JP6316119B2 - 嫌気性処理方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、嫌気性微生物を利用して処理流体を嫌気的に処理する嫌気性処理方法及び装置に関し、特に、嫌気ガスから嫌気発酵によってアルコール等の有機物質を合成して抽出した後の抽出残流体を嫌気的に処理する嫌気性処理方法及び装置に関する。
特許文献1には、或る種の嫌気性細菌を用いて、産業廃棄物等からエタノール等の有機物質を生成する方法が開示されている。詳しくは、産業廃棄物等の供給原料をガス化装置にて燃焼させて、一酸化炭素及び水素等を含有する嫌気ガスを生成する。この嫌気ガスを発酵槽へ導く。発酵槽には、或る種の嫌気性細菌を培養した液状培地を入れておく。この液状培地に上記嫌気ガスを溶解させる。すると、嫌気性細菌の発酵作用によって、エタノール等が生成される。このエタノール等を蒸留プロセス等によって抽出する。エタノール等以外の抽出残液は、好ましくは発酵槽へ戻す([0085])。
特許文献2では、発酵槽からの流出液を蒸留塔に導入し、エタノールを抽出している。エタノール以外の抽出残液(水)は、還流路によってそのまま発酵槽に戻している(図1)。したがって、水の流通ラインが、閉じた循環系になっている。
特開2014−050406号公報 特開2004−504058号公報
この種の嫌気性発酵では、エタノール等の生成目的の有機物質の他、酢酸等の副生成物も合成される(特許文献1の[0066])。そのため、特許文献2のような閉循環系の場合、系内における上記副生成物の濃度が上昇し、嫌気性細菌の培養に悪影響を及ぼす。また、嫌気性細菌の屍骸等の高分子有機物(バイオマス)も累増してしまう。
一方、ワンスルーで蒸留後の抽出残液を廃棄する場合には、廃棄した分の水を新たに供給しなければならず、必要水量が多大になる。また、環境へ放出可能なレベルまで汚染度を下げるための廃液処理ないしは浄化処理の負荷が過大になる。さらに、抽出残液には上記嫌気性細菌のための栄養分も含まれており、これを抽出残液と一緒に廃棄すると、新たな栄養分を発酵槽に補充しなければならず、無駄が多い。
特許文献2のような閉循環系において、抽出残液を浄化処理したうえで発酵槽へ戻すことが考えられえる。しかし、抽出残液の全部を浄化処理するのは負荷が大きく時間もかかる。また、浄化処理によって栄養分を分解すると、上記ワンスルー方式と同様に、新たな栄養分を発酵槽に補充しなければならない。
上記課題を解決するため、本発明方法は、一酸化炭素及び水素の少なくとも一方を含む嫌気ガスを発酵槽の液状培地に溶け込ませ、前記液状培地中の嫌気性微生物の発酵作用によってアルコール等の有機物質を生成するとともに、前記発酵槽からの流出培地を、前記有機物質の濃度が高い抽出流体と、前記有機物質の濃度が低い抽出残流体とに分離した後、前記抽出残流体を処理する嫌気性処理方法において、
前記抽出残流体のCOD(Chemical Oxygen Demand:化学的酸素要求量)を嫌気処理によって低減する嫌気処理工程と、
前記嫌気処理工程の途中の抽出残流体から一部を分流して還流体として前記発酵槽へ戻す一部還流工程と、
を備えたことを特徴とする。
発酵槽で例えば酢酸などの副生成物が生成されたとしても、嫌気処理工程によって前記副生成物の濃度上昇を抑えることができる。還流体については、嫌気処理工程の途中で取り出すことで、CODがあまり低くならないようにして、栄養分の過剰な処理を抑えることができる。この還流体を発酵槽へ戻すことで液状培地として循環再利用でき、水の補充流量を小さくできる。さらに、残りの抽出残流体については、還流体の分流後も継続して嫌気処理することでCODを十分に小さくでき、その後の好気処理等の後処理ひいては廃棄処理ないしは浄化処理の負荷を低減して処理効率を高めることができる。
前記嫌気処理工程中の抽出残流体のCODが、前記嫌気処理工程前の抽出残流体のCODの0.5倍〜0.99倍になったとき、前記抽出残流体の一部を前記還流体として分流することが好ましい。
前記嫌気処理工程中の抽出残流体のCODが、前記嫌気処理工程前の抽出残流体のCODの0.9倍〜0.97倍になったとき、前記抽出残流体の一部を前記還流体として分流することがより好ましい。
これによって、還流体を過度に嫌気処理するのを確実に防止でき、栄養分の無駄を確実に抑えることができる。
前記還流体の流量を、前記還流体を分流した後の残りの抽出残流体の流量よりも大きくすることが好ましい。
これによって、液状培地の再利用率を高め、水の補充流量を確実に小さくできる。
前記抽出残流体を複数段の嫌気処理槽に順次送り、かつ隣接する所定の2つの嫌気処理槽どうしの間から前記抽出残流体の一部を前記還流体として分流させてもよい。
これによって、抽出残流体のCODを段階的に低下させることができる。かつ、嫌気処理の途中の抽出残流体の一部を還流体として確実に取り出すことができる。各嫌気処理槽において抽出残流体を撹拌してもよい。
前記抽出残流体を、1つの嫌気処理槽内において流入口から終端流出口へ向って一方向流になるように流し、かつ前記嫌気処理槽の前記流入口と前記終端流出口との間の中途流出口から前記抽出残流体の一部を前記還流体として分流させてもよい。
