JP6315174B2 - 卑金属顔料、卑金属顔料水性分散液および水性インク組成物 - Google Patents

卑金属顔料、卑金属顔料水性分散液および水性インク組成物 Download PDF

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Description

本発明は、水系媒体中での耐水性および分散安定性が良好な卑金属顔料、ならびに該卑金属顔料を含有する卑金属顔料水性分散液および水性インク組成物に関する。
従来、印刷物上に金属光沢を有する塗膜を形成する手法として、真鍮、アルミニウム微粒子等から作製された金粉、銀粉を顔料に用いた印刷インキや金属箔を用いた箔押し印刷、金属箔を用いた熱転写方式等が用いられてきた。しかしながら、これらの方法では、微細なパターンを形成することや、曲面部への適用が困難であった。また、箔押し印刷では、オンデマンド性が低く、多品種生産への対応が困難であり、グラデーションのある金属調の印刷ができなかった。
近年、印刷におけるインクジェットへの応用例が数多く見受けられ、その中の一つの応用例としてメタリック印刷があり、金属光沢を有するインクの開発が進められている。インクジェット法では、微細なパターンの形成や曲面部への記録にも好適に適用できるという点で優れている。例えば、特許文献1には、アルキレングリコール等の有機溶媒をベースとしたアルミニウム顔料分散液およびそれを含有する非水系インク組成物が開示されている。
その一方で、地球環境面及び人体への安全面等の観点から、有機溶媒をベースとした非水系インク組成物よりも水性インク組成物の開発が望まれているという実態がある。しかしながら、卑金属顔料の一種であるアルミニウム顔料は、水中に分散させると、水との反応により水素ガスを発生すると共にアルミナを形成して白色化する。これにより、アルミニウム顔料は、金属光沢が損なわれてしまう。
このような課題を解決する観点から、例えば特許文献2には、アルミニウム顔料をアルコキシシランで表面処理することにより耐水性を付与した表面被覆アルミニウム顔料が開示されている。特許文献3には、アルミニウム粉末、無機リン酸(塩)、リン酸エステル、及び水を含有する組成物が開示されている。特許文献4には、ヘテロポリアニオン化合物によって被覆されたアルミニウムを含有する水性塗料組成物が開示されている。特許文献5には、アルミニウムをリン酸化合物又はホウ酸化合物によって処理した後、錫水和酸化物等を含む層でさらに被覆したアルミニウム顔料が開示されている。
特開2008−174712号公報 特許4358897号公報 特許3869503号公報 特許2759198号公報 特開2006−199920号公報
しかしながら、特許文献2〜5に開示されているようなアルミニウム顔料では、耐水性が不十分であり、水系媒体中において経時的に進行する酸化により表面状態が変化して、分散安定性が損なわれてしまうという課題があった。また、アルミニウムの表面を被覆処理する場合、被覆処理中にアルミニウムの酸化が進行することがあり、光沢が低下すると
共に凝集が発生しやすいという課題があった。
本発明に係る幾つかの態様は、上記課題を解決することで、水系媒体中での耐水性および分散安定性が良好な卑金属顔料、ならびに該卑金属顔料を含有する卑金属顔料水性分散液および水性インク組成物を提供するものである。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る卑金属顔料の一態様は、
溶媒の一部として水を含有する水性インク組成物用の卑金属顔料であって、
前記卑金属顔料がフッ素系化合物によって表面処理されたものであり、
超音波式ゼータ電位測定装置を用いて測定されたゼータ電位が、pH5以上10以下の範囲において、−50mV以上−15mV以下であることを特徴とする。
適用例1の卑金属顔料によれば、溶媒の一部として水を含有する水性インク組成物に配合したときに、耐水性および分散安定性が良好となる。また、適用例1の卑金属顔料は、広いpH領域においてゼータ電位が負の値で安定しているため、ヘッドキャップや廃液タンク中で他の水性インクと混合した場合であっても、ヘッドノズル孔近傍での凝集による吐出不良、凝集沈降した残渣によるキャップ不良、廃液経路でのゲル化、廃液ボトル下での沈降物の蓄積等の不具合を防止できる。
[適用例2]
適用例1の卑金属顔料において、
pH5以上10以下の範囲における前記ゼータ電位の最大値と最小値との差が15mV以下であることができる。
適用例2の卑金属顔料によれば、広いpH領域においてゼータ電位の値がさらに安定しているため、分散安定性が更に良好となる。また、上記の不具合を更に効果的に防止できる。
[適用例3]
適用例1または適用例2の卑金属顔料において、
形状がリン片状であることができる。
適用例3の卑金属顔料によれば、卑金属顔料が本来有する金属光沢性等をより効果的に発現させることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例の卑金属顔料において、
前記フッ素系化合物が、パーフルオロアルキル基を有することができる。
[適用例5]
適用例4の卑金属顔料において、
前記パーフルオロアルキル基の炭素数が1〜6であることができる。
適用例4または適用例5の卑金属顔料によれば、フッ素系化合物がこのような構造を有することにより、卑金属顔料の耐水性および分散安定性を更に向上させることができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一例の卑金属顔料において、
前記フッ素系化合物によって表面処理する際に、加熱処理する工程を含むことができる。
適用例6の卑金属顔料によれば、表面に物理吸着しているフッ素系化合物を共有結合により結合させることができ、該フッ素系化合物が表面に強固に結合される。その結果、卑金属顔料の耐水性が更に向上すると共に、ゼータ電位の値が安定することで分散安定性が更に良好となる。
[適用例7]
本発明に係る卑金属顔料水性分散液の一態様は、
フッ素系化合物によって表面処理された卑金属顔料と、溶媒の一部としての水と、を含む卑金属顔料水性分散液であって、
超音波式ゼータ電位測定装置を用いて測定されたゼータ電位が、pH5以上10以下の範囲において、−50mV以上−15mV以下であることを特徴とする。
適用例7の卑金属顔料水性分散液によれば、卑金属顔料の耐水性および分散安定性が良好な分散液となる。
[適用例8]
適用例7の卑金属顔料水性分散液において、
遠心分離によって前記卑金属顔料を取り除いた溶媒について交流式誘電率測定装置を用いて23℃、10kHz時の比誘電率を測定したときに45以上60以下であることができる。
適用例8の卑金属顔料水性分散液によれば、特定の比誘電率を有する水系媒体を分散媒として使用することにより、フッ素系化合物によって表面処理された卑金属顔料の耐水性および分散安定性が更に良好となる。
[適用例9]
本発明に係る水性インク組成物の一態様は、
フッ素系化合物によって表面処理された卑金属顔料と、溶媒の一部としての水と、を含む水性インク組成物であって、
超音波式ゼータ電位測定装置を用いて測定されたゼータ電位が、pH5以上10以下の範囲において、−50mV以上−15mV以下であることを特徴とする。
適用例9の水性インク組成物によれば、卑金属顔料の耐水性および分散安定性が良好な水性インク組成物となる。また、適用例9の水性インク組成物によれば、広いpH領域においてゼータ電位が負の値で安定しているため、ヘッドキャップや廃液タンク中で他の水性インクと混合した場合であっても、ヘッドノズル孔近傍での凝集による吐出不良、凝集沈降した残渣によるキャップ不良、廃液経路でのゲル化、廃液ボトル下での沈降物の蓄積等の不具合を防止できる。
