以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態による自動販売機100の構成について説明する。
本実施形態による自動販売機100は、図1に示すように、本体キャビネット1と、外扉2と、内扉3と、底板4と、3つの独立した右室5a、中室5bおよび左室5cと、冷却/加熱ユニット6を収納する機械室7と、制御パネル8とを備えている。底板4は、右室5a、中室5bおよび左室5cと機械室7とに、本体キャビネット1の内部を、上下に2分割するように構成されている。また、3つの独立した右室5a、中室5bおよび左室5cは、互いに断熱仕切板5dにより仕切られている。また、冷却/加熱ユニット6は、右室5a、中室5bおよび左室5cを加熱または冷却するように構成されている。また、制御パネル8は、自動販売機100の制御を行うように構成されている。
冷却/加熱ユニット6は、図2に示すように、冷凍サイクルを構成する圧縮機61、凝縮器62、図示しない電子膨張弁、蒸発器63と、加熱ヒータ64とを含んでいる。また、圧縮機61および凝縮器62は、機械室7(庫外)に配置されているとともに、電子膨張弁、蒸発器63および加熱ヒータ64は、右室5a、中室5bおよび左室5cにそれぞれ設けられている。
圧縮機61は、冷却運転時に、冷媒を圧縮するように構成されている。また、凝縮器62は、冷却運転時に、冷媒を凝縮するように構成されている。また、蒸発器63は、冷却運転時に、電子膨張弁によって膨張された冷媒を蒸発させるように構成されている。また、加熱ヒータ64は、加熱運転時に、右室5a、中室5bおよび左室5cの空気(庫内空気)をそれぞれ加熱するように構成されている。
また、機械室7の凝縮器62近傍には、ファン65が設けられている。このファン65は、冷却運転時に、機械室7の前側(Y1側)から空気(庫外空気)を吸入して、吸入した空気に凝縮器62における凝縮熱を吸収させるとともに、圧縮機61の排熱を吸収させて、機械室7の後側(Y2側)に排気するように構成されている。
また、右室5a、中室5bおよび左室5cの各々の底面(Z2側の面)には、蒸発器63および加熱ヒータ64と共にファン66が設けられている。ファン66は、冷却運転時に、蒸発器63の冷媒を蒸発させることによって空気(庫内空気)を冷却させるとともに、冷却された庫内空気(冷風)を右室5a、中室5bおよび左室5cの各々の内部で循環させるように構成されている。また、ファン66は、加熱運転時に、加熱ヒータ64によって加熱された庫内空気(温風)を、右室5a、中室5bおよび左室5cの各々の内部で循環させるように構成されている。なお、ファン66は、本発明の「送風部」の一例である。
具体的には、ファン66により、主に前方向(Y1方向)に向かって風(冷風または温風)が送風されることによって、風は、外扉2により上方向(Z方向)に流されつつ、右室5a、中室5bおよび左室5cの前側に送風される。そして、風は、右室5a、中室5bおよび左室5c内を前方向から後方向(Y2方向)に流れて、本体キャビネット1の後側のダクト9から吸引される。そして、ダクト9から吸引された空気(風)は、再度蒸発器63を通過することによって冷却されるか、または、加熱ヒータ64により加熱される。そして、ファン66により、この空気の循環が繰り返されるように構成されている。
また、図2に示すように、右室5a、中室5bおよび左室5cは、商品収納ラック10を有している。ここで、右室5aは、左右方向(X方向)に並んで配置された2つの商品収納ラック10を有している。また、中室5bは、1つの商品収納ラック10を有している。また、左室5cは、左右方向に並んで配置された3つの商品収納ラック10を有している。また、左右方向に隣接する商品収納ラック10は、所定の微小空間を隔てて配置されている。ここで、本実施形態では、商品収納ラック10の所定の位置には、商品収納ラック10内の空気の滞留を抑制するために、後述する通風孔28aおよび34a(図3参照)が設けられている。なお、この通風孔28aおよび34aについては、後述する。
また、本体キャビネット1の内面には、商品収納ラック10を覆うように、断熱材1aが設けられている。また、商品収納ラック10の下方(Z2側)には、商品200を取出し扉2aまで導くためのシュータ11が設けられている。
