JP2023178857A - 偽造防止媒体およびその検証方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コストも安く、高い精度で、手軽に真偽判定を行うことが可能な偽造防止媒体を提供すること。【解決手段】 実施形態によれば、偽造防止媒体は、基材と、基材上に配置され、ペリレン骨格を有する染料または顔料のうちの少なくとも何れかを含むインキ層とを有し、インキ層は、基材上の単位面積あたり第1濃度の顔料を含む第1部位と、基材上の単位面積あたり第1濃度よりも高い第2濃度の顔料を含む第2部位とを含み、第1観察光が、インキ層において反射した場合、インキ層は、第1色で観察され、第2観察光が、インキ層を透過した場合、第1部位は、第2色で観察され、第2部位は、第2色と識別可能な第3色で観察される。【選択図】図1

Description

本発明は、偽造防止媒体およびその検証方法に関する。
従来、偽造防止のための様々な技術が開示されている。
例えば、特許文献1には、OVIインキ、カラーシフトインキのように、見る角度によって色が変化するインキを、偽造防止のために適用する技術が開示されている。
また、特許文献2,3には、メタメリックインキのように、使用する照明によって色が異なって見えるインキを、偽造防止のために適用する技術が開示されている。
さらには、多層蒸着膜、コレステリック液晶、機器検知インキを、偽造防止のために適用する技術も知られている。
特許第4172199号公報 特開2001-159094号公報 特開昭54-159004号公報
しかしながら、これら偽造防止に関する従来技術には、以下のような問題がある。
OVIインキは、傾けると色が変化するが、色変化が明瞭ではない。このため、OVIインキを適用した偽造防止方法では、高い信頼性で真偽判定を行うことはできない。
一方、メタメリックインキは、太陽光、蛍光灯、白熱電球等の通常の光下で見える色と、所望のフィルターを通して見るかあるいは所望の分光エネルギー分布を有する光源のもとで見る色が明瞭に異なるため、OVIインキよりも真偽判定のために適しているといえる。しかしながら、明瞭な色変化を得るためには、特殊な光源を必要とする。このため、メタメリックインキを適用した偽造防止方法は、安価に実現することはできない。
また、多層蒸着膜およびコレステリック液晶は、材料費も、製造費も高額である。したがって、多層蒸着膜またはコレステリック液晶を適用した偽造防止方法もまた、安価に実現することはできない。
また、機器検知インキを用いた偽造防止技術では、特殊な検知器を必要とする。したがって、この検出器の製造コストのために、やはり、安価に実現することができない。また、この検出器を製造したとしても、この検知器を操作できる人しか利用できず、汎用性に乏しい。
また、近年著しく進化しているスマートフォン認証(「スマホ認証」と呼ばれている)を偽造防止に適用し、被検体の画像をスマートフォンのカメラを使って撮影し、画像に基づいて真偽判定を行うことも考えられる。しかしながら、スマホ認証を行う場合、特定のアプリケーションを、ユーザのスマートフォンにダウンロードしなければならないので、ユーザにとって手間がかかる。また、ユーザが、アプリケーションを、自分のスマートフォンにダウンロードしたとしても、ユーザ毎に、カメラの向きや角度が異なるために、高い信頼性で真偽判定を行うことはできない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、コストも安く、高い精度で、手軽に真偽判定を行うことが可能な偽造防止媒体、およびその検証方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
すなわち、本願発明の第1の態様は、基材と、基材上に配置され、ペリレン骨格を有する染料または顔料のうちの少なくとも何れかを含むインキ層とを有し、インキ層は、基材上の単位面積あたり第1濃度の顔料を含む第1部位と、基材上の単位面積あたり第1濃度よりも高い第2濃度の顔料を含む第2部位とを含み、第1観察光が、インキ層において反射した場合、インキ層は、第1色で観察され、第2観察光が、インキ層を透過した場合、第1部位は、第2色で観察され、第2部位は、第2色と識別可能な第3色で観察される、偽造防止媒体である。
