JP6295774B2 - 吸気冷却装置、ガスタービンプラント、及び吸気冷却方法 - Google Patents

吸気冷却装置、ガスタービンプラント、及び吸気冷却方法 Download PDF

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Description

本発明は、吸気冷却装置、ガスタービンプラント、及び吸気冷却方法に関する。
ガスタービンに供給される燃焼用空気は、大気中から吸気ダクトを経てガスタービンの圧縮機に取り込まれる。このような圧縮機では、外気温が上昇する夏期において、圧縮機に吸気される空気の質量が空気密度の低下に伴って減少し、圧縮比が低下してしまう。
そこで、圧縮機の吸気側にミストを噴射することで燃焼用空気を冷却する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−249043号公報
ところで、上述の燃焼用空気を冷却する技術においては、圧縮機の高い圧縮比を実現するために、吸気された空気の冷却効率を向上させることが望ましい。しかしながら、上記従来技術では、吸気口近傍における風の影響が考慮されていないため、吸気口から取り込まれる空気中にミストを均一に噴霧することができず、空気の冷却効率が十分とは言い難かった。そこで、横風を考慮してミストを噴射することで空気の冷却効率を向上させる新たな技術の提供が望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、吸気口から取り込まれる空気にミストを均一に噴霧することで冷却効率を向上させることが可能な吸気冷却装置、ガスタービンプラント、及び吸気冷却方法を提供することを目的としている。
本発明の第1態様に従えば、大気中から空気を吸気する複数の吸気口が設けられる吸気部と、前記吸気部により吸気された前記空気を圧縮機の吸気側へと導くダクトと、ミストを噴射するための噴射口を吸方向と反対方向に向けるように前記吸気部の上段に配置される上段噴射ノズルと、ミストを噴射するための噴射口を吸方向と反対方向に向けるように前記吸気部の中段に配置される中段噴射ノズルと、ミストを噴射するための噴射口を吸方向と反対方向に向けるように前記吸気部の下段に配置される下段噴射ノズルと、を備え、前記上段噴射ノズルは、水平面に対して鉛直方向上方側に60度〜100度の角度をなすように配置され、前記中段噴射ノズルは、水平面に対して鉛直方向上方側に−5度〜10度の角度をなすように配置され、前記下段噴射ノズルは、水平面に対して鉛直方向上方側に−10度〜10度の角度をなすように配置される吸気冷却装置が提供される。
この吸気冷却装置によれば、吸気部の上段、中段および下段においてミストの噴射方向が最適化されている。これにより、横風または下降流が生じている吸気部上段の吸気口、あるいは横風または上昇流が生じている吸気部下段の吸気口に取り込まれる空気中に対してミストを確実に噴射することができる。
また、下降流の影響が小さい中段においては、水平に近い角度でミストが噴射されるので、ミストの飛翔距離を延ばすことができる。よって、噴射ノズルから噴射されたミストの滞留時間を長くすることができ、結果的に多くのミストを蒸発させることができる。
したがって、吸気口から吸気される空気に十分な蒸発潜熱を生じさせることで高い冷却効率を得ることができる。
また、上記第1態様に係る吸気冷却装置においては、最下部の前記吸気口は、前記吸気部の設置面よりも上方に設置されているのが好ましい。
この場合、吸気部下段の吸気口において上昇流が生じてこととなるが、本発明によれば、該吸気部下段の吸気口に取り込まれる空気中に対してミストを確実に噴射することができる。
本発明の第2態様に従えば、大気中から空気を吸気する複数の吸気口が設けられる吸気部と、前記吸気部により吸気された前記空気を圧縮機の吸気側へと導くダクトと、ミストを噴射するための噴射口を吸方向と反対方向に向けるように前記吸気部の上段に取り付けられる上段噴射ノズルと、ミストを噴射するための噴射口を吸方向と反対方向に向けるように前記吸気部の中段に取り付けられる中段噴射ノズルと、ミストを噴射するための噴射口を吸方向と反対方向に向けるように前記吸気部の下段に取り付けられる下段噴射ノズルと、前記大気中の風の流れを計測するセンサーと、前記上段噴射ノズル、前記中段噴射ノズル、及び下段噴射ノズルにおける前記吸気部に対する取付角度を調整する駆動部と、前記センサーの計測結果に基づいて、前記駆動部を駆動させる制御部と、を備える吸気冷却装置が提供される。
この吸気冷却装置によれば、大気中の風の流れに基づいてノズルの取付角度が調整されるので、吸気部の上段、中段および下段においてミストの噴射方向を最適化することができる。これにより、横風あるいは下降流といった風の流れが生じている吸気部上段の吸気口に取り込まれる空気中に対してミストを確実に噴射することができる。また、横風あるいは上昇流が生じている吸気部下段の吸気口の吸気口に取り込まれる空気中に対してミストを確実に噴射することができる。
また、下降流および上昇流の影響が小さい中段においても、大気中の風の流れに応じた最適な方向にミストが噴射されるので、ミストの飛翔距離を延ばすことができる。よって、噴射ノズルから噴射されたミストの滞留時間を長くすることができ、結果的に多くのミストを蒸発させることができる。
したがって、吸気口から吸気される空気に十分な蒸発潜熱を生じさせることで高い冷却効率を得ることができる。
また、上記第2態様に係る吸気冷却装置においては、前記制御部は、前記センサーが前記吸気口を横切る横風の流れを検出した場合、前記上段噴射ノズル、前記中段噴射ノズル、及び下段噴射ノズルにおける取付角度を鉛直方向下方に調整するのが好ましい。
この構成によれば、横風がある場合においても、ノズルが下向きに調整されることでミストを空気中に良好に供給することができる。
本発明の第3態様に従えば、大気中から空気を吸気する複数の吸気口が設けられる吸気部と、前記吸気部により吸気された前記空気を圧縮機の吸気側へと導くダクトと、ミストを噴射するための噴射口を吸方向と反対方向に向けるように前記吸気部の上段に取り付けられ、前記吸気部に対する取付角度が異なる複数の上段噴射ノズルと、ミストを噴射するための噴射口を吸方向と反対方向に向けるように前記吸気部の中段に取り付けられ、前記吸気部に対する取付角度が異なる複数の中段噴射ノズルと、ミストを噴射するための噴射口を吸方向と反対方向に向けるように前記吸気部の下段に取り付けられ、前記吸気部に対する取付角度が異なる複数の下段噴射ノズルと、前記大気中の風の流れを計測するセンサーと、前記センサーの計測結果に基づいて、前記複数の上段噴射ノズル、前記複数の中段噴射ノズル、及び前記複数の下段噴射ノズルを選択的に駆動させる駆動制御部と、を備える吸気冷却装置が提供される。
この吸気冷却装置によれば、大気中の風の流れに基づいて、吸気部の上段、中段および下段において最適な取付角度のノズルが選択的に駆動されるため、ミストが最適な方向に噴射されるようになる。これにより、横風や下降流等といった風の流れが生じている吸気部上段の吸気口に取り込まれる空気中に対してミストを確実に噴射することができる。また、横風あるいは上昇流が生じている吸気部下段の吸気口の吸気口に取り込まれる空気中に対してミストを確実に噴射することができる。
また、下降流の影響が小さい中段においても、大気中の風の流れに応じた最適な方向にミストが噴射されるので、ミストの飛翔距離を延ばすことができる。よって、噴射ノズルから噴射されたミストの滞留時間を長くすることができ、結果的に多くのミストを蒸発させることができる。