シュータ11は、右室5a、中室5bおよび左室5cの底面にそれぞれ配置された蒸発器63、加熱ヒータ64およびファン66と、商品収納ラック10との間に配置されているとともに、後側(Y2側)から前側(Y1側)の取出し扉2aに向かって下方に傾斜するように配置されている。
また、シュータ11には、複数の通風孔11a(図1参照)が形成されている。この通風孔11aを介して、ファン66によって冷風または温風(風)が上方(Z1側)の商品収納ラック10に送風されるように構成されている。なお、通風孔11aの位置や数を調整することによって、ファン66からの風速などを変化させることが可能なように構成されている。
次に、図2〜図9を参照して、商品収納ラック10の構成について説明する。
商品収納ラック10は、図3に示すように、前側(Y1側)の前側ラック部20と、前後方向(Y方向)の中央に配置された中央ラック部30と、後側(Y2側)の後側ラック部40とを含んでいる。また、前側ラック部20と中央ラック部30とは前後方向に隣接しており、この結果、前側ラック部20は、中央ラック部30に対して前側に配置されており、中央ラック部30は、前側ラック部20に対して後側に配置されている。同様に、中央ラック部30と後側ラック部40とは前後方向に隣接しており、この結果、中央ラック部30は、後側ラック部40に対して前側に配置されており、後側ラック部40は、中央ラック部30に対して後側に配置されている。なお、前側ラック部20、中央ラック部30および後側ラック部40は、本発明の「ラック部」の一例である。
前側ラック部20は、中央ラック部30および後側ラック部40よりも下方(Z2側)に延びるように構成されているとともに、中央ラック部30は、後側ラック部40よりも下方に延びるように構成されている。この結果、商品収納ラック10の下端は、後側(Y2側)から前側(Y1側)に向かって下るような段差状に形成されている。
前側ラック部20は、一対の商品通路21および22を有している。中央ラック部30は、一対の商品通路31および32を有している。後側ラック部40は、一対の商品通路41および42を有している。この各々の商品通路21、22、31、32、41および42は、上方から商品200が供給されるとともに、下方から商品200がシュータ11(図2参照)に排出されるように構成されている。また、商品通路21、22、31、32、41および42は、前側(Y1側)から後側(Y2側)に向かってこの順で前後方向に隣接するように配置されている。
また、各々の商品通路21、22、31、32、41および42に向けて、ファン66は、風(冷風または温風)を送風するように構成されている。また、商品通路21、22、31、32、41および42は、それぞれ、前側ラック部20の商品投入口23a、23b、24a、24b、25aおよび25bに接続されている。
前側ラック部20は、前側ラック部20および商品通路21の前面(Y1側の面)を構成する、前側セグメント20a、商品押さえ部材27および補強部材20bを有している。また、前側ラック部20は、商品通路21の後面(Y2側の面)を構成するとともに、商品通路22の前面を構成する中央セグメント20cおよびベンド機構20dを有している。また、前側ラック部20は、前側ラック部20および商品通路22の後面を構成する、後側セグメント20e、商品押さえ部材28および補強部材20fを有している。また、前側ラック部20は、左右方向(X方向)にそれぞれ位置する一対のラック側板29aおよび29bを含んでいる。なお、商品押さえ部材28は、本発明の「後側商品押さえ部材」の一例である。
前側セグメント20a、商品押さえ部材27および補強部材20bと、後側セグメント20e、商品押さえ部材28および補強部材20fとは、共に、一対のラック側板29aおよび29bとの左右方向の間隔に相当する幅を有するように形成されている。
前側セグメント20aおよび中央セグメント20cは、上下方向(Z方向)に延びる商品通路21の上側部分(Z1側の部分)を構成しており、中央セグメント20cおよび後側セグメント20eは、上下方向に延びる商品通路22の上側部分を構成している。
補強部材20bおよび20fは、共に、前側ラック部20の下端(Z2側の端部)近傍に配置されているとともに、一対のラック側板29aおよび29bに固定されている。この補強部材20bおよび20fは、前側ラック部20を補強するために設けられている。
