JP6308754B2 - スタンパ用アルミニウム原型とその製造方法、スタンパとその製造方法、および転写物の製造方法 - Google Patents

スタンパ用アルミニウム原型とその製造方法、スタンパとその製造方法、および転写物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、スタンパ用アルミニウム原型とその製造方法、アルミニウム原型用素材、スタンパとその製造方法、および転写物の製造方法に関する。
近年、凹凸構造の周期を可視光の波長以下に制御した微細凹凸構造から成る反射防止構造を設けることによって、テレビや携帯電話などの液晶面の反射戻り光を減少させる研究がなされている。
微細凹凸構造から成る反射防止構造を設ける方法の一つとして、アルミニウム合金を鋳造および塑性加工などして得られるアルミニウム原型の表面に陽極酸化処理を施して微細凹凸構造を形成し、この凹凸部を樹脂などの材料に転写することで反射防止物品(転写物)を製造する方法が採用されている。また、陽極酸化処理により形成した凹凸パターンとしては、円錐や四角錐などの錐形体が報告されている。
アルミニウム原型の表面に陽極酸化処理を施し、この表面をスタンパとして樹脂等の材料に転写して転写物を製造する場合、スタンパ表面がそのまま転写物に反映されるため、その表面の品質が重要である。
スタンパの表面品質に影響を与えるものとして、アルミニウム原型中の「結晶粒度」,「結晶方位」,「第2相粒子」や、アルミニウム原型素材の「鏡面研磨性」が挙げられている。
転写物の外観を重視する用途では,結晶粒度と結晶方位が重要となる。結晶方位により陽極酸化の反応速度が異なるため,段差が出来てしまい,それにより転写物の突起形状にも違いが生まれる。すると,わずかに反射される光のスペクトルが異なるために違う色に見え,模様として認識されてしまう。また結晶粒度が大きいと,その模様が目につきやすくなってしまう。
特許文献1に記載のアルミニウム原型では,鋳造組織を微細化しメタルフロー模様を低減し,それに起因した転写物の色むらを改善した旨の記載がある。
特許文献1に記載のアルミニウム原型は,メタルフロー模様が少なく転写物の色むらは低減出来ているが,転写物の外観要求度が高い用途においては,メタルフロー模様よりも小さいサイズの模様(結晶粒模様と称する)が転写物に写り込み,それが目視で見えてしまうという問題がある。この結晶粒模様が転写したものを「にじにじ模様」と称する。
色むらもにじにじ模様も結晶方位の似た結晶粒の集まりの転写像であるがそのサイズが異なり,色むらは数mm〜数cmオーダーであり,一方にじにじ模様は数100μm以下である。図1ににじにじ模様の観察例を示す。図1は白黒写真であるため単に濃淡が表れているが、実際には各結晶方位の結晶粒からの異なるスペクトルの反射光による多色模様が観察される。
国際公開第2011/030850号
本発明は、にじにじ模様の発生を防止したスタンパ用アルミニウム原型とその製造方法、アルミニウム原型用素材、スタンパとその製造方法、および転写物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果,アルミニウム原型表面における結晶方位を制御し,{001}面からの方位差が0〜30度,30〜40度,40度以上の3つで定義される領域の中で,最も面積率の高いものを除いた2つの集団のサイズを50μm以下にすることにより,転写物のにじにじ模様を低減することを見出した。
まず、本発明は、表面に存在する結晶粒のうち,{001}面との方位差が0〜30度,30〜40度,40度以上で定義される領域のうち,最も面積率の高い領域を除く,結晶粒の集団のサイズが50μm以下であることを特徴とするスタンパ用アルミニウム原型を提供する。
本発明の望ましい態様においては、前記アルミニウム原型はMgを0.1〜3.0wt%含有し、不可避的不純物としてFeの含有量が200ppm及びSiの含有量が100ppm以下であり、不可避的不純物の合計(ただし、Fe,Siも含む)が500ppm以下である。
更に、本発明は、上記アルミニウム原型の素材であって、任意の切断面のうち{001}面からの方位差が0〜30度,30〜40度,40度以上のそれぞれの結晶粒の集団のサイズが1000μm以下であり、平均結晶粒径が500μm以下であることを特徴とするアルミニウム原型用素材を提供する。
更に、本発明は、上記アルミニウム原型の製造方法であって、アルミニウム原型用素材に塑性加工及び熱処理を少なくとも2回以上繰り返して施すことを特徴とするアルミニウム原型の製造方法を提供する。
本発明の望ましい態様においては、前記塑性加工は冷間鍛造である。
更に、本発明は、上記スタンパ用アルミニウム原型の表面に、陽極酸化処理による微細凹凸構造を備えたことを特徴とするスタンパを提供する。
更に、本発明は、上記スタンパ用アルミニウム原型の表面に、陽極酸化処理により微細凹凸構造を形成することを特徴とするスタンパの製造方法を提供する。
そして、本発明は、上記スタンパを用いて上記微細凹凸構造を成形材料の表面に転写することを特徴とする転写物の製造方法を提供する。
本発明によれば,結晶粒模様の目立ちにくいアルミニウム原型を製造でき,それを使用することでにじにじ模様が少なく,見た目に美しい転写物を製造することができる。
にじにじ模様の観察例。 本発明のアルミニウム原型の表面を陽極酸化することによって、平均間隔が可視光の波長以下である複数の細孔からなる微細凹凸構造を有する酸化皮膜が表面に形成されたスタンパを製造する方法の一例。 本発明による微細凹凸構造を有する物品(転写物)を製造するための装置の一例。 本発明の製造方法で得られる、微細凹凸構造を表面に有する物品(転写物)の一例を示す断面図。 アルミニウム原型の結晶方位観察結果の一例。 転写物のにじにじ模様の観察結果の一例。 転写物の表面の結晶方位と{001}面からの角度範囲と反射光の色との関係。 アルミニウム原型の結晶粒組織の方位集団(a)と、このアルミニウム原型で作製したスタンパにより転写したフィルム面の反射光の色(b)との関係を示す模式図。
本明細書においては、「アルミニウム原型素材」とは、鋳造工程の後、塑性加工工程の前のアルミニウム合金のことをいい、「アルミニウム原型」とは、塑性加工工程後、熱処理・切削等を行い、陽極酸化処理を施す直前のアルミニウム合金のことをいう。
「アルミニウム原型」の表面に陽極酸化を施すことにより微細凹凸構造を形成して「スタンパ」(鋳型)を製造する。
「スタンパ」を用い、スタンパ表面の微細凹凸構造を樹脂等の材料の表面に転写して「転写物」を製造する。
すなわち、本発明に関係する<物>と〔工程〕の基本的な進行順序は下記のとおりである。
〔鋳造〕⇒<アルミニウム原型素材>⇒〔塑性加工→熱処理→切削加工〕⇒<アルミニウム原型>⇒〔陽極酸化〕⇒<スタンパ>⇒〔転写〕⇒<転写物>
なお、各〔工程〕としては基本的な処理・操作を示したが、付随的あるいは付加的な他の処理・操作を含んでもよい。
また、「細孔」とは、スタンパ用アルミニウム原型の表面の酸化皮膜に形成された微細凹凸構造の凹部のことをいう。
また、「微細凹凸構造」は、凸部または凹部の平均間隔がナノスケールである構造を意味する。
また、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの総称である。
また、「活性エネルギー線」は、可視光線、紫外線、電子線、プラズマ、熱線(赤外線等)等を意味する。
また、結晶粒の集団等「サイズ」とは円相当径を意味する。
<スタンパ用アルミニウム原型>
本発明のスタンパ用アルミニウム原型(以下、単に「アルミニウム原型」ともいう。)は、微細凹凸構造を表面に有するスタンパの製造に用いられる原型である。
アルミニウム原型のメタルフロー模様,結晶粒模様を低減するためには鋳造組織が微細化されている必要がある。従って素材は,微細化剤を添加した純アルミニウムやアルミニウム合金を用いることが望ましい。また欠陥の原因となる第2相粒子も十分に抑制しなければならないため,純アルミニウムではFe,Al−Mg合金ではFe,Siなどを低減した素材がより望ましい。
