JP6327887B2 - 電動機および電動機システム - Google Patents

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Description

本発明は、回転子が磁気力を発生しながら回転する電動機およびこれを備える電動機システムに関する。
電動機部と磁気軸受部を磁気的に一体化させたベアリングレスモータは、回転子が磁気力を発生して浮上しながら回転する電動機であり、回転子に機械的な接触部分がないので、無摩擦、無摩耗、メンテナンスフリーという利点がある。
ベアリングレスモータにおいて回転子を磁気浮上させるには、回転子の回転方向θz以外の、径方向xおよびy、軸方向z、傾き方向θxおよびθyを、能動的もしくは受動的な磁気支持力により、安定させる必要がある。
例えば、1軸制御ベアリングレスモータの場合、軸方向zのみを能動的に制御し、径方向xおよびyならびに傾き方向θxおよびθyについては永久磁石などを用いて受動的に安定させている(例えば、非特許文献1参照。)。したがって、変位センサは軸方向zを計測する1台のみですみ、またインバータの数も削減できるので、2軸制御ベアリングレスモータや5軸制御ベアリングレスモータに比べて低コストである。
1軸制御ベアリングレスモータの応用分野としては、冷却ファンや人工心臓用の遠心ポンプなどが考えられているが、これらの分野では、軸長を短くしなければならないという制約がある。しかしながら、1軸制御ベアリングレスモータは、一般的に、傾き方向θxおよびθyの受動安定化のために、軸長を長く設計する場合が多く、軸長の短縮は容易でない。
1軸制御ベアリングレスモータとして、モータの両端に反発受動型磁気軸受(RPMB)を配置し、さらにその片端にスラスト磁気軸受を配置する磁気軸受モータがある(例えば、非特許文献2参照。)。
同じく、モータの両端に反発受動型磁気軸受(RPMB)を配置した1軸制御ベアリングレスモータがある(例えば、非特許文献3参照。)。
また例えば、回転子の軸長を長くし、ギャップ面に永久磁石を貼り付けることで、モータと受動型磁気軸受が一体化された構造を有するアキシャルギャップ型のシングルドライブベアリングレスモータが提案されている(例えば、非特許文献4参照。)。このモータでは、固定子には一種類の巻線のみが設けられおり、1台のインバータにより、巻線にd軸電流を流すことにより軸方向の能動的な支持力を発生させ、q軸電流を流すことにより回転トルクを発生させることができる。
また例えば、1台のインバータにより駆動可能なシングルドライブベアリングレスモータとして、モータの両端に反発受動型磁気軸受(RPMB)を配置し、径方向および傾き方向の剛性を向上させたモータが提案されている(例えば、非特許文献5参照。)。これによれば、受動安定方向の剛性を高めるにつれて不安定な軸方向力も増加するという問題があるものの、モータ構造そのものを工夫することにより、不安定力に打ち勝つ能動的な磁気支持力を発生させることが可能となった。
例えば、内側に受動安定化のための反発磁石を設け、外側で軸方向の支持力およびトルクを発生させる二重ラジアルギャップ構造であるベアリングレスモータが提案されている(例えば、非特許文献6参照。)。
T.オウジ(T.Ohji)、T.カツダ(T.Katsuda)、K.アメイ(K.Amei)、M.サクイ(M.Sakui)著、「表面貼付型磁石1軸制御反発型磁気ベアリングシステムの構造、ならびにおよびその浮上および回転の試験(Structure of One−Axis Controlled Repulsive Type Magnetic Bearing System With Surface Permanent Magnets Installed and Its Levitation and Rotation Tests)」、(米国)、米国電気電子学会トランザクション(IEEE Transactions)、磁気学(Magnetics)、Vol.47、No.12、pp4734〜4739、2011年12月 S. ヤン(S. Yang)、M. ファング(M. Huang)著、「磁気浮上1軸制御された軸方向血液ポンプの設計および実現(Design and Implementation of a Magnetically Levitated Single−Axis Controlled Axial Blood Pump)」、米国電気電子学会トランザクション(IEEE Transactions)、産業電気(Industrial Electronics)、Vol.56、No.6、pp2213〜2219、2009年6月 湯本淳史、進士忠彦著、「軸方向制御型磁気軸受モータを搭載した小型遠心血流ポンプ」、日本機械学会論文集C編、第78巻、第792号、pp.3064〜3072、2012年8月 J.アサマ(J.Asama)、Y.ハマサキ(Y.Hamasaki)、T.オオイワ(T.Oiwa)、A.チバ(A.Chiba)著、「シングルドライブベアリングレスモータの新しいコンセプト(A Novel Concept of a Single−Drive Bearingless Motor)」、(米国)、米国電気電子学会トランザクション(IEEE Transactions)、産業電気(Industrial Electronics)、Vol.60、No.1、pp129〜138、2013年1月 H.スギモト(H.Sugimoto)、S.タナカ(S.Tanaka)、A.チバ(A.Chiba)、J.