JP6289157B2 - シンチレータ及び放射線検出器 - Google Patents

シンチレータ及び放射線検出器 Download PDF

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Description

本発明は、放射線により発光を呈するシンチレータ及び当該シンチレータを用いた放射線検出器に関する。
医療現場等で用いられているフラットパネルディテクタ(FPD)等では、被写体を通過したX線をシンチレータで受け、そのシンチレータが発した光を、検出器である受光素子で検出している。また、それら受光素子は2次元アレイとして配置されている。かかる状況下において、シンチレータの発した光が隣接する受光素子へ広がることを防止するために、光導波性を示すシンチレータが特許文献1に開示されている。特許文献1には、光を導波させたい方向に合わせた犠牲繊維とシンチレータ粉末とを焼結した後、犠牲繊維を除去して多孔質のシンチレータを得、その孔に吸収部材等を充填する技術が開示されている。
特開2001−58881号公報
特許文献1によれば、吸収部材を充填した複合シンチレータにおいては、放射線励起によりシンチレータで発せられた光が、横方向に広がろうとする場合に、吸収部材に入射することで吸収され、光のクロストークを防止することができると説明されている。しかしながら、複合体の構造周期と光導波方向の厚みの比率(構造周期/厚み)が小さくなるにつれて吸収される光の割合が増加し、アレイ状の受光素子(受光素子アレイ)に入射する光の量が減少する。そのため、受光素子アレイの検出結果に基づいて画像を形成するに足り得る光量を受光素子に入射させることが困難になる課題があった。
本発明の一観点としてのシンチレータは、互いに同一面上に位置しない第一の面と第二の面とを有するシンチレータであって、複数の第一の相と、前記複数の第一の相の周りに位置する第二の相とを備え、シンチレータ光の波長範囲において前記複数の第一の相の屈折率と前記第二の相の屈折率とが異なり、前記複数の第一の相と前記第二の相のうち、屈折率が低い方の相において、前記第一の面と前記第二の面との間に、前記シンチレータ光を吸収し、且つ厚みが前記シンチレータの厚みよりも小さい吸収部が設けられていることを特徴とするシンチレータである。
本発明のその他の観点については、以下で説明する実施の形態で明らかにする。
本発明によれば、第一の相と第二の相を有するシンチレータの屈折率が低い方の相の一部を吸収部とすることで、一つの相の全部が吸収部である場合よりも光量の低下を軽減しつつ、吸収部がない場合よりもシンチレータ内での光のクロストークの影響を軽減することができる。
本発明の複合シンチレータの一実施形態を示す模式図である。 本発明の複合シンチレータを備える検出器の構成例を示す模式図である。 本発明の複合シンチレータの一実施形態における、MTF値と受光率の関係を示すグラフである。 本発明の複合シンチレータの一実施形態における、LSFの一例を示すグラフである。 本発明の複合シンチレータの一実施形態における、MTF曲線を示すグラフである。 吸収部の厚みと受光率の関係を示すグラフである。 MTF値と受光率の関係を示すグラフである。 本発明の複合シンチレータの一実施形態の光学顕微鏡像である。 本発明の複合シンチレータの一実施例を備える検出器で撮像した画像とプロファイルである。 本発明の複合シンチレータの一実施形態を示す模式図である。 比較例を示す模式図である。 比較例のシンチレータを備える検出器で撮像した画像とプロファイルである。
以下、図面等を用いて本発明を実施するための形態を説明する。
[複合シンチレータの構成]
図1の(A)〜(D)に本発明の一実施形態に係る複合シンチレータの模式的構造を示す。
本実施形態のシンチレータは、複数の第一の相11と、第二の相12とを有し、同一面上にない二つの面(第一の面26と第二の面25と呼ぶことがある。)を結ぶ方向に光導波性を有する。複数の第一の相のそれぞれは、該光導波方向に沿って一方向性を有する柱状の相(シリンダー相)であり、第二の相は第一の相11の周りに位置して第一の相11の側面を埋めている。このように、複数の相に分離した構造を相分離構造、相分離構造を有するシンチレータを相分離シンチレータと呼ぶ。図1に示すように、複数の第一の相のそれぞれは、第一の面26と第二の面25とに露出している。また、複数の第一の相の夫々は、概して、第一の面26から第二の面25まで連続して存在していることが好ましい。同様に、第二の相も、第一の面26から第二の面25まで連続して存在していることが好ましい。
さらに第一の相と第二の相とのうち、屈折率が低い方の相(低屈折率相13と呼ぶことがある)の延伸方向(光導波方向と一致する)の少なくとも一部に吸収部15が設けられている。図1の(A)、(C)に記載されている第一の構成16のように、低屈折率相が複数存在する場合は、複数の低屈折率相のそれぞれに吸収部15が設けられていることが好ましい。
