JP6305262B2 - 作業車両 - Google Patents

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Description

本願発明は、農作業用のトラクタ又は土木作業用のホイルローダといった作業車両に関するものである。
トラクタ等の作業車両において、ディーゼルエンジンに対して走行機体前方に向けて延設させた前部機体フレームと、ディーゼルエンジン後方に連結させた後部機体フレームとによって、走行機体の機体フレームを構成するものがある(特許文献1参照)。特許文献1の作業車両は、ディーゼルエンジンから機体後方に向けて演出されたクラッチハウジングをミッションケースに連結して、走行機体の後部機体フレームを構成している。一方、ディーゼルエンジン下側に、走行機体前方に向けて前部機体フレーム延設している。
また、昨今、ディーゼルエンジンに関する高次の排ガス規制が適用されるのに伴い、ディーゼルエンジンが搭載される農作業機、建設機械、船舶等に、排気ガス中の大気汚染物質を浄化処理する排気ガス浄化装置といった後処理装置を搭載することが要望されつつある。そこで、トラクタ等の従来の作業車両の中には、排気ガス浄化装置を搭載する際、ボンネット下のエンジンルームうちにディーゼルエンジンとともに排気ガス浄化装置を配置するものがある(特許文献2参照)。
特開2013−233902号公報 特開2013−116692号公報
ところで、特許文献1のように、後部機体フレームをクラッチハウジング及びミッションケースで構成する場合、ケース内に組み付けられたギヤ機構へアクセスし難く、その組み付け作業やメンテナンス作業が煩雑になるだけでなく、走行機体の軽量化を妨げる。一方、特許文献2のように、排気ガス対策用装置を有するディーゼルエンジンを、トラクタのような作業車両に適用するに当たっては、重量物となる排気ガス浄化装置を搭載する必要があるため、走行機体への支持負荷が大きくなるため、走行機体を構成するフレームに剛性が求められる。
本願発明は、上記のような現状を検討して改善を施した作業車両を提供することを技術的課題としている。
本願発明は、駆動源となるエンジンと、該エンジンの動力に基づいて駆動する走行部と、前記エンジンの動力を前記走行部に伝達させるミッション部とを備え、左右前部フレームと左右後部フレームとを前後に連結して走行機体を構成する作業車両において、前記左右前部フレームそれぞれの前端を連結部材で架設し、前記連結部材は、前部部品と後部部品とで前後に分割可能に構成し、前記後部部品の側面を前記左右前部フレーム内面と締結するとともに、前記後部部品は、その前後両側に固定させる連結用脚部を備えて前車軸ケースの前後支持部材を支持し、前記エンジンを前記左右前部フレーム上に支持させる一方、前記左右後部フレームそれぞれの後端を前記ミッション部の左右側面に連結したものである。
また、本願発明において、前記左右前部フレームの前端を架設する前記後部部品は、下面に前記前車軸ケースの傾動範囲を規制する規制部材を有するようにしてもよい
更に、前記左右後部フレームそれぞれの前端を梁フレームで架設するとともに、前記左右前部フレームそれぞれが前記左右後部フレームとスペーサを介して連結し、前記左右後部フレームをより強固な支持構成とするものとしてもよい。
このように構成する際、後部フレームは、前記梁フレームと連結させる前側貫通穴と、前記ミッション部と連結させる後側貫通穴とを備えており、前記ミッション部が、その左右側面であって前記後側貫通穴と相対する位置に連結穴を有しており、前記後部フレームを前記ミッション部に連結させる際、前記後部フレームの内側面を前記ミッション部の外側面に当接させるとともに、貫通穴を有する連結ピンを前記後側貫通穴を介して前記ミッション部の連結穴に挿入して、前記連結ピンにボルトを挿入させて前記連結穴で螺着させるものとし、前記ミッション部の側面で後部フレームの内側面を受ける構成とすることで、左右に発生するモーメントを抑え、ミッション部で固定される後部フレームのオフセットを防止できる。従って、走行機体における歪みを防止し、走行機体の構造を安定化できるものとしてもよい。
上記作業車両において、前記連結部材は、その上面の中央位置に前後方向に沿った溝形状となる凹部を設けて、前記エンジン前方に直結させたフロントPTO軸を簡単に配置でき、機種の多様化を図れるものとしてもよい。
上記作業車両において、前記連結部材の下面には、前記走行部のうちの前車軸ケースにおける左右傾動範囲を規制する規制部材を着脱可能とし、剛性を備えた前記連結部材を前記前車軸ケースで連結支持させることにより、前記走行機体の強度を向上できるものとしてもよい。このとき、連結部材の下面前後に、前記前車軸ケース上面と連結させる連結用脚部を有しており、前記規制部材の着脱位置を、前記連結部材の左右両側であって、前後の前記連結用脚部の間に位置させて、剛性を備えた前記連結部材で前記前車軸ケースの傾動を規制させることにより、走行時における機体への負担を低減できるものとしても構わない。
本願発明によると、エンジンを支持する前部フレームを金属鋳物となる連結部材で固定することで、エンジン支持構造を強化できる。また、連結部材が強度メンバーとして構成されることで、走行機体の強度を向上できる。よって、走行機体を前部フレームと後部フレームとで構成して、走行機体の軽量化を図れると同時に、上記金属鋳物の連結部材で固定することで、走行機体を高剛性に構成できる。そして、走行機体を前部フレームと後部フレームとで構成することで、フレーム形状の異なる前部フレームと後部フレームを組み合わせるだけで、複数機種に応じた走行機体を容易に組み立てることができる。
また、本願発明によると、連結部材を前後に分割した構成とすることで、複数機種の機体構成に対応でき、部品の共通化を図れる。そして、連結部材の前後部品を交換することで、機種毎の重心に合わせて構成できるため、作業機の重心安定化を図れる。
更に、梁フレームを架設して左右後部フレームを連結することで、より強固な支持構成とすることで、走行機体の支持構造の安定化を図れる。後部フレームの前後を強度メンバーとなる梁フレーム及びミッション部で連結することで、剛性を備えた走行機体を構成できる。後部フレームを高剛性で支持させことができるため、操縦座席や燃料タンクなどの重量物を前記後部フレーム側で集中して支持できる。
トラクタの左側面図である。 トラクタの平面図である。 トラクタの右側面図である。 トラクタの正面図である。 走行機体の左側面説明図である。 走行機体の右側面説明図である。 走行機体を左斜め後方から見た斜視図である。 走行機体を右斜め後方から見た斜視図である。 右斜め前方から見たボンネット内の構造を示す斜視図である。 トラクタの左側面拡大図である。 キャビン側から視たボンネット背面構造を示す斜視図である。 右斜め前方から見たエンジンルームの構造を示す斜視図である。 左斜め後方から見たエンジンルームの構造を示す斜視図である。 右斜め後方から見たエンジンルーム枠の構造を示す斜視図である。 左斜め下方から見たエンジンルーム枠の構造を示す斜視図である。 右斜め前方から見た走行機体の構成を示す分解斜視図である。 走行機体の左側面拡大図である。 走行機体前部の連結構造を示す斜視図である。 前車軸ケースとフレーム連結部材との連結構造を示す一部断面図である。 フレーム連結部材による前車軸ケースの傾斜規制範囲を示す説明図である。 走行機体前部の構成を示す分解斜視図である。 右斜め後方から見た走行機体の構成を示す分解斜視図である。 ミッションケースと走行機体との連結構造を示す一部断面図である。 機体構成の異なる走行機体の側面図である。
以下に、本願発明を具体化した実施形態について、作業車両であるトラクタを例に挙げて図面に基づき説明する。
まず始めに、図1〜図8を参照しながら、トラクタ1の概要について説明する。実施形態におけるトラクタ1の走行機体2は、走行部としての左右一対の前車輪3と同じく左右一対の後車輪4とで支持されている。走行機体2の前部に搭載した動力源としてのコモンレール式のディーゼルエンジン5(以下、単にエンジンという)で後車輪4及び前車輪3を駆動することによって、トラクタ1が前後進走行するように構成されている。エンジン5はボンネット6にて覆われている。走行機体2の上面にはキャビン7が設置され、該キャビン7の内部には、操縦座席8と、かじ取りすることによって前車輪3の操向方向を左右に動かすようにした操縦ハンドル(丸ハンドル)9とが配置されている。キャビン7の外側下部には、オペレータが乗降するステップ10が設けられている。キャビン7の底部より下側には、エンジン5に燃料を供給する燃料タンク11が設けられている。
