JP6330447B2 - 含フッ素共重合体組成物、その製造方法および成形品 - Google Patents

含フッ素共重合体組成物、その製造方法および成形品 Download PDF

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Description

本発明は、含フッ素共重合体組成物、その製造方法および成形品に関する。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂(以下、「PEEK」ともいう。)に代表されるポリアリールケトン樹脂等の高強度耐熱性樹脂は、医療製品、機械部品、自動車部品、電気・電子部品等の様々な用途に広く用いられている。
しかし、PEEKは耐衝撃性、耐酸性等が不充分であり、PEEKにフッ素樹脂を添加することにより、高機能な樹脂組成物を得ようとする検討がなされている。
例えば、特許文献1には、PEEKに溶融成形が可能なフッ素樹脂を添加することで、高強度を発現する含フッ素共重合体組成物が開示され、特許文献1の実施例では、フッ素樹脂として、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(以下、「PFA」ともいう。)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(以下、「ETFE」ともいう。)が使用されている。これらのなかでも、PFAは、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」ともいう。)と同様のペルフルオロ系フッ素ポリマーであることから、PTFEに匹敵する耐熱性、電気特性等の優れた物性を有している。
特開2010−189599号公報
しかし、本発明者らの検討の結果、PEEKにPFAを添加した含フッ素共重合体組成物は、引張強度が低いことがわかった。
またPEEKは金属との接着性が低く、且つフッ素樹脂を添加した含フッ素共重合体組成物の接着性は更に低下する傾向がある。特に金属を用いる電線等の用途においては樹脂と金属との接着性が重要である。
本発明は、フッ素樹脂に基づく優れた柔軟性を有し、金属との接着性に優れ、かつ、高い引張強度を有する含フッ素共重合体組成物とその製造方法および成形品の提供を目的とする。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]金属からなる層(F)、および前記層(F)上に形成された層(G)を有する積層体であって、
前記層(G)が含フッ素共重合体組成物を含み、
前記含フッ素共重合体組成物が、ポリアリールケトン樹脂(A)と溶融成形が可能な含フッ素共重合体(B)とを(A)/(B)=99/1〜60/40(体積比)で含有し、
前記含フッ素共重合体(B)が、カルボニル基、カーボネート基、ヒドロキシル基、エポキシ基、カルボニルジオキシ基、カルボキシル基、ハロホルミル基、アルコキシカルボニル基、酸無水物残基、イソシアネート基からなる群より選ばれる1つ以上の反応性官能基を有し、かつ下記式(1)を満たす含フッ素共重合体組成物であって、
前記金属は、銅、ステンレス、アルミニウム、鉄、およびそれらの合金からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする積層体
αb−αa≧5(ppm/℃)…(1)
(式(1)中、αaは前記含フッ素共重合体(B)の線膨張係数を示し、αbは前記含フッ素共重合体(B)を混練機において400℃で10分間溶融混練した後の前記含フッ素共重合体(B)の線膨張係数を示す。)
[2]前記反応性官能基の含有量が、前記含フッ素共重合体(B)の主鎖炭素数1×10個に対し10〜60000個である、[]に記載の積層体
]前記含フッ素共重合体(B)が、平均分散粒子径10μm以下の微粒子として当該含フッ素共重合体組成物中に含まれる、[1]または2]に記載の積層体
]前記含フッ素共重合体(B)が、テトラフルオロエチレンに基づく構成単位(b1)と、酸無水物残基と重合性不飽和結合とを有する環状炭化水素モノマーに基づく構成単位(b2)と、フッ素モノマー(ただし、テトラフルオロエチレンを除く。)に基づく構成単位(b3)とを含有し、
前記構成単位(b1)と、前記構成単位(b2)と、前記構成単位(b3)の合計モル量に対して、構成単位(b1)が50〜99.89モル%で、構成単位(b2)が0.01〜5モル%で、構成単位(b3)が0.1〜49.99モル%である、[1]〜[]のいずれかに記載の積層体
]前記環状炭化水素モノマーが、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物である、[]に記載の積層体
[6]前記フッ素モノマーが、CF=CFORf1(ただし、Rf1は炭素数1〜10で炭素原子間に酸素原子を含んでもよいペルフルオロアルキル基。)およびヘキサフルオロプロピレンから選ばれる1つ以上である、[]または[]に記載の積層体
厚さが0.30mm以下であることを特徴とする、[1]〜[]のいずれかに記載の積層体。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載の積層体の製造方法であって、前記含フッ素共重合体組成物を、ポリアリールケトン樹脂(A)と溶融成形が可能な含フッ素共重合体(B)とを360℃以上の温度で溶融混練して得ることを特徴とする、積層体の製造方法
本発明の含フッ素共重合体組成物は、フッ素樹脂に基づく優れた柔軟性を有し、金属との接着性に優れ、かつ、高い引張強度を有する。
本発明の含フッ素共重合体組成物の製造方法によれば、フッ素樹脂に基づく優れた柔軟性を有し、金属との接着性に優れ、かつ、高い引張強度を有する含フッ素共重合体組成物を製造できる。
また、本発明の成形品は、フッ素樹脂に基づく優れた柔軟性を有し、金属との接着性に優れ、かつ、高い引張強度を有する。さらに、本発明の成形品は、厚さを0.30mm以下としたときに、より高い引っ張り強度を有する。
また、本発明の積層体は、含フッ素共重合体組成物と金属との接着性が良好であることから、各種用途に好適に用いることができる。
本発明の含フッ素共重合体組成物は、ポリアリールケトン樹脂(A)と溶融成形が可能な含フッ素共重合体(B)とを(A)/(B)=99/1〜60/40(体積比)で含有する組成物である。
[ポリアリールケトン樹脂(A)]
ポリアリールケトン樹脂(A)(以下、「(A)成分」ともいう。)は、芳香環と、該芳香環同士を結合するエーテル結合及びケトン結合とを有する樹脂である。
ポリアリールケトン樹脂(A)としては、例えば、ポリエーテルケトン樹脂、PEEK、ポリエーテルエーテルケトンケトン樹脂等が挙げられる。なかでも、高強度で耐熱性に優れた含フッ素共重合体組成物が得られやすい点から、PEEKが特に好ましい。
ポリアリールケトン樹脂(A)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
PEEKとしては、公知の方法で合成した樹脂を用いても、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、「KetaSpire KT−820(ソルベイアドバンストポリマーズ社製)」等が挙げられる。
