JP6284837B2 - 剪断抵抗材、その位置出し補助治具、及び、その設置工法 - Google Patents

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Description

本発明は、既設のモルタル層上に追加のモルタル層を形成する際の両者間のズレを抑制する剪断抵抗材、その固定用治具及びその設置工法に関するものである。
法面等を保護する吹付モルタルは、長期間に亘り自然環境、例えば、温度変化による膨張と収縮、風雨や紫外線等への暴露、浸水や凍結等に曝されることにより、老朽化或いは経年劣化によりひび割れが発生したり、吹付モルタル層自体が脆くなることがある。劣化した吹付モルタル層には崩落する可能性が発生するので、補強のために補修工が実施される。
法面等の吹付モルタル層の補修工は、様々な種類があるが、大きく分ければ、既設の吹付モルタルを除去してからやり直しで新規のモルタルを吹付けて補修する工法と、既設の吹付モルタルを除去しないで新規の吹付モルタルで増厚して補修する工法の何れかであり、既設の吹付モルタルを除去する場合には大量の廃棄物が発生する。
一方、既設の吹付モルタルを除去しないで増厚する工法の場合は、既設のモルタル層の背面の地山側の状況によって背面側に様々なオプション(例えば、穿孔してからのアンカーボルトの挿入、注入パッカー、グラウチングボルト等)が選択的に実施されるが、表面側には全ての場合に少なくとも新規のモルタル層の吹付けが実施される。その場合に、新旧モルタル層間の剪断を抑制又は防止するために、既設のモルタル層には、多数の孔がドリル穿孔され、そこに長軸のアンカーピン又はロックボルト又は後施工アンカーボルト等が、旧モルタル層からその頭部(又は先端部)が突出するように配置されてから新規のモルタル層が吹き付けられる。
アンカーピンが配置される場合、例えば、ドリル穿孔機、ハンマードリル等で2平方メートルに1本の割合で取り付けたい位置に規定の径と規定以上の深さで孔(下穴)がドリル穿孔され、そこに折り曲げ頭部を既設のモルタル層から5cm程度突出させるようにアンカーピンが打ち込まれ、その後に新規のモルタル層が吹き付けられて既設のモルタル層とアンカーピンを介して結合される(例えば、特許文献1参照)。
ロックボルトが配置される場合、例えば、ドリル穿孔機等で取り付けたい位置に規定の径と規定以上の深さでドリル穿孔された孔(下穴)に、ロックボルトが頭部(ねじ切り部)を上部に突出させるように配置されて注入材で埋め込まれ、突出した先端のボルトねじ切り部にはナット等の固定手段が取り付けられ、その後に新規のモルタル層が吹き付けられて既設のモルタル層と結合される(例えば、特許文献2参照)。また、より結合を高めるために突出した頭部にカップ状の剪断抵抗材を突出したボルト部に通してから、ナット等の固定手段で固定する場合もある。
後施工アンカーボルトには、多様な種類があるが、大きく分類すると、ドリル穿孔機等で取り付けたい位置に規定の径と規定以上の深さで穿孔された孔(下穴)に、後施工で接着剤を充填し化学反応により硬化させてアンカーボルトにおけるボルト等の定着部をコンクリートと接着させて固着する接着系のアンカーボルトと、孔(下穴)に拡張部を有する金属アンカーを挿入して、後施工でその拡張部を開かせて機械的に固着する金属系のアンカーボルトに分類できる。金属系のアンカーボルトは、一般的に芯棒部と円管状の外周挿入管部(スリーブ部)とから構成される。金属系のアンカーボルトの外周挿入管部には先端側に直径拡張用のスリットが複数箇所に形成されて、隣接する各スリット間に拡張部が形成される。芯棒部には、例えば、下側(又は上側)に向かって直径寸法が増大するようにテーパー加工が施されたテーパー部が設けられる。
この金属系の後施工アンカーボルトを後施工する際には、例えば、金属系のアンカーボルトの芯棒部及び/又は外周挿入管部(スリーブ部)がハンマー又は打ち込み棒を使って打ち込まれるか、又は、アンカーボルトのボルト部に対応するナットが規定のトルク値までスパナ等で回して締めつけられる。これにより、外周挿入管部(スリーブ部)の拡張部がテーパー部によって直径方向外側に放射状に拡張し、コンクリートの下穴の壁面に食い込んで固定される。この金属系の後施工アンカーボルトを打ち込む構成には、ハンマーで芯棒を打ち込むか、打ち込み棒を使ってアンカーをスリーブの頭が少し沈む位置まで打ち込む構成があり、ボルト部とナットの組み合わせを有する構成には、スリーブ部が開くようにナットを締めつける構成とボルトを締める構成がある。
特開2005−36579号公報(段落0016等) 特開2013−36226号公報(段落0002等)
しかし、一般的に、急傾斜角度の法面での吹付モルタル層の補修工は、上からロープで作業者を懸垂宙づりした状態で作業が行われる。そこでの、例えば、金属系の後施工アンカーボルトの従来の補修工の作業者は、まず、宙づりの不安定で足場状態が悪く体重をかけられない状態で、ドリル穿孔機等を用いて力を入れなければならない下穴の穿孔作業を実施する。その後に作業者は、ドリルを置いて、その穿孔にアンカーボルトを埋め込み、さらにハンマー又は打ち込み棒で心棒又は本体を打ち込み、その後、ハンマー又は打ち込み棒等を置いて、アンカーボルトの突出した頭部のボルト部に、剪断抵抗材を通し、さらにナット等も通して、スパナ等のナット締め器でナットを締め付けて、アンカーボルトを既設のモルタル層(及び地山)に固定する。作業者は上記したような多工程で多種の工具と剪断抵抗材とナットを持ち替えながらの作業を、法面の多くの場所で、宙づりの不安定な状態で繰り返して行う必要があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、急角度の法面で、作業者が宙づりの作業であっても、少ない数の市販機器(工具)と市販の固定具を用いて、少ない工数で、容易かつ低コストに剪断抵抗材を固定できる剪断抵抗材、その位置出し補助治具、及び、その設置工法の提供を目的とする。