走行機体2は、前バンパ(フレーム連結部材)12及び前車軸ケース13を有するエンジンフレーム(前部フレーム)14と、エンジンフレーム14の後部に着脱自在に固定した左右の機体フレーム(後部フレーム)15とにより構成されている。前車軸ケース13の左右両端側から外向きに、前車軸16を回転可能に突出させている。前車軸ケース13の左右両端側に前車軸16を介して前車輪3を取り付けている。機体フレーム15の後部には、エンジン5からの回転動力を適宜変速して前後四輪3,3,4,4に伝達するためのミッションケース17を連結している。左右の機体フレーム15及びミッションケース17の下面側には、左右外向きに張り出した底面視矩形枠板状のタンクフレーム18をボルト締結している。実施形態の燃料タンク11は左右2つに分かれている。タンクフレーム18の左右張り出し部の上面側に、左右の燃料タンク11を振り分けて搭載している。ミッションケース17の左右外側面には、左右の後車軸ケース19をから外向きに突出するように装着している。左右の後車軸ケース19には左右の後車軸20を回転可能に内挿している。ミッションケース17に後車軸20を介して後車輪4を取り付けている。左右の後車輪4の上方は左右のリヤフェンダー21によって覆われている。
ミッションケース17の後部上面には、例えばロータリ耕耘機といった作業機を昇降動させる油圧式昇降機構22を着脱可能に取り付けている。ロータリ耕耘機等の作業機は、左右一対のロワーリンク23及びトップリンク24からなる3点リンク機構を介してミッションケース17の後部に、連結される。ミッションケース17の後側面には、ロータリ耕耘機等の作業機にPTO駆動力を伝達するためのPTO軸25を後ろ向きに突設している。
エンジン5の後側面から後ろ向きに突設するエンジン出力軸(図示省略)には、フライホイル26を直結するように取り付けている。両端に自在軸継手を有する動力伝達軸29を介して、フライホイル26から後ろ向きに突出した主動軸27と、ミッションケース17前面側から前向きに突出した主変速入力軸28とを連結している。ミッションケース17内には、油圧無段変速機、前後進切換機構、走行副変速ギヤ機構及び後輪用差動ギヤ機構を配置している。エンジン5の回転動力は、主動軸27及び動力伝達軸29を経由してミッションケース17の主変速入力軸28に伝達され、油圧無段変速機及び走行副変速ギヤ機構によって適宜変速される。そして、当該変速動力が後輪用差動ギヤ機構を介して左右の後車輪4に伝達される。
ミッションケース17の前面下部から前向きに突出した前車輪出力軸30には、前車輪駆動軸31を介して、前輪用差動ギヤ機構(図示省略)を内蔵する前車軸ケース13から後向きに突出した前車輪伝達軸(図示省略)を連結している。ミッションケース17内の油圧無段変速機及び走行副変速ギヤ機構による変速動力は、前車輪出力軸30、前車輪駆動軸31及び前車輪伝達軸から前車軸ケース13内の前輪用差動ギヤ機構を経由して、左右の前車輪3に伝達される。
次に、図5〜図10を参照しながら、ボンネット6内部の構造について説明する。ディーゼルエンジン5は、エンジン出力軸とピストンとを内蔵するシリンダブロック上にシリンダヘッドを搭載しており、シリンダヘッド右側面に吸気マニホールド203を配置する一方、シリンダヘッド左側面に排気マニホールド204を配置する。すなわち、エンジン5においてエンジン出力軸に沿う両側面に、吸気マニホールド203と排気マニホールド204とを振り分けて配置する。ディーゼルエンジン5におけるシリンダブロック前面に冷却ファン206を配置する一方、シリンダブロック後面にフライホイル26を配置する。すなわち、エンジン5においてエンジン出力軸と交差する両側面に、フライホイル26と冷却ファン206とを振り分けて配置する。
ディーゼルエンジン5は、燃料を供給するための燃料供給ポンプ207と、インジェクタに燃料を圧送する円筒状のコモンレール208と、燃料タンク11からの燃料より異物を除去する燃料フィルタ209と、吸気マニホールド203と連結したEGR装置210とを、その右側面に備える。燃料タンク11の燃料は、燃料圧送ポンプ213によって、燃料フィルタ209を介して燃料供給ポンプ207に供給された後、燃料供給ポンプ207からコモンレール208に圧送される。従って、高圧の燃料がコモンレール208に蓄えられるため、各インジェクタの燃料噴射バルブをそれぞれ開閉制御することで、コモンレール208内の高圧の燃料が各インジェクタからエンジン5の各気筒に噴射される。
ディーゼルエンジン5は、排気マニホールド204からの排気ガスにより空気を圧縮するターボ過給機211と、排気マニホールド204からの排気ガスの一部を冷却してEGR装置210に再循環させるEGRクーラ212とを、その左側面に備える。ターボ過給機211は、ブロアホイールを内蔵したコンプレッサケースを備えており、コンプレッサケースの吸気取入れ側を、吸気管222を介してエアクリーナ221の吸気排出側と接続する一方、コンプレッサケースの吸気排出側を、吸気中継管(吸気上流側)223と接続する。ターボ過給機211は、タービンホイールを内蔵したタービンケースを備えており、タービンケースの排気取入れ側を気マニホールド204の排気ガス出口と連結する一方、タービンケースの吸気排出側を、後処理装置である排気ガス浄化装置224の排気ガス入口と連結する。
ディーゼルエンジン5は、両側面に振り分けて配置したEGRクーラ212とEGR装置210とを、還流管路としてエンジン5後面(フライホイル26側)を迂回させた再循環排気ガス管214で接続する。EGR装置210は、エンジン5右側方において、前方(冷却ファン206側)に延びた吸気中継管(吸気下流側)225と接続している。吸気中継管223,225はそれぞれディーゼルエンジン5両側面に振り分けて配置されており、ディーゼルエンジン5前方の枠フレーム226内に設置されるインタークーラ(図示省略)に接続するように、ディーゼルエンジン5の前方上側に向かって延設されている。また、エアクリーナ221を枠フレーム226前面上側に配置し、エアクリーナ221と接続する吸気管222が、枠フレーム226上方を跨ぐようにして、ディーゼルエンジン5左側面後方に延設される。
上記の構成により、エアクリーナ221に吸い込まれた新気(外部空気)は、エアクリーナ221にて除塵・浄化された後、吸気管222を介して、ターボ過給機211のコンプレッサケースに吸引される。ターボ過給機211のコンプレッサケースで圧縮された加圧新気は、吸気中継管223,225及びインタークーラを介して、EGR装置210のEGR本体ケースに供給される。一方、排気マニホールド204からの排気ガスの一部(EGRガス)が、EGRクーラ212で冷却された後、再循環排気ガス管214を介して、EGR装置210のEGR本体ケースに供給される。
EGR装置210は、ターボ過給機211からの加圧新気と排気マニホールド204からのEGRガスとを混合した後、当該混合ガスを吸気マニホールド203に供給する。すなわち、ディーゼルエンジン5から排気マニホールド204に排出された排気ガスの一部が、吸気マニホールド203に還流することによって、高負荷運転時の最高燃焼温度が低下し、ディーゼルエンジン5からのNOx(窒素酸化物)の排出量が低減することになる。
ディーゼルエンジン5は、連続再生式の排気ガス浄化装置224(DPF)を備えている。排気ガス浄化装置224によって、エンジン5から排出される排気ガス中の粒子状物質(PM)が除去されると共に、排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)が低減される。ディーゼルエンジン5の上面側のうち排気マニホールド204の上方に、排気ガス浄化装置224を配置している。排気ガス浄化装置224は、ディーゼルエンジン5の出力軸(クランク軸)と平行な前後方向に長く延びた略円筒形状に構成されており、排気ガス浄化装置224の前後両側(排気ガス移動方向上流側と下流側)には、排気ガス入口と排気ガス出口とが設けられている。
