JP6296923B2 - 動力分割式無段変速機 - Google Patents

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Description

本発明は、動力分割式無段変速機に関する。
自動車などの車両には、エンジンの動力を変速して車輪に伝達するために、手動変速機、自動変速機または無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)などの変速機が搭載されている。
変速機には、多数の斜歯歯車が使用されている。斜歯歯車は、直歯平歯車と比較して、歯の噛み合いが滑らかであり、歯の噛み合いによる騒音およびトルク変動が小さいという利点を有している。その反面、斜歯歯車には、回転時にスラスト荷重(軸方向の荷重)が生じるという欠点がある。そのため、斜歯歯車とそれに隣接する部材との間には、スラスト荷重および差回転を受けるために、スラストニードルベアリングなどのスラスト軸受が介在される。
変速機として、たとえば、エンジンの動力を無段階に変速する無段変速機構と、エンジンの動力を無段変速機構を経由せずに伝達する歯車機構と、無段変速機構からの動力と歯車機構からの動力とを合成するための遊星歯車機構とを備えたものが提案されている。この提案にかかる変速機では、従来の無段変速機などよりも多数の歯車が使用されており、それゆえ、スラスト荷重および差回転が発生する部品が多く、多数のスラスト軸受を必要とする。
特許第4552376号公報
ところが、スラスト軸受が比較的高価であるため、スラスト軸受を多用している変速機は高価になる。
本発明の目的は、スラスト軸受の使用個数の低減を図ることができる、動力分割式無段変速機を提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る動力分割式無段変速機は、回転軸に入力される動力を無段階に変速するための無段変速機構と、回転軸に入力される動力を一定の変速比で変速するための一定変速機構と、無段変速機構からの動力と一定変速機構からの動力とを合成するための合成用歯車機構とを備え、動力が無段変速機構のみを経由して合成用歯車機構に伝達される無段変速モードと、動力が無段変速機構および一定変速機構を経由して合成用歯車機構に伝達される動力分割モードとに切替可能に構成された分割式無段変速装置であって、一定変速機構は、内周部が回転軸に相対回転不能に支持され、外周部にピニオンギヤを回転可能に支持するキャリアと、キャリアの内周部に回転軸の軸線方向の一方側から対向する第1対向部を有し、回転軸と相対回転可能に設けられ、ピニオンギヤと噛合するサンギヤと、キャリアの内周部に軸線方向の他方側から対向する第2対向部を有し、回転軸と相対回転可能に設けられ、ピニオンギヤと噛合するリングギヤと、サンギヤと一体回転可能に設けられ、動力を合成用歯車機構に伝達するためのスプリットドライブギヤとを備え、サンギヤおよびスプリットドライブギヤは、それぞれねじれ方向が同方向の斜歯を有し、リングギヤは、ねじれ方向がサンギヤおよびスプリットギヤの斜歯と逆方向の斜歯を有し、サンギヤおよびスプリットドライブギヤの各斜歯のねじれ角は、サンギヤに生じるスラスト荷重がスプリットドライブギヤに生じるスラスト荷重よりも大きくなるように設定されている。
この構成によれば、キャリアの内周部が回転軸に相対回転不能に支持され、キャリアの内周部に、サンギヤの第1対向部が軸線方向の一方側から対向し、リングギヤの第2対向部が軸線方向の他方側から対向している。サンギヤおよびリングギヤは、キャリアに回転可能に支持されたピニオンギヤと噛合している。スプリットドライブギヤは、動力を合成用歯車機構に伝達するためのギヤであり、サンギヤと一体回転可能に設けられている。サンギヤ、リングギヤおよびスプリットドライブギヤは、斜歯歯車からなる。
