JP6330574B2 - 基板検査装置のティーチング装置及びティーチング方法 - Google Patents

基板検査装置のティーチング装置及びティーチング方法 Download PDF

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Description

本発明は、プリント基板を検査する基板検査装置に関し、特に基板検査装置における検査時の動作をティーチングするための技術に関する。
プリント基板の表面実装ラインにおいては、基板上の部品やはんだの状態を検査する基板検査装置が広く利用されている。基板検査装置では、基板を撮影した画像から部品やはんだの形状に関わる各種指標を計測し、その計測値に基づき部品の浮きやはんだの接合状態などを検査する。このとき、二次元情報である画像を用いて物体の三次元形状を検査しなければならないため、特殊な照明を利用した撮像系が用いられることが多い。
例えば、位相シフト法と呼ばれる手法が知られている。位相シフト法は、縞状のパターン光を物体表面に投影し、そのパターンの歪み(位相の変化)を解析することにより物体の高さ情報を得る手法の一つである。この種の特殊な照明を用いる手法では、撮像条件(照明条件)を適切に設定しなければ、計測精度の低下を招きやすいという問題がある。しかしながら、基板上には、サイズ(高さ)、色、材質が異なる様々な種類の電子部品が混載されるのが一般的であるため、そのような多種多様な電子部品をすべて精度良く計測できるように撮像条件を調整するのは極めて難しい。
特許文献1には、位相シフト法を利用して、基板上に印刷されたクリームはんだを計測する際に、はんだ領域と背景領域の切り分けのために、背景領域の平均輝度が目標輝度から外れている場合には照明光の輝度を補正した上で再撮像を行う、という方法が提案されている。この方法は、実際の検査基板に合わせて適切な光量が選択されるという利点はあるものの、検査の最中に適応的に輝度を補正するのは処理負荷の増大を招くという不利がある。特に、マウント後検査やリフロー後検査のように、基板上に多種多様な部品が存在する場合には、処理時間が膨大になるため、現実的ではない。
特開2006−300539号公報(特許第4827431号公報)
本発明は上記実情に鑑みなされたものであって、基板上にある様々な種類の検査対象物を精度良く検査するための技術を提供することを目的とする。
本発明のさらなる目的は、基板上にある様々な種類の検査対象物を精度良く検査するための撮像条件を、基板検査装置に対し簡単に設定するための技術を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明では、以下の構成を採用する。すなわち、本発明に係るティーチング装置は、パターン光を投影して撮像した画像を用いて基板上の検査対象物の高さを計測する機能をもつ基板検査装置に対し、基板を撮像するときの動作をティーチングするティーチング装置であって、前記基板検査装置によって基板上の複数の検査対象物
を撮像する処理を、投影するパターン光の条件である撮像条件を切り替えながら複数回実行することにより得られた、複数の撮像条件のそれぞれに対応する複数の画像を取得する画像取得部と、前記画像取得部で取得された複数の画像に基づいて、検査対象物ごとに前記複数の撮像条件のなかから最適な撮像条件を選択し、選択した検査対象物ごとの撮像条件を前記基板検査装置に対し設定する撮像条件設定部と、を有し、前記複数の撮像条件は、前記基板検査装置の高さの計測レンジが互いに異なる複数の条件を含むことを特徴とする基板検査装置のティーチング装置である。
このような構成によれば、ティーチング装置によって基板上の検査対象物ごとの最適な撮像条件をあらかじめ設定することができる。そして、基板検査装置での検査時には、検査対象物ごとに最適な撮像条件でパターン光の投影及び撮像を行うことで、検査対象物ごとの特性(サイズ、色、反射特性など)に応じた検査用画像を得ることができるため、様々な種類の検査対象物をいずれも精度良く検査することが可能となる。また、基板検査装置によって撮像された複数の画像を用いて検査対象物ごとの撮像条件が自動で決定されるため、極めて簡単かつ効率的にティーチングを行うことができる。複数の画像の撮像に用いる基板は、ティーチングのために作製した基板でもよいし、実際の表面実装ラインで製造された基板であってもよい。
前記複数の撮像条件は、前記基板検査装置の高さの計測レンジが互いに異なる複数の条件を含む。基板上に様々なサイズ(高さ)の検査対象物が存在する場合があるからである。計測レンジが互いに異なる複数の条件とは、例えば、投影するパターン光のパターンが互いに異なる複数の条件である。
このとき、前記撮像条件設定部は、前記複数の画像のうち計測レンジの最も広い撮像条件に対応する画像を用いて検査対象物の高さを計算し、前記複数の撮像条件のなかから当該検査対象物の高さに適した計測レンジをもつ撮像条件を選択することが好ましい。このような手順を採ることで、背の低いものから背の高いものまで様々なサイズの検査対象物に対して適切な計測レンジを設定でき、サイズによらず高精度な高さ計測が可能となる。
前記複数の撮像条件は、投影するパターン光の光量が互いに異なる複数の条件を含むことが好ましい。基板上に様々な色や反射特性をもつ検査対象物が存在する場合があるからである。
前記複数の画像は、均一な輝度の光を投影した状態で撮像されたパターンなし画像を含み、前記撮像条件設定部は、各光量での検査対象物のパターンなし画像に基づいて、前記複数の撮像条件のなかから当該検査対象物に適した光量の撮像条件を選択することが好ましい。パターンなし画像を用いれば、1枚の画像だけで検査対象物の全体の輝度を把握でき、白飛びや黒つぶれの発生を簡単に検出できるため、光量選択処理のロジックをシンプルにできる。
前記撮像条件設定部によって選択された検査対象物ごとの撮像条件に基づいて、基板の検査時に撮像すべき複数の撮像エリアを設定する撮像手順設定部をさらに有し、前記撮像手順設定部は、同じ撮像条件の複数の検査対象物が同じ撮像エリア内に入るように、撮像エリアの位置を設定することが好ましい。同じ撮像条件の複数の検査対象物が同じ撮像エリア内に入るようにすることで、撮像エリアの数、すなわち検査時の撮像回数を削減できるため、検査時間の短縮を図ることができる。
