JP6278784B2 - フロントフォーク - Google Patents

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Description

本発明は、フロントフォークに関し、特に、空気ばね式のフロントフォークに関する。
従来、二輪車の緩衝装置には、特許文献1で開示される空気ばね式のものが知られている。これは、ケーシングをピストンにより上下2つの緩衝室に区画するものである。これによれば、ピストンによる押圧力が緩衝室側にかかり、緩衝室側の空気を圧縮し、このとき緩衝室側の空気が負圧状態となるので、結果として緩衝力を得るものである。
しかし、緩衝室側の空気が圧縮されたときに、緩衝室側に大きな内圧が繰り返し発生し、ピストン外周に通常設けられるエアパッキン等の封止部材にこの内圧が繰り返しかかるので、この封止部材に耐久性劣化を招く可能性を有し、緩衝性能劣化の要因となる可能性を有していた。
特公平4−27413号公報
本発明は、こうした問題を鑑みてなされたものであり、緩衝室に過度な圧力がかからないようにして緩衝性能の劣化を抑制し、加えて圧側行程での応答性を高めることを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係るフロントフォークの構成として、ホルダ部材と、このホルダ部材より突出する長手状の内シリンダと、上記内シリンダ内に収容され、上記ホルダ部材との間で内シリンダ内に緩衝室を形成するピストンと、上記内シリンダの外周を被い、上記内シリンダの外周とで間隙を形成するように上記ホルダ部材より突出する外シリンダと、上記外シリンダの外周とで一定間隔のスペースよりなる外緩衝室を形成するようにホルダ部材より突出するとともに、上記内シリンダ及び外シリンダよりも長さの長い最外シリンダと、上記最外シリンダの外周を被うとともに車体側より上記ホルダ部材方向に突出し、かつ上記最外シリンダの外周に摺動する摺動筒と、上記摺動筒の一端開口を封止するキャップ部材と、一端が上記キャップ部材に保持され、他端が上記ピストンに取り付けられる筒状のロッドと、上記外シリンダの一端開口を封止するとともに上記ロッドの移動をガイドするロッドガイドと、上記キャップ部材より突出し、かつ上記最外シリンダの内周と外シリンダの外周との間に位置する保持筒と、上記保持筒の先端側で保持されたリングピストン部材とを備えたフロントフォークであって、上記ロッドの一端及び保持筒の一端を同一のキャップ部材に取り付けて連動させ、上記ロッドが上記緩衝室の内部方向に、保持筒が外緩衝室の内部方向に共に進退可能とし、上記リングピストン部材を上記外緩衝室の内周と外周に気密を保って摺動するリング体より構成したので、緩衝室に作用するピストンからの圧力をリングピストン部材によって外緩衝室側に振り分けることができるので、緩衝室側の受ける負担、例えばピストンの外周側に設けられる封止部材、シールなどの耐久性の低下を防止できる。
また、本発明に係るフロントフォークの他の構成として、リングピストン部材のリング体は、外緩衝室を本体側の上部空間と、下部空間とに区画するものであって、この外緩衝室に上記上部空間と下部空間との間の空気の流れを一定量に絞る絞り部材を設けたので、下部空間側の圧縮を適度の状態に保つことができるので、リング体に作用する反力が過大とならず緩衝性能を所期の状態に保つことができる。
また、本発明に係るフロントフォークの他の構成として、上記絞り部材は、リング体の半径方向厚肉部分に形成され、かつ下部空間から上部空間方向に延長する取付孔内に挿入された筒体を備え、この筒体の内孔は、空気の流れに一定の絞りを付与する内径寸法に設定されたので、リングピストン部材のリング体による下部空間内で圧縮された空気が内孔を流れることにより、内孔に設定された絞り量に基づいて調整された反力を得ることができるので、所期の減衰性能、緩衝性能を得ることができる。
また、本発明に係るフロントフォークの他の構成として、上記リング体には、空気を下部空間から上部空間方向に流れにくくするとともに反対方向に流れ易くするチェックバルブ部材を設けたので、下部空間から上部空間方向への空気の流れ、上部空間から下部空間方向への空気の流れが異なるように制御できるとともに、上部空間から下部空間方向への空気の流れを良くして、上部空間の空気圧の上昇を防ぐことができる。
