JP6316078B2 - 患者位置決めシステム、および位置ずれ量算出方法 - Google Patents

患者位置決めシステム、および位置ずれ量算出方法 Download PDF

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Description

本発明は、放射線や粒子線などを患者の病巣部に照射して治療を行う放射線治療における、好適な患者位置決めシステムに関する。
放射線治療では、始めに、X線のCT(Computed Tomography)装置を用いて患者の病巣部を撮影した治療計画用3次元CTデータを取得し、このCTデータの診断結果に基づいて治療計画を立てる。このとき3次元CTデータに基づいて腫瘍患部の位置や形状を特定し、放射線を照射する方向や照射線量などを決める。次に、決定した治療計画に基づいて放射線治療を行うことになる。しかし、CT撮影時から放射線治療までの間にかなりの時間が経過していると、治療時における治療台の患者の位置や***が治療計画作成時の患者の位置や***と異なっていることが多い。そのため放射線治療を行う前に、現在の患者位置と治療計画時の患者位置のずれを補正する必要がある。
このずれの補正量を算出するために、従来より、治療時においても治療台の患者の3次元CTデータを取得し、この治療時CTデータと、治療計画時CTデータとを比較して、画像処理を施すことによってずれ量を算出することが行われている。(例えば特許文献1参照)。また、特許文献2には、治療時には位置決め用にX線透視像を取得し、治療計画時CTデータとこのX線透視像の重ね合せを行う際に、コンピュータ上でCTデータに対する仮想的透視投影により2次元DRRを得て、X線透視像との一致度評価関数値が最大になるように透視投影パラメータを最適化して治療計画時とのずれ量を計算することが開示されている。治療時には、治療放射線が患部の適切な位置を照射するように、算出したずれ量に基づいて治療台の3次元位置と姿勢を調整する。
国際公開第2010/143400号 特開2013−99431号公報 特開2011−200542号公報
内田伸江、「放射線治療における計画用MRI画像の歪みの影響の研究」、島根大学医学部付属病院・医学教育研究成果報告書、No.28、2009. 土橋俊男、「腹部MRI・MRAのアーチファクト─発生原因と対策─」、放射線医学雑誌「アールティ」、エーザイ(株)発行、No.5、2001. Jezzard, "The Physical Basis of Spatial Distortions in Magnetic Resonance Images", Academic Press, pp499-514, 2008. Baldwin et al., "Characterization, prediction, and correction of geometric distortion in 3 T MR images", Medical Physics, Vol.34, No.2, pp.388-399, 2007. Belongie et al., "Matching Shapes", International Conference on Computer Vision, Vol.1, pp.454-461, July, 2001. H. Abdi, "A Neural Network Primer", Journal of Biological Systems, Vol.2(3), pp247-283, 1994.
放射線治療の中で粒子線治療は、数十回に分けて粒子線の照射を実施して治療する方法である。このため、照射の度に治療計画時と照射時のターゲット(腫瘍)の3次元的位置と姿勢のずれを算出し、患者が載った治療台を制御する位置決めを行う必要がある。ここで、治療計画はX線のCTデータを用いて行われることが一般的になっている。したがって、治療計画時にCTデータを取得することが必須であり、治療計画に用いたCTデータが治療時の基準データとなる。従来は、特許文献1〜3に記載されているように、治療時に患者を位置決めする際に用いる基準データも、治療計画に用いたCTデータを用いることが一般的であり、治療時にも治療台に載った患者のCTデータ、あるいはX線2次元透視画像を取得して、基準となる治療計画に用いたCTデータとのずれを評価して患者の位置決めを行うことが行われている。