動力分割モードでは、リングギヤが制動されることにより、回転軸の動力がピニオンギヤを介してサンギヤに伝達され、その動力がサンギヤからスプリットドライブギヤを介して合成用歯車機構に伝達される。
このとき、サンギヤは、ピニオンギヤから動力が入力される被動ギヤとなり、スプリットドライブギヤは、合成用歯車機構に動力を入力する駆動ギヤとなる。サンギヤおよびスプリットドライブリングギヤの各斜歯は、同じねじれ方向に傾斜しているので、サンギヤおよびスプリットドライブギヤには、互いに逆方向のスラスト荷重が生じる。そして、サンギヤおよびスプリットドライブギヤの各斜歯のねじれ角は、サンギヤに生じるスラスト荷重がスプリットドライブギヤに生じるスラスト荷重よりも大きくなるように設定されている。そのため、サンギヤおよびスプリットドライブギヤがなす一体には、サンギヤに生じるスラスト荷重の一部が残る。
一方、リングギヤは、ピニオンギヤから動力が入力される被動ギヤとなる。リングギヤは、ねじれ方向がサンギヤの斜歯と逆方向である斜歯を有しているので、リングギヤには、サンギヤに生じるスラスト荷重と逆方向のスラスト荷重が生じる。
したがって、動力分割モードにおいて、サンギヤの第1対向部がキャリアの内周部から離間する方向のスラスト荷重がサンギヤに発生し、リングギヤの第2対向部がキャリアの内周部から離間する方向のスラスト荷重がリングギヤに発生するように、サンギヤのねじれ方向および回転軸の回転方向が設定されていれば、キャリアの内周部に荷重がかからない。よって、キャリアの内周部と第1対向部および第2対向部との各間からスラスト軸受を不要とすることができ、スラスト軸受の使用個数の低減を図ることができる。
本発明によれば、スラスト軸受の使用個数を低減することができ、これにより、コストの低減を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る動力分割式無段変速機の構成を示すスケルトン図である。 各動力伝達モードにおけるハイブレーキ、リバースブレーキおよびロークラッチの状態を示す図である。 合成用歯車機構のサンギヤ、キャリアおよびリングギヤの回転数の関係を示す共線図である。 一定変速機構の機械的構成を示す断面図であり、インプット軸の軸線(回転中心線)に対する一方側のみを示す。 スプリットモード時および後進時に、スプリットドライブギヤ、サンギヤおよびリングギヤに生じるスラスト荷重の向きを示す図である。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る動力分割式無段変速機1の構成を示すスケルトン図である。
動力分割式無段変速機1は、たとえば、エンジンを動力源とする自動車に、エンジンの動力を変速してデファレンシャルギヤ2に伝達するために搭載される。動力分割式無段変速機1は、インプット軸3、アウトプット軸4、無段変速機構5、一定変速機構6および合成用歯車機構7を備えている。
インプット軸3には、エンジンの動力が入力される。
アウトプット軸4は、インプット軸3と平行に設けられている。
無段変速機構5は、ベルト式の無段変速機構である。無段変速機構5は、インプット軸3に連結されたプライマリ軸11と、プライマリ軸11と平行に設けられたセカンダリ軸12と、プライマリ軸11に相対回転不能に支持されたプライマリプーリ13と、セカンダリ軸12に相対回転不能に支持されたセカンダリプーリ14と、プライマリプーリ13とセカンダリプーリ14とに巻き掛けられたベルト15とを備えている。
一定変速機構6は、遊星歯車機構21、スプリットドライブギヤ22、ハイブレーキ23およびリバースブレーキ24を備えている。
遊星歯車機構21は、キャリア25、サンギヤ26およびリングギヤ27が含まれる。キャリア25は、インプット軸3に相対回転不能に支持されている。キャリア25は、複数個のピニオンギヤ28を回転可能に支持している。複数のピニオンギヤ28は、円周上に等角度間隔で配置されている。サンギヤ26は、インプット軸3に相対回転可能に外嵌されて、各ピニオンギヤ28にインプット軸3の回転径方向の内側から噛合している。リングギヤ27は、キャリア25の周囲を取り囲む円環状を有し、各ピニオンギヤ28にインプット軸3の回転径方向の外側から噛合している。