したがって、吸気口から吸気される空気に十分な蒸発潜熱を生じさせることで高い冷却効率を得ることができる。
また、上記第3態様に係る吸気冷却装置においては、前記制御部は、前記センサーが前記吸気口を横切る横風の流れを検出した場合、前記複数の上段噴射ノズル、前記複数の中段噴射ノズル、及び前記複数の下段噴射ノズルにおける前記取付角度が鉛直方向下側のノズルを選択して駆動させるのが好ましい。
この構成によれば、横風がある場合において、下向きのノズルから空気中にミストを良好に供給することができる。
本発明の第4態様に従えば、吸気した空気を圧縮し、圧縮空気を生成する圧縮機と、前記圧縮空気を用いて燃焼ガスを生成する燃焼器と、前記燃焼ガスによって動力を発生するガスタービンと、前記圧縮機の吸気側に供給される空気を冷却する吸気冷却部と、を備え、前記吸気冷却部が、上記の吸気冷却装置により構成されるガスタービンプラントが提供される。
このガスタービンプラントによれば、上記吸気冷却装置から構成された吸気冷却部を備えるので、圧縮機に導かれる空気の冷却効率を向上させることで出力を向上させることができる。
本発明の第5態様に従えば、大気中から吸気部の吸気口に吸気される空気を冷却して圧縮機の吸気側へと導く吸気冷却方法であって、前記吸気部の上段において、方向と反対方向であり、且つ、水平面に対して鉛直方向上方側に60度〜100度の角度をなす方向にミストを噴射するとともに、前記吸気部の中段において、方向と反対方向であり、且つ、水平面に対して鉛直方向上方側に−5度〜10度の角度をなす方向にミストを噴射させ、前記吸気部の下段において、方向と反対方向であり、且つ、水平面に対して鉛直方向上方側に−10度〜10度の角度をなす方向にミストを噴射するミスト噴射工程を備える吸気冷却方法が提供される。
この吸気冷却方法によれば、吸気部の上段、中段および下段においてミストの噴射方向が最適化される。これにより、横風または下降流が生じている吸気部上段の吸気口、あるいは横風または上昇流が生じている吸気部下段の吸気口に取り込まれる空気中に対してミストを確実に噴射することができる。
また、下降流の影響が小さい中段においては、水平に近い角度でミストが噴射されるので、ミストの飛翔距離を延ばすことができる。よって、噴射ノズルから噴射されたミストの滞留時間を長くすることができ、結果的に多くのミストを蒸発させることができる。
したがって、吸気口から吸気される空気に十分な蒸発潜熱を生じさせることで高い冷却効率を得ることができる。できる。
本発明の第6態様に従えば、大気中から吸気部の吸気口に吸気される空気を冷却して圧縮機の吸気側へと導く吸気冷却方法であって、前記大気中の風の流れを計測する計測工程と、前記吸気部の上段に取り付けられた上段噴射ノズルから方向と反対方向にミストを噴射するとともに、前記吸気部の中段に取り付けられた中段噴射ノズルから方向と反対方向にミストを噴射させ、前記吸気部の下段に取り付けられた下段噴射ノズルから方向と反対方向にミストを噴射するミスト噴射工程と、前記計測工程の結果に基づいて、前記上段噴射ノズル、前記中段噴射ノズル、及び前記下段噴射ノズルにおける前記吸気部に対する取付角度を調整する調整工程と、を備える吸気冷却方法が提供される。
この吸気冷却方法によれば、大気中の風の流れに基づいて大気中の風の流れに基づいてノズルの取付角度が調整されるので、吸気部の上段、中段および下段においてミストの噴射方向を最適化することができる。これにより、横風や下降流等といった風の流れが生じている吸気部上段の吸気口に取り込まれる空気中に対してミストを確実に噴射することができる。また、横風あるいは上昇流が生じている吸気部下段の吸気口の吸気口に取り込まれる空気中に対してミストを確実に噴射することができる。
また、下降流の影響が小さい中段においても、大気中の風の流れに応じた最適な方向にミストが噴射されるので、ミストの飛翔距離を延ばすことができる。よって、噴射ノズルから噴射されたミストの滞留時間を長くすることができ、結果的に多くのミストを蒸発させることができる。
したがって、吸気口から吸気される空気に十分な蒸発潜熱を生じさせることで高い冷却効率を得ることができる。
本発明の第7態様に従えば、大気中から吸気部の吸気口に吸気される空気を冷却して圧縮機の吸気側へと導く吸気冷却方法であって、前記大気中の風の流れを計測する計測工程と、前記吸気部の上段に取り付けられ、各々の前記吸気部に対する取付角度が異なる複数の上段噴射ノズルから方向と反対方向にミストを噴射するとともに、前記吸気部の中段に取り付けられ、各々の前記吸気部に対する取付角度が異なる複数の中段噴射ノズルから方向と反対方向にミストを噴射させ、前記吸気部の下段に取り付けられ、各々の前記吸気部に対する取付角度が異なる複数の下段噴射ノズルから方向と反対方向にミストを噴射するミスト噴射工程と、を備え、前記ミスト噴射工程においては、前記計測工程の結果に基づいて、前記複数の上段噴射ノズル、前記複数の中段噴射ノズル、及び前記複数の下段噴射ノズルを選択的に駆動させる吸気冷却方法が提供される。
この吸気冷却方法によれば、大気中の風の流れに基づいて、吸気部の上段、中段および下段において最適な取付角度のノズルが選択的に駆動されるため、ミストが最適な方向に噴射されるようになる。これにより、横風や下降流等といった風の流れが生じている吸気部上段の吸気口に取り込まれる空気中に対してミストを確実に噴射することができる。また、横風あるいは上昇流が生じている吸気部下段の吸気口の吸気口に取り込まれる空気中に対してミストを確実に噴射することができる。
また、下降流の影響が小さい中段においても、大気中の風の流れに応じた最適な方向にミストが噴射されるので、ミストの飛翔距離を延ばすことができる。よって、噴射ノズルから噴射されたミストの滞留時間を長くすることができ、結果的に多くのミストを蒸発させることができる。
したがって、吸気口から吸気される空気に十分な蒸発潜熱を生じさせることで高い冷却効率を得ることができる。
本発明によれば、吸気口から取り込まれる空気にミストを均一に噴霧することで冷却効率を向上させた吸気冷却装置、ガスタービンプラント、及び吸気冷却方法を提供する。
第1実施形態に係るガスタービンプラントの概略構成を示す図である。 第1実施形態に係る吸気冷却装置空気取入口に対する空気の流れのシミュレーション結果を概念的に示した図である。 第1実施形態に係る吸気冷却装置の要部構成を示す側面図及び上面図である。 噴射ノズルの設置高さと設置角度との関係を示したグラフである。 吸気冷却装置の要部構成を示す断面図である。 第2実施形態に係る吸気冷却装置の要部構成を示す側面図及び上面図である。 第3実施形態に係る吸気冷却装置の要部構成を示す側面図及び上面図である。
以下、本発明の吸気冷却装置、ガスタービンプラント、及び吸気冷却方法に係る一実施例について図面を参照して説明する。なお、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るガスタービンプラントの概略構成を示す図である。
ガスタービンプラント1は、図1に示すように、圧縮空気を生成する圧縮機2と、圧縮機2で生成された圧縮空気を用いて燃焼ガスを生成する燃焼器3と、燃焼器3で生成された燃焼ガスによって動力を発生するガスタービン4と、吸気冷却装置10と、を備える。ガスタービン4は、発電機5に連結されており、ガスタービン4で発生した動力が発電機5により電力に変換されるようになっている。
