JP6313269B2 - 制振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両の車体と台車枠との間の2次ばね系に設けられる制振装置に関し、特に空気ばねの伸縮に起因して発生する減衰力を低減したものに関する。
一般に、鉄道車両は、輪軸を支持する軸箱と台車枠との間に設けられる1次ばね系、及び、台車枠と車体との間に設けられる2次ばね系を有して構成されている。
2次ばね系は、車体と台車枠との上下方向の相対変位に応じた反力を発生するまくらばねを有する。
近年の鉄道車両においては、まくらばねとして、ばね定数が低くかつ車高調整が容易な空気ばねが用いられることが多く、これによって台車から車体への振動を絶縁し、乗り心地の改善がなされている。
このような鉄道車両において用いられる空気ばねは、ゴム製のダイヤフラム及び積層ゴムによって形成される空気ばね本体と、これに接続される補助空気室と、空気ばね本体と補助空気室との間に設けられる絞りによって構成されているものがほとんどである。
車両の動揺によって、車体と台車との間に上下方向の相対変位が発生すると、ダイヤフラムの伸縮に応じて、空気ばね本体と補助空気室とを連通させる流路を空気が流れ、その空気の流れに対して絞りが作用して減衰力を発生する。
また、近年、車両の乗り心地をより向上させる目的で、車体に設けられた加速度センサの出力等に応じて、可変減衰ダンパの減衰特性(ダンパ速度に対する減衰力の発生特性)や、上下動アクチュエータの発生力を制御することが提案されている。
このような制振装置に関する従来技術として、例えば特許文献1には、空気ばねであるまくらばねの内部に設けられる絞りの大きさを、スカイフックダンパ理論による最適な減衰力に応じて連続的に変化させることが記載されている。
しかし、こうした空気流路の絞りを利用した減衰手段は、得られる減衰の大きさが限られるうえ、その減衰は空気ばねと直列に作用することになるため、十分な車体の制振性能を得ることは難しい。
また、空気ばねの内部に可変絞り機構を設けた場合、空気ばねの構造が複雑化するうえ、空気ばね内部に設けた機構の検査を行う際には、空気ばねを車両から取り外して空気ばねを解体しなければならず、メンテナンス性が大幅に悪化してしまう。
これに対し、特許文献2には、空気ばね(まくらばね)の外部に、まくらばねと並列に可変減衰ダンパを設ける例が記載されている。
このように空気ばねとは独立した油圧ダンパ、アクチュエータ等の制振力発生手段を用いることによって、上述した空気ばね内の絞りを用いた減衰手段特有の問題を解決することができる。
特許文献2のように、空気ばねと並列に可変減衰ダンパ等の制振力発生手段を設ける場合、制振制御による効果を向上させるためには、制振力発生手段と並列に制御不可能な減衰が極力存在しないことが好ましいため、空気ばねと補助空気室との間で絞り効果によって発生する減衰力を抑制することが望ましい。
この点、非特許文献1においては、車体加速度に応じて制御される可変減衰ダンパを有する鉄道車両において、まくらばね本体と補助空気室との間に通常設けられる絞りを除去し、絞りによる減衰力の発生を抑制することが記載されている。
特開平 6−239230号公報 特許第4700862号
菅原能生、小島崇、風戸昭人、川上正一郎著「可変減衰上下動ダンパを用いた車体振動低減(在来線車両を用いた走行試験結果)」第21回鉄道技術・政策連合シンポジウム(J−RAIL2014)講演論文集 講演番号S1−2−5
しかし、上述した非特許文献1のように、まくらばね本体と補助空気室との間の絞りを除去した場合であっても、実際に加振試験を行うと、絞りを有する場合に対して十分な減衰低減効果が得られず、制御不可能な減衰力が発生することによって、防振制御の効果を減殺してしまう場合があった。
すなわち、絞りが取り付けられる開口は、車両メンテナンス時等において空気ばねをクレーン等で吊り下げるための運搬用治具が締結されるネジ穴を兼ねている場合がほとんどであり、メンテナンス性を考慮すると、減衰を抑制するためにその内径を大きくすることは困難であり、絞りを除去した場合であってもある程度の減衰力を生じてしまうことは避けられない。
このため、空気ばねの伸縮に伴う補助空気室との間の空気の流れによって発生する減衰をより小さくし、制振装置全体としての減衰特性の設定自由度を向上することが要望されている。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、空気ばねの伸縮に起因して発生する減衰力を低減した制振装置を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明の制振装置は、車体と、前記車体の下部にボギー角付与可能に取り付けられるとともに輪軸の両端部を支持する軸箱が軸箱支持装置を介して取り付けられた台車枠と、前記車体と前記台車枠との間に設けられ前記車体と前記台車枠との上下方向相対変位に応じたばね反力を発生する空気ばねと、前記車体と前記台車枠との間に前記空気ばねと並列に設けられ前記車体の振動を抑制する上下力を発生する制振力発生手段とを備える制振装置であって、前記空気ばねは、前記車体側に取り付けられ平面視における中央部に第1の開口が形成された上部部材と、前記上部部材の下方で前記台車枠側に取り付けられ前記平面視における中央部に第2の開口が形成された下部部材と、前記上部部材と前記下部部材との間にわたして設けられ可撓性を有する材料によって形成されたダイヤフラムと、前記台車枠に設けられた補助空気室とを有し、前記第2の開口は、前記空気ばねに水平方向力が負荷されない中立状態において前記第1の開口と実質的に同心に形成されるとともに、前記ダイヤフラムの内部と前記補助空気室の内部とを連通させる流路の一部を構成し、前記下部部材は、前記第2の開口と離間して配置され前記ダイヤフラムの内部と前記補助空気室の内部とを連通させるバイパス流路が形成され、前記第2の開口の一部は、運搬用治具のボルト部と螺合可能な雌ネジが形成されたネジ穴であり、前記バイパス流路は、前記第2の開口に対して水平方向にオフセットした箇所において前記下部部材を貫通して形成された第3の開口を有することを特徴とする。
