JP6292014B2 - 導電性ペーストおよびセラミック電子部品 - Google Patents

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本発明は、導電性ペーストおよびセラミック電子部品に関する。
近年、電子機器の小型化・高機能化が急速に進んでおり、電子機器に搭載される積層セラミックコンデンサについても、小型化が要求されている。たとえば、積層セラミックコンデンサの場合、薄層化技術および多層化技術の進展により、アルミ電解コンデンサに代替できる高静電容量を有するものが商品化されるようになった。
このような、積層セラミックコンデンサの薄層化や多層化に伴い、内部電極を形成するための金属成分であるNi粉末は、微細で分散性に優れていることが要求される。
すなわち、導電性ペースト含まれるNi粉末の分散性が悪化すると、積層セラミックコンデンサの作製時において、導電性ペーストをセラミックグリーンシートに印刷し乾燥した場合、塗膜上にはNi粉末の再凝集による塊状物の発生や、塗膜表面粗さが悪化し、その結果、積層セラミックコンデンサの耐電圧特性や静電容量等の電気的特性を著しく劣化させるといった問題が生ずる。
また、導電性ペーストの分散性が悪いと、導電性ペーストを放置した場合、Ni粉末の沈降分離や導電性ペーストの粘度安定性に悪影響を及ぼすといった問題が生ずる。
そこで、たとえば、良好な分散性と粘度安定性を得ることができる導電性ペーストとして、特許文献1に記載されるNi粉末および導電性ペーストが提案されている。
特許文献1に記載のNi粉末は、その表面組成が、Ni:5〜20mol%、Ni(OH)2:25〜75mol%、NiO:15〜65mol%であることを特徴とするNi粉末であり、このようなNi粉末が導電性ペーストに含有されている。
特開2004−330247号公報
しかしながら、特許文献1の導電性ペーストは、焼結抑制として作用する共材が含まれておらず、焼結工程における誘電体層と内部電極との界面において、収縮のミスマッチによるクラックが生じる可能性が高い問題を有していた。
それゆえに、本発明の目的は、良好な分散性と粘度安定性を確保しつつ、焼結抑制として添加している共材とNi粉末との分散状態をさらに改善した導電性ペーストを提供することである。
この発明にかかる導電性ペーストは、少なくとも金属成分と、酸化物と、分散剤と、バインダ樹脂とを含有する導電性ペーストであって、金属成分は、その表面組成が、Ni:3〜22mol%、Ni(OH)2:64〜85mol%、NiO:0〜14mol%のNi粉末であり、分散剤の酸点量は、500〜2000μmol/gであり、バインダ樹脂の酸点量は、15〜100μmol/gであること、を特徴とする、導電性ペーストである。
また、この発明にかかるセラミック電子部品は、前述の導電性ペーストを用いて導体パターンが作製されたこと、を特徴とする、セラミック電子部品である。
この発明にかかる導電性ペーストは、少なくとも金属成分と、酸化物と、分散剤と、バインダ樹脂とを含有する導電性ペーストであって、金属成分は、その表面組成が、Ni:3〜22mol%、Ni(OH)2:64〜85mol%、NiO:0〜14mol%のNi粉末であり、分散剤の酸点量は、500〜2000μmol/gであり、バインダ樹脂の酸点量は、15〜100μmol/gであるため、Ni粉末と共材である酸化物と分散剤とバインダ樹脂との相互作用が最適化され、分散性と粘度安定性を確保しつつ、焼結抑制として添加している共材とNi粉末との良好な分散性を確保することができる。
また、この発明にかかるセラミック電子部品では、内部電極がセラミック本体に埋設されたセラミック電子部品において、前記内部電極が、本発明の導電性ペーストを使用して形成されているので、塗膜の平滑性を確保することが可能となり、電気的特性の良好なセラミック電子部品を高効率で得ることができる。