ポリアリールケトン樹脂(A)は、その融点よりも20℃以上高い温度において、溶融流れ速度(Melt Flow Rate:以下、「MFR」という。)が、0.1〜1000g/10分となる温度が存在するものであることが好ましく、0.5〜100g/10分となる温度が存在するものであることがより好ましく、1〜50g/10分となる温度が存在するものであることがさらに好ましく、5〜35g/10分となる温度が存在するものであることが最も好ましい。MFRはポリアリールケトン樹脂(A)の分子量の目安であり、MFRが大きいと分子量が低く、小さいと分子量が大きいことを示す。MFRが上記範囲の下限値以上であると、含フッ素共重合体組成物の成形加工性および得られる成形品の表面の平滑性、外観がより優れ、上記範囲の上限値以下であると、含フッ素共重合体組成物の機械強度がより優れる。
ポリアリールケトン樹脂(A)の質量平均分子量(Mw)は、ポリアリールケトン樹脂(A)のMFRが上記範囲となる値であることが好ましく、樹脂の種類によっても異なるが、例えば1×10〜5×10であり、5×10〜1×10がより好ましい。
[含フッ素共重合体(B)]
本発明の含フッ素共重合体組成物が含有する含フッ素共重合体(B)は、溶融成形が可能な共重合体である。
溶融成形が可能な含フッ素共重合体(B)は、該共重合体の融点よりも20℃以上高い温度において、MFRが、0.1〜1000g/10分となる温度が存在するものであることが好ましい。MFRは含フッ素共重合体(B)の分子量の目安であり、MFRが大きいと分子量が低く、小さいと分子量が大きいことを示す。
含フッ素共重合体(B)は、該共重合体の融点よりも20℃以上高い温度において、MFRが、0.5〜100g/10分となる温度が存在するものであることがより好ましく、1〜30g/10分となる温度が存在するものであることがさらに好ましく、5〜20g/10分となる温度が存在するものであることが最も好ましい。MFRが上記範囲の下限値以上であると、含フッ素共重合体組成物の成形加工性および得られる成形品の表面の平滑性、外観がより優れ、上記範囲の上限値以下であると、該含フッ素共重合体(B)を含有する含フッ素共重合体組成物の機械強度がより優れる。
本発明に用いられる含フッ素共重合体(B)は、下記式(1)を満たす。下記式(1)を満たす含フッ素共重合体(B)を用いることにより、含フッ素共重合体組成物の引張強度が優れる。また、フッ素樹脂に基づく柔軟性も維持できる。
αb−αa≧5(ppm/℃)…(1)
式(1)中、αaは、含フッ素共重合体(B)の線膨張係数を示し、αbは、含フッ素共重合体(B)を混練機において400℃で10分間溶融混練した後の該含フッ素共重合体(B)の線膨張係数を示す。
ここでの「400℃」との温度は、含フッ素共重合体(B)自身の温度である。また、「400℃で10分間溶融混練する」との条件は、含フッ素共重合体(B)を混練機に投入、昇温し、含フッ素共重合体(B)が397℃に到達した時点から10分間にわたって、含フッ素共重合体(B)を400±3℃(すなわち、397〜403℃)の範囲内で溶融混練することをいう。10分間溶融混練した後には、含フッ素共重合体(B)を混練機から取り出し、室温で放置して降温する。その後、該含フッ素共重合体(B)について、線膨張係数αbを測定する。溶融混練時のサンプル量は、上記条件内で溶融混錬できれば、特に制限されるものではない。
線膨張係数αaの測定には、含フッ素共重合体(B)をプレス成形(プレス条件:加工温度380℃、圧力10MPa、プレス時間5分間)して得られたシートを切断して得た4mm×55mm×0.25mmの短冊状のサンプルを用いる。
測定は、該サンプルをオーブンにて250℃で2時間乾燥させ、サンプルの状態調整を行ってから実施する。測定には、SII社製熱機械分析装置(TMA/SS6100)を用い、空気雰囲気下、チャック間距離20mm、2.5gの負荷荷重をかけながら、30℃から250℃まで5℃/分の速度でサンプルを昇温し、サンプルの線膨張に伴う変位量を測定する。測定終了後、50℃から100℃までの間のサンプルの変位量から、線膨張係数αa(ppm/℃)を求める。
線膨張係数αbの測定は、混練機において上述のように400℃で10分間溶融混練した後の含フッ素共重合体(B)のプレス成形品から切り出されたサンプルを用いる以外は、線膨張係数αaと同様の方法で行う。
含フッ素共重合体(B)は、引張強度がより優れる含フッ素共重合体組成物が得られる点から、下記式(2)を満たすことが好ましく、下記式(3)を満たすことがより好ましい。また、含フッ素共重合体(B)は、下記式(4)を満たすことが好ましい。
また、含フッ素共重合体(B)の線膨張係数αaは、寸法安定性の点から、0〜250(ppm/℃)が好ましく、0〜200(ppm/℃)がより好ましい。
αb−αa≧10(ppm/℃)…(2)
αb−αa≧50(ppm/℃)…(3)
αb−αa≦150(ppm/℃)…(4)
(αb−αa)値が上記範囲を満足する含フッ素共重合体(B)としては、カルボニル基、カーボネート基、ヒドロキシル基、エポキシ基、カルボニルジオキシ基、カルボキシル基、ハロホルミル基、アルコキシカルボニル基、酸無水物残基、イソシアネート基からなる群より選ばれる1つ以上の反応性官能基を有する共重合体等が挙げられる。反応性官能基を有する含フッ素共重合体(B)は、その(αb−αa)値が上記範囲を満足しやすい。
反応性官能基としては、カーボネート基、カルボニルジオキシ基、カルボキシル基、ハロホルミル基、アルコキシカルボニル基、酸無水物残基が好ましく、ハロホルミル基、アルコキシカルボニル基、酸無水物残基がより好ましい。
ハロホルミル基としては、フルオロホルミル基(カルボニルフルオリド基ともいう。)が好ましい。また、アルコキシカルボニル基(エステル基ともいう。)としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が好ましい。
含フッ素共重合体(B)の有する反応性官能基としては、ポリアリールケトン樹脂(A)との相容性向上の点から、酸無水物残基であることが最も好ましい。
含フッ素共重合体(B)の有する反応性官能基の量は、含フッ素共重合体(B)の(αb−αa)値と相関すると考えられ、含フッ素共重合体(B)の反応性官能基の量が増加すると、(αb−αa)値も増加する傾向にある。(αb−αa)値が上記範囲を満足するためには、反応性官能基の含有量が、含フッ素共重合体(B)の主鎖炭素数1×10個に対し10〜60000個が好ましい。反応性官能基の含有量は、含フッ素共重合体(B)の主鎖炭素数1×10個に対し100〜10000個がより好ましく、300〜5000個が最も好ましい。
含フッ素共重合体(B)の主鎖炭素数1×10個に対する反応性官能基の含有量(個数)は、NMR、赤外吸収スペクトル分析等の方法により、測定できる。例えば、特開2007−314720号公報に記載のように赤外吸収スペクトル分析等の方法を用いて反応性官能基を有する構成単位の割合を求め、該割合から、反応性官能基の含有量を算出することができる。
