JP6322410B2 - ゴルフボール - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフボールに関する。詳細には、本発明は、コアと中間層とカバーとを備えたゴルフボールに関する。
ゴルフボールに対するゴルファーの最大の要求は、飛行性能である。ゴルファーは、特に、ドライバーショットにおける飛行性能を重視する。飛行性能は、ゴルフボールの反発性能と相関する。反発性能に優れたゴルフボールが打撃されると、速い速度で飛行し、大きな飛距離が達成される。
大きな飛距離が達成されるには、適度な弾道高さが必要である。弾道高さは、スピン速度及び打ち出し角度に依存する。大きなスピン速度によって高い弾道を達成するゴルフボールでは、飛距離が不十分である。大きな打ち出し角度によって高い弾道を達成するゴルフボールでは、大きな飛距離が得られる。外剛内柔構造のコアが採用されることにより、小さなスピン速度と大きな打ち出し角度とが達成されうる。
諸性能達成の観点からコアの硬度分布が検討されたゴルフボールが、特開2012−223569号公報、特開2012−223570号公報、特開2012−223571号公報及び特開2012−223572号公報に開示されている。
特開2012−223571号公報には、三層構造のコアを備えたゴルフボールが開示されている。このコアには、コアの中心から表面に向かって、第一層、第二層及び第三層が形成されている。このコアの第三層の硬度勾配は、第二層の硬度勾配よりも大きい。特開2012−223569号公報、特開2012−223570号公報及び特開2012−223572号公報にも、同様のゴルフボールが記載されている。特開2012−223569号公報に開示されたゴルフボールのコアでは、第一層との境界部分における第二層の硬度が、第一層よりも小さい。特開2012−223570号公報に記載のゴルフボールのコアでは、第二層との境界部分における第三層の硬度が、第二層の硬度よりも小さい。特開2012−223572号公報には、第一層との境界部分における第二層の硬度が、第一層よりも小さく、かつ、第二層との境界部分における第三層の硬度が、第二層の硬度よりも小さいコアが開示されている。
熟練したゴルファーは、ゴルフボールを打撃したときの打球感も重視する。グリーン周辺のアプローチショットにおいて、特にソフトな打球感を好むゴルファーが存在する。
特開2012−223569号公報 特開2012−223570号公報 特開2012−223571号公報 特開2012−223572号公報
ゴルファーの飛行性能に対する要求は、近年ますますエスカレートしている。ドライバーショットにおいてより大きな飛距離が達成され、かつアプローチショットでの打球感についてもゴルファーの嗜好を満足させうるゴルフボールが待望されている。本発明者らは、コアの特定の領域における硬度勾配が、アプローチショットでの諸性能を阻害することなく、ドライバーショットでの飛距離の増大に寄与することを見出し、コア及びボール全体の硬度分布の最適化を図ることによって、本発明の完成に至ったものである。
本発明の目的は、ドライバーショットでの優れた飛行性能と、アプローチショット、特にグリーン周辺でのアプローチショットでの良好な打球感とが両立されたゴルフボールの提供にある。
本発明に係るゴルフボールは、球状のコアと、このコアの外側に位置する中間層と、この中間層の外側に位置するカバーとを備える。コアは、インナーコアと、このインナーコアの外側に位置するミッドコアと、このミッドコアの外側に位置するアウターコアとを有している。中間層は、内中間層と、この内中間層の外側に位置する外中間層とを有している。インナーコアとミッドコアとの境界から半径方向で1mm外側に存在する点CのJIS−C硬度H(C)は、インナーコアとミッドコアとの境界から半径方向で1mm内側に存在する点BのJIS−C硬度H(B)と同じか、これより大きい。ミッドコアとアウターコアとの境界から半径方向で1mm外側に存在する点EのJIS−C硬度H(E)は、ミッドコアとアウターコアとの境界から半径方向で1mm内側に存在する点DのJIS−C硬度H(D)と同じか、これより大きい。ミッドコアの厚みY(mm)、硬度H(C)及び硬度H(D)から、(式1)により算出される角度(degree)が、角αとされ、アウターコアの厚みZ(mm)、硬度H(E)及びコアの表面に位置する点FのJIS−C硬度H(F)から(式2)により算出される角度(degree)が、角βとされたとき、
α=(180/π)×atan[{H(D)−H(C)}/Y] (式1)
β=(180/π)×atan[{H(F)−H(E)}/Z] (式2)
この角αは0°以上であり、角αと、角βとの差(α−β)は0°以上である。外中間層のショアD硬度Hm2は、内中間層のショアD硬度Hm1よりも小さい。カバーのショアD硬度Hcは、硬度Hm2よりも小さい。
好ましくは、この角βは、−20°以上+20°以下である。
好ましくは、このインナーコアの半径Xに対するミッドコアの厚みYの比(Y/X)は、0.5以上2.0以下である。好ましくは、この半径Xに対するアウターコアの厚みZの比(Z/X)は、0.5以上2.5以下である。
このコアが切断されて得られる半球の切断面において、このインナーコアの断面積S1に対するミッドコアの断面積S2の比(S2/S1)は、1.0以上8.0以下であることが好ましい。この断面積S1に対するアウターコアの断面積S3の比(S3/S1)は、2.5以上12.5以下であることが好ましい。
好ましくは、このインナーコアの体積V1に対する上記ミッドコアの体積V2の比(V2/V1)は、2.5以上20.0以下である。好ましくは、この体積V1に対するアウターコアの体積V3の比(V3/V1)は、10.0以上57.0以下である。
好ましくは、硬度Hm1と硬度Hm2との差(Hm1−Hm2)は、10以上である。
好ましくは、内中間層の厚みTm1と外中間層の厚みTm2との和(Tm1+Tm2)は、0.8mm以上2.2mm以下である。好ましくは、厚みTm2が厚みTm1よりも小さい。より好ましくは、カバーの厚みTcが厚みTm2よりも小さい。
好ましい硬度Hm1は、55以上80以下である。好ましい硬度Hm2は、30以上65以下である。
本発明に係るゴルフボールでは、コアの硬度分布が適正である。このゴルフボールは、反発性能に優れる。このゴルフボールがドライバーで打撃されたときのボール速度は、大きい。このゴルフボールがドライバーで打撃された時のスピン速度は、小さい。大きなボール速度と、小さなスピン速度とにより、大きな飛距離が達成される。このゴルフボールは、飛行性能に優れる。
本発明に係るゴルフボールでは、ボール全体の硬度分布が適正である。このゴルフボールがショートアイアンで打撃された時の打球感はソフトである。このゴルフボールは、特に、グリーン周辺でのアプローチショットにおいて、ソフトな打球感を好むゴルファーの嗜好を満足する。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボールが示された断面図である。 図2は、図1のゴルフボールのコアの硬度分布が示されたグラフである。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボールが示された一部切り欠き断面図である。このゴルフボールは球状のコア4と、このコア4の外側に位置する中間層6と、この中間層6の外側に位置する補強層8と、この補強層8の外側に位置するカバー10とを備えている。このコア4は、インナーコア12と、このインナーコア12の外側に位置するミッドコア14と、このミッドコア14の外側に位置するアウターコア16とを有している。この中間層6は、内中間層18と、この内中間層18の外側に位置する外中間層20とを有している。カバー10の表面には、多数のディンプル22が形成されている。カバー10の表面のうちディンプル22以外の部分は、ランド24である。このゴルフボールは、カバー10の外側にペイント層及びマーク層を備えているが、これらの層の図示は省略されている。
このゴルフボールの直径は、40mm以上45mm以下である。米国ゴルフ協会(USGA)の規格が満たされるとの観点から、直径は42.67mm以上が好ましい。空気抵抗抑制の観点から、直径は44mm以下が好ましく、42.80mm以下がより好ましい。このゴルフボールの質量は、40g以上50g以下である。大きな慣性が得られるとの観点から、質量は44g以上が好ましく、45.00g以上がより好ましい。USGAの規格が満たされるとの観点から、質量は45.93g以下が好ましい。
本発明では、コア4の中心点AのJIS−C硬度H(A)、インナーコア12とミッドコア14との境界から半径方向で1mm内側の点BのJIS−C硬度H(B)、インナーコア12とミッドコア14との境界から半径方向で1mm外側の点CのJIS−C硬度H(C)、ミッドコア14とアウターコア16との境界から半径方向で1mm内側の点DのJIS−C硬度H(D)、ミッドコア14とアウターコア16との境界から半径方向で1mm外側の点EのJIS−C硬度H(E)及びコア4の表面に位置する点FのJIS−C硬度H(F)が測定される。硬度H(A)から硬度H(E)は、コア4が切断されて得られる半球の切断面にJIS−C型硬度計が押しつけられることにより測定される。球状のコア4の表面にJIS−C型硬度計が押しつけられることにより、硬度H(F)が測定される。測定には、この硬度計が装着された自動ゴム硬度測定機(高分子計器社の商品名「P1」)が用いられる。
図2は、図1のゴルフボール2のコア4の硬度分布が示された折れ線グラフである。このグラフの横軸は、コア4の中心点から各測定点までの距離(mm)である。このグラフの縦軸は、各測定点におけるJIS−C硬度である。点Aから点Fについて測定された距離と硬度とが、このグラフ上にプロットされている。
