JP6295665B2 - 浸炭軸受用鋼 - Google Patents

浸炭軸受用鋼 Download PDF

Info

Publication number
JP6295665B2
JP6295665B2 JP2014001630A JP2014001630A JP6295665B2 JP 6295665 B2 JP6295665 B2 JP 6295665B2 JP 2014001630 A JP2014001630 A JP 2014001630A JP 2014001630 A JP2014001630 A JP 2014001630A JP 6295665 B2 JP6295665 B2 JP 6295665B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
content
steel
rolling fatigue
effect
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014001630A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015129335A (ja
Inventor
隼也 山本
隼也 山本
根石 豊
豊 根石
秀貴 安倍
秀貴 安倍
真志 東田
真志 東田
松本 斉
斉 松本
直樹 松井
直樹 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2014001630A priority Critical patent/JP6295665B2/ja
Publication of JP2015129335A publication Critical patent/JP2015129335A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6295665B2 publication Critical patent/JP6295665B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Description

本発明は、浸炭軸受用鋼に関し、詳しくは、転動疲労特性(転動疲労寿命)に優れた浸炭軸受用鋼に関する。
ベアリング等の機械構造部品や、「等速ジョイント」、「ハブユニット」といった自動車用部品には、高い面圧が繰返し作用する。したがって、上記の部品(以下、まとめて「転動部材」という。)には、優れた転動疲労特性が必要となる。
転動部材の使用環境は、近年、例えば、エンジンの高出力化や部品の小型化、軽量化のニーズによって、ますます高面圧化、高温化して過酷なものとなっている。このため、転動部材にはより一層長い転動疲労寿命が求められるようになってきた。
上記の要求に対し、転動部材の素材については、一般的に、転動部位の剥離の原因となるようなAlに代表される非金属介在物(以下、単に「介在物」ということがある。)の量を極力低減させ、転動疲労寿命の向上を図ることが行われてきた。
しかしながら、例えば、非特許文献1に記載されているように、近年の製鋼技術の進歩により酸化物が小径化した結果、相対的に硫化物のサイズが大きくなる場合があるため、酸化物のみを指標とした対策では、転動疲労寿命のばらつきが大きくなることがある。
そこで、最近では、製鋼プロセスによって鋼中のO(酸素)やS(硫黄)の含有量を少なくする、酸化物や硫化物のサイズを小さくする、介在物の形態自体を制御する、といった試みがなされ、例えば、特許文献1および2に種々の技術が開示されている。
具体的には、特許文献1に、質量%で、C:0.1〜0.4%、Si:0.4〜3.0%、Mn:0.3〜1.5%、P:0.03%以下、Ni:0.25〜3.5%、Cr:0.3〜5.0%、Al:0.005〜0.050%、O:0.0015%以下、N:0.025%以下であって、必要に応じてさらに、特定量のMo、V、Nb、「sol.B+Ti」、Se、Te、Pb、S、Ca、Biのいずれか1種または2種以上を含有し、残部が実質上Feから成る合金組成を有し、かつ長さが0.5mm以上のアルミナクラスターの存在量が10−3個/mm以下であることを特徴とする「転動疲労強度に優れた肌焼鋼」が開示されている。