しかしながら、上記のように、粒子線の照射を数十回に分けて行うため、従来行われている位置決め方法では、患者はその都度、位置決めのためにX線を被曝することになり、治療全体では無視できないX線被曝量となるという問題があった。
X線CTなどのX線に代わるもう一つの画像センシング手段としてMRIがあり、位置決めにMRIを導入すれば被曝量を低減できる。しかし、治療計画は三次元データを構成する各ボクセルデータが生体組織の特性を反映しているため、必ずCTデータに基づいて治療計画を行う必要があり、上記のように位置決めの基準となるデータもCTデータとすることが一般的である。また、CTデータと異なりMRIデータには歪みが伴うこともあって、粒子線治療における位置決めの画像センシング手段にMRIが導入されているケースはこれまでなかった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、MRIデータに歪みがあっても、治療時にMRIデータのみの取得により患者の位置決めができ、患者のX線被曝を低減できる患者位置決めシステムを提供することを目的とする。
本発明の患者位置決めシステムは、治療計画時にCT装置により患者の患部を撮像して計画時CTデータを取得するCTデータ取得部と、治療計画時にMRI装置により患者の患部を撮像して計画時MRIデータを取得する計画時MRI画像取得部と、計画時MRIデータの歪みを学習して歪み情報を得るとともに、計画時MRIデータを歪み情報を用いて補正して参照用MRIデータを求める歪み学習部と、治療時にMRI装置により治療台に載った患者の患部を撮像して治療時MRIデータを取得する治療時MRIデータ取得部と、治療時MRIデータを、歪み情報を用いて補正し、治療時補正MRIデータを求める歪み補正部と、参照用MRIデータと治療時補正MRIデータとを用いて、患者の位置ずれ量を算出して治療台を制御する位置決め部と、予め前記MRI装置の機器依存歪み情報を計測して求めて記憶する機器依存歪み情報記憶部とを備え、歪み学習部において、機器依存歪み情報を用いて計画時MRIデータを補正して中間参照用MRIデータを求め、この中間参照用MRIデータと計画時CTデータとを用いて、計画時MRIデータに含まれる患者依存歪み情報を求め、この患者依存歪み情報と機器依存歪み情報を歪み情報とするとともに、患者依存歪み情報を用いて中間参照用MRIデータを補正して参照用MRIデータを求め、歪み補正部において、患者依存歪み情報と機器依存歪み情報とを用いて治療時MRIデータを補正し、治療時補正MRIデータを求めるようにしたものである。


この発明によれば、治療時にMRIデータの取得のみで患者の位置決めができ、患者のX線被曝を低減できる患者位置決めシステムを提供できる。
この発明の実施の形態1による患者位置決めシステムの構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による患者位置決めシステムの治療計画時の動作を説明するためのブロック図である。 この発明の実施の形態1による患者位置決めシステムの歪み学習部の動作を説明するための第一の図である。 この発明の実施の形態1による患者位置決めシステムの歪み学習部の動作を説明するための第二の図である。 この発明の実施の形態1による患者位置決めシステムの歪み学習部の動作を説明するための第三の図である。 この発明の実施の形態1による患者位置決めシステムの歪み学習部の動作を説明するための第四の図である。 この発明の実施の形態1による患者位置決めシステムの治療時の動作を説明するためのブロック図である。 この発明の実施の形態1による患者位置決めシステムのデータの流れを示すフロー図である。 この発明の実施の形態2による患者位置決めシステムのデータの流れを示すフロー図である。
実施の形態1.
