JP6293687B2 - 擬似力覚発生装置 - Google Patents

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本発明は、擬似的な力覚を利用者に知覚させる技術に関する。
ユーザが把持する振動子を所定の特性をもつ駆動信号で振動させると、ユーザにある特定方向への牽引力感覚(力錯覚、擬似力覚)を与えることができる。この特性を利用し、ユーザが感じる牽引力感覚の方向を制御してユーザを目標位置へ誘導(ナビゲーション)する装置(ぶるなび)がある(例えば、非特許文献1,2参照)。
T Amemiya and H Gomi, "Buru-Navi3: Behavioral Navigation Using an Illusory Pulled Sensation Created by a Thumb-Sized Vibrator", SIGGRAPH2014. 雨宮智浩、高椋慎也、伊藤翔、五味裕章、"指でつまむと引っ張られる感覚を生み出す装置「ぶるなび3」"、NTT技術ジャーナル 2014. 9.
しかしながら、このような刺激を継時的に与え続けた場合、力錯覚の方向知覚が劣化することがある。本発明の課題は、明瞭な力錯覚を継時的に知覚させることである。
上記課題を解決するために、支持部と、当該支持部に対して非対称加速度運動および非対称角加速度運動の少なくとも一方を行う運動部材と、を有し、当該支持部に対する前記運動部材の加速度波形および角加速度波形の少なくとも一方が変化する擬似力覚発生装置が提供される。
これにより、明瞭な力錯覚を継時的に知覚させることができる。
図1は実施形態の擬似力覚発生装置の構成を例示した図である。 図2Aおよび図2Bは実施形態の運動機構を例示した図である。 図3Aは非対称振動波形発生モジュールの出力波形を例示した図であり、図3Bは振幅制御モジュールの出力波形を例示した図であり、図3Cは運動機構に与えられる制御信号の波形を例示した図である。 図4Aは非対称振動波形発生モジュールでの出力波形を例示した図であり、図4Bは振幅制御モジュールでの出力波形を例示した図であり、図4Cは運動機構に与えられる制御信号の波形を例示した図である。 図5Aは非対称振動波形発生モジュールでの出力波形を例示した図であり、図5Bは振幅制御モジュールでの出力波形を例示した図であり、図5Cは運動機構に与えられる制御信号の波形を例示した図である。 図3Aは非対称振動波形発生モジュールでの出力波形を例示した図であり、図3Bは振幅制御モジュールでの出力波形を例示した図であり、図3Cは運動機構に与えられる制御信号の波形を例示した図である。 図7は実験結果を例示した図である。 図8Aおよび図8Bは運動機構の変形例を示した図である。 図9Aおよび図9Bは運動機構の変形例を示した図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
[原理]
ある質量をもった物体の並進運動を考える。この並進運動は、擬似的な力覚を呈示したい方向へ大きな加速度かつ短時間で移動し、逆の方向へは小さな加速度かつ長時間で移動する、偏加速度をもった周期運動(非対称加速度運動、すなわち非対称振動)であるものとする。すなわち、この物体の正方向の加速度の絶対値の最大値と負方向の加速度の最大値とが異なり、当該最大値が大きい方向の加速度をもつ時間が、当該最大値が小さい方向の加速度をもつ時間よりも短い。この場合、この物体を含む系を把持しているユーザは、この呈示方向への擬似的な力覚(並進力覚)を知覚する。これは、人間の知覚特性を利用したものであり、把持動作に関わる固有感覚と触覚によって発生する現象である(例えば、参考文献1「特許4413105号公報」、参考文献2「特許第4551448号公報」、参考文献3「特許第4658983号公報」、参考文献4「特許5158879号公報」等参照)。このような現象は、例えば物体の加速度とその加速度を人体に加えた際に人体の知覚する加速度との関係を示すS字型曲線の傾きが当該の正方向の加速度の最大値点と負方向の加速度の最大値点とで異なる場合に顕著となる。また、このような現象は並進運動する物体に限られたものではなく、ある質量をもった物体が回転運動する場合にも生じ得る。すなわち、この物体が特定の回転方向の角加速度で回転する期間と、その逆回転方向の角加速度で回転する期間と繰り返す周期的な運動を行う場合、当該特定の回転方向の角加速度で回転する期間での角加速度の時間変化と、その逆回転方向の角加速度で回転する期間での角加速度の時間変化とを非対称とすることで(非対称角加速度運動、すなわち非対称回転)、当該特定の回転方向と逆回転方向に回転するような擬似的な力覚(回転力覚)を呈示できる(例えば、参考文献5「特許5458005号公報」、参考文献6「特開2012−143054号公報」等参照)。また、物体の重心からずれた位置で物体を上述のように並進運動させることで回転力覚を呈示することもできる。さらに並進運動と回転運動とを組み合わせることで多自由度の擬似的な力覚を呈示することも可能である。なお「疑似的な力覚」および「力錯覚」とは、実際には物体(擬似力覚発生装置)が並進運動および/または回転運動をしていないにも関わらず、あたかも並進方向へ動きそうな力、および/または、回転方向へ回転しそうな力が働いているように知覚することをいう。