排気ガス浄化装置224は、その長手方向一端側(後方側)のケース外周面に排気ガス入口を設けており、該排気ガス入口をターボ過給機211におけるタービンケースの排気ガス排出側と連結する。排気ガス浄化装置224は、その長手方向他端側(前方側)のケース外周面に排気ガス出口を設けており、該排気ガス出口を排気管227と連結する。排気ガス浄化装置224において、排気ガス入口が下方に向かって開口している一方、排気ガス出口が右側上向きに開口している。排気管227は、ディーゼルエンジン5の前方左側から後方右側に向かって、ディーゼルエンジン5上方を跨ぐように配置されている。
排気ガス浄化装置224の支持体(DPF支持体)を構成する排気中継ブラケット215の下端側を排気マニホールド204にボルト締結している。排気中継ブラケット215は、その上部側に排気中継路としての排気中継管を形成している。そして、排気中継ブラケット215は、ターボ過給機211におけるタービンケースの排気排出側に排気中継管の排気取込側をボルト締結する一方、排気中継管85の排気排出側を排気ガス浄化装置224の排気ガス入口に締結している。従って、排気マニホールド7と排気ガス浄化装置224とは、ターボ過給機211におけるタービンケースと排気中継ブラケット215の排気中継管とを介して連通している。
エンジン5には、排気ガス浄化装置224を支持固定するハウジング支持体としての出口側ブラケット体216及び入口側ブラケット体217を備えている。出口側ブラケット体216及び入口側ブラケット体217は、エンジン5のシリンダヘッドにおいてエンジン出力軸と交差する前面側及び後面側に振り分けて立設している。入口側ブラケット体217は、エンジン5の後面側に位置していて、排気ガス浄化装置224の排気取込側を支持している。出口側ブラケット体216は、エンジン5の前面側に位置していて、排気ガス浄化装置224の排気排出側を支持している。
入口側ブラケット体217の下端側をエンジン5におけるシリンダヘッドの後面にボルト締結している。入口側ブラケット体217の上端側を、中継ブラケット219を介して、排気ガス浄化装置224の入口側蓋体に締結させている。また、入口側ブラケット体217の下端側後面の一部を突起させており、この突起部分に支持プレート218を締結している。入口側ブラケット体217と支持プレート218とを前後に配置して連結することで、排気ガス浄化装置224の支持強度を損なうことなく、入口側ブラケット体217と支持プレート218の間に、EGR装置210とEGRクーラ212とを連結させる再循環排気ガス214を設置する空間を設けることができる。
ディーゼルエンジン5上方において、排気ガス浄化装置224と排気管227とを、ディーゼルエンジン5の出力軸と平行になるようにして、左右に並んで配置している。すなわち、排気ガス浄化装置224がディーゼルエンジン5上面の左側を覆う一方で、排気管227がディーゼルエンジン5上面の右側を覆うように、排気ガス浄化装置224及び排気管227を並べて配置している。
排気ガス浄化装置224の排気側と接続する排気管227は、ディーゼルエンジン5の後方右側に立設した蛇腹管228を介して、テールパイプ229と接続している。テールパイプ229は、キャビン7の前方右側において、下方から上方に向かって延設させるとともに、キャビン7の下側でディーゼルエンジン5に向けて屈曲させた形状を有している。テールパイプ229は、下方の屈曲部分が機体フレーム15上方を内側から外側へ跨ぐように形成されている。また、テールパイプ229は、その上端部分以外を遮熱板230で覆われた構成としている。
次に、図5〜図15を参照しながら、ボンネット6下のエンジンルーム枠の構成について説明する。ボンネット6は、前部下側にフロントグリル231を形成して、エンジンルーム前方を覆う。ボンネット6の左右下側に、多孔板で形成したエンジンカバー232を配置して、エンジンルーム左右側方を覆っている。すなわち、ボンネット6及びエンジンカバー232によって、ディーゼルエンジン5の前方、上方及び左右を覆っている。
左右一対となるエンジンフレーム(前部フレーム)14は、その前端側内側面をフレーム連結部材12の左右外側面と連結している。フレーム連結部材12は、矩形状の金属鋳物で構成されており、このフレーム連結部材12で架設したエンジンフレーム14上に、ディーゼルエンジン5を支持させる。フレーム連結部材12は、前部部品(前バンパ部)12aと後部部品(車軸ケース連結部)12bとで分割可能に構成されている。車軸フレーム連結部12bの底面側に前車軸ケース13を連結して、エンジンフレーム14に前車軸ケース13を吊り下げ支持させている。前バンパ12aは、車軸ケース連結部12bの前面と連結することで、エンジンフレーム14の前端面と当接する位置に設置されている。
エンジンフレーム14前端側上方を覆うように、フレーム底板233を左右のエンジンフレーム14上縁及び前バンパ12上面で架設させている。フレーム底板233の下面が、左右のエンジンフレーム14の側面と、連結ブラケット233aを介して連結している。左右に配置される連結ブラケット233aはそれぞれ、その一端をエンジンフレーム14の側面と連結させる一方で、その他端をフレーム底板233下面の側縁側と連結させている。フレーム底板233の後端には、エンジン5の下側前方を覆うアンダーカバー296を配置している。アンダーカバー296は、その前端をフレーム底板233と連結させる一方で、その後方左右側縁それぞれを左右のエンジンフレーム14と連結している。アンダーカバー296は、フレーム底板233の後端からエンジンフレーム14の下端に向かって延設させた前側部分と、エンジン5下方で前側に延設させた後側部分とで構成されている。
ファンシュラウド234を背面側に取り付けたラジエータ235を、エンジン5の前面側に位置するようにフレーム底板233上に立設している。ファンシュラウド234は冷却ファン206の外周側を囲っていて、ラジエータ235と冷却ファン206とを連通させている。ファンシュラウド234は、その上端を断面T字状とした上方遮蔽部234aを有するとともに、左右側面から突起させた側方遮蔽部234bを有する。上方遮蔽部234aは、ファンシュラウド234上面全域で左右方向に延伸するように配置されており、ボンネット6を閉じたときに、その上端をボンネット6の天井部259下面と近接させる構成を有する。左右一対となる側方遮蔽部234bは、ファンシュラウド234の左右側面全域で上下方向に延伸するように配置されており、ボンネット6を閉じたときに、その左右端をボンネット6の側方部273内側面と近接させる構成を有する。
ラジエータ235の前面側には、矩形枠状の枠フレーム226をフレーム板233上に立設させている。左右のエンジンフレーム14を架橋する車軸ケース連結部12bの上方位置に、前方から順に、枠フレーム226、ラジエータ235及びファンシュラウド234を配置している。枠フレーム226は、後面をラジエータ235で覆うように形成されており、その前面及び左右側面が、メッシュ状の板材で覆われている。そして、枠フレーム226内には、上記のインタークーラ他、オイルクーラや燃料クーラなどが設置される。枠フレーム226の前面の上方位置には、エアクリーナ221を配置している。これにより、フロントグリル231より吸引された冷却空気が、フロントグリル231後方の枠フレーム226に向かって流れるため、エアクリーナ221を冷却するとともに、枠フレーム226内のインタークーラやオイルクーラや燃料クーラを冷却する。また、枠フレーム226後面に設けているラジエータ235に前方からの冷却空気が達することで、ディーゼルエンジン5へ供給する冷却水に対する冷却効果を高める。
車軸ケース連結部12bの下側は、前後左右の四隅となる位置を下方に突起させた連結部分を設けており、前車軸ケース13と連結して、エンジンフレーム14に前車軸ケース13を吊り下げ支持させている。前バンパ12は、車軸ケース連結部12bの前面と連結することで、エンジンフレーム14の前端面と当接する位置に設置されている。後述するように、前バンパ12と車軸ケース連結部12bにより、エンジンフレーム14を架設するフレーム連結部材が構成される。