アサマ(J.Asama)、「新規な円筒状ラジアルギャップ型シングルドライブベアリングレスモータの設計および試験結果(Design and Test Result of Novel Single−Drive Bearingless Motor with Cylindrical Radial Gap)」、米国電気学会エネルギー変換器会議・博覧会(IEEE Energy Convers. Congr. and Expo(ECCE)議事録、pp.2466-2473、2013 W.バウワー(W.Bauer)他著、「ベアリングレスアキシャルフォース/トルクモータの電気的設計および巻線選択(Electrical design and winding selection for a bearingless Axial−Force/Torgue Motor)」、パワーエレクトロニクス, ドライブ, モーションコントロールに関する国際会議(International Symposium on Power Electronics,Electrical Drives, Automation and Motion:SPEEDAM)議事録、pp1224〜1229、2012年
非特許文献3に記載された技術によれば、径方向の端部に反発磁石を用いて傾き方向を安定化させることで軸長を短縮することができるが、回転子の回転駆動用とインバータとスラスト磁気軸受用の、少なくとも2台のインバータを設ける必要があり、高コストである。また、反発磁石は半径方向に対して負剛性であるため、半径方向の剛性が低下し、半径方向の振動が大きくなる問題がある。
また、非特許文献4に記載された技術によれば、上述のモータと受動型磁気軸受が一体化された構造を有するアキシャルギャップ型のシングルドライブベアリングレスモータによれば、1台のインバータで回転子の回転駆動および磁気支持に対応できるものの、傾き方向の安定化のためには、回転子の直径を小さく、軸長を長くする必要があるため、半径方向の剛性が低く、軸長の短縮が困難である。
また、非特許文献5に記載された技術によれば、上述のモータの両端に反発受動型磁気軸受を配置したシングルドライブベアリングレスモータによれば、不安定力に打ち勝つ能動的な磁気支持力を発生させることが可能であるが、支持力を向上させるためには軸長を長くする必要がある。
また、非特許文献6に記載された技術によれば、軸方向の支持力はコイルエンドに働くローレンツ力によって発生させているため、スタートアップのために非常に大きな電流が必要となり、消費電力が大きい。
従って本発明の目的は、上記問題に鑑み、1台のインバータで回転子のトルクおよび能動的な軸方向の力が発生可能であり、半径方向の剛性が高く、回転子の軸長が短くかつ半径が長い扁平構造を有する電動機およびこの電動機を備える電動機システムを提供することにある。
上記目的を実現するために、本発明においては、電動機は、回転軸に対して径方向外向きの磁束が発生するよう着磁された第1の永久磁石と、径方向内向きの磁束が発生するよう着磁された第2の永久磁石と、を含み、第1の永久磁石と第2の永久磁石とが周方向に交互に周設される永久磁石層を少なくとも1つ有する回転子と、回転子に対して径方向にギャップを隔てて対向した固定子であって、回転子側に突出したティースが周方向に複数周設された固定子鉄心と、各ティースの間に配置された巻線とを有する固定子と、を備え、ティースの回転子側の面と、永久磁石層が有する固定子側の面と、のうちの少なくとも一方が、軸方向において対向しない面部分を有し、巻線に界磁電流を流すことにより発生する磁束と第1の永久磁石および第2の永久磁石により発生する磁束とにより、回転子に対して軸方向の力が発生する。
ここで、回転子は、永久磁石層が軸方向に複数設けられ、軸方向に隣接した各永久磁束層間に、非磁性体物質からなる非磁性体層が設けられるようにしてもよい。
また、固定子は、固定子鉄心の軸方向の外側両端に、回転子側に突出した補助ティースであって、周方向に複数周設された補助ティースと、ティースと補助ティースとを結合するヨークと、をさらに備えてもよい。
また、固定子は、補助ティースに巻回される補助巻線をさらに備えてもよい。
また、ティースの回転子側の、永久磁石層の軸方向側の面近傍に対向する位置に、凹部が設けられてもよい。
第1の永久磁石および第2の永久磁石は、円筒状の非磁性体物質の側面上に貼り付けられることで周方向に交互に周設されるようにしてもよい。
また、永久磁石層は、第1の永久磁石および第2の永久磁石が交互に周設される回転子鉄心をさらに含むようにしてもよい。
また、電動機は、固定子に対して回転子を径方向に受動的に磁気支持する受動型磁気軸受をさらに備えてもよい。
また、電動機システムは、上述の電動機と、回転子の軸方向の位置を検出する変位センサと、変位センサが検出する位置情報に基づいて回転子の軸方向の位置制御を行うための界磁電流指令を生成し、回転子を回転駆動するための電機子電流指令を生成する制御装置と、界磁電流指令および電機子電流指令に基づいて直流電流を変換して巻線に供給するための交流電流を生成するインバータと、を備える。
本発明によれば、1台のインバータ(例えば三相インバータ)で回転子のトルクおよび能動的な軸方向の力が発生可能であり、回転子の半径方向の剛性が高く、回転子の軸長が短くかつ半径が長い扁平構造を有する電動機およびこの電動機を備える電動機システムを実現することができる。