吸収部15は、低屈折率相13のうち、第一の面と第二の面の少なくとも一方の面と接する部分に設ける方が、第一の面にも第二の面にも接しない部分にのみ吸収部を設けるよりも製造が容易であるため好ましい。以下の説明において、また、低屈折率相のうち、(第一又は第二の)面と接する部分に吸収部を設けることを、面に吸収部を設けるということがある。しかしながら、図1の(C)、(D)に示すように、第一の面にも第二の面にも接しない部分にのみ吸収部15を設けても良い。図1の(C),(D)のように、第一の面にも第二の面にも接しない部分にのみ吸収部15を設ける方法としては、例えば、複数のシンチレータを積層して接合する方法が挙げられる。図1の(A)または(B)に示したような、面に吸収部15を設けた相分離シンチレータと、吸収部を設けていない相分離シンチレータとを積層して接合すれば、図1の(C)、(D)に示すシンチレータが得られる。図1の(C)、(D)に示すように、吸収部15の上下で複数の第一の相11と第二の相12との連続性を保たせるためには、例えば1つの相分離シンチレータを、光導波方向に垂直な面で切断し、吸収部を設けた後で再度接合すればよい。しかし、図1の(C)、(D)に示すような、吸収部15の上下での複数の第一の相と第二の相の連続性が保たれていなくても、吸収部15の上下で導波方向がほぼ揃っていれば、第一の面と第二の面を結ぶ方向へ光を導波する導波性にほとんど影響を与えない。また、吸収部の上下で導波方向を変えても良い。例えば、第一の面と第二の面を結ぶ方向に導波性を有する第一の相分離シンチレータと第3の面と第4の面を結ぶ方向に導波性を有する第二の相分離シンチレータとを用意する。そして、第一の相分離シンチレータの第二の面に吸収部を設け、この吸収部が第二の相分離シンチレータの第3の面と接するように第一の相分離シンチレータと第二の相分離シンチレータを接合する。すると、このように接合したシンチレータの導波方向は、第一の面と第4の面を結び、第一の相に沿う方向になる。このように、接合する相分離シンチレータの導波方向を変えて、接合された相分離シンチレータの導波方向を調整してもよい。
尚、相分離シンチレータ同士を接合する場合、図10に示すように接合層31を介して第一の相分離シンチレータ27と第二の相分離シンチレータ28を接合しても良い。
図1(A)、(B)は、第一の面と第二の面のうち1つの面のみに吸収部15が設けられている場合を示しているが、第一の面と第二の面の双方に吸収部15を設けても良い。
なお、第一の面と第二の面は、第一の相が延びる方向18(光導波方向)に対して略垂直(±20°以内)であることが好ましい。ただし、第一の相が伸びる方向に対する各面の許容値は、第一の相における特定の一つが条件を満たしていなくても、平均値が満たしていれば問題ない。
低屈折率相は、第一の相11と第二の相12のいずれであるかを問わない。図1(A)に示す第一の構成16は、第一の相11が低屈折率相である場合、図1(B)に示す第二の構成17は、第二の相12が低屈折率相である場合をそれぞれ表している。少なくとも高屈折率相は、放射線励起で発光するシンチレータとして機能することが好ましい。後述するように、第一の相と第二の相とが共晶組織を形成していることが好ましい。さらに、図10に示すように接合層31を設ける場合には、接合層31が、高屈折率相よりも低屈折率な部材で構成されることが好ましい。このとき、低屈折率相の屈折率と接合層の屈折率との高低の関係性は問わない。また、接合層の厚さdは、薄い方が好ましく、特に10μm以下であることが好ましい。さらに、相分離シンチレータの平均的な周期より薄い方が好ましい。平均的な周期は、例えば1cmの間に第一の相が存在する数を数えて算出することができる。相分離シンチレータが、後述する共晶相分離構造を有する場合は、その周期は一般的には、50μm以下である。尚、本明細書において、厚さ(接合層の厚さ、シンチレータの厚さ、吸収部の厚さ)は、第一の相の延伸方向における厚みとする。
さらに、第一の相11は、図1に示すような円柱状に限られず、断面が楕円形の柱状体や、側面が任意の曲面で構成された柱状体であってもよく、さらには複数の面から構成される多面体側面を有していてもよい。
また、第一の相の柱の直径110は50nm以上30μm以下の範囲内であることが好ましく、近接する第一の相間(柱間)の周期19は500nm以上50μm以下の範囲内であることが好ましい。これは、相分離構造による効果を得るためには、受光素子アレイの受光部のサイズよりも小さな直径や周期を有することが求められるためである。一般に受光部のサイズは150μm〜数μmであるために、上記範囲内であれば、要件を満たす直径や周期を選択することが可能である。また、異なる観点からは、受光部のサイズ以下の空間分解能をシンチレータ部分に持たせる必要性はないため、吸収部15の厚み112を厚くして空間分解能を必要以上に向上させてしまうことで受光量を必要以上に低下させることを回避することが好ましい。
