JP6295374B2 - エラストマー結合剤を含む機能化シリカ - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2014年8月11日に出願された米国出願第14/456,613号の利益を主張するものである。上記出願の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、ゴム化合物用の補強充填剤に関し、より具体的には、ゴム化合物用の機能化シリカ充填剤に関する。
ゴムは、タイヤ及び他のゴム製品に所望の化合物特性を提供するためにシリカと配合されることが多い。混合プロセス中にシリカの表面に結合剤を付着させてゴムにブレンドさせる、乾式混合プロセスを用いたシリカのゴムへの組込みが周知である。シリカが結合剤で被覆されると、そのシリカは「疎水化された」または「機能化された」と称される。ゴムに組み込まれるシリカの結合剤として、シランが使用されることが多い。
乾式混合プロセス中のシリカとシラン結合剤の反応は、不所望にエタノールの生成をもたらし、これは処理中に次いで除去されなければならない。乾式混合のための製造プロセスは、エタノールを除去しながら、同時にシリカをゴムマトリックス中に分散及び分布させる。これらのプロセスは、効果的となってはいるが、時間がかかり、エネルギー集約型であり、かつ多大な運転費用及び維持費用を必要とする。
また、乾式混合プロセスの代替手段として、シリカをゴム化合物に組み込む前に、結合剤を用いてシリカを前処理することも周知である。前処理したシリカを使用することには、混合中にシランからのアルコール放出が少ないかまたは全くないこと、及び本来であれば乾式混合の場合に必要とされる混合中の反応ステップの排除を含む利点がある。シリカの前処理は、Papalosに対する米国特許第3,227,675号、Thurnらに対する米国特許第4,076,550号、及びBergerに対する米国特許第4,151,154号を含む種々の特許に記載されている。
シリカ充填剤は、従来の混合を用いては容易にゴム中に分散しない。特に、高表面積シリカの場合、最適な物理的特性を提供するのに十分な混合は、高表面積シリカを分散させることができないために困難であることが分かっている。従来のゴム混合を用いて、高表面積シリカの良好な分散を達成することは、非常に問題が多いかまたは不可能であることが分かっている。よって、高表面積シリカの最大の可能性は、タイヤ産業において実現されていない。
高表面積シリカは、約200m/g超のBET比表面積を有するシリカとして本明細書において定義される。最も具体的な例では、高表面積シリカは、約220m/g超のBET比表面積を有する。前処理したシリカは疎水化されているが、前処理したシリカは、典型的には、カーボンブラック等の他の従来の充填剤と同じようにはゴム中に分散しない。
シリカの乾式混合及び前処理の両方に対するさらなる代替手段は、高濃度のゴムマスターバッチ中へのシリカの組込みである。シリカ−ゴムマスターバッチは、通常ベール(bale)で提供され、次いで、所望の充填量までゴム化合物中にシリカを分散させるように従来法によりゴムと混合することができる。ゴムマスターバッチを形成する前にゴムラテックス中で疎水化シリカを混合することには、ゴム化合物中で直接シリカを混合することと比較して利点があることを理解されたい。シリカ−ゴムマスターバッチは、典型的には、シリカ及びポリマーと、任意選択的に、プロセス油及び不活性材料等の他の配合成分との組み合わせである。既知のシリカ−ゴムマスターバッチは、Wallenらに対する米国特許第8,357,733号及びLightseyらに対する米国特許第5,763,388号に記載されている。
製造複雑性が最小限であるため、シリカ−ゴムマスターバッチは、ほとんどの場合、エマルジョンスチレンブタジエンゴム(ESBR)等のエマルジョンポリマーをマスターバッチゴムとして使用する。しかしながら、多くのゴム化合物、及び特にタイヤゴム化合物は、性能の理由から、エマルジョンポリマーの代わりに溶液スチレンブタジエンゴム(SSBR)等の溶液ポリマーの使用を必要とする。溶液ポリマーに基づくゴム化合物におけるエマルジョンポリマーに基づくシリカ−ゴムマスターバッチの使用は、ゴム化合物の性能に悪影響を及ぼす可能性があり、したがって望ましくない。天然ゴム等の他の種類の非溶液ポリマーを有するシリカ−ゴムマスターバッチの使用も望ましくない。