前記撮像条件設定部は、二つの撮像エリアの撮像条件が類似しており、且つ、二つの撮像エリアに含まれる複数の検査対象物のすべてが一つの撮像エリアに収まる場合に、当該二つの撮像エリアを統合して一つの撮像エリアを設定することが好ましい。このような統合処理を行うことによって、撮像エリアの数、すなわち検査時の撮像回数を一層削減できるため、検査時間のさらなる短縮を図ることができる。
なお、本発明は、上記手段ないし機能の少なくとも一部を含むティーチング装置として
捉えることができる。また、本発明は、当該ティーチング装置と基板検査装置とを有する基板検査システムとして捉えることもできる。また、本発明は、基板検査装置のティーチング方法や、その方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムや、当該プログラムを非一時的に記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体として捉えることもできる。上記構成および処理の各々は技術的な矛盾が生じない限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
本発明によれば、基板上にある様々な種類の検査対象物を精度良く検査するための撮像条件を、基板検査装置に対し簡単に設定することができる。
基板検査システムのハードウェア構成を示す模式図。 基板検査システムの機能構成を示すブロック図。 ティーチング用画像DBの構築の手順を示すフローチャート。 サンプル基板から取得される画像データセットの例。 検査プログラムの生成処理の流れを示すフローチャート。 光量選択処理の流れを示すフローチャート(1)。 光量選択処理の流れを示すフローチャート(2)。 パターン選択処理の流れを示すフローチャート。 撮像手順決定処理の流れを示すフローチャート。 撮像手順の設定例を模式的に示す図。 検査処理の流れを示すフローチャート。 パターン光を投影して撮像される位相画像の例。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための好ましい形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(基板検査システムのハードウェア構成)
図1を参照して、本発明の実施形態に係る基板検査システムの全体構成について説明する。図1は基板検査システムのハードウェア構成を示す模式図である。基板検査システムは、カメラで撮像した画像を用いてプリント基板上の部品やはんだの状態を検査する基板検査装置1と、基板検査装置1が検査時に使用する検査プログラムを作成するティーチング装置2と、記憶装置3とを備える。この基板検査装置1は、表面実装ラインにおける基板外観検査(例えば、リフロー後の部品浮き検査など)に好ましく利用されるものである。
基板検査装置1は、主な構成として、ステージ10、計測ユニット11、制御装置12、情報処理装置13、表示装置14を備える。計測ユニット11は、カメラ(イメージセンサ)110、照明装置111、投影装置(プロジェクタ)112を有している。
ステージ10は、基板15を保持し、検査対象物となる部品150やはんだ151をカメラ110の視野に位置合わせするための機構である。図1に示すようにステージ10に平行にX軸とY軸をとり、ステージ10と垂直にZ軸をとった場合、ステージ10は少なくともX方向とY方向の2軸の並進が可能である。カメラ110は、光軸がZ軸と平行になるように配置されており、ステージ10上の基板15を鉛直上方から撮像する。カメラ110で撮像された画像データは情報処理装置13に取り込まれる。
照明装置111(111R,111G,111B)は、基板15に対し異なる色(波長)の照明光(赤色光RL,緑色光GL,青色光BL)を照射する照明手段である。図1は照明装置111のXZ断面を模式的に示したものであり、実際には、同じ色の光を全方位(Z軸回りの全方向)から照明可能なように照明装置111は円環状又はドーム形状を呈している。投影装置112は、基板15に対し所定のパターンをもつパターン光PLを投影するパターン投影手段である。投影装置112は、照明装置111の中腹に設けられた開口を通してパターン光PLを投射する。投影装置112の数は一つでもよいが、パターン光PLの死角をなくすために複数の投影装置112を設けるとよい。本実施形態では、異なる方位(対角の位置)に2つの投影装置112を配置している。投影装置112としては、デジタルミラーデバイスを用いた方式のDLP(Digital Light Processing)プロジェクタを好ましく利用できる。照明装置111と投影装置112はいずれもカメラ110で基板15を撮影するときに用いられる照明系であるが、照明装置111はカラーハイライト照明法による形状計測に用いられる照明であり、投影装置112は位相シフト法による形状計測に用いられる照明である。
制御装置12は、基板検査装置1の動作を制御する制御手段であり、ステージ10の移動制御、照明装置111の点灯制御、投影装置112の点灯制御やパターン・光量の変更、カメラ110の撮像制御などを担っている。
情報処理装置13は、カメラ110から取り込まれた画像データを用いて、部品150やはんだ151に関する各種の計測値を取得したり、部品150の電極や基板上のランド(パッド)に対するはんだ接合の状態を検査する機能を有する装置である。表示装置14は、情報処理装置13で得られた計測値や検査結果を表示する装置である。記憶装置3は、基板検査装置1で使用される検査プログラム、基板検査装置1で得られたデータ(画像、計測結果、検査結果など)などが格納されるデータベースである。検査プログラムには、基板上に存在する検査対象物の情報(品番、位置、サイズなど)、撮像条件(照明装置111と投影装置112の設定値など)、撮像エリアと撮像する順番、検査対象物ごとの検査項目、判定基準値(良/不良を判定するための閾値や値域など)などが定義されている。検査プログラムは、検査に先立ちティーチング装置2によって作成され、記憶装置3に登録される(この作業をティーチングと呼ぶ)。