[適用例10]
適用例9の水性インク組成物において、
遠心分離によって前記卑金属顔料を取り除いた溶媒について交流式誘電率測定装置を用いて23℃、10kHz時の比誘電率を測定したときに45以上60以下であることができる。
適用例10の卑金属顔料水性分散液によれば、特定の比誘電率を有する水系媒体を使用することにより、フッ素系化合物によって表面処理された卑金属顔料の耐水性および分散安定性が更に良好となる。
実施例及び比較例におけるpHとゼータ電位の関係を表すグラフ。
以下に本発明の好適な実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
以下、卑金属顔料、卑金属顔料水性分散液、水性インク組成物の順に説明する。
1.卑金属顔料
本実施の形態に係る卑金属顔料は、溶媒の一部として水を含有する水性インク組成物用の卑金属顔料であって、前記卑金属顔料がフッ素系化合物によって表面処理されたものであり、超音波式ゼータ電位測定装置を用いて測定されたゼータ電位が、pH5以上10以下の範囲において、−50mV以上−15mV以下であることを特徴とする。
本発明における「卑金属」とは、イオン化傾向が水素よりも大きい金属であればよく、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Fe、Zn、Pb、Cu、Ni、Co、Cr等の金属の単体の他、これらの合金も含まれる概念である。
本実施の形態に係る卑金属顔料は、卑金属を含む材料で構成された顔料粒子(以下、表面処理される前の卑金属を含む材料で構成された顔料粒子を「母粒子」ともいう。)がフッ素系化合物によって表面処理されたものである。すなわち、本実施の形態に係る卑金属顔料は、卑金属を含む材料で構成された顔料粒子(母粒子)の表面が、フッ素系化合物を含有する単層もしくは複数層で被覆された構造を有している。
1.1.母粒子
まず、卑金属を含む材料で構成された顔料粒子(母粒子)について説明する。母粒子は、少なくとも表面付近を含む領域が卑金属で構成されたものであればよく、全体が卑金属で構成されたものであってもよい。また、母粒子は、非金属材料で構成された基部と、該基部を被覆する卑金属で構成された被膜と、を有するものであってもよい。
母粒子を構成する卑金属としては、上述の卑金属の定義に当て嵌まるものであれば特に制限されないが、金属光沢性を確保する観点およびコストの観点から、Al、Fe、Cu、Ni、Crの少なくとも1種、もしくはこれらの卑金属と他金属との合金を含むことが好ましく、AlまたはAl合金であることがより好ましい。AlやAl合金は、水系媒体中に分散させると、水との反応により水素ガスを発生すると共に、Al(OH)もしくはAlを形成して白色化する。この反応により、AlやAl合金は、金属光沢性が損なわれてしまうという問題があった。これに対して、本発明では、フッ素系化合物を含有する単層もしくは複数層で被覆された卑金属顔料を用いることにより耐水性が付与されるため、上記のような問題の発生を低減することができる。
また、母粒子は、いかなる方法で製造されたものであってもよいが、例えばシート状基材の一方の面に蒸着法を用いて卑金属で形成された膜を形成し、その後シート状基材から卑金属で形成された膜を剥離および粉砕することにより得られたリン片状であることが好
ましい。前記蒸着法に代えて、イオンプレーティングまたはスパッタリング法を用いてもよい。この方法によれば、膜厚のバラツキが少なく、かつ、表面の平坦性が高いリン片状の母粒子が得られるため、母粒子が本来有する金属光沢性等をより効果的に発現させることができる。
シート状基材としては、例えばポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルムを用いることができる。また、シート状基材の成膜面には、あらかじめ剥離性を良くするためにシリコーンオイル等の離型剤を塗布しておいてもよく、剥離用樹脂層を形成しておいてもよい。剥離用樹脂層に用いられる樹脂としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、変性ナイロン樹脂等が挙げられる。前記剥離および粉砕は、例えば非水系媒体中において前記膜に超音波を照射したり、ホモジナイザー等で撹拌して外力を加えることにより行われる。
上記のような方法で、剥離および粉砕を行う場合の非水系媒体としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼン等の炭化水素系化合物;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサン等のエーテル系化合物;プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノン、アセトニトリル等の極性有機溶媒を好適に用いることができる。このような非水系媒体を用いることにより、母粒子の不本意な酸化等を防止しつつ、各粒子間での大きさ、形状、特性のばらつきを小さくすることができる。
なお、母粒子の好ましい平均粒子径および平均厚みは、後述する卑金属顔料の平均粒子径および平均厚みとほぼ同様であるため、ここでの説明は省略する。
1.2.フッ素系化合物
次に、母粒子の表面処理に用いられるフッ素系化合物について説明する。上述したように、本実施の形態に係る卑金属顔料は、上記母粒子がフッ素系化合物によって表面処理されたものである。このようなフッ素系化合物としては、フッ素系ホスホン酸、フッ素系カルボン酸、フッ素系スルホン酸、およびこれらの塩等を好ましく用いることができる。これらのフッ素系化合物であれば、リン酸基、カルボキシ基、スルホン酸基等が、母粒子の表面に結合することにより被膜を形成することができるので、耐水性が付与された卑金属顔料が得られる。これにより、卑金属顔料が水系媒体中における水と反応することを効果的に抑制できる。また、広いpH領域で安定した負のゼータ電位を示すため、分散安定性に優れた卑金属顔料水性分散液や水性インク組成物が得られる。これらの中でも、リン酸基が母粒子表面への結合能力に特に優れていることから、フッ素系ホスホン酸およびその塩がより好ましい。
フッ素系ホスホン酸およびその塩としては、下記一般式(1)で表される構造を有するものであることが好ましい。
Figure 0006315174
上記式(1)中、Rはそれぞれ独立に下記構造式の中から選択される1種の基であり、Mはそれぞれ独立に水素原子、1価の金属イオン、アンモニウムイオン又は−NRである。R、R、Rは、それぞれ水素原子又はCOH基であるが、R、R、Rがともに水素原子である場合は除く。nは1以上3以下の整数であり、mは1以上12以下の整数であり、lは1以上12以下の整数である。
Figure 0006315174
上記式(1)中、mは1以上12以下の整数であるが、1以上8以下の整数であることが好ましく、1以上5以下の整数であることがより好ましい。また、lは1以上12以下の整数であるが、1以上10以下の整数であることが好ましく、1以上6以下の整数であることがより好ましい。m及びlが上記好ましい範囲にあると、上述したような効果がより顕著に発揮される。
上記フッ素系ホスホン酸としては、母粒子表面への吸着能と耐水性向上とのバランスに優れている観点から、下記一般式(2)で表される化合物であることが特に好ましい。
Figure 0006315174
上記式(2)中、mは1以上12以下の整数であるが、1以上8以下の整数であることが好ましく、1以上5以下の整数であることがより好ましい。また、lは1以上12以下の整数であるが、1以上10以下の整数であることが好ましく、1以上6以下の整数であることがより好ましい。m及びlが上記好ましい範囲にあると、上述したような効果がより顕著に発揮される。
