JP6303450B2 - 蛍光潜像媒体、検証器及び検証方法 - Google Patents

蛍光潜像媒体、検証器及び検証方法 Download PDF

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Description

本発明は、様々な物品に利用される偽造防止媒体に係り、特に、紫外線の照射により蛍光を発する蛍光潜像媒体及び検証器及び検証方法に関する。
偽造防止技術は、様々な物品に利用されている。例えば、銀行券、債券、商品券、小切手などの金券や有価証券である。また、クレジットカード、IDカード、公文書などの各種証明書、重要書類にも利用されている。
また、最近では、各種商品やその包装材料に適用して、その商品が真正であることを保障するために利用されている。言うまでもなく、これら物品を検査して、適正な偽造防止手段が施されている場合には真正な物品と判定され、偽造防止手段が施されていない場合もしくは不適正なものであった場合は非真正な物品と判定される。
このような偽造防止手段としては、一般に、複雑な操作を必要とする道具などを使わずに、人間の持つ五感を使って、真贋判別するオバート技術と検証器が必要なコバート技術に分けられる。
オバート技術は、誰が見ても偽造防止技術と認知でき、真贋判定を可能とする技術であり、例えばホログラムなど、見る角度によって色や模様が変わるものが挙げられる。
コバート技術は、特殊な検知機や熟練がなければその存在自体が認知できない技術であり、例えば蛍光顔料を用いたものが挙げられる(特許文献1)。
これは蛍光顔料を含んだ塗料を印刷したり、蛍光顔料を含んだリボンを印字したりした媒体へ、紫外線を照射することによって得られる蛍光を、可視光画像として確認するものである。
蛍光顔料が無色であるなどパターンを視認できないものであれば特に、紫外光を照射するまで、その存在を認識できないことから、悪意ある者による外観のみの偽造品に対応することができる。
蛍光顔料を用いた偽造防止手段は、偽造防止媒体を形成するコストが安く、また検証器である紫外線照射器も比較的安価で容易に入手できることから多く用いられており、紫外光を照射して潜像を確認するという検証手段も、偽造防止としては比較的よく知られた手法の1つである。しかし、それ故に偽造防止が施されているということを見破られ易く、偽造品が作られるリスクも高いという問題がある。
特開2000−141863号公報
そこで本発明では、紫外光を照射するという、比較的よく知られた偽造防止確認手法を用いながらも、従来に無い新しい効果を有し、見破られにくい蛍光潜像媒体及び検証器と検証方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、基材と、蛍光層と、多層膜からなり前記蛍光層を発光させるためのコリメートされた励起光の入射角度によって透過率が変化する角度制御層が順次積層され、前記蛍光層の励起波長が前記角度制御層の透過率ボトム波長と重なることを特徴とした蛍光潜像媒体である。
また、請求項2に記載の発明は、前記蛍光層を、蛍光波長の異なる2層以上の蛍光層から構成したことを特徴とする請求項1に記載の蛍光潜像媒体である。
また,請求項3に記載の発明は、前記蛍光層が、目視認識以下のサイズのパターンとして設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蛍光潜像媒体である。
また、請求項4に記載の発明は、前記蛍光層が、万線状パターン状に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蛍光潜像媒体である。
また、請求項5に記載の発明は、蛍光波長の異なる2層以上の蛍光層と、多層膜からなり、照射する光の角度によって、反射したり、透過したりする波長帯域が変化し前記蛍光層を励起する光の照射角度を変える角度制御層を設け、
励起する光の照射角度を変えることにより3色以上の蛍光を得ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の蛍光潜像媒体である。
また、請求項6に記載の発明は、基材上に、蛍光層、多層膜からなる角度制御層を順次積層した蛍光潜像媒体を検証する検証器であって、
コリメートされた励起光を照射する複数の光源を持ち、前記光源のスペクトルの半値幅が、前記角度制御層の透過スペクトル半値幅以下であることを特徴とした検証器である。
また、リメートされた励起光を照射する光源を複数設置した検証器であって、
前記複数の光源の設置角度が蛍光潜像媒体に対して異なるように設け、
前記光源を、人間が残像を知覚する時間以下の周期で点滅させることを特徴とする検証器である。
また、記コリメートされた励起光が、LEDを光源としたことを特徴とする請求項6または段落0018に記載の検証器である。
また、請求項に記載の発明は、コリメートされた励起光を照射する際に、請求項1〜5のいずれか一項に記載の蛍光潜像媒体を振ることによって、蛍光潜像媒体の色変化を観察することを特徴とする検証方法である。
