JP6292776B2 - 記録装置および記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は記録装置および記録方法に関する。
インクを吐出するための複数の吐出口を配列した記録ヘッドを記録媒体に対して走査させながらインクを吐出する記録走査と、記録媒体の搬送を行う副走査とを繰り返し行い、記録媒体上に画像を形成する記録装置が従来より知られている。このような記録装置では、記録媒体上の単位領域に対して複数回の記録走査を行う、いわゆるマルチパス方式が一般に用いられる。
上述のような記録装置において、記録媒体上の同じ記録走査にて近接する位置に吐出された複数のインク滴が接触して連なる、いわゆるビーディングによるムラが発生し、画質が低下する場合があることが知られている。このビーディングを抑制するため、特許文献1には、記録許容画素間の斥力ポテンシャルが小さくなるように計算して記録許容画素を配置したマスクパターンを適用することにより、画像形成の途中の段階において記録媒体上に着弾したインク滴のビーディングを避けるためにインク滴を分散して配置することが開示されている。
一方、近年では様々な用途の印刷物をインジェット記録により作成するようになってきており、それに応じて様々な種類のインクや記録媒体が使用されている。このインクと記録媒体の組合せとして、明度の高い画像を形成するために、顔料を含むインクとインクの浸透性が低い記録媒体を用い、記録媒体の表面上にインクを定着させることにより記録を行うことが知られている。
特開2006−44258号公報
しかしながら、発明者の検討の結果、顔料を含むインクと浸透性の低い記録媒体を用いて記録を行う場合、上述のビーディングが顕著に発生し、十分な画質が得られない可能性があることが分かった。これは、記録媒体の表面上にインクを定着させる場合には、従来の記録媒体にインクを浸透させて定着させる場合と比べて、インクが液体の状態で長時間記録媒体上に存在することに由来することも重ねて見出された。
以下にこの課題について詳細に説明する。
図1はそれぞれ顔料を含有する第1および第2のインクを、第2のインク、第1のインクの順に浸透性の低い記録媒体3上の同一の領域に吐出して、第2のインクの層50上に第1のインクを積層させた際の記録媒体上での液滴51の様子を示す図であり、液滴51と記録媒体との記録媒体表面に垂直な断面を示す模式的な断面図である。
顔料を含むインクと浸透性の低い記録媒体を用いて記録を行う場合には、図1に示すようにインク滴は記録媒体の内部に浸透せずに記録媒体の表面上にて定着し、記録媒体の表面を覆うようにインク層を形成する。そのため、記録媒体上の既にインクが吐出された領域に更にインクを積層して吐出する場合、後に吐出されるインクは記録媒体の表面上ではなく、先に付与されたインクにより形成されたインク層の上に付与されることとなる。
以下、記録に使用する第1、第2のインクは、液相における表面張力がほぼ同じ値であり、第1のインクにより形成されたインク層上における第2のインクの濡れ性が、第2のインクにより形成されたインク層上における第1のインクの濡れ性よりも高い、という関係性を有するものとする。なお、濡れ性とは固体表面に対する液滴の濡れ広がり易さを示す指標である。この濡れ性は、液滴が固体表面に接触している時の接触点における液滴の表面の接線と固体表面とが成す角である接触角によって評価することができ、液滴が固体表面に対して濡れ易いほど接触角は小さくなる。
インクの接触角は、インクの液相における表面張力γとインクが付与される固体表面における臨界表面張力とに応じて変化する。ここで、臨界表面張力とは固体の表面張力を示す指標の一つである。インクの液相における表面張力γが大きいほど、また、インクが付与される固体表面における臨界表面張力が小さいほど、接触角は大きくなる。なお、インクの表面張力γはインク滴51の化学的物性に、固体表面の臨界表面張力はインク層50の化学的物性にそれぞれ応じた値である。
インクの液相における表面張力γが同じ値であっても、記録媒体に定着し、インク層を形成した際の臨界表面張力はそれぞれのインクにおいて異なる値となる。なお、ここでは記録媒体上に定着した第1のインクの層における臨界表面張力が記録媒体上に定着した第2のインクの層における臨界表面張力よりも大きい、という関係性を有するものとする。
したがって、図1に示すように、第2、第1のインクの順に記録媒体上にインクが付与される場合、臨界表面張力が大きい第1のインクにより形成されたインクの層上に第2のインクが付与されるため、接触角が大きくなる。そのため、インク滴に対して記録媒体上においてインク滴が濡れ広がる方向で、記録媒体と平行な方向に働く力Fが小さくなる。
図2は、図1に示す第2のインク、第1のインクの順にインクが付与された場合において、同じ記録走査によって互いに近接する位置に複数のインク滴を吐出した際の記録媒体の表面を示す図である。
図2に示すように、後に付与される第2のインクが第1のインクの層50上において接触した際、濡れ広がる方向へと働く成分に働く力Fが小さく、インク滴同士で集合しようとする傾向が強いため、ビーディングの発生が顕著なものとなる。この結果、記録媒体上に最終的に形成される画像の粒状性が著しく低下してしまう。
更に、インク滴51のインク層50に対する被覆面積が小さいため、最終的に得られる画像において最表面がインク滴51により形成されたインク層である領域と、最表面がインク層50である領域とが入り混じって形成されてしまう。この結果、画像の一様性もまた損なわれる。
特にフッ素系界面活性剤を含有するインクを先に付与されるインクとして使用して記録を行う際には、フッ素系界面活性剤によって臨界表面張力が著しく低下するために、上述のビーディングが顕著に発生することとなる。
上述のように、インク層に対する濡れ性が相対的に低いインク滴がインク層上にて定着した場合、粒状性や一様性の低下等の画質の低下を引き起こす。このビーディングによる画質の低下は、同一の記録走査によって吐出されたインク滴の密度が高くなる中階調から高階調の画像を記録する際に特に顕著なものとなる。
本発明は上記の課題を鑑みて為されたものであり、インク滴同士のビーディングに由来する画質の低下を抑制することが可能な記録装置および記録方法を提供することを目的とするものである。
そこで、本発明は、顔料を含有する第1のインクと、顔料を含有し、前記第1のインクと異なる第2のインクとを吐出可能な記録ヘッドと記録媒体上の単位領域とを相対的に走査させる走査手段と、前記走査手段によって前記記録ヘッドを走査させながら、前記記録媒体上の単位領域内に複数含まれる画素相当の小領域に対して前記記録ヘッドから前記第1のインクおよび前記第2のインクを吐出するように制御する制御手段と、を備える記録装置であって、前記記録媒体上に形成された前記第2のインクの層に対する前記第1のインク滴の接触角は、前記記録媒体上に形成された前記第1のインクの層に対する前記第2のインク滴の接触角よりも大きく、前記制御手段は、前記第2のインクが前記第1のインクよりも後に吐出される前記記録媒体上の前記単位領域内の前記小領域が、前記第1のインクが前記第2のインクよりも後に吐出される前記記録媒体上の前記単位領域内の前記小領域よりも多くなるように前記第1および第2のインクの吐出を制御することを特徴とする。
本発明に係る記録装置によれば、インクの濡れ性の違いに由来する記録画像の粒状性や一様性の低下を抑制し、良好な画質の画像を得ることができる。
濡れ性と接触角の相関を説明するための図である。 濡れ性とビーディングの相関を説明するための図である。 実施形態で適用する記録装置の斜視図である。 実施形態で適用する記録装置の側面図である。 実施形態で適用する記録ヘッドの模式図である。 実施形態で行うマルチパス記録方法を説明するための図である。 一般的なマルチパス記録方式で適用するマスクパターンの模式図である。 実施形態における記録制御系の構成を示すブロック図である。 実施形態で用いる接触角の異なるインクを吐出した際の記録媒体の様子を示す模式図である。 実施形態におけるインクの付与順序の違いに由来するビーディングを説明するための図である。 実施形態で適用するマルチパス記録方法を説明するための図である。 実施形態で適用するマスクパターンを示す模式図である。 実施形態におけるデータの処理過程を説明するブロック図である。 実施形態で適用するマスクパターンを示す模式図である。 実施形態で用いる複数のインクの接触角の値と粒状性の相関を説明する表である。 実施形態におけるデータの処理過程を説明するブロック図である。 実施形態で適用する記録装置の斜視図である。
