A.第1実施形態:
A−1.液体消費システムの構成::
図1は、液体消費システム1000の概略構成を示す第1の斜視図である。図2は、液体消費システム1000の概略構成を示す第2の斜視図である。図3は、液体供給装置20を説明するための第1の図である。図4は、液体供給装置20を説明するための第2の図である。図5は、液体供給装置20を説明するための第3の図である。なお、図3及び図4では、後述する液体収容体50が取り外された状態を示している。また、図5では、一つの液体収容体50が取り付けられている状態を示している。図1〜図5には、互いに直交するXYZ軸が描かれている。
図1に示すように、液体消費システム1000は、液体消費装置としてのプリンター10と、2つの液体供給装置20とを備える。液体消費システム1000の使用状態では、プリンター10はX軸方向とY軸方向によって規定される水平な面に設置される。すなわち、Z軸方向が鉛直方向(重力方向,上下方向)となる。また、−Z軸方向が鉛直下方向となり、+Z軸方向が鉛直上方向となる。液体供給装置20は、プリンター10に液体としてのインクを供給する。液体供給装置20が備える液体収容体50(液体収容容器ユニット50)は、プリンター10に対して着脱可能に接続(装着)できる。なお、液体供給装置20の少なくとも一部は、プリンター10の構成要素として捉えても良い。例えば、液体供給装置20のうちの後述する液体収容体を除く構成を、プリンター10の構成要素として捉えても良い。
プリンター10は、インクジェットプリンターである。プリンター10は、記録機構11と、給紙トレイ16と、排出トレイ17とを備える。給紙トレイ16は、鉛直方向の異なる高さ位置に複数設けられている。給紙トレイ16は、プリンター10の正面としての装置第1面(装置前面)102に設けられている。給紙トレイ16には、プリンター10によって文字等の画像が印刷(記録)される記録媒体(例えば、用紙)が収容される。
記録機構11は、インクを吐出する記録ヘッド(図示せず)を備える。記録ヘッドは、チューブ等の流通管を介して液体供給装置20と連通している。記録ヘッドは、液体供給装置20から供給されたインクを用いて記録媒体上にインクを吐出することで記録(印刷)を行う。記録された記録媒体は排出トレイ17に排出される。
2つの液体供給装置20は、プリンター10にインクを供給する。2つの液体供給装置20は、プリンター10の装置第1面(装置前面又は装置前壁とも呼ぶ)102と交差する装置第2面(装置第1側面又は装置第1側壁とも呼ぶ)104及び装置第3面(装置第2側面又は装置第2側壁とも呼ぶ)106に設けられている。装置第1面102〜装置第3面106はそれぞれ、プリンター10の使用状態において設置面に対して略垂直な面である。装置第2面104と装置第3面106とは対向する。ここで、装置第2面104に設けられた液体供給装置20を第1の液体供給装置20Aとも呼び、装置第3面106に設けられた液体供給装置20を第2の液体供給装置20Bとも呼ぶ。なお、第1と第2の液体供給装置20A,20Bを区別することなく用いる場合は、単に液体供給装置20と呼ぶ。
図1に示すように、第1の液体供給装置20Aは、1つの液体収容体収容部としてのカバー部材22と、1つの液体収容体50と、1つの着脱ユニット(液体供給接続ユニット)30(図3)とを備える。図2に示すように、第2の液体供給装置20Bは、1つの液体収容体収容部としてのカバー部材22Bと、3つの液体収容体50と、各液体収容体50に対応した3つの着脱ユニット30(図4)とを備える。ここで、2つのカバー部材22を区別して用いる場合は、符号「22A」,「22B」を用いる。また、4つの液体収容体50を区別して用いる場合は、符号「50K」,「50C」,「50M」,「50Y」を用いる。また、4つの着脱ユニット30を区別して用いる場合は符号「30K」,「30C」,「30M」,「30Y」を用いる。なお、カバー部材22、液体収容体50、着脱ユニット30の個数は上記に限定されるものではない。例えば、液体収容体50は3つ以下であっても良いし、5つ以上であっても良い。また、着脱ユニット30は、液体収容体50の個数に対応して設けられても良い。また、カバー部材22は、1つであっても良いし、3つ以上であっても良い。
4つの液体収容体50には、相互に異なる種類のインクが収容(充填)されている。本実施形態では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)のインクが、それぞれ異なる液体収容体50に収容されている。液体収容体50Kはブラックのインクを収容した液体収容部を有し、液体収容体50Cはシアンのインクを収容した液体収容部を有し、液体収容体50Mはマゼンタのインクを収容した液体収容部を有し、液体収容体50Yはイエローのインクを収容した液体収容部を有する。図3及び図4に示すように、液体収容体50は、カバー部材22で区画される液体収容体50を収容するための収容空間部26に収容される。具体的には、液体収容体50Kは収容空間部26A(図3)に収容され、液体収容体50C,50M,50Yは収容空間部26B(図4)に収容される。また、収容空間部26内には、着脱ユニット30が配置されている。
図3及び図4に示す着脱ユニット30は、液体収容体50を着脱自在に装着する。着脱ユニット30Kはカバー部材22Aの内側に配置され、着脱ユニット30C,30M,30Yはカバー部材22Bの内側に配置されている。図3に示すように、着脱ユニット30Kは、プリンター10の装置第2面104に設けられている。図4に示すように、着脱ユニット30C,30M,30Yは、プリンター10の装置第3面106に設けられている。着脱ユニット30に液体収容体50が装着された場合、プリンター10が備えるポンプ機能を有する供給機構(図示せず)によって液体収容体50に収容されたインクがプリンター10の記録ヘッドに供給される。
図3に示すように、カバー部材22Aは、プリンター10の外壁である装置第2面104に取り付けられている。図4に示すように、カバー部材22Bはプリンター10の外壁である装置第3面106に取り付けられている。図3及び図4に示すように、カバー部材22は、鉛直下方向側の一端部(底部)23を支点として鉛直上方向側の他端部(上部)24を回転させることで開閉自在に構成されている。液体収容体50が収容するインクが消費された後は、利用者は、カバー部材22を開いて消費された液体収容体50を着脱ユニット30から取り外す。そして、利用者は、新たな液体収容体50を着脱ユニット30に装着した後にカバー部材22を閉じる。なお、インクが消費された後の液体収容体50は、例えば廃棄処分される。
図5に示すように、カバー部材22は、収容空間部26の底部を形成する底面27を有する。底面27は、着脱ユニット30よりも重力方向下側に位置する。底面27は、液体収容体50の底部(詳細には、液体収容部52の底部)が接する部分である。なお、底面27に突起部を設け、突起部と液体収容体50の底部が接しても良い。
図5に示すように、液体収容体50は、収容部支持アセンブリ51と、収容部支持アセンブリ51に接続された液体収容部52とを備える。収容部支持アセンブリ51は、着脱ユニット30と接続するための部材(後述する液体供給部及び回路基板)を備える。液体収容体50が着脱ユニット30に装着された状態(装着状態)では、収容部支持アセンブリ51よりも液体収容部52が重力下方向側に位置する。
A−2.着脱ユニット30の概略構成および装着方法について:
図6は、着脱ユニット30の第1の斜視図である。図7は、着脱ユニット30の第2の斜視図である。図8は、図6の上面図である。図9は、図8のF8−F8部分断面図である。図10は、図7の上面図である。図11は、図10のF10−F10部分断面図である。図6は、可動支持部(可動部材)40が固定部材35に対し最も外方に突出した第1の状態(セット時状態)を示している。図7は、可動支持部40が固定部材35に収容された第2の状態(装着時状態)を示している。また、図8〜図11には、着脱ユニット30に支持された液体収容体50も図示している。図6〜図11では、着脱ユニット30Cを例に構成についての説明を行うが、他の着脱ユニット30K,30M,30Yについても着脱ユニット30Cと同様の構成を有する。図6〜図11には、互いに直交するK1軸,K2軸,Z軸が描かれている。また、これ以降の図についても必要に応じてK1軸,K2軸,Z軸が描かれている。
図6及び図7に示すように、着脱ユニット30は、固定部材(固定部)35と、可動支持部(可動部材)40とを備える。固定部材35は、プリンター10の筺体(例えば、外壁である装置第3面106)に取り付けられていることで支持される。可動支持部40は、固定部材35に対して移動可能に固定部材35に支持される。すなわち、液体供給接続ユニットとしての固定部材35は、可動支持部40の第1の方向(−K1軸方向)又は第2の方向(+K1軸方向)への移動を案内する。この案内は、固定部材35の後述する移動案内部によって行われる。第1の方向は液体収容体50の接続方向であり、第2の方向は液体収容体50の取り外し方向である。可動支持部40は、第1と第2の突出部材408A,408Bを備える。第1と第2の突出部材408A,408Bは、可動支持部40の底部から+Z軸方向側に延びる板状部材である。また、第1の突出部材408Aの上端部側は、−K2軸方向側に延びる。また、第2の突出部材408Bの上端部は、+K2軸方向側に延びる。この第1と第2の突出部材408A,408Bは、液体収容体50を可動支持部40にセットしたときに、可動支持部40の後述するハンドル部と対向する。なお、第1と第2の突出部材408A,408Bを区別することなく用いる場合は「突出部材408」と呼ぶ。
図7に示すように、固定部材35は、液体導入ユニット(液体導入機構)36と電気接続ユニット(電気接続機構)38とを備える。液体導入ユニット36と電気接続ユニット38とは、K2軸方向に並んで配置されている。液体導入ユニット36は、液体収容体50のインクが導入する液体導入部362を有する。液体導入部362は、プリンター10の記録ヘッドと連通している。液体導入部362は、内部にインクが流通できる針状である。液体導入部362は、中心軸CLを有し、中心軸CL方向に延びる筒状である。この中心軸CLに沿った方向(液体導入部362が延びる方向)をK1軸方向とする。K1軸方向は、Z軸方向及びK2軸方向と直交する。電気接続ユニット38は、複数の装置側端子381を有する。複数の装置側端子381は、液体収容体50の回路基板が接触することで回路基板と電気的に接続される。本実施形態では、装置側端子381の個数は9つである。
K1軸方向とK2軸方向とによって規定される面と、図1に示すX軸方向とY軸方向とによって規定される面とは平行である。K1軸方向のうち、プリンター10の外方へ向かう方向が+K1軸方向であり、プリンター10の内方に向かう方向が−K1軸方向である。図6及び図7に示すように、可動支持部40は、固定部材35に対してK1軸方向に移動可能に固定部材35に支持されている。−K1軸方向は、可動支持部40が固定部35に近づく方向であり、+K1軸方向は、可動支持部40が固定部35から離れる方向である。
液体収容体50は、以下の2つの操作を実行することで着脱ユニット30に装着される。液体収容体50が着脱ユニット30に装着された状態を「装着状態(接続状態)」とも呼ぶ。装着状態(接続状態)とは、液体収容体50の液体供給部57(図8)が着脱ユニット30の液体導入部(液体導入針)362に接続され、かつ、液体収容体50の回路基板582(図8)が着脱ユニット30の装置側端子381と電気的に接続された状態である。装着状態では、液体収容体50に収容されているインクがプリンター10側に流通可能な状態となる。
・第1の操作(セット操作):
利用者は、着脱ユニット30を第1の状態にした後に、液体収容体50をセット方向に移動させて可動支持部40にセットする(図8及び図9)。
・第2の操作(接続操作):
第1の操作後に、利用者は液体収容体50を介して可動支持部40を固定部材35側に押し進めることで着脱ユニット30を第2の状態にする(図10及び図11)。
図9に示すように、セット方向は、重力下方向成分を含む方向である。本実施形態では、セット方向は重力下方向である。また、第2の操作は、可動支持部40を−K1軸方向に移動させる操作である。
図8及び図9に示すように、着脱ユニット30を第1の状態にした後に、液体収容体50を可動支持部40の所定の位置にセットする。液体収容体50がセットされた状態(セット状態)では、液体収容体50の基板ユニット(収容体側電気接続部)58が有する回路基板582が、装置側端子381と向かい合う位置に配置される。またセット状態では、液体収容体50の液体供給ユニット55が有する液体供給部57が、液体導入部362と向かい合う位置に配置される。また、図9に示すように、セット状態では、液体収容体50は、液体収容部52が収容部支持アセンブリ51よりも重力下方向となるように可動支持部40に支持される。
液体収容体50が可動支持部40にセットされた後に、図9の矢印Fに示すように、利用者は液体収容体50(詳細には、押圧部545)を−K1軸方向側に押す。これにより、液体収容体50及び可動支持部40は接続方向(−K1軸方向)に移動する。押圧部545を押すことで液体収容体50を−K1軸方向に移動させた場合、押圧部545よりも重力上方向側に位置する操作部材53が撓む場合がある。このとき、突出部材408が操作部材53に当接することで、操作部材53の撓みを抑制することができる。図11に示すように、着脱ユニット30の第2の状態では、液体供給部57内に液体導入部362が挿入(接続)される。また、第2の状態では、回路基板582(詳細には後述する接触部)と電気接続部の装置側端子381(図7)とが接触することで、回路基板582と装置側端子381とが電気的に接続される。
