JP6307294B2 - 回路接続材料、及び電子部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回路部材同士を電気的に接続する回路接続材料、及び電子部品の製造方法に関する。
近年、基板の回路部分の保護のために樹脂系のプリフラックス処理が施されている。しかし、比較的低温で圧着を行う導電性接着剤を用いた接続工法では、端子上に存在するプリフラックス層が導通を阻害するという問題が生じる。
この問題を解決するために、異方導電性接着フィルム中に酸成分等の有機膜分解成分を配合することなどが提案されている(例えば、特許文献1乃至3参照。)。
しかしながら、特許文献1乃至3の方法では、酸成分等が端子等の部材を腐食したり、マイグレーションを引き起こしたりする懸念がある。
特開2009−277769号公報 特開2009−111327号公報 特開2011−77045号公報
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、プリフラックス処理された基板に対して高い接続信頼性を得ることができる回路接続材料、及び電子部品の製造方法を提供する。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、マイクロカプセル型のアルカリ成分を配合することにより、プリフラックス処理された基板に対して高い接続信頼性が得られることを見出した。
すなわち、第1の発明に係る回路接続材料は、有機膜分解酸成分と、マイクロカプセル型のアルカリ成分と、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有し、当該回路接続材料の完全硬化物0.4gに対して20mlの超純水を入れ、100℃、10時間抽出を行ったときの抽出液のpHが、3.5以上であることを特徴とする。
また、第2の発明に係る回路接続材料は、有機膜分解酸成分と、マイクロカプセル型のアルカリ成分と、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有し、当該回路接続材料の完全硬化物0.4gに対して20mlの超純水を入れ、100℃、10時間抽出を行ったときの抽出液のpHが、4.5以上であることを特徴とする。
また、第3の発明に係る回路接続材料は、有機膜分解酸成分と、マイクロカプセル型のアルカリ成分と、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有し、前記有機膜分解酸成分が、酸性基を有する(メタ)アクリレートモノマー・オリゴマーであることを特徴とする。
また、本発明に係る電子部品は、前述の回路接続材料を用いて、第1の回路部材と第2の回路部材とが接続されてなることを特徴とする。
また、本発明に係る電子部品の製造方法は、前述の回路接続材料を用いて、第1の回路部材と第2の回路部材とを接続することを特徴とする。
本発明によれば、マイクロカプセル型のアルカリ成分を配合することにより、有機膜分解酸成分によって酸性領域であったpHを中性領域に移動させることができる。このため、電極の腐食、マイグレーション等を防止し、高い接続信頼性を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら下記順序にて詳細に説明する。
1.回路接続材料
2.電子部品の製造方法
3.実施例
<1.回路接続材料>
本実施の形態における回路接続材料は、有機膜分解酸成分と、マイクロカプセル型のアルカリ成分と、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有する。
有機膜分解酸成分としては、酸性基を有する(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。酸性基としては、例えば、リン酸エステル基、リン酸、カルボキシル基、スルホン基等が挙げられる。これらの酸性基を有する(メタ)アクリレートは、1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることが可能である。これらの中でも、無機基材に対する密着性を向上させることが可能なリン酸エステル型(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
有機膜分解酸成分は、圧着工程において、プリフラックス処理(OSP処理:Organic Solderability Preservation)により形成された電極表面上の有機膜を分解し、有機膜の実質的な厚さを減少させ、強度を低下させる。このため、導電性粒子が、有機膜を突き破って、接続用電極の表面に容易に到達し、確実な電気的接続を図ることができる。
マイクロカプセル型のアルカリ成分は、マイクロカプセル内にアルカリ成分を内包したものであり、所定温度にて速やかに反応する潜在性を有する。マイクロカプセル化は、特に限定されるものではなく、コアセルベーション法、界面重合法、液中乾燥法、融解分散冷却法などを用いることができる。アルカリ成分としては、特に限定されるものではないが、回路接続材料として使用されるイミダゾールシランカップリング剤を用いることが好ましい。
