JP2007078567A - 放射線検出器およびその製造方法 - Google Patents

放射線検出器およびその製造方法 Download PDF

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寛道 戸波
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Abstract

【課題】 高分解能で高画質を維持することが可能で、簡易に実現できる放射線検出器およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 シンチレータ群12の出力面面積よりも光電子増倍管41〜44の受光面面積が小さく、かつ第1、第2ライトガイド14、18に分けた場合において、光電子増倍管41〜44を互いに分離して構成し、第2ライトガイド18を、光電子増倍管41〜44の極数である4個と同数に分岐して構成し、各第2ライトガイド18を入力側の面から出力側の面に向かうにしたがって面積が小さくなるような形状で光電子増倍管41〜44に密着配置することで、それを分離して構成した分だけ、第2ライトガイド18の側面の傾斜角度θが従来よりも小さくなり、従来よりもライトガイド17での損失による出力の低下を抑えて、弁別能力が向上して、高分解能で高画質を維持することが可能である。
【選択図】 図1

Description

この発明は、シンチレータ,ライトガイド,増倍型受光素子の順に光学的に結合された放射線検出器およびその製造方法に関する。
この種の放射線検出器は、被検体に投与されて関心部位に蓄積された放射性同位元素(RI)から放出された放射線(例えばガンマ線)を検出し、関心部位のRI分布の断層画像を得るための装置、例えばPET(Positron Emission Tomography)装置やSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置などの医用診断装置に用いられる。放射線検出器は、被検体から放出されたガンマ線を入射して発光するシンチレータと、前記シンチレータからの発光を受光して、電気信号に変換しつつその信号を増倍させる増倍型受光素子とから構成されている。なお、増倍型受光素子としては、前記シンチレータからの発光をパルス状の電気信号に変換する光電子増倍管がある。その他に、増倍型受光素子としては、アバランシェ現象が生じて電荷がなだれ的に増加するのを利用したアバランシェフォトダイオードがある(例えば、特許文献1参照)。アバランシェフォトダイオードの場合には、アバランシェ現象を生じさせるために高電圧を印加する平面状の電極や、各電極に挟まれたアバランシェ増倍膜のみでアバランシェフォトダイオードを形成することができるので、光電子増倍管よりも小さくすることができる。
このような放射線検出器については、従来ではシンチレータと光電子増倍管(あるいはアバランシェフォトダイオード)とが一対一に対応していたが、近年では複数のシンチレータに対して、その数よりも少ない複数の光電子増倍管を結合する方式を採用している(例えば、特許文献2〜5参照)。かかる方式では、これらの光電子増倍管の出力比からガンマ線の入射位置を決定することで、分解能を高めている。以下、図面を参照して従来の放射線検出器の構成を説明する。
図7は従来例の放射線検出器をY方向からみたX方向の外観図(正面図)である。等方ボクセル検出器の場合、放射線検出器110をX方向からみたY方向の外観図(側面図)も図7と同じ形状となる。放射線検出器110は、2次元的に密着配置された複数のシンチレータ111からなるシンチレータ群112を備えている。シンチレータ群112は、光反射材113が適宜挟み込まれることによって区画されたシンチレータ111を2次元的に密着配置して構成されている。図7では、X方向に9個、Y方向に9個の合計81個のシンチレータ111を2次元的に配置している。放射線検出器110は、このシンチレータ群112に対して光学的に結合されたライトガイド114をさらに備えている。このライトガイド114は、光反射材115が組み合わされた格子枠体が埋設され多数の小区画が画定されている。また、放射線検出器110は、このライトガイド114に対して光学的に結合された4個の光電子増倍管101,102,103,104をさらに備えている。なお、図7では、光電子増倍管101,102のみが図示されている。ここでシンチレータ111としては、例えばBi4Ge312(BGO)、Gd2SiO5:Ce(CeがドープされたGd2SiO5すなわちGSO)、Lu2SiO5:Ce(CeがドープされたLu2SiO5すなわちLSO)、LuYSiO5:Ce(CeがドープされたLuYSiO5すなわちLYSO)、あるいはNaI(ヨウ化ナトリウム)、BaF2(フッ化バリウム)、CsF(フッ化セシウム)などの無機結晶が用いられる。
X方向に配置された9個のシンチレータ111のいずれかにガンマ線が入射すると、そのシンチレータ111はガンマ線を吸収して発光する。具体的には、可視光に変換される。この光は光学的に結合されたライトガイド114を通して光電子増倍管101〜104へ導かれる。その際に、X方向に配置された光電子増倍管101(103)と光電子増倍管102(104)との出力比が所定の割合で変化するように、ライトガイド114における各々の光反射材115の位置や長さが調整される。なお、傾斜の場合には角度が調整される。
より具体的には、光電子増倍管101の出力をP1、光電子増倍管102の出力をP2、光電子増倍管103の出力をP3、光電子増倍管104の出力をP4とすると、X方向の位置を表す計算値{(P1+P3)−(P2+P4)}/(P1+P2+P3+P4)が各シンチレータ111の位置に応じて所定の割合で変化するように、光反射材115の位置と長さとが設定される。