アルミニウム原型は、通常、鋳造,塑性加工,熱処理及び切削加工工程を経て製造される。
結晶粒模様のような結晶方位の似た集団は,塑性加工前の結晶粒組織に起因している。つまり塑性加工前の同じ結晶粒周辺から核生成,結晶粒成長を経て生成した結晶粒は同じような方位を持つことが多い。
従って結晶粒模様を低減するためには,塑性加工前の結晶粒を出来る限り,微細且つ結晶方位をランダムにしておかなければならない。
そこで本発明者らは,鋳造組織をできる限り微細且つランダムな方位にした後,冷間鍛造と熱処理を繰返し行うことで,結晶粒模様を低減し,転写物のにじにじ模様の発生を抑制する方法を見出した。
〔鋳造〕
アルミニウム原型用素材を製造するための鋳造を説明する。
後述するアルミニウム原型のにじにじ模様の集団サイズを50μm以下とするためには、鋳造工程後のアルミニウム原型用素材は、アルミニウム原型用素材表面積のうち{001}面からの方位差が0〜30度,30〜40度,40度以上のそれぞれの結晶粒の集団サイズを予め1000μm以下、好ましくは平均結晶粒径を500μm以下にする。
高純度アルミニウムのようなセンチメートルオーダーの粗大な結晶粒の鋳塊では,塑性加工及び熱処理後もメタルフロー模様が残存してしまう。またメタルフロー模様よりも小さい結晶粒模様を低減するには,できる限りの微細化を行う必要がある。
そのため、鋳塊の結晶粒微細化のためには、一般的にAl−Ti−B系母合金やAl−Ti−C系母合金などの微細化剤を鋳造直前に溶湯に加え、TiB粒子やTiC粒子を核として結晶核の発生数を増やすことが行われる。この際、鋳塊に元々含まれていたTi、B、Cは凝集してしまっており、ほとんど微細化能力を持たない。
純度99.95%以上の高純度アルミニウムの場合、十分に微細化させるためには微細化剤の添加量を増やす必要があるが、微細化剤の添加量の増加は第2相粒子(TiBやTiC)の増加につながるため、微細化剤の添加量を、第2相粒子の許容量を超えない程度に調整する必要がある。
そこで本発明では、例えば原料にMgを添加することが好ましい。Mgを添加することで微細化に必要な微細化剤の量を減らすことができ,Ti濃度上昇量で8ppm,B濃度上昇量で2ppm程度の少量の微細化剤で200〜500μm程度の微細結晶粒を得ることが可能となる。
Mg添加後のMgの含有量は0.1〜3.0Wt%であることが好ましい。Mgの固溶強化による変形抵抗を抑え鍛造費用を低減するためには3.0wt%以下にすることが好ましい。ただし、Mg添加濃度を低くしすぎると塑性加工・熱処理による再結晶後の結晶粒が粗くなりやすいため、0.1wt%以上が好ましく、0.5wt%以上がさらに好ましい。
また、Mgを添加した場合、不可避的不純物としてFeの含有量が200ppm及びSiの含有量が100ppm以下であり、不可避的不純物の合計(ただし、Fe,Siも含む)が500ppm以下であることが好ましい。このように制御することで第2相粒子の発生を抑えることができる。
なお上記の合金は,高純度アルミニウムを使用しているもののMgが添加されているため高純度アルミニウムではない。
〔塑性加工〕
上記アルミニウム原型用素材からアルミニウム原型を製造するための塑性加工を説明する。
鋳造組織の微細化により結晶方位に起因した不均一さは軽減できるが、結晶粒度は200〜500μmであることが一般的である。このような場合は、にじにじ模様が視認されてしまうため,塑性加工を施し後述の方位集団のサイズを50μm以下としなければならない。
塑性加工は圧延・押出などでもよいが、圧延・押出といった塑性加工方法では加工方向が限られているため鋳塊の結晶粒が加工方向に延びた加工組織となり、熱処理による再結晶後にも加工組織の痕跡が加工方向に残ってしまい、筋っぽい組織となってしまう。このため、2方向以上の加工が好ましい。一方、自由鍛造は加工方向を自由に選べるため、異方性が無いランダムな組織を作る上で有利である。
鍛造時の温度が再結晶温度以上であるものを熱間鍛造,それ以下であるものを冷間鍛造と呼ぶ。
[熱間鍛造]
アルミニウム原型用素材の塑性加工として熱間鍛造を説明する。
熱間鍛造に先立つ予熱温度は重要であり、低温すぎると鍛造時に再結晶が起こらないため均一化が期待できず、高温すぎると予熱時の粒成長が顕著となり粗大な結晶粒が生じこれの痕跡が冷間鍛造後も残ってしまう。予熱温度は350〜470℃が好ましく、420℃に近いほど好ましい。予熱は通常数時間程度行なわれる。
熱間鍛造は(2/3U−1.5S)×3サイクルを基本とし、より高い均一性が求められる場合には再予熱後に同様の熱間鍛造を繰り返す。ここで、2/3Uや1.5Sという表記はJIS G 0701にて定義されているように、2/3Uとは鍛錬成形比2/3の据込鍛錬を示し、1.5Sとは鍛錬成形比1.5の実体鍛錬を示す。この据込鍛錬と実体鍛錬の順序は問わず、逆になっても良い。
鍛造のサイクル回数は多い方が均一組織を得られ易いが、鍛造時間の増加による鍛造材の温度の低下が大きくなる。この温度低下により鍛造材の温度が300℃未満になると再結晶を起こし難くなり、熱間鍛造の第一の目的である組織の均一化が起こり難くなる。そのため予熱温度を高める必要がでてくるが、予熱温度を高めるとこの予熱の際に結晶粒の粗大化が起こりやすくなる。そのため、鍛造のサイクル回数は多い方が良いが3サイクル程度にとどめるのが良い。鍛造のサイクル回数を減らし鍛造中の温度低下を抑え、これにより予熱温度を下げることもできるが、この場合、均一組織を得るためにサイクル回数の減少を熱間鍛造・再加熱の回数を増やすことで補うことになり、工業的に現実的では無い。
また、(2S−1/2U)×3サイクルのように一度の鍛伸量・据込量を大きくすると同じサイクル回数でも歪の蓄積が多く結晶粒微細化の点では有利である。しかしながら、鍛造時に表面のシワが内部に巻き込まれやすく、このシワが後のアルマイト処理時に欠陥となって現れるため好ましくない。
[冷間鍛造]
アルミニウム原型用素材の塑性加工として冷間鍛造を説明する。
冷間鍛造は再結晶粒の微細化のための歪の蓄積が主目的のため、より高い鍛錬比の方が微細化には有利である。しかしながら、鍛錬比が高すぎる場合、鍛造時に割れが入るため1回の冷間鍛造は(1.5S−2/3U)×2〜3サイクルに留めるのが良い。また、冷間鍛造時には加工熱により素材の温度が上昇する。歪の開放が顕著となる200℃を超えた場合は水冷・空冷等により冷却する方が良く、更に150℃以下に保つ方が好ましい。
〔熱処理〕
塑性加工後に熱処理を施し,再結晶させることで,加工方向に伸びた加工組織を低減することができる。熱処理の温度は低すぎると再結晶が起こらず加工組織が残ってしまう。また高すぎると粒成長が起こってしまい粗大な結晶粒が生じてしまう。従って最適な熱処理温度を選択する必要がある。その温度は材質,加工度,元の結晶粒度等に依存するが,おおよそ200〜300℃が好ましい。
塑性加工と熱処理を繰り返すことで,結晶粒を微細かつ,方位をランダム化することが可能である。塑性加工としては冷間鍛造を用いることが望ましい。冷間鍛造と熱処理を2回以上繰返すことが好ましい。塑性加工と熱処理後の結晶方位は塑性加工前の結晶粒の影響を受ける。つまり塑性加工前の1つの結晶粒から生成した塑性加工と熱処理後の結晶粒は似たような方位になってしまう。そこで塑性加工と熱処理を繰返し,結晶粒を微細にすることで、微細化後の隣接する各結晶粒の方位が少しずつ変化してくるため塑性加工+熱処理を繰り返すことで同時にランダム化が進む。
冷間鍛造であれば鍛造後も元の形状に戻るため,繰返しの回数は制限されない。繰返しを増やすことで,均一性が高くなる。しかし繰返し回数が増えるとコストアップにつながるため,冷間鍛造を(1.5S−2/3U)×2サイクルとした場合では2〜3回が好ましい。
〔切削加工〕
このようにして製造した素材を所望形状に切削加工してアルミニウム原型とする。
切削加工工程は、冷却したアルミニウム合金を所望の形状に切削してアルミニウム原型を得る工程である。
本発明に用いるアルミニウム合金は、容易に所望の形状に切削できる。切削方法については特に限定されない。