本発明によれば、特定の光源を持った検証器で、異なった角度から光を照射することにより、蛍光色を変化させることが可能となり、紫外線照射器を照射するという、比較的よく知られた偽造防止確認手法を用いて、従来に無い新しい効果を有し、見破られ辛い蛍光潜像媒体及び検証器と検証方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る蛍光潜像媒体の基本的な層構成の一例を示す断面図である。 365nmに吸収ピークのある多層膜の一例を示す反射スペクトルである。 斜めからの照光で蛍光を発するタイプの蛍光潜像媒体の層構成の一例を示した断面図である。 斜めからの照射で蛍光を発するタイプの蛍光潜像媒体における、照射光の強度スペクトルと、角度制御層の照射角度ごとの透過率スペクトルである。 コリメート光の特性を説明する模式図である。 正面からの照射で蛍光を発するタイプの蛍光潜像媒体の層構成の一例を示した断面図である。 正面からの照射で蛍光を発するタイプの蛍光潜像媒体における、照射光の強度スペクトルと、角度制御層の照射角度ごとの透過率スペクトルである。 追記潜像効果を持つ蛍光潜像媒体の層構成の一例を示す断面図である。 混色効果型蛍光潜像媒体の蛍光パターンの一例を示した上面図である。 フルカラー蛍光潜像媒体30の層構成の一例を示した断面図である。 追記潜像効果型蛍光潜像媒体を検証器で検証している様子を示した断面図である。 Duty比50%における正面照射励起光と斜め照射励起光の、時間に対する強度の関係を示した検証器の発光タイミングチャートである。 Duty比25%における正面照射励起光と斜め照射励起光の、時間に対する照射強度の関係を示した検証器のタイミングチャートである。 Duty比25%における光源の照射強度を調整する場合の正面照射励起光と斜め照射励起光の、時間に対する照射強度の関係を示した検証器のタイミングチャートである。 検証器を使わずに高速で励起光照射角度を切り替える検証方法を示した模式図である。
以下本発明を実施するための形態を、図面を用いて詳細に説明する。
<蛍光潜像媒体10の層構成>
図1は、本発明における蛍光潜像媒体の基本的な層構成の一例を示すものであって、必須の構成要素からなる最小構成を示したものであり、図1に記載の蛍光潜像媒体10は、角度制御層101と、蛍光層102とが、観察視点100からこの順で積層されてなる。
角度制御層101は多層膜からなり、特定帯域波長の光が反射され、同時に該当帯域波長の透過率が下がるように設計されている。
<多層膜>
多層膜とは、2種類以上の屈折率の異なる材料が重なり合うことによって形成される膜を指す。これは照射する光は、膜の表面または各層の境界面で一部は反射し、他方反射しなかった光は透過する。各層で反射した光は互いに重なり合って干渉するが、この際、各反射光が通過してきた層の厚みや屈折率の違いにより行路差が発生するため、波長によって強めあったり弱めあったりする。そのため、各層を形成する材料の屈折率や厚み、重ねる順番などを適切に設定することによって、特定帯域波長の光だけを反射したり、透過したりする膜を作成することが可能となる。
一方で、多層膜は照射する光の角度によって、反射したり、透過したりする波長帯域は変化する。具体的には面に対して垂直方向からの照射よりも、斜め方向からの照射の方が、見かけ上のピッチが狭くなることから、反射光や透過光のスペクトルピーク波長は通常短波長側にシフトする。
多層膜の各層の厚みは、光の波長の行路差を利用するため非常に薄膜であることが求め
られる。材料としては、各層の間に屈折率の違いがあれば良いため、例えば真空蒸着機やスパッタリング、イオンプレーティングなどの真空プロセスを活用したドライコーティングを活用し、低屈折率材料と高屈折率材料を交互に形成するという方法が考えられる。形成する材料としては例えば、フッ化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛などが好適に用いられる。本手法は薄膜の膜厚の制御が細かく可能である事と、膜厚の均一性が高い薄膜が形成できるという利点がある。また形成材料として金属を含めても良い。
また、多層膜を形成する方法としては、屈折率の異なる樹脂を溶解させた溶液を、印刷法を用いて塗布するという手法も考えられる。溶液の固形分を著しく低くすることで、印刷法においてもドライコーティングと同レベルの薄膜を形成することが可能である。溶液を塗布するにあたって利用する塗工装置としては、コンマコーター、マイクログラビアコーター、ダイコーター、スピンコーター、オフセット等が使用できる。本手法は、前述のドライコーティングと比べ安価に形成できるという利点がある。
偽造防止媒体においては一般的な蛍光潜像媒体検証用の光源として365nmに発光スペクトルピークを有するものが多く活用されるため、このような設計の多層膜を例示する。
多層膜を形成する各層の材料やその厚みと層の数については、例えば酸化チタンを43nm、フッ化マグネシウムを120nm、酸化チタンを43nmの順に計3層形成すると、365nmに吸収スペクトルピークを有する角度制御層を作成することができる。図2は、365nmに吸収ピークのある多層膜の反射スペクトルである。この時の反射スペクトルは図2の3層多層膜反射率198のようになる。