分散性に優れ、かつ粉塵発生を最小限に抑えてゴム系に組み込むことができる機能化シリカ及びポリマーの複合材料の継続的な必要性が存在する。望ましくは、機能化シリカ及びポリマーの複合材料は、最終生成物の全体的な性能に重大な影響を及ぼすことなく、主にSSBRであるゴム配合物中に組み込まれ得る。
本開示によれば、驚くべきことに、分散性に優れ、かつ粉塵発生を最小限に抑えてゴム系に組み込むことができ、また最終生成物の全体的な性能に重大な影響を及ぼすことなく、主にSSBRであるゴム配合物中に組み込まれ得る、機能化シリカ及びポリマーの複合材料が見出される。
本開示の目的は、ゴム化合物、例えば、タイヤ構成要素の製造に使用されるゴム化合物におけるシリカの分布を促進することである。本開示はまた、SSBR配合物中に使用された場合のESBRマスターバッチ技術に関連する特定の性能上の欠点を防ぐ。
一実施形態において、機能化シリカ生成物は、ポリマーのコーティングを有する疎水化シリカの粒子を含む。ポリマーに対する疎水化シリカの比率は、約0.3/1〜約100/1である。疎水化シリカは、約200m/g超のBET比表面積を有する高表面積シリカを含む。
さらなる実施形態において、ゴム配合物は、一定量のエラストマーと、一定量のポリマーのコーティングを有する疎水化シリカの粒子、すなわち機能化シリカ生成物とを含む。粒子は、エラストマー全体に実質的に均等に分布している。
別の実施形態において、機能化シリカ生成物を製造するための方法は、疎水化された高表面積シリカを回転式乾燥機中に提供するステップを含む。次いで、ポリマーセメントが回転式乾燥機に導入される。ポリマーセメントは、溶媒に少なくとも部分的に溶解した溶液ポリマーを有する。次いで、溶媒を除去するために回転式乾燥機が加熱され、機能化シリカ生成物が形成される。
本開示の上記及び他の利点は、特に、これ以降に記載される図面に照らし合わせて考慮することで、以下の詳細な説明から当業者に容易に明白となるであろう。
本開示に従って機能化シリカ生成物を製造するための方法を示すフロー図である。 本開示に従って機能化シリカ生成物を製造するためのシステムを示す概略図である。 本開示の機能化シリカ生成物を有するゴム配合物に関連する分散指数試験の結果を示すグラフであり、機能化シリカ生成物は、様々なシリカ/ポリマーの比率で提供される。 本開示の別の実施形態による機能化シリカ生成物を製造するための方法を示すフロー図である。
以下の説明は、本質的に例示であるに過ぎず、本開示、用途、または使用を制限することを意図するものではない。また、図面全体を通して、対応する参照番号が同様のまたは対応する部分及び特徴を示すことも理解されたい。開示される方法に関して、提示されるステップの順序は、本質的に例示であり、別途開示されていない限り、その順序は必須でも重要でもない。
本開示は、機能化シリカ生成物、及び機能化シリカ生成物を含むゴム製品を製造するための方法及びシステムを含む。機能化シリカ生成物は、種々のエラストマーへの充填剤の迅速な混合を可能にする、シリカ、シラン結合剤、及び一定量のポリマーを有する充填剤組成物を含む。機能化シリカ生成物は、ポリマーのコーティングを有する疎水化シリカの粒子の形態であり、粒子は、ポリマーに対するシリカの十分に高い比率に起因して、破砕性クラム(crumb)もしくは粉末物質として緩やかに凝集していてもよいか、または従来のベール形態であってもよい。粒子が破砕性クラムまたは粉末物質の形態である場合、シリカは、分割剤として挙動し、ポリマーに対するシリカの臨界充填量に達したときに破砕性クラムまたは粉末物質が凝集して塊になるのを防ぐ。
機能化シリカ生成物のポリマーは、エマルジョンポリマーまたは溶液ポリマーのいずれかであり得る。エマルジョンポリマーの場合、エマルジョンポリマーは、充填剤/ポリマー/シランの複合材料を作製するプロセスが極めて単純であるという利点を提供する。乳化重合は、通常、水、モノマー、及び界面活性剤を組み込んだエマルジョンから開始するラジカル重合の一種である。乳化重合は、いくつかの商業的に重要なポリマーを製造するために用いられる。これらのポリマーの多くは、固形材料として使用され、重合後に水性分散液から単離されなければならない。乳化重合によってもたらされる水性溶媒中におけるポリマー微粒子の安定な分散体(エマルジョン)は、しばしばラテックスと称される。