マイクロカプセル型のアルカリ成分は、有機膜分解酸成分によって酸性領域であったpHを中性領域に移動させる。このため、圧着後の電極の腐食、マイグレーション等を防止し、高い接続信頼性を得ることができる。
ラジカル重合性化合物としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、ウレタンアクリレート、リン酸エステル型アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、o−フタル酸ジグリシジルエーテルアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、エポキシアクリレート、及びこれらに相当する(メタ)アクリレートを挙げることができる。これらの中でも、硬化物の凝集力の向上、導通信頼性の向上、接着性の向上などのため、ポリエチレングリコールジアクリレート、ウレタンアクリレートなどを併用することが好ましい。
ラジカル重合開始剤は、熱重合型又は光重合型のいずれも用いることができる。光重合型を使用する場合、マイクロカプセル型のアルカリ成分を機能させるために加熱してもよい。
熱重合型のラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物、アゾ系化合物等が挙げられる。有機過酸化物としては、ジラウロイルパーオキサイド(1分間半減期温度116.4℃)、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド(1分間半減期温度128.2℃)、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド(1分間半減期温度131.1℃)、ジベンゾイルパーオキサイド(1分間半減期温度 130.0℃)、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート(1分間半減期温度160.3℃)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(1分間半減期温度166.8℃)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(1分間半減期温度124.3℃)、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド(1分間半減期温度112.6℃)、t−ブチル パーオキシピバレート(1分間半減期温度110.3℃)等が挙げられる。アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル(1分半減期温度116.0℃)、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(1分半減期温度119.0℃)、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカーボニトリル(1分半減期温度141.0℃)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(1分半減期温度119.0℃)、1,1’−アゾビス−(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)(1分半減期温度111.0℃)等が挙げられる。
光重合型のラジカル重合開始剤としては、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のチオキサントン類;ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール等のアセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類等が挙げられる。
これらのラジカル重合開始剤は1種を単独で、又は2種以上を併用して用いることが可能である。
また、回路接続材料に配合する他の添加物として、必要に応じて、膜形成樹脂、アクリルゴム、各種アクリルモノマー等の希釈用モノマー、充填剤、軟化剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤等を含有することができる。また、導電性粒子を添加することで導電性接着剤とすることができる。
膜形成樹脂としては、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド、EVA等の熱可塑性エラストマー等を使用することができる。これらの中でも、耐熱性、接着性のために、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンより合成されるビスフェノールA型フェノキシ樹脂を用いることが好ましい。