本願発明の第2の態様は、第1部位と第2部位とは、基材の主面に直交する方向の厚みが等しい、第1の態様の偽造防止媒体である。
本願発明の第3の態様は、第1部位と第2部位とは、基材の主面に直交する方向の厚みが異なる、第1の態様の偽造防止媒体である。
本願発明の第4の態様は、第1色は黒色、第2色は緑色、第3色は赤色である、第1または第2の態様の偽造防止媒体である。
本願発明の第5の態様は、第2濃度が高いほど、第3色は、より高波長側にシフトする、第1または第2の態様の偽造防止媒体である。
本願発明の第6の態様は、第1観察光は、蛍光灯からの光、または太陽光であり、第2観察光は、白色光源からの光である、第1の態様の偽造防止媒体である。
本願発明の第7の態様は、インキ層は、反射では黒色を示す、ペリレン骨格を有する顔料であり、第1濃度における透過率が、540nm付近で0.2%以上10%未満、780nm付近で60%以上100%未満であり、第2濃度における透過率が、540nm付近で0.2%未満、780nm付近で40%以上100%未満である、第1の態様の偽造防止媒体である。
本願発明の第8の態様は、第1の態様の偽造防止媒体の検証方法であって、第1観察光を、インキ層において反射させたときに、インキ層が、第1色で観察され、第2観察光を、インキ層を透過させたときに、第1部位が、第2色で観察され、第2部位が、第3色で観察される場合、偽造防止媒体は真正であると判定し、それ以外の場合、偽造防止媒体は真正ではないと判定する、検証方法である。
本願発明の第9の態様は、第1観察光は、蛍光灯からの光、または太陽光であり、第2観察光は、白色光源からの白色光である、第8の態様の検証方法である。
本願発明の第10の態様は、白色光源は、スマートフォンに搭載された白色LEDである、第9の態様の検証方法である。
本発明によれば、コストも安く、高い精度で、手軽に真偽判定を行うことが可能な、偽造防止媒体およびその検証方法を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る偽造防止媒体の一例を示す平面図である。 図2は、図1のX-X’線に沿った偽造防止媒体の側断面図である。 図3は、反射光源から観察光が照射され、観察光が、インキ層において反射した場合を示す、図2に対応する側断面図である。 図4は、反射光源からの観察光が、インキ層において反射した場合に、観察者によって観察される状態を示す、図1に対応する平面図である。 図5は、透過光源から観察光が照射され、観察光が、インキ層を透過した場合を示す、図2に対応する側断面図である。 図6は、透過光源から観察光が照射され、観察光が、インキ層を透過した場合を示す、観察者によって観察される状態を示す、図1に対応する平面図である。 図7は、スマートフォンのLEDから発せられる光の発光強度特性を示す図である。 図8は、ペリレン骨格を有する顔料の光透過特性図である。 図9は、ペリレン骨格を有する顔料の、図8における380nmから630nmの波長範囲における詳細な光透過特性図である。 図10は、一般的な視感度曲線である。 図11は、本発明の第2の実施形態に係る偽造防止媒体の一例を示す側断面図である。 図12は、実施例4のサンプルに対する特性評価により得られた層数とL値との相関関係を示す表である。 図13は、図12から得られた層数とa値との相関関係を示す図である。 図14は、一般的なL色空間色度図である。
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る偽造防止媒体の一例を示す平面図である。
図2は、図1のX-X’線に沿った偽造防止媒体の側断面図である。
すなわち、偽造防止媒体1は、基材2上にインキ層3が配置されることによって構成される。