これによって、抽出残流体が嫌気処理槽の流入口から終端流出口へ向かって流れるにしたがって、抽出残流体のCODを漸減できる。かつ、嫌気処理の途中の抽出残流体の一部を還流体として取り出すことができる。
前記還流体を分流した後の残りの抽出残流体を更に嫌気処理した後、好気処理することが好ましい。
これによって、残りの抽出残流体のCODを好気処理に適したレベルまで十分に低下させたうえで好気処理を行なうことができ、好気処理の負荷を低減できる。好気処理によって、抽出残流体のBOD(Biochemical Oxygen Demand:生物化学的酸素要求量)を環境放出可能なレベルまで下げて放出することができる。
好気処理工程として、BODの酸化工程、硝化工程、脱窒工程、脱リン工程、脱硫工程の少なくとも1つを行ってもよい。
前記嫌気処理工程前に、前記抽出残流体を、固体成分が濃縮された固体状抽出残物と、固体成分が希釈された液状抽出残流体とに分離し、前記液状抽出残流体に対して前記嫌気処理工程を行うことが好ましい。
これによって、嫌気処理の効率を高めることができ、嫌気処理工程の所要時間を短縮できる。固体状抽出残物については、別途、処理することができる。
前記固体状抽出残物を酸発酵によって可溶化することが好ましい。
これによって、可溶化物を嫌気処理工程に回送して抽出残流体と共に嫌気処理したり、好気処理等の後処理工程を行って廃棄したりすることができる。
本発明に係る嫌気性処理装置は、一酸化炭素及び水素の少なくとも一方を含む嫌気ガスを溶け込ませた液状培地が収容され、前記液状培地中の嫌気性微生物の発酵作用によってアルコール等の有機物質を生成する発酵槽と、
前記発酵槽からの流出培地を、前記有機物質を濃縮した抽出流体と前記有機物質を希釈した抽出残流体とに分離する抽出部と、
前記抽出残流体のCOD(化学的酸素要求量)を嫌気処理によって低減する嫌気処理部と、
を備え、前記嫌気処理部が、中途に設けられた中途流出口と、終端に設けられた終端流出口とを有し、かつ前記中途流出口が、還流路を介して前記発酵槽に連なっており、
前記中途流出口から流出される還流体のCODが、残りの抽出残流体が前記終端流出口に達したときのCODよりも大きいことを特徴とする。
発酵槽で例えば酢酸などの副生成物が生成されたとしても、嫌気処理部において分解することで、前記副生成部物の濃度上昇を抑えることができる。また、抽出残流体の一部を嫌気処理部の途中で取り出して発酵槽に戻し、液状培地として循環再利用することができる。これによって、水の補充流量を小さくできる。しかも、嫌気処理部の途中から戻すことで、還流体のCODがあまり低くならないようにして、栄養分の無駄を抑えることができる。さらに、残りの抽出残流体については、還流体の分流後も継続して嫌気処理することでCODを十分に小さくでき、その後の好気処理等の後処理の負荷を低減でき、処理効率を高めることができる。
前記嫌気処理部が、直列接続された複数段の嫌気処理槽を有し、これら嫌気処理槽における隣接する2つの嫌気処理槽どうしの間に前記中途流出口が接続され、最終段の嫌気処理槽に前記終端流出口が接続されていてもよい。
これによって、抽出残流体を複数段の嫌気処理槽に順次送りながら嫌気処理を行うことで、CODを段階的に低下させることができる。かつ、隣接する所定の2つの嫌気処理槽どうしの間から抽出残流体の一部を還流体として分流させて発酵槽に戻すことができる。各嫌気処理槽において抽出残流体を撹拌してもよい。
前記嫌気処理部には、流入口から前記終端流出口へ向かう一方向流が形成されており、前記嫌気処理部の前記流入口と前記終端流出口との間に前記中途流出口が設けられていてもよい。
これによって、抽出残流体が嫌気処理部の流入口から終端流出口へ向かって流れるにしたがって、抽出残流体のCODを漸減できる。かつ、嫌気処理の途中の抽出残流体の一部を還流体として取り出すことができる。
前記終端流出口に好気処理部が接続されていることが好ましい。
これによって、前記嫌気処理部において、還流体を分流した後の残りの抽出残流体を更に嫌気処理することで、CODを好気処理に適したレベルまで十分に低下させたうえで、終端流出口から出して好気処理することができる。したがって、好気処理の負荷を低減できる。好気処理によって、抽出残流体のBODを環境放出可能なレベルまで下げて放出することができる。
前記還流体のCODが、前記嫌気処理前の抽出残流体のCODの0.5倍〜0.99倍であることが好ましい。
前記還流体のCODが、前記嫌気処理前の抽出残流体のCODの0.9倍〜0.97倍であることがより好ましい。
これによって、還流体を過度に嫌気処理するのを確実に防止でき、栄養分の無駄を確実に抑えることができる。
前記還流体の流量が、残りの抽出残流体の流量よりも大きいことが好ましい。
これによって、液状培地の再利用率を高め、水の補充流量を確実に小さくできる。