CTとMRIは同じ部位を撮影したとしても画像の性質にかなり開きがある。既存方式としてCTとMRIのフュージョン画像生成という技術は存在するが、CT画像とMRI画像を位置合わせする際にうまくいかないケースが多発する。そのため、MRI位置決め技術の実現手段として治療計画時X線CT、照射時MRIという形式は難しかった。本発明者は、治療計画時にCTとMRIを同時、つまり姿勢・位置固定で取得し、照射時にMRIを取得する、という形式で照射時に位置決めが可能で、患者のX線被曝を低減できるシステムを実現することを提案する。
図1は本発明の実施の形態1による患者位置決め装置の動作、構成を示すブロック図である。一般に、粒子線治療だけでなく放射線治療は、治療計画フェーズと治療(照射)フェーズに分かれるため、以下では両フェーズにわけて動作を説明する。図1の点線枠で示すように、治療計画データ取得部1から重ね合せ部5までが治療計画フェーズ、治療時MRI画像取得部6から位置決め部8までが治療(照射)フェーズに相当する。
図2に治療計画時の装置全体の概略構成を示し、図1と図2を参照して治療計画フェーズの動作を説明する。まず、患者を固定するストレッチャー30に載った患者40の治療対象となる患部を含む部位をCT装置10で撮影し、治療計画データ取得部1で計画時CTデータを取得する。次に計画時CTデータと同じ部位をMRI装置20で撮影し、計画時MRI画像取得部2で計画参照画像としての計画時MRIデータを取得する。計画時CTデータと計画時MRIデータは同じ姿勢で患者40を撮影する必要があるため、CT装置10でのCTデータ取得終了後、ストレッチャー30などに患者40の身体を固定してMRI装置20へ移動し、MRIデータを取得する。
本発明において、治療時のみならず治療計画時にMRIデータを取得する理由は2点ある。1点は、CTデータに比べてMRIデータの方が骨を含まない軟部組織のコントラストが良好であり腫瘍や臓器輪郭を特定するのに有利であることである。もう1点は、治療計画時にもMRIデータを取得しておくことにより、X線被曝が無いMRIデータの取得のみで治療時の患者の位置決めを行うことができるようにするためである。治療計画のために取得が必須となっているCTデータと治療時に取得するMRIデータとでは撮像原理が異なるため、位置ずれを含む2つの異なるモダリティ画像を直接照合するのが困難である。しかし、本発明により、治療計画時に計画参照画像としてMRIデータを取得するようにしたことにより、治療時にはMRIデータの取得のみを用いた患者の位置決めを実現したのである。
また、治療計画時にストレッチャー30などで患者の姿勢を固定する理由は、もし治療計画の段階でCTデータ取得時とMRI取得時で患者の姿勢が異なると、MRIデータに含まれる姿勢的なずれと、患者の体内組織構成を起因とする患者依存の歪みが区別できないからである。あくまでも、粒子線治療のための治療計画およびそれに含まれる腫瘍位置の特定はCTデータに基づいて行うため、CTデータにマーキングされた腫瘍位置を真値とする。ストレッチャー30利用で患者の姿勢を固定して、MRIデータを取得し、MRIデータに含まれる機器依存的歪みを除去した後、治療計画段階のCTデータとMRIデータを比較することによってはじめて患者依存の歪みが抽出できる。
ここで、MRIデータに含まれる歪みについて説明する。非特許文献2によれば、MRIデータに含まれるアーチファクト(歪み)はMRI撮像装置に起因する機器依存的歪みと、患者体内の組織構成に起因する患者依存の歪みに大きく分けられる。前者の機器依存的歪みはMRI機器毎に一定であるため、使用前にファントム等の利用で撮影対象となる3次元空間の磁場の歪みを予め計測しておけば、予め計測した機器依存歪み情報を位置決めのたびに利用して歪みを補正することが可能である。
一方、後者の患者依存の歪みは、非特許文献2によれば呼吸由来、血流由来、磁性体由来、および化学成分由来の4つの歪みから構成される。呼吸由来の歪みは、呼吸同期撮像や、呼吸停止下での撮像により抑えることができる。血流由来の歪みは、非特許文献3に記載されたpresaturation pulse法を用いることである程度抑制できることが知られている。磁性体由来の歪みは、血管閉塞用金属コイル、外科手術針、あるいは患者が取り忘れた磁性体等、人の操作で混入した物体に起因するので、MRI撮像前に除去することで対処することは可能である。残る問題は化学成分由来による歪みである。非特許文献2によれば、この歪みは化学シフトアーチファクト(CSA)と呼ばれ、患者の体内組織に含まれる水と脂肪に起因する。MRIは体内各組織のプロトン密度と共鳴状態をセンシングして画像化するものであるが、非特許文献2によれば、CSAは水と脂肪のもつプロトンの共鳴周波数がわずかに異なることにより発生するので、これが患者依存の歪みの主要因と考えられる。