ベンド機構20dは、一対のペダル20gと、図示しない回動機構とを有している。一対のペダル20gは、商品通路21および22に供給された商品200のうち、最も下側(Z2側)に配置された商品200aおよび200bを下方(Z2側)から支持するように構成されている。つまり、ペダル20gに支持されている状態が、最も下側に配置された商品200aおよび200bの搭載位置となる。また、回動機構は、制御パネル8の指示によりペダル20gを回動させことによって、商品200の支持状態と排出状態とを切り替えるように構成されている。
商品押さえ部材27および28は、それぞれ、前側セグメント20aの下方および後側セグメント20eの下方に配置されている。この商品押さえ部材27および28は、同一の板状部材からなり、前側ラック部20において前後方向に鏡像対称になるようにそれぞれ配置されている。
ここで、本実施形態では、図5および図6に示すように、前側ラック部20の後面(Y2側の面)の商品押さえ部材28には、前後方向に冷風または温風を通過させるための8個の通風孔28aが形成されている。これにより、前側ラック部20の下端の開口部20hから前側ラック部20に流入する風が、通風孔28aを介して、前側ラック部20の後側(中央ラック部30側)に流出される。この結果、前側ラック部20に流入した空気が滞留するのが抑制される。なお、商品押さえ部材の共通化のため、前側ラック部20の前面(Y1側の面)の商品押さえ部材27にも、図4に示すように、商品押さえ部材28と同様に、8個の通風孔27aが形成されている。
図4および図5に示すように、通風孔27aおよび28aは、円状に形成されている。また、8個の通風孔27aおよび8個の通風孔28aは、共に、X2側のラック側板29a側の端部からX1側のラック側板29b側の端部までに亘って、左右方向に所定の間隔を隔てて並ぶように配置されている。また、通風孔27aおよび28aは、共に6mmの直径Rを有している。この結果、8個の通風孔27aの相当直径(=直径R)の合計、および、8個の通風孔28aの相当直径の合計は、共に、48mm(=6×8)になるように構成されている。
また、本実施形態では、図3、図5および図6に示すように、通風孔27aおよび28aは、それぞれ、商品押さえ部材27および28の下側(Z2側)に形成されている。具体的には、通風孔27aの中心が、商品通路21の最も下側(Z2側)に配置された商品200aの搭載位置の下端P1と略同じ高さ位置に位置するように、通風孔27aは形成されている。また、通風孔28aの中心が、商品通路22の最も下側に配置された商品200bの搭載位置の下端P2と略同じ高さ位置に位置するように、通風孔28aは形成されている。つまり、通風孔27aおよび28aは、それぞれ、商品200aの搭載位置の中央位置P3および商品200bの搭載位置の中央位置P4よりも下方(Z2側)に形成されている。また、通風孔27aおよび28aは、それぞれ、商品200aの搭載位置の下端P1および商品200bの搭載位置の下端P2から下方に向かって約0mmの高さ位置に形成されている。
また、商品押さえ部材27および28には、それぞれ、商品通路21および22の内側に向かって突出する突出部27bおよび28bが設けられている。この突出部27bおよび28bは、それぞれ、商品押さえ部材27および28の上下方向(Z方向)の中央よりも若干下側に形成されている。これにより、通風孔27aおよび28aは、それぞれ、突出部27bおよび28bよりも下方(Z2側)に形成されている。また、突出部27bおよび28bは、それぞれ、商品200aおよび200bに当接するように構成されている。
また、図3に示すように、商品押さえ部材27および28は、前後方向に移動することによって、それぞれ、商品通路21および22の前後方向の幅を変更可能なように構成されている。具体的には、商品押さえ部材27および28には、ラック側板29aおよび29bに形成されたガイド孔29cに挿入された状態で移動可能な係合突起27cおよび28cがそれぞれ設けられている。この係合突起27cおよび28cがガイド孔29cに沿って移動することによって、商品押さえ部材27および28が、幅広の状態と幅狭の状態とにそれぞれ変更可能なように構成されている。なお、商品押さえ部材28と補強部材20fとの間の開口部は、商品押さえ部材28が幅広の状態の場合には、風が流通可能なように構成されている。