溶液ポリマーの場合、また図4に示す非限定的な一例として、機能化シリカ生成物は、疎水化された高表面積シリカを回転式乾燥機に導入するステップ404を含む方法400によって形成されてもよい。高表面積シリカは、例えば、疎水化ステップ402において、事前に疎水化されてもよいか、または回転式乾燥機中にてインサイツで疎水化されてもよい。方法400はまた、ポリマーセメント、すなわち、溶液ポリマーが少なくとも部分的に溶解した(また特定の実施形態においては完全に溶解した)有機溶媒を有する溶液を、疎水化された高表面積シリカを有する回転式乾燥機に導入するステップ406を含む。ポリマーセメントは、例えば、回転式乾燥機中に噴霧されてもよい。次いで、回転式乾燥機の加熱408によってポリマーセメントの溶媒が除去され、後に収集410される疎水化された高表面積シリカの粒子上に溶液ポリマーのコーティングが形成される。必要に応じて、当業者によって好適な加熱温度が選択され得る。破砕性クラムまたは粉末の生成が所望される場合、分割剤等の付加的な材料も回転式乾燥機中でシリカと混合され得ることを理解されたい。
天然ゴム;4〜12個の炭素原子、好ましくは4〜6個の炭素原子を有する1つ以上の共役ジエン、例えば、ブタジエンまたはイソプレンから作製されるポリマー;4〜12個の炭素原子を有する共役ジエンと、8〜12個の炭素原子を有するビニル置換芳香族、例えば、スチレン、αメチルスチレン、ビニルピリジン等とから作製されるポリマー;クロロプレンから作製されるポリマー及びコポリマー(すなわち、ポリクロロプレン);種々のハロゲン含有ポリマー、例えば、ビニリデンフルオリド及びヘキサフルオロプロピレンのコポリマー;アクリル酸アルキルのポリマー及びコポリマーを含むアクリルゴム;種々のニトリルゴム;ならびにそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない任意の好適なポリマーが、本開示の機能化シリカ生成物中に使用され得る。当業者は、必要に応じて、機能化シリカ生成物のために他のポリマーを選択することができる。
非晶質シリカ及びヒュームドシリカ生成物を含む様々なシリカ種が、本開示の機能化シリカ生成物における使用に適している。最も具体的な実施形態において、機能化シリカ生成物に使用されるシリカは、高表面積シリカである。既知の種類の高表面積シリカは、Stenzelらに対する米国特許第7,628,971号に記載されており、その開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。上記要件に適合する市販のシリカの代表的例として、Zeosil(登録商標)Premium 200MP(220m/gのBET比表面積)が挙げられる。他の好適な種類の高表面積シリカも、本開示の範囲内で使用され得る。
本明細書に定義される高表面積シリカは、ゴム及びタイヤ等の製品に配合された場合に利点を提供するということを理解されたい。例えば、高表面積シリカは、改善された耐摩耗性(例えば、タイヤトレッドの摩耗)、より低い表面積を有するシリカ充填剤と比較してより高い弾性及び引張性、ならびにより高い動的弾性率(例えば、改善されたタイヤ操縦性及び静止摩耗)を提供することができる。
当業者はまた、機能化シリカ生成物とともに様々なシラン結合剤を使用することができる。結合剤は、シリカ及びゴムと反応することができる官能基を含有する。シランの代表例として、(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン、(3−チオシアナトプロピル)トリメトキシシラン、(3−チオシアナトプロピル)トリエトキシシラン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ジスルフィド及び3−(トリエトキシシリル)プロピルオクタンチオアート、ならびにブロックされたメルカプタン基を含有するシランが挙げられる。必要に応じて、他の種類の好適なシラン結合剤が用いられ得ることを理解されたい。
使用されるシランの種類は、それがシリカの表面にどのように適用されるかを決定する。全てのシランに有効な疎水化の方法の1つは、有機溶媒にシランを溶解させ、反応が完了するまで溶媒中でシリカをスラリー化することである。次いで、シリカを濾過して乾燥させることができる。この方法は、Hessらに対する米国特許第3,768,537号に教示されており、その開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。シリカを疎水化する別の方法は、シリカの表面にシランを直接噴霧することを含む。好都合な疎水化の方法は、Wallenらに対する米国特許第8,357,733号(その開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる)に教示されるように、シランを酸性水溶液に溶解させ、次いで、弱塩基性pHのシリカのスラリーと反応させることを含む。後者の手順は、容易に加水分解して水溶液を形成するシランに限定されるが、適用可能な場合は、この方法が有利であることに留意されたい。