また、本発明に係るフロントフォークの他の構成として、上記リング体には、空気を上部空間から下部空間方向に流れにくくするとともに反対方向に流れ易くするチェックバルブ部材を設けたので、上部空間から下部空間方向への空気の流れ、下部空間から上部空間方向への空気の流れが異なるように制御できる。
また、本発明に係るフロントフォークの他の構成として、チェックバルブ部材は、リング体の半径方向厚肉部分に形成され、かつ、下部空間から上部空間方向に延長する取付孔に収容されて、下部空間から上部空間方向の空気の通過を阻止し、反対方向の空気のみを通過するボール弁より成るので、下部空間側から上部空間方向への空気の圧力が生じる圧側行程においてチェックバルブ部材のボールが取付孔を塞ぐため、下部空間側から上部空間方向へ向かう空気の流れを阻止する閉成状態が維持されて一定量に制限された制動力(減衰力)を得ることができる。また、上部空間側から下部空間方向への空気の圧力が生じる伸側行程においてチェックバルブ部材のボールが上部空間側の空気圧で押圧されて取付孔を開放するため、上部空間側から下部空間方向へ向かう空気を通過させる開成状態となり、上部空間内の空気圧を低下させてリング体の上方向への円滑な移動を可能にすることができる。
また、本発明に係るフロントフォークの他の構成として、上記リング体は、保持筒の先端側内周に螺入された基部を有し、かつ上記基部より突出するとともに上記外緩衝室の内周に摺接する外シールと、外緩衝室の内側に摺接する内シールとを備えた先端外周を有するので、保持筒の上下動により、リング体をピストンと同じ位置関係を保って上下に摺動させることができる。
フロントフォークの断面図である。 フロントフォークの要部拡大断面図である。要部斜視図である。 フロントフォークの要部斜視図である。
図1は、本発明に係るフロントフォークの一実施形態を示す断面図である。同図において1は車軸側(車輪側)に取付けられるホルダ部材であり、このホルダ部材1は、車軸取付孔1aに貫通される車軸を締め付ける締付けボルト1bを下部側に有し、ホルダ部材1の側部側に、所定容量の円柱状の空気室1c及びこの空気室1cを封止する栓部1dを有する。栓部1dには、空気室1cへの空気の出し入れを可能にするバルブ1kを備える。バルブ1kを介して出入りする空気は、栓部1dに取り付けられたチューブ保持部1fに接続されたチューブ1jを介して空気室1cとともに後述するフォーク本体Sの内部への空気の出し入れを可能に構成される。
また、側部側にはブレーキキャリパ取付部1i及び車速センサ取付部1t、27は、ホルダ部材1の側部において突出するように上下一対に形成され、車輪外周の一部を被い保護するフェンダーを固定するためのフェンダー取付部などを備える。なお、1yは割部である。
このホルダ部材1と車体との間に、伸縮自在な長手状の緩衝装置としてのフォーク本体Sが保持される。
上記フォーク本体Sの内部中央には、細筒体よりなるロッド2が位置される。このロッド2の先端側は、後述のシリンダ4の開口より挿通される。このロッド2の先端にはピストン3が固定される。シリンダ4は、下部がホルダ部材1に封止状態で固定され、先端側が上方向に突出するものでピストン3を収容する空間を形成する。上記ピストン3は、シリンダ4の内周を上下に摺動するように上部に設けられたロッド2で操作される。
上記ピストン3は、下部にホルダ部材1方向(車軸方向)に開口する穴3aを有し、外周には上下に隣接して設けられたリング溝3b,3cを有し、このリング溝3b,3cにリングシール3dが嵌着される。これによりピストン3の外周はシリンダ4の内周との間で気密性を保持しつつ上下方向に摺動する。
ピストン3の天部3eの上面には、外周が上側に向けて先細りとなるテーパー状の凸部3hが形成される。凸部3hの天部3e側には、当該凸部3hの直径方向に貫通して凸部3hの側部に開口する開口孔3fが十字状に設けられる。また、凸部3hには、上端から中途部にかけて上下方向に延長し、ロッド2の下端側にピストン3を取付けるためのロッド取付穴3kを備える。ロッド取付穴3kの内周は、上述のロッド2の下端側外周が螺入し、ピストン3を固定するためのねじ穴として形成される。ロッド取付穴3kの底部には、開口孔3fに連通する孔3gを備える。したがって、ピストン3が取付けられた状態においてロッド2の貫通孔2aは、孔3g、凸部3hの側部より開口する開口孔3fから後述のばね25外周のスペース2b及びシリンダ4の上端の孔4bを介してシリンダ4の外周4aと後述の外シリンダ7の内周7bとの間隙5に連通する。凸部3hの外周は、後述のばね25が着座するばね座3mとして機能する。
