JP6291768B2 - 原子共鳴遷移装置、原子発振器、電子機器および移動体 - Google Patents

原子共鳴遷移装置、原子発振器、電子機器および移動体 Download PDF

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Description

本発明は、子共鳴遷移装置、原子発振器、電子機器および移動体に関するものである。
長期的に高精度な発振特性を有する発振器として、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属の原子のエネルギー遷移に基づいて発振する原子発振器が知られている。
一般に、原子発振器の動作原理は、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用した方式と、波長の異なる2種類の光による量子干渉効果(CPT:Coherent Population Trapping)を利用した方式とに大別される。
いずれの方式の原子発振器においても、通常、アルカリ金属をガスセル(原子セル)内に封入し、そのアルカリ金属を一定のガス状態に保つために、ガスセルをヒーターにより所定温度に加熱する。
ここで、一般に、ガスセル内のアルカリ金属は、そのすべてがガス化するのではなく、一部が余剰分として液体となる。このような余剰分のアルカリ金属原子は、ガスセルの温度の低い部分に析出(結露)することにより液体となるが、励起光の通過領域に存在すると、励起光を遮ってしまい、その結果、原子発振器の発振特性の低下を招くこととなる。
そこで、特許文献1に係るガスセルでは、アルカリ金属を析出させるための凹部がガスセルの内壁面に設けられている。
しかし、特許文献1に係るガスセルでは、凹部内に析出した余剰分のアルカリ金属が励起光の通過領域に比較的近くで面した状態であるため、励起されるガス状のアルカリ金属の一部が凹部内の余剰分のアルカリ金属と接触してしまい、それにより、励起されるガス状のアルカリ金属の状態が不均一となり、その結果、発振特性が低下(例えば周波数変動)するという問題があった。
特開2010−205875号公報
本発明の目的は、余剰分の金属原子による特性の低下を抑制することができる子共鳴遷移装置および原子発振器を提供すること、また、かかる原子共鳴遷移装置を備える信頼性に優れた電子機器および移動体を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本発明の原子セルは、1対の窓部と、
前記1対の窓部の間に配置され、前記1対の窓部とともに内部空間を構成している胴部と、
前記内部空間に封入されている金属原子と、を備え、
前記内部空間の、前記1対の窓部が並ぶ方向に対して交わる断面において、互いに垂直な方向に沿った長さをL1およびL2としたとき、L2/L1≧1.1の関係を満たすことを特徴とする。
このような原子セルによれば、長手形状部の長手方向(第1方向)での一端部に余剰分である液体状または固体状の金属原子を配置するとともに、他端側に偏在した位置に気体状の金属原子に共鳴する共鳴光対を含む光を照射することにより、当該光の幅を大きくして当該光と胴部の内壁面との間の距離が小さくなっても、当該光と液体状または固体状の金属原子との間の距離を大きくすることができる。その結果、余剰分の金属原子による特性の低下を抑制することができる。
[適用例2]
本発明の原子セルでは、前記断面を有する長手形状部が、前記1対の窓部が並ぶ方向に沿って延在していることが好ましい。
これにより、長手形状部の長手方向(第1方向)での一端部に配置される液体状または固体状の金属原子の量を十分に確保することができる。
[適用例3]
本発明の原子セルでは、前記L2は、前記1対の窓部が並ぶ方向に沿った前記内部空間の全域に亘って揃っていることが好ましい。
これにより、一定幅の貫通孔を有する胴部を用いればよいため、胴部の形成が比較的容易となる。
[適用例4]
本発明の原子セルでは、前記L2が、前記1対の窓部が並ぶ方向に沿った前記内部空間の端部または途中で大きい部分を有していることが好ましい。
これにより、固体状または液体状の金属原子を所望の局所的な位置に容易に配置することができる。
[適用例5]
本発明の原子セルでは、前記断面形状は、楕円形であることが好ましい。
これにより、内部空間の無駄なスペースを少なくすることができる。その結果、原子セルの小型化を図ることができる。また、原子セルの内部空間の壁面が曲面部を有するので、原子セルの製造が簡単になる。
[適用例6]
本発明の原子セルでは、前記L1は、0.5mm以上3mm以下の範囲内にあることが好ましい。
これにより、原子セルの小型化を図ることができる。また、このように原子セルが小型である場合、発振特性を高める観点から、共鳴光対を含む光が照射される気体状の金属原子の量を多くするため、共鳴光対を含む光の幅をできるだけ大きくする必要がある。このような場合に、共鳴光対を含む光と胴部の内壁面との間の距離が小さくなっても、前述したL1およびL2の関係を満たすことにより、共鳴光対を含む光と固体状または液体状の金属原子との間の距離を、余剰分の金属原子による特性の低下を抑制し得る程度に大きくすることができる。
[適用例7]
本発明の原子共鳴遷移装置は、本発明の原子セルと、
前記金属原子を共鳴させるための共鳴光対を含む光を前記原子セルに向けて出射する光出射部と、を備え、
前記長手形状部は、長手方向での一端部に液体状または固体状の金属原子が配置されている金属溜り部を有し、
前記胴部の内壁面と前記光との間の距離をD1とし、前記金属溜り部に配置されている液体状または固体状の金属原子と前記光との間の距離をD2としたとき、
2×D1≦D2の関係を満たすことを特徴とする。