吸気冷却装置10は、外部(大気中)から空気を取り込む吸気用建屋(吸気部)11と、該吸気用建屋11に連通し、外部から取り込んだ空気を圧縮機2の吸気側へと導く吸気ダクト(ダクト)12と、吸気用建屋11よりも上流側に配置され、ミストを噴射する複数の噴射ノズル13と、を備えている。なお、吸気用建屋11は、ガスタービンプラント1の設備の一部を構成するものである。
吸気用建屋11は立方体形状からなる建屋であり、6つの壁面を有している。吸気用建屋11は、外気を吸気するための吸気面を3つの壁面に有している。本実施形態において、吸気用建屋11は、ZY平面に平行な2面である壁面11b、11cに、吸気面をなす吸気口形成領域20がそれぞれ設けられている。各壁面11b、11cにおける吸気口形成領域20は、大気中に開口された複数の取入口ユニットAを含む。本実施形態において、各取入口ユニットAは、例えば、4つの空気取入口21から構成されており、平面視矩形状を呈する。このような構成に基づき、吸気用建屋11は、2つの壁面11b、11cに形成された上記吸気口形成領域20(空気取入口21)から大気中から空気を内部に形成された吸気室14内に導入することが可能とされている。なお、吸気室14の流路断面積は吸気ダクト12よりも大きい。
本実施形態において、吸気口形成領域20は、壁面11b、11cの下部から上方(+Z方向)に所定距離だけ離間した位置に形成されている。すなわち、壁面11b、11cの最も下方(−Z方向)における吸気口形成領域20は、吸気用建屋11の設置面11Aよりも上方に設置されている。
本実施形態において、吸気用建屋11の壁面11b、11cには、複数の空気取入口21の少なくとも一部、例えば、複数の上記取入口ユニットAを区画するルーバー22が突出した状態に形成されている。ルーバー22は、各壁面11b、11cに対し、Z方向に亘って延びる長板状の部材から構成される。本実施形態において、壁面11b、11cには、2つのルーバー22がY方向に沿って設置されている。すなわち、本実施形態においては、壁面11b、11cにおける上記吸気口形成領域20は、ルーバー22により3つの領域に区画されている。壁面11b、11cに形成された上記吸気口形成領域20のうちルーバー22により区画された各領域には、それぞれ取入口ユニットAが3つずつ配置されている。なお、ルーバー22の数は、吸気用建屋11の大きさ、空気取入口21(取入口ユニットA)の大きさ或いは数によって適宜設定され、本実施形態に限定されない。
ルーバー22は、吸気用建屋11の空気取入口21への雨や雪が直接的に入り込むのを防止するためのものである。このように吸気用建屋11は、ルーバー22を備えることで、空気取入口21に吸気した空気を効率的に取り込むことが可能とされている。また、ルーバー22は、後述のように噴射ノズル13から噴射されて空気中に残留したミストを捕捉する捕捉部材としても機能する。
噴射ノズル13は、吸気用建屋11の壁面11b、11cに対向する位置に配置されている。噴射ノズル13は、空気取入口21に取り込まれる空気中に例えば水などの液体をミスト状としたミストMをミスト噴射口13aから噴射するものである。
ところで、ガスタービンプラント1において圧縮機2の高い圧縮比を実現するためには、吸気冷却装置10による冷却効率を向上させることが重要である。ここで、吸気冷却装置10による冷却効率は、噴射ノズル13から噴射されたミストMの量に対して、蒸発するミストMの量の割合により規定される。すなわち、吸気冷却装置10による冷却効率を向上させるためには、噴射ノズル13から噴射したミストMの蒸発量を増大させる必要がある。
本発明者らは、ミストMの蒸発量を増大させるべく、空気取入口21に対する空気の流れを考慮してミストを噴射することに着目した。以下の説明では、壁面11bに形成された空気取入口21を例に挙げて説明するが、壁面11cに形成された空気取入口21についても同様であることからその詳細については省略する。
図2は、空気取入口21に対する空気の流れのシミュレーション結果を概念的に示した図であって、図2(a)は壁面11bに形成された吸気口形成領域20の空気取入口21に対する空気の流れをY軸方向から視た場合のシミュレーション結果を示すものであり、図2(b)は壁面11bに形成された吸気口形成領域20の空気取入口21に対する空気の流れをZ軸方向から視た場合のシミュレーション結果を示すものである。なお、以下の説明において便宜上、壁面11bに形成された吸気口形成領域20の鉛直方向(Z方向)の上方から下方に配置される取入口ユニットAをこの順に、上段取入口ユニットAz1、中段取入口ユニットAz2、下段取入口ユニットAz3と称すこともある。また、壁面11bに形成された吸気口形成領域20の水平方向(Y方向)の一方側(−Y側)から他方側(+Y側)に配置される取入口ユニットAをこの順に、左側取入口ユニットAy1、中央側取入口ユニットAy2、右側取入口ユニットAy3と称すこともある。
図2(a)に示されるように、吸気口形成領域20の鉛直方向上方(+Z方向)の外縁部に配置される上段取入口ユニットAz1(空気取入口21)には、空気取入口21に対して外側から巻き込むような空気の流れ(下降流)K1が生じることが確認できた。このような空気の流れK1は、例えば、吸気用建屋11の外側の空気が相対的に圧力の低い上段取入口ユニットAz1(空気取入口21)に向かって流れ込むことで生じたものである。
一方、外縁部に配置される取入口ユニットAz1とは別、すなわち鉛直方向下方側に設置される中段取入口ユニットAz2には、+Y方向に沿って一様な空気の流れK2が生じている。また、本実施形態において、下段取入口ユニットAz3は、上述のように、吸気用建屋11の設置面11Aよりも上方に設置されている(図1、2(a)参照)。そのため、下段取入口ユニットAz3(空気取入口21)には、空気取入口21に対して下方から入り込むような空気の流れ(上昇流)K3が生じている。このような空気の流れK3は、例えば、吸気用建屋11の設置面11Aに沿った空気が相対的に圧力の低い下段取入口ユニットAz3(空気取入口21)に向かって流れ込むことで生じたものと考えられる。
このように壁面11aに形成された吸気口形成領域20においては、鉛直方向における取入口ユニットAの位置によって異なる空気の流れK1、K2、K3が生じていることが分かった。
また、図2(b)に示すように、吸気口形成領域20の水平方向(Y方向)においては、吸気口形成領域20へと向かう+Y方向に沿った一様な空気の流れK2の他に、吸気口形成領域20の水平方向(Y方向)に沿う空気の流れ(横風)K4が生じることがある。
そのため、例えば、上段取入口ユニットAz1では、例えば、水平方向(+X方向)に向かってミストを噴射したとしても、ミストを含む空気が下方の中段取入口ユニットAz2および下段取入口ユニットAz3に流れ込んでしまい、上段取入口ユニットAz1に取り込まれる空気中に十分な量のミストを供給することができないおそれがある。
また、下段取入口ユニットAz3では、例えば、水平方向(+X方向)に向かってミストを噴射したとしても、ミストを含む空気が上方の上段取入口ユニットAz1および中段取入口ユニットAz2に流れ込んでしまい、下段取入口ユニットAz3に取り込まれる空気中に十分な量のミストを供給することができないおそれがある。
このように吸気口形成領域20においては、取入口ユニットAの位置によって異なる空気の流れK1、K2、K3、K4が生じていることから、空気中に噴射されるミスト量が部分的に異なってしまっていた。そのため、吸気口形成領域20に吸気される空気を効果的に冷却することができず、結果的に冷却効率が低下しまっていた。なお、このような現象は、壁面11cに形成された空気取入口21についても同様であって、取入口ユニットAの位置によって異なる空気の流れK1、K2、K3、K4が生じている。
