JP6293158B2 - 酸化物表面用のコーティング剤、接着促進剤又は接着剤に使用し得るペプチド - Google Patents

酸化物表面用のコーティング剤、接着促進剤又は接着剤に使用し得るペプチド Download PDF

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Description

本発明は、ペプチド、特にドデカペプチドを含有するコーティング剤、接着促進剤又は接着剤であって酸化物表面用のものに関し、複合材料の少なくとも2つの隣接する層の間、又はコーティングと基材の間の接着促進剤として、ドデカペプチドから完全に又は部分的に構成される化合物を含有する、多層複合材料又は被覆基材に関し、及び、コーティング剤、接着促進剤又は接着剤であって酸化物表面用のものとして使用し得るドデカペプチドに関する。
酸化物表面の被覆又はペイントの分野では、接着を促進する既知の方法には、例えば、ペイントのポリマーマトリックスと無機基材の間の化学結合を確立する二官能性のオルガノシラン化合物が含まれる。これらの接着促進剤のとりわけ1つの欠点は、シランが相互作用し得るヒドロキシド基が基材の表面に存在する場合のみ、最適な接着が保証されるということである。したがって、多くの場合では、基材の複雑な前処理が表面のシリル化のために必要である。また、カスタマイズされた材料の製造は非常に複雑で、更に、カスタマイズされた材料は全ての基材に対して知られてはいない。
自己集合した単一層(SAM、自己編成単一層とも呼ばれる)が1940年以来研究され記載されてきたが、1983年まではこの組織過程を工業用に利用するために努力が始められることはなかった。
原則として、自己集合された単一層は2つの異なる活性基を有し、その間にスペーサー(例えば脂肪族スペーサー)が存在する。その1つの基は表面と相互作用し、また、他方の末端基は特有性で作用するか、別の官能性化合物に結合する。SAMは、水による攻撃に抵抗し、同時に中間の層で電気化学反応をすべて防ぐことができる化学結合を形成する。固体表面上の単分子層の自己組織は、定義された組成物、構造および厚みを有する中間の層を製造する効率的な方法を与える。選択的な自己組織化接着促進剤には、例えば、防蝕のさらに改善のために、自動車の分野において必要とされる、長い耐用期間の間、金属面へのペイント層および粘着層の接着を保証するという長所がある。自己組織化接着促進剤により、また、ますます使用されつつあって、プラスチック金属複合材料のような異なる表面を有する複合材料上で、均一なペイント層の一貫して良好な接着が可能となる。
自己組織化単一層は半導体技術において、例えば表面の安定化および電極のカスタマイズされた機能化のために使いられる。透過性および電荷転送速度は、使用されるアルキル鎖の長さに応じて影響を受ける。自己組織化単一層の応用分野は非常に広い。とりわけ電気化学の走査型トンネル顕微鏡、セル研究、センサーシステムおよびナノエレクトロニクスにおいて、自己組織化単一層の技術が使いられる。しかし、先行技術に記載されていたSAMの製造は複雑であって高価である。
表面特性を変性するための生物学的成分への無機基材のカップリングは、バイオミメティックスにおいて既知である。ファージライブラリーから選択され、ショートペプチドを示すバクテリオファージは、例えば、無機材料を沈殿させて分離するために使用されてきた(WO 2003/078451)。更に、無機基材と特定のペプチドリガンドから構成されるハイブリッド材料は、基材表面を変更するための潜在的なアプローチとして使いられる。しかし、基材と一致する生物学的なリガンド(通常はペプチド)の識別は時間とコストがかかるため、これまで特定の用途が排除されてきた。2つの無機成分を結び付けるための二官能性配位子の概念は、先行技術に検討されている。具体的には、二官能性結合特性を有するバクテリオファージによる、ポリマー基材への、特に酸化した塩素にドープしたポリピロール(PPyCI)又はポリ(ラクテート コ−グリコラート)(PLGA)へのセル又は生体分子の結合は、例えば、WO 2004/035612に記載されている。例えば被覆材のように、使用されるファージの生物学的結合パートナーではない別の物質へのさらなる結合は、さらに記載されておらず;この結合は同様に選択的に起こらなければならないであろうし、さらなる結合成分へのリガンドの正確な一致を要するだろう。
国際公開第2003/078451号 国際公開第2004/035612号
