JP2015188776A - 両面塗工装置、両面塗工方法および塗膜形成システム - Google Patents

両面塗工装置、両面塗工方法および塗膜形成システム Download PDF

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Abstract

【課題】ノズルと基材との距離を安定させて塗工液を均一に塗工することができる両面塗工装置および両面塗工方法、並びに、その両面塗工装置を組み込んだ塗膜形成システムを提供する。
【解決手段】第1ピンチローラ71,71および第2ピンチローラ72,72によって基材5の搬送経路から塗工区間を独立させるとともに、ダンサーローラ73によって塗工区間にて基材5に作用する張力を非塗工区間にて基材5に作用する張力よりも低くしている。低い張力によって弛みが生じて容易に移動可能となった基材5に対して第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40から表裏両面に塗工液を吐出し、双方の吐出圧のバランスによって第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40との間を通過する基材5の位置を調整する。
【選択図】図4

Description

本発明は、基材の両面に化学電池材料などの塗工液を同時に塗工する両面塗工装置および両面塗工方法、並びに、その両面塗工装置を組み込んだ塗膜形成システムに関する。
従来より、リチウムイオン電池などの化学電池の製造においては、金属箔等の基材をロールトゥロール方式にて搬送しつつ、その基材の表面に電極材料の塗工液を吐出して塗膜を形成する。また、電極を多層構造とするために、基材の表裏両面に塗膜を形成することが多く、基材の両面に電極材料の塗工液を吐出して塗膜を形成する両面塗工装置が知られている。このような両面塗工装置としては、まず基材の一方面に塗工液を塗工してから乾燥処理を行い、次に基材の他方面に塗工液を塗工して再度乾燥処理を行うものがある。このような手法によっても、基材の両面に塗工処理を行うことは可能であるが、1つのラインに乾燥炉が2台必要となり、装置の全長が長くなってコストが増大する。
このため、乾燥処理を行う前に基材の両面に塗工液を塗工し、基材の両面に対して一括して乾燥処理を行う装置が開発されている。例えば、特許文献1に開示される両面塗工装置においては、バックアップローラで支持しつつ基材の表面に塗工液を塗工し、続いて基材の裏面にも塗工液を塗工した後に乾燥処理を行う。
また、特許文献2に開示される両面塗工装置においては、基材を挟んで表面側と裏面側とに相対向するように塗工用ダイ(塗工ノズル)を設け、双方の塗工用ダイから基材の表裏両面に塗工液を同時に吐出して両面同時塗工を行っている。特許文献1,2に開示されるような両面塗工装置では、基材の表裏両面に塗工液を塗工してから一括して乾燥処理を行うため、乾燥炉が1台で足りるとともに、電極の生産性が高まる。
特開2005−246194号公報 特開2008−284528号公報
特許文献1に開示される両面塗工装置では、基材の表面側の塗工については基材を裏面側からバックアップローラで支持するため、スリットダイと基材とのギャップを安定的に維持することができ、基材表面に塗工液を均一に塗工することができる。これに対して、基材の裏面側の塗工時には、表面側に塗布された塗工液が未だに乾燥していないため、バックアップローラで基材の表面を直接に支持することができない。従って、特許文献1に開示の装置においては、裏面側の塗工を行うスリットダイの下流側に基材の搬送方向とほぼ平行な気流を噴出して基材を吸引する機構を設けることにより、基材の張力を高めてスリットダイと基材とのギャップを安定させている。
一方、特許文献2に開示されるような塗工用ダイを対向配置して基材の表裏面から同時に塗工液を吐出する両面塗工装置では、バックアップローラは不要となるものの、塗工液の吐出圧によって基材の位置が不安定となりやすい。このため、特許文献2には、表面側および裏面側の塗工用ダイと基材との距離が均等になるように基材を保持するとともに、基材に弛みが生じないようにテンションローラによって張力を付与することが提案されている。
しかしながら、特許文献2に開示されるように基材に強い張力を付与しても、塗工用ダイの設置時の位置精度、ローラの精度、基材のくせなどの不可避的な誤差要因が存在するため、表面側および裏面側の塗工用ダイと基材との距離を安定して均等に保持することは困難なものとなっていた。塗工用ダイと基材との距離は塗膜の膜厚に大きく影響するため、その距離が不安定であると塗工精度も不均一になるという問題が生じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ノズルと基材との距離を安定させて塗工液を均一に塗工することができる両面塗工装置および両面塗工方法、並びに、その両面塗工装置を組み込んだ塗膜形成システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基材の両面に同時に塗工液を塗工する両面塗工装置において、第1ローラから送り出された基材を第2ローラで巻き取ることによって基材を連続して搬送する搬送機構と、前記搬送機構によって搬送される基材の第1面に塗工液を吐出する第1ノズルと、前記第1ノズルと基材を挟んで対向して配置され、前記第1ノズルが前記第1面に塗工液を着液させる着液位置に対応する基材の第2面の位置に塗工液を吐出する第2ノズルと、前記第1ノズルに塗工液を送液する第1送液手段と、前記第2ノズルに塗工液を送液する第2送液手段と、前記第1ノズルから塗工液を吐出する第1吐出圧と前記第2ノズルから塗工液を吐出する第2吐出圧とのバランスによって前記第1ノズルと前記第2ノズルとの間の所定位置を基材が通過するように前記第1送液手段および前記第2送液手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る両面塗工装置において、前記制御手段は、前記第1吐出圧と前記第2吐出圧とを等しくして前記第1ノズルと前記第2ノズルとの間の中央を基材が通過するように前記第1送液手段および前記第2送液手段を制御することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る両面塗工装置において、前記第1ノズルと前記第2ノズルとの間を走行する基材が前記第1吐出圧と前記第2吐出圧とのバランスによって前記所定位置にまで移動できるように基材に作用する張力を緩和する張力緩和機構をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項3の発明に係る両面塗工装置において、前記張力緩和機構は、基材に作用する張力を一定に保つダンサーローラを含むことを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る両面塗工装置において、前記第1ローラから前記第2ローラに至る基材の搬送経路のうち前記第1ノズルおよび前記第2ノズルから塗工液が塗工される塗工区間にて基材に作用する張力を前記塗工区間を除く区間にて基材に作用する張力よりも低くする張力緩和機構をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項5の発明に係る両面塗工装置において、前記張力緩和機構は、前記塗工区間の上流側端に設置された一対の上流側ピンチローラと、前記塗工区