JP6319194B2 - エンジンのオイル供給装置 - Google Patents

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Description

本発明はエンジンのオイル供給装置、特に、アイドル運転時等の軽負荷時にピストンピンやコンロッド等の燃焼に伴う動力伝達系部材の潤滑油膜を確保してエンジン騒音を低減できるエンジンのオイル供給装置に関する。
従来、自動車等に搭載されるエンジンの各部にエンジンオイル(以下単に「オイル」という)を供給するオイル供給装置が周知である。例えば、特許文献1には、オイルを作動油として利用するデバイスの要求油圧が、オイルを冷却油として利用するデバイスの要求油圧よりも高く、かつ、オイルを潤滑油及び冷却油として利用するデバイスの要求油圧よりも高いときは、オイルを作動油として利用するデバイスの要求油圧を目標油圧とするように可変容量型オイルポンプを制御し、これにより、全てのデバイスの要求油圧を満たしつつ、オイルポンプの動力を必要最小限に抑えて燃費の改善を図る技術が開示される。
特開2014−159757号公報(特に[0010]〜[0013])
しかし、特許文献1のようにデバイスの要求油圧に応じて可変容量型オイルポンプの吐出量(ひいては吐出圧)を調整すると、例えば暖機運転状態のアイドル運転時等の軽負荷時に、次のような理由により、エンジン騒音が大きくなる可能性がある。
まず、ピストンのピンボスやピストンピンやコンロッドの小端部等、燃焼に伴う動力伝達系部材の各摺動面はオイルミストによる潤滑が行われる。すなわち、例えばクランク軸を回転可能に支持するクランク軸受部の軸受メタル等から滲み出て流出したオイルがクランク軸の回転で飛散して微粒化(ミスト化)し、クランクケース内を漂うオイルミストとなり、このオイルミストにより上記動力伝達系部材の各摺動面に潤滑油膜が形成される。これを「雰囲気潤滑」という。
一方、エンジンの暖機後は、運転状態に応じた要求油圧が実現するように可変容量型オイルポンプの吐出量が制御されて、上記オイルポンプの動力が必要最小限に抑えられる。すなわち、オイルの吐出量が調整可能な可変容量型オイルポンプの吐出圧がエンジン運転状態に応じた目標油圧になるように上記可変容量型オイルポンプを制御する油圧制御手段が備えられる。その場合、負荷が低いほど要求油圧ひいては目標油圧が低い値に設定されるので、暖機運転状態のアイドル運転時等の軽負荷時は、オイルポンプの吐出量が減量される。これに伴い、オイルミストの発生量の減量をもたらす。そのため、オイルミストによる上記雰囲気潤滑、すなわち動力伝達系部材の各摺動面の潤滑油膜の形成や、あるいは、ピストンスカート部とシリンダライナとの摺動面の潤滑油膜の形成等が不十分となって、ピストン駆動時にエンジン騒音が大きくなるのである。
本発明は、エンジンのオイル供給装置における上記不具合に対処するもので、アイドル運転時等の軽負荷時においてもオイルミストによる動力伝達系部材の潤滑油膜を確保してエンジン騒音を低減できるエンジンのオイル供給装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、オイルの吐出量が調整可能な可変容量型オイルポンプの吐出圧がエンジン運転状態に応じた目標油圧になるように上記可変容量型オイルポンプを制御する油圧制御手段を備えるエンジンのオイル供給装置であって、エンジン負荷を検出する負荷検出手段と、オイルの温度を検出する油温検出手段とを備え、上記油圧制御手段は、エンジン暖機後の運転時であって、かつ上記負荷検出手段で検出されるエンジン負荷がアクセル全閉に相当する負荷になるアイドル運転時に、少なくともクランク軸を回転可能に支持する軸受部から流出して微粒化し、クランクケース内を漂うオイルミストの量が増加するように、上記油温検出手段で検出される油温が低いほど吐出量を高めるように上記可変容量型オイルポンプを制御することを特徴とする。
本発明によれば、エンジン暖機後のアイドル運転時に、油温が低いほど可変容量型オイルポンプの吐出量を高めてクランクケース内のオイルミスト量を増加させるので、アイドル運転時においても、オイルミストによる雰囲気潤滑、すなわちピストンピンやコンロッド等の動力伝達系部材の各摺動面の潤滑油膜が確保される。そのため、上記潤滑油膜がクッションとなってエンジン騒音を低減できる。
本発明においては、オイルを作動油として用いるデバイスと、オイルを潤滑油として用いるデバイスと、可変容量型オイルポンプの吐出圧を検出する吐出圧検出手段とを備え、上記油圧制御手段は、上記各デバイスのエンジン運転状態に応じて設定される要求油圧のうち最も高い要求油圧を目標油圧に設定し、上記吐出圧検出手段で検出される吐出圧が上記目標油圧になるように上記可変容量型オイルポンプを制御することが好ましい。
この構成によれば、エンジン運転状態に応じた全てのデバイスの要求油圧を満たしつつ、可変容量型オイルポンプの動力を必要最小限に抑えて燃費の改善を図ることができる。
本発明においては、上記油圧制御手段は、所定の油温においてエンジン回転速度に応じて設定されたベース油圧が記憶されたベース油圧記憶部と、上記アイドル運転時に油温が低いほど吐出量を高めるように設定された油圧が記憶された第1記憶部と、オイルを作動油として用いるデバイスのエンジン運転状態に応じて設定された要求油圧が記憶された第2記憶部と、エンジン運転状態に応じて上記各記憶部に記憶された油圧のうち最も高い油圧を目標油圧に設定する設定部とを備えることが好ましい。
この構成によれば、エンジン運転状態に応じた目標油圧を簡単な構成で確実に設定できる。しかも、第1記憶部の存在により、上記アイドル運転時におけるオイルミストによる雰囲気潤滑も十分確保される。
本発明においては、上記オイルを作動油として用いるデバイスは、可変バルブタイミング機構であり、上記油圧制御手段は、上記アイドル運転時には、上記可変バルブタイミング機構の作動を制限することが好ましい。
この構成によれば、可変バルブタイミング機構の作動を制限することにより、せっかく高めた可変容量型オイルポンプの吐出量が可変バルブタイミング機構に大量に流れて消費されることが抑制される。したがって、雰囲気潤滑のためのオイルミスト量が簡単な構成で確実に増加する。
本発明によれば、オイルミスト量を増加させることにより、アイドル運転時等の軽負荷時においても、オイルミストによる動力伝達系部材の各摺動面の潤滑油膜を確保して、エンジン騒音を低減できるエンジンのオイル供給装置が提供される。