したがって、酸化物表面上での使用に適当であって、及び先行技術の上記欠点のない新規な化合物を提供する大きな必要性がある。
驚くべきことに、特定のドデカペプチドが酸化物表面用のコーティング剤、接着促進剤又は接着剤として有利に使い得ることが見出された。
したがって、本発明の主題は、付着性のペプチド、特にドデカペプチドの酸化物表面上での接着性を測定するための定量化方法であって、
a) 酸化物表面を有する担体にペプチド含有溶液を塗布し、および乾燥させ、
b) 洗浄によって担体から非結合のペプチドを除去し、および担体を乾燥させ、
c) 担体に付着したペプチドを染色液で染色し、残存する染色液を洗い流し、および担体を乾燥させ、
d) 担体に付着した染色されたペプチドを、抽出溶液を用いて担体から除去し、および染色されたペプチドを含む上澄み液に対して分光光度測定を行う
ことを特徴とする方法に関する。
実施例の結果を示す図である。
本発明による方法の工程c)において染色は、例えばクマシ染色液を使用する、ペプチドの単純な非特異的染色か、又は例えばニンヒドリンとの化学反応によるかのいずれかによって行うことが好ましく、その結果、特異的結合が生じる。
本発明による定量化方法の工程a)ないしd)は、特に有利には、以下のように実施される:
工程a)において、2mg/mLの濃度を有し、1x PBS、pH 7.4、に溶解した、Gibco製のペプチド溶液2x 10μLを、2.3cmの直径を有する円形のHDG鋼鈑に塗布し、ここで、第1の10μLを約15分間乾燥させ、及び、次に同一の位置上に第2の10μLを滴下し、30分間乾燥させ、次いで、UVPラボラトリープロダクツ製、HB-1000ハイブリダイゼーションオーブン中、水200mLの存在下に30℃で乾燥させる。
工程b)において、洗浄のために、1リットルの1x PBS、pH 7.4、を含有する結晶皿(直径19cm)にプレートを配置し、B.ブラウン製のCertomat Uプラットフォーム振盪機中60rpmで、室温で10分間わずかに撹拌し、および、次いで、30℃で乾燥させる。
工程c)において、6ウエル皿中へプレートを移し、及び、2gのクマシ・ブリリアントブルーR-250、0.5gのクマシ・ブリリアントブルーG-250、50mLのメタノール、425mLのエタノール、100mLの氷酢酸および蒸留水約1000mLを含有する150μL染色液をプレート上にピペットで移し、そして30秒後に、染色液をすすぐために皿の端に6mLの1x PBSバッファー、pH 7.4を注意深く添加し、及び、残存する染色液を除去するために、2x 6mLの1x PBS、pH 7.4へプレートを移し、その後に、プレートを30℃で簡単に乾燥させる。
工程d)において、染色されたスポット上に20μLのDMSO/CH3COOH抽出溶液を9/1の容積比でピペットで移し、抽出溶液を室温で5分間作用させ、次いで、プレートから完全にスポットが除去されるまで上下にピペット操作することにより、液体を引き抜き、及び、反応槽へ上澄み液を移し、その後に、酸化物表面上のペプチドの付着強さと関連する色強度を測定するために、602nmでUV VISプログラムを選択して、PeqLab製のNanodrop 1000分光光度計で2μLの上澄み液を測定する。
本発明において適当な酸化物表面の例は、スチール、ガラス、石英、金属酸化物(例えばB2O3、Al2O3、SiO2、FeXOy)、セラミック、リン酸化鉄、石、レンガ、及びコンクリートであり、スチールが特に好ましい。ケラチン繊維および酸化物ポリマー、又は適切に官能化されたポリマーも、本発明において適当な酸化物表面を形成し得る。
本発明による定量化方法によって、有利に酸化物表面上のペプチド、特に鋼表面上のドデカペプチドの接着強さの客観的な測定が可能となる。
本発明のさらなる主題は、本発明による定量化方法の工程d)での測定において、0.25〜1、好ましくは0.4〜1、より好ましくは0.5〜1、特に好ましくは0.6〜1、極めて特に好ましくは0.7〜1の範囲に吸収を有するペプチド、特にドデカペプチドに関する。
本発明による定量化方法によって、ドデカペプチドは、そのアミノ酸シーケンスが表1(ここで、「X」は任意のアミノ酸を表わす)に示される配列パターンに相当することを確認した;これらのドデカペプチドは、本発明のさらなる主題である。
本発明において好適なドデカペプチドは、12個の配置の少なくとも8個で表1に示される配列パターンに対応するドデカペプチドである。特に好適なドデカペプチドは、12個の配置の少なくとも10個で表1に示される配列パターンに対応するドデカペプチドである。