アルミニウム原型の形状は、板形状でもよいしロール形状でもよい。特に、ロール形状に切削すれば、微細凹凸構造を連続的に転写できるスタンパが得られるので、転写物の生産性を高めることができる。
〔スタンパの製造方法〕
以下に、本発明のアルミニウム原型の表面を陽極酸化することによって、平均間隔が可視光の波長以下である複数の細孔からなる微細凹凸構造を有する酸化皮膜が表面に形成されたスタンパを製造する方法の一例について、図2を参照しながら説明する。
本発明のスタンパの製造方法は、下記の工程(a)を有する方法であり、下記の工程(b)および工程(c)をさらに有することが好ましく、下記の工程(d)〜(f)をさらに有することがより好ましい。
(a)アルミニウム原型を電解液中で陽極酸化してアルミニウム原型の表面に酸化皮膜を形成する工程(第1の酸化皮膜形成工程)。
(b)前記工程(a)の後、工程(a)で形成された酸化皮膜の少なくとも一部を除去する工程(酸化皮膜除去工程)。
(c)前記工程(b)の後、アルミニウム原型を電解液中で再度陽極酸化して複数の細孔を有する酸化皮膜を形成する工程(第2の酸化皮膜形成工程)。
(d)前記工程(c)または下記工程(e)の後、酸化皮膜の一部を除去し細孔の径を拡大させる工程(孔径拡大処理工程)。
(e)前記工程(d)の後、アルミニウム原型を電解液中で再度陽極酸化する工程(酸化皮膜再形成工程)。
(f)前記工程(d)と前記工程(e)とを繰り返し行う工程(繰り返し工程)。
工程(a)〜(f)を有する方法によれば、鏡面化されたアルミニウム原型の表面に、開口部から深さ方向に徐々に径が縮小するテーパ形状の細孔が周期的に形成され、その結果、複数の細孔を有する酸化皮膜が表面に形成されたスタンパを得ることができる。
なお、工程(a)の前に、アルミニウム原型の表面の酸化皮膜を除去する前処理を行ってもよい。酸化皮膜を除去する方法としてはクロム酸/リン酸混合液に浸漬する方法等が挙げられる。
また、細孔の配列の規則性はやや低下するが、スタンパの表面を転写した材料の用途によっては工程(a)および(b)を行わず、工程(c)から行ってもよい。
以下、各工程を詳細に説明する。
(工程(a))
工程(a)では、鏡面化されたアルミニウム原型の表面を電解液中、定電圧下で陽極酸化し、図2に示すように、アルミニウム原型10の表面に、細孔12を有する酸化皮膜14を形成する。
電解液としては、酸性電解液、アルカリ性電解液が挙げられ、酸性電解液が好ましい。
酸性電解液としては、シュウ酸、硫酸、リン酸、これらの混合物等が挙げられる。
シュウ酸を電解液として用いる場合、シュウ酸の濃度は、0.7M以下が好ましい。シュウ酸の濃度が0.7Mを超えると、陽極酸化時の電流値が高くなりすぎて酸化皮膜の表面が粗くなることがある。
また、陽極酸化時の電圧は30〜80Vの間で適宜設定すればよい。規則性の高い細孔が好ましい場合、陽極酸化時の電圧を30〜60Vとすることにより、平均間隔が100nm程度の規則性の高い細孔を有する酸化皮膜が表面に形成されたスタンパを得ることができる。陽極酸化時の電圧がこの範囲より高くても低くても規則性が低下する傾向にある。
電解液の温度は、60℃以下が好ましく、45℃以下がより好ましい。電解液の温度が60℃を超えると、いわゆる「ヤケ」といわれる現象が起こる傾向にあり、細孔が壊れたり、表面が溶けて細孔の規則性が乱れたりすることがある。
硫酸を電解液として用いる場合、硫酸の濃度は0.7M以下が好ましい。硫酸の濃度が0.7Mを超えると、陽極酸化時の電流値が高くなりすぎて定電圧を維持できなくなることがある。
また、陽極酸化時の電圧を25〜30Vとすることにより、平均間隔が63nm程度の規則性の高い細孔を有する酸化皮膜が表面に形成されたスタンパを得ることができる。陽極酸化時の電圧がこの範囲より高くても低くても規則性が低下する傾向があり、平均間隔が可視光の波長より大きくなることがある。
電解液の温度は、30℃以下が好ましく、20℃以下がより好ましい。電解液の温度が30℃を超えると、いわゆる「ヤケ」といわれる現象が起こる傾向にあり、細孔が壊れたり、表面が溶けて細孔の規則性が乱れたりすることがある。
工程(a)では、陽極酸化を長時間施すことで形成される酸化皮膜14が厚くなり、細孔12の配列の規則性を向上させることができるが、その際、酸化皮膜14の厚さを0.01〜30μmとすることにより、結晶粒界によるマクロな凹凸がより抑制され、光学用途の物品の製造により適したスタンパを得ることができる。酸化皮膜14の厚さは、0.05〜10μmがより好ましく、1〜3μmがさらに好ましい。酸化皮膜14の厚さは、電界放出形走査電子顕微鏡等で観察できる。
(工程(b))
工程(a)の後、工程(a)により形成された酸化皮膜14を除去することにより、図2に示すように、除去された酸化皮膜14の底部(バリア層と呼ばれる)に対応する周期的な窪み、すなわち、細孔発生点16を形成する。
形成された酸化皮膜14を一旦除去し、陽極酸化の細孔発生点16を形成することで、最終的に形成される細孔の規則性を向上させることができる(例えば、益田、「応用物理」、2000年、第69巻、第5号、p.558参照。)。
酸化皮膜14を除去する方法としては、アルミニウムを溶解せず、アルミナを選択的に溶解する溶液によって除去する方法が挙げられる。このような溶液としては、例えば、クロム酸/リン酸混合液等が挙げられる。
なお、細孔の規則性を向上させる観点からは、酸化皮膜14をすべて除去することが好ましいが、必ずしもすべての酸化皮膜を除去する必要はない。例えば、図2(b)に示された酸化皮膜14のうち、細孔の規則性が低い上面近傍の領域を除去し、これを工程(d)に供しても構わない。
(工程(c))
細孔発生点16が形成されたアルミニウム原型10を電解液中、定電圧下で再度陽極酸化し、再び酸化皮膜14を形成する。
工程(c)では、工程(a)と同様の条件(電解液濃度、電解液温度、化成電圧等)で陽極酸化すればよい。
これにより、図2に示すように、円柱状の細孔12が形成された酸化皮膜14を形成できる。工程(c)においても、陽極酸化を長時間施すほど、深い細孔を得ることができるが、例えば反射防止物品等の光学用の物品を製造するためのスタンパを製造する場合には、ここでは0.01〜0.5μm程度の酸化皮膜を形成すればよく、工程(a)で形成するほどの厚さの酸化皮膜を形成する必要はない。
(工程(d))
工程(c)の後、工程(c)で形成された細孔12の径を拡大させる孔径拡大処理を行って、図2に示すように、細孔12の径を拡径する。
孔径拡大処理の具体的方法としては、アルミナを溶解する溶液に浸漬して、工程(c)で形成された細孔の径をエッチングにより拡大させる方法が挙げられる。このような溶液としては、例えば、5質量%程度のリン酸水溶液等が挙げられる。工程(d)の時間を長くするほど、細孔の径は大きくなる。
(工程(e))
図2に示すように、再度、陽極酸化すると、円柱状の細孔12の底部から下に延びる、直径の小さい円柱状の細孔12がさらに形成される。
陽極酸化は、工程(a)と同様な条件で行ってもよく、条件を種々に変更しても構わない。陽極酸化の時間を長くするほど深い細孔を得ることができる。
(工程(f))
工程(d)と工程(e)とを繰り返すことにより、図2に示すように、細孔12の形状を開口部から深さ方向に徐々に径が縮小するテーパ形状にでき、その結果、周期的な複数の細孔12を有する酸化皮膜14が表面に形成されたスタンパ18を得ることができる。
工程(d)および工程(e)の条件、例えば、陽極酸化の時間および孔径拡大処理の時間を適宜設定することにより、様々な形状の細孔を形成することができる。よって、スタンパから製造しようとする物品の用途等に応じて、これら条件を適宜設定すればよい。例えば、工程(d)と工程(e)とを短い間隔で多数回繰り返すと、略円錐状の細孔を得ることができる。また、工程(d)および工程(e)の時間を調整することで逆釣鐘状や先鋭形状の細孔を形成することができ、適宜形状を変化させたスタンパを製造することができる。また、このスタンパが反射防止膜等の反射防止物品を製造するものである場合には、このように条件を適宜設定することにより、細孔の平均間隔や深さを任意に変更できるため、最適な屈折率変化を設計することも可能となる。