本発明の実施形態に係るエンジンのシリンダボアの軸心を含む平面で切断した概略的な断面図である。 上記エンジンのクランク軸の縦断面図である。 上記エンジンの排気側可変バルブタイミング機構の概略構成を示す断面図である。 上記エンジンのオイル供給装置の油圧回路図である。 上記オイル供給装置で採用されるベース油圧マップである。 上記オイル供給装置で採用される雰囲気潤滑改善用油圧マップである。 上記オイル供給装置で採用されるオイルジェットの要求油圧マップである。 上記オイル供給装置で採用される排気側VVTの要求油圧マップである。 上記オイル供給装置のコントローラによる可変容量型オイルポンプの吐出量制御のブロック図である。 上記コントローラによる可変容量型オイルポンプの吐出量制御のフローチャートの前半部分である。 上記フローチャートの後半部分である。 エンジン騒音(振動レベル)の低減データを示すグラフである。
以下、図面に基き本発明の実施形態を説明する。
本実施形態は、アイドル運転時等の軽負荷時には、油温が低いほど可変容量型オイルポンプの吐出量を増量して高め、これにより、クランクケース内を漂うオイルミスト量を増加させて、オイルミストによる雰囲気潤滑、すなわちピストン及びピストンピンやコンロッド等の動力伝達系部材の各摺動面の潤滑油膜の形成を確保し、エンジン騒音を低減できるエンジンのオイル供給装置に関するものである。
本実施形態では、便宜上、シリンダボアの軸心方向を上下方向、気筒列方向を前後方向、気筒列方向におけるエンジンの反変速機側を前側、変速機側を後側という。また、後述するように、例えば排気側可変バルブタイミング機構(排気側VVT)18やオイルジェット71等、オイルを作動油として用いるデバイスを油圧作動装置、例えばクランク軸受部28の軸受メタル29等、オイルを潤滑油として用いるデバイスを潤滑部という。
図1は、本実施形態に係るエンジン100のシリンダボア23の軸心を含む平面で切断した概略的な断面図である。本実施形態に係るエンジン100は、4つの気筒(前側から順に第1〜第4気筒)が車両(図示せず)の前後方向に並んで配置された直列4気筒火花点火式の4サイクルガソリンエンジンである。このエンジン100は、シリンダヘッド1と、シリンダヘッド1の下面に取り付けられるシリンダブロック2と、シリンダブロック2の下面に取り付けられるオイルパン3とを備える。
シリンダブロック2は、アッパブロック21と、ボルト(図2参照)によりアッパブロック21の下面に取り付けられるロアブロック22とを有する。アッパブロック21とロアブロック22とは協働してクランクケース4を構成する。アッパブロック21の上部に4つの気筒に対応する4つのシリンダボア23(図1には1つのみ図示)が前後方向に並んで形成される。シリンダボア23にピストン24が挿通される。ピストン24は、ピンボス(図示せず)、ピストンピン、及びコンロッド(コネクティングロッド)25を介して、クランク軸26に連結される。シリンダボア23と、ピストン24と、シリンダヘッド1とにより燃焼室27が区画される。図示しないが、燃焼室27に燃料(ガソリン)を噴射する燃料噴射弁と、燃焼室27の混合気に火花点火する点火プラグとが備えられる。
本実施形態では、ピストン24及びピストン24のピンボスやピストンピンやコンロッド25の小端部等、燃焼に伴う動力伝達系部材の各摺動面はオイルミストによる雰囲気潤滑が行われる。すなわち、例えばクランク軸26のジャーナル部を回転可能に支持するクランク軸受部28の軸受メタル29等(図2参照)から滲み出て流出したオイルがクランク軸26の回転で飛散して微粒化(ミスト化)し、クランクケース4内を漂うオイルミストとなり、このオイルミストにより上記動力伝達系部材の各摺動面に潤滑油膜が形成される。
シリンダヘッド1に燃焼室27に開口する吸気ポート11(図面上、右側)及び排気ポート12(図面上、左側)が設けられ、吸気ポート11に吸気ポート11を開閉する吸気弁13が設けられ、排気ポート12に排気ポート12を開閉する排気弁14が設けられる。吸気弁13及び排気弁14はそれぞれ吸気側及び排気側カム軸41,42のカム部41a,42aにより駆動される。吸気弁13及び排気弁14はバルブスプリング15,16により閉方向(図面上、上側)に付勢される。吸気弁13及び排気弁14とカム部41a,42aとの間にそれぞれ吸気側及び排気側スイングアーム43,44が介設される。
スイングアーム43,44の一端部は吸気側及び排気側油圧ラッシュアジャスタ(HLA)45,46(油圧作動装置)に支持される。スイングアーム43,44は、その略中央部のカムフォロア43a,44aがカム部41a,42aで押されることにより、HLA45,46に支持された一端部を支点として揺動する。スイングアーム43,44は、そのように揺動することにより、他端部が吸気弁13及び排気弁14をバルブスプリング15,16の付勢力に抗して開方向(図面上、下側)へ移動させる。HLA45,46は、油圧により自動的にバルブクリアランスをゼロに調整する。シリンダヘッド1の各気筒に対応する部分にHLA45,46を装着するための装着孔及び上記装着孔に連通する給油路5(図4参照:より詳しくは、第1、第2、第4、第5給油路55,56,58,59)が形成される。上記装着孔に装着されたHLA45,46に上記給油路5(55,56,58,59)を介してオイルが供給される。
シリンダヘッド1の上部にカムキャップ47が取り付けられる。カム軸41,42は、シリンダヘッド1及びカムキャップ47により回転可能に支持される。シリンダヘッド1とカムキャップ47との間に、図示しないが、カム軸41,42のジャーナル部を回転可能に支持するカム軸受部及び軸受メタル(潤滑部)が設けられる。吸気側カム軸41の上方に吸気側オイルシャワー48(潤滑部)が設けられ、排気側カム軸42の上方に排気側オイルシャワー49(潤滑部)が設けられる。吸気側及び排気側オイルシャワー48,49は、カム部41a,42aと、スイングアーム43,44のカムフォロア43a,44aとの接触部にオイルを滴下するように構成される。
アッパブロック21は、4つのシリンダボア23の吸気側に位置する第1側壁21aと、排気側に位置する第2側壁21bと、最も前側のシリンダボア23の前側に位置する前壁(図示せず)と、最も後側のシリンダボア23の後側に位置する後壁(図示せず)と、隣り合う2つのシリンダボア23の間に位置する3つの縦壁21cとを有する。
ロアブロック22は、アッパブロック21の第1側壁21aに対応して吸気側に位置する第1側壁22aと、第2側壁21bに対応して排気側に位置する第2側壁22bと、前壁に対応して前側に位置する前壁(図示せず)と、後壁に対応して後側に位置する後壁(図示せず)と、縦壁21cに対応する3つの縦壁22cとを有する。
アッパブロック21の前壁とロアブロック22の前壁との間、アッパブロック21の後壁とロアブロック22の後壁との間、アッパブロック21の縦壁21cとロアブロック22の縦壁22cとの間に、図2に示すように、クランク軸26のジャーナル部を回転可能に支持するクランク軸受部28及び軸受メタル29(潤滑部)が設けられる。
図2は、エンジンのクランク軸の縦断面図、より詳しくは、気筒列方向の中央に位置するアッパブロック21の縦壁21cとロアブロック22の縦壁22cとの間のクランク軸受部28及び軸受メタル29の縦断面図である。なお、アッパブロック21の前壁とロアブロック22の前壁との間のクランク軸受部28及び軸受メタル29、並びにアッパブロック21の後壁とロアブロック22の後壁との間のクランク軸受部28及び軸受メタル29もこれと同様である。
