以下、図面を参照して実施の形態について説明する。本開示は、以下の各実施の形態で説明する構成のうち、組合わせ可能な構成のあらゆる組合わせを含み得る。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の吸込具を備える電気掃除機の斜視図である。図1に示すように、実施の形態1の電気掃除機1は、吸込具2、接続パイプ3、吸引ホース4、掃除機本体5、吸引パイプ8、及びハンドル9を備える。吸込具2は、吸込口体6及び連結部7を備える。吸込具2は、掃除具の例である。掃除機本体5は、ホース接続口11、電源コード12、及び車輪13を備える。ホース接続口11は、掃除機本体5の前部に位置する。車輪13は、掃除機本体5の後半部分の両側の側面に位置する。
吸込具2の吸込口体6は、掃除される面(以下、「被清掃面」と称する)の塵埃を空気と一緒に吸い込む。吸込口体6は、ボディーの例である。連結部7は、吸引パイプ8を吸込口体6に対して連結する。吸引パイプ8は、ワンド(wand)の例である。ワンドは、管状部材または棒状部材である。吸引パイプ8の一端部が連結部7に対して着脱可能でもよい。吸引パイプ8の一端部と、連結部7の一部とが一体化していてもよい。
吸引パイプ8の他端部は、接続パイプ3の一端部に接続される。接続パイプ3は、途中で折れ曲がった円筒状の部材である。接続パイプ3の他端部は、吸引ホース4の一端部に接続される。吸引ホース4は、可撓性を有する蛇腹状の部材である。吸引ホース4の他端部は、掃除機本体5のホース接続口11に接続される。掃除機本体5は、塵埃を含む空気から塵埃を分離し、塵埃が取り除かれた空気を排出するためのものである。以下、塵埃を含む空気を「含塵空気」とも呼ぶ。また、塵埃が取り除かれた空気を「清浄空気」とも呼ぶ。清浄空気は、例えば、掃除機本体5から室内に戻される。
使用者が電気掃除機1を用いて掃除を行うとき、使用者はハンドル9を把持する。ハンドル9は、少なくとも部分的に、ゲル等の軟質材で形成されてもよい。ハンドル9が少なくとも部分的に軟質材で形成されることで、ハンドル9を把持する手との間で摩擦力が増大するとともに、使用者がハンドル9を握りやすくなる。その結果、吸込具2の操作性をさらに向上させることができる。ハンドル9は、吸引パイプ8より軟らかい材質で形成されてもよい。ハンドル9は、棒状を呈してもよい。棒状のハンドル9の中心軸は、吸引パイプ8の中心軸と一致してもよい。図1において、ハンドル9の中心軸及び吸引パイプ8の中心軸は、一点鎖線で示されている。ハンドル9の全体的な形状が、吸引パイプ8の中心軸と同軸的な棒状の形状を呈する場合には、ハンドル9をひねる場合の手の動き及び筋負荷が小さくなる。その結果、吸込具2の取回しが容易になり、操作性をさらに向上させることができる。ハンドル9は、長手方向の中心における断面積よりも先端部の断面積の方が大きくなるように形成されてもよい。ハンドル9は、長手方向において吸込口体6に近い側よりも吸込口体6から遠い側の方が太くなるように形成されてもよい。
図1における両矢印は、ハンドル9の動かし方の一例を示している。ひねり方向Aの動きは、ハンドル9及び吸引パイプ8の中心軸周りの回転である。傾き方向Bの動きは、被清掃面に対するハンドル9及び吸引パイプ8の角度を変える動きである。
ハンドル9には、操作スイッチ10が設置されている。操作スイッチ10は、ハンドル9の根元付近の位置に設けられている。操作スイッチ10は、使用者が電気掃除機1の運転を制御するためのものである。
電源コード12は、掃除機本体5内部の図示しないコードリール部に巻き付けられている。後述するように、掃除機本体5は、電動送風機を内蔵する。電源コード12が外部電源に接続されると、電動送風機等の内部機器が通電する。電動送風機は、通電によって駆動する。電動送風機は、操作スイッチ10に対する操作に応じて予め設定された吸引動作を行う。
電動送風機が吸引動作を行うと、含塵空気が吸込口体6に吸い込まれる。吸込口体6に吸い込まれた含塵空気は、連結部7、吸引パイプ8、接続パイプ3、及び吸引ホース4の内部を通って、掃除機本体5に送られる。吸込口体6、連結部7、吸引パイプ8、接続パイプ3、及び吸引ホース4は、含塵空気を掃除機本体5へ送る風路を形成する。
図2は、実施の形態1における掃除機本体5の斜視図である。図3は、実施の形態1における掃除機本体5の上面図である。図2及び図3に示すように、掃除機本体5は、収容ユニット14及び集塵ユニット15を備える。収容ユニット14は、集塵ユニット15以外の各種機器を収容する。ホース接続口11は、収容ユニット14の前端部に形成されている。車輪13は、収容ユニット14の後ろ半分の両側の側面にある。集塵ユニット15は、収容ユニット14に対して着脱可能に取り付けられている。
図4は、実施の形態1における収容ユニット14の斜視図である。図5は、実施の形態1における収容ユニット14の上面図である。図4及び図5は、収容ユニット14から集塵ユニット15を取り外した状態を示す。図4及び図5に示すように、収容ユニット14は、収容体16及び収容体17を備える。
収容体16は、上方が開口した箱状を呈する部材である。収容体16は、例えば、成型品である。電動送風機及びコードリール部は、収容体16に収容されている。収容体17は、収容体16に形成された上記開口を塞ぐように、収容体16と結合される。収容体17は、集塵ユニット15を収容するための空間である収容部を有する。集塵ユニット15が収容ユニット14に適切に取り付けられると、集塵ユニット15の要部は、収容部に配置される。集塵ユニット15は、収容体17の上方に配置される。