特許文献2に、質量%で、C:0.1〜0.5%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.3〜1.8%、S:0.001〜0.15%、Cr:0.4〜2.0%、Ti:0.05〜0.2%を含有し、Al:0.04%以下、N:0.0050%以下、P:0.025%以下、O:0.0025%以下に制限し、さらに、Mg:0.003%以下、Zr:0.01%以下、Ca:0.005%以下の1種または2種以上を含有し、必要に応じてさらに、特定量のNb、Mo、Ni、V、Bのいずれか1種または2種以上を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、AlNの析出量を0.01%以下に制限し、円相当径が20μm超、アスペクト比が3超で硫化物の密度d(個/mm)と、Sの含有量[S](質量%)とが、d≦1700[S]+20を満足することを特徴とする「冷間加工性、切削性、浸炭焼入れ後の疲労特性に優れた肌焼鋼」およびその製造方法が開示されている。
特開2000−297346号公報 国際公開第2010/116555号
長尾実佐樹ら:Sanyo Technical Report Vol.12(2005)No.1、p.38
前述の特許文献1で開示されている技術は、硫化物に対して考慮されていないため、粗大な硫化物が存在する可能性があり、優れた転動疲労寿命が得られない場合がある。
特許文献2で開示されている技術は、酸化物に対して考慮されておらず、延伸した粗大な酸化物が存在している可能性があるため、優れた転動疲労寿命が得られない場合がある。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたもので、その目的は、転動疲労特性を、より安定して高めることができる浸炭軸受用鋼を提供することである。
一般に、転動疲労は、鋼材中に存在する介在物に繰返し荷重が加わり、応力集中によって亀裂が生じ、その後、繰返し荷重によって亀裂が徐々に進展し、最終的に剥離に至る現象である、と理解されている。
そこで、本発明者らは、前記した課題を解決するために、介在物の組成と形態に着目して検討を行い、下記の(a)〜(d)の重要な知見を得た。
(a)硫化物の組成を制御することによって、具体的には、例えば、溶鋼中にCaを添加して、硫化物中に(Mn、Ca)SおよびCaSを含有するように組成を制御することによって、転動疲労の応力集中源となる粗大な硫化物を分散、小径化できる。
(b)Oの含有量を低減させた場合でも、酸化物がAlを主体とするものである場合には、凝集、合体して粗大な介在物として存在することがあり、このときには良好な転動疲労寿命が得られない可能性がある。
(c)上述したCaの添加を、アルミキルド鋼(以下、「Alキルド鋼」という。)の溶鋼段階で行った場合には、脱酸生成物AlはCaと反応し、低融点組成酸化物の(Al、Ca)Oに変化する。このとき、溶鋼中で酸化物は球状化し、凝集粗大化が抑制される。
(d)上記(c)項の溶鋼中に添加したCaは、溶鋼中のSと、Alキルド鋼の脱酸生成物であるAlの両方と反応し、この2つの反応は競合するため、溶鋼に含まれるSの量によって、Alと反応するCaの量は変化する。よって、溶鋼段階で酸化物の組成を適切に変化させて粗大化を抑制し、転動疲労寿命を向上させるためには、Ca、OおよびSの量を適正な関係に制御する必要がある。
そこで次に、本発明者らは、Ca添加が酸化物および硫化物の組成と形態に及ぼす影響を調査した。
その結果、下記の(e)および(f)に示すように、鋼中に含まれるCa量とO量の比である〔Ca/O〕およびS量を適正な範囲に制御すれば、粗大な酸化物の形成を抑制できることが判明した。
(e)Caを添加した後の酸化物の組成は、〔Ca/O〕を指標として表すことができる。そして、
〔0.7≦Ca/O≦2.0〕
を満たせば、粗大な酸化物の形成を抑制することができる。
(f)ただし、Sが多く含まれる場合には、CaはSとも反応する。このため、たとえ鋼中に含まれるCa量とO量が上記(e)で述べた関係式を満たしても、鋼中に存在するS量によっては、適切な酸化物の組成制御ができないために、粗大な酸化物が生じる場合がある。しかし、鋼中に含まれるCa量、O量およびS量が、上記〔0.7≦Ca/O≦2.0〕を満たしたうえでさらに〔Ca/O≧1250S−5.8〕を満たせば、安定して粗大な酸化物および点列状の酸化物の形成を抑制することができる。
本発明は、上記の技術的思想とそれに基づく知見によって完成されたものであり、その要旨は、下記の浸炭軸受用鋼にある。
(1)化学組成が、質量%で、
C:0.1%以上0.4%未満、Si:0.02〜1.3%、Mn:0.2〜2.0%、P:0.05%以下、S:0.010%未満、Cr:0.50〜2.00%、Al:0.01〜0.10%、Ca:0.0003〜0.0030%、O:0.0030%以下およびN:0.002〜0.030%と、
残部:Feおよび不純物とからなり、
下記の[1]式および[2]式を満足する、浸炭軸受用鋼。
0.7≦Ca/O≦2.0・・・[1]
Ca/O≧1250S−5.8・・・[2]
ただし、式中の元素記号は、各元素の含有量(質量%)を意味する。