本発明において極めて特に好適なドデカペプチドは、表1にリストされたペプチド8および9と、表2にリストされたペプチド6および7である。
本発明のさらなる主題は、表2にリストされたペプチド10、13、15および17、特にペプチド13および15に関する。
本発明のさらなる主題は、本発明によるペプチドのためにコードする核酸、特に表3にリストされた核酸配列に関する。
本特許出願の意味において、ペプチドとは、天然のアミノ酸から構成され、大部分は線状構造を有し、天然タンパク質より小さいポリマーを意味するものと理解される。本特許出願では、19個のタンパク質原性で天然由来のL-アミノ酸が、国際的に用いられる1および3文字のコードで指定される。
本発明によるペプチド、特にドデカペプチドは、ペプチド合成の既知の方法を使用して、例えばメリフィールドによる固相合成によって、化学的に製造してよい。
しかしながら、組み換え法を使用して、本発明のペプチド、特にドデカペプチドを製造することが好適である。本発明によれば、これらは遺伝子技術又は微生物学的方法をすべて意味するものと理解され、該方法は対象のペプチド用の遺伝子を製造に適したホスト生物へ導入することに基づくものであって、該ホスト生物は遺伝子を転写および変換する。当該遺伝子はベクター、特に発現ベクターを介して適切に導入されるが、また、ホスト生物中の対象遺伝子を既に存在する遺伝要素に挿入させるために作用する染色体、又は他のベクターのようなベクターを介しても導入される。遺伝子と促進剤および恐らく他の遺伝要素から構成される機能ユニットは、本発明では「発現カセット」と指称する。しかしながら、この目的では、発現カセットもフィジカルユニットとして存在することは必ずしも要さない。
本発明によるペプチド、特にドデカペプチドは、マルチマーとして製造し、次に、官能性ペプチドへ開劣させることが特に好ましい。極めて特に好適であるマルチマーは、2〜10のドデカペプチドを有し、各場合において、0〜4個のアミノ酸の長さを有するスペーサーによってお互いから分離される。これらのスペーサーは、例えば、アミノ酸Gly、AlaおよびSerから構成されてよい。
現在一般に知られている化学合成又はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような方法を、分子生物学的および/またはタンパク質化学標準方法と共に使用して、当業者は、既知のDNAおよび/またはアミノ酸シーケンスに基づいて、対応する核酸および完全な遺伝子さえ製造することが可能である。そのような方法は、例えば、Lexikon der Biochemie、[生化学の辞書]、Spektrum Akademischer Verlag、ベルリン、1999年、1巻pp.267-271および2巻pp.227-229から既知である。
本発明は、本発明によるペプチド、特にドデカペプチドの誘導体をも包含する。本特許出願の意味では、誘導体は、その純粋なアミノ酸鎖が化学変性された上記ペプチドを意味するものと理解される。そのような誘導体化は、例えば、ホスト生物によって生合成と共に生物学的に行われてよい。分子生物学的方法は、この目的に使用してよい。しかしながら、例えばアミノ酸の側鎖の化学変換、又はペプチドへの別の化合物の共有結合によって、誘導体化は化学的に実施してもよい。例えば、そのような化合物は、例えば二機能性の化合物を介して本発明によるペプチドに結合された他のペプチド又はタンパク質であってもよい。誘導体化は同様に、高分子担体への共有結合を意味するものと理解される。
本発明の意味では、ベクターは、核酸から構成され、核酸領域を特徴付けるものとして対象遺伝子を含む平均要素を意味するものと理解される。ベクターは、残余のゲノムから独立してそれ自体を複製する安定した遺伝要素として、多世代にわたる種又は細胞株、もしくはセル劈開において、この遺伝子を確立させる。ベクターは特異的なプラスミド、すなわち環状の遺伝要素であって、特にバクテリアに使用される。遺伝子工学では、一方では、貯蔵のため、したがって、また遺伝子ワークのために使用されるベクター、いわば、所謂クローニングベクターと、他方では、宿主細胞において対象遺伝子をインプリメントする機能に対応するベクター、すなわち、当該ペプチドの発現を可能にするベクターとの間で区別がなされる。これらのベクターを発現ベクターと指称する。