疎水化の方法にかかわらず、得られるシリカシラン反応生成物は、ラテックスを用いてスラリー化し、凝固させることができる。これは、例えば、von Hellensに対する米国特許第6,407,153号(その開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるように溶液ポリマーを使用してポリマー/疎水化シリカの複合材料を作製するよりも、はるかに簡単である。von Hellensでは、シリカの水性懸濁液を、炭化水素溶媒中で粘性の高いスチレンブタジエンゴムの溶液と混合しなければならない。これらの2つの不適合性の相を合わせること、及びシリカがポリマーに均等に混合していることを確実にすることの難しさに加えて、揮発性溶媒を揮散させることも考慮しなければならない。したがって、シラン処理したシリカを被覆するためには、有機溶媒中の溶液に基づくポリマーではなく、水性ラテックスポリマーを使用することが有利である。
非常に高いシリカ対ポリマーの比率を用いる本開示のプロセスは、最終ゴム化合物の配合においてポリマーを最小限に抑えることが可能であることを理解されたい。最も性能の高いシリカ−ゴム化合物は、本出願のためのエマルジョンポリマーよりも優れた溶液ポリマーを有するため、このことは重要である。Heinrich KGKの2008年7月号、p.368「Why Silica Technology needs SSBR in high performance tires」を参照されたい。したがって、機能化シリカ及びポリマーの複合材料の調製を最適化するために、ラテックスに基づくプロセスが用いられるが、複合材料中のエマルジョンポリマーが全体的なゴム化合物の性能に及ぼす影響を最小限に抑えるために、高いシリカ対ポリマーの比率が用いられる。これは、従来のシリカマスターバッチ技術では、これまで不可能であった。
当該技術分野で既知のベール化可能なマスターバッチ生成物とは対照的に、本開示の機能化シリカ生成物は、破砕性クラムまたは粉末を形成するのに十分な高いシリカ対ポリマーの比率を有し得る。具体的な非限定例として、シリカ対ポリマーの比率は、約0.3/1〜100/1、より具体的には約5/1〜約25/1、最も具体的には約10/1であってもよい。しかしながら、当業者は、機能化シリカ生成物を用いて破砕性クラムまたは粉末を形成するのには十分であるが、ベールを形成するには不十分な、機能化シリカ生成物中のポリマーに対するシリカの他の比率もまた、必要に応じて当業者によって用いられ得ることも理解されたい。
図1に示すように、本開示は、機能化シリカ生成物を製造するための方法100をさらに含む。方法100において、シラン水溶液が調製または提供される。非限定的な例として、一定量のイソプロパノール(シランと等しい重量部)が、酢酸と混合される。次いで、連続的に撹拌しながら、メルカプトシラン等の等しい重量部のシランが加えられる。次いで、添加と添加の間は溶液が透明になるようにしながら、過剰な水(例えば、イソプロパノールの量の9倍の重量)が、数ステップに分けて徐々に加えられる。
次いで、方法100のために、シリカスラリーが調製または提供されてもよい。非限定的な一例において、沈殿シリカの湿潤ケーキが所望の固形分パーセント(例えば、約8%の固形分)に希釈されるまで沈殿シリカの湿潤ケーキに水を加えることにより、シリカスラリーが調製される。本明細書で使用される場合、「湿潤ケーキ」という用語は、シリカ産業において従来より使用されている部分的に脱水されたシリカ生成物を意味する。次いで、シリカスラリーが、計量及び加熱されてもよい。例えば、シリカスラリーは、およそ華氏160度または摂氏71度まで加熱されてもよい。当業者は、必要に応じて、シリカスラリーを他の好適な温度まで加熱することができる。
別の実施形態において、シリカスラリーは、乾燥シリカ粉末または顆粒から調製される。乾燥シリカ粉末または顆粒は、粒径を減少させるために破砕機を通して処理されてもよい。具体的な実施形態において、粒径は、平均して3μm未満まで減少される。次いで、例えば、約8%の固形分のシリカスラリーを生成するように水が加えられる。次いで、シリカスラリーが、計量及び加熱される。例えば、シリカスラリーは、およそ華氏160度または摂氏71度まで加熱されてもよい。当業者は、必要に応じて、シリカスラリーを他の好適な温度まで加熱することができる。
