JP6317490B2 - 火災検知装置及び火災検知方法 - Google Patents

火災検知装置及び火災検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、監視カメラで撮像した監視領域の画像から火災初期における煙を検知する火災検知装置及び火災検知方法に関する。
従来、監視カメラで撮像した監視領域の画像に対し画像処理を施すことにより、火災を検知するようにした様々な装置やシステムが提案されている。
このような火災検知装置にあっては、火災発生に対する初期消火や避難誘導の観点から火災の早期発見が重要である。
このため従来装置(特許文献1)にあっては、画像から火災に伴う煙により起きる現象として、透過率又はコントラストの低下、輝度値の特定値への収束、輝度分布範囲が狭まって輝度の分散の低下、煙による輝度の平均値の変化、エッジの総和量の低下、低周波帯域の強度増加を導出し、これらを総合的に判断して煙の検出を可能としている。
特開2008−046916号公報 特開平7−245757号公報 特開2010−238028号公報
ところで、火災初期の段階で多い燻焼燃焼では、ごく微量の煙が立ち上がり、時間の経過と共に煙の量が増し、最終的には煙層が天井面に沿って発生し、従来の煙感知器は、天井面に発生した煙層を検知するようにしている。
このように、ごく微量の煙が立ち上がる火災初期の段階で火災を検知することが重要になるが、従来の画像に対し画像処理を施して煙を検知する装置にあっては、例えば立ち立ち上る煙の動き(流動)を検知するようにしているが、この流動検知のためには十分な量の煙が立ち昇る段階にならないと検知することが困難であり、細い筋のようになってごく微量の煙が立ち上がる火災の初期で検知することはできないという問題があった。
この問題を解決するため本願出願人にあっては、監視カメラにより撮像した監視領域の画像から、煙により発生する稜線の直線成分を抽出し、その傾きと発生頻度について時系列での変化を求め、煙による特徴的な変化を検知することで、火災の初期の段階で多い燻焼燃焼により発生するごく微量の煙の立ち上りを検知して火災を判断する火災検知装置を提案している(特願2013−101883)。
ところで、煙稜線直線成分の時系列での変化から火災初期の燻焼により発生するごく微量の煙の立ち上りを検知する装置にあっては、監視領域に配置したテレビやプロジェクター等をつけた状態で監視している場合、テレビ画面等の映像を撮像した画像から稜線を抽出して直線成分の時系列変化を求めると、映像によっては、煙による特徴的な変化に近いか同じになる場合があり、テレビ画面の映像を煙による特徴的な変化として検知し、火災を誤判断する可能性がある。
また監視領域に人や動物等がおり、一箇所で動きがあるような場合にも、撮像した画像から稜線を抽出して直線成分の時系列変化を求めると、画像によっては、煙による特徴的な変化に近いか同じになる場合があり、火災と誤判断する可能性がある。このような問題は、監視領域に存在してその場所で動いている様々なものについて、同様に、火災と誤判断する可能性がある。
本発明は、監視画像の稜線直線成分の時系列での変化から煙を検知して火災を判断する場合に、煙以外の画像による火災の誤判断を抑制して信頼性を向上可能とする火災検知装置及び火災検知方法を提供することを目的とする。
(装置)
本発明は、火災検知装置に於いて、
監視領域の画像を撮像する撮像手段と、
撮像手段で撮像した画像にエッジ強調処理を施して稜線を抽出する稜線抽出手段と、
稜線抽出手段で抽出した稜線の画像を複数の画像領域に分割し、画像領域毎に稜線の直線成分を抽出する直線成分抽出手段と、
画像領域毎に、直線成分抽出手段で抽出した直線成分の時系列での変化を求める時系列変化検出手段と、
時系列変化検出手段で検出した直線成分の時系列変化の中から煙による特徴的な所定の時系列変化を検知した場合に煙候補領域と判断する煙候補判断手段と、