<スタンパ>
こうして製造されたスタンパは、多数の周期的な細孔が形成された結果、表面に微細凹凸構造を有するものとなる。そして、この微細凹凸構造における細孔間の平均間隔が可視光の波長以下、すなわち400nm以下であると、いわゆるモスアイ構造となる。
細孔間の平均間隔が400nmより大きいと可視光の散乱が起こるため、十分な反射防止機能は発現せず、反射防止膜等の反射防止物品の製造には適さない。
細孔間の平均間隔は、電子顕微鏡観察によって隣接する細孔間の間隔(細孔の中心からこれに隣接する細孔の中心までの距離)を50点測定し、これらの値を平均したものである。
スタンパが反射防止膜等の反射防止物品を製造するためのものである場合には、細孔間の平均間隔が可視光の波長以下であるとともに、細孔の深さは、50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましい。細孔の深さが50nm以上であれば、スタンパの表面の転写により形成された光学用途の物品の表面、すなわち転写面の反射率が低下する。
細孔の深さは、電子顕微鏡で観察したときにおける、細孔の開口部から最深部までの距離を測定したものである。
スタンパの細孔のアスペクト比(深さ/平均間隔)は、0.5〜5.0が好ましく、0.8〜4.5がより好ましく、1.2〜4.0が特に好ましい。アスペクト比が0.5以上であれば、反射率が低い転写面を形成でき、その入射角依存性や波長依存性も十分に小さくなる。アスペクト比が5.0より大きいと転写面の機械的強度が低下する傾向がある。
スタンパの微細凹凸構造が形成された表面は、離型が容易になるように、離型処理が施されていてもよい。離型処理の方法としては、例えば、リン酸エステル系ポリマーシリコーン系ポリマーやフッ素ポリマーをコーティングする方法、フッ素化合物を蒸着する方法、フッ素系またはフッ素シリコーン系のシランカップリング剤をコーティングする方法等が挙げられる。
《作用効果》
以上説明した本発明のスタンパの製造方法によれば、上述した本発明のアルミニウム原型を陽極酸化処理して得られるので、アルミニウムの結晶粒模様に起因する「にじにじ模様」などの欠陥が抑制されたスタンパを製造できる。
また、本発明のスタンパは表面の結晶粒模様に起因するにじにじ模様などの欠陥が少ないので、欠陥の少ない転写物を製造できる。
〔転写物の製造方法〕
本発明の物品の製造方法は、上述した本発明のスタンパを用い、スタンパ表面に形成された微細凹凸構造を物品本体の表面に転写する方法である。
具体的には、本発明のスタンパと物品本体との間に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を充填し、これに活性エネルギー線を照射して硬化させて、スタンパの微細凹凸構造が転写された硬化樹脂層を物品本体の表面に形成し、硬化樹脂層が表面に形成された物品本体をスタンパから剥離する方法(いわゆる光インプリント法)により、微細凹凸構造を表面に有する物品(転写物)を得る。
《物品本体》
物品本体の材料としては、物品本体を介して活性エネルギー線の照射を行うため、透明性の高い材料が好ましく、例えばポリカーボネート、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン、ガラス等が挙げられる。
また、物品本体の形状としては、フィルム、シート、射出成形品、プレス成形品等が挙げられる。
《製造装置》
微細凹凸構造を表面に有する物品(転写物)は、例えば図3に示す製造装置を用いて、下記のようにして製造される。
表面に微細凹凸構造(図示略)を有するロール状スタンパ20と、ロール状スタンパ20の表面に沿って移動する帯状のフィルム(物品本体)42との間に、タンク22から活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38を供給する。
ロール状スタンパ20と、空気圧シリンダ24によってニップ圧が調整されたニップロール26との間で、フィルム42および活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38をニップし、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38を、フィルム42とロール状スタンパ20との間に均一に行き渡らせると同時に、ロール状スタンパ20の微細凹凸構造の細孔内に充填する。
ロール状スタンパ20の下方に設置された活性エネルギー線照射装置28から、フィルム42を通して活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38に活性エネルギー線を照射し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38を硬化させることによって、ロール状スタンパ20の表面の微細凹凸構造が転写された硬化樹脂層44を形成する。
剥離ロール30により、表面に硬化樹脂層44が形成されたフィルム42をロール状スタンパ20から剥離することによって、表面に微細凹凸構造を有する物品40を得る。
活性エネルギー線照射装置28としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
活性エネルギー線照の光照射エネルギー量は、100〜10000mJ/cmが好ましい。
<物品>
図4は、本発明の製造方法で得られる、微細凹凸構造を表面に有する物品40の一例を示す断面図である。
硬化樹脂層44は、後述の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる膜であり、表面に微細凹凸構造を有する。
本発明のスタンパを用いた場合の物品40の表面の微細凹凸構造は、スタンパの酸化皮膜の表面の微細凹凸構造を転写して形成されたものであり、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる複数の凸部46を有する。
微細凹凸構造としては、略円錐形状、角錐形状等の突起(凸部)が複数並んだ、いわゆるモスアイ構造が好ましい。突起間の間隔が可視光の波長以下であるモスアイ構造は、空気の屈折率から材料の屈折率へと連続的に屈折率が増大していくことで有効な反射防止の手段となることが知られている。
凸部間の平均間隔は、可視光の波長以下、すなわち400nm以下が好ましく、反射高をより低減される観点から、250nm以下がより好ましく、180nm以下が特に好ましい。
また、凸部間の平均間隔は、凸部の形成のしやすさの点から、20nm以上が好ましく、80nm以上がより好ましい。
凸部間の平均間隔は、電子顕微鏡観察によって隣接する凸部間の間隔(凸部の中心から隣接する凸部の中心までの距離)を50点測定し、これらの値を平均したものである。
凸部の高さは、平均間隔が100nmの場合は、80〜500nmが好ましく、120〜400nmがより好ましく、150〜300nmが特に好ましい。凸部の高さが80nm以上であれば、反射率が十分低くなり、かつ反射率の波長依存性が少ない。凸部の高さが500nm以下であれば、凸部の耐擦傷性が良好となる。
凸部の高さは、電子顕微鏡によって倍率30000倍で観察したときにおける、凸部の最頂部と、凸部間に存在する凹部の最底部との間の距離を測定した値である。
凸部のアスペクト比(凸部の高さ/凸部間の平均間隔)は、0.5〜5.0が好ましく、0.8〜4.5がより好ましく、1.2〜4.0が特に好ましい。凸部のアスペクト比が0.5以上であれば、超親水性膜や超撥水性膜として充分に使用できる。凸部のアスペクト比が5.0以下であれば、凸部の耐擦傷性が良好となる。
凸部の形状は、高さ方向と直交する方向の凸部断面積が最表面から深さ方向に連続的に増加する形状、すなわち、凸部の高さ方向の断面形状が、三角形、台形、釣鐘型等の形状が好ましい。
ところで、モスアイ構造を表面に有する場合、その表面が疎水性の材料から形成されていればロータス効果により超撥水性が得られ、その表面が親水性の材料から形成されていれば超親水性が得られることが知られている。