このような原子共鳴遷移装置によれば、長手形状部の長手方向(第1方向)での一端部に余剰分である液体状または固体状の金属原子を配置するとともに、他端側に偏在した位置に気体状の金属原子に共鳴する共鳴光対を含む光を照射することにより、当該光の幅を大きくして当該光と胴部の内壁面との間の距離が小さくなっても、当該光と液体状または固体状の金属原子との間の距離を大きくすることができる。その結果、余剰分の金属原子による特性の低下を抑制することができる。
[適用例8]
本発明の原子共鳴遷移装置では、前記1対の窓部が並ぶ方向から見たとき、前記長手形状部の中心と前記光の中心とが前記長手方向にずれていることが好ましい。
これにより、長手形状部の長手方向(第1方向)での一端部に余剰分である液体状または固体状の金属原子を配置するとともに、他端側に偏在した位置に気体状の金属原子に共鳴する共鳴光対を含む光を照射することができる。
[適用例9]
本発明の原子共鳴遷移装置では、前記D1は、0.05mm以上1mm以下の範囲内にあることが好ましい。
これにより、共鳴光対を含む光が照射される気体状の金属原子の量を多くしながら、胴部の内壁面近傍の他と挙動の異なる金属原子が共鳴光対を含む光に共鳴することによる特性の低下を抑制することができる。
[適用例10]
本発明の原子共鳴遷移装置は、金属原子が封入されている内部空間を有する原子セルと、
前記金属原子を共鳴させるための共鳴光対を含む光を前記原子セルに向けて出射する光出射部と、を備え、
前記内部空間は、前記内部空間の壁面の一部に液体状または固体状の金属原子を配置している金属溜り部を有し、
前記内部空間の壁面と前記光との間の距離をD1とし、前記金属溜り部に配置されている液体状または固体状の金属原子と前記光との間の距離をD2としたとき、
2×D1≦D2の関係を満たすことを特徴とする。
このような原子共鳴遷移装置によれば、長手形状部の長手方向(第1方向)での一端部に余剰分である液体状または固体状の金属原子を配置するとともに、他端側に偏在した位置に気体状の金属原子に共鳴する共鳴光対を含む光を照射することにより、当該光の幅を大きくして当該光と胴部の内壁面との間の距離が小さくなっても、当該光と液体状または固体状の金属原子との間の距離を大きくすることができる。その結果、余剰分の金属原子による特性の低下を抑制することができる。
[適用例11]
本発明の原子発振器は、本発明の原子共鳴遷移装置を備えることを特徴とする。
これにより、余剰分の金属原子による特性の低下を抑制することができる原子発振器を提供することができる。
[適用例12]
本発明の電子機器は、本発明の原子共鳴遷移装置を備えることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する電子機器を提供することができる。
[適用例13]
本発明の移動体は、本発明の原子共鳴遷移装置を備えることを特徴とする。
これにより、優れた信頼性を有する移動体を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る原子発振器(原子共鳴遷移装置)を示す概略図である。 アルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図である。 光出射部から出射される2つの光の周波数差と、光検出部で検出される光の強度との関係を示すグラフである。 図1に示す原子発振器が備えるガスセルの斜視図である。 図4に示すガスセルの縦断面図である。 図4に示すガスセルの横断面図である。 距離D1、D2と周波数安定度Δf/fとの関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係るガスセルを示す横断面図である。 本発明の第3実施形態に係るガスセルを示す縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係るガスセルを示す縦断面図である。 本発明の第5実施形態に係るガスセルを示す横断面図である。 GPS衛星を利用した測位システムに本発明の原子発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。 本発明の移動体の一例を示す図である。
以下、本発明の子共鳴遷移装置、原子発振器、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.原子発振器(量子干渉装置)
まず、本発明の原子発振器(本発明の原子共鳴遷移装置を備える原子発振器)について説明する。なお、以下では、本発明の原子共鳴遷移装置を原子発振器(量子干渉装置)に適用した例を説明するが、本発明の原子共鳴遷移装置は、これに限定されず、原子発振器の他、例えば、磁気センサー、量子メモリー等にも適用可能である。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る原子発振器(原子共鳴遷移装置)を示す概略図である。また、図2は、アルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図、図3は、光出射部から出射される2つの光の周波数差と、光検出部で検出される光の強度との関係を示すグラフである。
図1に示す原子発振器1は、量子干渉効果を利用した原子発振器である。
この原子発振器1は、図1に示すように、ガスセル2(原子セル)と、光出射部3と、光学部品41、42、43、44と、光検出部5と、ヒーター6と、温度センサー7と、磁場発生部8と、制御部10とを備える。
まず、原子発振器1の原理を簡単に説明する。
図1に示すように、原子発振器1では、光出射部3がガスセル2に向けて励起光LLを出射し、ガスセル2を透過した励起光LLを光検出部5が検出する。