<1>上記の目的を達成するために、本発明の剪断抵抗材は、既設モルタル層の表面上に追加モルタル層を形成する前に設置されて両層の剪断を抑制する剪断抵抗材であって、平面状に形成される底面部と、底面部と結合され、底面部から、追加モルタル層の表面に向けて突出する方向に形成される層横断方向部と、層横断方向部と結合され、追加モルタル層の表面と平行方向に延伸されて形成される層平行方向部と、からなり、底面部には、少なくともコンクリート用ピンネイルのネイル部が通過可能な直径寸法の一つ以上のネイル貫通孔が設けられる。
<2>好ましくは、本発明の剪断抵抗材において、底面部の下面に、既設モルタル層の表面と底面部とを離間させるスペーサ部材が結合されるようにするとよい。
<3>好ましくは、本発明の剪断抵抗材において、スペーサ部材は、底面部のネイル貫通孔の外面周囲に設けられ、スペーサ部材内部に、ネイル貫通孔に連続して設けられる延伸ネイル貫通孔と、コンクリート用ピンネイルのヘッド部を収容するヘッド用凹部が設けられるようにするとよい。
<4>好ましくは、本発明の剪断抵抗材において、底面部と層横断方向部とが、底面部の直径よりも層横断方向部の開放された上面の直径が大きい皿形状で一体に形成されるようにするとよい。
<5>好ましくは、本発明の剪断抵抗材において、底面部と層横断方向部と層平行方向部とが、1枚の金属板から打ち抜き工程を含むプレス成形により一体に形成されるようにするとよい。
<6>好ましくは、本発明の剪断抵抗材において、底面部と、少なくとも層横断方向部とが別体に形成され、底面部 には、一つ以上のネイル貫通孔が設けられ、層横断方向部の下端部には、底面部 と平行な第二の底面部が形成され、底面部 と第二の底面部が結合手段により結合されるようにするとよい。
<7>好ましくは、本発明の剪断抵抗材において、底面部 の上面と第二の底面部の下面との間に、当該各面を離間させるスペーサ部材を有するようにするとよい。
<8>上記の目的を達成するために、本発明の剪断抵抗材を設置するための位置出し補助治具は、上記した何れかの剪断抵抗材を設置するための高圧コンクリートピンネイラの銃口部に取り付ける補助治具であって、当該位置出し補助治具におけるネイラ銃口部取り付け後の先端部が、剪断抵抗材の底面部のネイル貫通孔を含んで、ネイル貫通孔の周囲の層横断方向部に囲まれた領域の上面と面接触可能な先端部表面を有し、当該先端部の外周形状が、層横断方向部に囲まれた領域と同様な外周形状であり、ネイル貫通孔に軸合わせしてコンクリート用ピンネイルを供給可能な銃口部貫通孔を有する。
<9>好ましくは、本発明の位置出し補助治具において、ネイル貫通孔の周囲の層横断方向部が、底面部の直径よりも層横断方向部の開放された上面の直径が大きい皿形状である場合、位置出し補助治具の先端部の周囲の先端外周部を、皿形状の内部と嵌合可能な外周形状とするとよい。
<10>好ましくは、本発明の位置出し補助治具において、剪断抵抗材が金属磁性材料で形成される場合に、位置出し補助治具の先端側表面に、剪断抵抗材の金属磁性材料を吸着する磁石を配置するようにするとよい。
<11>好ましくは、本発明の位置出し補助治具において、剪断抵抗材補助治具の先端部に、磁石に接するか近傍に、先端部及び先端外周部の外周形状と合致させて導磁性の金属板を配置するようにするとよい。
<12>上記の目的を達成するために、本発明の剪断抵抗材を設置するための位置出し補助治具は、上記した何れかの剪断抵抗材を設置するための高圧コンクリートピンネイラの銃口部に取り付ける補助治具であって、ネイラ銃口部の周囲に当該銃口部を保持するように形成され、ネイラ銃口部取り付け後の先端部が、剪断抵抗材の底面部のネイル貫通孔を含んで、ネイル貫通孔の周囲の層横断方向部に囲まれた領域の上面と面接触可能な先端部表面と、ネイル貫通孔に軸合わせしてコンクリート用ピンネイルを供給可能な銃口部貫通孔を有する銃口取り付け部、銃口取り付け部の周囲に、当該銃口取り付け部を保持するように形成されるリング部、リング部に結合されると共に、第二の底面部を結合させる結合手段の内孔径寸法と同等の外形寸法を有して、当該結合手段の内孔に挿入されるナット穴挿入部と、リング部に結合されると共に、層平行方向部の幅方向の両端を挟むように設けられる位置出し板、を有する。
<13>上記の目的を達成するために、本発明の剪断抵抗材の設置工法は、上記した何れかの剪断抵抗材を、既設モルタル層の表面上に高圧コンクリートピンネイラを用いて設置する設置工法であって、剪断抵抗材を、既設モルタル層の表面上の取り付け位置に保持するステップと、高圧コンクリートピンネイラの銃口を剪断抵抗材のネイル貫通孔に位置合わせし、コンクリート用ピンネイルを射出するステップとを少なくとも有する。
本発明の剪断抵抗材、その位置出し補助治具、及び、その設置工法によれば、急角度の法面で、作業者が宙づりの作業であっても、少ない数の市販機器(工具)と市販の固定具を用いて、少ない工数で、容易かつ低コストに剪断抵抗材を固定できる剪断抵抗材、その位置出し補助治具、及び、その設置工法を提供することが可能となる。
本願発明との比較用の従来の剪断抵抗材の概略構成を示す図である。 本発明の第1実施形態の剪断抵抗材の概略構成を示す図である。 本発明の第2実施形態の剪断抵抗材の概略構成を示す図である。 本発明の第3実施形態の剪断抵抗材の概略構成を示す図である。 本発明の第4実施形態の剪断抵抗材の概略構成を示す図である。