フッ素系カルボン酸およびその塩としては、下記一般式(3)で表される構造を有するものであることが好ましい。
Figure 0006315174
上記式(3)中、Rは下記構造式の中から選択される1種の基であり、Mは水素原子、1価の金属イオン又はアンモニウムイオンである。mは1以上12以下の整数であるが、1以上8以下の整数であることが好ましく、1以上5以下の整数であることがより好ましい。また、lは1以上12以下の整数であるが、1以上10以下の整数であることが好ましく、1以上6以下の整数であることがより好ましい。
Figure 0006315174
フッ素系スルホン酸およびその塩としては、下記一般式(4)で表される構造を有するものであることが好ましい。
Figure 0006315174
上記式(4)中、Rは下記構造式の中から選択される1種の基であり、Mは水素原子、1価の金属イオン又はアンモニウムイオンである。mは5以上17以下の整数であり、lは1以上12以下の整数である。
Figure 0006315174
また、フッ素系化合物は、その構造の少なくとも一部にパーフルオロアルキル基(C2n+1−)を有するものであることが好ましく、該パーフルオロアルキル基の炭素数が1〜6であることがより好ましい。フッ素系化合物がこのような構造を有することにより、耐水性がより向上し、金属光沢性および分散安定性に優れた卑金属顔料が得られやすい。
なお、フッ素系化合物の分子量は、1000以下であることが好ましい。母粒子の表面に吸着させるフッ素系化合物が、例えば特開2003−213157号公報、特開2006−169393号公報、特開2009−215411号公報等に記載されているフッ素系重合体である場合、被膜が厚くなりすぎて金属光沢性が損なわれるだけでなく、被膜が形成された卑金属顔料同士のインタラクションが強くなるため、分散安定性が著しく低下する場合がある。そのため、母粒子の表面に形成される膜は、分子量1000以下のフッ素系化合物により形成された単分子膜とすることが好ましい。
1.3.ゼータ電位
本実施の形態に係る卑金属顔料は、pH5以上10以下の範囲において、超音波式ゼータ電位測定装置を用いて測定されたゼータ電位が−50mV以上−15mV以下であることを特徴としている。pH5以上10以下の範囲においてゼータ電位がこの範囲にあると、溶媒の一部として水を含有する水性分散液や水性インク組成物に配合したときの耐水性および分散安定性が良好となる。また、広いpH領域においてゼータ電位が負の値で安定しているため、ヘッドキャップや廃液タンク中で他の水性インクと混合した場合であっても、ヘッドノズル孔近傍での凝集による吐出不良、凝集沈降した残渣によるキャップ不良、廃液経路でのゲル化、廃液ボトル下での沈降物の蓄積等の不具合を防止できる。なお、pHが10を超える領域では、母粒子をフッ素系化合物によって表面処理した卑金属顔料であっても腐食の進行を抑制することが困難となる場合がある。そのため、本実施の形態に係る卑金属顔料は、pHが10を超える領域では使用しないことが望ましい。
ここで、ゼータ電位は、超音波式ゼータ電位測定装置を用いて測定したときの値である。以下、超音波式ゼータ電位測定装置の測定原理について簡単に説明する。超音波式ゼータ電位測定装置は、超音波振動電流法を測定原理とする。すなわち、粒子分散液に超音波を照射すると、粒子と溶媒との密度差により、粒子は相対的に振動する。その結果、荷電粒子とその周囲のカウンターイオンの分極を生じ、コロイド振動電位(CVP)と呼ばれる電場を発生する。この電場は溶液中に設置された電極表面の電位変化を生じ、電流として検出することができる。この電流は、コロイド振動電流(CVI)と呼ばれている。このコロイド振動電流(CVI)から下記式(5)によりゼータ電位を求めることができる。
Figure 0006315174
上記式(5)中の記号は、ε:溶媒の誘電率、ε:真空中の誘電率、ζ:ゼータ電位、η:溶媒の粘度、φ:粒子の体積濃度、ρ:粒子の密度、ρ:分散系の密度、P:音圧、G(a,φ):流体力学的粒子間相互作用補正係数(粒子径a,φに依存)をそれぞれ表す。この超音波振動電流法によれば、粒子を分散させる分散媒が水系媒体および非水系媒体のいずれであってもゼータ電位を測定することができる。また、電気泳動光散乱方式のように粒子分散液を希釈せずに、原液のまま測定することができる。
本実施の形態に係る卑金属顔料は、pH5以上10以下の範囲において、超音波式ゼータ電位測定装置を用いて測定されたゼータ電位が−50mV以上−15mV以下であればよいが、−40mV以上−17mV以下であることがより好ましく、−33mV以上−18mV以下であることが特に好ましい。
また、本実施の形態に係る卑金属顔料は、pH5以上10以下の範囲において、超音波式ゼータ電位測定装置を用いて測定されたゼータ電位の最大値と最小値との差が15mV以下であることが好ましい。これにより、pH5以上10以下の領域においてゼータ電位の値が更に安定するため、卑金属顔料の分散安定性が更に良好となる。また、上記のヘッドキャップや廃液タンク中で他の水性インクと混合した場合の不具合を更に効果的に防止できる。
1.4.卑金属顔料の製造方法
本実施の形態に係る卑金属顔料は、例えば以下のようにして製造することができる。
まず、上述した母粒子を非水系媒体中に分散させた分散液を準備する。この分散液を必要に応じて同種または異種の非水系媒体で希釈した後、母粒子の平均粒子径が3μm以下となるようにホモジナイザー等の攪拌機または超音波照射により母粒子を粉砕処理する。粉砕処理の時間は特に制限されないが、通常3〜24時間である。また、希釈に用いられる非水系媒体としては、上記で例示した剥離および粉砕を行う場合の非水系媒体と同様の非水系媒体が挙げられる。
次いで、粉砕処理済みの母粒子が非水系媒体中に分散された分散液に上述したフッ素系化合物を添加して、超音波を照射することにより母粒子の表面にフッ素系化合物の被膜を形成させる。このようにして、母粒子の表面がフッ素系化合物により処理された卑金属顔料が得られる。フッ素系化合物の添加量は、母粒子100質量部に対して1〜70質量部、好ましくは5〜40質量部、より好ましくは15〜30質量部である。また、超音波照射して表面処理する際には加熱してもよい。加熱温度としては、40℃以上であることが好ましい。これにより、母粒子の表面に物理吸着していたフッ素系化合物が加熱によって脱水して共有結合を形成し、母粒子とフッ素系化合物とがより強固に結合できると推測される。
母粒子のフッ素系化合物による表面処理は、母粒子の表面に直接処理するものであってもよいが、あらかじめ酸または塩基を処理させた母粒子に対してフッ素系化合物による表面処理を行ってもよい。これにより、母粒子表面に、フッ素系化合物による化学的な修飾をより確実に行うことができ、上述したような本発明による効果をより効果的に発現させることができる。また、フッ素系化合物による表面処理を行う前に母粒子となるべき粒子の表面に酸化被膜が形成されている場合であっても、該酸化被膜を除去することができ、酸化被膜が除去された状態でフッ素系化合物による表面処理を行うことができるため、製造される卑金属顔料の金属光沢性を優れたものとすることができる。このような酸としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、ホウ酸、酢酸、炭酸、蟻酸、安息香酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、亜硫酸、次亜硫酸、亜硝酸、次亜硝酸、亜リン酸、次亜リン酸等のプロトン酸を用いることができる。一方、塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等を用いることができる。