(第1の実施形態)
以下に図面を参照し、本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。
図3は本発明の第1の実施形態に係る記録装置の内部の構成を部分的に示す斜視図である。また、図4は本発明の第1の実施形態に係る記録装置の内部の構成を部分的に示す側面図である。
記録装置の内部にはプラテン2が配置されており、このプラテン2には記録媒体3を吸着させて浮き上がらないようにするために多数の吸引孔34が形成されている。この吸引孔34はダクトと繋がっており、さらにダクトの下部に吸引ファン36が配置され、この吸引ファン36が動作することでプラテン2に対する記録媒体3の吸着を行っている。
キャリッジ6は、紙幅方向に延伸して設置されたメインレール5に支持され、X方向に往復移動することが可能なように構成されている。キャリッジ6は、後述するインクジェット方式の記録ヘッド7を搭載している。なお、記録ヘッド7は、発熱体を用いたサーマルジェット方式、圧電素子を用いたピエゾ方式等、さまざまな記録方式を適用することが可能である。キャリッジモータ8は、キャリッジ6をX方向に移動させるための駆動源であり、その回転駆動力はベルト9でキャリッジ6に伝達される。
記録媒体3は、ロール状に巻かれた媒体23から巻き出すことで給紙される。記録媒体3は、プラテン2の上でX方向(走査方向)と交差するY方向(搬送方向)に搬送される。記録媒体3は、先端をピンチローラ16と搬送ローラ11に挟持されており、搬送ローラ11が駆動することによって搬送が行われる。また、記録媒体3はプラテン2よりY方向の下流ではローラ31と排紙ローラ32に挟持され、さらにターンローラ33を介して記録媒体3は巻取りローラ24に巻きつけられている。
図5は本実施形態で使用する記録ヘッドを示す。
記録ヘッド7は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクをそれぞれ吐出する4つの吐出口列22K、22C、22M、22YがX方向に並列されることにより構成される。これらの吐出口列22K、22C、22M、22Yのそれぞれは、インクを吐出する1280個の吐出口30が1200dpiの密度でY方向に配列されることで構成されている。なお、本実施形態における一つの吐出口30から一度に吐出されるインクの吐出量は約4.5ngである。
これらの吐出口列22K、22C、22M、22Yは、それぞれ対応するインクを貯蔵する不図示のインクタンクに接続され、インクの供給が行われる。なお、本実施形態にて用いる記録ヘッド7とインクタンクは一体的に構成されるものでも良いし、それぞれが分離可能な構成のものでも良い。
本実施形態で使用するインクについて以下に詳細に説明する。
本実施形態で使用するそれぞれのインクでは、インク中で色材を安定に分散させ、また、記録媒体へのインクの濡れ性を高めるために、フッ素系界面活性剤を含有させている。なお、本実施形態におけるフッ素系界面活性剤とはパーフルオロアルキル基を有する界面活性剤である。本発明にて適用できるフッ素系界面活性剤としては、例えばパーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物等が挙げられる。さらにフッ素系界面活性剤として市販されているものを挙げると、サーフロンS−111、S−112、S−113、S121、S131、S132、S−141、S−145(旭硝子社製)、フルラードFC−93等を本発明に用いることができる。また、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431、FC−4430(住友スリーエム社製)、メガファックF−470、F−1405、F474(第二本インク化学工業社製)等も本発明に用いることができる。また、ゾ二ールFS−300、FSN、FSN−100、FSO(デュポン社製)、エフトップEF−351、352、801、802(ジェムコ社製)等も本発明に用いることができる。この中でも,特に信頼性と発色向上に関して良好なゾ二ールFS−300、FSN、FSO−100(デュポン社製)が好適に使用できる。これらは、単独または二種以上を混合して用いることも可能である。本実施形態では上述のフッ素系界面活性剤のうち、FSO−100(デュポン社製)をそれぞれのインクに含有させる。
以下に、インクの作製方法について説明する。
以下、「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り、質量基準である。
・ブラックインクの作製
まず、アニオン系高分子P−1[スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体(重合比=30/40/30、酸価202、重量平均分子量6500)]を水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な10質量%ポリマー水溶液を作製する。更に、上記ポリマー溶液(600g)、カーボンブラック(100g)およびイオン交換水(300g)を混合し、機械的に所定時間撹拌した後、遠心分離処理によって、粗大粒子を含む非分散物を除去してブラック分散液とする。得られたブラック分散液はその顔料濃度が10質量%であった。
本実施形態で使用するブラックインクは、上記ブラック分散液に以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度を5%に調製することで生成する。
ブラック分散液 :50部
FSO−100(デュポン社製) :0.05部
グリセリン :10部
トリエチレングリコール :10部
アセチレングリコールEO付加物(川研ファインケミカル株式会社製) :0.5部
イオン交換水 :29.45部
・シアンインクの作製
まず、ベンジルアクリレートとメタクリル酸を原料として、常法により、酸価250、数平均分子量3000のAB型ブロックポリマーを作り、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50質量%ポリマー水溶液を作製する。更に、上記のポリマー溶液(200g)、C.I.ピグメントブルー15:3(100g)およびイオン交換水(700g)を混合し、機械的に所定時間撹拌した後、遠心分離処理によって、粗大粒子を含む非分散物を除去してシアン分散液とする。得られたシアン分散液は、その顔料濃度が10質量%であった。なお、C.I.ピグメントブルー15:3の化学構造を下記式(1)に示す。

式(1)
本実施形態で使用するシアンインクは、上記シアン分散液に以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度を2%に調製することで生成する。
シアン分散液 :20部
FSO−100(デュポン社製) :0.05部
グリセリン :10部
ジエチレングリコール :10部
アセチレングリコールEO付加物(川研ファインケミカル株式会社製) :0.5部
イオン交換水 :59.45部
・マゼンタインクの作製
まず、ベンジルアクリレートとメタクリル酸を原料として、常法により、酸価300、数平均分子量2500のAB型ブロックポリマーを作り、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50質量%ポリマー水溶液を作製する。更に、上記ポリマー溶液(100g)、C.I.ピグメントレッド122(100g)およびイオン交換水(800g)を混合し、機械的に所定時間撹拌した後、遠心分離処理によって、粗大粒子を含む非分散物を除去してマゼンタ分散液とする。得られたマゼンタ分散液はその顔料濃度が10質量%であった。なお、C.I.ピグメントレッド122の化学構造を下記式(2)に示す。

