JP6318896B2 - 記録装置 - Google Patents
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Description
このとき、歯飛びを防止するレバー部材を装置高さ方向における駆動プーリーの下方、すなわち、キャリッジが固定された経路と同じ側に設けると、キャリッジが駆動プーリー側に移動したときにレバー部材と接触する虞がある。そして、このレバー部材とキャリッジとが接触した位置が、キャリッジの駆動プーリー側への移動の限度位置となる。即ち、無端ベルトの歯飛びを防止する機構がキャリッジの移動限度位置を規定してしまう為、キャリッジの移動可能領域を確保するためには、従動プーリーと駆動プーリーとの間隔を広くとる必要がある。これは装置の幅方向のサイズアップに繋がる。
このことによって、より省スペースでキャリッジの移動可能領域を確保することが可能となり、装置の大型化を回避でき、或いは抑制できる。
しかしながら、前記第1の態様の作用効果により、前記規制位置にある前記ベルト規制部によってキャリッジの移動可能領域は規定されず、前記駆動プーリーと前記従動プーリーとの間隔を拡げる必要がなくなり、或いは拡げる場合であってもその程度は小さくて済む。
以って、省スペースでのキャリッジの移動可能領域の確保が可能となり、装置の大型化を回避でき、或いは抑制できる。
本態様によれば、前記無端ベルトの前記駆動プーリーから離間する方向への変位を規制する際に、該無端ベルトに接する前記ベルト規制部が従動回転可能なローラーで構成されているので、該ベルト規制部が接して前記無端ベルトに与える負荷を低減することができる。したがって、前記無端ベルトの移動を円滑に行いつつ、前記ベルト規制部によって前記歯飛び現象を防止することができる。
またこのとき、前記ベルト規制部はホルダーに設けられ、前記キャリッジが前記ホルダーに当接するので、前記無端ベルトと接触する前記ベルト規制部自体には前記キャリッジは接触しない。したがって、前記キャリッジによって、前記ベルト規制部に傷、磨耗、変形等が生じる虞が低減できる。
また、前記ホルダーにおいて前記キャリッジが当接する当接部と、前記支点部とが、前記キャリッジの移動方向と交差する方向に位置がずれていることにより、前記キャリッジがその移動方向へ移動する力によって、前記ホルダーを確実に揺動させることが可能となる。
また特に、前記ベルト規制部をホルダーに設け、該ホルダーに前記キャリッジが当接して前記ベルト規制部を変位させる構成、すなわち、前記キャリッジの移動によって前記ベルト規制部を機械的に変位させる構成の場合には、記録時には該キャリッジと前記ホルダーとは接触しないので、記録品質の低下の虞を回避することができる。
本実施例の記録装置の一例として、インクジェット式プリンターを例に挙げる。
図1は、本発明の一実施例に係るプリンターにおいてカバーが閉じた状態の外観を表す斜視図である。図2は、本発明の一実施例に係るプリンターにおいて装置本体を表す斜視図である。図3は、本発明の一実施例に係るプリンターの媒体搬送経路を示す側断面図である。図4は、キャリッジ駆動機構の正面図である。図5は、キャリッジ駆動機構の駆動プーリー側の拡大図である。図6は、キャリッジ駆動機構の従動プーリー側の拡大図である。図7は、キャリッジの駆動機構の概要図である。
図1に示すプリンター1は、その内部に図2に示す装置本体10を備え、装置本体10の周囲を覆うハウジング2と、装置本体10に対して開閉可能なカバー部3とによって、プリンター1の外観を構成している。
プリンター1において、媒体としての用紙Pは、図3の+Y方向へ搬送される構成である。尚、以下において、プリンター1において媒体が搬送されていく方向を「下流」といい、これと反対の方向を「上流」という場合がある。
ホッパー12は、用紙Pの載置面が給送ローラー13に対して進退するように揺動可能に設けられているとともに、図示しない付勢手段によって給送ローラー13側に付勢されている。ホッパー12に複数枚セットされた用紙Pは、最上位の用紙Pが給送ローラー13と接し、給送ローラー13の回転により単位数ずつピックアップされて搬送方向下流に向けて給送される。
尚、メインフレーム20等のフレームを形成する材料には装置の剛性を確保するため、金属材料が用いられる。本実施例においては装置軽量化のためアルミ材料によって形成されている。
前述のように、キャリッジ17は、ガイドフレーム23とガイドフレーム25によって支持されている。また、ガイドフレーム23には、モーター19から駆動力を供給されてキャリッジ17をX軸方向に移動させるキャリッジ駆動機構31が設けられている。図4〜図6に示すように、キャリッジ駆動機構31は、駆動プーリー32と、従動プーリー33と、駆動プーリー32と従動プーリー33に掛け回される無端ベルト34とを備えている。