第一の相11の柱は、シンチレータの上記二つの面間で連続していることがより好ましいが、途中で、途切れ、分岐、結合等があってもよい。また、第一の相11が低屈折率相の場合、第一の相11と吸収部15が柱として連続していることが好ましい。第二の相12が低屈折率相の場合も、第二の相12と吸収部15が連続していることが好ましい。ただし、製法上の理由などにより、各相と吸収部15の界面に両物質の混合領域や他の材料が介在していても、図1のような構成を保っていれば問題はない。また、図1の(C)、(D)に示す構成においても、構造不連続が生じても問題ない。2つの相分離シンチレータを積層して作製する場合には、図10のように、吸収部を端面に設けた相分離シンチレータと受光素子アレイ間に吸収部を設けていない相分離シンチレータを挿入して構成することが好ましい。このとき、吸収部を端面に設けた相分離シンチレータ(第一の相分離シンチレータ)の方では、前述のように低屈折率相と吸収部が連続していることが好ましい。さらに、第一の相分離シンチレータと第二の相分離シンチレータの第一の相同士が一対一で対応し、且つ、第一の相分離シンチレータと第二の相分離シンチレータの第二の相同士が一対一で対応するように、第一の相分離シンチレータと第二の相分離シンチレータを接合しなくても、シンチレータ光を導波することができる。よって、このように第一の相分離シンチレータと第二の相分離シンチレータとでは、不連続を許容する。また、接合時に面間に隙間が生じないように、図10のように接合層31が設けられることになる。
このとき、全体の厚み方向における吸収部の位置は、第一と第二の相分離シンチレータの相互の厚みを調整することで所望の場所が可能であるが、空間分解能優先では、受光素子に近く、受光量優先では、受光素子から遠くに設けることが有効である。このように、吸収部の位置は、所望の受光量と空間分解能を実現させるために、適宜選択することが可能である。その詳細は後述する。
シンチレータの厚み111は、受ける放射線のエネルギーによって適宜選択すればよく、好ましくは50μm以上40cm以下の範囲内である。より好ましくは50μm以上40mm以下である。
吸収部15の厚み112が大きいほど、空間分解能は向上するが、受光素子に入射する光量が減少する。そのため、吸収部15の厚み112は、シンチレータの厚みよりも小さいことが好ましく、シンチレータ厚の50%以下であることがより好ましく、10μm以下であることが更に好ましい。吸収部を設けない場合の10%以上の光量がなければ撮像時間やノイズが増加してしまうことが想定されるため、本実施形態の相分離シンチレータは吸収部を設けない場合の10%以上の光量を受光素子に入射されることが好ましい。500μm厚の相分離シンチレータのうち、受光素子アレイに面する面が屈折率1.5の部材と接している場合では、吸収部15の厚みが10μmのときに吸収部を設けない場合の10%の光量を確保することができる。シンチレータ厚が変化しても、吸収部の厚みと光量の関係の変化は小さい。これは吸収部付近に着目すると、その上下のシンチレータの厚みに関係なく吸収部の厚みに応じて吸収する光の入射角が決まる(厚みが大きいほど吸収する入射角の範囲が広い)ためである。よって、吸収部の厚みは10μm以下であることが好ましい。尚、厚みが20μmでは光量は吸収部を設けない場合の5%程度となる。
また、最終的に第一の構成16で500μm厚のシンチレータの第一の相のすべてが吸収部15となると第二の相内のみを導波する光のみが受光素子に入射できる可能性があるが、第二の相内のみを導波する光のうちの全反射モードの光の一部も吸収され、受光量の低下を示す。尚、本発明及び本明細書において、厚みは、シンチレータの第一の相が有する方向性(第一の面と第二の面を結ぶ方向)に沿った方向で定義するものである。なお、全反射モードとは、相分離シンチレータ内の高屈折率相で光が全反射を繰り返して導波する条件を意味する。ただし、ある光線の導波中すべての事象が全反射である場合に限定せず、一度でも全反射が生じた場合も該当するものとする。
吸収部は、シンチレータが発する光(シンチレータ光)の波長範囲において吸収係数が有限なものであれば特に限定されないが、吸収部の厚み方向に平行な方向から該吸収部へ入射した光の透過率が1%以下であることが好ましい。上述のように、吸収部の厚みは10μm以下であることが好ましいため、吸収部が10μmのとき、吸収部の材料の吸収係数が4.6×10[l/cm]以上であることが好ましい。ただし、この吸収係数は、放射線により発せられた光のスペクトルのピーク波長における値である。また、吸収部は、一部の光を反射するものであってもよい。吸収部に入射する光が、反射と吸収に分配されるものであってもよく、反射と吸収と透過、あるいは吸収と透過に分配されるものであってもよい。吸収部が一部の光を反射する場合であっても、吸収部の厚み方向に平行な方向から該吸収部へ入射した光の透過率が1%以下であることが好ましいため、かかる反射が存在する場合には、上記吸収係数の好ましい条件も緩くなる。例えば、吸収部の反射率が50%の場合、反射されなかった光(入射した光の50%)のうちの2%の光が透過しても、吸収部に入射した光の透過率は1%である。よって、吸収部の反射率が50%で吸収部が10μmのとき、吸収部の材料の吸収係数が3.9×10[l/cm]以上であれば、光の透過率を1%以下にすることができる。また、反射率90%で吸収部が10μmのとき、吸収部の材料の吸収係数が2.3×10[l/cm]以上であれば、光の透過率を1%以下にすることができる。但し、吸収部の反射率が大きいと、低屈折率相から射出される光、すなわち、吸収することで空間分解能を向上させたい光が、シンチレータ内に戻される。よって、吸収部の反射率は90%以下であることが望ましい。