を備えたことを特徴とする。
煙候補判断手段は、傾きが一定で発生頻度の異なる直線成分の時系列変化を1又は複数検知した場合に煙候補領域と判断し、傾きが一定で発生頻度も一定となる直線成分の時系列変化を検知した場合に非煙候補領域と判断して除外する。
(方法)
本発明は、火災検知方法に於いて、
撮像手段により監視領域の画像を撮像し、
撮像手段で撮像した監視領域の画像に稜線抽出手段によりエッジ強調処理を施して稜線を抽出し、
稜線抽出手段で抽出した稜線の画像を複数の画像領域に分割し、画像領域毎に直線成分抽出手段により稜線の直線成分を抽出し、
画像領域毎に、直線成分抽出手段で抽出した直線成分の時系列での変化を時系列変化検出手段により求め、
時系列変化検出手段で検出した直線成分の時系列変化の中から、煙候補判断手段により、煙による特徴的な所定の時系列変化を検知した場合に煙候補領域と判断する、
ことを特徴とする。
なお、本発明の火災検知方法による他の特徴は、前述した火災検知装置の場合と基本的に同じになることから、その説明を省略する。
本発明の火災検知装置及び火災検知方法によれば、撮像手段により撮像した監視領域の画像から、煙により発生する稜線の直線成分を抽出し、その傾きと発生頻度について時系列での煙による特徴的な変化を検知して煙候補領域と判断し、この煙候補領域の分布に基づいて、例えば所定領域数を越えて上方に延びる煙候補領域の分布を検知した場合に火災と判断し、一方、1又は複数領域内に留まる煙候補領域の分布を検知した場合は非火災と判断するようにしたため、テレビ画面の映像、一箇所に留まっている人の手足などの動き、更に一箇所に留まって動きのある部分もつものなどの監視画像に起因した火災の誤判断を確実に防止し、火災初期の段階で多い燻焼燃焼で立ち上がるごく微量の煙から確実に火災を判断し、火災検知の信頼性を向上可能とする。
本発明の火災検知装置設置した監視領域を示した説明図 ごく微量の煙が立ち上がる状態をモデル化して示した説明図 画像処理装置の機能構成の概略を示したブロック図 画像の領域分割を示した説明図 火源の直上、背景、及びテレビ画面における画像処理の領域を特定して示した説明図 火源直上の領域の直線成分の時系列変化を示した説明図 図6の直線成分の傾きと発生頻度を表したベクトルの時系列変化を示した説明図 図6の領域の上となる領域の直線成分の時系列変化を示した説明図 図8の直線成分の傾きと発生頻度を表したベクトルの時系列変化を示した説明図 背景となる領域の直線成分の時系列変化を示した説明図 図10の直線成分の傾きと発生頻度を表したベクトルの時系列変化を示した説明図 背景となる他の領域の直線成分の時系列変化を示した説明図 図12の直線成分の傾きと発生頻度を表したベクトルの時系列変化を示した説明図 図5で特定した領域から判断した煙候補領域の分布を示した説明図 監視領域に人がいる場合の画像処理の領域を特定すると共にその煙候補領域の分布を示した説明図 図3の画像処理装置の動作を示したフローチャート
[火災検知装置の概要]
図1は本発明による火災検知装置を設置した監視領域を示した説明図であり、図1(A)は側面を示し、図1(B)は監視カメラから見た正面を示す。
図1(A)に示すように、監視領域16には撮像手段として機能する監視カメラ10が設置され、図1(B)に示す監視領域の状態を撮像して画像を得ている。
監視領域11に置かれた可燃物が何らかの原因で火災が発生する状況となり、火災の初期では、火源18となるごみ入れから、ごく微量の煙24が細い筋となって立ち上っている。また監視領域11の壁面には構造や壁紙などにより、縦方向や横方向に直線的な筋として現れておいる。更に、監視領域11には、テレビ16が配置されており、テレビ16をつけていると、テレビ画面16aには受信している放送番組により動きのある映像が表示されている。
