JP6279692B1 - 試料ホルダー - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ドリフト制御が可能な構造を有する試料ホルダーを提供することを目的とする。【解決手段】本発明の試料ホルダーは、試料及び/又は試料メッシュ設置部を有する試料ホルダー軸部と、前記試料ホルダー軸部を格納可能な外筒部と、を有する試料ホルダーであって、前記試料ホルダー軸は、熱電素子を有することを特徴とする。また、本発明の試料ホルダーの好ましい実施態様において、前記熱電素子は、ペルティエ効果、又はトムソン効果の少なくとも1種から選択される効果を利用した熱電素子であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、試料ホルダーに関し、特に、ドリフト制御可能な試料ホルダーに関する。
分子や原子のレベルで試料を観察・解析する必要性から、現在では、過酷条件下での高精度な電子顕微鏡観察が求められている。近年、極低温化での観察が求められており、種々の低温試料ホルダーが開発されている。例えば、イメージングと解析用装置の少なくとも一つにおいて試料を収容し、冷却し、位置を定める低温試料ホルダーであって、 前記試料を収容し保持する容器と、 液体冷却媒体のためのコレクションポイントのある液体冷却媒体の保存用の貯蔵容器と、 前記液体冷却媒体の容器内量と前記貯蔵容器の空間方向に関係なく、前記液体冷却媒体と前記容器と熱接触している熱伝導体であって、前記コレクションポイントで前記液体冷却媒体と隣接面接触をしている前記熱伝導体と、前記イメージングと解析装置の少なくとも一つ内の予め選んだ場所に前記試料を位置づけるために前記貯蔵容器と前記容器の間に取り付けられた細長バレルと、を有することを特徴とする低温試料ホルダーが知られている(特許文献1)。
特表2013−537689号公報
しかしながら、上記特許文献1のものも含め、従来の試料ホルダーの温度制御には、熱伝導用のホルダー軸にヒーターを配し、ホルダー軸を加熱することでホルダー先端部の温度コントロールを行っている。
このようなヒータ―を用いた温度制御の場合、(1)液体窒素温度で到達すれば熱ドリフトの影響は無くなるが、それには、かなりの時間を待つ必要がある上、到達付近で外的輻射熱の影響を受け、温度並行に達するには長い時間待つ必要がある(または到達できない)。また、(2)ヒーターで温度コントロールする場合、過加熱した後の冷却方法はホルダー軸を通した熱伝導によって行うため、所定の温度に温度制御する場合には、冷却と加熱を長い周期で繰り返さなければならない(冷却加熱のレスポンスが悪い)。場合によっては、所定の温度付近を定まらず行き来するため、熱ドリフトの影響で高分解能観察が困難である。サーマルドリフトとは、温度が変化する間、温度により金属が膨張または、収縮することであるが、このドリフトが影響して、高い倍率での観察が難しい問題が存在する。また、冷却側で温度制御をする場合、少しのヒーター熱でも、一瞬で温度があがってしまう。例えば、冷却温度を-100℃に設定したい場合、-110℃から温度を上げると、一瞬で-90℃と温度があがり目標の値を超えてしまう。そして今度は液体窒素で冷却すると、たちまち-110℃まで冷却されてしまい、また、ヒーターを入れるなど、温度制御のレスポンスが難しい問題がある。この温度の行き来して、安定に出来ないことが、熱膨張と収縮を繰り返し高い倍率で観察が不可能であった。
そこで、上記問題点を解決すべく、本発明は、ドリフト制御が可能な構造を有する試料ホルダーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者は、冷却・加熱レスポンスの向上について、鋭意検討を行った結果、本発明を見出すに至った。
すなわち、本発明の試料ホルダーは、試料及び/又は試料メッシュ設置部を有する試料ホルダー軸部と、前記試料ホルダー軸部を格納可能な外筒部と、冷却手段とを有する試料ホルダーであって、前記試料ホルダー軸部は、試料ホルダー軸の長手方向において、前記試料ホルダー軸の中心から試料設置位置までの間であり、かつ前記試料ホルダー軸に設置された熱電素子を有し、前記熱電素子は、前記試料ホルダー軸を加熱又は冷却することによって、前記試料及び/又は試料メッシュ設置部を加熱又は冷却することが可能なペルティエ素子であることを特徴とする。