情報処理装置13は、例えば、CPU(中央演算処理装置)、メモリ、補助記憶装置(ハードディスクドライブなど)、入力装置(キーボード、マウス、タッチパネルなど)を有する汎用のコンピュータにより構成することができる。また、ティーチング装置2も、例えば、CPU、メモリ、補助記憶装置、入力装置を有する汎用のコンピュータにより構成することができる。なお、図1では、制御装置12と情報処理装置13と表示装置14とティーチング装置2と記憶装置3を別のブロックで示したが、これらは別体の装置で構成してもよいし、単一の装置で構成してもよい。
(位相シフト法とその課題)
本実施形態の基板検査装置1では、部品等の検査対象物の三次元形状を計測するために、位相シフト法を利用する。
位相シフト法とは、パターン光を物体表面に投影したときのパターンの歪みを解析することにより物体表面の三次元情報(高さ情報)を計測する手法の一つである。具体的には、投影装置112を用いて、所定のパターン(例えば輝度が正弦波状に変化する縞状パターン)を基板に投影した状態でカメラ110で撮影を行う。そうすると、図11に示すように、物体表面には、その凹凸に応じたパターンの歪みが現れる。この処理を、パターン光の輝度変化の位相を変化させながら複数回(例えば4回)繰り返すことで、図11に示
すように輝度特徴の異なる複数枚の画像(以下、位相画像と呼ぶ)が得られる。各画像の同一画素の明るさ(輝度)は縞状パターンの変化と同一の周期で変化するはずであるから、各画素の明るさの変化に対して正弦波を当てはめることで、各画素の位相が分かる。そして、所定の基準位置(テーブル表面、基板表面など)の位相に対する位相差を求めることで、その基準位置からの距離(高さ)を算出することができる。
ところで、位相シフト法では、原理上、位相の変化が2πを超える高さは計測することができない(位相の折り畳みが生じるため)。したがって、位相シフト法の計測レンジ(計測可能な高さの範囲)は、縞状パターンの周期の大きさに依存する。それゆえ従来の基板検査装置においては、想定される最大高さに基づき要求計測レンジを設定し、その要求計測レンジを確保できるように縞状パターンの周期を決定するのが一般的であった。しかしながら、計測レンジと距離分解能とはトレードオフの関係にあり、計測レンジを拡大するほど計測精度が低下してしまうという問題がある。最近では、部品の小型化・薄肉化により厚さ100um程度の部品がある一方で、中には高さが1インチを超える部品も存在し、それらの多様な部品種を単一の計測レンジで精度良く計測することは難しい。
また、従来の基板検査装置では、一般的な基板又は部品に合わせた光量設定にてパターン光の投影を行うのが通常である。しかしながら、本発明者らの検討により、すべての種類の部品を同一の光量で撮像することは適切でないことがわかってきた。例えば、鏡面性の高い部品では輝度飽和(サチュレーション)により縞状パターンの階調情報が失われてしまう場合があり、逆に、黒色の部品などでは光量不足により縞状パターンが不鮮明になってしまう場合があるからである。いずれの場合も、縞状パターンの位相を正確に検出することが困難となり、計測精度の低下を招いてしまう。
以上のような課題に鑑み、本実施形態の基板検査装置1では、撮像条件(例えば投影するパターン光の周期や光量など)を検査対象物ごとに最適化することで、基板上の様々な種類の検査対象物をいずれも精度良く計測できるようにする。
また、このような機能を基板検査装置1に実装するにあたり、実用上の観点から次のような新たな課題が発生する。一つ目は、基板検査装置1のティーチングに関する課題である。もし検査対象物ごとの最適な撮像条件を手動でティーチングするとなると、作業者が、投影装置の設定を変更し、検査対象物を撮像し、得られた画像や計測された高さを画面で確認し、検査プログラムを修正する、という作業を繰り返さねばならず、膨大な時間がかかってしまう。しかも、最適な撮像条件かどうかを判断するために、作業者に位相シフト法の原理に関する知識が必要とされるという問題もある。したがって、検査対象物ごとの最適な撮像条件を自動的に(又は、極めて簡単な作業のみで)設定できるティーチング方法を提供することが望まれる。二つ目は、検査時間に関する課題である。検査対象物ごとに撮像条件を変えるとその分撮像回数が増えるため、従来の単一条件で撮像する方法に比べて検査時間が長くなることは避けられない。したがって、撮像手順の工夫などで処理の効率化を図ることで、検査時間を可及的に短縮することが実用上極めて重要となる。
以下では、位相シフト法を利用した形状計測に関し、ティーチング装置2による検査プログラムのティーチング処理、及び、基板検査装置1による検査処理の具体例について説明する。なお、本実施形態の基板検査システムではカラーハイライト照明法を利用した計測及び検査も行われるが、それらについては公知の手法を利用できるため説明を省略する。
(基板検査システムの機能構成)
図2は、基板検査システムの機能構成を示すブロック図である。基板検査システムは、その機能として、撮像制御部130、画像取込部131、位相情報解析部132、画像デ
ータセット作成部133、検査部134、検査結果出力部135、ティーチング用画像DB(データベース)30、検査プログラムDB31、検査結果DB32、ティーチング用画像取得部20、検査対象物設定部21、撮像条件設定部22、特徴設定部23、撮像手順設定部24などを有する。
撮像制御部130は、制御装置12を介して、投影装置112の点灯/消灯や撮像条件(パターンの有無、パターンの周期・位相、光量など)を制御する機能を有する。画像取込部131は、カメラ110から画像データを取り込む機能を有する。位相情報解析部132は、複数枚の位相画像を解析して各画素の高さを求める機能を有する。画像データセット作成部133は、撮像条件ごとの画像データセットを作成し、ティーチング用画像DB30に登録する機能を有する。検査部134は、検査プログラムDB31に格納された検査プログラムに従って、検査対象物の検査を行う機能を有する。検査結果出力部135は、検査部134で得られた計測値や検査結果を画面出力する機能を有する。
ティーチング用画像取得部20は、ティーチング用画像DB30からティーチングに用いる撮像条件ごとの画像データセットを読み込む機能を有する。検査対象物設定部21は、基板上の検査対象物の位置やサイズを設定する機能を有する。撮像条件設定部22は、検査対象物ごとの最適な撮像条件を選択し設定する機能を有する。特徴設定部23は、検査対象物の特徴(高さ、形状、色など)を抽出し設定する機能を有する。撮像手順設定部24は、検査時の基板の撮像手順を設定する機能を有する。