<比較のための従来例>
まず本発明の第1実施形態の剪断抵抗材を説明する前に、それとの対比のために、図1に示した従来の剪断抵抗材について説明する。
剪断抵抗材10は、既設モルタル層100と接触可能で平行な平面を有する底面部11、その底面部11の周囲に結合されて上端が先の開いた管状に開口した層横断方向部12、底面部11の中心に設けられて金属系のアンカーボルト90のねじ切り部91が通過可能な直径のアンカーボルト貫通孔13、及び、層横断方向部12の開口上端に結合されて底面部11と平行方向の周囲に延伸された層平行方向部14から構成される。
既設モルタル層100には、カップルボルトのアンカーボルト90が埋め込まれる場合、例えば、穿孔用のドリルで、カップルボルトのアンカーボルト90の直径よりも大きい直径でドリル穿孔されたカップルボルト用孔110に、アンカーボルト90が頭部(ボルトねじ切り部91)を上部に突出させるように配置される。その突出したアンカーボルト90の先端(頭部)のボルトねじ切り部91には、カップ状で底面部11にボルトねじ切り部91を貫通させるためのアンカーボルト貫通孔13を有する剪断抵抗材10を貫通させてから、ナット80等の固定手段が取り付けられて剪断抵抗材10がアンカーボルト90に固定される。その際に、芯棒部及び/又は外周挿入管部が打ち込まれるか又はボルト部に対応するナットが締めつけられて、外周挿入管部の拡張部が拡張されて、コンクリートに固定される。
その際には、アンカーボルト90のボルトねじ切り部91の外径よりも大きい内径を有して、ボルトねじ切り部91よりも長い全長で、一方の端部に拡張用の切れ込みが入った挿入管95が、アンカーボルト90に、ボルトねじ切り部91の側から、切れ込み側の挿入管拡幅部96を先頭にして挿入される。この場合のアンカーボルト90は、奥側(ボルトねじ切り部91の反対側)に行くほど直径寸法が大きくなるように形成されており、そのため、挿入管95の挿入管拡幅部96は、ナット80でボルトねじ切り部91を締め付けるほど先が広がり、アンカーボルト90の固定を強固にすることができる。
このようにして、アンカーボルト90に剪断抵抗材10が強固に取り付けられた後に、新規のモルタル層が吹き付けられる。従って、既設のモルタル層100に埋め込まれ、外周挿入管部の拡張部が拡張されて固定されたアンカーボルト90のボルトねじ切り部91に、剪断抵抗材10がナット80で締め付けられて、さらに挿入管拡幅部96が広がって固定されることになり、既設のモルタル層100と新規に吹き付けられたモルタル層が強固に結合され、境界面における剪断が発生しにくくなる。
しかしながら、上記したように急傾斜角度の法面での吹付モルタル層の補修工は、作業者を上からロープで作業者を懸垂宙づりした状態で作業が行われ、その宙づりの不安定で足場状態が悪く体重をかけられない状態で、
(a)ドリル穿孔機を用いて穿孔作業を実施し、ドリルを置いて、
(b)カップルボルト用孔110にアンカーボルト90を埋め込み、
(c)芯棒部及び/又は外周挿入管部がハンマー又は打ち込み棒を使って打ち込まれるか又はボルト部に対応するナットがスパナ等で回して締めつけられて、外周挿入管部の拡張部が拡張されて、アンカーボルト90がコンクリートに固定され、
(d)アンカーボルト90の突出したボルトねじ切り部91に、剪断抵抗材10を通し、
(e)さらにナット80もボルトねじ切り部91に通して、
(f)ナット締め器をナットにあてがって固定する。
作業者は上記した(a)〜(f)のような多工程で多種の工具とアンカーボルト90と剪断抵抗材10とナット80を持ち替えながらの作業を、法面の多くの場所で、宙づりの不安定な状態で繰り返して行う必要があった。
この従来の剪断抵抗材10を既設のモルタル層100に埋設したアンカーボルト90に嵌め込んでナット80で固定する方法は、急角度の法面で、作業者が宙づりの作業で、ドリル穿孔機、ハンマー又は打ち込み棒、ナット締め器(スパナ等)等の多くの特殊な機器と、特別に製造されたアンカーボルト90と剪断抵抗材10のような固定具を用いて、多大な工数及び多大なコストで、長時間の煩雑な作業により、ボルト/ナット固定タイプの剪断抵抗材10を既設のモルタル層100に設置する方法であった。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、図2(a)、(b)を用いながら詳細に説明する。
剪断抵抗材20は、既設モルタル層100と接触可能で平行な平面を有する底面部21、その底面部21の周囲に結合されて上端が先の開いた管状に開口した層横断方向部22、底面部21の中心に設けられてコンクリート用ピンネイル50のネイル部52が通過可能な直径のネイル貫通孔23、及び、層横断方向部22の開口上端に結合されて底面部21と平行方向の周囲に延伸された層平行方向部24から構成される。従来の剪断抵抗材10との主な相違点は、アンカーボルト貫通孔113に代えて、コンクリート用ピンネイル50の直径よりも僅かに大きいネイル貫通孔23が設けられている点である。
コンクリート用ピンネイル50は、ストッパ側の直径が大きいヘッド部51と、鋭利な先端で既設モルタル層100に突き刺さるネイル部52を有する。コンクリート用ピンネイル50は、例えば、全長は30mm〜100mm、胴部直径は2mm〜5mm、頭部直径は6mm〜10mm、胴部形状はスムース、先端形状はダイヤモンドポイントである。そしてコンクリート用ピンネイル50は、高圧エアーコンプレッサ300に接続された高圧コンクリートピンネイラ200から射出される。