これによれば、メンテナンス性や既存車両との部品互換性などの点から、第2の開口の流路断面積を拡大することが困難な場合であっても、第3の開口を設けることにより、空気ばねの内部と補助空気室との間の流路断面積の和を増大することによって、空気ばね本体と補助空気室との間の絞り効果によって発生する減衰力を低減し、制振装置の減衰特性の設定自由度を向上することができる。
これによって、制振制御の効果をより一層向上し、乗り心地を向上することができる。
本発明において、前記第3の開口は、前記下部部材の平面視において前記第2の開口の周囲に周方向に分散して複数形成される構成とすることができる。
これによれば、下部部材の強度や他部品の配置に及ぼす影響を抑制することができる。
また、本発明の他の制振装置は、車体と、前記車体の下部にボギー角付与可能に取り付けられるとともに輪軸の両端部を支持する軸箱が軸箱支持装置を介して取り付けられた台車枠と、前記車体と前記台車枠との間に設けられ前記車体と前記台車枠との上下方向相対変位に応じたばね反力を発生する空気ばねと、前記車体と前記台車枠との間に前記空気ばねと並列に設けられ前記車体の振動を抑制する上下力を発生する制振力発生手段とを備える制振装置であって、前記空気ばねは、前記車体側に設けられ平面視における中央部に第1の開口が形成された上部部材と、前記上部部材の下方で弾性体を介して前記台車枠に取り付けられ前記平面視における中央部に第2の開口が形成された下部部材と、前記上部部材と前記下部部材との間にわたして設けられ可撓性を有する材料によって形成されたダイヤフラムと、前記台車枠に設けられた補助空気室と、前記台車枠から上方へ突出しかつ突端部が前記第2の開口に挿入されたストッパ部材と、一方の端部が前記ストッパ部材の上部に開口しかつ他方の端部が前記補助空気室と連通した流路とを備え、前記流路の前記一方の端部は、前記空気ばねに水平方向力が負荷されない中立状態において前記第1の開口と実質的に同心に形成され、前記ストッパ部材は、前記ストッパ部材の側面部に形成された開口と前記補助空気室の内部とを連通させるバイパス流路が形成されることを特徴とする。
これによれば、例えば高速鉄道で用いられるような弾性体の最大変形量を規制するストッパ部材を備えた空気ばねを有する制振装置においても、上述した発明の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
上記各発明において、前記流路の流路断面積と前記バイパス流路の流路断面積との和は、前記空気ばねと前記補助空気室とを接続する管路における流路断面積に対して実質的に同等以上である構成とすることができる。
これによれば、空気ばね内部に形成される流路及びバイパス流路の流路断面積の和を、これらによる減衰力が実質的に発生しない程度に十分に確保することによって、空気ばねと補助空気室との間に局所的に流路断面積が小さくなる箇所が形成されることを防止し、上述した効果を確実に得ることができる。
上記各発明において、車体の振動を抑制する目標減衰特性を演算する制振制御手段を備え、前記制振力発生手段は、前記目標減衰特性に応じて減衰特性を変更可能な可変減衰ダンパである構成とすることができる。
また、上記各発明において、車体の振動を抑制する目標制振力を演算する制振制御手段を備え、前記制振力発生手段は、前記目標制振力に応じて上下力を発生する上下動アクチュエータである構成とすることができる。
また、上記各発明において、車体の振動を抑制する目標減衰特性及び目標制振力をそれぞれ演算する制振制御手段を備え、前記制振力発生手段は、前記目標減衰特性に応じて減衰特性を変更可能な可変減衰ダンパと、前記目標制振力に応じて上下力を発生する上下動アクチュエータとを並列に設けた構成とすることができる。
これらの各発明によれば、空気ばねと補助空気室との間で発生する減衰効果によって、可変減衰ダンパと上下動アクチュエータとの何れか一方又は両方を制御する制振制御の効果が減殺されることがなく、制振効果をよりいっそう向上することができる。
以上のように、本発明によれば、空気ばねの伸縮に起因して発生する減衰力を低減した制振装置を提供することができる。
本発明を適用した制振装置の第1実施形態を有する鉄道車両を前後方向から見た状態を模式的に示す図である。 本発明の比較例1である制振装置に設けられるまくらばねの断面図である。 比較例1のまくらばねに設けられる下面板の二面図である。 比較例1のまくらばねに運搬用治具を取り付けた状態を示す図である。 第1実施形態の制振装置に設けられるまくらばねの断面図である。 第1実施形態のまくらばねに設けられる下面板の二面図である。 第1実施形態及び比較例2の制振装置の力学モデルを示す図である。 本発明の比較例3である制振装置に設けられるまくらばねの断面図である。 比較例3のまくらばねに設けられる下面板の二面図である。 比較例3のまくらばねにおいて車体が台車枠に対して枕木方向に相対変位した状態を示す断面図である。 本発明を適用した制振装置の第2実施形態に設けられるまくらばねの断面図である。