図4及び図5に示すように、収容ユニット14には、第1接続口18及び第2接続口19が形成されている。第1接続口18及び第2接続口19は、収容ユニット14の上面において、後端部寄りに配置されている。第1接続口18は、収容ユニット14の側面のうち一方に寄って配置されている。第2接続口19は、収容ユニット14の両側面から等距離に配置されている。第1接続口18及び第2接続口19は、集塵ユニット15が収容ユニット14に取り付けられた状態において、集塵ユニット15の内部に通じる。
図6は、図5に示す収容ユニット14のC−C線での断面図である。図7は、図5に示す収容ユニット14のD−D線での断面図である。図6及び図7に示すように、収容ユニット14は、吸気風路形成部20を備える。吸気風路形成部20は、掃除機本体5において、含塵空気を集塵ユニット15に導くための吸気風路21を形成する。吸気風路形成部20は、収容体16の内部空間を通過するように設けられている。吸気風路形成部20の一端は、収容ユニット14の前面で開口する。吸気風路形成部20の上記一端は、ホース接続口11を形成する。吸気風路形成部20の他端は、収容ユニット14の上面で開口する。つまり、吸気風路形成部20の上記他端は、収容体17で開口する。吸気風路形成部20の上記他端は、集塵ユニット15と接続される第1接続口18を形成する。
集塵ユニット15は、含塵空気から塵埃を分離し、分離した塵埃を一時的に溜めておくためのものである。集塵ユニット15は、内部で含塵空気を旋回させることにより、遠心力によって塵埃を空気から分離する。つまり、集塵ユニット15は、サイクロン分離機能を有するサイクロン分離装置である。
図6及び図7に示すように、収容ユニット14は、排気風路形成部22を備える。排気風路形成部22は、掃除機本体5において、集塵ユニット15から排出された清浄空気を図示しない排気口に導くための排気風路23を形成する。排気風路形成部22は、収容体16の内部空間を通過するように設けられている。排気風路形成部22の一端は、収容ユニット14の上面で開口する。つまり、排気風路形成部22の上記一端は、収容体17で開口する。排気風路形成部22の上記一端は、集塵ユニット15と接続される第2接続口19を形成する。排気風路形成部22の他端は、収容ユニット14の外側に向けて開口する。排気風路形成部22の上記他端は、排気口を形成する。
図6及び図7に示すように、収容ユニット14の内部には、電動送風機24が備えられている。電動送風機24は、電気掃除機1に形成された各風路に、気流を発生させるためのものである。電気掃除機1に形成された各風路とは、外部から掃除機本体5の内部に含塵空気を流入させるための風路、吸気風路21、集塵ユニット15内の空間及び排気風路23である。電動送風機24は、収容ユニット14の後端部寄りの予め設定された位置において、排気風路23内に配置される。
電動送風機24が吸引動作を開始すると、電気掃除機1に形成された各風路に気流が発生する。このとき、吸込具2、接続パイプ3、及び吸引ホース4の内部には吸引力が発生する。吸込具2の吸込口体6に吸い込まれた含塵空気は、ホース接続口11から掃除機本体5の内部に取り込まれる。掃除機本体5の内部に流入した含塵空気は、吸気風路21を経て、第1接続口18から集塵ユニット15に送られる。集塵ユニット15の内部では、含塵空気から塵埃が分離される。集塵ユニット15から排出された清浄空気は、排気風路23に流入し、排気風路23内において電動送風機24を通過する。電動送風機24を通過した清浄空気は、排気風路23をさらに進み、排気口から掃除機本体5の外部に排出される。
次に、吸込具2について説明する。以下では、原則として、吸込口体6を水平な被清掃面に置いた状態、すなわち水平面を清掃する状態を基準に説明する。図8は、実施の形態1の吸込具2の模式的な斜視図である。図9は、実施の形態1の吸込具2の上面図である。図9は、吸引パイプ8の長手軸82を吸込口体6の短手方向に対して平行にした状態を示す。図10は、実施の形態1の吸込具2の下面図である。
図8から図10に示すように、吸込具2は、吸込口体6及び連結部7を備える。図9は、吸込口体6を水平面に置いて上から見た図である。吸込口体6を水平面に置いて上から見たとき、以下のようになる。吸込口体6の長手方向の長さはLである。吸込口体6の短手方向の長さはWである。短手方向は、長手方向に対して垂直な方向である。
本実施の形態では、上面視における吸込口体6の形状は、矩形あるいは長方形である。当該長方形の長辺の長さがL、短辺の長さがWに相当する。また、長手方向からの側面視、及び、短手方向からの側面視における吸込口体6の形状についても、矩形あるいは長方形である。つまり、本実施の形態の吸込口体6は、直方体形状を呈する。
また、連結部7と吸込口体6を合わせた形状は、上面視にて矩形である。これにより、小型な構成で、小回りが利き、清掃性が高い。
以下の説明では、後述する幅広形態で吸込口体6を短手方向に往復させて清掃をする場合に使用者から見たときの前後左右を、吸込口体6の前後左右として定義する。図9の上面視にて、吸込口体6の長手方向の左側の端を左端103、右側の端を右端104、上側を前端101、下側を後端102とする。吸込口体6を短手方向に往復させて清掃をする際は、後端102側でハンドル9が保持される。