反応性官能基を有する含フッ素共重合体(B)の製造方法としては、(1)重合反応で含フッ素共重合体(B)を製造する際に、反応性官能基を有するモノマーを使用する方法、(2)反応性官応基を有するラジカル重合開始剤や連鎖移動剤を用いて、重合反応で含フッ素共重合体(B)を製造する方法、(3)反応性官能基を有しない含フッ素共重合体を加熱して、該共重合体を部分的に熱分解することで、反応性官能基(例えばカルボニル基。)を生成させ、反応性官能基を有する含フッ素共重合体(B)を得る方法、(4)反応性官能基を有しない含フッ素共重合体に、官能基を有するモノマーをグラフト重合して、該共重合体に反応性官能基を導入する方法、などが挙げられる。反応性官能基は、含フッ素共重合体(B)の主鎖末端および側鎖の少なくとも一方に位置する。
反応性官能基を有する含フッ素重合体(B)の製造方法としては、(1)の方法が好ましい。
酸無水物残基を有する含フッ素共重合体(B)としては、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」ともいう。)に基づく構成単位(b1)と、酸無水物残基と重合性不飽和結合とを有する環状炭化水素モノマーに基づく構成単位(b2)と、フッ素モノマー(ただし、TFEを除く。)に基づく構成単位(b3)とを含有する共重合体が好ましい。ここで、構成単位(b2)の有する酸無水物残基が反応性官能基に相当する。
構成単位(b2)を形成する、酸無水物残基と重合性不飽和結合とを有する環状炭化水素モノマーとしては、無水イタコン酸(以下、「IAH」ともいう。)、無水シトラコン酸(以下、「CAH」ともいう。)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(以下、「NAH」ともいう。)、無水マレイン酸等が挙げられ、1種単独で用いても、2種以上用いてもよい。なかでも、IAH、CAH、NAHからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。IAH、CAH、NAHからなる群から選ばれる1種以上を用いると、無水マレイン酸を用いた場合に必要となる特殊な重合方法(特開平11−193312号公報参照。)を用いることなく、酸無水物残基を含有する含フッ素共重合体(B)を容易に製造できる。IAH、CAH、NAHのなかでは、含フッ素共重合体(B)とポリアリールケトン樹脂(A)との相容性が優れる点から、NAHがより好ましい。
構成単位(b3)を形成するフッ素モノマーとしては、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン(以下、「VdF」ともいう。)、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン(以下、「CTFE」ともいう。)、ヘキサフルオロプロピレン(以下、「HFP」ともいう。)等のフルオロオレフィン、CF=CFORf1(ただし、Rf1は炭素数1〜10で炭素原子間に酸素原子を含んでもよいペルフルオロアルキル基。)、CF=CFORf2SO(Rf2は炭素数1〜10で炭素原子間に酸素原子を含んでもよいペルフルオロアルキレン基、Xはハロゲン原子又は水酸基。)、CF=CFORf3CO(ここで、Rf3は炭素数1〜10で炭素原子間に酸素原子を含んでもよいペルフルオロアルキレン基、Xは水素原子又は炭素数3以下のアルキル基。)、CF=CF(CFOCF=CF(ここで、pは1又は2。)、CH=CX(CF(ここで、Xは水素原子又はフッ素原子、qは2から10の整数、Xは水素原子又はフッ素原子。)及びペルフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1、3−ジオキソラン)等が挙げられる。
これらフッ素モノマーのなかでも、VdF、CTFE、HFP、CF=CFORf1及びCH=CX(CFからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、CF=CFORf1、HFPがより好ましい。
CF=CFORf1としては、CF=CFOCFCF、CF=CFOCFCFCF、CF=CFOCFCFCFCF、CF=CFO(CFF等が挙げられ、CF=CFOCFCFCF(以下、「PPVE」ともいう。)が好ましい。
CH=CX(CFとしては、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CH(CFF、CH=CF(CFH、CH=CF(CFH等が挙げられ、CH=CH(CFF又はCH=CH(CFFが好ましい。
含フッ素共重合体(B)は、構成単位(b1)と構成単位(b2)と構成単位(b3)との合計モル量に対して、構成単位(b1)が50〜99.89モル%で、構成単位(b2)が0.01〜5モル%で、構成単位(b3)が0.1〜49.99モル%であることが好ましく、構成単位(b1)が50〜99.4モル%で、構成単位(b2)が0.1〜3モル%で、構成単位(b3)が0.5〜49.9モル%であることがより好ましく、構成単位(b1)が50〜98.9モル%で、構成単位(b2)が0.1〜2モル%で、構成単位(b3)が1〜49.9モル%であることが特に好ましい。
各構成単位の含有量が上記範囲内であると、含フッ素共重合体(B)は、耐熱性、耐薬品性に優れ、含フッ素共重合体組成物は引張強度に優れる。
特に、構成単位(b2)の含有量が上記範囲内であると、含フッ素共重合体(B)の有する酸無水物残基の量が適切な量となり、含フッ素共重合体(B)はポリアリールケトン樹脂(A)との相容性に優れる。また、重合時において、酸無水物残基と重合性不飽和結合とを有する環状炭化水素モノマーの濃度も適切な量となり、後述のように、該モノマー濃度が高まることによる重合速度の低下を回避しやすい。
構成単位(b3)の含有量が上記範囲内であると、含フッ素共重合体(B)は成形性に優れ、含フッ素共重合体組成物の成形品は、耐ストレスクラック性等の機械物性に優れる。
なお、構成単位(b2)の含有量が、構成単位(b1)と構成単位(b2)と構成単位(b3)との合計モル量に対して0.01モル%とは、該含フッ素共重合体(B)の反応性官能基の含有量が含フッ素共重合体(B)の主鎖炭素数1×10個に対して100個であることに相当する。構成単位(b2)の含有量が、構成単位(b1)と構成単位(b2)と構成単位(b3)との合計モル量に対して5モル%とは、該含フッ素共重合体(B)の反応性官能基の含有量が含フッ素共重合体(B)の主鎖炭素数1×10個に対して50000個であることに相当する。
構成単位(b2)を有する含フッ素共重合体(B)には、酸無水物残基と重合性不飽和結合とを有する環状炭化水素モノマーが一部加水分解し、その結果、酸無水物残基に対応するジカルボン酸(イタコン酸、シトラコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、マレイン酸等。)に基づく構成単位が含まれる場合がある。該ジカルボン酸に基づく構成単位が含まれる場合、該構成単位の含有量は、構成単位(b2)に含まれるものとする。