<第1実施形態>
以下、本発明を適用した制振装置の第1実施形態について説明する。
第1実施形態の制振装置は、例えば、実質的に六面体状に形成された構体を有する車体の下部に、前後一対の2軸ボギー台車を取り付けて構成される電車等の旅客車両に設けられるものである。
車両は、軸ばね及び軸ダンパ等を有する1次ばね系、及び、まくらばね及びまくらばねと並列に配置された制振力発生手段等を有する2次ばね系を有する。
第1実施形態の制振装置は、この2次ばね系に設けられるものである。
図1は、第1実施形態の制振装置を有する鉄道車両を前後方向から見た状態を模式的に示す図である。
車両1は、車体10、台車枠20、輪軸30、軸箱40、中心ピン50、左右動ダンパ60、上下動ダンパ70、まくらばね100等を有して構成されている。
車体10は、乗客等が収容される車室等を構成する部分である。
車体10は、床面部を支持する台枠の側端部、前後端部から、側構及び妻構をそれぞれ上方へ立ち上げるとともに、側構及び妻構の上部に屋根構を取り付けることによって、実質的に六面体状に形成されている。
台車枠20は、車体10の下部に、鉛直軸回りに回動(ボギー角付与)可能に取り付けられる台車の主要構造部材である。
台車は、例えば2軸のボギー台車である。
台車枠20は、例えば、前後方向に沿って延在する左右一対の側梁を、枕木方向に沿って延在する横張及び端梁で接続することによって、上方から見た平面形状が実質的に矩形状となる枠体として形成されている。
台車枠20は、車体10に対して、上下方向に相対変位可能に取り付けられている。
輪軸30は、車軸の両端部に左右一対の車輪を固定して構成されている。
軸箱40は、輪軸30の両端部に形成されたジャーナル部を回転可能に支持するものである。
軸箱40は、軸受、潤滑装置、車速センサ等を有して構成されている。
軸箱40は、軸箱支持装置により、台車枠20に対して上下方向及び輪軸30を操舵する方向に相対変位可能に支持されている。
台車枠20と軸箱40との間には、軸ばね41及び軸ダンパ42を有する1次ばね系が設けられている。
軸ばね41は、台車枠20に対する軸箱40の上下方向相対変位に応じたばね反力を発生する空気ばねやコイルばね等のばね要素である。
軸ダンパ42は、台車枠20に対する軸箱40の上下方向相対速度に応じた減衰力を発生する油圧ダンパ等の減衰力発生装置である。
中心ピン50は、車体10の下部から台車枠20の中央部へ突出して形成されている。
中心ピン50の先端には、車体10と台車枠20との間で、駆動力や制動力等の前後力を伝達するために設けられる図示しない牽引装置が取り付けられ、車体10に対する台車枠20の前後方向における位置決めがなされている。
左右動ダンパ60は、車体10の下部の中心ピン50と、台車枠20の横梁との間に設けられ、台車枠20に対する車体10の枕木方向相対速度に応じた減衰力(制振力)を発生し、車体10の横揺れを抑制する油圧ダンパである。
上下動ダンパ70は、車体10の下部と台車枠20との間に設けられ、台車枠20に対する車体10の上下方向相対速度に応じた減衰力(制振力)を発生する油圧ダンパである。
上下動ダンパ70は、本発明にいう制振力発生手段として機能する。
上下動ダンパ70は、枕木方向に離間して、例えば台車あたり一対が設けられている。
上下動ダンパ70は、伸縮方向(ロッド及びシリンダの軸線方向)が実質的に鉛直方向に沿って配置されている。
上下動ダンパ70の上端部及び下端部は、車体10及び台車枠20に設けられたブラケットにそれぞれ連結されている。
第1実施形態において、上下動ダンパ70は、図示しない制振制御装置からの指令に応じて、伸縮時に発生する減衰力(制振力)を多段階又は無段階に変更可能な可変減衰ダンパである。
制振制御装置は、車体10の各部に配置された加速度センサの出力等に応じて、例えばスカイフック制御側等の各種制御側に基づき、車体10の上下並進モード、ピッチングモード、ローリングモード、車体曲げモード等の各種振動を低減するための目標制振力を演算する。
制振制御装置は、各上下動ダンパ70が発生する減衰力が、目標制振力に近づくように、上下動ダンパ70に対して制御指令を逐次出力する。
なお、上下動ダンパ70は、制御装置等に故障が発生した場合であっても通常走行に支障がないように、制御指令や供給電力が途絶した場合には、一般的な鉄道車両の2次ばね系と同程度(後述する比較例1のまくらばね100Aにおける絞り122の減衰効果と同程度)の減衰を発生するよう構成することが好ましい。
まくらばね100は、車体10と台車枠20との間に設けられ、上下動ダンパ70と協働して鉄道車両の2次ばね系を構成するものである。
まくらばね100として、車体10に設けられる図示しない空気溜めから圧縮空気を導入される空気ばねが用いられる。
以下、まくらばね100の構造等について詳細に説明するが、先ず、本発明の比較例1である制振装置に設けられるまくらばね100Aについて説明する。
まくらばね100Aは、第1実施形態における上下動ダンパ70に相当する制振力発生装置を持たない制振装置に設けられるものである。
比較例1の制振装置は、2次ばね系の減衰力を、空気ばねであるまくらばね100Aの内部に設けられた絞りによって発生させている。
図2は、比較例1のまくらばねの断面図である。
図2は、まくらばね100Aを、横力が負荷されない中立状態(上面板110と下面板120とが水平方向にオフセットしていない状態)において、中心軸を含む平面で切って見た断面を示している。
