冷却液を膜状に流出させる冷却液流形成部を用いることで、たとえポンプ圧が高い状態においても、冷却液の流れは乱流にならず整流化されたことで、金属粉末の冷却効果が上昇し、従来作製できなかった組成に対しても非晶質性が確認でき、さらに磁気特性も改善することができた。
Figure 0006330959
10… 金属粉末製造装置
20… 溶融金属供給部
21… 溶融金属
21… 滴下溶融金属
22… 耐熱性容器
23… 吐出口
24… 加熱用コイル
26… ガス噴射部
27… ガス噴射口
30… 冷却部
32… 筒体
32a… 円筒状部分
32b… 円錐状部分
33… 内周壁
34… 排出部
35… 調整板
40… 冷却液流形成部
40A〜40H… 第1〜第8冷却液形成部
42… 流入部
44… 外周部
44a… 流路側壁
44b… 流路底壁
46… 冷却液吐出部
50… 冷却液供給部
50A〜50H… 第1冷却液供給部
60… 冷却液の流れ
S1〜S3… 第1〜第3の流路断面積
W1、W2… 開口幅
N… 径方向
О… 軸方向
P1… 直交面
V… 同心円方向
Q… 流出方向

Claims (5)

  1. 溶融金属を吐出する溶融金属供給部と、
    前記溶融金属供給部の下方に設置される筒体と、
    前記溶融金属供給部から吐出された前記溶融金属を冷却する冷却液の流れを、前記筒体内に形成する冷却液流形成部と、を有する金属粉末製造装置であって、
    前記冷却液流形成部は、前記筒体の軸方向の上部から下部に向けて、流出方向が前記筒体の内周壁に沿う方向になり、かつ流出形状が膜状になるように前記冷却液を流出し、前記筒体内に前記冷却液の流れを形成し、
    前記冷却液流形成部は、第1の流路断面積を有する前記冷却液の流路を有する外周部を有し、
    前記外周部は、前記筒体の前記軸方向に対する直交面に沿って、かつ、前記筒体における前記内周壁の同心円方向に沿って形成されており、
    前記冷却液流形成部は、前記外周部から前記内周壁に沿って膜状に前記冷却液を流出させる冷却液吐出部を複数有しており、前記冷却液吐出部は、前記筒体の径方向に沿って伸びており、複数の前記冷却液吐出部は、前記内周壁の同心円方向に沿って配置されていることを特徴とする金属粉末製造装置。
  2. 前記冷却液流形成部は、
    前記第1の流路断面積より狭い第2の流路断面積を有しており、前記外周部に前記冷却液を流入させる流入部と、
    前記第1の流路断面積より狭い第3の流路断面積を有しており、前記外周部から前記内周壁に沿って膜状に前記冷却液を流出させる冷却液吐出部と、を有することを特徴とする請求項に記載の金属粉末製造装置。
  3. 前記流入部に対して、前記筒体の前記軸方向に傾斜する方向に沿って接続しており、前記流入部に前記冷却液を供給する冷却液供給部をさらに有する請求項に記載の金属粉末製造装置。
  4. 前記冷却液吐出部は、内径側より外径側の方が広い開口幅を有することを特徴とする請求項に記載の金属粉末製造装置。
  5. 冷却液流形成部が、溶融金属供給部の下方に設置される筒体の内周壁に沿って冷却液の流れを形成する工程と、
    前記溶融金属供給部から溶融金属を前記冷却液の流れに向けて吐出する工程と、を有する金属粉末の製造方法であって、
    前記冷却液の流れを形成する工程では、冷却液流形成部が、前記筒体の上部から下方に向けて、流出方向が前記筒体の内周壁に沿う方向になり、かつ流出形状が膜状になるように前記冷却液を流出し、前記筒体内に前記冷却液の流れを形成し、
    前記冷却液流形成部は、第1の流路断面積を有する前記冷却液の流路を有する外周部を有し、
    前記外周部は、前記筒体の前記軸方向に対する直交面に沿って、かつ、前記筒体における前記内周壁の同心円方向に沿って形成されており、
    前記冷却液流形成部は、前記外周部から前記内周壁に沿って膜状に前記冷却液を流出させる冷却液吐出部を複数有しており、前記冷却液吐出部は、前記筒体の径方向に沿って伸びており、複数の前記冷却液吐出部は、前記内周壁の同心円方向に沿って配置されていることを特徴とする金属粉末の製造方法。
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