(2)Feの一部に代えて、質量%で、Cu:1.0%以下、Ni:3.5%以下およびMo:1.5%以下のうちの1種以上を含有する、上記(1)に記載の浸炭軸受用鋼。
(3)Feの一部に代えて、質量%で、V:0.10%以下およびNb:0.03%以下のうちの1種以上を含有する、上記(1)または(2)に記載の浸炭軸受用鋼。
(4)Feの一部に代えて、質量%で、B:0.0030%以下およびTi:0.01%未満を含有する、上記(1)から(3)までのいずれかに記載の浸炭軸受用鋼。
本発明の浸炭軸受用鋼を素材とする転動部材は、近年の過酷な使用環境下においても、転動疲労による破損に対して良好な耐久性を有し、安定して長い転動疲労寿命を有する。このため、本発明の浸炭軸受用鋼は、ベアリング等の機械構造部品、さらには、等速ジョイント、ハブユニット等の自動車用部品、といった各種転動部材の素材として好適に用いることができる。
鋼中のCa/OとS量が、粗大な酸化物や点列状の酸化物の形成に及ぼす影響について説明する図で、図中の太枠で囲んだ領域が、本発明の浸炭軸受用鋼が満たすべき領域である。 実施例において、直径が60mmで厚みが5.5mmの素形材に施した「浸炭焼入れ−焼戻し」のヒートパターンを示す図である。図中の「Cp」は、「炭素ポテンシャル」を表す。「O.Q.」は、「油焼入れ」を表す。焼戻し後の冷却は大気中放冷とし、図では「A.C.」と表記した。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、以下の説明における各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
C:0.1%以上0.4%未満
Cは、本発明の鋼材の強度を左右する重要な元素である。浸炭焼入れしたときの部品の芯部強度(部品の生地の強度)を確保するためには、0.1%以上のCを含有させる必要がある。一方、0.4%以上のCを含有させると靱性および被削性が低下する。したがって、Cの含有量を0.1%以上0.4%未満とした。Cの含有量は0.12%以上とすることが好ましく、0.15%以上とすれば一層好ましい。また、Cの含有量は0.35%以下とすることが好ましく、0.30%以下とすれば一層好ましい。
Si:0.02〜1.3%
Siは、焼入れ性および焼戻し軟化抵抗を高める効果が大きく、また、転動疲労強度の向上にも効果を有する元素である。しかしながら、Siの含有量が0.02%未満では前記の効果が不十分である。一方、Siの含有量が1.3%を超えると、転動疲労強度を高める効果が飽和するだけでなく、靱性および被削性の低下が顕著になる。したがって、Siの含有量を0.02〜1.3%とした。Siの含有量は0.10%以上とすることが好ましく、0.15%以上とすれば一層好ましい。また、Siの含有量は0.70%以下とすることが好ましく、0.35%以下とすれば一層好ましい。
Mn:0.2〜2.0%
Mnは、鋼に固溶して鋼の転動疲労強度を高め、鋼の焼入れ性を高める元素である。Mnはさらに、鋼中のSと結合してMnSを形成し、鋼の被削性を高める。これらの効果を得るためには、0.2%以上のMnを含有させる必要がある。しかし、Mnの含有量が過剰になると焼入れ後の表面硬さが高くなりすぎて、靱性および被削性が低下する。このため、上限を設け、Mnの含有量を0.2〜2.0%とした。焼入れ性および強度を向上させたい場合、Mnの含有量は0.6%以上とすることが好ましい。なお、Mnの含有量は0.9%以下とすることが好ましい。
P:0.05%以下
Pは、不純物として鋼中に含まれ、結晶粒界に偏析して転動疲労寿命を低下させる。特に、その含有量が0.05%を超えると、転動疲労寿命の低下が著しくなる。したがって、Pの含有量を0.05%以下とした。Pの含有量は、極力低くすることがよく、好ましくは0.02%以下である。
S:0.010%未満
Sは、不純物として鋼中に含まれる。Sは、硫化物を形成する元素であり、その含有量が0.010%以上になると、粗大な硫化物が残存するため転動疲労寿命を低下させる。したがって、Sの含有量を0.010%未満とした。なお、転動疲労寿命の向上という観点からは、Sの含有量は、極力低くすることがよく、好ましくは0.006%以下、より好ましくは0.002%以下である。なお、Sの含有量は後述の[2]式も満たす必要がある。
Cr:0.50〜2.00%
Crは、鋼の焼入れ性、焼入れ焼戻し後の強度および靱性を向上させるのに有効な元素である。これらの効果を得るためには、0.50%以上のCr含有量が必要である。しかしながら、Crを2.00%を超えて含有させると、かえって靱性が低下し、さらには被削性も低下する。したがって、Crの含有量を0.50〜2.00%とした。Crの含有量は0.60%以上とすることが好ましく、また1.50%以下とすることが好ましい。