前記抽出部と前記嫌気処理部との間に、前記抽出残流体を、固体成分が濃縮された固体状抽出残物と、固体成分が希釈された液状抽出残流体とに分離する固液分離部が設けられ、前記液状抽出残流体が、前記嫌気処理部に導入されることが好ましい。
これによって、嫌気処理の効率を高めて所要時間を短縮できる。固体状抽出残物については、別途、処理することができる。
前記固体状抽出残物を酸発酵によって可溶化させる酸発酵部が設けられていることが好ましい。
これによって、可溶化物を嫌気処理部に送って抽出残流体と共に嫌気処理したり、好気処理等の後処理を施して廃棄したりすることができる。
本発明によれば、発酵槽で例えば酢酸などの副生成物が発生したとしても、その濃度上昇を抑えることができる。また、還流体を過度に嫌気処理するのを防止して、栄養分の無駄を抑えることができるとともに、水の補充流量を少なくできる。さらには、その後の好気処理等の後処理(廃棄処理ないしは浄化処理)の負荷を低減して処理効率を高めることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る嫌気性処理装置を含む廃棄物処理システムの回路図である。 図2は、本発明の第2実施形態に係る嫌気性処理装置を含む廃棄物処理システムの回路図である。 図3は、本発明の第3実施形態に係る嫌気性処理装置を含む廃棄物処理システムの回路図である。 図4は、本発明の第4実施形態に係る嫌気性処理装置を含む廃棄物処理システムの回路図である。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の第1実施形態を示したものである。嫌気性処理装置1は、廃棄物2の処理システムに組み込まれている。廃棄物処理システムでは、溶融炉11において廃棄物2を燃やして低分子レベルまで分解し、一酸化炭素(CO)を含有する嫌気ガス3を生成する。嫌気性処理装置1において、この嫌気ガス3を液状培地4に溶解させるとともに、有機物質生成嫌気性微生物5の嫌気的発酵作用によってエタノール(COH)、その他の有機物質を生成して、これを抽出する。
以下、詳述する。
嫌気性処理装置1は、ガスライン10と、液状体ライン20とを含む。溶融炉11からガスライン10が延びている。溶融炉11は、嫌気ガス3の供給部となる。ガスライン10上に、脱酸素部12と、圧送ポンプ13とが順次設けられている。脱酸素部12には、例えばFe、Ni、Cr、Co、Cu等の遷移金属からなる触媒12aが設けられている。
液状体ライン20上には、発酵槽21と、抽出部22と、嫌気処理部30と、好気処理部50とが順次設けられている。ガスライン10の下流端が、発酵槽21の底部に接続されている。発酵槽21には、液状培地4が収容されている。液状培地4の大部分は水(HO)であり、これにビタミンやリン酸等の栄養分が分散又は溶解されている。この液状培地4中で有機物質生成嫌気性微生物5が培養されている。有機物質生成嫌気性微生物5としては、例えば特許文献1、2等に開示された嫌気性細菌を用いることができる。この有機物質生成嫌気性微生物5が、嫌気的な発酵作用によってCO及びH等からエタノールを合成する。ブタノール等の他のアルコールや他の有機物質を合成することもある(特許文献1、2等参照)。
発酵槽21の液出口21bに抽出部22が接続されている。抽出部22は、例えば蒸留塔にて構成され、上下に延びている。抽出部22には、頂部出口22aと、底部出口22bとが設けられている。頂部出口22aは、抽出流体7aの出口となる。抽出流体7aは、上記発酵槽21にて生成されたエタノール等のアルコールを高濃度に含む。抽出部22図示は省略するが、頂部出口22aには、脱水処理部などが設けられている。抽出及び脱水等を経た抽出流体7aのエタノール等のアルコール濃度は、例えば92wt%〜99.9wt%程度である。
なお、抽出部22は、複数の蒸留塔を含んでいてもよい。これら複数の蒸留塔が直接又は並列に接続されていてもよい。抽出部22が、もろみ塔、単蒸留部、精留部などを含んでいてもよい。
底部出口22bは、抽出残流体7bの出口となる。抽出残流体7bは、大部分が水であり、これに上記の栄養分や、有機物質生成嫌気性微生物5の生体又は屍骸等の高分子有機物(バイオマス)や、抽出しきれなかった低濃度ないしは微量濃度のエタノールや副生成物の酢酸等が含まれている。底部出口22bに嫌気処理部30が接続されている。
嫌気処理部30には、抽出部22から抽出残流体7bが導入されて収容されている。この抽出残流体7b中で抽出残処理用嫌気性微生物6が培養されている。嫌気性微生物6としては、酸発酵菌やメタン発酵菌が挙げられる。これら菌の発酵作用によって抽出残流体7b中の有機物が分解され、抽出残流体7bのCOD(化学的酸素必要量)が低減される。
嫌気処理部30には、2つの流出口35,36が設けられている。中途流出口35は、嫌気処理部30の処理進展方向の中途に設けられている。この中途流出口35から抽出残流体7bの一部が還流体7cとして流出される。終端流出口36は、嫌気処理部30の処理進展方向の終端に設けられている。この終端流出口36から抽出残流体7bの残部7dが流出して排出流体7eとなる。