着脱ユニット30の第2の状態では、着脱ユニット30のロック機構200によって可動支持部40は固定部材35に対する+K1軸方向側への移動が規制されている。なお、第2の状態において、可動支持部40を固定部材35に対して内側方向(−K1軸方向、第1の方向)に押し付けることでロック機構200によるロックが解除される。これにより、可動支持部40を固定部材35に対して外方(+Z軸方向)に突出するように移動させて、着脱ユニット30の状態を第2の状態から第1の状態に切り替えることができる。図6及び図7では、ロック機構200のうち、係合部材201と、係合部材201を付勢するばね210が図示されている。係合部材201は、可動支持部40と係合する部分(接続部側係合部)を有し、この係合によって可動支持部40の+K1軸方向側への移動が規制される。係合部材201は、接点機構38の真下に配置されている。
A−3.液体収容体50の詳細構成:
図12は、液体収容体50の第1の斜視図である。図13は、液体収容体50の第2の斜視図である。図12及び図13には、液体収容体50が着脱ユニット30に装着された状態(装着状態)におけるZ軸、K1軸、K2軸を示している。また、図12及び図13は、液体としてのインクが充填され、かつ、着脱ユニット30に装着される前(インクがプリンター10によって消費される前)の状態(未使用状態、初期状態)における液体収容体50を示している。図12以降の図面では、液体収容体50Cを例に構成についての説明を行うが、液体収容体50K,50M,50Yについても液体収容体50Cと同様の構成である。
互いに直交するZ軸、K1軸、K2軸は以下のように定義できる。液体収容体50がプリンター10に接続された状態において、Z軸方向は重力方向(鉛直方向)である。+Z軸方向が重力上方向(鉛直上方向)であり、−Z軸方向が重力下方向(鉛直下方向)である。また、Z軸方向を第3の方向とも呼ぶ。K1軸に沿った方向であるK1軸方向は、水平方向である。また、−K1軸方向は、液体収容体50をプリンター10に接続するときの、液体収容体50の接続方向(移動方向、第1の方向)である。すなわち、後述するように、液体収容体50はプリンター10に接続されるとき、後述する液体供給ユニット55(図12)が接続方向(−K1軸方向)に移動することで、液体供給ユニット55(詳細には液体供給部57)がプリンター10に設けられた液体導入部(液体受入部)362に接続され、基板ユニット58(詳細には、回路基板582)がプリンター10に設けられた電気接続部の装置側端子381(図6)に接続される。また、+K1軸方向は、液体収容体50をプリンター10から取り外す際の取外し方向である。なお、本実施形態では、接続方向は、水平方向である−K1軸方向であるが、これに限定されるものではない。接続方向は、水平方向成分を含む方向であれば良い。また、K2軸方向は、重力方向(Z軸方向)とK1軸方向とに直交する方向である。
図12に示すように、液体収容体50は、液体収容部52と、液体収容部52に取り付けられた収容部支持アセンブリ51と、を備える。液体収容部52は、液体としてのインクを収容可能である。液体収容部52は、外表面が露出した状態で収容部支持アセンブリ51に取り付けられている。すなわち、液体収容部52は、ケースなどに収容されることなく外部から視認可能に構成されている。液体収容部52は、収容されたインクの減少に伴って容積が減少する。ここで、液体収容体50の−K1軸方向側を第1の側53faとし、+K1軸方向側を第2の側53fbとする。
液体収容部52は、第1のシート521と、第2のシート522と、第3のシート523とを有する。第1〜第3のシート521〜523は、内側にインクを収容するための空間部を区画する。ここで、液体収容部52のうち、収容部支持アセンブリ51が取り付けられた側を一端(一端部、上端)501側とし、一端501と対向する側を他端(他端部、底端)502側とする。また、液体収容部52のうち、一端側(+K2軸方向側)を第1側端(第1側端部)503側とし、他端側(−K2軸方向側)を第2側端(第2側端部)504側とする。
図12及ぶ図13に示すように、液体収容体50の装着状態において、第1のシート521及び第2のシート522は液体収容部52の側面を構成する。また、液体収容体50の装着状態において、第3のシート523は液体収容部52の底面を構成する。第1のシート521及び第2のシート522は、向かい合って配置されている。第1のシート521及び第2のシート522は、互いの周縁領域51Wの一部が溶着されている。詳細には、周縁領域51Wのうち、一端501側部分と、第1側端503側部分と、第2側端504側部分とが溶着されている。理解の容易のために、図12及び図13において、第1と第2のシート521,522が溶着された部分にはクロスハッチングを付している。また、液体収容部52の一端部501(詳細には、第1と第2のシート521,522の一端部)には収容部支持アセンブリ51が溶着されている。すなわち、収容部支持アセンブリ51は、液体収容部52の一端部501に位置する部材である。理解の容易のために、図12及び図13において、収容部支持アセンブリ51と第1及び第2のシート521,522との溶着部分には実線のシングルハッチングを付している。
図12に示すように、第3のシート523の周縁領域51Yと、第1のシート521及び第2のシート522の周縁領域51Wの一部とが溶着されている。第3のシート523が第1及び第2のシート521,522に溶着された部分には一点鎖線のシングルハッチングを付している。このように、本実施形態の液体収容部52は、3つのシート521,522,523を溶着等によって接着したタイプ(いわゆる、底面を有するパウチタイプ)である。
第1〜第3のシート521〜523はそれぞれ、可撓性を有する部材である。第1〜第3のシート521〜523の材料(材質)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET),ナイロン,ポリエチレンなどが用いられる。また、これらの材料で構成されたフィルムを複数積層した積層構造を用いて第1〜第3のシート521〜523を形成しても良い。このような積層構造では、例えば、外層を耐衝撃性に優れたPET又はナイロンによって形成し、内層を耐インク性に優れたポリエチレンによって形成しても良い。さらに、アルミニウムなどを蒸着した層を有するフィルムを積層構造の1つの構成部材としても良い。これにより、ガスバリア性を高めることができるので、例えば液体収容部52に収容されたインクの濃度変化を抑制できる。このように、液体収容部52の材質は任意に設定できる。
また、液体収容部52の形状と大きさとはそれぞれ任意に設定できる。例えば、ブラックのインクを収容する液体収容部52は、他の色(例えば、シアン)のインクを収容する液体収容部52よりも容積(大きさ)を大きくしても良い。また例えば、液体収容部52は、本実施形態では第1〜第3のシート521〜523を溶着等によって接着したタイプであったが、第3のシート523を省略し、第1と第2のシート521,522を溶着等によって接着したタイプ(いわゆる、ピロータイプ)としても良い。ここで、上述のごとく、液体収容部52と操作部材53とは別部材である。よって、操作部材53は同じ部品を用いつつ、容易に液体収容部52の種類(形状と大きさと材質)を変更できる。すなわち、液体収容部52に収容される液体の特性や量等に応じて液体収容部52の形状と大きさと材質とを設定できるため、設計の自由度が向上できる。
収容部支持アセンブリ51は、操作部材(ハンドル部)53と、液体供給ユニット55と、基板ユニット(収容体側電気接続部)58とを備える。操作部材53は、K1軸方向に開口する枠状の部材である。操作部材53は、+Z軸方向側の端部に位置する把持部54と、−Z軸方向側端部に位置する押圧部545(図13)と、を有する。把持部54は、利用者が液体収容体50を支持(把持)するための部分である。把持部54は、K2軸方向に沿って延びる。
押圧部545は、液体収容体50をプリンター10に接続するときに、利用者によって押圧される部分である。すなわち、押圧部545は手動で押圧される部分である。押圧部545を−K1軸方向(第1の方向)側に押すことで、液体収容体50がセットされた可動支持部40(図9)を−K1方向側に移動させる。押圧部545は、操作部材53のうち液体供給ユニット55及び基板ユニット58が設けられた側とは反対側に設けられている。すなわち、図18及び図19に示すように、押圧部545は、液体供給ユニット55及び基板ユニット58の+K1軸方向側(第2の側53fb)に位置する。押圧部545は、操作部材53から外方(+K1軸方向)に突出して設けられている。これにより、押圧部545と他の部分とを識別し易くできる。
図12に示すように、液体供給ユニット55と基板ユニット58とはそれぞれ、操作部材53の−Z軸方向側の端部に設けられている。液体供給ユニット55と基板ユニット58とは、K2軸方向に並んで配置されている。液体供給ユニット55は、液体収容部52に収容されたインクを外部(例えば、図7の液体導入部362)に供給するための機能を有する。基板ユニット58は、接点機構38の装置側端子381と電気的に接続する機能を有する。液体供給ユニット55と基板ユニット58とは操作部材53から外方(−K1軸方向)に突出して設けられている。液体供給ユニット55と基板ユニット58との突出方向は同じである。なお、基板ユニット58の突出方向と、液体供給ユニット55の突出方向とは、同じでなくても良く、略平行であれば良い。また、基板ユニット58と液体供給ユニット55とは、操作部材53に対して同じ側(−K1軸方向側)に向かって操作部材53から突出している。
図14は、液体収容体50の一部分を示す第1の斜視図である。図15は、液体収容体50の一部分を示す第2の斜視図である。図16は、液体収容体50の一部分を示す第3の斜視図である。図17は、液体収容体50の一部分を示す第4の斜視図である。図18は、液体収容体50の一部分の正面図である。図19は、液体収容体50の一部分の背面図である。図20は、液体収容体50の一部分の上面図である。図21は、液体収容体50の一部分の右側面図である。図22は、図18のF18−F18断面図である。図23は、回路基板582の正面図である。図24は、図23の矢視F24である。図25は、図18のF18a−F18a部分断面図である。図14〜図22において、液体収容体50が備える液体収容部52の図示は省略している。
ここで、操作部材53について、Z軸方向を「高さ方向」とも呼び、K1軸方向を「厚み方向」とも呼び、K2軸方向を「幅方向」とも呼ぶ。また、本実施形態において、操作部材53についての「高さ方向」、「厚み方向」、「幅方向」は、液体収容体50の「高さ方向」、「厚み方向」、「幅方向」に対応する。本実施形態では、液体収容体50は、高さ、幅、厚みの順で長さが大きい。
図14及び図15に示すように、操作部材53は、把持部54に加え、第1の接続部546と、第2の接続部547と、基部548と、取付部549とを備える。取付部549は、液体収容部52が溶着などによって取り付けられる部分である。
把持部54と、第1の接続部546と、第2の接続部547と、基部548とはそれぞれ棒状である。把持部54と、第1の接続部546と、第2の接続部547と、基部548とによって枠状の部材が形成される。これにより、操作部材53には、利用者の手を受け入れるための略矩形状の受入空間部542が区画形成される。図16に示すように、把持部54は、受入空間部542と接する把持面(支持面)541を有する。把持面541は、装着状態においてZ軸方向に略垂直な平面である。
図14に示すように、基部548は、K2軸方向に沿って延びる。基部548には、液体供給ユニット55と基板ユニット58とが取り付けられている。すなわち、液体供給ユニット55と基板ユニット58とは、ハンドル部53の基部548を介して互いに連結されている。これにより、液体供給ユニット55と基板ユニット58とが基部548の動きに連動する。すなわち、利用者は、一つの部材(本実施形態では基部548)の動きを操作することで、プリンター10に液体収容体50を接続するために用いられる液体供給ユニット55及び回路基板保持部59の動きを操作できる。ここで、「連結」とは、連結されている部材同士が互いに連動して動くように接続されていることを言う。
取付部549は、基部548を挟んで把持部54が位置する側とは反対側に位置する。取付部549は、基部548と隣接する。取付部549は、K2軸方向に沿って延びる。取付部549は、液体収容部52の一端部501(図12)が溶着等によって取り付けられる部分(接合される部分)である。また、図18及び図19に示すように、取付部549は液体収容部52に収容されたインクを液体供給部57に流通させるための導出部550を有する。導出部550に流路部材70が接続されることで、流路部材70を流れたインクが導出部550を介して後述する液体供給部57に流通する。なお、理解の容易の為に、図18及び図19には、取付部549のうち液体収容部52が取り付けられる部分にはシングルハッチングを付している。
図14及び図15に示すように、液体供給ユニット55は、液体供給部(液体導出部)57と収容部側支持部56とを備える。但し、収容部側支持部56は液体供給部57とは別体で構成され、液体供給部57との間に僅かな隙間が形成されている。