スプリットドライブギヤ22は、サンギヤ26と一体回転可能に設けられている。
ハイブレーキ23は、リングギヤ27を制動する制動状態(オン)と、リングギヤ27の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
リバースブレーキ24は、スプリットドライブギヤ22(サンギヤ26)を制動する制動状態(オン)と、スプリットドライブギヤ22の回転を許容する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
合成用歯車機構7は、遊星歯車機構の構成を有している。すなわち、合成用歯車機構7は、キャリア31、サンギヤ32およびリングギヤ33を備えている。キャリア31は、無段変速機構5のセカンダリ軸12と相対回転可能に設けられている。キャリア31は、複数個のピニオンギヤ34を回転可能に支持している。複数のピニオンギヤ34は、円周上に等角度間隔で配置されている。サンギヤ32は、セカンダリ軸12に相対回転不能に支持されて、各ピニオンギヤ34にセカンダリ軸12の回転径方向の内側から噛合している。リングギヤ33は、キャリア31の周囲を取り囲む円環状を有し、各ピニオンギヤ34にセカンダリ軸12の回転径方向の外側から噛合している。また、リングギヤ33は、アウトプット軸4と一体回転可能に設けられている。
合成用歯車機構7は、ロークラッチ35を備えている。ロークラッチ35は、アウトプット軸4とセカンダリ軸12とを直結する係合状態(オン)と、その直結を解除する解放状態(オフ)とに切り替えられる。
さらに、合成用歯車機構7は、キャリア31と一体回転可能に設けられたスプリットドリブンギヤ36と、スプリットドライブギヤ22およびスプリットドリブンギヤ36と噛合するアイドルギヤ37とを備えている。
また、動力分割式無段変速機1は、アイドル機構8を備えている。アイドル機構8には、アウトプット軸4と平行に設けられたアイドル軸41と、アイドル軸41に相対回転不能に支持された第1アイドルギヤ42および第2アイドルギヤ43とが含まれる。アウトプット軸4には、出力ギヤ44が相対回転不能に支持されており、この出力ギヤ44と第1アイドルギヤ42とが噛合している。第2アイドルギヤ43は、デファレンシャルギヤ2に備えられたリングギヤ45と噛合している。
図2は、各動力伝達モードにおけるハイブレーキ23、リバースブレーキ24およびロークラッチ35の状態を示す図である。
動力分割式無段変速機1は、動力伝達モードとして、CVTモード(無段変速モード)およびスプリットモード(動力分割モード)を有している。
CVTモードでは、ハイブレーキ23およびリバースブレーキ24が解放状態にされる。そして、ロークラッチ35が係合状態にされる。これにより、アウトプット軸4およびセカンダリ軸12が直結される。
インプット軸3に入力される動力は、無段変速機構5のプライマリ軸11に伝達され、プライマリ軸11およびプライマリプーリ13を回転させる。プライマリプーリ13の回転は、ベルト15を介して、セカンダリプーリ14に伝達され、セカンダリプーリ14およびセカンダリ軸12を回転させる。ロークラッチ35が係合されているので、アウトプット軸4がセカンダリ軸12と一体に回転する。アウトプット軸4の回転は、出力ギヤ44、第1アイドルギヤ42、アイドル軸41および第2アイドルギヤ43を介して、デファレンシャルギヤ2のリングギヤ45に伝達される。これにより、車両のドライブシャフト51,52が前進方向に回転する。