中央ラック部30は、図3に示すように、中央ラック部30および商品通路31の前面(Y1側の面)を構成する前側セグメント30aおよび商品押さえ部材33を有している。また、中央ラック部30は、商品通路31の後面(Y2側の面)を構成するとともに、商品通路32の前面を構成する中央セグメント30cおよびベンド機構30dを有している。また、中央ラック部30は、中央ラック部30および商品通路32の後面を構成する後側セグメント30eおよび商品押さえ部材34を有している。また、中央ラック部30は、左右方向にそれぞれ位置する一対のラック側板35aおよび35bを含んでいる。なお、商品押さえ部材33および34は、それぞれ、本発明の「前側商品押さえ部材」および「後側商品押さえ部材」の一例である。
また、中央ラック部30の前側セグメント30a、中央セグメント30c、ベンド機構30dおよび後側セグメント30eは、中央ラック部30の前側セグメント30a、中央セグメント30c、ベンド機構30dおよび後側セグメント30eは、それぞれ、前側ラック部20の前側セグメント20a、中央セグメント20c、ベンド機構20dおよび後側セグメント20eと同様であるので、説明を省略する。
商品押さえ部材33および34は、それぞれ、前側セグメント30aの下方(Z2側)および後側セグメント30eの下方に配置されている。この商品押さえ部材33および34は、同一の板状部材からなり、中央ラック部30において前後方向に鏡像対称になるようにそれぞれ配置されている。
また、本実施形態では、図8および図9に示すように、中央ラック部30の後面(Y2側の面)の商品押さえ部材34には、前後方向に冷風または温風を通過させるための8個の通風孔34aが形成されている。これにより、前側ラック部20の通風孔28aや中央ラック部30の下端の開口部30hから中央ラック部30に流入する風が、通風孔34aを介して、中央ラック部30の後側(後側ラック部40側)に流出される。この結果、中央ラック部30に流入した空気が滞留するのが抑制される。なお、商品押さえ部材の共通化のため、中央ラック部30の前面(Y1側の面)の商品押さえ部材33にも、図7に示すように、商品押さえ部材34と同様に、8個の通風孔33aが形成されている。
図7および図8に示すように、通風孔33aおよび34aは、円状に形成されている。また、8個の通風孔33aおよび8個の通風孔34aは、共に、X2側のラック側板35a側の端部からX1側のラック側板35b側の端部までに亘って、左右方向に所定の間隔を隔てて並ぶように配置されている。また、通風孔33aおよび34aは、共に6mmの直径(相当直径)Rを有している。
また、図3、図8および図9に示すように、通風孔33aおよび34aは、それぞれ、商品押さえ部材33および34の下側(Z2側)に形成されている。具体的には、通風孔33aの中心が、商品通路31の最も下側に配置された商品200cの搭載位置の下端P5と略同じ高さ位置に位置するように、通風孔33aは形成されている。また、通風孔34aの中心が、商品通路32の最も下側に配置された商品200dの搭載位置の下端P6と略同じ高さ位置に位置するように、通風孔34aは形成されている。つまり、通風孔33aおよび34aは、それぞれ、商品200cの搭載位置の中央位置P7および商品200dの搭載位置の中央位置P8よりも下方(Z2側)に形成されている。また、通風孔33aおよび34aは、それぞれ、商品200cの搭載位置の下端P5および商品200dの搭載位置の下端P6から下方に向かって約0mmの高さ位置に形成されている。
また、図3に示すように、前側ラック部20の後面(Y2側の面)の商品押さえ部材28に設けられた通風孔28aは、中央ラック部30の前面(Y1側の面)の商品押さえ部材33の下端(Z2側の端部)よりも下方(Z2側)に位置するように形成されている。これにより、通風孔28aおよび中央ラック部30の下端の開口部30hから風が中央ラック部30に流入するとともに、通風孔34aを介して、中央ラック部30の後側(後側ラック部40側)に流出する。この結果、中央ラック部30に前後方向に向かう空気の流れ(風)が形成されることによって、中央ラック部30に流入した空気が滞留するのが抑制される。