図2に示される通り、硬度H(C)は、硬度H(B)よりも大きい。このコア4では、インナーコア12との境界部分において、ミッドコア14の硬度がインナーコア12の硬度よりも大きい。さらに図示される通り、硬度H(E)は、硬度H(D)よりも大きい。このコア4では、ミッドコア14との境界部分において、アウターコア16の硬度がミッドコア14の硬度より大きい。即ち、このコア4では、半径方向内側から外側に向かって、硬度が段階的に増加する。このコア4を備えたゴルフボール2がドライバーで打撃されたときのスピン速度は、小さい。小さいスピン速度により、大きな飛距離が得られる。硬度H(B)と硬度H(C)とが同じでもよく、硬度H(D)と硬度H(E)とが同じでも良い。
スピン抑制との観点から、硬度H(C)と硬度H(B)との差[H(C)−H(B)]は、3以上が好ましく、5以上がより好ましい。耐久性の観点から、差[H(C)−H(B)]は20以下が好ましい。
スピン抑制との観点から、硬度H(E)と硬度H(D)との差[H(E)−H(D)]は、5以上が好ましく、8以上がより好ましい。耐久性の観点から、差[H(E)−H(D)]は25以下が好ましい。
本発明において、角αは、以下の(式1)により算出される。
α=(180/π)×atan[{H(D)−H(C)}/Y] (式1)
ここで、Yは、ミッドコア14の厚み(mm)である。
本発明において、角βは、以下の(式2)により算出される。
β=(180/π)×atan[{H(F)−H(E)}/Z] (式2)
ここで、Zは、アウターコア16の厚み(mm)である。
角βは、角αよりも小さい。これは、アウターコア16に形成された硬度勾配が、ミッドコア14に形成された硬度勾配よりも小さいことを意味する。このコア4は、反発性能に優れる。このコア4を備えたゴルフボール2がドライバーで打撃されたときのボール速度は、大きい。大きなボール速度により、大きな飛距離が得られる。角αと角βとが同じでもよい。
好ましくは、角αと角βとの差(α−β)は、0°以上である。飛行性能の観点から、差(α−β)は10°以上が好ましく、15°以上がより好ましく、20°以上が特に好ましい。耐久性の観点から、好ましい差(α−β)は、60°以下である。好ましくは、角αの絶対値が、角βの絶対値よりも大きい。
スピン抑制の観点から、好ましい角αは0°以上である。より好ましくは、20°以上であり、さらに好ましくは30°以上である。耐久性の観点から、好ましい角αは、60°以下である。
打撃時のボール速度が大きいとの観点から角βは−20°以上20°以下が好ましい。より好ましくは、−15°以上15°以下であり、さらに好ましくは−10°以上10°以下である。
インナーコア12は、ゴム組成物が架橋されることによって形成されている。ゴム組成物の基材ゴムとして、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体及び天然ゴムが例示される。反発性能の観点から、ポリブタジエンが好ましい。ポリブタジエンと他のゴムとが併用される場合は、ポリブタジエンが主成分とされるのが好ましい。具体的には、基材ゴム全量に対するポリブタジエンの量の比率は50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。ポリブタジエンにおけるシス−1,4結合の比率は40%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
好ましくは、インナーコア12のゴム組成物は、共架橋剤を含む。共架橋剤により、インナーコア12の高反発性が達成される。反発性能の観点から、好ましい共架橋剤は、炭素数が2から8であるα,β−不飽和カルボン酸の、1価又は2価の金属塩である。α,β−不飽和カルボン酸の金属塩は、基材ゴムの分子鎖にグラフト重合することにより、ゴム分子を架橋する。好ましいα,β−不飽和カルボン酸の金属塩として、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛及びメタクリル酸マグネシウムが挙げられる。アクリル酸亜鉛及びメタクリル酸亜鉛がより好ましい。
共架橋剤として、炭素数が2から8であるα,β−不飽和カルボン酸と金属化合物とが配合されてもよい。この金属化合物は、ゴム組成物中でα,β−不飽和カルボン酸と反応する。この反応によって得られた塩が、基材ゴムの分子鎖にグラフト重合する。好ましいα,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸及びメタクリル酸が挙げられる。
好ましい金属化合物の例示として、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化カルシウム及び水酸化ナトリウムのような金属水酸化物;酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛及び酸化銅のような金属酸化物;並びに炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム及び炭酸カリウムのような金属炭酸化物が挙げられる。金属酸化物が好ましい。より好ましくは、二価金属を含む酸化物である。二価金属を含む酸化物は、共架橋剤と反応して、金属架橋を形成する。特に好ましい金属酸化物としては、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムが挙げられる。
反発性能の観点から、共架橋剤の量は、基材ゴム100質量部に対して20質量部以上が好ましく、25質量部以上がより好ましい。ソフトな打球感の観点から、共架橋剤の量は、基材ゴム100質量部に対して50質量部以下が好ましく、45質量部以下がより好ましい。
インナーコア12のゴム組成物が、共架橋剤と共に有機過酸化物を含んでもよい。有機過酸化物は、架橋開始剤として機能する。有機過酸化物は、ゴルフボール2の反発性能に寄与する。好適な有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン及びジ−t−ブチルパーオキサイドが挙げられる。汎用性の観点から、ジクミルパーオキサイドが好ましい。
反発性能の観点から、有機過酸化物の量は、基材ゴム100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上が特に好ましい。ソフトな打球感の観点から、有機過酸化物の量は、基材ゴム100質量部に対して2.0質量部以下が好ましく、1.5質量部以下がより好ましく、1.2質量部以下が特に好ましい。
好ましくは、インナーコア12のゴム組成物は、有機硫黄化合物を含む。好ましい有機硫黄化合物の例示として、ジフェニルジスルフィド、ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヨードフェニル)ジスルフィド、ビス(4−シアノフェニル)ジスルフィド等のモノ置換体;ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド等のジ置換体;ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−4−クロロ−6−ブロモフェニル)ジスルフィド等のトリ置換体;ビス(2,3,5,6−テトラクロロフェニル)ジスルフィド等のテトラ置換体;及びビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル)ジスルフィド等のペンタ置換体が挙げられる。好ましい有機硫黄化合物の他の例示として、2−チオナフトール、1−チオナフトール、2−クロロ−1−チオナフトール、2−ブロモ−1−チオナフトール、2−フルオロ−1−チオナフトール、2−シアノ−1−チオナフトール、2−アセチル−1−チオナフトール、1−クロロ−2−チオナフトール、1−ブロモ−2−チオナフトール、1−フルオロ−2−チオナフトール、1−シアノ−2−チオナフトール、1−アセチル−2−チオナフトール等のチオナフトール類並びにこれらの金属塩が例示される。有機硫黄化合物は、反発性能に寄与する。より好ましい有機硫黄化合物は、ジフェニルジスルフィド、ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィド及び2−チオナフトールである。
反発性能の観点から、有機硫黄化合物の量は、基材ゴム100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましい。反発性能の観点から、この量は3.0質量部以下が好ましく、2.0質量部以下がより好ましい。
インナーコア12のゴム組成物が、脂肪酸又は脂肪酸金属塩を含んでも良い。脂肪酸又は脂肪酸金属塩は、インナーコア12の加熱・成形時に、共架橋剤による金属架橋を阻害又は切断することにより、コア4の硬度分布の形成に寄与すると考えられる。脂肪酸又は脂肪酸金属塩が添加される場合、好ましい量は、基材ゴム100質量部に対して0.5質量部以上20質量部以下である。
適正な硬度分布が得られるとの観点から、脂肪酸金属塩が好ましい。オクタン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸及びベヘニン酸のカリウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、鉄塩、銅塩、ニッケル塩及びコバルト塩が例示される。脂肪酸の亜鉛塩が特に好ましい。好ましい脂肪酸の亜鉛塩の具体例として、オクタン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛及びステアリン酸亜鉛が挙げられる。