式(2)
本実施形態で使用するマゼンタインクは、上記マゼンタ分散液に以下の成分を加えて所定の濃度にし、これらの成分を十分に混合撹拌した後、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルター(富士フイルム製)にて加圧濾過し、顔料濃度を4%に調製することで生成する。
マゼンタ分散液 :40部
FSO−100(デュポン社製) :0.05部
グリセリン :10部
ジエチレングリコール :10部
アセチレングリコールEO付加物(川研ファインケミカル株式会社製) :0.5部
イオン交換水 :39.45部
・イエローインクの作製
まず、アニオン系高分子P−1[スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体(重合比=30/40/30、酸価202、重量平均分子量6500)]を、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な10質量%ポリマー水溶液を作製する。更に、上記ポリマー溶液(300g)、C.I.ピグメントイエロー74(100g)およびイオン交換水(600g)を混合し、機械的に所定時間攪拌した後、遠心分離処理によって粗大粒子を含む非分散物を除去してイエロー分散液とした。得られたイエロー分散液はその顔料濃度が10質量%であった。なお、C.I.ピグメントイエロー74の化学構造を下記式(3)に示す。

式(3)
本実施形態で使用するイエローインクは、以下の成分を混合し、十分に攪拌して溶解・分散後、ポアサイズ1.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧濾過して、顔料濃度を4%に調製することで生成した。
イエロー分散液 :40部
FSO−100(デュポン社製) :0.025部
グリセリン :9部
エチレングリコール :10部
アセチレングリコールEO付加物(川研ファインケミカル株式会社製) :1部
イオン交換水 :39.975部
なお、記録媒体に対する浸透性が低い、あるいは浸透性のないインクを用いる場合にインクの液相における表面張力が高いと、記録媒体の表面上に着弾したインクが濡れ広がらずに凝集して定着することにより画質の低下を引き起こしてしまう。特にインクの浸透性が低い記録媒体に対して表面張力が30mN/mよりも大きいインクを使用した場合、この画質の低下は顕著に発生する。そのため、それぞれのインクの表面張力は30mN/m以下にすることが好ましい。また、吐出量や吐出速度などのインクの吐出口からの吐出特性や、記録媒体の表面上における浸透性を異なるインクの間でなるべく近づけるため、それぞれのインクは表面張力を可能な限り近い値にすることが好ましい。これらの理由から、本実施形態で使用するそれぞれのインクは、互いに同じ温度環境において表面張力が25mN/mから26mN/mまでの値になるように調整される。
なお、本実施形態におけるそれぞれのインクの液相における表面張力は、KRUSS社製のBubblePressureTesiometer(商品名)を使用して計測を行った。なお、インクの液相における表面張力を測定できるのであれば、上述の計測器だけではなく種々の計測器を用いることができる。
また、上述したように、本実施形態におけるそれぞれのインクの液相における表面張力はほぼ同じであるが、記録媒体上に付与された際に形成されるインク層の臨界表面張力はそれぞれ異なる値となる。これらの臨界表面張力の値は、それぞれのインクに含まれるフッ素系界面活性剤の量や、顔料やポリマーとの界面活性剤の親和性の大きさ等、様々なパラメータに応じて変動する。
本実施形態で使用する記録媒体について以下に詳細に説明する。
前述したように、記録媒体に対するインクの浸透性が低いほど記録媒体の表面上にインクの層が形成され易くなるため、本発明はインクの浸透性が低い記録媒体を使用する際に特に顕著に効果を奏する。
このようなインクの浸透性が低い記録媒体の例としては、普通紙の表面を白色の顔料などでコーティングした塗工紙がある。
本実施形態では上述の塗工紙の一つであるOKトップコート+(王子製紙製、坪量157.0g/m)を記録媒体3として使用する。
本実施形態において記録媒体のインク浸透性を評価するための方法は種々の方法が適用可能である。その手法の一例として、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.51の『紙及び板紙の液体吸収性試験方法』に記載されたブリストー法による記録媒体に対するインク浸透性の評価を以下に記載する。
所定量のインクを所定の大きさの開口スリットを有する保持容器に注入し、スリットを介して、短冊状に加工し円盤に巻きつけられた記録媒体と接触させ、保持容器の位置を固定したまま、円盤を回転させ記録媒体に転移するインク帯の面積(長さ)を測定する。
このインク帯の面積から単位面積辺りの1秒間での転移量(ml・m−2)を算出することができる。
一般的な印刷塗工紙についてブリストー法によりインクに対する転移量を測定したところ、1秒間での転移量は20ml・m−2以下であり、特に、OKトップコート+では10ml・m−2よりも若干小さい値が得られた。本発明の記録方法は、この印刷塗工紙のようなインク浸透性の低い記録媒体に対してより好適であると言える。
一方、普通紙のブリストー法による1秒間での転移量は30ml・m−2以上を示すものが多く、一般的には高いインク浸透性を示す。しかしながら、普通紙であってもブリストー法による1秒間での転移量が20ml・m−2より低いものもある。このような記録媒体は普通紙ではあるもののインク浸透性の低い記録媒体であると言える。このようなインク浸透性の低い記録媒体であれば、印刷塗光紙でなくとも本発明を用いることで効果が得られる。
また、インクの浸透性がないポリエチレンシートのような非浸透性の記録媒体にも本発明を好適に適用できることは言うまでもない。
本実施形態では、マルチパス記録方式に従って画像を形成する。以下にマルチパス記録方式について詳細に説明する。
図6は4回の記録走査により記録媒体上の単位領域内に記録を行う際に用いるマルチパス記録方式について示す図である。
また、図7は上述のマルチパス記録方式におけるそれぞれの記録走査において適用するマスクパターンについて説明するための図である。
インクを吐出する吐出口列22に設けられたそれぞれの吐出口30は、副走査方向に沿って4つの記録グループ201、202、203、204に分割される。
各マスクパターン221、222、223、224はそれぞれ複数の記録許容画素と非記録許容画素が配置されることで構成されている。図7において、黒く塗りつぶされている箇所が記録許容画素を、白抜けで表されている箇所が非記録許容画素を表している。記録許容画素では入力された画像データがインクの吐出を表す画像データである場合に実際にインクを吐出する記録データに変換する。また、非記録許容画素では、インクの吐出を表す画像データが入力された場合であってもインクを吐出しない記録データに変換する。
なお、これらのマスクパターン221、222、223、224における記録許容画素は、それぞれ互いに異なる位置であり、且つ、補完的な関係となる位置に配置されている。
以下は記録媒体上にベタ画像を形成する例について説明する。
1回目の記録走査では、記録媒体3上の領域211に対して記録グループ201からマスクパターン221に従ってインクが吐出される。この結果、記録媒体上では図4のAに示す位置にインクが吐出される。
次に、記録媒体3を記録ヘッド7に対してY方向の上流側から下流側にL/4の距離だけ相対的に搬送する。
この後に2回目の記録走査を行う。2回目の記録走査では、記録媒体上の領域211に対しては記録グループ202からマスクパターン222に、領域212に対しては記録グループ203からマスクパターン221に従ってインクが吐出される。この2回目の記録走査の結果、記録媒体3には図4のBに示すような画像が形成される。
以下、記録ヘッド7の記録走査と記録媒体3の相対的な搬送を順次繰り返す。この結果、4回目の記録走査が行われた後には、記録媒体3のDの領域211ではすべての画素に相当する小領域に対してインクの吐出が完了し、ベタ画像が形成される。