まくらばね100Aは、上面板110、下面板120、ダイヤフラム130、積層ゴム140等を有して構成されている。
上面板110は、車体10の下部に取り付けられる金属製の部材(本発明にいう上部部材)である。
上面板110は、実質的に円盤状に形成され、水平方向にほぼ沿って配置されている。
上面板110は、開口111、筒状部112、段部113、摺動板114等を有する。
開口111は、上面板110の中央部に設けられ、上面板110を上下方向に貫通して形成された円形開口である。
筒状部112は、開口111の周縁部から上方へ突出して形成された円筒状の部分である。
筒状部112は、車体10に設けられる図示しない空気溜めから、まくらばね100Aの内部に圧縮された空気を導入する管路として機能する。
筒状部112の外周面は、上端側が下端側に対して径が小さくなるテーパ状に形成されている。
段部113は、上面板110の下面部における外径側の領域を、上方側へ段状に凹ませて形成されている。
段部113には、ダイヤフラム130の上端部が取り付けられる。
ダイヤフラム130の上端部は、内圧充填時に、それ自体の内圧によって段部113に圧着する。
摺動板114は、上面板110の下面部における段部113よりも内径側の領域に取り付けられたプレート状の部材である。
摺動板114は、まくらばね100Aの内圧が例えば大気圧まで低下した際に、下面板120の摺動板124と当接するとともに、当接した状態であっても台車枠20の動き(ボギー角変化)を妨げないよう摺動するものである。
下面板120は、積層ゴム140を介して台車枠20の側梁の上面部に取り付けられる金属製の部材(本発明にいう下部部材)である。
図3は、比較例1のまくらばねに設けられる下面板の二面図である。
図3(a)は、下面板120の中心軸を含む平面で切って見た断面を示し、図3(b)は、図3(a)のb−b部矢視図を示している。また、図3(a)は、図3(b)のa−a部矢視断面図を示している。(後に説明する図6、図9において同じ)
下面板120は、実質的に円盤状に形成され、水平方向にほぼ沿って配置されている。
下面板120は、まくらばね100Aの通常使用時(車両走行時)において、上面板110の下方に、間隔を隔てて対向して配置されている。
下面板120は、開口121、絞り122、ナット穴123、摺動板124等を有する。
開口121は、下面板120の中央部に設けられ、下面板120を上下方向に貫通して形成された円形開口である。
開口121の内径d2は、上面板110の開口111の内径d1に対して小さく形成されている。
開口121の上部における一部は、機械加工によって雌ネジが形成されたネジ穴となっており、後述する運搬用治具150のボルト部151に形成された雄ネジが螺合、締結可能となっている。
絞り122は、開口121の長手方向における中間部分に設けられ、開口121内を空気が通過する際の流路断面積を部分的に縮小し、ダイヤフラム130の伸縮によって開口121内を空気が通過する際に減衰力を発生させるものである。
絞り122は、中央部に開口が形成された円盤状に形成され、開口121の内部に固定されている。
ナット穴123は、下面板120を積層ゴム140の第1プレート141に締結するナットNが収容される開口である。
ナットNは、第1プレート141から上方へ突出する図示しないボルト部に締結される。
ナット穴123は、ナットNの締結時にナットNが下面板120の上面部から突出することがないよう、下面板120の上面部に対して周囲を段状に凹ませて形成されている。
図3(b)に示すように、ナット穴123は、下面板120の周方向にほぼ等間隔に分散して例えば4箇所設けられている。
摺動板124は、下面板120の上面部に取り付けられたプレート状の部材である。
上述した上面板110の摺動板114と、下面板120の摺動板124との少なくとも一方は、例えばフッ素樹脂などの固体潤滑性を有する材質によって形成されている。
例えば、比較例1の場合には、下面板120側の摺動板124がフッ素樹脂系の材料によって形成され、上面板110側の摺動板114は金属板によって形成されている。
図3(b)に示すように、摺動板124は、上方から見た形状が実質的に矩形状に形成されるとともに、例えば6枚が下面板120の周方向に分散して放射状に取り付けられている。
ダイヤフラム130は、例えばゴム等の弾性材料によって筒状に形成された部材である。
ダイヤフラム130は、圧縮空気の内圧を保持可能な気密性、及び、上面板110と下面板120との相対変位に応じて変形可能な可撓性を有する。
ダイヤフラム130の内部には、空気溜めから供給される圧縮空気が所定の内圧で充填される。
内圧は、例えば、台車枠20に対する車体10の高さが所定の範囲内となるように、荷重等に応じて適宜制御される。
ダイヤフラム130は、上面板110と下面板120の上下方向、水平方向、傾斜方向等への相対変位に応じて適宜屈伸する。
通常時において、ダイヤフラム130の周壁部を、上面板110、下面板120の中心軸を含む平面で切って見た断面形状は、図2等に示すように、外径側が凸となるように湾曲して形成されている。
上面板110と下面板120とが上下方向に相対変位した場合には、ダイヤフラム130が屈伸して変位を吸収するようになっている。
このとき、上面板110、下面板120、ダイヤフラム130によって囲まれる領域の容積の変化に応じて、補助空気室との間で空気の行き来が発生する。