次いで、溶媒置換を行う。具体的には、卑金属顔料が非水系媒体中に分散された分散液を遠心分離して上澄み液を除去し、そこに予め混合して調製しておいた後述する水系媒体を適量加えて、超音波照射することにより水系媒体中に卑金属顔料を分散させる。以上の工程により、本実施の形態に係る卑金属顔料(卑金属顔料水性分散液)が得られる。また、このようにして得られた卑金属顔料をさらに加熱処理することも好ましい。母粒子の表面に物理吸着していたフッ素系化合物は、加熱することにより脱水して共有結合を形成するものと推測され、母粒子とフッ素系化合物とがより強固に結合することができ、上述したような本発明による効果をより効果的に発現させることができる。加熱温度としては、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上である。加熱処理時間は、1日〜10日であることが好ましい。さらに、加熱処理した卑金属顔料を水系媒体で洗浄することも好ましい。これにより、卑金属顔料の表面に物理吸着して外れやすくなっていたフッ素系化合物を除去することができ、不要なフッ素系化合物を水系媒体から除去することで、水系媒体中における卑金属顔料の分散安定性を更に向上できる。洗浄に使用する水系媒体には、洗浄力を高める観点から、フッ素系化合物に対する溶解性を有する溶剤(例えば2−メチル−2,4−ペンタンジオール)や後述するフッ素系界面活性剤を添加するとよい。
上記水系媒体は、水を主成分とする媒体であればよく、有機溶媒、界面活性剤、第三級アミン、pH調整剤等をさらに添加してもよい。水系媒体中の水の含有割合は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、特に好ましくは45質量%以上であ
る。
水系媒体に添加し得る有機溶媒としては、水との相溶性の観点から、極性有機溶媒であることが好ましい。このような極性有機溶媒としては、例えばアルコール類(メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、フッ化アルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、カルボン酸エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、多価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等)、ラクタム類(2−ピロリドン等)、グリコールエーテル系溶媒(トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどのアルキレングリコールモノエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのアルキレングリコールジエーテル等)等が挙げられる。水系媒体中の有機溶剤の含有割合は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは35〜55質量%以下である。有機溶媒の含有割合が上記範囲内であると、卑金属顔料の耐水性が向上するとともに、金属光沢性が良好となる場合がある。
水系媒体に添加し得る界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤及び/又はシリコン系界面活性剤であることが好ましい。水系媒体中の界面活性剤の含有割合は、好ましくは3質量%以下、より好ましくは0.01〜2質量%以下、特に好ましくは0.1〜1質量%以下である。界面活性剤の含有割合が上記範囲内であると、卑金属顔料の耐水性がより向上する傾向がある。また、金属光沢画像を記録した際にスリップ剤としての機能が発現し、画像の耐擦性が向上する効果が得られる場合がある。
フッ素系界面活性剤としては、例えばメガファックF−430、メガファックF−444、メガファックF−472SF、メガファックF−475、メガファックF−477、メガファックF−552、メガファックF−553、メガファックF−554、メガファックF−555、メガファックF−556、メガファックF−558、メガファックR−94、メガファックRS−75、メガファックRS−72−K(以上いずれも商品名、DIC株式会社製);EFTOP EF−351、EFTOP EF−352、EFTOP
EF−601、EFTOP EF−801、EFTOP EF−802(以上いずれも商品名、三菱マテリアル株式会社製);フタージェント222F、フタージェント251、FTX−218(以上いずれも商品名、株式会社ネオス製);サーフロンSC−101、サーフロンKH−40(以上いずれも商品名、AGCセイミケミカル株式会社製)等が挙げられる。
シリコン系界面活性剤としては、例えば、BYK−300、BYK−306、BYK−310、BYK−320、BYK−330、BYK−344、BYK−346、BYK−UV3500、BYK−UV3570(以上いずれも商品名、ビックケミー・ジャパン(株式会社製);KP−341、KP−358、KP−368、KF−96−50CS、KF−50−100CS(以上いずれも商品名、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
水系媒体に添加し得る第三級アミンとしては、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール、N,N−ジエチル−2−アミノエタノール等のヒドロキシルアミンが挙げられる。
水系媒体に添加し得るpH調整剤としては、pHを5〜10の範囲に調整できる緩衝作用を有するものであることが好ましい。本実施の形態に係る卑金属顔料は、pHが5〜10の範囲では、卑金属顔料(特にアルミニウム及びアルミニウム合金)のゼータ電位が負となり、卑金属顔料同士の静電反発力によって卑金属顔料の分散安定性が向上する。このような緩衝作用を有するpH調整剤としては、例えば4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、モルホリノエタンスルホン酸(MES)、カルバモイルメチルイミノビス酢酸(ADA)、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、コラミン塩酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸(BES)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、アセトアミドグリシン、トリシン、グリシンアミド、ビシン等のグッドバッファー、リン酸緩衝液、トリス緩衝液などが挙げられる。
なお、交流式誘電率測定装置を用いて測定した23℃、顔料を除いた際の10kHz時の水系媒体の比誘電率は、45以上60以下であることが好ましく、50以上58以下であることがより好ましい。上記範囲内の比誘電率を有する水系媒体を使用することにより、フッ素系化合物によって表面処理された卑金属顔料の耐水性および分散安定性がより良好となる。
本発明における比誘電率は、23℃において交流式誘電率測定装置を用いた平行板コンデンサ法により測定することができる。具体的には、23℃環境下において、平行に設置された2つの電極板の間(極板間のギャップは0.5mm)に試料となる試料を挟んでコンデンサを形成する。次いで、1Vの交流を10〜100kHzの周波数で印加して比誘電率を測定し、10kHzの周波数で印加した時の比誘電率を本発明における「比誘電率」とする。
1.5.卑金属顔料の物性
1.5.1.形状
本実施の形態に係る卑金属顔料の形状は、球状、紡錘形状、針状等、いかなる形状のものであってもよいが、リン片状であることが好ましい。卑金属顔料の形状がリン片状である場合、光反射性が良好となるため、金属光沢性に優れた画像を記録することができる。
