JP6279344B2 - インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録物の製造方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物 - Google Patents

インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録物の製造方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット記録用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法およびインク記録物に関する。
近年、画像形成方法として、他の記録方式に比べてプロセスが簡単でかつフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られる利点があることから、インクジェット記録方式が普及してきた。
インクジェット記録方式は、熱により発生する泡や、ピエゾや静電等を利用して発生させた圧力で少量のインクを飛翔させ、紙などの記録媒体に付着させて素早く乾燥させること、あるいは記録媒体に浸透させることにより画像を形成する方式であり、パーソナルおよび産業用のプリンタや印刷まで用途が拡大してきている。
インクジェット記録装置には、顔料として水溶性染料を使用した水系インクが主に用いられているが、前記染料インクは、耐候性および耐水性に劣るという欠点がある。このため、近年、水溶性染料に代えて顔料を使用する顔料インクの研究が進められている。しかし、前記顔料インクは、染料インクに比べて発色性やインクの吐出安定性、保存安定性がいまだ劣っている。
また、OA用プリンタの高画質化技術の向上に伴って、顔料インクにおいても記録媒体として普通紙でも染料インクと同等の画像濃度が要求されている。しかし、顔料インクは、記録媒体として普通紙を使用する場合、紙中へ浸透することにより紙表面の顔料濃度が低くなり、画像濃度が低くなるという問題が生じている。
また、近年特に産業用途としての需要が高まり、高速印字化が望まれている。高速印字化に伴いラインヘッドを搭載したインクジェットプリンターも提案されてきている。高速印字化のために記録媒体に付着したインクの乾燥速度を早める為に、インクに浸透剤を添加して水を記録媒体中に浸透させることにより乾燥を早める手段がとられるが、この際水だけでなく顔料の記録媒体への浸透性も高くなってしまい、更に画像濃度が低下してしまうという現象が起こる。
画像濃度の向上については、様々な手法が提案されている。
例えば、特許文献1の特開2011−122072号公報には、水溶性の多価金属塩を含有してなる紙への記録に用いられるインクが開示されている。このとき、このインクは、(a)顔料と、(b)界面活性能を持たず、分子量が150以上10,000以下であり、かつ、その分子構造中におけるリン酸を基本骨格とする官能基とホスホン酸を基本骨格とする官能基から選択される官能基由来のリンの含有率((P量/分子量)×100)が1.4以上である化合物を少なくとも1種含有してなり、(b)前記化合物の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として1.5質量%以上10.0質量%以下であることを特徴としている。
前記特許文献1記載の技術では、(水溶性の多価金属塩の含有率が低い普通紙において)画像濃度の向上が不十分であり、また、リン酸を基本骨格とする官能基及びホスホン酸を基本骨格とする官能基から選択される官能基を有する化合物を用いると、画像濃度は向上するが、インク中の顔料の分散が不安定となることが分かった。
すなわち、特許文献1の方法において、高い画像濃度とインクとしての顔料の分散安定性の両立は達成できていない。
また、特許文献2の特開2009−197211号公報には、オキシアルキレン鎖を含有するモノマーと他のモノマーとの共重合体と顔料と水性溶剤を含む顔料インクの開示があり、オキシアルキレン鎖を含有するモノマーとしてポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が開示され、その他のモノマーの中に疎水性モノマーとして、メタアクリロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等のリン酸系モノマーが開示されている。
しかし、特許文献2には、本発明の一般式(1) と一般式(2) の組合せは例示がなく、また、オキシアルキレン鎖を含有するモノマーとリン酸系モノマーの組合せについての効果も示されていない。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し以下の目的を達成することを課題とする。
すなわち、本発明は、画像濃度が高くなり、インクとしての顔料の分散安定性、吐出安定性が良好な、インクジェット記録用インクを提供することを目的とする。
上記課題は、下記の本発明の(1)「インクジェット記録用インク」によって解決される。
(1)「 水と、水溶性溶剤と、顔料と、リン酸基を含む共重合体と、を含有するインクジェット記録用インクにおいて、
前記リン酸基を含む共重合体が、下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位と、下記一般式(3)で表される構造単位、または下記一般式(4)で表される構造単位を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録用インク。

[一般式(1)中のR1は水素原子またはメチル基を表す。M+は、プロトン、アルカリ金属イオンまたは有機アンモニウムイオンを表す。k,lはそれぞれ0から6の整数を表す(但し、k、lの範囲は同時に0であってはならない。]
[一般式(2)中のR2は水素原子またはメチル基を表す。R3は炭素数が1〜4のアルキル基を示す。n、mは0〜30の整数を示す。但し、n+mは2〜30である。]

[一般式(3)中のR4は水素原子またはメチル基を表す。]
[一般式(4)中のR5は水素原子またはメチル基を表す。]。」
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明によれば、画像濃度が高くなり、インクとしての顔料の分散安定性、吐出安定性が良好な、インクジェット記録用インクを提供することができるという極めて優れた効果が発揮される。
本発明のインクカートリッジの一例を説明するための概略平面図である。 図1に示す本発明のインクカートリッジのケース(外装)を含めた概略平面図である。 本発明のシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。 図3に示すインクジェット記録装置における一部拡大断面図である。 図3に示すインクジェット記録装置における他の一部拡大断面図である。
本発明は上記(1)に記載の「インクジェット記録用インク」に係るものであるが、この「インク」は、つぎの(2)〜(9)に記載の「インクジェット記録用インク」を包含する。また本発明は、つぎの(10)〜(13)記載の「インクカートリッジ」、「インクジェット記録装置」、「インクジェット記録方法」および「インク記録物」をも包含するものである。
(2)「 リン酸基を含む共重合体における一般式(1)の含有率が10質量%〜60質量%であることを特徴とする前記(1)に記載のインクジェット記録用インク。」
(3)「 リン酸基を含む共重合体の固形分10質量%水溶液の粘度が1.5〜30.0 mPa・sであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のインクジェット記録用インク。」
(4)「 リン酸基を含む共重合体の一般式(1)のkが1、lが0であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれか1に記載のインクジェット記録用インク。」
(5)「 リン酸基を含む共重合体の一般式(2)のnが9、mが0であることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれか1に記載のインクジェット記録用インク。」
(6)「 リン酸基を含む共重合体の一般式(1)のM+が有機アンモニウムイオンであることを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれか1に記載のインクジェット記録用インク。」
(7)「 少なくとも水、水溶性溶剤、顔料、及びリン酸基を含む共重合体を有するインクジェット記録用インクにおいて、前記リン酸基を含む共重合体が下記一般式(5)で表されるモノマーと、下記一般式(6)で表されるモノマーと、下記一般式(7)で表されるモノマー、または下記一般式(8)で表されるモノマーの3種のモノマーを少なくとも出発物質として合成されることを特徴とするインクジェット記録用インク。
[一般式(5)中のR6は、水素原子またはメチル基を表す。k,lはそれぞれ0から6の整数を表す(但し、k、lの範囲は同時に0であってはならない。]

[[一般式(6)中のR7は水素原子またはメチル基を表す。R8は炭素数が1〜4のアルキル基を示す。n、mは0〜30の整数を示す。但し、n+mは2〜30である。]
[一般式(7)中のR9は水素原子またはメチル基を表す。]

[一般式(8)中のR10は水素原子またはメチル基を表す。]。」
(8)「 水溶性溶剤として少なくともグリセリンを含むことを特徴とする前記(7)に記載のインクジェット記録用インク。」
(9)「 リン酸基を含む共重合体を分散剤とすることを特徴とする前記(7)または(8)に記載のインクジェット記録用インク。」
(10)「 前記(1)乃至(9)のいずれか1に記載のインクジェット記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。」
(11)「 前記(1)乃至(9)のいずれか1に記載のインクジェット記録用インクにインク飛翔手段を介して刺激を印加し、記録ヘッドから該インクを飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録物の製造方法。」
(12)「 前記(1)乃至(9)のいずれか1に記載のインクジェット記録用インクを記録ヘッドから飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。」
(13)「 前記(1)乃至(9)のいずれか1に記載のインクジェット記録用インクにより記録された画像を記録媒体上に有してなることを特徴とするインク記録物。」
以下これらにつき、詳細かつ具体的に説明する。
前記のように、本発明に係る「インクジェット記録用インク」は、少なくとも水と、水溶性溶剤と、顔料と、リン酸基を含む共重合体と、を含有するインクジェット記録用インクであって、前記共重合体が、少なくとも下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位と、下記一般式(3)で表される構造単位、または下記一般式(4)で表される構造単位を少なくとも有することを特徴とする。

[一般式(1)中のR1は水素原子またはメチル基を表す。M+は、プロトン、アルカリ金属イオンまたは有機アンモニウムイオンを表す。k,lはそれぞれ0から6の整数を表す(但し、k、lの範囲は同時に0であってはならない。]
[一般式(2)中のR2は水素原子またはメチル基を表す。R3は炭素数が1〜4のアルキル基を示す。n、mは0〜30の整数を示す。但し、n+mは2〜30である。]
[一般式(3)中のR4は水素原子またはメチル基を表す。]
[一般式(4)中のR5は水素原子またはメチル基を表す。]
一般式(1)の構造単位は親水性を示すが、多価金属イオン(特にカルシウムイオン)と結合することで疎水性を示す特徴がある。従って、一般式(1)の構造単位を含む材料を含有したインクを使用し、多価水溶性金属塩を含有させた印字用紙に画像を形成した場合には、紙からインクへ溶出する多価金属イオンにより、一般式(1)の構造単位が疎水化し、顔料を巻き込んで凝集することで、紙の表面上に顔料が留まり、画像濃度が向上する。
しかし、例えば普通紙の場合、含まれる多価金属塩は一般的に難水溶性の炭酸カルシウムであり、インクへ溶出するカルシウムイオン量は少ない。そのため一般式(1)の構造単位を含むだけでは、普通紙において充分な画像濃度を得ることができない。
上記を解決する方法の一つとして、リン酸基を含む共重合体の一般式(1)の構成比率を高くすることが考えられる。しかし一般式(1)の構成比率を高くすると、リン酸基同士の相互作用が強くなるためか共重合体のゲル化が起こりインクの保存安定性や吐出安定性の低下を引き起こす。
従って、広範囲に亘る性質の種々記録媒体を対象として満足できる記録物を得んとするるとき、従来のリン酸基を含む共重合体の構成比率は20%未満にせざるを得なかった。
本発明では一般式(1)の構成単位の他に一般式(2)及び、一般式(3)の構造単位、または一般式(4)の構造単位を組み合わせることで、顔料への親和性が向上し顔料を巻き込んだ凝集効果が向上し、更に水溶性溶剤の含有量が多いインクでも保存安定性や吐出安定性が向上した。
また、共重合体のゲル化が発生しにくくなり、一般式(1)の構成比率を高くすることができ、更に多価金属イオン(特にカルシウムイオン)との反応性を向上できた。
顔料との親和性は一般式(3)又は一般式(4)が特に良好であり、一般式(2)と併用することで、顔料への親和性の向上、共重合体のゲル化抑制の効果が現れる。