また、フッ化マグネシウムを120nm、酸化チタンを45nm、フッ化マグネシウムを120nm、酸化チタンを45nm、フッ化マグネシウムを120nmの順に計5層形成すると、やはり365nmに吸収スペクトルピークを有する角度制御層を作成することができることを例示できる。この時の反射スペクトルは図2の5層多層膜反射率199のようになる。
<蛍光層>
蛍光層102は、特定波長の光によって励起し、異なる波長の光を発光するものであり、一般的に蛍光顔料を用いたインキやリボンを用いた印刷物や印字物が相当する。紫外光によって励起し可視光を発光するものでも良いし、可視光によって励起し可視光を発光するものでも良いし、紫外光や可視光によって励起し赤外光を発光するものでも良い。また、赤外光によって励起し可視光を発光するもの、所謂アップコンバージョンタイプの材料を用いても良い。
蛍光顔料として具体的には、ユウロピウムやテルビウムなどの希土類元素や転移金属を加えたもの、蛍光灯にも使用されているハロリン酸カルシウムのほか、窒化珪素、窒化アルミニウム、酸化ユウロピウム、イリジウム錯体など、各種材料を用いることができる。また、バナジウム酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩、リン酸塩などをネオジウムとイッテルビウム等の希土類元素を活性剤としてドープした材料や、ネオジウムやイッテルビウムの一部をイットリウムやランタン等で置換した材料などに代表される、赤外光を発光する材料を使用することもできる。
<蛍光潜像媒体10の効果と原理>
蛍光潜像媒体10の基本的な効果は、角度制御層101によって、特定波長の光が面に対して垂直方向から照射した時と、斜め方向から照射した時の透過率が異なることによって、特定波長の光が蛍光層102の励起エネルギーを異ならせ、結果として蛍光強度が変化するものである。
この構成において具体的な効果は2種類存在する。1種類目は、図3に示すように、面に対して垂直方向から照射する光202は通さないが、面に対して斜め方向から照射する光204は通すものである。
図3は斜めからの光で蛍光を発するタイプの蛍光潜像媒体の層構成の一例を示した断面図である。説明のため、角度制御層101と蛍光層102の間に隙間を設けている。
また、図4(a)〜(c)は斜めからの光で蛍光を発するタイプの蛍光潜像媒体における、照射光の光強度スペクトルと、角度制御層101の照射角度ごとの透過率スペクトル蛍光層の励起スペクトル、蛍光スペクトルである。
ここで、角度制御層101の透過スペクトルが最も低い透過率ボトム波長301は、面に対して垂直方向からの光源201から発せられた、面に対して垂直方向から照射する光202の照射ピーク波長302と一致しているため、角度制御層101における透過率が下がり、蛍光層102が励起しないため蛍光を発しないか極めて弱く蛍光を発するのに対し、面に対して斜め方向からの光源203から発せられた、面に対して斜め方向から照射する光204の照射ピーク波長302は、角度制御層101における透過率ボトム波長が短波長側にシフトした斜めボトム波長303と一致しないため、角度制御層101における透過率が下がらず、蛍光層102は励起し蛍光を発する。
ここで、図4における照射光の光強度スペクトルの照射ピーク波長302における照射光スペクトル半値幅304は、角度制御層101の透過スペクトルの透過率ボトム波長301における透過スペクトル半値幅305と同じか、それより狭くなっている必要がある。発光スペクトル半値幅304の方が透過スペクトル半値幅305よりも広いブロードな発光をしていると、透過率が下がりきらない帯域の波長が透過し、蛍光層102の励起・発光に寄与してしまうためである。
この条件を満たすために、発光スペクトル半値幅304が狭い光源を選んでも、透過スペクトル半値幅305が広い角度制御層101を選んでも、どちらでも良い。
発光スペクトル半値幅304の狭い光源を選ぶ方法の1つは、LEDを使用することである。特に蛍光顔料を励起させるのに多く用いられる紫外LEDは照射光スペクトル半値幅304がおよそ15〜50nm程度と、非常に狭く急峻なスペクトルを有している。
また別の方法としてLEDよりもブロードなスペクトルを有する光源を用いたとしても、ローパスフィルタ及びハイパスフィルタ、もしくはバンドパスフィルタを用いることによって最終的に外に照射される光のスペクトル半値幅を狭くすることができる。もしくは、単一波長を発光するレーザー光源を用いるという方法もある。レーザー光源を用いる場合は、適宜レンズ等を用いて光のビーム直径を広くするのが好ましい。