監視カメラ10で撮像した画像は伝送路を介して管理人室などに設置した画像処理装置12に伝送され、画像処理により火源18から立ち上がっている微量の煙24を検知して火災を判断し、火災検知信号を火災報知設備に出力して火災警報を出力するようにしている。
[検出原理]
本発明により微量の煙を検知する原理を説明すると次のようになる。本発明は、図2(A)に示す火源18から立ち上がる微量の煙24を画像処理により検知するが、この場合、初期の煙24は、図2(B)に示すように、半透明かつ円筒状の物体が、揺らぎつつ火源より上方へ伸びて行く煙モデル24aとして考えられる。
この煙モデル24aは、図2(C)の濃度分布に示すように、中心部ほど煙濃度は濃く、周辺では相対的に薄くなるため、監視カメラ10で撮像した画像においては背景に対し煙24の中心が最も透過しない稜線を描くと考えられる。
そこで、画像に対しエッジ強調処理を適用して煙の稜線を抽出し、更に、画像を細かい領域に分割した後に、各々の領域に対してハフ変換を行って直線成分を抽出する。このようにして抽出した煙による直線成分は、時間の経過に伴い揺らぎつつ上方へ伸びて行く。これに対し背景に存在する直線成分は、時間が経過しても変化せず、定常的に存在している。このため抽出した直線成分の時系列での変化を捉えれば、煙による特徴的な時系列的変化を捉えることができる。
以上の結果を基に、所定周期毎に撮像した画像から抽出した各領域の直線成分の方向と累積頻度の時系列変化を求めてみると、煙による特徴的な時系列変化が得られ、火災の初期で細い筋となって立ち上る微量の煙24の検知が可能となる。
[火災の誤判断]
本発明の検出原理に示したように、画像に対しエッジ強調処理を適用して煙の稜線を抽出し、細かい領域に分割した後に、各々の領域に対してハフ変換を行って直線成分を抽出し、抽出した直線成分の煙による特徴的な時系列変化を捉えて火災を判断する場合、例えばテレビ画面16aの映像の処理で得られた直線成分の時系列的変化が煙による特徴的な時系列変化と区別できない場合があり、そのままでは、テレビ画面16aの動きある映像を、火災と誤って判断してしまう可能性がある。本発明にあっては、テレビ画面の映像のように動きのある画像から誤って火災を判断してしまうこと防止する。
[火災検知装置]
(火災検知装置の機能構成)
図3は本発明による火災検知装置の機能構成の概略を示したブロック図である。図3に示すように、火災検知装置は、監視カメラ10と画像処理装置12で構成される。
画像処理装置12は、そのハードウェアとしてCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等で構成され、CPUによるプログラムの実行により実現される機能として、稜線抽出手段として機能する稜線抽出部28、火災判断手段として機能する火災判断部30を備える。
更に、火災判断部30の機能として、直線成分抽出手段として機能する直線成分抽出部32、時系列変化検出手段として機能する時系列変化検出部34、煙候補判断手段として機能する煙候補判断部36及び火災判断手段として機能する火災判断部38を設けている。また、伝送部26は監視カメラ10で撮像した画像データを受信する適宜の伝送インタフェースが使用される。
撮像手段として機能する監視カメラ10は、伝送部26の伝送制御により動画データとして、例えば毎秒30フレームとなる監視領域の画像データを伝送し、画像処理装置12に設けた図示しないメモリに記憶する。
稜線抽出部28は、メモリに記憶したフレーム単位の画像から稜線を抽出して稜線画像を生成する。例えばこの場合、稜線抽出部28は画像に対しエッジ強調処理の1つであるゾーベルフィルタ(Sobel Filter)を適用し、例えば図4に示すように、煙稜線24bの抽出を含む稜線画像20を生成する。なお、稜線抽出部28による稜線抽出処理は、全フレーム画像を対象とせず、処理速度の関係で所定フレーム数を間引きしたフレーム毎に行うようにしても良い。