次いで、シラン水溶液とシリカスラリーとを混合することによって、ステップ102においてシリカが疎水化される。次いで、シリカスラリーとシラン水溶液とが、所定の期間混合される。例えば、所定の期間は、約5〜10分であってもよい。当業者は、本開示の範囲内で他の所定の期間を選択してもよい。
シラン水溶液とシリカスラリーとを混合するステップ102の間に、混合物のpHが調整されてもよい。例えば、シリカスラリーに懸濁されたシリカ粒子上でシランとシラノール基との縮合を引き起こしてシロキサン連結または結合を形成し、それによってシリカを疎水化するために、例えば、NaOH溶液等の塩基性溶液の添加によってpHを7.0〜9.5の範囲まで増加させてもよい。好ましくは、この範囲は、7.3〜8.5であり、最も好ましくは7.6〜7.8である。次いで、反応混合物は、華氏160度または摂氏71度等の所望の温度で、約1〜3時間加熱されてもよい。
方法100は、ゴムラテックスを調製または提供するステップをさらに含む。例えば、固形分20%のゴムラテックスが計量されてもよく、次いで所望の温度(例えば、華氏140度または摂氏60度)まで加熱されてもよい。次いで、ゴムラテックスを熱から外し、NaOH溶液等の塩基性溶液を用いてゴムラテックスのpHを約11.0に増加させる。
次いで、プロセス油及び酸化防止剤等の成分が、ゴムラテックス中で激しく撹拌されてもよい。プロセス油及び酸化防止剤が加えられる場合、プロセス油と酸化防止剤とは予めブレンドされていてもよい。例えば、プロセス油が計量されてもよく、一定量の酸化防止剤がプロセス油に加えられてもよい。次いで、プロセス油への酸化防止剤の溶解を促進するように、プロセス油と酸化防止剤との混合物が所望の温度(例えば、華氏210度または摂氏99度)まで加熱される。
次いで、ステップ104で、シリカスラリーがゴムラテックス/油ブレンドに加えられる。例えば、ゴムラテックスを激しく撹拌しながら、プロセス油/酸化防止剤ブレンドが徐々に加えられる。次いで、疎水化シリカスラリーがゴムラテックス及びプロセス油/酸化防止剤のブレンドに加えられる。混合前の凝固を防ぐため、またゴムラテックスが懸濁されたシリカ粒子の表面上に吸収されるか、もしくは別様に表面を被覆する十分な機会を与えるために、必要であれば、ブレンドのpHが約9.5に調整される。ブレンドは、必要に応じて、他の塩基性pHレベルに調整されてもよい。ブレンドが実質的に全体にわたって一様になるまで、所定の期間、例えば、15分間ブレンドが混合される。必要に応じて、疎水化シリカスラリーを水性ゴムラテックスにブレンドするための他の好適な時間が用いられてもよい。
次いで、ステップ106において、疎水化シリカスラリー及びゴムラテックスのブレンドを凝固させる目的で、凝固剤が調製または提供されてもよい。凝固剤は、CaClを過剰な水の中に計り入れることによって調製されてもよい。凝固剤混合物は、CaClが溶解するまで撹拌される。他の好適な種類の凝固剤もまた、当業者によって選択され得る。
凝固剤の調製に続いて、ステップ106において、凝固剤が疎水化シリカスラリー及びゴムラテックスのブレンドに加えられ、完全に混合される。凝固剤をブレンドに添加して混合している間に凝固が起こり、凝固ブレンドが形成される。代替として、疎水化シリカスラリー/ゴムラテックスの混合物は、撹拌しながら凝固剤溶液に加えられる。
次いで、ステップ108において脱水する目的で、凝固ブレンドがフィルタープレス等の脱水装置にポンプで送られる。脱水装置は、例えば、沈殿シリカの製造プロセスにおいて使用される種類と同様の、多孔質の布を有する縦型フィルタープレスであってもよい。次いで、凝固したスラリーに混合した水が多孔質の布を通して搾り出され、凝固ブレンドが後に残される。次いで、凝固プロセス中に形成されたあらゆる塩を除去するように、脱水装置内に入ったままで凝固ブレンドが洗浄される。次いで、再び水が搾り出され、水約75%未満の初期含水量の凝固ブレンドが残る。
最初の脱水後、凝固ブレンドは、最終乾燥ステップ110に入り、凝固した機能化シリカ生成物が乾燥及び分解される。最終乾燥ステップでは、半乾燥した凝固ブレンドが、乾燥装置、例えば、流動床炉内で、水2%未満の最終含水量まで乾燥させられる。当業者は、必要に応じて、流動床炉に好適な温度及び乾燥時間を選択することができる。乾燥プロセスの別の例は、噴霧乾燥であり、造粒ステップを必要としないという利点を有する。