本実施形態では、符号130〜135の機能部は情報処理装置13により提供され、符号30〜32の機能部は記憶装置3により提供され、符号20〜24の機能部はティーチング装置2により提供される。しかし、これらの機能部はいずれもCPUが必要なプログラムを実行することによってソフトウェア的に実現されるものであるため、各機能の論理的な構成や実行主体は図2の構成に限られない。あるいは、全部又は一部の機能をASICやFPGAなどの回路で構成することもできる。
(ティーチング)
本実施形態のティーチングは、大きく分けて、(1)ティーチング用画像DBの構築、(2)検査対象物ごとの最適な撮像条件の決定、(3)基板の撮像手順の決定の3つの工程からなる。以下、各工程の具体的な処理内容について説明する。
(1)ティーチング用画像DBの構築
まず最初に、基板検査装置1によってティーチング用のサンプル基板をさまざまな撮像条件で撮像し、撮像条件ごとの画像データセットを取得する処理を行う。最初の段階で必要なデータを一括取得しデータベース化することで、後段のティーチングを効率よく行うことができる。
図3及び図4に、ティーチング用画像DBの構築の手順を示す。
作業者が、ティーチング用のサンプル基板40を基板検査装置1のステージ10にセットし(ステップS300)、ティーチング用撮像の開始指示を基板検査装置1(情報処理装置13)に対して入力する(ステップS301)。サンプル基板40としては、検査対象物となる部品等がすべて正しい状態で実装された良品基板を用いるとよい。各検査対象物の正解の高さ・位置をティーチングするためである。
ステップS302では、撮像制御部130が、ステージ10を制御し、サンプル基板40上の撮像エリア41をカメラ110の視野内に移動させる。なお、撮像制御部130は、ステップS302の処理を実行するたび、例えば図4の破線矢印に示すように撮像エリアを順に切り替えていくことで、基板全体を漏れなく撮像できるようにする。
ステップS303では、撮像制御部130が、投影装置112に対し投影するパターンを設定する。本実施形態では、ステップS303の処理を実行するたび、以下の3種類のパターンが順に切り替えられる。
・パターンA …周期:大、計測レンジ:30mm
・パターンB …周期:中、計測レンジ:15mm
・パターンC …周期:小、計測レンジ:7mm
パターンAは、背の高い部品に適したパターンであり、パターンCは、薄肉の部品に適したパターンである。
ステップS304では、撮像制御部130が、投影装置112に対し光量を設定する。本実施形態では、ステップS304の処理を実行するたび、以下の5種類の光量が順に切り替えられる。
・光量1 …明るい光
・光量2 …やや明るい光
・光量3 …標準の光量
・光量4 …やや暗い光
・光量5 …暗い光
光量1、光量2は、黒色の部品などに適した光量であり、光量4、光量5は、鏡面性をもつ部品や白色の部品などに適した光量である。
ステップS305では、撮像制御部130が、ステップS303で設定されたパターンとステップS304で設定された光量にて投影装置112を点灯し、カメラ110で撮像を行う。撮像された画像データは画像取込部131によって情報処理装置13に取り込まれる。本実施形態では、ステップS305においてパターンの位相を90度ずつ変えながら4回の撮像を実行し、4枚の位相画像を取得する。図4の42は、撮像エリア41から得られた4枚の位相画像を示している。
ステップS306では、位相情報解析部132が、ステップS305で得られた4枚の位相画像より各画素の輝度変化の位相を解析することで、各画素の高さを計算する。計算された高さ情報は、高さ(Z位置)を画素値で表現した画像データ(高さデータと呼ぶ)の形式で保存される。図4の43は、撮像エリア41の高さデータの例であり、高い部分ほど明るい(白色に近い)画素で示されている。
ステップS307では、位相情報解析部132が、各画素の位相情報の信頼度を計算する。本実施形態では、各画素について、4枚の位相画像の間での輝度の変化量(最小輝度と最大輝度の差)を計算し、
・輝度の変化量が閾値以上の画素 →信頼度=1(高い)
・輝度の変化量が閾値より小さい画素 →信頼度=0(低い)
のように、位相情報の信頼度を決定する。パターン光が明りょうとなるほど輝度の変化量が大きくなるからである。なお本実施形態では、信頼度を1(高い)/0(低い)の二値で求めたが、例えば、各画素の輝度の変化量を変化量の最大値で規格化することで、1.0(高い)〜0.0(低い)の連続値で信頼度を計算してもよい。信頼度の情報についても、高さ情報と同じく、信頼度マップと呼ばれる画像データの形式で保存される。図4の44は、撮像エリア41の信頼度マップの例であり、位相情報の信頼度の低い部分が明るい(白色)画素で示されている。
ステップS308では、撮像制御部130が、ステップS304で設定された光量にて投影装置112からパターンなしの照明(均一輝度の照明)を投射し、カメラ110で撮像を行う。撮像されたパターンなし画像は画像取込部131によって情報処理装置13に
取り込まれる。図4の45は、パターンなし画像の例を示している。このパターンなし画像は、後述する光量条件の選択や、検査ウィンドウの設定などに利用される。
ステップS309では、画像データセット作成部133が、「4枚の位相画像42」、「高さデータ43」、「信頼度マップ44」、及び、「パターンなし画像45」からなる画像データセット46を作成し、当該画像データセット46を撮像条件(パターン、光量)と対応付けて、ティーチング用画像DB30に登録する。
以上の処理を、パターンA〜Cと光量1〜5のすべての組み合わせに対して実行することで、15通りの撮像条件に対応する15組の画像データセットがティーチング用画像DB30に用意される。サンプル基板40を複数の撮像エリア41に分けて撮像した場合には、各組(各撮像条件)の画像データセットの中に、複数の撮像エリア41のデータが含まれることとなる。ティーチング用撮像の終了後、作業者がサンプル基板40を基板検査装置1から取り出して、ティーチング用画像DBの構築作業は完了である。
