以下に、本願発明を具体化した実施形態について、作業車両であるトラクタを例に挙げて図面に基づき説明する。
まず始めに、図1〜図8を参照しながら、トラクタ1の概要について説明する。実施形態におけるトラクタ1の走行機体2は、走行部としての左右一対の前車輪3と同じく左右一対の後車輪4とで支持されている。走行機体2の前部に搭載した動力源としてのコモンレール式のディーゼルエンジン5(以下、単にエンジンという)で後車輪4及び前車輪3を駆動することによって、トラクタ1が前後進走行するように構成されている。エンジン5はボンネット6にて覆われている。走行機体2の上面にはキャビン7が設置され、該キャビン7の内部には、操縦座席8と、かじ取りすることによって前車輪3の操向方向を左右に動かすようにした操縦ハンドル(丸ハンドル)9とが配置されている。キャビン7の外側下部には、オペレータが乗降するステップ10が設けられている。キャビン7の底部より下側には、エンジン5に燃料を供給する燃料タンク11が設けられている。
走行機体2は、前バンパ12及び前車軸ケース13を有するエンジンフレーム14と、エンジンフレーム14の後部に着脱自在に固定した左右の機体フレーム15とにより構成されている。前車軸ケース13の左右両端側から外向きに、前車軸16を回転可能に突出させている。前車軸ケース13の左右両端側に前車軸16を介して前車輪3を取り付けている。機体フレーム15の後部には、エンジン5からの回転動力を適宜変速して前後四輪3,3,4,4に伝達するためのミッションケース17を連結している。左右の機体フレーム15及びミッションケース17の下面側には、左右外向きに張り出した底面視矩形枠板状のタンクフレーム18をボルト締結している。実施形態の燃料タンク11は左右2つに分かれている。タンクフレーム18の左右張り出し部の上面側に、左右の燃料タンク11を振り分けて搭載している。ミッションケース17の左右外側面には、左右の後車軸ケース19をから外向きに突出するように装着している。左右の後車軸ケース19には左右の後車軸20を回転可能に内挿している。ミッションケース17に後車軸20を介して後車輪4を取り付けている。左右の後車輪4の上方は左右のリヤフェンダー21によって覆われている。
ミッションケース17の後部上面には、例えばロータリ耕耘機といった作業機を昇降動させる油圧式昇降機構22を着脱可能に取り付けている。ロータリ耕耘機等の作業機は、左右一対のロワーリンク23及びトップリンク24からなる3点リンク機構を介してミッションケース17の後部に、連結される。ミッションケース17の後側面には、ロータリ耕耘機等の作業機にPTO駆動力を伝達するためのPTO軸25を後ろ向きに突設している。
エンジン5の後側面から後ろ向きに突設するエンジン出力軸(図示省略)には、フライホイル26を直結するように取り付けている。両端に自在軸継手を有する動力伝達軸29を介して、フライホイル26から後ろ向きに突出した主動軸27と、ミッションケース17前面側から前向きに突出した主変速入力軸28とを連結している。ミッションケース17内には、油圧無段変速機、前後進切換機構、走行副変速ギヤ機構及び後輪用差動ギヤ機構を配置している。エンジン5の回転動力は、主動軸27及び動力伝達軸29を経由してミッションケース17の主変速入力軸28に伝達され、油圧無段変速機及び走行副変速ギヤ機構によって適宜変速される。そして、当該変速動力が後輪用差動ギヤ機構を介して左右の後車輪4に伝達される。
ミッションケース17の前面下部から前向きに突出した前車輪出力軸30には、前車輪駆動軸31を介して、前輪用差動ギヤ機構(図示省略)を内蔵する前車軸ケース13から後向きに突出した前車輪伝達軸(図示省略)を連結している。ミッションケース17内の油圧無段変速機及び走行副変速ギヤ機構による変速動力は、前車輪出力軸30、前車輪駆動軸31及び前車輪伝達軸から前車軸ケース13内の前輪用差動ギヤ機構を経由して、左右の前車輪3に伝達される。
次に、図5〜図10及び図17を参照しながら、キャビン7内部の構造について説明する。キャビン7内における操縦座席8の前方にステアリングコラム32を配置している。ステアリングコラム32は、キャビン7内部の前面側に配置したダッシュボード33の背面側に埋設するような状態で立設している。ステアリングコラム32上面から上向きに突出したハンドル軸の上端側に、平面視略丸型の操縦ハンドル9を取り付けている。
ディーゼルエンジン5は、エンジン出力軸とピストンとを内蔵するシリンダブロック上にシリンダヘッドを搭載しており、シリンダヘッド右側面に吸気マニホールド203を配置する一方、シリンダヘッド左側面に排気マニホールド204を配置する。すなわち、エンジン5においてエンジン出力軸に沿う両側面に、吸気マニホールド203と排気マニホールド204とを振り分けて配置する。ディーゼルエンジン5におけるシリンダブロック前面に冷却ファン206を配置する一方、シリンダブロック後面にフライホイル26を配置する。すなわち、エンジン5においてエンジン出力軸と交差する両側面に、フライホイル26と冷却ファン206とを振り分けて配置する。