また、商品押さえ部材33および34には、それぞれ、商品通路31および32の内側に向かって突出する突出部33bおよび34bが設けられている。この突出部33bおよび34bは、それぞれ、商品押さえ部材33および34の上下方向(Z方向)の中央よりも若干下側に形成されている。これにより、通風孔33aおよび34aは、それぞれ、突出部33bおよび34bよりも下方(Z2側)に形成されている。また、突出部33bおよび34bは、それぞれ、商品200cおよび200dに当接するように構成されている。
なお、中央ラック部30では、前側ラック部20とは異なり、商品押さえ部材33および34は、左右方向に設けられた一対のラック側板35aおよび35bに固定されている。この結果、中央ラック部30には補強部材は設けられていない。
後側ラック部40は、図3に示すように、中央ラック部30と同様の構成を有している。つまり、後側ラック部40の前側セグメント40a、中央セグメント(図示せず)、ベンド機構40dおよび後側セグメント40eは、それぞれ、前側ラック部20の前側セグメント20a、中央セグメント20c、ベンド機構20dおよび後側セグメント20eと同様である。なお、後側ラック部40単体についての図示は省略する。
また、後側ラック部40の商品押さえ部材43および44には、中央ラック部30の後面の商品押さえ部材34との共通化のため、それぞれ、8個の通風孔43aおよび8個の通風孔44aが形成されている。また、通風孔43aは、商品通路41の最も下側(Z2側)に配置された商品200eの搭載位置の下端P9と略同じ高さ位置に形成されている。また、通風孔44aは、商品通路42の最も下側に配置された商品200fの搭載位置の下端P10と略同じ高さ位置に形成されている。つまり、通風孔43aおよび44aは、それぞれ、商品200eの搭載位置の中央位置P11および商品200fの搭載位置の中央位置P12よりも下方(Z2側)に形成されている。また、通風孔43aおよび44aは、それぞれ、突出部43bおよび44bよりも下方に形成されている。
また、中央ラック部30の後面(Y2側の面)の商品押さえ部材34に設けられた通風孔34aは、後側ラック部40の前面(Y1側の面)の商品押さえ部材43の下端よりも下方(Z2側)に位置するように形成されている。これにより、通風孔34aおよび後側ラック部40の下端の開口部40hから風が後側ラック部40に流入する。これらの結果、前側ラック部20および中央ラック部30において空気の滞留が抑制された状態で、後側ラック部40に風が流入するので、風が流入しにくい後側ラック部40においても、十分に商品200を冷却または加熱することが可能である。なお、商品押さえ部材43は、本発明の「前側商品押さえ部材」の一例である。
また、前側ラック部20のラック側板29aおよび29bと、中央ラック部30のラック側板35aおよび35bと、後側ラック部40のラック側板45aおよび図示しないラック側板とには、通風孔は設けられていない。これにより、左右方向に隣接する商品収納ラック10の間の微小空間にファン66からの風が流入するのを抑制することができるので、ファン66からの風を商品収納ラック10内においてより十分に流すことが可能である。
また、図2に示すように、商品通路21、22、31、32、41および42の各々は、前側ラック部20の商品投入口23a、23b、24a、24b、25aおよび25bに接続されている。
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、前側ラック部20の後面に、前後方向(Y方向)に冷風または温風を通過させるための通風孔28aを形成する。これにより、前側ラック部20の商品通路21および22に送風される風(冷風または温風)を、通風孔28aを介して中央ラック部30の商品通路31および32に容易に逃がすことができるので、前側ラック部20の商品通路21および22に流入した風を前側ラック部20の外に抜けやすくすることができる。また、中央ラック部30の後面に、前後方向に風(冷風または温風)を通過させるための通風孔34aを形成する。