左右の機体フレーム15の前端側は、スペーサ297を介して左右のエンジンフレーム14後端側と連結しており、左右の機体フレーム15が、左右のエンジンフレーム14を狭持するように配置されている。左右一対の機体フレーム15は、支持用梁フレーム236によって、床板40の前方下側が連結されている。支持用梁フレーム236の機体フレーム15との連結面(外側面)は、スペーサ297の機体フレーム15との連結面(外側面)と同一面となる。この支持用梁フレーム236は、左右の機体フレーム15それぞれとボルト締結して、左右の機体フレーム15を架設しており、その上面に、エンジン支持フレーム237を搭載している。エンジン支持フレーム237は、その下端面を支持用梁フレーム236の上面とボルト締結することで、支持用梁フレーム236と共にディーゼルエンジン5のフライホイル26を囲う形状となる。
ディーゼルエンジン5は、その左右側面下側に設けた機関脚取付け部(図示省略)を、防振ゴム239を有する機関脚体238を介して、左右一対のエンジンフレーム14中途部に設置したエンジン支持ブラケット298と連結している。ディーゼルエンジン5は、後面に設けた機関脚取付け部(図示省略)を、防振ゴム241を有する機関脚体240を介して、エンジン支持フレーム237上面と連結している。
左右一対のエンジンフレーム14の中途部外側に連結したエンジン支持ブラケット298上部に、防振ゴム239を下側にして機関脚体238をボルト締結している。左右一対の機関脚体238によりディーゼルエンジン5をエンジンフレーム14で挟持し、ディーゼルエンジン5前側を支持させている。ディーゼルエンジン5の後面を、支持用梁フレーム236、エンジン支持フレーム237、及び機関脚体240を介して、左右一対の機体フレーム15の前端側に連結して、機体フレーム15前端でディーゼルエンジン5後側を支持させている。左右の前部防振ゴム239と、左右の後部防振ゴム241とによって、ディーゼルエンジン5が走行機体2に支持されることになる。
左右一対の支柱フレーム242,243が、エンジン支持フレーム237上面で、機関脚体240を左右から挟むように立設している。詳細には、左側支柱フレーム242が、機関脚体240の左側後方位置で支持ブラケット242aを介して立設し、右側支柱フレーム243が、機関脚体240の右側前方位置で支持ブラケット243aを介して立設する。支持ブラケット242aが、エンジン支持フレーム237の左縁側の後方に設置されており、支持ブラケット243aが、エンジン支持フレーム237の右縁側の前方に設置されている。ボンネット6後方を覆うボンネットシールド板(遮蔽板)244が、その下縁を機関脚体240上面から離間するように、左右一対の支柱フレーム242,243と連結している。
ボンネットシールド板244は、平面視で屈曲させた形状を有している。すなわち、ボンネットシールド板244は、左側支柱フレーム242の外側(左側)から右方向に向かってフロントガラス321前面と略平行に広がる後方シールド面(第1シールド面)245と、後方シールド面245の右縁で前方向に向かって屈曲させた側方シールド面(第2シールド面)246と、側方シールド面245の前縁で右方向に向かって屈曲させて右側支柱フレーム243と接続される接続面(第3シールド面)247とで構成される。後方シールド面245は、左側支柱フレーム242と接続するとともに、その左縁を左側支柱フレーム242よりも外側(左側)に張り出させた形状となり、フロントガラス321前面から離間して配置される。側方シールド面246は、機関脚体240上面右側に配置されている。接続面247は、その右縁を右側支柱フレーム243前面に一致させて配置するようにして、右側支柱フレーム243と連結している。
ボンネット6内側において、ボンネット6背面側にボンネットシールド板244を配置して、少なくとも排気ガス浄化装置224及び排気管227の背面を覆う。ボンネットシールド板244は、左側支柱フレーム242の左側に張り出した形状とすることで、少なくともディーゼルエンジン5の左側(排気マニホールド204側)背面を覆う。ボンネットシールド板244は、左右一対の支柱フレーム242,243に両縁を接続する構成とすることで、ディーゼルエンジン5背面全体を覆う。そして、ボンネット6背面側において、ボンネットシールド板244右側の領域が開放されており、当該領域に排気管227と接続された蛇腹管228及びテールパイプ229の一部が配置されている。
ボンネット6の背面をボンネットシールド板244で覆うことで、ボンネット6下のエンジンルームにおける熱が、ボンネットシールド板244により遮熱されて、キャビン7側がエンジンルームからの排熱により加温されることを防止できる。従って、キャビン7内におけるオペレータは、ディーゼルエンジン5や排気ガス浄化装置224の排熱の影響をうけることなく、快適に操縦可能となる。ボンネットシールド板244をキャビン7前面から離間させて配置することで、ボンネット6後方に配置されるキャビン7とボンネットシールド板244との間に断熱層を形成している。
また、ボンネットシールド板244は、後方シールド面245に所定周期の凹凸を設けており、ボンネット6下のエンジンルームより発生する音を遮断する。具体的には、ボンネットシールド板244は、後方シールド面245の後方面に、後方へ突起させた矩形状の凸部245aを、上下方向に所定間隔で設けている。ボンネットシールド板244に凹凸を設けることにおり、ボンネット6下のエンジンルーム内のディーゼルエンジン5などから発生する騒音をボンネットシールド板244の凹凸で減衰させて、キャビン7内への騒音伝播を防止できる。
左右一対の梁フレーム248,249をファンシュラウド234及びボンネットシールド板244それぞれの上部で架設させる。左側梁フレーム248の一端(後端)が、ボンネットシールド板244の後方シールド面245を介して、左側支柱フレーム242と連結している。左側梁フレーム248より短い右側梁フレーム249の一端(後端)が、ボンネットシールド板244の接続面247を介して、右側支柱フレーム243と連結している。左右一対の梁フレーム248,249それぞれの他端(後端)が、ファンシュラウド234の上方後面と連結ブラケット234cを介して連結している。走行機体2で安定支持させたファンシュラウド234及びボンネットシールド板244を、一対の梁フレーム248,249により架設させて連結するため、これらの部材が一体的になって全体として堅牢なエンジンルームフレーム体を構成できる。
左右一対の梁フレーム248,249に左右両縁が固着された遮熱板250を有している。遮熱板250は、ボンネット6下で梁フレーム248,249の中途部から後方を覆うようにして、梁フレーム248,249を架設している。遮熱板250は、ディーゼルエンジン5上側の排気ガス浄化装置224及び排気管227上部を覆うように配置されている。梁フレーム248,249を架設するように遮熱板250を固定しているため、遮熱板250により梁フレーム248,249を補強し、エンジンルームフレームをより堅牢な構造とできる。また、排気ガス浄化装置224及び排気管227とボンネット6の間に遮熱板250を配置することで、エンジンルームからの排熱によるボンネット6の加温を防止できる。
ディーゼルエンジン5上部に搭載した排気ガス浄化装置224を、ボンネット6後方内側に位置させており、ボンネット6と排気ガス浄化装置224との間に遮熱板250を配置している。排気ガス浄化装置224の上に遮熱板250を配置することで、排気ガス浄化装置224及びディーゼルエンジン5の排熱によるボンネット6の加温を防止できる。また、ボンネット6と遮熱板250との間に空間を形成して、遮熱板250下側のエンジンルーム内を外気から断熱して、排気ガス浄化装置224を高温環境で動作させることができる。
更に、上記遮熱板250に加えて、ボンネット6背面側に配置して少なくとも排気ガス浄化装置224を背面から覆うボンネットシールド板244を備えている。ボンネット下のエンジンルームにおける熱が、遮熱板250とともにボンネットシールド板244により遮熱されることで、キャビン7内がエンジンルームからの排熱により加温されることを防止できる。また、ボンネットシールド板244と遮熱板250との間に間隔を設けることで、ボンネット6下のエンジンルーム内に熱気をこもり難くして、排気ガス浄化装置224自体やボンネット6等に対する熱害の発生を抑制できる。