硬化樹脂層44の材料が疎水性の場合の微細凹凸構造の表面の水接触角は、90°以上が好ましく、110°以上がより好ましく、120°以上が特に好ましい。水接触角が90°以上であれば、水汚れが付着しにくくなるため、十分な防汚性が発揮される。また、水が付着しにくいため、着氷防止を期待できる。
硬化樹脂層44の材料が親水性の場合の微細凹凸構造の表面の水接触角は、25°以下が好ましく、23°以下がより好ましく、21°以下が特に好ましい。水接触角が25°以下であれば、表面に付着した汚れが水で洗い流され、また油汚れが付着しにくくなるため、十分な防汚性が発揮される。該水接触角は、硬化樹脂層44の吸水による微細凹凸構造の変形、それに伴う反射率の上昇を抑える点から、3°以上が好ましい。
<活性エネルギー線硬化性樹脂組成物>
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、重合性化合物および重合開始剤を含む。
重合性化合物としては、分子中にラジカル重合性結合および/またはカチオン重合性結合を有するモノマー、オリゴマー、反応性ポリマー等が挙げられる。
ラジカル重合性結合を有するモノマーとしては、単官能モノマー、多官能モノマーが挙げられる。
単官能モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート誘導体;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、1,2−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、1,4−ビス(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ブタン、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミド等の二官能性モノマー;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシド変性トリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート等の三官能モノマー;コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸の縮合反応混合物、ジペンタエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等の四官能以上のモノマー;二官能以上のウレタンアクリレート、二官能以上のポリエステルアクリレート等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
カチオン重合性結合を有するモノマーとしては、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリル基、ビニルオキシ基等を有するモノマーが挙げられ、エポキシ基を有するモノマーが特に好ましい。
オリゴマーまたは反応性ポリマーとしては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等の不飽和ポリエステル類;ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カチオン重合型エポキシ化合物、側鎖にラジカル重合性結合を有する上述のモノマーの単独または共重合ポリマー等が挙げられる。
光硬化反応を利用する場合、光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電子線硬化反応を利用する場合、重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド;メチルベンゾイルホルメート、1,7−ビスアクリジニルヘプタン、9−フェニルアクリジン等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱硬化反応を利用する場合、熱重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物;前記有機過酸化物にN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン等のアミンを組み合わせたレドックス重合開始剤等が挙げられる。
重合開始剤の量は、重合性化合物100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましい。重合開始剤の量が0.1質量部未満では、重合が進行しにくい。重合開始剤の量が10質量部を超えると、硬化膜が着色したり、機械強度が低下したりすることがある。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、非反応性のポリマー、活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物、帯電防止剤、防汚性を向上させるためのフッ素化合物等の添加剤、微粒子、少量の溶媒を含んでいてもよい。
非反応性のポリマーとしては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリウレタン、セルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
活性エネルギー線ゾルゲル反応性組成物としては、アルコキシシラン化合物、アルキルシリケート化合物等が挙げられる。
アルコキシシラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン等が挙げられる。
アルキルシリケート化合物としては、メチルシリケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、n−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、n−ペンチルシリケート、アセチルシリケート等が挙げられる。
(疎水性材料)
硬化樹脂層の微細凹凸構造の表面の水接触角を90°以上にするためには、疎水性の材料を形成し得る活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として、フッ素含有化合物またはシリコーン系化合物を含む組成物を用いることが好ましい。
フッ素含有化合物:
フッ素含有化合物としては、フッ素含有モノマー、フッ素含有シランカップリング剤、フッ素含有界面活性剤、フッ素含有ポリマー等が挙げられる。
フッ素含有モノマーとしては、フルオロアルキル基置換ビニルモノマー、フルオロアルキル基置換開環重合性モノマー等が挙げられる。
フルオロアルキル基置換ビニルモノマーとしては、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリレート、フルオロアルキル基置換(メタ)アクリルアミド、フルオロアルキル基置換ビニルエーテル、フルオロアルキル基置換スチレン等が挙げられる。
フルオロアルキル基置換開環重合性モノマーとしては、フルオロアルキル基置換エポキシ化合物、フルオロアルキル基置換オキセタン化合物、フルオロアルキル基置換オキサゾリン化合物等が挙げられる。
フッ素含有シランカップリング剤としては、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリアセトキシシラン、ジメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
フッ素含有界面活性剤としては、フルオロアルキル基含有アニオン系界面活性剤、フルオロアルキル基含有カチオン系界面活性剤等が挙げられる。
フッ素含有ポリマーとしては、フルオロアルキル基含有モノマーの重合体、フルオロアルキル基含有モノマーとポリ(オキシアルキレン)基含有モノマーとの共重合体、フルオロアルキル基含有モノマーと架橋反応性基含有モノマーとの共重合体等が挙げられる。フッ素含有ポリマーは、共重合可能な他のモノマーとの共重合体であってもよい。