具体的に第1実施形態では、嫌気処理部30が、複数段(ここでは2段)の嫌気処理槽31,32にて構成されている。これら嫌気処理槽31,32が連絡路33を介して直列接続されている。抽出残流体7bが、嫌気処理槽31,32に順次導入される。各嫌気処理槽31,32の抽出残流体7b中で嫌気性微生物6が培養され、嫌気発酵が行われている。嫌気処理槽31,32の大きさは、ほぼ等しいが、互いに異なっていてもよい。
各嫌気処理槽31,32には、攪拌機構31f,32fが設けられている。撹拌機構31fによって前段の嫌気処理槽31内の抽出残流体7bが撹拌されている。したがって、嫌気処理槽31内のCOD分布や嫌気性微生物6の分散濃度は、嫌気処理槽31の全域にわたってほぼ一様になっている。同様に、撹拌機構32fによって後段の嫌気処理槽32内の抽出残流体7bが撹拌されることで、嫌気処理槽32内のCOD分布や嫌気性微生物6の分散濃度が嫌気処理槽32の全域にわたってほぼ一様になっている。撹拌機構31f,32fは、撹拌スクリューでもよく、撹拌ポンプでもよい。
連絡路33から還流路40が分岐されている。還流路40には、還流ポンプ37が設けられている。
連絡路33における還流路40の分岐部よりも後段の嫌気処理槽32側の部分には、送流ポンプ38が設けられている。
還流路40上に中途流出口35が設けられている。中途流出口35は、それより連絡路33側の還流路40を介して、隣接する2つの嫌気処理槽31,32どうしの間に接続されている。なお、中途流出口35が、連絡路33と還流路40の分岐部に配置されていてもよい。
還流路40は、発酵槽21へ延びている。これによって、中途流出口35が、還流路40を介して発酵槽21に連なっている。還流路40の中途部には、補充部41が接続されている。補充部41は、水(HO)を、還流路40を介して発酵槽21に補充(供給)する。さらに、補充部41は、この水と一緒に、有機物質生成嫌気性微生物5用の栄養分(ビタミン、リン酸等)をも還流路40を介して発酵槽21に補充(供給)する。
補充部41と還流路40との間には、脱酸素部42が設けられている。脱酸素部42は、窒素(N)の曝気部を有している。
後段(最終段)の嫌気処理槽32の出口は、終端流出口36を構成している。つまり、嫌気処理槽32に終端流出口36が接続されている。終端流出口36には、好気処理部50が連なっている。好気処理部50は、好気処理槽51と、曝気機構52を含む。好気処理槽51には、好気性細菌が培養されている。曝気機構52は、空気又は酸素(O)を好気処理槽51中に曝気する。
上記の廃棄物処理システムひいては嫌気性処理装置1による嫌気性処理方法を説明する。
<廃棄物燃焼〜ガス生成工程>
溶融炉11に廃棄物2を投入する。廃棄物2は、例えば有機系の産業廃棄物である。また、好ましくはほぼ100%の酸素を溶融炉11に供給する。そして、廃棄物2を例えば2000℃程度に高温加熱して燃焼させる。これによって、廃棄物2の構成分子のほとんどがガス化され、嫌気ガス3が生成される。嫌気ガス3は、COの他,H、CO等を含有する。
廃棄物2の燃焼で生じた固形成分(スラグ)は溶融炉11から別途、排出される。
<ガス脱酸素工程>
嫌気ガス3を脱酸素部12に通す。このとき、嫌気ガス3中にOが含まれていた場合、Fe、Ni、Cr、Co、Cu等の遷移金属を触媒として、嫌気ガス3中のCOやHとOとが反応して、COやHOが生成される。これによって、嫌気ガス3からOが除かれる。
<ガス供給工程>
脱酸素後の嫌気ガス3を、圧送ポンプ13にて圧縮して、発酵槽21に圧送する。この嫌気ガス3が、発酵槽21の液状培地4内に勢い良くバブリングされて溶け込む。
<発酵工程>
これによって、液状培地4中の有機物質生成嫌気性微生物5の発酵作用によって、嫌気ガス3のCO及びH等からエタノール等のアルコール(有機物質)が生成される。また、COや酢酸(CHCOOH)等の副生成物も生成される。
上述したガス脱酸素工程によって嫌気ガス中のOを除去しておくことで、嫌気性微生物5にダメージを与えるのを防止できる。
上記のCOや、未使用のCO、H等の気体成分は、発酵槽21のガス出口から放出される。これら気体成分は、溶融炉11に戻してもよく、空気と一緒に燃焼させて蒸留などの熱源として利用してもよい。
発酵槽21の液出口21bからは、液状培地4の一部4eが、一定の流量で連続的に流出される。この流出培地4eが抽出部22へ送られる。
<抽出(蒸留)工程>
抽出部22においては、流出培地4eが蒸留されてエタノールが抽出される。つまり、流出培地4eが、エタノールを高濃度に含む抽出流体7aと、エタノール濃度が低い抽出残流体7bとに分離される。抽出流体7aは、頂部出口22aから流出され、低沸点物質除去や脱水工程などの精製処理等を経て、溶剤や化学品原料、燃料用などの種々の利用に供することができる。
抽出残流体7bは、底部出口22bから嫌気処理部30へ導かれる。
<嫌気処理工程>