また、図6、図7に示すように、従動プーリー33はプーリーホルダー35に回動自在に取り付けられて保持されている。プーリーホルダー35はメインフレーム20に取り付けられているとともに、無端ベルト34の掛け回し方向、すなわちX軸方向に移動可能に設けられる。尚、メインフレーム20に対し、プーリーホルダー35がX軸方向に移動可能に設けられる構成については、後に詳述する。
この歯飛び現象を防止するため、無端ベルト34を挟んで駆動プーリー32と対向配置され、駆動プーリー32から離間する方向の無端ベルト34の変位を規制するベルト規制部40が設けられている。
図10に示すように、本実施例においてベルト規制部40は、従動回転可能なローラー41によって構成されており、ローラー41は、キャリッジ17によって把持される無端ベルト34の第1の経路34a側において駆動プーリー32と対向配置されている。ローラー41は、その軸41aをローラーホルダー42に保持されて、従動回転可能に取り付けられている(図12を参照)。
付勢手段43は、キャリッジ17の移動方向において駆動プーリー32と従動プーリー33との間の領域の外側に設けられている。付勢手段43は引っ張りばねとして構成されており、その一端側(符号43a)がローラーホルダー42のフック42aに取り付けられており、符号43bで示す他端側が、所定位置に固定されたばね保持部45に取り付けられている。
ここで、ローラーホルダー42においてキャリッジ17が当接する当接部42bと、支点部44とは、前記キャリッジの移動方向(X軸方向)と交差する方向(Z軸方向)に位置がずれている。このことによって、キャリッジ17がその移動方向(X軸方向)へ移動する力によって、ローラーホルダー42を容易に揺動させることができる。
例えば、キャリッジ17の背面側(−Y軸方向側)に設けられる摺動部26aの駆動プーリー32側(−X軸方向側)に被当接部46を設けることができる。
このとき、キャリッジ17においてローラーホルダー42が当接する当接部46と、ローラーホルダー42側の当接部54とが当接した状態[図9(B)]において、キャリッジ17の少なくとも一部と、ローラーホルダー42の少なくとも一部とは、キャリッジ17の移動方向において同じ位置にある。
尚、本実施例のようにキャリッジ本体26の一部を被当接部46とする場合のほか、被当接部となる別の部材をキャリッジ本体26に対して取り付けてもよい。
すなわち、駆動プーリー32から離間する方向の無端ベルト34の変位を規制するベルト規制部40を備えるので、駆動プーリー32の歯と無端ベルト34の歯との噛合が外れることにより生じる歯飛び現象の発生を抑制することができる。
このことによって、より省スペースでキャリッジの移動可能領域を確保することが可能となり、装置の大型化を回避でき、或いは抑制できる。
尚、本実施例においてはローラー41が無端ベルトを押圧して、無端ベルト34が駆動プーリー32から離間する方向へ変位することを規制しているが、ローラー41を無端ベルト34からわずかに離間させて配置し、歯飛びは生じない程度ではあるが無端ベルト34が駆動プーリー32から少し浮いた状態になったときに、ローラー41が無端ベルト34に接触し、それ以上無端ベルト34が駆動プーリー32から離れないようにする構成にすることも可能である。
加えて、キャリッジ17がローラーホルダー42に当接するので、無端ベルト34と接触するローラー41自体にはキャリッジ17は接触しない。したがって、キャリッジ17によって、ローラー41に傷、磨耗、変形等が生じる虞が低減できる。
尚、無端ベルト34に接触するローラー41に傷や変形があると、無端ベルト34にも傷等をつける虞がある。したがって、ローラー41への傷、磨耗、変形等がないことは重要である。
また、ローラーホルダー42においてキャリッジ17が当接する当接部と、支点部44とが、前記キャリッジの移動方向(X軸方向)と交差する方向(Z軸方向)に位置がずれていることにより、キャリッジ17がその移動方向(X軸方向)へ移動する力によって、ローラーホルダー42を確実に揺動させることが可能となる。
これにより、キャリッジ17がローラーホルダー42と接触しつつ−X軸方向へ移動するのに伴って、ローラー41がキャリッジ17の移動領域の外側方向に移動しやすい構成とすることができる。
実施例2では、図14に基き、ベルト規制部の他の実施例について説明する。図14は、本発明の他の実施例に係るベルト規制部50について説明する図であり、(A)はベルト規制部が無端ベルトの変位を規制する位置にある状態、(B)はベルト規制部がキャリッジの移動領域の外側に移動した状態である。
本実施例において実施例1と同一の構成については同一の符号を付し、その構成の説明は省略する。
ベルト規制部50においては、キャリッジ17の移動方向とローラーホルダー52の移動方向が同じであるので、キャリッジ17の移動に連動させてローラー51をキャリッジ17の移動領域の外側方向に移動させることを、構成簡単にして実現することができる。
