JP6328949B2 - 両面塗工装置、両面塗工方法および塗膜形成システム - Google Patents

両面塗工装置、両面塗工方法および塗膜形成システム Download PDF

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Description

本発明は、基材の両面に化学電池材料などの塗工液を同時に塗工する両面塗工装置および両面塗工方法、並びに、その両面塗工装置を組み込んだ塗膜形成システムに関する。
従来より、リチウムイオン電池などの化学電池の製造においては、金属箔等の基材をロールトゥロール方式にて搬送しつつ、その基材の表面に電極材料の塗工液を吐出して塗膜を形成する。また、電極を多層構造とするために、基材の表裏両面に塗膜を形成することが多く、基材の両面に電極材料の塗工液を吐出して塗膜を形成する両面塗工装置が知られている。このような両面塗工装置としては、まず基材の一方面に塗工液を塗工してから乾燥処理を行い、次に基材の他方面に塗工液を塗工して再度乾燥処理を行うものがある。このような手法によっても、基材の両面に塗工処理を行うことは可能であるが、1つのラインに乾燥炉が2台必要となり、装置の全長が長くなってコストが増大する。
このため、乾燥処理を行う前に基材の両面に塗工液を塗工し、基材の両面に対して一括して乾燥処理を行う装置が開発されている(例えば、特許文献1,2)。特許文献1に開示される両面塗工装置においては、バックアップローラで支持しつつ基材の表面に塗工液を塗工し、続いて基材の裏面にも塗工液を塗工した後に乾燥処理を行う。
また、特許文献2に開示される両面塗工装置においては、基材を挟んで表面側と裏面側とに相対向するようにダイを設け、双方のダイから基材の表裏両面に塗工液を同時に吐出している。特許文献1,2に開示されるような両面塗工装置では、基材の表裏両面に塗工液を塗工してから一括して乾燥処理を行うため、乾燥炉が1台で足りるとともに、電極の生産性が高まる。
特開2005−246194号公報 特開2013−107053号公報
特許文献1に開示される両面塗工装置では、基材の表面側の塗工については基材を裏面側からバックアップローラで支持するため、スリットダイ(塗工ノズル)と基材とのギャップを安定的に維持することができ、基材表面に塗工液を均一に塗工することができる。これに対して、基材の裏面側の塗工時には、表面側に塗布された塗工液が未だに乾燥していないため、バックアップローラで基材の表面を直接に支持することができない。従って、特許文献1に開示の装置においては、裏面側の塗工を行うスリットダイの下流側に基材の搬送方向とほぼ平行な気流を噴出して基材を吸引する機構を設けることにより、基材の張力を高めてスリットダイと基材とのギャップを安定させている。
一方、特許文献2に開示されるような塗工ノズルを対向配置して基材の表裏面から同時に塗工液を吐出する両面塗工装置では、双方の塗工ノズルからの吐出圧力を同程度に調整することによって基材の位置を安定させることが可能である。従って、このような両面塗工装置では、バックアップローラは不要となるものの、塗工液の吐出圧力の影響が非常に大きくなる。
ところで、一般に塗工ノズルにはポンプによって塗工液を送液するのであるが、ポンプには原理的に脈動が存在しているため、塗工ノズルから吐出される塗工液の圧力にも脈動が生じることとなる。ポンプの脈動を低減するための工夫も種々なされているが、完全に脈動を消滅させることは困難である。塗工ノズルの吐出圧力に多少の脈動が生じたとしても、特許文献1に開示される装置のように、バックアップローラによって基材を安定して支持しつつ塗工液を吐出するのであれば、その脈動の影響は低減される。
しかしながら、特許文献2に開示される両面塗工装置のように、基材を挟んで対向配置された塗工ノズルから基材の表裏面に同時に塗工液を吐出する場合には、上記のバックアップローラで基材を支持する場合に比較して吐出圧力の変動の影響を大きく受けることとなる。このため、塗工ノズルの吐出圧力に脈動が生じていると、その脈動が僅かであったとしても、脈動の影響によって塗膜の膜厚が不均一となって品質が劣化するおそれがあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、基材の両面に同時に塗工液を塗工する場合であっても、塗工液を均一に塗工することができる両面塗工装置および両面塗工方法、並びに、その両面塗工装置を組み込んだ塗膜形成システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基材の両面に同時に塗工液を塗工する両面塗工装置において、第1ローラから送り出された基材を第2ローラで巻き取ることによって基材を連続して搬送する搬送機構と、前記搬送機構によって搬送される基材の第1面に塗工液を吐出する第1ノズルと、前記第1ノズルと基材を挟んで対向して配置され、前記第1ノズルが前記第1面に塗工液を着液させる着液位置に対応する基材の第2面の位置に塗工液を吐出する第2ノズルと、前記第1ノズルに塗工液を送液する第1送液手段と、前記第2ノズルに塗工液を送液する第2送液手段と、前記第1ノズルの吐出圧力の脈動と前記第2ノズルの吐出圧力の脈動との位相差が60°以下となるように前記第1送液手段および/または前記第2送液手段のポンプを駆動するサーボモータに与えるパルスを調整する制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、基材の両面に同時に塗工液を塗工する両面塗工装置において、第1ローラから送り出された基材を第2ローラで巻き取ることによって基材を連続して搬送する搬送機構と、前記搬送機構によって搬送される基材の第1面に塗工液を吐出する第1ノズルと、前記第1ノズルと基材を挟んで対向して配置され、前記第1ノズルが前記第1面に塗工液を着液させる着液位置に対応する基材の第2面の位置に塗工液を吐出する第2ノズルと、前記第1ノズルに塗工液を送液する第1送液手段と、前記第2ノズルに塗工液を送液する第2送液手段と、前記第1ノズルの吐出圧力および前記第2ノズルの吐出圧力の脈動の位相を合わせるように前記第1送液手段および/または前記第2送液手段のポンプを駆動するサーボモータに与えるパルスを調整する制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、基材の両面に同時に塗工液を塗工する両面塗工装置において、第1ローラから送り出された基材を第2ローラで巻き取ることによって基材を連続して搬送する搬送機構と、前記搬送機構によって搬送される基材の第1面に塗工液を吐出する第1ノズルと、前記第1ノズルと基材を挟んで対向して配置され、前記第1ノズルが前記第1面に塗工液を着液させる着液位置に対応する基材の第2面の位置に塗工液を吐出する第2ノズルと、前記第1ノズルに塗工液を送液する第1送液手段と、前記第2ノズルに塗工液を送液する第2送液手段と、前記第1ノズルの吐出圧力の脈動に前記第2ノズルの吐出圧力の脈動が追従するように前記第2送液手段のポンプを駆動するサーボモータに与えるパルスを調整する制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、塗膜形成システムであって、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る両面塗工装置と、前記両面塗工装置によって基材の両面に形成された塗工液の塗膜を乾燥させる乾燥部と、を備えることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、基材の両面に同時に塗工液を塗工する両面塗工方法において、第1ローラから送り出された基材を第2ローラで巻き取ることによって基材を連続して搬送する搬送工程と、搬送される基材の第1面に第1ノズルから塗工液を吐出する第1塗工工程と、前記第1ノズルが前記第1面に塗工液を着液させる着液位置に対応する基材の第2面の位置に第2ノズルから塗工液を吐出する第2塗工工程と、を備え、前記第1ノズルおよび/または前記第2ノズルに塗工液を送液するポンプを駆動するサーボモータに与えるパルスを調整することによって、前記第1ノズルの吐出圧力の脈動と前記第2ノズルの吐出圧力の脈動との位相差を60°以下とすることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、基材の両面に同時に塗工液を塗工する両面塗工方法において、第1ローラから送り出された基材を第2ローラで巻き取ることによって基材を連続して搬送する搬送工程と、搬送される基材の第1面に第1ノズルから塗工液を吐出する第1塗工工程と、前記第1ノズルが前記第1面に塗工液を着液させる着液位置に対応する基材の第2面の位置に第2ノズルから塗工液を吐出する第2塗工工程と、を備え、前記第1ノズルおよび/または前記第2ノズルに塗工液を送液するポンプを駆動するサーボモータに与えるパルスを調整することによって、前記第1ノズルの吐出圧力および前記第2ノズルの吐出圧力の脈動の位相を合わせることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、基材の両面に同時に塗工液を塗工する両面塗工方法において、第1ローラから送り出された基材を第2ローラで巻き取ることによって基材を連続して搬送する搬送工程と、搬送される基材の第1面に第1ノズルから塗工液を吐出する第1塗工工程と、前記第1ノズルが前記第1面に塗工液を着液させる着液位置に対応する基材の第2面の位置に第2ノズルから塗工液を吐出する第2塗工工程と、を備え、前記第2ノズルに塗工液を送液するポンプを駆動するサーボモータに与えるパルスを調整することによって、前記第1ノズルの吐出圧力の脈動に前記第2ノズルの吐出圧力の脈動を追従させることを特徴とする。
請求項1および請求項5の発明によれば、第1ノズルの吐出圧力の脈動と第2ノズルの吐出圧力の脈動との位相差を60°以下とするため、吐出圧力の差圧の変動が小さくなり、基材の両面に同時に塗工液を塗工する場合であっても、塗工液を均一に塗工することができる。
請求項2および請求項6の発明によれば、第1ノズルの吐出圧力および第2ノズルの吐出圧力の脈動の位相を合わせるため、吐出圧力の差圧の変動が小さくなり、基材の両面に同時に塗工液を塗工する場合であっても、塗工液を均一に塗工することができる。
請求項3および請求項7の発明によれば、第1ノズルの吐出圧力の脈動に第2ノズルの吐出圧力の脈動が追従するため、吐出圧力の差圧の変動が小さくなり、基材の両面に同時に塗工液を塗工する場合であっても、塗工液を均一に塗工することができる。
請求項4の発明によれば、塗工液を均一に塗工して、塗膜の膜厚を均一にすることができる。
本発明に係る両面塗工装置を組み込んだ塗膜形成システムの全体構成を示す図である。 第1送液機構および第2送液機構の構成を示す図である。 第1塗工ノズルおよび第2塗工ノズルによる塗工液の同時塗工を示す図である。 吐出圧力の脈動を示す図である。 脈動の位相差がπであるときの差圧の変動を示す図である。 脈動の位相差がπ/3であるときの差圧の変動を示す図である。 基材に間欠塗工を行う様子を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る両面塗工装置を組み込んだ塗膜形成システム1の全体構成を示す図である。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
この塗膜形成システム1は、基材としての長尺の金属箔をロールトゥロール方式にて搬送しつつ、その基材の両面に電極材料である活物質を含む塗工液を塗工し、その塗工液の乾燥処理を行ってリチウムイオン二次電池の電極製造を行う装置である。塗膜形成システム1は、両面塗工装置10に乾燥部80を備えて構成される。また、塗膜形成システム1は、システム全体を管理する制御部90を備える。
本発明に係る両面塗工装置10は、第1塗工ノズル20、第2塗工ノズル40および搬送機構60を備える。また、両面塗工装置10は、第1塗工ノズル20に塗工液を送液する第1送液機構30および第2塗工ノズル40に塗工液を送液する第2送液機構50を備える(図2)。制御部90は、両面塗工装置10の各機構部も制御しており、両面塗工装置10の制御部としても機能する。