インナーコア12に、比重調整等の目的で充填剤が配合されてもよい。好適な充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムが例示される。充填剤として、高比重金属からなる粉末が配合されてもよい。高比重金属の具体例としては、タングステン及びモリブデンが挙げられる。特に好ましい充填剤は、酸化亜鉛である。酸化亜鉛は、比重調整の役割のみならず、架橋助剤としても機能する。充填剤の量は、インナーコア12の意図した比重が達成されるように適宜決定される。
インナーコア12には、硫黄、老化防止剤、着色剤、可塑剤、分散剤等の各種添加剤が、必要に応じて適量配合される。インナーコア12に、架橋ゴム粉末又は合成樹脂粉末が配合されてもよい。インナーコア12の架橋温度は、通常は140℃以上180℃以下である。インナーコア12の架橋時間は、通常は10分以上60分以下である。
インナーコア12の中心硬度は、前述のコア4の中心点AのJIS−C硬度H(A)と同じである。硬度H(A)は、30以上75以下が好ましい。硬度H(A)が30以上であるインナーコア12により、優れた反発性能が達成されうる。この観点から、硬度H(A)は35以上がより好ましく、40以上が特に好ましい。硬度H(A)が75以下であるインナーコア12により、ドライバーでのショットにおける過剰なスピンが抑制される。この観点から、硬度H(A)は73以下がより好ましく、70以下が特に好ましい。
インナーコア12とミッドコア14との境界から半径方向で1mm内側の点BのJIS−C硬度H(B)は、35以上80以下が好ましい。硬度H(B)が35以上であるインナーコア12により、ドライバーでのショットにおける過剰なスピンが抑制される。この観点から、硬度H(B)は40以上がより好ましく、45以上が特に好ましい。硬度H(B)が80以下であるインナーコア12により、優れた耐久性が得られる。この観点から、硬度H(B)は75以下がより好ましく、70以下が特に好ましい。
好ましくは、硬度H(B)は硬度H(A)よりも大きい。このインナーコア12は、外剛内柔構造の形成に寄与する。ドライバーショットにおけるスピン抑制との観点から、硬度H(B)と硬度H(A)との差[H(B)−H(A)]は、1以上が好ましく、3以上がより好ましい。反発性能の観点から、差[H(B)−H(A)]は10以下が好ましい。
インナーコア12の半径Xは、後述する条件が満たされるように適宜設定されうる。反発性能の観点から好ましい半径Xは2.0mm以上であり、より好ましくは5.0mm以上である。半径Xは、12.0mm以下が好ましい。
インナーコア12の断面積S1は、球状のコア4が切断されて得られる半球の切断面において測定される。断面積S1は、後述する条件が満たされるように適宜設定されうる。反発性能の観点から好ましい断面積S1は、12mm以上であり、より好ましくは78mm以上である。断面積S1は、450mm以下が好ましい。
インナーコア12の体積V1は、後述する条件が満たされるように適宜設定されうる。反発性能の観点から好ましい体積V1は、33mm以上であり、より好ましくは520mm以上である。体積V1は、7200mm以下が好ましい。
打球感の観点から、インナーコア12の圧縮変形量は、1.0mm以上が好ましく、1.2mm以上がより好ましく、1.3mm以上が特に好ましい。反発性能の観点から、圧縮変形量は4.0mm以下が好ましく、3.5mm以下がより好ましく、3.0mm以下が特に好ましい。
圧縮変形量の測定には、YAMADA式コンプレッションテスターが用いられる。このテスターでは、測定対象であるインナーコア12が金属製の剛板の上に置かれる。このインナーコア12に向かって金属製の円柱が徐々に降下する。この円柱の底面と剛板との間に挟まれたインナーコア12は、変形する。インナーコア12に98Nの初荷重がかかった状態から294Nの終荷重がかかった状態までの円柱の移動距離が、測定される。初荷重がかかるまでの円柱の移動速度は、0.83mm/sである。初荷重がかかってから終荷重がかかるまでの円柱の移動速度は、1.67mm/sである。
ミッドコア14は、ゴム組成物が架橋されることによって形成されている。ミッドコア14のゴム組成物の基材ゴムには、インナーコア12に関して前述された基材ゴムが用いられうる。反発性能の観点から、ポリブタジエンが好ましく、特にハイシスポリブタジエンが好ましい。
ミッドコア14のゴム組成物は、インナーコア12に関して前述された共架橋剤を含みうる。反発性能の観点から好ましい共架橋剤は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛及びメタクリル酸マグネシウムである。ゴム組成物は、インナーコア12に関して前述された金属化合物をさらに含む。好ましい金属化合物として、酸化マグネシウム、酸化亜鉛が例示される。
ミッドコア14のゴム組成物は、インナーコア12に関して前述された有機過酸化物を含みうる。好ましい有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン及びジ−t−ブチルパーオキサイドが挙げられる。
好ましくは、ミッドコア14のゴム組成物は、インナーコア12に関して前述された有機硫黄化合物を含みうる。好ましい有機硫黄化合物は、ジフェニルジスルフィド、ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィド及び2−チオナフトールである。ミッドコア14のゴム組成物が、インナーコア12に関して前述された脂肪酸又は脂肪酸金属塩を含んでも良い。
ミッドコア14のゴム組成物には、充填剤、硫黄、加硫促進剤、老化防止剤、着色剤、可塑剤、分散剤等の各種添加剤が、必要に応じて適量配合される。ミッドコア14の架橋温度は、通常は140℃以上180℃以下である。ミッドコア14の架橋時間は、通常は10分以上60分以下である。
インナーコア12とミッドコア14との境界から半径方向で1mm外側の点CのJIS−C硬度H(C)は60以上90以下が好ましい。硬度H(C)が60以上であるミッドコア14により、優れた反発性能が達成されうる。この観点から、硬度H(C)は63以上がより好ましく、65以上が特に好ましい。硬度H(C)が90以下であるミッドコア14により、ドライバーでのショットにおける過剰なスピンが抑制される。この観点から、硬度H(C)は85以下がより好ましく、80以下が特に好ましい。
ミッドコア14とアウターコア16との境界から半径方向で1mm内側の点DのJIS−C硬度H(D)は、65以上95以下が好ましい。硬度H(D)が65以上であるミッドコア14により、ドライバーでのショットにおける過剰なスピンが抑制される。この観点から、硬度H(D)は68以上がより好ましく、70以上が特に好ましい。硬度H(D)が95以下であるミッドコア14により、優れた耐久性が得られる。この観点から、硬度H(D)は90以下がより好ましく、85以下が特に好ましい。
ドライバーショットにおけるスピン抑制との観点から、硬度H(D)と硬度H(C)との差[H(D)−H(C)]は、0以上が好ましく、3以上がより好ましい。耐久性の観点から、差[H(D)−H(C)]は15以下が好ましい。
ミッドコア14の厚みYは、後述する条件が満たされるように適宜設定されうる。反発性能の観点から好ましい厚みYは1.0mm以上であり、より好ましくは4.5mm以上である。厚みYは、11.0mm以下が好ましい。
ミッドコア14の断面積S2は、球状のコア4が切断されて得られる半球の切断面において測定される。断面積S2は、後述する条件が満たされるように適宜設定されうる。反発性能の観点から好ましい断面積S2は、50mm以上であり、より好ましくは270mm以上である。断面積S2は、680mm以下が好ましい。
ミッドコア14の体積V2は、後述する条件が満たされるように適宜設定されうる。反発性能の観点から好ましい体積V2は、800mm以上であり、より好ましくは5400mm以上である。体積V2は、17500mm以下が好ましい。
打球感の観点から、インナーコア12とミッドコア14からなる球体の圧縮変形量は、3.0mm以上が好ましく、3.5mm以上がより好ましく、4.0mm以上が特に好ましい。反発性能の観点から、圧縮変形量は7.0mm以下が好ましく、6.8mm以下がより好ましく、6.5mm以下が特に好ましい。
圧縮変形量の測定には、YAMADA式コンプレッションテスターが用いられる。このテスターでは、測定対象であるインナーコア12とミッドコア14からなる球体が金属製の剛板の上に置かれる。この球体に向かって金属製の円柱が徐々に降下する。この円柱の底面と剛板との間に挟まれた球体は、変形する。球に98Nの初荷重がかかった状態から1274Nの終荷重がかかった状態までの円柱の移動距離が、測定される。初荷重がかかるまでの円柱の移動速度は、0.83mm/sである。初荷重がかかってから終荷重がかかるまでの円柱の移動速度は、1.67mm/sである。
アウターコア16は、ゴム組成物が架橋されることによって形成されている。アウターコア16のゴム組成物の基材ゴムには、インナーコア12に関して前述された基材ゴムが用いられうる。反発性能の観点から、ポリブタジエンが好ましく、特にハイシスポリブタジエンが好ましい。
アウターコア16のゴム組成物は、インナーコア12に関して前述された共架橋剤を含みうる。反発性能の観点から好ましい共架橋剤は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛及びメタクリル酸マグネシウムである。ゴム組成物は、インナーコア12に関して前述された金属化合物をさらに含む。好ましい金属化合物として、酸化マグネシウム、酸化亜鉛が例示される。
アウターコア16のゴム組成物は、インナーコア12に関して前述された有機過酸化物を含みうる。好ましい有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン及びジ−t−ブチルパーオキサイドが挙げられる。