一方、Y方向に配置された9個のシンチレータ111の場合も同様に、光学的に結合されたライトガイド114を通して光電子増倍管101〜104へ光が導かれる。すなわち、Y方向に配置された光電子増倍管101(102)と光電子増倍管103(104)との出力比が所定の割合で変化するように、ライトガイド114における各々の光反射材115の位置や長さや角度が調整される。
すなわち、Y方向の位置を表す計算値{(P1+P2)−(P3+P4)}/(P1+P2+P3+P4)が各シンチレータ111の位置に応じて所定の割合で変化するように、光反射材115の位置と長さとが設定される。
ここで、各シンチレータ111間における光反射材113、およびライトガイド114の光反射材115は、主としてポリエステルフィルムを基材とした酸化珪素と酸化チタニウムとの多層構造からなる多層膜フィルム、研磨されたアルミニウム、薄い基板の表面に酸化チタンや硫酸バリウムを塗布したもの、薄い基板の表面に白色テープを貼り付けたもの、薄い平滑な基板の表面にアルミニウムを蒸着したものが用いられる。この多層膜フィルムの反射効率が非常に高いので、光の反射素子として用いられている。厳密には、光の入射角度によっては透過成分が発生しており、それをも計算に入れて光反射材113,115の形状および配置が決定される。
なお、シンチレータ群112はライトガイド114とカップリング接着剤にて接着されカップリング接着材層116を形成している。また、ライトガイド114も光電子増倍管101〜104とカップリング接着剤にて接着されカップリング接着材層117を形成している。また、各シンチレータ111が対向していない外周表面は、光電子増倍管101〜104側との光学結合面を除き光反射材で覆われている。この場合の光反射材としては、主にPTFEテープが用いられている。
図8は、放射線検出器の位置演算回路の構成を示すブロック図である。位置演算回路は、加算器121,122,123,124と位置弁別回路125,126とから構成されている。図8に示すように、ガンマ線のX方向の入射位置を検出するために、光電子増倍管101の出力P1と光電子増倍管103の出力P3とが加算器121に入力されるとともに、光電子増倍管102の出力P2と光電子増倍管104の出力P4とが加算器122に入力される。両加算器121,122の各加算出力(P1+P3)と(P2+P4)とが位置弁別回路125へ入力され、両加算出力に基づきガンマ線のX方向の入射位置が求められる。
同様に、ガンマ線のY方向の入射位置を検出するために、光電子増倍管101の出力P1と光電子増倍管102の出力P2とが加算器123に入力されるとともに、光電子増倍管103の出力P3と光電子増倍管104の出力P4とが加算器4に入力される。両加算器123,124の各加算出力(P1+P2)と(P3+P4)とが位置弁別回路126へ入力され、両加算出力に基づきガンマ線のY方向の入射位置が求められる。
さらに、計算値(P1+P2+P3+P4)は、そのイベントに対するエネルギーを示しており、図9に示すようなエネルギースペクトルとして表示される。図9の横軸は、光電子増倍管のchannel(図9ではチャンネル)を表し、図9の縦軸は、放射線検出器によって検出されたガンマ線の計数値を表す。
ところで、上述したような放射線検出器ではシンチレータのライトガイド側である出力側の面の総面積(以下、『出力面面積』と略記する)と光電子増倍管のライトガイド側である入力側の受光面の総面積(以下、『受光面面積』と略記する)とは略等しく、大面積の光電子増倍管が必要になる。特に、光電子増倍管を増倍型受光素子として採用した場合には面積に伴って高価になる。そこで、上述した特許文献5のように、図10に示すように、シンチレータ131側にある入力側の面から光電子増倍管301〜304側にある出力側の面に向かうにしたがって面積が小さくなるようなテーパーライトガイド138を用いて、シンチレータ群132の出力面面積に比べて光電子増倍管301〜304の受光面面積を小さくするような構造の検出器が考えられている。光電子増倍管301〜304の受光面面積を小さくすることで、低コストを実現する。なお、このテーパーライトガイド138内には光反射材139を中央に挟み、ライトガイド134を透過した光をそのまま光電子増倍管301〜304へ導いている。
また、図7のように、シンチレータ群132はライトガイド134とカップリング接着剤にて接着されカップリング接着材層136を形成し、ライトガイド134はテーパーライトガイド138とカップリング接着剤にて接着されカップリング接着材層137を形成し、テーパーライトガイド138は光電子増倍管301〜304とカップリング接着剤にて接着されカップリング接着材層140を形成している。
ところで、光電子増倍管のchannel、すなわち光電子増倍管の極を互いに分離して構成し、これらをガラス基板やNaI(ヨウ化ナトリウム)の単結晶を積層して構成されたシンチレータに光学的に結合している(例えば、特許文献6参照)。この場合には、ガラス板がライトガイドの機能を果たしてもよいし、特許文献6の従来例のようにガラス板とライトガイドとを別にそれぞれ用意してもよい。また、図7のようにシンチレータやライトガイドを小区画せずに、一面に形成している。
特許第3415704号明細書(第1−3頁、図1−4) 特開2002−181938号公報(第2−4頁、図1−5,7,8) 特開2004−233240号公報(第2−9頁、図1,2,4−6) 特開2004−245592号公報(第2−6頁、図1,2,8) 特開平4−204284号公報(第2,3頁、第1,3図) 特開平5−100034号公報(第2,3頁、図1,4,5)