また、各構成単位の含有量は、含フッ素共重合体(B)の溶融NMR分析、フッ素含有量分析及び赤外吸収スペクトル分析等により、算出できる。
含フッ素共重合体(B)は、上述の構成単位(b1)〜(b3)に加えて、非フッ素モノマー(ただし、酸無水物残基と重合性不飽和結合とを有する環状炭化水素モノマーを除く。)に基づく構成単位(b4)を有していてもよい。
非フッ素モノマーとしては、エチレン、プロピレン等の炭素数3以下のオレフィン、酢酸ビニル等のビニルエステル等が挙げられ、1種以上を使用できる。なかでも、エチレン、プロピレン、酢酸ビニルが好ましく、エチレンがより好ましい。
含フッ素共重合体(B)が構成単位(b4)を含有する場合、構成単位(b4)の含有量は、構成単位(b1)と構成単位(b2)と構成単位(b3)との合計モル量を100モルとした際に、5〜90モルが好ましく、5〜80モルがより好ましく、10〜65モルが最も好ましい。
また、含フッ素共重合体(B)の全構成単位の合計モル量を100モル%とした際に、構成単位(b1)〜(b3)の合計モル量は60モル%以上が好ましく、65モル%以上がより好ましく、68モル%以上が最も好ましい。好ましい上限値は、100モル%である。
含フッ素共重合体(B)の好ましい具体例としては、TFE/PPVE/NAH共重合体、TFE/PPVE/IAH共重合体、TFE/PPVE/CAH共重合体、TFE/HFP/IAH共重合体、TFE/HFP/CAH共重合体、TFE/VdF/IAH共重合体、TFE/VdF/CAH共重合体、TFE/CH=CH(CFF/IAH/E共重合体、TFE/CH=CH(CFF/CAH/エチレン共重合体、TFE/CH=CH(CFF/IAH/エチレン共重合体、TFE/CH=CH(CFF/CAH/エチレン共重合体、CTFE/CH=CH(CFF/IAH/エチレン共重合体、CTFE/CH=CH(CFF/CAH/エチレン共重合体、CTFE/CH=CH(CFF/IAH/エチレン共重合体、CTFE/CH=CH(CFF/CAH/エチレン共重合体等が挙げられる。
含フッ素共重合体(B)の製造方法としては、特に制限はないが、例えばラジカル重合開始剤を用いる重合方法が好ましい。該重合方法としては、塊状重合、フッ化炭化水素、塩化炭化水素、フッ化塩化炭化水素、アルコール、炭化水素等の有機溶媒を使用する溶液重合、水性媒体と必要に応じて適当な有機溶剤とを使用する懸濁重合、水性媒体と乳化剤とを使用する乳化重合が挙げられ、なかでも溶液重合が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、その半減期が10時間である温度が、0〜100℃である開始剤が好ましく、20〜90℃である開始剤がより好ましい。
具体例としては、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、イソブチリルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等の非フッ素系ジアシルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカ−ボネート等のペルオキシジカーボネート、tert−ブチルペルオキシピバレート、tert−ブチルペルオキシイソブチレート、tert−ブチルペルオキシアセテート等のペルオキシエステル、(Z(CFCOO)(ここで、Zは水素原子、フッ素原子又は塩素原子であり、rは1〜10の整数である。)で表される化合物等の含フッ素ジアシルペルオキシド、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物等が挙げられる。
重合時には、含フッ素共重合体(B)の溶融粘度を制御するために、連鎖移動剤を使用することも好ましい。
連鎖移動剤としては、メタノール、エタノール等のアルコール、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン等のクロロフルオロハイドロカーボン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等のハイドロカーボンが挙げられる。
また、ラジカル重合開始剤および連鎖移動剤の少なくとも一方として、上述したように、反応性官応基を有する化合物を用いてもよい。これにより、製造される含フッ素共重合体(B)に、反応性官能基を導入することができる。
このようなラジカル重合開始剤としては、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネートなどが挙げられ、連鎖移動剤としては、酢酸、無水酢酸、酢酸メチル、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
溶液重合で使用される溶媒としては、ペルフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、クロロヒドロフルオロカーボン、ヒドロフルオロエーテル等が用いられる。炭素数は、4〜12が好ましい。
ペルフルオロカーボンの具体例としては、ペルフルオロシクロブタン、ペルフルオロペンタン、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロシクロペンタン、ペルフルオロシクロヘキサン等が挙げられる。
ヒドロフルオロカーボンの具体例としては、1−ヒドロペルフルオロヘキサン等が挙げられる。
クロロヒドロフルオロカーボンの具体例としては、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン等が挙げられる。
ヒドロフルオロエーテルの具体例としては、メチルペルフルオロブチルエーテル、2,2,2−トリフルオロエチル2,2,1,1−テトラフルオロエチルエーテル等が挙げられる。
重合条件は特に限定されず、重合温度は0〜100℃が好ましく、20〜90℃がより好ましい。重合圧力は0.1〜10MPaが好ましく、0.5〜3MPaがより好ましい。重合時間は1〜30時間が好ましい。
構成単位(b2)を有する含フッ素共重合体(B)を重合する場合、酸無水物残基と重合性不飽和結合とを有する環状炭化水素モノマーの重合中の濃度は、全モノマーに対して0.01〜5モル%が好ましく、0.1〜3モル%がより好ましく、0.1〜2モル%が最も好ましい。該モノマーの濃度が高すぎると、重合速度が低下する傾向があり、上記範囲にあると、製造時の重合速度が適度で、かつ、得られる含フッ素共重合体(B)は、ポリアリールケトン樹脂(A)との相容性に優れる。重合中、酸無水物残基と重合性不飽和結合とを有する環状炭化水素モノマーが重合で消費されるに従って、消費された量を連続的または断続的に重合槽内に供給し、該モノマーの濃度を上記範囲内に維持することが好ましい。
[含フッ素共重合体組成物]
本発明の含フッ素共重合体組成物は、ポリアリールケトン樹脂(A)と含フッ素共重合体(B)とを(A)/(B)=99/1〜60/40(体積比)で含有する。ポリアリールケトン樹脂(A)と含フッ素共重合体(B)との体積比が上記範囲であると、含フッ素共重合体組成物中に含フッ素共重合体(B)が微粒子として分散しやすい。含フッ素共重合体組成物の引張強度が優れる点から、含フッ素共重合体(B)は平均分散粒子径が10μm以下の微粒子として分散することが好ましく、5μm以下の微粒子として分散することがより好ましい。