ダイヤフラム130の上部は、上面板110の段部113に取り付けられている。
ダイヤフラム130の下部は、下面板120の外周縁部と積層ゴム140の第1プレート141との間の段部に取り付けられている。
ダイヤフラム130の両端部は、内圧充填時にその内圧によりこれらの段部に圧着し、十分なシール性を得られるようになっている。
積層ゴム140は、金属板とゴム部とを層状に積層させて形成された防振部材である。
積層ゴム140は、まくらばね100A等と協働して車両の2次ばね系を構成する。
積層ゴム140は、上方側(車体10側)から順に、第1プレート141、第1ゴム部G1、第2プレート142、第2ゴム部G2、第3プレート143、第3ゴム部G3、第4プレート144、第4ゴム部G4、第5プレート145等を有する。
各プレートは、例えば平板状に形成された鋼板等の金属板であって、実質的に水平方向に沿って配置されている。
各ゴム部G1〜G4は、その上下面を、隣接するプレート141〜145に、例えば加硫接着等によって接合されている。
第1プレート141は、下面板120の下方に、ナットNによって締結され固定されている。
第1プレート141の周縁部は、下面板120に対して外側に張り出して形成されている。
下面板120の外周縁部は、ダイヤフラム130の下端部が内圧によって圧着するシール面としても機能する。
第5プレート145は、図示しないボルト等の機械的締結手段によって、台車枠20に固定されている。
また、第1プレート141、第1ゴム部G1、第2プレート142、第2ゴム部G2、第3プレート143、第3ゴム部G3、第4プレート144、第4ゴム部G4の中央部には開口が形成され、積層ゴム140の中央部には空間部Sが形成されている。
空間部Sは、上方から見たときに下面板120の開口121、及び、筒状部146に対して十分に大きく形成されている。
さらに、第5プレート145の中央部から下方に突出して、筒状部146が形成されている。
筒状部146は、第5プレート145の中央部に形成された開口を介し、積層ゴム140内部の空間部Sと連通するとともに、まくらばね100Aの本体部内と、図示しない補助空気室との間で空気を通過させる流路の一部を構成する。
積層ゴム140は、各層のゴム部G1〜G4がそれぞれ弾性変形することによって、第1プレート141と第5プレート145とが、上下方向、水平方向、傾斜方向にそれぞれ相対変位することを許容している。
また、上述した上面板110の開口111、及び、下面板120の開口121は、メンテナンス時等において、まくらばね100Aをクレーン等によって吊下げるための運搬用治具150の取付にも用いられる。
図4は、比較例1のまくらばねに運搬用治具を取り付けた状態を示す図である。
図4に示す状態においては、まくらばね100A内の内圧は減圧されて実質的に大気圧となっており、上面板110は自重によって下面板120に対して相対降下し、摺動板114と摺動板124とが当接した状態となっている。
運搬用治具150は、ボルト部151、環状部152等を有して構成されている。
ボルト部151は、円柱状の部材の突端部(下端部)に、下面板120の開口121の雌ネジと螺合する雄ネジを形成して構成されている。
環状部152は、ボルト部151の雄ネジ側とは反対側の端部に設けられ、クレーン等の係止部材が係止される部分である。
運搬用治具150は、ボルト部151の雄ネジ側を下方として、鉛直方向にほぼ沿って開口111からまくらばね100Aの内部に挿入し、雄ネジを開口121の雌ネジに螺合させ、締結することによって下面板120に固定される。
この状態で運搬用治具150の環状部152をクレーン等で吊り上げることによって、まくらばね100Aは、下面板120及び積層ゴム140と上面板110とが分離することなく、安定した状態で台車枠20から容易に取り外して移動することができる。
第1実施形態のように、まくらばねとは独立した可変減衰ダンパ等の制振力発生手段を、まくらばねと並列に設ける場合、まくらばねの内部の絞り効果による減衰力を発生させないため、例えば比較例1のまくらばね100Aから絞り122を除去して用いることが知られている。
しかし、単に絞り122を取り外したのみでは、下面板120の開口121の内径d2が小さいため、開口121の絞り効果によって無視し得ない大きさかつ制御不可能な減衰力が発生してしまい、可変減衰ダンパ等による制振制御の効果を減殺してしまう。
本願発明はこのような問題に鑑みなされたものである。
以下、第1実施形態におけるまくらばね100について以下説明する。
なお、以下説明する各まくらばねにおいて、従前の比較例、実施形態等と実質的に共通する箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図5は、第1実施形態の制振装置に設けられるまくらばねの断面図である。
図6は、第1実施形態のまくらばねに設けられる下面板の二面図である。
第1実施形態におけるまくらばね100は、比較例1のまくらばね100Aから絞り122を除去するとともに、下面板120に以下説明する開口125,126を形成したものである。
開口125、開口126は、下面板120を上下方向に貫通して形成されており、ダイヤフラム130の内部と、積層ゴム140の内部の空間部Sとを連通させるものである。
開口125は、上方から見た形状が実質的に矩形状に形成されている。
開口125は、下面板120の周方向に等間隔に分散して、例えば2箇所に設けられている。
開口125は、その長辺方向が下面板120の径方向と実質的に直交するように配置されている。