間の下流側端に設置された一対の下流側ピンチローラと、前記塗工区間内に設けられ、前記塗工区間にて基材に作用する張力を前記塗工区間を除く区間にて基材に作用する張力よりも低い一定値に保つダンサーローラと、を含むことを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項5の発明に係る両面塗工装置において、前記張力緩和機構は、前記塗工区間の上流側端に設置された一対の上流側ピンチローラと、前記塗工区間の下流側端に設置された一対の下流側ピンチローラと、前記一対の上流側ピンチローラの送り速度および前記一対の下流側ピンチローラの送り速度を調整して前記塗工区間にて基材に作用する張力を前記塗工区間を除く区間にて基材に作用する張力よりも低くするドロー制御手段と、を含むことを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項5から請求項7のいずれかの発明に係る両面塗工装置において、前記張力緩和機構は、前記塗工区間にて基材に作用する張力を前記第1ノズルと前記第2ノズルとの間を走行する基材が前記第1吐出圧と前記第2吐出圧とのバランスによって前記所定位置にまで移動できる値とすることを特徴とする。
また、請求項9の発明は、塗膜形成システムであって、請求項1から請求項8のいずれかの発明に係る両面塗工装置と、前記両面塗工装置によって基材の両面に形成された塗工液の塗膜を乾燥させる乾燥部と、を備えることを特徴とする。
また、請求項10の発明は、基材の両面に同時に塗工液を塗工する両面塗工方法において、第1ローラから送り出された基材を第2ローラで巻き取ることによって基材を連続して搬送する搬送工程と、搬送される基材の第1面に第1ノズルから塗工液を吐出する第1塗工工程と、前記第1ノズルが前記第1面に塗工液を着液させる着液位置に対応する基材の第2面の位置に第2ノズルから塗工液を吐出する第2塗工工程と、を備え、前記第1ノズルから塗工液を吐出する第1吐出圧と前記第2ノズルから塗工液を吐出する第2吐出圧とのバランスによって基材に前記第1ノズルと前記第2ノズルとの間の所定位置を通過させることを特徴とする。
また、請求項11の発明は、請求項10の発明に係る両面塗工方法において、前記第1吐出圧と前記第2吐出圧とを等しくして前記第1ノズルと前記第2ノズルとの間の中央を基材に通過させることを特徴とする。
また、請求項12の発明は、請求項10または請求項11の発明に係る両面塗工方法において、前記第1ノズルと前記第2ノズルとの間を走行する基材が前記第1吐出圧と前記第2吐出圧とのバランスによって前記所定位置にまで移動できるように基材に作用する張力を緩和することを特徴とする。
また、請求項13の発明は、請求項10または請求項11の発明に係る両面塗工方法において、前記第1ローラから前記第2ローラに至る基材の搬送経路のうち前記第1ノズルおよび前記第2ノズルから塗工液が塗工される塗工区間にて基材に作用する張力を前記塗工区間を除く区間にて基材に作用する張力よりも低くすることを特徴とする。
また、請求項14の発明は、請求項13の発明に係る両面塗工方法において、前記塗工区間にて基材に作用する張力を前記第1ノズルと前記第2ノズルとの間を走行する基材が前記第1吐出圧と前記第2吐出圧とのバランスによって前記所定位置にまで移動できる値とすることを特徴とする。
請求項1から請求項9の発明によれば、第1ノズルから塗工液を吐出する第1吐出圧と第2ノズルから塗工液を吐出する第2吐出圧とのバランスによって第1ノズルと第2ノズルとの間の所定位置を基材が通過するようにしているため、ノズルと基材との距離を安定させて塗工液を均一に塗工することができる。
特に、請求項2の発明によれば、第1吐出圧と第2吐出圧とを等しくして第1ノズルと第2ノズルとの間の中央を基材が通過するようにしているため、第1ノズルと基材との距離と、第2ノズルと基材との距離とを均等にすることができる。
特に、請求項5の発明によれば、基材の搬送経路のうち塗工区間にて基材に作用する張力を塗工区間を除く区間にて基材に作用する張力よりも低くしているため、第1吐出圧と第2吐出圧とのバランスによって容易に第1ノズルと第2ノズルとの間の基材の通過位置を調整することができる。
請求項10から請求項14の発明によれば、第1ノズルから塗工液を吐出する第1吐出圧と第2ノズルから塗工液を吐出する第2吐出圧とのバランスによって基材に第1ノズルと第2ノズルとの間の所定位置を通過させるため、ノズルと基材との距離を安定させて塗工液を均一に塗工することができる。
特に、請求項11の発明によれば、第1吐出圧と第2吐出圧とを等しくして第1ノズルと第2ノズルとの間の中央を基材に通過させるため、第1ノズルと基材との距離と、第2ノズルと基材との距離とを均等にすることができる。
特に、請求項13の発明によれば、基材の搬送経路のうち塗工区間にて基材に作用する張力を塗工区間を除く区間にて基材に作用する張力よりも低くしているため、第1吐出圧と第2吐出圧とのバランスによって容易に第1ノズルと第2ノズルとの間の基材の通過位置を調整することができる。
本発明に係る両面塗工装置を組み込んだ塗膜形成システムの全体構成を示す図である。 第1送液機構および第2送液機構の構成を示す図である。 第2ピンチローラによる基材搬送を示す図である。 張力緩和機構による基材の張力緩和を説明するための図である。 基材の通過位置に偏倚が生じている場合の例を示す図である。 第1塗工ノズルおよび第2塗工ノズルからの吐出圧のバランスによって基材の通過位置が規定されている例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る両面塗工装置を組み込んだ塗膜形成システム1の全体構成を示す図である。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
この塗膜形成システム1は、基材としての長尺の金属箔をロールトゥロール方式にて連続搬送しつつ、その基材の両面に電極材料である活物質を含む塗工液を塗工し、その塗工液の乾燥処理を行ってリチウムイオン二次電池の電極製造を行う装置である。塗膜形成システム1は、両面塗工装置10に乾燥部80を備えて構成される。また、塗膜形成システム1は、システム全体を管理する制御部90を備える。
本発明に係る両面塗工装置10は、主たる要素として第1塗工ノズル20、第2塗工ノズル40、張力緩和機構70および搬送機構60を備える。また、両面塗工装置10は、第1塗工ノズル20に塗工液を送液する第1送液機構30および第2塗工ノズル40に塗工液を送液する第2送液機構50を備える(図2)。制御部90は、両面塗工装置10の各機構部も制御しており、両面塗工装置10の制御部としても機能する。
搬送機構60は、巻き出しローラ(第1ローラ)61、巻き取りローラ(第2ローラ)62および複数の補助ローラ63を備える。長尺の基材5は、巻き出しローラ61から送り出されて複数の補助ローラ63に案内されつつ巻き取りローラ62によって巻き取られることにより、両面塗工装置10、乾燥部80の順にロールトゥロール方式にて連続して搬送される。なお、補助ローラ63の個数および配置位置については、図1の例に限定されるものではなく、必要に応じて適宜に増減することができる。但し、本発明に係る両面塗工装置10は、基材5の裏面にも塗工液を塗工するため、裏面側の塗工液が乾燥していない第2塗工ノズル40と乾燥部80との間に補助ローラ63を設けることはできない。