ディーゼルエンジン5は、燃料を供給するための燃料供給ポンプ207と、インジェクタに燃料を圧送する円筒状のコモンレール208と、燃料タンク11からの燃料より異物を除去する燃料フィルタ209と、吸気マニホールド203と連結したEGR装置210とを、その右側面に備える。燃料タンク11の燃料は、燃料圧送ポンプ213によって、燃料フィルタ209を介して燃料供給ポンプ207に供給された後、燃料供給ポンプ207からコモンレール208に圧送される。従って、高圧の燃料がコモンレール208に蓄えられるため、各インジェクタの燃料噴射バルブをそれぞれ開閉制御することで、コモンレール208内の高圧の燃料が各インジェクタからエンジン5の各気筒に噴射される。
ディーゼルエンジン5は、排気マニホールド204からの排気ガスにより空気を圧縮するターボ過給機211と、排気マニホールド204からの排気ガスの一部を冷却してEGR装置210に再循環させるEGRクーラ212とを、その左側面に備える。ターボ過給機211は、ブロアホイールを内蔵したコンプレッサケースを備えており、コンプレッサケースの吸気取入れ側を、吸気管222を介してエアクリーナ221の吸気排出側と接続する一方、コンプレッサケースの吸気排出側を、吸気中継管(吸気上流側)223と接続する。ターボ過給機211は、タービンホイールを内蔵したタービンケースを備えており、タービンケースの排気取入れ側を気マニホールド204の排気ガス出口と連結する一方、タービンケースの吸気排出側を、後処理装置である排気ガス浄化装置224の排気ガス入口と連結する。
ディーゼルエンジン5は、両側面に振り分けて配置したEGRクーラ212とEGR装置210とを、還流管路としてエンジン5後面(フライホイル26側)を迂回させた再循環排気ガス管214で接続する。EGR装置210は、エンジン5右側方において、前方(冷却ファン206側)に延びた吸気中継管(吸気下流側)225と接続している。吸気中継管223,225はそれぞれディーゼルエンジン5両側面に振り分けて配置されており、ディーゼルエンジン5前方の枠フレーム226内に設置されるインタークーラ(図示省略)に接続するように、ディーゼルエンジン5の前方上側に向かって延設されている。また、エアクリーナ221を枠フレーム226前面上側に配置し、エアクリーナ221と接続する吸気管222が、枠フレーム226上方を跨ぐようにして、ディーゼルエンジン5左側面後方に延設される。
上記の構成により、エアクリーナ221に吸い込まれた新気(外部空気)は、エアクリーナ221にて除塵・浄化された後、吸気管222を介して、ターボ過給機211のコンプレッサケースに吸引される。ターボ過給機211のコンプレッサケースで圧縮された加圧新気は、吸気中継管223,225及びインタークーラを介して、EGR装置210のEGR本体ケースに供給される。一方、排気マニホールド204からの排気ガスの一部(EGRガス)が、EGRクーラ212で冷却された後、再循環排気ガス管214を介して、EGR装置210のEGR本体ケースに供給される。
EGR装置210は、ターボ過給機211からの加圧新気と排気マニホールド204からのEGRガスとを混合した後、当該混合ガスを吸気マニホールド203に供給する。すなわち、ディーゼルエンジン5から排気マニホールド204に排出された排気ガスの一部が、吸気マニホールド203に還流することによって、高負荷運転時の最高燃焼温度が低下し、ディーゼルエンジン5からのNOx(窒素酸化物)の排出量が低減することになる。
ディーゼルエンジン5は、連続再生式の排気ガス浄化装置224(DPF)を備えている。排気ガス浄化装置224によって、エンジン5から排出される排気ガス中の粒子状物質(PM)が除去されると共に、排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)が低減される。ディーゼルエンジン5の上面側のうち排気マニホールド204の上方に、排気ガス浄化装置224を配置している。排気ガス浄化装置224は、ディーゼルエンジン5の出力軸(クランク軸)と平行な前後方向に長く延びた略円筒形状に構成されており、排気ガス浄化装置224の前後両側(排気ガス移動方向上流側と下流側)には、排気ガス入口と排気ガス出口とが設けられている。
排気ガス浄化装置224は、その長手方向一端側(後方側)のケース外周面に排気ガス入口を設けており、該排気ガス入口をターボ過給機211におけるタービンケースの排気ガス排出側と連結する。排気ガス浄化装置224は、その長手方向他端側(前方側)のケース外周面に排気ガス出口を設けており、該排気ガス出口を排気管227と連結する。排気ガス浄化装置224において、排気ガス入口が下方に向かって開口している一方、排気ガス出口が右側上向きに開口している。排気管227は、ディーゼルエンジン5の前方左側から後方右側に向かって、ディーゼルエンジン5上方を跨ぐように配置されている。
排気ガス浄化装置224の支持体(DPF支持体)を構成する排気中継ブラケット215の下端側を排気マニホールド204にボルト締結している。排気中継ブラケット215は、その上部側に排気中継路としての排気中継管を形成している。そして、排気中継ブラケット215は、ターボ過給機211におけるタービンケースの排気排出側に排気中継管の排気取込側をボルト締結する一方、排気中継管85の排気排出側を排気ガス浄化装置224の排気ガス入口に締結している。従って、排気マニホールド7と排気ガス浄化装置224とは、ターボ過給機211におけるタービンケースと排気中継ブラケット215の排気中継管とを介して連通している。