また、本発明の試料ホルダーの好ましい実施態様において、さらに、輻射熱を遮断する遮蔽部を有することを特徴とする。
また、本発明の試料ホルダーの好ましい実施態様において、前記遮蔽部は、前記試料ホルダー軸の一部を囲んで配置されていることを特徴とする。
また、本発明の試料ホルダーの好ましい実施態様において、前記冷却手段は、前記試料ホルダー軸、及び/又は前記遮蔽部を冷却することが可能であることを特徴とする。
また、本発明の試料ホルダーの好ましい実施態様において、前記冷却手段は、前記試料ホルダー軸、及び/又は前記遮蔽部へ熱を伝導する熱伝導部を有することを特徴とする。
本発明の試料ホルダーによれば、冷却・加熱のレスポンスが良く熱ドリフトの影響を極力抑えることができるという有利な効果を奏する。また、本発明の試料ホルダーによれば、冷却・加熱のレスポンスが良くなるために、精密な温度コントロールを可能であるという有利な効果を奏する。
図1は、本発明の一実施態様における試料ホルダーの断面図を示す図である。 図2は、本発明に適用可能な熱電素子の一実施態様を示す。図2(a)は、ペルチェ素子の断面図を示し、図2(b)は、ペルチェ素子の原理の模式図を示す。
本発明の試料ホルダーは、試料及び/又は試料メッシュ設置部を有する試料ホルダー軸部と、前記試料ホルダー軸部を格納可能な外筒部と、を有する試料ホルダーであって、前記試料ホルダー軸は、熱電素子を有することを特徴とする。試料及び/又は試料メッシュ設置部を有する試料ホルダー軸部については、特に限定されず、試料を設置する試料設置部のみを有してもよい。本発明において、前記試料ホルダー軸は、熱電素子を有する。熱電素子の配置位置についても、試料ホルダー軸に設置されていれば、特に限定されないが、より効率的に、試料に要求される温度を設定する、すなわち、温度制御する際のレスポンスの良さという観点から、試料に近いことが好ましい。例えば、液体窒素温度-160度以下で温度制御する場合、常に冷やされた部材の温度を少し上げた状態で保つため、暖める領域、さらに冷やす領域の材料の量が少なければレスポンスが良いため、かかる観点からも、試料に近いことが望ましい。例えば、試料ホルダー軸の長手方向において、当該試料ホルダー軸の中心から、試料設置位置までのいずれか、より好ましくは、当該試料ホルダー軸の全長の4分の1以下の試料ホルダー先端部方向の部分に、熱電素子を配置することができる。
また、本発明の試料ホルダーの好ましい実施態様において、前記熱電素子は、ペルティエ効果、又はトムソン効果の少なくとも1種から選択される効果を利用した熱電素子であることを特徴とする。ペルティエ効果(ペルチェ効果ともいう)は、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する効果であり、2種類の異種金属(または半導体)の両端を接続し電流を流すと、両端に温度差が生じる現象である。特にペルティエ素子と呼ばれ、精密機器やワインセラーなどの冷却に利用されているものである。また、トムソン効果は、温度勾配を持たせた一様金属(または異種金属)に電流を流したときに発生する、ジュール熱以外の熱の発生(電流を反転させると熱の吸収)する効果のことを言う。いずれも、熱を発生させたり、熱を吸収したりすることができる。
また、本発明の試料ホルダーの好ましい実施態様において、前記熱電素子は、冷却・加熱のレスポンスが良く熱ドリフトの影響を極力抑えるという観点から、ペルティエ素子であることを特徴とする。ペルティエ素子は、ペルチェ素子(サーモ・モジュール)とも呼ばれており、これは、ペルチェ効果を利用した素子の総称である。現在主流で最も性能が良いとされている構造は“π形”と呼ばれるもので、図2のような構造を持っている。P型半導体とN型半導体を用いたPN接合部に電流を流すことで、P-N間で放熱、N-P間で吸熱を起こすことができる。