一定変速機構6の変速比は、無段変速機構5の最小変速比と同じ変速比に設定されている。車速に応じて、無段変速機構5の変速比が最小変速比まで変更されると、動力伝達モードがCVTモードからスプリットモードに切り替えられる。スプリットモードでは、ハイブレーキ23が制動状態にされ、リバースブレーキ24およびロークラッチ35が解放状態にされる。ハイブレーキ23が制動状態にされることにより、一定変速機構6のリングギヤ27が制動される。また、ロークラッチ35が解放状態にされることにより、アウトプット軸4とセカンダリ軸12との直結が解除される。
インプット軸3に入力される動力は、無段変速機構5のプライマリ軸11に伝達され、プライマリ軸11およびプライマリプーリ13を回転させる。プライマリプーリ13の回転は、ベルト15を介して、セカンダリプーリ14に伝達され、セカンダリプーリ14およびセカンダリ軸12を回転させる。セカンダリ軸12の回転により、合成用歯車機構7のサンギヤ32が回転する。
また、一定変速機構6のリングギヤ27が制動されているので、インプット軸3に入力される動力は、一定変速機構6のキャリア25を公転させるとともに、そのキャリア25に保持されているピニオンギヤ28を回転させる。ピニオンギヤ28の回転により、ピニオンギヤ28からサンギヤ26に動力が入力される。これにより、ピニオンギヤ28およびスプリットドライブギヤ22が回転する。スプリットドライブギヤ22の回転は、合成用歯車機構7のアイドルギヤ37を介して、スプリットドリブンギヤ36に伝達され、スプリットドリブンギヤ36およびキャリア31を回転させる。
一定変速機構6の変速比が無段変速機構5の最小変速比と同じであるから、CVTモードからスプリットモードに切り替えられた直後は、合成用歯車機構7のキャリア31、サンギヤ32およびリングギヤ33が同じ速度で回転する。そして、リングギヤ33と一体にアウトプット軸4が回転する。アウトプット軸4の回転は、出力ギヤ44、第1アイドルギヤ42、アイドル軸41および第2アイドルギヤ43を介して、デファレンシャルギヤ2のリングギヤ45に伝達される。これにより、車両のドライブシャフト51,52が前進方向に回転する。
一定変速機構6の変速比は、無段変速機構5の最小変速比と同じ変速比で固定であるので、スプリットモードでは、合成用歯車機構7のキャリア31の回転が一定速度に保持される。そのため、図3に示されるように、無段変速機構5の変速比が上げられると、サンギヤ32(セカンダリ軸12)の回転速度が下がり、それに伴って、リングギヤ(アウトプット軸4)の回転速度が上がる。よって、動力分割式無段変速機1は、大きな変速比幅を有することができる。
また、後進時には、ハイブレーキ23およびロークラッチ35が解放状態にされる。そして、リバースブレーキ24が制動状態にされる。これにより、スプリットドライブギヤ22(サンギヤ26)が制動される。スプリットドライブギヤ22の制動により、合成用歯車機構7のアイドルギヤ37が回転不能となり、スプリットドリブンギヤ36およびキャリア31が回転不能となる。
インプット軸3に入力される動力は、無段変速機構5のプライマリ軸11に伝達され、プライマリ軸11およびプライマリプーリ13を回転させる。プライマリプーリ13の回転は、ベルト15を介して、セカンダリプーリ14に伝達され、セカンダリプーリ14およびセカンダリ軸12を回転させる。セカンダリ軸12の回転により、合成用歯車機構7のサンギヤ32が回転する。キャリア31が回転不能なため、サンギヤ32が回転すると、リングギヤ33がサンギヤ32と逆方向に回転する。このリングギヤ33の回転方向は、CVTモードおよびスプリットモードにおけるリングギヤ33の回転方向と逆方向となる。そして、リングギヤ33と一体にアウトプット軸4が回転する。アウトプット軸4の回転は、出力ギヤ44、第1アイドルギヤ42、アイドル軸41および第2アイドルギヤ43を介して、デファレンシャルギヤ2のリングギヤ45に伝達される。これにより、車両のドライブシャフト51,52が後進方向に回転する。
図4は、一定変速機構6の機械的構成を示す断面図であり、インプット軸3の軸線(回転中心線)Cに対する一方側のみを示す。