好ましくは、アウターコア16のゴム組成物は、インナーコア12に関して前述された有機硫黄化合物を含みうる。好ましい有機硫黄化合物は、ジフェニルジスルフィド、ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィド及び2−チオナフトールである。アウターコア16のゴム組成物が、インナーコア12に関して前述された脂肪酸又は脂肪酸金属塩を含んでも良い。
アウターコア16のゴム組成物には、充填剤、硫黄、加硫促進剤、老化防止剤、着色剤、可塑剤、分散剤等の各種添加剤が、必要に応じて適量配合される。アウターコア16の架橋温度は、通常は140℃以上180℃以下である。アウターコア16の架橋時間は、通常は10分以上60分以下である。
ミッドコア14とアウターコア16との境界から半径方向で1mm外側の点EのJIS−C硬度H(E)は、75以上100以下が好ましい。硬度H(E)が75以上であるアウターコア16により、優れた反発性能が達成されうる。この観点から、硬度H(E)は78以上がより好ましく、80以上が特に好ましい。硬度H(E)が100以下であるアウターコア16により、ドライバーでのショットにおける過剰なスピンが抑制される。この観点から、硬度H(E)は95以下がより好ましく、93以下が特に好ましい。
インナーコア12、ミッドコア14及びアウターコア16からなるコア4の表面に位置する点FのJIS−C硬度H(F)は、75以上100以下が好ましい。硬度H(F)が75以上であるアウターコア16により、ドライバーでのショットにおける過剰なスピンが抑制される。この観点から、硬度H(F)は78以上がより好ましく、80以上が特に好ましい。硬度H(F)が100以下であるアウターコア16により、優れた耐久性が得られる。この観点から、硬度H(F)は95以下がより好ましく、93以下が特に好ましい。硬度H(F)は、コア4の表面にJIS−C型硬度計が押しつけられることにより測定される。測定には、この硬度計が装着された自動ゴム硬度測定機(高分子計器社の商品名「P1」)が用いられる。
ドライバーショットにおけるスピン抑制との観点から、硬度H(F)と硬度H(E)との差[H(F)−H(E)]は、−5以上が好ましく、−2以上がより好ましい。耐久性の観点から、差[H(F)−H(E)]は5以下が好ましい。
ドライバーショットにおけるスピン抑制との観点から、硬度H(F)と硬度H(A)との差[H(F)−H(A)]は、20以上が好ましく、24以上がより好ましい。耐久性の観点から、差[H(F)−H(A)]は40以下が好ましい。
アウターコア16の厚みZは、後述する条件が満たされるように適宜設定されうる。反発性能の観点から好ましい厚みZは3.0mm以上であり、より好ましくは5.0mm以上である。厚みZは、12.0mm以下が好ましい。
アウターコア16の断面積S3は、球状のコア4が切断されて得られる半球の切断面において測定される。断面積S3は、後述する条件が満たされるように適宜設定されうる。反発性能の観点から好ましい断面積S3は、380mm以上であり、より好ましくは590mm以上である。断面積S3は、1020mm以下が好ましい。
アウターコア16の体積V3は、後述する条件が満たされるように適宜設定されうる。反発性能の観点から好ましい体積V3は、13500mm以上であり、より好ましくは18700mm以上である。体積V3は、30200mm以下が好ましい。
反発性能の観点から、コア4の直径は36.5mm以上が好ましく、37.0mm以上がより好ましく、37.3mm以上が特に好ましい。直径は42.0mm以下が好ましく、41.0mm以下がより好ましく、40.2mm以下が特に好ましい。コア4の質量は、25g以上42g以下が好ましい。
打球感の観点から、コア4の圧縮変形量Dcは2.0mm以上が好ましく、2.5mm以上が特に好ましい。コア4の反発性能の観点から、圧縮変形量Dcは4.8mm以下が好ましく、4.5mm以下が特に好ましい。コア4の圧縮変形量Dcは、インナーコア12とミッドコア14からなる球体の圧縮変形量の測定方法と同様の方法にて測定される。
本発明に係るゴルフボール2では、ミッドコア14の硬度勾配とアウターコア16の硬度勾配とが相対的に制御されることによって、ドライバーショットでの優れた飛行性能が達成される。インナーコア12、ミッドコア14及びアウターコア16が適正な配置が、硬度分布の最適化に寄与する。
ドライバーショットでのスピン抑制との観点から、インナーコア12の半径Xに対するミッドコア14の厚みYの比(Y/X)は、0.5以上が好ましく、0.6以上がより好ましく、0.8以上が特に好ましい。大きなボール速度が得られるとの観点から、比(Y/X)は、2.0以下が好ましく、1.7以下がより好ましく、1.4以下が特に好ましい。
ドライバーショットでのスピン抑制との観点から、インナーコア12の半径Xに対するアウターコア16の厚みZの比(Z/X)は、0.5以上が好ましく、0.7以上がより好ましく、0.9以上が特に好ましい。大きなボール速度が得られるとの観点から、比(Z/X)は、2.5以下が好ましく、2.0以下がより好ましい。
飛行性能の観点から、アウターコア16の厚みZに対するミッドコア14の厚みYの比(Y/Z)は、0.25以上3.0以下である。
ドライバーショットでのスピン抑制との観点から、インナーコア12の断面積S1に対するミッドコア14の断面積S2の比(S2/S1)は、1.0以上が好ましく、1.5以上がより好ましく、2.0以上が特に好ましい。大きなボール速度が得られるとの観点から、比(S2/S1)は、8.0以下が好ましく、6.5以下がより好ましく、6.0以下が特に好ましい。
ドライバーショットでのスピン抑制との観点から、インナーコア12の断面積S1に対するアウターコア16の断面積S3の比(S3/S1)は、2.5以上が好ましく、3.0以上がより好ましい。大きなボール速度が得られるとの観点から、比(S3/S1)は、12.5以下が好ましく、12.0以下がより好ましく、11.5以下が特に好ましい。
飛行性能の観点から、アウターコア16の断面積S3に対するミッドコア14の断面積S2の比(S2/S3)は、0.08以上1.80以下である。
ドライバーショットでのスピン抑制との観点から、インナーコア12の体積V1に対するミッドコア14の体積V2の比(V2/V1)は、2.5以上が好ましく、3.0以上がより好ましく、4.5以上が特に好ましい。大きなボール速度が得られるとの観点から、比(V2/V1)は、20.0以下が好ましく、19.0以下がより好ましく、18.5以下が特に好ましい。
ドライバーショットでのスピン抑制との観点から、インナーコア12の体積V1に対するアウターコア16の体積V3の比(V3/V1)は、10.0以上が好ましく、10.5以上がより好ましく、11.0以上が特に好ましい。大きなボール速度が得られるとの観点から、比(V3/V1)は、57.0以下が好ましく、51.0以下がより好ましく、45.0以下が特に好ましい。
飛行性能の観点から、アウターコア16の体積V3に対するミッドコア14の体積V2の比(V2/V3)は、0.04以上1.25以下である。
本発明において、内中間層18には、樹脂組成物が好適に用いられる。この樹脂組成物の基材ポリマーとして、アイオノマー樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド及びポリオレフィンが例示される。特に好ましい基材ポリマーは、アイオノマー樹脂である。アイオノマー樹脂を含む内中間層18を有するゴルフボール2は、飛行性能及び打球感に優れる。
好ましいアイオノマー樹脂としては、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の金属イオンによる中和物が挙げられる。好ましい二元共重合体は、80質量%以上90質量%以下のα−オレフィンと、10質量%以上20質量%以下のα,β−不飽和カルボン酸とを含む。この二元共重合体は、反発性能に優れる。好ましい他のアイオノマー樹脂としては、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸と炭素数が2以上22以下のα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の金属イオンによる中和物が挙げられる。好ましい三元共重合体は、70質量%以上85質量%以下のα−オレフィンと、5質量%以上30質量%以下のα,β−不飽和カルボン酸と、1質量%以上25質量%以下のα,β−不飽和カルボン酸エステルとを含む。この三元共重合体は、反発性能に優れる。二元共重合体及び三元共重合体において、好ましいα−オレフィンはエチレン及びプロピレンであり、好ましいα,β−不飽和カルボン酸はアクリル酸及びメタクリル酸である。特に好ましい共重合体は、エチレンと、アクリル酸又はメタクリル酸との共重合体である。
アイオノマー樹脂では、二元共重合体及び三元共重合体に含まれるカルボキシル基の一部又は全部が金属イオンで中和されている。中和のための金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及びネオジムイオンが例示される。中和が、2種以上の金属イオンでなされてもよい。ゴルフボール2の反発性能及び耐久性の観点から特に好適な金属イオンは、ナトリウムイオン、亜鉛イオン、リチウムイオン及びマグネシウムイオンである。
アイオノマー樹脂の具体例としては、三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1555」、「ハイミラン1557」、「ハイミラン1605」、「ハイミラン1706」、「ハイミラン1707」、「ハイミラン1856」、「ハイミラン1855」、「ハイミランAM7311」、「ハイミランAM7315」、「ハイミランAM7317」、「ハイミランAM7318」、「ハイミランAM7329」、「ハイミランAM7337」、「ハイミランMK7320」及び「ハイミランMK7329」;デュポン社の商品名「サーリン6120」、「サーリン6910」、「サーリン7930」、「サーリン7940」、「サーリン8140」、「サーリン8150」、「サーリン8940」、「サーリン8945」、「サーリン9120」、「サーリン9150」、「サーリン9910」、「サーリン9945」、「サーリンAD8546」、「HPF1000」及び「HPF2000」;並びにエクソンモービル化学社の商品名「IOTEK7010」、「IOTEK7030」、「IOTEK7510」、「IOTEK7520」、「IOTEK8000」及び「IOTEK8030」が挙げられる。