ガスセル2内には、ガス状のアルカリ金属(金属原子)が封入されており、アルカリ金属は、図2に示すように、3準位系のエネルギー準位を有し、エネルギー準位の異なる2つの基底状態(基底状態1、2)と、励起状態との3つの状態をとり得る。ここで、基底状態1は、基底状態2よりも低いエネルギー状態である。
光出射部3から出射された励起光LLは、周波数の異なる2種の共鳴光1、2を含んでおり、この2種の共鳴光1、2を前述したようなガス状のアルカリ金属に照射したとき、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)に応じて、共鳴光1、2のアルカリ金属における光吸収率(光透過率)が変化する。
そして、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数に一致したとき、基底状態1、2から励起状態への励起がそれぞれ停止する。このとき、共鳴光1、2は、いずれも、アルカリ金属に吸収されずに透過する。このような現象をCPT現象または電磁誘起透明化現象(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)と呼ぶ。
例えば、光出射部3が共鳴光1の周波数ω1を固定し、共鳴光2の周波数ω2を変化させていくと、共鳴光1の周波数ω1と共鳴光2の周波数ω2との差(ω1−ω2)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数ω0に一致したとき、光検出部5の検出強度は、図3に示すように、急峻に上昇する。このような急峻な信号をEIT信号として検出する。このEIT信号は、アルカリ金属の種類によって決まった固有値をもっている。したがって、このようなEIT信号を用いることにより、発振器を構成することができる。
以下、原子発振器1の各部を順次詳細に説明する。
[ガスセル]
ガスセル2内には、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属が封入されている。また、ガスセル2内には、必要に応じて、アルゴン、ネオン等の希ガス、窒素等の不活性ガスが緩衝ガスとしてアルカリ金属ガスとともに封入されていてもよい。
後に詳述するが、ガスセル2は、胴部21と、胴部21を挟んで設けられた1対の窓部22、23とを有し、胴部21および1対の窓部22、23により、気体状のアルカリ金属と、余剰分である液体状または固体状のアルカリ金属とが封入される内部空間S1が形成さている(図5および図6参照)。なお、ガスセル2の構成については、内部空間S1と励起光LLとの位置関係の説明とともに、後に詳述する。
このようなガスセル2は、ヒーター6により、例えば、70℃程度に温度調節される。
[光出射部]
光出射部3(光源)は、ガスセル2中のアルカリ金属原子を励起する励起光LLを出射する機能を有する。
より具体的には、光出射部3は、励起光LLとして、前述したような周波数の異なる2種の光(共鳴光1および共鳴光2)を出射するものである。
共鳴光1は、ガスセル2内のアルカリ金属を前述した基底状態1から励起状態へ励起(共鳴)し得るものである。一方、共鳴光2は、ガスセル2内のアルカリ金属を前述した基底状態2から励起状態へ励起(共鳴)し得るものである。
この光出射部3としては、前述したような励起光を出射し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)等の半導体レーザー等を用いることができる。
このような光出射部3は、後述する制御部10の励起光制御部12に接続され、光検出部5の検出結果に基づいて駆動制御される(図1参照)。
また、このような光出射部3は、図示しない温度調節素子(発熱抵抗体、ペルチェ素子等)により、所定温度に温度調節される。
[光学部品]
複数の光学部品41、42、43、44は、それぞれ、前述した光出射部3とガスセル2との間における励起光LLの光路上に設けられている。
ここで、光出射部3側からガスセル2側へ、光学部品41、光学部品42、光学部品43、光学部品44の順に配置されている。
光学部品41は、レンズである。これにより、励起光LLを無駄なくガスセル2へ照射することができる。
また、光学部品41は、励起光LLを平行光とする機能を有する。これにより、励起光LLがガスセル2の内壁で反射するのを簡単かつ確実に防止することができる。そのため、ガスセル2内での励起光の共鳴を好適に生じさせ、その結果、原子発振器1の発振特性を高めることができる。
光学部品42は、偏光板である。これにより、光出射部3からの励起光LLの偏光を所定方向に調整することができる。
光学部品43は、減光フィルター(NDフィルター)である。これにより、ガスセル2に入射する励起光LLの強度を調整(減少)させることができる。そのため、光出射部3の出力が大きい場合でも、ガスセル2に入射する励起光を所望の光量とすることができる。本実施形態では、前述した光学部品42を通過した所定方向の偏光を有する励起光LLの強度を光学部品43により調整する。
光学部品44は、λ/4波長板である。これにより、光出射部3からの励起光LLを直線偏光から円偏光(右円偏光または左円偏光)に変換することができる。
後述するように磁場発生部8の磁場によりガスセル2内のアルカリ金属原子がゼーマン***した状態において、仮に直線偏光の励起光をアルカリ金属原子に照射すると、励起光とアルカリ金属原子との相互作用により、アルカリ金属原子がゼーマン***した複数の準位に均等に分散して存在することとなる。その結果、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数が他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に少なくなるため、所望のEIT現象を発現する原子数が減少し、所望のEIT信号の強度が小さくなり、その結果、原子発振器1の発振特性の低下をもたらす。