開口125は、摺動板124の開口121側の端部と、開口121との間に配置されている。
開口126は、上方から見た形状が実質的に円形に形成されている。
開口126は、下面板120の周方向に等間隔に分散して例えば2箇所、開口126の間隔に配置されている。
すなわち、開口126は、開口125に対して、下面板120の中心軸回りにおける角度位置を90°ずらした箇所に配置されている。
開口126は、隣接する一対の摺動板124の長辺間に挟まれた箇所に配置されている。
ここで、下面板120の開口121、開口125、開口126を空気が通過する際の流路断面積の和が、積層ゴム140の筒状部146の流路断面積に対して同等以上となるように開口125、開口126の大きさ、形状、個数を設定すると、下面板120の各開口121,125,126が空気ばね本体と補助空気室との間の空気流路における流路断面積の最小箇所(ボトルネック)となって減衰力を発生することがなく、好ましい。
以下、第1実施形態の効果を、以下説明する本発明の比較例2と対比して説明する。
比較例2の制振装置は、第1実施形態のまくらばね100に代えて、比較例1のまくらばね100Aから低減衰化のために絞り122を除去したものを、車体10の加速度に応じて制御される可変減衰ダンパである上下動ダンパ70と並列に装着したものである。
図7は、第1実施形態及び比較例2の制振装置の力学モデルを示す図である。
図7(a)、図7(b)は、比較例2、及び、第1実施形態の制振装置の力学モデルをそれぞれ示している。
図7において、空気ばねによるばね効果がkA1、補助空気室によるばね効果がNkA1、空気ばねと補助空気室との間の絞りによる減衰効果がC、空気ばねの有効受圧面積変化によるばね効果がkA2として表される。
ここで、kA2は、kA1に対して十分に小さいことが多く、実質的に無視することが可能である。
一般に、空気ばねからなるまくらばねと並列に可変減衰ダンパを取り付けて、セミアクティブ又はフルアクティブの制振制御を行う場合、制御できない減衰要素はできるだけ小さくすることが望ましい。
したがって、C、すなわち、絞りによる減衰の影響を極力小さくすることが望ましい。
しかし、図7(a)に示す比較例2においては、絞り122を取り外したとしても、開口121の内径が小さいため絞りの効果を発生してしまい、減衰効果Cを十分に小さくすることができない。
また、下面板120の開口121の内径d2を拡大しようとした場合、運搬用治具150を利用する都合上、上面板110の開口110の内径d1も拡大しなければならず、上面板110や、これが取り付けられる車体10側の部位にも大がかりな設計変更が必要となるため、既存の車両に適用することは現実的ではない。
これに対し、第1実施形態においては、下面板120に開口121の他に、開口125,126を形成したことによって、空気ばねの本体部と補助空気室とを連通させる流路の最小断面積を拡大し、空気の流路が絞りとして作用することによる減衰効果Cを低減することができる。
これによって、制振装置から制御不可能な減衰要素を実質的になくすことができ、制振装置全体でみた場合の減衰特性の設定自由度を向上し、制振性能を向上して乗り心地を改善することができる。
さらに、上面板110や、これが取り付けられる車体10側の部品の設計に変更を加える必要がなく、既存車両への適用が容易である。
さらに、既存の運搬用治具150を用いた空気ばね100の吊下げが可能であり、メンテナンス性が損なわれることもない。
<第2実施形態>
次に、本発明を適用した制振装置の第2実施形態について説明する。
以下説明する各実施形態において、従前の実施形態と実質的に同様の箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
第2実施形態の制振装置は、第1実施形態の制振装置のまくらばね100に代えて、以下説明するまくらばね100Bを有するものである。
まくらばね100Bは、車体10と台車枠20との枕木方向相対変位が所定値以上となった場合に、積層ゴム140のさらなる変形を規制するストッパ機構を有し、主として高速鉄道用として用いられるものである。
まず、第2実施形態のまくらばね100Bの説明に先立ち、本発明の比較例3である制振装置に設けられるまくらばね100Cについて説明する。
比較例3のまくらばね100Cは、比較例1のまくらばね100Aに対して、積層ゴム140の第5プレート145から上方へ突出するストッパ160を設けた点、及び、下面板120の開口121に代えて、以下説明する開口127を形成した点において相違する。
ストッパ160は、積層ゴム140の第5プレート145から上方へ突出して形成された柱状の部材である。
ストッパ160は、第5プレート145を介して間接的に台車枠20に対して固定され、台車枠20から上方へ突出している。
ストッパ160は、例えば、円柱状に形成されるとともに、第5プレート145側の半部(下半部)の外周面は、下方ほど外径が大きくなるようにテーパ状(円すい台状)に形成されている。
ストッパ160は、まくらばね100Cに対して実質的に横力が負荷されない中立状態において、上面板110の開口111、筒状部112、及び、積層ゴム140の筒状部146と、実質的に同心となるように形成されている。
ストッパ160は、中心穴161、絞り162を有する。
中心穴161は、ストッパ160の軸心に沿って上下方向に貫通して形成された開口である。