含フッ素共重合体(B)を平均分散粒子径5μm以下で分散させるためには、ポリアリールケトン樹脂(A)と含フッ素共重合体(B)との体積比は、(A)/(B)=97/3〜65/35が好ましく、(A)/(B)=95/5〜65/35がより好ましい。また、含フッ素共重合体(B)が反応性官能基を有すると、含フッ素共重合体(B)はポリアリールケトン樹脂(A)との相容性に優れ、平均分散粒子径はより小さくなりやすい。
含フッ素共重合体組成物中における含フッ素共重合体(B)の平均分散粒子径は、該含フッ素共重合体組成物のプレス成形品の切断面を顕微鏡観察することにより、求められる。
含フッ素共重合体組成物は、その特性を損なわない範囲で、ポリアリールケトン樹脂(A)および含フッ素共重合体(B)以外の樹脂を含んでもよい。このような樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリカプロラクトン、フェノキシ樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、半芳香族ポリアミド、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、アクリルゴム、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−フェニルマレイミド共重合体、芳香族ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミド、熱可塑性ポリイミド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種以上を使用できる。
ポリアリールケトン樹脂(A)および含フッ素共重合体(B)以外の樹脂を含有する場合、含フッ素共重合体組成物中の該樹脂の含有量は、30質量%以下が好ましい。
含フッ素共重合体組成物は、その特性を大きく損なわない限り、充填剤、顔料、その他の添加剤を含有できる。
充填剤としては、無機フィラー(D)を含有することが好ましい。無機フィラー(D)の具体例としては、繊維状フィラー類(ガラス繊維、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、液晶ポリエステル繊維、ステンレス鋼マイクロファイバー等)、粉末状フィラー類(タルク、マイカ、グラファイト、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン、炭酸カルシウム、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、二酸化チタン等)等が挙げられる。無機フィラー(D)は1種以上を使用できる。含フッ素共重合体組成物中の無機フィラー(D)の含有量は、(ポリアリールケトン樹脂(A)+含フッ素共重合体(B))/無機フィラー(D)が、質量比で90/10〜50/50であることが好ましい。この範囲にあると、含フッ素共重合体組成物は、機械的特性や電気特性に優れる。
顔料としては、有機顔料、無機顔料等の着色顔料(E)が挙げられる。具体例としては、カーボンブラック(黒色顔料)、酸化鉄(赤色顔料)、アルミコバルト酸化物(青色顔料)、銅フタロシアニン(青色顔料、緑色顔料)、ペリレン(赤顔料)、バナジン酸ビスマス(黄顔料)等が挙げられる。
顔料の含有量としては、含フッ素共重合体組成物中、20質量%以下が好ましく、10質量%以下が特に好ましい。顔料の含有量が20質量%超となると、フッ素樹脂に基づく非粘着性や耐摩耗性が損なわれるおそれがある。
本発明の含フッ素共重合体組成物は、ポリアリールケトン樹脂(A)および含フッ素共重合体(B)と、必要に応じて配合されるその他の成分(熱可塑性樹脂、充填剤、顔料等。)とを混練押出機等を用いて溶融混練する方法で製造することが好ましい。
溶融混練には、種々の混練機が使用できるが、押出機を用いることが好ましい。
混練押出機のスクリューは、2軸スクリュータイプが好ましい。
溶融混練温度は、360〜450℃が好ましく、380〜420℃がより好ましい。該温度が360℃以上であると、溶融混練において、含フッ素共重合体(B)と、ポリアリールケトン樹脂(A)との相容性が向上し、含フッ素共重合体(B)が平均分散粒子径10μm以下で分散しやすくなる。
混練押出機での滞留時間は、10秒以上30分以下が好ましい。スクリュー回転数は、5rpm以上1500rpm以下が好ましく、10rpm以上500rpm以下がより好ましい。
本発明の含フッ素共重合体組成物は、ポリアリールケトン樹脂(A)と上記式(1)を満たす含フッ素共重合体(B)とを特定の体積比で含有するものであるため、優れた引張強度を有する。また、フッ素共重合体に基づく充分な柔軟性をも有している。そのため、本発明の含フッ素共重合体組成物は、成形品の形状、用途等に応じた成形法により成形され、例えば、医療製品、機械部品、自動車部品、電気・電子部品等の様々な用途に用いられる。
具体的な用途としては、医療製品としては、例えば、内視鏡チューブ、内視鏡操作部等の内視鏡用部材が挙げられる。機械部品としては、分離爪、ヒータホルダーなどの複写機、印刷機関連部品、産業分野におけるコンプレッサ部品、大量輸送システムのケーブル、コンベアベルトチェーン、油田開発機械用コネクタ、水圧駆動システムのポンプ部品が挙げられる。
自動車部品としては、例えば、スプール弁、スラストワッシャー、オイルフィルター、各種ギア、ABSパーツ、ATシールリング、MTシフトフォークパッド、ベアリング、シール、クラッチリングが挙げられる。
電気・電子部品としては、例えば、電線、プリント基板、コネクタ、ソケット、リレー部品、コイルボビン、光ピックアップ、発振子、半導体パッケージ、コンピューター関連部品、ハードディスク関連部品、カメラ鏡筒、光学センサー筐体、コンパクトカメラモジュール筐体(パッケージや鏡筒)、プロジェクター光学エンジン構成部材、ICトレー、ウエハーキャリヤーなどの半導体製造プロセス関連部品が挙げられる。
なお、本発明の含フッ素共重合体組成物は、成形品の厚さを1mm以下、好ましくは0.30mm以下、より好ましくは0.25mm以下に調整して用いることができる。特に、0.30mm以下の厚さとすることにより、成形品の引張強度が向上するため、好ましい。このような成形品は、電線やプリント基板に用いることが好ましい。
本発明の含フッ素共重合体組成物は、金属に対する優れた接着性を有することから、金属と積層する用途、例えば電線、プリント基板、コイル線、ワイヤ線、ケーブル等に用いることが好ましい。中でも、高い接着性により、金属表面の粗面化をしなくても済むことから、高周波信号伝送用製品として好適に用いることができる。また、強固な接着性が要求される、モーターコイル線やプッシュプルケーブルに用いられるワイヤ線として好適に用いることもできる。
本発明の含フッ素共重合体組成物を金属と積層して積層体とした場合、プリント配線基板、高周波伝送ケーブル等として好適に用いることができる。