更に、光源は波長や半値幅のほかに、コリメート光を放射しているという特徴を有している必要がある。コリメート光とは、平行光である。図5は、このコリメート光を説明する模式図である。コリメート光とは、図5(a)に例示するように、光源から発せられた光が高い指向性を持って空間を直進するものを指す。これは、本発明では媒体に対する照射光の照射角度によって効果を発現させるため、図5における(b)のように点光源からの全方位拡散光や、媒体に対して広い面積からの発光は、媒体に対して様々な角度から同時に光を照射することになるためである。
コリメート光を放射するためには、反射鏡を用いる、もしくはガリレオ式やケプラー式などの組み合わせで設計されたレンズを用いるなどの方法が考えられる。また、完全なコリメート光でなくても、ある程度の指向性をもち、媒体との距離が近ければ媒体に照射するまでに十分拡散しきらないため、ほぼコリメート光として扱うこともできる。逆に、裸電球のような全方位への拡散光を発する光源であっても、媒体との距離が十分離れている場合は結果として媒体へは拡散光の一部がコリメート光として照射することになるため、必ずしも光源の放射方法によるものではないが、距離による空間伝搬損失などの問題を考慮すると、パッケージがレンズの一部も兼ねており、ある程度高い指向性を有する砲弾型LEDを用いるのが好適である。また、コリメートした光とは、このような方法を用いて作られたコリメート光を指す。
また、光源はいくら角度制御層101で特定角度における透過率を下げる効果があるとは言え、それ以上の出力で光を照射すれば、発光するに十分な量の励起光が蛍光層に届くことになる。取り分け励起波長が可視光外である場合、強力な光であっても人間は感知できないため、強力な可視光外励起光を用いた場合に、意図しない角度での蛍光発光を視認できてしまう場合がある。そのため、現実的な観察空間において適切な見え方をするよう光源の出力を調節することも必要である。
2種類目は、図6に示すように、面に対して斜め方向から照射する光404は通さないが、面に対して垂直方向から照射する光402は通すものである。
図6は正面から照射した光で、蛍光を発するタイプの蛍光潜像媒体の層構成の一例を示した断面図である。説明のため、角度制御層101と蛍光層102の間に隙間を設けている。
また、図7(a)、(b)は正面からの照射光で蛍光を発するタイプの蛍光潜像媒体における、照射光の発光強度スペクトルと、角度制御層101の照射角度ごとの透過率スペクトルである。
ここで、角度制御層101の透過スペクトルが最も低い透過率ボトム波長501は、面に対して垂直方向からの光源401から照射され、面に対して垂直方向から照射する光402の照射光ピーク波長502とは一致しないため、角度制御層101における透過率が下がらず、蛍光層102は励起し、蛍光を発するのに対し、面に対して斜め方向からの光源403から照射された、面に対して斜め方向から照射する光404の照射光ピーク波長502は、角度制御層101における透過率ボトム波長が短波長側にシフトした斜めボトム波長503と一致するため、角度制御層101における透過率が下がり、蛍光層102が励起されないため、蛍光を発しないか極めて弱く蛍光を発する。要は特定角度の斜め方向からの照射された時に最も透過率が下がるよう設計された角度制御層101を用いるということである。
ここで図7における照射光の光強度スペクトルの照射ピーク波長502における照射光スペクトル半値幅504は、角度制御層101の透過スペクトルの斜めボトム波長503における透過スペクトル半値幅505と同じか、それより狭くなっている必要があるのは、1種類目と同じであり、この条件を満たすために発光スペクトル半値幅304の狭い照射光源を選んでも、透過スペクトル半値幅305の広い角度制御層101を選んでも、どちらでも良いという点も同じである。
本発明の蛍光潜像媒体に励起光を照射する際、最表面での表面反射や、各層間の境界で屈折率差による反射が発生し、蛍光層102に到達する光の量は損失する。これらの反射の反射率は照射角度によって変わり、原則的には正面よりも斜めから照射した光の方が、
反射率が大きくなるため、斜めから励起光を照射することによって蛍光潜像が見える構成の場合は、潜像の蛍光を阻害する要因となるが、励起光があまりにも弱い場合を除き影響は微々たるものであるため、効果が失われるようなことはない。
このようにして提供された蛍光潜像媒体10の具体的な効果は、正面または斜めから励起光が照射されることによって、片方の照射方向では蛍光潜像は見えないが、他方の照射方向では蛍光潜像が見えるという、照射方向による蛍光潜像の有無の効果である。
尚、図4に示すように、蛍光層102の励起波長は角度制御層101の透過率ボトム波長301と重なる。このとき、励起波長のうちピーク波長である励起ピーク波長308は、角度制御層101の透過率ボトム波長301と必ずしも一致する必要はない。
また、励起波長スペクトル半値幅308は、透過スペクトル半値幅305より広い方が励起され易く好ましい。ここで言う蛍光層102の励起波長とは、該当波長の光が蛍光層102に吸収された際、発光現象を引き起こす波長を指し、そのピーク波長が励起ピーク波長308、その半値幅を励起スペクトル半値幅306である。