なお、上述した撮像エリアの区分け、パターンの種類・数、光量の種類・数などはいずれも一例にすぎない。後段のティーチングや検査での必要に応じて、パターン及び光量のバリエーションは適宜設定することができる。また、撮像エリアの区分けやパターン及び光量のバリエーションは、CAD情報などに基づき基板検査装置1又はティーチング装置2が自動で設定してもよいし、作業者が手動で設定してもよい。
(2)検査対象物ごとの最適な撮像条件の決定
次に、図5〜図7のフローチャートを参照しながら、ティーチング装置2によって行われる、最適な撮像条件の決定処理について説明する。図5は、検査プログラムの生成処理の流れを示すフローチャートであり、図6A及び図6Bは、光量選択処理の流れを示すフローチャートであり、図7は、パターン選択処理の流れを示すフローチャートである。
作業者によりティーチング装置2に対して検査プログラムの新規作成が指示されると、ティーチング用画像取得部20によって該当基板の画像データセットがティーチング用画像DB30から読み込まれる(ステップS500)。本実施形態では、前述のように、15通りの撮像条件に対応する15組の画像データセットが読み込まれる。
次に、検査対象物設定部21が、基板上にある複数の検査対象物のそれぞれに対し、検査ウィンドウを設定する(ステップS501)。検査ウィンドウは、検査対象物の位置及びサイズを特定するための情報であり、例えば検査対象物の外接矩形などで設定される。検査ウィンドウの設定は、CAD情報などに基づき検査対象物設定部21が自動で設定してもよいし、作業者が手動で設定してもよい。手動設定の場合は、画像データセット内のパターンなし画像を画面表示し、マウスなどを利用して画像上で検査ウィンドウの領域指定をできるようにすると、操作が簡便である。検査対象物の典型は部品であるが、部品以外の物体(例えば、電極などの部品の一部、ランド、はんだ、配線など)を検査対象物に設定してもよい。
その後、検査ウィンドウが設定されたすべての検査対象物に対し、個別に、ステップS502〜S505の処理が行われる。以後、処理の対象となっている検査対象物を「注目対象物」と呼ぶ。
(2−1)光量条件の選択
ステップS502では、撮像条件設定部22が、注目対象物に最適な光量条件を選択する。ステップS502の処理の詳細を図6A及び図6Bに示す。
撮像条件設定部22は、標準光量(光量3)の画像データセットからパターンなし画像を読み出し(本実施形態では、光量3の画像データセットとして、光量3+パターンA、光量3+パターンB、光量3+パターンCの3種類の画像データセットが存在するが、パターンなし画像は同じであるため、いずれの画像データセットのものを用いてもよい。)、パターンなし画像の中から注目対象物の検査ウィンドウ内の部分画像を切り出す(ステップS600)。このように切り出された画像を、以後の説明では、「光量xxでの注目対象物のパターンなし画像」又は単純に「光量xxでの画像」などと表現する。
撮像条件設定部22は、ステップS600で得られた標準光量(光量3)での注目対象物のパターンなし画像内に白飛び領域が存在するか否かを判定する(ステップS601)。例えば、画素値が0(黒)〜255(白)の値をとる場合、「画像の総画素数」に対する「画素値が250以上の画素数」の割合が閾値以上であったら、白飛び領域あり、と判定すればよい。白飛び領域ありの場合(ステップS601;YES)はステップS602に進み、白飛び領域なしの場合(ステップS601;NO)はステップS606に進む。
ステップS602では、撮像条件設定部22が、標準光量よりも暗い光量(本実施形態では光量4と光量5)での注目対象物のパターンなし画像を取得する。そして、撮像条件設定部22は、各光量4、5での画像内に白飛び領域が存在するかを調べ、白飛び領域の発生しない光量が見つかった場合には(ステップS603;YES)、その光量を注目対象物の光量条件の一つに選ぶ(ステップS604)。ステップS603において、白飛び領域の発生しない光量が複数見つかった場合には、それらのうち最も明るい光量を選ぶとよい(例えば、光量4、5のいずれでも白飛び領域がない場合は、光量4の方を選ぶ。)。一方、ステップS603において、白飛び領域のない光量が一つもなかった場合(どの光量で撮影しても白飛びが発生してしまう場合)には、すべての光量のうち最も暗い光量(本実施形態では光量5)を注目対象物の光量条件の一つに選ぶ(ステップS605)。
ステップS606では、撮像条件設定部22が、再び標準光量(光量3)での注目対象物のパターンなし画像を用い、当該画像内に黒つぶれ領域が存在するか否かを判定する。例えば、画素値が0(黒)〜255(白)の値をとる場合、「画像の総画素数」に対する「画素値が10以下の画素数」の割合が閾値以上であったら、黒つぶれ領域あり、と判定すればよい。黒つぶれ領域ありの場合(ステップS606;YES)はステップS607に進み、黒つぶれ領域なしの場合(ステップS606;NO)はステップS611に進む。
ステップS607では、撮像条件設定部22が、標準光量よりも明るい光量(本実施形態では光量1と光量2)での注目対象物のパターンなし画像を取得する。そして、撮像条件設定部22は、各光量1、2での画像内に黒つぶれ領域が存在するかを調べ、黒つぶれ領域の発生しない光量が見つかった場合には(ステップS608;YES)、その光量を注目対象物の光量条件の一つに選ぶ(ステップS609)。ステップS608において、黒つぶれ領域の発生しない光量が複数見つかった場合には、それらのうち最も暗い光量を選ぶとよい(例えば、光量1、2のいずれでも黒つぶれ領域がない場合は、光量2の方を選ぶ。)。一方、ステップS608において、黒つぶれ領域のない光量が一つもなかった場合(どの光量で撮影しても黒つぶれが発生してしまう場合)には、すべての光量のうち最も明るい光量(本実施形態では光量1)を注目対象物の光量条件の一つに選ぶ(ステップS610)。
ステップS611では、撮像条件設定部22が、標準光量(光量3)の画像データセットから信頼度マップを読み出し、標準光量での注目対象物の画像の各画素(但し、白飛び領域と黒つぶれ領域の画素は除く。)の信頼度を取得する。このように得られた信頼度マップを、以後の説明では、「光量xxでの注目対象物の信頼度マップ」又は単純に「光量