走行機体2の前部に搭載されたディーゼルエンジン5と、ディーゼルエンジン5上部に配置されてディーゼルエンジン5の排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置224と、ディーゼルエンジン5の空冷用の冷却ファン206とを備える。ディーゼルエンジン5の前面側に冷却ファン206を配置するとともに、冷却ファン206を覆うファンシュラウド234を走行機体2に固着し、冷却ファン206、ディーゼルエンジン5及び排気ガス浄化装置224をボンネット6で覆う。ディーゼルエンジン5後方を覆うボンネットシールド板244をボンネット6背面に配置し、ボンネットシールド板244を走行機体2に固着させる。左右一対の梁フレーム248,249をファンシュラウド234及びボンネットシールド板244それぞれの上部で架設させる。
フロントガラス321の水滴を除去するワイパー251が、フロントガラス321に枢着している。ワイパー251は、フロントガラス321を通じてキャビン7内部に駆動軸252を挿入させており、駆動軸252を中心として回動する。ワイパー251の駆動軸252は、その前方をボンネットシールド板244の後方シールド面245で覆われている。すなわち、正面視において、走行機体2に搭載したキャビン7の前面を覆うフロントガラス321をふきとるワイパー251の駆動軸252を、ボンネット6の上面後部で覆う。これにより、ワイパー251の駆動軸252やワイパー251の駆動機構に雨水が直接降りかかることを抑制できるとともに、美観を向上できる。
また、フロントガラス321の一部に貫通穴253を設けており、キャビン7内部で支持されている油圧ポンプ254を貫通穴253からキャビン7外部に突出させている。貫通穴253は、ボンネットシールド板244の接続面247に対向する位置に設置されている。従って、油圧ポンプ254を貫通穴253からキャビン7外部に突出させて配置するとき、ボンネットシールド板244との緩衝を防止できる。また、ボンネットシールド板244により油圧ポンプ254の前面が覆われるため、ボンネット6内のエンジンルームからの放熱による加温が防止される。
ボンネットシールド板244は、高温の熱源となる排気ガス浄化装置224後方を覆う後方シールド面245を後方に配置することで、排気ガス浄化装置224の設置空間を設ける一方で、排気管227の後方を覆う接続面244よりも後方に配置することで、接続面244後方に油圧ポンプ254の設置空間を設ける。即ち、ボンネットシールド板244を平面視でクランク状に屈曲させることで、キャビン7(操縦座席8)前方において、エンジンルーム側からの排熱による影響を低減させた空間を広げることができ、油圧ポンプ254などを最適に配置できる。
ボンネット6後方を回動支持するべく、ボンネットシールド板244前面上縁に、ボンネット支持ブラケット255を設けている。ボンネット支持ブラケット255は、左右両縁を屈曲させた形状を有し、ボンネットシールド板244の後方シールド面245及び側方シールド面246に固着させている。すなわち、ボンネット支持ブラケット255は、その背面を後方シールド面245に接続させるとともに、その右縁側で屈曲させた側面を側方シールド面246に接続させる。
また、ボンネット支持ブラケット255上端側が、ボンネット6後方部分と連結して支持するとともに回動するヒンジ部材263と連結される。ボンネットシールド板244の側方シールド面246は、その上縁側に切欠部246aを備えており、ボンネット支持ブラケット255の右側面の一部がボンネットシールド板244外側からアクセス可能となっている。ボンネット支持ブラケット255は、ボンネット6に連結したヒンジ部材263を仮止めさせる仮止用ピン255aを、左右外側面それぞれから突起させている。また、ボンネット支持ブラケット255は、左右内側面それぞれにおいて、仮止め用ピン255aより上方位置に、ヒンジ部材263を連結させるためのナット255bを具備している。
ボンネット6下方における遮熱板250の左右両側に、伸縮可能なガススプリング(ボンネットダンパ)256,256を配置している。左右一対のガススプリング256,256それぞれの一端(後端)は、左右一対の梁フレーム248,249それぞれの後端側に枢着しており、ガススプリング256,256それぞれの他端(前端)は、ボンネット6上部内側面に枢着している。従って、ボンネット6の前部を持上げることによって、ボンネットシールド板244の上端位置を軸支点としてボンネット6を開動させ、ディーゼルエンジン5のメンテナンス作業等を実行できる。
図5〜図8に示すように、ミッションケース17は、主変速入力軸28などを有する前部変速ケース112と、後車軸ケース19などを有する後部変速ケース113と、前部変速ケース112の後側に後部変速ケース113の前側を連結させる中間ケース114を備えている。中間ケース114の左右側面に左右の上下機体連結軸体115,116を介して左右の機体フレーム15の後端部を連結する。即ち、2本の上機体連結軸体115と、2本の下機体連結軸体116にて、中間ケース114の左右両側面に左右の機体フレーム15の後端部を連結させ、機体フレーム15とミッションケース17を一体的に連設して、走行機体2の後部を構成する。また、左右の機体フレーム15の間に前部変速ケース112または動力伝達軸29などを配置して、前部変速ケース112などを保護するように走行機体2を構成している。
さらに、図5〜図8などに示す如く、キャビン7の前側を支持する左右の前部支持台96と、キャビン7の後部を支持する左右の後部支持台97を備える。左右の機体フレーム15の機外側面のうち前端部に前部支持台96をボルト締結させ、前部支持台96の上面側に防振ゴム体98を介してキャビン7の前側底部を防振支持している。左右方向に水平に延設させる左右の後車軸ケース19の上面のうち左右幅中間部に後部支持台97をボルト締結させ、後部支持台97の上面側に防振ゴム体99を介してキャビン7の後側底部を防振支持している。従って、走行機体2は、複数の防振ゴム体98,99を介してキャビン7を防振支持している。
また、図5〜図8などに示す如く、断面端面が略四角筒状の後車軸ケース19を挟むように、後車軸ケース19の上面側に後部支持台97を配置し、後車軸ケース19の下面側に振れ止めブラケット101を配置し、後部支持台97と振れ止めブラケット101をボルト102締結している。前後方向に延設したロワーリンク23の中間部と振れ止めブラケット101とに、伸縮調節可能なターンバックル付き振れ止めロッド体103の両端部を連結し、ロワーリンク23の左右方向の揺振を防止している。
次に、図14〜図21を参照しながら、走行機体2の構造について説明する。走行機体2は、左右エンジンフレーム(前部フレーム)14と左右機体フレーム(後部フレーム)とを前後に連結して構成している。左右エンジンフレーム14それぞれの前端を、矩形状となる金属鋳物のフレーム連結部材12で架設して、ディーゼルエンジン5を、エンジンフレーム14上に支持させている。このように、ディーゼルエンジン5を支持するエンジンフレーム14を金属鋳物となるフレーム連結部材12で固定することで、ディーゼルエンジン5の支持構造を強化できる。また、フレーム連結部材12が強度メンバーとして構成されるため、走行機体2の剛性及び支持強度を向上できる。
図14〜図18に示すように、フレーム連結部材12は、前部部品(前バンパ部)12aと後部部品(車軸ケース連結部)12bとで前後に分割可能に構成されており、後部部品(車軸ケース連結部)12bの側面をエンジンフレーム14前端内面と、ボルト12cによりボルト締結している。車軸ケース連結部12bは、左右両側面の前後に、ボルト12c締結用のボルト穴12dを複数有している。そして、エンジンフレーム14は、車軸ケース連結部12bのボルト穴12dに対応する位置に、貫通穴14aを有している。従って、ボルト12cをエンジンフレーム14の貫通穴14aを挿入して、車軸ケース連結部12bのボルト穴12dに螺着させることで、左右のエンジンフレーム14を車軸ケース連結部12bに締結させる。エンジンフレーム14を架設する車軸ケース連結部12bの前端面に、前バンパ部12aの後端面を当接させて、前バンパ部12aを車軸ケース連結部12bに締結固定させる。
車軸ケース連結部12bは、その前後両側に、ボルト穴12fを下面に有する連結用脚部12eを備えており、前後の連結用脚部12eそれぞれに、前車軸ケース13の前後支持部材13b,13cを固定させる。前車軸ケース13は、本体ケース13aを前後支持部材13b,13cで挟持し、前後支持部材13b,13cを中心に本体ケース13aを左右に揺動可能としている。本体ケース13aは、前車輪駆動軸31からの動力を前車軸16に伝達させる前車輪伝達軸及び前輪用差動ギヤ機構(図示省略)を収容している。