このような問題に対し、本実施形態に係る吸気冷却装置10は、噴射ノズル13が上段噴射ノズル13Aと中段噴射ノズル13Bと下段噴射ノズル13Cとを含む構成とした。そして、上段噴射ノズル13A、中段噴射ノズル13Bおよび下段噴射ノズル13Cのそれぞれのミスト噴射方向を異ならせた構成(図3参照)を採用する事で上記課題を解決した。以下、上段噴射ノズル13A、中段噴射ノズル13Bおよび下段噴射ノズル13Cを総称してノズル13A、13B、13Cと称す場合もある。
図3は、吸気冷却装置10の要部構成を示す図であり、図3(a)は壁面11bに関する+Y方向から視た側面構成を示す図であり、図3(b)は壁面11bに関する+Z方向から視た上面構成を示す図である。
なお、図3は、壁面11bと噴射ノズル13との配置例を示すものである。以下の説明では、図3を参照し、壁面11bに対する噴射ノズル13の配置を説明するが、壁面11cに対する噴射ノズル13の配置についても図1に示されるように同様の条件に基づいてなされたものであることからその詳細については省略する。
図3(a)に示されるように、上段噴射ノズル13Aは、上段取入口ユニットAz1の上端部に配置される。すなわち、上段噴射ノズル13Aは、吸気用建屋11の上段に配置されている。また、中段噴射ノズル13Bは、中段取入口ユニットAz2の上端部に配置される。すなわち、上段噴射ノズル13Aは、吸気用建屋11の中段に配置されている。また、下段噴射ノズル13Cは、下段取入口ユニットAz3の上端部に配置される。すなわち、下段噴射ノズル13Cは、吸気用建屋11の下段に配置されている。
本実施形態では、壁面11bに対し、ノズル13A、13B、13Cがそれぞれ3つずつ配置されている(図1参照)。
なお、ノズル13A、13B、13Cの個数は、該ノズル13A、13B、13Cから噴射されるミストMの拡散範囲を考慮して決定されることが好ましい。
また、ノズル13A、13B、13Cは、吸気口形成領域20よりも上流側(外気の導入方向における上流側)に設置され、上方(Z方向)から視た場合においてそれぞれが吸気口形成領域20の中央に位置している(図3(b)参照)。また、ノズル13A、13B、13Cは、ミストMを噴射するためのミスト噴射口13aを吸気方向と反対方向(+Y方向)に向けるように配置されている。
本実施形態において、ルーバー22は、YZ面に平行な面を有する板状部材から構成されている。また、複数のノズル13A、13B、13Cは、例えば、板状のルーバー22の面と平行な面内に設置されている。すなわち、複数のノズル13A、13B、13CはYZ面と平行な面内に設置されている。なお、ノズル13A、13B、13Cとルーバー22との位置関係は上記に限定されない。例えば、ノズル13A、13B、13Cは、ルーバー22の面と平行な面(YZ面へ平行な面)と交差する面にミスト噴射口が位置するように設置してもよい。この場合、噴射したミストMがルーバー22に向かって拡散することでルーバー22に付着させ易くなる。ルーバー22に付着したミストMは、ルーバー22間を通り抜けて空気取入口21に吸気される空気に触れることで蒸発する。よって、空気取入口21に吸気される空気をより一層効率的に冷却することが可能となる。
ノズル13A、13B、13Cには、噴射される液体を該ノズル13A、13B、13Cに供給するための配管15が接続されており、該配管15を介してポンプ16によって液体がタンク17から噴射ノズル13に供給されるようになっている(図1、3参照)。なお、ノズル13A、13Bからの液体の噴射量は、外気温および湿度に応じて調節される。ノズル13A、13B、13Cは、上記配管15に取り付けられることで上記所定位置(上段取入口ユニットAz1、中段取入口ユニットAz2および下段取入口ユニットAz3の上端部)に設置されている。なお、配管15は、例えば、不図示の領域において吸気用建屋11から延びる固定部材に固定されていても良いし、吸気用建屋11とは別の固定部材を介して設置されていてもよい。
なお、ノズル13A、13B、13Cから噴射されるミストMの平均粒径は、極力小さい方が好ましいが、相対的に大きなものであってもよい。ミストの平均粒径の具体例として20μm以上50μm以下を例示できる。このようにミストMの平均粒径を50μm以下とすれば、ミストMの蒸発を促進して、空気の冷却効率を向上させることが可能である。一方、平均粒径が20μm未満となる場合、極細なミストとなる。そのため、このような極細ミストを得るためには特別仕様の高価なミスト生成器が必要となってしまい、コストが嵩んでしまう。これに対し、平均粒径が20μm以上のミストMとすれば、廉価なミスト生成器として噴射ノズル13(ノズル13A、13B、13C)を利用可能となるので、吸気冷却装置10の低コスト化を図ることが可能である。
ところで、本実施形態において、噴射ノズル13(ノズル13A,13B,13C)のミスト噴射方向、すなわち、該噴射ノズル13(ノズル13A,13B,13C)のそれぞれの取付角度が重要となる。
本発明者は、図2に示した空気の流れK1〜K4が生じている場合において、吸気取入口に取り込まれる空気中にミストを効率良く噴射することができる各ノズル13A,13B,13Cの取付角度を実験および数値解析シミュレーションにより求めた。本実験およびシミュレーションでは、所定の高さに設置した噴射ノズル13を用いて、効率良く空気取入口21にミストMを噴射することが可能なノズル取付角度を求めた。図4は、噴射ノズル13における設置高さと設置角度との関係を示したものである。なお、図4において、横軸はノズル高さ(すなわち噴射ノズル13の設置高さ)に対応し、縦軸はノズル角度(すなわち噴射ノズル13の設置角度)に対応する。また、図4において、ノズル高さH1とは、図3における設置面11Aから上段噴射ノズル13Aの設置位置(上段取入口ユニットAz1の上端部)までの高さに対応し、ノズル高さH2とは、図3における設置面11Aから中段噴射ノズル13Bの設置位置(中段取入口ユニットAz2の上端部)までの高さに対応し、ノズル高さH3とは、図3における設置面11Aから下段噴射ノズル13Cの設置位置(下段取入口ユニットAz3の上端部)までの高さに対応する。
図4の四角で示されるプロットは、横風(空気の流れK4)が生じていない状況下でのデータであり、図4の黒丸で示されるプロットは、横風(空気の流れK4)が生じている状況下での第1データであり、図4の×で示されるプロットは、上記四角および丸のプロットの平均値を示したものであり、図4の三角で示されるプロットは、横風(空気の流れK4)が生じている状況下での第2データであり、図4の黒丸で示されるプロットは、横風が生じない条件の数値解析シミュレーションによる値(解析値)である。
図4のグラフからは、ノズル高さによらず、横風(空気の流れK4)が生じている場合、横風が生じない場合に比べて、ノズル13の設置角度を小さくすればよいことが分かる。これは、ノズルの設置角度を大きくすると、横風の影響を受けてミストMが流れされてしまい、所定の空気取入口21にミストMが供給され難くなるためである。
また、図4のグラフからは、ノズル高さH1においてはノズル13の設置角度を大きくすればよいことが分かった。これは、吸気口形成領域20に対して外側から巻き込む流れK1(下降流)を考慮し、ノズル13から噴射したミストMを流れK1中に良好に取り込ませるためである。