本発明によるペプチド、特にドデカペプチド、あるいはそのようなペプチドのマルチマーのためにコードする核酸は、適切にベクターへクローン化される。したがって、本発明の分子生物学的ディメンジョンは、対応するペプチド用の遺伝子を有するベクターに有る。これらは例えばベクターを含んでよく、それは細菌プラスミド、ウイルス、又はバクテリオファージに由来するベクター、又は様々な起原の元素を有する主に合成のベクター又はプラスミドである。各場合において存在する更なる遺伝要素で、ベクターは、数世代にわたる当該宿主細胞における安定ユニットとして確立され得る。本発明の意味では、独立したユニットとしてベクターを染色体外に確立するか、染色体へ統合するかどうかは重要でない。先行技術から既知の多数のシステムからどれを選択するかは、個々の場合に依存する。例えば、達成可能なコピー数、入手可能な選択システム、それらの中でまず抗生物質耐性、又はベクターを受容し得る宿主細胞の培養能は、決定的な要因で有り得る。
ベクターは、当該遺伝子又は関連するペプチドの分子生物学的および生化学的な研究のための、本発明による開発(developments)のための、及び、本発明によるペプチドを増幅し製造するための、適当な出発点を形成する。ベクターは、本発明のさらなる態様である。
クローニングベクターは本発明の好ましい態様である。貯蔵に加えて、それらは、例えば制限地図の生成又はシーケンシングを介して、当該遺伝子のキャラクタリゼーションのための対象遺伝子の生物学的増幅又は選択用に適当である。したがって、クローニングベクターもまた、クレームされたDNAの運送可能で貯蔵可能な形態であるため、本発明の好ましい態様である。それらは、セルに関連しない分子生物学的技術、例えばポリメラーゼ連鎖反応にとっても、好ましい出発点である。
発現ベクターは、クローニングベクターに化学的に類似しているが、発現ベクターがペプチドの製造のために最適化されるホスト生物中で複製し、かつそこに含まれる遺伝子を発現することを可能にする部分配列において相違する。それ自身が発現に必要な遺伝要素をもつ発現ベクターは、好ましい態様である。その発現は、例えば遺伝子の転写を規制する促進剤によって影響を受ける。したがって、その発現は、この遺伝子の前に初めに局地化される天然促進剤によって行なわれてよいが、遺伝子融合の後にも、発現ベクター上に与えられた宿主細胞の促進剤によって、又は別の生物の修飾され或いは完全に異なる促進剤によって、行われてもよい。
細胞密度又は特定ファクターのような培養状態の、又はある化合物を添加することによる変化を介して規定できる発現ベクターは、好ましい態様である。
本発明の態様は、ペプチド生合成を生体外で追跡する、無細胞の発現系であってよい。そのような発現系は、同様に先行技術で確立されている。
本発明によるペプチドのインビボ合成、すなわち生体の細胞による合成は、関連する遺伝子の宿主細胞への移動、所謂その転換を要する。原則として、すべての生物、すなわち前核生物、真核生物、又は藍藻類は、宿主細胞として適当である。宿主細胞は好適であって、容易に遺伝学的に管理でき、それは例えば、発現ベクターによる転換とその安定的な確立、例えば単細胞の菌類又はバクテリアに関係する。更に、好適な宿主細胞は、良好な微生物学的及び生物工学的な扱いやすさに特徴付けられる。これは、例えば、培養の容易さ、高成長率、発酵媒体に関する低い要求および良好な製造ならびに外部ペプチドに対する分泌率に関係する。先行技術によって入手可能な多くの異系統からの個々の場合用の最適な発現系を実験的に測定することが、多くの場合必要である。様々なホスト生物からこのように本発明による各ペプチドを得てもよい。
その活性が、発現ベクター上に例えば設けられるが、最初からこれらの細胞中にあってもよい、遺伝的調節エレメントによって規定できる宿主細胞は、好適な態様である。これらの宿主細胞は、例えばアクティベーターとして使用される化合物の管理された添加によって、培養状態の変更によって、又はある細胞密度に到達させることで、発現するように誘導してよい。これにより、対象とするペプチドの非常にコスト効率の良い製造が可能となる。
原核生物又は細菌性細胞は好ましい宿主細胞である。バクテリアは、真核生物と比較すると、より短い世代時間(generation times)と培養状態のより低級な要請に、一般に特徴付けられる。本発明によるペプチドを得る低コストの方法をこのように確立してよい。大腸菌のようなグラム陰性菌の場合には、多数のペプチドがペリプラズム(periplasmatic space)中、すなわち細胞を囲む2つの細胞膜間の区画中へ分泌される。これは特定用途にとって有利であり得る。対照的に、グラム陽性菌、例えば病原菌又は放線菌もしくは放線菌目の他の代表物は、外膜を有しておらず、その結果、分泌されたペプチドは直ちに細胞を包囲する培地へ運ばれ、別の好適な態様によれば、そこから、本発明による発現ペプチドを直接的に精製してよい。