搬送機構60は、巻き出しローラ(第1ローラ)61、巻き取りローラ(第2ローラ)62および複数の補助ローラ63を備える。長尺の基材5は、巻き出しローラ61から送り出されて複数の補助ローラ63に案内されつつ巻き取りローラ62によって巻き取られることにより、両面塗工装置10、乾燥部80の順にロールトゥロール方式にて連続して搬送される。なお、補助ローラ63の個数および配置位置については、図1の例に限定されるものではなく、必要に応じて適宜に増減することができる。但し、本発明に係る両面塗工装置10は、基材5の裏面にも塗工液を塗工するため、裏面側の塗工液が乾燥していない第2塗工ノズル40と乾燥部80との間に補助ローラ63を設けることはできない。
第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40は、搬送機構60によって搬送される基材5を挟んで相対向する位置に配置されている。本実施形態においては、搬送機構60によって略水平方向に沿って搬送される基材5の上方に第1塗工ノズル20が設けられ、下方に第2塗工ノズル40が設けられる。第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40は概ね上下対称となる同様の構成を有する。第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40は、例えばステンレススチールにて形成され、基材5の幅方向に沿ったスリット状の吐出口21,41を備えたスリットノズルである。
第1塗工ノズル20は、搬送機構60によって搬送される基材5の表面に塗工液を吐出する。また、第2塗工ノズル40は、搬送機構60によって搬送される基材5の裏面に塗工液を吐出する。なお、基材5の「表面」とは、基材5の2つの面のうちの一方面(第1面)であり、「裏面」とはその反対側の他方面(第2面)である。すなわち、基材5の表面および裏面は、基材5の両面を単に識別するための表記であり、いずれか特定の面が表面または裏面に限定されるものではない。
図2は、第1送液機構30および第2送液機構50の構成を示す図である。同図に示すように、第1送液機構30および第2送液機構50は同一の構成を備える。第1送液機構30は、タンク31、ポンプ32、バルブ33、圧力センサ34,35および送液配管36を備える。
タンク31は、リチウムイオン二次電池の電極材料である活物質を含む溶液を塗工液として貯留する。タンク31には、攪拌機およびエア加圧ユニットなどが付設されていても良い。攪拌機は、タンク31に貯留されている塗工液を攪拌して活物質の濃度分布を均一にする。エア加圧ユニットは、高圧の空気をタンク31内の気相部分に送り込んで貯留されている塗工液の液面を加圧する。
送液配管36はタンク31と第1塗工ノズル20とを接続する。送液配管36は、タンク31に貯留されている塗工液を第1塗工ノズル20に向けて送給する。送液配管36としては、ステンレス管または樹脂管を用いることができる。送液配管36の経路途中には、ポンプ32およびバルブ33が介挿されている。
ポンプ32は、タンク31に貯留されている電極材料の塗工液を第1塗工ノズル20に向けて圧送する。ポンプ32としては、例えば駆動モータとしてサーボモータを用いた回転ポンプを採用することができる。バルブ33は、送液配管36の流路を開閉することによって第1塗工ノズル20への塗工液の供給を断続させる。バルブ33が送液配管36の流路を開放しているときには第1塗工ノズル20から塗工液が吐出され、閉止しているときには第1塗工ノズル20からの吐出が停止される。
第1塗工ノズル20は、搬送機構60によって搬送される基材5の上方に設けられる。第1塗工ノズル20は、その吐出口21が下側を向くように(つまり、基材5に対向するように)設けられる。第1塗工ノズル20は、スリット状の吐出口21に繋がる流路を規定するためのシムおよびマニホールド等を備える。また、第1塗工ノズル20には、その位置および姿勢を調整する機構が付設されている(図示省略)。第1塗工ノズル20の吐出口21は、マニホールドを介して送液配管36に連通接続されている。送液配管36から第1塗工ノズル20に送給された塗工液は吐出口21から基材5の表面に吐出される。
送液配管36のポンプ32よりも下流側(第1塗工ノズル20に近い側)には圧力センサ34が接続されている。圧力センサ34は、送液配管36内の液圧を測定し、ポンプ32が第1塗工ノズル20に塗工液を圧送する送液圧を測定する。また、第1塗工ノズル20には圧力センサ35が付設されている。圧力センサ35は、第1塗工ノズル20の吐出口21からの吐出圧を測定する。圧力センサ34,35、ポンプ32およびバルブ33は制御部90に電気的に接続されている。圧力センサ34,35の測定結果は制御部90に伝達され、制御部90はポンプ32およびバルブ33の動作を制御する。
同様に、第2送液機構50は、タンク51、ポンプ52、バルブ53、圧力センサ54,55および送液配管56を備える。タンク51は、タンク31と同種の活物質の溶液を塗工液として貯留する。タンク51には、タンク31と同様の攪拌機およびエア加圧ユニットなどが付設されていても良い。
送液配管56はタンク51と第2塗工ノズル40とを接続する。送液配管56は、タンク51に貯留されている塗工液を第2塗工ノズル40に向けて送給する。送液配管56としては、ステンレス管または樹脂管を用いることができる。送液配管56の経路途中には、ポンプ52およびバルブ53が介挿されている。
ポンプ52は、タンク51に貯留されている電極材料の塗工液を第2塗工ノズル40に向けて圧送する。ポンプ52としては、例えば駆動モータとしてサーボモータを用いた回転ポンプを採用することができる。バルブ53は、送液配管56の流路を開閉することによって第2塗工ノズル40への塗工液の供給を断続させる。バルブ53が送液配管56の流路を開放しているときには第2塗工ノズル40から塗工液が吐出され、閉止しているときには第2塗工ノズル40からの吐出が停止される。