本発明において、リン片状とは、平板状、湾曲板状等のように、所定の角度から観察した際(平面視した際)の面積が、当該観察方向と直交する角度から観察した際の面積よりも大きい形状のことをいい、特に、投影面積が最大となる方向から観察した際(平面視した際)の面積S[μm]と、当該観察方向と直交する方向のうち観察した際の面積が最大となる方向から観察した際の面積S[μm]に対する比率(S/S)が、好ましくは2以上であり、より好ましくは5以上であり、特に好ましくは8以上である。この値としては、例えば任意の10個の粒子について観察を行い、これらの粒子について算出される値の平均値を採用することができる。
1.5.2.平均粒子径および平均厚み
本実施の形態に係る卑金属顔料では、平均粒子径が0.25〜3μmであることが好ましく、0.25〜1.5μmであることがより好ましく、0.3μm以上1μm未満がさらに好ましい。また、本実施の形態に係る卑金属顔料では、平均厚みが1〜100nmであることが好ましく、10〜70nmであることがより好ましい。卑金属顔料の平均粒子径及び平均厚みが上記範囲にあることで、水性インク組成物に適用した場合において、塗膜の平滑性に優れ、金属光沢性に優れた画像を記録することができる。また、生産性良く顔料分散液を製造できると共に、水性インク組成物製造時における卑金属顔料の不本意な変形を防止することもできる。
この平均粒子径は、粒子像分析装置により得られる卑金属顔料の投影画像の面積から求めた円相当径の50%平均粒子径(R50)で表される。「円相当径」とは、粒子像分析装置を用いて得られる該卑金属顔料の投影画像の面積と同じ面積を持つ円と想定したときの当該円の直径である。例えば卑金属顔料の投影画像が多角形である場合、その投影画像を円に変換して得られた当該円の直径を、その卑金属顔料の円相当径という。
卑金属顔料の投影画像の面積および円相当径は、粒子像分析装置を用いて測定することができる。このような粒子像分析装置としては、例えば、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100、FPIA−3000、FPIA−3000S(以上、シスメックス株式会社製)等が挙げられる。なお、円相当径の平均粒子径は、個数基準の粒子径である。また、FPIA−3000または3000Sを用いる場合の測定方法としては、高倍率撮像ユニットを用い、HPF測定モードで測定する方法が一例として挙げられる。
なお、平均厚みとは、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて卑金属顔料の側面画像を撮影し、10個の卑金属顔料の厚みをそれぞれ求め、それらを平均したものである。透過型電子顕微鏡(TEM)としては、日本電子株式会社製の型式「JEM−2000EX」等が、走査型電子顕微鏡としては、株式会社日立ハイテクノロジーズ製の型式「S−4700」等がそれぞれ挙げられる。
2.卑金属顔料水性分散液
本実施の形態に係る卑金属顔料水性分散液は、フッ素系化合物によって表面処理された卑金属顔料と、溶媒の一部としての水と、を含む卑金属顔料水性分散液であって、超音波式ゼータ電位測定装置を用いて測定されたゼータ電位が、pH5以上10以下の範囲において、−50mV以上−15mV以下であることを特徴とする。
すなわち、本実施の形態に係る卑金属顔料水性分散液は、上記卑金属顔料が上記水系媒体中に分散されてなるものである。したがって、卑金属顔料を構成する母粒子やフッ素系化合物、ならびに卑金属顔料の形状、ゼータ電位、平均粒子径、平均厚み、製造方法、水系媒体および添加剤等は、上述した卑金属顔料と同様であるため説明を省略する。
本実施の形態に係る卑金属顔料水性分散液において、遠心分離によって卑金属顔料を取り除いた水系媒体について測定した比誘電率は、45以上60以下であることが好ましく、50以上58以下であることがより好ましい。上記範囲内の比誘電率を有する水系媒体を分散媒として使用することにより、フッ素系化合物によって表面処理された卑金属顔料の耐水性および分散安定性がより良好となる。
3.水性インク組成物
本実施の形態に係る水性インク組成物は、フッ素系化合物によって表面処理された卑金属顔料と、溶媒の一部としての水と、を含む水性インク組成物であって、超音波式ゼータ電位測定装置を用いて測定されたゼータ電位が、pH5以上10以下の範囲において、−50mV以上−15mV以下であることを特徴とする。
卑金属顔料を構成する母粒子やフッ素系化合物、ならびに卑金属顔料の形状、平均粒子径、平均厚み、製造方法、水系媒体および添加剤等は、上述した卑金属顔料と同様であるため説明を省略する。
本実施の形態に係る水性インク組成物によれば、卑金属顔料の耐水性および分散安定性が良好な水性インク組成物となる。本実施の形態に係る水性インク組成物は、卑金属顔料の分散安定性に優れるので、インクジェットプリンターに適用した場合においても卑金属
顔料同士が凝集することによるノズルの目詰まり等が抑制される。これにより、インクの吐出安定性が良好となる。また、卑金属顔料の表面に結合しているフッ素系化合物中のフッ素の効果により、表面自由エネルギーを低くすることができるので、インク乾燥時に卑金属顔料がリーフィングしやすく、金属光沢性に優れた画像を記録することができる。
さらに、本実施の形態に係る水性インク組成物によれば、広いpH領域においてゼータ電位が負の値で安定しているため、ヘッドキャップや廃液タンク中で他の水性インクと混合した場合であっても、ヘッドノズル孔近傍での凝集による吐出不良、凝集沈降した残渣によるキャップ不良、廃液経路でのゲル化、廃液ボトル下での沈降物の蓄積等の不具合を防止できる。
本実施の形態に係る水性インク組成物において、遠心分離によって卑金属顔料を取り除いた水系媒体について測定した比誘電率は、45以上60以下であることが好ましく、50以上58以下であることがより好ましい。上記範囲内の比誘電率を有する水系媒体を分散媒として使用することにより、フッ素系化合物によって表面処理された卑金属顔料の耐水性および分散安定性がより良好となる。なお、水性媒体が混合溶媒の場合、混合溶媒の比誘電率は、各溶媒の比誘電率の加重平均に近い値を示すのが一般的であるが、溶剤間の相互作用等の他の要因によって加重平均の値とは離れた値を示す場合も多く存在する。
本発明において「水性インク組成物」とは、溶媒の総量を100質量%としたときに、水を30質量%以上、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上含有するインク組成物のことをいう。水は、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などの純水または超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を紫外線照射または過酸化水素添加などにより滅菌処理した水は、長期間に亘りカビやバクテリアの発生を抑制することができるので好ましい。
本実施の形態に係る水性インク組成物中の卑金属顔料の濃度は、水性インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.1〜5.0質量%、より好ましくは0.25〜3.0質量%、特に好ましくは0.5〜2.5質量%である。
本実施の形態に係る水性インク組成物には、樹脂類、界面活性剤、アルカンジオール、多価アルコール、pH調整剤等を必要に応じて添加することができる。