中心穴161の内径d3は、上面板110の開口111の内径d1に対して小さく設定されている。例えば、内径d3は、比較例1の下面板120の開口121の内径d2と同程度に設定される。
中心穴161は、積層ゴム140の空間部S内と、筒状部146の内部とを連通させ、空気ばね本体と補助空気室との間を連通させる流路の一部を構成する。
中心穴161の上端部近傍には、比較例1における開口121と同様に雌ネジが形成され、運搬用治具150を用いた吊下げが可能となっている。
絞り162は、中心穴161の長手方向における中間部に設けられ、中心穴161を空気が通過する際に減衰力を発生するものである。
絞り162は、比較例1の絞り122と実質的に同様に形成されている。
図9は、比較例3のまくらばねに設けられる下面板の二面図である。
開口127は、下面板120の中央部に設けられ、ストッパ160の突端部(上端部)が挿入されるものである。
開口127は、上方から見た平面形が実質的に矩形状に形成されるとともに、ストッパ160の突端部に対して十分に大きく形成されている。
開口127の長辺方向は、車両の前後方向に沿って配置され、短辺方向は、枕木方向に沿って配置されている。
ストッパ160は、車両の通常走行時における車体10の台車枠20に対する相対前後変位においては、台車枠20のボギー角変化を妨げないため、開口127の周縁部に当接しないようになっている。
一方、ストッパ160は、車体10が台車枠20に対して枕木方向に所定以上相対変位した場合には、開口120の周縁部(短辺部)に当接するようになっている。
図10は、比較例3のまくらばねにおいて車体が台車枠に対して枕木方向に相対変位した状態を示す断面図である。
車体10の台車枠20に対する枕木方向の相対変位が比較的小さい領域においては、上面板110は、ダイヤフラム130及び積層ゴム140の各ゴム層が弾性変形することによって、下面板120に対して相対変位可能となっている。
相対変位が所定以上の大きさとなった場合には、図10に示すように、ストッパ160の突端部が下面板120の開口127の周縁部と当接し、これ以上の積層ゴム140の変形は制限される。
この状態からさらに相対変位が生じると、ダイヤフラム130のみが変形するようになるが、この場合、直列に設けられたばねの一部が機能しなくなることによって、横方向のばね定数が増加し、車体10と台車枠20とのさらなる相対変位が抑制される。
次に、本発明を適用した第2実施形態の制振装置に設けられるまくらばね100Bについて説明する。
図11は、第2実施形態の制振装置に設けられるまくらばねの断面図である。
第2実施形態のまくらばね100Bは、比較例3のまくらばね100Cに対して、以下の点で相違する。
第2実施形態においては、絞り162を除去するとともに、ストッパ160に以下説明する開口163を形成したことを特徴とする。
開口163は、ストッパ160の長手方向(上下方向)における中間部の外周面部から、中心穴161まで、径方向に沿って貫通して形成されている。
開口163は、ストッパ160の中心軸回りに分散して複数形成される。
また、中心穴161は、開口163との連通箇所よりも下方(筒状部146側)の領域において、連通箇所よりも上方の領域(雌ねじが形成される領域)よりも内径を拡大して形成されている。
以上説明した第2実施形態においても、上述した第1実施形態と同様に、比較例3に対して、空気ばね本体と補助空気室とを連通させる流路における最小流路断面積を大きくすることによって、上述した第1実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。
(1)制振装置及び鉄道車両の構成は、上述した実施形態に限らず適宜変更することができる。
例えば、まくらばねを構成する各部品の形状、構造、材質、製法、数量、配置等は、実施形態の構成に限らず適宜変更することが可能である。
また、実施形態において、鉄道車両は例えば旅客用の電車であったが、本発明はこれに限らず、気動車、客車、貨物車、機関車等であっても適用することが可能である。
(2)実施形態においては、空気ばね(まくらばね)と並列に設けられる制振力発生手段は、例えば、可変減衰ダンパであったが、本発明はこれに限らず、制振力発生手段として、車体の加速度に応じて演算される目標制振力に応じて上下力を発生する上下動アクチュエータや、減衰力の発生有無を切替え可能な減衰力切替ダンパを用いることができる。
また、制振力発生手段として、制振制御を伴わないパッシブ型の油圧ダンパを用いることもできる。この場合、制振制御を行うことはできないが、空気ばね内部の絞りを利用した減衰手段のような減衰特性の非線形性、振幅依存性などを抑制し、制振効果を向上することができる。
さらに、複数種類の制振力発生手段を併用することもできる。例えば、上下動アクチュエータと、減衰特性が可変式、切替式、固定式等の油圧ダンパとを並列に設けてもよい。
(3)第1実施形態においては、下面板の中心部以外に複数の開口を形成しているが、これに代えて、下面板の一部をメッシュ状に形成してもよい。また、開口の形状、個数、配置等も特に限定されず適宜変更することができる。
1 車両 10 車体
20 台車枠 30 輪軸
40 軸箱 41 軸ばね
42 軸ダンパ 50 中心ピン
60 左右動ダンパ 70 上下動ダンパ
100 まくらばね(第1実施形態) 100A まくらばね(比較例1)
100B まくらばね(第2実施形態) 100C まくらばね(比較例3)
110 上面板 111 開口
112 筒状部 113 段部
114 摺動板
120 下面板 121 開口
122 絞り 123 ナット穴