また、図2(D)に示すように、受光素子の受光面に相対する面の低屈折率相部分に反射部22を設け、受光面に相対する面と対向する面の低屈折率相部分に吸収部15を設けても良い。このように反射部と吸収部とを設けた場合にも、第一の面と第二の面との両方の低屈折率相部分に吸収部を設けた場合と同様の効果を得ることができる。尚、受光素子の受光面に相対する面とは、受光素子アレイ部24の受光素子の受光面に光を射出する面のことを指す。吸収部を構成する材質は、所望の吸収係数を有する単一相であっても、吸収を担う材料が樹脂やガラス中に分散された状態であってもよい。樹脂等の中にカーボン系の材料が分散されてなる場合、黒色顔料・染料などが分散されてなる場合、低バンドギャップの半導体材料が分散されてなる場合などがその例である。低バンドギャップとは、2.2eV以下であることが好ましい。シンチレータの低屈折率相に吸収部を設けるためには、埋め込み、乾燥、光や熱による硬化、気相成長法等による手段を適用して形成することが可能である。また、シンチレータを構成する二つの相は屈折率が定義できる光学部材であって、かつ高屈折率側がシンチレータであることが好ましい。このとき、二相の屈折率比(低屈折率相の屈折率/高屈折率相の屈折率)は、低いことが求められるが、少なくとも0.96以下の値であることが好ましい。
高いMTFを実現したい場合、受光素子アレイ部24を含めた特に好ましい構成は、図2の(C)と(B)に示すように、受光素子の受光面に相対する面に吸収部を設けた構成である。図2の(C)の構成は、第一の面と第二の面の両面に接する部分に吸収部15が設けられている。また、図2の(B)の構成は、第一の面と第二の面のうちの一方の面と接する部分に吸収部15が設けられ、かつ吸収部が設けられた面が受光素子の受光面に相対するように配置されて構成されている。図2の(B)、(C)の両者の場合とも同等の画像コントラストと受光率が得られる。なお、受光面と平行に近い面のうち、受光面側に近い面のことを、受光面に相対するように配置された面とみなす。次に好ましいのは、図2の(E)に示すように、吸収部15が第一の面と第二の面との間に設けられている構成である。吸収部と受光素子の受光面との距離が近いほど、MTFが向上し、受光率が低下するため、得たいMTFと受光率とのバランスから吸収部を設ける位置を決めることができる。図2の(A)に示すように、片面に吸収部15が設けられ、かつその面が受光素子の受光面に相対する面と反対側になるよう配置されてなる構成は、図2の(B)〜(E)の構成よりもMTFは低いが、受光率が高いという特性がある。反射面21に関しては、その有無は受光量と空間分解能のいずれを優先するかによって選択してよい。図2の(D)に関しては、前述した通り、図2の(C)とほぼ同じである。以上の帰結をもたらすMTF値と受光率との関係は、シミュレーションによって算出しており、各々の構成に対して図3のプロットのようになる。尚、図2の(E)に示す構成は吸収部が設けられた位置に応じてMTFと受光率が異なる。図3にプロットしたシミュレーションの詳細は後述する実施例2で説明する。
また、受光素子アレイ部24とシンチレータとは直接接合していても良く、また両者の間に保護層や接合層などの層23が配置されていても良い。さらに、シンチレータからの光をレンズ光学系によって結像可能な位置に受光素子アレイ部24を設けることも有効である。この場合、結像さえすれば、シンチレータ面と受光素子アレイ面が略平行な状態である必要性はなく、ミラー等を用いて所望の配置とすることが可能である。
また、吸収部を低屈折率相の一部に設けるだけで効果を発するメカニズムについては、シミュレーションと実験の双方から確認が可能である。例えば、吸収部のない状態の第一又は第二の構成を仮定し、光線追跡シミュレーションによってLSF(Line Spread Function)を算出したときに、第一の相から光が取り出される場合と第二の相から光が取り出される場合に分けることができる。すると図4に示すようにいずれの構成においても低屈折率相からの光は点線で示す広がった分布100を有しており、高屈折率相からの光の出射分布は実線で示す鋭い分布200を有していることが分かる。尚、図4のLSFの分布は、横軸が位置、縦軸が強度を示している。また、図12は、比較例(吸収部が設けられていない相分離シンチレータ)を備える検出器で撮像した画像(上段)とそのプロファイル(下段。横軸は位置、縦軸が光の強度を示す)である。図12に示すように、比較例の撮像結果は、放射線が照射されていない場所では高屈折率相から射出される光に対する低屈折率相からの射出される光の割合が高い状態にあることが観察できる。よって、低屈折率相から射出される光が画像ボケに大きく寄与してしまうことが見てとれる。これは、シミュレーション結果と良い一致を示す結果である。したがって、画像の分解能やコントラストを効率よく上げるには、低屈折率相からの出射光のみを吸収すれば良いということである。また、光取り出し部分の屈折率による差は発生するが、本発明の効果はいずれの屈折率に対しても得ることが可能である。たとえば、屈折率1.0と1.5の場合については、図5の(A)、(B)に示すように、吸収部の無い場合の破線で表されるMTF曲線に対して、吸収部を設けた場合は実線で表されるMTF曲線となり、全空間周波数領域においてMTF値の上昇が見られる。