シリコーン系化合物:
シリコーン系化合物としては、(メタ)アクリル酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコーン系シランカップリング剤等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸変性シリコーンとしては、シリコーン(ジ)(メタ)アクリレート等が挙げられ、例えば、信越化学工業社製のシリコーンジアクリレート「x−22−164」「x−22−1602」等が好ましく用いられる。
(親水性材料)
硬化樹脂層の微細凹凸構造の表面の水接触角を25°以下にするためには、親水性の材料を形成し得る活性エネルギー線硬化性樹脂組成物として、少なくとも親水性モノマーを含む組成物を用いることが好ましい。また、耐擦傷性や耐水性付与の観点からは、架橋可能な多官能モノマーを含むものがより好ましい。なお、親水性モノマーと架橋可能な多官能モノマーは、同一(すなわち、親水性多官能モノマー)であってもよい。さらに、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、その他のモノマーを含んでいてもよい。
親水性の材料を形成し得る活性エネルギー線硬化性樹脂組成物としては、4官能以上の多官能(メタ)アクリレート、2官能以上の親水性(メタ)アクリレート、必要に応じて単官能モノマーを含む組成物を用いることがより好ましい。
4官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、コハク酸/トリメチロールエタン/アクリル酸のモル比1:2:4の縮合反応混合物、ウレタンアクリレート類(ダイセル・サイテック社製:EBECRYL220、EBECRYL1290、EBECRYL1290K、EBECRYL5129、EBECRYL8210、EBECRYL8301、KRM8200)、ポリエーテルアクリレート類(ダイセル・サイテック社製:EBECRYL81)、変性エポキシアクリレート類(ダイセル・サイテック社製:EBECRYL3416)、ポリエステルアクリレート類(ダイセル・サイテック社製:EBECRYL450、EBECRYL657、EBECRYL800、EBECRYL810、EBECRYL811、EBECRYL812、EBECRYL1830、EBECRYL845、EBECRYL846、EBECRYL1870)等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
4官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、5官能以上の多官能(メタ)アクリレートがより好ましい。
4官能以上の多官能(メタ)アクリレートの割合は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を構成する全モノマーの合計に対し、10〜90質量%が好ましく、20〜90質量%がより好ましく、30〜90質量%が特に好ましい。4官能以上の多官能(メタ)アクリレートの割合が10質量%以上であれば、弾性率が高くなって耐擦傷性が向上する。4官能以上の多官能(メタ)アクリレートの割合が90質量%以下であれば、表面に小さな亀裂が入りにくく、外観不良となりにくい。
2官能以上の親水性(メタ)アクリレートとしては、アロニックスM−240、アロニックスM260(東亞合成社製)、NKエステルAT−20E、NKエステルATM−35E(新中村化学社製)等の長鎖ポリエチレングリコールを有する多官能アクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエチレングリコールジメタクリレートにおいて、一分子内に存在するポリエチレングリコール鎖の平均繰り返し単位の合計は、6〜40が好ましく、9〜30がより好ましく、12〜20が特に好ましい。ポリエチレングリコール鎖の平均繰り返し単位が6以上であれば、親水性が十分となり、防汚性が向上する。ポリエチレングリコール鎖の平均繰り返し単位が40以下であれば、4官能以上の多官能(メタ)アクリレートとの相溶性が良好となり、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が分離しにくい。
2官能以上の親水性(メタ)アクリレートの割合は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を構成する全モノマーの合計に対し、3〜90質量%が好ましく、3〜70質量%がより好ましい。2官能以上の親水性(メタ)アクリレートの割合が3質量%以上であれば、親水性が十分となり、防汚性が向上する。2官能以上の親水性(メタ)アクリレートの割合が90質量%以下であれば、弾性率が高くなって耐擦傷性が向上する。
親水性単官能モノマーとしては、M−20G、M−90G、M−230G(新中村化学社製)等のエステル基にポリエチレングリコール鎖を有する単官能(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等のエステル基に水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート、単官能アクリルアミド類、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート等のカチオン性モノマー類等が挙げられる。
また、単官能モノマーとして、アクリロイルモルホリン、ビニルピロリドン等の粘度調整剤、物品本体への密着性を向上させるアクリロイルイソシアネート類等の密着性向上剤等を用いてもよい。
単官能モノマーの割合は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を構成する全モノマーの合計に対し、0〜20質量%が好ましく、5〜15質量%がより好ましい。単官能モノマーを用いることにより、基材と硬化樹脂との密着性が向上する。単官能モノマーの割合が20質量%以下であれば、4官能以上の多官能(メタ)アクリレートまたは2官能以上の親水性(メタ)アクリレートが不足することなく、防汚性または耐擦傷性が十分に発現する。
単官能モノマーは、1種または2種以上を(共)重合した低重合度の重合体として活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に0〜35質量部配合してもよい。低重合度の重合体としては、M−230G(新中村化学社製)等のエステル基にポリエチレングリコール鎖を有する単官能(メタ)アクリレート類と、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムメチルサルフェートとの40/60共重合オリゴマー(MRCユニテック社製、MGポリマー)等が挙げられる。
<作用効果>
以上説明した本発明の物品の製造方法によれば、上述した本発明のアルミニウム原型を陽極酸化処理して得られるスタンパを用いる。該スタンパは、表面の結晶粒模様に起因する欠陥が抑制されているので、本発明によれば、にじにじ模様などの欠陥の少ない物品が得られる。
本発明により得られる物品は、表面の微細凹凸構造によって、反射防止性能、撥水性能等の種々の性能を発揮する。物品の用途としては、反射防止物品、防曇性物品、防汚性物品、撥水性物品、より具体的には、ディスプレー用反射防止、自動車メーターカバー、自動車ミラー、自動車窓、有機または無機エレクトロルミネッセンスの光取り出し効率向上部材、太陽電池部材等が挙げられる。
[結晶方位と転写物の色味の相関調査]
アルミニウム原型表面の結晶方位と,転写物の色味にどのような相関があるのかの調査を行った。
供試材は比較例1に示すアルミニウム原型であり,目印のため表面にマイクロビッカース硬度計を用いて圧痕をつけた。その後アルマイト処理を行い,転写物を製造した。そして,アルミニウム原型の結晶方位と転写物の色味の同位置観察を行った。
(アルミニウム原型の結晶方位の測定)