第2塗工ノズル40は、搬送機構60によって搬送される基材5の下方に設けられる。第2塗工ノズル40は、その吐出口41が上側を向くように(つまり、基材5に対向するように)設けられる。第2塗工ノズル40は、スリット状の吐出口41に繋がる流路を規定するためのシムおよびマニホールド等を備える。また、第2塗工ノズル40には、その位置および姿勢を調整する機構が付設されている(図示省略)。第2塗工ノズル40の吐出口41は、マニホールドを介して送液配管56に連通接続されている。送液配管56から第2塗工ノズル40に送給された塗工液は吐出口41から基材5の裏面に吐出される。
送液配管56のポンプ52よりも下流側(第2塗工ノズル40に近い側)には圧力センサ54が接続されている。圧力センサ54は、送液配管56内の液圧を測定し、ポンプ52が第2塗工ノズル40に塗工液を圧送する送液圧を測定する。また、第2塗工ノズル40には圧力センサ55が付設されている。圧力センサ55は、第2塗工ノズル40の吐出口41からの吐出圧を測定する。圧力センサ54,55、ポンプ52およびバルブ53は制御部90に電気的に接続されている。圧力センサ54,55の測定結果は制御部90に伝達され、制御部90はポンプ52およびバルブ53の動作を制御する。
また、第1送液機構30および第2送液機構50には、吐出停止時に塗工液をタンク31,51に還流する還流配管が設けられていても良い。還流配管は、送液配管36,56におけるポンプ32,52とバルブ33,53との間から分岐されてタンク31,51に接続される。上述した塗工液供給の断続時に、ポンプ32,52の作動を継続しつつバルブ33,53が送液配管36,56の流路を閉止したときに、ポンプ32,52から圧送された塗工液は還流配管を通ってタンク31,51に戻される。
さらに、送液配管36,56にはフィルタが設けられていても良い。フィルタは、例えばバルブ33,53と第1塗工ノズル20,第2塗工ノズル40との間に設けられ、送液配管36,56を流れる塗工液から異物を取り除く。
図1に戻り、乾燥部80は、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40によって基材5の両面に形成された塗工液の塗膜の乾燥処理を行う。乾燥部80は、搬送機構60によって搬送される基材5を加熱することによって、塗工液から溶剤を蒸発させて乾燥処理を行う。乾燥部80は、例えば、塗工液の塗膜を緩やかに昇温させる予熱部、塗膜を所定温度にまで昇温して主たる加熱を行うメイン乾燥部、塗膜をより高温に加熱して膜中の歪みや残留応力を除去するアニール部、加熱された塗膜を冷却する冷却部などを備えていても良い。
上述のような構成を備える塗膜形成システム1にて電極製造を行うときには、搬送機構60によって基材5をロールトゥロールで連続搬送しつつ、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40によって基材5の表裏面に塗工液の同時塗工を行う。塗工の対象となる基材5は、リチウムイオン二次電池の集電体として機能する金属箔である。塗膜形成システム1にてリチウムイオン二次電池の正極を製造する場合には、基材5として例えばアルミニウム箔(Al)を用いることができる。また、塗膜形成システム1にて負極を製造する場合には、基材5として例えば銅箔(Cu)を用いることができる。基材5は長尺のシート状の金属箔であり、その幅および厚さについては特に限定されるものではないが、例えば幅600mm〜700mm、厚さ10μm〜20μmとすることができる。
両面塗工装置10においては、搬送機構60によって搬送される基材5を挟んで相対向するように第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40とが配置される。第1塗工ノズル20は、搬送機構60によって略水平方向に搬送される基材5の表面に吐出口21から塗工液を吐出する。すなわち、第1塗工ノズル20は基材5の上側から塗工液を吐出する。一方の第2塗工ノズル40は、搬送機構60によって略水平方向に搬送される基材5の裏面に吐出口41から塗工液を吐出する。すなわち、第2塗工ノズル40は基材5の下側から塗工液を吐出する。
塗膜形成システム1にて正極を製造する場合には、正極材料の塗工液として、例えば正極活物質であるコバルト酸リチウム(LiCoO)、導電助剤であるカーボン(C)、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)の混合液を用いる。コバルト酸リチウムに代えて、正極活物質としてニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、燐酸鉄リチウム(LiFePO)などを用いることもできる。
一方、塗膜形成システム1にて負極を製造する場合には、負極材料の塗工液として、例えば負極活物質である黒鉛(グラファイト)、結着剤であるPVDF、溶剤であるNMPの混合液を用いる。黒鉛に代えて、負極活物質としてハードカーボン、チタン酸リチウム(LiTi12)、シリコン合金、スズ合金などを用いることもできる。また、正極材料および負極材料の双方において、結着剤としてPVDFに代えてスチレン−ブタジエンゴム(SBR)などを使用することができ、溶剤としてNMPに代えて水(HO)などを使用することができる。さらに、結着剤としてSBR、溶剤として水を用いる場合には、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を併用することもできる。これら正極材料および負極材料の塗工液は固体(微粒子)が分散されたスラリーであってその粘度はいずれも1Pa・s(パスカル秒)以上であり、一般的にチクソトロピー性を有する。
基材5の表面および裏面には同種の塗工液が塗工される。例えば、第1塗工ノズル20から基材5の表面に正極材料の塗工液を塗工するのであれば、第2塗工ノズル40からも基材5の裏面に正極材料の塗工液を塗工する。また、基材5の表面に第1塗工ノズル20から負極材料の塗工液を塗工するのであれば、基材5の裏面にも第2塗工ノズル40から負極材料の塗工液を塗工する。