クランク軸受部28は、図面上、左右一対のボルト用のネジ孔21f及びボルト挿通孔22fの間に設けられ、第1半円部29aと第2半円部29bとからなる分割構造の円筒状の軸受メタル29を有する。上下の縦壁21c,22cの接合部に半円状の切欠部が形成され、軸受メタル29の第1半円部29aが上側の縦壁21cの切欠部に装着され、第2半円部29bが下側の縦壁22cの切欠部に装着される。上下の縦壁21c,22cが結合されることにより、第1半円部29aと第2半円部29bとが結合し、円筒状の軸受メタル29が形成される。
第1半円部29aの内周面に、周方向に延びる油溝29cが形成される。第1半円部29aに、一端が第1半円部29aの外周面に開口し、他端が上記油溝29cに開口する連絡路29dが貫通して形成される。アッパブロック21に給油路5(図4参照:より詳しくは、メインギャラリ50)が形成され、この給油路5(50)を介して第1半円部29aの外周面にオイルが供給される。上記連絡路29dは上記給油路と連通する位置に配置され、これにより、上記給油路から供給されたオイルが上記連絡路29dを介して油溝29cへ流入する。
なお、図示しないが、シリンダブロック2の前壁にチェーンカバーが取り付けられる。チェーンカバー内に、クランク軸26に連結された駆動スプロケット、この駆動スプロケットに巻き掛けられたタイミングチェーン、及びこのタイミングチェーンに張力を付与する油圧式チェーンテンショナ(油圧作動装置)等が収容される。
エンジン100は、吸気弁13及び排気弁14の弁特性を変更する吸気側及び排気側可変バルブタイミング機構(VVT)を具備する。吸気側VVTは電動式、排気側VVT18(油圧作動装置)は油圧式である。図3に示すように、排気側VVT18は、略円環状のハウジング18aと、このハウジング18aの内部に収容され得るロータ18bとを有する。ハウジング18aは、クランク軸26と同期して矢印方向(図面上、時計回り)に回転するカムプーリ18cと一体回転可能に連結される。ロータ18bは、排気弁14を開閉させる排気側カム軸42と一体回転可能に連結される。
ロータ18bにハウジング18aの内周面上を摺動するベーン18dが設けられる。ハウジング18aの内部に、ハウジング18aの内周面と、上記ベーン18dと、ロータ18bの本体とにより区画される遅角油圧室18e及び進角油圧室18fがそれぞれ複数形成される。これらの遅角油圧室18e及び進角油圧室18fにオイルが供給される。
遅角油圧室18eの油圧が増圧すると、ハウジング18aの回転方向に対してロータ18bが反対側(図面上、反時計回り)に変位する。そのため、排気側カム軸42がカムプーリ18cに対して反対側に変位し、排気弁14の開弁時期が遅くなる(遅角される)。一方、進角油圧室18fの油圧が増圧すると、ハウジング18aの回転方向に対してロータ18bが同じ側(図面上、時計回り)に変位する。そのため、排気側カム軸42がカムプーリ18cに対して同じ側に変位し、排気弁14の開弁時期が早くなる(進角される)。
次に、図4を参照してオイル供給装置200を説明する。図4は、このエンジン100のオイル供給装置200の油圧回路図である。
オイル供給装置200は、エンジン100のクランク軸26により回転駆動される補機としての可変容量型オイルポンプ81と、このオイルポンプ81に接続されてオイルが流通する給油路5とを備える。
オイルポンプ81は、ロアブロック22の下面に取り付けられ、オイルパン3内に収容される。オイルポンプ81は、クランク軸26に回転駆動される駆動シャフト81aと、駆動シャフト81aに連結されたロータ81bと、ロータ81bから径方向へ進退可能に設けられた複数のベーン81cと、前記ロータ81b及びベーン81cを収容し、ロータ81bの回転中心に対する偏心量が調整されるように構成されたカムリング81dと、ロータ81bの回転中心に対する偏心量が増大する方向へカムリング81dを付勢するスプリング81eと、ロータ81bの内側に配置されたリング部材81fと、これらのロータ81b、ベーン81c、カムリング81d、スプリング81e、及びリング部材81fを収容するハウジング81gとを有する。
図示しないが、駆動シャフト81aの前側の端部は、ハウジング81gの外方へ突出し、従動スプロケットが連結される。従動スプロケットにタイミングチェーンが巻き掛けられる。このタイミングチェーンは、前述したチェーンカバー内に収容されてクランク軸26の駆動スプロケットに巻き掛けられるタイミングチェーンである。すなわち、駆動シャフト81a及びロータ81bは、上記タイミングチェーンを介してクランク軸26に回転駆動される。
ロータ81bが回転する際、ベーン81cは常にカムリング81dの内周面上を摺動する。すなわち、ロータ81bと、隣り合う2つのベーン81cと、カムリング81dと、ハウジング81gとによりポンプ室81iが複数区画される。ハウジング81gに、ポンプ室81iへオイルが吸入される吸入口81jと、ポンプ室81iからオイルが吐出される吐出口81kとが形成される。吸入口81jにオイルストレーナ81lが接続される。オイルストレーナ81lはオイルパン3に貯留されたオイルに浸漬される。オイルパン3に貯留されたオイルがオイルストレーナ81lを介して吸入口81jからポンプ室81iへ吸入される。吐出口81kに給油路5(より詳しくは、第1連通路51)が接続される。オイルポンプ81により昇圧されたオイルが吐出口81kから給油路5(51)へ吐出される。
カムリング81dは、所定の支点81h回りに揺動するようにハウジング81gに支持される。スプリング81eは、上記支点81h回りの一方側(図面上、時計回り側)へカムリング81dを付勢する。カムリング81dとハウジング81gとの間に圧力室81mが区画される。圧力室81mに外部(より詳しくは、オイル制御弁84を介して制御用給油路54)からオイルが供給される。圧力室81mのオイルの油圧は、上記支点81h回りの他方側(図面上、反時計回り側)へカムリング81dを付勢する。カムリング81dは、スプリング81eの付勢力と圧力室81mの油圧とのバランスに応じて揺動し、ロータ81bの回転中心に対するカムリング81dの偏心量が決まる。カムリング81dの偏心量に応じてオイルポンプ81の容量が変化し、オイルの吐出量(吐出圧)が調整される。
給油路5は、具体的には、パイプ部材や、シリンダヘッド1及びシリンダブロック2の壁部に穿設された流路等で構成される。給油路5は、シリンダブロック2において気筒列方向に延びるメインギャラリ50(図1参照)と、オイルポンプ81とメインギャラリ50とを接続する第1連通路51と、メインギャラリ50からシリンダヘッド1まで延びる第2連通路52と、シリンダヘッド1において吸気側と排気側との間を略水平方向に延びる第3連通路53と、メインギャラリ50から分岐する制御用給油路54と、第3連通路53から分岐する第1〜第5給油路55〜59とを含む。