次に、より好ましいシンチレータについて説明する。
[共晶相分離構造を利用したシンチレータ]
シンチレータのより好ましい形態としての共晶相分離構造について以下説明する。
共晶相分離構造を有するシンチレータは、一方向性を有する多数の柱状晶をなす第一の相と、第一の相の周りに位置し、第一の相の側面を埋める第二の相の2相から構成されている。また、第一の相と第二の相の夫々は、結晶である。この構造は、上述の相分離シンチレータと同一構造であり、作製時に利用する現象が共晶相分離であるため、共晶相分離構造と呼ぶ。この構造は、第一の相の材料と第二の相の材料との組成比を、共晶組成比の近傍とし、一方向凝固を行った場合に得られるものであって、共晶材料系で高屈折率側の材料がシンチレータとして機能する場合に利用可能である。共晶組成比の近傍とは、共晶組成比と±4mol%の範囲内である。これは、いわゆるeutectic coupled zoneとして定義される範疇であれば共晶構造が得られるということと同じである。
共晶相分離構造が得られる材料系としては、以下のような材料系が想定される。
上記の例示材料系を用いて、本発明の吸収部が設けられているシンチレータが形成可能である。特に、上記材料系において低屈折率相のみをエッチングする手段を用い、その後に吸収部を設けることができる。吸収部を設ける手段は前述した通りであるが、エッチングについては、気相中でプラズマや化学反応を利用したエッチング手段、ないし溶液への溶解によるエッチング手段等を用いて10μm程度掘り進めることが好ましい。場合によっては、エッチングで10μm以上十分掘り進めて、設ける吸収部の厚みを10μm以下とすることも好ましい。
[シンチレータの利用]
上述のシンチレータは、受光素子アレイ等と組み合わせることで医療用・産業用・高エネルギー物理用・宇宙用の放射線検出器として用いることが可能である。吸収部を低屈折率相の一部に設けることで、効率よく(低屈折率相と高屈折率相に対して区別なく、シンチレータ全体に透過率が高い吸収部を設けるよりも受光量の低下を抑制しながら)空間分解能や画像コントラストを向上させることができる。
本実施例は、シンチレータにおける吸収部の好適な設け方に関する。
まず、光線追跡シミュレーションによって、シンチレータにおける光の導波特性の把握を試みた。モデルとしては本発明の第一の構成と第二の構成について吸収部が無いと想定した場合について行った。また、各々の構成において、厚みを500μm、屈折率比(低屈折率/高屈折率)を0.83とし、放射線入射面側にはAl反射面(反射率90%と仮定)を一面に設けた。また、シンチレータ内の光線の放射分布は面内でライン状(LSF:Line Spread Functionを生成するため)、深さ方向では上面からのX線の吸収を想定した分布を持たせたものとした。また、光線の発生場所は、高屈折率相のみとした。この状況でシンチレータの高屈折率相で発せられる光線の底面からの出射分布(出射空間は屈折率1.0として)を見積った。この出射分布はLSFとして表現でき、いずれの構成も同じ形状の分布を示した。さらに、出射分布をシンチレータの低屈折率相から出射されるもの、高屈折率相から出射されるものに分けて表示すると、図4に示す分布を得、低屈折率相からの出射分布は点線のように広がったものとなり、高屈折率相からの出射分布は実線のように鋭い分布となった。
上記シミュレーションでは、出射空間の屈折率を1.0としたが、屈折率1.5についても実施し、画像コントラストを測る指標であるMTF曲線(MTF値と空間周波数[LP/mm]の関係)を算出した。得られたMTF曲線を、n=1.0に対しては図5の(A)に、n=1.5に対しては図5の(B)にそれぞれ示す。双方共に、吸収部の無い場合のMTF曲線である破線に対して、吸収部を0.1μmの厚みで設けた方(実線)は全空間周波数領域で高いMTF値を与えることが確認できた。本シミュレーションにおいては、出射空間の屈折率が1.0の場合は、シンチレータと受光素子アレイ間が光学レンズ等の光学部材で結ばれている検出器構成を想定している。また、出射空間の屈折率が1.5の場合はシンチレータを直接受光素子アレイに樹脂等によって張り合わせた場合を想定したものである。よって、いずれの構成においても、本発明の効果が得られるということを示している。
以上から、シンチレータにおいて、吸収部を設ける領域は、低屈折率相からの出射を吸収するように、低屈折率相の少なくともいずれかの面に面する領域であればよいことがわかった。