しかしながら、図10に示すような上述した従来例の放射線検出器130の場合には、次のような問題がある。
図10に示すように、放射線検出器130では、シンチレータ群132の周縁部のシンチレータ131内で発光した光141がライトガイド134を通った後、テーパーライトガイド138に入射した際に、テーパーライトガイド138での損失が大きい。すなわち、テーパーライトガイド138の側面の傾斜角度θが大きいので、テーパーライトガイド138の側面に光141が当たる確率が高く、テーパーライトガイド138での反射によって損失しやすい。その結果、そこでの反射損失により出力が著しく下がり量子バラツキが大きくなるので、正常に弁別することができなくなるという問題が発生する。
また、ライトガイド134とテーパーライトガイド138との間には上述したカップリング接着材層137が介在しているので、ここでの透過損失や反射損失が発生する。その結果、シンチレータ群132全体の出力も低下させることになり、量子バラツキをさらに大きくすることになる。
このように、位置弁別が正確に行えないと、全体の画質も劣化する。弁別能力が低下すると、結果的には分解能が下がってしまう。かかる放射線検出器を、PET装置やSPECT装置などの医用診断装置に用いると、その装置によって得られる画像の画質は劣化してしまう。例えば関心部位が腫瘍の場合には、その腫瘍が画像上で正確に出力されない場合がある。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、高分解能で高画質を維持することが可能で、簡易に実現できる放射線検出器およびその製造方法を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、2次元的に密着配置された複数のシンチレータからなるシンチレータ群と、前記シンチレータ群に対して光学的に結合されたライトガイドと、前記ライトガイドに対して光学的に結合され、かつ前記シンチレータ群のライトガイド側である出力側の面の総面積よりも小さい面積をライトガイド側である入力側の受光面に有した増倍型受光素子とを備えた放射線検出器において、前記ライトガイドを互いに密着配置された第1ライトガイドおよび第2ライトガイドに分けて構成するとともに、前記第1ライトガイドは、板状の光学的部材を格子状に組み合わせた格子枠体を有しており、この格子枠体により小区画を形成し、この小区画を形成した前記光学的部材を、(a)前記シンチレータ群の配置方向に対して所定の間隔に調整すること,(b)前記シンチレータ群の配置方向に対して所定の角度に調整すること,(c)前記各シンチレータ間の間隔とは異なる間隔に調整することの少なくともいずれかで構成し、前記増倍型受光素子からなる各極を互いに分離して構成するとともに、前記第2ライトガイドを、増倍型受光素子の前記極数と同数に分岐して構成し、各第2ライトガイドを第1ライトガイド側にある入力側の面から増倍型受光素子側にある出力側の面に向かうにしたがって面積が小さくなるような形状で増倍型受光素子に密着配置することを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、2次元的に密着配置された複数のシンチレータからなるシンチレータ群のうちの1つのシンチレータに放射線が入射すると、そのシンチレータは放射線を吸収して発光する。発光した光は、その一部が周りに配置されたシンチレータを透過するが、ほとんどの光はシンチレータ内でも透過と反射による散乱とを繰り返しながらライトガイドへ入射される。ライトガイドへ入射された光は、後述する第1ライトガイドを構成する光学的部材によって形成される小区画で分散し、後述する第2ライトガイドを通って各極ごとに増倍型受光素子へ入射する。
各増倍型受光素子へ入射する光量が、放射線が入射した各シンチレータの位置に応じて均等に変化するように、光学的部材を、(a)シンチレータ群の配置方向に対して所定の間隔に調整すること,(b)シンチレータ群の配置方向に対して所定の角度に調整すること,(c)各シンチレータ間の間隔とは異なる間隔に調整することの少なくともいずれかで構成することで、弁別能力が向上する。
ここで、シンチレータ群のライトガイド側である出力側の面の総面積(出力面面積)よりも、増倍型受光素子のライトガイド側である入力側の受光面の総面積(受光面面積)が小さいので、光がライトガイドの側面に当たる可能性がある。上述した(a)〜(c)の少なくともいずれかでライトガイドを構成することによって弁別能力が向上しても、このライトガイドでの損失によって弁別能力が下がる可能性がある。
そこで、ライトガイドを互いに密着配置された第1ライトガイドおよび第2ライトガイドに分けて構成する。そして、増倍型受光素子からなる各極を互いに分離して構成するとともに、第2ライトガイドを、増倍型受光素子の極数と同数に分岐して構成する。さらに、各第2ライトガイドを第1ライトガイド側にある入力側の面から増倍型受光素子側にある出力側の面に向かうにしたがって面積が小さくなるような形状で増倍型受光素子に密着配置する。受光面面積が出力面面積よりも小さいにも関わらず、増倍型受光素子の各極を互いに分離して構成した分だけ、第2ライトガイドの側面の傾斜角度が従来よりも小さくなる。したがって、第2ライトガイドの側面に光が当たる確率が従来よりも小さくなって、従来よりもライトガイドでの損失による出力の低下を抑えて、弁別能力が向上して、高分解能で高画質を維持することが可能である。
上述した発明において、第1ライトガイドおよび第2ライトガイドを光学的に一体形成するのが好ましい(請求項2に記載の発明)。第1ライトガイドおよび第2ライトガイドを光学的に一体形成することで、従来のように第1ライトガイドと第2ライトガイドとの間にカップリング接着剤層のような境目がないので、第1ライトガイドと第2ライトガイドとの間での透過損失や反射損失をなくして、弁別能力がより一層向上して、より一層の高分解能で高画質を維持することが可能である。