xxでの信頼度マップ」などと表現する。ところで本実施形態では、光量3の画像データセットとして、光量3+パターンA、光量3+パターンB、光量3+パターンCの3種類の画像データセットが存在するが、いずれか1つの画像データセットの信頼度マップのみを用いてもよいし、複数の画像データセットの信頼度マップを用いてもよい。
ステップS612では、撮像条件設定部22が、ステップS611で得られた標準光量での注目対象物の信頼度マップに基づき、当該光量での位相情報の信頼度を評価する。例えば、注目対象物の信頼度マップ内の信頼度の平均値を計算し、その平均値が所定の閾値より大きい場合に「信頼度が高い」、それ以外の場合に「信頼度が低い」、と判定すればよい。信頼度が高い場合は(ステップS612;YES)、標準光量(光量3)を注目対象物の光量条件の一つに選ぶ(ステップS613)。一方、信頼度が低い場合は(ステップS612;NO)、ステップS614に進む。
ステップS614では、撮像条件設定部22が、標準光量よりも明るい光量(本実施形態では光量1と光量2)での注目対象物の信頼度マップを取得する。そして、撮像条件設定部22は、各光量1、2での位相情報の信頼度を評価し、信頼度の高い光量があるか調べる(ステップS615)。信頼度の高い光量が見つかった場合には(ステップS615;YES)、その光量を注目対象物の光量条件の一つに選ぶ(ステップS616)。ステップS615において、信頼度の高い光量が複数見つかった場合には、それらのうち最も暗い光量を選ぶとよい(例えば、光量1、2のいずれの信頼度も高い場合は、光量2の方を選ぶ。)。一方、ステップS615において、信頼度の高い光量が一つもなかった場合(どの光量で撮影しても位相情報の信頼度が低い場合)には、すべての光量のうち最も信頼度の高い光量を注目対象物の光量条件の一つに選ぶ(ステップS617)。
ステップS618では、撮像条件設定部22が、ステップS604、S605、S609、S610、S613、S616、S617において選ばれた光量条件を、注目対象物の最適な光量条件として、検査プログラムに登録する。なお、図6A及び図6Bのフローチャートから分かるように、本実施形態では、一つの注目対象物に対して複数の光量条件が選択されるケースも許容する。例えば、黒色部分と鏡面性をもつ部分とが混在しているような部品では、単一の光量条件では部品全体の高さ情報を精度良く計測できない場合があり得るからである。その場合、複数の光量条件を設定しておき、検査時には各光量条件で撮像・計測を行い、信頼度の高い計測値(高さ情報)を合成すればよい。
(2−2)パターン条件の選択
図5のフローに戻り、ステップS503では、撮像条件設定部22が、注目対象物に最適なパターン条件を選択する。ステップS503の処理の詳細を図7に示す。
撮像条件設定部22は、ステップS502で選択された光量条件に対応する画像データセットのうち、計測レンジの最も広いパターンに対応する画像データセットから、高さデータを取得する(ステップS700)。例えば、ステップS502で「光量3」が選択されていた場合には、光量3+パターンAの画像データセットの高さデータが用いられる。ここで計測レンジの最も広いパターンAの高さデータを用いる理由は、この段階では注目対象物の高さが不明だからである。なお、ステップS502で複数の光量条件が選択されていた場合、例えば、「光量2」と「光量3」が選択されていた場合には、光量2+パターンAと光量3+パターンAのそれぞれの画像データセットの高さデータを取得し、それらを合成ないし平均した高さデータを用いるとよい。
ステップS701では、撮像条件設定部22が、ステップS700で取得した高さデータに対し基準面補正を行う。具体的には、基準面(例えば基板の表面)の高さがゼロとなるように、高さデータ内の各画素の高さを補正する。そして、撮像条件設定部22は、補
正後の高さデータに基づき、注目対象物の高さ(基準面からの高さ)を計算する(ステップS702)。例えば、注目対象物の検査ウィンドウ内の部品領域の全画素の高さの平均値を計算すればよい。
次に、撮像条件設定部22は、複数のパターン条件(パターンA〜C)の中から注目対象物の高さに最も適した計測レンジをもつパターン条件を選択し、検査プログラムに登録する(ステップS703)。例えば、注目対象物の高さが計測レンジ内に収まるパターンのなかで、最も計測レンジが狭いパターンを、最適なパターン条件として選べばよい。
以上の処理によって、注目対象物の最適な撮像条件(光量条件及びパターン条件)が自動的に設定される。
その後、図5のフローに戻り、特徴設定部23によって注目対象物の各種特徴の抽出及び学習が行われる。具体的には、ステップS504において、特徴設定部23は、ステップS502とS503で設定された撮像条件に対応する画像データセットの高さデータを用いて、注目対象物の高さ(基準面からの高さ)を計算する。この処理は、ステップS701とS702で述べたのと同じ処理であるため、説明を割愛する。ステップS504であらためて注目対象物の高さを計算する理由は、最適な計測レンジに対応する高さデータを用いて再計算することで、注目対象物の高さのより正確な値を得ることができるからである。特徴設定部23は、ステップS504で求めた注目対象物の高さを、当該注目対象物の正解の高さとして、検査プログラムに登録する。また、ステップS505では、特徴設定部23は、注目対象物のパターンなし画像などを用いて、注目対象物の色や形状などに関する各種のパラメータを抽出し、そのパラメータやそこから求めた判定基準値などを検査プログラムに登録する。
以上述べたステップS502〜S505の処理を、基板上のすべての検査対象物に対し個別に実行することにより、検査対象物ごとの最適な撮像条件、判定基準値などを自動で設定することができる。すべての検査対象物の設定が終了したら、ステップS506の撮像手順の決定処理に進む。
(3)基板の撮像手順の決定
ステップS506では、撮像手順設定部24が、ステップS502及びS503で設定された検査対象物ごとの撮像条件を基に、検査時に撮像すべき撮像エリアそれぞれの位置及び撮像条件と、撮像する順番(撮像エリアの移動ルート)とを設定する。ステップS506の処理の詳細を図8に示す。また、図9は、撮像手順の設定例を模式的に示す図である。