表面の陽極酸化皮膜をクロム/リン酸混合液で除去後,日本電子社製走査型電子顕微鏡(SEM)とTSL社製EBSD(lectron ack−catter iffraction)の複合システムを用いて測定を行った。測定条件は,視野面積800μm×800μm,結晶方位測定点間の距離(ステップサイズ)3μmである。
測定後に,TSL社製OIMシステムを用いて結晶方位解析を実施した。結果の表示はIPF(Inverse Pole Figure)マップを用いた。
(転写物のにじにじ模様の観察)
転写物の製造時にあらかじめ裏面に具備しておいた粘着シートで黒アクリル板に貼付し,ニコン社製倒立光学顕微鏡で観察した。
アルミニウム原型の結晶方位観察結果を図5,転写物のにじにじ模様の観察結果を図6に示す。なお図5と図6は同位置を観察したものであり,印をつけた結晶粒などから転写物上で同じ形状に転写されていることがわかる。
なお、図5の四角囲みの点線部分に圧痕をつけたため、図6の対応する箇所については、微細凹凸は形成されているが、顕微鏡で観察しているので正反射した光しか観察できず、圧痕で斜めに反射された光は検出されず,黒く見えてしまっている。図5と図6の対比から,印をつけた箇所によって結晶方位とにじにじ模様の相関がわかる。
また、図7に示すように、転写物の色味から青,紫,赤と分類し,それぞれに対応する結晶粒の結晶面を調査し逆極点図上にプロットしたところ,{001}面から0〜30度は青(クロスハッチ部),30〜40度は紫(細かいシングルハッチ部),40度以上は赤(粗いシングルハッチ部)に見えることが明らかになった。
アルミニウム原型の結晶粒と結晶粒の集団サイズの関係を示したものが図8(a)である。結晶粒は便宜的に正方形で示しているが、実際には図5で示すような形状である。結晶粒が隣接し結晶方位が似通った方位集団を結晶粒の集団とし、{001}面から0〜30度,30〜40度,40度以上と3つに分けた。転写物は図8(b)で示すように、{001}面から0〜30度(クロスハッチ部)は実際には青く,30〜40度(細かいシングルハッチ部)は実際には紫に,40度以上(粗いシングルハッチ部)は実際には赤く、それぞれ見える。
実施例及び比較例の結晶方位の似た集団(以後,方位集団と称す)のサイズの算出であるが,まずは試料表面を機械研磨で鏡面に仕上げた後,電解研磨を施した。測定には日本電子製走査電子顕微鏡とEBSDを組み合わせた装置を用いた。測定された結果から,各測定点における{001}面からの角度を算出し,{001}面から0〜30度,30〜40度,40度以上の3つの方位領域別に塗り分けた画像を作成した。それをニレコ社製の画像解析装置(LuzexAP)を用いて集団のサイズを測定した。ただし3つの中で最も面積率の高い領域は結晶粒がつながってしまい,島状にならないため算出から除外した。例えば最も面積率の高い領域の面積が80%,その他の領域の面積がそれぞれ10%という配分だったとすると80%のものはほとんどつながっていてサイズと言う概念が無くなってしまうためである。
なお方位集団と結晶粒模様とは同義である。
アルミニウムの結晶構造は面心立方格子であるため,結晶方向と結晶面の指数は一致する。結晶方向(または結晶面)だけであれば,逆極点図の単位ステレオ三角形で表現することができる。この時,(001)面から最も離れた(111)面までの角度は約55度である。従って,{001}面から0〜55度で全ての結晶面が表現できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
〔アルミニウム原型用素材の製造〕
純度99.995質量%のアルミニウムに1.04質量%のMgを添加(以降「Al−1%Mg」と記す)し溶解した。この溶湯を508mm厚×1110mm巾のDC鋳造鋳型にて、鋳造温度680℃、鋳造速度52mm/min、冷却水量230L/min/鋳型長さ1m当りの鋳造条件にて長さ3850mmの鋳塊を鋳造してアルミニウム原型用素材とした(鋳造工程)。
この鋳造の際、鋳型へ流れ込む溶湯へ微細化剤(Al−Ti−B)をTi濃度上昇量が8ppm、B濃度上昇量が2ppmになるように連続的に添加し、Si含有量が20ppm、Fe含有量が9ppm、Ti含有量が9ppm、B含有量が4ppm、Mg以外の他の元素含有量の合計が57ppmの鋳塊とした。このときの結晶粒の集団サイズはそれぞれ0〜30度が526μm、30〜40度が524μm、40度以上が271μm、平均結晶粒径は348μmであった。
なお平均結晶粒径は,試料表面を鏡面研磨後,陽極酸化を行い偏光顕微鏡で観察した画像から交線法を用いて算出した。
〔アルミニウム原型の製造〕
次いで、得られたアルミニウム原型用素材としての鋳塊から331mm×331mm×500mmの大きさのアルミニウム合金を切出し、これを鍛造素材とした。この鍛造素材を369℃まで加熱(予熱)し、0.75U−(1.5S−2/3U)×3サイクルの1回目の熱間鍛造を行い、325℃にて終えた。ついで360℃に再加熱(再予熱)を行った後、(1.5S−2/3U)×3サイクルの2回目の熱間鍛造を行い、319℃にて終えた(熱間鍛造工程)。
熱間鍛造後の鍛造素材を30℃まで冷却した後、(1.5S−2/3U)×2サイクルの冷間鍛造を行い(冷間鍛造工程),熱処理を280℃で実施した(熱処理工程)。その後,再び(1.5S−2/3U)×2サイクルの冷間鍛造を行い,熱処理を250℃で実施した。つまり,冷間鍛造と熱処理の組み合わせを2回繰り返した。これによりアルミニウム原型を得た。
得られたアルミニウム原型から15×15×10mmの試料を切り出し,結晶方位の観察を実施した。
面積率が最も高かったのは0〜30度の領域であったため,30〜40度,40度以上について方位集団のサイズを算出し,それぞれ23μm,32μmであった。なお、平均結晶粒径は24μmであった。
上記,最終熱処理まで行った素材に切削加工を施しアルミニウム原型を作製した(切削加工工程)。
得られたアルミニウム原型を長さ:280mm、外径:200mm、内径:155mmの円筒形状に外形加工し、表面を鏡面切削加工した。
ついで、アルミニウム原型を、0.3mol/Lシュウ酸水溶液からなる電解液中で、浴温:15.7℃、直流:40V、の条件下で30分間陽極酸化を行い、酸化皮膜を形成した(工程(a))。
形成された酸化皮膜を、6質量%のリン酸と1.8質量%のクロム酸混合水溶液中で一旦溶解除去した(工程(b))後、再び工程(a)と同一条件下において、45秒間陽極酸化を行い、酸化皮膜を形成した(工程(c))。
その後、5質量%リン酸水溶液(31.7℃)中に8分間浸漬して、酸化皮膜の細孔を拡径する細孔径拡大処理(工程(d))を施した。
さらに工程(c)と工程(d)を繰り返し、工程(c)を合計で5回、工程(d)を合計で5回行った(工程(e))。アルミニウム原型の外周面に略円錐形状のテーパ状の細孔を有する陽極酸化アルミナが形成されたロール状スタンパを得た。
ついで、離型剤(ダイキン工業社製、オプツールDSX(商品名))の0.1質量%溶液にロール状スタンパを10分間ディッピングし、24時間風乾して離型処理を行った。
図3に示す製造装置と得られたロール状スタンパとを用いて、複数の凸部を表面に有する物品を製造した。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物38としては、後出の表1に示した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた。
フィルム42としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、商品名:A4300、厚さ:75μm)を用いた。
フィルム42側から、積算光量1100mJ/cmの紫外線を、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に照射し、活性エネルギー線化性樹脂組成物の硬化を行った。ついで、フィルム42と硬化樹脂層44とをロール状スタンパ20から剥離し、ロール状スタンパ20の表面構造が転写された転写物である物品40を得た。