最終乾燥ステップの前または後のいずれかに、必要であれば、凝固ブレンドはまた、造粒装置を使用して顆粒の稠度まで緩やかに分割される。さらなる分割剤も、粒状の機能化シリカ生成物に加えられ得る。非限定的な例として、好適な分割剤は、炭酸カルシウム、タルク、雲母、粘土、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、付加的な非疎水化または疎水化シリカ等を含んでもよい。凝固ブレンドから破砕性クラム及び粉末のうちの一方を形成するのに好適な任意のデバイス、ならびにゴム製品における後の使用に好適な任意の分割剤が、本開示の範囲内で使用され得る。
図2に示すように、本開示は、機能化シリカ生成物を製造するためのシステム200をさらに含む。システム200は、例えば、図1に示され、かつ本明細書中で上述した方法100に従って提供されるような、機能化シリカ生成物の源202を含む。
システム200は、方法100に従って生成された機能化シリカ生成物を受け取る脱水装置204を含んでもよい。特定の実施形態において、脱水装置は、縦型フィルタープレスである。非限定的な実施例として、縦型フィルタープレスは、Larox Hoesch(http://larox.smartpage.fi/en/hoesch/pdf/Larox_Hoesch.pdf)またはMenardi(http://www.menardifilters.com/pdf/liquid_brochure.pdf)から市販されている縦型フィルタープレスの1つであってもよい。
本開示の機能化シリカ生成物に対して適用される縦型フィルタープレスの一般動作原理は、以下の通りである。
1.充填及び濾過:動作中、ステップ106で生成された凝固ブレンドが、同時に、縦型フィルタープレスのフィルタチャンバに供給チャネルを通してポンプで送られる。濾過の間、凝固ブレンドの固形物がチャンバの両側で濾布によって捕捉され、布を通して濾液が排除されてケーキが形成される。濾過の間、所望の固形分濃度に達するまでケーキの厚さが増加する。
2.スラリーチャネルを通したケーキの洗浄:濾過後、洗浄水が流入チャネルからの懸濁液に取って代わり、チャンバ内に流入する。チャンバ内では、洗浄媒体が濾過ケーキ間の間隙内に流れて母液を洗い流す。均質なケーキであるため、ケーキの洗浄は、濾過領域全体にわたって均等に行われる。
3.予備圧搾:空気または水が、膜を濾過チャンバ内に押し入れる。膜は、チャンバ容積を減少させ、各側の濾過ケーキを圧搾し、機能化シリカ生成物の単一ケーキを形成し、また濾液を機械的に除去する。
4.コーナーチャネルを通したケーキの洗浄:洗浄媒体が、膜側の濾液チャネルに導入され、圧力によって機能化シリカ生成物のケーキに浸透する。洗浄濾液は、チャンバ側の濾液チャネルを通ってチャンバから出る。亀裂の形成を防止し、洗浄結果を向上させるために、洗浄の間も膜の予備圧搾を続ける。
5.後圧搾:膜を用いて高圧で圧搾することにより機能化シリカ生成物の濾過ケーキをさらに脱水することで、最大限の機械的脱水を確実にする。同時に、このステップにより、送風乾燥に向けてケーキが準備される。
6.送風乾燥:圧縮空気が、膜プレート上の濾液チャネルを通して導入されてもよく、機能化シリカ生成物のケーキを通って吹き抜け、濾液を除去して低残留水分を達成する。送風乾燥中、ケーキは膜圧がかかった状態にある。
7.ケーキの取り出し:ひとたび濾過手順が完了すると、フィルタを開けて機能化シリカ生成物のケーキをフィルタから落下させる。
8.布の洗浄:一貫した濾過を確実にするために、濾布を洗浄することが必要であるかもしれない。この洗浄は、上にあるマニホールドからプレートを洗い流すことによって、またはプレート間を通過する高圧スプレーバーによって達成することができる。
システム200は、乾燥装置206をさらに含んでもよい。乾燥装置206は、脱水装置204と連通している。例えば、乾燥装置206は、縦型フィルタープレスから機能化シリカ生成物のケーキを受け取る流動床炉であってもよい。他の種類の乾燥装置206も企図され、本開示の範囲内で使用され得る。
任意選択的に、乾燥した機能化シリカ生成物が、所望の粒径の破砕性クラムまたは粉末に自己分離しない場合、システム200は、造粒装置208をさらに含むことができる。造粒装置208は、流動床炉から機能化シリカ生成物の乾燥ケーキを受け取る造粒ミルであってもよい。造粒装置208は、機能化シリカ生成物の乾燥ケーキを粉砕して所望の粒径の破砕性クラムまたは粉末を形成するように構成される。当業者は、必要に応じて、破砕性クラムまたは粉末を形成するための好適な造粒ミル及び粉砕パラメータを選択することができる。