なお以下の説明では、記録媒体における画素相当の領域を、単に「画素」として記載することがある。
図8は本実施形態における記録制御系の概略構成を示すブロック図である。
画像入力部であるホストコンピュータ301は、ハードディスク等の各種の記憶媒体に保存されているRGB形式の多値画像データを、インクジェット記録装置300内の画像処理部に送信する。
画像処理部は、後述するMPU302、ASIC303等から構成されている。また、多値画像データは、ホストコンピュータ301に接続されたスキャナやデジタルカメラ等の外部の画像入力機器からも受け取ることができる。画像処理部は、入力された多値画像データに後述する画像処理を施して2値画像データに変換する。これにより、複数種類のインクを記録ヘッド7から吐出するための記録データである2値データが生成される。
画像出力部であるインクジェット記録装置300は、画像処理部で生成されたインクの2値画像データに基づいて、インクを記録媒体3に付与することで画像を記録する。インクジェット記録装置300は、ROM304に記録されたプログラムに従ってMPU(Micro Processeor Unit)302により制御される。RAM305は、MPU302の作業領域や一時データ保存領域として機能する。MPU302は、ASIC303を介して、キャリッジ6の駆動系308、記録媒体3の搬送駆動系309、記録ヘッド7の回復駆動系310、および記録ヘッド7の駆動系311の制御を行う。
プリントバッファ306は、記録ヘッド7へ転送できる形式に変換された記録データを取得し、一時保管する。
マスクバッファ307には、記録データを記録ヘッド7に転送する際に適用するマスクパターンが一時的に保管されている。なお、マルチパス記録に用いる複数のマスクパターンはROM304内に用意され、実際の記録時に該当するマスクパターンがROM304から読み出されてマスクバッファ307に格納される。
なお、本実施形態では画像処理部はインクジェット記録装置300に存在する形態について記載したが、ホストコンピュータ301に画像処理部が存在していても良い。
(濡れ性の評価)
本実施形態では、インク層の表面上におけるインク滴の接触角を測定することで、インクの濡れ性の評価を行う。
本実施形態では協和界面科学株式会社製のDropMaster(商品名)を使用してそれぞれのインクの組み合わせにおけるインク滴の接触角を測定する。なお、顔料インクの接触角を測定できるのであれば、他の測定器を使用しても良い。
本実施形態では、記録媒体3の表面上の全ての画素に対してインクを乾燥定着させた領域(以下、ベタ領域とも称する)の表面を固体表面に見立てる。その上に異なるインクを1滴分である約4.5ngだけ吐出し、その際のインク滴とベタ領域の表面との接触部分が成す角度を測定し、インク層に対するインク滴の接触角とする。
なお、本実施形態における接触角の測定で滴下する1滴のインクの吐出量は、本実施形態の記録ヘッド7から吐出される1滴のインクの吐出量より多い。ここで、インクの付与量が異なる場合、インク液滴の自重や蒸発速度、浸透速度などに違いが生じる。そのため、それぞれ1滴のインクの吐出量が異なる複数のインクで接触角の値を動的に測定し、測定器による接触角の値と実際に1滴を記録したインクドットの濡れ広がりの関係を検討した。その結果、測定器により滴下されるインク滴の吐出量によらず、滴下初期の接触角の値が記録ヘッドから吐出されたインク滴の蒸発や浸透の影響を受ける前の状態に近く、吐出されたインク滴の濡れ広がりに大きく影響するとの知見を得ることができた。したがって、本実施形態ではそれぞれのインク滴に対して滴下した直後である100msec後の接触角を測定した。
上述の接触角の測定方法に従って測定されたそれぞれのインク層に対するそれぞれのインク滴の接触角と、インク滴が定着した後に形成されるドット径および粒状性の評価について図9を参照しながら説明する。
図9(a)および(b)は、液体状態における接触角の値が相対的に異なる顔料インクの、濡れ性の違いを説明するための図である。
図9(a)はイエローインクにより形成されたインク層50の表面上にマゼンタインク51を1滴滴下した際の記録媒体3上でのインクの状態を示す図である。また、図9(b)はマゼンタインクにより形成されたインク層52の表面上にイエローインク53を1滴滴下した際の記録媒体3の状態を示す図である。
このとき、イエローインクによるインク層50に対するマゼンタインクによるインク滴51の接触角θは36度、マゼンタインクによるインク層52に対するイエローインクによるインク滴53の接触角θは27度である。イエローインク、マゼンタインクの液相における表面張力がほぼ等しいにも関わらず、マゼンタインクによるインク層52の臨界表面張力がイエローインクによるインク層50の臨界表面張力よりも大きいため、インクの重なり方の違いによってこのような接触角の違いが生じると考えられる。
図9(a)に示すイエローインク、マゼンタインクの順に記録媒体上にインクが付与される場合、イエローインクのインク層50上におけるマゼンタインクのインク滴51の接触角θは相対的に大きいので、マゼンタインクのインク滴51に対し濡れ広がる方向で、記録媒体3と平行な方向に働く力Fは小さくなる。その結果、ビーディングが発生し易くなる。
一方、図9(b)に示すマゼンタインク、イエローインクの順に記録媒体上にインクが付与される場合、マゼンタインクのインク層52上におけるイエローインクのインク滴53の接触角θは接触角θに比べて小さいので、イエローインクのインク滴53に働く力Fはマゼンタインクのインク滴51に働く力Fに比べて大きくなる。この結果、イエローインクのインク滴53が同一の記録走査にて隣接する位置に付与されても濡れ広がった状態で安定化しようとする。
図10(a)、(b)は、それぞれ図9(a)に示すイエローインク、マゼンタインクの順にインクが付与された場合と図9(b)に示すマゼンタインク、イエローインクの順にインクが付与された場合とにおいて、同一の記録走査にて互いに近接する位置に複数のインク滴を吐出した際の記録媒体3の表面を示す図である。
図10(b)に示すマゼンタインク、イエローインクの順に付与された場合、イエローインクのインク滴53に働く力Fが図10(a)に示すイエローインク、マゼンタインクの順に付与される場合におけるマゼンタインクのインク滴51に働く力Fに比べて大きいため、ビーディングが発生しにくいことがわかる。
以上のことを鑑み、本実施形態においてはイエローインクとマゼンタインクの付与順序を制御することで、画質の低下の抑制を行う。
図11は本実施形態におけるマルチパス記録方式について説明するための図である。
本実施形態では8回の記録走査によって記録媒体上の単位領域80に対して画像を完成させる方式を採用する。本実施形態において使用する記録ヘッド7のうち、マゼンタインクを吐出する吐出口列22Mとイエローインクを吐出する吐出口列22Yに配列されているそれぞれ1280個の吐出口は、記録グループA1から記録グループA8、および記録グループB1から記録グル―プB8の、それぞれ長さdを有する8つの記録グループに分割される。ここで、一つの記録グループに含まれる吐出口の個数は160個である。
ここで、記録媒体3上の単位領域80のY方向の長さは記録ヘッド7と記録媒体3とのY方向への1回の相対移動量に相当し、また、分割された吐出口列22M、22Yにおける一つの記録グループの長さdに相当する。また、単位領域80のX方向の長さは記録媒体3のX方向の長さに相当する。
まず、記録媒体3の単位領域80が位置80aにある際に、記録ヘッド7をX方向に走査しながら単位領域80に対し吐出口列22Mの記録グループA1および吐出口列22Yの記録グループB1に属する吐出口から後述するマスクパターンに従ってそれぞれのインクが吐出される。その後、記録媒体3はY方向に距離dに対応する距離だけ搬送されて、単位領域80は位置80bへと移動される。この搬送の後、先に記録グループA1および記録グループB1に属する吐出口からインクが吐出された記録媒体3上の単位領域80に対し、記録ヘッド7のX方向への走査を伴いながら吐出口列22Mの記録グループA2および吐出口列22Yの記録グループB2に属する吐出口からインクが吐出される。以降、このような距離dに対応する距離の記録媒体3の搬送を間に行いながら、記録媒体3上の単位領域80に対し記録ヘッド7を合計8回走査することにより画像を完成させる。