原理は、以下の通りである。図2は、本発明に適用可能な熱電素子の一実施態様を示す。図2(a)は、ペルチェ素子の断面図を示し、図2(b)は、ペルチェ素子の原理の模式図を示す。図2(a)において、21はホットサイドの金属(主にCu)、22はセラミックス基板(主にアルミナ)、23は放熱面、24はN型半導体、25はP型半導体、26は電線、27は電源、28は吸熱、29はN型半導体の伝導帯、30は放熱、31はプラス側、32は吸熱側、33は価電子帯、34は放熱側、35はマイナス側、36はコールドサイドの金属(主にCu)、37はコールドサイドの金属(主にCu)、38は電子、39は正孔、40はP型半導体の伝導帯をそれぞれ示す。
図2(a)において、N型半導体24側の金属36にマイナス極が接続されている。したがって、電圧によって電子はこの金属36の伝導帯からN型半導体24の伝導帯29に押し上げられる。この時、金属36の伝導帯とN型半導体24の伝導帯29にエネルギーギャップがあるため、電子は金属36から熱エネルギーを奪いその結果この金属36を冷却する。引き続いて電子は流れ、N型半導体24の伝導帯29から金属21の伝導帯に落ちる。両バンドのエネルギーギャップによって電子は熱エネルギーを放出する。このようにしてホットサイドの金属21を加熱する。さらに流れてきた電子は金属21の伝導帯から、P型半導体25の中を流れてきた正孔39に落ち込み熱エネルギーを放出し、ホットサイドの金属21を加熱する。P型半導体25の中では電圧によって正孔39が生産されコールドサイド37からホットサイド21に流れる。その時に生じた電子が電圧によってコールドサイドの金属の伝導帯に押し上げられ、それらのエネルギーギャップに応じた熱エネルギーを奪いコールドサイドの金属37を冷却する。このように電流が流れることによってペルチェモジュールのコールドサイドからホットサイドに熱が運ばれることになる。電流によって運ばれる熱エネルギーの他に熱伝導によって運ばれる熱エネルギーがあるが、熱伝導によって運ばれる熱エネルギーは流れの方向が逆のため少なくするほどペルチェモジュールの性能が良くなる。つまりホットサイドの熱エネルギーをヒートシンク等でできるだけ早く取ってやることがペルチェモジュールに良い性能を発揮させることになる。簡単に言えば、電子が熱を運ぶ(奪う)ということになる。
半導体の材料としては、特に限定されず、いずれも適用することが可能であるが、Bi-Te系半導体が最も性能が良いとされ主流となっている。
ペルチェの性能について、一般的に、ペルチェの性能は放熱側の温度を一定にしたときの温度Thに対して、どれだけの温度差ΔTをつけることができるかで考えることができる。例えば、Th=75, 50, 25 (℃)に対して、ΔT= 93, 85, 75のようになっている。単純に放熱面を液体窒素温度(-196℃)で冷却し続ければ、吸熱面では、マイナス二百数十度を超えると考えられるが、実際には、材料の特性上液体窒素付近ではΔT=10℃と想定される。低温にすればするほど、電子を励起するための熱がなくなっていくので、ペルチェ冷却能力が低下することと、低温であればあるほど、半導体部分の電気抵抗が大きくなってくるので電流で自己発熱する結果、全体としての冷却能力が低下するからであると考えられる。
また、本発明の試料ホルダーの好ましい実施態様において、さらに、輻射熱を遮断する遮蔽部を有することを特徴とする。また、本発明の試料ホルダーの好ましい実施態様において、前記遮蔽部は、前記試料ホルダー軸の一部を囲んで配置されていることを特徴とする。本発明において、遮蔽部は、板状であってもよい。また、本発明において、遮蔽部の材料は特に限定されない。遮蔽部の材料としては、表面が光る金属材料が好ましい。例えば、遮蔽部の材料は、A7075(アルミニウム)、銅、金(金メッキ)、SUSを用いることができる。加工がしやすくて、軽い材料を選定するという観点から、好ましくは、アルミニウムを挙げることができる。
また、好ましい態様において、遮蔽部を冷却することができる。例えば、液体窒素で冷却することができる。外部からの輻射熱を阻止することで、試料設置部にあたる試料ホルダー軸の先端の温度を一定に保つ効果をさらに有することができる。