代替の実施形態において、システム200は、機能化シリカ生成物が収集され得る表面に対して機能化シリカ生成物を噴霧乾燥するために、高圧噴霧器等の噴霧乾燥装置210を含む。噴霧乾燥装置210の使用は、別個の造粒装置208を必要としないという利点を有することを理解されたい。当業者は、必要に応じて、噴霧パラメータ及び機能化シリカ生成物が収集される噴霧表面を含む好適な噴霧乾燥装置210を選択することができる。
造粒装置208または噴霧乾燥装置210のいずれの場合であっても、システムは、収集機212をさらに含んでもよい。収集機212は、乾燥された粒状の機能化シリカ生成物を後に使用するために受け取る。1つの例において、収集機212は、保存用の機能化シリカ生成物を、配送及び所望の最終用途のために、例えば、サイロ、スーパーサック、または小型の低融点バッグに輸送する生成物収集サイクロンを含んでもよい
本開示はまた、一定量のエラストマー及び一定量の機能化シリカ生成物を有するゴム配合物も含む。機能化シリカ生成物の粒子は、例えば、非限定例として、押出または成形操作の前の混合操作によって、エラストマー全体に実質的に均等に分布され得る。エラストマー全体にわたる機能化シリカ生成物の実質的に均等な分布は、徹底した混合操作によって促進され得、当業者は、そのような混合操作を行う能力を有するということを理解されたい。
ゴム配合物は、種々の硫黄加硫可能な構成ポリマーを、種々の一般的に使用される添加材料、例えば、硬化剤(硫黄、活性化剤、遅延剤、及び促進剤等)、処理添加剤(油、樹脂、例えば、粘着付与樹脂、シリカ、可塑剤、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、酸化防止剤、及びオゾン劣化防止剤等)、素練り促進剤、及び例えばカーボンブラック等の補強材料と混合する等のゴム配合技術分野で既知の方法によって配合することができる。必要に応じて、ゴム配合物に好適な他の添加剤も使用され得る。ゴム配合物の意図する用途に応じて、一般的な添加剤が選択され、従来の量で一般的に使用される。
具体的な実施形態において、エラストマーの量は、SSBR等の溶液ポリマーを含む。しかしながら、当業者は、必要に応じて、異なる種類及び異なる種類の組み合わせのエラストマーを含む他の種類のゴム配合物に、機能化シリカ生成物を配合することができる。
本開示はまた、ゴム配合物を含む物品も含む。機能化シリカ生成物を有するゴム配合物は、押出され得るか、成形され得るか、または別様に所望の形状に形成され得、熱及び圧力のうちの少なくとも一方を適用することによって硬化され得ることを理解されたい。非限定的な例として、ゴム配合物は、タイヤのトレッド、サイドウォール、ベルトコート、またはタイヤの別の構成要素等の構成要素を有するタイヤに使用されてもよい。市販の製品を含む他の種類の物品もまた、機能化シリカ生成物を含むゴム配合物を使用して、本開示の範囲内で製造することができる。
機能化シリカ生成物は、表1に示すような配合を有してもよく、これで約1キログラムの機能化シリカ生成物が作製される。
Figure 0006295374
表1は、本発明を例示する目的で示された、機能化シリカ生成物の例示的な配合であることを理解されたい。表1の機能化シリカ生成物には10/1のシリカ対ポリマーの比率が示されているが、例えば、4/1、6/1、30/1、50/1等の異なる比率を有する機能化シリカ生成物も、それに応じて同様に配合され得ることを理解されたい。機能化シリカ生成物のシリカ含有量を増加させた場合、シラン、プロセス油、及び酸化防止剤の量のうちの少なくとも1つが、重量基準で比例して増加され得ることを理解されたい。
シリカ対ポリマーの比率は、破砕性クラムまたは粉末の充填剤材料を形成するのに十分である。特定のシリカ/ポリマーの比率は、複合材料が破砕性クラムまたは粉末になる場合の比率とは必ずしも関連していない性能特性に基づいて設定され得ることを理解されたい。
ポリマーに対するシリカの比率が様々な、本開示の機能化シリカ生成物を有する一連の実験ゴム配合物を下の表2に示す。全ての配合は、重量基準でゴムまたはエラストマー100重量部(PHR)に対して記載されており、機能化シリカ生成物中のエラストマーが、機能化シリカ生成物が使用される実験ゴム配合物中の合計100部のエラストマーに寄与していることを理解されたい。
Figure 0006295374
対照ゴム配合物を従来のスリーパス(three−pass)混合サイクルに従って混合したが、これは、ミキサーで導入されるシリカ充填剤のインサイツでのシラン処理を可能にするために温度管理されたステップを含む。2/1、4/1、6/1、10/1、及び30/1のシリカ対ポリマーの比率で機能化シリカ生成物を有する実験ゴム配合物もまた、従来のスリーパス混合サイクルに従って混合し、全てのゴム配合物について確実に同様のせん断履歴となるようにした。