図12(a)は本実施形態のマゼンタインクを吐出する吐出口列22Mに適用するマスクパターンを示す図である。また、図12(b)は本実施形態のイエローインクを吐出する吐出口列22Yに適用するマスクパターンを示す図である。
マゼンタインクを吐出する吐出口列22Mの記録グループA1から記録グループA8までの記録グループには、それぞれマスクパターン61からマスクパターン68までのマスクパターンが適用される。
ここで、記録グループA1、A2、A3、A4の4つの記録グループに対応するマスクパターン61、62、63、64には、それぞれ全画素に対して25%の記録許容画素が配置される。なお、これらのマスクパターン61、62、63、64それぞれの記録許容画素は互いに異なる位置であり、且つ、補完的な位置に配置されている。
一方、記録グループA5、A6、A7、A8の4つの記録グループに対応するマスクパターン65、66、67、68には記録許容画素は配置されていない。
このようなマスクパターンを適用することにより、マゼンタインクは1回目から4回目までの前半の記録走査ではそれぞれ単位領域内の全画素に対して25%の吐出量ずつ吐出され、5回目から8回目までの後半の記録走査では吐出されない。したがって4回目までの記録走査によって記録媒体上の単位領域内のすべての吐出可能な位置にマゼンタインクを付与することができる。
一方、イエローインクを吐出する吐出口列22Yの記録グループB1からB8までの記録グループに対しては、それぞれマスクパターン71からマスクパターン78までのマスクパターンが適用される。
ここで、マゼンタインクを吐出する吐出口列22Mにおけるそれぞれの記録グループとは逆に、記録グループB1、B2、B3、B4の4つの記録グループに対応するマスクパターン71、72、73、74には記録許容画素は配置されていない。
更に、記録グループB5、B6、B7、B8の4つの記録グル―プに対応するマスクパターン75、76、77、78には、それぞれ単位領域内の全画素に対して25%の記録許容画素が配置される。マスクパターン75、76、77、78の記録許容画素は、それぞれ互いに異なる位置であり、且つ、補完的な位置に配置されている。すなわち、マスクパターン75はマスクパターン61と、マスクパターン76はマスクパターン62と、マスクパターン77はマスクパターン63と、マスクパターン78はマスクパターン64とそれぞれ同じ模様となっている。
なお、イエローインクを吐出する5回目から8回目までの記録走査のそれぞれでは、一つの走査に対応する記録グループに適用されるマスクパターンの記録許容画素は、その走査より前のマゼンタインクを吐出する走査に対応する記録グループに適用されるマスクパターンの記録許容画素の論理和により得られる記録許容画素と同じ位置に配置される。具体的には、記録グループA1、A2、A3、A4に適用されるマスクパターンの記録許容画素の論理和は全画素となるため、記録グループB5、B6、B7、B8のそれぞれに適用されるマスクパターンは必ず該論理和より得られる記録許容画素と同じ位置に配置されている。
したがって、イエローインクは1回目から4回目までの前半の記録走査では吐出されず、5回目から8回目までの後半の記録走査ではそれぞれ単位領域内の全画素に対して25%の吐出量ずつ吐出が行われる。このような構成によって、イエローインクは必ず以前の走査にてマゼンタインクが付与された位置に吐出され、8回目の記録走査の後には、すべての位置(100%)にイエローインクが吐出される。
図11(a)、(b)に記載した構成によれば、記録媒体の単位領域に対する8回の記録走査のうち、1回目から4回目までの記録走査ではマゼンタインクのみを吐出し、5回目から8回目までの記録走査ではイエローインクのみを吐出することが可能となる。
図13は本実施形態の画像処理部における画像処理の過程を説明するためのブロック図である。
色変換処理S31では、画像入力部であるホストコンピュータ301から入力されたRGB形式の多値画像データが、記録に用いるCMYK形式の多値画像データに変換される。
次に、2値化処理S32では、色変換処理にて変換されたCMYK形式の多値画像データのそれぞれが、記憶されていたパターンに従って2値の画像データに展開される。この2値化処理により、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクのそれぞれを吐出するための2値画像データが生成される。
第1選択処理S33Mでは、2値化処理S32により生成されたそれぞれのインクに対応する2値画像データからマゼンタインクを吐出するための2値画像データを選択する。選択されたマゼンタインクを吐出するための2値画像データは前半マスクパターン設定処理S34へ伝送され、上述したマスクパターンが設定される。
第2選択処理S33Yでは、第1選択処理にて選択されなかった2値画像データの中からイエローインクを吐出するためのデータを選択し、後半マスクパターン設定処理S35へと伝送する。伝送されたイエローインクを吐出するためのデータは後半マスクパターン設定処理S35にて上述のマスクパターンが設定される。
第1選択処理S33Mおよび第2選択処理S33Yで選択されなかったシアンインク、ブラックインクを吐出するための2値画像データはフラットマスクパターン設定処理S36へと伝送される。そしてこれらの2値画像データに8回の走査のそれぞれで均等な割合で記録許容画素が配置されたフラットマスクパターンが設定される。
更に、記録データ生成処理S37では、前半マスクパターン設定処理S34、後半マスクパターン設定処理S35およびフラットマスクパターン設定処理S36においてそれぞれの2値画像データに設定されたマスクパターンを用いてマスクパターン処理を行う。以上により、それぞれのインクに関して複数回の記録走査に分配された記録データを生成する。
このように生成された記録データに基づき、インクジェット記録装置300の記録ヘッド7からインクの吐出を行い、画像を形成する。
以上の構成によれば、どの記録走査においても、記録媒体上に先に定着したマゼンタインクにより形成されたインク層の表面上にイエローインクが吐出される。したがって、記録媒体でのビーディングが生じにくくなるため、画像の画質の低下を抑制することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、複数の記録走査のうちの前半の記録走査のみでマゼンタインクを、後半の記録走査のみでイエローインクを吐出する形態について記載した。
これに対し、本実施形態では複数の記録走査のうちの一部の記録走査でマゼンタインクとイエローインクを同時に吐出する形態について記載する。
なお、前述した第1の実施形態と同様の部分については説明を省略する。
図14(a)は本実施形態のマゼンタインクを吐出する吐出口列22Mに適用するマスクパターンを示す図である。また、図14(b)は本実施形態のイエローインクを吐出する吐出口列22Yに適用するマスクパターンを示す図である。
マゼンタインクを吐出する吐出口列22Mの、1回目の走査で用いられる記録グル―プA1から8回目の走査で用いられる記録グループA8までの記録ヘッドには、それぞれマスクパターン81からマスクパターン88までのマスクパターンが適用される。
ここで、マスクパターン81、82には記録許容比率が12.5%となるように、また、マスクパターン83、84、85には記録許容比率が25%となるように記録許容画素が配置されている。また、マスクパターン86、87、88には記録許容画素は配置されていない。
なお、マスクパターン81からマスクパターン85までのマスクパターンの記録許容画素は、それぞれ排他的且つ補完的な位置に配置されている。
また、イエローインクを吐出する吐出口列22Yの記録グループB1から記録グループB8までの記録ヘッドには、マスクパターン91からマスクパターン98までのマスクパターンがそれぞれ適用される。