撮像手順設定部24は、まず、基板上のフィデューシャルマークに対し、位置合わせ用の画像を撮像するための撮像エリア92を設定する(ステップS800)。図9(a)は、基板90の対角にある2箇所のフィデューシャルマーク91a、91bに対し、それぞれ撮像エリア92a、92bが設定された様子を示している。なお、撮像エリアのサイズは基板検査装置1のカメラ110の視野と同じかそれよりも小さいサイズに設定される。
その後、撮像手順設定部24は、撮像条件(パターンと光量の組み合わせ)ごとに、同じ撮像条件が設定された検査対象物を抽出し(ステップS801)、抽出された検査対象物が出来るだけ同じ撮像エリアに入るように(言い換えれば、出来るだけ少ない数の撮像エリアですべての検査対象物をカバーできるように)、撮像エリアを設定する(ステップS802)。図9(b)は、「パターンB+光量4」という撮像条件が設定された2つの部品93a、93bを包含するように1つの撮像エリア94が設定された様子を示している。また図9(c)は、「パターンB+光量3」という撮像条件が設定された4つの部品
95a〜95dそれぞれに対し4つの撮像エリア96a〜96dが設定された様子を示している。なお、抽出された複数の検査対象物をどのようにエリア分割するかという問題は、撮像エリアの最大サイズを制約条件とした全探索によって求解してもよいし、公知のエリア分割アルゴリズムを適用してもよい。
撮像エリアの設定処理(ステップS801〜S802)を15通りの撮像条件のそれぞれに対し実行した後、撮像手順設定部24は、撮像エリアの統合処理を行う(ステップS803)。撮像エリアの統合処理とは、異なる撮像条件の撮像エリア同士を一つの撮像エリアに統合する(置き換える)ことで、撮像エリアの総数を削減する処理である。二つの撮像エリアの撮像条件が類似しており(つまり、一方の撮像エリアの撮像条件を他方の撮像エリアの撮像条件で代替可能であり)、且つ、二つの撮像エリアに含まれる複数の検査対象物のすべてが一つの撮像エリアに収まる場合に、当該二つの撮像エリアは統合可能である。例えば、パターンは同じで光量が1段階だけ相違する撮像エリア同士などは統合することができる。図9(d)は、「パターンB+光量4」の撮像エリア94と「パターンB+光量3」の撮像エリア96dを統合し、3つの部品93a、93b、95dを含む撮像エリア97に置き換えた例である。
続いて、撮像手順設定部24は、ステージ10の移動距離が最短になるように、撮像エリアを撮像する順番(移動ルート)を決定する(ステップS804)。移動ルートの決定は、全探索によって求解してもよいし、公知の最短経路問題のアルゴリズムを適用してもよい。
撮像手順設定部24は、各撮像エリアの位置及び撮像条件と撮像する順番の情報(以下、撮像手順情報と呼ぶ)を検査プログラムに登録する(ステップS805)。以上のように撮像手順の最適化を図ることで、撮像回数を可及的に少なくできると共に、ステージ移動の回数とトータルの移動距離も可及的に少なくできるため、検査時間の短縮が可能となる。
最後に、図5のフローに戻り、ティーチング装置2が、生成した検査プログラムを検査プログラムDB31に格納して、処理を終了する(ステップS507)。これにより基板検査装置1に対するティーチングが完了し、検査処理の準備が整う。
(検査処理)
図10のフローチャートを参照して、基板検査装置1における検査処理の一例を説明する。
まず、撮像制御部130が検査プログラムDB31から使用する検査プログラムを読み込む(ステップS100)。撮像制御部130は、検査プログラム内の撮像手順情報に従って、基板上のフィデューシャルマークを撮像し、基板の位置合わせを行う(ステップS101)。
撮像制御部130は、撮像手順情報に従って、最初の撮像エリアをカメラ110の視野内に移動させた後(ステップS102)、当該撮像エリアに設定された撮像条件(パターン及び光量)に切り替える(ステップS103)。そして、撮像制御部130が、ステップS103で設定されたパターン・光量にて投影装置112を点灯し、カメラ110で複数枚の位相画像を撮像する(ステップS104)。撮像された位相画像は画像取込部131によって情報処理装置13に取り込まれる。そして、位相情報解析部132が、位相画像を解析して当該撮像エリアの高さデータを生成し(ステップS105)、検査部134が、検査プログラムに従って、当該撮像エリアに含まれる検査対象物の高さ(三次元形状)を計算し、判定基準値と比較することで検査対象物の良否を検査する(ステップS10
6)。検査部134の検査結果は、検査結果出力部135によって画面表示されたり、検査結果DB32に格納される(ステップS107)。
以上のステップS102〜S107の処理が、すべての撮像エリアに対して実行されると、検査処理が終了する。なお、図10のフローチャートでは、撮像処理(ステップS102〜S104)と情報処理(ステップS105〜S107)とがシリアルな処理として記載されているが、撮像処理と情報処理は並列に実行してもよい。
(本実施形態の基板検査システムの利点)
本実施形態の基板検査システムによれば、ティーチング装置2によって基板上の検査対象物ごとの最適な撮像条件をあらかじめ設定することができる。そして、基板検査装置1での検査時には、検査対象物ごとに最適な撮像条件でパターン光の投影及び撮像を行うことで、検査対象物ごとの特性(サイズ、色、反射特性など)に応じた検査用画像を得ることができるため、様々な種類の検査対象物をいずれも精度良く検査することが可能となる。また、あらかじめ基板検査装置1によって撮像されたサンプル基板の複数の画像を用いて検査対象物ごとの撮像条件が自動で決定されるため、極めて簡単かつ効率的にティーチングを行うことができる。
また、撮像条件として、パターン(周期)と光量の二つの条件を設定できるため、様々なサイズ(高さ)、色、反射特性の検査対象物への対応が可能である。特に、検査対象物の高さに応じた適切な計測レンジを設定するため、サイズによらず高精度な高さ計測が可能となる。
さらに、検査対象物ごとの撮像条件に基づいて撮像手順の最適化を図るようにしたので、撮像エリアの数、すなわち検査時の撮像回数を削減でき、検査時間の短縮を図ることができる。
<他の実施形態>