プリント基板に用いる積層体は、後述する積層体の製造方法により製造することができる。
高周波伝送ケーブルとしては、公知の方法により製造することができる。
本発明の積層体は、金属からなる層(F)、および前記層(F)上に形成された層(G)を有する積層体であって、前記層(G)は前記本発明の含フッ素共重合体組成物を含むものである。
本発明の積層体において、金属としては、銅、ステンレス、アルミニウム、鉄、およびそれらの合金からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記積層体は、前記金属と、本発明の含フッ素共重合体組成物からなるシートとを、熱プレスすることにより製造するのが好ましい。
プリント基板として用いる場合は、前記金属は金属箔であることが好ましい。
前記熱プレスの方法としては、真空ヒートプレス等の方法が挙げられる。
前記熱プレスにおいて、温度としては290〜450℃が好ましく、350〜420℃がより好ましい。また、圧力としては、0.1〜30MPaが好ましく、0.5〜15MPaがより好ましい。
本発明の積層体を、コイル線やケーブルとして用いる場合は、金属からなる芯線上に、本発明の含フッ素共重合体組成物からなる被覆層を形成することにより製造するのが好ましい。
前記被覆成形方法としては、ディッピング法、押出成形法、ラッピング法、等が挙げられる。被覆成形の温度としては、金属と含フッ素共重合体組成物からなる被覆層がより強固に接着することから、340〜450℃であることが好ましく、360〜420℃であることがより好ましい。
また、被覆成形後に加熱処理をしてもよい。ただし、製品の特性に影響を与えないよう、140〜380℃で処理するのが好ましく、280〜360℃であることがより好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
含フッ素共重合体(B)の共重合組成、反応性官能基の含有量、融点、MFRおよび線膨張係数と、含フッ素共重合体組成物の機械物性(引張強度および貯蔵弾性率)、含フッ素共重合体組成物中の含フッ素共重合体(B)の平均分散粒子径は、以下の方法により測定した。
[含フッ素共重合体(B)]
(1)共重合組成
共重合組成を溶融NMR分析、フッ素含有量分析及び赤外吸収スペクトル分析により求めた。
(2)反応性官能基の含有量
以下の赤外吸収スペクトル分析によって、含フッ素共重合体(B)における反応性官能基を有するNAHに基づく繰返し単位の割合を求めた。
含フッ素共重合体(B)をプレス成形して200μmのフィルムを得た。赤外吸収スペクトルにおいて、含フッ素共重合体中のNAHに基づく構成単位における吸収ピークは、いずれも1778cm−1に現れる。該吸収ピークの吸光度を測定し、NAHのモル吸光係数20810mol−1・l・cm−1を用いて、NAHに基づく構成単位の割合(モル%)を求めた。
そして、該割合を例えばa(モル%)とすると、主鎖炭素数1×10個に対する反応性官能基(酸無水物基)の個数は、[a×10/100]個と算出される。
(3)融点(℃)
セイコー電子製の示差走査熱量計(DSC装置)を用い、含フッ素共重合体(B)を10℃/分の速度で昇温したときの融解ピークを記録し、極大値に対応する温度(℃)を融点(Tm)とした。
なお、ポリアリールケトン樹脂(A)のTmについても同様に測定した。
(4)MFR(g/10分)
テクノセブン社製メルトインデクサーを用い、融点より20℃以上高い温度である372℃、5kg荷重下で直径2mm、長さ8mmのノズルから、10分間(単位時間)に流出する含フッ素共重合体(B)の質量(g)を測定した。
なお、ポリアリールケトン樹脂(A)のMFRについても同様に測定した。
(5)線膨張係数αaおよびαb(ppm/℃)
(5−1)サンプルの作製
含フッ素共重合体(B)をテスター産業社製メルト熱プレス機でプレス成形し、80mm×80mm×0.25mm厚のシートを得た。プレス条件は、温度380℃、圧力10MPa、プレス時間5分間とした。得られたシートから、4mm×55mm×0.25mmの短冊状のシートを切り出し、これを測定用のサンプルとした。
(5−2)測定
線膨張係数の測定は、上記サンプルをオーブンにて250℃で2時間乾燥させ、サンプルの状態調整を行ってから実施した。測定には、SII社製熱機械分析装置(TMA/SS6100)を用い、空気雰囲気下、チャック間距離20mm、2.5gの負荷荷重をかけながら、30℃から250℃まで5℃/分の速度でサンプルを昇温し、サンプルの線膨張に伴う変位量を測定した。測定終了後、50℃から100℃までの間のサンプルの変位量から、線膨張係数(ppm/℃)を求めた。
(5−3)400℃、10分間の溶融混練
線膨張係数αaおよびαbのうち、線膨張係数αbの測定に際しては、含フッ素共重合体(B)を混練機において400℃で10分間溶融混練した後、常温まで冷却したものについて、上記(5−1)の方法でサンプルを作成し、上記(5−2)の方法で測定を実施した。
混練機における400℃で10分間の溶融混練は、具体的には以下のように実施した。
東洋精機社製ラボプラストミル混錬機に、含フッ素共重合体(B)の40gを投入、昇温し、含フッ素共重合体(B)が397℃に到達した時点から10分間にわたって、400±3℃の条件下で、スクリュー回転数30rpmにて溶融混練を実施した。10分間溶融混練した後、含フッ素共重合体(B)を混練機から取り出し、室温で放置して降温、冷却した。
(6)平均分散粒子径(μm)
日立ハイテクノロジー製の走査型電子顕微鏡「FE−SEM」を用い、測定対象の含フッ素共重合体組成物のプレスシートを液体窒素中で凍結後切断し、切断面を観察した。倍率3000倍で5個の粒子状物質の直径を「FE−SEM」に付属の測長機能を用いて計測し、その平均値から平均分散粒子径を算出した。なお、各粒子状物質については、エネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いた元素分析により、含フッ素共重合体(B)であることを確認した。
[含フッ素共重合体組成物]
(1)引張強度(MPa)
(1−1)サンプルの作製
1mm厚の引張強度:含フッ素共重合体組成物をテスター産業社製メルト熱プレス機でプレス成形し、80mm×80mm×1mm厚のシートを得た。プレス条件は、加工温度380℃、圧力10MPa、プレス時間5分間とした。該シートを、64mm×10mm×1mm厚の寸法を有するミクロダンベルにより打ち抜き、引っ張り試験片を得た。
0.25mm厚の引張強度:含フッ素共重合体組成物をテスター産業社製メルト熱プレス機でプレス成形し、80mm×80mm×0.25mm厚のシートを得た。プレス条件は、加工温度380℃、圧力10MPa、プレス時間5分間とした。該シートを、64mm×10mm×0.25mm厚の寸法を有するミクロダンベルにより打ち抜き、引っ張り試験片を得た。
(1−2)測定
1mm厚の引張強度:東洋精機社製の引張圧縮試験機「ストログラフR−2」を用いて、荷重100kg、引っ張り速度200mm/min、標線間距離:7.6mmの試験条件下で引張強度を測定した。