導電性粒子としては、異方性導電接着剤において使用されている公知の導電性粒子を用いることができる。例えば、ニッケル、鉄、銅、アルミニウム、錫、鉛、クロム、コバルト、銀、金等の各種金属や金属合金の粒子を挙げることができる。また、金属酸化物、カーボン、グラファイト、ガラス、セラミック、プラスチック等の粒子の表面に金属をコートしたもの、これらの粒子の表面に更に絶縁薄膜をコートしたもの等が挙げられる。
樹脂粒子の表面にNi、Au等の金属をコートしたものである場合、樹脂粒子としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル・スチレン(AS)樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、スチレン系樹脂等の粒子を用いることができる。
また、導電性粒子は、表面に突起を有することが好ましい。表面に突起を有することにより、OSP処理により形成された電極表面上の有機膜を容易に突き破ることができ、良好な接続抵抗を得ることができる。
このような構成からなる回路接続材料によれば、圧着時において有機膜分解酸成分により電極表面上の有機膜を分解し、密着性を向上させることができる。また、硬化後は、アルカリ成分により中性領域にシフトするため、耐食性を向上させることができる。
また、回路接続材料は、完全硬化物0.4gに対して20mlの超純水を入れ、100℃、10時間抽出を行ったときの抽出液のpHが、3.5以上であることが好ましく、4.5以上であることがより好ましい。完全硬化物のpHが3.5以上であることにより、電極の腐食、マイグレーション等を防止し、高い接続信頼性を得ることができる。
次に、前述した回路接続材料の製造方法について、説明する。具体例として示す回路接続材料の製造方法は、剥離基材上に、有機膜分解酸成分と、マイクロカプセル型のアルカリ成分と、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有する組成物を塗布する塗布工程と、剥離基材上の組成物を乾燥させる乾燥工程とを有する。
塗布工程では、前述した有機膜分解酸成分と、マイクロカプセル型のアルカリ成分と、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを配合し、有機溶剤を用いて調整した後、この組成物を剥離基材上にバーコーター、塗布装置等を用いて塗布する。
有機溶剤としては、トルエン、酢酸エチル、又はこれらの混合溶剤、その他各種有機溶剤を用いることができる。また、剥離基材は、例えば、シリコーンなどの剥離剤をPET(Polyethylene Terephthalate)、OPP(Oriented Polypropylene)、PMP(Poly-4-methylpentene-1)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)などに塗布した積層構造からなり、組成物のフィルム形状を維持する。
次の乾燥工程では、剥離基材上の組成物を熱オーブン、加熱乾燥装置などにより乾燥させる。これにより、前述した接着剤が膜状に形成された接着フィルムを得ることができる。
<2.電子部品の製造方法>
次に、回路接続材料を用いた電子部品の製造方法について説明する。具体例として示す電子部品の製造方法は、有機膜分解酸成分と、マイクロカプセル型のアルカリ成分と、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有する回路接続材料を用いて、プリフラックス処理された第1の回路部材と第2の回路部材とを接続する。
プリフラックス処理は、例えば、ベンゾイミダゾール化合物、アゾール化合物等を含有する酸性水溶液の水溶性プリフラックスを、スプレー法、シャワー法、浸漬法等により作用させることにより行われる。これにより、第1の回路部材又は第2の回路部材の電極上に有機膜を成膜することができる。なお、第1の回路部材及び第2の回路部材の両者がプリフラックス処理されていてもよい。
第1の回路部材としては、液晶パネル、プリント配線板(PWB)等を挙げることができる。また、第2の回路部材としては、チップオンフィルム(COF)基板、フレキシブル印刷回路基板、テープキャリアパッケージ(TCP)基板等を挙げることができる。また、これらの回路部材を用いる場合、回路接続材料に導電性粒子を配合し、異方性導電フィルムとして使用することが好ましい。
また、電子部品は、前述の回路接続材料を用いて、プリフラックス処理された第1の回路部材と第2の回路部材とが接続されている。このため、回路接続材料の完全硬化物のpHが中性領域となり、電極の腐食、マイグレーション等を防止し、高い接続信頼性を得ることができる。
<3.実施例>
以下、本発明の実施例について説明する。本実施例では、マイクロカプセル型のアルカリ成分として、イミダゾールシランカップリング剤がマイクロカプセル化されたものを作製した。また、マイクロカプセル化イミダゾールシランカップリング剤を配合した異方性導電フィルムを用いて、プリフラックス処理(OSP処理:Organic Solderability Preservative)されたプリント基板と、フレキシブルプリント基板とを接続させ、接続構造体を作製した。