液体供給部57は、液体収容部52に収容されたインクをプリンター10に流通させる。液体供給部57は、一端である液体供給口572と、他端である供給接続部573とを有する。液体供給口572は、液体収容部52の内部と連通し、液体収容部52に収容されたインクを外部(プリンター10)に流出させる。液体供給部57は、プリンター10のインクを供給する際に、操作部材53から重力方向(Z軸方向)と交差する方向である第1の方向(−K1軸方向)を向くように延びる。液体供給口572は、液体収容体50の装着状態において、液体導入部362(図7)が挿入される。液体供給口572は、平面(Z軸方向とK2軸方向によって規定される面)を規定する。液体供給口572は、第1の方向(−K1軸方向、接続方向)に向かって開口する。ここで、開口方向は、液体供給口572が規定する平面に垂直な方向であって、かつ、外部に向かう方向である。なお、液体供給口572は、第1の方向に向かって開口する態様に限定されるものではなく、第1の方向成分を含む方向に向かって開口していれば良い。
供給接続部573は操作部材53に接続されている。液体供給部57は、中心軸CTを備える。中心軸CTは、K1軸方向と平行である。液体供給部57は、K1軸方向(中心軸CT方向)に沿って延びる筒状部材(環状部材)である。ここで、K1軸方向のうち、液体供給口572から供給接続部573に向かう方向が+K1軸方向であり、供給接続部573から液体供給口572に向かう方向が−K1軸方向である。
図20に示すように、液体収容体50を+Z軸方向側(把持部54が位置する側)から見たときに、液体供給口572は操作部材53と重ならない位置に配置されている。
図14に示すように、液体収容体50の未使用状態では、液体供給口572がフィルム99によって塞がれている。これにより、液体収容体50が着脱ユニット30(図5)に装着される前において、液体供給口572からインクが外部に漏れ出すことを抑制できる。フィルム99は、液体収容体50が着脱ユニット30に装着する際に液体導入部362(図6)によって破られる。
図14〜図16に示すように、液体供給部57のうち、中心軸CTを中心とした外周には位置決め部577が設けられている。位置決め部577は、液体収容体50をプリンター10に接続するときに、液体導入部362の後述する供給部位置決め部と当接することで、液体供給部57の液体導入部362に対する位置決めを行う。位置決め部577は、液体供給部57の一部と捉えても良い。
位置決め部577は、第1の収容体側位置決め部577aと、第2の収容体側位置決め部577bと、第3の収容体側位置決め部577cと、第4の収容体側位置決め部577dとを有する。第1〜第4の収容体側位置決め部577a〜577dは、それぞれ液体供給部57から突出する部材(突起部材)である。また、第1〜第4の収容体側位置決め部577a〜577dは、K1軸方向に沿って延びる部材である。第1〜第4の収容体側位置決め部577a〜577dのそれぞれの−K1軸方向側端部は、液体供給口572に近接している。
第1の収容体側位置決め部577aは、液体供給部57のうち重力上方向側(+Z軸方向側)の部分に配置されている。第2の収容体側位置決め部577bは、液体供給部57のうち−K2軸方向側の部分に配置されている。第3の収容体側位置決め部577cは、液体供給部57のうち+K2軸方向側の部分に配置されている。第4の収容体側位置決め部577dは、液体供給部57のうち重力下方向側(−Z軸方向側)の部分に配置されている。第1と第4の収容体側位置決め部577a,577dは、Z軸方向に対向する。第2と第3の収容体側位置決め部577b、577cは、K2軸方向に対向する。
図22に示すように、液体供給部57の内部には、液体供給部57によって形成された液体流路を開閉するための弁機構551が配置されている。弁機構551は、弁座(シール部)552と、弁体554と、ばね556とを備える。液体供給部57の液体供給口572から供給接続部573に向かって、弁座552、弁体554、ばね556の順に液体供給部57内に収容されている。
弁座552は、略円環状の部材である。弁座552は、例えば、ゴムやエラストマー等の弾性体によって構成されている。弁座552は、液体供給部57の内部に圧入されている。弁体554は、略円柱状の部材である。弁体554は、液体収容体50が着脱ユニット30に装着される前の状態において弁座552に形成された孔(弁孔)を塞ぐ。ばね556は、圧縮コイルばねである。ばね556は、弁体554を弁座552側に向かう方向に付勢する。液体収容体50の装着状態では、液体導入部362(図7)が弁体554を供給接続部573側に押すことで、弁体554が供給接続部573側に移動する。これにより、弁体554が弁座552から離れて弁機構551が開状態になる。弁機構551が開状態の時に、液体収容部52(図12)に収容されたインクは、流路部材70、操作部材53の内部流路558及び液体供給部57を流れて外部に流出可能となる。
図14に示すように、収容部側支持部56は、液体収容体50がプリンター10に接続されるときに、液体供給口572を含む液体収容部52のプリンター10に対するある程度の位置決めを行う。収容部側支持部56は、+Z軸方向側が開口した凹形状である。収容部側支持部56は、液体供給部57の中心軸CTを中心とした周囲のうち、Z軸方向(重力上方向)を除く部分を取り囲む。収容部側支持部56は、液体供給部57の液体供給口572に隣接した位置に配置されている。操作部材53が変形しにくい材料から成る場合は、収容部側支持部56は操作部材53のうちの液体供給口572から多少離れた位置に設けても良い。収容部側支持部56は、操作部材53から−K1軸方向に突出する。
収容部側支持部56は、液体収容体50をプリンター10に接続するときに、可動支持部40の所定の位置(詳細には後述する供給部支持部の内側)に配置される。これにより、可動支持部40と収容部側支持部56とが当たることによって、液体供給部57の動きが規制され、液体収容体50がある程度位置決めされる。また、着脱ユニット30の可動支持部40に液体収容体50がセットされたとき、液体収容部52が把持部54よりも重力方向下側に自重によって垂れ下がるように、収容部側支持部56は可動支持部40に支持される。
液体供給ユニット55は、液体収容部52(図12)に収容されたインクをプリンター10に供給する機能を有する。よって、液体供給ユニット55は、「液体供給部」として捉えることもできる。この場合、液体供給部としての液体供給ユニット55は、一端に液体供給口572を有する液体供給部(液体流通部)57と、収容部側支持部56とを備える。また、液体供給部としての液体供給ユニット55は、液体収容部52の一端部501に取り付けられている。言い換えれば、液体供給部としての液体供給ユニット55は、液体収容部52の一端部501に位置する。
図14及び図15に示すように、基板ユニット58は、収容体側電気接続部としての回路基板582と、保持部としての回路基板保持部59とを備える。図14に示すように、回路基板保持部59は、液体収容体50がプリンター10に接続されるときに、プリンター10に対して回路基板582を位置決めする。回路基板保持部59は、操作部材53に一体的に設けられている。本実施形態では、回路基板保持部59は、操作部材53と一体成形により作成されることで、操作部材53と一体的に設けられる。ここで、「一体的に設けられる」とは、回路基板保持部59が操作部材53の動きに連動するように操作部材53に設けられていることを意味する。なお、他の実施形態では、操作部材53に対し回路基板保持部59を溶着等により取り付けることで、回路基板保持部59を操作部材53に一体的に設けても良い。
回路基板保持部59は、第1の方向(−K1軸方向)と交差する方向(K2軸方向)において液体供給部57と並んで配置されている。回路基板保持部59は、回路基板582を保持(支持)する。具体的には、回路基板保持部59は、液体収容体50がプリンター10に接続されるとき、液体収容部52よりも上側で回路基板582を保持する。回路基板保持部59は、剛性を有する部材である。具体的には、回路基板保持部59は、液体収容体50が着脱ユニット30の可動支持部40にセットされた時に、回路基板582が変位しない程度の剛性を有する。また、回路基板保持部59は、例えば、ABS樹脂や、ポリスチレン(PS)等の材料によって形成されている。また、回路基板保持部59は、可動支持部40にセットされたとき、可動支持部40に支持される。
図14に示すように、回路基板保持部59は、+Z軸方向側(把持部54が位置する側)が開口する凹形状である。また、回路基板保持部59の−K1軸方向側は、接点機構38を受け入れるために開口している。回路基板保持部59は、底部(底面)595(図16)と、第1の側壁部592と、第2の側壁部593とを備える。底部595と第1の側壁部592と第2の側壁部593とによって、回路基板保持部59の凹形状が規定される。第1の側壁部592は、底部595の−K2軸方向側部分から重力上方向に延びる壁部である。第2の側壁部593は、底部595の+K2軸方向側部分から重力上方向に延びる壁部である。第1と第2の側壁部592,593は互いに対向する。
また、図14に示すように、回路基板保持部59は、配置部(配置面)594を有する。配置部594には、回路基板582が取り付けられている。配置部594は、第1と第2の側壁部592,593との間に位置する。配置部594は、下端部が上端部よりも−K1軸方向側に位置するように傾斜している。また、配置部594は、+Z軸方向成分と−K1軸方向成分とを含む方向を向いて傾斜している。配置部594は、底部595よりも+Z軸方向側に位置する。
図15及び図20に示すように、第1の側壁部592は、保持部側位置決め部としての溝部592tを有する。図14及び図20に示すように、第2の側壁部593は保持部側位置決め部としての溝部593tを有する。
図18に示すように、2つの溝部592t,593tは、K2軸方向において回路基板582を挟むように両側に設けられている。2つの溝部592t,593tはそれぞれ略直方体形状である。2つの溝部592t,593tは、電気接続ユニット38の一部(詳細には後述する装置側基板位置決め部)が入り込むことで、装置側端子381に対する回路基板保持部59及び回路基板582の最終的な位置決めが行われる。
回路基板582が装置側端子381(図7)に接触することで電気的に接続される際には、回路基板582が装置側端子381に対して第1の方向(−K1軸方向)と第1の方向と交差する方向(Z軸方向及びK2軸方向)の位置決めされる。
図23に示すように、回路基板582の+Z軸方向側の上側端部586にはボス溝584が形成され、回路基板582の−Z軸方向側の下側端部587にはボス孔585が形成されている。回路基板582は、ボス溝584およびボス孔585を用いて配置部594に固定されている。
図23及び図24に示すように、回路基板582は、表面582faに設けられた液体収容体側端子群580と、裏面582fbに設けられた記憶装置583とを有する。表面582fa及び裏面582fbは平面である。
液体収容体側端子群580は、9つの端子581A〜581Iからなる。記憶装置420は、液体収容体50に関する情報(例えば、インク残量やインク色)等を格納する。
図23に示すように、9つの液体収容体側端子581A〜581Iはそれぞれ略矩形状に形成される。9つの液体収容体側端子581A〜581Iは、接続方向(−K1軸方向)と交差する方向であるZ軸方向の異なる位置に2つの列Ln1,Ln2を形成するように配置されている。列Ln1,Ln2はK2軸方向に平行である。
液体収容体側端子581A〜581Iのそれぞれの中央部には、対応する装置側端子381に接触する接触部cpが形成されている。上記の列Ln1,Ln2は複数の接触部cpによって形成される列であると考えることもできる。なお9つの液体収容体側端子581A〜581Iを区別することなく用いる場合は符号「581」を用いる。
図25に示すように、液体収容体50の装着状態において、複数の接触部cpが配置された表面582faは、下側端部587が上側端部586よりも第1の方向(−K1軸方向、接続方向)に位置するように傾斜している。また、複数の接触部cpの表面によって規定される仮想平面(接触面)TPは、接続方向(−K1軸方向)に対して傾斜している。詳細には、仮想平面TPは下側が上側よりも第1の方向に位置するように傾斜している。また、表面582faと仮想平面TPは、+Z軸方向(重力上方向)成分と−K1軸方向(第1の方向)成分を含む方向を向くように傾斜している。仮想平面(接触面)TPは複数の接触部cpが通る平面である。
A−4.着脱ユニット30の構成:
A−4−1.着脱ユニット30の全体構成:
図26は、着脱ユニット30の正面図である。図27は、着脱ユニット30を説明するための第1の斜視図である。図28は、着脱ユニット30を説明するための第2の斜視図である。図27は、可動支持部40が固定部材35に対し外方に突出した第1の状態(セット時状態)を示している。図28は、可動支持部40が固定部材35に収容された第2の状態(装着時状態)を示している。図29は、着脱ユニット30の斜視図である。図30は、着脱ユニット30の分解斜視図である。図26〜図30では、着脱ユニット30Cを例に構成についての説明を行うが、他の着脱ユニット30K,30M,30Yについても着脱ユニット30Cと同様の構成を有する。なお、図30には、理解の容易のために可動支持部40にはシングルハッチングを付している。
図26に示すように、固定部材35は、重力上方向に突出する第1取付壁307Aと、重力下方向に突出する第2取付壁307Bとを有する。第1取付壁307Aには2つの貫通孔302Hが形成され、第2取付壁307Bには2つの貫通孔302Hが形成されている。各貫通孔302Hには固定部材であるネジ302(図27)が挿入され、4つのネジ302によって、着脱ユニット30(詳細には固定部材35)がプリンター10の面104,106(図3及ぶ図4)に固定されている。詳細には、着脱ユニット30K(図3)は、複数のネジ302によって装置第2面104に固定され、着脱ユニット30C,30M、30Y(図4)は、複数のネジ302によって装置第3面106に固定されている。