0.25mm厚の引張強度:東洋精機社製の引張圧縮試験機「ストログラフR−2」を用いて、荷重100kg、引っ張り速度50mm/min、標線間距離:7.6mmの試験条件下で引張強度を測定した。
(2)貯蔵弾性率(MPa)
(2−1)サンプルの作製
含フッ素共重合体組成物をテスター産業社製メルト熱プレス機でプレス成形し、0.25mm厚のシートを得た。プレス条件は、加工温度380℃、圧力10MPa、プレス時間5分間とした。該シートから、長さ30mm、巾5mm、厚み0.25mmの短冊状のサンプルを切り出した。
(2−2)測定
貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定により50℃で測定する値である。具体的には、SII製動的粘弾性装置「DMS6100」を用い、上記サンプルについて、引張モード、つかみ巾20mm、測定温度50℃、周波数1Hzの条件で測定した。
(製造例1)含フッ素共重合体(B−1)の製造
構成単位(b1)を形成するTFEと、構成単位(b2)を形成するNAH(「無水ハイミック酸」、日立化成社製)と、構成単位(b3)を形成するCF2=CFO(CFF(ペルフルオロプロピルビニルエーテル、旭硝子社製)(以下、「PPVE」という。)を用いて、含フッ素共重合体(B−1)を次のようにして製造した。
まず、369kgの1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(AK225cb、旭硝子社製)(以下、「AK225cb」という。)と、30kgのPPVEとを、予め脱気された内容積が430Lの撹拌機付き重合槽に仕込んだ。次いで、この重合槽内を加熟して50℃に昇温し、さらに50kgのTFEを仕込んだ後、該重合槽内の圧力を0.89MPa/Gまで昇圧した。なお、「0.89MPa/G」とは、ゲージ圧が0.89MPaであることを示す。以下、同様である。
さらに、(ペルフルオロブチリル)ペルオキシドを0.36質量%の濃度でAK225cbに溶解した重合開始剤溶液を調製し、重合槽中に当該重合開始剤溶液の3Lを1分間に6.25mLの速度にて連続的に添加しながら重合を行った。また、重合反応中における重合槽内の圧力が0.89MPa/Gを保持するようにTFEを連続的に仕込んだ。また、NAHを0.3質量%の濃度でAK225cbに溶解した溶液を、重合中に仕込むTFEのモル数に対して0.1モル%に相当する量ずつ、連続的に仕込んだ。
重合開始8時間後、32kgのTFEを仕込んだ時点で、重合槽内の温度を室温まで降温するとともに、圧力を常圧までパージした。得られたスラリをAK225cbと固液分離した後、固体分を150℃で15時間乾燥することにより、33kgの含フッ素共重合体(B−1)を得た。含フッ素共重合体(B−1)の比重は2.15であった。
溶融NMR分析、フッ素含有量分析及び赤外吸収スペクトル分析の結果から、この含フッ素共重合体(B−1)の共重合組成は、TFEに基づく構成単位(b1)/NAHに基づく構成単位(b2)/PPVEに基づく構成単位(b3)=97.9/0.1/2.0(モル%)であった。
また、含フッ素共重合体(B−1)の反応性官能基(酸無水物基)の含有量は、含フッ素共重合体(B−1)の主鎖炭素数1×10個に対して1000個であった。
含フッ素共重合体(B−1)の融点は300℃であり、融点より20℃以上高い372℃でのMFRは、17.6g/10分であった。
含フッ素共重合体(B−1)の線膨張係数は、αa=139ppm/℃、αb=218ppm/℃であり、αb−αa=79ppm/℃であった。
(参考例1)含フッ素共重合体(B−2)
含フッ素共重合体(B−2)として、PFA(旭硝子社製、製品名「Fluon PFA 73PT」)を用い、線膨張係数αbおよびαaを含フッ素共重合体(B−1)と同様の方法で測定した。αa=168ppm/℃、αb=170ppm/℃であり、αb−αa=2ppm/℃であった。
[実施例1]
東洋精機社製ラボプラストミル混錬機に、ポリアリールケトン樹脂(A)であるPEEK(A−1)と含フッ素共重合体(B−1)とを体積比(A−1)/(B−1)=70/30となるように投入し、スクリュー回転数30rpm、混錬時間10分間、混錬温度380℃の条件下で溶融混錬した。
得られた含フッ素共重合体組成物(C−1)について、引張強度(厚み1mm)、含有する含フッ素共重合体(B−1)の平均分散粒子径、貯蔵弾性率を測定した。結果を表1に示す。
なお、PEEK(A−1)としては、ソルベイアドバンストポリマーズ社製KetaSpire KT−820を用いた。該PEEK(A−1)の融点は340℃であり、融点より20℃以上高い372℃でのMFRは、24.1g/10分であった。
[比較例1]
東洋精機社製ラボプラストミル混錬機に、PEEK(A−1)と含フッ素共重合体(B−2)とを体積比(A−1)/(B−2)=70/30となるように投入した以外は、実施例1と同様にして溶融混錬した。
得られた含フッ素共重合体組成物(C−4)について、実施例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006330447
[積層体]
(1)層(G)に用いるサンプルの作製
含フッ素共重合体組成物(C)をテスター産業社製メルト熱プレス機でプレス成形し、210mm×210mm×0.4mm厚のシートを得た。プレス条件は、温度380℃、圧力10MPa、プレス時間5分間とした。得られたシートから、100mm×100mm×0.4mm厚の短冊状の含フッ素共重合体組成物(C)からなるシートを切り出した。これを層(G)として用いる。
(2)積層体の製造
前記含フッ素共重合体組成物(C)からなるシートおよび銅箔を、銅箔/シート/銅箔の順序で積層し、温度380℃、圧力1.5MPaの条件で10分間プレスして積層体を得た。
得られた積層体について銅箔と含フッ素共重合体組成物(C)からなるシートとの間の剥離強度を下記方法で調べた。
(3)剥離強度(N/10mm)
銅箔および含フッ素共重合体組成物(C)からなるシートの間の剥離強度を測定するため、積層体を長さ100mm、幅10mmの大きさに切断し、試験フィルムを作製した。試験フィルムの長さ方向の一端から50mmの位置まで銅箔と含フッ素共重合体組成物(C)からなるシートを剥離した。次いで、試験フィルムの長さ方向の一端から50mmの位置を中央にして、引張り試験機(オリエンテック社製)を用いて、引張り速度50mm/分で90度剥離し、最大荷重を剥離強度(N/10mm)とした。
[実施例2]
実施例1で得られた含フッ素共重合体組成物(C−1)について、上記記載の方法で銅箔との積層体を作製し、評価した。また、含フッ素共重合体組成物(C−1)の引張強度(厚み0.25mm)を測定した。結果を表2に示す。
[実施例3]
東洋精機社製ラボプラストミル混錬機に、ポリアリールケトン樹脂(A)であるPEEK(A−1)と含フッ素共重合体(B−1)とを体積比(A−1)/(B−1)=80/20となるように投入し、スクリュー回転数30rpm、混錬時間10分間、混錬温度380℃の条件下で溶融混錬した。