また、請求項3に記載の発明は、2次元的に密着配置された複数のシンチレータからなるシンチレータ群と、前記シンチレータ群に対して光学的に結合されたライトガイドと、前記ライトガイドに対して光学的に結合され、かつ前記シンチレータ群のライトガイド側である出力側の面の総面積よりも小さい面積をライトガイド側である入力側の受光面に有した増倍型受光素子とを備えた放射線検出器の製造方法において、前記ライトガイドは互いに密着配置された第1ライトガイドおよび第2ライトガイドに分けて構成されており、(A)複数の板状の光学的部材を格子状に組み合わせて格子枠体を作成する工程と、(B)この格子枠体が収容可能で、かつ前記第2ライトガイドに該当する前記第1ライトガイド側にある入力側の面から前記増倍型受光素子側にある出力側の面に向かうにしたがって面積が小さくなるような形状を増倍型受光素子からなる各極ごとに分離してそれぞれ内部に有した矩形状容器に格子枠体を収納する前あるいは収納した後に、その矩形状容器に透明な液体樹脂を流し込む工程と、(C)硬化した液体樹脂と格子枠体とが一体化した硬化樹脂体を矩形状容器から取り出して外形を整えてライトガイドとする工程とを経て製造し、前記(A)の工程の際には、各々の光学的部材を、(a)前記シンチレータ群の配置方向に対して所定の間隔に調整すること,(b)前記シンチレータ群の配置方向に対して所定の角度に調整すること,(c)前記各シンチレータ間の間隔とは異なる間隔に調整することの少なくともいずれかで構成して、光学的部材を格子状に組み合わせることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項3に記載の発明によれば、(A)〜(C)の工程を経て製造することで、ダイシングソーやワイヤーソーといった切断を行うことなく光学的部材を第1ライトガイド内に配設することができ、加工精度の高い放射線検出器を実現することができる。このように、(A)〜(C)の工程を経て製造することで、放射線検出器を簡易に実現することができる。
また、増倍型受光素子の好ましい一例は、光電子増倍管である。この発明が増倍型受光素子として光電子増倍管に適用することで、弁別能力が向上して、高分解能で高画質を維持した状態で、光電子増倍管の受光面面積をシンチレータ群の出力面面積よりも小さくすることができて、大面積化に伴って高価になる光電子増倍管において低コストを実現することができる。さらに、増倍型受光素子の好ましい他の一例は、アバランシェフォトダイオードである。
この発明に係る放射線検出器によれば、シンチレータ群のライトガイド側である出力側の面の総面積(出力面面積)よりも、増倍型受光素子のライトガイド側である入力側の受光面の総面積(受光面面積)が小さく、かつライトガイドを互いに密着配置された第1ライトガイドおよび第2ライトガイドに分けて構成した場合において、増倍型受光素子からなる各極を互いに分離して構成するとともに、第2ライトガイドを、増倍型受光素子の極数と同数に分岐して構成し、各第2ライトガイドを第1ライトガイド側にある入力側の面から増倍型受光素子側にある出力側の面に向かうにしたがって面積が小さくなるような形状で増倍型受光素子に密着配置することで、受光面面積が出力面面積よりも小さいにも関わらず、増倍型受光素子の各極を互いに分離して構成した分だけ、第2ライトガイドの側面の傾斜角度が従来よりも小さくなる。したがって、第2ライトガイドの側面に光が当たる確率が従来よりも小さくなって、従来よりもライトガイドでの損失による出力の低下を抑えて、弁別能力が向上して、高分解能で高画質を維持することが可能である。また、この発明に係る放射線検出器の製造方法によれば、(A)〜(C)の工程を経て製造することで、放射線検出器を簡易に実現することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。
図1は、実施例1に係る放射線検出器をY方向からみたX方向の外観図(正面図)である。等方ボクセル検出器の場合、放射線検出器10をX方向からみたY方向の外観図(側面図)も図1と同じ形状となる。放射線検出器10は、大別して3つの部分で構成されている。
1つめは、光反射材13が適宜挟み込まれることによって区画されたシンチレータ11を2次元的に密着配置して構成されたシンチレータ群12である。後述する実施例2も含めて、本実施例1では、X方向に9個、Y方向に9個の合計81個のシンチレータ11を2次元的に配置している。このシンチレータ群12は、上述した従来例である図7のシンチレータ群112と全く同じ構造である。
2つめは、ライトガイド17である。このライトガイド17は、第1ライトガイド14および第2ライトガイド18で構成されている。第1ライトガイド14は、シンチレータ群12に対して光学的に結合され、かつ光反射材15が組み合わされた格子枠体が埋設され多数の小区画が画定されている。第2ライトガイド18は、後述する光電子増倍管41〜44のchannel数、すなわち極数と同数に分岐して構成されている。後述する実施例2も含めて、本実施例1では、光電子増倍管41〜44の極数は4個であるので、第2ライトガイド18も4個に分岐して構成する。
3つめは、これら4個の第2ライトガイド18に光学的に各々が結合されている4個の光電子増倍管41,42,43,44である。これらの光電子増倍管41〜44は、互いに分離して構成されている。なお、図1では光電子増倍管41,42のみが図示されている。光電子増倍管41〜44は、この発明における増倍型受光素子に相当する。