具体的に、図4のグラフからは、ノズル高さH1において、横風(空気の流れK4)が生じていない場合はノズル設置角度を85度、横風(空気の流れK4)が生じている場合はノズル設置角度を75度又は60度に設定するのが好ましいことが分かった。すなわち、横風(空気の流れK4)がある場合、ノズル高さH1において、噴射ノズル13を下向きにすると効果的であることが分かった。
また、図4のグラフに示すように、ノズル高さH1において、横風が生じない条件の解析によればノズル設置角度を100度に設定すればよいことが分かった。
また、図4のグラフからは、ノズル高さH2においてはノズル13の設置角度をほぼ水平とすればよいことが分かった。これは、ノズル高さH2に対応する中段取入口ユニットAz2の近傍においては、図2(a)に示したように、一様な空気の流れK2が生じており、下降流(流れK1)の影響を考慮する必要が無いためである。
具体的に、図4のグラフからは、ノズル高さH2において、横風(空気の流れK4)が生じていない場合はノズル設置角度を10度、横風(空気の流れK4)が生じている場合はノズル設置角度を−5度に設定するのが好ましいことが分かった。すなわち、横風(空気の流れK4)がある場合、ノズル高さH2においても、噴射ノズル13を下向きにすると効果的であることが分かった。
また、図4のグラフに示すように、ノズル高さH2において、横風が生じない条件の解析によればノズル設置角度を0度に設定すればよいことが分かった。
また、図4のグラフからは、ノズル高さH3においてはノズル13の設置角度を水平よりもやや下方に向ければよいことが分かった。これは、ノズル高さH3に対応する下段取入口ユニットAz3の近傍においては、図2(a)に示したように、上昇流(流れK3)の影響を考慮する必要があるためである。
具体的に、図4のグラフからは、ノズル高さH3において、横風(空気の流れK4)が生じていない場合はノズル設置角度を0度、横風(空気の流れK4)が生じている場合はノズル設置角度を−10度に設定するのが好ましいことが分かった。すなわち、横風(空気の流れK4)がある場合、ノズル高さH3においても、噴射ノズル13を下向きにすると効果的であることが分かった。
また、図4のグラフに示すように、ノズル高さH3において、横風が生じない条件の解析によればノズル設置角度を10度に設定すればよいことが分かった。
以上の実験結果から、本発明者は、上段噴射ノズル13Aは、水平面(図3のXY平面)に対して鉛直方向上方側に60度〜100度の角度をなすように配置するのが好ましいことを見出した。また、中段噴射ノズル13Bは、水平面(図3のXY平面)に対して鉛直方向上方側に−5度〜10度の角度をなすように配置するのが好ましいことを見出した。また、下段噴射ノズル13Cは、水平面(図3のXY平面)に対して鉛直方向上方側に−10度〜10度の角度をなすように配置するのが好ましいことを見出した。ここで、傾斜角度がマイナス(−)の場合とは、ノズルからのミスト噴射方向が水平面(図3のXY平面)に対して鉛直方向下方を向いていることを意味する。
本発明においては、上記設置角度に配置されたノズル13A,13B,13Cを備える事を特徴としている。
ところで、横風は気象条件によっては発生しない場合もある。
そこで、本実施形態に係る吸気冷却装置10では、横風(空気の流れK4)が生じていない場合と横風(空気の流れK4)が生じている場合とのノズル設置角度の中間値(平均値)に基づいて噴射ノズル13を取り付けた。すなわち、本実施形態においては、図3(a)に示すように、上段噴射ノズル13Aにおける設置角度を80度に設定し、中段噴射ノズル13Bにおける設置角度を2.5度に設定し、下段噴射ノズル13Cにおける設置角度を−5度に設定した。
以上のように、本実施形態に係る吸気冷却装置10によれば、空気の流れK1,K2,K3,K4に基づいて取付角度が設定されたノズル13A,13B,13Cを空気取入口21の上段、中段および下段に備えるため、空気中の全体に亘ってミストを均一に供給することが可能となっている。
また、本発明者は、図2に示した空気の流れK1〜K4が生じている場合において、吸気取入口に取り込まれる空気中にミストを効率良く噴射することができる各ノズル13A,13B,13Cの設置高さと取付角度との関係を規定した次式(1)を実験から求めた。
Y=a・exp(bX)+c 式(1)
上記式(1)において、a,b,cは定数であり、Xはノズルの設置高さを規定する変数であり、吸気面の最下部を0、最上部を1としている。Yはノズルの取付角度を規定する変数である。具体的に、a=0.000049、b=14.4789、c=4.5である。
上記ノズル13A,13B,13Cの設置高さを変更する場合、上記式(1)に基づいて規定される設置角度に設定することで空気中の全体に亘ってミストを均一に供給することが可能となる。
図5は、吸気冷却装置10の要部構成を示す断面図である。
図5に示すように、吸気冷却装置10は、吸気室14(吸気用建屋11)内に設けられたフィルタ部材(捕捉部材)18と、塵埃フィルタ部材19と、を有している。
フィルタ部材18は、吸気室14の壁面に設けられ、噴射ノズル13から噴射されたミストMのうちルーバー22に付着することなく、且つ蒸発せずに空気に同伴して飛翔してくるものを捕集するためのものである。フィルタ部材18としては、例えば、長繊維グラスファイバ製パッドを用いることが好ましい。これによれば、フィルタ部材18の内部に捕集したミストMをより多く保持して、フィルタ部材18内におけるミストMの蒸発によって空気をより一層効率的に冷却できる。なお、フィルタ部材18は、従来のエバポレーティブクーラに用いられている冷却メディアであってもよく、特に限定されない。
塵埃フィルタ部材19は、吸気室14内から吸気した空気中の塵埃を除去するためのものである。なお、塵埃フィルタ部材19は、フィルタ部材18の下流側に設けられるのが好ましい。これによれば、塵埃を除去するための塵埃フィルタ部材19にミストが到達する前にフィルタ部材18によってミストMを捕捉できるので、塵埃フィルタ部材19がミストMで濡れることで捕集した塵埃が膜を形成し、圧力損失が上昇してしまうといった不具合の発生を防止することが可能である。
なお、塵埃フィルタ部材19としては、例えば、以下に示す3つのタイプのいずれかを用いることができる。第1のタイプは、中性能フィルタが1つ設けられたものである。第2のタイプは、中性能フィルタと、中性能フィルタの下流側にこれと所定距離を隔てて設けられたHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air filter)とからなる。第3のタイプは、中性能フィルタと、中性能フィルタの下流側にこれと所定距離を隔てずに一体化して設けられたHEPAフィルタとからなる。
なお、上記フィルタ部材18は、複数(例えば、2つ)の部材から構成されていても良い。この場合において、一方のフィルタ部材18を吸気室14内のうち塵埃フィルタ部材19の上流側であって空気取入口21に近い側(以下、上流側と称す場合もある)に設置し、他方のフィルタ部材18を吸気室14内のうち塵埃フィルタ部材19の上流側であって該塵埃フィルタ部材19に近い側(以下、下流側と称す場合もある)に設置すればよい。