図9の上面視で左端103及び右端104は直線状に延びる。このような構成に限らず、上面視で左端103及び右端104は、少なくとも部分的に、曲線または折れ線でもよい。その場合、吸込口体6の長手方向の長さLは、上面視で左端103と右端104との間の長手方向の最大長さを指すものとする。本実施の形態では、吸込口体6の前端101と後端102との間の距離は、吸込口体6の長手方向に沿って、おおむね一定である。このような構成に限らず、吸込口体6の前端101と後端102との間の距離は、吸込口体6の長手方向に沿って、変化してもよい。その場合、吸込口体6の短手方向の長さWは、上面視で前端101と後端102との間の短手方向の最大長さを指すものとする。
本実施の形態において、連結部7は吸込口体6の上面に接続されている。連結部7は、吸込口体6の上面側にある。本実施の形態の連結部7は、吸込口体6の長手方向の長さLの中心に配置される。このような構成に限らず、連結部7は、吸込口体6の長手方向の長さLの中心から偏った位置に配置されてもよい。
図8に示すように、吸込口体6は、上ケース31及び下ケース32を含んでもよい。本実施の形態における連結部7は、第一回転部71及び第二回転部72を備える。第一回転部71は、吸引パイプ8と共に回転する。第一回転部71は、吸引パイプ8と一体となって回転する。第一回転部71は、第二回転部72に対して、第一回転軸Xを中心に回転可能である。第二回転部72は、吸込口体6に対して、第二回転軸Yを中心に回転可能に接続される。図8中、第一回転軸X及び第二回転軸Yを一点鎖線で示す。
本実施の形態では、連結部7の第一回転部71と、吸引パイプ8とが一体的に形成されている。このような構成に限らず、連結部7の第一回転部71と、吸引パイプ8とが別の部材で構成されていてもよい。連結部7の第一回転部71と、吸引パイプ8とが、着脱可能に連結されてもよい。
図8に示すように、吸引パイプ8の内部には、風路81が形成されている。図10に示すように、吸込口体6は、吸引開口63を備える。吸引開口63は、吸込口体6の底面64に開口する。吸引開口63は、吸込口体6の後端102より前端101に近い位置に配置される。吸込口体6の底面64は、使用時すなわち清掃時に被清掃面に対向する。連結部7の内部には、吸引開口63及び風路81に対して流体的につながる風路が形成されている。連結部7の内部の風路については後述する。
電動送風機24が作動すると、吸引開口63から含塵空気が吸引される。その後、当該含塵空気は、連結部7の内部の風路と、吸引パイプ8の内部の風路81を通過して、接続パイプ3の内部へ流入する。
図10に示すように、吸込口体6の底面64には、被清掃面に対して転がりながら吸込口体6を支持する複数のホイール47が取り付けられている。ホイール47の回転軸は、吸込口体6の長手方向に平行である。複数のホイール47には、吸込口体6の短手方向の長さWの中央より前にあるホイール47と、当該中央より後ろにあるホイール47とが含まれる。ホイール47は、特に表面には軟質材を用いてもよい。
ホイール47は、主として、吸込口体6を短手方向に動かして清掃する際に回転する。連結部7が吸込口体6の上面側にあることで、連結部7が吸込口体6の後方にある構成に比べて、力点が前方あるいは上方になる。そのため、前方に力が加わった際に、吸込口体6が前につんのめりやすくなる。本実施の形態であれば、吸込口体6の短手方向の長さWの中央より前にあるホイール47を備えたことで、このようなつんのめりの機会を減少させることができる。また、ホイール47に軟質材を用いることで、接触した被清掃面を傷つけにくくなる。例えば、吸込口体6を長手方向に動かして清掃する際のように、ホイール47が回転しないときにも、被清掃面を傷つけにくい。
図11は、図9中のH−H線での模式的な断面図である。図11では、図面を簡略化するため、各部の壁が持つ厚みを無視し、壁の断面を線で表す。以下、図11を参照して、本実施の形態の吸込具2についてさらに説明する。
第一回転軸Xは、第二回転軸Yに対してねじれの位置の関係にある。第二回転軸Yは、吸込口体6の長手方向に対して実質的に垂直である。連結部7の第二回転部72が第二回転軸Yを中心に回転することに伴って、第一回転軸Xの向きが変化するが、第一回転軸Xは第二回転軸Yに対してねじれの位置の関係に維持される。第二回転部72は、吸込口体6に対して、予め設定された角度の範囲で、第二回転軸Yを中心に回転可能である。連結部7の第一回転部71は、第二回転部72に対して、予め設定された角度の範囲で、第一回転軸Xを中心に回転可能である。
第一回転部71の内部には、吸引パイプ8の風路81に連通する風路が形成されている。第一回転部71は、第一シャッター71a及び第二シャッター71bを備える。第一シャッター71a及び第二シャッター71bは、第一回転軸Xに垂直な断面形状が円弧状の壁である。第一シャッター71aの端部には、外側に向かって突出する第一リブ71cが形成されている。第二シャッター71bの端部には、外側に向かって突出する第二リブ71dが形成されている。