樹脂類は、卑金属顔料を記録媒体上に強固に定着させる機能を有する。樹脂類としては、例えばアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、塩化ビニリデンの単独重合体もしくは共重合体、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、天然樹脂等が挙げられる。なお、上記の共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれの形態でも用いることができる。
界面活性剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリシロキサン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤を含有することが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤、ポリシロキサン系界面活性剤およびフッ素系界面活性剤は、記録媒体等の被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用することもでき、例えば、オル
フィンE1010、STG、Y(以上、日信化学工業株式会社製)、サーフィノール104、82、465、485、TG(以上、Air Products and Chemicals Inc.製)が挙げられる。ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販品を利用することができ、例えば、BYK−347、BYK−348(以上、ビックケミー・ジャパン株式会社製)等が挙げられる。フッ素系界面活性剤としては、例えばメガファックF−430、メガファックF−444、メガファックF−472SF、メガファックF−475、メガファックF−477、メガファックF−552、メガファックF−553、メガファックF−554、メガファックF−555、メガファックF−556、メガファックF−558、メガファックR−94、メガファックRS−75、メガファックRS−72−K(以上いずれも商品名、DIC株式会社製);EFTOP EF−351、EFTOP EF−352、EFTOP EF−601、EFTOP EF−801、EFTOP EF−802(以上いずれも商品名、三菱マテリアル株式会社製);フタージェント222F、フタージェント251、FTX−218(以上いずれも商品名、株式会社ネオス製);サーフロンSC−101、サーフロンKH−40(以上いずれも商品名、AGCセイミケミカル株式会社製)等が挙げられる。さらに、水性インク組成物には、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などのその他の界面活性剤を添加することもできる。
アルカンジオールは、記録媒体等の被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。アルカンジオールとしては、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール等の炭素数が4以上8以下の1,2−アルカンジオールであることが好ましい。これらの中でも炭素数が6以上8以下の1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールは、記録媒体への浸透性が特に高いためより好ましい。
多価アルコールは、例えば水性インク組成物をインクジェット記録装置に適用した場合に、水性インク組成物の乾燥を抑制し、インクジェット記録ヘッド部分における水性インク組成物の目詰まりを防止することができる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えばリン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
また、本実施の形態に係る水性インク組成物には、水溶性ロジン等の定着剤、安息香酸ナトリウム等の防黴剤・防腐剤、アロハネート類等の酸化防止剤・紫外線吸収剤、キレート剤、酸素吸収剤等の添加剤を添加することができる。これらの添加剤は、1種単独で用いることもできるし、2種以上組み合わせて用いることもできる。
なお、本実施の形態に係る水性インク組成物は、重合性化合物を実質的に含有しないことが好ましい。重合性化合物を「実質的に含有しない」とは、水性インク組成物に重合性化合物を意図的に添加しない程度の意味であり、水性インク組成物を調整する際に添加する添加剤にあらかじめ含まれているような重合性化合物は含んでも構わない。これにより、記録される画像の金属光沢性が良好になる場合がある。なお、水性インク組成物が重合性化合物を含有する場合には、組成物の安定性(保存安定性)に劣り、ゲル化による粘度
上昇による吐出安定性の低下等の問題を引き起こす場合がある。
このような重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物が挙げられる。ラジカル重合性化合物としては、例えばアリル化合物、更に好ましくはアリルエーテル化合物、エチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸化合物、ビニル化合物が挙げられる。カチオン重合性化合物としては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−310937号、特開2001−220526号などの各公報に記載されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
本実施形態に係る水性インク組成物は、その用途は特に限定されず、例えば、筆記具、スタンプ、記録計、ペンプロッター、インクジェット記録装置等に適用することができる。
本実施の形態に係る水性インク組成物の20℃における粘度は、好ましくは2mPa・s以上10mPa・s以下であり、より好ましくは3mPa・s以上5mPa・s以下である。水性インク組成物の20℃における粘度が前記範囲内にあると、ノズルから水性インク組成物が適量吐出され、水性インク組成物の飛行曲がりや飛散を一層低減することができるため、インクジェット記録装置に好適に使用することができる。
4.実施例
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例、比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。
4.1.実施例1
4.1.1.アルミニウム粒子分散液の調製
まず、表面が平滑なポリエチレンテレフタレート製のフィルム(表面粗さRaが0.02μm以下)を用意した。
次に、このフィルムの一方の面の全体にシリコーンオイルを塗布した。このシリコーンオイルを塗布した面側に、蒸着法を用いてアルミニウムで構成された膜(以下、単に「アルミニウム膜」ともいう。)を形成した。
次に、アルミニウム膜が形成されたフィルムを、ジエチレングリコールジエチルエーテル中に入れ、超音波を照射することにより、フィルムからアルミニウム膜を剥離・粉砕した。次に、これをホモジナイザーに投入し約8時間粉砕処理することにより、リン片状のアルミニウム粒子(母粒子)の分散液を得た。この分散液中におけるアルミニウム粒子の濃度は10質量%であった。
次に、上記のようにして得られたアルミニウム粒子を含む分散液100質量部に対して、ジエチレングリコールジエチルエーテルを100質量部添加し、アルミニウム粒子の濃度を5質量%に調整後、アルミニウム粒子100質量部に対して2−(パーフルオロヘキシル)エチルホスホン酸を50質量部加え、液温55℃で、3時間超音波を照射しながら、アルミニウム粒子の表面処理を行った。その後、遠心分離機(10000rpm×30分)にてアルミニウム粒子を遠心沈降させ、その上澄み部分を廃棄し、そこにフッ素系界面活性剤(DIC株式会社製、製品名「メガファックF−553」)を添加したプロピレングリコール水溶液を添加してアルミニウム粒子を再分散させて70℃で6日間加熱処理