また、上流側に設置されるフィルタ部材18は、下流側に配置されるフィルタ部材18よりも目の粗い濾材からなるものを用いるのが好ましい。このようにすれば、例えば、空気中に噴射されたミストMがルーバー22に付着することなく、且つ蒸発せずに空気取入口21内に入り込んでしまった場合であっても、空気中に残存した比較的大粒径のミストMを、上流側のフィルタ部材18で予め捕集することが可能となり、上流側のフィルタ部材18で捕集されずに飛翔してきた小粒径のミストMを下流側のフィルタ部材18で確実に捕集する事が可能となる。よって、圧縮機2側へのミストMの入り込みによる圧縮効率の低下をより確実に防止することができる。
続いて、上記構成を備えるガスタービンプラント1の動作について説明するとともに、本発明の吸気冷却方法の一実施例についても説明する。
ガスタービンプラント1は、吸気冷却装置10により吸気された空気を圧縮機2によって圧縮し、該圧縮機2で生成された圧縮空気を用いて燃焼器3により燃焼ガスを生成し、該燃焼器3で生成した燃焼ガスによってガスタービン4を回転させる。そして、ガスタービン4で発生した動力を発電機5により電力に変換する。
吸気冷却装置10は、噴射ノズル13(上段噴射ノズル13A、中段噴射ノズル13Bおよび下段噴射ノズル13C)からミストMを大気中に噴射する。
ここで、図3(a)に示したように、上段噴射ノズル13Aから噴射されたミストMは、吸気口形成領域20の外側から巻き込む流れK1の空気中に良好に取り込まれることとなる。また、本実施形態の上段噴射ノズル13Aは、上述のように横風(流れK4)が発生した場合と発生しない場合との中間値に基づいて設置角度が設定されているため、図3(b)に示すように、該上段噴射ノズル13Aから噴射されたミストMは横風(流れK4)の影響によらず概ね流れK1の空気中に取り込まれる。これにより、ミストは、飛翔距離が延びることで滞留時間が長くなる。
よって、空気中に取り込まれたミストMは、該空気が上段取入口ユニットAz1の各左側取入口ユニットAy1、中央側取入口ユニットAy2および右側取入口ユニットAy3(空気取入口21)に吸気されるまでの間に概ね蒸発するので、多量の蒸発潜熱が空気から奪われ、空気の冷却効率を向上させることができる。
また、中段噴射ノズル13Bから噴射されたミストMは、+Y方向に沿った一様な空気の流れK2に良好に取り込まれることで左側取入口ユニットAy1、中央側取入口ユニットAy2および右側取入口ユニットAy3の各中段取入口ユニットAz2に吸気されるまでの間に概ね蒸発する。また、本実施形態の中段噴射ノズル13Bは、上述のように横風(流れK4)が発生した場合と発生しない場合との中間値に基づいて設置角度が設定されているため、該中段噴射ノズル13Bから噴射されたミストMは横風(流れK4)の影響によらず概ね流れK2の空気中に取り込まれる。これにより、ミストは、飛翔距離が延びることで滞留時間が長くなる。
よって、空気中に取り込まれたミストMは、該空気が中段取入口ユニットAz2の各左側取入口ユニットAy1、中央側取入口ユニットAy2および右側取入口ユニットAy3に吸気されるまでの間に概ね蒸発するので、多量の蒸発潜熱が空気から奪われ、空気の冷却効率を向上させることができる。
また、下段噴射ノズル13Cから噴射されたミストMは、下段取入口ユニットAz3(空気取入口21)に対して下方から入り込むような空気の流れ(上昇流)K3中に良好に取り込まれることとなる。また、下段噴射ノズル13Cは、上述のように横風(流れK4)が発生した場合と発生しない場合との中間値に基づいて設置角度が設定されているため、該下段噴射ノズル13Cから噴射されたミストMは横風(流れK4)の影響によらず概ね流れK3の空気中に取り込まれる。これにより、ミストは、飛翔距離が延びることで滞留時間が長くなる。
よって、空気中に取り込まれたミストMは、該空気が下段取入口ユニットAz3の各左側取入口ユニットAy1、中央側取入口ユニットAy2および右側取入口ユニットAy3に吸気されるまでの間に概ね蒸発するので、多量の蒸発潜熱が空気から奪われ、空気の冷却効率を向上させることができる。
このように本実施形態によれば、吸気口形成領域20に吸気される空気であって、異なる流れK1、K2、K3、K4を含むことで不均一な流れの空気中にミストMを均一に供給することができる。よって、複数の空気取入口21から吸気される空気の全体に十分な蒸発潜熱を生じさせることで高い冷却効率を得ることができる。
また、吸気冷却装置10は、ルーバー22を備えるので、空気取入口21内に雨、雪、或いは風が直接的に入り込むのを防止することができる。また、噴射ノズル13から噴射されたミストMの一部は、ルーバー22に付着することで捕捉される。すなわち、ルーバー22は、ミストMの一部を捕捉する捕捉部材として機能する。ルーバー22に付着したミストMは、ルーバー22間を通り抜けて空気取入口21に吸気される空気に触れることで蒸発する。よって、空気取入口21に吸気される空気をより一層効率的に冷却することが可能となる。
また、吸気冷却装置10は、噴射ノズル13の下流側にフィルタ部材18が設けられているので、例えば、空気中に噴射されたミストMがルーバー22に付着することなく、且つ蒸発せずに空気取入口21内に入り込んでしまった場合であっても、空気中に残存したミストMをフィルタ部材18によって捕捉することができる。よって、空気がフィルタ部材18を通過する際に該フィルタ部材18に捕捉されたミストMを蒸発させることで空気の冷却効率を高めつつ、圧縮機2側にミストMが入り込むことによって圧縮効率が低下するといった不具合の発生を防止することができる。
また、吸気冷却装置10は、塵埃フィルタ部材19を備えるので、吸気室14内から吸気した空気中に含まれた塵埃を確実に除去することができる。よって、塵埃が圧縮機2側に導かれることで圧縮効率が低下するといった不具合の発生が防止される。
以上述べたように、本実施形態に係るガスタービンプラント1によれば、上記吸気冷却装置10を備えることで圧縮機2に導かれる空気の冷却効率が向上するので、高い出力を得ることができる。
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。以下では、上記実施形態と同一の構成及び部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略若しくは簡略化する。
図6は本実施形態に係る吸気冷却装置の要部構成を示す図であり、図6(a)は壁面11bに関する+Y方向から視た側面構成を示す図であり、図6(b)は壁面11bに関する+Z方向から視た上面構成を示す図である。
以下の説明では、図6を参照し、壁面11bに対する噴射ノズル13の配置を説明するが、壁面11cに対する噴射ノズル13の配置についても同様の条件に基づいてなされたものであることからその詳細については省略する。
本実施形態に係る吸気冷却装置50は、ノズル13A、13B、13Cにおける取付角度を調整する駆動部70と、空気取入口21に取り込まれる空気の流れを計測するセンサー60と、センサー60の計測結果に基づいて駆動部70を駆動させる制御部100とを備える。
駆動部70は、ノズル13A、13B、13Cをそれぞれ独立して駆動可能なアクチュエーター等から構成される。駆動部70は、各ノズル13A、13B、13Cに接続される配管15をY軸方向に回転させることで該ノズル13A、13B、13CをXZ平面内で回転可能である。これにより、ノズル13A,13B,13Cは、各々の取付角度が調整される。
センサー60は、例えば、空気の風向きや風量を計測可能である。本実施形態において、センサー60は少なくとも空気の流れK1、K2、K3、K4が生じる領域に配置される数だけ必要となる。制御部100は、駆動部70の駆動制御の他、吸気冷却装置50の他の機構の制御(例えば、ミストの噴射量制御、噴射タイミング制御等)を行う。