第二回転部72は、第三シャッター72a及び第四シャッター72bを備える。第三シャッター72a及び第四シャッター72bは、第一回転軸Xに垂直な断面形状が円弧状の壁である。第三シャッター72aの端部には、内側に向かって突出する第三リブ72cが形成されている。第四シャッター72bの端部には、内側に向かって突出する第四リブ72dが形成されている。
第一回転部71が第二回転部72に対して第一回転軸Xを中心に回転するとき、第一シャッター71aは第三シャッター72aの内側に出入りし、第二シャッター71bは第四シャッター72bの内側に出入りする。第一リブ71cが第三リブ72cに当たること、及び、第二リブ71dが第四リブ72dに当たることで、第一回転部71の回転範囲が規制される。
第一シャッター71a、第二シャッター71b、第三シャッター72a及び第四シャッター72bが囲む空間は、連結部7の内部の風路の一部を形成する。このような構成によれば、連結部7の内部の風路を大きくすることができ、圧力損失が少なくなり、吸引性能が向上する。
吸込口体6は、吸込口体6の上面から上方に突出する突出部65を備える。突出部65の内部には、アジテーターチャンバ50内に連通する風路66が形成されている。第二回転部72は、突出部65に対して、第二回転軸Yを中心に回転可能に連結されている。第二回転部72の内部には、風路が形成されている。突出部65は、第二回転軸Yを中心とする円形開口を有する。第二回転部72は、第二回転軸Yを中心とする円形開口を有する。突出部65と第二回転部72との間の接合部73にて、突出部65の円形開口と、第二回転部72の円形開口とが相対的に回転可能に接続される。
突出部65の内部の風路66は、連結部7の第二回転部72の内部の風路に連通する。入口部67は、アジテーターチャンバ50内から風路66への入口となる。入口部67は、アジテーターチャンバ50の上方において開口する。
以下の説明では、第一角度α及び第二角度βを以下のように定義する。第一角度αは、水平面に対する吸引パイプ8の長手軸82の傾斜角度である。第二角度βは、吸込口体6の長手方向の直線と、吸引パイプ8の長手軸82を含む鉛直平面との間の角度である。換言すれば、図9に示すように、上面視において、吸込口体6の長手方向の直線と、吸引パイプ8の長手軸82を表す直線との間の角度が第二角度βである。図9は、第一角度αが0°で、第二角度βが90°の状態を表す。
図11に示すように、第二角度βが90°の状態で、吸引パイプ8を吸込口体6の後方へ倒して長手軸82が水平になったときの第一角度αを0°と定義する。第二角度βが90°のときには、第一回転部71が第二回転部72に対して第一回転軸Xを中心に回転することで、第一角度αの大きさを変えることができる。図11の実線で示す吸引パイプ8の位置は、第一角度αが0°の状態を表す。図11の破線で示す吸引パイプ8の位置は、第一角度αが90°の状態を表す。
連結部7が第一回転軸Xを中心として回転可能な角度範囲は、例えば、図11が示すように、第二角度βが90°のときに第一角度αが0°から90°まで変わりうる範囲でもよい。連結部7が第一回転軸Xを中心として回転可能な角度範囲は、さらに大きくてもよく、例えば、第一角度αが0°から135°や180°まで変わりうる範囲でもよい。
第二回転軸Yは、鉛直線に対して斜めになる。本実施の形態では、吸込口体6の前方に向かって第二回転軸Yが斜め上を向くように第二回転軸Yが傾斜する。
以下の説明では、鉛直線と第二回転軸Yとが形成する鋭角の絶対値を単に「第二回転軸Yの傾斜角度」と称する。第二回転軸Yの傾斜角度は、10°〜80°であることが好ましい。この範囲であれば、吸込口体6を短手方向に動かして清掃するときの吸込口体6のぐらつきを確実に抑えることができ、操作しやすい。上記範囲の中でも、第二回転軸Yの傾斜角度が大きいほど、吸込口体6を短手方向に動かして清掃するときの吸込口体6のぐらつきをより確実に抑えられる。第二回転軸Yの傾斜角度は、45°またはその近く(例えば40°〜50°の範囲)であることがより好ましい。
上述した第二回転軸Yの傾斜角度であれば、以下の効果が得られる。吸込口体6と被清掃面との摩擦に対し、重力が働き、吸込口体6の傾きが抑えられる。第二回転軸Yの傾斜角度が大きくなるほど、重力の作用が大きくなるため、より傾きを抑えられる。また、ハンドル9及び吸引パイプ8をひねることで、吸込口体6の底面64が被清掃面に対して平行な状態を維持しつつ、吸込口体6の向きを変化させることができる。これにより腕あるいは肘を動かすことなく、吸込口体6の向きを変化させることができるため、高い清掃性が得られる。
吸引パイプ8内の風路81の断面形状が多角形の場合には、当該多角形の一辺の垂直二等分線と、他の一辺の垂直二等分線との交点を吸引パイプ8の長手方向に連ねた線を吸引パイプ8の長手軸82とみなしてもよい。また、吸引パイプ8内の風路81の断面形状が円形の場合には、当該円の中心を吸引パイプ8の長手方向に連ねた線を吸引パイプ8の長手軸82とみなしてもよい。
連結部7が第一回転軸X及び第二回転軸Yを中心として回転することで、図9に示す第二角度βの大きさを変えることができる。第二角度βが変わりうる範囲は、0°から180°まででもよい。
図12は、実施の形態1の吸込具2の背面図である。図12に示す背面視において、水平面に対する吸引パイプ8の長手軸82の角度が変わりうる範囲は、γで示す範囲、すなわち0°から180°までの範囲でもよい。