図26に示すように、固定部材35は、液体導入機構36と、接点機構38とを備える。液体導入機構36と接点機構38とはそれぞれ、固定部材35に固定されることで固定部材35を介してプリンター10の外壁(例えば、装置第3面106)に支持される。
液体導入機構36と接点機構38とは、K2軸方向に沿って並んで配置されている。また、液体導入機構36の液体導入部(液体供給接続部)362と、接点機構38の電気接続部(装置側電気接続部)382とは、同時に視認可能な程度にK2軸方向に隣接して配置されている。K2軸方向のうち、液体導入機構36から接点機構38に向かう方向が+K2軸方向であり、接点機構38から液体導入機構36に向かう方向が−K2軸方向である。また、着脱ユニット30において、Z軸方向を「高さ方向」とも呼び、K1軸方向を「幅方向」とも呼び、K2軸方向を「奥行き方向」とも呼ぶ。
液体導入機構36は、液体導入本体部368と、液体導入部362と、供給部位置決め部364と、を有する。液体導入部362には、液体収容体50の液体供給部57(図14)が接続されることで、液体収容体50に収容されたインクが流通する。具体的には、液体導入部362は、可動支持部40の移動により液体収容体50の液体供給部(液体導出部)57(図9)が−K1軸方向(第1の方向)に移動することで、液体供給部57と接続する。液体導入部362は、液体流通管320を介してプリンター10の記録ヘッドと連通している。液体流通管320は可撓性を有するホースである。
図27に示すように、K1軸方向のうち、プリンター10の外方へ向かう方向が+K1軸方向であり、プリンター10の内方に向かう方向が−K1軸方向である。液体導入部362と供給部位置決め部364とは、液体導入本体部368から+K1軸方向側に突出するように液体導入本体部368に設けられている。
図26に示すように、供給部位置決め部364は、中心軸CLを中心として液体導入部362の周囲に配置されている。供給部位置決め部364は、液体供給部(液体導出部)57と液体導入部362との接続時に、K1軸方向と交差する方向(本実施形態では、Z軸方向とK2軸方向に平行な面に沿った方向)における液体供給部57の位置決めを行う。
供給部位置決め部364は、第1の供給部位置決め部364aと、第2の供給部位置決め部364bと、第3の供給部位置決め部364cと、第4の供給部位置決め部364dとを有する。第1〜第4の供給部位置決め部364a〜364dは、それぞれ液体導入本体部368から突出する部材である。第1の供給部位置決め部364aは、他の供給部位置決め部364b〜364dよりも、+K1軸方向側に突出している。また、第1の供給部位置決め部364aは、液体導入部362の真上に位置し、かつ、液体導入部362よりも+K1軸方向側に突出している。すなわち、第1の供給部位置決め部364aは、液体導入部362の上側を覆うように配置されている。
第1の供給部位置決め部364aは、液体導入部362よりも重力上方向(+Z軸方向)側に位置する。第2の供給部位置決め部364bは、液体導入部362よりも−K2軸方向側に位置する。第3の供給部位置決め部364cは、液体導入部362よりも+K2軸方向側に位置する。第4の供給部位置決め部364dは、液体導入部362よりも重力下方向(−Z軸方向)側に位置する。第1と第4の供給部位置決め部364a,364dは、重力方向について液体導入部362を挟んで対向する。第2と第3の供給部位置決め部364b,364cは、K2軸方向について液体導入部362を挟んで対向する。
第1〜第4の供給部位置決め部364a〜364dはそれぞれ、液体導入部362と対向する平面を有する。この平面に、液体供給部57の対応する第1〜第4の収容体側位置決め部577a〜577d(図14〜16)が当接することで、液体供給部57の液体導入部362に対するK1軸方向に垂直な面方向における位置決めが行われる。具体的には、第1〜第4の供給部位置決め部364a〜364dの内側に、第1〜第4の収容体側位置決め部577a〜577d(図14〜16)が配置されることで、液体供給部57の液体導入部362に対するK1軸方向に垂直な面方向における位置決めが行われる。
図26〜図28に示すように、接点機構38は、複数(本実施形態では9つ)の装置側端子381を有する電気接続部(本体側電気接続部)382と、複数(本実施形態では2つ)の装置側基板位置決め部384、385とを備える。液体収容体50の装着状態において、電気接続部382の装置側端子381は、回路基板582の接触部cp(図23)と接触することで回路基板582と電気的に接続する。これにより、回路基板582の記憶装置583(図24)と、プリンター10との間で各種情報(例えば、液体収容体50のインク色や製造年月日)が通信可能となる。装置側端子381は、弾性変形可能な金属製の板ばねによって形成されている。詳細には、装置側端子381は、K1軸方向とZ軸方向とによって規定される面に沿って弾性変形可能に構成されている。
装置側基板位置決め部384,385は、電気接続部382の装置側端子381をK2軸方向(液体導入機構36と接点機構38とが並ぶ方向)に挟むように配置されている。装置側基板位置決め部384、385は、液体収容体50が着脱ユニット30に装着される時に、電気接続部382に対する液体収容体50の回路基板582の最終的な位置決めを行う。装置側基板位置決め部384,385は、K1軸方向に沿って延びる部材である。装置側基板位置決め部384(385)は、装置側端子381と回路基板582の接触部cpとが接触する前に、図18に示す保持部側位置決め部592t(593t)への挿入が開始されることで電気接続部382に対する回路基板582の位置決めが行われる。
図27に示すように、可動支持部40は、固定部材35に対してK1軸方向に沿って移動可能に固定部材35に支持される。可動支持部40は、基部41と、供給部支持部42と、基板支持部48とを備える。基部41は、可動支持部40の+K1軸方向側に位置する前面(前壁)を形成する。基部41は、Z軸方向及びK2軸方向に概ね平行である。供給部支持部42及び基板支持部48はそれぞれ、基部41に接続されている。供給部支持部42及び基板支持部48はそれぞれ、基部41から+Z軸方向側(上側)に延びる部材である。
供給部支持部42は、液体導入部362に対する液体収容体50(詳細には液体供給部57)の位置を決定するための部材である。また、供給部支持部42は、液体収容体50の収容部側支持部56(図14)と接触することで、液体供給ユニット55よりも液体収容部52が重力下方向側に位置するように液体供給ユニット55を支持する。着脱ユニット30をK1軸方向に沿って見た時に、供給部支持部42は液体導入部362と重なる位置に設けられている。供給部支持部42は、−Z軸方向に向かって凹形状を形成するように設けられている。供給部支持部42は、K2軸方向における両側に溝部407が形成されている。溝部407に、収容部側支持部56が入り込むことによって、液体収容体50が備える液体供給部57の動きが規制され、液体収容体50の着脱ユニット30に対するある程度の位置決めが行われる。すなわち、供給部支持部42を区画形成する複数の面部(例えば、第1支持面部402、第2支持面部403、第3支持面部404)によって、液体収容体50が備える液体供給部57の動きが規制される。なお、図27に示すように、供給部支持部42の+K1軸方向側の壁を構成する第2支持面部403には、補強リブ403rbが形成されている。
供給部支持部42のうち、液体導入部362側に位置する第1支持面部402には、切欠き部406が形成されている。切欠き部406は、+Z軸方向側が開口する凹形状である。着脱ユニット30をK1軸方向に沿って見た時に、切欠き部406は、液体導入部362と重なる位置に設けられている。可動支持部40を固定部材35に対して最も+K1軸方向に移動させた第1の状態において、切欠き部406は液体導入部362よりも+K1軸方向側に位置する。また、図28に示すように、第2の状態では切欠き部406内に液体導入部362の先端が位置する。
基板支持部48は、接点機構38に対する液体収容体50(詳細には回路基板582)の位置を決定するための部材である。着脱ユニット30をK1軸方向に沿って見た時に、基板支持部48は接点機構38と重なる位置に設けられている。基板支持部48は、−Z軸方向に向かって凹形状を形成するように設けられている。基板支持部48を区画形成する複数の面部(例えば、第1基板支持面部482)によって、液体収容体50の回路基板582の動きが規制される。
図30に示すように、固定部材35は、第1固定部材32と第2固定部材33とを備える。第2取付壁307Bは第1固定部材32に設けられ、第1取付壁307Aは第2固定部材33に設けられている。第1固定部材32は、第2固定部材33を支持するための補助部材である。第1固定部材32と可動支持部40との間には付勢部材としての2つのコイルばね39A,39Bが配置されている。コイルばね39A,39Bは、K2軸方向について接点機構38と液体導入機構36とを挟む位置に配置されている。なお、2つのコイルばね39A,39Bを区別することなく用いる場合は、符号「39」を用いる。
コイルばね39の一端は第1固定部材32に当接し、コイルばね39の他端は可動支持部40に当接する。また、可動支持部40のばね受け49Aが、コイルばね39Aの他端部側に挿入され、可動支持部40のばね受け49Bが、コイルばね39Bの他端部側に挿入される。なお、2つのばね受け49A,49Bを区別することなく用いる場合は、符号「49」を用いる。
コイルばね39は、可動支持部40を+K1軸方向(第2の方向)側に付勢する。第2の状態において、可動支持部40は、ロック機構200により+K1軸方向側への動きが規制される。ロック機構200のロックが解除されることで、コイルばね39の付勢力によって可動支持部40が+K1軸方向側へ押し出され、着脱ユニット30が第1の状態(図27)となる。図30では、ロック機構200のうち、付勢部材としてのばね(引張りばね)210と、ばね210の一端が取り付けられる取付部202が図示されている。
A−4−2.ロック機構200の概略構成:
図31は、ロック機構200の係合部材201の斜視図である。係合部材201は、板状の係合本体部204と、取付部202と、接続部側係合部としての突起206とを有する。係合本体部204は、突起206の回動軸を形成する溝部208を有する。溝部208には、固定部材35の後述する突出部が挿入される。溝部208を支点として、突起206はK2軸方向成分を含む矢印R31方向に移動可能に構成される。取付部202は、係合本体部204のうち−K1軸方向側端部に設けられている。取付部202は、係合本体部204から+Z軸方向側に延びる突出部材である。取付部202には、ばね210の一端側が取り付けられる。なお、ばね210の他端側は固定部材35に取り付けられる。これにより、係合部材201は、ばね210によって+K1軸方向側に付勢されている。突起206は、係合本体部204のうち+K1軸方向側端部に設けられている。突起206は、係合本体部204から−Z軸方向側に延びる。
A−4−3.可動支持部40の詳細構成:
図32は、可動支持部40の第1の斜視図である。図33は、可動支持部40の第2の斜視図である。図34は、可動支持部40の第3の斜視図である。図35は、可動支持部40の第4の斜視図である。
図32に示すように、可動支持部40は、更に、第1側面(第1側壁)46と、第2側面(第2側壁)47と、仕切面(仕切壁)43と、底部49(底壁49)と、を有する。基部41と第1側面46と第2側面47と仕切面43とはそれぞれ、底部49から+Z軸方向側に延びる部材である。第1側面46と第2側面47とはK2軸方向について互いに対向する。仕切面43は、第1と第2側面46,47の間に位置する。第1側面46と第2側面47と仕切面43とは、Z軸方向及びK1軸方向に概ね平行である。底部49は、K1軸方向及びK2軸方向に概ね平行である。
図34に示すように、第1側面46には、係止爪462が配置されている。また、図32に示すように、第2側面47には、第1側面46と同様に係止爪472が形成されている。係止爪462,472は、固定部材35に係止されることで、可動支持部40が+K1軸方向側に過度に移動することを防止する。これにより、可動支持部40が固定部材35から外れることを防止できる。
図33に示すように、底部49のうち+Z軸方向側の底部上面49faには、ロック機構200の一部である案内部250が形成されている。案内部250は、底部上面49faに形成された溝である。案内部250は、接点機構38(図6)の真下に配置されている。案内部250は、係合部材201の突起206を受け入れて、突起206を案内部250の形状に沿って案内する。また、案内部250は、液体収容体50の装着状態において、突起206と係合する支持部側係合部を有する。なお、ロック機構200の詳細については後述する。
図32〜図35に示すように、可動支持部40は、固定部材35に対するK1軸方向の移動を案内するための支持部側案内部490を有する。支持部側案内部490は、固定部材35と当接することで、K1軸方向と直交する方向の動きが規制される。
支持部側案内部490は、第1部491(図33)と、第2部492(図33)と、第3部493(図35)と、第4部494(図35)と、第5部495(図32)と、第6部496(図32)と、第7部497(図33)とを有する。
図33に示すように、第1部491と第2部492とは、可動支持部40の上端面を構成する。第1部491は第2側面47の上端面を構成し、第2部492は第1側面46の上端面を構成する。第1部491と第2部492とは、K2軸方向について案内部250を挟む。