ゾーベルフィルタは、ある注目画素を中心とした上限左右の9つの画素値に対し、水平方向と垂直方向の2つの係数行列による所定の係数を乗算して総和を求めることで、画像中に存在するある領域の境界(エッジ)を検出可能とする微分処理であり、これを適用して、稜線抽出部28は図4に示すように、火源18から上方に立ち上がる煙の画像から煙の稜線24bを抽出する。また、稜線抽出部28は監視領域11の火源18、背景及びテレビ16についても、同様に、それぞれの稜線を抽出する。
火災判断部30は、稜線抽出部28で抽出した稜線の中から煙による特徴的な所定の稜線を検知して火災を判断するものであり、具体的には、直線成分抽出部32、時系列変化検出部34、煙候補判断部36及び火災判断部38により火災を検知する。
直線成分抽出部32は、稜線抽出部28で抽出し稜線の画像20を図4の点線で示すように、複数の領域、例えば64×64画素の領域に分割し、領域毎に例えばハフ変換(Hough変換)を施して稜線の直線成分を抽出する。ハフ変換は画像中の直線線分を抽出する方法として知られており、画像中のn個の点に対し、ρ―θ平面上ではn個の曲線が得られ、この内、m個の曲線が1点で交わっていれば、このm個の点に対応する画像上のm個の点は同一直線上にあることとなり、これにより直線成分を抽出できる。
時系列変化検出部34は、直線成分抽出部32によるハフ変換で抽出した直線成分の傾きと発生頻度の時系列変化を求める。
図5は、図4の稜線画像20について、説明の都合上、処理対象とする領域を特定して示した説明図であり、火源18の直上の4領域をA1〜A4とし、2箇所の背景となる領域をA5,A6とし、更にテレビ画面16aを含む領域をA7〜A18としている。
図5の稜線画像にあっては、火源18から煙稜線24aが立ち上がって先端が領域A2まで延びている。一方、背景となる領域A5には上下方向に4本が定常的に存在し、また背景となる領域A6には、縦方向に1本、横方向ら6本の稜線が定常的に存在している。また、テレビ画面16aには、受信している放送番組により動きのある映像(図示せず)が映し出されている。
(煙稜線から抽出した直線成分の時系列変化)
図6は図5の火源18の直上となる領域A1について間引きフレームの4周期分となる時刻t1〜t4で抽出した直線成分の時系列変化を示している。時刻t1では、領域A1を通過する煙稜線の直線成分は、領域下辺中央を原点とした二次元座標において、上方をθ1=0°とすると発生頻度は2本となり、右斜め上方をθ2とすると発生頻度は2本となり、左斜め上方をθ3とすると発生頻度は1本となる。このような領域A1を通過する煙稜線の直線成分は、立ち上がる煙の揺らぎに応じ時刻t2〜t4に示すように、その方向と発生頻度が変化する。
図7は図6の領域A1の直線成分の時系列変化を示した説明図であり、直線成分を傾きθと発生頻度の長さを持つベクトルを累積して示している。
図7に示すように、時刻t1で
ベクトルB1は(θ1,2)
ベクトルB2は(θ2,2)
ベクトルB2は(θ3,1)
となり、時刻t2〜t4では、その時系列変化に応じて累積的に増加していく。
図8は図5の火源18の直上となる領域A1の上となる領域A2について、間引きフレームの4周期分となる時刻t1〜t4で抽出した直線成分の時系列変化を示している。領域A2では立ち上がる煙の揺らぎが多くなっており、このため、時刻t1では、領域A2を通過する煙稜線の直線成分は、上方をθ1=0°とすると発生頻度は1本となり、右斜め上方をθ2とすると発生頻度は1本となり、左斜め上方をθ3とすると発生頻度は2本となり、更にθ2より大きい右斜め上方をθ4とすると発生頻度は1本となり、θ3より大きい左斜め上方をθ5とすると発生頻度は1本となる。
このように領域A2を通過する煙稜線の直線成分は、立ち上がる煙の揺らぎに応じ時刻t2〜t4に示すように、その方向と発生頻度が変化する。