エンジン5には、排気ガス浄化装置224を支持固定するハウジング支持体としての出口側ブラケット体216及び入口側ブラケット体217を備えている。出口側ブラケット体216及び入口側ブラケット体217は、エンジン5のシリンダヘッドにおいてエンジン出力軸と交差する前面側及び後面側に振り分けて立設している。入口側ブラケット体217は、エンジン5の後面側に位置していて、排気ガス浄化装置224の排気取込側を支持している。出口側ブラケット体216は、エンジン5の前面側に位置していて、排気ガス浄化装置224の排気排出側を支持している。
入口側ブラケット体217の下端側をエンジン5におけるシリンダヘッドの後面にボルト締結している。入口側ブラケット体217の上端側を、中継ブラケット219を介して、排気ガス浄化装置224の入口側蓋体に締結させている。また、入口側ブラケット体217の下端側後面の一部を突起させており、この突起部分に支持プレート218を締結している。入口側ブラケット体217と支持プレート218とを前後に配置して連結することで、排気ガス浄化装置224の支持強度を損なうことなく、入口側ブラケット体217と支持プレート218の間に、EGR装置210とEGRクーラ212とを連結させる再循環排気ガス214を設置する空間を設けることができる。
ディーゼルエンジン5上方において、排気ガス浄化装置224と排気管227とを、ディーゼルエンジン5の出力軸と平行になるようにして、左右に並んで配置している。すなわち、排気ガス浄化装置224がディーゼルエンジン5上面の左側を覆う一方で、排気管227がディーゼルエンジン5上面の右側を覆うように、排気ガス浄化装置224及び排気管227を並べて配置している。
排気ガス浄化装置224の排気側と接続する排気管227は、ディーゼルエンジン5の後方右側に立設した蛇腹管228を介して、テールパイプ229と接続している。テールパイプ229は、キャビン7の前方右側において、下方から上方に向かって延設させるとともに、キャビン7の下側でディーゼルエンジン5に向けて屈曲させた形状を有している。テールパイプ229は、下方の屈曲部分が機体フレーム15上方を内側から外側へ跨ぐように形成されている。また、テールパイプ229は、その上端部分以外を遮熱板230で覆われた構成としている。
次に、図5〜図18を参照しながら、ボンネット6下のエンジンルーム枠の構成について説明する。ボンネット6は、前部下側にフロントグリル231を形成して、エンジンルーム前方を覆う。ボンネット6の左右下側に、多孔板で形成したエンジンカバー232を配置して、エンジンルーム左右側方を覆っている。すなわち、ボンネット6及びエンジンカバー232によって、ディーゼルエンジン5の前方、上方及び左右を覆っている。
左右一対となるエンジンフレーム14は、その前端側内側面を車軸ケース連結部材295の左右外側面と連結している。車軸ケース連結部295の下側は、前後左右の四隅となる位置を下方に突起させた連結部分を設けており、前車軸ケース13と連結して、エンジンフレーム14に前車軸ケース13を吊り下げ支持させている。前バンパ12は、車軸ケース連結部295の前面と連結することで、エンジンフレーム14の前端面と当接する位置に設置されている。
エンジンフレーム14前端側上方を覆うように、フレーム底板233を左右のエンジンフレーム14上縁及び前バンパ12上面で架設させている。フレーム底板233の下面が、左右のエンジンフレーム14の側面と、連結ブラケット233aを介して連結している。左右に配置される連結ブラケット233aはそれぞれ、その一端をエンジンフレーム14の側面と連結させる一方で、その他端をフレーム底板233下面の側縁側と連結させている。フレーム底板233の後端には、エンジン5の下側前方を覆うアンダーカバー296を配置している。アンダーカバー296は、その前端をフレーム底板233と連結させる一方で、その後方左右側縁それぞれを左右のエンジンフレーム14と連結している。アンダーカバー296は、フレーム底板233の後端からエンジンフレーム14の下端に向かって延設させた前側部分と、エンジン5下方で前側に延設させた後側部分とで構成されている。
ファンシュラウド234を背面側に取り付けたラジエータ235を、エンジン5の前面側に位置するようにフレーム底板233上に立設している。ファンシュラウド234は冷却ファン206の外周側を囲っていて、ラジエータ235と冷却ファン206とを連通させている。ファンシュラウド234は、その上端を断面T字状とした上方遮蔽部234aを有するとともに、左右側面から突起させた側方遮蔽部234bを有する。上方遮蔽部234aは、ファンシュラウド234上面全域で左右方向に延伸するように配置されており、ボンネット6を閉じたときに、その上端をボンネット6の天井部259下面と近接させる構成を有する。左右一対となる側方遮蔽部234bは、ファンシュラウド234の左右側面全域で上下方向に延伸するように配置されており、ボンネット6を閉じたときに、その左右端をボンネット6の側方部273内側面と近接させる構成を有する。