第1連通路51はオイルポンプ81の吐出口81kに接続される。第1連通路51にオイルフィルタ82及びオイルクーラ83(図1参照)がオイルポンプ81側からこの順に設けられる。オイルポンプ81から第1連通路51へ吐出されたオイルは、オイルフィルタ82で濾過され、オイルクーラ83で油温が調整された後、メインギャラリ50へ流入する。
メインギャラリ50に、各ピストン24の下面側にオイルを噴射する4つのオイルジェット71(油圧作動装置)(図1参照)と、クランク軸26のジャーナル部を回転可能に支持するクランク軸受部28の5つの軸受メタル29と、各コンロッド25の大端部が回転可能に連結されるクランクピンに配置された4つの軸受メタル72(潤滑部)と、油圧式チェーンテンショナへオイルを供給するオイル供給部73と、タイミングチェーンにオイルを噴射するオイルジェット74(油圧作動装置)と、メインギャラリ50を流通するオイルの油圧(すなわちオイルポンプ81の吐出圧)を検出する油圧センサ(本発明の「吐出圧検出手段」に相当する)50aとが接続される。メインギャラリ50にオイルが常に供給される。オイルジェット71は、逆止弁とノズルとを有し、所定値以上の油圧が作用すると、逆止弁が開弁し、ノズルからオイルを噴射する。
メインギャラリ50から、オイル制御弁84を介してオイルポンプ81の圧力室81mに接続される制御用給油路54が分岐する。制御用給油路54にオイルフィルタ54aが設けられる。メインギャラリ50のオイルは、制御用給油路54を通り、オイル制御弁84により油圧が調整された後、オイルポンプ81の圧力室81mへ流入する。オイル制御弁84により圧力室81mのオイルの油圧が調整される。オイル制御弁84はリニアソレノイドバルブで構成され、コントローラ60から入力される制御信号のデューティ比に応じて圧力室81mに供給するオイルの流量を調整する。
第2連通路52はメインギャラリ50と第3連通路53とを連通する。メインギャラリ50を流通するオイルは第2連通路52を通って第3連通路53へ流入する。第3連通路53へ流入したオイルは第3連通路53を介してシリンダヘッド1の吸気側と排気側とに分配される。
第3連通路53から分岐する第1給油路55に、吸気側カム軸41のジャーナル部を回転可能に支持する軸受メタルのオイル供給部91と、吸気側カム軸41のスラスト軸受(潤滑部)のオイル供給部92と、第2気筒及び第3気筒の吸気側HLA45と、吸気側オイルシャワー48と、吸気側VVTの摺動部(潤滑部)のオイル供給部93とが接続される。
第3連通路53から分岐する第2給油路56に、排気側カム軸42のジャーナル部を回転可能に支持する軸受メタルのオイル供給部94と、排気側カム軸42のスラスト軸受(潤滑部)のオイル供給部95と、第2気筒及び第3気筒の排気側HLA46と、排気側オイルシャワー49とが接続される。
第3連通路53から分岐する第3給油路57に、第1方向切換弁96を介して、排気側VVT18の遅角油圧室18e及び進角油圧室18f(図3参照)が接続される。第3給油路57に、排気側カム軸42の軸受メタルのオイル供給部94のうち最も前側に位置するオイル供給部94が接続される。第3給油路57における第1方向切換弁96の上流側にオイルフィルタ57aが接続される。第1方向切換弁96により、遅角油圧室18e及び進角油圧室18fへ供給されるオイル流量が調整される。
第3連通路53から分岐する第4給油路58に、第2方向切換弁97を介して、第1気筒の吸気側及び排気側HLA45,46が接続される。第4給油路58における第2方向切換弁97の上流側にオイルフィルタ58aが接続される。第2方向切換弁97により、第1気筒の吸気側及び排気側HLA45,46へのオイル供給が制御される。
第3連通路53から分岐する第5給油路59に、第3方向切換弁98を介して、第4気筒の吸気側及び排気側HLA45,46が接続される。第5給油路59における第3方向切換弁98の上流側にオイルフィルタ59aが接続される。第3方向切換弁98により、第4気筒の吸気側及び排気側HLA45,46へのオイル供給が制御される。
以上のように、オイル供給装置200の給油路5を介してエンジン100の各部に供給されたオイルは、図示しないドレン油路を通ってオイルパン3に滴下した後、オイルポンプ81により再びエンジン100の各部に還流される。以上において、油圧作動装置は、符号18,45,46,71,74、及び油圧式チェーンテンショナであり、潤滑部は、符号29,48,49,72、カム軸41,42の軸受メタル、カム軸41,42のスラスト軸受、及び吸気側VVTの摺動部である。
エンジン100はコントローラ(本発明の「油圧制御手段」に相当する)60により制御される。コントローラ60は、周知のマイクロコンピュータで構成され、プログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)、プログラムやデータ等を格納するRAMやROM等のメモリ、及び電気信号を入出力する入出力(I/O)バス等を含む。
コントローラ60に、エンジン100の運転状態を検出する各種センサからの検出信号が入力される。例えば、コントローラ60に、上記メインギャラリ50に設けられた油圧センサ50a、クランク軸26の回転角度を検出するクランク角センサ61、エンジン100が吸入する空気量を検出するエアフローセンサ(本発明の「負荷検出手段」に相当する)62、オイルの温度を検出する油温センサ(本発明の「油温検出手段」に相当する)63、カム軸41,42の回転位相を検出するカム角センサ64、及びエンジン100の冷却水の温度を検出する水温センサ65等が電気的に接続される。コントローラ60は、クランク角センサ61の検出信号に基いてエンジン回転速度を求め、エアフローセンサ62の検出信号に基いてエンジン負荷を求め、油温センサ63の検出信号に基いて油温を求める。
コントローラ60は、各種検出信号に基いてエンジン100の運転状態を判定し、判定した運転状態に応じてオイル制御弁84、第1方向切換弁96、第2方向切換弁97、及び第3方向切換弁98を制御する。特に、コントローラ60は、エンジン100の運転状態に応じて、可変容量型オイルポンプ81の吐出量制御(吐出圧制御)を行う。具体的に、コントローラ60は、エンジン100の運転状態に応じた目標油圧を設定し、油圧センサ50aにより検出される油圧(オイルポンプ81の吐出圧)が上記目標油圧になるように、オイル制御弁84を介して、可変容量型オイルポンプ81を制御する。
次に、目標油圧の設定について説明する。
本実施形態に係るオイル供給装置200では、1つのオイルポンプ81により複数の油圧作動装置にオイルが供給される。各油圧作動装置が必要とする油圧はエンジン100の運転状態に応じて変化する。そのため、エンジン100の全ての運転状態において全ての油圧作動装置が必要とする油圧を実現するためには、コントローラ60は、エンジン100の運転状態毎に、複数の油圧作動装置の要求油圧のうち最も高い要求油圧以上の油圧を目標油圧として設定する必要がある。本実施形態では、排気側VVT18やオイルジェット71等が、要求油圧が比較的高い油圧作動装置である。そのため、これらの油圧作動装置の要求油圧を満たすように目標油圧を設定すれば、要求油圧が比較的低い他の油圧作動装置の要求油圧も満たされる。