従って、本発明のインクでは、一般式(1)と一般式(2)に、更に一般式(3)、または一般式(4)の構造単位を組み合わせることで、水溶性多価金属塩が少ない一般的な普通紙においても、高い画像濃度を得ることが可能になった。
次に、本発明に係るインクジェット記録用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法およびインク記録物についてさらに詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明についての理解を容易ならしめるため、本発明の好適な実施の形態を含むものであるから技術的に好ましい種々の限定が付されている説明も多いが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
<インクジェット記録用インク>
本実施形態のインクジェット記録用インク(以下、「インク」と称することがある。)は、水と、水溶性溶剤と、顔料と、リン酸基を含む前記共重合体とを少なくとも含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有して成る。
本発明に係るインクジェット記録用インクは、前記共重合体が、例えば普通紙などの記録媒体上に着弾した際に該記録媒体中に含まれる多価金属イオン(特にカルシウムイオン)と反応して凝集を起こし、インクの紙中への浸透が抑制されて高い画像濃度を得ることができる。
なお、多価金属イオンと反応して凝集が起こるリン酸基を含む共重合体とは前述のとおり、前記一般式(1)で表される構造単位と、前記一般式(2)で表される構造単位と、前記一般式(3)で表される構造単位、または前記一般式(4)で表される構造単位との共重合体である。
以下、本発明のインクジェット記録用インクを構成する組成分について更に詳しく説明する。
(リン酸基を含む共重合体)
本発明で使用されるリン酸基を含む共重合体は、インクジェット記録用インクが普通紙などの記録媒体上に着弾した際に普通紙中に含まれる多価金属イオン(特にカルシウムイオン)と反応して凝集する特性を有するものである。この機能により、インクが紙中に浸透するのが抑制されて高い画像濃度を得ることができる。
本発明においては、前記リン酸基を含む共重合体を顔料分散剤又は添加剤として使用することができるが、特に顔料分散剤として用いることにより、更に高画像濃度及び保存安定性、吐出安定性が良好なインクを提供することができる。
前記一般式(1)中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。
前記一般式(1)中のMはプロトン、アルカリ金属イオン又は有機アンモニウムイオンを表すが、塩基により中和されることによりイオン化されていることが好ましい。
中和に用いる塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、などのアルカリ金属水酸化物等の無機アルカリ;モノ、ジ或いはトリメチルアミン、モノ、ジ或いはトリエチルアミン等のアルキルアミン類;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール(AEPD)等のアルコールアミン類;コリン、モルホリン、N−メチルモノホルリン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等の環状アミン;水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の水酸化有機アンモニウム、などが挙げられる。
これらの中でも、インクの保存安定性、吐出安定性の点から、エタノールアミン、ジメチルエタノールアミンなどの有機アミンが好ましい。
前記Mは半数以上が塩基で中和によりイオン化されていることが好ましく、画像濃度、保存安定性、吐出安定性の点から、全てが塩基で中和によりイオン化されていることが特に好ましい。
尚、前記中和処理して得られたリン酸基を含む共重合体におけるリン酸基の中和率は、本発明においては、下記の方法により求めた値を中和率と定義する。
即ち、一般式(3)で表される化合物をモノマー1とすると、
中和率X(%)=(添加した塩基のモル数×塩基の陽イオンの価数)
÷(共重合体に含有するモノマー1のモル数×2)×100
添加した塩基のモル数=塩基の添加量Yg÷塩基の分子量
共重合体に含有するモノマー1のモル数
=モノマー1の仕込み量Zg÷モノマー1の分子量
従って、中和率X%を得るために必要な塩基の量は
塩基の添加量Yg=中和率X(%)×(モノマー1の仕込み量Zg×2)
×塩基の分子量÷(塩基の陽イオン価数×100×モノマー1の分子量)
となる。
前記リン酸基を含む共重合体は、前記一般式(1)で表される構造単位、前記一般式(2)で表される構造単位、及び前記一般式(3)で表される構造単位、または前記一般式(4)で表される構造単位以外にも、その他のモノマー由来の構造単位を含むことができる。
前記その他のモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合性の疎水性モノマー、重合性の親水性モノマー、などが挙げられる。
前記重合性の疎水性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−クロロメチルスチレン等の芳香族環を有する不飽和エチレンモノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、(メタ)アクリル酸ラウリル(C12)、(メタ)アクリル酸トリデシル(C13)、(メタ)アクリル酸テトラデシル(C14)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル(C15)、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル(C16)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル(C17)、(メタ)アクリル酸ノナデシル(C19)、(メタ)アクリル酸エイコシル(C20)、(メタ)アクリル酸ヘンイコシル(C21)、(メタ)アクリル酸ドコシル(C22)等の(メタ)アクリル酸アルキル;1−ヘプテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、3,3−ジメチル−1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、1−ノネン、3,5,5−トリメチル−1−ヘキセン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−ドコセ等のアルキル基を持つ不飽和エチレンモノマー、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性の親水性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸又はその塩、マレイン酸又はその塩、マレイン酸モノメチル、イタコン酸、イタコン酸モノメチル、フマル酸、4−スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のアニオン性不飽和エチレンモノマー;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド等の非イオン性不飽和エチレンモノマー、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いられるリン酸基を含む共重合体の重合方法については、特に限定しなく公知の重合方法を使用することが可能である。
例えば、四口フラスコに温度計、攪拌機、窒素導入管を設置し、溶媒と、前記一般式(5)で表されるモノマーと、前記一般式(6)で表されるモノマーと、前記一般式(7)で表されるモノマー、又は前記一般式(8)で表わされるモノマーを、必要に応じて、重合開始剤、連鎖移動剤を加え、常温〜150℃にて重合できる。これら一般式(5)で表されるモノマー、一般式(6)で表されるモノマー、一般式(7)で表されるモノマー及び一般式(8)で表わされるモノマーについては、後ほど詳細に説明する。
リン酸基を含む共重合体の粘度の調整は、分子量を変えることで可能であり、重合時のモノマー濃度、重合開始剤量、重合温度、重合時間を変えればよい。
合成方法としては、溶液重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等、公知の種々の合成方法を利用することができるが、重合操作及び分子量の調整が容易なことから、ラジカル重合開始剤を用いる方法が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、一般に用いられているものなら使用可能で、具体的には、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、シアノ系のアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビス(2,2’−イソバレロニトリル)、非シアノ系のジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等が挙げられる。分子量の制御がしやすく、分解温度の低い有機過酸化物やアゾ系化合物が好ましく、特にアゾ系化合物がより好ましい。重合開始剤の使用量は、重合性単量体の総質量に対して、1〜10質量%が好ましい。
また、ホスホン酸基を含む共重合体の分子量を調整するために、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、2−プロパンチオール、2−メルカプトエタノール、チオフェノール、ドデシルメルカプタン、1−ドデカンチオール、チオグリセロール等の連鎖移動剤を重合系に適量添加してもよい。
好ましい重合温度は50〜150℃であり、好ましい重合時間は3〜48時間である。
本発明のリン酸基を含む共重合体は、下記一般式(5)と、下記一般式(6)と、下記一般式(7)、又は下記一般式(8)で表されるモノマーを少なくとも出発物質として合成されるが、前記共重合体のリン酸基の一部または全部が、アルカリ金属または有機アミンから選択される塩基で中和されていることが好ましい。
中和剤の添加方法としては、例えば、上記の製造方法により得られたリン酸基を含む共重合体と中和剤を溶液中で混合する方法が挙げられる。前記リン酸基を含む共重合体を有機溶剤または水に溶かし、その溶液に直接中和剤を添加するか、中和剤を有機溶剤または水に溶かした溶液を添加、撹拌する。その後、溶媒を除去することで塩基で中和されたリン酸基を含む共重合体が得られる。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈殿、溶媒留去等の従来公知の方法により、生成したリン酸基を含む共重合体を単離することができる。また、再沈殿を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマーや低分子量成分を除去してホスホン酸基を含む共重合体を精製することができる。
尚、本発明においては、リン酸基の一部または全部が中和された共重合体もリン酸基を含む共重合体と称する。
本発明のリン酸基を含む共重合体は、下記一般式(5)と、下記一般式(6)と、下記一般式(7)、又は下記一般式(8)で表されるモノマーの3種のモノマーを少なくとも出発物質として合成される。

[一般式(5)中のR6は、水素原子またはメチル基を表す。k,lはそれぞれ0から6の整数を表す(但し、k、lの範囲は同時に0であってはならない。]
[一般式(6)中のR7は水素原子またはメチル基を表す。R8は炭素数が1〜4のアルキル基を示す。n 、mは0〜30の整数を示す。但し、n+mは2〜30である。]

[一般式(7)中のR9は水素原子またはメチル基を表す。]

[一般式(8)中のR10は水素原子またはメチル基を表す。]
一般式(5)の例としては一般式(5−1)〜一般式(5−4)のモノマーが挙げられる。
一般式(6)の例としては一般式(6−1)〜一般式(6−7)のモノマーが挙げられる。
一般式(7)の例としては一般式(7−1)、(7−2)のモノマーが挙げられる。
一般式(8)の例としては一般式(8−1)、(8−2)のモノマーが挙げられる。
本発明で用いられるリン酸基を有する共重合体における、前記一般式(1)で表される構造単位の含有率は10〜60質量%が好ましく、15〜50質量%が更に好ましい。含有率が10質量%以上であれば、記録媒体から溶出してくるカルシウムイオンとの十分な反応性が得られ、画像濃度が向上する。また、含有率が60質量%以下であれば、顔料の分散安定性は良好であり、インクの粘度上昇や保存性悪化を引き起こすこともない。即ち、上記含有率が10〜60質量%であれば、画像濃度向上とインク中の顔料分散安定化を高いレベルで両立させることができる。
また、顔料への親和性、及びゲル化抑制から、前記一般式(2)で表される構造単位の含有率は5〜50質量%が好ましく、5〜40質量%が更に好ましい。
また、前記一般式(3)で表される構造単位の含有率は10〜70質量%が好ましく、20〜60質量%が更に好ましい。
本発明で用いられるリン酸基を有する共重合体の固形分10質量%水溶液の25℃での粘度は、1.5〜30.0mPa・sの範囲であることが好ましく、1.7〜20.0mPa・sの範囲であることが更に好ましい。上記粘度が1.5mPa・s以上であると、十分な画像濃度が得られる。これは、前記共重合体が記録媒体から溶出してくる多価金属イオンと反応した際に、十分な凝集作用が生じるためと考えられる。また、上記粘度が30.0mPa・s以下であると、顔料の分散安定性が向上し、顔料分散体及びインクの粘度上昇や保存性悪化を引き起こすこともない。