ラジエータ235の前面側には、矩形枠状の枠フレーム226をフレーム板233上に立設させている。左右のエンジンフレーム14を架橋する車軸ケース連結部295の上方位置に、前方から順に、枠フレーム226、ラジエータ235及びファンシュラウド234を配置している。枠フレーム226は、後面をラジエータ235で覆うように形成されており、その前面及び左右側面が、メッシュ状の板材で覆われている。そして、枠フレーム226内には、上記のインタークーラ他、オイルクーラや燃料クーラなどが設置される。枠フレーム226の前面の上方位置には、エアクリーナ221を配置している。これにより、フロントグリル231より吸引された冷却空気が、フロントグリル231後方の枠フレーム226に向かって流れるため、エアクリーナ221を冷却するとともに、枠フレーム226内のインタークーラやオイルクーラや燃料クーラを冷却する。また、枠フレーム226後面に設けているラジエータ235に前方からの冷却空気が達することで、ディーゼルエンジン5へ供給する冷却水に対する冷却効果を高める。
左右の機体フレーム15の前端側は、スペーサ297を介して左右のエンジンフレーム14後端側と連結しており、左右の機体フレーム15が、左右のエンジンフレーム14を狭持するように配置されている。左右一対の機体フレーム15は、支持用梁フレーム236によって、床板40の前方下側が連結されている。支持用梁フレーム236の機体フレーム15との連結面(外側面)は、スペーサ297の機体フレーム15との連結面(外側面)と同一面となる。この支持用梁フレーム236は、左右の機体フレーム15それぞれとボルト締結して、左右の機体フレーム15を架設しており、その上面に、エンジン支持フレーム237を搭載している。エンジン支持フレーム237は、その下端面を支持用梁フレーム236の上面とボルト締結することで、支持用梁フレーム236と共にディーゼルエンジン5のフライホイル26を囲う形状となる。
ディーゼルエンジン5は、その左右側面下側に設けた機関脚取付け部(図示省略)を、防振ゴム239を有する機関脚体238を介して、左右一対のエンジンフレーム14中途部に設置したエンジン支持ブラケット298と連結している。ディーゼルエンジン5は、後面に設けた機関脚取付け部(図示省略)を、防振ゴム241を有する機関脚体240を介して、エンジン支持フレーム237上面と連結している。
左右一対のエンジンフレーム14の中途部外側に連結したエンジン支持ブラケット298上部に、防振ゴム239を下側にして機関脚体238をボルト締結している。左右一対の機関脚体238によりディーゼルエンジン5をエンジンフレーム14で挟持し、ディーゼルエンジン5前側を支持させている。ディーゼルエンジン5の後面を、支持用梁フレーム236、エンジン支持フレーム237、及び機関脚体240を介して、左右一対の機体フレーム15の前端側に連結して、機体フレーム15前端でディーゼルエンジン5後側を支持させている。左右の前部防振ゴム239と、左右の後部防振ゴム241とによって、ディーゼルエンジン5が走行機体2に支持されることになる。
左右一対の支柱フレーム242,243が、エンジン支持フレーム237上面で、機関脚体240を左右から挟むように立設している。詳細には、左側支柱フレーム242が、機関脚体240の左側後方位置で支持ブラケット242aを介して立設し、右側支柱フレーム243が、機関脚体240の右側前方位置で支持ブラケット243aを介して立設する。支持ブラケット242aが、エンジン支持フレーム237の左縁側の後方に設置されており、支持ブラケット243aが、エンジン支持フレーム237の右縁側の前方に設置されている。ボンネット6後方を覆うボンネットシールド板(遮蔽板)244が、その下縁を機関脚体240上面から離間するように、左右一対の支柱フレーム242,243と連結している。
ボンネットシールド板244は、平面視で屈曲させた形状を有している。すなわち、ボンネットシールド板244は、左側支柱フレーム242の外側(左側)から右方向に向かってフロントガラス321前面と略平行に広がる後方シールド面(第1シールド面)245と、後方シールド面245の右縁で前方向に向かって屈曲させた側方シールド面(第2シールド面)246と、側方シールド面245の前縁で右方向に向かって屈曲させて右側支柱フレーム243と接続される接続面(第3シールド面)247とで構成される。後方シールド面245は、左側支柱フレーム242と接続するとともに、その左縁を左側支柱フレーム242よりも外側(左側)に張り出させた形状となり、フロントガラス321前面から離間して配置される。側方シールド面246は、機関脚体240上面右側に配置されている。接続面247は、その右縁を右側支柱フレーム243前面に一致させて配置するようにして、右側支柱フレーム243と連結している。