得られた物品について、粘着シートで黒アクリル板に貼付し,ニコン社製光学顕微鏡(ECLPSE ME600)を用いてにじにじ模様の有無を確認したが、にじにじ模様は確認されなかった。その結果を後出の表3に示す。
[実施例2]
実施例1の切削加工工程前の素材に対して,さらに(1.5S−2/3U)×2サイクルの冷間鍛造を行い,熱処理を260℃で実施した。つまり冷間鍛造と熱処理の組み合わせを3回繰り返した。
実施例1と同様にして結晶方位の測定を実施し,面積率が最も高かったのは0〜30度の領域であったため,30〜40度,40度以上について方位集団のサイズを算出し,それぞれ19μm,26μmであった。平均結晶粒径は23μmであった。
また、切削加工工程を経て得られたアルミニウム原型を用い、実施例1と同様にしてスタンパを作製し、転写物を製造して、にじにじ模様の有無を確認したが,にじにじ模様は確認されなかった。
[実施例3]
実施例2の切削加工工程前の素材に対して,さらに(1.5S−2/3U)×2サイクルの冷間鍛造を行い,熱処理を260℃で実施した。つまり冷間鍛造と熱処理の組み合わせを4回繰り返した。
実施例1と同様にして結晶方位の測定を実施し,面積率が最も高かったのは0〜30度の領域であったため,30〜40度,40度以上について方位集団のサイズを算出し,それぞれ28μm,27μmであった。平均結晶粒径は23μmであった。
また、切削加工工程を経て得られたアルミニウム原型を用い、実施例1と同様にしてスタンパを作製し、転写物を製造して、にじにじ模様の有無を確認したが,にじにじ模様は確認されなかった。
[実施例4]
実施例1の鋳造後の素材から,85×90×140mmの試料を切り出し,X,Y,Z軸の3方向で冷間鍛造を実施した。(2S−1/2U)をX,Y,Z軸方向でそれぞれ1回ずつ,つまり(2S−1/2U)×3回を1サイクルとし,各サイクル終了後に熱処理を加えた。また3回目の鍛造後は板形状とするため,70%の圧下を加えた。熱処理温度は1回目から順に350℃,300℃,300℃である。
実施例1と同様にして結晶方位の測定を実施し,面積率が最も高かったのは30〜40度の領域であったため,0〜30度,40度以上について方位集団のサイズを算出し,それぞれ23μm,17μmであった。平均結晶粒径は17μmであった。
また、切削加工工程を経て得られたアルミニウム原型を用い、実施例1と同様にしてスタンパを作製し、転写物を製造して、にじにじ模様の有無を確認したが,にじにじ模様は確認されなかった。
[実施例5]
純度99.995質量%のアルミニウムに1.74質量%のMgを添加し溶解した。この溶湯をDC鋳造にて約5tのスラブへ鋳造した(鋳造工程)。
この鋳造の際、鋳型へ流れ込む溶湯へ微細化剤(Al−Ti−B)をTi濃度上昇量が15ppm、B濃度上昇量が3ppmになるように連続的に添加し、Si含有量が10ppm、Fe含有量が4ppm、Ti含有量が10ppm、B含有量が4ppm、Mg以外の他の元素含有量の合計が47ppmの鋳塊とした。このときの結晶粒の集団サイズはそれぞれ0〜30度が464μm、30〜40度が462μm、40度以上が239μm、平均結晶粒径は307μmであった。
実施例1と同等の熱間鍛造工程を行った後,(1.5S−2/3U)×2サイクルの冷間鍛造と熱処理の組み合わせを3回行った。熱処理温度は,280℃,330℃,260℃である。
実施例1と同様にして結晶方位の測定を実施し,面積率が最も高かったのは0〜30度の領域であったため,30〜40度,40度以上について方位集団のサイズを算出し,それぞれ20μm,21μmであった。平均結晶粒径は20μmであった。
また、切削加工工程を経て得られたアルミニウム原型を用い、実施例1と同様にしてスタンパを作製し、転写物を製造して、にじにじ模様の有無を確認したが,にじにじ模様は確認されなかった。
[比較例1]
実施例1と同等の鋳造工程,熱間鍛造工程後,(1.5S−2/3U)×2サイクルの冷間鍛造と280℃の熱処理を実施した。つまり冷間鍛造と熱処理の組み合わせは1回である。
実施例1と同様にして結晶方位の測定を実施し,面積率が最も高かったのは0〜30度の領域であったため,30〜40度,40度以上について方位集団のサイズを算出し,それぞれ89μm,90μmであった。平均結晶粒径は37μmであった。
また、切削加工工程を経て得られたアルミニウム原型を用い、実施例1と同様にしてスタンパを作製し、転写物を製造して、にじにじ模様の有無を確認したところ,にじにじ模様が確認された。
[比較例2]
純度99.97%のアルミニウム(以降「3N7」と記す)を溶解した。この溶湯をDC鋳造にて約5tのスラブへ鋳造した。このときの平均結晶粒径はセンチメートルオーダーであり非常に粗大であった。
この鋳造の際、微細化剤は添加せず、アルミニウムの純度が99.95%、Si含有量が78ppm、Fe含有量が83ppm、Mg含有量が0ppm、Ti含有量が1ppm、B含有量が6ppm、不純物量の合計が282ppmの鋳塊とした。このときの結晶粒の集団サイズは測定していないが、それぞれ数cmであると思われる。また平均結晶粒径は数cmであった。
この鋳塊より500mm×500mm×500mmを切出し後の鍛造素材とし,414℃まで加熱し(2S−1/2U)×2サイクルの1回目の熱間鍛造を行い354℃にて終えた。ついで393℃に再加熱を行った後に(2S−1/2U)×2サイクルの2回目の熱間鍛造を行い323℃にて終えた。
この素材を32℃まで冷却後、(2S−1/2U)×2サイクルの冷間鍛造を行い,熱処理を340℃で実施した。
実施例1と同様にして結晶方位の測定を実施し,面積率が最も高かったのは0〜30度の領域であったため,30〜40度,40度以上について方位集団のサイズを算出し,それぞれ51μm,66μmであった。平均結晶粒径は57μmであった。
また、切削加工工程を経て得られたアルミニウム原型を用い、実施例1と同様にしてスタンパを作製し、物品を製造して、にじにじ模様の有無を確認したところ,にじにじ模様が確認された。
以上の実施例1〜5及び比較例1〜2について、材質と冷間鍛造+熱処理の回数を表2,面積率と方位集団サイズ及びにじにじ模様の評価結果を表3に示す。
本発明による実施例においては、にじにじ模様が解消されたことが分かる。
本発明によれば,結晶粒模様の目立ちにくいアルミニウム原型を製造でき,それを使用することでにじにじ模様が少なく,見た目に美しい転写物を製造することができる。

Claims (7)

  1. 配列周期が可視光線の波長以下である微細凹凸構造の転写に用いられるスタンパ用アルミニウム原型であって、表面に存在するアルミニウムの結晶粒のうち,{001}面との方位差が0〜30度,30〜40度,40度以上で定義される3つの領域から,最も面積率の高い領域を除く他の2つの領域の,結晶粒の集団のサイズが50μm以下であることを特徴とするスタンパ用アルミニウム原型。
  2. 前記アルミニウム原型はMgを0.1〜3.0wt%含有し、不可避的不純物としてFeの含有量が200ppm及びSiの含有量が100ppm以下であり、不可避的不純物の合計(ただし、Fe,Siも含む)が500ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載のスタンパ用アルミニウム原型。
  3. 請求項1または2に記載のアルミニウム原型の製造方法であって、アルミニウム原型用素材に塑性加工及び熱処理を少なくとも2回以上繰り返して施すことを特徴とするアルミニウム原型の製造方法。
  4. 前記塑性加工は冷間鍛造であることを特徴とする請求項3記載のアルミニウム原型の製造方法。
  5. 請求項1または2に記載のスタンパ用アルミニウム原型の表面に、陽極酸化処理により形成された微細凹凸構造を備えたことを特徴とするスタンパ。
  6. 請求項1または2に記載のスタンパ用アルミニウム原型の表面に、陽極酸化処理により微細凹凸構造を形成することを特徴とするスタンパの製造方法。
  7. 請求項5に記載のスタンパを用いて上記微細凹凸構造を成形材料の表面に転写することを特徴とする転写物の製造方法。
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