一定変速機構6のキャリア25は、内周部61およびフランジ部62を一体的に備えている。内周部61は、インプット軸3に外嵌されて、インプット軸3に相対回転不能に設けられている。フランジ部62は、内周部61からインプット軸3の回転径方向の外側に張り出している。フランジ部62の外周端部には、回転中心線Cと平行に延びるギヤ支持軸63が設けられ、ピニオンギヤ28は、ギヤ支持軸63に回転可能に支持されている。
サンギヤ26は、第1対向部64およびギヤ部65を一体的に備えている。第1対向部64は、インプット軸3に相対回転可能に外嵌され、キャリア25の内周部61に対して無段変速機構5側と反対側から対向している。キャリア25の内周部61と第1対向部64との間には、たとえば、樹脂製のワッシャ66が介在されている。ギヤ部65は、第1対向部64の無段変速機構5側の端部からピニオンギヤ28に向けて突出している。ギヤ部65のピニオンギヤ28との対向面には、ピニオンギヤ28のギヤ歯67と噛合するギヤ歯68が形成されている。
なお、以下では、無段変速機構5側を「右側」とし、その反対側を「左側」と規定して、方向などの説明に「左右」を用いる。
スプリットドライブギヤ22は、第1対向部64の右端部に外嵌状態で固定されている。
リングギヤ27は、第2対向部69、延出部70およびギヤ部71を備えている。第2対向部69は、インプット軸3の周囲を間隔を空けて取り囲み、キャリア25の内周部61に対して左側から対向している。キャリア25の内周部61と第2対向部69との間には、たとえば、樹脂製のワッシャ72が介在されている。延出部70は、第2対向部69からインプット軸3の回転径方向に延出している。キャリア25のフランジ部62と延出部70との間には、間隔が空けられている。ギヤ部71は、延出部70の外周端部から右側に、ピニオンギヤ28とインプット軸3の回転径方向に対向する位置まで延出している。ギヤ部71のピニオンギヤ28との対向面には、ピニオンギヤ28のギヤ歯67と噛合するギヤ歯73が形成されている。
サンギヤ26のギヤ歯68、リングギヤ27のギヤ歯73、ピニオンギヤ28のギヤ歯67およびスプリットドライブギヤ22のギヤ歯74は、斜歯である。具体的には、サンギヤ26のギヤ歯68およびスプリットドライブギヤ22のギヤ歯74は、ねじれ方向が同方向である斜歯であり、たとえば、右ねじれの斜歯である。リングギヤ27のギヤ歯73およびピニオンギヤ28のギヤ歯67は、サンギヤ26のギヤ歯68とねじれ方向が逆方向の斜歯であり、たとえば、左ねじれの斜歯である。また、サンギヤ26のギヤ歯68およびスプリットドライブギヤ22のギヤ歯74の各ねじれ角は、サンギヤ26に生じるスラスト荷重がスプリットドライブギヤ22に生じるスラスト荷重よりも大きくなるように設定されている。
図5は、スプリットモード時および後進時に、スプリットドライブギヤ22、サンギヤ26およびリングギヤ27に生じるスラスト荷重の向きを示す図である。
前述のように、スプリットモードにおける駆動走行時(エンジンからの動力による走行時)は、一定変速機構6のリングギヤ27が制動されているので、インプット軸3に入力される動力がキャリア25およびピニオンギヤ28を介してサンギヤ26に入力される。そして、ピニオンギヤ28およびスプリットドライブギヤ22が回転し、スプリットドライブギヤ22から合成用歯車機構7のアイドルギヤ37に動力が伝達される。したがって、サンギヤ26は、ピニオンギヤ28から動力が入力される被動ギヤとなり、スプリットドライブギヤ22は、アイドルギヤ37に動力を入力する駆動ギヤとなる。サンギヤ26のギヤ歯68およびスプリットドライブギヤ22のギヤ歯74は、ねじれ方向が同方向である斜歯であるので、たとえば、サンギヤ26には、右方向のスラスト荷重が生じ、スプリットドライブギヤ22には、逆方向である左方向のスラスト荷重が生じる。そして、サンギヤ26に生じるスラスト荷重は、スプリットドライブギヤ22に生じるスラスト荷重よりも大きいので、サンギヤ26およびスプリットドライブギヤ22がなす一体には、サンギヤ26に生じる右方向のスラスト荷重の一部が残る。