図35に示すように、第3部493と第4部494とは、可動支持部40の下端面を構成する。第3部493と第4部494とは、底部49の裏面49fbに形成されている。第3部493は第2側面47の下端面を構成し、第4部494は第1側面46の下端面を構成する。第3部493と第4部494とは、K2軸方向について案内部250を挟む。
図32に示すように、第5部495と第6部496とは、仕切面43に設けられている。第5部495は、仕切面43から+K2軸方向側に突出した部材の下端面を構成する。第6部496は、第5部495よりも−Z軸方向側に位置し、仕切面43に設けられた部材(張り出した部材)の面を構成する。
図33に示すように、第7部497は、第1側面46に設けられている。第7部497は、第1側面46に設けられた部材(張り出した部材)の面を構成する。第6部496と第7部497とは、K2軸方向について案内部250を挟む。また、図32〜図35に示すように第1部491〜第7部497は、固定部35によって第1の状態における位置と第2の状態における位置との移動を案内できるように可動支持部40の少なくとも+K1軸方向側端部と−K1軸方向側端部とに位置する。
A−4−4.固定部材35の詳細構成:
図36は、第2固定部材33の正面図である。図37は、第2固定部材33の第1の斜視図である。図38は、第2固定部材33の第2の斜視図である。図36〜図38では、接点機構38および液体導入機構36の図示は省略している。
図36に示すように、固定部材35は、液体導入機構36が配置される空間部である第1配置部36Sと、接点機構38が配置される空間部である第2配置部38Sとを有する。また、第2配置部38Sは、固定部材35の上面(上壁)311に設けられた接点機構取付部37によって区画形成されている。接点機構取付部37は、上面311から−Z軸方向側に延びる枠状の部材である。固定部材35は、更に、第1側面(第1側壁)316と第2側面(第2側壁)317と底面(底壁)319とを有する。第1側面316と第2側面317とはそれぞれ上面311から−Z軸方向側に延びる部材である。第1側面316と第2側面317とはK2軸方向について互いに対向する。接点機構取付部37は、第1側面316と第2側面317との間に位置する。上面311と底面319とはZ軸方向について互いに対向する。接点機構取付部37の底部には、係合部材201の溝部208(図31)に挿入される突起339が形成されている。
図36に示すように、固定部材35は、可動支持部40の第1の方向(−K1軸方向)又は第2の方向(+K1軸方向)の移動を案内する移動案内部330を有する。可動支持部40をK1軸方向に移動させる場合、移動案内部330が可動支持部40の支持部側案内部490(図32〜図35)に当接することで、K1軸方向と直交する方向の動きが規制される。
移動案内部330は、第1案内部(第1案内規制部)331と、第2案内部(第2案内規制部)332と、第3案内部(第3案内規制部)333と、第4案内部(第4案内規制部)334と、第5案内部(第5案内規制部)335と、第6案内部(第6案内規制部)336と、第7案内部(第7案内規制部)337とを有する。第1〜第7案内部331〜336によって、第1の方向(−K1軸方向)と直交する方向(K2軸方向とZ軸方向とによって規定される面に平行な方向)への可動支持部40の固定部材35に対する動きが規制される。
図37に示すように、第1案内部331と第2案内部332とは固定部材35の上面311を構成する。第1案内部331は第2側面317側に位置し、第2案内部332は第1側面316側に位置する。第1案内部331と第2案内部332とは、K2軸方向について案内部250(図33)を挟む。
図38に示すように、第3案内部333と第4案内部334とは、固定部材35の底面319(図37)を構成する。第3案内部333は、第2側面317から+K2軸方向に延びる部材である。第4案内部334は、第1側面316から−K2軸方向に延びる部材である。第3案内部333と第4案内部334とは、K2軸方向について案内部250(図33)を挟む。第1案内部331〜第4案内部334は、固定部材35のK1軸方向の両端部に亘って延びる面である。
図37に示すように、第5案内部335と第6案内部336とは接点機構取付部37の−K2方向側の側面37Bに設けられている。第5案内部335は、側面37Bに形成された切り欠きの底面を構成する。第6案内部336は、側面37Bから張り出した部材の面を構成する。第7案内部337は、接点機構取付部37の+K2軸方向側の側面37Aに設けられている。図36に示すように、第7案内部337は、側面37Aから張り出した部材の面を構成する。第5案内部335及び第6案内部336と、第7案内部337とは、K2軸方向について案内部250(図33)を挟む。第5案内部335は、接点機構取付部37の−K1軸方向側端部から所定長さ延びる。第6案内部336と第7案内部337とは、接点機構取付部37のK1軸方向の両端部に亘って延びる。なお、接点機構取付部37のK1軸方向の長さは、固定部材35のK1軸方向の長さよりもやや小さい。
可動支持部40が固定部材35に対してK1軸方向に移動するときには、移動案内部330によってK1軸方向と直交する可動支持部40の動きを規制しながら、可動支持部40のK1軸方向への移動を案内する。具体的には、第1部491(図32)が第1案内部331と当接し、第2部492(図32)が第2案内部332に当接することで、可動支持部40の+Z軸方向側への動きが規制される。また、第3部493(図35)が第3案内部333に当接し、第4部494(図35)が第4案内部334に当接することで可動支持部40の−Z軸方向側への動きが規制される。また、第5部495(図32)が第5案内部335に当接することによっても可動支持部40の−Z軸方向側への動きが規制される。また、第6部496(図36)が第6案内部336に当接することで、可動支持部40の+K2軸方向側への動きが規制され、第7部497(図33)が第7案内部337に当接することで、可動支持部40の−K2軸方向側への動きが規制される。
図36に示すように、第2配置部38Sには接点機構38が配置される。詳細には、固定部材35を+K1軸方向側から見たときに、第2配置部38S内には装置側端子381を含む電気接続部(本体側電気接続部)382(図26)が位置する。図36において、電気接続部382は、Z軸方向について、第1案内部331及び第2案内部332と、第3案内部333及び第4案内部334との間に位置する。また、電気接続部382は、K2軸方向について、第5案内部335及び第6案内部336と、第7案内部337との間に位置する。すなわち、電気接続部382は移動案内部330の間に位置する。
A−4−5.接点機構38の詳細構成:
図39は、固定部材35に接点機構38が取り付けられた斜視図である。図40は、接点機構38の斜視図である。図41Aは、電気接続部382の斜視図である。図41Bは、装置側端子381を説明するための図である。
図39に示すように、接点機構38は接点機構取付部37に取り付けられている。具体的には、接点機構38は、K1軸方向と垂直な方向において多少のガタを設けて固定部35に取り付けられる。これにより、接点機構38の電気接続部382が第1の方向(−K1軸方向)と交差する方向(本実施形態では、Z軸方向とK2軸方向に平行な面に沿った方向)に変位可能となる。
図40に示すように、接点機構38は、電気接続部382(図39)と、電気接続部382を保持する保持部材388と、を備える。保持部材388は、第1側壁部394と第2側壁部396とを有する。第1側壁部394と第2側壁部396とは対向する。第1側壁部394は−K2軸方向側に位置し、第2側壁部396は+K2軸方向側に位置する。第1側壁部394及び第2側壁部396は、概ね重力方向(Z軸方向)に沿った面である。
図39及び図40に示すように、接点機構38は、位置決め部(装置側基板位置決め部)としての第1の装置側基板位置決め部384及び第2の装置側基板位置決め部385を有する。第1と第2の装置側基板位置決め部384,385は、液体収容体50を装着するときに回路基板582の接触部cp(図23)と装置側端子381との接触が開始する前に、保持部側位置決め部592t,593t(図18)への挿入が開始される。これにより、回路基板582の接触部cpと電気接続部382の装置側端子381との間の位置決めが行われる。この位置決めによって、+K1軸方向(第1の方向)と+K1軸方向に交差する方向(Z軸方向とK2軸方向に平行な面に沿った方向)とにおける液体収容体側端子581と装置側端子381との間の位置決めが行われる。
第1と第2の装置側基板位置決め部384,385は、K2軸方向について電気接続部382を挟むように配置されている。第1と第2の装置側基板位置決め部384,385は、配置位置が異なる点でのみ異なり、形状は同じである。
第1と第2の装置側基板位置決め部384,385はそれぞれ、K1軸方向(接続方向)に沿って延びる部材である。図39に示すように第1の装置側基板位置決め部384は、第1側壁部394から外方に突出する。図40に示すように第2の装置側基板位置決め部385は、第2側壁部396から外方に突出する。
図40に示すように、保持部材388の+K1軸方向側に位置する部分には、電気接続部382が保持されている。図41Aに示すように、電気接続部382は、保持部材388に保持される端子保持部62と、端子保持部62に保持される9つの装置側端子381A〜381Iと、端子保持部62に保持されるコネクター602とを有する。9つの装置側端子381A〜381Iを区別することなく用いる場合は符号「381」を用いる。
図41Aに示すように、端子保持部62の表面62faは、下端部62bが上端部62uよりも−K1軸方向側に位置するように傾斜する。表面62faからは装置側端子381の一端部381a(図41B)が露出する。装置側端子381の他端部381b(図41B)は、コネクター602に電気的に接続される。コネクター602は、プリンター10の制御部と配線を介して電気的に接続される。
図41Bに示すように、装置側端子381は板状部材である。装置側端子381は弾性変形する。詳細には、装置側端子381は、屈曲部381cを中心として一端部381aが矢印R41方向に弾性変形するように端子保持部62に保持されている。矢印R41は、K1軸方向とZ軸方向に平行な方向である。
図41Aに示すように、装置側端子群を構成する複数の装置側端子381A〜381I(詳細には、一端部381a)は、Z軸方向の異なる位置に2つの列LN1,LN2を形成するように配置されている。列LN1,LN2はK2軸方向に平行である。
A−4−6.可動支持部40の規制および液体収容体のセットについて:
図42は、図26のF26−F26断面図である。図42には、液体収容体50も図示している。図42に示すように、可動支持部40が固定部材35に対して外方に突出した第1の状態において、コイルばね39は、可動支持部40を第2の方向(+K1軸方向)側へと付勢する。しかしながら、可動支持部40の係止爪462,472が固定部材35に係止されることで、可動支持部40が固定部材35に対して過度に+K1軸方向側へ移動することを規制する。これにより、可動支持部40が固定部材35から外れることが防止される。
図43は、着脱ユニット30aの背面図である。図44は、規制部370について説明するための第1の図である。図45は、規制部370について説明するための第2の図である。図46は、図44のF44−F44断面図である。図44及び図45は、着脱ユニット30aのうち液体導入機構36及び接点機構38の図示は省略している。また、図43〜図45には、理解の容易のために規制部370にはシングルハッチングを付している。ここでは、第1実施形態の着脱ユニット30の構成を一部変更した着脱ユニット30aを例に説明を行う。なお、着脱ユニット30aの変更部分の少なくとも一部を、着脱ユニット30に適用しても良い。
着脱ユニット30aと着脱ユニット30との主な相違点は、着脱ユニット30aが規制部370と、当接部379と、カバー部340と、を新たに備える点と、補強リブ403rb(図27)が省略された点と、第2支持面部403aの形状である。なお、カバー部340については、第2実施形態において詳述する。
図43〜図45に示すように、可動支持部40は規制部370を有する。本実施形態では、規制部370は板金である。規制部370は、可動支持部40のうち−K1軸方向側と+Z軸方向側に位置するコーナー部401に設けられている。また、規制部370は、可動支持部40に液体収容体50がセットされた時に液体収容体50と接触することで液体収容体50の自重(荷重)を受ける部分(例えば、第3支持面部404)よりも重力方向上側に位置する。
図46に示すように、可動支持部40が固定部材35に対して外方に突出した状態(第1の状態)で液体収容体50が可動支持部40にセットされた場合、可動支持部40は、液体収容体50の自重やセット時の外力によって重力下方向の外力F46を受ける。外力F46を受けた場合、可動支持部40は、固定部材35と可動支持部40との重力下方向側の接点P46を支点として矢印R46方向へ回転しようとする。矢印R46方向は、第2の方向(+K1軸方向)と交差する重力下方向(−Z軸方向)成分を含む。規制部370は、固定部材35の一部である当接部379に当接することで、可動支持部40の矢印R46方向への動きを規制する。これにより、可動支持部40が固定部材35から外れる可能性を低減できる。よって、可動支持部40がプリンター10から落下することや、落下することで破損することを抑制できる。