これに対し、後述するように磁場発生部8の磁場によりガスセル2内のアルカリ金属原子がゼーマン***した状態において、円偏光の励起光をアルカリ金属原子に照射すると、励起光とアルカリ金属原子との相互作用により、アルカリ金属原子がゼーマン***した複数の準位のうち、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数を他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に多くすることができる。そのため、所望のEIT現象を発現する原子数が増大し、所望のEIT信号の強度が大きくなり、その結果、原子発振器1の発振特性を向上させることができる。
[光検出部]
光検出部5は、ガスセル2内を透過した励起光LL(共鳴光1、2)の強度を検出する機能を有する。
この光検出部5としては、上述したような励起光を検出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、太陽電池、フォトダイオード等の光検出器(受光素子)を用いることができる。
このような光検出部5は、後述する制御部10の励起光制御部12に接続されている(図1参照)。
[ヒーター]
ヒーター6(加熱部)は、前述したガスセル2(より具体的にはガスセル2中のアルカリ金属)を加熱する機能を有する。これにより、ガスセル2中のアルカリ金属を適切な濃度のガス状に維持することができる。
このヒーター6は、通電(直流)により発熱するものであり、例えば、図示しないが、ガスセル2の外表面上に設けられた2つの発熱抵抗体で構成されている。
ここで、一方の発熱抵抗体は、ガスセル2の窓部22(入射側窓部)に設けられ、他方の発熱抵抗体は、ガスセル2の窓部23(出射側窓部)上に設けられている。各窓部22、23のそれぞれに発熱抵抗体を配置することにより、ガスセル2の窓部22、23にアルカリ金属原子が結露するのを防止することができる。その結果、原子発振器1の特性(発振特性)を長期にわたり優れたものとすることができる。
このような発熱抵抗体は、励起光に対する透過性を有する材料、具体的には、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In、SnO、Sb含有SnO、Al含有ZnO等の酸化物等の透明電極材料で構成される。
また、発熱抵抗体は、例えば、プラズマCVD、熱CVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着等の乾式メッキ法、ゾル・ゲル法等を用いて形成することができる。
なお、ヒーター6は、ガスセル2を加熱することができるものであれば、前述した形態に限定されず、各種ヒーターを用いることができる。また、ヒーター6は、ガスセル2に対して非接触であってもよい。また、ヒーター6に代えて、または、ヒーター6と併用して、ペルチェ素子を用いて、ガスセル2を加熱してもよい。
このようなヒーター6は、後述する制御部10の温度制御部11に電気的に接続され、通電される(図1参照)。
[温度センサー]
温度センサー7は、ヒーター6またはガスセル2の温度を検出するものである。そして、この温度センサー7の検出結果に基づいて、前述したヒーター6の発熱量が制御される。これにより、ガスセル2内のアルカリ金属原子を所望の温度に維持することができる。
なお、温度センサー7の設置位置は、特に限定されず、例えば、ヒーター6上であってもよいし、ガスセル2の外表面上であってもよい。
温度センサー7としては、それぞれ、特に限定されず、サーミスタ、熱電対等の公知の各種温度センサーを用いることができる。
このような温度センサー7は、図示しない配線を介して、後述する制御部10の温度制御部11に電気的に接続されている(図1参照)。
[磁場発生部]
磁場発生部8は、ガスセル2内のアルカリ金属の縮退した複数のエネルギー準位をゼーマン***させる磁場を発生させる機能を有する。これにより、ゼーマン***により、アルカリ金属の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップを拡げて、分解能を向上させることができる。その結果、原子発振器1の発振周波数の精度を高めることができる。
この磁場発生部8は、例えば、ガスセル2を挟むように配置されたヘルムホルツコイル、または、ガスセル2を覆うように配置されたソレノイドコイルで構成されている。これにより、ガスセル2内に一方向の均一な磁場を生じさせることができる。
また、磁場発生部8が発生する磁場は、定磁場(直流磁場)であるが、交流磁場が重畳されていてもよい。
このような磁場発生部8は、後述する制御部10の磁場制御部13に電気的に接続され、通電制御される(図1参照)。
[制御部]
制御部10は、光出射部3、ヒーター6および磁場発生部8をそれぞれ制御する機能を有する。
この制御部10は、光出射部3の共鳴光1、2の周波数を制御する励起光制御部12と、ガスセル2中のアルカリ金属の温度を制御する温度制御部11と、磁場発生部8からの磁場を制御する磁場制御部13とを有する。
励起光制御部12は、前述した光検出部5の検出結果に基づいて、光出射部3から出射される共鳴光1、2の周波数を制御する。より具体的には、励起光制御部12は、前述した光検出部5によって検出された(ω1−ω2)が前述したアルカリ金属固有の周波数ω0となるように、光出射部3から出射される共鳴光1、2の周波数を制御する。
また、励起光制御部12は、図示しないが、電圧制御型水晶発振器(発振回路)を備えており、その電圧制御型水晶発振器の発振周波数を光検出部5の検知結果に基づいて同期・調整しながら原子発振器1の出力信号として出力する。
また、温度制御部11は、温度センサー7の検出結果に基づいて、ヒーター6への通電を制御する。これにより、ガスセル2を所望の温度範囲内に維持することができる。
