JP6308778B2 - トナー及び二成分系現像剤 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式、トナージェット方式に用いられるトナー及び二成分系現像剤に関する。
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及するに従い、高速印刷対応および省エネルギー対応への要求が更に高まっている。省エネルギー対応策として、印刷メディア上のトナー載り量を減らし、定着工程での消費電力を低下させる検討が行われている。その一方で、多様なメディアに対して高品位な画像を提供することも求められている。
デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯端末等によって取り込まれた画像データやポスター等のグラフィック画像を出力する際には、コート紙・アート紙のようなグロスの高い紙が用いられる。そのような高グロスのメディアに画像を出力した場合、画像のグロスが紙グロスに対して低いと、画像が沈んだ印象を受け、画質・質感を損なうことになる。従って、このような用途に対しては、高グロスの画像を形成する必要がある。
しかしながら、単純に高グロス画像のみを追求する場合、トナーの粘度を下げることが有効ではあるが、平滑性の低いメディアを使用した際はグロスむらが生じやすい。グロスむらは、トナーが転写されずに平滑性の低いメディアが露出する低グロス部と、低粘度トナーが定着された高グロス部が存在することによって発生する。特に、省エネルギー対応のために印刷メディア上のトナー載り量を減らした場合や、定着時にトナーが溶融しにくい高速印刷時に、グロスむらが顕著となる。
よって、高速印刷下で印刷メディア上のトナー載り量が低い場合であっても、高グロスかつグロスむらを極力おさえたトナーが必要とされている。
特許文献1及び2では、トナー中のワックスの偏在状態を制御したトナーが開示されている。また、特許文献3では、軟化点および粘弾特性を制御したトナーが開示されている。特許文献1乃至3に記載のトナーは、グロス紙のような高平滑性の紙のグロスむらを低減させることは可能である。しかし、光沢度計ではその差がわからないような微小領域でのグロス差によるグロスむらについては満足のいくレベルではなかった。また、平滑性の低い紙を使用した場合のグロスむらについても満足のいくレベルではなかった。
特開2011−158758号公報 特開2012−133193号公報 特開2012−150464号公報
本発明の目的は、高速印刷下で印刷メディア上のトナー載り量が低い場合であっても、高グロスかつグロスむらを抑制できるトナーを提供することにある。
前記課題は、以下の本発明によって解決される。
本発明は、結着樹脂、着色剤、ワックス及び金属化合物を含有するトナーであって、該結着樹脂は、それぞれ、多価アルコールユニットと多価カルボン酸ユニットを有する、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bを含有し、該ポリエステル樹脂Aと該ポリエステル樹脂Bの質量比率A/Bは、10/90以上60/40以下であり、該ポリエステル樹脂Aは、該多価アルコールユニットの総モル数に対して、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルに由来する多価アルコールユニットを0.1モル%以上10.0モル%以下含有し、該多価カルボン酸ユニットの総モル数に対して、炭素数4以上16以下の直鎖状炭化水素を主鎖として両末端にカルボキシル基を有する脂肪族ジカルボン酸に由来する多価カルボン酸ユニットを15モル%以上50モル%以下含有し、該炭素数4以上16以下の直鎖状炭化水素を主鎖として両末端にカルボキシル基を有する脂肪族ジカルボン酸が、アジピン酸、セバシン酸、テトラデカン二酸又はオクタデカン二酸であり、該ポリエステル樹脂Aは、ピーク分子量Mp(A)が10000以上20000以下であって酸価Av(A)が15mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であり、該ポリエステル樹脂Bは、数平均分子量Mn(B)が1500以上3500以下であって酸価Av(B)が10mgKOH/g以下であり、該金属化合物は、芳香族オキシカルボン酸の金属化合物であって、該結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上1.0質量部以下含有されており、該トナーは、170℃での貯蔵弾性率G’(170)が1.5×10Pa以上1.0×10Pa以下であり、90℃での損失弾性率をG”(90)とした場合、G”(90)/G’(170)が1以上300以下であることを特徴とするトナーである。
また本発明は、前記トナー及び磁性キャリアを含む二成分系現像剤である。
本発明によれば、高速印刷下で印刷メディア上のトナー載り量が低い場合であっても、高グロスかつグロスむらを抑制できるトナーを提供できる。
本発明のトナーの製造に用いることが可能な熱球形化処理装置の一例を示す図である
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤、ワックス及び金属化合物を含有するトナーであって、該結着樹脂は、それぞれ、多価アルコールユニットと多価カルボン酸ユニットを有する、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bを含有し、該ポリエステル樹脂Aと該ポリエステル樹脂Bの質量比率A/Bは、10/90以上60/40以下であり、該ポリエステル樹脂Aは、該多価アルコールユニットの総モル数に対して、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルに由来する多価アルコールユニットを0.1モル%以上10.0モル%以下含有し、該多価カルボン酸ユニットの総モル数に対して、炭素数4以上16以下の直鎖状炭化水素を主鎖として両末端にカルボキシル基を有する脂肪族ジカルボン酸に由来する多価カルボン酸ユニットを15モル%以上50モル%以下含有し、該炭素数4以上16以下の直鎖状炭化水素を主鎖として両末端にカルボキシル基を有する脂肪族ジカルボン酸が、アジピン酸、セバシン酸、テトラデカン二酸又はオクタデカン二酸であり、該ポリエステル樹脂Aは、ピーク分子量Mp(A)が10000以上20000以下であって酸価Av(A)が15mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であり、該ポリエステル樹脂Bは、数平均分子量Mn(B)が1500以上3500以下であって酸価Av(B)が10mgKOH/g以下であり、該金属化合物は、芳香族オキシカルボン酸の金属化合物であって、該結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上1.0質量部以下含有されており、該トナーは、170℃での貯蔵弾性率G’(170)が1.5×10Pa以上1.0×10Pa以下であり、90℃での損失弾性率をG”(90)とした場合、G”(90)/G’(170)が1以上300以下であることを特徴とする。
本発明者らの検討によれば、上記のトナーを用いることで、高速印刷下で印刷メディア上のトナー載り量が低い場合であっても、高グロスかつグロスむらを抑制できるトナーを提供することができる。
本発明者らは、特許文献1及び2が示すようなトナー中のワックス偏在状態を制御することで高グロスとグロス均一性の両立を試みた。また、特許文献3が示すような軟化点および粘弾特性を制御することで高グロスとグロス均一性の両立を試みた。しかし、このようなトナーを用いると、高速印刷下で平滑性の低いメディアに対してトナー載り量が少ない場合、グロスむらを満足いくレベルで抑制することはできなかった。
一方、本発明のようなトナー構成にすることで、高速印刷下で平滑性の低いメディアに対してトナー載り量が少ない場合であってもグロスむらを抑制できることがわかった。そのメカニズムについて、本発明者らは以下のように考えている。
グロスむらが発生するのは、定着後のトナー一粒あたりの面積が小さいためであると本発明者らは考えている。定着後のトナー一粒あたりの面積が小さいと低平滑性のメディアが露出しやすく、低粘度のトナーを使用した場合にグロスむらが発生しやすいと考えられる。平滑性の低いメディアに対して低粘度トナーを使用する場合にグロスむらを抑制するには、定着後のトナー一粒あたりの面積を大きくすることが好ましい。
定着後のトナー一粒あたりの面積を大きくするために、本発明者らは結着樹脂の特性とトナーの粘弾性に着目し、鋭意検討を行った。その結果、分子量の異なる2種類のポリエステル樹脂と芳香族オキシカルボン酸の金属化合物を含有し、特定の粘弾性を有することで、定着後のトナー一粒あたりの面積が増大することを見出し、本発明に至った。
〔結着樹脂〕
本発明のトナーにおいて、結着樹脂は、高分子量のポリエステル樹脂Aと低分子量のポリエステル樹脂Bを含有する。結着樹脂100質量部中におけるポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bの含有量の和は90質量部以上であることが好ましい。
ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bはともに、多価アルコールユニットと多価カルボン酸ユニットを有している。本発明において多価アルコールユニットとは、ポリエステルの縮重合の際に使用された多価アルコール成分に由来する構成要素である。また、本発明において多価カルボン酸ユニットとは、ポリエステルの縮重合の際に使用された多価カルボン酸またはその無水物、低級アルキルエステルに由来する構成要素である。
<質量比率A/B>
本発明のトナーにおいて、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bの質量比率A/Bは10/90以上60/40以下である。質量比率A/Bは好ましくは20/80以上40/60以下である。質量比率A/Bがこの範囲内であると、画像のグロスむらを抑制することができる。質量比率A/Bが10/90未満であると、トナーの耐ホットオフセット性が低下することで、オフセット部と非オフセット部の間のグロス差によって画像のグロスむらが悪化する。一方、質量比率A/Bが60/40を超えると、トナーの定着時に移動しやすいポリエステル樹脂Bがトナー中に占める割合が低くなり、定着後のトナー一粒あたりの面積が小さくなって画像のグロスむらが悪化する。
〔ポリエステル樹脂A〕
<多価アルコールユニット>