本発明によれば、1台のインバータでベアリングレスモータの回転子の軸方向位置の能動制御と回転制御とを実現することができるので、低コストである利点がある。
また、本発明によれば、固定子に対して回転子を径方向に受動的に磁気支持する受動型磁気軸受をさらに備えることにより、回転子の半径方向および傾き方向をより安定的に支持できることができるので、従来構造と比較して剛性が向上し、振動をよりいっそう低減させることができる利点がある。
また、本発明によれば、上述の受動型磁気軸受をさらに備えることによる剛性の向上により増加した不安定な軸方向力に打ち勝つ能動的な磁気支持力を発生可能であるという利点がある。
本発明によれば、上記3つの利点を得ながら、従来構造と比較して、軸長が短く、直径が大きい偏平構造が実現可能である。
また、非特許文献5に記載された技術によれば、軸方向の軸長を短くした時、軸方向の支持力は十分発生可能であったが、トルクはコアレスモータの原理でローレンツ力により発生し、軸方向に施された巻線の巻数に比例するので、トルクが減少するため、薄型化が困難であった。これに対し、本発明によれば、一般的な永久磁石モータのように、ギャップ面に固定子鉄心の歯が対面する部分があるので、マクスウェル力によるトルクを活用することができ、薄型構造で大きなトルクを発生させることができる。
本発明の第1の実施例によるベアリングレスモータを説明する図であって、(A)は回転子の軸方向(+z軸方向)からみたxy断面図であり、(B)は−y方向からみたA−A断面図である。 本発明の第1の実施例によるベアリングレスモータを説明する分解斜視図であって、図1(A)に示したA−A断面で切断した場合を示す図である。 本願図面において示される巻線電流の向き、力の向き、永久磁石により発生する磁束の向き、および巻線電流により発生する磁束の向きを示す図である。 本発明の第1の実施例によるベアリングレスモータにおけるトルク発生原理を説明するxy断面図である。 本発明の第1の実施例によるベアリングレスモータの制御装置を説明する制御ブロック図である。 本発明の第1の実施例によるベアリングレスモータにおける回転子の変形例を示すxy断面図である。 本発明の第1の実施例によるベアリングレスモータの極対数の変形例を説明するA−A図である。 本発明の第2の実施例によるベアリングレスモータを説明するA−A断面図である。 本発明の第3の実施例によるベアリングレスモータを説明するA−A断面図である。 本発明の第4の実施例によるベアリングレスモータを説明するA−A断面図である。 本発明の第4の実施例によるベアリングレスモータの極対数の変形例を説明するA−A図である。 本発明の第4の実施例によるベアリングレスモータの回転子の軸方向の位置を説明するA−A図である。 本発明の第4の実施例によるベアリングレスモータの永久磁石層のZ軸方向の幅の変形例を説明するA−A図である。 本発明の第5の実施例によるベアリングレスモータを説明するA−A断面図である。 本発明の第6の実施例によるベアリングレスモータを説明するA−A断面図である。 本発明の第7の実施例によるベアリングレスモータを説明するA−A断面図である。 本発明の第8の実施例によるベアリングレスモータを説明するA−A断面図である。 本発明の第8の実施例によるベアリングレスモータの軸方向の力の発生原理を説明するA−A断面図である。 本発明の第9の実施例によるベアリングレスモータを説明するA−A断面図である。 本発明の第9の実施例によるベアリングレスモータを説明する分解斜視図であって、図19に示したA−A断面で切断した場合を示す図である。 本発明の第9の実施例によるベアリングレスモータをベアリングレスファンに適用した場合を説明するA−A断面図である。 本発明の第9の実施例によるベアリングレスモータをベアリングレスポンプに適用した場合(その1)を説明するA−A断面図である。 本発明の第9の実施例によるベアリングレスモータをベアリングレスポンプに適用した場合(その2)を説明するA−A断面図である。 本発明の第10の実施例によるベアリングレスモータを説明するA−A断面図である。 本発明の第11の実施例によるベアリングレスモータを説明するA−A断面図である。
以下図面を参照して、本発明によるベアリングレスモータについて説明する。しかしながら、本発明は、図面又は以下に説明される実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。以下、インナーロータ型を例にとり説明するが、アウターロータ型であってもよい。
図1は、本発明の第1の実施例によるベアリングレスモータを説明する図であって、(A)は回転子の軸方向(+z軸方向)からみたxy断面図であり、(B)はその−y方向からみたA−A断面図である。また、図2は、本発明の第1の実施例によるベアリングレスモータを説明する分解斜視図であって、図1(A)に示したA−A断面で切断した場合を示す図である。以下、回転子の回転軸の方向については「軸方向」もしくは「Z軸方向」と称する。また、断面図として示された図7〜図19および図21〜図25は、−y方向からみたA−A断面を示す。
また、図3は、本願図面において示される巻線電流の向き、力の向き、永久磁石により発生する磁束の向き、および巻線電流により発生する磁束の向きを示す図である。本願図面において、巻線に流れる電流の向きについては、一般的な表記方法に従い、紙面の裏側から表側に貫く向きを丸印に黒点を付したもので示し、紙面の表側から裏側に貫く向きを丸印に×印を付したもので示す。永久磁石により発生する磁束の向き(永久磁石の着磁方向としてのN極からS極に向かう磁束の向き)については、実線の矢印で示し、巻線に電流が流れることにより発生する磁束の向きについては、破線の矢印で示す。力の向きについては、白抜きの矢印で示す。