上記を踏まえ、再び当該位置決めシステムの動作説明に戻る。予めファントム等の利用で機器依存的MRIデータの歪み情報を取得しておき、この歪み情報を機器依存歪み情報記憶部3に記憶しておく。非特許文献4には、MRI機器の撮影対象となる3次元空間の各計測ポイントにおける磁場の歪みを計測するキャリブレーション用立体格子ファントムを用いた補正手法が記載されており、同じ手法を用いれば機器依存のMRIデータの歪み情報を取得することができる。
続いて歪み学習部4により、機器依存歪み情報記憶部3に記憶されている機器依存歪み情報を用いて、計画時MRI画像取得部2で取得したMRIデータを補正し、MRIデータの機器依存的歪みを補正した中間参照用MRIデータを得る。この中間参照用MRIデータと、治療計画データ取得部1で取得した計画時CTデータとを比較することにより、患者依存的MRIデータ歪みに起因する治療対象部位形状のずれ量を算出できる。このようにして得られた、画像としてのMRIデータ画素値とずれ量との関係をニューラルネット等の機械学習で学習する。歪み学習部4で取得される、計画時MRIデータに含まれる機器依存的歪みと患者依存的歪み情報は、いずれも後述の歪み補正部7に転送される。
ここで、歪み学習部4の動作を、図3〜図6を用いて説明する。図3は非特許文献5に記載された2つの同一文字パターン(図3(A)と図3(B)、この例ではいずれも手書き文字アルファベットAを二値化した際の輪郭点を特徴点とする)間で、特徴点毎の対応を計算するアルゴリズムの結果(図3(C))の例である。非特許文献5に記載された手法を本発明に取り込むには、計画時CTデータと、計画時MRIデータの機器依存的歪みが補正された中間参照用MRIデータを対象として、治療対象となる腫瘍あるいは臓器等の部位の輪郭に適用すればよい。輪郭上の特徴点は等間隔で自動的に抽出してもよいし、ユーザー操作で特徴点を与えてもよい。図3(C)の結果は本発明では患者依存的歪みに相当するため、その画像としてのMRIデータ画素値を入力、ベクトル的に示されるずれ量を出力として学習すれば、後述の治療フェーズで歪み補正部7において患者依存の歪み情報として利用し、歪みを補正できる。
次に図4を用いて、歪み学習部4の動作として、計画時CTデータと、機器依存的歪みが補正された中間参照用MRIデータとの間に生じるずれ量を学習するために、入力データおよび教師信号をどのように与えるかについて説明する。図4(A)は粒子線治療対象を肝臓として治療計画時に取得する、肝臓を含む人体腹部CTデータの断面の例であり、治療対象である肝臓の位置は治療計画時に指定した腫瘍輪郭41で示される。図4(B)は図4(A)の腫瘍輪郭41を抜き出して実線で示し、これに破線で示す中間参照用MRIデータにおける肝臓の腫瘍輪郭42を重畳した図である。腫瘍輪郭41と腫瘍輪郭42のずれが計画時MRIデータに含まれる患者依存の歪みを示す。このずれ量ベクトル43を学習するために、図4(C)に示すように、ずれ量ベクトル43の終点を中心とした周辺画素群44、すなわち中間参照MRIデータにおける輪郭点上周辺の画素分布からずれ量ベクトルを推定する学習を行う。周辺画素群44は、ずれ量ベクトル43の終点を中心として例えば縦横5×5画素からなる25個の画素値から構成すればよく、ずれ量ベクトル43は治療計画時の対象データが2次元画像なら(x,y)の2成分から構成すればよい。