また発光現象によって発せられる光のピーク波長は蛍光発光ピーク波長309、その半値幅を蛍光発光スペクトル半値幅307である。これは蛍光発光波長よりも波長の短い光で励起される通常の励起過程は勿論、蛍光発光波長よりも長い波長の光によって励起するアップコンバージョンタイプの蛍光発光現象も該当する。図4では、このアップコンバージョンタイプの蛍光発光現象を例示している。
蛍光層102の励起波長は角度制御層101の透過率ボトム波長301と重ならない場合、それはすなわち照射光の光ピーク波長302に蛍光層102の励起波長が存在しない場合であり、照射光の角度がどのような状態であっても蛍光層102に蛍光発光現象は起こらず、本発明の効果は発せられない。
一方、蛍光層102の励起波長が角度制御層101の透過率ボトム波長301と重なっている場合、それは即ち照射光の光ピーク波長302に蛍光層102の励起波長が存在している場合であるため、特定角度以外では蛍光層102の蛍光が発生するという、本発明の効果を確認することができる。
また、透過率ボトム波長は図4の透過率ボトム波長301だけでなく、斜めボトム波長303や、図7の透過率ボトム波長501、斜めボトム波長503でも言い換えて同様の主旨について言うことができ、透過スペクトル半値幅305も、図7の透過スペクトル半値幅505と言い換えて同様の主旨について言うことができる。
更に、蛍光層102の蛍光波長と角度制御層の透過率ボトム波長が重なっている場合、照射光の角度に限らず、観察者の観察角度によっても蛍光層102の蛍光強度の変化を確認できるという効果が追加される。
<追記潜像効果型蛍光潜像媒体20の層構成と効果>
一方、図8に示す蛍光潜像媒体は、正面または斜めから励起光が照射されることによって、片方の照射方向では1つのある蛍光潜像が見え、他方の照射方向では更に追記して新たな蛍光潜像が見えるという、照射方向による蛍光潜像の変化の効果を示す。
図8は、本発明における追記潜像効果を持つ蛍光潜像媒体の層構成の一例を示した断面図である。記載の追記潜像効果型蛍光潜像媒体20は、第一蛍光層601と、角度制御層101と、第二蛍光層602が、観察視点100からこの順で積層されてなる。
図1の蛍光潜像媒体10を基本としている。角度制御層101は図1と図8で同じものであり、図1における蛍光層102は図8第二蛍光層602と同じである。従って、図1の蛍光潜像媒体10に第一蛍光層601を積層したものが追記潜像効果型蛍光潜像媒体20である。
すなわち、第一蛍光層601は観察視点100から見て最表面にあるため、励起光を阻むものはなく、どのような方向から励起光を照射されても一様に蛍光発光する。これが追記潜像効果型蛍光潜像媒体20における第一蛍光潜像である。
一方で、角度制御層101及び第二蛍光層602によって、第二蛍光層602は、正面または斜めから励起光が照射されることにより、片方の照射方向では第二蛍光層の第二蛍光潜像は見えないが、他方の照射方向では第二蛍光潜像が見えるようになるため、照射方向による第二蛍光潜像の有無の効果、言い換えると蛍光潜像の追記効果が得られることになる。
<混色効果型蛍光潜像媒体>
図9は、追記潜像効果型蛍光潜像媒体20を活用し、第一蛍光層601、第二蛍光層602のパターンによって特別な効果を生み出す、混色効果型蛍光潜像媒体の蛍光パターンの一例を示した上面図である。
混色効果型蛍光潜像媒体の効果は、正面または斜めから励起光が照射されることにより、片方の照射方向ではある1色の蛍光潜像パターンが見え、他方の照射方向では更に2色の蛍光潜像パターンが見えることにより、都合3色の蛍光潜像パターンを視認できるものである。
図9に記載の第一蛍光パターンR701は第一蛍光層601のパターンの一部であり、赤色を発光する蛍光層で「R」の文字をパターンにしたものである。第一蛍光パターンY702も第一蛍光層601のパターンの一部であり、赤色を蛍光発光する蛍光層で「Y」の文字を網点状のパターンにしたものである。
一方、第二蛍光パターンY703は第二蛍光層602のパターンの一部であり、緑色を蛍光発光する蛍光層で「Y」の文字を網点状のパターンにしたものである。ここで、第一蛍光パターンY702と第二蛍光パターンY703の位置関係は、互いの網点が互い違いになっており重なっていない。
第二蛍光パターンG704は第二蛍光層602のパターンの一部であり、緑色を蛍光発光する蛍光層で「G」の文字をパターンにしたものである。第三蛍光パターンY705は、互い違いに並んだ第一蛍光パターンY702と第二蛍光パターンY703の両方を示している。
図9に記載の混色効果型蛍光潜像媒体は、正面もしくは斜めのどちらかから励起光が照射されることにより、片方の照射方向では第一蛍光パターンR701と第一蛍光パターンY702が赤色に発光している様子が見える。第一蛍光パターンR701よりも第一蛍光パターンY702の方が、網点になっているため単位面積当たりの蛍光発光強度が弱く見える。
一方、他方の照射方向では第二蛍光パターンY703と第二蛍光パターンG704が追加で蛍光を発するため、特に第三蛍光パターンY705は、赤色を蛍光は発する第一蛍光パターンY702と緑色を蛍光が発する第二蛍光パターンY702が混ざって見えること