第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40は、搬送機構60によって搬送される基材5を挟んで相対向する位置に配置されている。本実施形態においては、搬送機構60によって略水平方向に沿って搬送される基材5の上方に第1塗工ノズル20が設けられ、下方に第2塗工ノズル40が設けられる。第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40は概ね上下対称となる同様の構成を有する。第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40は、例えばステンレススチールにて形成され、基材5の幅方向に沿ったスリット状の吐出口21,41を備えたスリットノズルである。
第1塗工ノズル20は、搬送機構60によって搬送される基材5の表面に塗工液を吐出する。また、第2塗工ノズル40は、搬送機構60によって搬送される基材5の裏面に塗工液を吐出する。なお、基材5の「表面」とは、基材5の2つの面のうちの一方面(第1面)であり、「裏面」とはその反対側の他方面(第2面)である。すなわち、基材5の表面および裏面は、基材5の両面を単に識別するための表記であり、いずれか特定の面が表面または裏面に限定されるものではない。
図2は、第1送液機構30および第2送液機構50の構成を示す図である。同図に示すように、第1送液機構30および第2送液機構50は同一の構成を備える。第1送液機構30は、タンク31、ポンプ32、バルブ33、圧力センサ34,35および送液配管36を備える。
タンク31は、リチウムイオン二次電池の電極材料である活物質を含む溶液を塗工液として貯留する。タンク31には、攪拌機およびエア加圧ユニットなどが付設されていても良い。攪拌機は、タンク31に貯留されている塗工液を攪拌して活物質の濃度分布を均一にする。エア加圧ユニットは、高圧の空気をタンク31内の気相部分に送り込んで貯留されている塗工液の液面を加圧する。
送液配管36はタンク31と第1塗工ノズル20とを接続する。送液配管36は、タンク31に貯留されている塗工液を第1塗工ノズル20に向けて送給する。送液配管36としては、ステンレス管または樹脂管を用いることができる。送液配管36の経路途中には、ポンプ32およびバルブ33が介挿されている。
ポンプ32は、タンク31に貯留されている電極材料の塗工液を第1塗工ノズル20に向けて圧送する。ポンプ32としては、例えば駆動モータとしてサーボモータを用いた回転ポンプを採用することができる。バルブ33は、送液配管36の流路を開閉することによって第1塗工ノズル20への塗工液の供給を断続させる。バルブ33が送液配管36の流路を開放しているときには第1塗工ノズル20から塗工液が吐出され、閉止しているときには第1塗工ノズル20からの吐出が停止される。
第1塗工ノズル20は、搬送機構60によって搬送される基材5の上方に設けられる。第1塗工ノズル20は、その吐出口21が下側を向くように(つまり、基材5に対向するように)設けられる。第1塗工ノズル20は、スリット状の吐出口21に繋がる流路を規定するためのシムおよびマニホールド等を備える。また、第1塗工ノズル20には、その位置および姿勢を調整する機構が付設されている(図示省略)。第1塗工ノズル20の吐出口21は、マニホールドを介して送液配管36に連通接続されている。送液配管36から第1塗工ノズル20に送給された塗工液は吐出口21から基材5の表面に吐出される。
送液配管36のポンプ32よりも下流側(第1塗工ノズル20に近い側)には圧力センサ34が接続されている。圧力センサ34は、送液配管36内の液圧を測定し、ポンプ32が第1塗工ノズル20に塗工液を圧送する送液圧を測定する。また、第1塗工ノズル20には圧力センサ35が付設されている。圧力センサ35は、第1塗工ノズル20の吐出口21からの吐出圧を測定する。圧力センサ34,35、ポンプ32およびバルブ33は制御部90に電気的に接続されている。圧力センサ34,35の測定結果は制御部90に伝達され、制御部90はポンプ32およびバルブ33の動作を制御して第1塗工ノズル20からの吐出圧を規定する。
同様に、第2送液機構50は、タンク51、ポンプ52、バルブ53、圧力センサ54,55および送液配管56を備える。タンク51は、タンク31と同種の活物質の溶液を塗工液として貯留する。タンク51には、タンク31と同様の攪拌機およびエア加圧ユニットなどが付設されていても良い。
送液配管56はタンク51と第2塗工ノズル40とを接続する。送液配管56は、タンク51に貯留されている塗工液を第2塗工ノズル40に向けて送給する。送液配管56としては、ステンレス管または樹脂管を用いることができる。送液配管56の経路途中には、ポンプ52およびバルブ53が介挿されている。
ポンプ52は、タンク51に貯留されている電極材料の塗工液を第2塗工ノズル40に向けて圧送する。ポンプ52としては、例えば駆動モータとしてサーボモータを用いた回転ポンプを採用することができる。バルブ53は、送液配管56の流路を開閉することによって第2塗工ノズル40への塗工液の供給を断続させる。バルブ53が送液配管56の流路を開放しているときには第2塗工ノズル40から塗工液が吐出され、閉止しているときには第2塗工ノズル40からの吐出が停止される。
第2塗工ノズル40は、搬送機構60によって搬送される基材5の下方に設けられる。第2塗工ノズル40は、その吐出口41が上側を向くように(つまり、基材5に対向するように)設けられる。第2塗工ノズル40は、スリット状の吐出口41に繋がる流路を規定するためのシムおよびマニホールド等を備える。また、第2塗工ノズル40には、その位置および姿勢を調整する機構が付設されている(図示省略)。第2塗工ノズル40の吐出口41は、マニホールドを介して送液配管56に連通接続されている。送液配管56から第2塗工ノズル40に送給された塗工液は吐出口41から基材5の裏面に吐出される。
送液配管56のポンプ52よりも下流側(第2塗工ノズル40に近い側)には圧力センサ54が接続されている。圧力センサ54は、送液配管56内の液圧を測定し、ポンプ52が第2塗工ノズル40に塗工液を圧送する送液圧を測定する。また、第2塗工ノズル40には圧力センサ55が付設されている。圧力センサ55は、第2塗工ノズル40の吐出口41からの吐出圧を測定する。圧力センサ54,55、ポンプ52およびバルブ53は制御部90に電気的に接続されている。圧力センサ54,55の測定結果は制御部90に伝達され、制御部90はポンプ52およびバルブ53の動作を制御して第2塗工ノズル40からの吐出圧を規定する。
また、第1送液機構30および第2送液機構50には、吐出停止時に塗工液をタンク31,51に還流する還流配管が設けられていても良い。還流配管は、送液配管36,56におけるポンプ32,52とバルブ33,53との間から分岐されてタンク31,51に接続される。塗工液供給の停止時に、ポンプ32,52の作動を継続しつつバルブ33,53が送液配管36,56の流路を閉止したときに、ポンプ32,52から圧送された塗工液は還流配管を通ってタンク31,51に戻される。
さらに、送液配管36,56にはフィルタが設けられていても良い。フィルタは、例えばバルブ33,53と第1塗工ノズル20,第2塗工ノズル40との間に設けられ、送液配管36,56を流れる塗工液から異物を取り除く。