内中間層18に、2種以上のアイオノマー樹脂が併用されてもよい。1価の金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂と2価の金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂とが併用されてもよい。
内中間層18に、アイオノマー樹脂と他の樹脂とが併用されてもよい。併用される場合、基材ポリマーの主成分がアイオノマー樹脂であることが好ましい。具体的には、基材ポリマーの全量に対するアイオノマー樹脂の比率は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が特に好ましい。
後述されるように、内中間層18の硬度Hm1は、外中間層20の硬度Hm2よりも大きい。内中間層18の樹脂組成物に、高弾性樹脂が配合されることにより、大きな硬度Hm1が達成されても良い。高弾性樹脂の具体例として、ポリアミド樹脂が挙げられる。
内中間層18の樹脂組成物に、比重調整等の目的で充填剤が配合されてもよい。好適な充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムが例示される。充填剤として、高比重金属からなる粉末が配合されてもよい。高比重金属の具体例としては、タングステン及びモリブデンが挙げられる。充填剤の量は、内中間層18の意図した比重が達成されるように適宜決定される。内中間層18には、必要に応じて、二酸化チタンのような着色剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等が配合される。
良好な打球感が得られるとの観点から、内中間層18の硬度Hm1は、80以下が好ましく、76以下がより好ましく、73以下が特に好ましい。コア4の反発性能を阻害しないとの観点から、硬度Hm1は、55以上が好ましく、58以上がより好ましく、60以上が特に好ましい。コア4と内中間層18とからなる球体に外剛内柔構造が形成されるとの観点から、内中間層18の硬度が、コア4の表面硬度よりも大きく設定されてもよい。
硬度Hm1は、「ASTM−D 2240−68」の規定に準拠して、自動ゴム硬度測定装置(高分子計器社の商品名「P1」)に取り付けられたショアD型硬度計によって測定される。測定には、熱プレスで成形された、厚みが約2mmであるスラブが用いられる。23℃の温度下に2週間保管されたスラブが、測定に用いられる。測定時には、3枚のスラブが重ね合わされる。内中間層18の樹脂組成物と同一の樹脂組成物からなるスラブが用いられる。
打球感及び耐久性の観点から、内中間層18の厚みTm1は、0.4mm以上が好ましく、0.7mm以上がより好ましく、0.8mm以上が特に好ましい。大きなコア4を備えうるとの観点から、内中間層18の厚みTm1は、1.1mm以下が好ましい。
内中間層18の形成には、射出成形法、圧縮成形法等の既知の手法が採用されうる。
外中間層20には、樹脂組成物が好適に用いられる。この樹脂組成物の基材ポリマーとして、アイオノマー樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアミド及びポリオレフィンが例示される。
特に好ましい基材ポリマーは、アイオノマー樹脂である。アイオノマー樹脂を含む外中間層20を有するゴルフボール2は、反発性能に優れる。内中間層18に関して前述されたアイオノマー樹脂が、外中間層20にも用いられうる。
アイオノマー樹脂と他の樹脂とが併用されてもよい。併用される場合は、反発性能の観点から、アイオノマー樹脂が基材ポリマーの主成分とされる。基材ポリマーの全量に対するアイオノマー樹脂の量の比率は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が特に好ましい。
アイオノマー樹脂と併用されうる好ましい樹脂は、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーである。スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーは、アイオノマー樹脂との相溶性に優れる。スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーを含む樹脂組成物は、流動性に優れる。
スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしてのポリスチレンブロックと、ソフトセグメントとを備えている。典型的なソフトセグメントは、ジエンブロックである。ジエンブロックの化合物としては、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンが例示される。ブタジエン及びイソプレンが好ましい。2以上の化合物が併用されてもよい。
スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーには、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、SBSの水添物、SISの水添物及びSIBSの水添物が含まれる。SBSの水添物としては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)が挙げられる。SISの水添物としては、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)が挙げられる。SIBSの水添物としては、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)が挙げられる。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーにおけるスチレン成分の含有率は、10質量%以上が好ましく、12質量%以上がより好ましく、15質量%以上が特に好ましい。ゴルフボール2の打球感の観点から、この含有率は、50質量%以下が好ましく、48質量%以下がより好ましく、46質量%以下が特に好ましい。
本発明において、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーには、SBS、SIS及びSIBS並びにこれらの水添物からなる群から選択された1種又は2種以上と、オレフィンとのアロイが含まれる。このアロイ中のオレフィン成分は、アイオノマー樹脂との相溶性向上に寄与すると推測される。このアロイが用いられることにより、ゴルフボール2の反発性能が向上する。好ましくは、炭素数が2以上10以下のオレフィンが用いられる。好適なオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン及びペンテンが例示される。エチレン及びプロピレンが特に好ましい。
ポリマーアロイの具体例としては、三菱化学社の商品名「ラバロンT3221C」、「ラバロンT3339C」、「ラバロンSJ4400N」、「ラバロンSJ5400N」、「ラバロンSJ6400N」、「ラバロンSJ7400N」、「ラバロンSJ8400N」、「ラバロンSJ9400N」及び「ラバロンSR04」が挙げられる。スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーの他の具体例としては、ダイセル化学工業社の商品名「エポフレンドA1010」及びクラレ社の商品名「セプトンHG−252」が挙げられる。
アイオノマー樹脂と併用されうる他の樹脂として、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体及びα−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸と炭素数が2以上22以下のα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体が挙げられる。二元共重合体がより好ましい。好ましい二元共重合体として、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体が挙げられる。この共重合体は、エチレンと、(メタ)アクリル酸とを含有する単量体組成物の共重合反応によって得られる。この共重合体は、3質量%以上25質量%以下の(メタ)アクリル酸成分を含有する。極性官能基を有するエチレン−メタクリル酸共重合体が好ましい。
エチレン−メタクリル酸共重合体の具体例としては、三井デュポンポリケミカル社の商品名「ニュクレルN1050H」、「ニュクレルN1110H」、「ニュクレルN1035」等が挙げられる。
外中間層20の樹脂組成物には、必要に応じて、酸化亜鉛等の充填剤、二酸化チタンのような着色剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、傾向像薄剤等が適量配合される。
飛行性能の観点から、外中間層20のショアD硬度Hm2は、30以上が好ましく、35以上がより好ましく、40以上が特に好ましい。ゴルフボール2の打球感の観点から、硬度Hm2は、65以下が好ましく、60以下がより好ましく、55以下が特に好ましい。硬度Hm2は、硬度Hm1と同様の方法にて測定される。