本発明のポリエステル樹脂Aは、多価アルコールユニットの総モル数に対し、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルに由来する多価アルコールユニットを0.1モル%以上10.0モル%以下含有することを特徴とする。
ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルは、3価以上のアルコール性水酸基価を有し、酸成分と反応して網目の広い柔軟な架橋構造をとる。そのため、トナーの定着時に印刷メディア上でトナーが転写されていない部位に低分子量のポリエステル樹脂Bが移動しやすくなる。よって、定着後のトナー一粒あたりの面積が大きくなり印刷メディア上においてトナーによる隠ぺい率が高くなることで、グロスむらが抑制される。ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルは、ノボラック型フェノール樹脂と分子中に1個のエポキシ環を有する化合物との反応物である。
ノボラック型フェノール樹脂としては、例えば以下のものが挙げられる。エンサイクロベディア・オブ・ポリマーサイエンス・アンド・テクノロジー(インターサイエンス・パブリッシャーズ)第10巻1頁のフエノリツク・レジンズの項に記載されるように、塩酸、リン酸、硫酸などの無機酸、又はパラトルエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸、又は酢酸亜鉛などの金属塩を触媒として、フェノール類とアルデヒド類との重縮合により製造されるもの。
フェノール類としては、フェノールや炭素数1〜35の炭化水素基及び/又はハロゲン基の1個以上を置換基として有する置換フェノールが挙げられる。置換フェノールの具体例としては、以下のものが挙げられる。クレゾール(オルソ体、メタ体もしくはパラ体)、エチルフェノール、ノニルフェノール、オクチルフェノール、フェニルフェノール、スチレン化フェノール、イソプロペニルフェノール、3−クロルフェノール、3−ブロムフェノール、3,5−キシレノール、2,4−キシレノール、2,6−キシレノール、3,5−ジクロルフェノール、2,4−ジクロルフェノール、3−クロル−5−メチルフェノ−ル、ジクロルキシレノール、ジブロムキシレノール、2,4,5−トリクロルフェノール、6−フェニル−2−クロルフェノール等。フェノール類は2種以上併用してよい。これらの中ではフェノール、及び炭化水素基で置換された置換フェノールが好ましく、その中でも特にフェノール、クレゾール、t−ブチルフェノールおよびノニルフェノールが好ましい。フェノールとクレゾールは、価格及びトナーの耐オフセット性を付与する点で好ましく、t−ブチルフェノール及びノニルフェノールに代表される炭化水素基で置換された置換フェノールは、トナーの帯電量の温度依存性を小さくする点で好ましい。
アルデヒド類としては、ホルマリン(各種濃度のホルムアルデヒド溶液)、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。ノボラック型フェノール樹脂の数平均分子量は、特に限定されないが、通常300〜8000、好ましくは450〜3000、更に好ましくは400〜2000である。
ノボラック型フェノール樹脂中の数平均のフェノール類の核体数は、特に限定されないが、通常3〜60、好ましくは3〜20、更に好ましくは4〜15である。また軟化点(JIS K2531;環球法)は、特に限定されないが、通常40〜180℃、好ましくは40〜150℃、更に好ましくは50〜130℃である。軟化点が40℃以上ではブロッキングが起こりにくいので好ましい。また軟化点が180℃以下では、ポリエステル樹脂の製造過程でゲル化を引き起こしにくいので好ましい。
分子中に1個のエポキシ環を有する化合物の具体例としては、エチレンオキサイド(EO)、1,2−プロピレンオキサイド(PO)、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン等を挙げることができる。また炭素数1〜20の脂肪族1価アルコールもしくは1価フェノールのグリシジルエーテルも使用できる。これらの中ではEOおよび/またはPOが好ましい。ノボラック型フェノール樹脂1モルに対する、分子中に1個のエポキシ環を有する化合物の付加モル数は、特に限定されないが、通常1〜30モル、好ましくは2〜15モル、更に好ましくは2.5〜10モルである。また、ノボラック型フェノール樹脂中のフェノール性水酸基1個に対する分子中に1個のエポキシ環を有する化合物の平均付加モル数は、特に限定されないが、通常0.1〜10モル、好ましくは0.1〜4モル、更に好ましくは0.2〜2モルである。
本発明で特に好ましく用いられるノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルの構造を、以下に例示する。
Figure 0006308778
上記の式(1)中、Rは、エチレン基またはプロピレン基であり、xは、0以上の数で、y1〜y3は、各々独立に、0以上の数である。
ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルの数平均分子量は、特に限定されないが、通常300〜10000、好ましくは350〜5000、更に好ましくは450〜3000である。数平均分子量が300以上では、トナーの耐ホットオフセット性が良好となり好ましい。また、数平均分子量が10000以下では、ポリエステル樹脂Aの製造過程でゲル化を引き起こしにくいので好ましい。
ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルの水酸基価(アルコール性及びフェノール性水酸基の合計)は、特に限定されないが、通常10〜550mgKOH/g、好ましくは50〜500mgKOH/g、更に好ましくは100〜450mgKOH/gである。また、水酸基価のうち、フェノール性水酸基価は、特に限定されないが、通常0〜500mgKOH/g、好ましくは0〜350mgKOH/g、更に好ましくは5〜250mgKOH/gである。
ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルは、例えば、必要により触媒(塩基性触媒又は酸性触媒)の存在下、ノボラック型フェノール樹脂に分子中1個のエポキシ環を有する化合物を付加反応させることにより得られる。反応温度は、特に限定されないが、通常20〜250℃、好ましくは70〜200℃であり、常圧下、又は加圧下、更には減圧下においても行うことができる。また反応は、溶媒(例えばキシレン、ジメチルホルムアミドなど)あるいは他の2価アルコール類及び/又は他の3価以上のアルコール類の存在下で行うこともできる。
ポリエステル樹脂Aのノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルに由来する多価アルコールユニットが0.1モル%未満であると、前述した網目の広い柔軟な架橋構造部分が少なくなる。そのため、定着時にトナー内部で低分子量のポリエステル樹脂Bが移動しにくく、グロスむらが悪化する。一方、10.0モル%を超えるとポリエステル樹脂Aの架橋構造における網目が広く定着時にトナー内部で高分子量のポリエステル樹脂Aと低分子量のポリエステル樹脂Bとの分離が起きやすくなる。その結果、印刷メディア上にポリエステル樹脂Aを主成分とする低グロス部とポリエステル樹脂Bを主成分とする高グロス部が生成されてグロスむらが悪化する。
ポリエステル樹脂Aの多価アルコールユニットを構成する成分としては、芳香族ジオールや、前記ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル以外に、必要に応じて、以下の多価アルコール成分を使用することができる。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビット、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン。
<多価カルボン酸ユニット>
本発明のポリエステル樹脂Aは、多価カルボン酸ユニットの総モル数に対し、炭素数4以上16以下の直鎖状炭化水素を主鎖として両末端にカルボキシル基を有する脂肪族ジカルボン酸に由来する多価カルボン酸ユニットを15モル%以上50モル%以下含有することを特徴とする。炭素数4以上16以下の直鎖状炭化水素を主鎖として両末端にカルボキシル基を有する脂肪族ジカルボン酸が多価カルボン酸ユニット中に含まれることで、ポリエステル樹脂Aの主鎖は部分的に柔軟な構造となる。そのため、トナーの定着時に低分子量のポリエステル樹脂Bがトナー内部を移動しやすい。その結果、定着後のトナー一粒あたりの面積が大きくなることで印刷メディア上においてトナーによる隠ぺい率が高くなり、画像のグロスむらが抑制される。
使用される脂肪族ジカルボン酸が、炭素数が3以下の直鎖状炭化水素を主鎖とした両末端にカルボキシル基を有する脂肪族ジカルボン酸であると、ポリエステル樹脂Aの主鎖が柔軟になる効果が得られにくく、画像のグロスむらが悪化する。また、炭素数が17以上の直鎖状炭化水素を主鎖とした両末端にカルボキシル基を有する脂肪族ジカルボン酸であると、トナーの耐ホットオフセット性が低下することで、オフセット部と非オフセット部のグロス差によって画像のグロスむらが悪化する。また、1,4−シクロヘキサン二カルボン酸やシクロヘキセン−4.5−ジカルボン酸などの、シクロヘキサン骨格やシクロヘキセン骨格にカルボキシル基が結合したジカルボン酸では、ポリエステル樹脂Aの主鎖が柔軟になる効果が得られにくく、画像のグロスむらの抑制効果が得られない。
該脂肪族カルボン酸ユニットが15モル%未満であるとトナーの定着時に低分子のポリエステル樹脂Bがトナー内部を移動しにくくなり、定着後のトナー一粒あたりの面積が小さくなることで画像のグロスむらが悪化する。一方、該脂肪族カルボン酸ユニットが50モル%を超えるとポリエステル樹脂Aの架橋構造が柔軟になりすぎ、定着時にトナー内部でポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとの分離が起きやすくなる。その結果、印刷メディア上に高分子量のポリエステル樹脂Aを主成分とする低グロス部と低分子量のポリエステル樹脂Bを主成分とする高グロス部が生成されて画像のグロスむらが悪化する。
該ポリエステル樹脂Aに含有されるその他の多価カルボン酸ユニットとしては、例えば以下のものが挙げられる。フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物。これらの中でも、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やそれらの無水物のような、芳香環をもつカルボン酸またはその誘導体が、トナーの耐ホットオフセット性の観点で好ましく用いられる。