ボンネット6内側において、ボンネット6背面側にボンネットシールド板244を配置して、少なくとも排気ガス浄化装置224及び排気管227の背面を覆う。ボンネットシールド板244は、左側支柱フレーム242の左側に張り出した形状とすることで、少なくともディーゼルエンジン5の左側(排気マニホールド204側)背面を覆う。ボンネットシールド板244は、左右一対の支柱フレーム242,243に両縁を接続する構成とすることで、ディーゼルエンジン5背面全体を覆う。そして、ボンネット6背面側において、ボンネットシールド板244右側の領域が開放されており、当該領域に排気管227と接続された蛇腹管228及びテールパイプ229の一部が配置されている。
ボンネット6の背面をボンネットシールド板244で覆うことで、ボンネット6下のエンジンルームにおける熱が、ボンネットシールド板244により遮熱されて、キャビン7側がエンジンルームからの排熱により加温されることを防止できる。従って、キャビン7内におけるオペレータは、ディーゼルエンジン5や排気ガス浄化装置224の排熱の影響をうけることなく、快適に操縦可能となる。ボンネットシールド板244をキャビン7前面から離間させて配置することで、ボンネット6後方に配置されるキャビン7とボンネットシールド板244との間に断熱層を形成している。
また、ボンネットシールド板244は、後方シールド面245に所定周期の凹凸を設けており、ボンネット6下のエンジンルームより発生する音を遮断する。具体的には、ボンネットシールド板244は、後方シールド面245の後方面に、後方へ突起させた矩形状の凸部245aを、上下方向に所定間隔で設けている。ボンネットシールド板244に凹凸を設けることにおり、ボンネット6下のエンジンルーム内のディーゼルエンジン5などから発生する騒音をボンネットシールド板244の凹凸で減衰させて、キャビン7内への騒音伝播を防止できる。
左右一対の梁フレーム248,249をファンシュラウド234及びボンネットシールド板244それぞれの上部で架設させる。左側梁フレーム248の一端(後端)が、ボンネットシールド板244の後方シールド面245を介して、左側支柱フレーム242と連結している。左側梁フレーム248より短い右側梁フレーム249の一端(後端)が、ボンネットシールド板244の接続面247を介して、右側支柱フレーム243と連結している。左右一対の梁フレーム248,249それぞれの他端(後端)が、ファンシュラウド234の上方後面と連結ブラケット234cを介して連結している。走行機体2で安定支持させたファンシュラウド234及びボンネットシールド板244を、一対の梁フレーム248,249により架設させて連結するため、これらの部材が一体的になって全体として堅牢なエンジンルームフレーム体を構成できる。
左右一対の梁フレーム248,249に左右両縁が固着された遮熱板250を有している。遮熱板250は、ボンネット6下で梁フレーム248,249の中途部から後方を覆うようにして、梁フレーム248,249を架設している。遮熱板250は、ディーゼルエンジン5上側の排気ガス浄化装置224及び排気管227上部を覆うように配置されている。梁フレーム248,249を架設するように遮熱板250を固定しているため、遮熱板250により梁フレーム248,249を補強し、エンジンルームフレームをより堅牢な構造とできる。また、排気ガス浄化装置224及び排気管227とボンネット6の間に遮熱板250を配置することで、エンジンルームからの排熱によるボンネット6の加温を防止できる。
ディーゼルエンジン5上部に搭載した排気ガス浄化装置224を、ボンネット6後方内側に位置させており、ボンネット6と排気ガス浄化装置224との間に遮熱板250を配置している。排気ガス浄化装置224の上に遮熱板250を配置することで、排気ガス浄化装置224及びディーゼルエンジン5の排熱によるボンネット6の加温を防止できる。また、ボンネット6と遮熱板250との間に空間を形成して、遮熱板250下側のエンジンルーム内を外気から断熱して、排気ガス浄化装置224を高温環境で動作させることができる。
更に、上記遮熱板250に加えて、ボンネット6背面側に配置して少なくとも排気ガス浄化装置224を背面から覆うボンネットシールド板244を備えている。ボンネット下のエンジンルームにおける熱が、遮熱板250とともにボンネットシールド板244により遮熱されることで、キャビン7内がエンジンルームからの排熱により加温されることを防止できる。また、ボンネットシールド板244と遮熱板250との間に間隔を設けることで、ボンネット6下のエンジンルーム内に熱気をこもり難くして、排気ガス浄化装置224自体やボンネット6等に対する熱害の発生を抑制できる。
走行機体2の前部に搭載されたディーゼルエンジン5と、ディーゼルエンジン5上部に配置されてディーゼルエンジン5の排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置224と、ディーゼルエンジン5の空冷用の冷却ファン206とを備える。ディーゼルエンジン5の前面側に冷却ファン206を配置するとともに、冷却ファン206を覆うファンシュラウド234を走行機体2に固着し、冷却ファン206、ディーゼルエンジン5及び排気ガス浄化装置224をボンネット6で覆う。ディーゼルエンジン5後方を覆うボンネットシールド板244をボンネット6背面に配置し、ボンネットシールド板244を走行機体2に固着させる。左右一対の梁フレーム248,249をファンシュラウド234及びボンネットシールド板244それぞれの上部で架設させる。