図3は、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40による塗工液の同時塗工を示す図である。第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40とは基材5を挟んで相対向するように(厳密には、吐出口21と吐出口41とが相対向するように)設置されている。よって、図3に示すように、第1塗工ノズル20が基材5の表面に塗工液を着液させる着液位置に対応する基材5の裏面の位置に第2塗工ノズル40から塗工液が吐出される。すなわち、基材5の同じ位置の表裏に第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40から塗工液が同時に吐出されるのである。
第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40は、等しい吐出流量にてそれぞれ吐出口21および吐出口41から塗工液を吐出する。基材5を挟んで相対向するように配置された第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40が等しい吐出流量にて塗工液を上下から基材5に吐出すると、基材5の同じ位置の表面および裏面に等しい液圧にて塗工液が着液することとなる。その結果、基材5の表裏面から吐出される液圧のバランスによって第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40との間に基材5が保持されることとなる。
図3に示すように、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40が基材5の上下から塗工液を吐出しつつ、搬送機構60によって基材5を矢印AR3にて示すように搬送すると、基材5の表面および裏面に塗工液の塗膜が形成される。なお、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40は、搬送される基材5の表裏面に連続して塗工液を塗工するようにしても良いし、間欠的に塗工液を塗工するようにしても良い。但し、間欠塗工を行う場合には、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40が同じタイミングで塗工液を吐出し、基材5の同じ領域の表裏面に塗工液を塗工する(図7参照)。
第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40によって表裏両面に塗工液が塗工された基材5は乾燥部80に搬送され、基材5が加熱されて塗工液から溶剤が蒸発し、塗工液の塗膜の乾燥処理が行われる。基材5が乾燥部80から搬出される時点では塗工液の塗膜が十分に乾燥されている。そして、乾燥部80から搬出された基材5は巻き取りローラ62によって巻き取られる。
上述したように、本実施形態の両面塗工装置10においては、基材5の同じ位置の表面および裏面に等しい液圧にて塗工液を着液させ、その液圧のバランスによって第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40との間に基材5を保持している。ところが、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40に塗工液を圧送するポンプ32,52においては周期的に送出圧力が変動する。その結果、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40から吐出される塗工液の吐出圧力に脈動が生じることとなる。
図4は、吐出圧力の脈動を示す図である。同図に示すように、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40から吐出される塗工液の吐出圧力には周期的な変動が生じている。これは、ポンプ32,52が塗工液圧送のための1サイクルの動作を繰り返して行うことに起因して生じるものである。このような吐出圧力の脈動は、ポンプ32,52の原理上、完全に消滅させることは不可能である。なお、第1塗工ノズル20に塗工液を送液する第1送液機構30および第2塗工ノズル40に塗工液を送液する第2送液機構50は全く同一の構成を備えているため、図4に示すような吐出圧力の脈動は第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40の双方に生じる。
両面塗工装置10においては、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40から吐出される塗工液の液圧バランスによって基材5が支持されている。従って、第1塗工ノズル20および/または第2塗工ノズル40から吐出される塗工液の吐出圧力に僅かな変動が生じた場合であっても、その変動の影響を大きく受けて基材5の位置が上下動する。その結果、第1塗工ノズル20と基材5の表面との間隔および第2塗工ノズル40と基材5の裏面との間隔が変動し、基材5の表面および裏面に形成される塗工液の塗膜の膜厚が不均一となり、電極の品質が劣化するおそれがある。
このため、本実施形態においては、第1塗工ノズル20の吐出圧力および第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動の位相を揃えるように調整することによって基材5の位置変動を抑制している。以下、この技術についてさらに説明を続ける。
第1塗工ノズル20の吐出圧力および第2塗工ノズル40の吐出圧力のそれぞれには、図4に示すような脈動が存在している。脈動は吐出圧力の周期的な変動であり、その波形は正弦波を描く。第1塗工ノズル20の吐出圧力および第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動の位相が完全に一致していれば、第1塗工ノズル20の吐出圧力が最高値のときに第2塗工ノズル40の吐出圧力も最高値となり、逆に第1塗工ノズル20の吐出圧力が最低値のときに第2塗工ノズル40の吐出圧力も最低値となる。このような状態であれば、第1塗工ノズル20の吐出圧力と第2塗工ノズル40の吐出圧力との差圧は常に0となり、基材5の表裏において極めて良好な液圧バランスが得られることとなる。従って、基材5の上下動は防止され、第1塗工ノズル20と基材5の表面との間隔および第2塗工ノズル40と基材5の裏面との間隔は常に一定となる。このようになれば、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40は、基材5の表面および裏面に塗工液を均一に塗工することができる。