本発明のポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bはともに、多価アルコールユニットと多価カルボン酸ユニットを有し、多価アルコールユニットの総モル数に対し、芳香族ジオールに由来する多価アルコールユニットを90モル%以上含有することが好ましい。芳香族ジオールに由来する成分としては、例えば式(2)で表されるビスフェノール及びその誘導体が挙げられる。
Figure 0006308778
式(2)中、Rはエチレン基またはプロピレン基であり、x、yは各々独立に0以上の整数であり、かつ、「x+y」の平均値は0〜10である。中でも、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bの式(2)中のRが同じ構造をとることが好ましい。さらに、Rがともにプロピレン基であり、「x+y」の平均値が2〜4であるようなビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物が、トナーの帯電安定性の点で好ましい。
<ピーク分子量Mp(A)>
本発明のポリエステル樹脂Aのピーク分子量Mp(A)は10000以上20000以下であることを特徴とする。ピーク分子量Mp(A)がこの範囲内であると、画像は高グロスでありグロスむらが抑制される。ピーク分子量Mp(A)は好ましくは12000以上18000以下である。ピーク分子量Mp(A)が10000未満であるとトナーの耐ホットオフセット性が低下することで、オフセット部と非オフセット部のグロス差によって画像のグロスむらが悪化する。一方、ピーク分子量Mp(A)が20000を超えると画像のグロスが低下する。
<酸価Av(A)>
本発明のポリエステル樹脂Aの酸価Av(A)は15mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることを特徴とする。該ポリエステル樹脂Aの酸価Av(A)がこの範囲内であると、画像は高グロスでありかつグロスむらが抑制される。酸価Av(A)は、好ましくは17mgKOH/g以上25mgKOH/g以下である。酸価Av(A)が15mgKOH/g未満であると、トナーの耐ホットオフセット性が低下し、画像のグロスむらが顕著となる。この理由について、本発明者らは以下のように考えている。本発明において、芳香族オキシカルボン酸の金属化合物によってポリエステル樹脂AとBの分子間、またはポリエステル樹脂A及びBのそれぞれの分子内の架橋が形成される。酸価Av(A)が15mgKOH/g未満であると、該ポリエステル樹脂Aと芳香族オキシカルボン酸の金属化合物によって形成される高弾性の架橋が十分に形成されないためにグロスむらが顕著になると本発明者らは考えている。酸価Av(A)が30mgKOH/gを超えると定着後のトナー一粒あたりの面積が小さくなって画像のグロスむらが顕著となる。これは、芳香族オキシカルボン酸の金属化合物によって形成されるポリエステル樹脂Aの架橋の密度が高くなることで、定着時にポリエステル樹脂Bが移動しにくくなるためと本発明者らは考えている。
本発明のポリエステル樹脂Aの水酸基価は0mgKOH/g以上10mgKOH/g以下であることがトナーの帯電性の観点から好ましい。
〔ポリエステル樹脂B〕
<数平均分子量Mn(B)>
本発明のポリエステル樹脂Bの数平均分子量Mn(B)は1500以上3500以下であることを特徴とする。数平均分子量Mn(B)がこの範囲内であると画像のグロスむらが抑制される。数平均分子量Mn(B)は好ましくは1800以上3000以下である。数平均分子量Mn(B)が1500未満であるとトナーの耐ホットオフセット性が低下することで、オフセット部と非オフセット部間のグロス差によって画像のグロスむらが悪化する。数平均分子量Mn(B)が3500を超えると、トナーの定着時にポリエステル樹脂Bが移動しにくくなり、定着後のトナー一粒あたりの面積が小さくなって画像のグロスむらが悪化する。
<酸価Av(B)>
本発明のポリエステル樹脂Bの酸価Av(B)は10mgKOH/g以下であることを特徴とする。酸価Av(B)は好ましくは8mgKOH/g以下である。酸価Av(B)がこの範囲内であると画像は高グロスでグロスむらが抑制される。酸価Av(B)が10mgKOH/gを超えるとグロスが低下するのは、ポリエステル樹脂Bと芳香族オキシカルボン酸の金属化合物によって形成される架橋が形成されやすくなるためと本発明者らは考えている。また、酸価Av(B)が10mgKOH/gを超えるとグロスむらが顕著となるのは、定着時にトナー内部でポリエステル樹脂Bが移動しにくくなるためと本発明者らは考えている。
ポリエステル樹脂Bの水酸基価は30mgKOH/g以上70mgKOH/g以下であることが好ましい。
ポリエステル樹脂Bは、多価カルボン酸ユニットの総モル数に対し、芳香族ジカルボン酸またはその誘導体に由来する多価カルボン酸ユニットを90モル%以上含有することが好ましい。芳香族ジカルボン酸またはその誘導体に由来する多価カルボン酸ユニットがこの範囲内にあると、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとの相溶性が向上し、長時間印刷後の濃度変動やカブリを抑制できる。芳香族ジカルボン酸またはその誘導体としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物が挙げられる。
またポリエステル樹脂Bは、多価カルボン酸ユニットの総モル数に対し、脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体に由来する多価カルボン酸ユニットを0.1モル%以上10.0モル%以下含有することが好ましい。脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体に由来する多価カルボン酸ユニットがこの範囲内にあると、該ポリエステル樹脂Aとの分散性が向上する。脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体としては、例えば以下のものが挙げられる。コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物。中でも、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、これらの酸の無水物、及びこれらの酸の低級アルキルエステルが好ましく用いられる。これら以外の多価カルボン酸ユニットとしては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の3価または4価のカルボン酸等が挙げられる。
本発明のトナーにおいて、ポリエステル樹脂Aの酸価Av(A)とポリエステル樹脂Bの酸価Av(B)の比率Av(A)/Av(B)は、3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。酸価の比率Av(A)/Av(B)がこの範囲内であると、画像のグロスむらが抑制される。その理由を本発明者らは以下のように考えている。酸価の比率Av(A)/Av(B)がこの範囲内であるとトナー中に存在するポリエステル樹脂間の架橋の数の全体に対して、酸価の高いポリエステル樹脂Aと芳香族オキシカルボン酸の金属化合物によって形成される架橋の数の割合が高くなる。一方で、低分子量のポリエステル樹脂Bは架橋されにくく、トナーの定着時に移動しやすい。その結果、定着後のトナー一粒あたりの面積が大きくなることで印刷メディア上においてトナーによる隠ぺい率が高くなり、画像のグロスむらが抑制されると本発明者らは考えている。
〔金属化合物〕
本発明のトナーは、芳香族オキシカルボン酸の金属化合物を、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上1.0質量部以下含有することを特徴とする。金属化合物の含有量は好ましくは、0.2質量部以上0.8質量部以下である。本発明のトナーにおいて、金属化合物の含有量を増やすと100℃未満の貯蔵弾性率G’がほぼ変化しないのに対して100℃以上の高温領域の貯蔵弾性率G’が選択的に増加することから、トナー中に高弾性の架橋の数が増加すると本発明者らは考えている。その金属化合物の含有量が0.1質量部未満では、画像のグロスむらが悪化する。これは、トナー中のポリエステル樹脂間の架橋の数が少ないためと本発明者らは考えている。一方、この含有量が1.0質量部を超えると、画像のグロスが低下する。これは、トナー中のポリエステル樹脂間の架橋の数が多いためと本発明者らは考えている。
芳香族オキシカルボン酸の金属化合物は、Al、Zn、Zr、Fe、B、Cr及びHfの群から選ばれる一種類以上の金属を含有することが好ましい。上記金属を含有する金属化合物を用いた場合、高い帯電量を得ることが可能となるため、印刷メディア上に対してトナーがより均一に転写されて画像のグロスむらがさらに抑制される。
本発明で特に好ましく用いられる芳香族オキシカルボン酸の金属化合物として、以下の式(3)〜式(5)で示される化合物が挙げられる。
Figure 0006308778
式(3)中、R乃至R11は、各々独立して、水素、アルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、水酸基、アシルオキシ基、アルコシキカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、又はカルバモイル基を表し、これらは置換基によって更に置換されていてもよい。RとR、RとR、RとR、RとR、RとR10、又はR10とR11は、結合により芳香族環を形成していてもよい。またこの芳香族環は置換基を有してもよい。
Mは金属を示し、sは0、1又は2を示し、tは1又は2を示す。(At+は、H、NH 、アルカリ金属に基づくカチオン、有機アミンに基づくカチオン、又は第4級有機アンモニウムイオンを示す。Xは0、1又は2を示す。
Figure 0006308778
式(4)中、R乃至Rは、各々独立して、水素、アルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、水酸基、アシルオキシ基、アルコシキカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、又はカルバモイル基を表し、これらは置換基によって更に置換されていてもよい。RとR、RとR、又はRとRは、結合により芳香族環を形成していてもよい。またこの芳香族環は置換基を有してもよい。Mは金属を示し、mは3以上の整数を示し、nは1以上の整数を示す。
Figure 0006308778