本発明に用いられる共重合体を分散剤として使用する場合の共重合体の量は、顔料(顔料)の種類により適宜選択すればよく、顔料1質量部に対し0.005〜5質量部である。好ましくは顔料1質量部に対し0.01〜2質量部であり、更に好ましくは顔料1質量部に対し0.02〜0.5質量部である。0.005〜5質量部の範囲であると、顔料の分散性が向上すると共にインクの経時安定性が向上し、0.01〜2質量部の範囲であるとよりこれらの効果が高まる。特に0.02〜0.5質量部の範囲では、更にインクの経時での保存安定性が向上する。
また、上記効果を損なわない範囲で、後に記載する分散剤を共重合体と併用してもよい。
(水)
本発明で使用される水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることができる。
水の含有量は、インク総量に対して20〜60質量%が好ましい。
(水溶性溶剤)
本発明で使用される水溶性溶剤は、インク組成物において、保湿効果の付与による吐出安定化の向上に必要である。含有量は、インク総量に対して10〜50質量%が好ましい。前記含有量が10質量%未満であると、インクが水分蒸発し易くなり、インクジェット記録装置内のインク供給系でインクの水分蒸発により増粘インク詰まり等が生じることがある。前記含有量が50質量%より多いと、インクジェット記録装置内では増粘インク詰まりは発生しにくくなるが、インクを所望の粘度にするために顔料や樹脂等の固形分の減量が必要なことがあり、その場合記録物の画像濃度が低下することがある。
本発明で用いられる水溶性溶剤としては、以下のものが例示されるが、これらに限定されるものではない。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブチルグリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネイト、炭酸エチレン等である。
これらの水溶性溶剤は、単独または2種類以上混合して使用することができる。 上記の中でも、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリエチレングリコールおよび/またはグリセリンを含むことが水分蒸発による吐出不良を防止する上で優れた効果が得られる。
(顔料)
本発明で用いられる顔料の前記記録用インクにおける含有量は、0.1質量%以上、20.0質量%以下が好ましい。顔料の体積平均粒子径(D50)は、150nm以下が好ましい。
ここで、前記顔料の体積平均粒子径(D50)は、23℃、55%RHの環境下において、日機装株式会社製マイクロトラックUPAで動的光散乱法により測定したものである。
これらの顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機顔料、および有機顔料のいずれであってもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、アゾメチン顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、ローダミンBレーキ顔料、などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
黒色用のものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
前記カーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が、15nm〜40nm、BET法による比表面積が、50m/g〜300m/g 、DBP吸油量が40ml/100g〜150ml/100g、揮発分が0.5%〜10%、pH値が2〜9を有するものが好ましい。
前記カーボンブラックとして市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(いずれも、三菱化学株式会社製);Raven700、同5750、同5250、同5000、同3500、同1255(いずれも、コロンビア社製);Regal400R、同330R、同660R、Mogul L、Monarch700、同800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、Monarch1400(いずれも、キャボット社製);カラーブラックFW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、プリンテックス35、同U、同V、同140U、同140V、スペシャルブラック6、同5、同4A、同4(いずれも、デグッサ社製)などが挙げられる。
前記カラー用のものでイエローインクに使用できる顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180、などが挙げられる。
前記カラー用のものでマゼンタインクに使用できる顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド48(Ca)、C.I.ピグメントレッド48(Mn)、C.I.ピグメントレッド57(Ca)、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、ピグメントバイオレット19、などが挙げられる。
前記カラー用のものでシアンインクに使用できる顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:34、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー66;C.I.バットブルー4、C.I.バットブルー60、などが挙げられる。
また、本発明で使用する各インクに含有される顔料は、本発明のために新たに製造されたものでも使用可能である。
なお、イエロー顔料として、ピグメントイエロー74、マゼンタ顔料として、ピグメントレッド122、ピグメントバイオレッド19、シアン顔料として、ピグメントブルー15:3を用いることにより、色調、耐光性が優れ、バランスの取れたインクを得ることができる。
更に本発明で使用される顔料は、分散剤等の界面活性剤や樹脂で被覆したグラフト処理やカプセル化処理した物を使用することも可能であるが、本発明の化合物を分散剤に使用した方がより好ましい。
また効果を損なわない範囲で上述した顔料を併用してもよい。
(その他の成分)
本発明のインクジェット記録用インクの組成分に用いられるその他の成分としては特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができる。その他の成分としては、例えば、分散剤、pH調整剤、水分散性樹脂、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
(分散剤)
前記分散剤としては、本発明のリン酸基を含む共重合体が好ましいが、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の種々の界面活性剤や高分子型の分散剤も挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ−4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアリルキルアルキルエーテル等のエーテル系界面活性剤;
ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系界面活性剤;
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系界面活性剤等が例示される。
(pH調整剤)
前記pH調整剤としては、調合されるインクジェット用インクに悪影響を及ぼさずにpHを8.5〜11、好ましくはpHを9〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。前記pHが8.5未満および11を超えるとインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。8.5未満の時には、インク保管中にインクpHが低下して高分子微粒子が粒子径の増大により凝集することがある。
前記pHは、例えば、pHメータHM−30R(TOA−DKK社製)により測定することができる。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール等が挙げられる。前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
(水分散性樹脂)
前記水分散性樹脂としては、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えて、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用である。
前記水分散性樹脂の具体例としては、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。
前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
この中でも、特にポリウレタン樹脂微粒子、アクリル−シリコーン樹脂微粒子およびフッ素系樹脂微粒子が好ましい。
前記水分散性樹脂の体積平均粒子径(D50)は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インクが過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の体積平均粒子径(D50)は50nm以上であることが好ましい。また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出安定性を悪化させる。そこで、インク吐出安定性を阻害させないために体積平均粒子径(D50)は200nm以下がより好ましい。
ここで、前記水分散性樹脂の体積平均粒子径(D50)は、23℃、55%RHの環境下において、日機装株式会社製マイクロトラックUPAで動的光散乱法により測定したものである。
また、前記水分散性樹脂は、前記水分散顔料を紙面に定着させる働きを有し、常温で被膜化して色材の定着性を向上させることが好ましい。そのため、前記水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は30℃以下であることが好ましい。
また、前記水分散性樹脂のガラス転移温度が−40℃以下になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移温度が−30℃以上の水分散性樹脂であることが好ましい。 前記水分散性樹脂の前記インクジェット用インクにおける含有量は、固形分で1〜15質量%が好ましく、2〜7質量%がより好ましい。
(防腐防黴剤)
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
(キレート試薬)
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
(防錆剤)
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
(酸化防止剤)
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
(紫外線吸収剤)
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
(インクジェット用インク製造方法)
本実施形態のインクジェット用インクは、水、水溶性溶剤、顔料、及びリン酸基を含む共重合体、更に必要に応じて他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。
前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
本発明のインクジェット用インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力等が以下の範囲であることが好ましい。
前記インクジェット用インクの25℃での粘度は3mPa・s〜20mPa・sが好ましい。前記インク粘度が3mPa・s以上とすることによって、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。一方、インク粘度を20mPa・s以下に抑えることで、吐出性を確保することができる。
前記粘度は、例えば、粘度計(RE500L、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定することができる。
前記インクジェット用インクの表面張力としては、25℃で、40mN/m以下が好ましい。前記表面張力が、40mN/mを超えると、記録用メディア上のインクのレベリングが起こり難く、乾燥時間の長時間化を招くことがある。
(インクカートリッジ)
本発明のインクカートリッジは、本発明のインクジェット記録用インクを容器中に収容するものであり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を構成することもできる。
前記容器としては、その形状、構造、大きさ、材質に特に制限無く、目的に応じて適宜選択できる。例として、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルムなどで形成されたインク袋を少なくとも有するものなどが好適に挙げられる。