基材2の材料としては、LED等からの白色光に対して透過性を有する紙、プラスチック、木材、ガラス、または樹脂などが用いられ、偽造防止媒体1の用途に応じて、これらから適切な材料が選択される。
インキ層3は、基材2上の単位面積あたり第1濃度の顔料を含む第1部位3aと、基材2上の単位面積あたり第1濃度よりも高い第2濃度の顔料を含む第2部位3bとを含む。
インキ層3は、例えば、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、及びフレキソ印刷法のような印刷法によって形成される。
図1および図2に示す例では、インキ層3は、円形の平面形状を有する第1インキ層3’と、第1インキ層3’の一部の上に積層された星形の平面形状を有する第2インキ層3’’とによって構成される。
図1および図2に示す例では、第1部位3aは、第1インキ層3’の単層によって形成され、第2部位3bは、第1インキ層3’と第2インキ層3’’とが積層された複層によって形成される。したがって、第2部位3bでは、基材2上の単位面積あたりの顔料の濃度が、第1部位3aよりも高い。
図3は、反射光源から観察光が照射され、観察光が、インキ層において反射した場合を示す、図2に対応する側断面図である。
図4は、反射光源からの観察光が、インキ層において反射した場合に、観察者によって観察される状態を示す、図1に対応する平面図である。
反射光源4’は、任意の光源でよく、例えば、蛍光灯や太陽とすることができる。したがって、観察光Rとして、蛍光灯からの白色光、あるいは太陽からの太陽光を使用できる。
図3に示すように、偽造防止媒体1に対して、反射光源4’から観察光Rが照射され、観察光Rが、インキ層3において反射した場合、図4に示すように、インキ層3は、観察者Kによって、第1色で観察される。第1色は、例えば黒色である。
図5は、透過光源から観察光が照射され、観察光が、インキ層を透過した場合を示す、図2に対応する側断面図である。
図6は、透過光源から観察光が照射され、観察光が、インキ層を透過した場合を示す、観察者によって観察される状態を示す、図1に対応する平面図である。
透過光源4’’は、例えば、スマートフォンに搭載された白色LEDのような白色光源とすることができる。したがって、透過光源4’’からの観察光Tは、白色光とすることができる。
図7は、スマートフォンのLEDから発せられる光の発光強度特性を示す図である。
白色光の発光方法としては、LEDの青色光と、その光で励起される補色の黄色を発光する蛍光体の組み合わせで白色を作り出す方法や、赤色・緑色・青色の光の3原色のLEDの組み合わせにより作り出す方法などが挙げられる。
図5に示すように、偽造防止媒体1に対して、透過光源4’’から観察光Tが照射され、観察光Tが、偽造防止インキ層3を透過した場合、図6に示すように、インキ層3では、第1部位3aが、第1色とは異なる第2色で観察され、第2部位3bが、第1色とは異なり、第2色と識別可能な第3色で観察される。第2色は、例えば緑色であり、第3色は、例えば赤色である。
なお、図2、図3、図5は、第2部位3bが、第1インキ層3’と第2インキ層3’’との2層で形成された例を示しているが、第2部位3bは、3層以上で形成することもでき、層数が多いほど、第3色は、より高波長側にシフトする。すなわち、第3色が赤色である場合、層数が多いほど、より赤くなる。
このような特性を有するインキ層3の材料としては、反射では黒色を示し、単層のときに、540nm付近の透過率が0.2%以上10%未満、780nm付近の透過率が60%以上100%未満であり、複層のときには、540nm付近の透過率が0.2%未満、780nm付近の透過率が40%以上100%未満であるペリレン骨格を有する顔料が好適である。ペリレン骨格を有する顔料は、反射では黒色でありながら、近赤外領域において高い透過性を示す特徴を有する。また、置換基を変えることで透過波長のコントロールが可能となる。
このようなペリレン骨格を有する顔料からなるインキ層3の透過率の根拠は、以下の通りである。