図1に戻り、張力緩和機構70は、一対の第1ピンチローラ71,71と、一対の第2ピンチローラ72,72と、ダンサーローラ73と、を備える。一対の第1ピンチローラ71,71は、搬送機構60による基材5の搬送経路に沿って第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40よりも上流側(巻き出しローラ61に近い側)に設置されている。第1ピンチローラ71,71は、円筒形状のローラであり、少なくともその外周面は基材5に対して高い摩擦係数を有する材質(例えば、ゴム)にて形成されている。一対の第1ピンチローラ71,71のロールギャップ(間隔)は基材5の厚みよりも小さな値とされており、双方が接触していても良い。従って、基材5が一対の第1ピンチローラ71,71の間を通過するときには、当該基材5が一対の第1ピンチローラ71,71によって滑ることなく挟み込まれて送り出される。
また、一対の第1ピンチローラ71,71のうちの少なくとも一方は図示省略の駆動モータに連結されている。その駆動モータが第1ピンチローラ71,71を回転させることによって、基材5が所定の送り速度にて送り出されることとなる。第1ピンチローラ71,71による送り速度は制御部90によって制御される。
一方、一対の第2ピンチローラ72,72は、搬送機構60による基材5の搬送経路に沿って第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40よりも下流側(巻き取りローラ62に近い側)に設置されている。図3は、第2ピンチローラ72,72による基材搬送を示す図である。各第2ピンチローラ72は、回転軸72aの両端に一対の円板状のローラ72b,72bを固設して構成される。回転軸72aの直径はローラ72b,72bの直径よりも小さい。ローラ72b,72bは、第1ピンチローラ71,71と同様に、少なくともその外周面は基材5に対して高い摩擦係数を有する材質(例えば、ゴム)にて形成されている。回転軸72aの長さは基材5の幅と概ね同程度である。よって、図3に示すように、ローラ72b,72bは基材5の幅方向両縁部と接触する。
一対の第2ピンチローラ72,72のロールギャップ、すなわち一方の第2ピンチローラ72のローラ72bと他方の第2ピンチローラ72のローラ72bとの間隔は基材5の厚みよりも小さな値とされており、双方が接触していても良い。従って、基材5が一対の第2ピンチローラ72,72の間を通過するときには、当該基材5の幅方向両縁部がローラ72b,72bによって滑ることなく挟み込まれて送り出される。第2ピンチローラ72,72の位置においては、基材5の表面および裏面に塗工液の塗膜が形成されているのであるが、図3に示すように、一対の第2ピンチローラ72,72は基材5の幅方向両縁の非塗工領域を挟んで送り出すため、塗膜の損傷を防止するとともに、第2ピンチローラ72,72の汚染を防ぐこともできる。
また、一対の第2ピンチローラ72,72のうちの少なくとも一方は図示省略の駆動モータに連結されている。その駆動モータが第2ピンチローラ72,72を回転させることによって、基材5が所定の送り速度にて送り出されることとなる。第2ピンチローラ72,72による送り速度は制御部90によって制御される。
図1に戻り、ダンサーローラ73は、第1ピンチローラ71,71と第2ピンチローラ72,72との間に配置されている。ダンサーローラ73は、第1ピンチローラ71,71と補助ローラ63との間に設けられた上下方向に可動のローラである。すなわち、ダンサーローラ73は、回転軸が固定されておらず、基材5に作用する張力によって上下動する。換言すれば、ダンサーローラ73は、上下方向についての位置が拘束されていないため、その高さ位置にかかわらず常に一定の張力を基材5に与える。ダンサーローラ73が基材5に付与する張力はダンサーローラ73自体の質量によって規定される。なお、ダンサーローラ73には、基材5に付与する張力を調整するための錘やエアシリンダーが付設されていても良い。
図4は、張力緩和機構70による基材5の張力緩和を説明するための図である。一対の第1ピンチローラ71,71は第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40よりも上流側に設けられている。また、一対の第2ピンチローラ72,72は第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40よりも下流側に設けられている。すなわち、基材5に対して塗工液を塗工する第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40は、第1ピンチローラ71,71と第2ピンチローラ72,72との間に設けられている。
巻き出しローラ61から巻き取りローラ62に至る基材5の搬送経路のうち、第1ピンチローラ71,71と第2ピンチローラ72,72との間が第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40から基材5に塗工液が塗工される塗工区間とされる。よって、一対の第1ピンチローラ71,71は、塗工区間の最も上流側端に設置されていることとなる。一方、一対の第2ピンチローラ72,72は、塗工区間の最も下流側端に設置されていることとなる。
巻き出しローラ61から巻き取りローラ62に至る基材5の搬送経路の全体において基材5に作用する張力を規定しているのは、巻き出しローラ61および巻き取りローラ62である。典型的には、巻き取りローラ62による巻き取り速度の方が巻き出しローラ61による送り出し速度よりも若干大きく設定されており、それによって基材5に張力が与えられる。
本実施形態においては、巻き出しローラ61および巻き取りローラ62が基材5に与える張力を一対の第1ピンチローラ71,71および一対の第2ピンチローラ72,72によって遮断している。すなわち、第1ピンチローラ71,71および第2ピンチローラ72,72が基材5を挟み込んで巻き出しローラ61、巻き取りローラ62とは異なる送り速度にて基材5を送り出すことにより、塗工区間にて基材5に作用する張力を巻き出しローラ61および巻き取りローラ62の影響から独立させているのである。
巻き出しローラ61および巻き取りローラ62の影響から独立した塗工区間にて基材5に作用する張力は、ダンサーローラ73によって一定値に規定される。塗工区間よりも上流側(つまり、第1ピンチローラ71,71よりも上流側)の基材5に作用する張力は、巻き出しローラ61の送り出し速度と第1ピンチローラ71,71の送り速度によって規定される。塗工区間よりも下流側(つまり、第2ピンチローラ72,72よりも下流側)の基材5に作用する張力は、第2ピンチローラ72,72の送り速度と巻き取りローラ62の巻き取り速度とによって規定される。そして、本実施形態では、塗工区間にて基材5に作用する張力がその塗工区間を除く非塗工区間(基材5の搬送経路のうち塗工区間よりも上流側および下流側の区間)にて基材5に作用する張力よりも低くなるように設定されている。すなわち、ダンサーローラ73の質量は、塗工区間にて基材5に作用する張力が非塗工区間にて基材5に作用する張力よりも低くなるように設定されている。
このように、張力緩和機構70は、第1ピンチローラ71,71および第2ピンチローラ72,72によって塗工区間の基材5に作用する張力を巻き出しローラ61および巻き取りローラ62の影響から独立させるとともに、ダンサーローラ73によって塗工区間の基材5に作用する張力を非塗工区間にて基材5に作用する張力よりも低くして塗工区間での基材5の張力を緩和しているのである。なお、基材5に作用する張力が低くなっている塗工区間が過度に長くなると基材5の蛇行等の搬送不良が生じるため、ピンチローラ71,71および第2ピンチローラ72,72の設置間隔は必要最小限の長さに留めるのが好ましい。また、ダンサーローラ73または塗工区間内の補助ローラ63に、塗工区間の基材5に作用する張力を測定する張力計を付設するのが好ましい。