本発明のインクカートリッジの一態様について、図1および図2を参照して説明する。図1は本発明のインクカートリッジの一例を説明するための概略平面図である。図2は図1のインクカートリッジのケース(外装)を含めた概略平面図である。
インクカートリッジ200は、図1に示すように、インク注入口242からインク袋241内に充填され、排気した後、該インク注入口242は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給される。インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図2に示すように、通常、プラスチックス製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
(インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録装置は、本発明のインクジェット記録用インクを記録ヘッドから飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
本発明のインクを用いたインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば刺激発生工程、制御工程等を含む。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
本発明のインクジェット記録物の製造方法は、本発明のインクジェット記録用インクにインク飛翔手段を介して刺激を印加し、記録ヘッドから該インクを飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含む。
前記インク飛翔工程は、前記本発明のインクジェット用インクに、刺激を印加し、該インクジェット用インクを飛翔させて画像を形成する工程である。
前記インク飛翔手段は、前記本発明のインクジェット用インクに、刺激を印加し、該インクジェット用インクを飛翔させて画像を形成する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。なお、前記刺激発生手段としては、例えば、過熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライトなどが挙げられる。具体的には、圧電素子などの圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ、などが挙げられる。
前記インクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、本発明のインクジェット記録装置により本発明のインクジェット記録方法を実施する一の態様について、図面を参照しながら説明する。
図3は、本発明のシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。
図3に示すインクジェット記録装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、装置本体101の前面112の一端部側には、前面112から前方側に突き出し、上カバー111よりも低くなったインクカートリッジ装填部104とを有する。インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ200の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内には、図4および図5(図3に示すインクジェット記録装置における一部拡大断面図)に示すように、図示を省略している左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とでキャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータによって図5に示すように矢示方向に移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、図示しないインク供給チューブを介して、インクカートリッジ装填部104に装填された本発明のインクカートリッジ200から前記インクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ102の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ143)、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられる。
また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。
なお、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103が配されている。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。
両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト157が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。
記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。そして、サブタンク135内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ200から所要量のインクがサブタンク135に補給される。
このインクジェット記録装置においては、本発明のインクカートリッジ201中のインクを使い切ったときには、インクカートリッジ200における筐体を分解して内部のインク袋だけを交換することができる。また、インクカートリッジ200は、縦置きで前面装填構成としても、安定したインクの供給を行うことができる。したがって、装置本体101の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納したりする場合、あるいは装置本体101の上面に物が置かれているような場合でも、インクカートリッジ200の交換を容易に行うことができる。
なお、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
本発明のインクジェット記録装置は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
(インク記録物)
本発明のインクジェット記録方法により記録されたインク記録物は、本発明のインク記録物である。すなわち、本発明のインク記録物は、本発明のインクジェット記録用インクにより記録された画像を記録媒体(記録メディア)上に有してなる。
前記記録メディアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、普通紙、印刷用塗工紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、普通紙および印刷用塗工紙の少なくともいずれかが好ましい。
特に、本発明のインクは、紙から溶出してくるCaイオン量が、1.0×10−4〜5.0×10−4[g/g]の紙に対して使用するのが好ましい。該Caイオン量が1.0×10−4[g/g]以上だと、顔料分散剤との反応凝集による画像濃度向上の効果が向上する。また該Caイオン量が5.0×10−4[g/g]以下であることで、紙へのインクの浸透が阻害されないのでインクの乾燥性が向上し、耐擦過性及び耐マーカー性も向上する。
上記紙から溶出してくるCaイオン量は、次の方法により算出したものである。
即ち、紙を2.5cm(±0.5cm)×3.5cm(±0.5cm)四方の紙片に裁断純水を0.8μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック社製)でろ過して紙粉等の異物を除去した後、浸漬液に含まれるCaイオンをICP発光分光分析装置によって定量する。ここで得られたCaイオン濃度[ppm]に、高純水の重量である200gを掛け、更に浸漬させた紙の重量である16gで除して、紙から溶出してくるCaイオン量[g/g]を算出する。
例えば、MyPaper(株式会社リコー製)のCaイオン量は4.3×10−4[g/g]であり、Xerox4024(株式会社富士ゼロックス製)のCaイオン量は1.7×10−4[g/g]である。
さらに、前記普通紙は安価である点で有利である。また、前記印刷用塗工紙は光沢紙に比べ比較的安価でしかも平滑な光沢ある画像を与える点で有利である。しかし、乾燥性が悪く一般にインクジェット用には使用困難であったが、本発明のインクにより乾燥性が向上し使用可能となった。
本発明のインク記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
なお、例中で用いられた%は質量基準である。
また、以下の略号は次の化合物を意味する。
PA;アシッドホスホオキシエチルアクリレート;(一般式5−1)
(ライトアクリレートP-1A:共栄社化学株式会社)
PMA;アシッドホスホオキシエチルメタアクリレート;(一般式5−2)
(ホスマーM;ユニケミカル株式会社)
PPEGMA;アシッドホスホキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート
;(一般式5−3) (ホスマーPE;ユニケミカル株式会社)
PPPGMA;アシッドホスホキシポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレート;(一般式5−4) (ホスマーPP;ユニケミカル株式会社)
MPEGA;メトキシポリエチレングリコールアクリレート;(一般式6−1)
(ブレンマーAME-400:日油株式会社)
MPEGMA9;メトキシポリエチレングリコールメタクリレート;(一般式6−2)
(ブレンマーPME-400:日油株式会社)
EDEGA;エトキシジエチレングリコールアクリレート;(一般式6−3)
(ライトアクリレートEC−A:共栄社化学株式会社)
BDEGMA;ブトキシジエチレングリコールメタクリレート;(一般式6−4)
(ライトアクリレートBC:共栄社化学株式会社)
MTEGA;メトキシトリエチレングリコールアクリレート;(一般式6−5)
(ライトアクリレートMTG−A:共栄社化学株式会社)
MPEGMA30;メトキシポリエチレングリコールメタクリレート;(一般式6−6)
(ライトエステル041MA:共栄社化学株式会社)
MDPGMA;メトキシジプロピレングリコールアクリレート;(一般式6−7)
(ライトアクリレートDPM−A:共栄社化学株式会社)
SA;ステアリルアクリレート;(一般式7−1)
(ライトアクリレートS−A:共栄社化学株式会社)
SMA;ステアリルメタアクリレート;(一般式7−2)
(ライトエステルS:共栄社化学株式会社)
BzA;ベンジルアクリレート;(一般式8−1)
(FA-BZA;日立化成株式会社)
BzMA;ベンジルメタアクリレート;式(一般8−2)
(ライトエステルBZ:共栄社化学株式会社)
AIBN;アゾビスイソブチロニトリル
(共重合体の粘度の測定)
合成された共重合体の粘度測定は回転粘度計(RE500L型粘度計・コーンプレートタイプ、東機産業株式会社製)を用いて行った。具体的な操作を以下に示す。温度25℃にて、共重合体の固形分10質量%の水溶液を1.1mL採取し粘度計のサンプルカップに入れる。サンプルカップを粘度計本体取り付けて1分間静置した後、粘度計のローターを回転し、1分後の値を読み取る。尚、ローターの回転数はサンプルに合せて調整する。
<共重合体の合成例−そのI−>
[合成例1;共重合体1の作製]
PMA;12.0g、MPEGMA9;4.0g、BzA;24.0g、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体1の水溶液とした。得られた共重合体1の水溶液の粘度は9.7mPa・sであった。
[合成例2;共重合体2の作製]
PMA;12.0g、MPEGMA9;4.0g、SA;24.0g、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体2の水溶液とした。得られた共重合体2の水溶液の粘度は9.7mPa・sであった。
[合成例3;共重合体3の作製]
PMA;12.0g、MPEGMA9;4.0g、BzA;24.0g、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が50%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体3の水溶液とした。得られた共重合体3の水溶液の粘度は5.8mPa・sであった。
[合成例4;共重合体4の作製]
PMA;12.0g、MPEGMA9;4.0g、SA;24.0g、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が50%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体4の水溶液とした。得られた共重合体4の水溶液の粘度は6.0mPa・sであった。
[合成例5;共重合体5の作製]
PMA;12.0g、MPEGMA9;4.0g、SA;24.0g、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が40%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体5の水溶液とした。得られた共重合体5の水溶液の粘度は4.6mPa・sであった。