マスクパターン94、95、96には記録許容比率が25%となるように、また、マスクパターン97、98には記録許容比率が12.5%となるように記録許容画素が配置されている。また、マスクパターン91、92には記録許容比率が配置されていない。
また、マスクパターン83とマスクパターン95、マスクパターン84とマスクパターン96は、それぞれ同じ位置に記録許容画素が配置されている。更に、マスクパターン81とマスクパターン82に配置された記録許容画素の論理和は、マスクパターン94に配置された記録許容画素と一致する。同様に、マスクパターン97とマスクパターン98に配置された記録許容画素の論理和はマスクパターン85に配置された記録許容画素と一致する。
なお、本実施形態においても、イエローインクを吐出する4回目から8回目までの記録走査のそれぞれでは、その走査に対応する記録グループに適用されるマスクパターンの記録許容画素は、その走査より前のマゼンタインクを吐出する走査に対応する記録グループに適用されるマスクパターンの記録許容画素の論理和により得られる記録許容画素と同じ位置に配置される。例えばイエローインクを吐出する4回目の記録走査に対応する記録グループB4に適用されるマスクパターン94では、マゼンタインクを吐出する1、2回目の記録走査に対応する記録グループA1、A2に適用されるマスクパターン81の記録許容画素の論理和から得られる記録許容画素と同じ位置に配置されている。すなわち、4回目のイエローインクを吐出する記録走査に対応するマスクパターン94における記録許容画素は、すべて3回目までのマゼンタインクを吐出する記録走査に対応するマスクパターン81、82、83における記録許容画素の論理和から得られる記録許容画素に含まれていることがわかる。
したがって、1、2、3回目の記録走査ではイエローインクは吐出されず、マゼンタインクのみが吐出される。4回目の記録走査では1、2回目の記録走査でマゼンタインクが付与された記録媒体上の位置に対してイエローインクが吐出される。5回目の記録走査では、3回目の走査でマゼンタインクが付与された領域に対してイエローインクが吐出される。また、5回目の記録走査までの記録走査によって、すべての画素に対するマゼンタインクの吐出は終わっている。更に6、7、8回目の記録走査ではマゼンタインクは吐出されず、既に記録媒体上にマゼンタインクが付与された位置に対してイエローインクが吐出される。
以上の構成によれば、イエローインクとマゼンタインクをどちらも吐出する記録走査があっても、第1の実施形態と同様に、記録媒体上のすべての画素においてマゼンタインク、イエローインクの順にインクを付与することができる。そのため、画質の低下を抑制することが可能となる。
更に、第1の実施形態と比較して、それぞれのインクを吐出する記録走査の回数が増えるため、マルチパス記録方式による効果を好適に得ることができる。
また、吐出口列の端に位置する記録グループA1、記録グループB8の吐出量を減らすことができるため、インクの吐出に伴って発生する気流の影響を受け易い端部の吐出口から吐出されるインク滴の着弾位置ずれを抑制することも併せて可能となる。
なお、以上に説明した実施形態では、記録媒体上のすべての単位領域において接触角が相対的に大きいインクが接触角が相対的に小さいインクよりも後に吐出される形態を記載した。しかし、必ずしもすべての領域で接触角が相対的に大きいインクが後に吐出される必要はない。
また、第1、第2の実施形態では、互いにY方向に対応する位置に配置された第1、第2の吐出口列により構成された記録ヘッドを用い、第1の吐出口列の片方の端部(ここでは上流側)の所定数の吐出口と、第2の吐出口列の片方の端部(ここでは下流側)の所定数の吐出口とを使用しない形態を記載した。しかしながら、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、インクの吐出順序を制御できる構成であれば種々の記録ヘッドで実施可能である。例えば、第1の吐出口列と第2の吐出口列がY方向にずれて配置された記録ヘッドを用い、第1、第2の吐出口列のすべての吐出口を使用する形態であっても本発明を好適に適用することができる。
(第3の実施形態)
第1および第2の実施形態では、複数のインクのうち、第1のインクによるインク層上に第2のインクを付与した際の濡れ性の違いに由来するビーディングの影響が最も大きくなる二種類のインクの付与順序を制御する形態について記載した。
これに対し、本実施形態では、三種類以上の複数のインクの付与順序を制御する形態について記載する。
なお、前述した第1の実施形態と同様の部分については、説明を省略する。
図15は、本実施形態で用いる4種類のインクのうちの2種類のインクの、記録媒体上に定着させた一方のインクのインク層の表面上に他方のインクのインク滴を付与した際の接触角の値、ドットの直径および粒状性を比較した図である。
ここで、ドット直径は、記録媒体3上のベタ領域に対してインク滴が定着した後に形成されるドットの直径を金属顕微鏡にて測定することで算出した。
また、特に付与順序を定めず、同時に二つのインクのベタ画像を記録した画像と、記録媒体上に一方のインクのベタ画像を記録した後に他方のインクのベタ画像を記録したと画像の粒状性を目視で比較することで粒状性の評価を行った。
図15に示すように、接触角が小さい場合はドット直径は大きくなり、接触角が大きい場合はドット直径は小さくなる。
更に、二種類のインクの付与順序を変えた場合の相対的な接触角の値の差が大きいほど、粒状性が低下することが確認できる。
図15を参照するに、イエローインクは他のいずれのインクに対しても、他のインクにより形成されたインク層上に付与された方が粒状性の低下を抑制できることがわかる。
一方、ブラックインクは、他のいずれのインクに対しても、他のインクにより形成されたインク層上に付与される場合、粒状性の低下が顕著になってしまう。したがって、4つのインクの中でブラックインクが最初に記録媒体上に付与される場合に効果的に粒状性の低下を抑制することができることがわかる。
また、シアンインクとマゼンタインクとの2つのインクの積層順については、シアンインクとマゼンタインクのどちらを先に付与しても粒状性はほぼ変わらない。
これらの結果に基づき、本実施形態では、記録媒体の単位領域に対してブラックインク、シアンインクおよびマゼンタインク、イエローインクの順に付与されるように、単位領域ごとに付与順序を設定する。
図16は本実施形態の画像処理部における画像処理の過程を説明するためのブロック図である。
色変換処理S31および2値化処理S32において、画像入力部であるホストコンピュータ301から入力された多値画像データに対して行う処理は第1の実施形態と同様のものである。
記録データ生成処理S37では、2値化処理S32によって2値化されたシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクのそれぞれを吐出するための2値画像データに対して複数のマスクパターを適用して複数回の記録走査にそれぞれ対応する記録データを生成する。なお、設定されるそれぞれのマスクパターンは適宜設定することができる。
記録走査検出処理S40では、記録データ生成処理S37により生成された記録データに基づき、画素ごとにシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクがそれぞれ何回目の記録走査で吐出されるかが検出される。この記録走査検出処理により、複数のインクの吐出順序が1画素単位で判定される。
最適順序判定処理S41では、記録走査検出処理S40により検出されたそれぞれのインクを吐出する記録走査と最適なインクの付与順序に関するデータに基づき、1画素ごとに複数のインクを付与する順序が最適であるかどうかを判定する。なお、最適なインクの吐出順序は予め測定され、ROM304に記憶されている。
前述のように、本実施形態では、ブラックインク、シアンインクあるいはマゼンタインク、イエローインクの順番で吐出されるのが好ましい。
最適順序判定処理S41にて吐出順序が最適であると判定された場合は、記録データはそのまま記録ヘッドへと転送される。