高圧コンクリートピンネイラ200の銃口201には、位置出し補助治具60が装着される。位置出し補助治具60は、銃口部貫通孔62の中心出しされた内径が高圧コンクリートピンネイラ200の銃口201の外径に等しく形成される。位置出し補助治具60の外径(治具先端部直径D1)は、剪断抵抗材20の底面部21の上面の内径(剪断抵抗材底面部上側内径D2)と等しく形成される。従って、位置出し補助治具60が装着された銃口201を、剪断抵抗材20の底面部21の上面(内側面)に押しつける作業のみで、底面部21の中心に設けられたネイル貫通孔23に銃口201を位置合わせすることができる。
上記した位置出し補助治具60が装着された銃口201を剪断抵抗材20の底面部21の上面(内側面)に押しつけた状態で、高圧コンクリートピンネイラ200の引き金を引いてコンクリート用ピンネイル50を射出すると、コンクリート用ピンネイル50は位置合わせされたネイル貫通孔23を通過して既設のモルタル層100に突き刺さりネイル部孔120が形成される。この状態で、剪断抵抗材20は既設のモルタル層100に固定される。
このように本実施形態によれば、剪断抵抗材20は、既設モルタル層100の表面上に追加モルタル層を形成する前に設置されて両層の剪断を抑制することができる。また、剪断抵抗材20は、平面状に形成される底面部21と、底面部21と結合され、底面部21から、追加モルタル層の表面に向けて突出する方向に形成される層横断方向部22と、層横断方向部22と結合され、追加モルタル層の表面と平行方向に延伸されて形成される層平行方向部24とからなっている。底面部21には、少なくともコンクリート用ピンネイル50のネイル部52が通過可能な直径寸法のネイル貫通孔23が設けられている。
従って、本実施形態の剪断抵抗材20によれば、底面部21と層横断方向部22と層平行方向部24とを有する剪断抵抗材20の底面部21にコンクリート用ピンネイル50のネイル部52が通過可能な直径寸法の一つのネイル貫通孔23を設けたので、既設モルタル層100上に剪断抵抗材20を設置する際に、剪断抵抗材20の底面部21上から市販のコンクリート用ピンネイル50を市販の高圧コンクリートピンネイラで打ち込むのみの簡単な作業で、剪断抵抗材20を既設モルタル層100上に設置することができる。よって、本実施形態の剪断抵抗材20では、急角度の法面で、作業者が宙づりの作業であっても、少ない数の市販の機器(高圧コンクリートピンネイラのみ)と市販の固定具(コンクリート用ピンネイル50)を用いて、少ない工数で、容易かつ低コストに剪断抵抗材を固定できる剪断抵抗材を提供することができる。
本実施形態では、剪断抵抗材20において、底面部21と層横断方向部22とが、底面部21の直径よりも層横断方向部22の開放された上面の直径が大きい皿形状で一体に形成されている。この本実施形態の剪断抵抗材20によれば、底面部21と層横断方向部22とを皿形状で一体に形成したので、剪断抵抗材20の製造が容易になり、剪断抵抗に加えて、引き抜き抵抗も得ることができる。
本実施形態では、剪断抵抗材20において、底面部21と層横断方向部22と層平行方向部24とが、1枚の金属板から打ち抜き工程を含むプレス成形により一体に形成されている。この本実施形態の剪断抵抗材20によれば、1枚の金属板から底面部21と層横断方向部22と層平行方向部24とを含む剪断抵抗材30を、打ち抜き工程を含むプレス成形で製造することができるので、剪断抵抗材30の製造を容易にすることができる。
本実施形態の剪断抵抗材20を設置するための位置出し補助治具60は、剪断抵抗材20を設置するために高圧コンクリートピンネイラ200の銃口部201に取り付ける位置出し補助治具であって、位置出し補助治具60におけるネイラ銃口部201取り付け後の先端部61が、剪断抵抗材20の底面部21のネイル貫通孔23を含んで、ネイル貫通孔23の周囲の層横断方向部22に囲まれた領域(底面部21)の上面と面接触可能な先端部表面を有し、当該先端部61の外周形状が、層横断方向部22に囲まれた領域(底面部21の剪断抵抗材底面部上側内径D2)と同様な外周形状(治具先端部直径D1)であり、ネイル貫通孔23に軸合わせしてコンクリート用ピンネイル50を供給可能な銃口部貫通孔62を有する。
本実施形態の剪断抵抗材20を設置するための位置出し補助治具60によれば、位置出し補助治具60の先端形状を、剪断抵抗材20の底面部21の上面側で、ネイル貫通孔23を含んで周囲の層横断方向部22に囲まれた領域の形状と同様にしたので、高圧コンクリートピンネイラ200の銃口部201をネイル貫通孔23に位置合わせすることを容易にすることができる。
本実施形態の剪断抵抗材20を設置するための位置出し補助治具60は、剪断抵抗材20が金属磁性材料で形成される場合に、位置出し補助治具60の先端側表面に、金属磁性材料を吸着する磁石65を配置する。この位置出し補助治具60によれば、剪断抵抗材20が金属磁性材料で、位置出し補助治具60の先端に磁石65が配置されて剪断抵抗材20を吸着するので、またさらに、高圧コンクリートピンネイラ200の銃口部201をネイル貫通孔23に位置合わせすることを容易にすることができる。
本実施形態の剪断抵抗材20の設置工法は、剪断抵抗材20を、既設モルタル層100の表面上に高圧コンクリートピンネイラ200を用いて設置する設置工法であって、剪断抵抗材20を、既設モルタル層100の表面上の取り付け位置に保持するステップと、高圧コンクリートピンネイラ200の銃口201を剪断抵抗材20のネイル貫通孔23に位置合わせし、コンクリート用ピンネイル50を射出するステップとを少なくとも有する。