[合成例6;共重合体6の作製]
PMA;12.0g、MPEGA;4.0g、BzMA;24.0g、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体6の水溶液とした。得られた共重合体6の水溶液の粘度は10.2mPa・sであった。
[合成例7;共重合体7の作製]
PMA;12.0g、MPEGA;4.0g、SMA;24.0g、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体7の水溶液とした。得られた共重合体7の水溶液の粘度は10.0mPa・sであった。
[合成例8;共重合体8の作製]
PMA;12.0g、EDEGA;4.0g、BzA;24.0g、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体8の水溶液とした。得られた共重合体8の水溶液の粘度は10.4mPa・sであった。
[合成例9;共重合体9の作製]
PMA;12.0g、BDEGMA;4.0g、BzA;24.0g、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体9の水溶液とした。得られた共重合体9の水溶液の粘度は10.4mPa・sであった。
[合成例10;共重合体10の作製]
PMA;12.0g、MTEGA;4.0g、BzA;24.0g、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体10の水溶液とした。得られた共重合体10の水溶液の粘度は9.0mPa・sであった。
[合成例11;共重合体11の作製]
PMA;12.0g、MPEGMA30;4.0g、BzA;24.0g、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体11の水溶液とした。得られた共重合体11の水溶液の粘度は11.3mPa・sであった。
[合成例12;共重合体12の作製]
PMA;12.0g、MDPGMA;4.0g、BzA;24.0g、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体12の水溶液とした。得られた共重合体12の水溶液の粘度は9.7mPa・sであった。
[合成例13;共重合体13の作製]
PMA;12.0g、MPEGMA9;4.0g、SA;24.0、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化カリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体13の水溶液とした。得られた共重合体13の水溶液の粘度は9.8mPa・sであった。
[合成例14;共重合体14の作製]
PMA;12.0g、MPEGMA9;4.0g、BzA;24.0g、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化リチウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体14の水溶液とした。得られた共重合体14の水溶液の粘度は9.9mPa・sであった。
[合成例15;共重合体15の作製]
PMA;12.0g、MPEGMA9;4.0g、SA;24.0g、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものをモノエタノールアミン(EA)で中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体15の水溶液とした。得られた共重合体15の水溶液の粘度は9.5mPa・sであった。
[合成例16;共重合体16の作製]
PMA;12.0g、MPEGMA9;4.0g、BzA;24.0g、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものをジメチルエタノールアミン(EDEA)で中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体16の水溶液とした。得られた共重合体16の水溶液の粘度は9.7mPa・sであった。
[合成例17;共重合体1の作製]
PA;12.0g、MPEGMA9;4.0g、BzA;24.0g、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体17の水溶液とした。得られた共重合体17の水溶液の粘度は9.0mPa・sであった。
[合成例18;共重合体18の作製]
PA;12.0g、MPEGMA9;4.0g、SA;24.0g、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体18の水溶液とした。得られた共重合体18の水溶液の粘度は8.8mPa・sであった。
[合成例19;共重合体1の作製]
PPEGMA;12.0g、MPEGMA9;4.0g、BzA;24.0g、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体19の水溶液とした。得られた共重合体19の水溶液の粘度は9.1mPa・sであった。
[合成例20;共重合体20の作製]
PPPGMA;12.0g、MPEGMA9;4.0g、BzA;24.0g、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体20の水溶液とした。得られた共重合体20の水溶液の粘度は9.2mPa・sであった。
[合成例21;共重合体21の作製]
PMA;1.33g、MPEGMA9;4.0g、BzA;8.0g、エタノール;226.67gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体21の水溶液とした。得られた共重合体21の水溶液の粘度は1.5mPa・sであった。
[合成例22;共重合体22の作製]
PMA;5.33g、MPEGMA9;13.33g、BzA;34.66g、エタノール;213.33gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体22の水溶液とした。得られた共重合体22の水溶液の粘度は30.0mPa・sであった。
[合成例23;共重合体23の作製]
PMA;8.0g、MPEGMA9;2.0g、BzA;3.33g、エタノール;253.33gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体23の水溶液とした。得られた共重合体23の水溶液の粘度は1.5mPa・sであった。
[合成例24;共重合体24の作製]
PMA;32.0g、MPEGMA9;5.33g、BzA;16.0g、エタノール;213.33gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体24の水溶液とした。得られた共重合体24の水溶液の粘度は30.0mPa・sであった。
[合成例25;共重合体25の作製]
PMA;2.13g、MPEGMA9;7.47g、BzA;11.73g、エタノール;512.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;5.33gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体25の水溶液とした。得られた共重合体25の水溶液の粘度は1.4mPa・sはであった。
[合成例26;共重合体26の作製]
PMA;6.13g、MPEGMA9;12.26g、BzA;42.93g、エタノール;205.33gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体26の水溶液とした。得られた共重合体26の水溶液の粘度は32.5mPa・sであった。
[合成例27;共重合体27の作製]
PMA;6.4g、MPEGMA9;2.13g、BzA;2.13g、エタノール;256.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体27の水溶液とした。得られた共重合体27の水溶液の粘度は1.3 mPa・sであった。
[合成例28;共重合体28の作製]
PMA;36.8g、MPEGMA9;6.13g、BzA;18.4g、エタノール;205.33gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体28の水溶液とした。得られた共重合体28の水溶液の粘度は31.5 mPa・sであった。
[合成例29;共重合体29の作製]
PMA;1.6g、MPEGMA9;9.6g、BzA;20.8g、エタノール;768.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;8.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体29の水溶液とした。得られた共重合体29の水溶液の粘度は1.2 mPa・sであった。
[合成例30;共重合体30の作製]
PMA;3.06g、MPEGMA9;15.33g、BzA;42.93g、エタノール;205.33gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体30の水溶液とした。得られた共重合体30の水溶液の粘度は33.8 mPa・sであった。
[合成例31;共重合体31の作製]
PMA;8.53g、MPEGMA9;1.06g、BzA;1.06g、エタノール;256.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体31の水溶液とした。得られた共重合体31の水溶液の粘度は1.3 mPa・sであった。
[合成例32;共重合体32の作製]
PMA;49.06g、MPEGMA9;3.06g、BzA;9.2g、エタノール;205.33gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.67gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合体32の水溶液とした。得られた共重合体32の水溶液の粘度は34.8 mPa・sであった。
合成例−そのI−の共重合体を表1に示す。
<共重合体の合成例−そのII−>
[合成例50;共重合体50の作製]
水500g及び過硫酸アニモニウム15gと、マレイン酸100g、スチレン100g、水500g及び過硫酸アニモニウム15gを、4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、80〜90℃でAIBN;2gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを比較共重合体1の水溶液とした。得られた共重合体50の水溶液の粘度は、13.5 mPa・sであった。
[合成例51;共重合体51の作製]
共重合50の作製における「マレイン酸、スチレン」を、「前記一般式5−1のPMA、スチレン」とした点以外は、比較共重合体1の作成と同様にして比較共重合体2の水溶液を得た。得られた共重合50の水溶液の粘度は、14.4 mPa・sであった。
[合成例52;共重合体52の作製]
比較共重合体1の作製における「マレイン酸、スチレン」を、「マレイン酸、前記一般式6−2のMPEGMA9」とした点以外は、比較共重合体1の作成と同様にして共重合52の水溶液を得た。得られた共重合52の水溶液の粘度は、14.1 mPa・sであった。
[合成例53;共重合体53の作製]
PMA;9.0g、MPEGMA9;21.0g、エタノール;170.0gを4つ口フラスコに入れて攪拌し、均一溶液とした。この溶液に30分間窒素を吹き込んだ後、65℃でAIBN;2.0gを加えて5時間以上重合反応させた。重合液をエバポレーターにより脱溶媒した粘調物を水に希釈しながらおよそ10質量%に濃度調整したものを水酸化ナトリウムで中和率が40%になるように中和し、3日間透析膜精製し、精製後10質量%に正確に濃度調整したものを共重合53の水溶液とした。得られた比較共重合体共重合53の水溶液の粘度は5.6mPa・sであった。
比較合成例の共重合体を表2に示す。
<顔料分散体の調整−そのI−>
[調整例1;顔料分散体1の作成]
下記処方(1)にて、下記カーボンブラック顔料、共重合体および純水の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)で周速10m/sで10分間循環分散してブラック顔料分散体1を得た。

処方(1)
・カーボンブラック顔料 NIPEX150 16質量部
(degussa社製:ガスブラック)
・共重合体1の水溶液(固形分10.0質量%) 40質量部
・純水 44質量部
[調整例2;顔料分散体2の作成]
調整例1の処方を処方(2)とした以外は調整例1と同様にして顔料分散体2を得た。

処方(2)
・カーボンブラック顔料 NIPEX150 16質量部
(degussa社製:ガスブラック)
・共重合体1の水溶液(固形分10.0質量%) 20質量部
・純水 64質量部
[調整例3;顔料分散体3の作成]
調整例1の処方を処方(3)とした以外は調整例1と同様にして顔料分散体3を得た。

処方(3)
・カーボンブラック顔料 NIPEX150 16質量部
(degussa社製:ガスブラック)
・共重合体1の水溶液(固形分10.0質量%) 80質量部
・純水 4質量部
[調整例4;顔料分散体4の作成]