から、加法混色により黄色の蛍光が発しているように見える。
更に、第三蛍光パターンY705は、構成する第一蛍光パターンY702と第二蛍光パターンY703の、それぞれの面積占有率に偏りを生じさせることにより、より赤色に近い橙色であったり、より緑色に近い黄緑色だったり、微妙に異なる色やグラデーションを作り出すこともできる。
尚、第一蛍光パターンY702、第二蛍光パターンY703、第三蛍光パターンY705は、目視認識以下のサイズのパターンで設けられる必要がある。目視認識以下のサイズとは、観察者がそのパターンを形として認識できず、一様に設けられたベタであるように認識するサイズであり、一般的に言えば、42μ(600dpi)〜85μm(300dpi)である。
従って、観察者と媒体との間の距離や、観察者の視力、使用する観察器具など状況によって異なる。例えば、一般的な成人が手に持って観察することを前提とした媒体であれば、1つのパターン形状が数百マイクロメートル以下のサイズで設けられるのが好ましい。一方で、ビルの外壁に掲示される巨大ポスターであれば、観察者との間の距離は数十メートルになるため、1つのパターン形状が数十センチメートルでも目視認識以下のサイズとすることができる。
このように混色効果型蛍光潜像媒体は、赤色蛍光発光と緑色蛍光発光の2層2種類の蛍光層を使うだけで3色以上の異なる色を表現できるという効果がある。
<万線潜像蛍光潜像媒体>
一方で、2層2種類の蛍光層ではなく、2層1種類の蛍光層を使い、同じ色の蛍光発光でありながら、パターンを工夫することで別の効果を生み出すことも出来る。すなわち、片方の層のパターンを万線パターンとし、他方のパターンは、万線パターンと重なることによって潜像を生み出すパターンである。
具体的には、潜像としたいエリアの万線パターンを、他のエリアと比べてピッチをずらすことによって一見してはただのベタ万線パターンに見えるが、一様に規則的な万線パターンと重なることによって潜像として発現する公知の従来技術である。
これは本来蛍光潜像ではなく、通常目視可能な印刷パターンによって形成されるものであるが、常に互いの位置を合わせながら確認が可能な本発明は、万線パターンを形成することで、照射光の角度によって万線潜像のパターンを蛍光潜像として発光する効果を得る。
<フルカラー蛍光潜像媒体>
これまで1層の角度制御層101を用いた媒体について説明してきたが、図10の、観察視点100から見て、最表面蛍光層801、第一角度制御層802、第一蛍光層803、第二角度制御層804、第二蛍光層805の順で設けられたフルカラー蛍光潜像媒体30の層構成の一例を示した断面図に示すように、角度制御層と蛍光層の組み合わせを増やすことによって、発光する色やパターンを増やし、複雑な表現が出来るようになる。この場合、角度制御層の透過率ボトム波長を個別に設定したり、照射光波長の異なる光源を複数種類用いたりすることによって表現の組み合わせを増やしていく。
<検証器>
図11は、追記潜像効果型蛍光潜像媒体20を検証器901で検証している様子を示した断面図である。検証器901は2つ以上の光源902を持ち、異なる角度で設置されてい
る。検証器901は図中の矢印で示す通り、媒体との間の距離が特定である時、媒体の特定箇所に異なる角度から光を照射するよう設置されており、更に各光源は任意のタイミングで点灯/消灯を制御することができる。
尚、用いる媒体は必ずしも追記潜像効果型蛍光潜像媒体20でなくても良く、蛍光潜像媒体10でも、フルカラー蛍光潜像媒体30でも良い。取り分け追記潜像効果型蛍光潜像媒体20がより特徴的な効果を示すため、以下、追記潜像効果型蛍光潜像媒体20を例示しながら説明を行う。
追記潜像効果型蛍光潜像媒体20は、励起光の照射角度によって2層の蛍光層の発光を制御するものであり、取り分け2層2種類の蛍光層を用いパターンを工夫することで3色以上の色を表現できるが、照射角度の異なる2種類の励起光の、発光時間を制御することによって動的に発光色を変化させることができる。
すなわち、図9における第三蛍光パターンY705は、正面からの励起光を照射し続けた場合は弱い赤色が、斜めからの励起光照射を続けた場合は黄色を発光する。しかし、正面からの励起光と斜めからの励起光が、時間分割1対1の割合で、人間が残像を知覚する時間以下の周期で点滅した場合、赤色と黄色の間の色である橙色を発光しているように見える。
その時間分割の様子を示したのが図12(a)、(b)であり、図12(a)、(b)はDuty比50%における正面照射励起光と斜め照射励起光の、時間に対する発光強度の関係を示した検証器の発光タイミングチャートである。
これは、人間の目に残像として残っている光が加法混色によって色が混ざっているように見えるものである。点滅周期である人間が残像を知覚する時間とは、人間の目の時間分解能のことであり、性別や年齢によって異なるもののおよそ50ms〜100ms程度である。これよりも短い光の点滅は、連続点灯しているように知覚する。