また、磁場制御部13は、磁場発生部8が発生する磁場が一定となるように、磁場発生部8への通電を制御する。
このような制御部10は、例えば、基板上に実装されたICチップに設けられている。
(ガスセルの内部空間と励起光との位置関係)
次に、ガスセル2の内部空間S1と励起光LLとの位置関係について説明する。
図4は、図1に示す原子発振器が備えるガスセルの斜視図、図5は、図4に示すガスセルの縦断面図、図6は、図4に示すガスセルの横断面図である。また、図7は、距離D1、D2と周波数安定度Δf/fとの関係を示すグラフである。
なお、図4〜図6では、説明の便宜上、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を図示しており、その図示された各矢印の先端側を「+(プラス)」、基端側を「−(マイナス)」という。また、以下では、説明の便宜上、X軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」という。
まず、ガスセル2の構成を簡単に説明する。
図4および図5に示すように、ガスセル2は、胴部21と、胴部21を挟んで設けられた1対の窓部22、23とを有している。
胴部21には、Z軸方向に貫通している柱状の貫通孔211が形成されている。
胴部21の構成材料としては、特に限定されず、ガラス材料、水晶、金属材料、樹脂材料、シリコン材料等が挙げられるが、中でも、ガラス材料、水晶、シリコン材料のいずれかを用いることが好ましく、シリコン材料を用いることがより好ましい。これにより、幅や高さが10mm以下となるような小さいガスセル2を形成する場合であっても、エッチング等の微細加工技術を用いて、高精度な胴部21を容易に形成することができる。
このような胴部21の−Z軸方向側の端面には、窓部22が接合され、一方、胴部21の+Z軸方向側の端面には、窓部23が接合されている。これにより、図5および図6に示すように、貫通孔211による内部空間S1が形成されている。
胴部21と窓部22、23との接合方法としては、これらの構成材料に応じて決められるものであり、気密的に接合できるものであれば、特に限定されないが、例えば、接着剤による接合方法、直接接合法、陽極接合法等を用いることができる。
窓部22、23は、それぞれ、板状をなし、その板面が励起光LLの軸に対して垂直となるように設置されている。
また、各窓部22、23は、前述した光出射部3からの励起光LLに対する透過性を有している。そして、一方の窓部22は、ガスセル2の内部空間S1内へ励起光LLが入射する入射側窓部であり、他方の窓部23は、ガスセル2の内部空間S1内から励起光LLが出射する出射側窓部である。
窓部22、23の構成材料としては、前述したような励起光に対する透過性を有していれば、特に限定されないが、例えば、ガラス材料、水晶等が挙げられる。窓部22、23をガラス材料で構成した場合、シリコン材料で構成された胴部21と窓部22、23とを陽極接合法により簡単に気密的に接合することができる。なお、窓部22、23の厚さや励起光の強度によっては、窓部22、23をシリコンで構成することもできる。
内部空間S1には、気体状のアルカリ金属が収納されている。この内部空間S1内に収納されている気体状のアルカリ金属は、励起光LLによって励起される。
また、内部空間S1には、余剰分として、液体状または固体状のアルカリ金属Mが収納されている。特に、この液体状または固体状のアルカリ金属Mは、内部空間S1の+X軸方向側の端部に配置されており、「金属溜り部」を構成している。このアルカリ金属Mは、内部空間S1内の気体状のアルカリ金属が不足したとき、気体状となって、励起光LLの励起に供される。
特に、内部空間S1は、図6に示すように、Z軸に垂直な断面(すなわち、1対の窓部22、23が並ぶ方向に対して垂直な断面)がX軸方向(第1方向)に沿って延びている長手形状をなしている。そして、かかる断面におけるX軸方向に対して垂直なY軸方向(第2方向)に沿った内部空間S1の長さをL1とし、かかる断面におけるX軸方向に沿った内部空間S1の長さをL2としたとき、L2/L1≧1.1の関係を満たす。
このようなL1およびL2の関係により、前述したように内部空間S1のX軸方向での一端部に余剰分である液体状または固体状のアルカリ金属Mを配置した状態で、内部空間S1のX軸方向での他端側に偏在した位置に励起光LLを照射することにより、励起光LLの幅dを大きくして励起光LLと胴部21の内壁面との間の距離D1が小さくなっても、励起光LLと液体状または固体状のアルカリ金属Mとの間の距離D2を大きくすることができる。その結果、余剰分のアルカリ金属Mによる特性の低下を抑制することができる。
具体的に説明すると、胴部21の内壁面と励起光LLとの間の距離をD1とし、液体状または固体状のアルカリ金属Mと励起光LLとの間の距離をD2としたとき、2×D1≦D2の関係を満たす。これにより、励起光LLの幅dを大きくして励起光LLと胴部21の内壁面との間の距離D1が小さくなっても、励起光LLと液体状または固体状のアルカリ金属Mとの間の距離D2を大きくすることができる。
距離D2を変化させて周波数安定度Δf/fを測定した結果、図7に示すように、1/D2が1/(2×D1)以下であると、周波数安定度Δf/fが良好であるのに対し、1/D2が1/(2×D1)を超えると、周波数安定度Δf/fが急激に悪化する。
言い換えると、D2が(2×D1)以上であると、周波数安定度Δf/fが良好であるのに対し、D2が(2×D1)未満であると、周波数安定度Δf/fが急激に悪化する。
このような観点から、距離D2を比較的大きく確保する必要があるため、前述したようなL2/L1≧1.1の関係が導かれる。