図44及び図45に示すように、第2支持面部403aは、補強リブ403rb(図27)が無くなった分、厚み(K1軸方向の長さ)が第2支持面部403(図27)よりも大きい。ここで、第2支持面部403aは、液体収容体50が着脱ユニット30aにセットされる際に、液体収容体50の収容部側支持部56(図14)が挿入される溝部407の壁面部を構成する。図46に示すように、第2支持面部403aの+Z軸方向側端部403auはK2軸方向に傾斜している。+Z軸方向側端部403auはテーパー形状である。具体的には、溝部407のうち収容部側支持部56の挿入が最初に行われる+Z軸方向側端部407fが、溝部407の−Z軸方向側端部407sよりもK1軸方向の長さ(収容部側支持部56の受け入れ幅)が大きくなるように+Z軸方向側端部403auは傾斜する。これにより、液体収容体50を着脱ユニット30aにセットする際に、収容部側支持部56(図14)をスムーズに溝部407内に挿入できるので、液体収容体50の着脱ユニット30aへのセットを容易に行うことができる。
A−4−7.ロック機構200の詳細について:
図47は、着脱ユニット30の上面図である。図48は、図47のF47−F47断面図である。図49〜図60は、突起206の進行経路を説明するための図である。図49〜図60では理解の容易のために、係合部材201のうち実際には隠れている部分についても必要に応じて実線で示している。
図47に示すように、可動支持部40を第1の状態(セット時状態)から第2の状態(装着時状態)へと変化させロック機構200によるロックがなされた後に、ロックを解除して再び第2の状態から第1の状態に変化させた場合、突起206(図31)は案内部250内を矢印A47に示す向きに動く。突起206が矢印A47の向きに動く経路を「進行経路」と呼ぶ。
図49に示すように、ロック機構200は、係合部材201と、ばね210と、案内部250とを有する。係合部材201は、ばね210によって固定部材35に取り付けられている。ばね210の一端は係合部材201の取付部202に取り付けられ、ばね210の他端は固定部材35の固定部材側取付部351に取り付けられている。固定部材側取付部351は、取付部202及び溝部208よりも+K1軸方向側および−K2軸方向側に位置する。係合部材201は、ばね210によって付勢力f49を受ける。付勢力f49は、+K1軸方向と−K2軸方向の成分を含む方向である。付勢力f49が+K1軸方向成分を含むことで、突起206が過度に−K1軸方向側へ移動することを抑制できる。これにより、突起206が案内部250の−K1軸方向側端部(入口端部)から抜け出ることを防止できる。また、付勢力f49によって突起206には、回転力f49aが発生する。回転力f49aの方向は、溝部208を支点とした+K2軸方向成分を含む方向である。また、図50に示すように、付勢力f49によって、突起206には、押圧力f50が発生する。押圧力f50の方向は、突起206を案内部250の底部に押し付ける方向(−Z軸方向)成分を含む。押圧力f50によって、突起206が案内部250から外れる可能性を低減できる。
図49に示すように、案内部250は、入口部252と、入口接続部254と、突起壁257と、支持部側係合部258と、出口接続部259と、段差部256とを有する。入口部252は、案内部250のうち最も−K1軸方向側に位置する。入口部252は、K1軸方向に延びる。入口接続部254は、入口部252に接続されている。入口接続部254は、入口部252から斜めに延びる。具体的には、入口接続部254は、入口部252から+K1軸方向と−K2軸方向の成分を含む方向に延びる。突起壁257は、進行経路において入口接続部254と支持部側係合部258との間に位置する。突起壁257は、案内部250を区画形成する壁面のうち最も+K1軸方向側に位置する壁面255から−K1軸方向側に突出する部材である。支持部側係合部258は、壁面255よりも−K1軸方向側に位置する。支持部側係合部258は案内部250を区画形成する壁面によって形成されている。支持部側係合部258は、液体収容体50の装着状態において、突起206と係合することで突起206の動きを規制する。出口接続部259は、進行経路において支持部側係合部258と入口部252との間に位置する。段差部256は、出口接続部259と入口接続部254との段差を形成する。具体的には、段差部256は、出口接続部259と入口接続部254との境界部分において、出口接続部259の深さが入口接続部254の深さよりも浅くなるように段差を形成する。
図51及び図52に示すように、可動支持部40が固定部材35に対して接続方向(−K1軸方向)に押し進められることで、突起206は入口接続部254のうち段差部256が位置する部分に到達する。この時、突起206は段差部256によって出口接続部259に案内されずに、入口接続部254へと更に案内される。
図53に示すように、可動支持部40が固定部材35に対して更に−K1軸方向へ押し進められると、突起206が壁面255に当たる前に、可動支持部40の一部が固定部材35の一部に当接する。これにより、可動支持部40が固定部材35に対して更に−K1軸方向へ移動することが規制されるので、突起206が壁面255に衝突して破損する可能性を低減できる。
図53に示す状態において、突起206には回転力f49a(図49)が加わっているため、突起206は案内部250の経路に沿って突起壁257側へと案内される。図54に示すように、突起206は突起壁257に当たる。これにより、突起206の移動方向(案内方向)が、支持部側係合部258へと向かう方向へと調整される。
突起206が突起壁257に当たった後に、図55に示すように突起206は支持部側係合部258に当接することで係合する。支持部側係合部258は突起206と係合することで、回転力f49aによって生じる+K2軸方向側へ向かう突起206の動きを規制する。また、支持部側係合部258は突起206と係合することで、コイルばね39(図30)の付勢力によって生じる+K1軸方向側へと向かう可動支持部40の動きを規制する。図55に示す状態が、ロック機構200によるロック状態である。ここで、突起206が支持部側係合部258に係合される位置を「係止位置st」とも呼ぶ。
図56に示すようにロックの解除は、可動支持部40を−K1軸方向側へ移動させることで行われる。例えば、可動支持部40に液体収容体50がセットされている場合は、利用者が液体収容体50の押圧部545(図19)を−K1軸方向側へ押すことで可動支持部40を−K1軸方向側へと移動させる。これにより、図56に示すように、突起206は、支持部側係合部258から離れることでロックが解除される。そして、突起206は回転力f49a(図49)によって図57に示すように出口接続部259へ向かって移動する。
図57に示すように、突起206が出口接続部259の入口付近に到達した後に、可動支持部40の−K1軸方向への移動動作を中止する。例えば、利用者が押圧部545に対する−K1軸方向の押圧を中止する。これにより、可動支持部40は、コイルばね39(図30)の付勢力によって+K1軸方向へと移動する。可動支持部40が+K1軸方向へと移動することで、突起206は出口接続部259内を段差部256に向かって移動する。
図58〜図60に示すように、突起206が段差部256に到達した場合、コイルばね39(図30)の付勢力によって可動支持部40が+K1軸方向へ更に移動することで、突起206は段差部256を乗り越えて入口部252へと移動する。突起206が段差部256を乗り越えて入口部252へと移動した後は、可動支持部40が+K1軸方向へ移動することで、突起206は入口部252を移動する。
このように、液体導入部362(図9)に液体供給部57(図9)が接続するとき(図51〜図55に示す期間)、又は、液体導入部362と液体供給部57との接続が解除されるときに(図55〜図60に示す期間)、接続部側係合部としての突起206が案内部250に沿って移動する。また、液体導入部362(図9)に液体供給部57(図9)が接続するとき(図51〜図55に示す期間)、又は、液体導入部362と液体供給部57との接続が解除されるときに(図55〜図60に示す期間)、液体供給部57は可動支持部40に支持されている(図9)。
A−5.着脱ユニット30と液体収容体50との関係:
A−5−1.接続及び取り外しのタイミングについて:
図61は、接続タイミングを説明するための第1の図である。図62は、図61のF61A−F61A部分断面図である。図63は、図61のF61B−F61B部分断面図である。図64は、接続タイミングを説明するための第2の図である。図65は、図64のF64A−F64A部分断面図である。図66は、図64のF64B−F64B部分断面図である。図61は、液体収容体50の装着完了前の第1の図である。図64は、液体収容体50の装着完了前の第2の図である。
図62及び図63に示すように、接続方向(−K1軸方向、第1の方向)に液体収容体50が押し進められることで、回路基板582(詳細には、液体収容体側端子581)と、装置側端子381との接触(接続)が開始される前に、液体供給部57と液体導入部362との接続が開始される。図62において、理解の容易の為に、液体供給部57と液体導入部362との接続が開始された領域を符号「R62」として示している。
図65及び図66に示すように、接続方向に液体収容体50が更に押し進められることで、回路基板582の端子581と、装置側端子381との接触が開始される。
上記から分かるように、液体収容体50がプリンター10の着脱ユニット30との接続を解除されるとき(すなわち、液体収容体50がプリンター10から取り外されるとき
は、以下のタイミング(解除タイミング)となるように液体供給部57と回路基板保持部59とは配置されている。
<解除タイミング>
液体供給部57がプリンター10の液体導入部362から離れるよりも先に、回路基板582の接触部cpがプリンター10の装置側端子381から離れる。
ここで、「液体供給部57がプリンター10の液体導入部362から離れる」とは、連通孔362Hと液体供給部57の弁座552との接触が、液体供給部57が取り外し方向(+K1軸方向)に移動することで非接触になったときの状態をさす。すなわち、連通孔362Hが液体供給部57の弁座552によって塞がれた状態から、液体供給部57が取り外し方向(+K1軸方向)に移動することで連通孔362Hが開放された状態をさす。本実施形態では、図65に示す状態から液体供給部57が+K1軸方向に移動したときに、液体供給部57がプリンター10の液体導入部362から離れる。なお、連通孔362Hは、液体導入部362の内部流路と外部とを連通させるための孔である。本実施形態では、連通孔362Hは、液体導入部362の周囲壁に形成されている。
A−5−2.ワイピング効果について:
図67は、ワイピング効果について説明するための第1の図である。図68は、ワイピング効果について説明するための第2の図である。図67は、装置側端子381の一端部381aが回路基板582の液体収容体側端子581と接触を開始した時点の図である。図68は、液体収容体50の装着が完了し、一端部381aが液体収容体側端子581の接触部cpに接触した図である。
図67に示すように、接続方向(−K1軸方向)に回路基板582が移動することで、装置側端子381の一端部381aが回路基板582の液体収容体側端子581と接触を開始する。更に回路基板582が接続方向に移動することで、装置側端子381が回路基板582によって押圧されて弾性変形する。この弾性変形によって、一端部381aが矢印R41に示した方向に移動する。この移動によって、一端部381aと液体収容体側端子581とが僅かに擦れ合いながら、一端部381aが接触部cpに到達する。
このように液体収容体50の装着が完了する直前に僅かに装置側端子381と液体収容体側端子581とが擦れ合うことにより、液体収容体50の装着時に、装置側端子381が液体収容体50の他の部分に擦れ合って削りカスが発生する可能性を低減できる。すなわち、仮想平面TPが接続方向(−K1軸方向)と平行な場合に比べ、装置側端子381によって回路基板582が削られる可能性を低減できる。これにより、削りカスが接触部cpに付着する可能性を低減できる。また、仮にゴミが装置側端子381の近傍に存在し、装置側端子381と液体収容体側端子581との間に挟まった場合でも、装置側端子381が液体収容体側端子581の表面を直線的に擦り上げながら接触を行うことで、ゴミを接触部cpから排出する効果(ワイピング効果)を発揮し、ゴミが装置側端子381と液体収容体側端子581との間に挟まる可能性を低減できる。すなわち、仮想平面TPが傾斜していることにより、仮想平面TPが接続方向(−K1軸方向)と直交する場合に比べ、装置側端子381が回路基板582に接触してから接触部cpに接触するまでの移動距離を長くできる。これにより、装置側端子381が回路基板582の表面582faを擦りながら接触部cpにまで至ることから、装置側端子381や回路基板582に付着しているゴミを接触部cpから排出できる。従って、接触部cpと装置側端子381との良好な導通を行うことができる。
A−5−3.装着状態において液体収容体50に加わる力について:
図69は、装着状態における着脱ユニット30と液体収容体50の一部の断面図である。この断面は、液体収容体50の装着状態における装置側端子381と液体収容体側端子581(詳細には接触部cp)との接触部分を含む断面である。