この外中間層20の硬度Hm2は、内中間層18の硬度Hm1よりも小さい。このゴルフボール2がヘッド速度の小さいショートアイアンで打撃された時、外中間層20が打球感に寄与する。外中間層20の小さな硬度Hm2は、ゴルファーにソフトな打球感をもたらす。このゴルフボール2は、特にソフトな打球感を好むゴルファーの嗜好を満足しうる。
外中間層20及び内中間層18を有する中間層6の硬度分布は、ゴルフボール2のコントロール性能にも寄与する。硬度Hm2が硬度Hm1よりも小さいゴルフボール2が、ショートアイアンで打撃された時のスピン速度は大きい。このゴルフボール2は、アプローチショットにおけるコントロール性能に優れる。
打球感、コントロール性能及び飛行性能の観点から、硬度Hm1と硬度Hm2との差(Hm1−Hm2)は、8以上が好ましく、10以上がより好ましい。耐久性の観点から、差(Hm1−Hm2)は、30以下が好ましい。
打球感及び耐久性の観点から、外中間層20の厚みTm2は、0.4mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましい。大きなコア4を備えうるとの観点から、外中間層20の厚みTm2は、1.1mm以下が好ましく、1.0mm以下がより好ましく、0.9mm以下が特に好ましい。
このゴルフボール2では、内中間層18及び外中間層20がアプローチショットでの打球感に大きく寄与する。この観点から、内中間層18の厚みTm1と外中間層20の厚みTm2との和(Tm1+Tm2)は、0.8mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましく、1.5mm以上が特に好ましい。コア4の反発性能が十分に発揮されるとの観点から、和(Tm1+Tm2)は、2.2mm以下が好ましく、2.1mm以下がより好ましく、2.0mm以下が特に好ましい。
好ましくは、外中間層20の厚みTm2は、内中間層18の厚みTm1よりも小さい。このゴルフボール2では、ドライバーショットにおけるコア4の反発性能が大きくは阻害されない。飛行性能とソフトな打球感との両立の観点から、厚みTm1と厚みTm2との差(Tm1−Tm2)は、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましい。好ましい差(Tm1−Tm2)は、0.8mm以下である。
外中間層20の形成には、射出成形法、圧縮成形法等の既知の手法が採用されうる。
打球感の観点から、コア4と中間層6とからなる球体の圧縮変形量は、1.7mm以上が好ましく、1.8mm以上がより好ましく、1.9mm以上が特に好ましい。反発性能の観点から、この球体の圧縮変形量は、4.0mm以下が好ましく、3.6mm以下がより好ましく、3.4mm以下が特に好ましい。コア4と中間層6からなる球体の圧縮変形量は、インナーコア12とミッドコア14からなる球体の圧縮変形量の測定方法と同様の方法にて測定される。好ましくは、コア4と中間層6とからなる球体の直径は、39.1mm以上42.3mm以下である。
本発明において、カバー10には、樹脂組成物が好適に用いられる。この樹脂組成物の基材ポリマーとしては、アイオノマー樹脂、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー及び熱可塑性ポリスチレンエラストマーが挙げられる。好ましい基材ポリマーは、熱可塑性ポリウレタンエラストマーである。熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、軟質である。熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、カバー10の打球感に寄与する。この樹脂組成物からなるカバー10は、コントロール性及び耐擦傷性においても優れている。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、ハードセグメントとしてのポリウレタン成分と、ソフトセグメントとしてのポリエステル成分又はポリエーテル成分とを含む。ポリウレタン成分のためのイソシアネートとしては、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート及び脂肪族ジイソシアネートが例示される。2種以上のジイソシアネートが併用されてもよい。
脂環式ジイソシアネートとしては、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びトランス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)が例示される。汎用性及び加工性の観点から、H12MDIが好ましい。
芳香族ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びトルエンジイソシアネート(TDI)が例示される。脂肪族ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が例示される。
特に、脂環式ジイソシアネートが好ましい。脂環式ジイソシアネートは主鎖に二重結合を有さないので、カバー10の黄変が抑制される。しかも、脂環式ジイソシアネートは強度に優れるので、カバー10の損傷が抑制される。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーの具体例としては、BASFジャパン社の商品名「エラストランNY80A」、「エラストランNY82A」、「エラストランNY84A」、「エラストランNY84A10クリア」、「エラストランNY85A」、「エラストランNY88A」、「エラストランNY90A」、「エラストランNY97A」、「エラストランNY585」、「エラストランXKP016N」、「エラストラン1195ATR」、「エラストランET890A」及び「エラストランET88050」;並びに大日精化工業社の商品名「レザミンP4585LS」及び「レザミンPS62490」が挙げられる。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーと他の樹脂とが併用されてもよい。併用されうる樹脂としては、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマー及びアイオノマー樹脂が挙げられる。熱可塑性ポリウレタンエラストマーと他の樹脂とが併用される場合、スピン性能及び耐擦傷性能の観点から、熱可塑性ポリウレタンエラストマーが基材ポリマーの主成分とされる。全基材ポリマーに占める熱可塑性ポリウレタンエラストマーの比率は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、85質量%以上が特に好ましい。
カバー10には、必要に応じ、二酸化チタンのような着色剤、硫酸バリウムのような充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等が、適量配合される。
飛行性能及び打球感の両立との観点から、カバー10のショアD硬度Hcは、10以上が好ましく、15以上がより好ましい。コントロール性及び打球感の観点から、硬度Hcは、55以下が好ましく、50以下がより好ましい。硬度Hcは、硬度Hm1の測定方法と同様の方法にて測定される。
このカバー10の硬度Hcは、外中間層20の硬度Hm2よりも小さい。硬度Hm2は、硬度Hm1よりも小さい。このゴルフボール2では、内中間層18からカバー10まで、硬度が急激には減少しない。このゴルフボール2が、ヘッド速度の大きいドライバーで打撃された時、コア4による反発性能とスピン性能とが、阻害されることなく十分に発揮される。このゴルフボール2では、ドライバーショットにおいて大きな飛距離が達成される。このゴルフボール2が、ヘッド速度の小さいショートアイアンで打撃された時、硬度が徐々に小さくなる内中間層18、外中間層20及びカバー10によって、打撃による衝撃が緩和される。このゴルフボール2では、特にアプローチショットにおいて、優れてソフトな打球感がもたらされる。このゴルフボール2では、ドライバーショットにおける優れた飛行性能と、アプローチショットにおける良好な打球感とが両立される。
飛行性能と打球感との両立の観点から、硬度Hm2と硬度Hcとの差(Hm2−Hc)は、10以上が好ましく、15以上がより好ましい。耐久性の観点から、差(Hm2−Hc)は、50以下が好ましい。
飛行性能と打球感との両立の観点から、硬度Hm1と硬度Hcとの差(Hm1−Hc)は、25以上が好ましく、30以上がより好ましい。耐久性の観点から、好ましい差(Hm1−Hc)は、60以下である。
打球感及び耐久性の観点から、カバー10の厚みTcは、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましい。飛行性能の観点から、厚みTcは、1.2mm以下が好ましく、0.8mm以下がより好ましい。
好ましくは、カバー10の厚みTcは、外中間層20の厚みTm2よりも小さい。このゴルフボール2では、カバー10が軟質であるにもかかわらず、飛行性能が大きくは阻害されない。飛行性能と打球感との両立の観点から、厚みTm2と厚みTcとの差(Tm2−Tc)は、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましい。好ましい差(Tm2−Tc)は、0.8mm以下である。
好ましくは、カバー10の厚みTcは、内中間層18の厚みTm1よりも小さい。飛行性能と打球感との両立の観点から、厚みTm1と厚みTcとの差(Tm1−Tc)は、0.5mm以上が好ましく、0.6mm以上がより好ましい。差(Tm1−Tc)は、1.5mm以下が好ましい。
カバー10が、内側カバーと、この内側カバーの外側に位置する外側カバーとの二層により構成されてもよい。カバー10が二層構造とされることにより、ボール全体の硬度分布がさらに精密に制御されうる。カバー10が二層構造とされる場合、二層のカバーの厚みの合計が、0.1mm以上1.2mm以下であることが好ましい。