再び図1に戻り、乾燥部80は、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40によって基材5の両面に形成された塗工液の塗膜の乾燥処理を行う。乾燥部80は、搬送機構60によって搬送される基材5を加熱することによって、塗工液から溶剤を蒸発させて乾燥処理を行う。乾燥部80は、例えば、塗工液の塗膜を緩やかに昇温させる予熱部、塗膜を所定温度にまで昇温して主たる加熱を行うメイン乾燥部、塗膜をより高温に加熱して膜中の歪みや残留応力を除去するアニール部、加熱された塗膜を冷却する冷却部などを備えていても良い。
制御部90は、塗膜形成システム1に設けられた各動作機構を制御して基材5に対する塗工処理を進行させる。制御部90のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部90は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えて構成される。制御部90のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって塗膜形成システム1における塗工処理が進行する。
上述のような構成を備える塗膜形成システム1にて電極製造を行うときには、搬送機構60によって基材5をロールトゥロールで連続搬送しつつ、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40によって基材5の表裏面に塗工液の同時塗工を行う。塗工の対象となる基材5は、リチウムイオン二次電池の集電体として機能する金属箔である。塗膜形成システム1にてリチウムイオン二次電池の正極を製造する場合には、基材5として例えばアルミニウム箔(Al)を用いることができる。また、塗膜形成システム1にて負極を製造する場合には、基材5として例えば銅箔(Cu)を用いることができる。基材5は長尺のシート状の金属箔であり、その幅および厚さについては特に限定されるものではないが、例えば幅600mm〜700mm、厚さ10μm〜20μmとすることができる。
両面塗工装置10においては、搬送機構60によって搬送される基材5を挟んで相対向するように第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40とが配置される。第1塗工ノズル20は、搬送機構60によって略水平方向に搬送される基材5の表面に吐出口21から塗工液を吐出する。第1塗工ノズル20は基材5の上側から塗工液を吐出する。一方の第2塗工ノズル40は、搬送機構60によって略水平方向に搬送される基材5の裏面に吐出口41から塗工液を吐出する。第2塗工ノズル40は基材5の下側から塗工液を吐出する。
塗膜形成システム1にて正極を製造する場合には、正極材料の塗工液として、例えば正極活物質であるコバルト酸リチウム(LiCoO)、導電助剤であるカーボン(C)、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)、溶剤であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)の混合液を用いる。コバルト酸リチウムに代えて、正極活物質としてニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、燐酸鉄リチウム(LiFePO)などを用いることもできる。
一方、塗膜形成システム1にて負極を製造する場合には、負極材料の塗工液として、例えば負極活物質である黒鉛(グラファイト)、結着剤であるPVDF、溶剤であるNMPの混合液を用いる。黒鉛に代えて、負極活物質としてハードカーボン、チタン酸リチウム(LiTi12)、シリコン合金、スズ合金などを用いることもできる。また、正極材料および負極材料の双方において、結着剤としてPVDFに代えてスチレン−ブタジエンゴム(SBR)などを使用することができ、溶剤としてNMPに代えて水(HO)などを使用することができる。さらに、結着剤としてSBR、溶剤として水を用いる場合には、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を併用することもできる。これら正極材料および負極材料の塗工液は固体(微粒子)が分散されたスラリーであってその粘度はいずれも1Pa・s(パスカル秒)以上であり、一般的にチクソトロピー性を有する。
基材5の表面および裏面には同種の塗工液が塗工される。例えば、第1塗工ノズル20から基材5の表面に正極材料の塗工液を塗工するのであれば、第2塗工ノズル40からも基材5の裏面に正極材料の塗工液を塗工する。また、基材5の表面に第1塗工ノズル20から負極材料の塗工液を塗工するのであれば、基材5の裏面にも第2塗工ノズル40から負極材料の塗工液を塗工する。
本実施形態の両面塗工装置10は、基材5の表裏両面に塗工液を同時に吐出するものであり、第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40とが基材5を挟んで相対向するように(厳密には、吐出口21と吐出口41とが相対向するように)設置されている。よって、第1塗工ノズル20が基材5の表面に塗工液を着液させる着液位置に対応する基材5の裏面の位置に第2塗工ノズル40から塗工液が吐出される。すなわち、基材5の同じ位置の表裏に第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40から塗工液が同時に吐出されるのである。
このような構成においては、第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40との間を通過する基材5の位置が両ノズルからの塗工液の吐出圧によって不安定となりやすい。このため、特許文献2に開示される両面塗工装置では、基材に弛みが生じないようにテンションローラによって基材に強い張力を付与しするようにしている。
しかしながら、既述したように、特許文献2に開示されるようにしても、塗工用ダイの設置時の位置精度、ローラの精度、基材のくせなどの不可避的な誤差要因が存在するため、表面側および裏面側の塗工ノズルと基材との距離を安定して均等に保持することは現実的には困難であった。特に、近年では、表面側および裏面側の塗工ノズル間の基材の走行位置にシングルミクロンオーダーの精度が要求されており、テンションローラによって基材に強い張力を付与したとしてもその要求精度を満足することは困難であった。
そして、基材に強い張力を付与した場合には、基材の通過位置が表面側または裏面側の塗工ノズルのいずれかに偏っていると、次のような問題が生じる。図5は、基材5の通過位置に偏倚が生じている場合の例を示す図である。図5の例では、第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40との間における基材5の通過位置が裏面側の第2塗工ノズル40の方に偏っている。なお、理解容易のために図5では偏りの程度を誇張して描いているものの、上述した基材のくせなどに起因してこのような偏りは必ず生じる。