上記シリンダ4の底部、すなわちホルダ部材1側は、リング状のシリンダ取付枠1gにより気密を有して固定される。また、空気室1cは、ホルダ部材1の一部を加工してシリンダ4と平行するように形成され、シリンダ取付枠1gよりも下側に形成された連通路1hを介してシリンダ4の内部と連通する。空気室1c及びピストン3よりも下側のシリンダ4内のホルダ部材1との間で囲まれた空間31により緩衝室Bが形成される。上述の連通路1hには、空間31内に油の注入出を可能にする例えばワンタッチカプラからなる油入出バルブ1uがホルダ部材1の外部に露出するように取り付けられる。この油入出バルブ1uを介して緩衝室B内に非圧縮性の油を注入することで緩衝室Bの容積を調節可能となっている。
また、空気室1cの栓部1dに一端が接続されたチューブ1jの他端が、空気室1c、連通路1hを経由してシリンダ4の内部の所定高さに位置するように挿入される。このチューブ1jは、緩衝室B内の容積を変化させるために油入出バルブ1uから緩衝室B内に注入された油が、緩衝室B内の空気圧の調整時に、排出されないようにするために設けられている。
なお、1mは、Oリングである。上記シリンダ4は、ホルダ部材1側からフォーク本体Sの全長のほぼ中央付近まで先端側が延長する長さの寸法となっている。
ホルダ部材1には、内周がシリンダ4の根元外周よりやや離れる傾斜面1wとなって上方に突出する保持筒1nが設けられ、この保持筒1nの内側に外シリンダ7の根元側外周が嵌着される。この外シリンダ7は、シリンダ4と同軸を保って、かつ内周7bがシリンダ4の外周4aとで間隙5を保持しつつ上方に延長する。つまり、シリンダ4は、外シリンダ7の内周側に位置する内シリンダである。
外シリンダ7の下端よりも下側のホルダ部材1の内周には、リング状に形成されたリング溝43の一部より孔1wがホルダ部材1の側部表面に延長する。孔1wには、ホルダ部材1の外部に露出するように例えばワンタッチカプラからなる油入出バルブ1vが取り付けられる。これにより、油入出バルブ1vから孔1w及びリング溝43を介して間隙5、後述の内緩衝室Z内に油の注入出が可能となり、内緩衝室Z内に非圧縮性の油を注入することで内緩衝室Zの容積が調節可能となっている。
また、保持筒1nの外周には、外シリンダ7の外周7aとで一定間隙のスペース8を形成するように最外シリンダ9の根元側内周が嵌着される。上記スペース8は、本願の外緩衝室Mを形成する。なお、1qはOリング、1zはねじ部である。この場合、外シリンダ7はシリンダ4より上方が僅かだけ延長しているが、最外シリンダ9はシリンダ4及び外シリンダ7よりも相当程度長く設定されている。
11は、最外シリンダ9よりも大径の摺動筒であり、この摺動筒11は、最外シリンダ9の外周9aを囲むように車体側のキャップ部材12側からホルダ部材1方向に延長する。摺動筒11の内周には、最外シリンダ9との封止状態を維持しつつ摺動を可能に互いを支持する軸受11a;11bが上部側及び下部側のそれぞれに設けられる。これによりホルダ部材1に取り付けられる車軸側チューブとしての最外シリンダ9、車体側に取り付けられる車体側チューブとしての摺動筒11とが互いに摺動自在に構成される。また、摺動筒11の先端側内周には、最外シリンダ9の外周9aとで気密を保持する封止部材10を有している。
上記摺動筒11の上端開口が上記キャップ部材12で封止される。このキャップ部材12の上部側の筒状基部12aの外周側には、摺動筒11の上部内周に螺合するねじ部12b及び封止部材としてのOリング12cを有する。この基部12aの下部側は小径に絞られて、この小径筒12dの内周にロッド保持体12eの上部外周が螺合される。このロッド保持体12eの内周にロッド2の上端外周がねじ部12wを介して螺着されて、ロッド2はホルダ部材1方向に延長している。また、小径筒12dの下端とロッド保持体12eのフランジ12xとの間には、ハット状の保持体12fが取り付けられ、この保持体12fの外周に保持筒13の上端側内周が螺着される。これにより、保持筒13は、ロッド2と同軸を保ってキャップ部材12側から突出し、ホルダ部材1方向に延長する。なお、保持筒13には、軽量化のための長孔13mが形成され、その下端は、ピストン3とほぼ同一位置まで延長するように寸法設定される。