前部支持部材13bは、締結用に設けられた貫通穴13dにボルト13eが挿入され、該ボルト13dを車軸ケース連結部12bにおける前側連結用脚部12eのボルト穴12fに螺着されることで、車軸ケース連結部12bの前側下面に固定される。後部支持部材13cは、締結用に設けられた貫通穴13dにボルト13eが挿入され、該ボルト13eを車軸ケース連結部12bにおける後側連結用脚部12eのボルト穴12fに螺着されることで、車軸ケース連結部12bの後側下面に固定される。そして、前部支持部材13b及び後部支持部材13cが本体ケース13aを挟持して吊下支持することで、本体ケース13aは走行機体2に対して左右に傾動可能となる。また、後部支持部材13cには、後側から前車輪駆動軸31が挿入されている。
フレーム連結部材12は、車軸ケース連結部12bの下面に、前車軸ケース13の傾動範囲を規制する規制部材12hを着脱可能としている。車軸ケース連結部12bは、下面の左右両側に、規制部材12hが取り付けられる規制用脚部12gを有している。車軸ケース連結部12bは、規制用脚部12gを、前後の連結用脚部12eの間となる位置に設けている。即ち、フレーム連結部材12は、車軸ケース連結部12bの下面前後に、前車軸ケース13上面と連結させる連結用脚部(連結部)12eを有しており、規制部材12hの着脱位置を、車軸ケース連結部12bの左右両側であって、前後の車軸ケース連結部12bの間としている。
規制部材12hは、金属片により構成されており、ボルト12iが挿入される貫通穴12kを有する。フレーム連結部材12の車軸ケース連結部12bは、その規制用脚部12gの底面に、ボルト12iが螺着されるボルト穴12jを有する。即ち、ボルト12iが規制部材12hの貫通穴12kを貫通して、車軸ケース連結部12bの規制用脚部12gにおけるボルト穴12jに螺着することで、規制部材12hがフレーム連結部材12に締結固定する。
図19に示すように、規制部材12hは、規制用脚部12gの底面と連結することで、前車軸ケース13の揺動軸となる前後支持部材13b,13cの左右両側の上方位置に配置される。従って、前車軸ケース13において、前後支持部材13a,13bを中心軸として本体ケース13aが上下に揺動するとき、本体ケース13aの上面が規制部材12hの下面と当接することで、その傾動範囲(スイング角度)を制限する。
また、フレーム連結部材12に対して規制部材12hを着脱自在に構成しているため、規制部材12hの高さhを変更することで、前車軸ケース13における本体ケース13aのスイング角度の制限範囲θを変更できる。即ち、図20(a)に示すように、高さh1となる規制部材12hを規制用脚部12gに取り付けた場合は、本体ケース13aのスイング角度の制限範囲θ1となる一方、図20(b)に示すように、高さh2(h2<h1)となる規制部材12hを規制用脚部12gに取り付けた場合は、本体ケース13aのスイング角度の制限範囲θ2(θ2>θ1)となる。従って、圃場に凹凸や左右の車輪間の距離(トレッド)に応じて、高さの異なる規制部材12hを取り付けることにより、作業車両1の仕様に応じた傾動範囲を設定できる。
上述のように、左右エンジンフレーム(前部フレーム)14それぞれの前端を矩形状となる金属鋳物のフレーム連結部材12で架設して、ディーゼルエンジン5を前部フレーム14上に支持させている。そして、フレーム連結部材12の下面には、前車軸ケース(前側走行部)13における左右傾動範囲を規制する規制部材12hを着脱可能としている。ディーゼルエンジン5を支持する前車軸ケース14を金属鋳物となる連結部材12で固定することで、エンジン支持構造を強化できる。また、連結部材12が強度メンバーとして構成されることで、走行機体2の強度を向上できる。更に、連結部材12下面に規制部材12hを着脱可能とすることにより、作業状況に合わせて、前車軸ケース13のスイング角度を規制できる。
連結部材12の下面前後に、前車軸ケース13上面と連結させる連結用脚部(連結部)12eを有しており、規制部材12hの着脱位置が、連結部材12の左右両側であって、前後の連結用脚部2eの間としている。剛性を備えた連結部材12を前車軸ケース13で連結支持させることにより、走行機体2の強度を向上できる。剛性の連結部材12で前車軸ケース13の傾動を規制することにより、走行時における走行機体2への負担を低減できる。
図21に示すように、ディーゼルエンジン5の前側面から突出させたエンジン出力軸(図示省略)前端にフロントPTO軸501に連結させて、トラクタ1前方にディーゼルエンジン5の動力を伝達可能に構成できる。フロントPTO軸501は、ディーゼルエンジン5から前方に向かって延設されており、フロントPTO軸501前端を走行機体2前方より突出させて、トラクタ1前側に設置される作業機に、ディーゼルエンジン5からの動力を伝達する。フロントPTO軸501は、フレーム底板233の下側に位置するエンジン出力軸前端と連結し、フレーム連結部材12前面に向かって延びる構成を有する。
フレーム連結部材12は、その上面に凹部502を備えており、凹部502の内側にフロントPTO軸501が配置されている。即ち、フレーム連結部材12は、前バンパ部12a及び車軸ケース連結部12bそれぞれの上面に、前後方向に延びる凹部502を有している。そして、ディーゼルエンジン5のエンジン出力軸前端と連結したフロントPTO軸501は、フレーム連結部材12の凹部502を通過するようにして、フレーム底板233下側に配置され、前バンパ12a全面より前端を突出させている。このようにフロントPTO軸を容易に配置できる構成とすることで、トラクタ1における機種の多様化を図れる。
エンジンフレーム14は、図14〜図17に示すように、前後に設けた貫通穴14aの間となる位置に、連結ブラケット233aをボルト233bで締結させるべく、ボルト233bを螺着させる複数のボルト穴14bを備える。連結ブラケット233aは、L字形状に屈曲させたプレートで構成されており、一方の連結面をフレーム底板233の底面に連結させる一方で、他方の連結面をエンジンフレーム14側面に連結させる。これにより、フレーム底板233は、連結ブラケット233aを介して左右エンジンフレーム14と連結し、フレーム連結部材12上方で左右エンジンフレーム14を架設するようにして固定される。なお、ボルト穴14bは、貫通穴でもよく、貫通穴で構成する場合は、挿入されたボルト233bをナットで締着させる。
エンジンフレーム14は、ボルト穴14b後方に複数の貫通穴14cを備えている。この貫通穴14cにボルト296aを挿入してアンダーカバー296を締結することで、アンダーカバー296を、左右エンジンフレーム14で狭持するようにして、フレーム底板233後縁に固定配置させる。このとき、アンダーカバー296前縁は、フレーム底板233後縁と連結している。
エンジンフレーム14は、貫通穴14cの後方となる位置に、エンジン支持ブラケット298をボルト298aで締結させるべく、ボルト298aを螺着させる複数のボルト穴14dを備える。エンジン支持ブラケット298上部に、防振ゴム239を介して機関脚体238を固定することで、ディーゼルエンジン5を左右のエンジンフレーム14で挟持し、ディーゼルエンジン5前側を支持させている。なお、ボルト穴14dは、貫通穴でもよく、貫通穴で構成する場合は、挿入されたボルト298aをナットで締着させる。
エンジンフレーム14は、機体フレーム15前端側とボルト15aで締結させるべく、後端側に、複数のボルト締結用穴14eを備える。ボルト締結用穴14eは、機体フレーム15前端と重なる領域に設けられており、ボルト穴又は貫通穴で構成される。なお、ボルト締結用穴14eを貫通穴で構成する場合は、挿入されたボルト15aをナットで締着させる。即ち、エンジンフレーム14は、機体フレーム15とで挟持するスペーサ297で覆われる領域に、スペーサ297の外周に沿うようにして、ボルト締結用穴14eを配置させている。また、エンジンフレーム14は、スペーサ297をエンジンフレーム14に固定させるべく、ボルト297aを挿入させるための貫通穴14fを備える。貫通穴14fは、ボルト締結用穴14eに囲まれる位置に配置されている。