追加の遺伝子、例えば本発明によるペプチドの製造に影響を及ぼす他のベクター上に与えられる遺伝子は、この試験原理の変形例である発現系。これらは修飾された遺伝子生成物であってよく、又は本発明によるペプチドと一緒に精製されるべき遺伝子生成物であってよい。
例えば分子生物学的方法による広範囲な経験およびコリフォーム細菌による培養能のため、これらは本発明の好適な態様である。生物工学的製造のための適当な菌種は、特に好ましくは、大腸菌種、特に非病原菌のものである。
これらの種の適切な代表例は、K12誘導体および大腸菌のB菌株である。それ自体既知の遺伝子的および/または微生物学的な方法によって、それらから取り出すことができ、したがって、それらの誘導体と見なすことのできる菌株は、遺伝子及び微生物学の研究用の最も大きな重要性を有し、本発明による方法を発展させるために好ましく使用される。例えば削除又は挿入突然変異生成を介する、培養状態用のその要件に関して、そのような誘導体を組み換えてよく、別の又は追加の選択マーカーを有してよく、もしくは別の又は追加のペプチドを発現してよい。これらは特に、本発明によって生成されるペプチドに加えて、経済的に有用なさらなるペプチドを発現する誘導体であってよい。
更に、上記ベクターのうちの1つによる形質転換の後に得られたことを特徴とする微生物は好適である。これらは、例えば任意のバクテリア菌株中に貯蔵および/または変性のために導入されたクローニングベクターであってよい。そのような工程は、当該遺伝子成分の貯蔵および発現においてかなり広く普及している。これらの微生物から発現に適したグラム陰性菌中へ当該遺伝子成分を直接的に移動させてよいため、上記形質転換生成物は本発明の適用可能な主題の実施形態である。
真核細胞も、本発明によるペプチドを製造するのに適当であり得る。その例は、サッカロミケスまたはクリベロマイセスなどの放線菌又は酵母のような菌類である。これは、例えば、それらの合成に関するペプチドがそのような系を許容する特定の変性を経るものである場合、特に有利であり得る。これには、例えば、膜アンカー又はオリゴ糖などの低分子化合物の結合が含まれる。
本発明による方法の宿主細胞は、例えばバッチ式または連続式で、それ自体既知の方法で培養され発酵される。第1の場合では、適当な培地は組み換えバクテリア菌株で接種を受け、生成物は実験的に測定されるべき期間の後に媒体から採取される。連続発酵は定常状態の達成に特徴があり、ここでは、比較的長期間にわたり、細胞が部分的に死滅するが、成長によって補充もされ、そして同時に、生成物を媒体から採取してよい。
発酵方法は、先行技術からそれ自体広く知られており、実際の大規模生産工程に相当し、その後に適当な精製方法が行われる。
組み換えペプチドを製造する前述の方法のうちの1つに基づく発酵方法はすべて、本発明のこの主題の相応する好適な態様である。
この点に関して、用いられる生産方法、宿主細胞および/または製造されるべきペプチドに対する各場合において最適な条件は、当該菌株の前もって最適化された培養条件に基づき、例えば発酵容積、培地組成、酸素供給、あるいは撹拌機速度に関して、当業者についての知識によって実験的に測定されなければならない。
発酵を流入戦略によって実施することを特徴とする発酵方法は、同様に適当である。この点で、連続的な培養により消費される培地成分は、材料戦略とも指称されるフィーディングことにより補充される。細胞密度および乾燥バイオマスの両者の、および/または主として対象ペプチドの活性の著しい増加は、このようにして達成してよい。
同様に、発酵も、望ましくない代謝生成物をろ過するように、又はバッファー、あるいは各場合において適切な対イオンを添加することにより中和するようにして、設計してよい。
生成したペプチドを、次に、発酵培地から採取してよい。この発酵方法は、乾燥質量からの生成物調製に関して好適であるが、適当な分泌マーカーおよび輸送システムの準備を要する。
分泌がない状態では、細胞集団をペプチドから精製することがとりわけ必要である;この目的のための様々な方法は既知であって、必要ならば、均一のポイントまで、例えば硫酸アンモニウム又はエタノールによる析出、又はクロマトグラフィーによる精製が行われる。しかしながら、記述された技術的手段の大多数によって、強化し安定化した調製により十分に管理するべきである。
上記に既述した要素のすべてを、本発明によるペプチドを製造するための方法へ結合させてよい。方法ステップの多数の可能な組み合わせを、本発明による各ペプチドに対して考えることができる。最適な方法は、特定の個別ケースごとに実験的に決定されなければならない。