実施例3では、図15に基き、前記ベルト規制部の更に他の実施例について説明する。図15は、本発明の更に他の実施例に係るベルト規制部について説明する図であり、(A)はベルト規制部が無端ベルトの変位を規制する位置にある状態、(B)はベルト規制部がキャリッジの移動領域の外側に移動した状態である。
本実施例において実施例1と同一の構成については同一の符号を付し、その構成の説明は省略する。
4 前面カバー部、5 上面カバー部、
10 装置本体、11 給紙口、12 ホッパー、13 給送ローラー
14 インクカートリッジ、15 搬送従動ローラー、16 搬送駆動ローラー、
17 キャリッジ、 18 記録ヘッド、19 モーター、
20 メインフレーム、21 サイドフレーム、22 サイドフレーム
23 ガイドフレーム、24 サブフレーム、25 ガイドフレーム、
26 キャリッジ本体、26a 摺動部、26b 摺動部、27 排出駆動ローラー、
27a 回転軸、28 排出従動ローラー、29 規制ローラー、
30 プラテン、31 キャリッジ駆動機構、32 駆動プーリー、
33 従動プーリー、34 無端ベルト、34a第1の経路、34b 第2の経路、
35 プーリーホルダー、36 引張りばね、37 把持部、
38 ローラー支持部材、39 キャリッジストッパー、
40 ベルト規制部、41 ローラー、42 ローラーホルダー、
43 付勢手段、44 支点部、45 ばね保持部、46 被当接部、
50 ベルト規制部、51 ローラー、52 ローラーホルダー、
53 付勢手段、54 当接部、60 ベルト規制部、61 ローラー、
62 ローラーホルダー、63 付勢手段、64 ネジ、65 当接部
P 用紙
Claims (9)
- 駆動プーリーと従動プーリーに掛け回される無端ベルトと、
媒体に記録を行う記録ヘッドを備えるとともに、前記無端ベルトに牽引されて所定方向に往復移動するキャリッジと、
前記無端ベルトを挟んで前記駆動プーリーと対向配置され、前記駆動プーリーから離間する方向の前記無端ベルトの変位を規制するベルト規制部と、を備え、
前記ベルト規制部は、付勢手段によって前記駆動プーリーに向けて付勢されて前記キャリッジの移動領域内に配置されるとともに、前記付勢手段の付勢力に抗して前記キャリッジの移動領域の外側方向に向けて変位可能である、
ことを特徴とする、記録装置。 - 請求項1に記載の記録装置において、前記ベルト規制部は、前記付勢手段の付勢力によって前記駆動プーリーとの間で前記無端ベルトを押圧する、
ことを特徴とする、記録装置。 - 請求項1または請求項2に記載の記録装置において、前記駆動プーリーと前記従動プーリーとの間の前記無端ベルトの経路は、前記キャリッジが固定される第1の経路と、当該第1の経路と対向する第2の経路と、を備えて成り、
前記ベルト規制部は、前記第1の経路側で前記無端ベルトの変位を規制する、
ことを特徴とする、記録装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の記録装置において、前記ベルト規制部は、従動回転可能なローラーで構成される、
ことを特徴とする、記録装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の記録装置において、前記ベルト規制部は、ホルダーに設けられ、
前記キャリッジが前記ホルダーに当接し、前記ベルト規制部を変位させる、
ことを特徴とする、記録装置。 - 請求項5に記載の記録装置において、前記ホルダーは、支点部を支点として揺動することにより前記ベルト規制部を変位させ、
前記ホルダーにおいて前記キャリッジが当接する当接部と、前記支点部とは、前記キャリッジの移動方向と交差する方向に位置がずれている、
ことを特徴とする、記録装置。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の記録装置において、前記付勢手段は、前記キャリッジの移動方向において前記駆動プーリーと前記従動プーリーとの間の領域の外側に設けられている、
ことを特徴とする、記録装置。 - 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の記録装置において、前記キャリッジが媒体に記録を行う際の当該キャリッジの移動範囲では、前記ベルト規制部が前記無端ベルトの変位を規制する位置を保持する、
ことを特徴とする、記録装置。 - 請求項6に記載の記録装置において、前記キャリッジの前記ホルダーが当接する被当接部と前記ホルダーの前記当接部とが当接した状態において、前記キャリッジの少なくとも一部と、前記ホルダーの少なくとも一部とが、前記キャリッジの移動方向において同じ位置にある、
ことを特徴とする、記録装置。
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