また、L1およびL2は、前述したような関係を満たしていればよいが、1.3≦L2/L1≦2の関係を満たすことが好ましく、1.5≦L2/L1≦1.8の関係を満たすことがより好ましい。これにより、前述したようなD1およびD2の関係を満足しながら、内部空間S1の無駄なスペースを少なくすることができる。なお、ガスセル2の内部空間S1のスペースの無駄を問題としない場合、前述したD1およびD2の関係を満たしていれば、LおよびL2の関係は前述した関係を満たしていなくても、余剰分のアルカリ金属Mによる特性の低下を抑制するという効果を得ることができる。
本実施形態では、Z軸方向から見たとき、内部空間S1は長方形(矩形)をなし、一方、励起光LLは円形をなしている。
ここで、Z軸方向から見たとき、内部空間S1(長手形状部)の中心P1と励起光LLの中心P2とがX軸方向にずれている。これにより、内部空間S1のX軸方向での一端部に余剰分である液体状または固体状のアルカリ金属Mを配置するとともに、他端側に偏在した位置に励起光LLを照射することができる。なお、内部空間S1(長手形状部)の中心P1は、Z軸方向から見たときの内部空間S1(長手形状部)の幾何学的な重心であり、同様に、励起光LLの中心P2は、Z軸方向から見たときの励起光LLの幾何学的な重心(中心軸)である。
また、本実施形態では、X軸方向に沿った内部空間S1の長さL2は、Z軸方向(すなわち1対の窓部22、23が並ぶ方向)に沿った内部空間S1の全域に亘って一定である。ここで、Z軸に垂直な断面が前述したL1およびL2の関係を満たす部分が「長手形状部」を構成し、かかる長手形状部は、Z軸方向に沿った内部空間S1の全域に亘って設けられている。
このように長手形状部がZ軸方向に沿って延びていることにより、長手形状部の長手方向(X軸方向)での一端部に配置される液体状または固体状のアルカリ金属Mの量を十分に確保することができる。
また、長手形状部がZ軸方向に沿った内部空間S1の全域に亘って設けられていることにより、一定幅の貫通孔211を有する胴部21を用いればよいため、胴部21の形成が比較的容易となる。このような貫通孔211の形成は、例えば、胴部21をシリコン材料やガラス材料で構成する場合、ウエットエッチングを用いて比較的簡単かつ高精度に行うことができる。
また、長さL1は、0.5mm以上3mm以下であることが好ましく、1mm以上2.5mm以下であることがより好ましい。これにより、ガスセル2の小型化を図ることができる。また、このようにガスセル2が小型である場合、発振特性を高める観点から、励起光LLが照射される気体状のアルカリ金属の原子の量を多くするため、励起光LLの幅dをできるだけ大きくする必要がある。このような場合に、励起光LLと胴部21の内壁面との間の距離D1が小さくなっても、前述したL1およびL2の関係やD1およびD2の関係を満たすことにより、励起光LLと固体状または液体状のアルカリ金属Mの原子との間の距離D2を、余剰分のアルカリ金属Mの原子による特性の低下を抑制し得る程度に大きくすることができる。
また、距離D1は、0.05mm以上1mm以下であることが好ましく、0.1mm以上0.8mm以下であることがより好ましく、0.2mm以上0.6mm以下であることがさらに好ましい。これにより、励起光LLが照射される気体状のアルカリ金属の原子の量を多くしながら、胴部21の内壁面近傍の他と挙動の異なるアルカリ金属の原子が励起光LLに共鳴することによる特性の低下を抑制することができる。
以上説明したような原子発振器1によれば、長手形状部を構成する内部空間S1のX軸方向での一端部に余剰分である液体状または固体状のアルカリ金属Mを配置するとともに、他端側に偏在した位置に励起光LLを照射するので、励起光LLの幅dを大きくして励起光LLと胴部21の内壁面との間の距離D1が小さくなっても、励起光LLと液体状または固体状のアルカリ金属Mとの間の距離D2を大きくすることができる。その結果、余剰分のアルカリ金属Mによる特性の低下を抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図8は、本発明の第2実施形態に係るガスセルを示す横断面図である。
本実施形態は、原子セルの内部空間の横断面形状が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図8において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図8に示すガスセル2A(原子セル)は、第1実施形態の胴部21に代えて、胴部21Aを備えている。
胴部21Aには、Z軸方向に貫通している柱状の貫通孔211Aが形成されている。この貫通孔211Aは、Z軸方向から見たとき、楕円状または長円状をなしている。
すなわち、Z軸方向に対して垂直な方向に沿った内部空間S1(長手形状部)の断面形状は、楕円形または長円形である。これにより、内部空間S1の無駄なスペースを少なくすることができる。その結果、ガスセル2Aの小型化を図ることができる。また、ガスセル2Aの内部空間S1の壁面が曲面部を有するので、ガスセル2Aの製造が簡単になる。
以上説明したような第2実施形態によっても、余剰分のアルカリ金属Mによる特性の低下を抑制することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図9は、本発明の第3実施形態に係るガスセルを示す縦断面図である。
本実施形態は、原子セルの内部空間の縦断面形状が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。
なお、以下の説明では、第3実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図9において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
図9に示すガスセル2B(原子セル)は、第1実施形態の胴部21に代えて、胴部21Bを備えている。