次いで、対照及び実験ゴム配合物を、一連の従来の流動測定試験、物理的試験、及び他のゴム性能試験に従って特徴付けた。対照及び実験ゴム配合物の試験には分散試験が含まれており、その試験結果を図3に示す。分散試験は、Alpha Technologies(Akron,Ohio)から市販されているdisperGRADER(商標)分散測定システムを使用して行われた。disperGRADER(商標)分散測定システムは、新しく切断した試料の表面に存在する凝集体によって投じられた影を測定することにより、混合ゴム化合物中の充填剤の分散試験のために反射光顕微鏡を用いる。分散試験の結果は、0〜100のスケールで提供され、数字が大きいほど、分散の質が優れていることが示唆される。
図3に示されるように、驚くべきことに、機能化シリカ生成物を用いて最終ゴム配合物において許容される分散を得るためには、破砕性クラムまたは粉末の形態である機能化シリカ生成物中に約400phr(4/1)の最小シリカ充填量が必要であり得るということが分かった。機能化シリカ生成物について特定のシリカ/ポリマーの比率を選択する際、必要に応じて、当業者によって他の性能特性も用いられ得る。
有利には、機能化シリカ生成物はゴムの層で被覆された粒子を含むため、本開示の機能化シリカ生成物は、分散性に優れ、かつ粉塵発生を最小限に抑えてゴム系に組み込むことができる。たとえ機能化シリカ生成物がエマルジョンゴム(例えば、エマルジョンSBR)を用いたとしても、機能化シリカ生成物中に存在するエマルジョンゴムのレベルが非常に低いため、機能化シリカ生成物は、全体的なゴム化合物の性能に重大な影響を及ぼすことなく、SSBRゴム化合物に組み込まれ得る。
機能化シリカ生成物は、好ましくは、高表面積シリカとともに使用される。驚くべきことに、エマルジョンポリマーの薄層を有する粒子を有し、破砕性クラムまたは粉末の形態で提供される機能化シリカ生成物が、ゴム配合物における高表面積シリカの分散能力を促進するということが分かった。機能化シリカ生成物の利用はまた、有利には、連続混合操作におけるゴム化合物へのシリカの組込みも可能にする。
本発明を例示する目的で、特定の代表的な実施形態及び詳細を示してきたが、当業者には、以下に添付される特許請求の範囲にさらに記載される本開示の範囲から逸脱することなく、種々の変更が行われ得ることは明白であろう。

Claims (8)

  1. 機能化シリカ生成物を製造するための方法であって、
    疎水化された高表面積シリカを回転式乾燥機中に提供するステップと、
    前記回転式乾燥機にポリマーセメントを導入するステップであって、前記ポリマーセメントは、溶媒に少なくとも部分的に溶解した溶液ポリマーを有し、前記溶液ポリマーは溶液スチレンブタジエンゴムである、ステップと、
    前記溶媒を除去するために前記回転式乾燥機を加熱するステップと、を含み、機能化シリカ生成物は、前記溶液ポリマーのコーティングを有する前記疎水化シリカの粒子を用いて形成され、前記溶液ポリマーに対する前記疎水化シリカの比率は、約/1〜約100/1であり、前記疎水化シリカは、約200m/g超のBET比表面積を有する高表面積シリカを含み、前記粒子は、破砕性クラム及び粉末のうちの一方の形態で緩やかに凝集している、方法。
  2. 前記溶媒は、有機溶媒である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記疎水化された高表面積シリカを提供する前記ステップは、前記回転式乾燥機に前記ポリマーセメントを導入する前記ステップの前に、前記回転式乾燥機中で前記高表面積シリカと疎水化剤とを混合することを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記疎水化剤は、シランである、請求項3に記載の方法。
  5. 請求項1に記載の方法に従って調製される、機能化シリカ生成物。
  6. 一定量のエラストマーと、一定量の請求項5に記載の機能化シリカ生成物と、を含み、粒子がエラストマー全体に実質的に均等に分布している、ゴム配合物。
  7. 請求項6に記載のゴム配合物を含む、物品。
  8. 請求項6に記載のゴム配合物を含む構成要素を含む、タイヤ。
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