した。次いで、遠心分離機(10000rpm×30分)にてアルミニウム粒子を遠心沈降させ、その上澄み部分を廃棄し、そこに2−メチル−2,4−ペンタンジオール水溶液を加えて、さらに超音波を照射することによりアルミニウム粒子を洗浄した。このようにして、表面処理されたアルミニウム粒子を得た。得られたアルミニウム粒子の平均粒子径は0.8μm、平均厚みは10nmであった。このようにして得られたアルミニウム粒子分散液を表1中では、「分散液1」と表記した。
4.1.2.水性インク組成物の調製
上記で洗浄されたアルミニウム粒子分散液を、遠心分離機(10000rpm×30分)にてアルミニウム粒子を遠心沈降させ、そこに表1に記載のアルミニウム粒子以外の成分を混合した水系媒体をアルミニウム粒子の濃度が1.2質量%となるように添加して、さらに超音波を照射することにより表1に記載の水性インク組成物を得た。
4.1.3.ゼータ電位および比誘電率の測定
<ゼータ電位測定>
上記で得られた水性インク組成物について、超音波方式ゼータ電位測定装置(Dispersion Technology社製、装置名「DT−1200」)を用いてpH4〜12の領域におけるゼータ電位を測定した。なお、具体的な測定方法は以下の通りである。
測定の手順としては、まずアルミニウム顔料を除いたインク(インク水)のイオン電流を測定する。具体的には、測定温度25℃でDT−1200を用い、下記の方法で測定したインク水の比誘電率と、25℃における静的粘度を測定装置に入力して測定する。その後、同様に測定温度25℃でDT−1200を用いインク組成物のイオン電流を測定する。装置へ入力したパラメータは、下記の方法で測定したインク水の比誘電率と、25℃におけるインク水の静的粘度と、溶質データ(今回はAl)と、顔料の平均粒子径(今回は0.8μm)である。なお、インク水及びインク組成物のpH調整剤は、共にNaOHを用いた。最後にインク組成物とインク水のイオン電流の差分を算出し、顔料のゼータ電位を求めた。差分を算出する理由としては、インク組成物に含まれる分散剤はpH調整剤に由来する電流値(ノイズ)を除去するためである。
<比誘電率測定>
上記で得られた水性インク組成物を遠心分離(3,000rpm、10分間)してアルミニウム粒子を沈降させてその上澄み液を試料とした。23℃において交流式誘電率測定装置(TAインスツルメント社製、装置名「ARES−K2」)を用いた平行板コンデンサ法により比誘電率を測定した。具体的には、23℃環境下において、平行に設置された2つの電極板(直径25mmφのステンレスプレート)の間(極板間のギャップは0.5mm)に試料を挟んでコンデンサを形成し、次いで、1Vの交流を10〜100kHzの周波数で印加して比誘電率を測定し、10kHzの周波数で印加した時の比誘電率を求めた。比誘電率の測定結果を表1に併せて示す。
4.1.4.評価試験
<分散安定性評価試験>
10μmのフィルター(MILIPORE社製、MITEX MEMBRANE FILTERS(型番:LCWPO4700))に対して、上記で得られた水性インク組成物がどれだけ通過するかにより、分散安定性を評価した。分散安定性の評価基準は、以下の通りである。分散性評価試験の結果を表1に併せて示す。
「A」・・・・フィルター通過量が100cc以上
「B」・・・・フィルター通過量が10cc以上100cc未満
「C」・・・・フィルター通過量が5cc以上10cc未満
「D」・・・・フィルター通過量が1cc以上5cc未満
「E」・・・・フィルター通過量が1cc未満
<耐水性評価試験>
上記で得られた水性インク組成物をアルミパックに10cc封入した。そのアルミパックを70℃恒温下にて6日間貯蔵した。貯蔵後のガス発生量をアルキメデス法により測定した。また、70℃で6日間貯蔵した後の分散液の外観を目視により観察した。耐水性の評価基準は、以下の通りである。耐水性評価試験の結果を表1に併せて示す。
「A」・・・ガス発生量が0.5cc/g(分散液)未満、かつ、外観変化なし
「B」・・・ガス発生量が0.5cc/g(分散液)以上1cc/g(分散液)未満、かつ、外観変化なし
「C」・・・ガス発生量が1cc/g(分散液)以上、またはAl(OH)の生成が認められ白化
4.2.実施例2〜3
水性インク組成物を調製する際に、添加する水系媒体を表1に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様にして水性インク組成物を調製し、測定および評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
4.3.比較例1
アルミニウム粒子分散液を調製する際に、遠心分離後の加熱処理(プロピレングリコール水溶液)及び遠心分離後の洗浄(2−メチル−2,4−ペンタンジオール水溶液)の操作を行わなかった以外は、実施例1と同様にしてアルミニウム粒子分散液を調製した。そして、水性インク組成物を調製する際に、添加する水系媒体を表1に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様にして水性インク組成物を調製し、測定および評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
4.4.比較例2
アルミニウム粒子分散液を調製する際に、加熱処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にしてアルミニウム粒子分散液を調製した。そして、水性インク組成物を調製する際に、添加する水系媒体を表1に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様にして水性インク組成物を調製し、測定および評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
4.5.比較例3
4.5.1.アルミニウム粒子分散液の調製
母粒子については、実施例1と同様のものを使用した。すなわち、リン片状のアルミニウム粒子(母粒子)を10質量%含有する分散液を使用した。
次いで、このアルミニウム粒子分散液100質量部をビーカーに投入し、これにテトラエトキシシラン(TEOS)10.4質量部、塩基性触媒である1mol/Lアンモニア水2質量部を添加して、7日間室温で攪拌することにより加水分解縮合させた。これにより、表面にシリカ膜が形成されたアルミニウム粒子を含有する分散液を得た。このようにして得られたアルミニウム粒子分散液を表1中では、「分散液2」と表記した。
4.5.2.水性インク組成物の調製
次いで、この表面にシリカ膜が形成されたアルミニウム粒子分散液を遠心分離(10,000rpm、60分間)し、その上澄み液であるジエチレングリコールジエチルエーテルを除去した。そこに、表1に記載のアルミニウム粒子以外の成分を混合した水系媒体をアルミニウム粒子の濃度が1.2質量%となるように添加して、さらに超音波を照射することにより表1に記載の水性インク組成物を得た。
4.5.3.測定および評価
ゼータ電位および誘電率の測定、分散安定性および耐水性の評価については、実施例1と同様にして行った。
4.6.比較例4
水性インク組成物を調製する際に、添加する水系媒体を表1に記載のものに変更した以外は、比較例3と同様にして水性インク組成物を調製し、測定および評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
4.7.評価結果