同様に、各潤滑部が必要とする油圧もエンジン100の運転状態に応じて変化する。本実施形態では、クランク軸受部28の軸受メタル29等が、要求油圧が比較的高い潤滑部である。そのため、この潤滑部の要求油圧を満たすように目標油圧を設定すれば、要求油圧が比較的低い他の潤滑部の要求油圧も満たされる。
コントローラ60は、クランク軸受部28の軸受メタル29の要求油圧よりも少し高い油圧を、油圧作動装置が作動していないときのエンジン100の基本的な運転に必要なベース油圧P1として設定する。つまり、ベース油圧P1は、全ての潤滑部の要求油圧を満たす油圧である。
コントローラ60は、上記ベース油圧P1と、各油圧作動装置の作動のための要求油圧P2と、さらに、雰囲気潤滑改善(言い換えるとオイルミストの発生改善)のための油圧P3とを比較し、これらのうち最も高い油圧を目標油圧として設定する。これらのベース油圧P1、油圧作動装置の要求油圧P2、及び雰囲気潤滑改善用の油圧P3は、いずれも、エンジン運転状態(エンジン負荷、エンジン回転速度、及び油温等)により変化する。そのため、コントローラ60は、エンジン負荷、エンジン回転速度、及び油温に応じて予め実験的に設定されたベース油圧P1が記憶されたマップ、油圧作動装置の要求油圧P2が記憶されたマップ、及び雰囲気潤滑改善用の油圧P3が記憶されたマップをメモリに格納する。
具体的に、図5は、ベース油圧マップ(本発明の「ベース油圧記憶部」に相当する)、図6は、雰囲気潤滑改善用油圧マップ(本発明の「第1記憶部」に相当する)、図7は、オイルジェット71の要求油圧マップ(本発明の「第2記憶部」に相当する)、図8は、排気側VVT18の要求油圧マップ(本発明の「第2記憶部」に相当する)である。各マップにおいて、「運転状態」(エンジン運転状態ではなく車速やアクセルペダルの操作状態等をいう)、「負荷」、「油温」、及び「回転速度」毎に、「油圧」が記憶される。油温の単位は℃、エンジン回転速度の単位はrpm、油圧の単位はkPaである。図5〜図8は、それぞれマップの一部を抜粋して表している。そのため、油圧は、運転状態、負荷、油温、及び回転速度をさらに細分化して設定され得る。また、油圧は、回転速度等に応じて離散的に設定されている。そのため、マップに設定されていない回転速度等における油圧は、マップに設定されている油圧を線形補間して求められ得る。
図5のベース油圧マップは、暖機後の所定油温Tにおいて、エンジン回転速度に応じて設定されたベース油圧P1が記憶されている。
ベース油圧P1は、油圧作動装置が作動していないときのエンジン100の基本的な運転に必要な油圧なので、図5に示すように、ベース油圧P1が発せられる特段の条件(運転状態、負荷、油温、回転速度)は規定されていない。エンジン回転速度が上昇するほど軸受メタル29等の潤滑部の潤滑が必要になるため、ベース油圧P1は、エンジン回転速度が上昇するほど高い値に設定される。
なお、中回転域では、ベース油圧P1は、略一定の値(図例では200kPa)に設定される。
図6の雰囲気潤滑改善用油圧マップは、アクセル全閉のアイドル運転時に、油温(Ta1>Ta2>Ta3>Ta4)が低いほど可変容量型オイルポンプ81の吐出量を高めるように設定された雰囲気潤滑改善用油圧P3が記憶されている。
雰囲気潤滑改善(オイルミストの発生改善)の要求は、主として、アイドル運転時等の軽負荷時に発せられる。軽負荷時は、油圧作動装置の要求油圧が低い値に設定され、それに伴い、オイルポンプ81の動力を必要最小限に抑えるために、オイルポンプ81の目標油圧も低い値に設定されるので、オイルポンプ81の吐出量が減量される。このことは、オイルミストの発生量の減量をもたらす。そのため、オイルミストによる雰囲気潤滑が不十分となる。具体的に、ピストン24のピンボスやピストンピンやコンロッド25の小端部等、燃焼に伴う動力伝達系部材の各摺動面のオイルミストによる潤滑油膜の形成や、あるいは、ピストンスカート部とシリンダライナとの摺動面のオイルミストによる潤滑油膜の形成等が不十分となる。その結果、ピストン駆動時にエンジン騒音が大きくなる。
このような問題は、特に、エンジン100の暖機運転状態の軽負荷時に大きくなる。エンジン100が暖機運転状態のときは、エンジン運転状態に応じた要求油圧が実現するように吐出量が制御されて、可変容量型オイルポンプ81の動力が必要最小限に抑えられるからである。
そこで、雰囲気潤滑改善の要求により、アイドル運転時等の軽負荷時に、特に、エンジン100の暖機運転状態の軽負荷時に、油温が低いほどオイルポンプ81の吐出量を高めて、オイルミストの発生量を増加させる。つまり、図6に示すように、車速が低車速(図例では3km/h以下)であり、かつ、アクセル全閉(つまりエアフローセンサ62で検出される空気量(言い換えるとエンジン負荷)が極めて少なく略ゼロ)のアイドル運転時に、雰囲気潤滑改善の要求が発せられる。また、そのような運転状態のときに雰囲気潤滑改善の要求が発せられるので、雰囲気潤滑改善用油圧P3は、エンジン回転速度が比較的低いときにだけ設定される(図例では500rpmと700rpm)。雰囲気潤滑改善用油圧P3は、油温が低下するほど高い値に設定される。油温が低下するほど、オイルの粘性が増大し、オイルミストの発生が減少するからである。
なお、図6では、雰囲気潤滑改善用油圧P3は、エンジン回転速度が異なっても一定であるが、エンジン回転速度に応じて変化してもよい。例えば、雰囲気潤滑改善用油圧P3は、エンジン回転速度が上昇するほど高い値に設定されてもよい(例えば700rpmでは図6の上から油圧P3が110kPa、130kPa、170kPa、210kPa等としてもよい)。
図7のオイルジェット71の要求油圧マップは、エンジン運転状態に応じて設定されたオイルジェット71の要求油圧P2が記憶されている。
オイルジェット71は、前述したように、逆止弁とノズルとを有し、所定値以上の油圧が作用すると、逆止弁が開弁し、ノズルからオイルを噴射するので、オイルジェット71の要求油圧P2は、図7に示すように、エンジン回転速度(Va2>Va1)が異なっても、また負荷(P1>P2)が異なっても、一定(図例では350kPa)である。
図8の排気側VVT18の要求油圧マップは、エンジン運転状態に応じて設定された排気側VVT18の要求油圧P2が記憶されている。
具体的に、排気側VVT18の要求油圧P2は、図8に示すように、エンジン回転速度が上昇するほど高い値に設定され、油温(Tb1>Tb2>Tb3)が低下するほど高い値に設定される。