次に図5および図6を用いて、歪み学習部4の動作として、計画時CTデータと、機器依存的歪みが補正された中間参照用MRIデータとの間のずれ量をどのように学習するかについて、その一例を説明する。図5はパターン学習の分野で多用される、入力層11、中間層12、出力層13からなる3層ニューラルネットワークのシステム構成を示す。各層は複数個の処理ユニットから構成され、いずれも同一の入出力特性を持つ。かつ入力層11と中間層12間、および中間層12と出力層13間は全ての処理ユニットが相互結線され、各結線は重み係数(結合定数)を持ち、学習前に乱数で初期化される。入力データ処理の方向は入力層11から出力層13への一方向に流れる。図4の例に沿って言えば、中間参照用MRIデータを画像として見たときの特徴点近傍の25個の画素値が同数個の処理ユニットを持つ入力層11に入力される。中間層12では各結線の持つ結合定数で積和が計算され、処理ユニットの特性に従って得られる各処理ユニットの出力値が出力層13に渡される。出力層13でも同じ積和演算が行われたのち、出力層13における2個ある処理ユニットの出力値が教師信号であるずれ量ベクトル(x,y)と比較され、各処理ユニットの出力値と教師信号との誤差の自乗和が計算される。
この自乗誤差を最小にするために用いられる学習則として、例えば非特許文献6に記載された誤差逆伝搬学習則(back propagation)がある。この学習の流れは入力データ処理とは逆に、出力層13から中間層12を経て入力層11へ結合定数の修正が反映される。具体的には、まず中間層12→出力層13の結合定数が修正された後、入力層11→中間層12の結合定数が修正され、この自乗和が一定しきい値以下になるまで学習が進む。学習が完了した段階で、図6に示すように中間参照用MRIデータにおける腫瘍輪郭42上の特徴点を上記の3層ニューラルネットに入力すれば、出力層13からはずれ補正ベクトル45が出力され、治療計画時に策定したCTデータ上の腫瘍輪郭41に補正できる。この補正したMRIデータを参照用MRIデータと呼ぶ。
そして、重ね合せ部5により、計画時CTデータと、治療計画時に最初に取得したMRIデータに含まれる機器依存的歪みと患者依存的歪みを補正した結果としての参照用MRIデータを重ね合せ、計画時CTデータを元に作成した治療計画内容の位置的情報が参照用MRIデータと対応付けできるように照合を行う。照合が行われた結果の参照用MRIデータは、次に説明するように、治療フェーズにおいて位置決めの基準に用いるMRIデータとする。以上が本実施の形態における治療計画フェーズの動作である。
次に、治療フェーズの動作を、治療時の装置全体の概略構成を示す図7および図1を参照して説明する。まず、治療台31に載った患者40の治療対象となる患部を含む部位をMRI装置20で撮影し、治療時MRI画像取得部6において治療時MRIデータを取得する。当然、治療時MRIデータにも機器依存的歪みと患者依存的歪みが含まれるため、歪み補正部7により、まず、治療時MRIデータの機器依存の歪みを、歪み学習部4から送られてきた機器依存歪み情報を用いて補正する。機器依存歪み情報は機器依存歪み情報記憶部3から直接受け取っても良い。次に、歪み学習部4で学習した患者依存の歪み(ずれ量ベクトル)を用いて、MRIデータを画像としてみたときの腫瘍位置周辺の局所領域の画素値群からずれ量を推定し、治療時MRIデータのずれを補正して治療時補正MRIデータとする。
最後に、位置決め部8において、参照用MRIデータと治療時補正MRIデータの両方を比較することにより3次元的ずれ量、つまりxyz3軸に沿った並進的ずれと、xyz3軸周りの回転的ずれの計6軸パラメータに関するずれ量を算出する。そのずれ量に従い、患者身体が乗せられた治療台31を制御して、粒子線照射ノズル50が治療計画通りに患者40の患部に照射できるようにする。上述の位置決め部8における参照用MRIデータと治療時補正MRIデータはいずれも3次元データであり、患者の位置決めに必要な3次元空間における上述の6軸パラメータに関するずれ量を算出するための方法として、例えば特許文献3に記載されているような位置決め手法がある。すなわち参照用MRIデータと治療時補正MRIデータを照合するために、それぞれの3次元空間における特徴点を抽出した後、ICP(Iterative Closest Points)マッチング手法により、ワイヤーフレームを合わせるような感覚で両3次元データを重ね合せ、最も近づいた時点での上記6軸パラメータのずれ量を取得すれば、患者位置決めのための治療台制御に必要な制御量を取得することができる。