本実施形態の剪断抵抗材20の設置工法によれば、剪断抵抗材20は、高圧コンクリートピンネイラ200でコンクリート用ピンネイルを打ち込むだけで設置することができ、従って、剪断抵抗材20の設置工法では、急角度の法面で、作業者が宙づりの作業であっても、少ない数の市販の機器(高圧コンクリートピンネイラ200のみ)と市販の固定具(コンクリート用ピンネイル50)を用いて、少ない工数で、容易かつ低コストに剪断抵抗材を固定できる剪断抵抗材の設置工法を提供することができる。
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態について、図3(a)、(b)を用いながら詳細に説明する。
剪断抵抗材30は、第1実施形態と同様な底面部31、層横断方向部32、層平行方向部34、ネイル貫通孔33を有するが、ネイル貫通孔33の下面側に、外形がナット80と同形状のスペーサ部材35が溶接されて結合されている。結合方法は確実に結合できれば溶接いがいでも良い。
また、剪断抵抗材30の底面部31のネイル貫通孔33の周辺には、より、コンクリート用ピンネイル50を剪断抵抗材30に密着範囲を広げて結合させるために、コンクリート用ピンネイル50のヘッド部51を収容可能なヘッド用凹部36を有して、その下側から延伸ネイル貫通孔37が形成されるようになっている。
本実施形態の剪断抵抗材30において、底面部31の下面には、既設モルタル層100の表面と底面部31とを離間させるスペーサ部材35が結合される。この剪断抵抗材30によれば、剪断抵抗材30の底面部31の下面にスペーサ部材35を有してコンクリート用ピンネイル50で固定されるので、層横断方向部32を追加モルタル層の表面に向けて突出する方向に延伸させることと同様の効果を得ることができる。従って、剪断抵抗材30の剪断抵抗値を向上させることができ、追加モルタル層を厚く形成する場合にも容易に対応させることができる。
本実施形態の剪断抵抗材30において、スペーサ部材35は、底面部31のネイル貫通孔33の外面周囲に設けられ、スペーサ部材35内部に、ネイル貫通孔33に連続して設けられる延伸ネイル貫通孔37と、コンクリート用ピンネイル50のヘッド部51を収容するヘッド用凹部36が設けられる。剪断抵抗材30によれば、剪断抵抗材30の底面部31に結合されたスペーサ部材35内部に、延伸ネイル貫通孔37とヘッド用凹部36が設けられるので、コンクリート用ピンネイル50による剪断抵抗材30の固定をより強固にすることができる。
本実施形態の位置出し補助治具70においては、ネイル貫通孔33の周囲の層横断方向部32が、底面部31の直径よりも層横断方向部32の開放された上面の直径が大きい皿形状であるので、位置出し補助治具70の先端部71の周囲の先端外周部73を、層横断方向部32の皿形状の内部と嵌合可能な外周形状としている。位置出し補助治具70によれば、位置出し補助治具70の先端形状を、剪断抵抗材30の底面部31の上面側だけでなく、ネイル貫通孔33の周囲の層横断方向部32の皿形状の内部と嵌合可能に外周形状を適合させたので、さらに、高圧コンクリートピンネイラ200の銃口部201をネイル貫通孔33に位置合わせすることを容易にすることができる。
本実施形態の位置出し補助治具70においては、剪断抵抗材30の位置出し補助治具70の先端部71に、第2実施形態と同様な磁石75を設けると共に、その磁石75に接するか近傍に、先端部71及び先端外周部73の外周形状と合致させて導磁性の金属板74を配置する。位置出し補助治具70によれば、位置出し補助治具70の先端の磁石75の周囲に導磁性の金属板74を配置したので、剪断抵抗材30をより強力に吸着することができ、いっそうさらに、高圧コンクリートピンネイラ200の銃口部201をネイル貫通孔33に位置合わせすることを、容易にすることができる。剪断抵抗材30及び位置出し補助治具70のその他の構成と作用/効果は上記した第1実施形態と同様である。
<第3実施形態>
以下、本発明の第3実施形態について、図4(a)、(b)を用いながら詳細に説明する。
剪断抵抗材40は、ベース部49と、別体の上記した従来例の剪断抵抗材10との2ピースで構成される。ベース部49は、既設モルタル層100と接触可能で平行な平面を有する底面部41、その底面部41の周囲に結合されて上端が開口した層横断方向部42、底面部41の長辺の中心軸上に設けられてコンクリート用ピンネイル50のネイル部52が通過可能な直径の2個のネイル貫通孔43と、を有する。他の実施形態との相違点は、剪断抵抗材40がベース部49と従来例の剪断抵抗材10との2ピースで構成である点と、ベース部49には2個のネイル貫通孔43が設けられ、中心にはナット81が溶接されており、ナット81がスペーサとしても機能しているが、ボルト85により従来からの剪断抵抗材10を固定可能な点である。その他の構成と効果は、第1実施形態と同様である。
本実施形態の剪断抵抗材40においては、ベース部49と、層横断方向部12(従来の剪断抵抗材10の一部)とが別体に形成され、ベース部49の底面部41には、2つのネイル貫通孔43が設けられ、層横断方向部12の下端部には、底面部41と平行な第二の底面部11が形成され、底面部41と第二の底面部11が結合手段(ナット81とボルト85)により結合される。この剪断抵抗材40によれば、別体のベース部49の底面部41にネイル貫通孔43を設けてコンクリート用ピンネイル50で既設モルタル層100上に固定し、底面部41の上面に一方の結合手段であるナット81を溶接等により結合させる。そのナット81には、既存のアンカーボルト90のボルトねじ切り部91にナットで固定するタイプの従来の剪断抵抗材10(層横断方向部12を含む)を、他方の結合手段であるボルト85を用いて結合させることができる。これにより、従来の剪断抵抗材10を有効活用しつつ、市販の固定具(コンクリート用ピンネイル50)を用いて、少ない工数で、容易かつ低コストに剪断抵抗材を固定できる剪断抵抗材を提供することができる。