図5に示すような基材位置の偏りが生じている場合に、基材5に強い張力が付与されていたとすると、その偏りは第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40からの吐出圧によっても容易には変動しない。仮に、第1塗工ノズル20からの吐出圧よりも第2塗工ノズル40からの吐出圧を顕著に大きくした場合には、第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40との間の基材5が若干上方に移動して偏りが緩和されるものの、基材5が上方に移動して第2塗工ノズル40と基材5との間隔が拡がるにつれて基材5に作用する第2塗工ノズル40からの圧力が小さくなり、基材位置の偏りを完全に解消することはできない。また、第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40との吐出圧を異なるものとした場合には、塗工液の吐出量も異なることとなるため、基材5の表裏に形成される塗膜の膜厚が不均一になるという問題も生じる。
そこで、本実施形態の両面塗工装置10においては、第1ピンチローラ71,71および第2ピンチローラ72,72によって基材5の搬送経路から塗工区間を独立させ、その塗工区間にて基材5に作用する張力が非塗工区間にて基材5に作用する張力よりも低くなるようにしている。基材5は、巻き出しローラ61から送り出されて補助ローラ63に案内されつつ巻き取りローラ62によって巻き取られることにより、所定の搬送経路に沿ってロールトゥロール方式にて連続して搬送される。巻き出しローラ61から巻き取りローラ62に至る基材5の搬送経路の全体において、基材5に作用する張力を規定しているのは、巻き出しローラ61の送り出し速度および巻き取りローラ62の巻き取り速度である。第1ピンチローラ71,71および第2ピンチローラ72,72は、基材5を挟み込んで巻き出しローラ61、巻き取りローラ62とは異なる送り速度にて基材5を送り出すことにより、塗工区間にて基材5に作用する張力を巻き出しローラ61および巻き取りローラ62の影響から独立させている。
そして、ダンサーローラ73によって、塗工区間にて基材5に作用する張力を非塗工区間にて基材5に作用する張力よりも低い一定値に維持している。すなわち、塗工区間にて基材5に作用する張力を張力緩和機構70によって非塗工区間よりも緩和し、塗工区間での基材5に若干の弛みを与えているのである。
塗工区間にて基材5に作用している張力が相対的に低く、基材5に若干の弛みが生じている場合には、第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40との間を通過する基材5の位置は、第1塗工ノズル20から塗工液を吐出する吐出圧(第1吐出圧)と第2塗工ノズル40から塗工液を吐出する吐出圧(第2吐出圧)とのバランスによって比較的容易に変動する。例えば、第2塗工ノズル40の吐出圧を第1塗工ノズル20の吐出圧よりも大きくしたときには、第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40との間を通過する基材5の位置は下方より押し上げられて上方に移動する。逆に、第1塗工ノズル20の吐出圧を第2塗工ノズル40の吐出圧よりも大きくしたときには、第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40との間を通過する基材5の位置は上方より押し下げられて下方に移動する。
このように、本実施形態の両面塗工装置10においては、張力緩和機構70によって塗工区間にて基材5に作用する張力を非塗工区間にて基材5に作用する張力よりも低くし、塗工区間での基材5に若干の弛みを与えている。そして、塗工区間での基材5に若干の弛みを与えることにより、第1塗工ノズル20からの吐出圧と第2塗工ノズル40からの吐出圧とのバランスによって第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40との間の所定位置を基材5が通過するようにさせることができる。
図6は、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40からの吐出圧のバランスによって基材5の通過位置が規定されている例を示す図である。本実施形態においては、塗工区間にて基材5に作用する張力を非塗工区間にて基材5に作用する張力よりも低くして基材5に若干の弛みを与えた状態において、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40に、等しい吐出圧にてそれぞれ吐出口21および吐出口41から塗工液を吐出させる。具体的には、第1塗工ノズル20の吐出圧を計測する圧力センサ35の測定値と、第2塗工ノズル40の吐出圧を計測する圧力センサ55の測定値とが等しくなるように、制御部90がポンプ32およびポンプ52を制御して第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40から塗工液を吐出させる。
基材5を挟んで相対向するように配置された第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40が等しい吐出圧にて塗工液を上下から基材5に吐出すると、基材5の同じ位置の表面および裏面に等しい液圧にて塗工液が着液することとなる。塗工区間での基材5に若干の弛みが与えられた状態において、基材5の同じ位置の表面および裏面に等しい吐出圧にて塗工液が吐出されると、図6に示すように、双方の吐出圧のバランスによって基材5は第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40との間の中央を通過することとなる。すなわち、第1塗工ノズル20から基材5までの距離と第2塗工ノズル40から基材5までの距離とが均等になる。
図6に示すように、第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40との間の中央を通過する基材5の上下から塗工液を吐出しつつ、搬送機構60によって基材5を矢印AR6にて示すように搬送すると、基材5の表面および裏面に塗工液の塗膜が形成される。なお、本実施形態では、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40は、搬送される基材5の表裏面に連続して塗工液を吐出する連続塗工を行っている。また、一対の第2ピンチローラ72,72は基材5の幅方向両縁の非塗工領域を挟んでいるため(図3参照)、基材5の表面および裏面に形成された塗膜が第2ピンチローラ72,72に接触することはない。
第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40によって表裏両面に塗工液が塗工された基材5は乾燥部80に搬送され、基材5が加熱されて塗工液から溶剤が蒸発し、塗工液の塗膜の乾燥処理が行われる。基材5が乾燥部80から搬出される時点では塗工液の塗膜が十分に乾燥されている。そして、乾燥部80から搬出された基材5は巻き取りローラ62によって巻き取られる。