嫌気処理部30においては、抽出残処理用嫌気性微生物6の嫌気発酵によって抽出残流体7bが嫌気処理される。嫌気発酵は、酸発酵とメタン発酵を含む。酸発酵菌による酸発酵によって、抽出残流体7b中の嫌気性微生物5の屍骸等の高分子有機物(バイオマス)を、酢酸などの低分子酸性有機物に分解又は可溶化できる。更に、メタン発酵菌によるメタン発酵によって、酢酸などの低分子酸性有機物(上記発酵工程における副生成物の酢酸を含む)をメタン(CH)及び二酸化炭素(CO)に分解できる。これによって、嫌気処理が進むにしたがって、抽出残流体7bのCOD(Chemical Oxygen Demand:化学的酸素要求量)を漸次低減できる。
嫌気処理工程で生じた気体成分(CH,CO等)は、各嫌気処理槽31,32の気体出口から排出される。
<分流工程(一部還流工程)>
抽出残流体7bは、複数段の嫌気処理槽31,32によって順次嫌気処理されるとともに、この嫌気処理工程の途中の嫌気処理槽31から嫌気処理槽32へ移行される際に、一部が還流体7cとして分流される。
詳しくは、抽出残流体7bは、先ず前段(第1段)の嫌気処理槽31に導入され、嫌気処理槽31内において撹拌されながら嫌気処理された後、連絡路33へ導出される。そして、連絡路33において、還流体7cと、残りの抽出残流体7dとに分流される。還流体7cは、還流路40へ流れ、発酵槽21へ送られる。残りの抽出残流体7dは、後段の嫌気処理槽32へ流れ、嫌気処理槽32において撹拌されながら更に嫌気処理された後、終端流出口36から出されて排出流体7eとなる。
還流体7cのCODは、嫌気処理部30による嫌気処理前の抽出残流体7bのCODよりも小さく、かつ残りの抽出残流体7dが終端流出口36に達したときのCOD(好気処理部50による処理前の排出流体7eのCOD)よりも大きい。また、還流体7cの流量は、抽出残流体7bの全体流量(嫌気処理部30への導入流量)よりも小さく、かつ残りの抽出残流体7dの流量よりも大きい。
なお、嫌気処理前の抽出残流体7bのCODは、流出培地4eにおけるアルコール分を差し引いたCODとほぼ等しい。
好ましくは、嫌気処理中の抽出残流体7bのCODが、嫌気処理前の抽出残流体7bよりも少しだけ小さくなった時点で、抽出残流体7bの一部を分流して還流体7cとする。言い換えると、嫌気処理中の抽出残流体7bのCODが、終端流出口36での排出流体7eのCODよりも十分に大きい時点で、抽出残流体7bの一部を還流体7cとして分流する。
好ましくは、嫌気処理中の抽出残流体7bのCODが、嫌気処理前の抽出残流体7bのCODの0.5倍〜0.99倍になったとき、還流体7cを分流する。
より好ましくは、嫌気処理中の抽出残流体7bのCODが、嫌気処理前の抽出残流体7bのCODの0.9倍〜0.97倍になったとき、還流体7cを分流する。
これによって、嫌気処理槽31において抽出残流体7bを過度に嫌気処理するのを防止でき、還流体7c内に有機物質生成嫌気性微生物5用の栄養分を未分解で残すことができる。
好ましくは、還流体7cの流量が、抽出残流体7bの全体流量よりも少しだけ小さく、かつ残りの抽出残流体7dの流量よりも十分に大きくなるように設定する。これによって、発酵槽21への戻り流量を確保できるとともに、排出流体7eの流量を低減して、後処理(好気処理)の負荷を軽減できる。
好ましくは、嫌気処理槽31内における抽出残流体7bの滞留時間を短くし、嫌気処理槽32内における残りの抽出残流体7dの滞留時間を長くする。これによって、還流体7cが過度に嫌気処理されるのを確実に回避できるとともに、残りの抽出残流体7dについては十分に時間をかけて嫌気処理することによって、抽出残流体7dのCODを十分に低減でき、後処理(好気処理)の負荷を確実に軽減できる。
例えば、嫌気処理前(嫌気処理部30へ導入前)の抽出残流体7bのCODが30000mg/L程度とすると、還流体7cのCODは27000mg/L〜29000mg/L程度になるようにする。これによって、還流体7cが過度に嫌気処理されるのを回避でき、栄養分を殆ど未分解で残留させることができる。
また、残りの抽出残流体7dのCODは最終的に3000mg/L程度になるようにする。これによって、排出流体7eのCODを後述する好気処理に適したレベルまで下げることができる。
なお、本発明が、上記の数値範囲に限定されるものではない。
還流体7c及び抽出残流体7dの各流量ひいては流量比(連絡路33から還流路40への分流比)は、還流ポンプ37及び送流ポンプ38の出力によって調節できる。更には、前段の嫌気処理槽31における抽出残流体7bの滞留時間及び後段の嫌気処理槽32における残りの抽出残流体7dの滞留時間や、還流体7cのCOD及び残りの抽出残流体7dの最終的なCODについても、還流ポンプ37及び送流ポンプ38の出力によって調節できる。
なお、上記の流量調節は、流量制御弁によって行ってもよい。
<補充工程>
還流体7cは、還流路40によって発酵槽21へ送られる。
この途中で、補充部41から水及び栄養分(ビタミン、リン酸等)が、脱酸素部42を経て、還流体7cへ供給される。これによって、液状体ライン20に水を補充できるとともに、有機物質生成嫌気性微生物5のための栄養分(ビタミン、リン酸等)を補充できる。脱酸素部42においては、上記栄養分を含む水に窒素が曝気されることによって、水中の溶存酸素が、窒素に移り、窒素と一緒に排気される。