ただし、第一の構成では複数の柱が低屈折率相であるが、低屈折率相が複数ある場合、低屈折率相のそれぞれの一部に吸収部が設けられていることが好ましい。但し、低屈折率相のうちの一部の相に吸収部が設けられていなくても、効果がなくなる訳ではない。また、受光素子のサイズが大きく低屈折率相から出射しても空間分解能に影響のない場所については、吸収部を設けない方が受光量の低下抑制という面で多いに利点がある。
本実施例は、シンチレータと受光素子との構成に関する。
実施例1では、低屈折率相に吸収部を設けることが有効であることが確認できた。そこで、本実施例では受光素子とシンチレータの配置関係について、検証した。
本実施例は、実施例1で実施した第一の構成に対して実施し、吸収部の位置以外のパラメータや構成は実施例1と同一とした。図2に示すように、(A)は吸収部を受光素子側とは逆側に配置した場合、(B)は吸収部を受光素子側に配置した場合、(C)は吸収部を両側に配置した場合である。(D)は反射部を受光素子側に、吸収部を受光素子側とは逆側に設けた場合であり、本実施例では(D)の構成に準ずるのでここでは割愛する。さらに、(E)は吸収部を中間的な位置に配置した場合であり、吸収部の直下に屈折率1.5の接合層も設けられている。図3に示すMTF値と受光率の関係を示すグラフにおいて、(E)−1は、受光素子に相対する面と吸収部との距離がシンチレータの厚みの1/4の場合、(E)−2は、受光素子に相対する面と吸収部との距離がシンチレータの厚みの1/2の場合を示している。また(E)−3は、受光素子に相対する面と吸収部との距離がシンチレータの厚みの3/4の場合を示している。また、比較例として、図11のように、吸収部を設けない場合を(F)として図3に示した。
本実施例では、吸収部は厚み0.1μm、吸収係数は7.0×10[l/cm]以上の場合を仮定した。さらに、受光素子アレイ部とシンチレータの間には屈折率1.5の層が挿入されていると仮定した。この状況で、空間周波数が2[LP/mm]の時の受光率について光線追跡シミュレーションを行った。受光率は、シンチレータ内で発生させた光線の全量に対する受光量の比率として定義している。また、受光量は屈折率1.5の層に出射された光線分布の積分値として算出している。
以上のシミュレーション結果を図3にプロットした。その結果、吸収部が設けられていない図11の構成と比較して、吸収部が設けられている構成のMTF値が大きいことが確認できた。図11の構成と比較して、MTF値の上昇率は、受光素子側とは逆側に吸収部を設けた図2(A)の構成、中間位置に吸収部を設けた図2(E)の構成、受光素子側に吸収部を設けた図2(B)の構成、吸収部を両側に配置した図2(C)の構成の順により大きくなった。この時、受光率の減少は最大でも半分に留まった。
よって、本発明に係る図2の(A)〜(E)の構成は十分な効果を与えることが示された。特に、空間分解能や画像コントラストの点では図2の(B)や図2の(C)の構成がより好ましいことが確認できた。受光量の下限が設定されるような用途では、図2(E)の構成に基づき、図2(A)の構成と図2(B)の構成の間の好適な条件を選ぶことが可能であることも示された。
本実施例は、シンチレータにおける吸収部の有効な厚みに関する。
図2(B)に示される構成を用い、かつ実施例2と同様の条件で、吸収部の厚みのみ変化させた場合のシミュレーションを行った。図6に吸収部の厚みに対して得られる受光率を示す。撮像時の撮像時間やノイズとの兼ね合いから実用上10%の受光量を確保することが好ましい。したがって、吸収部の厚みは10μm以下であることが好ましいことが判断できる。また、受光率とMTF値(2LP/mmの時)のプロットを図7に示す。この図から吸収部の厚みが増すとMTF値の改善がみられるが、厚みが増すにつれて改善率の低下が見受けられる。特に、図1における第一の構成(図1の(A)、(C)に示したように、第一の相が低屈折率相である構成)においては、吸収部の厚みが500μm(このシミュレーション時のシンチレータの厚みすべて)の場合には、MTF値の大幅な劣化も生じることが判明した。但し、このように、吸収部の厚みがシンチレータの厚みと等しい場合であっても、第二の構成(つまり、図1の(B)と(D)に示したように、第二の相が低屈折率相である構成)では、このようなMTF値の大幅な劣化は生じないと考えられる。
以上から、本実施形態のシンチレータの吸収部の厚みに関しては、受光量の観点で10μm以下であることが好ましいという結果を得た。また、第一の構成においては、厚すぎる吸収部はMTF値まで劣化させることも確認できた。
本実施例は、有効な吸収部の吸収係数に関する。