連結部7が第一回転軸X及び第二回転軸Yを中心として回転することで第一角度α及び第二角度βが増減する。通常、吸込具2を使用する際は、吸込口体6が水平面に置かれた姿勢、すなわちを吸込口体6の底面64が水平な姿勢を維持するように清掃を行う。仮に、第二回転軸Yが鉛直線に対して平行だったとすると、吸込口体6が第二回転軸Yを中心に回転しても、吸込口体6の底面64は水平に維持される。このため、第二回転軸Yが鉛直線に対して平行であると仮定すると、吸込口体6を短手方向に動かして清掃する際に、被清掃面との間の摩擦力が吸込口体6の左右で均等でない場合に、使用者の意に反して、吸込口体6が第二回転軸Yを中心に回転してしまう可能性がある。これに対し、本実施の形態であれば、第二回転軸Yが鉛直線に対して斜めになっていることで、そのような事態が生ずることを確実に防止できる。また、第二回転軸Yが吸込口体6上面の垂直方向に対して、傾いた位置に配置されることで、吸引パイプ8が干渉せず、回転範囲を大きくできる。
図9から図12は、第二角度βが90°の状態を示す。図9及び図10に示すように、第二角度βが90°の状態で、吸込口体6の短手方向に沿った連結部7の大きさは、吸込口体6の短手方向の長さWより小さい。また、図12に示すように、連結部7は、第二角度βが90°の状態で、長手方向の中心を通って底面64に垂直な平面を介して対称な形状を有する。また、図9に示すように、連結部7は上面視にて吸込口体6の外縁の内側にある。
本実施の形態の吸込具2は、吸引パイプ8の長手軸82が吸込口体6の長手方向に対して実質的に平行な状態になりうる。例えば、図11において、第二回転軸Yの傾斜角度が45°であると仮定し、第一角度αが45°になるように第一回転部71を第二回転部72に対して第一回転軸Xを中心に回転させた後、第二回転部72を第二回転軸Yを中心に左右のいずれかに90°回転させることで、吸引パイプ8の長手軸82が吸込口体6の長手方向に対して実質的に平行な状態になる。
なお、本明細書において、「実質的に平行」とは、完全に平行な状態に対して±10°の範囲を含むものとする。
以下の説明では、例えば家具の間などに形成される幅の狭い隙間を「狭隘部」と称する。本実施の形態であれば、以下の効果が得られる。吸引パイプ8の長手軸82が吸込口体6の長手方向に対して実質的に平行な状態になることで、奥行があり、かつ高さの低い狭隘部の奥まで、吸込口体6を挿入できる。このため、奥行があり、かつ高さの低い狭隘部を容易に清掃できる。
図11に示すように、本実施の形態の吸込具2は、吸引パイプ8の長手軸82が吸込口体6の短手方向に対して実質的に平行な状態になりうる。この状態にすることで、奥行があり、幅が広く、かつ高さの低い低所を、効率良く清掃できる。
本実施の形態では、上面視にて、連結部7が吸込口体6の外縁の内側に配置され、第一角度αが0°〜90°、第二角度βが0°〜180°の範囲で回転可能である。換言すると、吸込口体6の短手方向の長さWの内側に吸引パイプ8の幅が収まる。このような構成によれば、吸引パイプ8の長手軸82が吸込口体6の長手方向に対して実質的に平行な状態にしたときに、吸込口体6の短手方向の長さWの範囲に各部が収まるため、狭隘部をさらに容易に清掃できる。また、低所を清掃する際に、吸込口体6と連結部7とを合わせた分の高さで収まる。このため、清掃性に優れ、短時間で効率的な清掃が可能となる。
図13は、実施の形態1の吸込具2の使用形態を示す上面図である。図14は、実施の形態1の吸込具2の他の使用形態を示す上面図である。図13は、吸込口体6を短手方向に沿って動かす使用形態を示す。図14は、吸込口体6を長手方向に沿って動かす使用形態を示す。以下、図13に示す使用形態を「幅広形態」とも呼び、図14に示す使用形態を「幅狭形態」とも呼ぶ。
使用者は、電気掃除機1を用いて掃除をする際に、ハンドル9を持った手で、吸込具2の吸込口体6の向きを操作できる。例えば、図1に示すひねり方向Aにハンドル9が回転されることにより、連結部7が回転し、吸込口体6の向きが変化する。使用者は、ハンドル9を操作することで、自分から見て前後に動かす際の吸込口体6の向きを変化させることができる。この場合、吸込口体6の向きは、例えば、幅広形態と幅狭形態との間で、変化可能である。吸込口体6の向きを幅広形態にすることで、広いところを容易に掃除できる。吸込口体6の向きを幅狭形態にすることで、狭隘部等の狭いところを容易に掃除できる。
本実施の形態であれば、以下の効果が得られる。状況に応じて、吸込具2の使用形態を幅広形態と幅狭形態との間で変化させることが可能である。例えば、部屋の中央等の広いところを清掃する場合には、吸込具2を幅広形態で使用することで、清掃範囲を広くできる。例えば、家具の隙間等の狭隘部を清掃する場合は、吸込具2を幅狭形態で使用することで、狭隘部の奥に吸込口体6を挿入できる。吸込口体6の向きを変えるだけで、広いところ及び狭いところを含む多様なシーンの掃除に対応できる。清掃する場所に応じたアタッチメントの取り外し及び付け替えの必要性を低減でき、使用者の負担を軽減できる。また、吸込口体6の長手方向の長さLの具体的な寸法は、特に限定されない。上述した実施の形態であれば、幅広形態において、被清掃面と吸込口体6の左端103側との間の摩擦力と、被清掃面と吸込口体6の右端104側の摩擦力との差が生じても、図13中の第二角度βが変動することを確実に抑制でき、効率良く清掃可能である。