また、キャップ部材12には、ロッド2の内周側空間(貫通孔2a)と連通し、後述の内緩衝室Zに空気を注入するためのバルブ12vと、後述の外緩衝室Mに空気を注入するためのバルブ12wが設けられて、内緩衝室Zの空気圧及び外緩衝室Mの空気圧が調整可能に構成される。
6は、ロッドガイドであり、筒状の上側基部6aの外周側より下方に突出する筒体6bを有する。このロッドガイド6は、筒体6bの外周が外シリンダ7の上端内周に螺着して外シリンダ7に取り付けられ、外周に設けられた封止部材により外シリンダ7との気密が保たれる。ロッドガイド6が外シリンダ7に取り付けられたときに、筒体6bの下端がシリンダ4の上端と当接してシリンダ4を上端側から支持をする。また、筒体6bの内周側には、ロッド2が貫通するリング状の仕切り片6cを内周中央に有するシール保持筒6dが装着される。このシール保持筒6dの内周側の仕切り片6cの上下のリング状溝にリング状のシール材6sがそれぞれ封止方向を逆向きにして嵌装される。これによりロッド2は、シール材6sにより気密を保った状態でロッドガイド6に対して上下方向に摺動自在になっている。このようにロッドガイド6が外シリンダ7及びロッド2と気密状態を維持するように取り付けられたことにより、外シリンダ7の内周とシリンダ4の外周とで形成される間隙5からなる空間と、ロッド2の貫通孔2aからなる空間と、ばね25が収容されるスペース2bからなる空間とにより1つの空気室を構成し、フォーク本体Sの緩衝動作における内緩衝室Zとして形成される。
なお、シール保持筒6dの開口端面には、下方のシール材6sを保持するシール止め片6eが設けられる。このシール止め片6eの下面側には、ピストン3の凸部3hの外周に形成されたばね座3mと対をなすばね座6fが設けられる。
ばね座6fとばね座3mとの間には、2つのばね25;25が上下に設けられる。上側のばね25と、下側のばね25との間にはリング状の台部6mが設けられ、これにより上下のばね25の内周を保持して上下のばね25の型崩れを防止する。
上記ばね座6fには上側のばね25の上端が取り付けられ、ばね座3mには下側のばね25の下端が取り付けられる。これにより、ピストン3がキャップ部材12方向(上方向)に移動するのに伴いばね25は次第に圧縮されてピストン3を下方に押し戻す方向に力を付勢するリバウンドスプリングとして機能する。ロッド2の所定位置の外周にはストッパ2gが位置される。このストッパ2gは、固定具2nの外周にねじ止めされた止め具2mの下面に保持される。上記ストッパ2gは、ロッド2が下方に摺動する場合に、ピストン3が一定位置まで移動したときにロッドガイド6の上端に当接してピストン3及びロッド2及び保持筒13の下方への移動を規制する働きを有する。
図2,図3において、保持筒13の下端側にリングピストン部材14が設けられる。上記リングピストン部材14は、上記外シリンダ7の外周7aと、最外シリンダ9の内周9bとの間のスペース8を上部空間16と、下部空間17とに区画するリング体15を備える。このリング体15には、上記上部空間16及び下部空間17の間の空気の流通を可能にするとともに、流通する空気の流量を一定に絞る絞り部材18が設けられている。なお、上記リング体15は、保持筒13の先端側内周のねじ部15xに、切欠き15yを有する薄肉の基部15cの外周が螺入されて取り付けられる。
このリング体15は、基部15cより下端側が上記保持筒13の下端より突出し、その外周15d側に最外シリンダ9の内周9bに摺接する外シール15eと、外シリンダ7の内周7b側に摺接する内シール15fとを備えている。これにより、保持筒13の上下動により、リング体15は、ピストン3と同じ位置関係を保って最外シリンダ9と外シリンダ7との間を上下に摺動する。
リング体15の半径方向厚肉部分15aの外シール15eよりも保持筒13側には、厚肉部分15aを貫通する孔15pが設けられている。
上記絞り部材18は、リング体15の半径方向肉厚部分15aに形成され、かつ下部空間17から上部空間16方向に(フォーク本体Sの中心軸に沿って)延長する取付孔15bと、この取付孔15bの内周のねじ部15gに螺入された筒体18aを備える。この筒体18aの内孔18bは、空気の流量に一定の絞りを付与する程度の内径を有する絞り孔として機能する。この場合、リング体15に絞り部材18を1個設けているが、複数の取付孔15bをリング体15に設けてそれぞれに筒体18aを取り付け、複数の絞り部材18をリング体15に設けるようにしても良い。