すなわち、540nm付近の透過率に着目すると、インキ層3は、単層のときには、透過率が0.2%未満であると、透過光が赤色に見えてしまう。逆に、単層の透過率が10%以上であると、緑色が強く視認されすぎてしまい、反射でも緑色がかって見えてしまう。加えて、単層の透過率が10%以上ある場合、複層としたときには、透過率は0.2%未満となりづらく、赤色が視認しづらくなる。また、複層での透過率が0.2%以上の場合、透過で緑に見えてしまう。
780nm付近の透過率に着目すると、インキ層3は、単層のときには、透過率が60%未満であると、全体的な透過率が低くなるために、赤色で視認しやすくなる可能性がある。一方、透過率が40%未満であると、透過光が黒っぽく見えてしまい赤色が視認しづらくなる。
図8および図9は、ペリレン骨格を有する顔料の光透過特性図である。
特に、図9は、ペリレン骨格を有する顔料の、図8における380nmから630nmの波長範囲における詳細な光透過特性図である。
図10は、一般的な視感度曲線である。
単層aの場合、図8に示されるように、可視領域の透過率は全体的に低いものの、図9に示されるように、540nm付近で極大値を示す。また、図10に示す視感度曲線より、人間は明るいところでは555nm付近の緑色の光を最も強く感じる。したがって、単層aは、観察光Tが透過すると、緑色で視認され易くなる。
複層bの場合、単層aの場合と比較して、全体的に透過率が低下し、特に図9に示されるように、540nm付近の透過率が、限りなく0%近くまで低下する。したがって、複層bは、観察光Tが透過すると、緑色で視認されづらくなり、780nm付近の赤色で視認され易くなる。
したがって、このような顔料を塗工して形成したインキ層3に、透過光源4’’から観察光Tを照射すると、観察光Tの透過によって、単層aである第1部位3aは緑色に見えるが、複層bである第2部位3bは、赤色に見えるようになる。
このような特性を有するペリレン骨格を有する顔料で形成されたインキ層3は、OVIインキで形成されたインキ層よりも、緑色と赤色との明瞭な色変化を確認できる。
次に、以上のように構成した偽造防止媒体1に対してなされる真偽の検証方法について説明する。
この検証方法では、先ず被検体である偽造防止媒体1において、図3に例示されるように、太陽や蛍光灯から得られる観察光Rを反射させる。
これによって、観察者Kが、図4に例示されるように、インキ層3が黒色となることを観察すると、観察者Kは、次に、図5に例示されるように、例えばスマートフォンを光源4’’として用いて、被検体の裏側に配置し、スマートフォンのLEDから、被検体に向けて観察光Tを照射し、インキ層3を透過させる。
これによって、図4に例示されるように黒色で表示されていたインキ層3が、図6に例示されるように、緑色と赤色のように識別可能な2色で、星のように、予め指定されたデザインが表示されることを、観察者Kが観察すると、観察者Kは、この被検体が、真正であると判定する。
一方、観察光Rによる反射によっても、インキ層3が黒色に表示されない場合、あるいは、観察光Rによる反射によってインキ層3が黒色に表示された場合であっても、観察光Tによる透過によって、インキ層3が、緑色と赤色のような識別可能な2色で、予め指定されたデザインで表示されない場合、観察者Kは、この被検体を、真正ではないと判定する。
上述したように、この検証方法は、光の反射と透過によるカラーシフト効果を利用することによって、特別な検証機も必要とせず、安価かつ容易に実現できる。この検証方法では、反射光と透過光とが必要であるが、反射光としては、太陽光を利用でき、透過光としては、スマートフォンに搭載されたLEDを利用できるので、特殊な光源を装備する必要もない。さらに、観察者Kの目視確認により真偽判定ができるので、特別なアプリケーションも使うことなく、誰でも簡単に、すなわち安価で手軽に、精度の高い真偽判定を行うことが可能となる。
(第2の実施形態)
図11は、本発明の第2の実施形態に係る偽造防止媒体の一例を示す側断面図である。
第2の実施形態に係る偽造防止媒体1Aは、第1の実施形態に係る偽造防止媒体1の変形例である。