調整例1の処方を処方(4)とした以外は調整例1と同様にして顔料分散体4を得た。
処方(4)
・カーボンブラック顔料 NIPEX150 16質量部
(degussa社製:ガスブラック)
・共重合体1の水溶液を固形分20.0質量%とした水溶液 80質量部
・純水 4質量部
[調整例5;顔料分散体5の作成]
調整例1のカーボンブラック顔料をピグメントブルー15:3に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体5を得た。
[調整例6;顔料分散体6の作成]
調整例1のカーボンブラック顔料をピグメントレッド122に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体6を得た。
[調整例7;顔料分散体7の作成]
調整例1のカーボンブラック顔料をピグメントイエロー74に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体7を得た。
[調整例8;顔料分散体8の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体2の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体8を得た。
[調整例9;顔料分散体9の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体3の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体9を得た。
[調整例10;顔料分散体10の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体4の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体10を得た。
[調整例11;顔料分散体11の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体5の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体11を得た。
[調整例12;顔料分散体12の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体6の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体12を得た。
[調整例13;顔料分散体13の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体7の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体13を得た。
[調整例14;顔料分散体14の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体8の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体14を得た。
[調整例15;顔料分散体15の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体9の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体15を得た。
[調整例16;顔料分散体16の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体10の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体16を得た。
[調整例17;顔料分散体17の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体11の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体17を得た。
[調整例18;顔料分散体18の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体12の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体18を得た。
[調整例19;顔料分散体19の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体13の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体19を得た。
[調整例20;顔料分散体20の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体14の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体20を得た。
[調整例21;顔料分散体21の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体15の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体21を得た。
[調整例22;顔料分散体22の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体16の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体22を得た。
[調整例23;顔料分散体23の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体17の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体23を得た。
[調整例24;顔料分散体24の作成]
調整例23のカーボンブラック顔料をピグメントブルー15:3に変えた点以外は調整例23同様にして顔料分散体24を得た。
[調整例25;顔料分散体25の作成]
調整例23のカーボンブラック顔料をピグメントレッド122に変えた点以外は調整例23と同様にして顔料分散体25を得た。
[調整例26;顔料分散体26の作成]
調整例23のカーボンブラック顔料をピグメントイエロー74に変えた点以外は調整例23と同様にして顔料分散体26を得た。
[調整例27;顔料分散体27の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体18の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体27を得た。
[調整例28;顔料分散体28の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体19の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体28を得た。
[調整例29;顔料分散体29の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体20の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体29を得た。
[調整例30;顔料分散体30の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体21の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体30を得た。
[調整例31;顔料分散体31の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体22の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体31を得た。
[調整例32;顔料分散体32の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体23の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体32を得た。
[調整例33;顔料分散体33の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体24の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体33を得た。
[調整例34;顔料分散体34の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体25の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体34を得た。
[調整例35;顔料分散体35の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体26の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体35を得た。
[調整例36;顔料分散体36の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体27の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体36を得た。
[調整例37;顔料分散体37の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体28の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体37を得た。
[調整例38;顔料分散体38の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体29の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体38を得た。
[調整例39;顔料分散体39の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体30の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体39を得た。
[調整例40;顔料分散体40の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体31の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体40を得た。
[調整例41;顔料分散体41の作成]
調整例1の共重合体1の水溶液を共重合体32の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして顔料分散体41を得た。
<顔料分散体の調整−そのII−>
[調整例50;顔料分散体50の作成]
調整例1の合成例1の水溶液を調整例50の水溶液に変えた点以外は調整例1と同様にして調整例50比較顔料分散体50を得た。
[調整例51;顔料分散体51の作成]
調整例50のカーボンブラック顔料をピグメントブルー15:3に変えた点調整例50と同様にして顔料分散体51を得た。
[調整例52;顔料分散体52の作成]
調整例50のカーボンブラック顔料をピグメントレッド122に変えた点以外は調整例50と同様にして顔料分散体52を得た。
[調整例53;顔料分散体53の作成]
調整例50のカーボンブラック顔料をピグメントイエロー74に変えた点以外は調整例50と同様にして顔料分散体53を得た。
[調整例54;顔料分散体54の作成]
調整例50の共重合体50の水溶液を共重合体51の水溶液に変えた点以外は調整例50と同様にして顔料分散体54を得た。
[調整例55;顔料分散体55の作成]
調整例50の共重合体50の水溶液を共重合体52の水溶液に変えた点以外は調整例50と同様にして顔料分散体55を得た。
<インクジェット用インクの製造方法>
[実施例1]
下記処方の材料を30分間混合攪拌し、インクを作成した。
・調整例1の顔料分散体1(顔料濃度16質量%) 50.0質量部
・1,3−ブタンジオール 15.0質量部
・グリセリン 20.0質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 1.0質量部
・2,2−トリメチルー1,3−ペンタンジオール 1.0質量部
・FS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル (Dupont社製、成分40質量%) 2.5質量部
・純水 10.5質量部
[実施例2]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体2に変えた点以外は同様にして実施例2のインクを得た。
[実施例3]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体3に変えた点以外は同様にして実施例3のインクを得た。
[実施例4]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体4に変えた点以外は同様にして実施例4のインクを得た。
[実施例5]
下記処方の材料を30分間混合攪拌し、インクを作成した。
・調整例1の顔料分散体1(顔料濃度16質量%) 50.0質量部
・1,3−ブタンジオール 15.0質量部
・グリセリン 20.0質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 1.0質量部
・2,2−トリメチルー1,3−ペンタンジオール 1.0質量部