式(5)中、R4乃至R7は、各々独立して、水素、アルキル基、アリール基、アルアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、水酸基、アシルオキシ基、アルコシキカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、カルボキシル基、ハロゲン、ニトロ基、アミノ基、又はカルバモイル基を表し、これらは置換基によって更に置換されていてもよい。RとR、RとR、又はRとRは、結合により芳香族環を形成していてもよい。またこの芳香族環は置換基を有してもよい。Mは金属を示し、m及びnは正の整数を示す。
本発明のトナーは、帯電性を安定化させる為に必要に応じて上記の金属化合物以外の化合物を荷電制御剤として用いることができる。荷電制御剤は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.1〜7質量部使用するのが好ましい。荷電制御剤としては、ニグロシン,イミダゾール系化合物などが挙げられる。
〔貯蔵弾性率、損失弾性率〕
本発明のトナーは、170℃での貯蔵弾性率G’(170)が1.5×10Pa以上1.0×10Pa以下であることを特徴とする。G’(170)がこの範囲内であると、トナーの耐ホットオフセット性、低温定着性が良好で、画像のグロスむらも抑制される。G’(170)が1.0×10Paを超えると、トナーの低温定着性が悪化する。一方、G’(170)が1.5×10Pa未満であると、トナーの耐ホットオフセット性が悪化し、画像のグロスむらも悪化する。
本発明のトナーは、170℃での貯蔵弾性率をG’(170)とし、90℃での損失弾性率をG”(90)とした場合、G”(90)/G’(170)の値が1以上300以下であることを特徴とする。G”(90)/G’(170)の値がこの範囲内であると、トナーの耐ホットオフセット性、低温定着性が良好で、画像のグロスむらも抑制される。G”(90)/G’(170)の値が300を超えると、定着後のトナー一粒あたりの面積の値が小さくなることで画像のグロスむらが悪化する。一方、G”(90)/G’(170)の値が1未満であると、定着時にトナー内部で高粘度成分と低粘度成分との分離が起きやすくなる。その結果、印刷メディア上に高粘度成分を主成分とする低グロス部と低粘度成分を主成分とする高グロス部が生成されて画像のグロスむらが悪化する。
〔重合体C〕
また、本発明のトナーは、結着樹脂として、ビニル系樹脂成分と炭化水素化合物が結合した構造を有する重合体Cを含有することが好ましい。上記重合体Cとしては、ビニル系樹脂成分にポリオレフィンが結合した重合体、またはポリオレフィンにビニル系モノマーが結合したビニル系樹脂成分を有する重合体が好ましい。上記重合体Cは、ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂Bとワックスとの親和性を高めていると考えられる。そのため、トナー表面へのワックスの過剰な染み出しを抑制でき、現像剤の耐久性の改善に寄与する。
結着樹脂100質量部中における重合体Cの含有比率は、好ましくは2質量部以上10質量部以下、さらに好ましくは3質量部以上8質量部以下である。重合体Cの含有比率が2質量部以上10質量部以下の場合、トナーの低温定着性を維持しつつ耐久安定性を更に良化することができる。
重合体Cにおけるポリオレフィンは、二重結合を一つ有する不飽和炭化水素系モノマーの重合体または共重合体であれば特に限定されず、様々なポリオレフィンを用いることができる。特にポリエチレン系、ポリプロピレン系のポリオレフィンが好ましく用いられる。
重合体Cにおけるビニル系樹脂成分に用いられるビニル系モノマーとしては、以下のものが挙げられる。
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレン及びその誘導体などのスチレン系モノマー。
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きアミノ基含有α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体などのN原子を含むビニル系モノマー。
マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、前記α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物、及びこれらのモノエステルなどのカルボキシル基を含むビニル系モノマー。
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンなどの水酸基を含むビニル系モノマー。
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル。
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類などのメタクリル酸エステル。
本発明に用いられるビニル系樹脂成分と炭化水素化合物が反応した構造を有する重合体Cは、前述したこれらのビニル系モノマー同士の反応や、一方の重合体の原料となるモノマーと他方の重合体との反応等、公知の方法によって得ることができる。
ビニル系樹脂成分の構成単位として、スチレン系単位、エステル系単位さらにはアクリロニトリル単位、またはメタアクリロニトリル単位を含むことが好ましい。
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、顔料分散性の向上、トナーの帯電安定性、耐ブロッキング性の改善を目的として、更に下記の「その他の樹脂」を、本発明の効果を阻害しない量で併用することも可能である。「その他の樹脂」としては、例えば以下の樹脂が挙げられる。ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂。
〔ワックス〕
本発明のトナーに用いられるワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸の如き脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
これらのワックスの中でも、トナーの低温定着性、耐ホットオフセット性を向上させるという観点で、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス、もしくはカルナバワックスの如き脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。
本発明のトナーにおいて、ワックスは、結着樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下で使用されることが好ましい。
また、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時の吸熱曲線において、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度としては45℃以上140℃以下であることが好ましい。ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度が上記範囲内であるとトナーの保存性と耐ホットオフセット性を両立できるため好ましい。
〔着色剤〕
本発明のトナーに含有される着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28の如き塩基性染料。
シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70が挙げられる。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162が挙げられる。
本発明のトナーにおいて、着色剤は、結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下で使用されることが好ましい。
〔その他の添加剤〕
本発明のトナーには、トナーの流動性向上や耐久性安定化のため、トナー粒子表面に無機微粒子を存在させることができる。無機微粒子は、トナー粒子に内添しても良く、外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムの如き無機微粉体が好ましい。無機微粉体は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
トナーの流動性向上のための外添剤としては、比表面積が50m/g以上400m/g以下の無機微粉体が好ましく、トナーの耐久性安定化のためには、比表面積が10m/g以上50m/g以下の無機微粉体であることが好ましい。トナーの流動性向上や耐久性安定化を両立させるためには、比表面積が上記範囲の無機微粉体を併用してもよい。
外添剤は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下使用されることが好ましい。トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーの如き公知の混合機を用いることができる。
〔トナーの製造方法〕
本発明のトナー粒子を製造する際には、結着樹脂と芳香族オキシカルボン酸の金属化合物を加熱することが好ましい。これは、結着樹脂と芳香族オキシカルボン酸の金属化合物が加熱されることによって結着樹脂間に架橋構造が形成されると本発明者らが考えているからである。その製造方法として、結着樹脂と、着色剤と、ワックスと、金属化合物を溶融混練し、混練物を冷却後、粉砕及び分級するいわゆる粉砕法や溶解縣濁法があげられる。
以下、粉砕法でのトナー製造手順の一例について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂及びワックス、着色剤、必要に応じて荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中にワックス等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工社製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。更に、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、分級品(トナー粒子)を得る。中でも、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)は、分級と同時にトナー粒子の球形化処理を行うことができ、転写効率が向上することで印刷メディア上に対してトナーがより均一に転写されてグロスむらが抑制されるので好ましい。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、球形化処理の如きトナー粒子の表面処理を行うこともできる。特に、加熱によるトナー粒子の表面処理は、トナーの円形度を増加させることが容易で、転写効率が向上することで印刷メディア上に対してトナーがより均一に転写されてグロスむらが抑制されるので好ましい。例えば、図1で表される熱球形化処理装置を用いて、熱風により表面処理を行うこともできる。