スペーサ297は、図14〜図17、図21、及び図22に示すように、その外周側に複数の貫通穴297bを備えており、この貫通穴297bに、エンジンフレーム14及び機体フレーム15両方と連結させるボルト15aが挿入される。また、スペーサ297は、外周側の貫通穴297bに囲まれる領域に、ボルト穴297cを備えており、エンジンフレーム14側からボルト穴297cにボルト297aが螺着されて、エンジンフレーム14に固定される。すなわち、スペーサ297は、エンジンフレーム14のボルト締結用穴14eに対応する位置に貫通穴297bを有し、エンジンフレーム14の貫通穴14fに対応する位置にボルト穴297cを有する。
図14〜図17、図21、及び図22に示すように、左右の機体フレーム15の前端側は、スペーサ297を介して左右のエンジンフレーム14後端側と連結しており、左右の機体フレーム15が、左右のエンジンフレーム14を狭持するように配置されている。左右一対の機体フレーム15は、支持用梁フレーム236によって連結されている。支持用梁フレーム236の機体フレーム15との連結面(外側面)は、スペーサ297の機体フレーム15との連結面(外側面)と同一面となる。この支持用梁フレーム236は、左右の機体フレーム15それぞれとボルト締結して、左右の機体フレーム15を架設しており、その上面に、エンジン支持フレーム237を搭載している。エンジン支持フレーム237は、その下端面を支持用梁フレーム236の上面とボルト締結することで、支持用梁フレーム236と共にディーゼルエンジン5のフライホイル26を囲う形状となる。
図14〜図16、図21、及び図22に示すように、機体フレーム15は、その前端側であって、エンジンフレーム14後端と重なる領域に、ボルト15aを挿入するための貫通穴15bを複数有している。従って、ボルト15aを、機体フレーム15の貫通穴15b及びスペーサ297の貫通穴297bに挿入し、エンジンフレーム14のボルト締結用穴14eで締結することで、スペーサ297を介して機体フレーム15をエンジンフレーム14に連結させる。エンジンフレーム14及び機体フレーム15の間にスペーサ297を介在させることで、左右エンジンフレーム14の設置幅をディーゼルエンジン5の左右幅に合わせる一方で、左右機体フレーム15の設置幅をミッションケース17の左右幅に合わせることができる。
機体フレーム15をエンジンフレーム14に連結する際、まず、ボルト297aをエンジンフレーム14の貫通穴14fに挿入させてスペーサ297のボルト297cに螺着させて、エンジンフレーム14にスペーサ297を締結させる。そして、ボルト15aを、機体フレーム15の貫通穴15b及びスペーサ297の貫通穴297bに挿入し、エンジンフレーム14のボルト締結用穴14eで締結して、スペーサ297を介して機体フレーム15をエンジンフレーム14に連結させる。従って、スペーサ297をエンジンフレーム14に組み付けた状態で機体フレーム15を連結できるため、走行機体2の組立作業における作業者への負担を低減できる。
また、図14〜図16、図21、及び図22に示すように、機体フレーム15は、貫通穴15bの設置領域後方に、支持用梁フレーム236と連結するべく、ボルト15cを挿入するための貫通穴(前側貫通穴)15dを複数有している。支持用梁フレーム236は、機体フレーム15とボルト15cで締結するべく、左右両端面の外周側に複数のボルト穴236aを備えている。従って、ボルト15cを機体フレーム15の貫通穴15dを挿入して、支持用梁フレーム236のボルト穴236aに螺着させることで、左右の機体フレーム15を支持用梁フレーム236に締結させる。支持用梁フレーム236の左右両端に機体フレーム15を締結することで、左右機体フレーム15前側を支持用梁フレーム236で高剛性に固定できる。そして、エンジンフレーム14後方に隣接するように支持用梁フレーム236を配置することで、機体フレーム15前端と連結されたエンジンフレーム14後側を高剛性に固定できる。
機体フレーム15は、貫通穴15dに囲まれた位置に、前部支持台96と連結させるボルト96aを挿入させるべく、複数の貫通穴15eを備えており、貫通穴15dの設置位置よりも後方に、前部支持台96と連結させるボルト96bを挿入させるべく、複数のボルト穴15fを備えている。支持用梁フレーム236は、ボルト穴236aに囲まれた位置に、貫通穴15eに挿入されたボルト96aを螺着させるボルト穴236bを備えている。従って、ボルト96aを貫通穴15eに挿入してボルト穴236aで螺着させるとともに、ボルト96bをボルト穴15fで螺着させることで、支持用梁フレーム236の両端に固定された機体フレーム15に、前部支持台96を固定できる。また、前部支持台96が、高剛性部材となる支持用梁フレーム236とも締結することにより、前部支持台96によるキャビン7の支持剛性を高めることができる。
機体フレーム15は、図14〜図17、図22、及び図23に示すように、機体連結軸体115,116を挿入させるための貫通穴(後側貫通穴)15gを、後端側に備えている。即ち、機体連結軸体115,116が左右の機体フレーム15の貫通穴15gを介してミッションケース17の中間ケース114に固着することで、左右機体フレーム15をミッションケース17の左右両側面に固定配置させる。従って、ミッションケース17の側面で機体フレーム15の内側面を受ける構成とすることで、左右に発生するモーメントを抑え、ミッションケース17で固定される機体フレーム15の前後方向でのオフセットを防止できる。これにより、走行機体2における歪みを防止し、走行機体2の構造を安定化できる。
機体フレーム15とミッションケース17との連結構造について、図22及び図23を参照して、以下に説明する。機体フレーム15の中間ケース114には、機体連結軸体115,116が挿入される軸体締結用穴(連結穴)17aを設けている。軸体締結用穴17aは、左右両側面からケース内部に延びた(掘削された)大径穴17aaと、穴17aaの底面中心から更にケース内部に延びた(掘削された)小径穴17abとにより、二段形状の穴で構成されている。なお、機体フレーム15における貫通穴15gの開口径は、軸体締結用穴17aにおける大径穴17aaの開口径より大きい。
機体連結軸体115(116)は、軸体締結用穴17aの小径穴17abと螺着するボルト115a(116a)と、中心領域に貫通穴を設けたスリーブ115b(116b)と、スリーブ115b(116b)の貫通穴を介して軸体締結用穴17aの大径穴17aaに挿入されるガイドピン115c(116c)と、ボルト115a(116a)の座面で押圧される座金(ワッシャ)115d(116d)とで構成される。なお、スリーブ115b(116b)は、貫通穴15gに挿入されて、機体フレーム15に溶接固定される。また、ガイドピン115c(116c)及び座金(ワッシャ)115d(116d)により、ボルト115a(116a)をミッションケース17に挿入させる連結ピンが構成される。
即ち、貫通穴15gに挿入したスリーブ115b(116b)の中空部分(貫通穴)を介してガイドピン115c(116c)を軸体締結用穴17aの大径穴17aaに挿入し、ガイドピン115c(116c)の中空部分を介してボルト115a(116a)を軸体締結用穴17aの小径穴17abに挿入して螺着させることで、左右の機体フレーム15後端を中間ケース114に固定させる。このとき、ボルト115a(116a)とガイドピン115c(116c)との間に座金115d(116d)を配置しており、座金115d(116d)の一端面をボルト115a(116a)の座と当接させる一方、座金115d(116d)の他端面をガイドピン115c(116c)及びスリーブ115b(116b)の端面と当接させる。
スリーブ115b(116b)は、大径の中空円筒と小径の中空円筒とを中空部分(貫通穴)を一致させて二段にした構成を有している。そして、スリーブ115b(116b)は、大径部分の外径を貫通穴15gの開口径より大きい径とし、小径部分の外径を機体フレーム15の貫通穴15gの開口径と同等とし、中空部分(貫通穴)の開口径を軸体締結用穴17aにおける大径穴17aaの開口径と同等とする。また、スリーブ115b(116b)は、小径部分の機体フレーム15への挿入深さを機体フレーム15の幅と同等とする。従って、スリーブ115b(116b)を貫通穴15gに挿入して固定すると、スリーブ115b(116b)における段差部が機体フレーム15の外側面と当接するとともに、スリーブ115b(116b)の小径部分の端面(内側端面)と機体フレーム15の内側面とが同一面となる。