そして、接続構造体のTHB(Temperature Humidity Bias)、硬化物のpH、導通抵抗、及び接着強度について評価した。マイクロカプセル化イミダゾールシランカップリング剤の作製、接続構造体の作製、硬化物のpH測定、THBの評価、導通抵抗の評価、及び接着強度の評価は、次のように行った。
[マイクロカプセル化イミダゾールシランカップリング剤の作製]
特開2009−197090を参考にしてマイクロカプセル化したイミダゾールシランカップリング剤を作製した。
熱電対、攪拌装置、及び冷却装置を備えたガラス製の三口フラスコに、液状エポキシ樹脂(商品名:EP828、ジャパンエポキシレジン(株)製)を23質量部、イミダゾールシラン(商品名:IS1000、ジャパンエナジー(株)製)を7質量部、及び、10%エチルセルロース溶液(N100、ハーキュレス(株)製、水酸基の置換度80〜105)を30質量部、及びミネラルスプリット(新日本石油(株)製)を70質量部投入し、1800rpmで攪拌しながら加熱した。溶剤が還流し、混合物の温度が約120℃になった時点で、フラスコをウォーターバスで冷却し、スラリー状のマイクロカプセル化されたシランカップリング剤混合液を得た。得られたスラリー混合物を濾別し、個体をヘキサンで洗浄した後、真空オーブンにて50℃で12時間減圧乾燥し、真球状の平均粒径4.6μmのマイクロカプセル化シランカップリング剤を得た。
[接続構造体の作製]
実施例及び比較例で作製した異方性導電フィルムを用いて、評価用のCOF(200μP、Cu8μmt−Snメッキ、S’perflex基材)と、評価用のPWB(200μP、Cu35μmt−OSP処理、FR−4基材)との接続を行った。なお、PWBは、Top温度が250℃のリフローを3回通したものを使用した。
2.0mm幅にスリットされた接続材料をPWBに貼り付け、その上にCOFを位置合わせした後、圧着条件:170℃−3MPa−5sec、緩衝材:250μmtシリコンラバー、及び加熱ツール:2.0mm幅にて圧着し、接続構造体を作製した。
[硬化物のpH測定]
実施例及び比較例で作製した異方性導電フィルムをオーブンにて200℃−3hrで完全硬化させた。次に、60℃の純水中で洗浄、乾燥したPP(ポリプロピレン)容器を用いて、完全硬化した異方性導電フィルム0.4gに対して20mlの超純水を入れ、100℃、10時間抽出を行った。その後、1時間冷却し、濾紙にて濾過を行い、抽出液のpHをpH測定器にて測定した。
[THBの評価]
上記作製した接続構造体を60℃−95%の環境中に暴露し、50Vの直流電圧を250時間印加した。試験終了後、腐食、マイグレーション等による絶縁性の低下の発生の有無を確認した。絶縁抵抗が、1.0×10Ω以上のものを「○」、1.0×10Ω以上1.0×10Ω未満のものを「△」、及び1.0×10Ω未満のものを「×」と評価した。
[接続抵抗の評価]
作製した接続構造体について、初期、及び高温高湿試験(85℃/85%RH/500hr)後の接続抵抗を測定した。接続構造体に4端子法を用いて電流1mAを流したときの接続抵抗を測定した。接続抵抗が、0.3Ω未満のものを「○」、0.3Ω以上0.6Ω未満のものを「△」、及び0.6Ω以上のものを「×」と評価した。
[接着強度の評価]
作製した接続構造体について、初期、及び高温高湿試験(85℃/85%RH/500hr)後の接続強度を測定した。引張試験機(品番:RTC1201、AND(株)製)を用い、測定速度50mm/secでCOFを引き上げたときの接着強度を測定した。接着強度が、7N/cm以上のものを「○」、5N/cm以上7N/cm未満のものを「△」、及び5N/cm未満のものを「×」と評価した。
<実施例1>
上記作製したマイクロカプセル化シランカップリング剤を5質量部、ビスA型エポキシタイプフェノキシ樹脂(商品名:YP−50、東都化成(株)製)を45質量部、2官能アクリルモノマー(商品名:A−200、新中村化学(株)製)を20質量部、ウレタンアクリレート(商品名:U−2PPA、新中村化学(株)製)を20質量部、リン酸エステル型アクリレート(商品名:PM−2、日本化薬(株)製)を4質量部、シリカフィラー(平均粒径5μm)を5部、ジラウロイルパーオキサイドを5質量部、及び、平均粒径10μmのニッケルめっき樹脂粒子(突起材質純ニッケル、突起高さ150nm、突起密度50%)を3部常法により均一に混合することにより異方性導電接着層組成物を調整した。これらの組成物を剥離ポリエステルフィルムに塗布し、70℃の熱風を5分間吹き掛けて乾燥することにより実施例1の異方性導電フィルムを作製した。
表1に示すように、実施例1の異方性導電フィルムの完全硬化物のpHは3.7であった。また、実施例1の異方性導電フィルムを用いて作製した接続構造体のTHBの評価は△、接続抵抗の評価は初期で○、高温高湿試験後で○、接着強度の評価は初期で○、高温高湿試験後で○であった。
<実施例2>
マイクロカプセル化シランカップリング剤を10質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の異方性導電フィルムを作製した。