胴部21Bには、Z軸方向に貫通している柱状の貫通孔211Bが形成されている。この貫通孔211Bは、X軸方向に沿った幅が+Z軸方向側から−Z軸方向側に向かうに従って次第に(本実施形態では連続的に)大きくなっている。
すなわち、X軸方向に沿った内部空間S1の長さは、Z軸方向に沿った内部空間S1の一端部で大きくなっており、かかる一端部が「長手形状部」を構成している。これにより、固体状または液体状のアルカリ金属Mの原子を所望の局所的な位置(図9では内部空間S1の−Z軸方向側の端部)に容易に配置することができる。
ここで、内部空間S1の−Z軸方向側の端部は、X軸方向に沿った長さがL2であり、内部空間S1の+Z軸方向側の端部は、X軸方向に沿った長さがL2よりも小さいL3である。この長さL3は、励起光LLの通過領域を確保する観点から、長さL1と等しいかまたは大きいことが好ましい。
以上説明したような第3実施形態によっても、余剰分のアルカリ金属Mによる特性の低下を抑制することができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図10は、本発明の第4実施形態に係るガスセルを示す縦断面図である。
本実施形態は、原子セルの内部空間の縦断面形状が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。
なお、以下の説明では、第4実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図10において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
本実施形態のガスセル2C(原子セル)は、第1実施形態の胴部21に代えて、胴部21Cを備えている。
胴部21Cには、Z軸方向に貫通している柱状の貫通孔211Cが形成されている。この貫通孔211Cは、X軸方向に沿った幅がZ軸方向での途中で大きくなっている。
すなわち、X軸方向に沿った内部空間S1の長さは、Z軸方向に沿った内部空間S1の途中で大きくなっており、かかる途中部分が「長手形状部」を構成している。これにより、固体状または液体状のアルカリ金属Mの原子を所望の局所的な位置(図10では内部空間S1のZ軸方向での途中部分)に容易に配置することができる。
ここで、内部空間S1のZ軸方向での途中部分は、X軸方向に沿った長さがL2であり、内部空間S1のZ軸方向での両端部は、それぞれ、X軸方向に沿った長さがL2よりも小さいL4である。この長さL4は、励起光LLの通過領域を確保する観点から、長さL1と等しいかまたは大きいことが好ましい。
以上説明したような第4実施形態によっても、余剰分のアルカリ金属Mによる特性の低下を抑制することができる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
図11は、本発明の第5実施形態に係るガスセルを示す横断面図である。
本実施形態は、原子セルの横断面形状が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。
なお、以下の説明では、第5実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、図11において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
本実施形態のガスセル2D(原子セル)は、第1実施形態の胴部21に代えて、胴部21Dを備えている。
胴部21Dには、Z軸方向に貫通している柱状の貫通孔211Dが形成されている。この貫通孔211Dは、Z軸方向から見たとき、楕円状または長円状をなしている。
すなわち、Z軸方向に対して垂直な方向に沿った内部空間S1(長手形状部)の断面形状は、楕円形または長円形である。これにより、内部空間S1の無駄なスペースを少なくすることができる。その結果、ガスセル2Dの小型化を図ることができる。
特に、本実施形態では、Z軸方向から見たとき、内部空間S1の長手方向は、胴部21Dの四角形をなす外形の辺に対して傾斜して配置されている。言い換えると、Z軸方向から見たとき、楕円形または長円形をなす内部空間S1の長手方向は、四角形をなす胴部21Dの対角線に沿って配置されている。これにより、内部空間S1を胴部21Dに効率的に配置し、ガスセル2Dの小型化を図ることができる。
以上説明したような第5実施形態によっても、余剰分のアルカリ金属Mによる特性の低下を抑制することができる。
2.電子機器
以上説明したような原子発振器は、各種電子機器に組み込むことができる。このような電子機器は、優れた信頼性を有する。
以下、本発明の電子機器について説明する。
図12は、GPS衛星を利用した測位システムに本発明の原子発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。
図12に示す測位システム100は、GPS衛星200と、基地局装置300と、GPS受信装置400とで構成されている。
GPS衛星200は、測位情報(GPS信号)を送信する。
基地局装置300は、例えば電子基準点(GPS連続観測局)に設置されたアンテナ301を介してGPS衛星200からの測位情報を高精度に受信する受信装置302と、この受信装置302で受信した測位情報をアンテナ303を介して送信する送信装置304とを備える。
ここで、受信装置302は、その基準周波数発振源として前述した本発明の原子発振器1を備える電子装置である。このような受信装置302は、優れた信頼性を有する。また、受信装置302で受信された測位情報は、リアルタイムで送信装置304により送信される。
GPS受信装置400は、GPS衛星200からの測位情報をアンテナ401を介して受信する衛星受信部402と、基地局装置300からの測位情報をアンテナ403を介して受信する基地局受信部404とを備える。