第1塗工ノズル20の吐出圧力および第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動の位相が完全には一致していなくても、位相差が小さければ差圧の変動を抑制して塗膜の膜厚のバラツキを許容範囲内に収めることができる。塗工液の塗膜の膜厚に要求される精度として約2%のバラツキが許容されている。基材5は搬送機構60によって一定速度で搬送されているため、塗工液の塗膜の膜厚は吐出流量に比例する。また、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40の吐出口21,41の流路形状は固定であるため、塗工液の吐出流量は流速に比例する。従って、塗工液が吐出されるときの流速にも2%のバラツキが許容されることとなる。
ここで、塗工液が完全流体であると仮定すると(厳密には完全流体ではないが、差異が非常に小さいため完全流体として取り扱うことができる)、ベルヌーイの定理より、吐出される塗工液の流速Vと吐出圧力Pとの関係は次の式(1)にて表される。
Figure 0006328949
式(1)において、gは重力加速度、ρは密度、Zは基準面からの高さである。式(1)より、吐出される塗工液の流速Vのバラツキを2%以下とするためには、吐出圧力Pの変動を4%以下とすれば良い。すなわち、第1塗工ノズル20の吐出圧力と第2塗工ノズル40の吐出圧力との差圧の変動を4%以下に抑制することができれば、塗膜の膜厚のバラツキを許容範囲内に収めることができる。
第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40のそれぞれにおいて、つまり各塗工ノズル単体における脈動による吐出圧力の変動は約4%(±2%)である。この場合、第1塗工ノズル20の吐出圧力の脈動と第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動との位相差によって生じる両吐出圧力の差圧の変動幅は次の表1に示す通りとなる。
Figure 0006328949
図5は、第1塗工ノズル20の吐出圧力の脈動と第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動との位相差がπ(180°)であるときの両吐出圧力の差圧の変動を示す図である。同図において、実線は第1塗工ノズル20の吐出圧力を示し、一点鎖線は第2塗工ノズル40の吐出圧力を示し、点線は両ノズルの吐出圧力の差圧を示している。第1塗工ノズル20の吐出圧力および第2塗工ノズル40の吐出圧力のそれぞれには図4に示したような脈動が生じている。それらの位相差がπであるときには、双方の位相が完全に反転した状態である(逆位相)。すなわち、第1塗工ノズル20の吐出圧力が最高値のときに第2塗工ノズル40の吐出圧力が最低値となり、第1塗工ノズル20の吐出圧力が最低値のときに第2塗工ノズル40の吐出圧力が最高値となる。このようになると、第1塗工ノズル20の吐出圧力と第2塗工ノズル40の吐出圧力との差圧の変動が最も大きくなり、その変動幅は8%にも到達する。吐出圧力の差圧の変動が8%にもなると、塗膜の膜厚のバラツキが許容範囲を超えることとなる。
図6は、第1塗工ノズル20の吐出圧力の脈動と第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動との位相差がπ/3(60°)であるときの両吐出圧力の差圧の変動を示す図である。図5と同様に、実線は第1塗工ノズル20の吐出圧力を示し、一点鎖線は第2塗工ノズル40の吐出圧力を示し、点線は両ノズルの吐出圧力の差圧を示している。第1塗工ノズル20の吐出圧力の脈動と第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動との位相差がπ/3であれば、図6に示すように、両吐出圧力の差圧の変動が4%以下となる。第1塗工ノズル20の吐出圧力と第2塗工ノズル40の吐出圧力との差圧の変動が4%以下であれば、塗膜の膜厚のバラツキを許容範囲内(2%以下)に収めることができる。
第1塗工ノズル20の吐出圧力の脈動と第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動との位相差が小さくなるほど、両吐出圧力の差圧の変動も小さくなり、塗膜の膜厚のバラツキを小さく抑制することができる。例えば、第1塗工ノズル20の吐出圧力の脈動と第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動との位相差がπ/4(45°)であれば、両吐出圧力の差圧の変動は3.06%以下となり、位相差がπ/3のときよりもさらに塗膜の膜厚のバラツキを小さくすることができる。そして、最も好ましくは、第1塗工ノズル20の吐出圧力の脈動と第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動との位相差が0であれば、すなわち位相が完全に一致すれば、両吐出圧力の差圧の変動も0%となり、塗膜の膜厚のバラツキを消滅させることができる。
本実施形態では、第1塗工ノズル20の吐出圧力の脈動と第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動との位相差が60°以下となるように、好ましくは双方の脈動の位相を合わせるように、制御部90が第1送液機構30および/または第2送液機構50を制御する。具体的には、例えば、圧力センサ35,55の測定結果に基づいて制御部90がポンプ32,52を制御する。圧力センサ35は第1塗工ノズル20の吐出圧力を測定し、圧力センサ55は第2塗工ノズル40の吐出圧力を測定する。よって、制御部90は、圧力センサ35,55の測定結果より第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動を検出することができる。制御部90は、双方の脈動の位相差が60°以下となるように、好ましくは双方の脈動の位相を合わせるように、ポンプ32および/またはポンプ52を制御するのである。ポンプ32,52はサーボモータを備えており、制御部90は例えば両ポンプ32,52のサーボモータの原点を一致させて同一のタイミングで同一形状のパルスを与えることによって第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動の位相を合わせることができる。制御部90は、ポンプ32,52の双方の脈動の位相を調整するようにしても良いし、いずれか一方の脈動の位相を他方に合わせるようにしても良い。