フロントガラス321の水滴を除去するワイパー251が、フロントガラス321に枢着している。ワイパー251は、フロントガラス321を通じてキャビン7内部に駆動軸252を挿入させており、駆動軸252を中心として回動する。ワイパー251の駆動軸252は、その前方をボンネットシールド板244の後方シールド面245で覆われている。すなわち、正面視において、走行機体2に搭載したキャビン7の前面を覆うフロントガラス321をふきとるワイパー251の駆動軸252を、ボンネット6の上面後部で覆う。これにより、ワイパー251の駆動軸252やワイパー251の駆動機構に雨水が直接降りかかることを抑制できるとともに、美観を向上できる。
また、フロントガラス321の一部に貫通穴253を設けており、キャビン7内部で支持されている油圧ポンプ254を貫通穴253からキャビン7外部に突出させている。貫通穴253は、ボンネットシールド板244の接続面247に対向する位置に設置されている。従って、油圧ポンプ254を貫通穴253からキャビン7外部に突出させて配置するとき、ボンネットシールド板244との緩衝を防止できる。また、ボンネットシールド板244により油圧ポンプ254の前面が覆われるため、ボンネット6内のエンジンルームからの放熱による加温が防止される。
ボンネットシールド板244は、高温の熱源となる排気ガス浄化装置224後方を覆う後方シールド面245を後方に配置することで、排気ガス浄化装置224の設置空間を設ける一方で、排気管227の後方を覆う接続面244よりも後方に配置することで、接続面244後方に油圧ポンプ254の設置空間を設ける。即ち、ボンネットシールド板244を平面視でクランク状に屈曲させることで、キャビン7(操縦座席8)前方において、エンジンルーム側からの排熱による影響を低減させた空間を広げることができ、油圧ポンプ254などを最適に配置できる。
ボンネット6後方を回動支持するべく、ボンネットシールド板244前面上縁に、ボンネット支持ブラケット255を設けている。ボンネット支持ブラケット255は、左右両縁を屈曲させた形状を有し、ボンネットシールド板244の後方シールド面245及び側方シールド面246に固着させている。すなわち、ボンネット支持ブラケット255は、その背面を後方シールド面245に接続させるとともに、その右縁側で屈曲させた側面を側方シールド面246に接続させる。
また、図16に示すように、ボンネット支持ブラケット255上端側が、ボンネット6後方部分と連結して支持するとともに回動するヒンジ部材263と連結される。ボンネットシールド板244の側方シールド面246は、その上縁側に切欠部246aを備えており、ボンネット支持ブラケット255の右側面の一部がボンネットシールド板244外側からアクセス可能となっている。ボンネット支持ブラケット255は、ボンネット6に連結したヒンジ部材263を仮止めさせる仮止用ピン255aを、左右外側面それぞれから突起させている。また、ボンネット支持ブラケット255は、左右内側面それぞれにおいて、仮止め用ピン255aより上方位置に、ヒンジ部材263を連結させるためのナット255bを具備している。
ボンネット6下方における遮熱板250の左右両側に、伸縮可能なガススプリング(ボンネットダンパ)256,256を配置している。左右一対のガススプリング256,256それぞれの一端(後端)は、左右一対の梁フレーム248,249それぞれの後端側に枢着しており、ガススプリング256,256それぞれの他端(前端)は、ボンネット6上部内側面に枢着している。従って、ボンネット6の前部を持上げることによって、ボンネットシールド板244の上端位置を軸支点としてボンネット6を開動させ、ディーゼルエンジン5のメンテナンス作業等を実行できる。
ボンネット6は、図1〜図4及び図17〜図23に示す如く、前面中央位置にフロントグリル231を備えており、フロントグリル231の左右両側に、フロントライト257,258を上下に配置している。ボンネット6上側の天井部259は、前方から後方に向けて斜め上向きに傾斜させた形状を備えている。この天井部259の後方下側の空間が広くなり、ボンネット6内部のエンジンルームにおいて、排気ガス浄化装置224を収容する空間を大きく形成できる。また、ボンネット6は、左右側面部269それぞれの前方に開口穴268を有しており、ボンネット6の左右両側から冷却風を開口穴268を通じて取り込む。更に、ボンネット6は、天井部259の前方にも開口穴270を設けており、ボンネット6の前側上方からも冷却風を開口穴270を通じて取り込む。
排気ガス浄化装置224上側を覆う遮熱板250とボンネット6の天井部259とを十分に離間させて、空間を形成することにより、エンジンルーム内のヒートバランスを良好に維持できる。また、ボンネット6前面中央の広い領域に、冷却風取り込み用のフロントグリル231を配置することで、エンジンルーム内にほどよく冷却風を供給でき、ボンネット6内における熱だまりを防止できる。更に、ボンネット6両側面部269及び天井部259の前側にも開口穴268,270を設けているため、ボンネット6下のエンジンルーム内の冷却構造を最適化できる。