本実施形態の剪断抵抗材40においては、ベース部49の底面部41の上面と第二の底面部11の下面との間に、当該各面を離間させるナット81(スペーサ部材)を有する。この剪断抵抗材40によれば、底面部41の上面に結合された一方の結合手段であるナット81がスペーサ部材の機能も有してコンクリート用ピンネイル50で固定されるので、上記した他の実施形態と同様に、層横断方向部12を追加モルタル層の表面に向けて突出する方向に延伸させることに加えて、ナット81(スペーサ部材)の突出分だけさらに突出させた効果を得ることができる。従って、剪断抵抗材40の剪断抵抗値を向上させることができ、追加モルタル層を厚く形成する場合にも容易に対応させることができる。剪断抵抗材40のその他の構成と作用/効果は上記した第1実施形態と同様である。
<第4実施形態>
以下、本発明の第4実施形態について、図5(a)、(b)を用いながら詳細に説明する。
剪断抵抗材140は、ベース部149と、別体の上記した従来例の剪断抵抗材10との2ピースで構成される。ベース部149は、長辺方向両端に既設モルタル層100と接触可能で平行な平面を有する2個の底面部141、その両底面部141に挟まれて折り曲げ加工又はプレス加工により両底面部141から上側に突出させてそれらの間に後述するナット81を収容する空間が形成された層横断方向部142、その各層横断方向部142の突出された各上端部を接続するように形成されて中心にボルト85の雄ネジ部が貫通可能な開口部145を有する層平行方向部144、上記層横断方向部142と層平行方向部144により両側面と上面の三方を囲った下側の空間内に収容されて溶接等によりその周縁部の一箇所以上が囲われた三方の何れかに固定されるナット81、両底面部141の長辺の中心軸上に設けられてコンクリート用ピンネイル50のネイル部52が通過可能な直径の2個のネイル貫通孔143と、を有する。本実施形態が上記した第3実施形態と相違する点は、ベース部149の周囲外径が単純な長方形を基本として、型抜き加工と、折り曲げ加工又はプレス加工が容易になり、省力化と省材料化、省コスト化に有利である点、ナット81を、層横断方向部142で挟んで配置できることで、ナット81の固定と長辺方向の位置出しに層横断方向部142が利用できるので溶接が容易になり、挟まれることで溶接のみの場合よりも固定強度を高められる点である。その他の構成と効果は、第3実施形態と同様である。
本実施形態の剪断抵抗材140においては、ベース部149と、層横断方向部12(従来の剪断抵抗材10の一部)とが別体に形成され、ベース部149の各底面部141には、2つのネイル貫通孔143が設けられ、層横断方向部12の下端部には、底面部141と平行な第二の底面部11が形成され、底面部141と第二の底面部11が結合手段(ナット81とボルト85)により、開口部145を有する層平行方向部144を挟んで結合される。この剪断抵抗材140によれば、別体のベース部149の底面部141にネイル貫通孔143を設けてコンクリート用ピンネイル50で既設モルタル層100上に固定し、ベース部149の各層横断方向部142の突出された間で、開口部145を有する層平行方向部144の下に、一方の結合手段であるナット81を溶接等により結合させる。そのナット81には、従来の剪断抵抗材10を、第二の底面部11と開口部145を有する層平行方向部144とを挟んで、他方の結合手段であるボルト85を用いて結合させることができる。これにより、従来の剪断抵抗材10を有効活用しつつ、市販の固定具(コンクリート用ピンネイル50)を用いて、より少ない工数で、より容易かつ低コストに剪断抵抗材を固定できる剪断抵抗材を提供することができる。
本実施形態の剪断抵抗材140においては、ベース部149の層平行方向部144の下面で各層横断方向部142の突出された間に、既設モルタル層100と第二の底面部11とを離間させるナット81(スペーサ部材)を有する。この剪断抵抗材140によれば、層平行方向部144の下面に結合された一方の結合手段であるナット81がスペーサ部材の機能も有してコンクリート用ピンネイル50で固定されるので、上記した他の実施形態と同様に、層横断方向部12を追加モルタル層の表面に向けて突出する方向に延伸させることに加えて、ナット81(スペーサ部材)の突出分だけさらに突出させた効果を得ることができる。従って、剪断抵抗材140の剪断抵抗値を向上させることができ、追加モルタル層を厚く形成する場合にも容易に対応させることができる。剪断抵抗材140のその他の構成と作用/効果は上記した第3実施形態と同様である。
図2に示した高圧コンクリートピンネイラ200の銃口201には、位置出し補助治具190の銃口取り付け部160が装着される。銃口取り付け部160は、銃口部貫通孔162の中心出しされた内径が高圧コンクリートピンネイラ200の銃口201の外径に等しくなるように形成される。銃口取り付け部160の外径は任意であるが、組み合わされるリング部170の内径と同様になるように形成される。リング部170には、ナット81の穴の内径寸法と等しい外径寸法で筒型のナット穴挿入部171と、ベース部149の層平行方向部144の横幅方向の両端を挟み込む位置出し板172及び173が結合される。この位置出し板172及び173が設けられることで、筒型のナット穴挿入部171の位置出しのみでは回転する位置出し補助治具190の回動を抑制して、ネイル貫通孔143に銃口201を位置合わせすることができる。従って、筒型のナット穴挿入部171を層平行方向部144の開口部145を介してナット81の穴に挿入するとともに、層平行方向部144の幅方向の両端を位置出し板172及び173で挟むようにして、銃口取り付け部160が装着された銃口201を、底面部141の上面(内側面)に押しつける作業のみで、底面部141の中心に設けられたネイル貫通孔143に銃口201を位置合わせすることができる。