なお、図示された極対数およびスロット数は一例であって、本発明を特に限定するものではなく、その他の極対数およびスロット数であってもよい。
本発明の第1の実施例によれば、ベアリングレスモータ1における回転子10は、永久磁石11が、円筒状の非磁性体物質12の側面上に貼り付けられることで周方向に交互に周設される表面貼付永久磁石型回転子(SPM)である。図面を見やすくするために、図2において非磁性体物質12については図示していない。なお、第1の実施例では、回転子10を表面貼付永久磁石型回転子(SPM)としたが、この変形例として、後述するように埋込永久磁石型回転子(IPM)であってもよい。
図1(A)に示すように、永久磁石11は、回転軸に対して径方向外向きの磁束が発生するよう着磁されたもの(第1の永久磁石)と、径方向内向きの磁束が発生するよう着磁されたもの(第2の永久磁石)とが、周方向に交互に周設される。このように同一のxy平面上において径方向に並ぶ永久磁石が周設された層を、以下「永久磁石層」と称する。第1の実施例についていえば、図1(B)に示すように、ベアリングレスモータ1は1層の永久磁石層を有する。この変形例として、ベアリングレスモータ1を、後述するよう軸方向に積層された複数の永久磁石層を有する多層構造で構成してもよい。
本発明の第1の実施例によれば、ベアリングレスモータ1における固定子20は、回転子10に対して径方向にギャップを隔てて対向する。第1の実施例では、回転子10をインナーロータ型としたので、固定子20は、図1および図2に示すように、回転子10に対して径方向外側にギャップを隔てて対向する。この変形例として、回転子10をアウターロータ型とする場合は、固定子20は、回転子10に対して径方向内側にギャップを隔てて対向する。
固定子20は、回転子10側に突出したティース21−1が周方向に複数周設された固定子鉄心21と、各ティース21−1の間のスロットに配置された巻線22U、22Vおよび22Wとを有する。図示の例では、一例として、スロット数を12としており、極数を8としている。また、各ティース21の周りに巻線22U、22Vおよび22Wが巻回された集中巻で構成している。この変形例として、分布巻で構成してもよい。
第1の実施例によれば、図1(B)および図2に示すように、固定子10におけるティース21−1の回転子10側の面と、回転子10における永久磁石層が有する固定子20側の面と、のうちの少なくとも一方が、軸方向において対向しない面部分を有する。換言すれば、第1の実施例は、回転子と固定子とが径方向において対向する一般的な永久磁石同期電動機について、図1(B)および図2に示すように、回転子10と固定子20とが軸方向にずれるようにシフトさせて(ずらして)、互いに非対向となる面を有する構造としたものである。これによる軸方向の力の発生原理については後述する。
また、電動機システム100は、上述のベアリングレスモータ1と、回転子10の軸方向の位置を検出する変位センサ51と、変位センサ51が検出する位置情報に基づいて回転子10の軸方向の位置制御を行うための界磁電流指令を生成し、回転子10を回転駆動するための電機子電流指令を生成する制御装置52と、界磁電流指令および電機子電流指令に基づいて直流電流を変換して巻線22U、22Vおよび22Wに供給するための交流電流を生成するインバータ53とを備える。
次に、本発明の第1の実施例によるベアリングレスモータにおける、回転子10の軸方向の力の発生原理を説明する。
ここでは、巻線22U、22Vおよび22Wにおいて、図示したような向きに電流が流れた場合を考える。
上述のように、永久磁石11は、回転軸に対して径方向外向きの磁束が発生するよう着磁されたもの(第1の永久磁石)と、径方向内向きの磁束が発生するよう着磁されたもの(第2の永久磁石)とが、周方向に交互に周設されるので、永久磁石11により発生する磁束の向きは、図1に示すように、細字の実線の矢印のようになる。特に図示したA−A断面においては、径方向外向きの磁束が発生する。
一方、巻線22U、22Vおよび22Wにおいて、図示した向きに電流が流れると、細字の破線の矢印の向きに磁束が発生する。特にA−A断面においては、径方向外向きの磁束が発生する。
図1(B)に示すように、回転子10と固定子20とが軸方向にずれるようにシフトした位置関係となっているので、永久磁石11により発生する磁束および巻線22Uにより発生する磁束は、ギャップ中を、軸方向斜め上方(すなわち+Z方向)に向かってに通過し、固定子10のティース21に入る。巻線22Uを例にとり、より詳しく説明すると次の通りである。
回転子10と固定子20とが軸方向にずれるようにシフトした位置関係にある場合に、巻線22Uについて図1に示す向きに電流を流すと、巻線22Uによる磁束が、永久磁石による磁束と同じ向きに発生し、結果としてギャップ中における永久磁石による磁束が仮想的に強まったような状態になる。逆に、巻線22Uについて図1に示す向きとは逆向きに電流を流すと、巻線22Uによる磁束が、図1に示す向きとは反対向き(永久磁石による磁束と同じ向きとは反対向き)に発生し、永久磁石による磁束が仮想的に弱まったような状態になる。したがって、固定子10に対してZ軸方向に同じ力を働かせるためには、巻線22Uについて図1に示す向きに電流を流すことにより巻線22Uによる磁束と永久磁石による磁束とが同じ向きになる場合は、回転子10のZ軸方向の変位は小さくて済むが、逆に、巻線22Uについて図1に示す向きとは逆向きに電流を流すことにより巻線22Uによる磁束と永久磁石による磁束とが反対向きになる場合は、回転子10のZ軸方向の変位は大きくなる。