これにより、中央ラック部30の商品通路31および32に送風される風を、通風孔34aを介して後側ラック部40の商品通路41および42に容易に逃がすことができるので、中央ラック部30の商品通路31および32に流入した風を中央ラック部30の外に抜けやすくすることができる。これらにより、商品収納ラック10を通過する空気の速度(風速)が小さくなるのを抑制することができる。この結果、商品通路21、22、31および32の下側に配置された商品200に送風される冷風または温風と商品200との熱の授受を十分に行わせることができるので、商品通路21、22、31および32の下側に配置された商品200を十分に冷却または加熱することができる。したがって、自動販売機100の種類毎に、ダクト9の高さ位置や、シュータ11に設けられた通風孔11aの位置や数を厳密に調整して風の流れを厳密に調整する必要がなくなるので、自動販売機100の製造(設計)コストを低減させることができる。
また、本実施形態では、前側ラック部20の商品通路21および22に送風される風を、通風孔28aを介して中央ラック部30の商品通路31および32に容易に逃がすことができるとともに、中央ラック部30の商品通路31および32に送風される風を、通風孔34aを介して後側ラック部40の商品通路41および42に容易に逃がすことができるので、前側ラック部20と中央ラック部30との間に温度差が生じるのを抑制することができるとともに、中央ラック部30と後側ラック部40との間に温度差が生じるのを抑制することができる。これにより、前側ラック部20、中央ラック部30および後側ラック部40毎に排出される商品200同士の温度に差が生じるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、通風孔28aを商品200bの搭載位置の中央位置P4よりも下方に形成することによって、前側ラック部20の商品通路21および22に送風される風を、通風孔28aを介して前側ラック部20から早期に逃がすことができる。同様に、通風孔34aを商品200dの搭載位置の中央位置P8よりも下方に形成することによって、中央ラック部30の商品通路31および32に送風される風を、通風孔34aを介して中央ラック部30から早期に逃がすことができる。これにより、商品収納ラック10を通過する空気の速度(風速)が小さくなるのをより抑制することができる。さらに、前側ラック部20の商品通路21および22の上側に配置された早期に排出されない商品200、および、中央ラック部30の商品通路31および32の上側に配置された早期に排出されない商品200が冷却または加熱されるのを抑制することができる。これにより、早期に排出される可能性の高い商品通路21、22、31、32、41および42の下側の商品200を重点的に冷却または加熱しつつ、自動販売機100全体を冷却または加熱するために要する消費電力量の増加を抑制して省エネルギー化を図ることができる。
また、本実施形態では、通風孔28aが6mmの直径(相当直径)Rを有することによって、前側ラック部20の商品通路21および22に流入した風が、通風孔28aを介して前側ラック部20の外に効率的に抜けるようにすることができる。また、通風孔34aが6mmの直径Rを有することによって、中央ラック部30の商品通路31および32に流入した風が、通風孔34aを介して中央ラック部30の外に効率的に抜けるようにすることができる。
また、本実施形態では、通風孔28aおよび34aを、それぞれ、商品通路22および32の下側に位置する商品200近傍に位置する商品押さえ部材28および34に形成する。これにより、商品200の近傍に配置された通風孔28aおよび34aにより風を逃がすことができるので、商品200の近傍に風を流すことができる。これにより、商品通路22および32の下側に配置された商品200に送風される冷風または温風と商品200との熱の授受を効果的に行わせることができる。
また、本実施形態では、通風孔28aおよび34aを、それぞれ、突出部28bおよび34bよりも下方に形成する。これにより、商品200に当接する突出部28bおよび34bにより風の流通が阻害されるのを抑制することができるので、前側ラック部20の商品通路21および22に流入した風が、通風孔28aを介して前側ラック部20の外により一層効率的に抜けるようにすることができとともに、中央ラック部30の商品通路31および32に流入した風が、通風孔34aを介して中央ラック部30の外により一層効率的に抜けるようにすることができる。