しかしながら、上述のような物体の非対称振動および/または非対称回転による刺激が人体に継続的に与えられた場合、継時的な刺激に対する皮膚感覚の適応等が起こり、力覚錯覚(疑似的な力覚)の方向知覚が劣化することがある。
各実施形態では、力錯覚の方向知覚の劣化を抑制し、明瞭な力錯覚を継時的に知覚させるために、支持部と、当該支持部に対して「非対称加速度運動」および「非対称角加速度運動」の少なくとも一方を行う運動部材と、を有し、当該支持部に対する当該運動部材の「加速度波形」および「角加速度波形」の少なくとも一方が変化する、擬似力覚発生装置を用いる。擬似力覚発生装置は、「非対称加速度運動」によって並進力覚のみを知覚させるものであってもよいし、「非対称角加速度運動」によって回転力覚のみを知覚させるものであってもよいし、「非対称加速度運動」および「非対称角加速度運動」によって並進力覚および回転力覚の両方を知覚させるものであってもよい。「加速度波形」および「角加速度波形」の少なくとも一方の変化は、連続的であってもよいし、非連続的であってもよい。また「加速度波形」が「非対称加速度運動」の周期よりも長い周期で変化する波形であってもよいし、「角加速度波形」が「非対称角加速度運動」の周期よりも長い周期で変化する波形であってもよい。このような「加速度波形」を持つ加速度運動および「角加速度波形」を持つ角加速度運動は、例えば、包絡線が極小値および極大値の少なくとも一方を持つ制御信号(制御電圧または制御電流)の大きさに応じた力が運動部材に与えられることで実現できる。「加速度波形」および「角加速度波形」の少なくとも一方が変化した場合、呈示される擬似的な力覚も時間変化する。これにより、皮膚感覚の適応による感覚の減弱を防ぎ、力錯覚を明瞭に持続させることができる。
具体的には、例えば、運動部材が支持部に対して間欠的に「非対称加速度運動」および「非対称角加速度運動」の少なくとも一方を行ってもよい。すなわち、所望の「擬似的な力覚」を呈示するための非対称運動(「非対称加速度運動」および「非対称角加速度運動」の少なくとも一方)を行う「時間区間A」と、「非対称運動」を行わない「時間区間B」とを交互に繰り返してもよい。これにより、運動開始時の過渡的な皮膚変形に対する感覚変化を利用し、方向が明瞭な力錯覚を持続させることができる。「時間区間B」は周期的に現われてもよいし、非周期的に現われてもよい。継続的な力錯覚を呈示するという観点からは、「時間区間A」は「時間区間B」よりも長いことが望ましい。ただし、「時間区間A」が「時間区間B」以下であってもかまわない。「時間区間B」の長さは一定であってもよいし、一定でなくてもよい。全体の時間区間に占める「時間区間A」に対する「時間区間B」の割合は一定であってもよいし、一定でなくてもよいし、この割合が制御可能であってもよい。「時間区間B」では、運動部材が支持部に対し、「時間区間A」よりも振幅(または平均振幅)の小さな「加速度波形」および/または「角加速度波形」で振動および/または回転してもよいし、振動および/または回転を停止してもよい。あるいは「時間区間B」で、運動部材が支持部に対し、両振動方向の加速度変化が略同一の振動(対称加速度運動)、および/または、両回転方向の角加速度変化が略同一の回転(対称角加速度運動)を行ってもよい。
あるいは、例えば、「加速度波形」および「角加速度波形」の少なくとも一方の振幅スケールが時間変化してもよい。すなわち、「加速度波形」の振幅が「非対称加速度運動」の周期よりも長い周期で増減してもよいし、「角加速度波形」の振幅が「非対称角加速度運動」の周期よりも長い周期で増減してもよい。振幅スケールの時間変化は、時間の進行に対して連続的(滑らか)であってもよいし、不連続的であってもよい。すなわち、「加速度波形」および/または「角加速度波形」の振幅の時間変化は、時間の進行に対して連続的であってもよいし、不連続的であってもよい。振幅スケールの時間変化によって、上述の「時間区間A」と「時間区間B」とが繰り返されてもよいし、「時間区間A」内で擬似的な力覚の強さが増減してもよい。このような制御でも、運動開始時または運動変化時の過渡的な皮膚変形に対する感覚変化を利用し、方向が明瞭な力錯覚を持続させることができる。
「時間区間C(第1時間区間)」で第1方向(所望の方向)および第1回転方向(所望の回転方向)の少なくとも一方へ擬似的な力覚を呈示し、「時間区間D(第2時間区間)」で第2方向および第2回転方向の少なくとも一方へ擬似的な力覚を呈示してもよい。ただし、「第2方向」は「第1方向」の逆方向であり、「第2回転方向」は「第1回転方向」の逆回転方向である。「時間区間C」と「時間区間D」とを交互に繰り返してもよい。「時間区間D」は「時間区間C」よりも短いことが望ましい。これにより、第1方向をコードする感覚受容器S1とは異なる第2方向をコードする感覚受容器S2に短期間の刺激を与えることができ、刺激に対するコントラスト効果を高めることができるとともに、感覚受容器S1に対して間欠的に刺激を与えることになる。その結果、皮膚感覚の適応による感覚の減弱を防ぎ、さらに刺激開始時の過渡的な皮膚変形に対する感覚変化を利用し、方向が明瞭な力錯覚を持続させることができる。「時間区間D」の長さは一定であってもよいし、一定でなくてもよい。全体の時間区間に占める「時間区間C」に対する「時間区間D」の割合は一定であってもよいし、一定でなくてもよいし、この割合が制御可能であってもよい。