図9は図8の領域A2の直線成分の時系列変化を示した説明図であり、直線成分を傾きθと発生頻度の長さを持つベクトルを累積して示している。
図9に示すように、時刻t1で
ベクトルB1は(θ1,1)、
ベクトルB2は(θ2,1)
ベクトルB3は(θ3,2)、
ベクトルB4は(θ4,1)、
ベクトルB5は(θ5,1)
となり、時刻t2〜t4では、その時系列変化に応じて累積的に増加していく。
このように時系列変化検出部34により検知された煙稜線の各領域の直線成分の時系列変化は、図7及び図9の時刻t4に示すように、傾きと発生頻度と異なる累積ベクトルが放射状に複数存在する所謂デイジーパターンとなっており、これが煙による特徴的な時系列変化となる。
(背景稜線から抽出した直線成分の時系列変化)
図10は図5の背景となる領域A5について、間引きフレームの4周期分の時刻t1〜t4で抽出した直線成分の時系列変化を示している。領域A5では背景に上下に4本の直線成分が定常的に存在しており、このため、時刻t1〜t4の全てで、領域A5に存在する直線成分は、上方をθ1=0°とすると発生頻度は4本となる。
図11は図10の領域A5の直線成分の時系列変化を示した説明図であり、直線成分を傾きθと発生頻度の長さを持つベクトルを累積して示している。
図11に示すように、時刻1でベクトルB1は(θ1,1)となり、時刻t2〜t4では、その時系列変化に応じて一定の発生頻度=4により累積的に増加していく。
図12は図5の背景となる領域A6について、間引きフレームの4周期分の時刻t1〜t4で抽出した直線成分の時系列変化を示している。領域A6では背景に、縦方向に1本、横方向に6本の直線成分が定常的に存在しており、領域下辺の中央を原点とした二次元座標において、右側をθ5=+90°、左側をθ6=−90°、左斜め上方をθ7とすると、時刻t1〜t4の全てで、
θ1の発生頻度は1本
θ5の発生頻度は2本
θ6の発生頻度は2本
θ7の発生頻度は2本
となり、傾き及び発生頻度は変化せず、一定である。
図13は図12の領域A6の直線成分の時系列変化を示した説明図であり、直線成分を傾きθと発生頻度の長さを持つベクトルを累積して示している。
図13に示すように、時刻t1で
ベクトルB1は(θ1,1)
ベクトルB5は(θ5,2)
ベクトルB6は(θ6,2)
ベクトルB7は(θ7,2)
となり、時刻t2〜t4では、その時系列変化に応じて一定の発生頻度により累積的に増加していく。
このように時系列変化検出部34により検知された背景稜線の各領域の直線成分の時系列変化は、図11及び図13の時刻t4に示したように、傾きが一定で発生頻度も一定の定常パターンとなり、煙による特徴的な時系列変化を示すデイジーパターンから明確に区別することがでる。
(テレビ画面から抽出した直線成分の時系列変化)
図4のテレビ画面16aには放送番組の映像から抽出した映像稜線画像が生成されており、この映像稜線画像は時系列的に様々に変化する動きのある画像であり、このため図3の時系列変化検出部34による領域A7〜A18の各々についての稜線直線成分の時系列変化は、図7及び図9に示したと同様、傾きと発生頻度の異なる累積ベクトルが放射状に複数存在する所謂デイジーパターンとなっており、煙による特徴的な時系列変化と同様な変化となり、そのままでは区別できない。
[煙領域候補と火災判断]
図3の煙候補判断部36は、時系列変化検出部34で検出した稜線直線成分の時系列変化の中から煙による特徴的な所定の時系列変化を検知した場合に煙候補領域と判断する。例えば煙候補判断部36は、傾きが一定で発生頻度の異なる直線成分の時系列変化を複数検知した場合、所謂デイジーパターンを検知した場合に、煙候補領域と判断し、一方、傾きが一定で発生頻度も一定となる直線成分の時系列変化を検知した場合、所謂定常パターンを検知した場合に、非煙候補領域と判断して除外する。