なお、低回転域(図例では500rpmと700rpm)においては、排気側VVT18の要求油圧P2はゼロに設定されている。これは、エンジン回転速度が雰囲気潤滑改善の要求と重なることから、排気側VVT18の作動を制限することにより、図6の雰囲気潤滑改善用油圧マップでせっかく高めた可変容量型オイルポンプ81の吐出量が排気側VVT18に大量に流れて消費されることを抑制するためである。これにより、オイルミストの発生改善が促進される。
次に、図9を参照して、オイルポンプ81の吐出量制御における信号の流れについて説明する。
コントローラ60は、各種センサより検出されたエンジン回転速度及び油温をベース油圧マップに照らし合わせ、ベース油圧P1を求める。それに加え、コントローラ60は、油圧作動装置の要求油圧P2及び雰囲気潤滑改善用油圧P3を受け取り、これらのベース油圧P1、要求油圧P2、及び改善用油圧P3の中から最大の油圧を目標油圧として設定する。エンジン100の運転状態により複数の要求油圧P2及び改善用油圧P3が存在する場合もある。なお、要求油圧P2及び改善用油圧P3が無い場合には、コントローラ60は、ベース油圧P1を目標油圧として設定する。この動作を行うコントローラ60は、本発明の「設定部」に相当する。
別の見方をすれば、ベース油圧P1は、暫定的な目標油圧であり、油圧作動装置の要求油圧P2や雰囲気潤滑改善用油圧P3があり、かつ、その油圧P2,P3がベース油圧P1よりも大きい場合には、上記油圧P2,P3が目標油圧に設定される。
なお、前述の図5〜図8によれば、アクセル全閉の軽負荷時で、エンジン回転速度が500rpmや700rpm等の低回転域(アイドル運転時)は、図6の雰囲気潤滑改善用油圧P3が、図5のベース油圧P1や図8の排気側VVT18の要求油圧P2よりも高いので、目標油圧に設定されることになる(図7のオイルジェット71の要求油圧P2は低回転域では設定されていない)。
次に、コントローラ60は、オイルポンプ81から油圧センサ50aの位置までオイルが流通するときの油圧低下代に基いて目標油圧を増大させ、修正目標油圧を算出する。油圧低下代は、予めメモリに記憶されている。コントローラ60は、修正目標油圧をオイルポンプ81の流量(吐出量ひいては吐出圧)に変換して、目標流量(目標吐出量ひいては目標吐出圧)を得る。
続いて、コントローラ60は、目標流量を補正する。具体的には、コントローラ60は、排気側VVT18を作動させる場合の排気側VVT18の予測作動量を流量変換して、排気側VVT18の作動時の消費流量を得る。排気側VVT18の予測作動量は、現在の作動角と目標の作動角との差及びエンジン回転速度から求めることができる。また、コントローラ60は、オイルジェット71を作動させる場合の消費流量を求める。コントローラ60は、作動させる油圧作動装置に対応する消費流量を求めて、その消費流量を用いて前述の目標流量を補正する。
エンジン100の定常運転時には、各油圧作動装置の予測作動量はゼロ(0)であるので、上記油圧作動装置の作動に応じた目標油圧の補正はなされない。これに対し、エンジン100の過渡運転時には、作動する油圧作動装置に応じて目標油圧の補正がなされる。つまり、オイルポンプ81の吐出量(吐出圧)が補正制御される。
さらに、コントローラ60は、目標流量を油圧フィードバック量により補正する。この油圧フィードバック量は、エンジン100の過渡運転時に、油圧センサ50aにより検出される油圧(実油圧)が目標油圧の変化に対してどのように変化するかを予測した予測油圧と上記検出される実油圧との偏差に応じた値である。実油圧が予測油圧よりも高いときには、油圧フィードバック量が負の値となり、目標流量を減量する一方、実油圧が予測油圧よりも低いときには、油圧フィードバック量が正の値となり、目標流量を増量する。実油圧が予測油圧と同じであれば、油圧フィードバック量は0であり、すなわち、油圧フィードバック量による補正は行われない。
エンジン100の過渡運転時において、目標油圧が、例えばステップ状に変化したとき、オイルポンプ81の応答遅れや、油圧がオイルポンプ81から油圧センサ50aの位置に達するまでの応答遅れ等を含む、油圧の応答遅れにより、実油圧は目標油圧の変化に対して遅れて追従する。このような油圧の応答遅れによる実油圧の変化は、予め実験等により決められたむだ時間や時定数により予測することができ、こうして予測した予測油圧を設定する。ただし、オイルポンプ81の定常運転時には、予測油圧は目標油圧と同じになり、目標油圧と実油圧との偏差をフィードバックする油圧フィードバック制御と実質的に同じになる。
目標油圧と実油圧との偏差をフィードバックする場合には、油圧の応答遅れにより、目標油圧が変化した直後における目標油圧と実油圧との偏差が大きくなり過ぎて、実油圧の目標油圧に対するオーバーシュートやアンダーシュートが生じ易くなる。特にオイルポンプ81が劣化すると、上記偏差がより大きくなる。これに対し、予測油圧と実油圧との偏差は通常小さいので、予測油圧と実油圧を偏差をフィードバックすることにより、実油圧が予測油圧に略沿って変化するようになるので、実油圧の目標油圧に対するオーバーシュートやアンダーシュートが生じ難くなる。この結果、実油圧を目標油圧に円滑に一致させるようにすることができる。また、オイルポンプ81が劣化することにより、目標油圧が変化した直後の目標油圧と実油圧との偏差がある程度大きくなったとしても、実油圧が予測油圧に略沿って変化するようになるので、実油圧の目標油圧に対するオーバーシュートやアンダーシュートは生じ難くなる。
コントローラ60は、このように補正した目標流量とエンジン回転速度とをディーティ比マップに照らし合わせることにより、目標デューティ比を設定し、目標デューティ比を有する制御信号をオイル制御弁84に送信する。
次に、図10〜図11のフローチャートを参照して、コントローラ60によるオイルポンプ81の吐出量制御(吐出圧制御)を説明する。
ステップS1で、コントローラ60は、エンジン負荷、エンジン回転速度、油温、及び水温を読み込み、ステップS2で、これらの読み込んだパラメータに基いて、油圧作動装置の作動条件を満たしているか否かを判定する。
油圧作動装置の作動条件を満たしていない場合には、コントローラ60は、ステップS4に進む。一方、油圧作動装置の作動条件を満たしている場合には、コントローラ60は、条件を満たしている油圧作動装置に対応する要求油圧P2を図7や図8等の要求油圧マップから読み込む(ステップS3)。その後、コントローラ60は、ステップS4へ進む。
コントローラ60は、ステップS4において、上記ステップS1で読み込んだパラメータに基いて、雰囲気潤滑状態の改善(オイルミストの発生改善)が必要な条件に該当しているか否かを判定する。
雰囲気潤滑状態の改善が必要な条件に該当していない場合には、コントローラ60は、ステップS6に進む。一方、雰囲気潤滑状態の改善が必要な条件に該当している場合には、コントローラ60は、雰囲気潤滑改善用油圧P3を図6の雰囲気潤滑改善用油圧マップから読み込む(ステップS5)。その後、コントローラ60は、ステップS6へ進む。