また、制御部90は、圧力センサ35,55の測定結果に基づいて、第1塗工ノズル20の吐出圧力の脈動に第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動が追従するように第2送液機構50のポンプ52を制御するようにしても良い。制御部90は、圧力センサ35,55の測定結果より第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動を検出する。制御部90は、ポンプ52のサーボモータに与えるパルスを調整して第1塗工ノズル20の吐出圧力の脈動に第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動を追従させる。なお、制御部90は、圧力センサ35,55の測定結果に基づいて、第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動に第1塗工ノズル20の吐出圧力の脈動が追従するように第1送液機構30のポンプ32を制御するようにしても良い。
但し、いずれの制御であっても、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40から塗工液を塗工している途中でポンプ32,52を制御して脈動を変更すると、その変更時に吐出が不連続となって均一な塗工を妨げるおそれがある。このため、例えば、基材5への実際の塗工処理を開始する前に予め第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40から試験的に塗工液の吐出して吐出圧力の脈動を検出し、その検出結果に基づいて制御部90がポンプ32および/またはポンプ52を制御して脈動を調整してから基材5への塗工処理を行うようにすれば良い。
また、図7は、基材5に間欠塗工を行う様子を示す図である。搬送機構60によって基材5を矢印AR7にて示すように搬送しつつ、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40から塗工液を断続的に吐出することによって間欠塗工が行われる。図7に示すように、間欠塗工が行われると、基材5の表裏面に不連続に塗工液の塗膜が形成される。但し、間欠塗工を行う場合には、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40が同じタイミングで塗工液を吐出し、基材5の同じ領域の表裏面に塗工液を塗工する。このような間欠塗工を行う場合には、塗工時に第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動を検出し、非塗工時にその検出結果に基づいて制御部90がポンプ32および/またはポンプ52を制御して脈動を調整するようにしても良い。このようにすれば、塗工処理の途中で脈動の位相のずれが大きくなってきた場合であっても、適宜に修正することが可能となる。
本実施形態においては、第1塗工ノズル20の吐出圧力の脈動と第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動との位相差が60°以下となるように、制御部90が第1送液機構30および/または第2送液機構50を制御している。第1塗工ノズル20の吐出圧力の脈動と第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動との位相差が60°以下であれば、両吐出圧力の差圧の変動が4%以下となり、塗膜の膜厚のバラツキを許容範囲内に収めることができる。すなわち、基材5の両面に同時に塗工液を塗工する場合であっても、第1塗工ノズル20の吐出圧力の脈動と第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動との位相差が60°以下であれば、塗工液を均一に塗工することができる。
特に、第1塗工ノズル20の吐出圧力の脈動と第2塗工ノズル40の吐出圧力の脈動との位相を合わせるようにすれば、両吐出圧力の差圧の変動は生じなくなり、塗膜の膜厚を完全に均一にすることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、圧力センサ35,55の測定結果に基づいて制御部90がポンプ32,52を制御していたが、これに代えてまたは加えて、圧力センサ34,54の測定結果に基づいて制御部90がポンプ32,52を制御するようにしても良い。もっとも、圧力センサ34,54はポンプ32,52が第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40に塗工液を圧送する送液圧を測定することによって吐出圧力を間接的に測定するものであるため、より直接的に吐出圧力を測定する圧力センサ35,55の測定結果に基づいてポンプ32,52を制御する方が好ましい。
また、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40は、1本のスリット状の吐出口21,41を有するスリットノズルに限定されるものではなく、複数本のスリットを有するものであっても良いし、略円形の吐出口から塗工液を吐出するノズルであっても良い。
また、上記実施形態においては、基材5の上下に第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40を設けて両面同時塗工を行っていたが、基材5を水平面から傾けて搬送しつつ、その基材5を挟んで対向する位置に2つの塗工ノズルを設けて両面同時塗工を行うようにしても良い。例えば、基材5を鉛直方向に沿って搬送しつつ、その基材5を挟んで水平方向に沿って2つの塗工ノズルを設けて両面同時塗工を行うようにしても良い。