ここでシンチレータ11としては、例えばBi4Ge312(BGO)、Gd2SiO5:Ce(CeがドープされたGd2SiO5すなわちGSO)、Lu2SiO5:Ce(CeがドープされたLu2SiO5すなわちLSO)、LuYSiO5:Ce(CeがドープされたLuYSiO5すなわちLYSO)、あるいはNaI(ヨウ化ナトリウム)、BaF2(フッ化バリウム)、CsF(フッ化セシウム)などの無機結晶が用いられる。
ここで、第1ライトガイド14と、この第1ライトガイド14に対して光学的に結合される4個の第2ライトガイド18について説明する。X方向に配置された9個のシンチレータ11のいずれかにガンマ線が入射すると、そのシンチレータ11はガンマ線を吸収して発光して可視光として変換される。この光は光学的に結合された第1ライトガイド14および第2ライトガイド18を通して光電子増倍管41〜44へ導かれる。その際に、X方向に配置された光電子増倍管41(43)と光電子増倍管42(44)との出力比が所定の割合で変化するように、第1ライトガイド14における各々の光反射材15の位置や長さが調整される。なお、傾斜の場合には角度が調整される。
一方、Y方向に配置された9個のシンチレータ11の場合も同様に、光学的に結合された第1ライトガイド14および第2ライトガイド18を通して光電子増倍管41〜44へ光が導かれる。すなわち、Y方向に配置された光電子増倍管41(42)と光電子増倍管43(44)との出力比が所定の割合で変化するように、第1ライトガイド14における各々の光反射材15の位置や長さや角度が調整される。
なお、各シンチレータ11の位置を表すための計算方法については、従来例で述べたのと全く同様の方法を用いている。
各シンチレータ11間における光反射材13、および第1ライトガイド14の光反射材15は、主としてポリエステルフィルムを基材とした酸化珪素と酸化チタニウムとの多層構造からなる多層膜フィルム、研磨されたアルミニウム、薄い基板の表面に酸化チタンや硫酸バリウムを塗布したもの、薄い基板の表面に白色テープを貼り付けたもの、薄い平滑な基板の表面にアルミニウムを蒸着したものが用いられる。この多層膜フィルムの反射効率が非常に高いので、光の反射素子として用いられている。厳密には、光の入射角度によっては透過成分が発生しており、それをも計算に入れて光反射材13,15の形状および配置が決定される。特に、第1ライトガイド14の光反射材15については、以下のように形状および配置を決定する。
図1に示すように、(a)シンチレータ群12の配置方向に対して所定の間隔に調整し、(b)シンチレータ群12の配置方向に対して所定の角度に調整し、(c)各シンチレータ11間の間隔とは異なる間隔に調整している。(a)の具体例として、各光反射材15間の間隔を不均一にするように調整し、(b)の具体例として、もっとも端にある光反射材15をシンチレータ群12の配置方向に対して斜めの角度に傾斜して調整している。光反射材15は、この発明における光学的部材に相当する。
なお、第2ライトガイド18については、第1ライトガイド14のように光反射材15を内部に含んでいない。第1ライトガイド14を通過した光を第2ライトガイド18がそのまま光電子増倍管41〜44へ導く構造となっている。その際、第2ライトガイド18を、第1ライトガイド14側にある入力側の面から光電子増倍管41〜44側にある出力側の面に向かうにしたがって面積が小さくなるような形状で光電子増倍管41〜44に密着配置する。また、後述する実施例2も含めて、本実施例1では、第1ライトガイド14も、シンチレータ11側にある入力側の面から第2ライトガイド18側にある出力側の面に向かうにしたがって面積が小さくなるような形状となっている。このように、少なくとも、第2ライトガイド18を入力側の面から出力側の面に向かうにしたがって面積が小さくなるような形状とすることで、シンチレータ11のライトガイド17側である出力側の面の総面積(以下、『出力面面積』と略記する)よりも、光電子増倍管41〜44のライトガイド17側である入力側の受光面の総面積(以下、『受光面面積』と略記する)が小さくなる。
なお、シンチレータ群12はライトガイド17とカップリング接着剤にて接着されカップリング接着材層16を形成している。また、ライトガイド17も光電子増倍管41〜44とカップリング接着剤にて接着されカップリング接着材層19を形成している。また、各シンチレータ11が対向していない外周表面は、光電子増倍管41〜44側との光学結合面を除き光反射材で覆われている。この場合の光反射材としては、主にPTFEテープが用いられている。また、後述する実施例2も含めて、本実施例1では、第1ライトガイド14および第2ライトガイド18を光学的に一体形成している。
次に、後述する実施例2も含めて、本実施例1における第1ライトガイド14の具体的な構成について、図2を参照して説明する。図2は、第1ライトガイド14の格子枠体の斜視図である。すなわち、第1ライトガイド14は透明体を主体とし、図2に示すように、その内方には格子枠体50が埋設されている。格子枠体50は上述した光反射材15の光学的部材(すなわち短冊51〜54)を格子状に組み合わせて構成されている。なお、第2ライトガイド18も、第1ライトガイド14のように透明体を主体としている。
図2では、シンチレータ11(図1を参照)から第2ライトガイド18(図1を参照)の入力側の面まで延びた長い方の短冊を短冊51,52とするとともに、短冊51,52よりも短い方の短冊を53,54とする。また、X方向に延びた短冊を短冊51,53とするとともに、Y方向に延びた短冊を短冊52,54とする。
次に、後述する実施例2も含めて、本実施例1における第1ライトガイド14の製造方法について、図3を参照して説明する。図3は、格子枠体50を構成する光学的部材を分解して斜視的に示した図である。光学的部材は、図2に示すように薄い短冊51〜54に形成され、各々の短冊51〜54にはスリットMが形成されている。このスリットMで互いに組み合わされて格子枠体50が構成されている。この格子枠体50の作成は、この発明における(A)の工程に相当する。