図1において、原料定量供給手段1により定量供給された混合物は、圧縮気体調整手段2により調整された圧縮気体によって、処理室6の中心軸上に設置された導入管3に導かれる。導入管を通過した混合物は、原料供給手段の中央部に設けられた円錐状の突起状部材4により均一に分散され、放射状に広がる8方向の供給管5に導かれ、粉体粒子供給口14から、熱処理が行われる処理室6に導かれる。
このとき、処理室に供給された混合物は、処理室内に設けられた混合物の流れを規制するための規制手段9によって、その流れが規制される。このため処理室に供給された混合物は、処理室内を旋回しながら熱処理された後、冷却される。熱処理装置の規制手段9は、その上端部の中心部に、供給された熱風を周方向に分配するための略円錐形状の分配部材12を具備している。さらに、規制手段9の上端部に、分配された熱風を処理室6において旋回させるための旋回部材13を具備している。熱風を旋回させるための旋回部材13が、複数のブレードを有しており、その枚数や角度により、熱風の旋回を制御することができる。規制手段9の上端部に分配部材12及び旋回部材13が具備されていることで、処理室内に供給された粉体粒子の分散が良好になり、粉体粒子の合一や装置内での融着が発生しにくくなる。処理室内に供給される熱風は、熱風供給手段の熱風入口部7における温度が100℃乃至300℃であることが好ましい。熱風供給手段の出口部における温度が上記の範囲内であれば、混合物を加熱しすぎることによるトナー粒子の融着や合一を防止しつつ、トナー粒子を均一に球形化処理することが可能となる。
更に熱処理された熱処理トナー粒子は冷風供給手段8(8−1、8−2、8−3)から供給される冷風によって冷却され、冷風供給手段8から供給される温度は−20℃乃至30℃であることが好ましい。冷風の温度が上記の範囲内であれば、熱処理トナー粒子を効率的に冷却することができ、混合物の均一な球形化処理を阻害することなく、熱処理トナー粒子の融着や合一を防止することができる。冷風の絶対水分量は、0.5g/m以上15.0g/m以下であることが好ましい。
次に、冷却された熱処理トナー粒子は、処理室の下端にある回収手段10によって回収される。なお、回収手段の先にはブロワー(不図示)が設けられ、それにより吸引搬送される構成となっている。また、粉体粒子供給口14は、供給された混合物の旋回方向と熱風の旋回方向が同方向になるように設けられており、回収手段10は、旋回された粉体粒子の旋回方向を維持するように、処理室の外周部に設けられている。さらに、冷風供給手段8から供給される冷風は、装置外周部から処理室内周面に、水平かつ接線方向から供給されるよう構成されている。粉体供給口から供給されるトナーの旋回方向、冷風供給手段から供給された冷風の旋回方向、熱風供給手段から供給された熱風の旋回方向がすべて同方向である。そのため、処理室内で乱流が起こらず、装置内の旋回流が強化され、トナーに強力な遠心力がかかり、トナーの分散性が更に向上するため、合一粒子の少ない、形状の揃ったトナーを得ることができる。
トナーの平均円形度は、0.930以上0.985以下であることが好ましい。また、トナー粒子に球形化処理の如き表面処理や熱処理による表面処理を行った場合、0.955以上0.980以下であると、転写性の向上とクリーニング性を両立できるため好ましい。
また、トナー粒子を熱風によって表面処理する際に、必要に応じて無機微粒子をトナー粒子の表面に熱風によって固着させることもできる。無機微粒子をトナー粒子の表面に固着させると、転写効率が向上することで印刷メディア上に対してトナーがより均一に転写されてグロスむらが抑制されるので好ましい。トナー粒子の表面に固着される無機微粒子は特に限定はされないが、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムの如き無機微粉体が好ましい。
更に必要に応じて、トナー粒子の表面に外添剤が外添処理される。外添剤を外添処理する方法としては、分級されたトナーと公知の各種外添剤を所定量配合し、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン株式会社製)等の混合装置を外添機として用いて、撹拌・混合する方法が挙げられる。
〔二成分系現像剤〕
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることができる。このような、二成分系現像剤によれば、ドット再現性をより向上させることができ、また長期間に亘って安定した画像を得ることができる。
<磁性キャリア>
磁性キャリアとしては、例えば以下のものが挙げられる。表面を酸化した鉄粉、未酸化の鉄粉;、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子;それらの合金粒子、酸化物粒子;フェライト等の磁性体;磁性体とこの磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等。
本発明のトナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際のキャリア混合比率は、二成分系現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。
以下、実施例等により本発明を説明する。実施例に先立って、トナー及び原材料の各種物性の測定法、及び結着樹脂(ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B、及び重合体C)の製造例を説明する。
〔測定法〕
<1.樹脂の酸価の測定>
ポリエステル樹脂の酸価は以下の方法により測定する。酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。ポリエステル樹脂の酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定する。具体的には、以下の手順に従う。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、脱イオン水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。特級水酸化カリウム7gを5mlの脱イオン水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1リットルとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕したポリエステル樹脂の試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン:エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン:エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
<2.GPCによる樹脂の分子量の測定>
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては例えば、東ソー社製あるいは昭和電工社製の分子量が10〜10程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。又、検出器はRI(屈折率)検出器を用いる。尚、カラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば以下の組み合わせが挙げられる。昭和電工社製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合せや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKguard columnの組み合せ。
また、試料は以下のようにして作製する。試料0.5gをTHF10ml中に入れ、25℃で数時間放置した後、十分振とうしTHFとよく混ぜ(試料の合一体が無くなるまで)、更に12時間以上静置する。尚、THF中における放置時間の合計が24時間となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2〜0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)など使用できる。)を通過させたものをGPCの試料とする。又、試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
<3.トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムを脱イオン水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の(1)〜(7)の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去する。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を脱イオン水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量の脱イオン水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカー内に、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<4.トナーの平均円形度の測定>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512画素の画像処理解像度(一画素あたり0.37×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。