また、吐出順序が最適でないと判定された場合は、記録データは記録順序変更処理S42へと転送される。
記録順序変更処理S42では、記録順序が最適ではない2種類のインクの記録許容画素を入れ替える処理を行い、記録順序の最適化が行われる。その後、順序判定処理S41へと伝送され、記録順序の確認が再度実行される。
以上の構成によれば、3種類以上の複数のインクに対して、インク同士の接触角の値の相対的な大小関係によってインクの付与順序を好適に変更することができる。
すなわち、記録媒体上のすべての単位領域において接触角が相対的に小さいインクにより形成されたインク層の上に接触角が相対的に大きいインクによるインク滴を付与することが可能となる。したがって、インク層が多層構造になってとしてもビーディングに由来する粒状性を更に顕著に抑制することができる。
(第4の実施形態)
第1から第3の実施形態では、記録媒体上の単位領域に対して複数回の記録走査によって記録を行う、いわゆるマルチパス記録方式の記録装置において、複数のインクの吐出順序を制御する方法について記載した。
これに対し、本実施形態では、記録媒体の幅方向の全域に対応した長さを有するそれぞれのインクに対応する記録ヘッドを複数用い、記録ヘッドと記録媒体との相対的な記録走査を1回行うことで記録を行う記録装置において、複数のインクの吐出順序を制御する。
図17は、本実施形態に係る記録装置の内部の構成を部分的に示す側面図である。
4つの記録ヘッド220C、220M、220Y、220Kには、それぞれシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクを吐出する所定数の吐出口(不図示)がZ方向に配列されている。それぞれの吐出口列のZ方向の長さは、記録媒体3上のZ方向の全域に記録を行うことが可能なように、記録媒体3のZ方向の長さ以上である。
搬送ベルト400は、記録媒体3を搬送するベルトであり、給紙部401と排紙部402とによってZ方向と交差するW方向に回転自在に保持されている。
記録媒体3は、給紙部401により給紙され、搬送ベルト400によりW方向に搬送される。
本実施形態における記録ヘッドは、W方向の上流側から記録ヘッド220K、記録ヘッド220C、記録ヘッド220M、記録ヘッド220Yの順に並んで配置されている。
したがって、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクの順に記録媒体の単位領域に対してインクが付与される。
以上の構成によれば、記録媒体上の単位領域に対して1回の記録走査にて記録を行う記録装置であっても、接触角の値に応じて好ましい吐出順序とすることができ、ビーディングに由来する粒状性の低下を抑制することが可能となる。
更に、1回の記録走査で画像を完成することができるため、記録時間の短縮化を達成することも可能となる。
なお、本実施形態ではZ方向の長さが記録媒体の幅に対応する長さである長尺な吐出口列を備えた記録ヘッドを使用したが、短尺な吐出口列をZ方向に複数配列することで長尺化を行った、いわゆるつなぎヘッドを記録ヘッドとして使用することも可能である。
以上説明したように、本発明に記載の記録装置によれば、先に付与されるインクにより形成されるインク層上における後に付与されるインクにより形成されるインク滴の接触角が相対的に小さくなるような順序で複数のインクを付与することができる。そのため、接触角の違いに由来するビーディングによる画質の低下を抑制することが可能となる。
なお、以上に説明した各実施形態では、それぞれフッ素系界面活性剤を含有したインクを使用する形態について記載した。しかし、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、二種類のインクを付与順序を変更して付与した際に接触角の値に大きな差が生じるようなインクを使用する形態であれば種々のインクを適用することが可能である。このような付与順序を変更した際の接触角の違いは、二種類のインクの液相における表面張力がほぼ同じ条件下においては、該二種類のインクの記録媒体に付与された際の臨界表面張力が異なる場合に特に顕著に発生する。このような現象は、フッ素系界面活性剤を含有するインクのみならず、例えばシリコン系界面活性剤を含有するインクを使用する形態であっても発生する。
また、以上に説明した各実施形態では、記録媒体としてインク吸収性の低い塗光紙を使用した。しかし、低吸収紙に限定されず、例えば塩化ビニール紙などの非吸収紙においても効果を得ることができる。更に、記録媒体の種類や記録モードの種類(ドラフトモードや高精細モードなど)に応じて、付与方法を変更する形態であってもよい。
また、以上で説明した実施形態ではマスクパターンを使用してインクの吐出の順序の制御を行っているが、本発明はそれぞれの画素ごとに記録を行うことが可能な手段を有していれば十分に適用することができ、その手段はマスクパターンに限定されるものではない。例えば、X方向に延在する画素列ごとに各画素の記録をいずれの記録走査で記録するかをシーケンシャルに決定することによってインクの吐出の順序の制御を行う形態でも本発明の効果を得ることができる。

Claims (21)

  1. 顔料を含有する第1のインクと、顔料を含有し、前記第1のインクと異なる第2のインクとを吐出可能な記録ヘッドと記録媒体とを走査方向に相対的に走査させる走査手段と、
    前記走査手段による走査をさせながら、前記記録媒体上の単位領域内に複数含まれる画素相当の小領域に対して前記記録ヘッドから前記第1および第2のインクを吐出するように制御する制御手段と、を備える記録装置であって、
    前記記録媒体上に形成された前記第2のインクの層に対する前記第1のインク滴の接触角は、前記記録媒体上に形成された前記第1のインクの層に対する前記第2のインク滴の接触角よりも大きく、
    前記制御手段は、前記第2のインクが前記第1のインクよりも後に吐出される前記記録媒体上の前記単位領域内の前記小領域が、前記第1のインクが前記第2のインクよりも後に吐出される前記記録媒体上の前記単位領域内の前記小領域よりも多くなるように前記第1および第2のインクの吐出を制御することを特徴とする記録装置。
  2. 前記走査手段は、前記記録ヘッドを前記記録媒体上の単位領域に対して複数回、前記走査方向に走査させ、
    前記制御手段は、前記第2のインクが前記第1のインクよりも後の走査にて吐出される前記記録媒体上の単位領域内の前記小領域が、前記第1のインクが前記第2のインクよりも後の走査にて吐出される前記記録媒体上の単位領域内の前記小領域よりも多くなるように前記第1および第2インクの吐出を行うことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記制御手段は、前記記録媒体上の単位領域内のいずれの前記小領域に対しても前記第2のインクが前記第1のインクよりも後に吐出されるように前記第1および第2のインクの吐出を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記走査手段は、前記記録ヘッドを前記記録媒体上の単位領域に対して複数回、前記走査方向に走査させ、
    前記制御手段は、前記記録媒体上の単位領域内のいずれの前記小領域に対しても前記第2のインクが前記第1のインクよりも後の走査にて吐出されるように前記第1および第2のインクの吐出を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の記録装置。
  5. 所定の温度における前記第1のインクの液相における表面張力と、前記所定の温度における前記第2のインクの液相における表面張力と、はほぼ等しいことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 前記第1のインクの液相における表面張力と、前記第2のインクの液相における表面張力と、はそれぞれ30mN/m以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の記録装置。