実施例2で示した図2の(B)の構成のMTF曲線図5の(B)は、シンチレータの吸収部がない場合の破線と、吸収部0.1μm厚で吸収係数を7.0×10[l/cm]とした場合の実線として算出している。本実施例では吸収部の厚みを10μmとした場合について同様に算出した。その時、吸収部を設けることでMTF値は著しく改善したが、最大限の効果が得られる吸収部の吸収係数がどこまで小さくてもよいかを検証した。その結果、10μmの厚みにおいて透過光が1%以下であれば吸収係数が十分大きい場合のMTF曲線に漸近することが判明した。よって、吸収係数は、透過率1%まで許容されることから、4.6×10[l/cm]以上であることが好ましいことが分かった。ただし、吸収部が、入射光の全量を光吸収と透過の成分とに分配している場合を条件としているから、反射成分がある場合は、反射成分を除算したものを入射光量とすることが妥当である。したがって、反射率Rを有する吸収部では吸収係数に対する要請は緩くなり、反射率50%の吸収部の場合3.9×10[l/cm]以上であれば良い。
本実施例は、シンチレータの作製に関する。
まず、作製法の一例として相分離シンチレータを適用した場合、特にCsI−NaCl系を用いて示す。
チョクラルスキー法によって、TlIを0.1mol/%で添加したCsI−NaClの共晶組成融液から共晶相分離構造を有する結晶体を引き上げた。そして、結晶体を、引き上げ軸に垂直に厚み0.5mmにスライスし、鏡面研磨したものを準備した。その時、この系は第一の構成に相当し、第一の相を低屈折率相であるNaClの柱で、第二の相を高屈折率なCsIで構成していた。当然、高屈折率であるTlが添加されたCsIがシンチレータとして機能していることは確認した。この系のNaClの直径は約1.7μmで、柱間の平均距離である周期は約3.6μmであった。この試料の半分をマスクして、残り半分をメタノールによって常温において1分間エッチングして、低屈折率であるNaClの柱の部分を約12μm深さエッチングした。その後、吸収部として黒インクを試料表面に塗布して乾燥させ、その表面を精密研磨して12μm厚であった黒インク領域を6μm厚とした。この時の黒インクとしては、寺西化学工業株式会社製の黒色マジックインキを用いた。吸収係数は、透過率測定から2.1×10[l/cm]程度で、本発明の範囲内の吸収係数であった。
この試料の透過光による光学顕微鏡像を図8の(A)に示す。プロセスを施した場所とマスクで覆われていた場所の境界部を観察すると、柱の部分のみに吸収部が設けられていることが確認できる。また、高屈折率相のCsI部分の明るさは両領域で同一であることから、高屈折率相の光はほとんど吸収部による影響を受けていないことが確認できた。また、この試料の断面から吸収部の設けられている領域を観察したものが図8の(B)である。これにより、厚み6μmの吸収部が均一に設けられていることが観察できる。この断面像は、奥行き方向にまだ多数の柱があることから、見やすくするために落射光による暗視野光学顕微鏡像となっている。
以上から、本実施形態のシンチレータは、吸収部の厚みを10μm以下で形成することが可能であることが示された。
本実施例は、実際に作製したシンチレータでの撮像に関する。
実施例5と同様の作製方法によって、吸収部を設けないもの(比較例)と設けたもの(本実施例)を準備した。吸収部の厚みは実施例5と同じく約6μmである。また、今回の試料にはX線入射側にAlの反射面は設けていない。さらに、光導波の本質を見るため、レンズ光学系で拡大してから受光素子アレイで結像する構成で撮像した。被写体としてはPbのテストチャートの10[LP/mm]の部分を用いた。X線は、Agターゲット40kVの条件を用いた。この撮像系によれば、シンチレータの柱の直径は約1.7μmであるが、一つ一つの柱まで撮像することができる。また、レンズ光学系における拡大レンズの開口に依存してシンチレータから出射される光の角度分布の一部しか利用しないことにならないよう注意した。したがって、下記の結果にはレンズ光学系による高分解能化の影響は含まれていない。
比較例を備えた検出器で撮像した画像(上段)とプロファイル(下段)を図12に、本実施例を備えた検出器で撮像した画像(上段)とプロファイル(下段)を図9に示す。
結果として、図12に示すように吸収部の無い場合には、テストチャートの50μmの明暗がわずかに見えるに留まっていた。さらに、低屈折率相の柱が明るく見えているのが特徴である。しかしながら、図9に示すように、吸収部が設けられているシンチレータの場合には、明瞭なコントラストで撮像できていることが確認できた。当然、吸収部が設けられた柱の部分は、光が吸収されて一つ一つが暗く見えることも確認できる。さらに、撮像エリア全体の受光量を積分したが、吸収部を設けた場合でも約43%程度の光量低下しか示さなかった。想定では7割以上光量が低下すると考えられたが、明るく撮像できていることが確認できた。同じく、各々の画像の横方向のラインプロファイルを比較しても本発明の吸収部が設けられたシンチレータは高いMTF値を示すことが確認できた。図9の画像は、見やすいように明るさを調整しているが、光量の相対値は上記の通りである。最後に、レンズ光学系を用いず、直接受光素子アレイに張り合わせた場合にも、個々の柱までは見えないが、撮像した画像のコントラストが高いことも確認した。
11 第一の相
12 第二の相
15 吸収部
16 第一の構成
17 第二の構成
18 第一の相が延びる方向
110 柱の直径
111 シンチレータの厚み