図3の火災判断部38は、煙候補判断部36で判断した煙候補領域の分布に基づいて火災を判断する。例えば、火災判断部38は、火災初期の段階で多い燻焼燃焼では、ごく微量の煙が立ち上がって行くことから、煙候補領域の所定領域数を越えて上方に延びる分布を検知した場合に火災と判断する。一方、火災判断部38は、テレビ画面の映像から判断された煙候補領域のように、煙候補領域が1又は複数領域内に留まる分布を検知した場合は非火災と判断する。
図14は、図5で特定した領域から所定の間引きフレームの4周期分の時刻t1〜t4で判断した煙候補領域の分布を示した説明図であり、煙候補領域をハッチングで示している。
図14において、煙候補領域A1〜A4は、時間の経過に伴って上方に延びる分布を示しており、これは燻焼燃焼により、ごく微量の煙が立ち上がって行く煙に特有な分布であることから、火災と判断する。この場合、上方に向って伸びる煙候補領域の所定領域数、例えば3領域を超えて4領域となった時刻t4のタイミングで火災と判断する。
一方、煙候補領域A7〜A18はテレビ画面の映像から煙候補領域と判断されており、その分布は、テレビ画面16aのサイズに対応した矩形の範囲内に留まっており、煙のように所定領域数を越えて上方に延びる分布とはならず、火災とは判断しない。
また、図14では領域A7〜A18を全て煙候補領域と判断した場合を例示しているが、動きの少ない番組映像では、領域A7〜A18の中の一部の領域が離散的に煙候補領域と判断され、画面サイズに対応した矩形の範囲内で上方に延びる分布を生ずる場合も想定されるが、所定領域数を越えて上方に延びる分布とはならないことから、火災とは判断されることはない。
図15は、監視領域に人がいる場合の画像処理の領域を特定すると共にその煙候補領域の分布を示した説明図である。図15(A)に示すように、監視領域に配置したソファに人15が座っている場合、この状態で人15の手足などは様々な動きを示し、動いた部分の稜線直線成分の時系列変化から図15(B)にハッチングで示す煙候補領域が判断される。
この場合にも、図14に示したテレビ画面に対応した煙候補領域の場合と同様、その分布は、人15の姿勢に対応した範囲内に留まっており、煙のように所定領域数を越えて上方に延びる分布とはならず、火災と判断することはない。
また、監視領域内を人15が移動する場合については、人15が通過した各領域で例えば図9又は図11の時刻t1に示すようなベクトル長の短いデイジーパターンを一時的に生成するが、通過してしまうと時系列的な累積発生頻度となる累積ベクトルは増加せず、累積発生頻度に対し所定の閾値を設定し、閾値以上の累積発生頻度をもつ領域を煙候補領域と判断することで、人の移動に伴う稜線直線成分の時系列変化から火災を判断することはない。
また、監視領域に人が留まって動きのない場合には、背景稜線と同じ定常パターンの時系列変化となり、火災判断に影響を及ぼすことはない。
[火災検知動作]
図16は図3の画像処理装置による火災検知動作を示したフローチャートである。
図16において、画像処理装置12は、ステップS1(以下「ステップ」は省略)で監視カメラ10により動画画像として例えば30フレーム/秒で撮像した監視領域の画像を取得してメモリに記憶し、S2で稜線検出部28によるゾーベルフィルタの適用により画像から稜線を抽出する。
続いてS3で直線成分抽出部32により稜線の画像を複数の領域に分割し、S4で領域毎にハフ変換を施して稜線の直線成分を抽出した後、S5に進んで時系列変化検出部34により、S3で抽出した直線成分の傾きと発生累積頻度による時系列変化を求め、S4で火災検知部36により直線成分の傾きと発生頻度の時系列変化の中から煙による特徴的な直線成分の傾きと発生累積頻度となる所定の時系列変化、例えばデイジーパターンを検知して煙候補領域を判断する。
続いてS7で煙候補領域の分布から、時間の経過に伴って上方に延びる煙に特有な分布の有無を判断する。その結果としてS8で火災を判断した場合はS9で火災検知信号を火災報知設備に出力して火災警報を出力させる。一方、S8で火災をf判断しなかった場合は、S1に戻り、同様な処理を繰り返す。