補充部41からの水の補充流量は、抽出残流体7dひいては排出流体7eの流量とほぼ対応する。これによって、排出流体7eが外部に放出されても、液状体ライン20全体の水量を一定に保つことができる。抽出残流体7dは還流体7cに比べて十分に少量であるから、補充部41における水の補充流量を十分に小さくできる。また、還流体7cは、栄養分があまり分解されていない段階で嫌気処理部30から取り出されたものであるから、補充部41における栄養分の所要補充量は少なくて済む。
<還流工程>
その後、還流体7cは、発酵槽21に戻され、液状培地4となる。これによって、液状培地4を循環再利用できる。
上述したように、嫌気処理槽31における嫌気処理によって、酢酸などの副生成物の増加を防止できるから、発酵槽21におけるエタノール等のアルコールの合成効率を維持できる。また、脱酸素部42において補充水から酸素を除去しておくことによって、液状培地4中の有機物質生成嫌気性微生物5に与えるダメージを低減できる。
<好気処理工程(後処理工程)>
終端流出口36から出た排出流体7eは、好気処理部50へ送られる。好気処理部50においては、排出流体7eを、好気処理槽51に導入するとともに、曝気機構52によって空気または酸素を曝気して好気発酵を起こさせる。この好気処理によって、排出流体7e中の有機物を酸化分解でき、排出流体7eのBOD(Biochemical Oxygen Demand:生物化学的酸素要求量)を低減できる。更に必要に応じて、周知の方法により、排出流体7eの硝化工程、脱窒工程、脱リン工程、脱硫工程等を行ってもよい。硝化工程においては、硝化菌を用いてもよい。脱窒工程においては、脱窒菌を用いてもよい。脱リン工程においては、脱リン菌を用いてもよい。脱硫工程においては、脱硫菌を用いてもよい。上述したように、嫌気処理槽32における嫌気処理によって排出流体7eのCODひいてはBODを好気処理可能な大きさまで低減しておくことによって、好気処理ひいては廃棄処理ないしは浄化処理の負荷を低減でき、処理効率を高めることができる。
<放出工程>
これによって、排出流体7eのBODを規制レベルまで十分に下げることができ、排出流体7eを浄化して河川や下水等の環境に放出して廃棄できる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において、既述の実施形態と重複する内容に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
図2は、本発明の第2実施形態を示したものである。第2実施形態では、抽出部22の底部出口22bと嫌気処理部30とを結ぶライン20aから戻し路20bが分岐されている。戻し路20bは、発酵槽21に連なっている。
したがって、抽出部22からの抽出残流体7bの一部分が、戻し路20bから直接、発酵槽21に戻される。抽出残流体7bの残部が、嫌気処理部30へ送られて嫌気処理される。これによって、エタノール(生成目的の有機物質)が抽出残流体7bに残留していた場合、その一部分を発酵槽21を経由して再び抽出部22へ戻し、再び抽出工程にかけることができる。したがって、嫌気処理部30及び好気処理部50を経て分解ないしは廃棄されるエタノールの流量を低減することができる。逆に言うと、抽出部22におけるエタノールの抽出効率が高くなくても、無駄に捨てられるエタノール量を低減することができる。
また、嫌気処理部30へ送られる抽出残流体7bの流量が減るため、嫌気処理部30の負担を軽減できる。
図3は、本発明の第3実施形態を示したものである。第3実施形態では、嫌気処理部30Xが、上向流式嫌気性汚泥床(USAB: Upflow Anaerobic Sludge Blanket)にて構成されている。嫌気処理部30Xには、抽出残処理用嫌気性微生物6が凝集したグラニュール6Xが底部から頂部近くまで充填されている。
また、嫌気処理部30Xの底部には、流入口34が設けられている。嫌気処理部30Xの頂部には、終端流出口36が設けられている。嫌気処理部30Xの高さ方向の途中(流入口34と終端流出口36との間)には、中途流出口35が設けられている。中途流出口35から還流路40が延びている。
嫌気処理部30Xには攪拌機構は設けられていない。
抽出部22からの抽出残流体7bは、流入口34から嫌気処理部30Xの底部に導入され、グラニュール6Xの抽出残処理用嫌気性微生物6と接触する。これによって、抽出残流体7b中の有機物が嫌気的に分解されていく。抽出残流体7bは、グラニュール6X内を流入口34から終端流出口36へ向かって上昇する。したがって、グラニュール6X内に上向きの一方向流が形成される。流れる間に嫌気発酵が進む。したがって、嫌気処理部30Xにおけるより高い位置ほど、抽出残流体7bのCODが小さくなる。