表1に示すように、実施例2の異方性導電フィルムの完全硬化物のpHは4.5であった。また、実施例2の異方性導電フィルムを用いて作製した接続構造体のTHBの評価は○、接続抵抗の評価は初期で○、高温高湿試験後で○、接着強度の評価は初期で○、高温高湿試験後で○であった。
<比較例1>
マイクロカプセル化シランカップリング剤を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の異方性導電フィルムを作製した。
表1に示すように、比較例1の異方性導電フィルムの完全硬化物のpHは2.3であった。また、比較例1の異方性導電フィルムを用いて作製した接続構造体のTHBの評価は×、接続抵抗の評価は初期で○、高温高湿試験後で○、接着強度の評価は初期で○、高温高湿試験後で△であった。
<比較例2>
マイクロカプセル化シランカップリング剤を配合しなかったこと、及び、リン酸エステル型アクリレートを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の異方性導電フィルムを作製した。
表1に示すように、比較例2の異方性導電フィルムの完全硬化物のpHは4.7であった。また、比較例2の異方性導電フィルムを用いて作製した接続構造体のTHBの評価は○、接続抵抗の評価は初期で○、高温高湿試験後で×、接着強度の評価は初期で△高温高湿試験後で×であった。
比較例1は、マイクロカプセル化シランカップリング剤を配合しなかったため、環境試験において、リン酸エステル型アクリレートの酸が、電極の腐食、マイグレーション等を生じさせ、絶縁性が低下した。比較例2は、マイクロカプセル化シランカップリング剤及びリン酸エステル型アクリレートを配合しなかったため、OSP処理基板に対して優れた接続抵抗及び接着強度を得ることができなかった。
一方、実施例1及び実施例2は、マイクロカプセル化シランカップリング剤を配合しているため、環境試験において、リン酸エステル型アクリレートの酸によって酸性領域であったpHを3.5以上の中性領域に移動させることができた。このため、電極の腐食、マイグレーション等を防止し、高い接続信頼性を得ることができた。

Claims (13)

  1. 有機膜分解酸成分と、マイクロカプセル型のアルカリ成分と、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有し、
    当該回路接続材料の完全硬化物0.4gに対して20mlの超純水を入れ、100℃、10時間抽出を行ったときの抽出液のpHが、3.5以上である回路接続材料。
  2. 有機膜分解酸成分と、マイクロカプセル型のアルカリ成分と、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有し、
    当該回路接続材料の完全硬化物0.4gに対して20mlの超純水を入れ、100℃、10時間抽出を行ったときの抽出液のpHが、4.5以上である回路接続材料。
  3. 有機膜分解酸成分と、マイクロカプセル型のアルカリ成分と、ラジカル重合性化合物と、ラジカル重合開始剤とを含有し、
    前記有機膜分解酸成分が、酸性基を有する(メタ)アクリレートモノマー・オリゴマーである回路接続材料。
  4. 前記アルカリ成分が、イミダゾールシランカップリング剤である請求項記載の回路接続材料。
  5. 当該回路接続材料の完全硬化物0.4gに対して20mlの超純水を入れ、100℃、10時間抽出を行ったときの抽出液のpHが、3.5以上である請求項3又は4記載の回路接続材料。
  6. 当該回路接続材料の完全硬化物0.4gに対して20mlの超純水を入れ、100℃、10時間抽出を行ったときの抽出液のpHが、4.5以上である請求項3又は4記載の回路接続材料。
  7. 導電性粒子をさらに含有する請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回路接続材料。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回路接続材料を用いて、第1の回路部材と第2の回路部材とが接続されてなる電子部品。
  9. 前記第1の回路部材又は前記第2の回路部材の少なくともいずれか一方が、プリフラックス処理されてなる請求項8記載の電子部品。
  10. 前記回路接続材料が、導電性粒子をさらに含有する請求項8又は9記載の電子部品。
  11. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回路接続材料を用いて、第1の回路部材と第2の回路部材とを接続する電子部品の製造方法
  12. 前記第1の回路部材又は前記第1の回路部材の少なくともいずれか一方が、プリフラックス処理されてなる請求項11記載の電子部品の製造方法。
  13. 前記回路接続材料が、導電性粒子をさらに含有する請求項11又は12記載の電子部品の製造方法。
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