回路基板582の接触部cpが電気接続部382の装置側端子381と接触したときに、接続部側係合部としての突起206は支持部側係合部258に係合している(図55)。図69に示すように、装着状態において、液体収容体50は接点機構38から外力Fsを受ける。外力Fsは、接点機構38の装置側端子381が回路基板582に加える力である。外力Fsは、回路基板582の表面582faに対して略垂直に加わる力である。外力Fsは、+K1軸方向の分力Fs1と、−Z軸方向の分力Fs2からなる。すなわち、装置側端子381から液体収容体側端子581に加えられる外力Fsは、取り外し方向である+K1軸方向成分を含む。この+K1軸方向成分を含む外力Fsは、表面582fa(仮想平面TP)が、−K1軸方向成分を含む方向を向いて傾斜することで発生する。本実施形態では、表面582fa(仮想平面TP)は、−K1軸方向と+Z軸方向の成分を含む方向を向いて傾斜している。このように、仮想平面TPが第1の方向(−K1軸方向)に対して傾斜することで、仮想平面TPが第1の方向に平行となるように接触部cpが配置され、電気接続部382が第1の方向と直交する方向(−Z軸方向)の力で接触部cpと接触する場合と比べて、第2の方向のベクトル成分を有する力Fs1を発生し易くできる。よって、ロック機構200を解除して液体収容体50を取り外す際に、液体収容体50を容易に取り外し方向に移動させることができるので、接触部cpを電気接続部382から離し易くできる。すなわち、液体収容体50を着脱ユニット30から容易に取り外すことができる。
A−5−4.係止位置stと回路基板582と液体導入部362との位置関係について:
図70は、装着状態における着脱ユニット30の背面図である。図71は、図70のF70−F70断面図である。
図71に示すように、係止位置stを通る第3の方向であって、第2の方向(+K1軸方向)と直交する第3の方向(Z軸方向)には、接触部cpが形成された領域が位置する。接触部cpが形成された領域とは、本実施形態では回路基板582の表面582faである。すなわち、図71の下図に示すように、装着状態における液体収容体50を重力上方向側から見た時に、係止位置stと回路基板582とは少なくとも一部が重なる。ここで、装着状態において、液体収容体50を支持する可動支持部40はコイルばね39によって+K1軸方向へ付勢されている。突起206は係止位置stに位置することで、コイルばね39の付勢力による可動支持部40の動きを規制する。このため、係止位置st(詳細には、突起206と当接する案内部250の壁部)を中心として可動支持部40が矢印R71方向に回転させる力がコイルばね39の付勢力によって生じる。矢印R71方向は、K1軸方向とK2軸方向の成分を含む方向である。しかしながら、液体収容体50を重力上方向側(+Z軸方向側)から見た時に、係止位置stと接触部cpが形成された領域(回路基板582の表面582fa)とが重なる位置関係にある。本実施形態では、係止位置stと接触部cpとが重なる位置関係にある。これにより、可動支持部40が係止位置stを中心として矢印R71方向に回転した場合でも、接触部cpの設計された位置からのズレを抑制できる。よって、装着状態において接触部cpと電気接続部382との導通を良好に維持できる。なお、複数の液体収容体側端子581を包含する最小の凸多角形に囲まれた領域r582と係止位置stとの少なくとも一部が重なる関係にあることが好ましい。こうすることで、接触部cpの設計された位置からのズレを更に抑制できる。
また、図71に示すように、装着状態における液体収容体50を重力上方向側から見た時に、K2軸方向に沿った直線Ln71上に、係止位置stと、液体導入部362のうちの液体供給部57内に挿入された先端部が位置する。
A−5−5.接続時の支持について:
図72は、液体収容体50が着脱ユニット30が備える可動支持部40にセットされた時の側面図である。図73は、液体収容体50が着脱ユニット30が備える可動支持部40にセットされた時の正面図である。図74は、図72のF72−F72断面図である。図75は、図73のF73−F73断面図である。図76は、着脱ユニット30に対する液体収容体50の装着(接続)が完了した時の側面図である。図77は、図76のF76−F76断面図である。図72に示す着脱ユニット30の状態は、図6と同様に第2の状態である。図76に示す着脱ユニット30の状態は、図7と同様に第1の状態である。
図74に示すように、可動支持部40に液体収容体50がセットされたとき、液体供給ユニット55と基板ユニット58とは、液体収容部52よりも重力方向について上側(+Z軸方向側)となるように液体収容部52を支持する。詳細には図74に示すように、収容部側支持部56の底部569が、供給部支持部42の第3支持面部404に当接することで、液体収容体50の重力下方向(−Z軸方向)への移動が規制される。これにより、液体収容部52のうち、−K2軸方向側が支持される。
また、図77に示すように、着脱ユニット30に液体収容体50に接続されたとき(装着状態のとき)、可動支持部40に液体収容体50がセットされたときと同様に、液体供給ユニット55と基板ユニット58とは、液体収容部52よりも重力方向について上側(+Z軸方向側)で液体収容部52を支持する。具体的には、回路基板保持部59の底部595が固定部材35の底部357に当接することで、液体収容体50の重力下方向(−Z軸方向)への移動が規制される。また、収容部側支持部56の底部569が、供給部支持部42の第3支持面部404に当接することで、液体収容体50の重力下方向(−Z軸方向)への移動が規制される。このように、液体供給ユニット55及び基板ユニット58によって液体収容体50の重力下方向への動きが規制されることで、液体収容体50が支持される。なお、固定部材35の底部357と回路基板保持部59との当接は、液体収容体50を可動部材40にセットして接続方向に移動させた後に、接続が完了するまでの間に開始される。
図74及び図77に示すように、回路基板保持部59の底部595は、矢印R74の方向に回転しようとした場合に、可動部材40の装置側回転規制部487に当接する。これにより、液体供給部57を中心とした回路基板保持部59が矢印R74の方向に回転することを規制する。よって、底部595を回転規制部595とも呼ぶ。
A−6.効果:
上記実施形態によれば、図61〜図66に示すように、液体供給部57と収容体側電気接続部58とは、液体収容体50がプリンター10との接続を解除されるときに回路基板582の接触部cpが液体供給部57よりも先にプリンター10から離れるような位置関係に配置されている。ここで、プリンター10との接続を解除するときに、例えば誤って液体収容部52を押してしまうことで液体供給部57から液体が外部に飛散する虞がある。この場合、回路基板582の接触部cpがプリンター10の電気接続部382(詳細には装置側端子381)と接触していると、接触している部分に飛散したインクが付着することでショートする等の電気的トラブルが発生する可能性がある。ここで、図12及び図14に示すように液体供給部57を含む液体供給ユニット55は液体収容部52の重力上方向側の一端部501に位置する。よって、上記実施形態の液体収容体50によれば、液体収容体50がプリンター10との接続を解除されるときに、回路基板582の接触部cpが液体供給部57よりも先にプリンター10から離れるため、上記のような電気的トラブルが発生する可能性を低減できる。
また、上記実施形態によれば、図14に示すように、液体収容体50は液体供給部57を含む液体供給ユニット55と、収容体側電気接続部58と、に連結されたハンドル部53を有する。これにより、ハンドル部53を用いて液体収容体50を操作し易くできる。例えば、利用者はハンドル部53を把持して液体収容体50を移動させることで、液体収容体50を着脱ユニット30に容易にセットできる。尚、ハンドル部53の把持部54は、本実施形態では「ロ」の字状に形成されているが、「C」字状や、「T」字状に形成してもよい。
また、上記実施形態によれば、図47及び図48に示すように、プリンター10の液体供給接続ユニット(着脱ユニット)30に可動支持部40、案内部250、接続部側係合部206等の液体収容体50をプリンター10に接続するための接続機構が設けられている。これにより、液体収容体50には複雑な接続機構を設ける必要が無く、液体収容体50を簡単な構造にできる。従って、インク消費後の液体収容体50を廃棄処分し易い。また、案内部250が接続部側係合部206と係合するため、液体収容部52を収容するためのケースを設ける共にこのケースに案内部250を形成して、案内部250をプリンター10の接続部側係合部206と係合させる場合と比べ、液体収容体50の接続時に接続部側係合部206とケースの案内部250とを係合させなくてよい。よって、液体収容体50とプリンター10との接続を容易かつ確実に行うことができる。
また、上記実施形態によれば、図36に示すように、固定部35は可動支持部40の第1の方向(−K1軸方向)又は第2の方向(+K1軸方向)の移動を案内する移動案内部330を有する。これにより、液体収容体50に第1の方向又は第2の方向を案内するための複雑な機構を設ける必要が無いので、液体収容体50を簡単な構造にできる。
また、上記実施形態によれば、図36及び図39に示すように、着脱ユニット(液体供給接続ユニット)30は、移動案内部330の間に位置する本体側電気接続部382を有する、また、図20及び図23に示すように、液体収容体50は、プリンター10の本体側電気接続部382と接触可能な接触部cpを有する。移動案内部330の間に本体側電気接続部382があるため、移動案内部330により可動支持部40に支持された液体収容体50の移動が案内されることで、接触部cpが本体側電気接続部382に円滑に接続される。
また、上記実施形態によれば、図17に示すように、液体収容体50は、操作部材53を挟んで液体供給部57が位置する側とは反対側の第2の側53fbに位置し、液体供給部57を第1の方向(−K1軸方向)に押すための押圧部545を有する。これにより、押圧部545を押すことにより、液体収容体50を容易に第1の方向に移動させることができる。よって、液体供給部57を着脱ユニット30に接続し易くできる。
B.第2実施形態:
B−1.液体収容体50bの構成:
図78は、第2実施形態の液体収容体50bを説明するための図である。図79は、液体収容体50bの斜視図である。図80は、液体収容体50bの側面図である。第2実施形態の液体収容体50bと第1実施形態の液体収容体50(図18)との異なる点は、液体収容体50bが収容体側識別部材72を備える点である。その他の構成については第1実施形態と同様の構成であるため、同様の構成については第1実施形態と同一符号を付すと共に説明を省略する。収容体側識別部材72は、正しい種類(本実施形態ではインク色)の液体収容体50が装着されるか否かを識別するために用いられる。
図78〜図80に示すように、収容体側識別部材72は、回路基板保持部59の底部595に設けられた少なくとも1つ以上の突起72Aによって形成されている。突起72Aは、底部595のうち−K1軸方向側端部に配置されている。収容体側識別部材72は、異なる種類の液体収容体50b(異なるインク色を収容する液体収容体50C,50M,50Y,50K)ごとに、突起72Aの数と位置によって定まるパターンが異なる。
B−2.着脱ユニット30bの構成:
図81は、第2実施形態の着脱ユニット30bの第1の斜視図である。図82は、第2実施形態の着脱ユニット30bの第2の斜視図である。図83は、着脱ユニット30bの側面図である。図84は、図81に示す着脱ユニット30bに液体収容体50bがセットされた図である。図85は、図82に示す着脱ユニット30bに液体収容体50bが装着された図である。図81は、可動支持部40が固定部材35bに対して外方に突出した第1の状態を示している。図82は、可動支持部40が固定部材35bに収容された第2の状態を示している。第2実施形態の着脱ユニット30bと第1実施形態の着脱ユニット30(図27)との異なる点は、着脱ユニット30bが、カバー部340と、装置側上部規制部345と、装置側識別部材75(図82)とを備える点である。その他の構成については第1実施形態と同様の構成であるため、同様の構成については第1実施形態と同一符号を付すと共に説明を省略する。
図81〜図83に示すように、カバー部340は、固定部材35bの上壁(上面部)354と交差する第1壁(第1側面部)352及び第2壁(第2側面部)353に設けられている。第1壁352は+K2軸方向側に位置し、第2壁353は−K2軸方向側に位置する。カバー部340は、液体収容体50bが着脱ユニット30bに接続されるときに、ハンドル部53の少なくとも一部を覆う。カバー部340は、第1カバー部340Aと、第2カバー部340Bとを備える。第1カバー部340Aは、第1壁352から+K1軸方向側(前壁356側)へ突出するように第1壁352に設けられている。第2カバー部340Bは、第2壁353から+K1軸方向側(前壁356側)へ突出するように第2壁353に設けられている。
図81に示すように、装置側上部規制部345は、固定部材35bに設けられている。具体的には、装置側上部規制部345は、固定部材35bの+K1軸方向側の面を構成する前壁356に設けられている。装置側上部規制部345は、第1上部規制部345Aと、第2上部規制部345Bとを備える。第1上部規制部345Aと、第2上部規制部345Bとは、K2軸方向について液体導入機構36を挟むように配置されている。第1上部規制部345Aと第2上部規制部345Bとは、液体収容体50bが着脱ユニット30bに接続されるときに、収容部側支持部56のうちの+Z軸方向側の端面(上端面)56u(図79)と当接することで、収容部側支持部56の+Z軸方向側への移動を規制する。
図82に示すように、装置側識別部材75は固定部材35bに設けられている。装置側識別部材75は、接点機構38の真下に形成されている。装置側識別部材75は、少なくとも1つ以上の突起75Aによって形成されている。装置側識別部材75は、異なる種類(装着されるべき液体収容体50bの種類)ごとに、突起75Aの数と位置によって定まるパターンが異なる。正しい種類の液体収容体50bが着脱ユニット30bに装着される際には、装置側識別部材75と収容体側識別部材72とが衝突することなく、嵌め合う。一方、誤った種類の液体収容体50bが着脱ユニット30bに装着される際には、装置側識別部材75と収容体側識別部材72とが衝突し、更なる液体収容体50bの接続方向(−K1軸方向)への移動が阻害される。これにより、誤った種類の液体収容体50bが着脱ユニット30bに装着される可能性を低減できる。