・FS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル (Dupont社製、成分40質量%) 2.5質量部
・アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン:
(昭和高分子株式会社製、ポリゾールROY6312) 6.0質量部
・純水 4.5質量部
[実施例6]
下記処方の材料を30分間混合攪拌し、インクを作成した。
・調整例5の顔料分散体5(顔料濃度16質量%) 40.0質量部
・1,3−ブタンジオール 15.0質量部
・グリセリン 20.0質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0質量部
・フッ素系界面活性剤(KF−643) 1.0質量部
・FS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル (Dupont社製、成分40質量%) 2.5質量部
・純水 19.5質量部
[実施例7]
下記処方の材料を30分間混合攪拌し、インクを作成した。
・調整例6の顔料分散体6(顔料濃度16質量%) 40.0質量部
・1,3−ブタンジオール 15.0質量部
・グリセリン 20.0質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0質量部
・フッ素系界面活性剤(KF−643) 1.0質量部
・FS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル (Dupont社製、成分40質量%) 2.5質量部
・純水 19.5質量部
[実施例8]
下記処方の材料を30分間混合攪拌し、インクを作成した。
・調整例7の顔料分散体7(顔料濃度16質量%) 40.0質量部
・1,3−ブタンジオール 15.0質量部
・グリセリン 20.0質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0質量部
・フッ素系界面活性剤(KF−643) 1.0質量部
・FS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル (Dupont社製、成分40質量%) 2.5質量部
・純水 19.5質量部
[実施例9]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体8に変えた点以外は同様にして実施例9のインクを得た。
[実施例10]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体9に変えた点以外は同様にして実施例10のインクを得た。
[実施例11]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体10に変えた点以外は同様にして実施例11のインクを得た。
[実施例12]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体11に変えた点以外は同様にして実施例12のインクを得た。
[実施例13]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体12に変えた点以外は同様にして実施例13のインクを得た。
[実施例14]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体13に変えた点以外は同様にして実施例14のインクを得た。
[実施例15]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体14に変えた点以外は同様にして実施例15のインクを得た。
[実施例16]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体15に変えた点以外は同様にして実施例16のインクを得た。
[実施例17]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体16に変えた点以外は同様にして実施例17のインクを得た。
[実施例18]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体17に変えた点以外は同様にして実施例18のインクを得た。
[実施例19]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体18に変えた点以外は同様にして実施例19のインクを得た。
[実施例20]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体19に変えた点以外は同様にして実施例20のインクを得た。
[実施例21]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体20に変えた点以外は同様にして実施例21のインクを得た。
[実施例22]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体21に変えた点以外は同様にして実施例22のインクを得た。
[実施例23]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体22に変えた点以外は同様にして実施例23のインクを得た。
[実施例24]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体23に変えた点以外は同様にして実施例24のインクを得た。
[実施例25]
実施例5において、顔料分散体1を顔料分散体23に変えた点以外は同様にして実施例25のインクを得た。
[実施例26]
実施例6において、顔料分散体5を顔料分散体24に変えた点以外は同様にして実施例26のインクを得た。
[実施例27]
実施例7において、顔料分散体6を顔料分散体25に変えた点以外は同様にして実施例27のインクを得た。
[実施例28]
実施例8において、顔料分散体7を顔料分散体26に変えた点以外は同様にして実施例28のインクを得た。
[実施例29]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体27に変えた点以外は同様にして実施例29のインクを得た。
[実施例30]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体28に変えた点以外は同様にして実施例30のインクを得た。
[実施例31]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体29に変えた点以外は同様にして実施例31のインクを得た。
[実施例32]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体30に変えた点以外は同様にして実施例32のインクを得た。
[実施例33]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体31に変えた点以外は同様にして実施例33のインクを得た。
[実施例34]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体32に変えた点以外は同様にして実施例34のインクを得た。
[実施例35]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体33に変えた点以外は同様にして実施例35のインクを得た。
[実施例36]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体34に変えた点以外は同様にして実施例36のインクを得た。
[実施例37]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体35に変えた点以外は同様にして実施例37のインクを得た。
[実施例38]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体36に変えた点以外は同様にして実施例38のインクを得た。
[実施例39]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体37に変えた点以外は同様にして実施例39のインクを得た。
[実施例40]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体38に変えた点以外は同様にして実施例40のインクを得た。
[実施例41]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体39に変えた点以外は同様にして実施例41のインクを得た。
[実施例42]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体40に変えた点以外は同様にして実施例42のインクを得た。
[実施例43]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体41に変えた点以外は同様にして実施例43のインクを得た。
[実施例44]
下記処方の材料を30分間混合攪拌し、インクを作成した。
・調整例1の顔料分散体1(顔料濃度16質量%) 50.0質量部
・1,3−ブタンジオール 35.0質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 1.0質量部
・2,2−トリメチルー1,3−ペンタンジオール 1.0質量部
・FS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル
(Dupont社製、成分40質量%) 2.5質量部
・純水 10.5質量部
[実施例45]
下記処方の材料を30分間混合攪拌し、インクを作成した。
・調整例22の顔料分散体22(顔料濃度16質量%) 50.0質量部
・1,3−ブタンジオール 35.0質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 1.0質量部
・2,2−トリメチルー1,3−ペンタンジオール 1.0質量部
・FS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル (Dupont社製、成分40質量%) 2.5質量部
・純水 10.5質量部
[実施例46]
下記処方の材料を30分間混合攪拌し、インクを作成した。
・調整例23の顔料分散体23(顔料濃度16質量%) 50.0質量部
・1,3−ブタンジオール 35.0質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 1.0質量部
・2,2−トリメチルー1,3−ペンタンジオール 1.0質量部
・FS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル (Dupont社製、成分40質量%) 2.5質量部
・純水 10.5質量部
[実施例47]
−共重合体の添加によるインクジェット記録用インクの作製−
下記処方の材料を30分間混合攪拌し、インクジェット記録用インクを作製した。
調製例50の顔料分散体50(顔料濃度16質量%) 50.0質量部
合成例1の共重合体1 0.5質量部
・1,3−ブタンジオール 15.0質量部
・グリセリン 20.0質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 1.0質量部
・2,2−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 1.0質量部
・ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル
(FS−300、Dupont社製、成分40質量%) 2.5質量部
・純水 10.0質量部
[実施例48]
−共重合体の添加によるインクジェット記録用インクの作製−
実施例47の共重合体1の量を0.5質量部から2.0質量部に代えた以外は、実施例47と同様にして、実施例48のインクジェット記録用インクを得た。
[実施例49]
−共重合体の添加によるインクジェット記録用インクの作製−
実施例47の共重合体1の量を0.5質量部から5.0質量部に代えた以外は、実施例47と同様にして、実施例49のインクジェット記録用インクを得た。
[実施例50]
−共重合体の添加によるインクジェット記録用インクの作製−
実施例47の共重合体1の量を0.5質量部から10.0質量部に代えた以外は、実施例47と同様にして、実施例50のインクジェット記録用インクを得た。
[実施例51]
−共重合体の添加によるインクジェット記録用インクの作製−
下記処方の材料を30分間混合攪拌し、インクジェット記録用インクを作製した。
・顔料分散体の調製例51の顔料分散体51(顔料濃度16質量%)
40.0質量部
合成例1の共重合体1 2.0質量部
・1,3−ブタンジオール 15.0質量部
・グリセリン 20.0質量部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0質量部
・ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル
(FS−300、Dupont社製、成分40質量%) 2.5質量部
・純水 17.5質量部
[実施例52]
−共重合体の添加によるインクジェット記録用インクの作製−
実施例51の顔料分散体を顔料分散体51から顔料分散体52に代えた以外は、実施例51と同様にして、実施例52のインクジェット記録用インクを得た。
[実施例53]
−共重合体の添加によるインクジェット記録用インクの作製−