「時間区間C」から「時間区間D」への「加速度波形」および/または「角加速度波形」の振幅の時間変化は、連続的であってもよいし、非連続的であってもよい。同様に、「時間区間D」から「時間区間C」への「加速度波形」および/または「角加速度波形」の振幅の時間変化は、連続的であってもよいし、非連続的であってもよい。「時間区間D」で呈示する擬似的な力覚の大きさは、「時間区間C」で呈示する擬似的な力覚の大きさよりも小さいことが望ましい。例えば、「時間区間C」では「加速度波形」および「角加速度波形」の少なくとも一方の振幅を第1値以上とし、「時間区間D」では「加速度波形」および「角加速度波形」の少なくとも一方の振幅を第1値よりも小さな第2値以下とする。ただし、「時間区間D」が「時間区間C」よりも十分に短い場合には、「時間区間D」で呈示する擬似的な力覚の大きさが「時間区間C」で呈示する擬似的な力覚の大きさ以上となってもよい。また、「時間区間D」で呈示する擬似的な力覚の大きさが、「時間区間C」で呈示する擬似的な力覚の大きさよりも十分に小さいのであれば、「時間区間D」を「時間区間C」よりも長くしてもよい。
[第1実施形態]
次に、図面を用いて第1実施形態を説明する。
<構成>
図1に例示するように、本形態の擬似力覚発生装置1は、非対称波形発生部11、運動機構12、振幅制御部13、合成部14、および駆動アンプ15を有する。
非対称波形発生部11、振幅制御部13、および合成部14は、例えば、CPU(central processing unit)等のプロセッサ(ハードウェア・プロセッサ)およびRAM(random-access memory)・ROM(read-only memory)等のメモリ等を備える汎用または専用のコンピュータが所定のプログラムを実行することで構成される装置である。このコンピュータは1個のプロセッサやメモリを備えていてもよいし、複数個のプロセッサやメモリを備えていてもよい。このプログラムはコンピュータにインストールされてもよいし、予めROM等に記録されていてもよい。また、CPUのようにプログラムが読み込まれることで機能構成を実現する電子回路(circuitry)ではなく、プログラムを用いることなく処理機能を実現する電子回路を用いて一部またはすべての処理部が構成されてもよい。また、1個の装置を構成する電子回路が複数のCPUを含んでいてもよい。駆動アンプ15は、入力電圧を増幅して出力する装置である。
図2Aおよび図2Bに例示するように、運動機構12は、例えば、支持部121、ばね122,123(弾性体)、コイル124、永久磁石125(運動部材)、およびケース126を有する。本形態のケース126および支持部121は、ともに筒(例えば、円筒や多角筒)の両方の開放端を閉じた形状からなる中空の部材である。ただし、支持部121は、ケース126よりも小さく、ケース126の内部に収容可能な大きさである。ケース126および支持部121は、例えば、ABS樹脂等の合成樹脂から構成される。ばね122,123は、例えば、金属等から構成されるつるまきばねや板ばね等である。ばね122,123のばね定数は同一であることが望ましいが、互いに相違していてもよい。永久磁石125は、例えば、円柱形状の永久磁石であり、長手方向の一方の端部125a側がN極であり、他方の端部125b側がS極である。コイル124は、例えば、一つながりのエナメル線であり、第1巻き部124aと第2巻き部124bとを有する。
永久磁石125は支持部121の内部に収容され、そこで長手方向にスライド可能に支持されている。このような支持機構の詳細は図示しないが、例えば、支持部121の内壁面に長手方向に沿ったまっすぐなレールが設けられ、永久磁石125の側面にこのレールをスライド可能に支持するレール支持部が設けられている。支持部121の長手方向の一端側の内壁面121aには、ばね122の一端が固定され(すなわち、支持部121にばね122の一端が支持され)、ばね122の他端は永久磁石125の端部125aに固定されている(すなわち、永久磁石125の端部125aがばね122の他端に支持されている)。また、支持部121の長手方向の他端側の内壁面121bには、ばね123の一端が固定され(すなわち、支持部121にばね123の一端が支持され)、ばね123の他端は永久磁石125の端部125bに固定されている(すなわち、永久磁石125の端部125bがばね123の他端に支持されている)。
支持部121の外周側にはコイル124が巻きつけられている。ただし、永久磁石125の端部125a側(N極側)では、第1巻き部124aがA方向(奥から手前に向けた方向)に巻きつけられており、端部125b側(S極側)では、第2巻き部124bがA方向と反対向きのB方向(手前から奥に向けた方向)に巻き付けられている。すなわち、永久磁石125の端部125a側(N極側)からみた場合、第1巻き部124aは時計回りに巻き付けられており、第2巻き部124bは反時計回りに巻き付けられている。また、永久磁石125が停止し、ばね122,123からの弾性力が釣り合った状態において、永久磁石125の端部125a側(N極側)が第1巻き部124aの領域に配置され、端部125b側(S極側)が第2巻き部124bの領域に配置されることが望ましい。