本発明では、上述した巻線22Uに界磁電流を流すことにより発生する磁束と永久磁石11により発生する磁束とにより、回転子10に対して軸方向の力を発生させ、回転子10の軸方向の位置制御を行う。また、本発明によれば、一般的な永久磁石モータのように、ギャップ面に固定子鉄心の歯が対面する部分があるので、マクスウェル力によるトルクを活用することができ、薄型構造で大きなトルクを発生させることができる。
後述するように、変位センサ51により回転子10の軸方向の位置を検出し、制御装置52で検出された位置情報に基づいて、回転子10の軸方向の位置制御を行うための界磁電流指令(d軸電流指令)を生成し、インバータ53は、界磁電流指令(d軸電流指令)に基づいて直流電流を変換して巻線22U、22Vおよび22Wに供給するための交流電流を生成し、この交流電流を巻線22U、22Vおよび22Wに流せば、回転子10の軸方向の位置を制御することができる。
次に、本発明の第1の実施例によるベアリングレスモータにおける、回転子10の回転トルクの発生原理を説明する。図4は、本発明の第1の実施例によるベアリングレスモータにおけるトルク発生原理を説明するxy断面図である。ベアリングレスモータ1のトルク発生原理は、一般的な永久磁石同期電動機と同様であり、例えば巻線22Vおよび22Wに図示したような向きに電流を流し、巻線22Uには電流を流さない場合を考えると、図示した位置に回転子10があるときは図中反時計回りに回転トルク(図中白抜きの矢印に示す)が発生する。つまり、電機子電流(q軸電流)により回転子の回転トルクが発生する。
図5は、本発明の第1の実施例によるベアリングレスモータの制御装置を説明する制御ブロック図である。図5に示すように、電動機システム100は、上述のベアリングレスモータ1と、回転子の軸方向の位置を検出する変位センサ51と、変位センサ51が検出する位置情報に基づいて回転子の軸方向の位置制御を行うための界磁電流指令を生成し、回転子10を回転駆動するための電機子電流指令を生成する制御装置と、界磁電流指令および電機子電流指令に基づいて直流電流を変換して巻線に供給するための交流電流を生成する三相インバータ53とを備える。本発明では、上述のように、第1の実施例によるベアリングレスモータ1は、電機子電流(q軸電流)により回転子の回転トルクが発生し、界磁電流(d軸電流)により回転子のZ軸方向の支持力が発生する。1台の三相インバータ53でベアリングレスモータ1の回転子のZ軸方向位置の能動制御と回転制御とを行う。
制御装置52において、回転子のZ軸方向の支持力発生制御として、Z軸方向位置の指令値z*と、ベアリングレスモータ1の回転子の軸方向の検出変位zとから比較器B1で偏差を計算し、PID制御部B2でPID制御を行い、界磁電流指令であるd軸電流指令値id *を作成する。また、ベアリングレスモータ1の回転子の回転駆動制御として、回転速度指令ω*を指令する。
比較器B3においてd軸電流指令値id *とd軸電流検出値idとの偏差が計算され、PI制御部B4でPI制御が行われ、d軸電圧指令値Vd *が作成される。
微分器B5では、角度センサ(図示せず)によって検出されたベアリングレスモータ1の回転子の位相角θを微分して回転速度検出値ωを作成する。比較器B6において回転速度指令ω*と回転速度検出値ωとの偏差が計算され、PI制御部B7でPI制御が行われ、電機子電流指令であるq軸電流指令値iq *が作成される。そして、比較器B8においてq軸電流指令値iq *とq軸電流検出値iqとの偏差が計算され、PI制御部B9でPI制御が行われ、q軸電圧指令値Vq *が作成される。
三相二相変換部回路B10は、ベアリングレスモータ1の回転子の位相角θを用いてd軸電圧指令値Vd *およびq軸電圧指令値Vq *を三相二相変換してuvw各相の電圧指令値Vu *、Vv *およびVw *を出力する。dq座標系から三相座標系への変換式は式1で表される。
Figure 0006327887
uvw各相の電圧指令値Vu *、Vv *およびVw *は三相インバータ53に入力され、三相インバータ53はこれに従って、直流電圧をベアリングレスモータ1の駆動電圧である交流電圧に変換して出力する。出力された交流電圧はベアリングレスモータの三相の各巻線に印加され、ベアリングレスモータ1の各巻線に三相電流iu、ivおよびiwが流れる。
三相インバータ53からベアリングレスモータ1の巻線12に流れるu相電流iuおよびw相電流iwは電流センサ54によって検出されてフィードバックされる。三相二相変換回路B11は、検出されたu相電流iuおよびw相電流iwと、u相電流iuおよびw相電流iwから算出されたv相電流ivと、を三相二相変換して、回転子のZ軸方向の支持力に起因するd軸電流検出値idと、回転子のトルクに起因するq軸電流検出値iqとを出力する。なお、三相座標系からdq座標系への変換式は式1の逆変換で表され、ここでは記載を省略する。