本発明によれば、良好な分散性と粘度安定性を確保しつつ、焼結抑制として添加している共材とNi粉末との分散状態をさらに改善した導電性ペーストを得ることができる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
本発明にかかるセラミック電子部品の一実施の形態を示す断面図である。
本発明にかかる導電性ペーストおよびその導電性ペーストを用いて導体パターンが形成されたセラミック電子部品の一実施の形態を、その製造方法と共に説明する。セラミック電子部品は、たとえば、積層セラミックコンデンサまたは積層セラミックインダクタのような受動素子や、素子間を電気的に接続する配線導体が形成されている多層セラミック基板などである。本実施の形態では、セラミック電子部品として、積層セラミックコンデンサを例にして説明する。
1.導電性ペースト
導電性ペーストは、Ni粉末と、共材であるBa、Tiを含むペロブスカイト型酸化物と、分散剤と、バインダ樹脂と、有機溶剤とを含む。
Ni粉末の表面組成は、Niが3〜22mol%、Ni(OH)2が64〜85mol%、NiOが0〜14mol%である。
このNi粉末の表面組成は、X線光電子分光法(XPS法)により測定される。
XPS法は、被測定試料であるNi粉末の表面組成、化学状態を分析する電子分光法の一種であり、Ni粉末の表面にX線を照射した時に光電効果によって原子から放出される光電子のエネルギー分布、具体的にはX線によって励起される光電子の運動エネルギーを測定することにより、X線エネルギーと前記運動エネルギーとの差、すなわち束縛エネルギーを求め、これにより元素の同定と化学状態を分析することができる。
また、Ni粉末の平均粒径としては、0.1〜0.4μmのものを用いることが好ましく、これらの間で適宜選択することができる。Ba、Tiを含むペロブスカイト型酸化物の平均粒径としては、1〜100nmのものを用いることが好ましく、これらの間で適宜選択することができる。これは、セラミック電子部品の内部電極の薄層化・多層化の要求に対応するためである。
分散剤の酸点量は、500〜2000μmol/gである。この分散剤は、たとえば、ポリカルボン酸系分散剤である。また、バインダ樹脂として、たとえば、ブチルカルビトールに樹脂を溶解した樹脂溶液が用いられ、酸点量は、15〜100μmol/gである。ブチルカルビトールに溶解される樹脂としては、たとえば、エチルセルロース、セルロースアセテートブチレート等が用いられる。バインダ樹脂の配合比率は、2〜8重量部/Ni重量部となることが好ましく、特に、3.5〜6.5重量部/Ni重量部になることが好ましく、これらの間で適宜選択することができる。そして、残部としてブチルカルビトールが含まれる。
2.積層セラミックコンデンサ
図1は、前述の導電性ペーストを用いて内部電極が形成された積層セラミックコンデンサ1を示す長さ方向の垂直断面図である。
積層セラミックコンデンサ1は、セラミック本体10と、セラミック本体10の左右の端部に形成された外部電極20,22とを備えている。
セラミック本体10は、複数の内層用セラミック層11と、複数の内層用セラミック層11同士の界面に配設された複数の内部電極12,13と、複数の内層用セラミック層11を挟むように上下に配設された外層用セラミック層15a,15bとで構成された直方体形状の積層体構造を有している。
内部電極12と内部電極13とは、厚み方向において、内層用セラミック層11を介して対向している。この内部電極12と内部電極13とが、内層用セラミック層11を介して対向している部分に静電容量が形成されている。内部電極12,13は、前述の導電性ペーストを用いて作製されている。内部電極12,13は、Niからなる卑金属電極である。
内部電極12の左側端部は、セラミック本体10の左側の端面に引き出されて外部電極20に電気的に接続されている。内部電極13の右側端部は、セラミック本体10の右側の端面に引き出されて外部電極22に電気的に接続されている。