また、本発明の試料ホルダーの好ましい実施態様において、さらに、冷却手段を有することを特徴とする。冷却手段の配置位置については特に限定されないが、例えば、試料ホルダーの取っ手方向に配置することができる。冷却手段においては、具体的には、液体窒素、液体ヘリウム等を利用して、試料ホルダー軸、遮蔽部、ひいては、試料を冷却することが可能となる。
また、本発明の試料ホルダーの好ましい実施態様において、前記冷却手段は、試料を効率よく冷却させるという観点から、前記試料ホルダー軸、及び/又は前記遮蔽部を冷却することが可能であることを特徴とする。
また、本発明の試料ホルダーの好ましい実施態様において、前記冷却手段は、前記試料ホルダー軸、及び/又は前記遮蔽部へ熱を伝導する熱伝導部を有することを特徴とする。このような熱伝導部の存在によって、液体窒素等を利用した場合には、冷却手段を構成して、液体窒素を入れる容器底と試料ホルダー軸とを熱伝導性部材からなる熱伝導部で、つないでおけば、液体窒素がなくなる最後まで、液体窒素温度を試料ホルダー軸、ひいては試料へ伝えることが可能とする。
本発明において、熱伝導部は熱を効率よく伝導可能であれば、特に限定されず、例えば、銅、純銅、A7075等を挙げることができる。その他、(STC)カーボンを混ぜた銅、熱伝導率の良い材料で、機械加工が可能なものであれば何でも良い。
ここで、本発明の試料ホルダーの一実施例を説明するが、本発明は、下記の実施例に限定して解釈されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であることは言うまでもない。
図面を参照して、本発明の試料ホルダーの一実施態様を説明すれば以下の通りである。
図1は、本発明の一実施態様における試料ホルダーの断面図を示す図である。図1において、1は試料及び/又は試料メッシュ設置部、2は試料ホルダーの外筒部、3は遮蔽部、4は試料ホルダー軸、5は熱電素子、6は熱伝導部、7は冷却手段、8は冷媒をそれぞれ示す。図1においては、冷却手段7が図示されているが、無くてもよい。また、遮蔽部3を有する態様としているが、無くてもよい。
本実施例においては、図1に示すように、熱伝導用のホルダー軸4の途中に、ヒーターの代わりに熱電素子5として、例えばペルチェ素子5を用いた。ペルチェ素子5とは、電流を流すと熱交換を行うことが可能な素子である。電流の向きで熱交換の方向が変化する性質を有する。上記特性をもつペルチェ素子を電子顕微鏡、例えば、透過型電子顕微鏡試料ホルダー内に配することで、冷却による金属の収縮を止めたり、または熱を加えた直後の膨張を止め、お互いが相殺する様に制御することで、温度変化によるドリフトを止め、高分解能像(高い倍率)を取得を可能とし、より精度の高い温度制御を行うことができる。
本発明の試料ホルダーによれば、試料ホルダー軸に設置された熱電素子5のおかげで、試料、及び/又は試料メッシュを所望の温度に設定することができる。熱電素子5によれば、電流の向きを変えるのみで、冷却又は加熱させることが可能だからである。このようにして、ヒーターとしての役割や、冷却手段の役割の両方をそれ自身有していることから、また、電流、電圧の制御のみで温度をコントロール可能であり、精密な温度設定にも対応可能となる。
例えば、冷却する場合について、説明すると、以下の様である。冷却手段7の容器内には、液体窒素8などの冷媒を備えることができる。この図1においては、前記冷却手段7の容器底部と、試料ホルダー軸との間に、熱伝導部6が設置されており、液体窒素等の冷媒がなくなる最後まで、試料ホルダー軸等を冷却できるようになっている。到達温度付近で冷却速度は当然遅くなる。温度が到達する直前(-170℃付近)でさらに冷却しようとすると、金属の収縮は止まらない。そこで上記の熱電素子による微細温度制御をおこない-170℃で安定させれば、より速いタイミングで、-170℃冷却微細温度制御でドリフトを止める効果を実現できることになる。
実際に、本発明の熱電素子を有する試料ホルダーにおいては、冷却・加熱のレスポンスを向上させることが可能であることが判明した。