以上をまとめて、データの流れを図8に示す。まず、治療計画フェーズにおいて、治療計画用CTデータ101および計画時MRIデータ102を取得する。また、治療計画時にキャリブレーション用立体格子ファントムを用いて3次元空間の各ポイントのずれを定量的に計測した機器依存歪み情報103を求める。歪み学習部4において、機器依存歪み情報103を用いて計画時MRIデータ102のMRI機器依存の歪みを補正して中間参照用MRIデータ105を求める。さらに、歪み学習部4において、治療計画用CTデータ101と機器依存的歪みを除去した中間参照用MRIデータ105とを用いて、患者の内部組織の化学的組成に起因する患者依存的歪みを補正するための患者依存歪み学習106を行うことにより患者依存歪み情報107を得ることができる。以上の機器依存歪み情報103および患者依存歪み情報107を歪み情報108として治療時のMRIデータを補正する情報として用いる。歪み学習部4においては、中間参照用MRIデータ105を患者依存歪み情報により補正して参照用MRIデータ109を得る。このようにして、治療時の位置決めの基準データとして用いることができる参照用MRIデータ109が得られる。参照用MRIデータ109は、重ね合せ部5において、治療計画用CTデータ101と重ね合せることにより、参照用として使用できるデータかどうか確認される。もし、参照用MRIデータ109が参照用として使用できるほど治療計画用CTデータ101に重ね合せることができない場合は、歪み情報108を修正して参照用として使用できるデータにする。
治療フェーズにおいては、歪み補正部7において、歪み学習部4で学習して得た歪み情報108を用いて、治療時MRI画像取得部6で取得した治療時MRIデータ110に含まれる各種歪みを補正して、参照用MRIデータ109と比較が可能な治療時補正MRIデータ111を得ることができる。位置決め部8において、これら参照用MRIデータ109と治療時補正MRIデータ111を比較することにより、患者の位置ずれ量算出112を実行する。このように、治療計画時のMRIデータとCTデータを用いて、各種の歪み情報を学習により得て、得た歪み情報を用いて、治療計画時および治療時のMRIデータを補正して比較することにより、高精度の位置決め精度が求められる粒子線治療において、MRIデータのみを用いて高精度に患者身***置のずれを算出することが可能になった。
なお、図1における、治療計画データ取得部1、計画時MRI画像取得部2、機器依存歪み情報記憶部3、歪み学習部4、重ね合せ部5、歪み補正部7、治療時MRI画像取得部6、位置決め部8は、通常、計算機に備える。それぞれ別々の計算機に備えてもよいし、全て一つの計算機に備えても、複数の計算機に分けて備えてもよい。また、本実施の形態では、治療計画時における両装置の撮影順序をCT撮影のあとにMRI撮影となる説明を示したが、その逆、つまりMRI撮影のあとにCT撮影を行ってもよい。
実施の形態2.
本実施の形態2は、実施の形態1と同じく図1に示したブロック図に沿って動作するが、歪み学習部4における動作が異なる。実施の形態1では、歪み学習部4における動作として、計画時MRIデータに含まれる機器依存的歪みと患者依存の歪みの両方を扱い、患者依存的歪みをあらかじめニューラルネット学習することにより、治療時MRIデータに対しても治療計画時の学習結果を用いて患者依存的歪みを補正する例で説明した。本実施の形態では、MRIデータに含まれる患者依存の歪みが少なく、位置決め誤差に影響しない場合を想定し、治療スピードを優先して、治療計画時に学習したMRIデータの患者依存的歪みは使わず、機器依存歪み情報記憶部3の情報のみで歪み補正を行う。
実際に、頭頚部などが治療対象部位の場合は組織が均一であり、水や脂肪等の組織の違いでもたらされる患者依存の歪みが他の部位に比べて小さいことが知られている。その場合はMRIデータに含まれる歪みは機器依存的歪みが支配的であるため、実施の形態1で説明した機器依存歪み情報記憶部3に記憶されている機器依存歪み情報をそのまま歪み学習部4で用いる歪み補正情報として用いる。
図9に実施の形態2による患者位置決めシステムのデータの流れを示す。計画時MRIデータ102を機器依存歪み情報103により補正して参照用MRIデータ109とする。ここでは、歪み情報108は機器依存歪み情報103だけとなる。治療時MRIデータ110も機器依存歪み情報のみを用いて治療時補正MRIデータ111とする。位置決め部8では、これら参照用MRIデータ109と治療時補正MRIデータ111を用いてずれ量を算出し、治療台31を制御して位置決めを行う。