本実施形態によれば、空気の流れK1〜K4に基づいて、吸気口形成領域20の上段、中段および下段においてノズル13A,13B,13Cの取付角度が調整されるので、ミストの噴射方向を最適化することができる。例えば、制御部100は、横風(空気の流れK4)がある場合に、ノズル13A,13B,13Cの取付角度を下向きに調整する。
このように本実施形態に係る構成によれば、横風(流れK4)あるいは下降流(流れK1)といった風の流れが生じている吸気口形成領域20の上段における空気取入口21に取り込まれる空気中に対してミストを確実に噴射することができる。また、横風(流れK4)あるいは上昇流(流れK3)が生じている吸気口形成領域20の下段における空気取入口21に取り込まれる空気中に対してミストを確実に噴射することができる。
また、下降流(流れK1)および上昇流(流れK3)の影響が小さい吸気口形成領域20の中段における空気取入口21に取り込まれる空気中に対してミストを確実に噴射することができる。よって、噴射ノズル13から噴射されたミストの滞留時間を長くすることができ、結果的に多くのミストを蒸発させることができる。したがって、本実施形態においても、複数の空気取入口21から吸気される空気の全体に十分な蒸発潜熱を生じさせることで高い冷却効率を得ることができる。
(第3実施形態)
続いて、本発明の第3実施形態について説明する。以下では、上記実施形態と同一の構成及び部材については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略若しくは簡略化する。
図7は本実施形態に係る吸気冷却装置の要部構成を示す図であり、図7(a)は壁面11bに関する+Y方向から視た側面構成を示す図であり、図7(b)は壁面11bに関する+Z方向から視た上面構成を示す図である。
以下の説明では、図7を参照し、壁面11bに対する噴射ノズル13の配置を説明するが、壁面11cに対する噴射ノズル13の配置についても同様の条件に基づいてなされたものであることからその詳細については省略する。
本実施形態に係る吸気冷却装置80は、上段噴射ノズル13Aと中段噴射ノズル13Bと下段噴射ノズル13Cとを含む噴射ノズル13と、空気取入口21に取り込まれる空気の流れを計測するセンサー60と、センサー60の計測結果に基づいて噴射ノズル13を駆動させる制御部100とを備える。
本実施形態において、上段噴射ノズル13Aは、第1上段噴射ノズル13A1と、第2上段噴射ノズル13A2とを含む。中段噴射ノズル13Bは、第1中段噴射ノズル13B1と、第2中段噴射ノズル13B2とを含む。下段噴射ノズル13Cは、第1下段噴射ノズル13C1と、第2下段噴射ノズル13C2とを含む。
上段噴射ノズル13Aにおいて、第1上段噴射ノズル13A1および第2上段噴射ノズル13A2は同一構造からなるノズルであり、配管15に対する設置角度がそれぞれ異なっている。本実施形態において、第1上段噴射ノズル13A1および第2上段噴射ノズル13A2は、水平面(図7のXY平面)に対して鉛直方向上方側に70度〜80度の角度を向くようにそれぞれ設置されている。
なお、第1上段噴射ノズル13A1および第2上段噴射ノズル13A2は、互いの設置高さが僅かに異なっていてもよい。この場合において、第1上段噴射ノズル13A1および第2上段噴射ノズル13A2は、上記式(1)に基づいて規定された角度に設置されるのが好ましい。
また、中段噴射ノズル13Bにおいて、第1中段噴射ノズル13B1および第2中段噴射ノズル13B2は同一構造からなるノズルであり、配管15に対する設置角度がそれぞれ異なっている。本実施形態において、第1中段噴射ノズル13B1および第2中段噴射ノズル13B2は、水平面(図7のXY平面)に対して鉛直方向上方側に0度〜10度の角度を向くようにそれぞれ設置されている。
なお、第1中段噴射ノズル13B1および第2中段噴射ノズル13B2は、互いの設置高さが僅かに異なっていてもよい。この場合において、第1中段噴射ノズル13B1および第2中段噴射ノズル13B2は、上記式(1)に基づいて規定された角度に設置されるのが好ましい。
また、下段噴射ノズル13Cにおいて、第1下段噴射ノズル13C1および第2下段噴射ノズル13C2は同一構造からなるノズルであり、配管15に対する設置角度がそれぞれ異なっている。本実施形態において、第1下段噴射ノズル13C1および第2下段噴射ノズル13C2は、水平面(図7のXY平面)に対して鉛直方向上方側に0度以下の角度を向くようにそれぞれ設置されている。
なお、第1下段噴射ノズル13C1および第2下段噴射ノズル13C2は、互いの設置高さが僅かに異なっていてもよい。この場合において、第1下段噴射ノズル13C1および第2下段噴射ノズル13C2は、上記式(1)に基づいて規定された角度に設置されるのが好ましい。
第1上段噴射ノズル13A1および第2上段噴射ノズル13A2は、制御部100に電気的に接続されている。第1中段噴射ノズル13B1および第2中段噴射ノズル13B2は、制御部100に電気的に接続されている。第1下段噴射ノズル13C1および第2下段噴射ノズル13C2は、制御部100に電気的に接続されている。
制御部100は、センサー60の計測結果に基づいて、各ノズル13A、13B、13Cにおいて、最適な設置角度のノズルを選択して駆動(選択的に駆動)させる。例えば、制御部100は、横風(空気の流れK4)がある場合に、下向きのノズル13を選択的に駆動する。すなわち、制御部100は、例えば、上段噴射ノズル13Aのうち下向きの第2上段噴射ノズル13A2を駆動させ、中段噴射ノズル13Bのうち下向きの第2中段噴射ノズル13B2を駆動させ、下段噴射ノズル13Cのうち下向きの第2下段噴射ノズル13C2を選択的に駆動させる。ノズル13A、13B、13Cでは、制御部100により選択的に駆動されたノズルからのみ空気中にミストを噴射する。これによれば、横風(空気の流れK4)がある場合においても、下向きのノズル13からミストを空気中に良好に供給することができる。
本実施形態によれば、空気の流れK1〜K4に基づいて、吸気口形成領域20の上段、中段および下段においてノズル13A,13B,13Cのうち最適な取付角度のノズルが選択的に駆動されるので、ミストを最適な方向に噴射することができる。これにより、横風(流れK4)あるいは下降流(流れK1)といった風の流れが生じている吸気口形成領域20の上段における空気取入口21に取り込まれる空気中に対してミストを確実に噴射することができる。また、横風(流れK4)あるいは上昇流(流れK3)が生じている吸気口形成領域20の下段における空気取入口21に取り込まれる空気中に対してミストを確実に噴射することができる。
また、下降流(流れK1)および上昇流(流れK3)の影響が小さい吸気口形成領域20の中段における空気取入口21に取り込まれる空気中に対してミストを確実に噴射することができる。よって、噴射ノズル13から噴射されたミストの滞留時間を長くすることができ、結果的に多くのミストを蒸発させることができる。したがって、本実施形態においても、複数の空気取入口21から吸気される空気の全体に十分な蒸発潜熱を生じさせることで高い冷却効率を得ることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の形態はこれに限定されることはなく、発明の主旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、吸気口形成領域20が壁面11b、11cにのみ形成される場合を例に挙げたが、XZ平面に平行な壁面11aに形成されていても良い。