Al:0.01〜0.10%
Alは、精錬工程で脱酸を行うために使用する元素であり、また、AlNを形成して結晶粒を微細化する効果を有する元素である。しかし、Alの含有量が0.01%未満では上記効果が不十分である。一方、0.10%を超えてAlを含有させた場合、粗大な酸化物として残存しやすくなり、転動疲労寿命の低下を招く。したがって、Alの含有量を0.01〜0.10%とした。Alの含有量は、0.02%以上とすることが好ましく、また0.04%以下とすることが好ましい。
Ca:0.0003〜0.0030%
Caは、酸化物として、適量の(Al、Ca)Oを形成するとともに、硫化物中に固溶し(Mn、Ca)SとCaSを形成する。(Al、Ca)Oを形成することによって、界面エネルギーが低下し、酸化物の凝集力が低下することで、酸化物の粗大化が抑制される。この効果によって、転動疲労寿命の低下を抑制できる。また硫化物に対しては(Mn、Ca)SとCaSを形成することで延伸・粗大化を抑制する効果がある。さらに晶出形態が変化するため、硫化物系介在物が均一分散する。これらの効果によって、転動疲労寿命の低下を抑制できる。上述したCaの各効果は、Caの含有量が0.0003%以上で発揮される。しかしながら、Caの含有量が0.0030%を超えると、前記の効果が飽和するだけではなく、特に、酸化物の粗大化を招き、結果として転動疲労寿命の低下を招く場合がある。したがって、Caの含有量を0.0003〜0.0030%とした。Caの含有量は0.0005%以上とすることが好ましく、また0.0025%以下とすることが好ましい。なお、Caの含有量は後述の[1]式および[2]式も満たす必要がある。
O:0.0030%以下
Oは、不純物として鋼中に含まれ、酸化物を生成する元素であるため、極力その含有量を低下させる必要がある。Oの含有量が多くなって、特に0.0030%を上回ると、粗大な酸化物として残存しやすくなり、転動疲労寿命の低下を招く。したがって、Oの含有量を0.0030%以下とした。好ましいOの含有量は0.0025%以下であり、さらに好ましくは0.0020%以下である。なお、Oの含有量はできる限り少なくすることが好ましいが、製鋼でのコストを考慮すると、その下限は0.0005%程度となる。なお、Oの含有量は後述の[1]式および[2]式も満たす必要がある。
N:0.002〜0.030%
Nは、Alと結合してAlNを生成し、結晶粒を微細化する働きをする。しかし、Nの含有量が0.002%未満では上記効果が不十分である。一方、0.030%を超えてNを含有させた場合、かえって鋼の強度を低下させる。したがって、Nの含有量を0.002〜0.030%とした。なお、焼入れ性向上効果を得るため、後述するように、BおよびTiを含有する場合には、BとNの結合を極力抑制する必要がある。そのため、BおよびTiを含有する場合には、N含有量の上限は0.030%よりもさらに低くすることが望ましい。この場合、より望ましい上限は0.004%である。
Ca/O:0.7〜2.0、かつ(1250S−5.8)以上
本発明の浸炭軸受用鋼は、Ca/Oが下記の[1]式を満足する化学組成でなければならない。
0.7≦Ca/O≦2.0・・・[1]
ただし、式中の元素記号は、各元素の含有量(質量%)を意味する。
Ca/Oは、Caを添加した後の酸化物組成の指標である。Ca/Oが0.7未満のときは、Alは低融点酸化物である(Al、Ca)Oに完全に変化せず、Alを主体とした粗大なスピネルまたは点列状のAlの酸化物群を形成し、転動疲労寿命低下の原因となる。一方、Ca/Oが2.0を上回るときは、CaOを主体とする高融点の粗大な酸化物または点列状のCaOの酸化物が形成されやすくなり、転動疲労寿命の低下を招く。したがって、Ca/Oは0.7〜2.0の範囲とした。
本発明の浸炭軸受用鋼は、さらにCa/Oが下記の[2]式を満足する化学組成でなければならない。
Ca/O≧1250S−5.8・・・[2]
ただし、式中の元素記号は、各元素の含有量(質量%)を意味する。
これは、たとえCa/Oが上記0.7〜2.0の範囲であっても、添加されたCaは酸化物だけではなく、鋼中のSとも反応するため、酸化物の粗大化や点列状化を抑制できない場合があるからである。
すなわち、〔Ca/O<1250S−5.8〕の場合、CaS形成のために消費されるCaの量が多くなり、酸化物組成の変化に使われるCaの量が不足する。そのため、Alを主成分とするスピネルが生成して、酸化物の粗大化が生じたり点列状のAlの酸化物群を形成したりして、転動疲労寿命が低下する。したがって、〔Ca/O≧1250S−5.8〕とした。なお、Sに対する係数である1250は、CaS形成に伴うCaの減少係数を意味する。