ガイドピン115c(116c)は、中心部分を貫通させた中空円筒で構成し、その外径を軸体締結用穴17aにおける大径穴17aaの開口径と同等とし、中空部分(貫通穴)の開口径をボルト115a(116a)のネジ部分の外径と同等とする。ガイドピン115c(116c)の挿入方向長さは、スリーブ115b(116b)の挿入方向長さに大径穴17aaの深さを加算した値と同等とする。従って、貫通穴15gに挿入されたスリーブ115b(116b)を介して軸体締結用穴17aにガイドピン115c(116c)を挿入すると、ガイドピン115c(116c)の一端面が軸体締結用穴17aの段差部に当接するとともに、ガイドピン115c(116c)の他端面がスリーブ115b(116b)の大径部分の端面(外側端面)と同一面となる。また、座金115d(116d)は、中心部分を貫通させたリング形状で構成し、その開口部分の開口径をボルト115a(116a)のネジ部分の外径と同等とし、その外径をガイドピン115c(116c)の外径より大きくする。
これにより、ボルト115a(116a)を座金115d(116d)及びガイドピン115c(116c)を介して軸体締結用穴17aに螺着させると、ボルト115a(116a)の座が座金115d(116d)の一端面(外側端面)に当接して、ボルト115a(116a)の挿入方向に沿って押圧力が座金115d(116d)にかかる。座金115d(116d)の他端面(内側端面)は、スリーブ115b(116b)とガイドピン115c(116c)それぞれの端面と当接していることから、ボルト115a(116a)による押圧力は、座金115d(116d)を介して、スリーブ115b(116b)とガイドピン115c(116c)それぞれにかかる。従って、ボルト115a(116a)を軸体締結用穴17aに締結したときの圧縮力が、スリーブ115b(116b)、ガイドピン115c(116c)、及び座金115d(116d)それぞれを介して、機体フレーム15と中間ケース114との連結部分にかかり、ミッションケース17に機体フレーム15が固定される。
ミッションケース17の中間ケース114は、左右両側面において、軸体締結用穴17a周辺領域(外周領域)を***させた構成を有する。これにより、機体連結軸体115(116)で機体フレーム15とミッションケース17とを連結させたとき、中間ケース114の左右両側面は、軸体締結用穴17a周辺領域において、スリーブ115b(116b)の端面と機体フレーム15の内側面それぞれと当接する。即ち、機体フレーム15は、スリーブ115b(116b)と中間ケース114の側面とで狭持されるため、機体フレーム15を中間ケース114に締結するための面圧を分散でき、固定部分の強度寿命を長く維持できる。
なお、スリーブ115b(116b)における小径部分端部には、Oリングなどの弾性部材(図示省略)を嵌合させている。また、ガイドピン115c(116c)に対しても、スリーブ115b(116b)における大径部分端部の位置に、Oリングなどの弾性部材(図示省略)を嵌合させている。当該弾性部材をスリーブ115b(116b)と中間ケース114とで挟持されると、スリーブ115b(116b)と座金115d(116d)とで挟持される位置位置に配置させて、スリーブ115b(116b)及びガイドピン115c(116c)のずれを防止し、機体連結軸体115(116)の締結力の緩みを防ぐ。
上述したように、機体フレーム15の後端は、貫通穴15に挿入される機体連結軸体115,116をミッションケース17の中間ケース114に締結することで、走行機体2の一部であって高剛性部材となるミッションケース17と連結する。一方、機体フレーム15の前端側は、上述したように、高剛性の鋳物材である支持用梁フレーム236を横架させている。従って、機体フレーム15は、前後を高剛性部品で固定されるため、機体フレーム15で構成される走行機体2の後方矩形部分が、前後方向の捻れや歪みにも耐久可能な構造を有する。
そして、エンジンフレーム14は、支持用梁フレーム15で固定された機体フレーム15前端より前方に向けて延設されており、その前端が高剛性の鋳物材であるフレーム連結部材12で固定されている。即ち、エンジンフレーム14は、前後を高剛性部品で固定されることとなるため、エンジンフレーム14で構成される走行機体2の前方矩形部分が、前後方向の捻れや歪みにも耐久可能な構造を有する。更には、ディーゼルエンジン5の前方を、走行機体2の前方矩形部分の一部となるエンジンフレーム14で支持する一方、ディーゼルエンジン5の後方を、走行機体2の後方矩形部分の一部となる支持用梁フレーム236で支持する。従って、重量物となる排気ガス浄化装置224を支持させた構成のディーゼルエンジン5であっても、走行機体2の前後に振り分けて支持させることができる。
以上のようにして、金属板となるエンジンフレーム14及び機体フレーム15で走行機体2を構成することで、走行機体2の機体重量の軽量化を図ると同時に、重量物となるディーゼルエンジン5やキャビン7を十分に支持できる剛性を確保できる。また、左右幅の異なるディーゼルエンジン15とミッションケース17とを走行機体2に搭載させる場合に、エンジンフレーム14及び機体フレーム15それぞれの連結部分を一致させるべく、一方のフレームを屈曲させる必要がなくなる。従って、支持構造における応力集中などを抑制し、走行機体2を構成するフレーム全体の強度バランスを調整できる。
また、図24に示すように、寸法の異なるフレーム連結部材12、エンジンフレーム14及び機体フレーム15を組み合わせることで、複数機種の機体構成に対応できる。このとき、フレーム連結部材12における前部部品12aを変更することにより、機種毎の重心に合わせて構成できるため、作業機の重心安定化を図れる。また、フレーム連結部材12を前後に分割した構成とすることで、複数機種の機体構成に対応でき、後述するように、部品の共通化を図れる。更に、長さの異なるエンジンフレーム14及び機体フレーム15を組み合わせることにより、車種に応じ機体長さを容易に変更できる。
なお、長さの異なるエンジンフレーム14において、フレーム底板233を連結させるボルト穴14bとアンダーカバー296を連結させる貫通穴14cについて、その前後方向における相対位置を同一とすることで、フレーム底板233及びアンダーカバー296を共通部品とできる。また、長さの異なるエンジンフレーム14において、フレーム連結部材12のうち車軸ケース連結部12bを連結させる貫通穴14aを、エンジンフレーム14前端を基準として同一位置とすることで、車軸ケース連結部12bと前車軸ケース13とを共通部品とできる。
なお、本願発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
1 トラクタ
2 走行機体
3 前車輪
4 後車輪
5 エンジン
6 ボンネット
7 キャビン
10 ステップ
11 燃料タンク
12 前バンパ(フレーム連結部材)
13 前車軸ケース
14 エンジンフレーム
15 機体フレーム
17 ミッションケース
26 フライホイル
96 前部支持台
97 後部支持台
112 前部変速ケース
113 後部変速ケース
114 中間ケース
115 上機体連結軸体
116 上機体連結軸体
206 冷却ファン
224 排気ガス浄化装置

Claims (2)

  1. 駆動源となるエンジンと、該エンジンの動力に基づいて駆動する走行部と、前記エンジンの動力を前記走行部に伝達させるミッション部とを備え、左右前部フレームと左右後部フレームとを前後に連結して走行機体を構成する作業車両において、
    前記左右前部フレームそれぞれの前端を連結部材で架設し、
    前記連結部材は、前部部品と後部部品とで前後に分割可能に構成し、
    前記後部部品の側面を前記左右前部フレーム内面と締結するとともに、
    前記後部部品は、その前後両側に固定させる連結用脚部を備えて前車軸ケースの前後支持部材を支持し、
    前記エンジンを前記左右前部フレーム上に支持させる一方、前記左右後部フレームそれぞれの後端を前記ミッション部の左右側面に連結したことを特徴とする作業車両。
  2. 前記左右前部フレームの前端を架設する前記後部部品は、下面に前記前車軸ケースの傾動範囲を規制する規制部材を有することを特徴とする、
    請求項1に記載の作業車両。
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