本発明のさらなる主題は、本発明によるペプチド、特にドデカペプチドのためにコードする核酸、及び本発明によるペプチド、特にドデカペプチドのためにコードする核酸を含むクローニングベクターおよび発現ベクターに関する。
本発明の主題はさらに、本発明によるペプチド、特にドデカペプチドのためにコードする核酸によって形質変換された原核生物又は真核生物の細胞に関する。
本発明によるペプチド、特にドデカペプチドは、コーティング剤、ペイント、および表面被覆、ならびに酸化物表面用の接着促進剤又は接着剤において、有利に使用してよい。したがって、本発明の主題はさらに、本発明によるペプチド、特にドデカペプチドを含む、又はこれから構成される、コーティング剤、ペイント、および表面被覆、ならびに酸化物表面用の接着促進剤又は接着剤に関する。
本発明のさらなる主題はさらに、複合材料の少なくとも2つの隣接する層、又はコーティングと基材の間の接着促進剤としての、完全に又は部分的にペプチド、特にドデカペプチドから構成される化合物を含有する多層複合材料又は被覆基材を関する。
多層複合材料は、様々な目的に、例えばパッケージング材(特にコンポジットフィルム)又は自己接着性の物品(1つの担体および1つの粘着層から少なくとも構成される多層複合材料)として使用される。本発明による多層複合材料は少なくとも2つの、好ましくは2つないし5つの層を含み、個々の層は例えば0.01〜5mmの厚みを有してよい。
個々の層は酸化物表面を有し、好ましくは金属または金属酸化物を含む。層は特に金属箔又は金属化されたポリマーフィルムである。
前述のペプチドは、多層複合材料の少なくとも2つの隣接する層の間の接着促進剤として用いられる。隣接する層の少なくとも1つは、好ましくは金属化された天然または合成ポリマーで構成される層である。特に、ポリエステルなどの重縮合物、ポリウレタンなどの重付加物、ポリアミド、ポリカーボネート、又はポリフェニレンエーテル、又はポリフェニレンスルフィド、又はエチレン性不飽和化合物のラジカル重合又はイオン重合によって得ることのできるポリマー(略してラジカル重合体として知られる)は、ポリマーとしての適当である。これらのタイプのラジカル重合体は、好ましくは、少なくとも60重量%、特に好ましくは少なくとも80重量%、C1−C20アルキル(メタ)アクリレート、20個までのC原子を含むカルボン酸のビニルエステル、20個までのC原子を含むビニル芳香族、エチレン性不飽和ニトリル、ビニルハライド、1ないし10個のC原子を含むアルコールのビニルエーテル、及び2ないし8個のC原子と1個又は2個の二重結合を有する脂肪族炭化水素、特にエチレンおよびプロピレンから選択される所謂主要モノマーから構成される。
接着促進に必要なペプチドの量は、一般に1平方メートル当たり0.01〜1000ミリグラム(mg/m2)、特に0.01〜100mg/m2および特に好ましくは0.1〜10mg/m2である。本発明によるペプチド、特にドデカペプチドを、隣接する層のうちの1つに塗布してよく;あるいは、そのようなペプチドを両方の層に塗布してよい。
ペプチドは、好ましくは水溶液として存在し;溶液のペプチド含量は、好ましくは100重量部の水に対して0.01〜5重量部のペプチドである。酸化物表面用のコーティング剤、接着促進剤又は接着剤における本発明による使用のため、該溶液は、好ましくは、さらに1〜10,000μg/mL水、特に10〜1000μg/mL水の濃度に希釈される。
したがって、塗布の後に、水分を除去するため最初に乾燥を行ってよい。次に、2つの隣接する層は、ラミネーションなどの通例の方法によって接合してよい。
基材は様々な目的のためにコーティングされる。特に挙げられるものは、装飾用コーティング又は保護塗装(ペイントを包含する)、又は接着剤コーティングであって、ここで、そういった接着剤は、基材に塗布してよく、又は例えば自己接着性の物品(ラベルまたは接着テープ)の形態で粘着的に貼付してよい。基材または基材表面は、任意の材料で構成されてよい。同様に、コーティング又はコーティングの基材側の表面(substrate-side surface)は、任意の材料で構成されてよい。基材表面又はコーティング、すなわちコーティングの基材側の表面は、金属、特にスチール、又は金属化された天然または合成ポリマーで好ましくは構成される。