抽出残流体7bの一部は、上昇の途中で中途流出口35から流出して、還流体7cとなる。この還流体7cが還流路40を経て発酵槽21に戻される点は、第1実施形態と同様である。また、好ましくは、第1実施形態と同様に、還流体7cの流量を残りの抽出残流体7dの流量よりも大きくする。したがって、嫌気処理部30X内の流入口34から中途流出口35までの抽出残流体7bの流速は大きく、中途流出口35よりも上側の抽出残流体7dの流速は小さい。
残りの抽出残流体7dは、更に嫌気処理されながら嫌気処理部30Xの頂部まで上昇する。そして、終端流出口36から流出して、排出流体7eとなる。したがって、排出流体7eのCODを十分に小さくしたうえで、好気処理部50へ導入して効率的に好気処理できる。
図4は、本発明の第4実施形態を示したものである。第4実施形態の嫌気性処理装置1は、固液分離部60と、酸発酵部63(可溶化部)とを更に備えている。固液分離部60及び酸発酵部63は、液状体ライン20における抽出部22と嫌気処理部30との間に介在されている。したがって、抽出部22から出た抽出残流体7bは、固液分離部60に導入される。
固液分離部60は、沈殿槽やフィルタを有している。この固液分離部60において、抽出残流体7bが、固体状抽出残物7fと、液状抽出残流体7gとに分離される。固体状抽出残物7fは、抽出残流体7bの固体成分(有機物質生成嫌気性微生物5の屍骸等)を濃縮したものである。液状抽出残流体7gは、抽出残流体7bの固体成分が希釈され、液状になっている。
固液分離部60の液状抽出残流体7g側の出口が、嫌気処理部30に接続されている。これによって、液状抽出残流体7gが、嫌気処理部30に導入されて嫌気処理される。液状抽出残流体7gには、固体成分がほとんど含まれていないから、嫌気処理の所要時間を短縮できる。特に、還流体7cを分流した後の残りの抽出残流体7dの処理時間を短縮でき、嫌気処理の負荷を軽減できる。
固液分離部60の固体状抽出残物7f側の出口は、酸発酵部63に接続されている。酸発酵部63には、酸発酵菌8が培養されている。酸発酵菌8は、固体状抽出残物7fを酸発酵によって嫌気的に分解して可溶化する。したがって、有機物質生成嫌気性微生物5の屍骸(バイオマス)を液状にすることができる。
可溶化物は、液状抽出残流体7gと共に嫌気処理部30へ導入してもよい。或いは、好気処理を行ったうえで廃棄してもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、嫌気ガス3は、CO及びHのうち少なくとも一方を含んでいればよい。ただし、嫌気ガス3がHを含みCOを含まない場合は、CO等の他の炭素源が必要になる。
生成目的の有機物質は、エタノール、ブタノール等のアルコールに限られず、酢酸などの他の有機化合物であってもよい。
流体4,7a〜7e,7gは、流動可能であればよく、固形分を含んでいてもよい。
第1実施形態の変形例として、3つ以上の嫌気処理槽が、カスケード接続されていてもよい。これら3つ以上の嫌気処理槽のうち、隣接する所定の2つの嫌気処理槽どうしの間に中途流出口35及び還流路40が設けられることで、これら所定の2つの嫌気処理槽どうし間から還流体7cが分流されるようにしてもよい。
第1実施形態(図1)において、還流路40が、連絡路33から分岐されるのではなく、嫌気処理槽31における連絡路33の接続部の近傍から直接延び出ていてもよい。この還流路40の嫌気処理槽31との接続部が、中途流出口35を構成していてもよい。
複数の実施形態を互いに組み合わせてもよい。例えば、第3実施形態(図3)及び第4実施形態(図4)においても、第2実施形態(図2)と同様に、抽出部22の底部出口22bと嫌気処理部30とを結ぶライン20aから戻し路20bを分岐させて、この戻し路20bを発酵槽21に接続してもよい。
また、第4実施形態(図4)の嫌気処理部30は、第1実施形態(図1)と同様に撹拌式の多段嫌気処理槽31,32になっているが、第3実施形態(図3)のような一方向流嫌気処理槽30Xにて構成してもよい。
本発明は、例えば産業廃棄物の焼却処理で生じる一酸化炭素からエタノールを合成するエタノール生成システムの水処理装置に適用できる。
1 嫌気性処理装置
3 嫌気ガス
4 液状培地
4e 流出培地
5 有機物質生成嫌気性微生物
6 抽出残処理用嫌気性微生物
7a 抽出流体
7b 抽出残流体
7c 還流体
7d 残りの抽出残流体
21 発酵槽
22 抽出部
30 嫌気処理部
30X 嫌気処理部
31,32 嫌気処理槽
34 流入口
35 中途流出口
36 終端流出口
40 還流路
41 補充部
42 脱酸素部
50 好気処理部
60 固液分離部
63 酸発酵部

Claims (18)

  1. 一酸化炭素及び水素の少なくとも一方を含む嫌気ガスを発酵槽の液状培地に溶け込ませ、前記液状培地中の嫌気性微生物の発酵作用によって有機物質を生成するとともに、前記発酵槽からの流出培地を、前記有機物質の濃度が高い抽出流体と、前記有機物質の濃度が低い抽出残流体とに分離した後、前記抽出残流体を処理する嫌気性処理方法において、
    前記抽出残流体のCOD(化学的酸素要求量)を嫌気処理によって低減する嫌気処理工程と、
    前記嫌気処理工程の途中の抽出残流体から一部を分流して還流体として前記発酵槽へ戻す一部還流工程と、