112 吸収部の厚み
21 反射面
22 反射部
23 層
24 受光素子アレイ部
25 第二の面
26 第一の面
31 接合層

Claims (21)

  1. 互いに同一面上に位置しない第一の面と第二の面とを有するシンチレータであって、複数の第一の相と、前記複数の第一の相の周りに位置する第二の相とを備え、シンチレータ光の波長範囲において前記複数の第一の相の屈折率と前記第二の相の屈折率とが異なり、前記複数の第一の相と前記第二の相のうち、屈折率が低い方の相において、前記第一の面と前記第二の面との間に、前記シンチレータ光を吸収し、且つ厚みが前記シンチレータの厚みよりも小さい吸収部が設けられていることを特徴とするシンチレータ。
  2. 前記第二の相が、放射線の照射により前記シンチレータ光を発生し、前記複数の第一の相の前記屈折率が前記第二の相の前記屈折率よりも低く、前記複数の第一の相のそれぞれに前記吸収部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシンチレータ。
  3. 前記第一の相と前記第二の相とが共晶組織を形成していることを特徴とする請求項1または2に記載のシンチレータ。
  4. 前記複数の第一の相のそれぞれが、柱状晶であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のシンチレータ。
  5. 前記吸収部が、少なくとも前記第一の面に接するように設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のシンチレータ。
  6. 前記シンチレータが、第一の相分離シンチレータと第二の相分離シンチレータとが接合層を介して接合されて構成されており、前記吸収部が前記第一の面にも前記第二の面にも接さないように設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のシンチレータ。
  7. 前記複数の第一の相が、互いに同一面上に位置しない前記第一の面と前記第二の面とに露出していることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のシンチレータ。
  8. 前記複数の第一の相が、前記第一の面から前記第二の面まで連続して存在し、前記第二の相が、前記第一の面から前記第二の面まで連続して存在することを特徴とする請求項に記載のシンチレータ。
  9. 前記吸収部は、前記吸収部の厚み方向に平行な方向から前記吸収部へ入射した前記シンチレータ光の透過率が1%以下となるように構成されていることを特徴とする請求項のいずれか一項に記載のシンチレータ。
  10. 前記吸収部の前記柱状晶の厚み方向の厚みが10μm以下であることを特徴とする請求項のいずれか一項に記載のシンチレータ。
  11. 前記吸収部の厚みが、前記柱状晶の厚みの50%以下であることを特徴とする請求項10のいずれか一項に記載のシンチレータ。
  12. 前記吸収部の前記シンチレータ光に対する反射率が90%以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のシンチレータ。
  13. 前記吸収部を構成する材料の前記シンチレータ光の吸収係数が2.3×10[l/cm]以上であることを特徴とする請求項12に記載のシンチレータ。
  14. 前記第一の相と前記第二の相とが共晶組織を形成していることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のシンチレータ。
  15. 前記第一の相と前記第二の相との組成比が、前記第一の相を構成する材料と前記第二の相を構成する材料との共晶組成比の±4mol%の範囲内であることを特徴とする請求項14に記載のシンチレータ。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載のシンチレータと、前記シンチレータからの光を検出する受光素子とを備えることを特徴とする放射線検出器。
  17. 前記シンチレータと前記受光素子とが、層を介して接合されていることを特徴とする請求項16に記載の放射線検出器。
  18. 前記シンチレータ光の波長における前記層の屈折率が、前記屈折率が高い方の相における前記屈折率よりも低いことを特徴とする請求項17に記載の放射線検出器。
  19. 前記シンチレータと前記受光素子とが、前記第一の面から射出された光が前記受光素子で検出されるように配置されていることを特徴とする請求項1618のいずれか一項に記載の放射線検出器。
  20. 前記シンチレータ光を反射する反射部を備え、前記反射部が、前記第二の面と接するように配置されていることを特徴とする請求項19に記載の放射線検出器。
  21. 前記受光素子の受光面と前記シンチレータとの間にレンズ光学系が配置されていることを特徴とする請求項1619および20のいずれか一項に記載の放射線検出器。
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