次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形の時に円形度は1.000になり、粒子像外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200乃至1.000の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」を脱イオン水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量の脱イオン水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用する。該手順に従い調製した分散液を該フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を指定することにより、その範囲内の粒子の個数割合(%)、平均円形度を算出することができる。トナーの平均円形度は、円相当径1.98μm以上39.96μm以下とし、トナーの平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」を脱イオン水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.98μm以上39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<5.トナーの粘弾性の測定>
測定装置としては、回転平板型レオメーター「ARES」(TA INSTRUMENTS社製)を用いる。測定試料としては、25℃の環境下で、錠剤成型器を用いて、トナーを直径7.9mm、厚さ2.0±0.3mmの円板状に加圧成型した試料を用いる。該試料をパラレルプレートに装着し、室温(25℃)から100℃に15分間で昇温して、試料の形を整えた後、粘弾性の測定開始温度まで冷却し、測定を開始する。この際、初期のノーマルフォースが0になるようにサンプルをセットすることが、重要である。また、以下に述べるように、その後の測定においては、自動テンション調整(Auto Tension Adjustment ON)にすることで、ノーマルフォースの影響をキャンセルできる。
測定は、以下の条件(1)〜(10)で行う。
(1)直径7.9mmのパラレルプレートを用いる。
(2)周波数(Frequency)は6.28rad/sec(1.0Hz)とする。
(3)印加歪初期値(Strain)を0.1%に設定する。
(4)30乃至200℃の間を、昇温速度(Ramp Rate)2.0℃/minで測定を行う。尚、測定においては、以下の自動調整モードの設定条件で行う。自動歪み調整モード(Auto Strain)で測定を行う。
(5)最大歪(Max Applied Strain)を20.0%に設定する。
(6)最大トルク(Max Allowed Torque)200.0g・cmとし、最低トルク(Min Allowed Torque)0.2g・cmと設定する。
(7)歪み調整(Strain Adjustment)を「20.0% of Current Strain」と設定する。測定においては、自動テンション調整モード(Auto Tension)を採用する。
(8)自動テンションディレクション(Auto Tension Direction)をコンプレッション(Compression)と設定する。
(9)初期スタティックフォース(Initial Static Force)を10.0g、自動テンションセンシティビティ(Auto Tension Sensitivity)を40.0gと設定する。
(10)自動テンション(Auto Tension)の作動条件は、サンプルモデュラス(Sample Modulus)が1.0×10Pa以上である。
〔結着樹脂の製造例〕
<製造例A1>
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン56.2質量部(0.158モル;多価アルコール総モル数に対して97モル%)、テレフタル酸16.9質量部(0.102モル;多価カルボン酸総モル数に対して55モル%)、ノボラック型フェノール樹脂(核体数約5のエチレンオキシド5モル付加物)1.1質量部(0.0016モル;多価アルコール総モル数に対して3モル%)、アジピン酸6.4質量部(0.044モル;多価カルボン酸総モル数に対して25モル%)及びチタンテトラブトキシド0.5質量部をガラス製4リットルの4つ口フラスコ内に入れた。そして、該4つ口フラスコに温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけ、該4つ口フラスコをマントルヒーター内においた。次にフラスコ内の雰囲気を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた(第1反応工程)。その後、無水トリメリット酸5.8質量部(0.030モル;多価カルボン酸の総モル数に対して20モル%)を添加し、160℃で15時間反応させ(第2反応工程)、ポリエステル樹脂A1を得た。
このポリエステル樹脂A1のピーク分子量は13000であり、酸価は20mg/KOHであった。ポリエステル樹脂A1の多価アルコールユニットを構成する成分、多価カルボン酸ユニットを構成する成分について表1に示す。また、ポリエステル樹脂A1の物性を表2に示す。
<製造例A2乃至A4、A18、A19>
製造例A1において、多価カルボン酸成分のモル比率を表1となるように無水トリメリット酸の質量部数を変更したほかは同様にして反応を行い、ポリエステル樹脂A2乃至A4、A18、A19を得た。各ポリエステル樹脂の構成成分の量及び物性を、それぞれ表1及び表2に示す。
<製造例A5>
製造例A1において、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとノボラック型フェノール樹脂の部数をそれぞれ59.0質量部と1.2質量部に変更したほかは同様にして反応を行い、ポリエステル樹脂A5を得た。このポリエステル樹脂の構成成分の量及び物性を、それぞれ表1及び表2に示す。
<製造例A6>
製造例A1において、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとノボラック型フェノール樹脂の部数をそれぞれ53.4質量部と1.0質量部に変更したほかは同様にして反応を行い、ポリエステル樹脂A6を得た。このポリエステル樹脂の構成成分の量及び物性を、それぞれ表1及び表2に示す。
<製造例A7>
製造例1において、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとノボラック型フェノール樹脂の部数をそれぞれ50.7質量部と1.0質量部に変更したほかは同様にして反応を行い、ポリエステル樹脂A7を得た。このポリエステル樹脂の構成成分の量及び物性を、それぞれ表1及び表2に示す。
<製造例A8乃至A13、A22乃至A25>
製造例A1において、第1反応工程で使用する多価カルボン酸成分とモル比率を表1のように変更したほかは同様にして反応を行い、ポリエステル樹脂A8乃至A13、及びA22乃至A25を得た。その際、多価カルボン酸の総モル数が製造例A1と同じになるように原材料の質量部を調整した。各ポリエステル樹脂の物性を表2に示す。
<製造例A14乃至A17、A26、A27>
製造例A1において、第1反応工程で使用する多価アルコール成分とモル比率を表1のように変更したほかは同様にして反応を行い、ポリエステル樹脂A14乃至A17、A26、A27を得た。その際、多価アルコールの総モル数が製造例A1と同じになるように原材料の質量部を調整した。各ポリエステル樹脂の物性を表2に示す。
<製造例A20>
製造例A1において、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとノボラック型フェノール樹脂の部数をそれぞれ60.2質量部と1.2質量部に変更したほかは同様にして反応を行い、ポリエステル樹脂A20を得た。このポリエステル樹脂の構成成分の量及び物性を、それぞれ表1及び表2に示す。
<製造例A21>
製造例A1において、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとノボラック型フェノール樹脂の部数をそれぞれ49.7質量部と0.9質量部に変更したほかは同様にして反応を行い、ポリエステル樹脂A21を得た。このポリエステル樹脂の構成成分の量及び物性を、それぞれ表1及び表2に示す。
<製造例B1>
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン59.4質量部(0.167モル;多価アルコール総モル数に対して100モル%)、テレフタル酸25.5質量部(0.154モル;多価カルボン酸総モル数に対して96モル%)、及びチタンテトラブトキシド0.5質量部をガラス製4リットルの4つ口フラスコ内に入れた。そして、該4つ口フラスコに温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけ、該フラスコをマントルヒーター内においた。次にフラスコ内の雰囲気を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた(第1反応工程)。その後、無水トリメリット酸1.2質量部(0.006モル;多価カルボン酸総モル数に対して4モル%)を添加し、180℃で1時間反応させ(第2反応工程)、ポリエステル樹脂B1を得た。
このポリエステル樹脂B1の数平均分子量は2100で、酸価は4mg/KOHであった。ポリエステル樹脂B1の多価アルコールユニットを構成する多価アルコール成分、多価カルボン酸ユニットを構成する多価カルボン酸成分について表1に示す。ポリエステル樹脂B1の物性を表3に示す。
<製造例B2乃至B4、B8>
製造例B1において、多価カルボン酸成分のモル比率を表1となるように無水トリメリット酸の質量部数を変更したほかは同様にして反応を行い、ポリエステル樹脂B2、B3、B4、B8を得た。各ポリエステル樹脂の構成成分の量及び物性を、それぞれ表1及び表3に示す。
<製造例B5>
製造例B1において、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの部数を62.3質量部に変更したほかは同様にして反応を行い、ポリエステル樹脂B5を得た。このポリエステル樹脂の構成成分の量及び物性を、それぞれ表1及び表3に示す。
<製造例B6>
製造例B1において、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの部数を56.4質量部に変更したほかは同様にして反応を行い、ポリエステル樹脂B6を得た。このポリエステル樹脂の構成成分の量及び物性を、それぞれ表1及び表3に示す。
<製造例B7>
製造例B1において、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの部数を53.6質量部に変更したほかは同様にして反応を行い、ポリエステル樹脂B7を得た。このポリエステル樹脂の構成成分の量及び物性を、それぞれ表1及び表3に示す。