内層用セラミック層11は、Ba、Tiを主たる成分とするペロブスカイト型酸化物などの誘電体材料からなる。上下に配設された外層用セラミック層15a,15bも、それぞれ、内層用セラミック層11と同じ誘電体材料が用いられている。
また、外部電極20,22は、Cuを含む電極層と、その電極層の表面に形成されるはんだ食われを防止するためのNiを含む第1のめっき層と、第1のめっき層の表面に形成されるSnを含む第2のめっき層とにより構成された3層構造で構成されている。
以上の構成からなる積層セラミックコンデンサ1は、内部電極12,13が、前述の表面組成を備えるNi粉末と、酸点量が調整された分散剤およびバインダ樹脂を用いているため、Ni粉末と共材であるBa、Tiを含むペロブスカイト型酸化物と分散剤とバインダ樹脂との相互作用が最適化され、良好な粘度特性及び塗膜特性を得ることができる。したがって、分散性と粘度安定性を確保しつつ、焼結抑制として添加している共材とNi粉末との良好な分散性を確保することができる。その結果、この発明にかかる導電性ペーストを使用することによって、塗膜の平滑性を確保することが可能となり、電気的特性の良好な積層セラミック電子部品を高効率で得ることができる。
3.積層セラミックコンデンサの製造方法
次に、前述の積層セラミックコンデンサ1の製造方法を説明する。
(内層もしくは外層用セラミックグリーンシートの作製)
まず、誘電体材料として、Ba、Tiを主たる成分とするペロブスカイト型酸化物が準備される。この誘電体材料から得られた誘電体粉末に有機バインダ、有機溶剤、可塑剤および分散剤を所定の割合で混合し、セラミックスラリーが作製される。このセラミックスラリーは、樹脂フィルム上に、たとえば、乾燥後の厚みが3.0μmとなるようにして、内層もしくは外層用セラミックグリーンシートに成形される。
(導電性ペーストの作製)
次に、Ni粉末と、共材であるBa,Tiを含むペロブスカイト型酸化物と、ポリカルボン酸系分散剤と、バインダ樹脂と、有機溶剤とが準備される。
Ni粉末の表面組成は、Niが3〜22mol%、Ni(OH)2が64〜85mol%、NiOが0〜14mol%である。Ni粉末の平均粒径としては、0.1〜0.4μmのものを用いることが好ましく、これらの間で適宜選択することができる。また、準備されるBa、Tiを含むペロブスカイト型酸化物の平均粒径としては、1〜100nmのものを用いることが好ましく、これらの間で適宜選択することができる。
分散剤の酸点量は、500〜2000μmol/gである。この分散剤は、たとえば、ポリカルボン酸系分散剤である。また、バインダ樹脂として、たとえば、ブチルカルビトールに樹脂を溶解した樹脂溶液が用いられ、酸点量は、15〜100μmol/gである。ブチルカルビトールに溶解される樹脂としては、たとえば、エチルセルロース、セルロースアセテートブチレート等が用いられる。バインダ樹脂の配合比率は、2〜8重量部/Ni重量部となることが好ましく、特に、3.5〜6.5重量部/Ni重量部になることが好ましく、これらの間で適宜選択することができる。そして、残部としてブチルカルビトールが含まれる。
上述の配合比率となるように、Ni粉末、共材であるBa,Tiを含むペロブスカイト型酸化物と、ポリカルボン酸系分散剤と、バインダ樹脂と、有機溶剤とが調合され、ボールミルにより導電性ペーストが作製される。
(積層セラミックコンデンサの作製)
次に、内層用セラミックグリーンシート上に、たとえば、乾燥後の厚みが1±0.1μmになるように本発明にかかる導電性ペーストがスクリーン印刷され、内部電極12,13となる導電性ペースト膜(焼成前の導体パターン)が形成される。