以上のように配置構成された支持部121、ばね122,123、コイル124、および永久磁石125が、ケース126内に収容され、支持部121がケース126の内部に固定されている。ただし、ケース126の長手方向は、支持部121の長手方向および永久磁石125の長手方向と一致する。
<動作>
コイル124は、流された電流に応じた加速度(力)を永久磁石125に与え、これにより、永久磁石125は、支持部121に対して周期的な加速度運動(支持部121を基準とした軸方向に偏加速度をもった周期的な並進往復運動)を行う。すなわち、コイル124にA方向(B方向)に電流を流すと、フレミングの左手の法則で説明されるローレンツ力の反作用により、永久磁石125−iにC方向(永久磁石125−iのN極からS極に向かう方向:右方向)の力が加えられる(図1A)。逆に、コイル124にA方向(B方向)に電流を流すと、永久磁石125にC方向(永久磁石125のS極からN極に向かう方向:左方向)の力が加えられる(図1B)。ただし、A方向はA方向の反対方向である。これらの動作により、永久磁石125およびばね122,123からなる系に運動エネルギーが与えられる。それにより、ケース126を基準とする永久磁石125の位置および加速度(支持部121を基準とした軸方向の位置および加速度)を変化させることができる。
ここで、永久磁石125に所望の方向(C方向またはC方向)の加速度を与える向きの電流を流す電圧の「制御信号」をコイル124に加える「第1の期間(時間)」と、それ以外の「第2の期間」と、を周期的に繰り返す。これにより、永久磁石125に「制御信号」に応じた力が与えられる。その際、「第1の期間」と「第2の期間」との比(反転比)を何れか一方の期間に偏らせる。言い換えると、1つの周期に占める「第1の期間」の割合が当該周期に占める「第2の期間」の割合と異なる周期的な「制御信号」をコイル124に加える。これにより、永久磁石125が支持部121に対して「非対称加速度運動」を行い、所望の方向に擬似的な力覚を呈示できる。「第1の期間」と「第2の期間」とからなる周期を「基本周期」と呼ぶことにする。本形態ではさらに、「制御信号」の包絡線が極小値および極大値の少なくとも一方を持つように制御する。これにより、支持部121に対する永久磁石125の加速度波形が変化する。例えば、「制御信号」の振幅が間欠的であってもよいし、「制御信号」の振幅が連続的(滑らか)に増減してもよい。前者の場合、「制御信号」の振幅が連続して正となる期間およびそれ以外の期間の長さは、それぞれ「基本周期」よりも長い。これらの期間は周期的に繰り返されてもよいし、非周期的に繰り返されてもよい。これにより、永久磁石125は、支持部121に対して間欠的に「非対称加速度運動」を行う。後者の場合、周期的または非周期的に「制御信号」の振幅を増減させる。周期的に「制御信号」の振幅を増減させる場合の周期は「基本周期」よりも長い。これにより、「加速度波形」の振幅スケールが時間変化する。このような制御により、皮膚感覚の適応による感覚の減弱を防ぎ、さらに振動開始時または振動変動時の過渡的な皮膚変形に対する感覚変化を利用して、方向が明瞭な力覚錯覚を持続させることができる。以下に具体例を示す。
《制御信号を間欠的に加える例》
非対称波形発生部11は、「第1の期間」と「第2の期間」との反転比を何れか一方の期間に偏らせた電位波形を持つ第1信号を出力する。例えば、「第1の期間」および電圧が負となる「第2の期間」をそれぞれ7msおよび18msとする(図3A)。振幅制御部13は、電圧が正の期間と電圧が0の期間とを周期的に繰り返す間欠的な電位波形を持つ第2信号を出力する。この周期は「基本周期」よりも長い。例えば、電圧が正の期間を0.5〜1.5sとし、電圧が0の期間を0.2〜1.0sとする(図3B)。第1信号と第2信号は合成部14で乗算合成され、それによって得られた「乗算合成信号」(図3C)が駆動アンプ15に入力される。駆動アンプ15は「乗算合成信号」を増幅した「制御信号」を運動機構12のコイル125a,125bに与える。例えば、「第1の期間」および「第2の期間」をそれぞれ7msおよび18msとして繰り返す非対称信号を0.5sだけコイル125a,125bに与えた後、このような非対称信号を0.25s停止する制御を繰り返す。これにより、永久磁石125は、支持部121に対して間欠的な「非対称運動」を行う。
《制御信号の振幅を連続的に増減させる例》
非対称波形発生部11は、「第1の期間」と「第2の期間」との反転比を何れか一方の期間に偏らせた電位波形を持つ第1信号を出力する(図4A)。振幅制御部13は、電圧が0以上の範囲で周期的に滑らかに変化する電位波形(例えば、正弦波)を持つ第2信号を出力する。例えば、電位波形の周期を0.5〜5sとする(図4B)。第1信号と第2信号は合成部14で乗算合成され、それによって得られた「乗算合成信号」(図4C)が駆動アンプ15に入力される。駆動アンプ15は「乗算合成信号」を増幅した「制御信号」を運動機構12のコイル125a,125bに与える。これにより、運動機構12の「加速度波形」の振幅スケールが時間変化する。
第2信号の波形は矩形波や正弦波に限定されず、三角波などのその他の波形であってもよい。
[第2実施形態]