偽造防止媒体1Aでも、基材2上にインキ層3が配置されており、インキ層3は、基材2上の単位面積あたり第1濃度の顔料を含む第1部位3aと、基材2上の単位面積あたり第1濃度よりも高い第2濃度の顔料を含む第2部位3bとを含む。第1部位3aは、偽造防止媒体1の場合と同様に、第1インキ層3’によって形成される。
一方、第2部位3bについては、偽造防止媒体1では、第1インキ層3’と第2インキ層3’’との複層により実現されていたが、偽造防止媒体1Aでは、第3インキ層3’’’の単層により実現する。ただし、第3インキ層3’’’は、第1インキ層3’よりも高い濃度で顔料を含有している。
このような構成によっても、基材2上の単位面積あたり第1濃度の顔料を含む第1部位3aと、基材2上の単位面積あたり第1濃度よりも高い第2濃度の顔料を含む第2部位3bとを含むインキ層3を実現できる。
さらに、このような構成によれば、偽造防止媒体1とは異なり、第1部位3aと第2部位3bとの高さを等しくすることができ、平坦なインキ層3を実現することもできる。例えば、図1に示す平面図のように、インキ層3に、星形の平面形状を有する第2部位3bを含める場合、先ず、星形の平面形状を有する第2部位3b(第3インキ層3’’’)を基材2上に印刷し、その周囲に、インキ層3の平面形状が円形になるように、第1部位3a(第1インキ層3’)を印刷することによって形成できる。
このような構成であっても、第1の実施形態で説明したものと同様に、インキ層3は、観察光Rの反射によって黒色で表示され、観察光Tの透過によって、第1部位3aが緑色で、第2部位3bが赤色で表示されるようになるので、第1の実施形態で説明した検証方法のために良好に利用できる。
次に、偽造防止媒体1のサンプルを実際に作成し、サンプルの特性を評価した実施例1~4について説明する。
実施例1では、以下に示す条件で、ペリレン系材料を顔料として含むインキによってインキ層3を形成した。
基材:透明PETフィルム
顔料:ペリレン系材料
インキ:UV硬化型フレキソインキ
顔料濃度:20%
印刷方法:単層にて5μmの箇所を印刷して第1部位3aとし、2回刷りにて10μmの箇所を印刷して第2部位bとすることによって、インキ層3を形成した。
特性評価(正規品の場合):インキ層3は、観察光Rの反射によって黒色で表示され、観察光Tの透過によって、第1部位3aが緑色で、第2部位3bが赤色で表示された。したがって、実施例1で形成されたインキ層3を有する偽造防止媒体1は、正規品であると判定することができる。
特性評価(偽造品の場合):一方、実施例1で形成されたインキ層3を有する偽造防止媒体1を複写機で複写した。複写物は、所定のインキではなく、複写機のインクジェットインキもしくはトナーによって形成されるため、反射によって黒色に見えるが、透過色が白色となるため、偽造品と判定することができる。
実施例2では、以下に示す条件で、インキ層3を形成した。
基材:透明PETフィルム
顔料:ペリレン系材料
インキ:UV硬化型フレキソインキ
顔料濃度:20%と40%
印刷方法:5μmの厚さを有する単層にて、顔料濃度20%の箇所と、40%の箇所とを塗り分けしてインキ層3を形成した。
特性評価:インキ層3は、反射では黒色に見え、顔料濃度20%の箇所は緑色に見え、40%の箇所は赤色に見えるため正規品であると判定することができる。
実施例3では、以下に示す条件で、顔料を含まないインキによってインキ層3を形成した。
基材:透明PETフィルム
顔料:なし
インキ:UV硬化型フレキソ墨インキ
印刷方法:実施例1と同様に、単層にて5μmの箇所を印刷して第1部位3aとし、2回刷りにて10μmの箇所を印刷して第2部位bとすることによって、インキ層3を形成した。
特性評価:インキ層3は、観察光Rの反射によって黒色で表示されたが、観察光Tの透過によって、白色で表示された。したがって、実施例3で形成されたインキ層3を有する偽造防止媒体1は、偽造品であると判定することができる。
実施例4では、実施例1と同様、ペリレン系材料を顔料として含むインキによって、層数の異なるインキ層3を形成した。
基材:透明PETフィルム
顔料:ペリレン系材料