ボンネット6の左右後方下側の広い領域に、全面にパンチ穴を設けたエンジンカバー232を配置しているため、ディーゼルエンジン5及び排気ガス浄化装置224により加熱された空気を外部に放出できる。一方、エンジンカバー232の上端位置を、排気ガス浄化装置224の下方に位置させることにより、ボンネット6による排気ガス浄化装置224の保温効果を高め、高温での再生動作を可能とする。
図16〜図23に示す如く、ボンネット6の天井部259は、その後縁に切欠部260を設けた形状を有しており、切欠部260後方に、ワイパー251の駆動軸252に配置することで、ボンネット6正面視で、駆動軸252をボンネット6の天井部259後部で覆う。ボンネット6は、天井部259裏面に対して、天井部259後部側を左右方向に架設する後部フレーム枠261と、天井部259中途部を左右方向に架設する中途部フレーム枠262とを固着させている。後部フレーム枠261及び中途部フレーム枠262は、ボンネット6の内周面に沿って湾曲させた形状を有しており、後部フレーム枠261及び中途部フレーム枠262それぞれの両端部が、ボンネット6の左右側面部269の内側面に固着されている。
天井部259裏面側において、後部フレーム枠261の中央位置には、ボンネット支持ブラケット255のヒンジ部材263に外嵌させて固着させたボンネット側連結部材(支持部材)264を設けている。ボンネット6の天井部259に対して縦フレーム271を前後に延設させて、後部フレーム枠261の左右中央位置と中途部フレーム枠262の左右中央位置とを連結している。ボンネット側連結部材264は、後部フレーム枠261に後端が固着された縦フレーム271とも連結している。
天井部259裏面側には、ヒンジ部材263後端の左側となる位置に、ボンネットシールド板244の後方シールド面245上側を延長させる左後方遮蔽部材(シールド板)266を設けている。ボンネット側連結部材(支持部材)264後端の右側となる位置に、ボンネットシールド板244の接続面246を延長させる右後方遮蔽部材(シールド板)267を設ける。連結板材272が、後部フレーム枠21より後方位置で天井部259裏面と連結して、ボンネット側連結部材264の左側位置に配置されている。左後方遮蔽部材266は、連結板材272の後縁に接続されている。右後方遮蔽部材267は、後部フレーム枠21の後縁に接続されている。
ボンネット6は、左右側面部269の内側面から突起させた遮蔽突起部(遮蔽板)273を上下方向に延設し、遮蔽突起部273先端をシール部材274で被嵌している。遮蔽突起部273は、ラジエータ235の左右側部近傍に対応する位置に配置されている。より具体的には、遮蔽板273は、ボンネット6の開口部268より後方となる位置で、開口部268の後縁に沿って上下に延伸するように、突設されている。従って、ボンネット6を閉じたとき、遮蔽突起部273は、ラジエータ235背面に位置するファンシュラウド234の側方遮蔽部234bに当接する。
中途部フレーム枠262は、天井部259の左右両側で下方に屈曲させた左右面の上方位置に、内側に突出させた軸265を設けており、左右一対のガススプリング256の前端がそれぞれ左右の軸265に枢着している。左右のガススプリング256それぞれの後端には、ロッド256aが挿入されている。梁フレーム248,249それぞれの後端側には、ガススプリング256のロッド256a後端を軸支する支持部248a,249aを設けている。ガススプリング256は、図22に示す如く、ボンネット6を開いた時には、ロッド256aを伸張させると同時に、支持部248a,249に対して回動して、中途部フレーム枠262でボンネット6前側を支持する。
ヒンジ部材263は、ボンネット6に固定される回動部275と、ボンネットシールド板244に固定される固定部276とを備えており、回動部275を固定部276に対して回転可能に枢着した構成を有する。回動部275は、天井部259に固定されているボンネット側連結部材264に締結されて、天井部259裏面に固定されている。固定部276は、左右両縁を屈曲させて、平面視で略Uの字(コの字)形状を備えている。固定部276の左右側面は、下縁の一部を上側に切り欠いた切欠溝263aと、ボルト255cが挿入されるボルト挿入穴263bとを有している。回動部275の後端には、左右方向に延びた軸筒277を設けており、軸筒277に挿入される芯棒(回転軸)278の左右両端を固定部276の左右側面上端で枢着している。
図16に示す如く、ヒンジ部材263は、ボンネット支持ブラケット255上方より固定部276を嵌め合わせて、ボンネット支持ブラケット255の前方を覆うようにして固定部276を配置させる。このとき、ボンネット支持ブラケット255の仮止用ピン255aを固定部276の切欠溝263aに嵌め合わせることで、ボンネット支持ブラケット255に対してヒンジ部材263の固定位置に誘導できる。即ち、切欠溝263aに仮止用ピン255aを挿入させて、固定部276の左右側面の内側を、ボンネット支持ブラケット255の左右側面の外側と当接させた状態で、固定部276をボンネット支持ブラケット255に固定させる。