1…ガスタービンプラント、2…圧縮機、3…燃焼器、4…ガスタービン、5…発電機、10、50、80…吸気冷却装置、11…吸気用建屋(吸気部)、12…吸気ダクト(ダクト)、13…噴射ノズル、13A…上段噴射ノズル、13A1…第1上段噴射ノズル、13A2…第2上段噴射ノズル、13B…中段噴射ノズル、13B1…第1中段噴射ノズル、13B1…第2中段噴射ノズル、13C…下段噴射ノズル、13C1…第1下段噴射ノズル、13C2…第2下段噴射ノズル、21…空気取入口(吸気口)、60…センサー、70…駆動部、K1、K2、K3、K4…空気の流れ方向、M…ミスト。

Claims (10)

  1. 大気中から空気を吸気する複数の吸気口が設けられる吸気部と、
    前記吸気部により吸気された前記空気を圧縮機の吸気側へと導くダクトと、
    ミストを噴射するための噴射口を吸方向と反対方向に向けるように前記吸気部の上段に配置される上段噴射ノズルと、
    ミストを噴射するための噴射口を吸方向と反対方向に向けるように前記吸気部の中段に配置される中段噴射ノズルと、
    ミストを噴射するための噴射口を吸方向と反対方向に向けるように前記吸気部の下段に配置される下段噴射ノズルと、を備え、
    前記上段噴射ノズルは、水平面に対して鉛直方向上方側に60度〜100度の角度をなすように配置され、
    前記中段噴射ノズルは、水平面に対して鉛直方向上方側に−5度〜10度の角度をなすように配置され、
    前記下段噴射ノズルは、水平面に対して鉛直方向上方側に−10度〜10度の角度をなすように配置される
    ことを特徴とする吸気冷却装置。
  2. 最下部の前記吸気口は、前記吸気部の設置面よりも上方に設置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の吸気冷却装置。
  3. 大気中から空気を吸気する複数の吸気口が設けられる吸気部と、
    前記吸気部により吸気された前記空気を圧縮機の吸気側へと導くダクトと、
    ミストを噴射するための噴射口を吸方向と反対方向に向けるように前記吸気部の上段に取り付けられる上段噴射ノズルと、
    ミストを噴射するための噴射口を吸方向と反対方向に向けるように前記吸気部の中段に取り付けられる中段噴射ノズルと、
    ミストを噴射するための噴射口を吸方向と反対方向に向けるように前記吸気部の下段に取り付けられる下段噴射ノズルと、
    前記大気中の風の流れを計測するセンサーと、
    前記上段噴射ノズル、前記中段噴射ノズル、及び下段噴射ノズルにおける前記吸気部に対する取付角度を調整する駆動部と、
    前記センサーの計測結果に基づいて、前記駆動部を駆動させる制御部と、を備える
    ことを特徴とする吸気冷却装置。
  4. 前記制御部は、前記センサーが前記吸気口を横切る横風の流れを検出した場合、前記上段噴射ノズル、前記中段噴射ノズル、及び下段噴射ノズルにおける取付角度を鉛直方向下方に調整することを特徴とする請求項3に記載の吸気冷却装置。
  5. 大気中から空気を吸気する複数の吸気口が設けられる吸気部と、
    前記吸気部により吸気された前記空気を圧縮機の吸気側へと導くダクトと、
    ミストを噴射するための噴射口を吸方向と反対方向に向けるように前記吸気部の上段に取り付けられ、前記吸気部に対する取付角度が異なる複数の上段噴射ノズルと、
    ミストを噴射するための噴射口を吸方向と反対方向に向けるように前記吸気部の中段に取り付けられ、前記吸気部に対する取付角度が異なる複数の中段噴射ノズルと、
    ミストを噴射するための噴射口を吸方向と反対方向に向けるように前記吸気部の下段に取り付けられ、前記吸気部に対する取付角度が異なる複数の下段噴射ノズルと、
    前記大気中の風の流れを計測するセンサーと、
    前記センサーの計測結果に基づいて、前記複数の上段噴射ノズル、前記複数の中段噴射ノズル、及び前記複数の下段噴射ノズルを選択的に駆動させる駆動制御部と、を備える
    ことを特徴とする吸気冷却装置。
  6. 前記制御部は、前記センサーが前記吸気口を横切る横風の流れを検出した場合、前記複数の上段噴射ノズル、前記複数の中段噴射ノズル、及び前記複数の下段噴射ノズルにおける前記取付角度が鉛直方向下側のノズルを選択して駆動させることを特徴とする請求項5に記載の吸気冷却装置。
  7. 吸気した空気を圧縮し、圧縮空気を生成する圧縮機と、
    前記圧縮空気を用いて燃焼ガスを生成する燃焼器と、
    前記燃焼ガスによって動力を発生するガスタービンと、
    前記圧縮機の吸気側に供給される空気を冷却する吸気冷却部と、を備え、
    前記吸気冷却部が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸気冷却装置により構成されることを特徴とするガスタービンプラント。
  8. 大気中から吸気部の吸気口に吸気される空気を冷却して圧縮機の吸気側へと導く吸気冷却方法であって、
    前記吸気部の上段において、方向と反対方向であり、且つ、水平面に対して鉛直方向上方側に60度〜100度の角度をなす方向にミストを噴射するとともに、
    前記吸気部の中段において、方向と反対方向であり、且つ、水平面に対して鉛直方向上方側に−5度〜10度の角度をなす方向にミストを噴射させ、
    前記吸気部の下段において、方向と反対方向であり、且つ、水平面に対して鉛直方向上方側に−10度〜10度の角度をなす方向にミストを噴射するミスト噴射工程を備える
    ことを特徴とする吸気冷却方法。
  9. 大気中から吸気部の吸気口に吸気される空気を冷却して圧縮機の吸気側へと導く吸気冷却方法であって、
    前記大気中の風の流れを計測する計測工程と、
    前記吸気部の上段に取り付けられた上段噴射ノズルから方向と反対方向にミストを噴射するとともに、
    前記吸気部の中段に取り付けられた中段噴射ノズルから方向と反対方向にミストを噴射させ、
    前記吸気部の下段に取り付けられた下段噴射ノズルから方向と反対方向にミストを噴射するミスト噴射工程と、
    前記計測工程の結果に基づいて、前記上段噴射ノズル、前記中段噴射ノズル、及び前記下段噴射ノズルにおける前記吸気部に対する取付角度を調整する調整工程と、を備える
    ことを特徴とする吸気冷却方法。
  10. 大気中から吸気部の吸気口に吸気される空気を冷却して圧縮機の吸気側へと導く吸気冷却方法であって、
    前記大気中の風の流れを計測する計測工程と、
    前記吸気部の上段に取り付けられ、各々の前記吸気部に対する取付角度が異なる複数の上段噴射ノズルから方向と反対方向にミストを噴射するとともに、
    前記吸気部の中段に取り付けられ、各々の前記吸気部に対する取付角度が異なる複数の中段噴射ノズルから方向と反対方向にミストを噴射させ、
    前記吸気部の下段に取り付けられ、各々の前記吸気部に対する取付角度が異なる複数の下段噴射ノズルから方向と反対方向にミストを噴射するミスト噴射工程と、を備え、
    前記ミスト噴射工程においては、前記計測工程の結果に基づいて、前記複数の上段噴射ノズル、前記複数の中段噴射ノズル、及び前記複数の下段噴射ノズルを選択的に駆動させる
    ことを特徴とする吸気冷却方法。
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