カバー10の形成には、射出成形法、圧縮成形法等の既知の手法が採用されうる。カバー10の成形時に、成形型のキャビティ面に形成されたピンプルによりディンプル22が形成される。
打球感の観点から、ゴルフボール2の圧縮変形量Dbは、1.6mm以上が好ましく、1.7mm以上がより好ましく、1.8mm以上が特に好ましい。反発性能の観点から、圧縮変形量Dbは、3.5mm以下が好ましく、3.4mm以下がより好ましく、3.3mm以下が特に好ましい。ゴルフボール2の圧縮変形量Dbは、インナーコア12とミッドコア14からなる球体の圧縮変形量の測定方法と同様の方法にて測定される。
耐久性の観点から、中間層6とカバー10との間にさらに補強層8を有するゴルフボール2が好ましい。補強層8は、中間層6とカバー10との間に位置している。補強層8は、中間層6と堅固に密着し、カバー10とも堅固に密着する。補強層8により、カバー10の中間層6からの剥離が抑制される。ゴルフボール2がクラブフェースのエッジで打撃されると、シワが生じやすい。補強層8により、シワが抑制され、ゴルフボール2の耐久性が向上する。
補強層8の基材ポリマーには、二液硬化型熱硬化性樹脂が好適に用いられる。二液硬化型熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル系樹脂及びセルロース系樹脂が挙げられる。補強層8の強度及び耐久性の観点から、二液硬化型エポキシ樹脂及び二液硬化型ウレタン樹脂が好ましい。
二液硬化型エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂がポリアミド系硬化剤で硬化されることで得られる。二液硬化型エポキシ樹脂に用いられるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びビスフェノールAD型エポキシ樹脂が例示される。柔軟性、耐薬品性、耐熱性及び強靭性のバランスの観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。ポリアミド系硬化剤の具体例としては、ポリアミドアミン硬化剤及びその変性物が挙げられる。エポキシ樹脂とポリアミド系硬化剤との混合において、エポキシ樹脂のエポキシ当量とポリアミド系硬化剤のアミン活性水素当量との比は、1.0/1.4以上1.0/1.0以下が好ましい。
二液硬化型ウレタン樹脂は、主剤と硬化剤との反応によって得られる。ポリオール成分を含有する主剤とポリイソシアネート又はその誘導体を含有する硬化剤との反応によって得られる二液硬化型ウレタン樹脂や、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを含有する主剤と活性水素を有する硬化剤との反応によって得られる二液硬化型ウレタン樹脂が用いられうる。特に、ポリオール成分を含有する主剤とポリイソシアネート又はその誘導体を含有する硬化剤との反応によって得られる二液硬化型ウレタン樹脂が好ましい。
補強層8が、着色剤(典型的には二酸化チタン)、リン酸系安定剤、酸化防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を含んでもよい。添加剤は、二液硬化型熱硬化性樹脂の主剤に添加されてもよく、硬化剤に添加されてもよい。
補強層8は、主剤及び硬化剤が溶剤に溶解又は分散した液が、中間層6の表面に塗布されることで得られる。作業性の観点から、スプレーガンによる塗布が好ましい。塗布後に溶剤が揮発し、主剤と硬化剤とが反応して、補強層8が形成される。好ましい溶剤としては、トルエン、イソプロピルアルコール、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルベンゼン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、イソブチルアルコール及び酢酸エチルが例示される。
シワの抑制の観点から、補強層8の厚みは3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。補強層8が容易に形成されるとの観点から、厚みは100μm以下、さらには50μm以下、さらには20μm以下が好ましい。厚みは、ゴルフボール2の断面がマイクロスコープで観察されることで測定される。粗面処理により中間層6の表面が凹凸を備える場合は、凸部の直上で厚みが測定される。
シワの抑制の観点から、補強層8の鉛筆硬度は4B以上が好ましく、B以上がより好ましい。ゴルフボール2が打撃されたときの、カバー10から中間層6までの力の伝達ロスが小さいとの観点から、補強層8の鉛筆硬度は3H以下が好ましい。鉛筆硬度は、「JIS K5600」規格に準拠して測定される。
中間層6とカバー10とが十分に密着しており、シワが生じにくい場合は、補強層8が設けられなくてもよい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
100質量部のハイシスポリブタジエン(JSR社の商品名「BR−730」)、34.8質量部の酸化マグネシウム(三協化成社の商品名「マグサラット150ST」)、28.0質量部のメタクリル酸(三菱レイヨン社製)及び0.9質量部のジクミルパーオキサイド(日本油脂社の商品名「パークミルD」)を混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を、共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に投入し、170℃の温度下で25分間加熱して、直径が15.0mmである球状のインナーコアを得た。
100質量部のハイシスポリブタジエン(前述の「BR−730」)、25.0質量部のアクリル酸亜鉛(前述の「サンセラーSR」)、5質量部の酸化亜鉛、適量の硫酸バリウム(堺化学社製)、0.7質量部のジクミルパーオキサイド(日油社の商品名「パークミルD」)及び0.5質量部のジフェニルジスルフィド(住友精化社製)を混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物から、ハーフシェルを成形した。上記インナーコアを2枚のハーフシェルで被覆した。このインナーコア及びハーフシェルを、共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に投入し、170℃の温度下で25分間加熱した。ゴム組成物からは、ミッドコアが成形された。得られたインナーコアとミッドコアとからなる球体の直径は24.0mmであった。ミッドコアの比重がインナーコアの比重と一致するように、硫酸バリウムの量を調整した。
100質量部のハイシスポリブタジエン(前述の「BR−730」)、40.0質量部のアクリル酸亜鉛(前述の「サンセラーSR」)、5質量部の酸化亜鉛、適量の硫酸バリウム(堺化学社製)、0.7質量部のジクミルパーオキサイド(前述の「パークミルD」)、0.5質量部のジフェニルジスルフィド(住友精化社製)及び0.1質量部の老化防止剤(本州化学工業社製の商品名「H−BHT」)を混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物から、ハーフシェルを成形した。上記インナーコアとミッドコアとからなる球体を2枚のハーフシェルで被覆した。このインナーコアとミッドコアとからなる球体及びハーフシェルを、共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に投入し、170℃の温度下で25分間加熱して、直径38.5mmのコアを得た。ゴム組成物からは、アウターコアが成形された。アウターコアの比重がインナーコア及びミッドコアの比重と一致し、かつボール質量が45.4gとなるように、硫酸バリウムの量を調整した。
50.0質量部のアイオノマー樹脂(前述の「サーリン8150」)、50.0質量部の他のアイオノマー樹脂(前述の「サーリン9150」)、4.0質量部の二酸化チタン(石原産業社製)及び適量の硫酸バリウム(堺化学社製)を二軸混練押出機で混練し、樹脂組成物を得た。押出条件は、スクリュー径が45mmであり、スクリュー回転数が200rpmであり、スクリューL/Dが35であり、ダイ温度が160℃から230℃であった。金型に、コアを投入した。上記樹脂組成物を射出成形法にてこの球体の周りに射出し、内中間層を成形した。この内中間層の厚みは、1.0mmであった。
34.5質量部のアイオノマー樹脂(前述の「ハイミランAM7329」)、27.5質量部の他のアイオノマー樹脂(前述の「ハイミランAM7337」)、16.0質量部のエチレン−メタクリル酸共重合体(前述の「ニュクレルN1050H」)、22.0質量部のポリマーアロイ(前述の「ラバロンT3221C」)、4.0質量部の二酸化チタン(石原産業社製)及び適量の硫酸バリウム(堺化学社製)を二軸混練押出機で混練し、樹脂組成物を得た。押出条件は、スクリュー径が45mmであり、スクリュー回転数が200rpmであり、スクリューL/Dが35であり、ダイ温度が160℃から230℃であった。金型に、コア及び内中間層からなる球体を投入した。上記樹脂組成物を射出成形法にてコアの周りに射出し、外中間層を成形した。この外中間層の厚みは、0.8mmであった。
二液硬化型エポキシ樹脂を基材ポリマーとする塗料組成物(神東塗料社の商品名「ポリン750LE)を調製した。この塗料組成物の主剤液は、30質量部のビスフェノールA型固形エポキシ樹脂と、70質量部の溶剤とからなる。この塗料組成物の硬化剤液は、40質量部の変性ポリアミドアミンと、55質量部の溶剤と、5質量部の二酸化チタンとからなる。主剤液と硬化剤液との質量比は、1/1である。この塗料組成物を外中間層の表面にエアガンで塗布し、23℃雰囲気下で12時間保持して、補強層を得た。補強層の厚みは、10μmであった。