N ナット 124 摺動板
125,126,127 開口
130 ダイヤフラム
140 積層ゴム 141 第1プレート
142 第2プレート 143 第3プレート
144 第4プレート 145 第5プレート
146 筒状部
G1 第1ゴム部 G2 第2ゴム部
G3 第3ゴム部 G4 第4ゴム部
150 吊下げ治具 151 ボルト部
152 環状部
160 ストッパ 161 中心穴
162 絞り 163 開口

Claims (7)

  1. 車体と、
    前記車体の下部にボギー角付与可能に取り付けられるとともに輪軸の両端部を支持する軸箱が軸箱支持装置を介して取り付けられた台車枠と、
    前記車体と前記台車枠との間に設けられ前記車体と前記台車枠との上下方向相対変位に応じたばね反力を発生する空気ばねと、
    前記車体と前記台車枠との間に前記空気ばねと並列に設けられ前記車体の振動を抑制する上下力を発生する制振力発生手段と
    を備える制振装置であって、
    前記空気ばねは、
    前記車体側に取り付けられ平面視における中央部に第1の開口が形成された上部部材と、
    前記上部部材の下方で前記台車枠側に取り付けられ前記平面視における中央部に第2の開口が形成された下部部材と、
    前記上部部材と前記下部部材との間にわたして設けられ可撓性を有する材料によって形成されたダイヤフラムと、
    前記台車枠に設けられた補助空気室とを有し、
    前記第2の開口は、前記空気ばねに水平方向力が負荷されない中立状態において前記第1の開口と実質的に同心に形成されるとともに、前記ダイヤフラムの内部と前記補助空気室の内部とを連通させる流路の一部を構成し、
    前記下部部材は、前記第2の開口と離間して配置され前記ダイヤフラムの内部と前記補助空気室の内部とを連通させるバイパス流路が形成され
    前記第2の開口の一部は、運搬用治具のボルト部と螺合可能な雌ネジが形成されたネジ穴であり、
    前記バイパス流路は、前記第2の開口に対して水平方向にオフセットした箇所において前記下部部材を貫通して形成された第3の開口を有すること
    を特徴とする制振装置。
  2. 前記第3の開口は、前記下部部材の平面視において前記第2の開口の周囲に周方向に分散して複数形成されること
    を特徴とする請求項に記載の制振装置。
  3. 車体と、
    前記車体の下部にボギー角付与可能に取り付けられるとともに輪軸の両端部を支持する軸箱が軸箱支持装置を介して取り付けられた台車枠と、
    前記車体と前記台車枠との間に設けられ前記車体と前記台車枠との上下方向相対変位に応じたばね反力を発生する空気ばねと、
    前記車体と前記台車枠との間に前記空気ばねと並列に設けられ前記車体の振動を抑制する上下力を発生する制振力発生手段と
    を備える制振装置であって、
    前記空気ばねは、
    前記車体側に設けられ平面視における中央部に第1の開口が形成された上部部材と、
    前記上部部材の下方で弾性体を介して前記台車枠に取り付けられ前記平面視における中央部に第2の開口が形成された下部部材と、
    前記上部部材と前記下部部材との間にわたして設けられ可撓性を有する材料によって形成されたダイヤフラムと、
    前記台車枠に設けられた補助空気室と、
    前記台車枠から上方へ突出しかつ突端部が前記第2の開口に挿入されたストッパ部材と、
    一方の端部が前記ストッパ部材の上部に開口しかつ他方の端部が前記補助空気室と連通した流路と
    を備え、
    前記流路の前記一方の端部は、前記空気ばねに水平方向力が負荷されない中立状態において前記第1の開口と実質的に同心に形成され、
    前記ストッパ部材は、前記ストッパ部材の側面部に形成された開口と前記補助空気室の内部とを連通させるバイパス流路が形成されること
    を特徴とする制振装置。
  4. 前記流路の流路断面積と前記バイパス流路の流路断面積との和は、前記空気ばねと前記補助空気室とを接続する管路における流路断面積に対して実質的に同等以上であること
    を特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の制振装置。
  5. 車体の振動を抑制する目標減衰特性を演算する制振制御手段を備え、
    前記制振力発生手段は、前記目標減衰特性に応じて減衰特性を変更可能な可変減衰ダンパであること
    を特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の制振装置。
  6. 車体の振動を抑制する目標制振力を演算する制振制御手段を備え、
    前記制振力発生手段は、前記目標制振力に応じて上下力を発生する上下動アクチュエータであること
    を特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の制振装置。
  7. 車体の振動を抑制する目標減衰特性及び目標制振力をそれぞれ演算する制振制御手段を備え、
    前記制振力発生手段は、前記目標減衰特性に応じて減衰特性を変更可能な可変減衰ダンパと、前記目標制振力に応じて上下力を発生する上下動アクチュエータとを並列に設けて構成されること
    を特徴とする請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の制振装置。
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