<製造例B9>
製造例B1において、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの部数を63.5質量部に変更したほかは同様にして反応を行い、ポリエステル樹脂B9を得た。このポリエステル樹脂の構成成分の量及び物性を、それぞれ表1及び表3に示す。
<製造例B10>
製造例B1において、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの部数を52.5質量部に変更したほかは同様にして反応を行い、ポリエステル樹脂B10を得た。このポリエステル樹脂の構成成分の量及び物性を、それぞれ表1及び表3に示す。
Figure 0006308778
Figure 0006308778
Figure 0006308778
<製造例C1>
下記表4に示す材料を容量4Lのオートクレーブ内に仕込み、系内の雰囲気を窒素置換後、昇温撹拌しながら180℃に保持した。系内に、2質量%のジ−tert−ブチルパーオキシドのキシレン溶液50質量部を5時間連続的に滴下し、冷却後溶媒を分離除去し、ポリエチレンに共重合体がグラフトしたビニル系樹脂重合体C1を得た。ビニル系樹脂重合体C1は、軟化点(Tm)110℃、ガラス転移温度(Tg)64℃であり、重合体C1のTHF可溶分のGPCによる分子量は、質量平均分子量(Mw)7400、数平均分子量(Mn)2800であった。原料の、不飽和結合を1つ以上有するポリエチレンに相当するピークは認められなかった。
Figure 0006308778
<実施例1>
下記表5に示す材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20/秒、回転時間5分間で混合した後、温度160℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。なお、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸の構造式は、以下の式(6)で表される。
Figure 0006308778
Figure 0006308778
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。この粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらにファカルティF−300(ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。運転条件は、分級ローター回転数を130/秒、分散ローター回転数を120/秒とした。
このトナー粒子100質量部に、ヘキサメチルジシラザン4質量%で表面処理したBET比表面積25m/gの疎水性シリカ微粒子3.0質量部、イソブチルトリメトキシシラン16質量%で表面処理したBET比表面積180m/gの酸化チタン微粒子0.2質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)で、回転数30/秒、回転時間10分間で混合し、図1に示す熱球形化処理装置によって熱処理を行い、熱処理トナー粒子を得た。運転条件はフィード量=5kg/時とし、また、熱風温度=215℃、熱風流量=6m/分、冷風温度=5℃、冷風流量=4m/分、冷風絶対水分量=3g/m、ブロワー風量=20m/分、インジェクションエア流量=1m/分とした。
100質量部の熱処理トナー粒子に、ヘキサメチルジシラザン4質量%で表面処理したBET比表面積25m/gの疎水性シリカ微粒子1.0質量部、ポリジメチルシロキサン10質量%で表面処理したBET比表面積100m/gの疎水性シリカ微粒子0.7質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で回転数を30/秒、回転時間を10分間として混合して、トナー1を得た。トナー1の重量平均粒径(D4)は6.2μmであり、平均円形度は0.966であった。トナー1の物性を表6に示す。
<実施例2>
実施例1において、熱処理前の無機微粒子との混合と熱球形化処理装置による熱処理を行わなかったほかは実施例1と同様にしてトナーの製造を行い、トナー2を得た。トナー2の重量平均粒径(D4)は6.2μmであり、平均円形度は0.955であった。トナー2の物性を表6に示す。
<実施例3>
実施例2において、微粉砕した後の分級をファカルティF−300(ホソカワミクロン社製)から回転型分級機TSP−200(ホソカワミクロン社製)に変更したほかは実施例1と同様にしてトナーの製造を行い、トナー3を得た。回転型分級機TSP−200の運転条件は、分級ローター回転数50.0/秒で行った。トナー3の重量平均粒径(D4)は6.2μmであり、平均円形度は0.950であった。トナー3の物性を表6に示す。
<実施例4>
実施例3における3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物を、3,5−ジメチルサリチル酸のアルミニウム化合物に変更し、それ以外は実施例3と同様にしてトナー4を得た。トナー4の重量平均粒径(D4)は6.2μmであり、平均円形度は0.950であった。トナー4の物性を表6に示す。なお、3,5−ジメチルサリチル酸の構造式は、以下の式(7)で表される。
Figure 0006308778
<実施例5>
実施例3における3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物を、3−エチルサリチル酸のアルミニウム化合物に変更し、それ以外は実施例3と同様にしてトナー5を得た。トナー5の重量平均粒径(D4)は6.2μmであり、平均円形度は0.950であった。トナー5の物性を表6に示す。なお、3−エチルサリチル酸の構造式は、以下の式(8)で表される。
Figure 0006308778
<実施例6>
実施例3における3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物を、3−メチル−5−プロピルサリチル酸のアルミニウム化合物に変更し、それ以外は実施例3と同様にしてトナー6を得た。トナー6の重量平均粒径(D4)は6.2μmであり、平均円形度は0.950であった。トナー6の物性を表6に示す。なお、3−メチル−5−プロピルサリチル酸の構造式は、以下の式(9)で表される。
Figure 0006308778
<実施例7>
実施例3における3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物を、3,5−ジ−ヘキシルサリチル酸のアルミニウム化合物に変更し、それ以外は実施例3と同様にしてトナー7を得た。トナー7の重量平均粒径(D4)は6.2μmであり、平均円形度は0.950であった。トナー7の物性を表6に示す。なお、3,5−ジ−ヘキシルサリチル酸の構造式は、以下の式(10)で表される。
Figure 0006308778
<実施例8>
実施例3における3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物を、2−ヒドロキシ−1−ナフタレンカルボン酸のアルミニウム化合物に変更し、それ以外は実施例3と同様にしてトナー8を得た。トナー8の重量平均粒径(D4)は6.2μmであり、平均円形度は0.950であった。トナー8の物性を表6に示す。なお、2−ヒドロキシ−1−ナフタレンカルボン酸の構造式は、以下の式(11)で表される。
Figure 0006308778
<実施例9乃至40及び比較例1乃至19>
実施例3において、表6に示すようにトナー処方及びトナー物性の一部を変更したほかは実施例3と同様にして、トナー9乃至59を得た。トナー9乃至59の重量平均粒径(D4)は6.2μmであり、平均円形度は0.950であった。各トナーの物性を表6に示す。
Figure 0006308778
<実施例101>
[1.磁性コア粒子の製造]
下記表7に示すフェライト原材料を秤量した。その後、ジルコニア(φ10mm)のボールを用いた乾式ボールミルで2時間粉砕・混合した。
Figure 0006308778
次いで、バーナー式焼成炉を用い大気中で、1000℃で3時間焼成し、表7の右欄に示す組成の仮焼フェライトを作製した。
この仮焼フェライトをクラッシャーで0.5mm程度に粉砕した後に、ジルコニア(φ10mm)のボールを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで2時間粉砕した。このようにして得られたスラリーを、ジルコニアのビーズ(φ1.0mm)を用いた湿式ビーズミルで4時間粉砕し、フェライトスラリーを得た。
このフェライトスラリー中に、バインダーとして仮焼フェライト100質量部に対してポリビニルアルコール2.0質量部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、直径約36μmの球状粒子に造粒した。
次いで、焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%以下)で、1150℃で4時間焼成した。
焼成によって得られた凝集粒子を解砕した後に、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、磁性コア粒子1を得た。
[2.コート樹脂の製造]
下記表8に示す材料を、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコ内に添加し、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした。その後、80℃まで加温し、2.0質量部のアゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥してコート樹脂1を得た。
Figure 0006308778
[3.磁性キャリアの製造]
前記コート樹脂1を18.0質量部、及びトルエンを82.0質量部、ビーズミルで分散混合し、樹脂液1を得た。
前記磁性コア粒子1を100質量部、ナウタミキサ内に投入し、さらに、前記樹脂液1を樹脂成分として2.0質量部になるようにナウタミキサ内に投入した。減圧下で温度70℃に加熱し、100rpmで混合し、4時間かけて溶媒除去及び塗布操作を行った。その後、得られた試料をジュリアミキサー内に移し、窒素雰囲気下、温度100℃で2時間熱処理した後、目開き70μmの篩で分級して磁性キャリア1を得た。得られた磁性キャリア1の体積分布基準50%粒径(D50)は、38.2μmであった。
[4.二成分系現像剤の製造]