短冊51〜54の外形加工としては、ダイシングカット、レーザカット、刃物によるカット、エッチング、打ち抜きなどいずれの手法を用いてもよい。短冊51〜54が薄板なので容易に精密にカットすることが可能である。
次に、第1ライトガイド14を用いた放射線検出器10の製造方法について、図2〜図5を参照して説明する。図4は、放射線検出器10の製造に使用される成形型の断面図であり、図5は、第2ライトガイド18を含むライトガイド17の成形後の斜視図である。この製造に際しては、図4に示すような矩形状の成形型55を準備する。この成形型55は、第1ライトガイド14に該当する格子枠体50が収納できる凹部56、および第2ライトガイド18に該当する4つのテーパー凹部57をそれぞれ内部に有する。各テーパー凹部57は、第1ライトガイド14側にある入力側の面から光電子増倍管41〜44側にある出力側の面に向かうにしたがって面積が小さくなるような形状である。この成形型55の凹部56の内方に、図2に示す格子枠体50が収納される。凹部56は格子枠体50を完全に覆うだけの面積と深さとを有している。なお、完成品としてのライトガイド17(図1および図5を参照)を凹部56およびテーパー凹部57から容易に取り出せるように、収納前に凹部56およびテーパー凹部57の内面に離型剤などを塗布する。成形型55は、この発明における矩形状容器に相当する。なお、矩形状容器55は、離型作用に優れたフッ素樹脂や、フッ素樹脂コーティングが表面に施されたアルミニウムやステンレス鋼などの金属加工品が好ましい。
そして、完全に脱泡された光学的に透明な光学接着材を透明な液体樹脂として成形型55の凹部56およびテーパー凹部57の内方に流し込む。流し込んで液体樹脂が硬化するまでに、格子枠体50を凹部56に収納する。液体樹脂は、シリコン系接着剤、エポキシ系接着剤などが好ましい。液体樹脂が硬化した後に、格子枠体50と液体樹脂とが硬化樹脂体として一体化される。これを取り出して外形を整えるなどの切削および研磨を行うことで、図1、図5に示すようなライトガイド17ができる。そして、図1に示すカップリング接着材19によって4個の第2ライトガイド18をそれぞれに対応する光電子増倍管41〜44に密着配置する。このように密着配置することで、各第2ライトガイド18を光電子増倍管41〜44と光学的に結合させて放射線検出器10を製造する。液体樹脂の流し込みまでは、この発明における(B)の工程に相当し、外形を整えて光電子増倍管41〜44に密着配置するまでは、この発明における(C)の工程に相当する。
なお、脱泡された液体樹脂を流し込むことで、硬化した樹脂内に空隙ができるのを防止することができるとともに、空隙による分解能の低下を防止することができる。なお、脱泡の方法は、脱泡された液体樹脂を流し込むのに限定されず、真空脱気可能な空間(例えばチャンバ)内に成形型55を収納した後に、真空脱気しながら液体樹脂を流し込んでもよい。また、成形型55の凹部56およびテーパー凹部57に液体樹脂を流し込んだ後で、それが硬化する前までに格子枠体50を収納したが、成形型55の凹部56に格子枠体50を収納した後に、液体樹脂を流し込んで脱泡してもよい。
このようにして製造されたライトガイド17を放射線検出器10に用いることで、高分解能の放射線検出器10を簡易に実現することができる。例えば、光反射材15の厚さや角度が自由に選べ、硬化した透明樹脂との間に隙間がなく、反射効率が劣化することもない。また、光反射材15などの光学的部材を斜めの角度に傾斜して調整することが容易にできる。また、ダイシングソーやワイヤーソーといった切断を行うことなく光学的部材をライトガイド17内に配設することができ、加工精度の高い放射線検出器10を実現することができる。
かかる放射線検出器10において、2次元的に密着配置された複数のシンチレータ11からなるシンチレータ群12のうちの1つのシンチレータにガンマ線が入射すると、そのシンチレータはガンマ線を吸収して発光する。発光した光は、その一部が周りに配置されたシンチレータ11を透過するが、ほとんどの光はシンチレータ11内でも透過と反射による散乱とを繰り返しながらライトガイド17へ入射される。ライトガイド17へ入射された光は、第1ライトガイド14を構成する光反射材15によって形成される小区画で分散し、第2ライトガイド18を通って各極ごとに光電子増倍管41〜44へ入射する。
また、各電子増倍管41〜44へ入射する光量が、ガンマ線が入射した各シンチレータ1の位置に応じて均等に変化するように、第1ライトガイド14における各々の光反射材15の位置や長さや角度を調整している。すなわち、光学的部材に相当する光反射材15を、(a)シンチレータ群12の配置方向に対して所定の間隔に調整し、(b)シンチレータ群12の配置方向に対して所定の角度に調整し、(c)各シンチレータ11間の間隔とは異なる間隔に調整することの少なくともいずれかに構成する。このように調整して光反射材15を構成することで、弁別能力が向上する。
ここで、シンチレータ群12のライトガイド17側である出力側の面の総面積(出力面面積)よりも、電子増倍管41〜44のライトガイド17側である入力側の受光面の総面積(受光面面積)が小さいので、光がライトガイド17の側面に当たる可能性がある。上述した(a)〜(c)の少なくともいずれかでライトガイド17を構成することによって弁別能力が向上しても、このライトガイド17での損失によって弁別能力が下がる可能性がある。