3.移動体
図13は、本発明の移動体の一例を示す図である。
この図において、移動体1500は、車体1501と、4つの車輪1502とを有しており、車体1501に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪1502を回転させるように構成されている。このような移動体1500には、原子発振器1が内蔵されている。
このような移動体によれば、優れた信頼性を発揮することができる。
なお、本発明の原子発振器を備える電子機器は、前述したものに限定されず、例えば、携帯電話機、ディジタルスチルカメラ、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター)、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、地上デジタル放送、携帯電話基地局等に適用することができる。
以上、本発明の子共鳴遷移装置、原子発振器、電子機器および移動体について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
また、本発明の各部の構成は、前述した実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、本発明は、前述した各実施形態の任意の構成同士を組み合わせるようにしてもよい。
また、前述した実施形態では、波長の異なる2種類の光による量子干渉効果を利用してセシウム等を共鳴遷移させる量子干渉装置を本発明の原子共鳴遷移装置の例として説明したが、本発明の原子共鳴遷移装置は、これに限定されず、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用してルビジウム等を共鳴遷移させる二重共鳴装置にも適用可能である。
1‥‥原子発振器 2‥‥ガスセル(原子セル) 2A‥‥ガスセル(原子セル) 2B‥‥ガスセル(原子セル) 2C‥‥ガスセル(原子セル) 2D‥‥ガスセル(原子セル) 3‥‥光出射部 5‥‥光検出部 6‥‥ヒーター 7‥‥温度センサー 8‥‥磁場発生部 10‥‥制御部 11‥‥温度制御部 12‥‥励起光制御部 13‥‥磁場制御部 21‥‥胴部 21A‥‥胴部 21B‥‥胴部 21C‥‥胴部 21D‥‥胴部 22‥‥窓部 23‥‥窓部 41‥‥光学部品 42‥‥光学部品 43‥‥光学部品 44‥‥光学部品 100‥‥測位システム 200‥‥衛星 211‥‥貫通孔 211A‥‥貫通孔 211B‥‥貫通孔 211C‥‥貫通孔 211D‥‥貫通孔 300‥‥基地局装置 301‥‥アンテナ 302‥‥受信装置 303‥‥アンテナ 304‥‥送信装置 400‥‥受信装置 401‥‥アンテナ 402‥‥衛星受信部 403‥‥アンテナ 404‥‥基地局受信部 1500‥‥移動体 1501‥‥車体 1502‥‥車輪 d‥‥幅 D1‥‥距離 D2‥‥距離 LL‥‥励起光 M‥‥アルカリ金属(固体状または液体状の金属原子) P1‥‥中心 P2‥‥中心 S1‥‥内部空間

Claims (12)

  1. 金属原子が封入されている内部空間を有する原子セルと、
    前記金属原子を共鳴させるための共鳴光対を含む光を前記原子セルに向けて出射する光出射部と、を備え、
    前記内部空間は、前記内部空間の壁面の一部に液体状または固体状の金属原子を配置している金属溜り部を有し、
    前記内部空間の壁面と前記光との間の距離をD1とし、前記金属溜り部に配置されている液体状または固体状の金属原子と前記光との間の距離をD2としたとき、
    2×D1≦D2の関係を満たすことを特徴とする原子共鳴遷移装置。
  2. 前記原子セルは、1対の窓部と、
    前記1対の窓部の間に配置され、前記1対の窓部とともに前記内部空間を構成している胴部と、を備え、
    前記内部空間の、前記1対の窓部が並ぶ方向に対して交わる断面において、互いに垂直な方向に沿った長さをL1およびL2としたとき、L2/L1≧1.1の関係を満たす請求項1に記載の原子共鳴遷移装置。
  3. 前記断面を有する長手形状部が、前記1対の窓部が並ぶ方向に沿って延在している請求項2に記載の原子共鳴遷移装置。
  4. 前記L2は、前記1対の窓部が並ぶ方向に沿った前記内部空間の全域に亘って揃っている請求項3に記載の原子共鳴遷移装置。
  5. 前記L2が、前記1対の窓部が並ぶ方向に沿った前記内部空間の端部または途中で大きい部分を有している請求項3に記載の原子共鳴遷移装置。
  6. 前記断面形状は、楕円形である請求項3ないし5のいずれか1項に記載の原子共鳴遷移装置。
  7. 前記L1は、0.5mm以上3mm以下の範囲内にある請求項3ないし6のいずれか1項に記載の原子共鳴遷移装置。
  8. 前記1対の窓部が並ぶ方向から見たとき、前記長手形状部の中心と前記光の中心とが前記長手形状部の長手方向にずれている請求項ないし7のいずれか1項に記載の原子共鳴遷移装置。
  9. 前記D1は、0.05mm以上1mm以下の範囲内にある請求項1ないし8のいずれか1項に記載の原子共鳴遷移装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の原子共鳴遷移装置を備えることを特徴とする原子発振器。
  11. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の原子共鳴遷移装置を備えることを特徴とする電子機器。
  12. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の原子共鳴遷移装置を備えることを特徴とする移動体。
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