本形態では、「時間区間C」で「第1方向」へ擬似的な力覚を呈示し、「時間区間D」でその逆の「第2方向」へ擬似的な力覚を呈示する。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と共通する事項については同じ参照番号を用いて説明を省略する場合がある。
<構成>
図1に例示するように、本形態の擬似力覚発生装置2は、非対称波形発生部11、運動機構12、振幅制御部23、合成部14、駆動アンプ15を有する。振幅制御部23は、前述のようなコンピュータに所定のプログラムが読み込まれて構成されてもよいし、プログラムを用いることなく処理機能を実現する電子回路を用いて構成されてもよい。
<動作>
本形態でも「制御信号」の包絡線が極小値および極大値の少なくとも一方を持つように制御する。さらに本形態では、一部の時間区間(時間区間D)での「第1の期間」と「第2の期間」との反転比を、その他の時間区間(時間区間C)での反転比に対して反転させる。これにより、擬似的な力覚の呈示方向を反転させる。「時間区間D」は「時間区間C」よりも短く、「時間区間D」での「制御信号」の平均振幅は「時間区間C」での「制御信号」の平均振幅よりも小さい。ただし、これは本発明を限定するものではなく、「時間区間D」が「時間区間C」よりも短く、「時間区間D」での「制御信号」の平均振幅が「時間区間C」での「制御信号」の平均振幅以上であってもよい。あるいは、「時間区間D」が「時間区間C」よりも長く、「時間区間D」での「制御信号」の平均振幅が「時間区間C」での「制御信号」の平均振幅よりも小さくてもよい。これにより、第1方向をコードする感覚受容器S1とは異なる第2方向をコードする感覚受容器S2に短期間の刺激を与えることができ、刺激に対するコントラスト効果を高めることができるとともに、感覚受容器S1に対して間欠的に刺激を与えることになる。その結果、皮膚感覚の適応による感覚の減弱を防ぎ、さらに刺激開始時の過渡的な皮膚変形に対する感覚変化を利用し、方向が明瞭な力錯覚を持続させることができる。以下に具体例を示す。
《制御信号を間欠的に加える例》
非対称波形発生部11は、「第1の期間」と「第2の期間」との反転比を何れか一方の期間に偏らせた電位波形を持つ第1信号を出力する(図5A)。振幅制御部23は、電圧が正(第1電圧)の期間と電圧が負(第2電圧)の期間とを周期的に繰り返す間欠的な電位波形を持つ第2信号を出力する。この周期は「基本周期」よりも長い。例えば、電圧が正の期間を0.5〜1.5sとし、電圧が0の期間を0.2〜1.0sとする。「第2電圧」の絶対値は「第1電圧」の絶対値よりも小さい(図5B)。第1信号と第2信号は合成部14で乗算合成され、それによって得られた「乗算合成信号」(図5C)が駆動アンプ15に入力される。駆動アンプ15は「乗算合成信号」を増幅した「制御信号」を運動機構12のコイル125a,125bに与える。これにより、運動機構12は、第2信号の電圧が正となる「第1時間区間」で「第1方向」へ擬似的な力覚を呈示し、負となる「第2時間区間」で「第1方向」の逆方向である「第2方向」へ擬似的な力覚を呈示する。「第1時間区間」での運動機構12の「加速度波形」の振幅は「第1値」以上であり、「第2時間区間」での運動機構12の「加速度波形」の振幅は「第2値」以下である。ただし、「第2値」は「第1値」よりも小さい。
《制御信号の振幅を連続的に増減させる例》
非対称波形発生部11は、「第1の期間」と「第2の期間」との反転比を何れか一方の期間に偏らせた電位波形を持つ第1信号を出力する(図6A)。振幅制御部13は、電圧が正負を含む範囲で周期的に滑らかに変化する電位波形(例えば、正弦波)を持つ第2信号を出力する。例えば、電位波形の周期を0.5〜5sとする(図6B)。第1信号と第2信号は合成部14で乗算合成され、それによって得られた「乗算合成信号」(図6C)が駆動アンプ15に入力される。駆動アンプ15は「乗算合成信号」を増幅した「制御信号」を運動機構12のコイル125a,125bに与える。運動機構12は、第2信号の電圧が正となる「第1時間区間」で「第1方向」へ擬似的な力覚を呈示し、負となる「第2時間区間」で「第1方向」の逆方向である「第2方向」へ擬似的な力覚を呈示する。「第1時間区間」での運動機構12の「加速度波形」の振幅は「第1値」以上となる場合があり、「第2時間区間」での運動機構12の「加速度波形」の振幅は「第2値」以下となる場合がある。「第2時間区間」での運動機構12の「加速度波形」の平均振幅は、「第1時間区間」での「加速度波形」の平均振幅よりも小さい。
本形態でも、第2信号の波形は矩形波や正弦波に限定されず、三角波などのその他の波形であってもよい。
[第1,2実施形態の有効性の実験]