また、遮蔽板3を用いた例では、試料ホルダー外筒からの輻射熱を遮断することで外乱による温度変化を小さくすることが可能となった。すなわち、外的要因である輻射熱を受け、冷却到達が悪い問題があったが、この遮蔽板3も液体窒素で冷やすことができ、外的輻射熱を遮断し本来冷やしたい試料ホルダー軸4(試料1先端部)の冷却到達温度の向上が見込める。また、冷却スピードもあがり、到達時間の短縮が可能となる。さらに、冷却側での温度制御において天敵である外的要因の輻射熱を遮るため、より精度の高い温度コントロールが可能となる。既存の冷却ホルダーは、冷却温度による金属の収縮が高い倍率のデーター取得を困難にしていたが、本発明の試料ホルダーにより可能となることが判明した。
以上まとめると、本発明の試料ホルダーによれば、既存のヒーターを用いた温度制御方法に比べて、ペルチェ素子などの熱電素子は、逆電圧をかけることでヒータとして使用できることに加えて、そもそも自分自身に冷却能を有しているので、過加熱時にすぐさま冷却に切り替えることができ、冷却・加熱のレスポンスが良くなるという有利な効果を奏することが判明した。さらに、本発明の試料ホルダーによれば、レスポンスが良くなることで、精密な温度コントロールを可能にするという有利な効果を奏することが判明した。
また、最高到達温度まで温度が下がりきるまでの間、試料ホルダー軸は収縮し、それによって熱ドリフトが発生するが、このとき、ペルチェ素子などの熱電素子に逆電圧をかけ瞬間的に加熱を行うことで、ホルダー軸を温め、一時的に熱平衡状態を作り出して、熱ドリフトをとめるという有利な効果を奏する。これによって、本発明の試料ホルダーによれば、観察視野が熱ドリフトしていても高分解能観察が容易になるという効果も奏することになる。
また、遮蔽部を用いた態様においては、輻射熱による外乱の影響が微小になり、より精密な温度コントロールを可能にする有利な効果を奏することが判明した。
このように、熱電素子は、良好な温度制御が可能であり、特に、冷却ホルダーのマイナス領域で温度制御手段においても、良好な温度制御が可能であることが判明した。具体的には、ペルチェ素子などの熱電素子を配置し、到達温度を下げる、ドリフトを抑えることが可能となった。本発明を実際に試料ホルダーとして使用すると、精密温度制御可能な試料ホルダーを実現でき、特に、透過型電子顕微鏡内で冷却観察におけるサーマルドリフト制御可能な冷却ホルダーにも適用可能であることが判明した。
このような本発明の試料ホルダーは、ドリフト制御が可能であるため、広範な範囲での分野において有益であることが期待できる。
1 試料及び/又は試料メッシュ設置部
2 試料ホルダーの外筒部
3 遮蔽部
4 試料ホルダー軸
5 熱電素子
6 熱伝導部
7 冷却手段
8 冷媒
21 ホットサイドの金属(主にCu)
22 セラミックス基板(主にアルミナ)
23 放熱面
24 N型半導体
25 P型半導体
26 電線
27 電源
28 吸熱
29 N型半導体の伝導帯
30 放熱
31 プラス側
32 吸熱側
33 価電子帯
34 放熱側
35 マイナス側
36 コールドサイドの金属(主にCu)
37 コールドサイドの金属(主にCu)
38 電子
39 正孔
40 P型半導体の伝導帯

Claims (5)

  1. 試料及び/又は試料メッシュ設置部を有する試料ホルダー軸部と、前記試料ホルダー軸部を格納可能な外筒部と、冷却手段とを有する試料ホルダーであって、前記試料ホルダー軸部は、試料ホルダー軸の長手方向において、前記試料ホルダー軸の中心から試料設置位置までの間であり、かつ前記試料ホルダー軸に設置された熱電素子を有し、前記熱電素子は、前記試料ホルダー軸を加熱又は冷却することによって、前記試料及び/又は試料メッシュ設置部を加熱又は冷却することが可能なペルティエ素子であることを特徴とする試料ホルダー。
  2. さらに、輻射熱を遮断する遮蔽部を有する請求項1記載の試料ホルダー。
  3. 前記遮蔽部は、前記試料ホルダー軸の一部を囲んで配置されている請求項2記載の試料ホルダー。
  4. 前記冷却手段は、前記試料ホルダー軸、及び/又は前記遮蔽部を冷却することが可能である請求項2又は3に記載の試料ホルダー。
  5. 前記冷却手段は、前記試料ホルダー軸、及び/又は前記遮蔽部へ熱を伝導する熱伝導部を有する請求項2〜4のいずれか1項に記載の試料ホルダー。
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