また、上記リング体15には、上記下部空間17からの上部空間16への空気の流れを制御するチェックバルブ部材19を設けている。すなわち、リング体15の肉厚部分15aに、取付孔15bと同様な取付孔15t(図示では3個)を設けて、これら取付孔15tのそれぞれにチェックバルブ部材19を挿入し、装着している。この場合、上記チェックバルブ部材19は、取付孔15tに螺入される保持筒体19a、ボール(弁)19b、制御筒19c、制御ばね19d、ばね押さえ19e等よりなる。
伸側行程において、上部空間16側から下部空間17方向に向かう空気K(図2中破線矢印で示す)によりボール19bが制御ばね19dに抗して押圧されてボール19bは開弁状態となり、空気Kの下部空間17方向への流れを許容する。
一方、圧側行程において、下部空間17側から上部空間16方向への空気Kの流れ(空気圧)に対しては、ボール19bは、制御ばね19dの押圧力で閉弁状態を維持するので、空気Kは、リングピストン部材14における筒体18aの内孔18bのみを通過し、一定の絞りが与えられて上部空間16方向に流れる。
このように、圧側行程では、下部空間17側の空気が僅かな空気の漏れ状態で圧縮されるので、リング体15に対して十分な反力を与え得る。
以上の構成において、フォーク本体S内には、ロッド2の貫通孔2aの内周で形成される空間、スペース2b及び隙間5により内緩衝室Zが形成され、ピストン3を収容するシリンダ4内部の空間31及び空気室1cにより緩衝室Bが形成され、外シリンダ7と最外シリンダ9との間のリング状のスペース8及び摺動筒11と外シリンダ7との間の空間により外緩衝室Mが形成される。内緩衝室Z、緩衝室B及び外緩衝室Mは、例えばそれぞれ正圧に設定される。
このような構成におけるフォーク本体Sの圧側行程及び伸側行程の動作は次のとおりである。
[圧側行程]
まず、車体,車軸間に取り付けられるフォーク本体Sに縮む方向の力が作用し相対的に、キャップ部材12側から下方向(ホルダ部材1方向)の押圧力が作用する場合を考える。
この場合、車体側のキャップ部材12の下方向への移動によりロッド2とともにピストン3が下方向(車軸方向)に移動し、同時に摺動筒11、保持筒13も下方向に移動する。これにより緩衝室B内の空気は、ピストン3で圧縮されるため、ピストン3の動きに反力が作用して制動を与える。
また、ピストン3の移動にともなって保持筒13もロッド2、ピストン3等と同方向に移動し、リングピストン部材14のリング体15によって、外緩衝室Mの下部空間17内の空気が圧縮されるため、リング体15にも下部空間17内の空気による反力が作用するので、リングピストン部材14の動きに制限が加えられる。このとき、リング体15を挟んだ下部空間17側から上部空間16方向への空気の圧力差により、チェックバルブ部材19のボール19bが取付孔15tを塞ぐので、閉弁状態が維持され、リングピストン部材14のリング体15の内孔18bのみを介して下部空間17側から上部空間16方向に一部の空気が漏れるように移動する。この上部空間16方向へ移動する一部の空気は、リングピストン部材14の内孔18bにあらかじめ設定された内径寸法にもとづき一定の絞り、すなわちオリフィスより、ロッド2には一定に制限された制動力(減衰力)が与えられる。
また、車体側のキャップ部材12の下方向への移動にともないピストン3も下方向(車軸方向)へ移動することにより、スペース2bの容積が大きくなり内緩衝室Zの空気圧が減圧されるため、ピストン3及びリングピストン部材14の下方への移動を促すようなピストン3及びリングピストン部材14を下向きに押し出す方向の力(上述の反力と逆方向の力)が作用する。
したがって、圧側行程では、フロントフォークが縮む速度に対して緩衝室Bによる制動力、外緩衝室Mによる制動力が作用することになる。
また、縮み方向のストローク量が大きくなるにしたがって外緩衝室Mにおけるリングピストン部材14のリング体15により圧縮された下部空間17内の圧力が高くなるが、筒体18aの内孔18bで所定量に設定された一部の漏れ空気の絞り量に基づき調整された反力が与えられることになり、所期の減衰性能、緩衝性能が与えられる。