本実験では、振動方向が互いに直交する2個の運動機構12(振動体)を用い、図3Aのような「制御信号」を駆動アンプ15で増幅して運動機構12に入力して行われた「連続非対称振動刺激(Cont)」、図3Cの「制御信号」を駆動アンプ15で増幅して運動機構12に入力して行われた「間欠非対称振動刺激(Inter)」、および図6Cの「制御信号」を駆動アンプ15で増幅して運動機構12に入力して行われた「短時間逆方向非対称振動刺激(Mod)」の3つの弱い刺激波形を被験者に与える。図7は、このような2自由度の刺激(前後左右の4方向への刺激)が与えられた被験者の力覚呈示方向知覚の正解率を表す。「制御信号」の最大振幅は3つの刺激で一致させた。いずれも「第1の期間」および「第2の期間」をそれぞれ2ms,18msとし、1試行の刺激時間を7.5sとした。「間欠非対称振動刺激(Inter)」における、刺激を与える期間onおよび刺激を与えない期間offを、それぞれ[on,off]=[1.0,0.5]sとした。「短時間逆方向非対称振動刺激(Mod)」における正弦波振幅変調の周期(図6Bの正弦波の周期)を1.5sとし、正負割合(図6Bの波形における、正電圧の絶対値の最大値と負電圧の絶対値の最大値と割合)を17:3とした。被験者は12名であり、各被験者は右手親指と人差し指で「振動体」を摘むように保持し、刺激開始後、前後左右4方向のいずれの方向に擬似的な力覚を知覚したかを選択した。この選択は強制され、各被験者は必ず前後左右4方向のいずれの方向を回答した。図7の点線は、ランダムに回答した場合にたまたま正解する確率である25%を示す。いずれの条件における回答正解率もそれより高く、本実験で使用した弱い力覚提示刺激がどれも有効であることを示している。さらに、「間欠非対称振動刺激(Inter)」での正解率(83.3%)および「短時間逆方向非対称振動刺激(Mod)」での正解率(75%)は、いずれも「連続非対称振動刺激(Cont)」での正解率(62.5%)よりも統計的に高い結果となった。この結果は、「間欠非対称振動刺激(Inter)」および「短時間逆方向非対称振動刺激(Mod)」は、「連続非対称振動刺激(Cont)」よりも正解を得やすいことを示しており、第1,2実施形態の有効性が確認された。
[その他の変形例等]
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、非対称波形発生部および振幅制御部が分離されている必要はなく、最終的に駆動アンプに入力される前述の信号が得られればよい。
運動機構の構成も図2Aおよび図2Bに例示したものに限定されない。例えば、参考文献1〜4のような構成に本発明を適用し、擬似的な力覚を呈示するために「非対称加速度運動」を行う物体の「加速度波形」を第1,2実施形態で説明したように変化させてもよい。また、参考文献5,6のような回転力覚を呈示する構成に本発明を適用し、擬似的な力覚を呈示するために「非対称角加速度運動」を行う物体の「角加速度波形」を変化させてもよい。
また、並進力覚および回転力覚の何れか一方および両方を呈示可能な運動機構において、支持部に対する運動部材の「加速度波形」および「角加速度波形」の少なくとも一方が変化する「非対称運動(「非対称加速度運動」および「非対称角加速度運動」の少なくとも一方を含む運動)」によって擬似的な力覚を呈示してもよい。例えば、図8Aから図9Bに例示するような運動機構31において、このような動作を行ってもよい。
この運動機構31は、容器311と支持部312(上蓋)とコイル313−1〜313−4(第1コイル)と運動機構314と弾性体315とを有する。
容器311は、1つの開放口3113を持つ中空の収納部材である。容器311の形状に限定はないが、本変形例では円筒の一方の開放端を閉じ、他方の開放端を開放口3113とした中空形状の部材を容器311とする。なお、容器311の材質は、運動機構31で発生した加速度を外部に伝達可能なものであれば、どのようなものであってもよい。このような材質の例は、ABS樹脂等の合成樹脂、銅等の金属、ガラス、木材、ゴムなどである。
支持部312は、中心付近に貫通孔3121を持つ部材である。容器311の開放口3113に取り付け可能であり、容器311に対する相対位置を固定できるのであれば、支持部312の形状に限定はない。本変形例では、中心付近に貫通孔3121を持つ円盤状(すなわち、ドーナツ形状)であって、その外周の辺縁部3122が容器311の開放口3113の内周にはめ込まれる形状の部材を支持部312とする。図8A等に例示するように、本変形例の支持部312の一方の板面には、貫通孔3121から放射状に当該板面に沿った4本の溝3123−1〜3123−4が形成されている。言い換えると、溝3123−2および123−4は貫通孔3121を横切る軸α上に配置され、溝3123−1および3123−3は貫通孔3121を横切る軸α上に配置されている。ただし、軸αと軸αとは貫通孔3121上で互いに略直交している。すなわち、略直交する2つの軸αおよびα方向にそれぞれ2本ずつの溝3123−2,3123−4および3123−1,3123−3が形成されている。なお、支持部312は、容器311に取り付けられた際に当該容器311に対する相対位置を固定可能な材質で構成される。このような材質の例は、ABS樹脂等の合成樹脂、ガラス、木材、ゴムなどである。また後述のように、溝3123−1〜3123−4付近は電磁石の磁心として機能するため、4本の溝3123−1〜3123−4付近に飽和磁束密度の大きな軟鉄等の金属が配置されていてもよい。ただし、4本の溝3123−1〜3123−4付近に配置される金属は互いに独立していることが望ましい。