上記の実施形態の説明は、本発明を例示的に説明するものに過ぎず、本発明は上記の具体的な形態には限定されない。本発明は、その技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では位相シフト法を用いたが、パターン光を投影した画像から物体の高さ情報を得ることができれば他の方法を用いても構わない。縞状や格子状のパターン光を物体に投影しそのパターンの歪みを画像解析することによって高さ情報を得る方法としては、例えば、縞解析法、空間コード化法などがある。
また、上記実施形態では、パターン(周期)と光量の二つの条件を設定したが、いずれか一方の条件だけを設定してもよい。
また、上記実施形態では、リフロー後検査に用いられる基板検査装置を例示したが、表面実装ラインの他の工程で利用される基板検査装置に対して本発明を適用することもできる。また、上記実施形態の基板検査装置はカラーハイライト照明法による計測機能を有しているが、この機能は必須ではなく、位相シフト法などのパターン光による計測機能だけをもつ基板検査装置に本発明を適用することも可能である。
1:基板検査装置、2:ティーチング装置、3:記憶装置
10:ステージ、11:計測ユニット、12:制御装置、13:情報処理装置、14:表示装置、
20:ティーチング用画像取得部、21:検査対象物設定部、22:撮像条件設定部、23:特徴設定部、24:撮像手順設定部
30:ティーチング用画像DB、31:検査プログラムDB、32:検査結果DB
110:カメラ、111:照明装置、111B:青色光源、111G:緑色光源、111R:赤色光源、112:投影装置
130:撮像制御部、131:画像取込部、132:位相情報解析部、133:画像データセット作成部、134:検査部、135:検査結果出力部
RL:赤色光、BL:青色光、GL:緑色光、PL:パターン光

Claims (10)

  1. パターン光を投影して撮像した画像を用いて基板上の検査対象物の高さを計測する機能をもつ基板検査装置に対し、基板を撮像するときの動作をティーチングするティーチング装置であって、
    前記基板検査装置によって基板上の複数の検査対象物を撮像する処理を、投影するパターン光の条件である撮像条件を切り替えながら複数回実行することにより得られた、複数の撮像条件のそれぞれに対応する複数の画像を取得する画像取得部と、
    前記画像取得部で取得された複数の画像に基づいて、検査対象物ごとに前記複数の撮像条件のなかから最適な撮像条件を選択し、選択した検査対象物ごとの撮像条件を前記基板検査装置に対し設定する撮像条件設定部と、
    を有し、
    前記複数の撮像条件は、前記基板検査装置の高さの計測レンジが互いに異なる複数の条件を含む
    ことを特徴とする基板検査装置のティーチング装置。
  2. 前記基板検査装置の高さの計測レンジが互いに異なる複数の条件は、投影するパターン光のパターンが互いに異なる複数の条件である
    ことを特徴とする請求項に記載の基板検査装置のティーチング装置。
  3. 前記撮像条件設定部は、前記複数の画像のうち計測レンジの最も広い撮像条件に対応する画像を用いて検査対象物の高さを計算し、前記複数の撮像条件のなかから当該検査対象物の高さに適した計測レンジをもつ撮像条件を選択する
    ことを特徴とする請求項又はに記載の基板検査装置のティーチング装置。
  4. 前記複数の撮像条件は、投影するパターン光の光量が互いに異なる複数の条件を含む
    ことを特徴とする請求項1〜のうちいずれか1項に記載の基板検査装置のティーチング装置。
  5. 前記複数の画像は、均一な輝度の光を投影した状態で撮像されたパターンなし画像を含み、
    前記撮像条件設定部は、各光量での検査対象物のパターンなし画像に基づいて、前記複数の撮像条件のなかから当該検査対象物に適した光量の撮像条件を選択する
    ことを特徴とする請求項に記載の基板検査装置のティーチング装置。
  6. 前記撮像条件設定部によって選択された検査対象物ごとの撮像条件に基づいて、基板の検査時に撮像すべき複数の撮像エリアを設定する撮像手順設定部をさらに有し、
    前記撮像手順設定部は、同じ撮像条件の複数の検査対象物が同じ撮像エリア内に入るように、撮像エリアの位置を設定する
    ことを特徴とする請求項1〜のうちいずれか1項に記載の基板検査装置のティーチング装置。
  7. 前記撮像条件設定部は、二つの撮像エリアの撮像条件が類似しており、且つ、二つの撮像エリアに含まれる複数の検査対象物のすべてが一つの撮像エリアに収まる場合に、当該二つの撮像エリアを統合して一つの撮像エリアを設定する
    ことを特徴とする請求項に記載の基板検査装置のティーチング装置。
  8. 請求項1〜のうちいずれか1項に記載のティーチング装置と、
    前記ティーチング装置によって設定された検査対象物ごとの撮像条件にしたがって、基板上の検査対象物を撮像し、得られた画像を用いて検査対象物を検査する基板検査装置と、
    を有することを特徴とする基板検査システム。
  9. パターン光を投影して撮像した画像を用いて基板上の検査対象物の高さを検査する機能をもつ基板検査装置に対し、基板を撮像するときの動作をティーチングするティーチング方法であって、
    コンピュータが、
    前記基板検査装置によって基板上の複数の検査対象物を撮像する処理を、投影するパターン光の条件である撮像条件を切り替えながら複数回実行することにより得られた、複数の撮像条件のそれぞれに対応する複数の画像を取得するステップと、
    取得された複数の画像に基づいて、検査対象物ごとに前記複数の撮像条件のなかから最適な撮像条件を選択し、選択した検査対象物ごとの撮像条件を前記基板検査装置に対し設定するステップと、
    を実行し、
    前記複数の撮像条件は、前記基板検査装置の高さの計測レンジが互いに異なる複数の条件を含む
    ことを特徴とする基板検査装置のティーチング方法。
  10. 請求項に記載の基板検査装置のティーチング方法の各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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