得られた含フッ素共重合体組成物(C−2)について、上記記載の方法で銅箔との積層体を作製し、評価した。また、含フッ素共重合体組成物(C−2)の引張強度(厚み0.25mm)を測定した。結果を表2に示す。
[実施例4]
東洋精機社製ラボプラストミル混錬機に、ポリアリールケトン樹脂(A)であるPEEK(A−1)と含フッ素共重合体(B−1)とを体積比(A−1)/(B−1)=90/10となるように投入し、スクリュー回転数30rpm、混錬時間10分間、混錬温度380℃の条件下で溶融混錬した。
得られた含フッ素共重合体組成物(C−3)について、上記記載の方法で銅箔との積層体を作製し、評価した。また、含フッ素共重合体組成物(C−3)の引張強度(厚み0.25mm)を測定した。結果を表2に示す。
[比較例2]
比較例1で得られた含フッ素共重合体組成物(C−4)について、上記記載の方法で銅箔との積層体を作製し、評価した。また、含フッ素共重合体組成物(C−4)の引張強度(厚み0.25mm)を測定した。結果を表2に示す。
[比較例3]
東洋精機社製ラボプラストミル混錬機に、PEEK(A−1)と含フッ素共重合体(B−2)とを体積比(A−1)/(B−2)=80/20となるように投入した以外は、実施例3と同様にして溶融混錬した。
得られた含フッ素共重合体組成物(C−5)について、上記記載の方法で銅箔との積層体を作製し、評価した。また、含フッ素共重合体組成物(C−5)の引張強度(厚み0.25mm)を測定した。結果を表2に示す。
[比較例4]
東洋精機社製ラボプラストミル混錬機に、PEEK(A−1)と含フッ素共重合体(B−2)とを体積比(A−1)/(B−2)=90/10となるように投入した以外は、実施例4と同様にして溶融混錬した。
得られた含フッ素共重合体組成物(C−6)について、上記記載の方法で銅箔との積層体を作製し、評価した。また、含フッ素共重合体組成物(C−6)の引張強度(厚み0.25mm)を測定した。結果を表2に示す。
[比較例5]
東洋精機社製ラボプラストミル混錬機に、PEEK(A−1)と含フッ素共重合体(B−2)とを体積比(A−1)/(B−2)=90/10となるように投入し、スクリュー回転数100rpm、混錬時間10分間、混錬温度380℃の条件下で溶融混錬した。得られた含フッ素共重合体組成物(C−7)について、上記記載の方法で銅箔との積層体を作製し、評価した。また、含フッ素共重合体組成物(C−7)の引張強度(厚み0.25mm)を測定した。結果を表2に示す。
[比較例6]
含フッ素共重合体(B−1)を用いず、PEEK(A)のみを用いて、上記記載の方法で銅箔との積層体を作製し、評価した。結果を表2に示す。
Figure 0006330447
表1に示すように、実施例1によれば、1mm厚のサンプルの引張強度が50MPa以上と充分に高いとともに、貯蔵弾性率が低く柔軟性に優れた含フッ素共重合体組成物(C−1)を製造できた。
これに対して、比較例1で得られた含フッ素共重合体組成物(C−4)は、1mm厚のサンプルの引張強度が50MPaに到達しなかった。また、実施例1の含フッ素共重合体組成物(C−1)に比べて貯蔵弾性率が大きく、柔軟性も不充分であった。
また、表2に示すように、実施例2〜4によれば、対応する比較例2〜4と比べて、0.25mm厚のサンプルの引張強度が高いとともに剥離強度も高い、優れた積層体が得られることが分かった。また、比較例5は、比較例4と同じ組成の含フッ素共重合体組成物を、混練時のスクリュー回転数を上げて平均分散粒子径を小さくしたものだが、それでも剥離強度等が劣るものであった。なお、比較例6は、含フッ素共重合体(B)を用いなかった例である。使用した含フッ素共重合体(B)が本発明の式(1)を満たさない比較例2〜5の場合、比較例6よりも剥離強度が劣るが、本発明の式(1)を満たす含フッ素共重合体(B)を用いた実施例2〜4は、比較例6よりも剥離強度が向上することが分かった。
本発明の含フッ素共重合体組成物は、成形され、例えば、医療製品、機械部品、自動車部品、電気・電子部品等の様々な用途に用いることができる。

Claims (8)

  1. 金属からなる層(F)、および前記層(F)上に形成された層(G)を有する積層体であって、
    前記層(G)が含フッ素共重合体組成物を含み、
    前記含フッ素共重合体組成物が、ポリアリールケトン樹脂(A)と溶融成形が可能な含フッ素共重合体(B)とを(A)/(B)=99/1〜60/40(体積比)で含有し、
    前記含フッ素共重合体(B)が、カルボニル基、カーボネート基、ヒドロキシル基、エポキシ基、カルボニルジオキシ基、カルボキシル基、ハロホルミル基、アルコキシカルボニル基、酸無水物残基、イソシアネート基からなる群より選ばれる1つ以上の反応性官能基を有し、かつ下記式(1)を満たす含フッ素共重合体組成物であって、
    前記金属は、銅、ステンレス、アルミニウム、鉄、およびそれらの合金からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする積層体
    αb−αa≧5(ppm/℃)…(1)
    (式(1)中、αaは前記含フッ素共重合体(B)の線膨張係数を示し、αbは前記含フッ素共重合体(B)を混練機において400℃で10分間溶融混練した後の前記含フッ素共重合体(B)の線膨張係数を示す。)
  2. 前記反応性官能基の含有量が、前記含フッ素共重合体(B)の主鎖炭素数1×10個に対し10〜60000個である、請求項に記載の積層体
  3. 前記含フッ素共重合体(B)が、平均分散粒子径10μm以下の微粒子として当該含フッ素共重合体組成物中に含まれる、請求項1または2に記載の積層体
  4. 前記含フッ素共重合体(B)が、テトラフルオロエチレンに基づく構成単位(b1)と、酸無水物残基と重合性不飽和結合とを有する環状炭化水素モノマーに基づく構成単位(b2)と、フッ素モノマー(ただし、テトラフルオロエチレンを除く。)に基づく構成単位(b3)とを含有し、
    前記構成単位(b1)と、前記構成単位(b2)と、前記構成単位(b3)の合計モル量に対して、構成単位(b1)が50〜99.89モル%で、構成単位(b2)が0.01〜5モル%で、構成単位(b3)が0.1〜49.99モル%である、請求項1〜のいずれか一項に記載の積層体
  5. 前記環状炭化水素モノマーが、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物である、請求項に記載の積層体
  6. 前記フッ素モノマーが、CF=CFORf1(ただし、Rf1は炭素数1〜10で炭素原子間に酸素原子を含んでもよいペルフルオロアルキル基。)およびヘキサフルオロプロピレンから選ばれる1つ以上である、請求項またはに記載の積層体
  7. さが0.30mm以下であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の積層体の製造方法であって、
    前記含フッ素共重合体組成物を、ポリアリールケトン樹脂(A)と溶融成形が可能な含フッ素共重合体(B)とを360℃以上の温度で溶融混練して得ることを特徴とする、積層体の製造方法。
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