よって、ピストン3及びリング体15がホルダ部材1の底部に近づくように移動することになっても、上述の緩衝室B,外緩衝室Mにおける上向きに付勢するような空気の伸張力、及び内緩衝室Zにおける下向きに付勢するような押圧力と相まって、ロッド2等の下方向への動きに反力を与えて圧縮行程での緩衝性能を低下させることなく一定に保つことができ、所期の性能が得られる。このように本発明のフォーク本体Sによれば、圧縮行程における緩衝性能が、緩衝室B、外緩衝室M及び内緩衝室Zにより分担されることになるため、圧側行程で作用する緩衝室B、外緩衝室M及び内緩衝室Zの各空気圧のバランスを取ることにより、ピストン3の外周の封止部材にかかる力、ロッド2の外周を封止する封止部材にかかる力を軽減でき、耐久性を向上できる。
[伸側行程]
フォーク本体Sに伸び方向の力が作用し、相対的にホルダ部材1に対し、キャップ部材12側が上方向に移動する場合を考える。
この場合、ピストン3及びリングピストン部材14のリング体15には上方向の力が作用し、ロッド2及びピストン3は、上方に移動すると同時に保持筒13の移動に伴ってリングピストン部材14のリング体15も上方に移動する。
このリング体15の上方への移動により、外緩衝室Mの上部空間16の空気圧がリング体15により圧縮されて、上部空間16の空気圧が下部空間17の空気圧よりも高くなるため、上部空間16の空気圧と下部空間17の空気圧との圧力差により、リング体15に設けられたチェックバルブ部材19のボール19bを上部空間16側の空気圧で押圧して開弁させる。これにより上部空間16内の空気は、このチェックバルブ部材19及びリングピストン部材14を介して下部空間17側に流れて、上部空間16内の空気圧が低下するので、リング体15が上方向への移動に作用する反力が小さくなる。すなわち、上部空間16の圧力を低下させることにより、外緩衝室Mの上部空間16を封止する封止部材10にかかる空気圧が小さくなるため、封止部材10からの空気漏れを抑制することができる。これにより、外緩衝室Mからの空気漏れにより緩衝性能の低下が防止されるとともに、封止部材10への高圧での空気圧の印加がなくなることで、封止部材10の劣化が防止され、封止部材10の長寿命化、つまり耐久性を向上させることができる。
また、内緩衝室Zでは、ピストン3の上昇により、ピストン3の上部側のスペース2bの容積が小さくなるため、空気圧が高まり、この空気圧がピストン3の上昇の反力となって、ピストン3の上昇に制動力が作用する。
したがって、伸側行程では、ピストン3の上昇に対して内緩衝室Zによる制動力、外緩衝室Mの絞り部材18により制御された制動力が作用する。
なお、本発明は、減衰力を空気により得るタイプであるので、フォーク本体Sを上下反転して用いることもできる。
また、本発明のフォーク本体Sは、二輪車において左右一対で用いても良く、一方に本発明のフォーク本体Sを適用し、他方に従来の作動油による減衰機構を有するものを用いても良い。
以上説明したように、本発明によれば、緩衝室Bに対して内緩衝室Z及び外緩衝室Mを設けたことにより、緩衝室Bに作用するピストン3からの圧力をリングピストン部材14によって外緩衝室M側に振り分けるとともに、内緩衝室Zの容積変化に振り分けることができるので、緩衝室B側の受ける負担、例えばピストン3の外周側に設けられる封止部材、シールなどの耐久性の低下を防止できる。また、緩衝室B、外緩衝室M及び内緩衝室Z内の空気ばね力により緩衝機能を発生するので、従来の金属製のばねが不要となるため、重量を軽減できる。
また、リングピストン部材14のリング体15に絞り部材18を設けたので、下部空間17側の圧縮を適度の状態に保つことができるので、リング体15に作用する反力が過大とならず緩衝性能を所期の状態に保てる。
また、上記実施形態では、リング体15には、上記下部空間17からの上部空間16への空気の流れを制御するチェックバルブ部材19を設けるとして説明したが、
上記上部空間16からの下部空間17への空気の流れを制御するようにチェックバルブ部材19を設けても良い。すなわち、リング体15の肉厚部分15aに、さらに、取付孔15tを設けて、取付孔15tに制御ばね19d、制御筒19c、ボール19bの順に挿入し、ばね押さえ19eを保持筒体19aに取り付ければ良い。