コントローラ60は、ステップS6において、図5のベース油圧マップから、エンジン回転速度及び油温に応じたベース油圧P1を求める。
そして、コントローラ60は、ベース油圧P1と要求油圧P2と改善用油圧P3とを比較し、最も高い油圧を目標油圧として設定する(ステップS7)。なお、要求油圧P2や改善用油圧P3が存在しない場合には、コントローラ60は、ベース油圧P1を目標油圧に設定する。このステップS7の動作を行うコントローラ60は、本発明の「設定部」に相当する。
なお、前述したように、図5〜図8から明らかなように、コントローラ60は、アクセル全閉の軽負荷時で、エンジン回転速度が500rpmや700rpm等の低回転域(アイドル運転時)は、図6の雰囲気潤滑改善用油圧P3を目標油圧に設定する。
次いで、コントローラ60は、目標油圧に油圧低下代を加算して、修正目標油圧を算出し(ステップS8)、修正目標油圧を流量に変換して目標流量(目標吐出量ひいては目標吐出圧)を求める(ステップS9)。さらに、コントローラ60は、作動する油圧作動装置に応じて目標流量を補正する(ステップS10)。例えば、コントローラ60は、目標流量に、VVTの作動時の消費流量、及び/又は、オイルジェットの作動時の消費流量を加算する。
そして、ステップS11において、コントローラ60は、目標流量をディーティ比マップに照らし合わせて目標デューティ比を設定する。コントローラ60は、現在の制御信号のデューティ比(以下「現在デューティ比」という)を読み込むと共に、現在デューティ比が目標デューティ比と一致するか否かを判定する(ステップS12)。現在デューティ比が目標デューティ比と一致しない場合には、コントローラ60は、制御信号のデューティ比を目標デューティ比に変更し、上記制御信号をオイル制御弁84へ出力する(ステップS13)。その後、コントローラ60は、ステップS14へ進む。一方、現在デューティ比が目標デューティ比と一致する場合には、コントローラ60は、ステップS13を経ることなく、ステップS14へ進む。
ステップS14では、コントローラ60は、油圧センサ50aの実油圧を読み込む。そして、コントローラ60は、実油圧がステップS5の目標油圧と一致するか否かを判定する(ステップS15)。
実油圧と目標油圧とが一致しない場合には、コントローラ60は、実油圧と目標油圧との偏差に基いて制御信号のデューティ比を調整し、その制御信号をオイル制御弁84へ出力する(ステップS16)。そして、コントローラ60は、油圧センサ50aの実油圧を読み込み(ステップS17)、上記実油圧がステップS6の目標油圧と一致するか否かを判定する(ステップS18)。実油圧が目標油圧と一致する場合には、コントローラ60は、ステップS20へ進む。一方、実油圧が目標油圧と一致しない場合には、コントローラ60は、実油圧がステップS6のベース油圧P1以上となっているか否かを判定する(ステップS19)。実油圧がベース油圧P1以上の場合には、コントローラ60は、ステップS16に戻って、再度、デューティ比の調整を行う。コントローラ60は、ステップS16〜S19を繰り返すことにより実油圧を目標油圧に一致させる。
なお、ステップS15において実油圧と目標油圧とが一致する場合には、コントローラ60は、ステップS16〜S18を経ることなく、ステップS20へ進む。
ステップS20では、コントローラ60は、エンジン負荷、エンジン回転速度、及び油温を読み込む。そして、コントローラ60は、エンジン負荷、エンジン回転速度又は油温がステップS1で読み込んだ値と変わっていないかを判定する(ステップS21)。エンジン負荷、エンジン回転速度、及び油温が変わっていない場合には、コントローラ60は、ステップS14に戻り、実油圧の読み込みからの処理を繰り返す。つまり、エンジン負荷、エンジン回転速度、及び油温が変わらない場合には目標油圧も一定なので、コントローラ60は、実油圧が目標油圧と一致するかの監視を続け、実油圧が目標油圧からずれるとステップS16〜S19を行うことにより実油圧を目標油圧に一致させる。
一方、エンジン負荷、エンジン回転速度、及び油温の何れかが変わっている場合には、コントローラ60は、ステップS2に戻り、ステップS2以降の処理を繰り返す。つまり、コントローラ60は、目標油圧の設定からやり直す。
一方、ステップS19において、実油圧がベース油圧P1未満の場合には、コントローラ60は、油圧作動装置を含むオイル供給装置200の故障と判定し(ステップS22)、フェイルセーフモードへ移行する(ステップS23)。フェイルセーフモードでは、コントローラ60は、警報を出し、エンジン100の運転状態を制限すると共に、オイルポンプ81の吐出量が最大となるように制御信号を変更する。
目標油圧は、前述のように、ベース油圧P1、要求油圧P2、及び改善用油圧P3のうち最大のものに設定されるので、目標油圧は常にベース油圧P1以上である。つまり、吐出量制御においては、目標油圧はベース油圧P1以上に設定される。そのため、流量制御が適切に行われている場合には、実油圧がベース油圧P1以上となる。実油圧がベース油圧P1未満になる場合は、例えば、リーク量が多く、実油圧を適切に上昇させることができない等、吐出量制御が適切に行われていない場合である。そこで、コントローラ60は、実油圧がベース油圧P1未満の場合には、フェイルセーフモードに移行する。このように、ベース油圧P1は、目標油圧の設定に用いられるだけでなく、故障判定にも用いられる。
フェイルセーフモードにおいては、コントローラ60は、例えば、警報ランプを点灯させたり、警報音を鳴らしたりする。また、コントローラ60は、油圧作動装置からの要求油圧が高くなる運転状態とならないように、エンジン100の運転状態を制限する。それに加えて、コントローラ60は、オイルポンプ81の最大容量にし、オイルによる潤滑及び冷却並びに油圧作動装置の作動をできる限り確保する。
次に、本実施形態の作用を説明する。
(1)本実施形態では、オイルの吐出量が調整可能な可変容量型オイルポンプ81の吐出圧がエンジン運転状態に応じた目標油圧になるように上記可変容量型オイルポンプ81を制御するコントローラ60を備えるエンジン100のオイル供給装置200において、エンジン負荷を検出するエアフローセンサ62と、オイルの温度を検出する油温センサ63とを備え、上記コントローラ60は、上記エアフローセンサ62で検出される空気量(エンジン負荷)がゼロに近い微量の軽負荷時に、少なくともクランク軸26を回転可能に支持する軸受メタル29から流出して微粒化し、クランクケース4内を漂うオイルミストの量が増加するように、上記油温センサ63で検出される油温が低いほど吐出量を高めるように上記可変容量型オイルポンプ81を制御する。
この構成によれば、アイドル運転時等の軽負荷時に、油温が低いほど可変容量型オイルポンプ81の吐出量を高めてクランクケース4内のオイルミスト量を増加させるので、アイドル運転時等の軽負荷時においても、オイルミストによる雰囲気潤滑、すなわちピストン24及びピストン24のピンボスやピストンピンやコンロッド25の小端部等の動力伝達系部材の各摺動面の潤滑油膜が確保される。そのため、上記潤滑油膜がクッションとなってエンジン騒音を低減できる。