表1に、実施例1〜3、比較例1〜4で使用した水性インク組成物の組成、測定および評価の結果を示す。表1中の、各成分の欄に記載された数値は「質量%」を示し、「−」は添加していないことを示す。また、図1には、実施例1〜3および比較例1〜4におけるpHとゼータ電位の関係を表すグラフを示す。
Figure 0006315174
表1中の「メガファックF−553」は、DIC株式会社製、フッ素系界面活性剤の商
品名である。また、「BYK−2012」は、ビックケミー・ジャパン社製、アクリルコポリマー溶液の分散剤であり、商品名は「DISPERBYK−2012」である。
表1の評価結果および図1によれば、pHが5以上10以下の領域において、ゼータ電位の値が−50mV以上−15mV以下となる実施例1〜3の水性インク組成物では、フッ素系化合物によって表面処理されたアルミニウム粒子の分散安定性が良好となることが判った。また、実施例1〜3の水性インク組成物では、耐水性についても良好となることが判った。
一方、アルミニウム粒子の表面にフッ素系化合物が強固に結合していないと推測される比較例1や比較例2の水性インク組成物では、pHが5以上10以下の領域において、ゼータ電位の値が−15mVよりも大きくなる領域が存在しており、分散安定性が悪化することが判った。
また、アルミニウム粒子の表面にシリカ膜が形成された比較例3や比較例4の水性インク組成物では、pHが5以上10以下の領域において、ゼータ電位の値が−15mVよりも大きくなり、分散安定性が悪化することが判った。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

Claims (5)

  1. 溶媒の一部として水を含有する水性インク組成物用のAl、Fe、Zn、Pb、Cu、Ni、Co、Crおよびこれらの合金から選ばれる1種以上の卑金属顔料であって、
    前記卑金属顔料の表面にフッ素系化合物が共有結合により結合され
    前記フッ素系化合物が、下記一般式(1)、(3)および(4)で表される化合物から選ばれる1種であり、
    交流式誘電率測定装置を用いて23℃、10kHz時の比誘電率を測定したときに45以上60以下となる溶媒中に分散された前記卑金属顔料の超音波式ゼータ電位測定装置を用いて測定されたゼータ電位が、pH5以上10以下の範囲において、−50mV以上−15mV以下であることを特徴とする、卑金属顔料。
    Figure 0006315174
    (上記式(1)中、R はそれぞれ独立に下記構造式の中から選択される1種の基であり、Mはそれぞれ独立に水素原子、1価の金属イオン、アンモニウムイオン又は−NR である。R 、R 、R は、それぞれ水素原子又はC OH基であるが、R 、R 、R がともに水素原子である場合は除く。nは1以上3以下の整数であり、mは1以上12以下の整数であり、lは1以上12以下の整数である。)
    Figure 0006315174
    Figure 0006315174
    (上記式(3)中、R は下記構造式の中から選択される1種の基であり、Mは水素原子、1価の金属イオン又はアンモニウムイオンである。mは1以上12以下の整数であり、lは1以上12以下の整数である。)
    Figure 0006315174
    Figure 0006315174
    (上記式(4)中、R は下記構造式の中から選択される1種の基であり、Mは水素原子、1価の金属イオン又はアンモニウムイオンである。mは5以上17以下の整数であり、lは1以上12以下の整数である。)
    Figure 0006315174
  2. pH5以上10以下の範囲における前記ゼータ電位の最大値と最小値との差が15mV以下である、請求項1に記載の卑金属顔料。
  3. 形状がリン片状である、請求項1または請求項2に記載の卑金属顔料。
  4. フッ素系化合物が共有結合によって表面に結合されたAl、Fe、Zn、Pb、Cu、Ni、Co、Crおよびこれらの合金から選ばれる1種以上の卑金属顔料と、溶媒の一部としての水と、を含む卑金属顔料水性分散液であって、
    前記フッ素系化合物が、下記一般式(1)、(3)および(4)で表される化合物から選ばれる1種であり、
    交流式誘電率測定装置を用いて23℃、10kHz時の比誘電率を測定したときに45以上60以下となる溶媒中に分散された前記卑金属顔料の超音波式ゼータ電位測定装置を用いて測定されたゼータ電位が、pH5以上10以下の範囲において、−50mV以上−15mV以下であることを特徴とする、卑金属顔料水性分散液。
    Figure 0006315174
    (上記式(1)中、R はそれぞれ独立に下記構造式の中から選択される1種の基であり、Mはそれぞれ独立に水素原子、1価の金属イオン、アンモニウムイオン又は−NR である。R 、R 、R は、それぞれ水素原子又はC OH基であるが、R 、R 、R がともに水素原子である場合は除く。nは1以上3以下の整数であり、mは1以上12以下の整数であり、lは1以上12以下の整数である。)
    Figure 0006315174
    Figure 0006315174
    (上記式(3)中、R は下記構造式の中から選択される1種の基であり、Mは水素原子、1価の金属イオン又はアンモニウムイオンである。mは1以上12以下の整数であり、lは1以上12以下の整数である。)
    Figure 0006315174
    Figure 0006315174
    (上記式(4)中、R は下記構造式の中から選択される1種の基であり、Mは水素原子、1価の金属イオン又はアンモニウムイオンである。mは5以上17以下の整数であり、lは1以上12以下の整数である。)
    Figure 0006315174
  5. フッ素系化合物が共有結合によって表面に結合されたAl、Fe、Zn、Pb、Cu、Ni、Co、Crおよびこれらの合金から選ばれる1種以上の卑金属顔料と、溶媒の一部としての水と、を含む水性インク組成物であって、
    前記フッ素系化合物が、下記一般式(1)、(3)および(4)で表される化合物から選ばれる1種であり、
    交流式誘電率測定装置を用いて23℃、10kHz時の比誘電率を測定したときに45以上60以下となる溶媒中に分散された前記卑金属顔料の超音波式ゼータ電位測定装置を用いて測定されたゼータ電位が、pH5以上10以下の範囲において、−50mV以上−
    15mV以下であることを特徴とする、水性インク組成物。
    Figure 0006315174
    (上記式(1)中、R はそれぞれ独立に下記構造式の中から選択される1種の基であり、Mはそれぞれ独立に水素原子、1価の金属イオン、アンモニウムイオン又は−NR である。R 、R 、R は、それぞれ水素原子又はC OH基であるが、R 、R 、R がともに水素原子である場合は除く。nは1以上3以下の整数であり、mは1以上12以下の整数であり、lは1以上12以下の整数である。)
    Figure 0006315174
    Figure 0006315174
    (上記式(3)中、R は下記構造式の中から選択される1種の基であり、Mは水素原子、1価の金属イオン又はアンモニウムイオンである。mは1以上12以下の整数であり、lは1以上12以下の整数である。)
    Figure 0006315174
    Figure 0006315174
    (上記式(4)中、R は下記構造式の中から選択される1種の基であり、Mは水素原子、1価の金属イオン又はアンモニウムイオンである。mは5以上17以下の整数であり、lは1以上12以下の整数である。)
    Figure 0006315174
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