図1に、上述のCa/OとS量の関係を整理して示す。なお、図中の太枠で囲んだ領域が、本発明の浸炭軸受用鋼が満たすべき領域である。
なお、上記の[1]式および[2]式を満足させるには、例えば、溶鋼をAlで脱酸処理し、その後に、Ca−Si合金を加えてCa量を調整すればよい。
本発明の浸炭軸受用鋼は、その化学組成が、上述の各元素と、残部がFeおよび不純物とからなるものである。
なお、「不純物」とは、鋼を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、または製造環境などから混入するものであって、本発明に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
本発明の浸炭軸受用鋼には、上述のFeの一部に代えて、Cu、Ni、Mo、VおよびNbから選択される1種以上の元素ならびに/または、BおよびTiを含有させてもよい。
Cu:1.0%以下
Cuは、転動疲労強度を高める効果を有する。Cuには、焼入れ性を向上させる効果もある。このため、Cuを含有させてもよい。しかしながら、Cuの含有量が1.0%を超えても上記効果は飽和するので、鋼の製造コストが嵩むばかりである。したがって、含有させる場合のCuの量に上限を設け、1.0%以下とした。含有させる場合のCuの量は、0.5%以下であることが好ましい。
一方、前記したCuの効果を安定して得るためには、Cuの含有量は0.05%以上であることが好ましく、0.07%以上であれば一層好ましい。
Ni:3.5%以下
Niは、転動疲労強度を高める効果を有する。Niには、焼入れ性および靱性を向上させる効果もある。このため、Niを含有させてもよい。しかしながら、Niの含有量が3.5%を超えても上記効果は飽和するので、鋼の製造コストが嵩むばかりである。したがって、含有させる場合のNiの量に上限を設け、3.5%以下とした。含有させる場合のNiの量は、2.0%以下であることが好ましい。
一方、前記したNiの効果を安定して得るためには、Niの含有量は0.05%以上であることが好ましく、0.07%以上であれば一層好ましい。
Mo:1.5%以下
Moは、鋼の焼入れ性を高めて、転動疲労強度を高める効果を有する。また、Moには、浸炭後の焼入れ処理において、不完全焼入れ層を抑制する効果もある。このため、Moを含有させてもよい。しかしながら、Moの含有量が過剰になると、鋼の被削性が低下し、さらに、鋼の製造コストも高くなる。したがって、含有させる場合のMoの量に上限を設け、1.5%以下とした。含有させる場合のMoの量は、0.5%以下であることが好ましく、0.3%以下であればさらに好ましい。
一方、前記したMoの効果を安定して得るためには、Moの含有量は0.02%以上であることが好ましく、0.03%以上であれば一層好ましい。
上記のCu、NiおよびMoは、そのうちのいずれか1種のみ、または、2種以上の複合で含有させることができる。なお、これらの元素の2種以上を複合して含有させる場合の合計量の上限は、6.0%である。
V:0.10%以下
Vは、Nと結合して窒化物を形成し、結晶粒の粗大化を抑制する作用がある。さらに、Vには、Cと結合することで母材の強度を上昇させる作用もある。したがって、Vを含有させてもよい。ただし、0.10%を超えてVを含有させても結晶粒粗大化を抑制する効果が飽和し、さらに母材の強度が高くなりすぎて被削性が低下してしまう場合がある。そのため、Vを含有させる場合には、その含有量を0.10%以下とした。
一方、前記したVの効果は、その含有量が0.01%以上の場合に安定して得られる。V含有量の下限は、好ましくは0.015%である。
Nb:0.03%以下
Nbは、Nと結合して窒化物を形成し、結晶粒粗大化を抑制する作用がある。さらに、Nbには、Cと結合することで母材の強度を上昇させる作用もある。したがって、Nbを含有させてもよい。ただし、0.03%を超えてNbを含有させても結晶粒粗大化を抑制する効果が飽和し、さらに、粗大な化合物が生成し、転動疲労強度が低下してしまう場合がある。そのため、Nbを含有させる場合には、その含有量を0.03%以下とした。十分な転動疲労強度を確保するためのNb含有量の上限は、好ましくは0.025%である。
一方、前記したNbの効果は、その含有量が0.01%以上の場合に安定して得られる。Nb含有量の下限は、好ましくは0.012%である。
上記のVおよびNbは、そのうちのいずれか1種のみ、または、2種の複合で含有させることができる。なお、これらの元素を複合して含有させる場合の合計量の上限は、0.13%である。
本発明に係る浸炭軸受用鋼には、より良好な焼入れ性を確保するために、次に述べる量のBとTiを複合して含有させてもよい。