図10及び図11に示すように、吸込具2は、アジテーター35及びモーター37を備える。アジテーター35は、吸込口体6に対して回転可能に取り付けられる。アジテーター35の回転軸R1は、吸込口体6の長手方向に対して平行である。アジテーター35が回転することで、被清掃面が攪拌され、被清掃面から塵埃が掻き上げられる。吸込口体6が上ケース31及び下ケース32を含む場合には、アジテーター35は下ケース32に取り付けられてもよい。アジテーター35の一端側には、被駆動輪36が連結されている。被駆動輪36は、アジテーター35と一体になって回転する。アジテーター35の他端側は、シャフト48を介して、吸込口体6に対して回転可能に支持されている。
モーター37は、アジテーター35を回転させる。本実施の形態におけるモーター37は、電動機である。本発明では、アジテーター35を回転させるモーター37は、電動機に限定されるものではなく、例えば、空気流によって回転するタービンでもよい。モーター37は、駆動シャフト38を備える。モーター37の駆動シャフト38の回転軸R2は、アジテーター35の回転軸R1に対して平行である。駆動シャフト38は、駆動ベルト40を介して、被駆動輪36に接続されている。モーター37の駆動力が駆動シャフト38、駆動ベルト40、及び被駆動輪36を介してアジテーター35に伝達することで、アジテーター35が回転する。また、図示の構成に代えて、例えばギヤトレーンなどの他の伝達手段によってモーター37の駆動力をアジテーター35へ伝達してもよい。
吸込口体6は、吸引開口63及びアジテーターチャンバ50を備える。アジテーターチャンバ50は、吸込口体6の内部に形成されている。吸引開口63は、吸込口体6の底面64に形成された開口である。アジテーターチャンバ50は、アジテーター35を収容する。アジテーターチャンバ50の下面の少なくとも一部が開口することで吸引開口63が形成される。電動送風機24が作動すると、吸引開口63から汚れ空気が吸引される。吸込口体6は、吸込口体6の底面64以外の面(例えば側面)に形成された吸引開口をさらに備えてもよい。その場合、吸込口体6の底面64以外の面に形成された吸引開口の総開口面積は、吸込口体6の底面64に形成された吸引開口63の総開口面積より小さいことが望ましい。そのように構成することで、以下の効果が得られる。主として、吸込口体6の底面64に形成された吸引開口63から塵埃を吸引することができるので、吸引性能のばらつきを軽減できる。
本実施の形態であれば、モーター37の回転軸R2を、アジテーター35の回転軸R1に対して平行にしたことで、以下の効果が得られる。モーター37を省スペースで配置できる。吸引開口63の面積を大きくできる。吸込具2を軽量化できる。図10に示すように、本実施の形態では、モーター37から駆動シャフト38が突出する方向は、アジテーター35から被駆動輪36が突出する方向に対して、同じ方向である。
図11に示すように、アジテーター35は、筒状基体43及び突出部材44を備える。突出部材44は、筒状基体43の外周面から突出する。突出部材44は、筒状基体43に備えられた保持部(図示省略)により保持される。突出部材44としては、例えば、繊維質のブラシ毛を用いてもよいし、軟質材のブレード状のものを用いてもよいし、それらの組み合わせを用いてもよい。突出部材44は、筒状基体43の外周に、回転軸R1を中心とするつるまき線に沿ってに配列されてもよい。その場合、突出部材44を少なくとも2列以上(例えば、4列)に配列し、列間に、上記つるまき線に沿う谷部を形成してもよい。または、突出部材44は、筒状基体43の外周に、回転軸R1に平行に配列されてもよい。本実施の形態では、モーター37は、吸込口体6の左端103に近い位置に配置されている。モーター37は、吸込口体6の右端に近い位置に配置されてもよい。
図11において、吸込具2の風路について説明する。吸引開口63から吸引された含塵空気は、アジテーターチャンバ50から上方に進行し、入口部67から風路66へ流入し、屈折または湾曲した所で、第二回転軸Yの位置に到達する。その後、第一回転軸Xの位置を経て、吸引パイプ8側へと進行する。つまり、吸込具2の風路では、第二回転軸Yの位置の下流側に、第一回転軸Xの位置がある。
仮に、アジテーターチャンバ50内から連結部7の内部につながる風路の入口となる入口部が、アジテーターチャンバ50の後方において開口していると、吸込口体6を短手方向の後方へ移動させた際に、入口部に対する気流の相対速度が低下し、アジテーターチャンバ50内から入口部へ塵埃が入りにくくなり、清掃性が低下する可能性がある。また、吸込口体6を短手方向に前進させたときと後退させたときとで吸引性能に差が生まれる可能性がある。これに対し、本実施の形態であれば、アジテーターチャンバ50内から連結部7の内部につながる風路66の入口となる入口部67が、アジテーターチャンバ50の上方において開口することで、以下の効果が得られる。本実施の形態であれば、吸込口体6の移動方向にかかわらず、吸引性能に差が生じにくく、清掃ムラを低減できる。
本実施の形態であれば、連結部7が吸込口体6の上面側にあることで、以下の効果が得られる。吸込口体6の全体に下向きの力がかかり、吸込口体6が浮きにくく、特に絨毯などで吸込口体6が沈み込みやすいため、高い吸引性能が得られる。
実施の形態2.