一方、リングギヤ27は、ピニオンギヤ28から動力が入力される被動ギヤとなる。リングギヤ27のギヤ歯73のねじれ方向がサンギヤ26のギヤ歯68のねじれ方向と逆方向であるので、リングギヤ27には、サンギヤ26に生じるスラスト荷重と逆方向である左方向のスラスト荷重が生じる。
したがって、第1対向部64および第2対向部69からキャリア25の内周部61に荷重がかからない。よって、キャリア25の内周部61と第1対向部64および第2対向部69との間には、スラスト軸受が不要であり、内周部61、第1対向部64および第2対向部69に摩擦による焼き付きが発生するのを抑制するために、ワッシャ66,72等が介在されるとよい。
よって、動力分割式無段変速機1では、スラスト軸受の使用個数の低減を図ることができ、ひいては、コストの低減を図ることができる。
なお、スプリットモードにおける惰性走行時には、駆動走行時とトルクの入力方向が逆転するため、サンギヤ26およびスプリットドライブギヤ22がなす一体には、左方向のスラスト荷重が生じ、リングギヤ27には、右方向のスラスト荷重が生じる。しかしながら、惰性走行の頻度は低く、惰性走行時にサンギヤ26などに発生するスラスト荷重は小さいので、樹脂製のワッシャ66,72でもスラスト荷重に十分に耐え得る。
また、惰性による後進時には、スプリットドライブギヤ22に左方向のスラスト荷重が発生するが、後進の頻度は低いので、樹脂製のワッシャ66,72でスラスト荷重に十分に耐え得る。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 動力分割式無段変速機
3 インプット軸(回転軸)
5 無段変速機構
6 一定変速機構
7 合成用歯車機構
22 スプリットドライブギヤ
25 キャリア
26 サンギヤ
27 リングギヤ
28 ピニオンギヤ
61 内周部
64 第1対向部
68 ギヤ歯
69 第2対向部
73 ギヤ歯
74 ギヤ歯

Claims (1)

  1. 回転軸に入力される動力を無段階に変速するための無段変速機構と、前記回転軸に入力される動力を一定の変速比で変速するための一定変速機構と、前記無段変速機構からの動力と前記一定変速機構からの動力とを合成するための合成用歯車機構とを備え、動力が前記無段変速機構のみを経由して前記合成用歯車機構に伝達される無段変速モードと、動力が前記無段変速機構および前記一定変速機構を経由して前記合成用歯車機構に伝達される動力分割モードとに切替可能に構成された分割式無段変速装置であって、
    前記一定変速機構は、
    内周部が前記回転軸に相対回転不能に支持され、外周部にピニオンギヤを回転可能に支持するキャリアと、
    前記キャリアの前記内周部に前記回転軸の軸線方向の一方側から対向する第1対向部を有し、前記回転軸と相対回転可能に設けられ、前記ピニオンギヤと噛合するサンギヤと、
    前記キャリアの前記内周部に前記軸線方向の他方側から対向する第2対向部を有し、前記回転軸と相対回転可能に設けられ、前記ピニオンギヤと噛合するリングギヤと、
    前記サンギヤと一体回転可能に設けられ、動力を前記合成用歯車機構に伝達するためのスプリットドライブギヤと
    を備え、
    前記サンギヤおよび前記スプリットドライブギヤは、それぞれねじれ方向が同方向の斜歯を有し、
    前記リングギヤは、ねじれ方向が前記サンギヤおよび前記スプリットギヤの斜歯と逆方向の斜歯を有し、
    前記サンギヤおよび前記スプリットドライブギヤの各斜歯のねじれ角は、前記サンギヤに生じるスラスト荷重が前記スプリットドライブギヤに生じるスラスト荷重よりも大きくなるように設定されている、分割式無段変速装置。
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