本実施形態においては、第1ピンチローラ71,71および第2ピンチローラ72,72によって基材5の搬送経路から塗工区間を独立させるとともに、ダンサーローラ73によって塗工区間にて基材5に作用する張力を非塗工区間にて基材5に作用する張力よりも低くしている。すなわち、特許文献2に開示される発明では基材の位置を安定させるために基材に強い張力を付与していたところ、本発明では、逆に意図して塗工区間での基材5に若干の弛みを与えているのである。そして、弛みが生じて容易に移動可能となった基材5に対して第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40から表裏両面に塗工液を吐出し、双方の吐出圧のバランスによって第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40との間を通過する基材5の位置を調整しているのである。特に、本実施形態では、第1塗工ノズル20から塗工液を吐出する吐出圧と第2塗工ノズル40から塗工液を吐出する吐出圧とを等しくすることによって、第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40との間の中央を基材5が通過するようにしている。
もっとも、塗工区間にて基材5に作用する張力を低くし過ぎて基材5が大きく緩むと、塗工区間内にて基材5の搬送不良が生じるため、張力緩和機構70はそのような搬送不良が生じない程度に基材5に作用する張力を低くする必要がある。換言すれば、張力緩和機構70は、塗工区間にて基材5に作用する張力を第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40との間を走行する基材5が双方からの吐出圧のバランスによって要求されている所定の位置にまで移動できる程度の値とすることが望ましい。
本実施形態のようにすれば、塗工区間にて基材5に作用する張力を意図的に低くし、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40の双方の吐出圧のバランスによって第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40との間の所定の位置を基材5が通過するようにしているため、基材5に強い張力を付与するよりもむしろ塗工ノズル20,40と基材5との距離を安定させて塗工液を均一に塗工することができる。
また、本実施形態では、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40の双方の吐出圧のバランスによって基材5の通過位置が調整されるため、ノズルやローラなどの設置位置には厳密な精度が不要となり、その調整を簡略化することもできる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、塗工区間にて基材5に作用する張力をダンサーローラ73によって規定していたが、これに代えて、ドロー制御によって基材5に作用する張力を調整するようにしても良い。具体的には、制御部90が一対の第1ピンチローラ71,71の送り速度および一対の第2ピンチローラ72,72の送り速度を調整して塗工区間にて基材5に作用する張力を非塗工区間にて基材5に作用する張力よりも低くなるようにしている。塗工区間よりも上流側の基材5に作用する張力は、巻き出しローラ61の送り出し速度と第1ピンチローラ71,71の送り速度によって規定される。一方、塗工区間よりも下流側の基材5に作用する張力は、第2ピンチローラ72,72の送り速度と巻き取りローラ62の巻き取り速度とによって規定される。制御部90は、塗工区間の上流側および下流側にて基材5に作用する張力よりも塗工区間にて基材5に作用する張力が低くなるように、第1ピンチローラ71,71の送り速度および第2ピンチローラ72,72の送り速度を調整する。このようにしても、上記実施形態と同様に、塗工区間にて基材5に作用する張力を意図的に低くし、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40の双方の吐出圧のバランスによって第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40との間の所定の位置を基材5が通過するようにすることができる。このため、基材5に強い張力を付与するよりもむしろ塗工ノズル20,40と基材5との距離を安定させて塗工液を均一に塗工することができる。
また、上記実施形態においては、第1ピンチローラ71,71および第2ピンチローラ72,72によって基材5の搬送経路から塗工区間を独立させていたが、巻き出しローラ61から巻き取りローラ62に至る基材5の搬送経路の全長が十分短い場合(例えば、全長が2m以下)には、敢えて塗工区間を区分けしなくても良い。この場合は、巻き出しローラ61から巻き取りローラ62に至る基材5の搬送経路の全体が塗工区間であると把握することもできる。そして、上記実施形態と同じく、ダンサーローラ73によってまたはドロー制御によって搬送経路の全体において基材5に作用する張力を低く設定することにより、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40の双方の吐出圧のバランスによって第1塗工ノズル20と第2塗工ノズル40との間の所定の位置を基材5が通過するようにすることができる。このため、基材5に強い張力を付与するよりもむしろ塗工ノズル20,40と基材5との距離を安定させて塗工液を均一に塗工することができる。もっとも、基材5に作用する張力が低くなっている区間が長いと基材5の蛇行等の搬送不良が生じるため、基材5の搬送経路が長い場合には上記実施形態のように第1ピンチローラ71,71および第2ピンチローラ72,72によって塗工区間を独立させるのが好ましい。
また、上記実施形態において、トルク制御を行うようにしても良い。例えば、巻き取りローラ62を一定トルクで回転する機能を有するものを採用し、第2ピンチローラ72,72から巻き取りローラ62の搬送区間のトルクを規定することも可能である。また、同様に、巻き出しローラ61において、基材5の搬送方向と逆方向に回転する機構と、一定トルクで滑るクラッチ機構を設けることで、巻き出しローラ61から第1ピンチローラ71,71の搬送区間のトルクを規定しても良い。
また、上記実施形態では、乾燥部80での乾燥処理後に補助ローラ63を経由して直接に巻き取りローラ62に基材5を巻き取らせる構成としているが、これに限定されるものではない。例えば、補助ローラ63から巻き取りローラ62への搬送経路中にさらなる補助ローラ63を追加するとともに、それら2つの補助ローラ63の間にダンサーローラを設けて、第2ピンチローラ72,72から巻き取りローラ62の搬送区間のトルクを規定するようにしても良い。
また、第2ピンチローラ72,72は、回転軸72aの両端に一対の円板状のローラ72b,72bを固設するのに代えて、基材5の幅方向両縁の非塗工領域に接触する片持ちのローラによって構成するようにしても良い。
また、上記実施形態においては、基材5に連続して塗工液を吐出する連続塗工を行っていたが、これに代えて、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40から断続的に塗工液を吐出する間欠塗工を行うようにしても良い。
また、第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40は、1本のスリット状の吐出口21,41を有するスリットノズルに限定されるものではなく、複数本のスリットを有するものであっても良いし、略円形の吐出口から塗工液を吐出するノズルであっても良い。