  7. 前記記録媒体上に形成された前記第1のインクの層における臨界表面張力は、前記記録媒体上に形成された前記第2のインクの層における臨界表面張力よりも大きいことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の記録装置。
  8. 前記記録ヘッドは、顔料を含有し、前記第1および第2のインクと異なる第3のインクを吐出可能であり、
    前記記録媒体上に形成された前記第3のインクの層に対する前記第2のインクの接触角は、前記記録媒体上に形成された前記第2のインクの層に対する前記第3のインクの接触角よりも大きく、
    前記制御手段は、前記第3のインクが前記第2のインクよりも後に吐出される前記記録媒体上の前記単位領域内の前記小領域が、前記第2のインクが前記第3のインクよりも後に吐出される前記記録媒体上の前記単位領域内の前記小領域よりも多くなるように前記第1および第2のインクの吐出を制御することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の記録装置。
  9. 前記記録媒体を、前記記録ヘッドの所定の前記走査と前記所定の走査の次の前記走査の間に前記走査方向と交差する搬送方向に沿って上流側から下流側に搬送する搬送手段を更に備え、
    前記記録ヘッドは、前記第1のインクを吐出する複数の吐出口が配列された第1の吐出口列と、前記第2のインクを吐出する複数の吐出口が配列された第2の吐出口列とを有し、
    前記第2の吐出口列は、前記第1の吐出口列に対して前記走査方向に異なる位置であり、前記搬送方向に沿って下流側にずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の記録装置。
  10. 前記記録媒体を、前記記録ヘッドの所定の前記走査と前記所定の走査の次の前記走査の間に前記走査方向と交差する搬送方向に沿って上流側から下流側に搬送する搬送手段を更に備え、
    前記記録ヘッドは、前記第1のインクを吐出する複数の吐出口が配列された第1の吐出口列と、前記第2のインクを吐出する複数の吐出口が配列された第2の吐出口列とを有し、
    前記第1および第2の吐出口列は、前記走査方向に異なる位置であり、前記搬送方向に対応する位置に配置されており、
    前記第1の吐出口列の下流側の端部に配列された所定数の吐出口と前記第2の吐出口列の上流側の端部に配列された所定数の吐出口を記録に使用しないことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の記録装置。
  11. 前記制御手段は、画像のデータに記録許容画素と非記録許容画素が配置されたマスクパターンを適用することにより前記第1および第2のインクの吐出を制御し、
    前記第2の吐出口列の所定の前記走査において所定数の吐出口に適用されるマスクパターンの模様は、前記第1の吐出口列の前記所定の走査よりも後の前記走査において所定数の吐出口に適用されるマスクパターンの模様と同じであることを特徴とする請求項9または10に記載の記録装置。
  12. 前記第1および第2のインクは、それぞれパーフルオロアルキル基を含有する界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の記録装置。
  13. 前記記録媒体上に形成された前記第2のインクの層上に所定量の前記第1のインクを吐出することで形成されるドットの直径は、前記記録媒体上に形成された前記第1のインクの層上に前記所定量の前記第2のインクを吐出することで形成されるドットの直径よりも小さいことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の記録装置。
  14. 前記記録媒体は、前記第1および第2のインクに対するブリストー法によるインクの1秒間における転移量が20ml・m−2以下であることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の記録装置。
  15. 顔料を含有する第1のインクと、顔料を含有し、前記第1のインクと異なる第2のインクとを含む第1および第2のインクを吐出するための記録ヘッドの記録媒体上の単位領域に対する走査方向への相対的な複数回の走査を行いながら、前記単位領域内に複数含まれる画素相当の小領域のそれぞれに設定された、インクの吐出を決定する記録データを生成するための画像処理装置であって、
    それぞれ、単位領域内の前記小領域への前記第1および第2のインクの吐出または非吐出を示す第1および第2の2値データを取得する取得手段と、
    記録許容画素と非記録許容画素とが配置された複数の第1および第2のマスクパターンをそれぞれ、前記第1の2値データと前記第1のマスクパターンを対応させ、前記第2の2値データと前記第2のマスクパターンを対応させて、用いることで、前記複数回の走査に対応する複数の前記記録データを生成する生成手段と、を備え、
    前記記録媒体上に形成された前記第2のインクの層に対する前記第1のインク滴の接触角は、前記記録媒体上に形成された前記第1のインクの層に対する前記第2のインク滴の接触角よりも大きく、
    前記第1および第2のマスクパターンは、前記複数回の走査のうちの少なくとも前記第2のインクを吐出する所定の走査より前の走査のそれぞれに対応する前記第1のマスクパターンに配置された前記記録許容画素の論理和により得られる記録許容画素と同じ位置に配置された前記所定の走査に対応する前記第2のマスクパターン内の前記記録許容画素の数が、前記所定の走査より前の走査のそれぞれに対応する前記第2のマスクパターンに配置された前記記録許容画素の論理和により得られる記録許容画素と同じ位置に配置された前記所定の走査に対応する前記第1のマスクパターン内の前記記録許容画素の数よりも多くなるように、前記記録許容画素が配置されていることを特徴とする画像処理装置。
  16. 所定の温度における前記第1のインクの液相における表面張力と、前記所定の温度における前記第2のインクの液相における表面張力と、はほぼ等しいことを特徴とする請求項15に記載の画像処理装置。
  17. 前記記録媒体上に形成された前記第1のインクの層における臨界表面張力は、前記記録媒体上に形成された前記第2のインクの層における臨界表面張力よりも大きいことを特徴とする請求項15または16に記載の画像処理装置。
  18. 前記所定の走査に対応する前記第2のマスクパターンの模様は、前記所定の走査よりも前の1つの走査に対応する前記第1のマスクパターンの模様と同じであることを特徴とする請求項15から17のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  19. 前記第1および第2のインクは、それぞれパーフルオロアルキル基を含有する界面活性剤を含むことを特徴とする請求項15から18のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  20. 顔料を含有する第1のインクと、顔料を含有し、前記第1のインクと異なる第2のインクとを吐出可能な記録ヘッドと記録媒体とを相対的に走査させながら、前記記録媒体上の単位領域内に複数含まれる画素相当の小領域に対して前記記録ヘッドから前記第1および第2のインクを吐出する記録方法であって、
    前記記録媒体上に形成された前記第2のインクの層に対する前記第1のインク滴の接触角は、前記記録媒体上に形成された前記第1のインクの層に対する前記第2のインク滴の接触角よりも大きく、
    前記第2のインクが前記第1のインクよりも後に吐出される前記記録媒体上の前記単位領域内の前記小領域が、前記第1のインクが前記第2のインクよりも後に吐出される前記記録媒体上の前記単位領域内の前記小領域よりも多くなるように前記第1および第2のインクの吐出することを特徴とする記録方法。
  21. 請求項20に記載の記録方法を実行するために、記録装置のコンピュータを機能させるプログラム。
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