また、本発明に係る技術を用いて塗工処理を行う対象となる塗工液はリチウムイオン二次電池の電極材料に限定されるものではなく、例えば太陽電池材料(電極材、封止材)の塗工液または電子材料の絶縁膜や保護膜の塗工液であっても良い。或いは、顔料や接着剤の塗工液を塗布するのに、本発明に係る技術を用いるようにしても良い。
1 塗膜形成システム
5 基材
10 両面塗工装置
20 第1塗工ノズル
21,41 吐出口
30 第1送液機構
31,51 タンク
32,52 ポンプ
33,53 バルブ
34,35,54,55 圧力センサ
40 第2塗工ノズル
50 第2送液機構
60 搬送機構
61 巻き出しローラ
62 巻き取りローラ
80 乾燥部
90 制御部

Claims (7)

  1. 基材の両面に同時に塗工液を塗工する両面塗工装置であって、
    第1ローラから送り出された基材を第2ローラで巻き取ることによって基材を連続して搬送する搬送機構と、
    前記搬送機構によって搬送される基材の第1面に塗工液を吐出する第1ノズルと、
    前記第1ノズルと基材を挟んで対向して配置され、前記第1ノズルが前記第1面に塗工液を着液させる着液位置に対応する基材の第2面の位置に塗工液を吐出する第2ノズルと、
    前記第1ノズルに塗工液を送液する第1送液手段と、
    前記第2ノズルに塗工液を送液する第2送液手段と、
    前記第1ノズルの吐出圧力の脈動と前記第2ノズルの吐出圧力の脈動との位相差が60°以下となるように前記第1送液手段および/または前記第2送液手段のポンプを駆動するサーボモータに与えるパルスを調整する制御手段と、
    を備えることを特徴とする両面塗工装置。
  2. 基材の両面に同時に塗工液を塗工する両面塗工装置であって、
    第1ローラから送り出された基材を第2ローラで巻き取ることによって基材を連続して搬送する搬送機構と、
    前記搬送機構によって搬送される基材の第1面に塗工液を吐出する第1ノズルと、
    前記第1ノズルと基材を挟んで対向して配置され、前記第1ノズルが前記第1面に塗工液を着液させる着液位置に対応する基材の第2面の位置に塗工液を吐出する第2ノズルと、
    前記第1ノズルに塗工液を送液する第1送液手段と、
    前記第2ノズルに塗工液を送液する第2送液手段と、
    前記第1ノズルの吐出圧力および前記第2ノズルの吐出圧力の脈動の位相を合わせるように前記第1送液手段および/または前記第2送液手段のポンプを駆動するサーボモータに与えるパルスを調整する制御手段と、
    を備えることを特徴とする両面塗工装置。
  3. 基材の両面に同時に塗工液を塗工する両面塗工装置であって、
    第1ローラから送り出された基材を第2ローラで巻き取ることによって基材を連続して搬送する搬送機構と、
    前記搬送機構によって搬送される基材の第1面に塗工液を吐出する第1ノズルと、
    前記第1ノズルと基材を挟んで対向して配置され、前記第1ノズルが前記第1面に塗工液を着液させる着液位置に対応する基材の第2面の位置に塗工液を吐出する第2ノズルと、
    前記第1ノズルに塗工液を送液する第1送液手段と、
    前記第2ノズルに塗工液を送液する第2送液手段と、
    前記第1ノズルの吐出圧力の脈動に前記第2ノズルの吐出圧力の脈動が追従するように前記第2送液手段のポンプを駆動するサーボモータに与えるパルスを調整する制御手段と、
    を備えることを特徴とする両面塗工装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の両面塗工装置と、
    前記両面塗工装置によって基材の両面に形成された塗工液の塗膜を乾燥させる乾燥部と、
    を備えることを特徴とする塗膜形成システム。
  5. 基材の両面に同時に塗工液を塗工する両面塗工方法であって、
    第1ローラから送り出された基材を第2ローラで巻き取ることによって基材を連続して搬送する搬送工程と、
    搬送される基材の第1面に第1ノズルから塗工液を吐出する第1塗工工程と、
    前記第1ノズルが前記第1面に塗工液を着液させる着液位置に対応する基材の第2面の位置に第2ノズルから塗工液を吐出する第2塗工工程と、
    を備え、
    前記第1ノズルおよび/または前記第2ノズルに塗工液を送液するポンプを駆動するサーボモータに与えるパルスを調整することによって、前記第1ノズルの吐出圧力の脈動と前記第2ノズルの吐出圧力の脈動との位相差を60°以下とすることを特徴とする両面塗工方法。
  6. 基材の両面に同時に塗工液を塗工する両面塗工方法であって、
    第1ローラから送り出された基材を第2ローラで巻き取ることによって基材を連続して搬送する搬送工程と、
    搬送される基材の第1面に第1ノズルから塗工液を吐出する第1塗工工程と、
    前記第1ノズルが前記第1面に塗工液を着液させる着液位置に対応する基材の第2面の位置に第2ノズルから塗工液を吐出する第2塗工工程と、
    を備え、
    前記第1ノズルおよび/または前記第2ノズルに塗工液を送液するポンプを駆動するサーボモータに与えるパルスを調整することによって、前記第1ノズルの吐出圧力および前記第2ノズルの吐出圧力の脈動の位相を合わせることを特徴とする両面塗工方法。
  7. 基材の両面に同時に塗工液を塗工する両面塗工方法であって、
    第1ローラから送り出された基材を第2ローラで巻き取ることによって基材を連続して搬送する搬送工程と、
    搬送される基材の第1面に第1ノズルから塗工液を吐出する第1塗工工程と、
    前記第1ノズルが前記第1面に塗工液を着液させる着液位置に対応する基材の第2面の位置に第2ノズルから塗工液を吐出する第2塗工工程と、
    を備え、
    前記第2ノズルに塗工液を送液するポンプを駆動するサーボモータに与えるパルスを調整することによって、前記第1ノズルの吐出圧力の脈動に前記第2ノズルの吐出圧力の脈動を追従させることを特徴とする両面塗工方法。
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