実施例51の顔料分散体を顔料分散体51から顔料分散体53に代えた以外は、実施例51と同様にして、実施例53のインクジェット記録用インクを得た。
[比較例1]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体50に変えた点以外は同様にして比較例1のインクを得た。
[比較例2]
実施例3において、顔料分散体3を顔料分散体51に変えた点以外は同様にして比較例2のインクを得た。
[比較例3]
実施例4において、顔料分散体4を顔料分散体52に変えた点以外は同様にして比較例3のインクを得た。
[比較例4]
実施例5において、顔料分散体1を顔料分散体53に変えた点以外は同様にして比較例4のインクを得た。
[比較例5]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体54に変えた点以外は同様にして比較例5のインクを得た。
[比較例6]
実施例1において、顔料分散体1を顔料分散体55に変えた点以外は同様にして比較例6のインクを得た。
表3、表4、表5に分散剤として使用した実施例、表6に添加剤として使用した実施例、及び表7に比較例を示す。
次に、以下に示す評価方法にて、実施例1〜53および比較例1〜6の各インクジェット用インクを評価した。結果を下記表8示す。
<画像濃度>
23℃50%RH環境下で、インクジェットプリンター(リコー製IPSiO GX5000)に作成したインクを充填し、Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作成した64pointのJIS X 0208(1997),2223の一般記号が記載されているチャートをMyPaper(株式会社リコー製)に打ち出し、印字面の前記記号部をX−Rite938にて測色し、下記評価基準により判定した。
なお、JIS X 0208(1997),2223は、外形が正四方形であって、記号全面がインクにより塗りつぶされている記号である。
印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
AA :ブラック:1.25以上、マゼンタ:1.00以上、
シアン:1.00以上、イエロー:0.85以上、
A :ブラック:1.2以上、マゼンタ:0.95以上、
シアン:0.95以上、イエロー:0.8以上、
B :ブラック:1.15以上、マゼンタ:0.9以上、
シアン:0.9以上、イエロー:0.75以上、
C :ブラック:1.10以上、マゼンタ:0.85以上、
シアン:0.85以上、イエロー:0.7以上、
D :ブラック:1.10未満、マゼンタ:0.85未満、
シアン:0.85未満、イエロー:0.70未満、
<インク保存安定性>
各インクをインクカートリッジに充填して60℃で2週間保存し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化を下記基準により評価した。
[評価基準]
AAA:粘度の変化が±2%未満
AA :粘度の変化が±3%未満
A :粘度の変化が±3%以上±6%未満
B :粘度の変化が±6%以上±10%未満
C :粘度の変化が±10%以上±20%未満
D :粘度の変化が20%以上
<インク吐出安定性>
吐出安定性については、印刷物を印刷した後、プリンタヘッドにキャップした状態でプリンタを50℃の環境下で1ヶ月放置した。放置後のプリンタの吐出状態が初期の吐出状態に回復するか否かを下記のクリーニング動作回数によって、下記評価基準に従い評価した。
[評価基準]
AA:クリーニング無しで印刷できた。
A :1〜3回の動作により回復した。
B :4〜5回の動作により回復した。
C :6〜10回の動作により回復した。
D :10回以上の動作によっても回復がみられなかった。
(実施例の内容)
上記表を俯瞰するとよく理解されるように、実施例1〜4は、顔料と共重合体の比率を変えたものであり、実施例5は、インクの組成を変えたもの、実施例6〜8は、顔料とカラー顔料に変えたものである。
また、実施例9は、構造単位3を変えたもの、実施例10〜12は、一般式(1)の中和塩基による中和率を変えたもの、実施例13、14は、一般式(2)のR2のメチル基を水素に変え、一般式(3)のR4,一般式(4)のR5の水素をメチル基に変えたものである。
また、実施例15〜19は、一般式(2)のR2、R3、n、mを変えたもの、実施例20〜23は、一般式(1)のM(中和塩)を変えたもの、実施例24〜28は、一般式(1)のR1をメチル基から水素に変えたものである。
そして、実施例29は、実施例24の一般式(4)を一般式(3)に変えたもの、実施例30、31は、一般式(1)のk、lのいずれかを変えたもの、実施例32〜43は、一般式(1)、一般式(2)と一般式(3)又は一般式(4)の比率及び粘度を変えたものである。
さらに、実施例44〜46は、グリセリンの無いインク組成としたもの、実施例47〜53は、共重合体を添加剤として使用したものである。
上記評価結果から、少なくとも前記一般式(1)で表される構成単位と、前記一般式(2)で表される構成単位、及び前記一般式(3)で表される構成単位、又は前記一般式(4)で表される構成単位の共重合体をインク組成分として含有する本発明のインクでは、いずれも画像濃度、インク保存安定性、インク吐出安定性が優れており、実用において問題となる特性は見られない。
実施例1〜53と比較例1〜6との比較で、本発明のインクは、画像濃度が高く保存安定性、吐出安定性が同等以上であることがわかる。
更に実施例どうしの比較から以下のことがわかる。
実施例1と10〜12の比較から一般式(1)の中和塩基による中和率が違っても効果が得られることがわかる。
実施例1、5〜8と24〜29の比較から一般式(1)のR1がメチル基でも水素のいずれであっても同様の効果が得られることがわかる。
実施例1と13、14の比較から一般式(2)のR2、一般式(3)のR4、一般式(4)のR5が、メチル基でも水素であっても同様の効果が得られることがわかる。
実施例1、20〜23から一般式(1)の中和塩の種類によらず効果が得られ、アルカリ金属塩よりも有機アミンが保存安定性が優れることがわかる。
実施例1、15〜19の比較で、一般式(2)のR2、R3、n、mを変えても効果が得られ、R2、R3がメチル基で、nが9、mが0の時に優れることがわかる。
実施例1、30、31より一般式(1)のk,lを変えても効果が得られ、kが1、lが0の時に優れることがわかる。
実施例32〜43より、一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)の比率を変えても効果があることがわかる。
実施例1〜35と36〜39との比較から、一般式(1)の比率が10〜60質量%で、リン酸基を含む共重合体の固形分10質量%水溶液の粘度が1.5〜30.0mPa・sで、保存安定性、吐出安定性において同等以上であることがわかる。
実施例1〜39と40〜43との比較から、一般式(1)の比率が10〜60質量%で、保存安定性においても優れていることがわかる。
実施例1、6〜8、24、26〜28より顔料の色によらず効果が得られることがわかる。
実施例1、5、24、25よりインクの処方によらず効果が得られることがわかる。
実施例1、22、23と44、45、46の比較からグリセリンが含まれていると吐出安定性が優れることがわかる。
本発明のインクでは、カルシウムイオンとの反応による凝集効果により、各色インクで、画像濃度が明らかに優れ、インク保存安定性について同等以上であることが分かる。
すなわち、本発明は、インクの保存安定性が良好で、しかも乾燥性が良好であり普通紙や印刷用塗工紙で高い画像濃度が得られ、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができる。本発明のインク記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用できる。インクジェット記録方式による記録装置としては、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機などが適用できる。
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 再度カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジ外装
特開2011−122072号公報 特開2009−197211号公報

Claims (13)

  1. 水と、水溶性溶剤と、顔料と、リン酸基を含む共重合体と、を含有するインクジェット記録用インクにおいて、
    前記リン酸基を含む共重合体が、下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位と、下記一般式(3)で表される構造単位、または下記一般式(4)で表される構造単位を少なくとも有し、
    前記リン酸基を含む共重合体が顔料分散剤であり、
    前記リン酸基を含む共重合体における一般式(1)の含有率が10質量%〜60質量%であり、
    前記リン酸基を含む共重合体の固形分10質量%水溶液の粘度が30.0mPa・s以下であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
    [一般式(1)中のR1は水素原子またはメチル基を表す。Mは、プロトン、アルカリ金属イオンまたは有機アンモニウムイオンを表す。k、lはそれぞれ0から6の整数を表す但し、k、lの範囲は同時に0であってはならない
    [一般式(2)中のR2は水素原子またはメチル基を表す。R3は炭素数が1〜4のアルキル基を示す。n、mは0〜30の整数を示す。但し、n+mは2〜30である。]
    一般式(3)中のR4は水素原子またはメチル基を表す。
    一般式(4)中のR5は水素原子またはメチル基を表す。
  2. リン酸基を含む共重合体の固形分10質量%水溶液の粘度が1.5mPa・s以上である請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  3. アルカリ金属イオンまたは有機アンモニウムイオンによる中和率が、50%以上である請求項1から2のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  4. リン酸基を含む共重合体の一般式(1)のkが1、lが0である請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  5. リン酸基を含む共重合体の一般式(2)のnが9、mが0である請求項1から4のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  6. リン酸基を含む共重合体の一般式(1)の が有機アンモニウムイオンである請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  7. 少なくとも水、水溶性溶剤、顔料、及びリン酸基を含む共重合体を有するインクジェット記録用インクにおいて、
    前記リン酸基を含む共重合体が下記一般式(5)で表されるモノマーと、下記一般式(6)で表されるモノマーと、下記一般式(7)で表されるモノマー、または下記一般式(8)で表されるモノマーの3種のモノマーを少なくとも出発物質として合成され
    前記リン酸基を含む共重合体が顔料分散剤であり、
    前記リン酸基を含む共重合体における一般式(5)の含有率が10質量%〜60質量%であり、
    前記リン酸基を含む共重合体の固形分10質量%水溶液の粘度が30.0mPa・s以下であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
    [一般式(5)中のR6は、水素原子またはメチル基を表す。k、lはそれぞれ0から6の整数を表す但し、k、lの範囲は同時に0であってはならない
    [一般式(6)中のR7は水素原子またはメチル基を表す。R8は炭素数が1〜4のアルキル基を示す。n、mは0〜30の整数を示す。但し、n+mは2〜30である。]
    一般式(7)中のR9は水素原子またはメチル基を表す。
    一般式(8)中のR10は水素原子またはメチル基を表す。
  8. 水溶性溶剤として少なくともグリセリンを含む請求項7に記載のインクジェット記録用インク。
  9. リン酸基を含む共重合体の固形分10質量%水溶液の粘度が1.5mPa・s以上である請求項7から8のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
  11. 請求項1から9のいずれかに記載のインクジェット記録用インクにインク飛翔手段を介して刺激を印加し、記録ヘッドからインクジェット記録用インクを飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録物の製造方法。
  12. 請求項1から9のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを記録ヘッドから飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔手段を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  13. 請求項1から9のいずれかに記載のインクジェット記録用インクにより記録された画像を記録媒体上に有してなることを特徴とするインク記録物。
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