図6は、本発明の第1の実施例によるベアリングレスモータにおける回転子の変形例を示すxy断面図である。上述のように第1の実施例では、回転子10を、円筒状の非磁性体物質12の側面上に貼り付けられることで周方向に交互に周設される表面貼付永久磁石型回転子(SPM)として構成したが、この変形例として、図6に示すように、埋込永久磁石型回転子(IPM)として構成してもよい。埋込永久磁石型の回転子構造では、円筒状の非磁性体物質12の側面上に回転子鉄心13が設けられ、永久磁石11が回転子鉄心13に埋め込まれる形で、回転軸に対して径方向外向きの磁束が発生するよう着磁されたもの(第1の永久磁石)と、径方向内向きの磁束が発生するよう着磁されたもの(第2の永久磁石)とが、周方向に交互に周設されることになる。すなわちこの場合、同一のxy平面上において永久磁石11が周設された永久磁石層は、その構成要素として回転子鉄心13をさらに含んだものとなる。
図7は、本発明の第1の実施例によるベアリングレスモータの極対数の変形例を説明するA−A図である。極対数は本発明を特に限定するものではなく、上述の第1の実施例では一例として極数を8とした。極対数が偶数である場合、回転子10において径方向に対角の位置にある2つの永久磁石の着磁方向は、上述のように互いに逆向きになる。一方、極対数が奇数である場合は、図7に示すように、回転子10において径方向に対角の位置にある2つの永久磁石の着磁方向は同一方向に向く。
続いて、本発明の第2の実施例について説明する。図8は、本発明の第2の実施例によるベアリングレスモータを説明するA−A断面図である。第2の実施例は、第1の実施例におけるベアリングレスモータ1において、固定子10に対して回転子を径方向に受動的に磁気支持する受動型磁気軸受(PMB:Passive Magnetic Bearing)30をさらに備えたものである。回転子10の回転軸となるシャフト14の上下両端に受動型磁気軸受30が設けられる。受動型磁気軸受30は、回転子側永久磁石31と、固定子側永久磁石32とからなる。回転子側永久磁石31は回転子10のシャフト14の周面に設けられる。固定子側永久磁石32は、例えば固定子20が固定されたケース(図示せず)に固定される。回転子側永久磁石31および固定子側永久磁石32は、互いに吸引するものでも反発するものでもどちらでもよい。図示の例では反発型の受動型磁気軸受30を示しており、この場合、回転子側永久磁石31と固定子側永久磁石32とがギャップを挟んで径方向に並ぶラジアルギャップで構成する。なお、図示はしないが吸引型の受動型磁気軸受とする場合には、回転子側永久磁石31と固定子側永久磁石32とがギャップを挟んで軸方向に並ぶアキシャルギャップで構成する。
図9は、本発明の第3の実施例によるベアリングレスモータを説明するA−A断面図である。第3の実施例は、第1の実施例におけるベアリングレスモータ1において、固定子20のティース21−1の回転子10側の、永久磁石層の軸方向側の面近傍に対向する位置に、スリット(凹部)33が設けられる。図示の例では永久磁石層は1層であるので、永久磁石10の軸方向側の表面に対向するように、ティース21−1にスリット33が設けられる。これにより、回転子10が傾いたとき、傾き方向の負剛性を低減することができる。
図10は、本発明の第4の実施例によるベアリングレスモータを説明するA−A断面図である。上述の第1〜第3の実施例では、ベアリングレスモータ1は1層の永久磁石層を有するものとしたが、第4の実施例のように、軸方向に積層された複数の永久磁石層を有する多層構造で構成してもよい。図10では、一例として永久磁石層をZ軸方向に2層に積層した場合を示している。軸方向に隣接した各永久磁束層に含まれる永久磁石11の間には、非磁性体物質からなる非磁性体12の層が設けられる。第4の実施例は、換言すれば、第1の実施例における1層の永久磁石層を径方向(すなわちxy平面方向)に2段に分割してその間に非磁性体12を設けたものであるとも言え、つまり、第2の実施例によれば、第1の実施例に比べて永久磁石11の量を削減することができ、コスト的にさらに有利になる。
図11は、本発明の第4の実施例によるベアリングレスモータの極対数の変形例を説明するA−A図である。永久磁石層が複数となっても極対数は本発明を特に限定するものではない。上述の第4の実施例では一例として偶数が、極対数が奇数であるとすれば、図11に示すように、回転子10において径方向に対角の位置(A−A断面)にある2つの永久磁石の着磁方向は同一方向に向く。図11の例は、換言すれば、図7に示した1層の永久磁石層でなおかつ極対数が奇数であるものを、径方向(すなわちxy平面方向)に2段に分割してその間に非磁性体12を設けたものであるとも言える。
図12は、本発明の第4の実施例によるベアリングレスモータの回転子の軸方向の位置を説明するA−A図である。上述のように、本発明では、固定子10におけるティース21−1の回転子10側の面と、回転子10における永久磁石層が有する固定子20側の面と、のうちの少なくとも一方が、軸方向において対向しない面部分を有するように、回転子10を固定子20に対してZ軸方向にシフトするようにしている。上述の各実施例では回転子10をZ軸負方向にシフトさせていたが、図12に示すように回転子10をZ軸正方向にシフトさせてもよい。
図13は、本発明の第4の実施例によるベアリングレスモータの永久磁石層のZ軸方向の幅の変形例を説明するA−A図である。図13に示すように複数の永久磁石層のうちいずれかの永久磁石層のZ軸方向の幅を大きくしてもよい。なお、図13に示す例は、換言すれば、図7を参照して説明した第2の実施例によるベアリングレスモータ1において、着磁方向が逆向きの永久磁石層を追加した場合に相当する。