正面から照射する励起光の発光時間と、斜めから照射する励起光の発光時間のDuty比を制御することによって、動的に第三蛍光パターンY705の蛍光波長を動的に制御することができる。つまり、人間が残像を知覚する時間以下の周期の中で、正面から照射する励起光の発光時間の占有率が大きければ赤色に近い色が蛍光発光し、斜めから照射する励起光の発光時間の占有率が大きければ黄色に近い色の蛍光を発する。
図13(a)、(b)はDuty比25%における正面照射励起光と斜め照射励起光の、時間に対する蛍光強度の関係を示した検証器の発光タイミングチャートであり、ここでは斜め照射励起光の蛍光発光時間の方が長いため、黄色に近い薄い橙色のような色の蛍光を発する。
更に、Duty比が0%もしくは100%に近付き蛍光発光時間の占有率に偏りが生じると、第三蛍光パターンY705における第一蛍光パターンY702と第二蛍光パターンY703の占有面積の割合から蛍光パターンの蛍光強度が弱くなるため、Duty比の変化に応じて光源の照射強度を調整する制御を加えることにより、一定の蛍光パターンの蛍光強度を保つことができる。
照射時間を制御しながら点滅を行う方法としては、弛張発振回路、タイマーIC、マイクロコンピュータのパルス幅変調機能などを用いて点滅のためのタイミング信号を作り出し、必要に応じてドライブ回路を介するなどして光源を点滅させる方法や、機械シャッターや液晶シャッターなど各種シャッターを用いて点灯を続ける光源の行路を特定のタイミングで遮る方法もあるが、コストや故障率、簡便さなどを考慮すると電子回路によるタイミング信号の生成による方法が良い。この際、光源には電圧を印加してから照射するまでの時間である応答速度の速いものを用いるのが良く、取り分けLEDの応答速度は数十〜数百ナノ秒と非常に高速であるため好適である。
また、光源の照射強度を調整する方法としては、光源への印加電圧を増減させることによって出力を調整する方法や、高周波信号を印加し残像時間を活用して出力を少なくする方法が考えられるが、照射時間のDuty比変化に対応した調整を行う必要があるため、照射時間制御方法に連動した方法を用いるのが良い。従って、照射時間制御と同じく電子回路によるタイミング信号を生成する方法を踏襲するのが好適である。
図14(a)、(b)は、Duty比25%における残像時間を活用して光源発光強度を調整する場合の正面照射励起光と斜め照射励起光の、時間に対する照射光強度の関係を示した検証器の照射光タイミングチャートである。基本的には垂直光と斜め光の照射時間がトータルで同じようにすると良い。
これまで説明してきた検証器は、2つの照射角度からの照射光を制御する場合を例示してきたが、光源は2つに限らず、多数配置し照射角度の分解能を上げ、より複雑な制御をすることも可能である。
<検証方法>
検証器を使わなくても、図15に示すように追記潜像効果型蛍光潜像媒体20の中央を持ち、指や手首を使って高速で振ることで、蛍光潜像998に対する照射光源999からの励起光の入射角度を高速に切り替えることが可能となり、加法混色による蛍光の発光効果を出すことができる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
まず、基材となる厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、真空蒸着機を用いて、酸化チタンを43nm蒸着させた後、続いてフッ化マグネシウムを120nm蒸着させる。更に続いて再度酸化チタンを43nm蒸着させた。これが図8における角度制御層101にあたる。
続いて、角度制御層101の面に、下記に示す赤色蛍光インキを用い、図9に示す第一蛍光パターンR701、及び第一蛍光パターンY702のようなパターンで、スクリーン印刷機で印刷を行った後、80℃で2分間乾燥した。これは図8における第一蛍光層601にあたる。
<赤色蛍光インキ>
赤色蛍光顔料(YS−A 根本特殊化学社製) 2重量%
スクリーン印刷用メジウム(SS8 WACワニス 東洋インキ社製) 8重量%
である。
同様にして、ポリエチレンテレフタレートフィルムの角度制御層101が設けられていない方の面に、下記に示す緑色蛍光インキを用い、図9に示す第二蛍光パターンY703、及び第二蛍光パターンG704のようなパターンで、尚且つ第一蛍光層のパターンと互いに見当を合わせ、第一蛍光パターンY702と第二蛍光パターンY703が互い違いになるよう、スクリーン印刷機で印刷を行った後、80℃で2分間乾燥した。赤色蛍光インキも緑色蛍光インキも通常時目視では白色であるため、見当合わせは容易である。必要に応じて紫外線を照射することで、より視認性を上げ更に見当合わせをやりやすくする。尚、これは図8における第二蛍光層602にあたる。
<緑色蛍光インキ>
緑色蛍光顔料:HG−A(根本特殊化学社製) 2重量%スクリーン印刷用メジウム:SS8 WACワニス(東洋インキ社製) 8重量%である。
次に、第二蛍光層602の面に、下記に示す処方の粘着剤を、乾燥硬化後の膜厚が3μmになるよう調整したものを、ワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で1分間乾燥させることで、粘着層を得た。