このように上部空間16からの下部空間17への空気の流れを制御するようにチェックバルブ部材を設けることにより、上部空間から下部空間方向への空気の流れ、下部空間から上部空間方向への空気の流れが異なるように自在に制御できるので、圧側行程や伸側行程での応答性を高めることができる。
1 ホルダ部材、2 ロッド、3 ピストン、4 シリンダ、7 外シリンダ、
9 最外シリンダ、11 摺動筒、12 キャップ部材、13 保持筒、
14 リングピストン部材、15 リング体、16 上部空間、17 下部空間、
18 絞り部材、B 緩衝室、M 外緩衝室、S フォーク本体、Z 内緩衝室。

Claims (7)

  1. ホルダ部材と、
    このホルダ部材より突出する長手状の内シリンダと、
    上記内シリンダ内に収容され、上記ホルダ部材との間で内シリンダ内に緩衝室を形成するピストンと、
    上記内シリンダの外周を被い、上記内シリンダの外周とで間隙を形成するように上記ホルダ部材より突出する外シリンダと、
    上記外シリンダの外周とで一定間隔のスペースよりなる外緩衝室を形成するようにホルダ部材より突出するとともに、上記内シリンダ及び外シリンダよりも長さの長い最外シリンダと、
    上記最外シリンダの外周を被うとともに車体側より上記ホルダ部材方向に突出し、かつ上記最外シリンダの外周に摺動する摺動筒と、
    上記摺動筒の一端開口を封止するキャップ部材と、
    一端が上記キャップ部材に保持され、他端が上記ピストンに取り付けられる筒状のロッドと、
    上記外シリンダの一端開口を封止するとともに上記ロッドの移動をガイドするロッドガイドと、
    上記キャップ部材より突出し、かつ上記最外シリンダの内周と外シリンダの外周との間に位置する保持筒と、
    上記保持筒の先端側で保持されたリングピストン部材とを備えたフロントフォークであって、
    上記ロッドの一端及び保持筒の一端を同一のキャップ部材に取り付けて連動させ、上記ロッドが上記緩衝室の内部方向に、保持筒が外緩衝室の内部方向に共に進退可能とし、
    上記リングピストン部材を上記外緩衝室の内周と外周に気密を保って摺動するリング体より構成したことを特徴とするフロントフォーク。
  2. リングピストン部材のリング体は、外緩衝室を本体側の上部空間と、下部空間とに区画するものであって、
    この外緩衝室に上記上部空間と下部空間との間の空気の流れを一定量に絞る絞り部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のフロントフォーク。
  3. 上記絞り部材は、リング体の半径方向厚肉部分に形成され、かつ下部空間から上部空間方向に延長する取付孔内に挿入された筒体を備え、この筒体の内孔は、空気の流れに一定の絞りを付与する内径寸法に設定されたことを特徴とする請求項2に記載のフロントフォーク。
  4. 上記リング体には、空気を下部空間から上部空間方向に流れにくくするとともに反対方向に流れ易くするチェックバルブ部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか1項に記載のフロントフォーク。
  5. 上記リング体には、空気を上部空間から下部空間方向に流れにくくするとともに反対方向に流れ易くするチェックバルブ部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれか1項に記載のフロントフォーク。
  6. チェックバルブ部材は、リング体の半径方向厚肉部分に形成され、かつ、下部空間から上部空間方向に延長する取付孔に収容されて、下部空間から上部空間方向の空気の通過を阻止し、反対方向の空気のみを通過するボール弁より成ることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のフロントフォーク。
  7. 上記リング体は、保持筒の先端側内周に螺入された基部を有し、かつ上記基部より突出するとともに上記外緩衝室の内周に摺接する外シールと、外緩衝室の内側に摺接する内シールとを備えた先端外周を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6いずれか1項に記載のフロントフォーク。
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