図14は、本発明の第5の実施例によるベアリングレスモータを説明するA−A断面図である。複数の永久磁石層を有する多層構造で構成した実施例として、上述の第4の実施例で2層に積層した場合について説明したが、図14は第5の実施例として3層に積層した例を示している。軸方向に隣接した各永久磁束層に含まれる永久磁石11の間には、非磁性体物質からなる非磁性体12の層が設けられる。第5の実施例は、見方を変えれば、第1の実施例における1層の永久磁石層を径方向(すなわちxy平面方向)に3段に分割してそのそれぞれの間に非磁性体12を設けたものであるとも言え、つまり、第5の実施例によれば、第1および第2の実施例に比べて永久磁石11の量を削減することができ、コスト的にさらに有利になる。
図15は、本発明の第6の実施例によるベアリングレスモータを説明するA−A断面図である。上述の第3の実施例では、1層の永久磁石層を有するベアリングレスモータ1にスリットを設けた場合を説明したが、このスリットは多層の1層の永久磁石層を有するベアリングレスモータにも設けてもよい。例えば、3層の永久磁石層を有するベアリングレスモータ1について言えば、図15に示すように固定子20のティース21−1の回転子10側の、3層の永久磁石層うちの真ん中の永久磁石層の軸方向側の面近傍に対向する位置に、スリット(凹部)33が設けられる。これにより、回転子10が傾いたとき、傾き方向の負剛性をさらに低減することができる。
図16は、本発明の第7の実施例によるベアリングレスモータを説明するA−A断面図である。第7の実施例は、固定子20の固定子鉄心21のZ軸方向の外側両端に、さらなる固定子鉄心の層を設けたものである。すなわち、図16に示すように、固定子鉄心21の軸方向の外側両端に、回転子側に突出した補助ティース23−1が、周方向に複数周設される。ティース21−1と補助ティース23−1とはヨーク23−2によって結合される。補助ティース23−1およびヨーク23−2を設けることによりZ軸方向の磁気回路が増設された形となるので、巻線22Uに電流が流れることによりZ軸方向に発生する力をさらに大きくすることができる。
図17は、本発明の第8の実施例によるベアリングレスモータを説明するA−A断面図である。第8の実施例は、上述の第7の実施例における補助ティース23−1に巻線(以下、「補助巻線」と称する)24Uを巻回したものである。これにより、巻線22Uに加え巻線24Uにも電流が流れることによりZ軸方向に発生する力をさらに大きくすることができる。
図18は、本発明の第8の実施例によるベアリングレスモータの軸方向の力の発生原理を説明するA−A断面図である。
ここでは、巻線22Uおよび補助巻線24Uにおいて図示したような向きに電流が流れ、永久磁石11において図示したような向きに着磁された場合を考える。
ギャップG1中では、補助ティース23−1から出た永久磁石11に起因する磁束は、斜め下方に通過して永久磁石11に入る。ギャップG3および中では、永久磁石11から出た磁束は、斜め上方に通過してティース21−1もしくは補助ティース23−1に入る。また、巻線22Uおよび補助巻線24Uにおいて、図示した向きに電流が流れると、Z方向の向き(図中、細字の破線の矢印の向き)に磁束が発生する。この結果、ギャップG1およびG3では永久磁石11により発生する磁束ならびに巻線22Uおよび補助巻線24Uにより発生する磁束は強め合い、ギャップG2およびG4では磁束は弱め合う。これにより、回転子10に対し、Z軸正方向に力は発生する。また逆に、巻線22Uおよび補助巻線24Uにおいて、図示した向きとは逆向きに電流が流れると、ギャップG1およびG3では磁束は弱め合い、ギャップG2およびG4では磁束は強め合い、これにより、回転子10に対し、Z軸負方向に力は発生する。
図19は、本発明の第9の実施例によるベアリングレスモータを説明するA−A断面図である。また、図20は、本発明の第9の実施例によるベアリングレスモータを説明する分解斜視図であって、図19に示したA−A断面で切断した場合を示す図である。第9の実施例は、上述の第8の実施例によるベアリングレスモータ1において、固定子10に対して回転子を径方向に受動的に磁気支持する受動型磁気軸受30をさらに備えたものである。上述の第2の実施例について説明したのと同様、回転子10の回転軸となるシャフト14の上下両端に、反発受動型磁気軸受(RPMB)30が設けられる。受動型磁気軸受30は、回転子側永久磁石31と、固定子側永久磁石32とからなる。回転子側永久磁石31は回転子10のシャフト14の周面に設けられる。固定子側永久磁石32は、例えば固定子20が固定されたケース(図示せず)に固定される。回転子側永久磁石31および固定子側永久磁石32の軸方向の個数および着磁方向は図示の例に限定されるものではない。回転子側永久磁石31および固定子側永久磁石32は、互いに吸引するものでも反発するものでもどちらでもよい。図示の例では反発型の受動型磁気軸受30を示しており、この場合、回転子側永久磁石31および固定子側永久磁石32が図示のように着磁され、回転子側永久磁石31と固定子側永久磁石32とがギャップを挟んで径方向に並ぶラジアルギャップで構成する。なお、図示はしないが吸引型の受動型磁気軸受とする場合には、回転子側永久磁石31と固定子側永久磁石32とがギャップを挟んで軸方向に並ぶアキシャルギャップで構成する。
図21は、本発明の第9の実施例によるベアリングレスモータをベアリングレスファンに適用した場合を説明するA−A断面図である。固定子側永久磁石32は、固定子20が固定されたケース34に固定される。シャフト14にはファン15が接続される。