B:0.0030%以下
Bは、微量の含有で鋼の焼入れ性を大きく向上させて、転動部に必要な硬化層深さを一層大きくすることができる元素である。したがって、Bを含有させてもよい。しかしながら、Bの含有量が0.0030%を超えてもその効果は飽和してしまう。そのため、Bを含有させる場合には、その含有量を0.0030%以下とした。B含有量の上限は、好ましくは0.0020%である。
一方、前記したBの効果は、その含有量が0.0005%以上の場合に安定して得られる。B含有量の下限は、好ましくは0.0007%である。
Ti:0.01%未満
Bを含有することによって焼入れ性が向上するのは、Bが化合物ではなく、固溶状態で存在する場合である。そのため、BがNと結合してBNを形成した場合には、Bによる焼入れ性向上効果は期待できない。したがって、上記の量のBを含有させる際、BよりもNとの親和力が大きく窒化物形成能が強いTiを複合して含有させる。しかしながら、0.01%以上の量のTiを含有させても、Nを固定する効果が飽和するばかりか、粗大なTiNが多量に生成してしまうため、転動疲労特性が低下する場合がある。そのため、Bと複合して含有させる場合のTiの含有量を0.01%未満とした。
一方、前記したTiの効果は、その含有量が0.007%以上の場合に安定して得られる。Ti含有量の下限は、好ましくは0.008%である。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す化学組成を有する鋼1〜28を真空溶解炉を用いて溶製し、150kg鋼塊を作製した。溶製に際しては、Alで脱酸処理を施し、その後に、Ca−Si合金を加えてCa含有量を調整した。
表1中の鋼1〜18は、化学組成が本発明で規定する範囲内にある鋼であり、鋼19〜28は、化学組成が本発明で規定する条件から外れた比較例の鋼である。
各鋼塊を一旦室温まで冷却した後、化学組成に応じて、1200〜1300℃の温度域の温度に加熱した後、仕上げ温度を1000〜1150℃として熱間鍛造し、直径80mmの丸棒とした。なお、熱間鍛造後の冷却は大気中での放冷とした。
次いで、上記直径80mmの各丸棒に、850℃で30分加熱した後、大気中で室温まで放冷する焼準処理を施した。
上記のようにして得た鋼1〜28の直径80mmの丸棒の中心から、丸棒の長手方向が素形材の厚みとなるように、直径が60mmで厚みが5.5mmの素形材をスライスして採取した。
上記直径が60mmで厚みが5.5mmの素形材を、図2に示すヒートパターンで「浸炭焼入れ−焼戻し」した後、素形材の片方のスライス面をラッピング加工して転動疲労試験片を作製し、ラッピング加工した面が試験面となるようにして、転動疲労試験に供した。なお、図2中の「Cp」は、「炭素ポテンシャル」を、また、「O.Q.」は「油焼入れ」を表す。焼戻し後の冷却は大気中放冷とし、図2では「A.C.」と表記した。
転動疲労試験は、スラスト型の転動疲労試験機を用いて、最大接触面圧5230MPa、繰返し速度1800cpm(cycle per minute)の条件で、試験数を10として行った。試験部は、試験片の中心から半径19.25mmの環状領域とした。鋼球(相手玉)として、JIS G 4805 (2008)に規定されたSUJ2の焼入れ−焼戻し玉を用いた。
表2に、転動疲労試験の詳細条件を示す。
転動疲労試験結果は、ワイブル分布確率紙上にプロットし、10%破損確率を示すL10寿命を「転動疲労寿命」として評価した。なお、転動疲労寿命の長寿命化の判断については、L10寿命が10.0×10以上を満足した場合を長寿命化とし、これを目標とした。
表3に、上記のようにして求めた転動疲労寿命を示した。
表3に示すように、本発明で規定した化学組成を満足する鋼1〜18を用いた試験番号1〜18の場合は、転動疲労寿命(L10寿命)は10.0×10以上で、長い転動疲労寿命が得られている。
これに対して、試験番号19〜28の場合は、用いた鋼19〜28の化学組成が本発明で規定する条件から外れている。このため、上記各試験番号の場合、転動疲労寿命が短く目標に達していない。
試験番号19は、用いた鋼19が[1]式を満たさないので、すなわち、Ca/Oが2.18と高く、本発明で規定する値を超えるため、CaO系の、粗大な酸化物や点列状の酸化物が形成されやすくなり、L10寿命は6.06×10と短く、目標に未達であった。
試験番号20は、用いた鋼20が[1]式を満たさないので、すなわち、Ca/Oが0.56と低く、本発明で規定する値を下回るため、酸化物は高融点の凝集しやすいものとなり、その結果Al系の、粗大な酸化物や点列状の酸化物が形成されやすくなり、L10寿命は3.16×10と短く、目標に未達であった。