次に、図15から図17を参照して、実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。
図15は、実施の形態2の吸込具2の模式的な斜視図である。図16は、実施の形態2の吸込具2の背面図である。図17は、図16中のJ−J線での模式的な断面図である。図17では、図面を簡略化するため、各部の壁が持つ厚みを無視し、壁の断面を線で表す。
図17に示すように、本実施の形態2では、吸込口体6の前方に向かって第二回転軸Yが斜め下を向くように第二回転軸Yが傾斜する。図17の実線で示す吸引パイプ8の位置は、第一角度αが0°の状態を表す。図17の破線で示す吸引パイプ8の位置は、第一角度αが135°の状態を表す。連結部7が第一回転軸Xを中心として回転可能な角度範囲は、例えば、図17が示すように、第二角度βが90°のときに第一角度αが0°から135°まで変わりうる範囲でもよい。
本実施の形態2の吸込具2は、吸引パイプ8の長手軸82が吸込口体6の長手方向に対して実質的に平行な状態になりうる。例えば、図17において、第二回転軸Yの傾斜角度が45°であると仮定し、第一角度αが135°になるように第一回転部71を第二回転部72に対して第一回転軸Xを中心に回転させた後、第二回転部72を第二回転軸Yを中心に左右のいずれかに90°回転させることで、吸引パイプ8の長手軸82が吸込口体6の長手方向に対して実質的に平行な状態になる。
本実施の形態2によれば、前述した実施の形態1に類似した効果が得られる。
実施の形態3.
次に、図18から図20を参照して、実施の形態3について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。
図18は、実施の形態3の吸込具2の背面図である。図19は、実施の形態3の吸込具2が備える吸込口体6の模式的な斜視図である。図20は、図18中のK−K線の位置での模式的な断面図である。ただし、図20は、第二角度βが90°のときの状態を示す。図20では、図面を簡略化するため、各部の壁が持つ厚みを無視し、壁の断面を線で表す。
図19に示すように、本実施の形態3の吸込具2が備える吸込口体6は、第一上面68及び第二上面69を備える。第二上面69は、第一上面68より低い位置にある。吸込口体6の後ろ側の部分においては、連結部7を境に、左側に第一上面68があり、右側に第二上面69がある。吸込口体6の前側の部分においては、吸込口体6の長手方向の全長に渡り、第一上面68がある。吸込口体6は、連結部7を支持する支持部610を備える。支持部610については後述する。図19では、支持部610の図示を簡略化する。
本実施の形態2では、吸込口体6の右側に第二上面69を形成した例について説明するが、吸込口体6の左側に第二上面69を形成してもよい。
図18に示すように、吸引パイプ8の長手軸82が吸込口体6の長手方向に対して実質的に平行な状態のときに、連結部7及び吸引パイプ8は、少なくとも部分的に、第一上面68と第二上面69との間の高さに位置する。吸引パイプ8の長手軸が吸込口体6の長手方向に対して実質的に平行な状態のときに、第二上面69は、少なくとも部分的に、吸引パイプ8の長手方向に沿って延びる。
本実施の形態3によれば、前述した実施の形態1に類似した効果に加えて、以下の効果が得られる。吸引パイプ8の長手軸82が吸込口体6の長手方向に対して実質的に平行な状態のときの吸引パイプ8の位置がより低くなるので、高さの低い低所を、効率良く清掃できる。
吸込口体6の長手方向に垂直な平面で第二上面69を切断した断面形状は、第二上面69の少なくとも一部において、吸込口体6の長手方向に沿って一定である。吸引パイプ8の長手軸82が吸込口体6の長手方向に対して実質的に平行な状態、すなわち図18の状態のときに、以下のようになってもよい。第二上面69と吸引パイプ8との距離が、吸込口体6の長手方向に沿って一定になるように、第二上面69を形成してもよい。例えば、吸引パイプ8が円筒形状の場合、第二上面69は、その少なくとも一部が、凹んだ形状をしていてもよい。吸引パイプ8が、第一上面68と同等の高さ以下の高さの範囲に収まってもよい。
図18に示すように、本実施の形態3の吸込具2は、モーター37を備える。モーター37は、アジテーター35を駆動する駆動手段の例である。第二上面69は、連結部7の位置から吸込口体6の長手方向の一端すなわち右端104まで延びている。吸込口体6の長手方向についてのモーター37の位置は、連結部7に対して吸込口体6の長手方向の他端側すなわち左端103側にある。これにより、以下の効果が得られる。モーター37は、アジテーター35を高速回転させるために、ある程度の大きさを必要とする。仮に、モーター37を、連結部7に対して、第二上面69と同じ側に配置すると、吸込口体6が大型化してしまう。これに対し、本実施の形態であれば、モーター37を、連結部7に対して、第二上面69と反対側に配置することで、吸込口体6を小型にできる。
図20に示すように、吸込口体6の短手方向の位置に関して、第二上面69の位置は、アジテーターチャンバ50の位置より後ろ側である。アジテーターチャンバ50の上端は、第二上面69より上にある。連結部7を支持する支持部610の内部には、アジテーターチャンバ50内に連通する風路611が形成されている。第二回転部72は、支持部610に対して、第二回転軸Yを中心に回転可能に連結されている。第二回転部72の内部には、風路が形成されている。支持部610は、第二回転軸Yを中心とする円形開口を有する。第二回転部72は、第二回転軸Yを中心とする円形開口を有する。支持部610と第二回転部72との間の接合部73にて、支持部610の円形開口と、第二回転部72の円形開口とが相対的に回転可能に接続される。