特に、ポリエステルなどの重縮合物、ポリウレタンなどの重付加物、ポリアミド、ポリカーボネート、又はポリフェニレンエーテル、又はポリフェニレンスルフィド、又はエチレン性不飽和化合物のラジカル重合又はイオン重合によって得ることのできるポリマー(略してラジカル重合体として知られる)は、ポリマーとしての適当である。上記の記載は、ラジカル重合体の構造および主要モノマーの含量に当てはまる。
接着促進に必要なペプチドの量は、上記に述べられた量に相当する。ペプチドは、基材表面、コーティングの基材側の表面、又は両方へ塗布してよい。ペプチドは、好ましくは水溶液として存在し;溶液の含量は上記に述べた通りである。したがって、塗布の後に、水分を除去するため最初に乾燥を行ってよい。
コーティングは通例の方法によって基材に塗布してよく、例えば、フィルム又は多層複合材料をラミネートしてよい。特に、接着促進剤を備えた基材側の表面にポリマー分散体、ポリマー溶液又は無溶媒ポリマーを塗布すること、及び引き続くフィルム化および/または熱的又は光化学的な硬化により、コーティングを製造してよい。この目的のため、ポリマーは、水性分散体又は溶液の形態で存在し、特に好ましくは、エマルジョンポリマーの水性分散体、好ましくは上記ラジカル重合体の水性分散体である。ポリマーを塗布後、任意に乾燥が行われる。
本発明による多層複合材料および被覆基材は、大幅に向上した強度を有する。ペプチドを接着促進剤として使用することにより、コーティングは基材により強く付着し、多層複合材料の個々の層は互いによりよく付着する。
本発明の極めて特に好適な態様では、基材は金属である。原則として、これは任意の金属であってよい。具体例には、鉄、スチール、亜鉛、スズ、アルミニウム、銅又はこれらの金属と他の金属との互いの合金が含まれる。金属は特に、スチール、亜鉛、亜鉛合金、アルミニウム又はアルミニウム合金でコーティングされたスチールであってよく、アルミニウム又はアルミニウム合金であってよい。亜鉛および亜鉛合金、したがって、例えば亜鉛メッキ鋼などの基材は、特に好適である。
Zn又はAlの合金は、当業者に既知である。当業者は、所望の用途に応じて、合金成分の種類および量を選択するであろう。亜鉛合金の典型的な成分は、特にAl、Pb、Si、Mg、Sn、Cu又はCdを含む。アルミニウム合金の典型的な成分は、特にMg、Mn、Si、Zn、Cr、Zr、Cu又はTiを含む。これらは、AlとZnがほぼ均一量に存在するAl/Zn合金であってもよい。この種の合金でコーティングされたスチールは、市販で入手可能である。
金属は任意の形態で存在してよいが、好ましくは金属箔、金属ストリップ又は金属シートである。金属は、金属面を有する複合材料であってもよい。例えば、複合材料はポリマーフィルムと金属で構成される複合材料であってよい。
酸化物で、好ましくは金属の表面は、接着促進剤として本発明によるペプチドでコーティングされる。これは、ペプチドの水溶液を用いて実施してよい。コーティングの詳細については、既に上記した。
コーティングは、特に、金属面をコーティングするための典型的なペイント又は塗装系である。これらのペイント又は塗装系は、熱的に、光化学的に、又は他のメカニズムによって硬化するペイントであってよい。
金属面をコーティングするための典型的なペイントは、少なくとも1つの結合剤および架橋性の成分を含む。架橋性の成分は、結合剤に加えて用いられる架橋剤であってよく、又は結合剤に結合される架橋性基であってよい。もちろん、結合剤はまた架橋性の基をも有してよく、また更に、架橋剤を使用してよい。様々な可能な組み合わせが考えられる。例えば、結合剤と架橋剤を別々に使用してよい。また、結合剤は、架橋剤中の相補的な反応性官能基と反応することができる反応性官能基を含む。あるいは、結合剤は、その種類の基との(「それら自身との」)、又は同一のポリマー上の相補的な反応性官能基との、架橋反応に関与することができる反応性官能基を含む、自己架橋性結合剤であってよい。架橋剤のみが互いに反応することも可能である。
適当な結合剤の具体例には、(メタ)アクリレート(コ)ポリマー、部分的に鹸化されたポリビニルエステル、ポリエステル、アルキド樹脂、ポリラクトン、ポリカーボネート、ポリエーテル、エポキシ樹脂−アミン付加生成物、ポリ尿素、ポリアミド、ポリイミド、又はポリウレタンが含まれる。もちろん、望ましくない影響が混合物から生じないなら、様々なポリマーの混合物も用いてよい。架橋する成分は、熱的に架橋する基又は光化学的に架橋する基を有してよい。適当な熱的架橋剤は、例えば、エポキシド、メラミン、又はブッロクイソシアネートに基づく架橋剤である。光化学的架橋用の適当な架橋剤は、特に、多エチレン性不飽和基を含む化合物、特にジ-あるいは多官能性アクリレートである。