次に、導電性ペースト膜が形成された内層用セラミックグリーンシートは、導電性ペースト膜の端部の引き出し方向が互い違いになるように、複数枚積層される。さらに、外層用セラミックグリーンシート層が、積層された内層用セラミックグリーンシートを挟むように上下に積層される。すなわち、内層用セラミックグリーンシートと同じ材料からなり、かつ、導電性ペースト膜が形成されていない外層用セラミックグリーンシートが、所定の厚みになるように複数枚積層されて圧着され、積層体が形成される。そして、この積層体は、所定の製品サイズに切り分けられ、未焼成のセラミック本体10が得られる。
次に、切り分けられた未焼成のセラミック本体10は、窒素雰囲気中、400℃、10時間の条件で脱脂処理された後、窒素−水素−水蒸気混合雰囲気中、トップ温度1200℃、酸素分圧10-9〜10-10MPaの条件で焼成され、焼結したセラミック本体10とされる。
内層用および外層用セラミックグリーンシートと導電性ペースト膜とは同時焼成され、内層用セラミックグリーンシートは内層用セラミック層11となり、外層用セラミックグリーンシートは外層用セラミック層15a,15bとなり、導電性ペースト膜は内部電極12,13となる。
次に、焼結したセラミック本体10の両端部に、それぞれ、Cuを主成分とする外部電極ペーストが塗布されて焼き付けられ、内部電極12,13に電気的に接続された電極層が形成される。さらに、電極層の表層に、NiめっきおよびSnめっきが施され、外部電極20,22が形成される。こうして、所望の積層セラミックコンデンサ1が得られる。
(実験例)
1.実験例
以下、実験例の試料が作製され、導電性ペーストの特性評価(粘度変化率測定、塗膜平滑性、Ni/共材分散状態、耐電圧不良率評価、容量低下品の発生率)が行われた。
(内層用もしくは外層用セラミックグリーンシートの作製)
まず、内層用および外層用セラミック層の主成分は、誘電体材料として、Ba、Tiを含むペロブスカイト型酸化物を使用した。上記セラミックス誘電体粉末を有機バインダ、有機溶剤、可塑剤、分散剤を所定の割合で混合し、セラミックスラリーを調整した。それから、このセラミックスラリーを樹脂フィルム上に、乾燥後の厚みが3.0μmになるように形成して、内層用もしくは外層用セラミックグリーンシートを作製した。
(導電性ペーストの作製)
次に、この内層用セラミックグリーンシートに、焼成後のセラミック素子の大きさ(3.2mm×1.6mm)に対応するようなパターンで、導電性ペーストを乾燥後の厚みが1±0.1μmになるようにスクリーン印刷した。
なお、導電性ペーストとしては、表1に示すような表面組成とした、Ni粉末を50重量部と、共材としてBa、Tiを含むペロブスカイト型酸化物を5重量部と、ブチルカルビトールに表1に示すような酸点量としたそれぞれの樹脂10重量部を溶解した樹脂溶液と、表1に示すような酸点量としたポリカルボン酸系分散剤1重量部と、残部としてブチルカルビトールを配合してなる、表1に示した各試料の導電性ペーストが作製された。
ここで、Ni粉末の表面組成は、X線光電子分光法(XPS法)により測定した。測定には、アルバック・ファイ社製のQuantum2000を使用し、ナロースペクトル(Ni2p3/2)について、ニッケル/水酸化ニッケル/酸化ニッケルにおけるピーク分離を行い、Ni、Ni(OH)2、NiOの各結合状態のmol%を定量化した。
ポリカルボン酸系分散剤の酸点量は、カリウムメトキシドを滴定溶媒とした中和滴定により、分散剤の酸点量測定をした。
また、バインダ樹脂として用いられる表1に示すそれぞれの樹脂種に対する酸点量は、カリウムメトキシドを滴定溶媒とした中和滴定により、バインダ樹脂の酸点量測定をした。
Ni粉末の平均粒径は、0.2μmのものを用いた。また、Ba、Tiを含むペロブスカイト型酸化物の平均粒径は、30nmのものを用いた。バインダ樹脂の配合比率は、5.0重量部/Ni重量部となるように調合し、ボールミルで導電性ペーストを得た。
Figure 0006292014
(評価試料の作製)