支持部610の内部の風路611は、連結部7の第二回転部72の内部の風路に連通する。入口部612は、アジテーターチャンバ50内から風路611への入口となる。入口部612は、アジテーターチャンバ50の上方において開口する。
本実施の形態3では、吸込口体6の前方に向かって第二回転軸Yが斜め上を向くように第二回転軸Yが傾斜する。図20の実線で示す吸引パイプ8の位置は、第一角度αが0°の状態を表す。図20の破線で示す吸引パイプ8の位置は、第一角度αが90°の状態を表す。連結部7が第一回転軸Xを中心として回転可能な角度範囲は、例えば、図20が示すように、第二角度βが90°のときに第一角度αが0°から90°まで変わりうる範囲でもよい。
本実施の形態3の吸込具2は、吸引パイプ8の長手軸82が吸込口体6の長手方向に対して実質的に平行な状態になりうる。例えば、図20において、第二回転軸Yの傾斜角度が45°であると仮定し、第一角度αが45°になるように第一回転部71を第二回転部72に対して第一回転軸Xを中心に回転させた後、第二回転部72を第二回転軸Yを中心に右に90°回転させることで、吸引パイプ8の長手軸82が吸込口体6の長手方向に対して実質的に平行な状態になる。
連結部7が第一上面68より低い位置に配置されることで、連結部7の回転角度は制限される場合がある。第二角度βは、0°〜180°で回転可能でもよい。第二角度βが0°〜90°のとき、第一角度αは、0°〜90°で回転可能でもよい。第二角度βが90°より大きい場合は、第一角度αの回転範囲は狭くなる。
本実施の形態3であれば、以下の効果が得られる。連結部7の設置位置を低くすることで、吸込具2の高さを抑えることができる。このため、例えばソファ下等の、低所の掃除のときの操作性に優れるため、清掃性が向上する。また、連結部7の位置が低いことで、吸込口体6下部前端を支点に吸込具2が浮き、つんのめることを抑えられるため、操作性が向上する。吸込口体6の右端104側を左端103側より低くすることで、ハンドル9及び吸引パイプ8を時計回りにひねることで、幅広形態から幅狭形態への吸込口体6の回転が可能である。右利きの人は、時計回りの方向の回転の方が、力を入れやすい。幅広形態から幅狭形態へ変化させるときの方が、戻すときよりも大きい力が必要になる。幅狭形態から幅広形態に戻す際は、復元性により、幅広形態から幅狭形態にするより、軽微な力で済むため、負荷は少ない。
本実施の形態では、吸引パイプ8の断面は、円形である。第二上面69の少なくとも一部は、吸引パイプ8の外周面に沿った、円弧のような断面形状を有する。
本実施の形態であれば、幅狭形態としたときの幅が吸込口体6の幅のみであるため、狭い所の清掃性に優れる。また、高さが低い所を清掃する際に、吸込口体6の高さ分のみの高さになる。このため、幅狭形態で清掃する際に連結部7及び吸引パイプ8が清掃箇所付近に干渉せずに清掃することが可能となるため、低い所の清掃性に優れる。
実施の形態4.
次に、図21及び図22を参照して、実施の形態4について説明するが、上述した実施の形態との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分については説明を簡略化または省略する。
図21は、実施の形態4の吸込具2を幅広形態で使用するときの状態にした上面図である。図22は、実施の形態4の吸込具2を幅狭形態で使用するときの状態にした上面図である。
前述した実施の形態1から3では、吸込口体6の長手方向についての連結部7の位置は、吸込口体6の長手方向の中心にある。このような構成に限らず、吸込口体6の長手方向についての連結部7の位置は、吸込口体6の長手方向の中心に対して、左端103側または右端104側へ偏っていてもよい。
図21及び図22に示すように、本実施の形態4では、吸込口体6の長手方向についての連結部7の位置が、吸込口体6の長手方向の中心に対して、右端104側へ偏っている場合を例に説明する。この例に限定されるものではなく、吸込口体6の長手方向についての連結部7の位置は、吸込口体6の長手方向の中心に対して、左端103側へ偏っていてもよい。
本実施の形態4であれば、前述した実施の形態に類似した効果に加えて、以下の効果が得られる。上面視において連結部7を中心として吸込口体6を回転させる際の回転半径を大きくできるため、より効率的な清掃が可能となる。吸込口体6の高さより高く、連結部7より低い高さの低所を清掃する際に、図22の幅狭形態にすることで、吸込口体6の全長に近い長さまで、当該低所に吸込口体6を挿入できる。幅広形態で吸込口体6が移動するとき、連結部7の位置が吸込口体6の長手方向の中心になくても、第二回転軸Yが鉛直線に対して斜めになっていることで、吸込口体6が第二回転軸Yを中心に回転することを確実に抑制でき、効率良く清掃可能である。
本発明の電気掃除機は、キャニスタータイプに限らず、コードレスタイプの充電式電気掃除機等でもよい。このような場合にも同様の効果を発揮する。
実施の形態1から4では、電気掃除機用の吸込具2を例に本発明を説明した。本発明の掃除具は、電気掃除機用の吸込具2に限定されない。本発明の掃除具は、例えば、床用モップにも適用できる。床用モップに適用する場合には、掃除具のボディーは、掃除用の繊維品あるいはスポンジなどを保持することができる。電気掃除機用の吸込具2以外に本発明の掃除具を適用する場合には、ボディーは吸引開口を備えなくてよく、ワンドは棒状の部材でもよく、連結部は風路を備えなくてよい。