(2)本実施形態では、上記コントローラ60は、エンジン100の暖機運転状態の軽負荷時に、上記可変容量型オイルポンプ81の吐出量制御を実行する。
この構成によれば、特に、エンジン運転状態に応じた要求油圧が実現するように吐出量が制御されて、可変容量型オイルポンプ81の動力が必要最小限に抑えられるエンジン100の暖機運転状態の軽負荷時において、オイルミストによる雰囲気潤滑が確保されて、エンジン騒音を確実に低減できる。
(3)本実施形態では、オイルを作動油として用いる油圧作動装置と、オイルを潤滑油として用いる潤滑部と、可変容量型オイルポンプ81の吐出圧を検出する油圧センサ50aとを備え、上記コントローラ60は、上記各油圧作動装置及び潤滑部のエンジン運転状態に応じて設定される要求油圧のうち最も高い要求油圧を目標油圧に設定し、上記油圧センサ50aで検出される吐出圧が上記目標油圧になるように上記可変容量型オイルポンプ81を制御する。
この構成によれば、エンジン運転状態に応じた全ての油圧作動装置及び潤滑部の要求油圧を満たしつつ、可変容量型オイルポンプ81の動力を必要最小限に抑えて燃費の改善を図ることができる。
(4)本実施形態では、上記コントローラ60は、所定油温Tにおいてエンジン回転速度に応じて設定されたベース油圧P1が記憶されたベース油圧マップ(図5)と、上記軽負荷時に油温が低いほど吐出量を高めるように設定された雰囲気潤滑改善用油圧P3が記憶された雰囲気潤滑改善用油圧マップ(図6)と、油圧作動装置のエンジン運転状態に応じて設定された要求油圧P2が記憶されたオイルジェット71の要求油圧マップ(図7)及び排気側VVT18の要求油圧マップ(図8)とを備え、エンジン運転状態に応じて上記各マップに記憶された油圧のうち最も高い油圧を目標油圧に設定する(図10のステップS7)。
この構成によれば、エンジン運転状態に応じた目標油圧を簡単な構成で確実に設定できる。しかも、雰囲気潤滑改善用油圧マップの存在により、上記軽負荷時におけるオイルミストによる雰囲気潤滑も十分確保される。
(5)本実施形態では、上記油圧作動装置は、排気側VVT18であり、上記コントローラ60は、上記軽負荷時には、上記排気側VVT18の作動を制限する。
この構成によれば、要求油圧が比較的高い排気側VVT18の作動を制限することにより、せっかく高めた可変容量型オイルポンプ81の吐出量が排気側VVT18に大量に流れて消費されることが抑制される。したがって、雰囲気潤滑のためのオイルミスト量が簡単な構成で確実に増加する。
(6)図12に本実施形態による改善前及び改善後のエンジン騒音(振動レベル)の低減データを示す。すなわち、直列4気筒火花点火式の4サイクルガソリンエンジンを用い、アクセル全閉の軽負荷時で、エンジン回転速度が500rpm〜700rpmの低回転域(アイドル運転時)における振動レベルを測定した。改善前は、可変容量型オイルポンプ81の目標油圧を設定するに際し、図5のベース油圧P1のマップと、図7のオイルジェット71の要求油圧P3のマップと、図8の排気側VVT18の要求油圧P3のマップとを用いた場合であり、改善後は、さらに、図6の雰囲気潤滑改善用油圧P2のマップも用いた場合である。改善後は、図6の雰囲気潤滑改善用油圧P2が考慮される結果、クランクケース4内のオイルミスト量が増加し、これにより、オイルミストによる雰囲気潤滑が確保されて、改善前に比べて振動レベルが77%低減した。
なお、上記実施形態では、エンジンは火花点火式ガソリンエンジンであったが、本発明では、エンジンの形式は特に限定されず、例えば、ディーゼルエンジン等の圧縮自己着火式エンジン等であってもよい。
4 クランクケース
5 給油路
18 排気側可変バルブタイミング機構(油圧作動装置)
26 クランク軸
28 クランク軸受部
29 軸受メタル(潤滑部)
50a 油圧センサ(吐出圧検出手段)
60 コントローラ(油圧制御手段、ベース油圧記憶部、第1記憶部、第2記憶部、設定部)
62 エアフローセンサ(負荷検出手段)
63 油温センサ(油温検出手段)
71 オイルジェット(油圧作動装置)
81 可変容量型オイルポンプ
100 エンジン
200 オイル供給装置

Claims (4)

  1. オイルの吐出量が調整可能な可変容量型オイルポンプの吐出圧がエンジン運転状態に応じた目標油圧になるように上記可変容量型オイルポンプを制御する油圧制御手段を備えるエンジンのオイル供給装置であって、
    エンジン負荷を検出する負荷検出手段と、
    オイルの温度を検出する油温検出手段とを備え、
    上記油圧制御手段は、エンジン暖機後の運転時であって、かつ上記負荷検出手段で検出されるエンジン負荷がアクセル全閉に相当する負荷になるアイドル運転時に、少なくともクランク軸を回転可能に支持する軸受部から流出して微粒化し、クランクケース内を漂うオイルミストの量が増加するように、上記油温検出手段で検出される油温が低いほど吐出量を高めるように上記可変容量型オイルポンプを制御することを特徴とするエンジンのオイル供給装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンのオイル供給装置において、
    オイルを作動油として用いるデバイスと、オイルを潤滑油として用いるデバイスと、可変容量型オイルポンプの吐出圧を検出する吐出圧検出手段とを備え、
    上記油圧制御手段は、上記各デバイスのエンジン運転状態に応じて設定される要求油圧のうち最も高い要求油圧を目標油圧に設定し、上記吐出圧検出手段で検出される吐出圧が上記目標油圧になるように上記可変容量型オイルポンプを制御することを特徴とするエンジンのオイル供給装置。
  3. 請求項2に記載のエンジンのオイル供給装置において、
    上記油圧制御手段は、
    所定の油温においてエンジン回転速度に応じて設定されたベース油圧が記憶されたベース油圧記憶部と、
    上記アイドル運転時に油温が低いほど吐出量を高めるように設定された油圧が記憶された第1記憶部と、
    オイルを作動油として用いるデバイスのエンジン運転状態に応じて設定された要求油圧が記憶された第2記憶部と、
    エンジン運転状態に応じて上記各記憶部に記憶された油圧のうち最も高い油圧を目標油圧に設定する設定部とを備えることを特徴とするエンジンのオイル供給装置。
  4. 請求項2又は3に記載のエンジンのオイル供給装置において、
    上記オイルを作動油として用いるデバイスは、可変バルブタイミング機構であり、
    上記油圧制御手段は、上記アイドル運転時には、上記可変バルブタイミング機構の作動を制限することを特徴とするエンジンのオイル供給装置。
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