それから、導電性ペーストをスクリーン印刷した内層用セラミックグリーンシートおよび外層用セラミックグリーンシートを樹脂フィルムから剥離後、あわせて350枚重ねて、圧着することにより積層体を形成し、この積層体を所定の大きさにカットして個々の未焼成のセラミック本体に分割した。
そして、個々のセラミック本体を、窒素雰囲気中、400℃、10時間の条件で脱脂処理した後、窒素−水素−水蒸気混合雰囲気中、トップ温度1200℃、酸素分圧10-9〜10-10MPaの条件で焼成した。
次に、得られた焼成後のセラミック本体に、Cu粉末70重量部、SiO2含有量が43%であるホウケイ酸系ガラスフリット10重量部、ブチルカルビトールにエチルセルロース20重量部を溶かした樹脂溶液20重量部を含有する外部電極ペーストを、乾燥後の側面厚みで50μmになるようにディップ法により塗布し、乾燥させた。その後、窒素−Air−水蒸気混合雰囲気もしくは窒素−水素−水蒸気混合雰囲気中、トップ温度790〜880℃で、トップ温度時の酸素起電力が220〜280mVの条件で、電極層を形成した。
その後、電極層の表面にNiを含む第1のめっき層、第1のめっき層の表面にSnを含む第2のめっき層を形成することにより、3層構造に構成された外部電極を形成し、各試料である積層セラミックコンデンサを作製した。
2.各試料の特性評価の方法
(粘度変化率測定)
粘度変化率は、E型粘度計により、初期粘度を20℃、1rpmの条件で測定し、下記式により30日後の初期粘度からの変化率(粘度変化率)を算出した。
30日後の初期粘度からの変化率(%)=(30日後の粘度−初期粘度)/初期粘度×100
(塗膜平滑性)
塗膜平滑性は、印刷した印刷塗膜表面をレーザー顕微鏡(対物レンズ×10、n=5)で観察し、面内表面粗さSaを算出した。
(Ni/共材分散状態)
Ni/共材分散状態は、印刷した印刷塗膜表面をFE−SEMを用いて、倍率×10000、視野数n=20視野の条件で測定し、1μm以上の共材の凝集が1つでもある場合、NGと判断した。測定箇所は、電極塗膜の中心部とした。
(耐電圧不良率評価)
耐電圧不良率は、各試料の10000個に対して、150Vの直流電圧を印加したときの短絡不良の有無を測定し、下記式により算出した。
耐電圧不良率=短絡した試料数/10000
(容量低下品の発生率)
静電容量低下品の発生率は、各試料10000個に対して、静電容量を測定し、設計容量の90%に満たない試料を容量低下品と判断し、その発生率を算出した。
3.各試料に対する特性評価の結果
表2は、粘度変化率測定、塗膜平滑性、Ni/共材分散状態、耐電圧不良率評価および容量低下品の発生率のそれぞれの評価結果を示す。
Figure 0006292014
表2から、本発明の範囲内である、試料番号1ないし試料番号4の導電性ペーストを用いた場合、優れた「粘度変化率」、「塗膜平滑性」、「Ni/共材分散状態」、「耐電圧不良率評価」および「容量低下品の発生率」を有していることが確認された。すなわち、試料番号1ないし試料番号4の導電性ペーストは、粘度安定性が確保され、かつ、塗膜特性が適正に制御できるので、その結果、この導電性ペーストを用いた試料は、良好な電気的特性を示すことが確認された。
試料番号1ないし試料番号4の導電性ペーストは、Ni粉末と、共材であるBa,Tiを含むペロブスカイト型酸化物と、ポリカルボン酸系分散剤と、バインダ樹脂と、有機溶剤とを含み、Ni粉末の表面組成は、Niが3〜22mol%、Ni(OH)2が64〜85mol%、NiOが0〜14mol%であり、ポリカルボン酸系分散剤の酸点量は、500〜2000μmol/gであり、バインダ樹脂として、たとえば、ブチルカルビトールに樹脂を溶解した樹脂溶液が用いられ、酸点量は、15〜100μmol/gである。
この導電性ペーストでは、Ni粉末と共材と分散剤とバインダ樹脂との相互作用が適正化され、その結果、良好な粘度安定性、塗膜特性を得ることができ、加えて、この導電性ペーストを用いた試料は、良好な電気的特性が得られていると考えられる。