基材へのペイントの接着性は、本発明によるペプチド、特にドデカペプチドによって有利に向上する。更に、ペイント層の浸潤に対する向上した耐性は、防蝕試験において達成される。
したがって、本発明の更なる主題は、コーティング剤、ペイントおよび表面被覆の成分、酸化物表面用接着促進剤又は接着剤の成分、および多層複合材料又は被覆基材の成分としての、本発明によるペプチド、特にドデカペプチドの使用に関する。
以下の実施例は本発明について説明するものであるが、本発明をこれらに何ら制限しない:
実施例1:(スチール)表面上でのペプチドの定量化
下記に述べられた方法を用いて、(スチール)表面に付着したペプチドをどのように定量化し得るかを説明する。
したがって、視覚的な評価とは別に、接着特性に関して客観的に測定可能な結果をもたらすことが可能である。この方法は、一例として理解されるべきであり;他の化学的検出方法は同様に適当であり得る(例えばニンヒドリンとの反応)。
上記方法を用いて、表3にリストされたペプチドを識別してよく、図1に示された図において明白なように、良好(P6、P7)、適度(P13、P15)、及び不良ないし非結合ペプチド(10、17)の間で区別してよい。
ペプチドの塗布:
2x 10μLのペプチド溶液(2mg/mL、1x PBS中に溶解、pH 7.4、Gibco製)を、HDG鋼鈑(円形物、直径2.3cm)に塗布した。最初の10μLを約15’間乾燥し、次いで第2の10μLを同じ位置上に滴下し、30’間乾燥した。UVP製、HB-1000ハイブリダイゼーションオーブン中、水200mLの存在下に30℃で乾燥を行った。
洗浄:
洗浄のため、1リットルの1x PBS、pH 7.4、を含有する結晶皿(直径19cm)内にプレートを配置し、B.ブラウン製のCertomat U装置中60rpmで、室温で10分間わずかに撹拌した。その後、プレートを30℃で簡単に乾燥させた。
染色:
プレートを6ウエル皿中へ移動した。150μLのクマシ染色液を、プレート上にピペットで移した。30秒後、染色液をすすぐためにエッジに6mLの1x PBSバッファー、pH 7.4を注意深く添加した。次いで、残存する染色液を除去するために、2x 6mLの1x PBS、pH 7.4中へプレートを移した。プレートを30℃で簡単に乾燥した。
(クマシ染色液:2gのクマシ・ブリリアントブルーR-250、0.5gのクマシ・ブリリアントブルーG-250、50mLのメタノール、425mLのエタノール、100mLの氷酢酸、および蒸留水約1000mL。)
除去:
20μLのDMSO/CH3COOH溶液(v/v 9/1)を、染色されたスポット上にピペットで移した。抽出溶液を室温にて5’間作用させ、次いで、液体を、スポットがプレートから完全に除去されるまで、上下にピペットで移すことにより引き抜いた。反応槽中へ上澄み液を移した。
測定:
色強度の測定は、Nanodrop 1000分光光度計(UV VISプログラム)において行なった。この目的で、2-μLのサンプルを塗布し、602nmで測定した。
表および図:
Figure 0006293158
Figure 0006293158
Figure 0006293158

Claims (7)

  1. アミノ酸配列RSIVTFSLRQNR(ペプチド8)、QRNLIKSTCRKI(ペプチド9)、SRARLFVVTYHK(ペプチド6)、HMISTMNAASRR(ペプチド7)、RNTIRIRTIKHP(ペプチド13)またはRHSSTLRYRPLP(ペプチド15)を有するドデカペプチド。
  2. 請求項に記載のドデカペプチドのためにコードする核酸。
  3. デカペプチドのためにコードする請求項に記載の核酸を含むベクター。
  4. デカペプチドのためにコードする請求項に記載の核酸で形質転換された、原核生物又は真核細胞。
  5. 請求項に記載のドデカペプチドを含有するコーティング剤、ペイントおよび表面被覆、並びに酸化物表面用接着促進剤又は接着剤。
  6. 複合材料の少なくとも2つの隣接する層の間、又はコーティングと基材の間の接着促進剤として請求項に記載のドデカペプチドから完全に又は部分的に構成される化合物を含有する、多層複合材料又は被覆基材。
  7. コーティング剤、ペイントおよび表面被覆の成分、酸化物表面用接着促進剤又は接着剤の成分、および多層複合材料又は被覆基材の成分としての、請求項に記載のドデカペプチドの使用。
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