また、上記実施形態においては、基材5の上下に第1塗工ノズル20および第2塗工ノズル40を設けて両面同時塗工を行っていたが、基材5を水平面から傾けて搬送しつつ、その基材5を挟んで対向する位置に2つの塗工ノズルを設けて両面同時塗工を行うようにしても良い。例えば、基材5を鉛直方向に沿って搬送しつつ、その基材5を挟んで水平方向に沿って2つの塗工ノズルを設けて両面同時塗工を行うようにしても良い。
また、本発明に係る技術を用いて塗工処理を行う対象となる塗工液はリチウムイオン二次電池の電極材料に限定されるものではなく、例えばリチウムイオンキャパシタや太陽電池材料(電極材、封止材)の塗工液または電子材料の絶縁膜や保護膜の塗工液であっても良い。或いは、ガラス基板に静電防止塗料の塗工液を塗布するのに、本発明に係る技術を用いるようにしても良い。さらには、顔料や接着剤の塗工液を塗布するのに、本発明に係る技術を用いるようにしても良い。
1 塗膜形成システム
5 基材
10 両面塗工装置
20 第1塗工ノズル
21,41 吐出口
30 第1送液機構
31,51 タンク
32,52 ポンプ
33,53 バルブ
34,35,54,55 圧力センサ
40 第2塗工ノズル
50 第2送液機構
60 搬送機構
61 巻き出しローラ
62 巻き取りローラ
70 張力緩和機構
71 第1ピンチローラ
72 第2ピンチローラ
73 ダンサーローラ
80 乾燥部
90 制御部

Claims (14)

  1. 基材の両面に同時に塗工液を塗工する両面塗工装置であって、
    第1ローラから送り出された基材を第2ローラで巻き取ることによって基材を連続して搬送する搬送機構と、
    前記搬送機構によって搬送される基材の第1面に塗工液を吐出する第1ノズルと、
    前記第1ノズルと基材を挟んで対向して配置され、前記第1ノズルが前記第1面に塗工液を着液させる着液位置に対応する基材の第2面の位置に塗工液を吐出する第2ノズルと、
    前記第1ノズルに塗工液を送液する第1送液手段と、
    前記第2ノズルに塗工液を送液する第2送液手段と、
    前記第1ノズルから塗工液を吐出する第1吐出圧と前記第2ノズルから塗工液を吐出する第2吐出圧とのバランスによって前記第1ノズルと前記第2ノズルとの間の所定位置を基材が通過するように前記第1送液手段および前記第2送液手段を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする両面塗工装置。
  2. 請求項1記載の両面塗工装置において、
    前記制御手段は、前記第1吐出圧と前記第2吐出圧とを等しくして前記第1ノズルと前記第2ノズルとの間の中央を基材が通過するように前記第1送液手段および前記第2送液手段を制御することを特徴とする両面塗工装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の両面塗工装置において、
    前記第1ノズルと前記第2ノズルとの間を走行する基材が前記第1吐出圧と前記第2吐出圧とのバランスによって前記所定位置にまで移動できるように基材に作用する張力を緩和する張力緩和機構をさらに備えることを特徴とする両面塗工装置。
  4. 請求項3記載の両面塗工装置において、
    前記張力緩和機構は、基材に作用する張力を一定に保つダンサーローラを含むことを特徴とする両面塗工装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載の両面塗工装置において、
    前記第1ローラから前記第2ローラに至る基材の搬送経路のうち前記第1ノズルおよび前記第2ノズルから塗工液が塗工される塗工区間にて基材に作用する張力を前記塗工区間を除く区間にて基材に作用する張力よりも低くする張力緩和機構をさらに備えることを特徴とする両面塗工装置。
  6. 請求項5記載の両面塗工装置において、
    前記張力緩和機構は、
    前記塗工区間の上流側端に設置された一対の上流側ピンチローラと、
    前記塗工区間の下流側端に設置された一対の下流側ピンチローラと、
    前記塗工区間内に設けられ、前記塗工区間にて基材に作用する張力を前記塗工区間を除く区間にて基材に作用する張力よりも低い一定値に保つダンサーローラと、
    を含むことを特徴とする両面塗工装置。
  7. 請求項5記載の両面塗工装置において、
    前記張力緩和機構は、
    前記塗工区間の上流側端に設置された一対の上流側ピンチローラと、
    前記塗工区間の下流側端に設置された一対の下流側ピンチローラと、
    前記一対の上流側ピンチローラの送り速度および前記一対の下流側ピンチローラの送り速度を調整して前記塗工区間にて基材に作用する張力を前記塗工区間を除く区間にて基材に作用する張力よりも低くするドロー制御手段と、
    を含むことを特徴とする両面塗工装置。
  8. 請求項5から請求項7のいずれかに記載の両面塗工装置において、
    前記張力緩和機構は、前記塗工区間にて基材に作用する張力を前記第1ノズルと前記第2ノズルとの間を走行する基材が前記第1吐出圧と前記第2吐出圧とのバランスによって前記所定位置にまで移動できる値とすることを特徴とする両面塗工装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載の両面塗工装置と、
    前記両面塗工装置によって基材の両面に形成された塗工液の塗膜を乾燥させる乾燥部と、
    を備えることを特徴とする塗膜形成システム。
  10. 基材の両面に同時に塗工液を塗工する両面塗工方法であって、
    第1ローラから送り出された基材を第2ローラで巻き取ることによって基材を連続して搬送する搬送工程と、
    搬送される基材の第1面に第1ノズルから塗工液を吐出する第1塗工工程と、
    前記第1ノズルが前記第1面に塗工液を着液させる着液位置に対応する基材の第2面の位置に第2ノズルから塗工液を吐出する第2塗工工程と、
    を備え、
    前記第1ノズルから塗工液を吐出する第1吐出圧と前記第2ノズルから塗工液を吐出する第2吐出圧とのバランスによって基材に前記第1ノズルと前記第2ノズルとの間の所定位置を通過させることを特徴とする両面塗工方法。
  11. 請求項10記載の両面塗工方法において、
    前記第1吐出圧と前記第2吐出圧とを等しくして前記第1ノズルと前記第2ノズルとの間の中央を基材に通過させることを特徴とする両面塗工方法。
  12. 請求項10または請求項11に記載の両面塗工方法において、
    前記第1ノズルと前記第2ノズルとの間を走行する基材が前記第1吐出圧と前記第2吐出圧とのバランスによって前記所定位置にまで移動できるように基材に作用する張力を緩和することを特徴とする両面塗工方法。
  13. 請求項10または請求項11に記載の両面塗工方法において、
    前記第1ローラから前記第2ローラに至る基材の搬送経路のうち前記第1ノズルおよび前記第2ノズルから塗工液が塗工される塗工区間にて基材に作用する張力を前記塗工区間を除く区間にて基材に作用する張力よりも低くすることを特徴とする両面塗工方法。
  14. 請求項13記載の両面塗工方法において、
    前記塗工区間にて基材に作用する張力を前記第1ノズルと前記第2ノズルとの間を走行する基材が前記第1吐出圧と前記第2吐出圧とのバランスによって前記所定位置にまで移動できる値とすることを特徴とする両面塗工方法。
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