上記したナット穴挿入部171がナット81のナット内孔82に挿入され、層平行方向部144の幅方向の両端が位置出し板172及び173で挟まれた状態で押し込むことで、銃口取り付け部160が装着された銃口201が、ベース部149の底面部141の上面(内側面)のネイル貫通孔143に位置合わせされて押しつけられた状態で、高圧コンクリートピンネイラ200の引き金を引いてコンクリート用ピンネイル50を射出すると、コンクリート用ピンネイル50は位置合わせされたネイル貫通孔143を通過して既設のモルタル層100に突き刺さりネイル部孔120が形成される。この状態で、剪断抵抗材140のベース部149は既設のモルタル層100に固定される。
本実施形態の剪断抵抗材140のベース部149を設置するための位置出し補助治具190の銃口取り付け部160は、ベース部149を設置するために高圧コンクリートピンネイラ200の銃口部201に取り付ける位置出し補助治具の部分であって、銃口取り付け部160におけるネイラ銃口部201取り付け後の先端部161が、ベース部149の底面部141のネイル貫通孔143を含んで、ネイル貫通孔143の周囲の領域(底面部141)の上面と面接触可能な先端部表面を有し、ナット穴挿入部171と位置出し板172及び173を、層平行方向部144の開口部145及び幅方向両端部に合わせて押し込むことのみで、ネイル貫通孔143に軸合わせしてコンクリート用ピンネイル50を供給可能な銃口部貫通孔162を有する。
本実施形態のベース部149を設置するための位置出し補助治具190のリング部170によれば、リング部170にナット穴挿入部171と位置出し板172及び173を結合させて設けたので、高圧コンクリートピンネイラ200の銃口部201をネイル貫通孔143に位置合わせすることを容易にすることができる。
本発明の剪断抵抗材、その位置出し補助治具、及び、その設置工法は、上記した各実施形態に限られるものではなく、既設モルタル層の表面上に新規モルタル層を吹き付け法等で形成する場合に用いられる剪断抵抗材については、新規モルタル層に対する層横断方向部と層平行方向部と底面部を有し、その底面部にコンクリート用ピンネイルのネイル貫通孔を設けたものであれば他の形状を有していてもよい。また、1枚の金属板から打ち抜きプレス等により一体化した剪断抵抗材でなくとも、溶接又はリベット留めを用いて2ピース以上の部材を結合させて一体化させた剪断抵抗材でも良く、施工現場にて一体化できるようにネジ留めを用いて2ピース以上の部材を結合させる剪断抵抗材でもよい。
また、本発明の剪断抵抗材の位置出し補助治具については、上記した各実施形態のように銃口部の全周方向に設けられるタイプに限られるものではなく、本発明の剪断抵抗材を設置する際に、剪断抵抗材のネイル貫通孔へ高圧コンクリートピンネイラの銃口部を容易に位置出しできるように形成すれば良い。より具体的には、本発明の位置出し補助治具は、剪断抵抗材の層横断方向部に対するネイル貫通孔の距離と方向を、少なくとも層横断方向部の3ポイント以上から誘導できるように形成すればよい。
また、本発明の剪断抵抗材の設置工法については、上記した各実施形態のように一体化した剪断抵抗材を1本のコンクリート用ピンネイルで、又は、2ピースのうちの既設モルタル層に接触する側のピースを2本のコンクリート用ピンネイルで既設モルタル層に固定する工法に限られるものではなく、少なくとも剪断抵抗材の底面部を、市販のエアコンプレッサ、コンクリートピンネイラ及び少なくとも1本のコンクリート用ピンネイルを用いて法面に固定し、その際に、ネイラの銃口を、剪断抵抗材の底面部に作業者が押しつけるのみで、剪断抵抗材のネイル貫通孔に容易に誘導できる剪断抵抗材と必要に応じて位置出し補助治具を用いればよい。
上記したように本発明の剪断抵抗材、その位置出し補助治具、及び、その設置工法によれば、急角度の法面で、作業者が宙づりの作業であっても、少ない数の市販機器(工具)と市販の固定具を用いて、少ない工数で、容易かつ低コストに剪断抵抗材を固定できる剪断抵抗材、その位置出し補助治具、及び、その設置工法を提供することが可能となる。
10、20、30、40、140 剪断抵抗材、
11、21、31、41、141 底面部、
12、22、32、42、142 層横断方向部、
13 アンカーボルト貫通孔、
14、24、34、144 層平行方向部、
23、33、143 ネイル貫通孔、
35、81 スペーサ部材、
36 ヘッド用凹部、
37 延伸ネイル貫通孔、
49、149 ベース部、
50 コンクリート用ピンネイル、
51 ヘッド部、
52 ネイル部、
60、70、190 位置出し補助治具、
61、71、161 先端側表面、
62、72、162 銃口部貫通孔、
65、75 磁石、
73 先端外周部、
74 導磁性の金属板、
80、81 ナット、
82 ナット内孔、
85 ボルト、
90 (カップルボルトの)アンカーボルト、
91 ボルトねじ切り部、
95 外周挿入管部(スリーブ部)、
96 挿入管拡幅部、
100 既設モルタル層、
110 カップルボルト用孔、
120 ネイル部孔、
145 開口部、
160 銃口取り付け部、
170 リング部、
171 ナット穴挿入部、
172、173 位置出し板、
200 高圧コンクリートピンネイラ、
201 銃口部、
300 高圧エアコンプレッサ、