試験番号21は、用いた鋼21が[2]式を満たさないので、すなわち、Ca/Oが1.14、〔1250S−5.8〕が1.58であって、〔Ca/O<1250S−5.8〕であるので、Al系の、粗大な酸化物や点列状の酸化物が形成されて、L10寿命は3.30×10と短く、目標に未達であった。
試験番号22は、用いた鋼22のCa含有量が0.0031%と高く、本発明で規定する値を超える。このため、粗大な酸化物や点列状の酸化物が形成されやすくなり、L10寿命は4.47×10と短く、目標に未達であった。
試験番号23は、用いた鋼23のCa含有量が本発明で規定する値を下回る0.0001%と低いことに加えて、Ca/Oが0.10と低く[1]式を満たさないので、酸化物は高融点の凝集しやすいものとなり、その結果粗大化し、L10寿命は4.99×10と短く、目標に未達であった。
試験番号24は、用いた鋼24のO含有量が0.0036%と高く、本発明で規定する値を超える。このため、粗大な酸化物が多く残存しやすくなって、L10寿命は2.26×10と短く、目標に未達であった。
試験番号25は、用いた鋼25のS含有量が本発明で規定する値を超える0.0114%と高いことに加えて、[2]式を満たさない、すなわち、Ca/Oが0.80、〔1250S−5.8〕が8.45であって、〔Ca/O<1250S−5.8〕であるため、粗大な硫化物が多く生成し、また、多くのCaおよびSがCaSを形成するため、Alと反応するCaは少なくなり、融点が高いAlを主とする酸化物が凝集し、L10寿命は1.54×10と短く、目標に未達であった。
試験番号26は、用いた鋼26が[1]式を満たさないので、すなわち、鋼26には、転動疲労寿命を高めるためにCuおよびNiを含有させたものの、そのCa/Oが0.48と低く、本発明で規定する値を下回る。このため、酸化物は高融点の凝集しやすいものとなり、その結果Al系の、粗大な酸化物や点列状の酸化物が形成されやすくなって、L10寿命は5.21×10と短く、目標に未達であった。
試験番号27は、用いた鋼27が[1]式を満たさないので、すなわち、鋼27には、結晶粒の粗大化を抑制するためにNbを含有させたものの、そのCa/Oが2.29と高く、本発明で規定する値を超える。このため、CaO系の、粗大な酸化物や点列状の酸化物が形成されやすくなって、L10寿命は7.32×10と短く、目標に未達であった。
試験番号28は、用いた鋼28のNb含有量が0.0342%と高く、本発明で規定する値を超える。このため、Nbが、CおよびNと結合して粗大なNb(C、N)が生成し、L10寿命は5.06×10と短く、目標に未達であった。
本発明の浸炭軸受用鋼を素材とする転動部材は、近年の過酷な使用環境下においても、転動疲労による破損に対して良好な耐久性を有し、安定して長い転動疲労寿命を有する。このため、本発明の浸炭軸受用鋼は、ベアリング等の機械構造部品、さらには、等速ジョイント、ハブユニット等の自動車用部品、といった各種転動部材の素材として好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 化学組成が、質量%で、
    C:0.1%以上0.4%未満、Si:0.02〜0.70%、Mn:0.2〜2.0%、P:0.05%以下、S:0.010%未満、Cr:0.50〜2.00%、Al:0.01〜0.10%、Ca:0.0003〜0.0030%、O:0.0030%以下およびN:0.002〜0.030%と、
    残部:Feおよび不純物とからなり、
    下記の[1]式および[2]式を満足する、浸炭軸受用鋼。
    0.7≦Ca/O≦2.0・・・[1]
    Ca/O≧1250S−5.8・・・[2]
    ただし、式中の元素記号は、各元素の含有量(質量%)を意味する。
  2. Feの一部に代えて、質量%で、Cu:1.0%以下、Ni:3.5%以下およびMo:1.5%以下のうちの1種以上を含有する、請求項1に記載の浸炭軸受用鋼。
  3. Feの一部に代えて、質量%で、V:0.10%以下およびNb:0.03%以下のうちの1種以上を含有する、請求項1または2に記載の浸炭軸受用鋼。
  4. Feの一部に代えて、質量%で、B:0.0030%以下およびTi:0.01%未満を含有する、請求項1から3までのいずれかに記載の浸炭軸受用鋼。
JP2014001630A 2014-01-08 2014-01-08 浸炭軸受用鋼 Active JP6295665B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014001630A JP6295665B2 (ja) 2014-01-08 2014-01-08 浸炭軸受用鋼