また、本実施形態では、8個の通風孔28aを、X2側のラック側板29a側の端部からX1側のラック側板29b側の端部までに亘って、左右方向に所定の間隔を隔てて並ぶように配置する。同様に、8個の通風孔34aを、X2側のラック側板35a側の端部からX1側のラック側板35b側の端部までに亘って、左右方向に所定の間隔を隔てて並ぶように配置する。これにより、前側ラック部20および中央ラック部30に流入した風を、それぞれ、前側ラック部20および中央ラック部30の後面の左右方向の全体から効率的に逃がすことができる。これにより、商品収納ラック10を通過する空気の速度(風速)が小さくなるのをより抑制することができる。
また、本実施形態では、8個の通風孔28aおよび34aの相当直径の合計を、48mm(=6×8)にすることによって、風を逃がすための通風孔28aおよび34aが十分に確保できなくなるのを抑制することができる。また、通風孔28aおよび34aが単数の場合よりもより広範囲から風を逃がすことができるとともに、空気の粘度に起因して、風が通風孔28aおよび34aを通過しにくくなるのを抑制することができる。さらに、前側ラック部20および中央ラック部30の強度が低下するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、通風孔28aを、最も下側の商品200bの搭載位置の下端P2から下方に向かって約0mmの高さ位置に形成する。同様に、通風孔34aを、最も下側の商品200dの搭載位置の下端P6から下方に向かって約0mmの高さ位置に形成する。これにより、商品200bおよび200dの搭載位置の下端よりも上側に形成する場合と比べて、商品200bおよび200dを保持するペダル20gなどに風の流れが阻害されるのを抑制することができる。また、通風孔28aおよび34aが、それぞれ、商品200bおよび200dの下端から下方に過度に離間しないので、風が商品200を十分に冷却または加熱せずに、通風孔28aおよび34aを介して前側ラック部20および中央ラック部30の外に抜けるのをそれぞれ抑制することができる。
また、本実施形態では、前側ラック部20の後面の商品押さえ部材28に設けられた通風孔28aを、中央ラック部30の前面の商品押さえ部材33の下端よりも下方に位置するように形成する。これにより、前側ラック部20に形成された通風孔28aから逃がされた風が、中央ラック部30の前面の商品押さえ部材33に当たるのを抑制することができる。また、中央ラック部30の後側の商品押さえ部材34に設けられた通風孔34aを、後側ラック部40の前面の商品押さえ部材43の下端よりも下方に位置するように形成する。これにより、中央ラック部30に形成された通風孔34aから逃がされた風が、後側ラック部40の商品押さえ部材43に当たるのを抑制することができる。これらにより、商品収納ラック10を通過する空気の速度(風速)が小さくなるのを確実に抑制することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変更例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、通風孔28aを、最も下側の商品200bの搭載位置の下端P2から下方に向かって約0mmの高さ位置に形成するとともに、通風孔34aを、最も下側の商品200dの搭載位置の下端P6から下方に向かって約0mmの高さ位置に形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図10に示す本実施形態の第1変形例のように、通風孔320iを、最も下側の商品200bの搭載位置の下端P2から下方に向かって約0mm以上約100mm以下の高さ位置(距離Lの範囲内)のいずれかに形成してもよい。この際、図10に示すように、商品押さえ部材328ではなく、商品押さえ部材328の下方の補強部材320fに通風孔320iを形成してもよい。