D1 治具先端部直径、
D2 剪断抵抗材底面部上側内径、
D11 治具先端外周部上端直径、
D21 剪断抵抗材層横断方向上側内径。

Claims (12)

  1. 既設モルタル層の表面上に追加モルタル層を形成する前に設置されて両層の剪断を抑制する剪断抵抗材であって、
    平面状に形成される底面部と、
    前記底面部と結合され、前記底面部から、前記追加モルタル層の表面に向けて突出する方向に形成される層横断方向部と、
    前記層横断方向部と結合され、前記追加モルタル層の表面と平行方向に延伸されて形成される層平行方向部と、
    からなり、
    前記底面部には、少なくともコンクリート用ピンネイルのネイル部が通過可能な直径寸法の一つ以上のネイル貫通孔が設けられ
    前記底面部と前記層横断方向部とが、前記底面部の直径よりも前記層横断方向部の開放された上面の直径が大きい皿形状で一体に形成され
    ことを特徴とする剪断抵抗材。
  2. 前記底面部の下面に、前記既設モルタル層の表面と前記底面部とを離間させるスペーサ部材が結合される
    ことを特徴とする請求項1に記載の剪断抵抗材。
  3. 前記スペーサ部材は、前記底面部の前記ネイル貫通孔の外面周囲に設けられ、前記スペーサ部材内部に、前記ネイル貫通孔に連続して設けられる延伸ネイル貫通孔と、前記コンクリート用ピンネイルのヘッド部を収容するヘッド用凹部が設けられる
    ことを特徴とする請求項2に記載の剪断抵抗材。
  4. 前記底面部と前記層横断方向部と前記層平行方向部とが、1枚の金属板から打ち抜き工程を含むプレス成形により一体に形成される
    ことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の剪断抵抗材。
  5. 前記底面部 と、少なくとも前記層横断方向部とが別体に形成され、
    前記底面部 には、一つ以上の前記ネイル貫通孔 が設けられ、
    前記層横断方向部の下端部には、前記底面部と平行な第二の底面部が形成され、
    前記底面部 と前記第二の底面部が結合手段により結合される
    ことを特徴とする請求項1に記載の剪断抵抗材。
  6. 前記底面部 の上面と前記第二の底面部の下面との間に、当該各面を離間させるスペーサ部材を有する
    ことを特徴とする請求項に記載の剪断抵抗材。
  7. 請求項1〜の何れか1項の剪断抵抗材を設置するための前記コンクリート用ピンネイルを射出する高圧コンクリートピンネイラの銃口部に取り付ける位置出し補助治具であって、
    当該位置出し補助治具におけるネイラ銃口部取り付け後の先端部が、
    前記剪断抵抗材の前記底面部の前記ネイル貫通孔を含んで、前記ネイル貫通孔の周囲の前記層横断方向部に囲まれた領域の上面と面接触可能な先端部表面を有し、
    当該先端部の外周形状が、前記層横断方向部に囲まれた領域と同様な外周形状であり、
    前記ネイル貫通孔に軸合わせして前記前記コンクリート用ピンネイルを供給可能な銃口部貫通孔を有する
    ことを特徴とする位置出し補助治具。
  8. 前記ネイル貫通孔の周囲の前記層横断方向部が、前記底面部の直径よりも前記層横断方向部の開放された上面の直径が大きい皿形状である場合、
    前記位置出し補助治具の先端部の周囲の先端外周部を、前記皿形状の内部と嵌合可能な外周形状とする
    ことを特徴とする請求項に記載の位置出し補助治具。
  9. 前記剪断抵抗材が金属磁性材料で形成される場合に、
    前記位置出し補助治具の先端側表面に、前記剪断抵抗材の金属磁性材料を吸着する磁石を配置する
    ことを特徴とする請求項又はに記載の位置出し補助治具。
  10. 前記位置出し補助治具の先端部に、前記磁石に接するか近傍に、前記先端部及び前記先端外周部の外周形状と合致させて導磁性の金属板を配置する
    ことを特徴とする請求項に記載の位置出し補助治具。
  11. 請求項又はの剪断抵抗材を設置するための前記コンクリート用ピンネイルを射出する高圧コンクリートピンネイラの銃口部に取り付ける位置出し補助治具であって、
    前記ネイラ銃口部の周囲に当該銃口部を保持するように形成され、前記ネイラ銃口部取り付け後の先端部が、前記剪断抵抗材の前記底面部の前記ネイル貫通孔を含んで、前記ネイル貫通孔の周囲の前記層横断方向部に囲まれた領域の上面と面接触可能な先端部表面と、前記ネイル貫通孔に軸合わせして前記前記コンクリート用ピンネイルを供給可能な銃口部貫通孔を有する銃口取り付け部、
    前記銃口取り付け部の周囲に、当該銃口取り付け部を保持するように形成されるリング部、
    前記リング部に結合されると共に、第二の底面部を結合させる結合手段の内孔径寸法と同等の外形寸法を有して、当該結合手段の内孔に挿入されるナット穴挿入部と、
    前記リング部に結合されると共に、前記層平行方向部の幅方向の両端を挟むように設けられる位置出し板、
    を有する
    ことを特徴とする位置出し補助治具。
  12. 請求項1〜の何れか1項の剪断抵抗材を、既設モルタル層の表面上に前記コンクリート用ピンネイルを射出する高圧コンクリートピンネイラを用いて設置する設置工法であって、
    前記剪断抵抗材を、前記既設モルタル層の表面上の取り付け位置に保持するステップと、
    前記高圧コンクリートピンネイラの銃口を前記剪断抵抗材の前記ネイル貫通孔に位置合わせし、前記コンクリート用ピンネイルを射出するステップと
    を少なくとも有する
    ことを特徴とする設置工法。
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