インキ:UV硬化型フレキソインキ
顔料濃度:20%
印刷方法:単層を3μmとして、第1~5層のサンプルをそれぞれ作成した。
特性評価:インキ層3は、観察光Rの反射によって黒色で表示され、観察光Tの透過によって、第1~2層が黄色味の緑、第3~5層が黄色味の赤で表示された。
図12は、実施例4のサンプルに対する特性評価により得られた層数とL値との相関関係を示す表である。
図13は、図12から得られた層数とa値との相関関係を示す図である。
図14は、一般的なL色空間色度図である。
図12および図13に示されているように、層数を増やす(すなわち、単位面積当たりの顔料濃度を高くする)と、a値が+方向にシフトすることが分かった。これは、図14に示すL表色系において、緑色から赤色にシフトしていることに相当する。
このように、実施例4によれば、インキ層3の第2部位3bに含まれる顔料の濃度が高いほど、観察光Tの透過によって第2部位3bで観察される赤色は、より高波長側にシフトしていることを確認できた。
以上、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1A・・偽造防止媒体、2・・基材、3・・インキ層、3’・・第1インキ層、3’’・・第2インキ層、3’’’・・第3インキ層、3a・・第1部位、3b・・第2部位、4’・・反射光源、4’’・・透過光源、a・・単層、b・・複層、K・・観察者、R・・観察光、T・・観察光

Claims (10)

  1. 基材と、
    前記基材上に配置され、ペリレン骨格を有する染料または顔料のうちの少なくとも何れかを含むインキ層とを有し、
    前記インキ層は、前記基材上の単位面積あたり第1濃度の顔料を含む第1部位と、前記基材上の単位面積あたり前記第1濃度よりも高い第2濃度の顔料を含む第2部位とを含み、
    第1観察光が、前記インキ層において反射した場合、前記インキ層は、第1色で観察され、
    第2観察光が、前記インキ層を透過した場合、前記第1部位は、第2色で観察され、前記第2部位は、前記第2色と識別可能な第3色で観察される、偽造防止媒体。
  2. 前記第1部位と前記第2部位とは、前記基材の主面に直交する方向の厚みが等しい、請求項1に記載の偽造防止媒体。
  3. 前記第1部位と前記第2部位とは、前記基材の主面に直交する方向の厚みが異なる、請求項1に記載の偽造防止媒体。
  4. 前記第1色は黒色、前記第2色は緑色、前記第3色は赤色である、請求項1または2に記載の偽造防止媒体。
  5. 前記第2濃度が高いほど、前記第3色は、より高波長側にシフトする、請求項1または2に記載の偽造防止媒体。
  6. 前記第1観察光は、蛍光灯からの光、または太陽光であり、前記第2観察光は、白色光源からの光である、請求項1に記載の偽造防止媒体。
  7. 前記インキ層は、反射では黒色を示す、前記ペリレン骨格を有する顔料であり、
    前記第1濃度における透過率が、540nm付近で0.2%以上10%未満、780nm付近で60%以上100%未満であり、
    前記第2濃度における透過率が、540nm付近で0.2%未満、780nm付近で40%以上100%未満である、請求項1に記載の偽造防止媒体。
  8. 請求項1に記載の偽造防止媒体の検証方法であって、
    前記第1観察光を、前記インキ層において反射させたときに、前記インキ層が、前記第1色で観察され、前記第2観察光を、前記インキ層を透過させたときに、前記第1部位が、前記第2色で観察され、前記第2部位が、前記第3色で観察される場合、前記偽造防止媒体は真正であると判定し、それ以外の場合、前記偽造防止媒体は真正ではないと判定する、検証方法。
  9. 前記第1観察光は、蛍光灯からの光、または太陽光であり、前記第2観察光は、白色光源からの白色光である、請求項8に記載の検証方法。
  10. 前記白色光源は、スマートフォンに搭載された白色LEDである、請求項9に記載の検証方法。
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