<粘着剤>
アクリル系接着剤:SKダイン 1501B(綜研化学社製) 50重量%溶剤:メチルエチルケトン 50重量%である。
この粘着層に接するよう、下記に示す白色系の上質紙を重ね、接着することで追記潜像効果型蛍光潜像媒体を得た。外観は全面白色の媒体である。
<上質紙>
白色系上質紙:しらおい(日本製紙社製) 坪量81.4グラム平米である。
得られた追記潜像効果型蛍光潜像媒体に、照射波長365nmの光を放つ紫外LEDを用いて面に垂直の方向から照射すると、赤色の「R」と少し薄い赤色の「Y」を視認できた。続いて斜め方向から照射すると、赤色の「R」と黄色の「Y」と緑色の「G」を視認できた。
このようにして得られた蛍光潜像媒体は、クレジットカードやパスポート、公文書といった証明書や重要書類、また物品の真正保障のために用いられる各種ステッカーなどに用いて活用するに留まらず、その自由なデザインが可能である設計とユニークな効果から、アミューズメント施設の壁紙やポスター、広告などとしての活用も考えられるほか、ビル広告や現代アートなどの巨大な媒体として活用することもできる。
なお、本発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその主旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
10・・・蛍光潜像媒体
20・・・追記潜像効果型蛍光潜像媒体
30・・・フルカラー蛍光潜像媒体
100・・・観察視点
101・・・角度制御層
102・・・蛍光層
103・・・基材
198・・・3層多層膜反射率
199・・・5層多層膜反射率
201・・・面に対して垂直方向からの光源
202・・・面に対して垂直方向から照射する光
203・・・面に対して斜め方向からの光源
204・・・面に対して斜め方向から照射する光
301・・・透過率ボトム波長
302・・・照射光ピーク波長
303・・・斜めボトム波長
304・・・照射光スペクトル半値幅
305・・・透過スペクトル半値幅
306・・・励起スペクトル半値幅
307・・・蛍光発光スペクトル半値幅
308・・・励起波長スペクトル半値幅
309・・・蛍光発光ピーク波長
401・・・面に対して垂直方向からの光源
402・・・面に対して垂直方向から照射する光
403・・・面に対して斜め方向からの光源
404・・・面に対して斜め方向から照射する光
501・・・透過率ボトム波長
502・・・照射光ピーク波長
503・・・斜めボトム波長
504・・・照射光スペクトル半値幅
505・・・透過スペクトル半値幅
601・・・第一蛍光層
602・・・第二蛍光層
701・・・第一蛍光パターンR
702・・・第一蛍光パターンY
703・・・第二蛍光パターンY
704・・・第二蛍光パターンG
705・・・第三蛍光パターンY
801・・・最表面蛍光層
802・・・第一角度制御層
803・・・第一蛍光層
804・・・第二角度制御層
805・・・第二蛍光層
901・・・検証器
902・・・光源
998・・・蛍光潜像
999・・・照射光源

Claims (8)

  1. 基材と、蛍光層と、多層膜からなり前記蛍光層を発光させるためのコリメートされた励起光の入射角度によって透過率が変化する角度制御層が順次積層され、前記蛍光層の励起波長が前記角度制御層の透過率ボトム波長と重なることを特徴とした蛍光潜像媒体。
  2. 前記蛍光層を、蛍光波長の異なる2層以上の蛍光層から構成したことを特徴とする請求項1に記載の蛍光潜像媒体。
  3. 前記蛍光層が、目視認識以下のサイズのパターンとして設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蛍光潜像媒体。
  4. 前記蛍光層が、万線状パターン状に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光潜像媒体。
  5. 蛍光波長の異なる2層以上の蛍光層と、多層膜からなり、照射する光の角度によって、反射したり、透過したりする波長帯域が変化し前記蛍光層を励起する光の照射角度を変える角度制御層を設け、
    励起する光の照射角度を変えることにより3色以上の蛍光を得ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の蛍光潜像媒体。
  6. 基材上に、蛍光層、多層膜からなる角度制御層を順次積層した蛍光潜像媒体を検証する検証器であって、
    コリメートされた励起光を照射する複数の光源を持ち、前記光源のスペクトルの半値幅が、前記角度制御層の透過スペクトル半値幅以下であることを特徴とした検証器。
  7. 前記コリメートされた励起光が、LEDを光源としたことを特徴とする請求項に記載の検証器。
  8. コリメートされた励起光を照射する際に、請求項1〜5のいずれか一項に記載の蛍光潜像媒体を振ることによって、蛍光潜像媒体の色変化を観察することを特徴とする検証方法。
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