このように、治療対象の部位の組織的および化学的組成に基づいて歪み学習部4の動作を切り替え、MRIデータに含まれる歪みのうち、患者依存的歪みが小さい場合は機器依存のみを歪み補正情報として用いるので、実施の形態1よりも高速に、かつMRIデータに含まれる歪みの補正により、高精度に患者身***置のずれを算出することができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
1 治療計画データ取得部、2 計画時MRI画像取得部、3 機器依存歪み情報記憶部、4 歪み学習部、5 重ね合せ部、6 治療時MRI画像取得部、7 歪み補正部、8 位置決め部、10 CT装置、20 MRI装置、31 治療台、40 患者、101 治療計画用CTデータ、102 計画時MRIデータ、103 機器依存歪み情報、105 中間参照用MRIデータ、107 患者依存歪み情報、108 歪み情報、109 参照用MRIデータ、110 治療時MRIデータ、111 治療時補正MRIデータ

Claims (2)

  1. 治療計画時にCT装置により患者の患部を撮像して計画時CTデータを取得するCTデータ取得部と、
    治療計画時にMRI装置により患者の患部を撮像して計画時MRIデータを取得する計画時MRI画像取得部と、
    前記計画時MRIデータの歪みを学習して歪み情報を得るとともに、前記計画時MRIデータを前記歪み情報を用いて補正して参照用MRIデータを求める歪み学習部と、
    治療時に前記MRI装置により治療台に載った患者の患部を撮像して治療時MRIデータを取得する治療時MRIデータ取得部と、
    前記治療時MRIデータを、前記歪み情報を用いて補正し、治療時補正MRIデータを求める歪み補正部と、
    前記参照用MRIデータと前記治療時補正MRIデータとを用いて、患者の位置ずれ量を算出して前記治療台を制御する位置決め部と
    予め前記MRI装置の機器依存歪み情報を計測して求めて記憶する機器依存歪み情報記憶部とを備え、
    前記歪み学習部において、前記機器依存歪み情報を用いて前記計画時MRIデータを補正して中間参照用MRIデータを求め、この中間参照用MRIデータと前記計画時CTデータとを用いて、前記計画時MRIデータに含まれる患者依存歪み情報を求め、この患者依存歪み情報と前記機器依存歪み情報を前記歪み情報とするとともに、前記患者依存歪み情報を用いて前記中間参照用MRIデータを補正して前記参照用MRIデータを求め、
    前記歪み補正部において、前記患者依存歪み情報と前記機器依存歪み情報とを用いて前記治療時MRIデータを補正し、前記治療時補正MRIデータを求めることを特徴とする患者位置決めシステム。
  2. 治療計画時にCT装置により患者の患部を撮像した計画時CTデータを取得するCTデータ取得ステップと、
    治療計画時にMRI装置により患者の患部を撮像した計画時MRIデータを取得する計画時MRIデータ取得ステップと、
    前記計画時MRIデータの歪みを学習して歪み情報を得るとともに、前記計画時MRIデータを前記歪み情報を用いて補正して参照用MRIデータを求める歪み学習ステップと、
    治療時に前記MRI装置により治療台に載った患者の患部を撮像して治療時MRIデータを取得する治療時MRIデータ取得ステップと、
    前記治療時MRIデータを、前記歪み情報を用いて補正し、治療時補正MRIデータを求める歪み補正ステップと、
    前記参照用MRIデータと前記治療時補正MRIデータとを用いて、前記治療台の位置決めを行うための患者の位置ずれ量を求める位置ずれ量算出ステップと
    を計算機が実行する位置ずれ量算出方法において、
    予め前記MRI装置の機器依存歪み情報を計測して求めるステップと、
    前記機器依存歪み情報を用いて前記計画時MRIデータを補正して中間参照用MRIデータを求めるステップとを有し、
    前記歪み学習ステップにおいて、前記中間参照用MRIデータと前記計画時CTデータとを用いて、前記計画時MRIデータに含まれる患者依存歪み情報を求め、この患者依存歪み情報と前記機器依存歪み情報を前記歪み情報とするとともに、前記患者依存歪み情報を用いて前記中間参照用MRIデータを補正して前記参照用MRIデータを求め、
    前記歪み補正ステップにおいて、前記患者依存歪み情報と前記機器依存歪み情報を用いて前記治療時MRIデータを補正し、治療時補正MRIデータを求めることを特徴とする位置ずれ量算出方法。
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