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014001630A JP6295665B2 (ja) 2014-01-08 2014-01-08 浸炭軸受用鋼

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015129335A JP2015129335A (ja) 2015-07-16
JP6295665B2 true JP6295665B2 (ja) 2018-03-20

Family

ID=53760263

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014001630A Active JP6295665B2 (ja) 2014-01-08 2014-01-08 浸炭軸受用鋼

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6295665B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20200063246A1 (en) * 2017-05-15 2020-02-27 Nippon Steel Corporation Steel and part
JP6881613B2 (ja) * 2018-01-22 2021-06-02 日本製鉄株式会社 浸炭軸受鋼部品、および浸炭軸受鋼部品用棒鋼
WO2019198415A1 (ja) * 2018-04-12 2019-10-17 日本製鉄株式会社 浸炭処理が行われる部品用の鋼材
KR102561036B1 (ko) * 2019-01-11 2023-07-31 닛폰세이테츠 가부시키가이샤 강재

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000297346A (ja) * 1999-04-14 2000-10-24 Daido Steel Co Ltd 転動疲労強度に優れた肌焼鋼
JP4102266B2 (ja) * 2003-07-31 2008-06-18 株式会社神戸製鋼所 表面硬化部品の製造方法及び表面硬化部品
WO2011132722A1 (ja) * 2010-04-19 2011-10-27 新日本製鐵株式会社 焼戻し軟化抵抗性に優れた鋼部品
WO2014027463A1 (ja) * 2012-08-16 2014-02-20 新日鐵住金株式会社 高周波焼入れ用鋼材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015129335A (ja) 2015-07-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5332646B2 (ja) 冷間鍛造性に優れた浸炭用鋼の製造方法
JP5927868B2 (ja) 冷間鍛造性に優れた浸炭用鋼およびその製造方法
WO2012043074A1 (ja) 肌焼鋼およびその製造方法
JP5556151B2 (ja) 異物環境下での転動疲労特性に優れた軸受部品の製造方法
JP5723233B2 (ja) 転動疲労寿命に優れた球状化熱処理軸受用鋼材
JP5723232B2 (ja) 転動疲労寿命に優れた軸受用鋼材
JP5700174B2 (ja) 高周波焼入れ用鋼材
JP5783056B2 (ja) 浸炭軸受鋼鋼材
JP6295665B2 (ja) 浸炭軸受用鋼
JP2012214832A (ja) 機械構造用鋼およびその製造方法
JP2009299148A (ja) 高強度浸炭部品の製造方法
JP2016166398A (ja) 軸受鋼およびその製造方法
JP4569961B2 (ja) ボールネジまたはワンウェイクラッチ用部品の製造方法
JP7223997B2 (ja) 高硬度かつ靱性に優れる鋼
WO2018212196A1 (ja) 鋼及び部品
JP2018165403A (ja) 低サイクル疲労強度および被削性に優れた浸炭用鋼材および浸炭部品
JP7436779B2 (ja) 浸炭歯車用鋼、浸炭歯車及び浸炭歯車の製造方法
JP4640101B2 (ja) 熱間鍛造部品
JP4280923B2 (ja) 浸炭部品又は浸炭窒化部品用の鋼材
JP6109730B2 (ja) 浸炭後の曲げ疲労特性に優れた鋼材およびその製造方法並びに浸炭部品
JP2013072104A (ja) 靭性、耐磨耗性に優れる鋼
JP2010007117A (ja) 高強度浸炭部品の製造方法
JP2005307257A5 (ja)
JP5668882B1 (ja) Mo無添加の浸炭用電炉鋼の製造方法
JP6085210B2 (ja) 転動疲労特性に優れた肌焼鋼、及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160905

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170718

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170911

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20170911

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180205

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6295665

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350