前記トナー1と前記磁性キャリア1を用いて、トナー濃度が8質量%になるようにV型混合機(V−10型:株式会社徳寿製作所)で回転数0.5/秒、回転時間を5分間として混合し、二成分系現像剤1を得た。この現像剤を下記の評価に供した。
[5.グロスむらの評価]
画像形成装置として、キヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C9075PROをプロセススピードを自由に設定できるように改造して、二成分系現像剤1を用いて、評価を行った。常温常湿環境下(23℃、相対湿度50%)でプロセススピードを400mm/secに変更した条件で画出し評価を行った。
該評価において、FFH画像(ベタ部)のトナーの紙上への載り量が0.35mg/cmとなるように調整した。FFH画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hを1階調目(白地部)、FFHを256階調目(ベタ部)とする画像である。
グロスむらの評価紙として、コピー普通紙CS−680(A4、坪量68g/m、キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)に加えて、コピー用紙Multi−Purpose Paper:通称 ボイス紙(A4、坪量75g/m、キヤノンUSAより販売)を用いた。それらの評価紙に、一辺5cmの正方形で濃度1.0の画像を出力し、光沢度計では測定できない微小領域でのグロス差によるグロスむらを目視にて観察を行い、以下の基準で評価した。評価結果を表10に示す。
A:全体的に画像のグロスが均一である。
B:画像のグロスむらがわずかに観察される。
C:画像のグロスむらが観察されるが実用上問題の無いレベルである。
D:画像のグロスむらが実用上問題のあるレベルである。
[6.グロスの評価]
画像形成装置としてキヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C9075PROをプロセススピードを自由に設定できるように改造して、二成分系現像剤1を用いて、評価を行った。常温常湿度環境下(23℃、相対湿度50%)でプロセススピードを400mm/secに変更した条件で画出し評価を行った。該評価において、FFH画像(ベタ部)のトナーの紙上への載り量が0.35mg/cmとなるように調整した。
170g/mのオーロラコート紙(日本製紙製)を用い、一辺20mmの正方形を3段3列で9個並べた画像(トナーの載り量:0.5mg/cm)をプリントした。この画像のグロスを、ハンディ光沢度計グロスメーターPG−3D(東京電色工業社製)を用いて、光の入射角75°の条件で測定し、9個の正方形の平均グロス値を求めた。グロス値が高いほど画像表面が平滑でつやのある彩度の高い品質と判断され、逆にグロス値が低いと、くすんで彩度が低く、画像表面があれたものと判断される。評価結果を表10に示す。
A:グロス値が20以上である。
B:グロス値が16以上20未満である。
C:グロス値が12以上16未満である。
D:グロス値が12未満である。
[7.定着性(低温定着性、耐ホットオフセット性)評価]
キヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C9075PROを、定着温度を自由に設定できるように改造して定着温度領域の試験を行った。画像は単色モードで常温常湿度(23℃、相対湿度50%)環境下において、紙上のトナー載り量が1.2mg/cmになるように調整し、未定着画像を作成した。評価紙は、コピー用紙GF−C081(A4、坪量81.4g/m)キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用い、画像印字比率25%で画像を形成した。その後、常温常湿度(23℃、相対湿度50%)環境下において、定着温度を100℃から順に5℃ずつ上げ、オフセットが生じない温度幅(定着可能温度〜オフセット発生温度)を定着可能領域とした。定着可能領域の下限温度を低温定着温度、上限温度を耐ホットオフセット温度とした。評価結果を表11に示す。
(低温定着性の評価基準)
A:155℃未満 (非常に良好である。)
B:155℃以上165℃未満(良好である。)
C:165℃以上175℃未満(本発明において許容レベルである。)
D:175℃以上 (本発明において許容できない。)。
(耐ホットオフセット性の評価基準)
A:200℃以上 (非常に良好である。)
B:190℃以上200℃未満(良好である。)
C:180℃以上190℃未満(本発明において許容レベルである。)
D:180℃未満 (本発明において許容できない。)。
[8.現像性の評価]
画像形成装置としてキヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C9075PROを用いて、前記二成分現像剤1について、評価を行った。常温常湿(23℃、相対湿度50%)環境下で画出し評価(A4横、80%印字比率、5000枚連続通紙)を行った。
5000枚の連続通紙時間中は、1枚目と同じ現像条件、転写条件(キャリブレーション無し)で通紙を行った。評価紙は、コピー用紙GF−C081(A4、坪量81.4g/m)、キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。該評価環境において、FFH画像(ベタ部)のトナーの紙上への載り量が0.50mg/cmとなるように調整した。評価結果を表12に示す。
(1)画像濃度の測定
X−Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X−Rite社製)を使用し、初期(1枚目)および5,000枚目のFFH画像部:ベタ部の画像濃度を測定し、両画像濃度の差△から、以下の基準でランク付けした。
(評価基準)
A:0.05未満 (非常に優れている。)
B:0.05以上0.10未満(良好である。)
C:0.10以上0.20未満(本発明では問題ないレベルである。)
D:0.20以上 (本発明では許容できない。)。
(2)カブリの測定
画出し前の評価紙の平均反射率Dr(%)をリフレクトメータ(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定した。また、初期(1枚目)及び5,000枚目の、00H画像部:白地部の反射率Ds(%)を測定した。得られたDr及びDs(初期(1枚目)および5,000枚目)より、下記式を用いてカブリ(%)を算出した。得られたカブリの値から、下記の評価基準に従ってランク付けした。評価結果を表12に示す。
カブリ(%)=Dr(%)−Ds(%)
(評価基準)
A:0.5%未満 (非常に優れている。)
B:0.5%以上、1.0%未満(良好である。)
C:1.0%以上、2.0%未満(本発明において問題ないレベルである。)
D:2.0%以上 (本発明において許容できない。)。
<実施例102乃至140、及び比較例101乃至119>
実施例101において、ニ成分系現像剤を表9に記載の組み合わせの二成分現像剤に変更したこと以外は実施例101と同様にして、評価を行った。表10〜表12に評価結果を示す。
Figure 0006308778
Figure 0006308778
Figure 0006308778
Figure 0006308778
1.原料定量供給手段
2.圧縮気体流量調整手段
3.導入管
4.突起状部材
5.供給管
6.処理室
7.熱風供給手段の熱風入口部
8.冷風供給手段
9.規制手段
10.回収手段
11.熱風供給手段の熱風出口部
12.分配部材
13.旋回部材
14.粉体粒子供給口

Claims (5)

  1. 結着樹脂、着色剤、ワックス及び金属化合物を含有するトナーであって、
    該結着樹脂は、それぞれ、多価アルコールユニットと多価カルボン酸ユニットを有する、ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bを含有し、
    該ポリエステル樹脂Aと該ポリエステル樹脂Bの質量比率A/Bは、10/90以上60/40以下であり、
    該ポリエステル樹脂Aは、該多価アルコールユニットの総モル数に対して、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルに由来する多価アルコールユニットを0.1モル%以上10.0モル%以下含有し、該多価カルボン酸ユニットの総モル数に対して、炭素数4以上16以下の直鎖状炭化水素を主鎖として両末端にカルボキシル基を有する脂肪族ジカルボン酸に由来する多価カルボン酸ユニットを15モル%以上50モル%以下含有し、
    該炭素数4以上16以下の直鎖状炭化水素を主鎖として両末端にカルボキシル基を有する脂肪族ジカルボン酸が、アジピン酸、セバシン酸、テトラデカン二酸又はオクタデカン二酸であり、
    該ポリエステル樹脂Aは、ピーク分子量Mp(A)が10000以上20000以下であって酸価Av(A)が15mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であり、
    該ポリエステル樹脂Bは、数平均分子量Mn(B)が1500以上3500以下であって酸価Av(B)が10mgKOH/g以下であり、
    該金属化合物は、芳香族オキシカルボン酸の金属化合物であって、該結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上1.0質量部以下含有されており、
    該トナーは、170℃での貯蔵弾性率G’(170)が1.5×10Pa以上1.0×10Pa以下であり、90℃での損失弾性率をG”(90)とした場合、G”(90)/G’(170)が1以上300以下であることを特徴とするトナー。
  2. 前記炭素数4以上16以下の直鎖状炭化水素を主鎖として両末端にカルボキシル基を有する脂肪族ジカルボン酸が、テトラデカン二酸又はオクタデカン二酸である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記金属化合物がAl、Zn、Zr、Fe、B、Cr及びHfの群から選ばれる一種類以上の金属を含有する請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記ポリエステル樹脂Aの酸価Av(A)と前記ポリエステル樹脂Bの酸価Av(B)の比率Av(A)/Av(B)が3以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー及び
    磁性キャリア
    を含むことを特徴とする二成分系現像剤
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