〔本発明の変形例〕
(動きのあるもの)
上記の実施形態は、煙以外で煙候補領域と判断される対象としてテレビ画面の映像、一箇所に人が留まっている場合の手足などの動きを例にとるものであったが、これ以外に時計の振り子の動き、ペット動物、エアコンの風量調整の動き、扇風機の首振り動作などの動きのあるもの全てにつき、煙候補領域と判断しても、その分布から火災と誤って判断することを防止可能とする。
(稜線抽出)
上記の実施形態にあっては、画像にゾーベルフィルタを適用して煙の稜線を抽出しているが、プレヴィットフィルタ(Prewitt Filter)等のエッジ強調処理に用いた適宜のフィルタを適用しても良い。
(直線成分抽出)
上記の実施形態にあっては、ハフ変換を適用して煙の稜線を抽出しているが、Line Segment Detector(LSD)等の画像から直線成分を抽出する処理方法を適用しても良い。
(画像処理装置)
上記の実施形態にあっては、監視カメラと画像処理装置を分離配置して伝送路により接続しているが、両者を一体化した装置としても良い。
また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:監視カメラ
12:画像処理装置
14:火災報知設備
16:監視領域
18:火源
20:画像
24:煙
24a:煙モデル
24b:煙稜線
26:伝送部
28:稜線抽出部
30:火災判断部
32:直線成分抽出部
34:時系列変化検出部
36:煙候補判断部
38:火災判断部

Claims (4)

  1. 監視領域の画像を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段で撮像した画像にエッジ強調処理を施して稜線を抽出する稜線抽出手段と、
    前記稜線抽出手段で抽出した稜線の画像を複数の画像領域に分割し、前記画像領域毎に稜線の直線成分を抽出する直線成分抽出手段と、
    前記画像領域毎に、前記直線成分抽出手段で抽出した直線成分の時系列での変化を求める時系列変化検出手段と、
    前記時系列変化検出手段で検出した直線成分の時系列変化の中から煙による特徴的な所定の時系列変化を検知した場合に煙候補領域と判断する煙候補判断手段と、
    を備えたことを特徴とする火災検知装置。
  2. 請求項1記載の火災検知装置に於いて、前記煙候補判断手段は、傾きが一定で発生頻度の異なる直線成分の時系列変化を1又は複数検知した場合に煙候補領域と判断し、傾きが一定で発生頻度も一定となる直線成分の時系列変化を検知した場合に非煙候補領域と判断して除外することを特徴とする火災検知装置。
  3. 撮像手段により監視領域の画像を撮像し、
    前記撮像手段で撮像した監視領域の画像に稜線抽出手段によりエッジ強調処理を施して稜線を抽出し、
    前記稜線抽出手段で抽出した稜線の画像を複数の画像領域に分割し、前記画像領域毎に直線成分抽出手段により稜線の直線成分を抽出し、
    前記画像領域毎に、前記直線成分抽出手段で抽出した直線成分の時系列での変化を時系列変化検出手段により求め、
    前記時系列変化検出手段で検出した直線成分の時系列変化の中から、煙候補判断手段により、煙による特徴的な所定の時系列変化を検知した場合に煙候補領域と判断する、
    ことを特徴とする火災検知方法。
  4. 請求項3記載の火災検知方法に於いて、前記煙候補判断手段は、傾きが一定で発生頻度の異なる直線成分の時系列変化を1又は複数検知した場合に煙候補領域と判断し、傾きが一定で発生頻度も一定となる直線成分の時系列変化を検知した場合に非煙候補領域と判断して除外することを特徴とする火災検知方法。
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