一方、本発明の範囲外である試料番号5ないし試料番号11の導電性ペーストを用いた場合、Ni粉末と共材とバインダ樹脂との相互作用が適切でないため、所望の粘度安定性および塗膜特性が得られず、その結果、所望の電気的特性を有する試料が得られていないと考えられる。
本発明の範囲外である試料番号5および試料番号7の導電性ペースト(Ni粉末の表面組成において、NiとNi(OH)2の量が本発明の範囲外である導電性ペースト)を用いた場合、粘度安定性が低く、塗膜平滑性およびNi/共材分散状態がNGであり、耐電圧不良率がそれぞれ0.54%および0.43%と高く、さらに容量低下品の発生率がそれぞれ0.56%および0.65%と高いため、実用に適さない。試料番号5および試料番号7の導電性ペーストは、Ni粉末の表面組成として、NiおよびNi(OH)2の量が適正でないため、分散剤およびバインダ樹脂の吸着状態が適正でないことから、その結果、粘度安定性が低下し、Ni粉末および共材の分散不良が生じていると想定される。
本発明の範囲外である試料番号6の導電性ペースト(Ni粉末の表面組成において、NiOの量が本発明の範囲外である導電性ペースト)を用いた場合、Ni/共材分散状態がNGであり、耐電圧不良率が0.12%と高く、容量低下品の発生率が0.48%と高いため、実用に適さない。試料番号6の導電性ペーストは、NiOの量が適正でないため、分散剤の吸着状態が適正でないことから、その結果、共材の分散不良が生じていると想定される。
本発明の範囲外である試料番号8の導電性ペースト(分散剤の酸点量が100μmol/gである導電性ペースト)を用いた場合、塗膜平滑性が劣化しており、耐電圧不良率が0.48%と高く、容量低下品の発生率が0.23%と高いため、実用に適用に適さない。また、本発明の範囲外である試料番号9の導電性ペースト(分散剤の酸点量が3000μmol/gである導電性ペースト)を用いた場合、粘度安定性が低く、Ni/共材分散状態がNGであり、耐電圧不良率が0.55%と高く、容量低下品の発生率が0.62%と高いため、実用に適さない。試料番号8および試料番号9の導電性ペーストは、分散剤の酸点量が適切でないため、分散剤の吸着状態もしくは分散剤およびバインダ樹脂の吸着状態が適正でないことから、その結果、Ni粉末の分散不良や、粘度安定性の低下および共材の分散不良が生じていると想定される。
本発明の範囲外である試料番号10および試料番号11の導電性ペースト(バインダ樹脂の酸点量が200および7μmol/gである導電性ペースト)を用いた場合、粘度安定性が低く、実用に適さない。試料番号10および試料番号11の導電性ペーストは、バインダ樹脂の酸点量が適切でないため、バインダ樹脂の吸着状態が適正でないことから、粘度安定性の低下が生じていると想定される。
なお、この発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形される。
1 セラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)
10 セラミック本体
11 内層用セラミック層
12,13 内部電極
15a,15b 外層用セラミック層
20,22 外部電極

Claims (2)

  1. 少なくとも金属成分と、酸化物と、分散剤と、バインダ樹脂とを含有する導電性ペーストであって、
    前記金属成分は、その表面組成が、Ni:3〜22mol%、Ni(OH)2:64〜85mol%、NiO:0〜14mol%のNi粉末であり、
    前記分散剤の酸点量は、500〜2000μmol/gであり、
    前記バインダ樹脂の酸点量は、15〜100μmol/gであること、
    を特徴とする、導電性ペースト。
  2. 請求項1に記載の導電性ペーストを用いて導体パターンが作製されたこと、を特徴とする、セラミック電子部品。
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