コイル313−1〜313−4は、表面に絶縁層を持つ導電部材からなる導線であり、例えば、エナメル線等である。本変形例のコイル313−1〜313−4は、それぞれ、支持部312の貫通孔3121および辺縁部3122を通り、溝3123−1〜3123−4およびそれらの裏面側に位置する内側領域3124−1〜3124−4に沿って、支持部312に巻き付けられている(図9Aおよび図9B)。すなわち、コイル313−β(ただし、β=1,・・・,4)は、貫通孔3121および辺縁部3122を通り、溝3123−βおよび内側領域3124−βの周りに巻き付けられている。つまり、略直交する2つの軸αおよびα方向にそれぞれ2本ずつのコイル313−2,313−4およびコイル313−1,313−3が支持部312に巻き付けられている。このような4個のコイル313−1〜313−4の巻き付け方向を「縦巻き方向」と呼ぶことにする。言い換えると、4個のコイル313−1〜313−4の巻き付け方向は、それぞれ、支持部312の板面に沿った軸(板面と略平行な支持部312内の仮想的な軸)の軸周りの方向である。以上により、コイル313−1〜313−4は支持部312に支持され、支持部312に対する相対位置が固定されている。
4個のコイル313−1〜313−4が巻き付けられた支持部312は、容器311の開放口3113に取り付けられている(図9Aおよび図9B)。具体的には、支持部312の内側領域3124−1〜3124−4が容器311の内側に向けられ、支持部312が容器311の内側の底面3112と略平行に配置され、支持部312の外周の辺縁部3122が容器311の内周壁面3111に固定されている。これにより、コイル313−1〜313−4のそれぞれが、少なくとも、支持部312に対して定まる第1層L11に配置されている。言い換えると、コイル313−β(ただし、β=1,・・・,4)のそれぞれの内側領域3124−β側の部分が第1層L11に位置している。以上のような配置構成により、コイル313−1〜313−4のそれぞれは、第1層L11の互いに異なる領域に偏って配置されており、より具体的には、第1層L11の基準位置(貫通孔3121)に対して、第1層L11に沿った4個の方角のそれぞれに位置している(図8B,9A,9B)。
容器311の内部には運動部材314と運動部材314を支持する弾性体315とが配置されている。弾性体315は、運動部材314を所定の復帰位置に戻す弾性力(反発力)を生じる機構や部材である。このようなものであれば弾性体315の構成に限定はない。本変形例では、ゴム等の弾性材料から構成されたドーナツ形状の弾性体315(例えば、ゴムチューブ)を例示する。運動部材314は永久磁石を有する実質的な剛体(剛体とみなせる物体)である。運動部材314の構成に限定はない。複数の永久磁石の組み合わせで構成されていてもよいし、1個の永久磁石で構成してもよい。本変形例では、円盤状の1個の永久磁石を運動部材314とする。この運動部材314の一方の板面はN極3142とされ、他方の板面はS極3143とされている。本変形例の運動部材314および弾性体315は支持部312と容器311の内側の底面3112との間に配置され、弾性体315の外周の辺縁部3152は容器311の内周壁面3111に支持され、弾性体315の内周の辺縁部3151は運動部材314の外周の辺縁部3141を支持している。弾性体315は、運動部材314の板面(N極3142およびS極3143の面)が底面3112および支持部312と略平行に配置され、かつ、これらの板面が底面3112および支持部312と接触しないように運動部材314を保持する。ただし、運動部材314と底面3112との間の摩擦力が小さく、運動部材314が底面3112の上を滑るように移動可能なのであれば、運動部材314と底面3112とが接していてもよい。また本変形例では、運動部材314のN極3142が支持部312側に配置され、S極3143が容器311の底面3112側に配置されている。しかしながら、運動部材314のN極3142が容器311の底面3112側に配置され、S極3143が支持部312側に配置されてもよい。また、弾性体315の外周の辺縁部3152は容器311の内周壁面3111に固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。弾性体315の内周の辺縁部3151は運動部材314の外周の辺縁部3141に固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。要は、弾性体315の辺縁部3151(ある部位)の相対位置が支持部312に対して保持されており、弾性体315の辺縁部3151(他の部位)が運動部材314を支持していればよい。
以上により、コイル313−1〜313−4の相対位置が容器311に対して固定され、コイル313−1〜313−4それぞれの少なくとも一部が第1層L11に配置され、運動部材314が容器311の内周壁面3111に支持された弾性体315に支持される。これにより、運動部材314が第1層L11に沿った第2層L12に配置され、容器311内を底面3112に沿って移動可能とされる。本変形例の運動部材314は、少なくとも、第1層L11に沿った2自由度の並進運動または1自由度の回転運動を行うことが可能である。弾性体315は運動部材314を容器311内の所定の復帰位置に復帰させるための弾性力を運動部材314に与える。少なくとも運動部材314が復帰位置に存在する場合、コイル313−1〜313−4の内側領域3124−1〜3124−4に位置する部分のそれぞれが運動部材314に対向している。コイル313−1〜313−4は、フレミングの左手の法則で説明されるローレンツ力の反作用により、流された電流に応じた力(加速度)を運動部材314に与える。すなわち、コイル313−1〜313−4のそれぞれに流れる電流の向きおよび大きさならびに運動部材314の磁場に応じ、運動部材314に様々な方向および大きさの力が与えられ、それらの合成ベクトルに相当する力が運動部材314に与えられる。これらの力により、運動部材314は第1層L11に沿った(例えば、容器311の底面3112および支持部312と略平行な)周期的な運動(支持部312に対する運動)を行う。この周期的な運動は、コイル313−1〜313−4のそれぞれに流れる電流の向きおよび大きさによって制御できる。