B−3.液体収容体50bの着脱ユニット30bへの接続について:
図86は、接続タイミングを説明するための図である。図87は、図86のF86A−F86A部分断面図である。図88は、図86のF86B−F86B部分断面図である。図86は、液体収容体50bが可動支持部40にセットされ、接続方向(−K1軸方向)に押し進められることで、収容体側識別部材72と装置側識別部材75との嵌め合いが開始された時点の図である。
図87及び図88に示すように、収容体側識別部材72と装置側識別部材75との嵌め合いは、液体導入部362と液体供給部57との接続が開始される前に開始される。こうすることで、誤った種類の液体収容体50bが着脱ユニット30bに装着される可能性を低減でき、誤ったインクの色が液体導入部362に導入される可能性を低減できる。また、図88に示すように、収容体側識別部材72と装置側識別部材75との嵌め合いは、装置側端子381と回路基板582との接触が開始される前に開始される。
また、収容体側識別部材72と装置側識別部材75との嵌め合いは、液体収容体50bを着脱ユニット30bの可動支持部40にセットする時には行われず、セットした後に接続方向へ液体収容体50bを移動させる過程で行われる。これにより、セットする時に収容体側識別部材72と装置側識別部材75とが衝突することを防止できるので、液体収容体50bが正しい姿勢で可動支持部40にセットされない可能性を低減できる。よって、液体収容体50bが正しい姿勢で可動支持部40にセットされない場合に生じ得る様々な不具合の発生を低減できる。例えば、セット時に収容体側識別部材72と装置側識別部材75とが衝突して、液体収容体50bが可動支持部40から落下するという不具合の発生を低減できる。また、セット後に接続方向に移動させる過程で、液体収容体50bが固定部材35bの一部に衝突することで液体収容体50b又は着脱ユニット30bが破損する可能性を低減できる。
図89は、図84の切断図である。図90は、着脱ユニット30b及び液体収容体50bの斜視図である。図91は、図90の切断図である。図92は、着脱ユニット30b及び液体収容体50bの斜視図である。図93は、図92の切断図である。図90は、液体収容体50bが接続方向へ押し進められ、装置側上部規制部345(図82)が収容部側支持部56の上端面56u(図78)に差し掛かった時点の図である。図92は、液体収容体50bの接続が完了した時点の図である。
図89に示すように、液体収容体50bが接続方向(−K1軸方向)に押し進められることで、上端面56uが装置側上部規制部345に向かって移動する。そして、図91に示すように、液体供給部57の液体導入部362への接続が開始される時点とほぼ同時に、接続方向について収容部側支持部56が装置側上部規制部345が配置された位置に到達する。そして、図93に示すように、収容部側支持部56の上端面56uが装置側上部規制部345に当接することで、収容部側支持部56の重力上方向(+Z軸方向)への移動が規制されながら、液体供給部57と液体導入部362との接続動作が進行する。これにより、液体供給部57と液体導入部362との接続を良好に行うことができる。
また、図92に示すように、ハンドル部53の少なくとも一部は、液体収容体50bが着脱ユニット30bに接続されるときに、カバー部340により覆われる。本実施形態では、ハンドル部53の第1の接続部546及び第2の接続部547が、カバー部340の内側に収容されることでカバー部340に覆われている。これにより、液体収容体50bの接続状態において、ハンドル部53が利用者によって操作されることを抑制できる。また、ハンドル部53がカバー部340で覆われることで、ハンドル部53が破損する可能性を低減できる。
B−4.押圧部545と移動案内部330との位置関係について:
図94は、着脱ユニット30bの正面図である。図95は、装着状態における固定部材35bの正面図である。図94に示す符号「331R」は、着脱ユニット30bを+K1軸方向側から見た時に、第1案内部331(図36)が位置する領域である。図94に示す符号「332R」は、着脱ユニット30bを+K1軸方向側から見た時に、第2案内部332(図36)が位置する領域である。図94に示す符号「333R」は、着脱ユニット30bを+K1軸方向側から見た時に、第3案内部333(図36)が位置する領域である。図94に示す符号「334R」は、着脱ユニット30bを+K1軸方向側から見た時に、第4案内部334(図36)が位置する領域である。着脱ユニット30bを+K1軸方向側(第2の方向側)から見た時に、第1案内部331〜第4案内部334を結ぶ凸多角形(本実施形態では、長方形)の内側に位置する領域を複数の案内規制部331〜334により規定される領域330Rと呼ぶ。言い換えれば、領域330Rは、第1案内部331〜第4案内部344に内接する領域である。図95に示すように、液体供給部57が可動支持部40に支持され、着脱ユニット30bに液体供給部55が接続するとき、又は、接続を解除するときに、押圧部545の少なくとも一部は領域330R内に位置する。これにより、押圧部545を押すことにより、液体供給部55と着脱ユニット30bとの接続動作、又は、取り外し動作を移動案内部330(図36)によって円滑に行うことができる。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C−1.液体収容体側端子581の変形例:
図96〜図98は、回路基板の端子形状の変形例を示す図である。これらの回路基板582a〜582cは、図23に示した回路基板582と液体収容体側端子581A〜581Hの表面形状が異なるだけである。図96,図97の回路基板582a,582bは、個々の端子の形状が略長方形ではなく、不規則的な形状を有している。図98の回路基板582cでは、9つの液体収容体側端子581A〜581Hが一列に配列されている。これらの回路基板582a〜582cにおいても、各液体収容体側端子581A〜581Hに対応する装置側端子381(図41A)と接触する接触部cpの配置は、図23の回路基板582と同じである。このように、個々の端子の表面形状としては、接触部cpの配置が同一である限り、種々の変形が可能である。
C−2.接触面(仮想平面)TPについての変形例:
本明細書において、「面」(プレーン)という用語は、仮想的な面(仮想面、非実在面とも呼ぶ)と、実在面と、の両方を包含した意味で使用している。したがって、図23に示す列Ln1を形成する接触部cpと列Ln2を形成する接触部cpとを含む3つ以上の接触部によって規定される接触面TPは、所定方向に傾斜する仮想の平面と、実在の平面の両方を包含する。
図99は、所定方向に傾斜する仮想的な接触面TPの一例を説明するための図である。図100は、図99を−K2軸方向から見た図である。図99は、列Ln1と列Ln2との間に段差部Sが設けられている回路基板582dの例である。この例では、列Ln2を形成する端子581Dの接触部cp、列Ln1を形成する端子581H、581Iの各々の接触部cpを結ぶことによって仮想の接触面TPが規定される。図100に示すように、各接触部cpによって規定された仮想の接触面TPは、所定方向に傾斜する。ここでは、仮想の接触面TPは、上記実施形態の図25に示す例と同様に、+Z軸方向(重力上方向)成分と−K1軸方向(第1の方向)成分を含む方向を向くように傾斜している。
図101は、所定方向に沿って傾斜する仮想的な接触面TPの他の一例を説明するための図である。図101に示す回路基板582eは、折り曲げ可能(フレキシブル)なフィルムを用いて形成されている。回路基板582eが折り曲げ可能であるため図99、図100に示した段差部Sが形成されていなくとも、仮想の接触面TPは所定方向に沿って傾斜する。
上記のように、接触部cpによって形成される傾斜面(仮想的な接触面TP、実在する接触面TPの両方を含む)は、少なくとも装着状態において、+Z軸方向(重力上方向)成分と−K1軸方向(第1の方向)成分を含む方向を向くように傾斜していれば良い。例示した以外の形態であっても、仮想的又は実在する接触面TPが傾斜さえしていれば、上記実施形態と同様の効果を奏する。
図102は、液体収容体側端子581を備える液体収容体側端子部材582fを説明するための図である。図103は、液体収容体側端子部材582fと装置側端子381(図41A)との接触の様子を示す図である。上記実施形態の回路基板582に代えて、装置側端子381と接触することで電気接続部382と電気的に接続可能な液体収容体側端子部材582fを液体収容体50は備えても良い。液体収容体側端子部材581fは、配置部594から突出する部材である。図103に示すように、液体収容体側端子部材581fの端面は複数(本実施形態では9個)の液体収容体側端子581を形成する。液体収容体側端子581は、液体収容体50の装着状態において装置側端子381と接触する接触部cpを有する。図102に示すように複数の接触部cpによって規定される仮想平面TPは、上記実施形態と同様に+Z軸方向(重力上方向)成分と−K1軸方向(第1の方向)成分を含む方向を向くように傾斜している。このようにしても上記実施形態と同様の効果を奏する。
C−3.収容体側電気接続部58についての変形例:
上記実施形態では、収容体側電気接続部58は回路基板582を備えていたが、これに限定されるものではなく、装置側電気接続部382と接触可能な接触部cpを有していれば良い。例えば、回路基板582は記憶装置583を備えていなくても良い。例えば、収容体側電気接続部58は、液体収容体50の着脱検出に用いられる端子の接触部を備えていても良い。また、収容体側電気接続部58は、フレキシブルプリント基板(FPC)のようなフレキシブルなケーブルを含む回路基板全般を備えていても良い。この回路基板は装置側電気接続部382と接触可能な接触部を一端側に有する。他端側は例えばリセット装置につながる。上記の変形例は、回路基板582に代えて採用しても良いし、回路基板582と共に採用しても良い。
C−4.その他の変形例:
C−4−1.第1変形例:
上記実施形態では、図33に示すように案内部250は溝であり、案内部250によって案内される接続部側係合部206(図31)は突起であったが、形状はこれらに限定されるものではない。案内部250が接続部側係合部206を案内し、係止位置stで案内部250と接続部側係合部206とが係止できる形状であれば良い。例えば、案内部250が凸状で、接続部側係合部206が凸状の案内部250を受け入れる溝状であっても良い。
C−4−2.第2変形例:
上記実施形態では、液体収容部52は可撓性を有する部材によって形成されていたが、これに限定されるものではなく、液体を内部に収容可能な液体収容部として機能できれば良い。例えば、液体収容部52は一部が可撓性を有する部材によって形成されていても良いし、液体の消費量に拘わらず容積が変化しない硬質な部材によって形成されていても良い。液体収容部52の少なくとも一部が可撓性を有する部材によって形成されることで、液体収容部52に収容されているインク量に応じて液体収容部52の容積は変化する。
C−4−3.第3変形例:
上記実施形態では、図9に示すように、液体収容体50の着脱ユニット30への接続方向は水平方向(K1軸方向)であったが、これに限定されるものではなく、接続方向は、第1の方向(K1軸方向)の成分を含む方向であれば良い。例えば、接続方向は、−Z軸方向と−K1軸方向とを含む方向であっても良い。この場合、可動支持部40も液体収容体50の接続方向に対応した方向に移動する。
C−4−4.第4変形例:
本発明は、インクジェットプリンター及びその液体収容体50に限らず、インク以外の他の液体を噴射する任意の印刷装置(液体消費装置)及びその液体を収容するための液体収容体にも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体消費装置及びその液体収容体に適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ (Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体消費装置
(5)精密ピペットとしての試料噴射装置
(6)潤滑油の噴射装置
(7)樹脂液の噴射装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体消費装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体消費装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する液体消費装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッドを備える液体消費装置
なお、「液滴」とは、液体消費装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、液体消費装置が噴射させることができるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。また、紫外線を照射して硬化可能なUVインクをこの液体収容部に収容してプリンターに接続した場合は、設置面から液体収容部が浮くため、設置面の熱が液体収容部に伝って硬化する可能性が低減する。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。