そこで、ライトガイド17を互いに密着配置された第1ライトガイド14および第2ライトガイド18に分けて構成する。そして、電子増倍管41〜44からなる各極を互いに分離して構成するとともに、第2ライトガイド18を、電子増倍管41〜44の極数と同数(各実施例では4個)に分岐して構成する。さらに、各第2ライトガイド18を第1ライトガイド14側にある入力側の面から電子増倍管41〜44側にある出力側の面に向かうにしたがって面積が小さくなるような形状で電子増倍管41〜44に密着配置する。受光面面積が出力面面積よりも小さいにも関わらず、電子増倍管41〜44の各極を互いに分離して構成した分だけ、図1に示すように第2ライトガイド18の側面の傾斜角度θが従来例の傾斜角度θ(図10を参照)よりも小さくなる。したがって、第2ライトガイド18の側面に光21(図1を参照)が当たる確率が従来よりも小さくなって、従来よりもライトガイド17での損失による出力の低下を抑えて、弁別能力が向上して、高分解能で高画質を維持することが可能である。
かかる高分解能で高画質の放射線検出器10を、PET装置やSPECT装置などの診断装置に用いると、その装置によって得られる画像も高画質なものとなる。例えば、関心部位が腫瘍の場合でも、その腫瘍が画像上に正確に出力されやすくなる。なお、シンチレータ11の間隔が2.5mmの場合では、視野中心部で直径3.0mm程度の腫瘍を正確に出力することができる。
かかる製造方法によって、第1ライトガイド14および第2ライトガイド18を光学的に一体形成することで、従来のように第1ライトガイド14と第2ライトガイド18との間にカップリング接着剤層のような境目がないので、第1ライトガイド14と第2ライトガイド18との間での透過損失や反射損失をなくして、弁別能力がより一層向上して、より一層の高分解能で高画質を維持することが可能である。
本実施例1では、増倍型受光素子として光電子増倍管41〜44に適用することで、弁別能力が向上して、高分解能で高画質を維持した状態で、光電子増倍管41〜44の受光面面積をシンチレータ群12の出力面面積よりも小さくすることができて、大面積化に伴って高価になる光電子増倍管41〜44において低コストを実現することができる。
次に、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。
図6は、実施例2に係る放射線検出器をY方向からみたX方向の外観図(正面図)である。等方ボクセル検出器の場合、放射線検出器60をX方向からみたY方向の外観図(側面図)も図6と同じ形状となる。上述した実施例1との相違点は、増倍型受光素子として実施例1の光電子増倍管41〜44の替わりに、実施例2ではアバランシェフォトダイオード(以下、『APD』と略記する)81〜84を採用している点である。その他のシンチレータ群62やライトガイド67などの構成については、実施例1のシンチレータ群12やライトガイド17などの構成を同じである。これらの符号を、実施例1での符号に50づつ繰り上げて説明を省略する。
APD81〜84の場合も、実施例1と同様に、APD81〜84は、互いに分離して構成されており、APD81〜84の極数(各実施例では4個)と同数に分岐して第2ライトガイド68は構成されている。そして、4個の第2ライトガイド68をそれぞれに対応するAPD81〜84に密着配置する。APD81〜84は、この発明における増倍型受光素子に相当する。
また、放射線検出器60の製造方法についても、4個の第2ライトガイド68をそれぞれに対応するAPD81〜84に密着配置することを除いて、格子枠体を作成してから外形を整えるまでの工程は実施例1と同じなので、その説明を省略する。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例では、ガンマ線を検出する放射線検出器であったが、ガンマ線以外の放射線、例えばX線を検出する検出器に適用してもよい。
(2)上述した各実施例では、(a)シンチレータ群の配置方向に対して所定の間隔に調整すること,(b)シンチレータ群の配置方向に対して所定の角度に調整すること,(c)各シンチレータ間の間隔とは異なる間隔に調整することの3つ全てを組み合わせたが、各極の増倍型受光素子(実施例1では光電子増倍管41〜44、実施例2ではAPD81〜84)へ入射する光量が、ガンマ線などに代表される放射線が入射した各シンチレータの位置に応じて均等に変化するならば、(a)のみで構成してもよいし、(b)のみで構成してもよいし、(c)のみで構成してもよいし、(a)・(b),(b)・(c),または(c)・(a)の2つを組み合わせて構成してもよい。つまり、(a)〜(c)の少なくともいずれかで構成すればよい。
(3)上述した各実施例では、第1ライトガイドを構成する光学的部材として光反射材を用いたが、光反射材の代用として光透過材でもよいし、光反射材と光透過材とを組み合わせて構成してもよい。
(4)上述した各実施例では、完成品としてのライトガイドを成形型55から容易に取り出すために、離型剤を塗布してから液体樹脂を流し込んだが、離型剤を必ずしも塗布する必要はない。
(5)上述した各実施例では、液体樹脂として光学接着材を流し込んだが、光学接着材以外の液体樹脂を流し込んでライトガイドを製造してもよい。
(6)上述した各実施例では、液体樹脂を流し込む際にその液体樹脂を脱泡したが、必ずしも脱泡する必要はない。
(7)上述した各実施例では、シンチレータ群の配置方向に対して斜めの角度に傾斜する光反射材を、ライトガイドの外周の隣の光反射材としたが、必要に応じてそれ以外の箇所の光反射材を斜めの角度に傾斜して調整してもよい。なお、それ以外の光反射材についてはシンチレータ群の配置方向に対して所定の角度として垂直に調整すればよい。光透過材の場合も同様である。