ここで、加速度または角加速度の向きによって加速度または角加速度の大きさの時間変化が異なるように制御した場合(非対称運動)、運動部材314に与えられた力(加速度)の反作用として、コイル313−1〜313−4を支持する容器311に逆方向の力(加速度)が加わり、運動機構31を把持しているユーザは容器311に与えられた運動に応じた擬似的な力覚を知覚する。例えば、運動部材314がある特定方向へ加速する期間とその逆方向へ加速する期間と繰り返す周期的な運動を行う場合、ある方向へ加速する期間での加速度の時間変化とその逆方向へ加速する期間での加速度の時間変化とを非対称とすることで(非対称加速度運動)、運動機構31の容器311を握るユーザに、その特定方向と逆方向に引っ張られるような力覚(並進力覚)を呈示できる。また、運動部材314が特定の回転方向の角加速度の期間とその逆回転方向の角加速度の期間と繰り返す周期的な運動を行う場合、特定の回転方向の角加速度の期間での角加速度の時間変化とその逆回転方向の角加速度の期間での角加速度の時間変化とを非対称とすることで(非対称角加速度運動)、特定の回転方向と逆回転方向に回転するような力覚(回転力覚)を呈示できる。
このような構成において、支持部312に対する運動部材314の「加速度波形」および「角加速度波形」の少なくとも一方を変化させ、呈示される擬似的な力覚の強さを時間変化させてもよい。例えば、運動部材314が支持部312に対して間欠的に「非対称加速度運動」および「非対称角加速度運動」の少なくとも一方を行ってもよいし、「加速度波形」および「角加速度波形」の少なくとも一方の振幅スケールが時間変化してもよい。「時間区間C」で第1方向および第1回転方向の少なくとも一方へ擬似的な力覚を呈示し、「時間区間D」で第1方向の逆方向である第2方向および第1回転方向の逆回転方向である第2回転方向の少なくとも一方へ擬似的な力覚を呈示してもよい。なお、運動部材314は支持部312に対して2自由度の並進運動が可能である。支持部312に対する運動部材314の「加速度波形」は、支持部312に沿った直交座標の何れかの座標の加速度成分を表す波形である。
上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
1,2 擬似力覚発生装置
12,32 運動機構
121,312 支持部
125 永久磁石(運動部材)
314 運動部材

Claims (7)

  1. 擬似的な力覚を呈示する擬似力覚発生装置であって、
    支持部と、前記支持部に対して非対称加速度運動および非対称角加速度運動の少なくとも一方を行う運動部材と、を有し、
    前記支持部に対する前記運動部材の加速度波形および角加速度波形の少なくとも一方が変化す
    第1時間区間で第1方向および第1回転方向の少なくとも一方へ擬似的な力覚を呈示し、第2時間区間で前記第1方向の逆方向である第2方向および前記第1回転方向の逆回転方向である第2回転方向の少なくとも一方へ擬似的な力覚を呈示する、擬似力覚発生装置。
  2. 請求項1の擬似力覚発生装置であって、
    前記運動部材は、前記支持部に対して間欠的に前記非対称加速度運動および前記非対称角加速度運動の少なくとも一方を行う、擬似力覚発生装置。
  3. 請求項1の擬似力覚発生装置であって、
    前記加速度波形および前記角加速度波形の少なくとも一方の振幅スケールが時間変化する、擬似力覚発生装置。
  4. 請求項1から3何れかの擬似力覚発生装置であって、
    前記第1時間区間は、前記加速度波形および角加速度波形の少なくとも一方の振幅が第1値以上となる時間区間であり、
    前記第2時間区間は、前記加速度波形および角加速度波形の少なくとも一方の振幅が前記第1値よりも小さな第2値以下となる時間区間である、擬似力覚発生装置。
  5. 請求項1からの何れかの擬似力覚発生装置であって、
    前記加速度波形が前記非対称加速度運動の周期よりも長い周期で変化する波形であり、および/または、前記角加速度波形が前記非対称角加速度運動の周期よりも長い周期で変化する波形である、擬似力覚発生装置。
  6. 請求項1からの何れかの擬似力覚発生装置であって、
    前記加速度波形および前記角加速度波形の少なくとも一方は、前記擬似的な力覚を時間変化させるものである、擬似力覚発生装置。
  7. 請求項1からの何れかの擬似力覚発生装置であって、
    前記運動部材は、制御信号の大きさに応じた力が与えられることで前記支持部に対する非対称運動を行い、
    前記制御信号の包絡線が極小値および極大値の少なくとも一方を持つ、擬似力覚発生装置。
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