図22および図23は、本発明の第9の実施例によるベアリングレスモータをベアリングレスポンプに適用した場合を説明するA−A断面図である。固定子側永久磁石32は、固定子20が固定されたケース34に固定される。シャフト14には羽根車15が接続される。ギャップは流体が流れる流路55となり、流体の入口56はケース34のZ軸方向に設けられ、出口57はケース34の径方向に設けられる。また、本発明によれば、軸長の短縮が可能であるので図23に示すように薄型のベアリングレスポンプも実現可能である。
図24は、本発明の第10の実施例によるベアリングレスモータを説明するA−A断面図である。図24に示すように、固定子10の永久磁石層を多層構造で構成し、回転子20についてもティース21−1をZ軸方向に複数積層してもよい。
図25は、本発明の第11の実施例によるベアリングレスモータを説明するA−A断面図である。第11の実施例は、ベアリングレスモータをリニアアクチュエータに適用した場合である。回転子10のシャフト14をZ軸周りに回転可能にかつ軸方向に並進可能に支持する径方向ベアリング35を、ケース等(図示せず)を介して固定子20に設ける。回転子10のZ軸方向の位置を変位センサ51によって検知し、巻線22Uおよび24Uにd軸電流を適宜流すことによって、回転子10のZ軸方向の移動を制御する。また、巻線22Uに流すq軸電流を制御することにより回転子10の回転を制御する。従来のリニアアクチュエータは、Z軸方向の推進用とZ軸回りの回転用の2種類の巻線を有するが、第11の実施例によれば、回転子10のZ軸方向の推進およびZ軸回りの回転を1種類の巻線で実現でき、1台のインバータで回転子の軸方向位置の能動制御と回転制御とを実現することができるので、低コストである。
1 ベアリングレスモータ
10 回転子
11 永久磁石
12 非磁性体物質
13 回転子鉄心
14 シャフト
15 ファン
20 固定子
21 固定子鉄心
21−1 ティース
21−2、23−2 ヨーク
22U、22V、22W 巻線
24U、24V、24W 補助巻線
23−1 補助ティース
30 受動型磁気軸受
31 回転子側永久磁石
32 固定子側永久磁石
33 スリット
34 ケース
35 径方向ベアリング
51 変位センサ
52 制御装置
53 インバータ
54 電流センサ
55 流路
56 入口
57 出口
100 電動機システム

Claims (8)

  1. 回転軸に対して径方向外向きの磁束が発生するよう着磁された第1の永久磁石と、径方向内向きの磁束が発生するよう着磁された第2の永久磁石と、を含み、前記第1の永久磁石と前記第2の永久磁石とが周方向に交互に周設される永久磁石層を少なくとも1つ有する回転子と、
    前記回転子に対して径方向にギャップを隔てて対向した固定子であって、前記回転子側に突出したティースが周方向に複数周設された固定子鉄心と、各前記ティースの間に配置された巻線と、を有する固定子と、
    を備え、
    前記固定子は、
    前記固定子鉄心の軸方向の外側両端に、前記回転子側に突出した補助ティースであって、周方向に複数周設された補助ティースと、
    前記ティースと前記補助ティースとを結合するヨークと、
    をさらに備え、
    前記ティースの前記回転子側の面と、前記永久磁石層が有する前記固定子側の面と、のうちの少なくとも一方が、軸方向において対向しない面部分を有し、
    前記巻線に界磁電流を流すことにより発生する磁束と前記第1の永久磁石および前記第2の永久磁石により発生する磁束とにより、前記回転子に対して軸方向の力が発生することを特徴とする電動機。
  2. 前記回転子は、
    前記永久磁石層が軸方向に複数設けられ、
    軸方向に隣接した各前記永久磁束層間に、非磁性体物質からなる非磁性体層が設けられる請求項1に記載の電動機。
  3. 前記固定子は、前記補助ティースに巻回される補助巻線をさらに備える請求項1または2に記載の電動機。
  4. 前記ティースの前記回転子側の、前記永久磁石層の軸方向側の面近傍に対向する位置に、凹部が設けられる請求項1〜のいずれか一項に記載の電動機。
  5. 前記第1の永久磁石および前記第2の永久磁石は、円筒状の非磁性体物質の側面上に貼り付けられることで周方向に交互に周設される請求項1〜のいずれか一項に記載の電動機。
  6. 前記永久磁石層は、前記第1の永久磁石および前記第2の永久磁石が交互に周設される回転子鉄心をさらに含む請求項1〜のいずれか一項に記載の電動機。
  7. 前記固定子に対して前記回転子を径方向に受動的に磁気支持する受動型磁気軸受をさらに備える請求項1〜のいずれか一項に記載の電動機。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の電動機と、
    前記回転子の軸方向の位置を検出する変位センサと、
    前記変位センサが検出する位置情報に基づいて前記回転子の軸方向の位置制御を行うための界磁電流指令を生成し、前記回転子を回転駆動するための電機子電流指令を生成する制御装置と、
    前記界磁電流指令および前記電機子電流指令に基づいて直流電流を変換して前記巻線に供給するための交流電流を生成するインバータと、
    を備えることを特徴とする電動機システム。
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