(8)上述した各実施例では、増倍型受光素子として、実施例1では光電子増倍管を、実施例2ではアバランシェフォトダイオード(APD)をそれぞれ採用したが、通常において用いられる増倍機能を有した受光素子であれば、特に限定されない。
(9)上述した各実施例では、第1ライトガイドおよび第2ライトガイドを光学的に一体形成したが、従来例のように第1ライトガイドと第2ライトガイドとの間にカップリング接着剤層のような境目を設けて、結合させてもよい。
(10)上述した各実施例では、第2ライトガイドと同様に、第1ライトガイドも入力側の面から出力側の面に向かうにしたがって面積が小さくなるような形状としたが、第2ライトガイドのみ入力側の面から出力側の面に向かうにしたがって面積が小さくなるような形状として、第1ライトガイドについては入力側の面から出力側の面にわたって同じ面積となるような形状としてもよい。
(11)上述した各実施例では、増倍型受光素子(実施例1では光電子増倍管41〜44、実施例2ではAPD81〜84)の極数は4個であって、第2ライトガイドも同数の4個に分岐したが、増倍型受光素子の極数に応じて第2ライトガイドも同数に分岐すればよい。したがって、例えば極数が2個や3個や5個などのように、増倍型受光素子の極数や同数に分岐される第2ライトガイドは複数であれば、4個に限定されない。
以上のように、この発明は、PET装置やSPECT装置などの医用診断装置、さらには産業用に適している。
実施例1に係る放射線検出器をY方向からみたX方向の外観図である。 第1ライトガイドの格子枠体の斜視図である。 格子枠体を構成する光学的部材を分解して斜視的に示した図である。 放射線検出器の製造に使用される成形型の断面図である。 第2ライトガイドを含むライトガイドの成形後の斜視図である。 実施例2に係る放射線検出器をY方向からみたX方向の外観図である。 従来例の放射線検出器をY方向からみたX方向の外観図である。 放射線検出器の位置演算回路の構成を示すブロック図である。 放射線検出器のエネルギースペクトルを模式的に示したグラフである。 別の従来例の放射線検出器をY方向からみたX方向の外観図である。
符号の説明
10、60 … 放射線検出器
11、61 … シンチレータ
12、62 … シンチレータ群
14、64 … 第1ライトガイド
15,65 … 光反射材
17、67 … ライトガイド
18、68 … 第2ライトガイド
41、42、43、44 … 光電子増倍管
50 … 格子枠体
51、52、53、54 … 短冊
55 … 成形型
81、82、83、84 … アバランシェフォトダイオード(APD)

Claims (3)

  1. 2次元的に密着配置された複数のシンチレータからなるシンチレータ群と、前記シンチレータ群に対して光学的に結合されたライトガイドと、前記ライトガイドに対して光学的に結合され、かつ前記シンチレータ群のライトガイド側である出力側の面の総面積よりも小さい面積をライトガイド側である入力側の受光面に有した増倍型受光素子とを備えた放射線検出器において、前記ライトガイドを互いに密着配置された第1ライトガイドおよび第2ライトガイドに分けて構成するとともに、前記第1ライトガイドは、板状の光学的部材を格子状に組み合わせた格子枠体を有しており、この格子枠体により小区画を形成し、この小区画を形成した前記光学的部材を、(a)前記シンチレータ群の配置方向に対して所定の間隔に調整すること,(b)前記シンチレータ群の配置方向に対して所定の角度に調整すること,(c)前記各シンチレータ間の間隔とは異なる間隔に調整することの少なくともいずれかで構成し、前記増倍型受光素子からなる各極を互いに分離して構成するとともに、前記第2ライトガイドを、増倍型受光素子の前記極数と同数に分岐して構成し、各第2ライトガイドを第1ライトガイド側にある入力側の面から増倍型受光素子側にある出力側の面に向かうにしたがって面積が小さくなるような形状で増倍型受光素子に密着配置することを特徴とする放射線検出器。
  2. 請求項1に記載の放射線検出器において、前記第1ライトガイドおよび第2ライトガイドを光学的に一体形成することを特徴とする放射線検出器。
  3. 2次元的に密着配置された複数のシンチレータからなるシンチレータ群と、前記シンチレータ群に対して光学的に結合されたライトガイドと、前記ライトガイドに対して光学的に結合され、かつ前記シンチレータ群のライトガイド側である出力側の面の総面積よりも小さい面積をライトガイド側である入力側の受光面に有した増倍型受光素子とを備えた放射線検出器の製造方法において、前記ライトガイドは互いに密着配置された第1ライトガイドおよび第2ライトガイドに分けて構成されており、(A)複数の板状の光学的部材を格子状に組み合わせて格子枠体を作成する工程と、(B)この格子枠体が収容可能で、かつ前記第2ライトガイドに該当する前記第1ライトガイド側にある入力側の面から前記増倍型受光素子側にある出力側の面に向かうにしたがって面積が小さくなるような形状を増倍型受光素子からなる各極ごとに分離してそれぞれ内部に有した矩形状容器に格子枠体を収納する前あるいは収納した後に、その矩形状容器に透明な液体樹脂を流し込む工程と、(C)硬化した液体樹脂と格子枠体とが一体化した硬化樹脂体を矩形状容器から取り出して外形を整えてライトガイドとする工程とを経て製造し、前記(A)の工程の際には、各々の光学的部材を、(a)前記シンチレータ群の配置方向に対して所定の間隔に調整すること,(b)前記シンチレータ群の配置方向に対して所定の角度に調整すること,(c)前記各シンチレータ間の間隔とは異なる間隔に調整することの少なくともいずれかで構成して、光学的部材を格子状に組み合わせることを特徴とする放射線検出器の製造方法。
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