100質量部の熱可塑性ポリウレタンエラストマー(BASFジャパン社の商品名「エラストランNY84A10クリア」)、1.7質量部の離型剤(BASFジャパン社の商品名「エラストランワックスマスターVD」)、4.0質量部の二酸化チタン(堺化学社製)及び0.2質量部の光安定剤(城北化学工業社製の商品名「JF−90」)を二軸混練押出機で前述の押出条件にて混練し、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物から、圧縮成形法にて、ハーフシェルを成形した。このハーフシェル2枚で、コア、中間層及び補強層からなる球体を被覆した。共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなり、キャビティ面に多数のピンプルを備えたファイナル金型に、上記球体及びハーフシェルを投入した。圧縮成形法にて、カバーを得た。このカバーの厚みは、0.3mmであった。カバーには、ピンプルの形状が反転した形状を有するディンプルが形成された。このカバーの表面を研磨した。このカバーの周りに二液硬化型ポリウレタンを基材とするクリアー塗料をエアガンで塗装し、乾燥硬化して直径が42.7mm、質量45.6gである実施例1のゴルフボールを得た。
[実施例2−22及び比較例1−12]
コア、中間層及びカバーの仕様を下記の表12から18に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2から22及び比較例1から12のゴルフボールを得た。コアのゴム組成物の詳細が、下記の表1から3に示されている。コアの仕様と硬度分布が下記の表6から11に示されている。中間層及びカバーの樹脂組成物の詳細が、下記の表4及び表5に示されている。
[ドライバー(W#1)による打撃]
ツルテンパー社のスイングマシンに、チタンヘッドを備えたドライバー(ダンロップスポーツ社の商品名「XXIO」、シャフト硬度:S、ロフト角:10.0°)を装着した。ヘッド速度が45(m/s)である条件で、ゴルフボールを打撃した。打撃直後のボール速度(m/s)及びスピン速度(rpm)を測定した。さらに、発射地点から静止地点までの飛距離(m)を測定した。10回測定されて得られたデータの平均値が、下記の表12から18に示されている。
[サンドウエッジ(SW)による打撃]
ツルテンパー社のスイングマシンに、サンドウエッジを装着した。ヘッド速度が21m/secである条件で、ゴルフボールを打撃した。打撃直後のバックスピン速度(rpm)を測定した。10回測定されて得られたデータの平均値が、下記の表12から18に示されている。
[サンドウエッジ(SW)による打球感]
10名のゴルファーにサンドウェッジにてゴルフボールを打撃させ、下記の判定基準による打球感を聞き取った。この判定基準において、ゴルファーが最も好ましいと感じる打球感の評価点は、6である。10名の評価点の平均値が、下記の表12から18に示されている。
評価点 7:軟らかすぎる。
6:好適な軟らかさである。
5:やや軟らかい。
4:普通
3:やや硬い。
2:硬い。
1:硬すぎる。
Figure 0006322410
Figure 0006322410
表1及び2に記載された化合物の詳細は、以下の通りである。
BR730:JSR社の、ハイシスポリブタジエン(シス−1,4−結合含有量:96質量%、1,2−ビニル結合含有量:1.3質量%、ムーニー粘度(ML1+4(100℃)):55、分子量分布(Mw/Mn):3)
マグサラット150ST:三協化成社の酸化マグネシウム
サンセラーSR:三新化学工業社のアクリル酸亜鉛(10質量%ステアリン酸コーティング品)
酸化亜鉛:東邦亜鉛社の商品名「銀嶺R」
硫酸バリウム:堺化学社の商品名「硫酸バリウムBD」
ジクミルパーオキサイド:日油社の商品名「パークミルD」
PBDS:川口化学工業社のビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィド
DPDS:住友精化社のジフェニルジスルフィド
H−BHT:本州化学工業社のジブチルヒドロキシトルエン(老化防止剤)
Figure 0006322410
表3に記載された化合物の詳細は、以下の通りである。
アクリル酸亜鉛:日本蒸留工業社
老化防止剤:大内新興化学工業社の商品名「ノクラックNS−6」
ペンタクロロチオフェノール亜鉛塩:ワコーケミカル社
トリメチロールプロパン:三菱ガス化学社
Figure 0006322410
Figure 0006322410
表4及び表5に記載された化合物の詳細は、以下の通りである。
ニュクレルN1050H:三井デュポンポリケミカル社のエチレン−メタクリル酸共重合体
ラバロンT3221C:三菱化学社の熱可塑性ポリスチレンエラストマー
二酸化チタン:石原産業社
硫酸バリウム:堺化学社の商品名「硫酸バリウムBD」
JF−90:城北化学工業社製のビス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(光安定剤)
CM1017K:東レ社製のポリアミド6
Figure 0006322410
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表12から18に示されるように、実施例のゴルフボールでは、ドライバーショットにおける優れた飛行性能と、アプローチショットにおける好ましい打球感とが両立される。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るゴルフボールは、ゴルフ場でのプレーや、ドライビングレンジにおけるプラクティスに用いられうる。
2・・・ゴルフボール
4・・・コア
6・・・中間層
8・・・補強層
10・・・カバー
12・・・インナーコア
14・・・ミッドコア
16・・・アウターコア
18・・・内中間層
20・・・外中間層
22・・・ディンプル
24・・・ランド

Claims (9)

  1. 球状のコアと、このコアの外側に位置する中間層と、この中間層の外側に位置するカバーとを備えており、
    上記コアが、インナーコアと、このインナーコアの外側に位置するミッドコアと、このミッドコアの外側に位置するアウターコアとを有しており、
    上記中間層が、内中間層と、この内中間層の外側に位置する外中間層とを有しており、
    上記インナーコアとミッドコアとの境界から半径方向で1mm外側に存在する点CのJIS−C硬度H(C)が、上記インナーコアとミッドコアとの境界から半径方向で1mm内側に存在する点BのJIS−C硬度H(B)よりも大きく、差[H(C)−H(B)]が7以上20以下であり
    上記ミッドコアとアウターコアとの境界から半径方向で1mm外側に存在する点EのJIS−C硬度H(E)が、上記ミッドコアとアウターコアとの境界から半径方向で1mm内側に存在する点DのJIS−C硬度H(D)よりも大きく、差[H(E)−H(D)]が9以上25以下であり
    上記ミッドコアの厚みY(mm)、上記硬度H(C)及び上記硬度H(D)から、式(1)により算出される角度(degree)が、角αとされ、上記アウターコアの厚みZ(mm)、上記硬度H(E)及び上記コアの表面に位置する点FのJIS−C硬度H(F)から(式2)により算出される角度(degree)が、角βとされたとき、
    α=(180/π)×atan[{H(D)−H(C)}/Y] (式1)
    β=(180/π)×atan[{H(F)−H(E)}/Z] (式2)
    上記角αが0°以上であり、
    上記角αと、上記角βとの差(α−β)が0°以上であり、
    上記外中間層のショアD硬度Hm2が、内中間層のショアD硬度Hm1よりも小さく、
    上記カバーのショアD硬度Hcが、上記硬度Hm2よりも小さく、
    上記外中間層の厚みTm2が上記内中間層の厚みTm1よりも小さく、差(Tm1−Tm2)が0.1mm以上0.8mm以下であるゴルフボール。
  2. 上記角βが、−20°以上+20°以下である請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 上記インナーコアの半径Xに対する上記ミッドコアの厚みYの比(Y/X)が、0.5以上2.0以下であり、
    上記半径Xに対する上記アウターコアの厚みZの比(Z/X)が、0.5以上2.5以下である請求項1又は2に記載のゴルフボール。
  4. 上記コアが切断されて得られる半球の切断面において、上記インナーコアの断面積S1に対する上記ミッドコアの断面積S2の比(S2/S1)が、1.0以上8.0以下であり、 上記断面積S1に対する上記アウターコアの断面積S3の比(S3/S1)が、2.5以上12.5以下である請求項1から3のいずれかに記載のゴルフボール。
  5. 上記インナーコアの体積V1に対する上記ミッドコアの体積V2の比(V2/V1)が、2.5以上20.0以下であり、体積V1に対する上記アウターコアの体積V3の比(V3/V1)が、10.0以上57.0以下である請求項1から4のいずれかに記載のゴルフボール。
  6. 上記硬度Hm1と、上記硬度Hm2との差(Hm1−Hm2)が10以上である請求項1から5のいずれかに記載のゴルフボール。
  7. 上記内中間層の厚みTm1と上記外中間層の厚みTm2との和(Tm1+Tm2)が、0.8mm以上2.2mm以下である請求項1から6のいずれかに記載のゴルフボール。
  8. 上記カバーの厚みTcが上記厚みTm2よりも小さい請求項1からのいずれかに記載のゴルフボール。
  9. 上記硬度Hm1が55以上80以下であり、上記硬度Hm2が30以上65以下である請求項1からのいずれかに記載のゴルフボール。
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