また、上記実施形態では、8つの通風孔28aを、約8mmの直径Rを有する円形状に形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図11に示す本実施形態の第2変形例のように、通風孔428aを2個設けるとともに、その通風孔428aを、左右方向(X方向)に距離D1、上下方向(Z方向)に距離D2の矩形状に形成してもよい。この際、1個の通風孔428aの相当直径は、(4×D1×D2)/(2×D1+2×D2)になる。つまり、一対の通風孔428aの相当直径の合計は、2×((4×D1×D2)/(2×D1+2×D2))になる。また、通風孔は円形状や矩形状に限られない。たとえば、通風孔を楕円状や三角形状などに形成してもよい。
また、上記実施形態では、通風孔28aを、最も下側の商品200bの搭載位置の下端P2から下方に向かって約0mmの高さ位置に形成するとともに、通風孔34aを、最も下側の商品200dの搭載位置の下端P6から下方に向かって約0mmの高さ位置に形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、通風孔を、最も下側の商品の搭載位置の下端よりも上方で、かつ、最も下側の商品の搭載位置の中央位置よりも下方の高さ位置に設けてもよい。
また、上記実施形態では、通風孔をラック部の後面の商品押さえ部材だけでなく、前面の商品押さえ部材にも設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、少なくともラック部の後側の商品押さえ部材に通風孔を設ければよい。
また、上記実施形態では、前後方向に隣接する一対のラック部のうちの前側のラック部に形成された通風孔を、後側のラック部の前側商品押さえ部材の下端よりも下方に形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、前後方向に隣接する一対のラック部のうちの前側のラック部に形成された通風孔を、後側のラック部の前側商品押さえ部材の下端と略同じ高さ位置に設けてもよいし、前側商品押さえ部材の下端よりも上方に形成してもよい。なお、通風孔を前側商品押さえ部材の下端よりも上方に形成する場合には、後側のラック部の前側商品押さえ部材に、前側のラック部の後側商品押さえ部材の通風孔と連通する通風孔を設けることが好ましい。これにより、商品収納ラックを通過する空気の速度(風速)が小さくなるのを確実に抑制することが可能である。
また、上記実施形態では、商品収納ラック10が前側ラック部20、中央ラック部30および後側ラック部40の3つのラック部からなる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、商品収納ラックは、1つ、2つ、または4つ以上のラック部からなるように構成してもよい。
また、上記実施形態では、前側ラック部20、中央ラック部30および後側ラック部40が、各々一対の商品通路を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ラック部が商品通路を1個のみ有するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、8つの通風孔28aの相当直径の合計が48mmである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、通風孔の相当直径の合計は、48mmでなくてもよい。なお、通風孔の相当直径の合計は、24mm以上であるのが好ましい。また、通風孔が1つしか設けられていない場合であっても、通風孔の相当直径が約24mm以上であれば、商品収納ラックを通過する空気の速度(風速)が小さくなるのを十分に抑制することが可能である。
また、上記実施形態では、前側ラック部20に補強部材20bおよび20fを設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、前側ラック部に補強部材を設けなくてもよい。この場合、補強部材により風の流通が阻害されないので、商品収納ラックを通過する空気の速度(風速)が小さくなるのをより十分に抑制することが可能である。
また、上記実施形態では、商品押さえ部材を1枚の板状部材から構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、商品押さえ部材を複数の部材から構成するとともに、複数の部材同士の間に形成された開口部を通風孔として用いてもよい。