    を備え、前記有機物質がアルコールであることを特徴とする嫌気性処理方法。
  2. 前記嫌気処理工程中の抽出残流体のCODが、前記嫌気処理工程前の抽出残流体のCODの0.5倍〜0.99倍になったとき、前記抽出残流体の一部を前記還流体として分流することを特徴とする請求項1に記載の嫌気性処理方法。
  3. 前記嫌気処理工程中の抽出残流体のCODが、前記嫌気処理工程前の抽出残流体のCODの0.9倍〜0.97倍になったとき、前記抽出残流体の一部を前記還流体として分流することを特徴とする請求項1又は2に記載の嫌気性処理方法。
  4. 前記還流体の流量を、前記還流体を分流した後の残りの抽出残流体の流量よりも大きくすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の嫌気性処理方法。
  5. 前記抽出残流体を複数段の嫌気処理槽に順次送り、かつ隣接する所定の2つの嫌気処理槽どうしの間から前記抽出残流体の一部を前記還流体として分流させることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の嫌気性処理方法。
  6. 前記抽出残流体を、1つの嫌気処理槽内において流入口から終端流出口へ向って一方向流になるように流し、かつ前記嫌気処理槽の前記流入口と前記終端流出口との間の中途流出口から前記抽出残流体の一部を前記還流体として分流させることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の嫌気性処理方法。
  7. 前記還流体を分流した後の残りの抽出残流体を更に嫌気処理した後、好気処理することを特徴とする請求1〜6の何れか1項に記載の排気性処理方法。
  8. 前記嫌気処理工程前に、前記抽出残流体を、固体成分が濃縮された固体状抽出残物と、固体成分が希釈された液状抽出残流体とに分離し、前記液状抽出残流体に対して前記嫌気処理工程を行うことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の嫌気性処理方法。
  9. 前記固体状抽出残物を酸発酵によって可溶化することを特徴とする請求項8に記載の嫌気性処理方法。
  10. 一酸化炭素及び水素の少なくとも一方を含む嫌気ガスを溶け込ませた液状培地が収容され、前記液状培地中の嫌気性微生物の発酵作用によって有機物質を生成する発酵槽と、
    前記発酵槽からの流出培地を、前記有機物質の濃度が高い抽出流体と、前記有機物質の濃度が低い抽出残流体とに分離する抽出部と、
    前記抽出残流体のCOD(化学的酸素要求量)を嫌気処理によって低減する嫌気処理部と、
    を備え、前記嫌気処理部が、中途に設けられた中途流出口と、終端に設けられた終端流出口とを有し、かつ前記中途流出口が、還流路を介して前記発酵槽に連なっており、
    前記中途流出口から流出される還流体のCODが、残りの抽出残流体が前記終端流出口に達したときのCODよりも大きく、前記有機物質がアルコールであることを特徴とする嫌気性処理装置。
  11. 前記嫌気処理部が、直列接続された複数段の嫌気処理槽を有し、これら嫌気処理槽における隣接する2つの嫌気処理槽どうしの間に前記中途流出口が接続され、最終段の嫌気処理槽に前記終端流出口が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の嫌気性処理装置。
  12. 前記嫌気処理部には、流入口から前記終端流出口へ向かう一方向流が形成されており、前記嫌気処理部の前記流入口と前記終端流出口との間に前記中途流出口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の嫌気性処理装置。
  13. 前記終端流出口に好気処理部が接続されていることを特徴とする請求項1〜1の何れか1項に記載の嫌気性処理装置。
  14. 前記還流体のCODが、前記嫌気処理前の抽出残流体のCODの0.5倍〜0.99倍であることを特徴とする請求項1〜1の何れか1項に記載の嫌気性処理装置。
  15. 前記還流体のCODが、前記嫌気処理前の抽出残流体のCODの0.9倍〜0.97倍であることを特徴とする請求項1〜1の何れか1項に記載の嫌気性処理装置。
  16. 前記還流体の流量が、残りの抽出残流体の流量よりも大きいことを特徴とする請求項1〜1の何れか1項に記載の嫌気性処理装置。
  17. 前記抽出部と前記嫌気処理部との間に、前記抽出残流体を、固体成分が濃縮された固体状抽出残物と、固体成分が希釈された液状抽出残流体とに分離する固液分離部が設けられ、前記液状抽出残流体が、前記嫌気処理部に導入されることを特徴とする請求項1〜1の何れか1項に記載の嫌気性処理装置。
  18. 前記固体状抽出残物を酸発酵によって可溶化させる酸発酵部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の嫌気性処理装置。
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