そして、ボンネット支持ブラケット255の仮止ピン255aに対してナット255dを螺着させるとともに、ボンネット支持ブラケット255のナット255bにボルト255cを螺着させて、ボンネット支持ブラケット255にヒンジ部材263を締結させる。即ち、固定部276の切欠溝263aに挿入されている仮止ピン255aにナット255dを締結するとともに、固定部276のボルト挿入穴263bに挿入されるボルト255cをナット255bに締結して、固定部276をボンネット支持ブラケット255に固定させる。このとき、固定部276とボンネット支持ブラケット255とによって、矩形断面枠を構成するため、ボンネット支持ブラケット255に対してヒンジ部材263を高剛性で支持でき、ボンネット6を開いたときに十分な支持強度を得られる。
ディーゼルエンジン5後方を覆うボンネットシールド板244を、走行機体2に固着させてボンネット6背面に配置するとともに、ボンネット6と排気ガス浄化装置(後処理装置)224との間に遮熱板230を配置している。ボンネット6の開閉動作において、ボンネットシールド板244の上端位置を支点として、ボンネット6を回動させる。
また、ボンネットシールド板244を、ボンネット6後方に配置されるキャビン7前方から離間させて配置するとともに、ボンネットシールド板244の前面両側に、走行機体2と平行となる梁フレーム248,249を設けている。ボンネット6が、ボンネット6後端位置に回動部275を接続させたヒンジ部材263と、ボンネット6前側に一端を接続して伸縮するダンパー(ガススプリング)256とを有している。ヒンジ部材263の固定部276をボンネットシールド板255の上縁側に設けたボンネット支持部(ボンネット支持ブラケット)255に接続させるとともに、ダンパー256の他端を梁フレーム248,249で回動可能に支持している。
図17に示す如く、ボンネット6を閉じた状態で、ファンシュラウド234側面に設けられた側方遮蔽部234bに、ボンネット6の両側面部269内側に突設させた遮蔽突起部273を当接させる。遮蔽突起部273前方に設けた開口部268から取り込まれた冷却空気は、遮蔽突起部273及び側方遮蔽部234bにより、ボンネット6内の枠フレーム226及びラジエータ235外側となる空間における後方への流れが遮断される。従って、開口部268から吸引された冷却空気が、枠フレーム226の前面及び左右側面におけるメッシュ状の板材の網目を強制的に通過する。
図18に示す如く、ボンネット6を閉じた状態で、ファンシュラウド234上面に設けられた上方遮蔽部234aに、ボンネット6の天井部259裏面を近接させる。上方遮蔽部234aの前方に位置する開口部270から取り込まれた冷却空気は、上方遮蔽部234aにより、ボンネット6内の枠フレーム226及びラジエータ235外側となる空間における後方への流れの一部が遮断される。従って、開口部268から吸引された冷却空気の多くが、枠フレーム226の前面及び左右側面におけるメッシュ状の板材の網目を強制的に通過することとなる。
上述のように、ボンネット6を閉じた状態で、遮蔽突起部273及び側方遮蔽部234bが開口部268後方に位置するとともに、上方遮蔽部234aが開口部270後方に位置するため、枠フレーム226に大量の冷却を吸引させることができる。従って、エンジンルーム前方に設けられているラジエータ235やインタークーラ等の各種冷却部材の冷却効果を高めることができる。また、ファンシュラウド234に囲われた冷却ファン206により大量の冷却空気を吸引することができるため、発熱体となるエンジン5に冷却空気を供給できるため、エンジンルーム内のヒートバランスを良好なものとできる。
ボンネット6は、左右両側部(側面部)269に開口穴268を形成しており、ラジエータ235の左右側部近傍に対応する位置に遮蔽板(遮蔽突起部)273を配置している。従って、開口穴268から吸い込まれる冷却風をラジエータ235の前面側に送り込めることとなり、ラジエータ235を通過する冷却風量を増大させ、ラジエータ235を効率よく空冷できる。また、走行機体2の前部にラジエータ235を立設し、冷却ファン206を囲うファンシュラウド234をラジエータ235の背面側に取り付けており、ボンネット6を閉じた際に、ボンネット6に設けた遮蔽板273をファンシュラウド234の左右両側部に当接させる。
ボンネット6は更に、天井部259に開口穴270を形成しており、ファンシュラウド234は、上面で左右方向に延伸させた上方遮蔽部234aと、左右側面で上下方向に延伸させた左右一対の側方遮蔽部234bとを備えている。そして、ボンネット6を閉じた際、上方遮蔽部234aをボンネット6の天井部259裏面に近接させるとともに、側方遮蔽部234bをボンネット6の遮蔽板に当接させる。ボンネット6の天井部259及び左右両側部269それぞれの開口穴270,268をファンシュラウド234よりも前方に位置させている。
なお、本願発明における各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。